July 07, 2008

2008シーズン開幕直後の4月1日レンジャーズ戦で、城島はこんな往生際の悪いコメントをしている。
「僕の足が速くて、代えられなければ、J.J.と違う…(配球ができた)」(中略)僕なら、こうリードしていた、とまでは言わなかったが、「それまでの4打席を見ているので、(マスクを)かぶりたかった」。城島は、そう正直に言って、唇をかむ。
http://mlb.yahoo.co.jp/headlines/?a=11348

状況がわからないと、このコメントの馬鹿さ加減はわからないだろう。
8回裏を迎え、シアトルは1-3で負けていた。だがマイケル・ヤングのエラー、城島のヒットで逆転のチャンスが棚ボタ式に生まれて、足の遅い城島に代走がでた。その後、イチローの俊足に処理を焦ったセカンド・キンスラーの送球ミス、ワイルドピッチでシアトルが勝ち越し。9回表、当然ながらクローザーJJプッツが登場するが、ここで誤算。逆転2ランを浴びてしまい、そのままチームは敗れた。
城島が言っているのは、「あそこで俺に代走を出したりしなければ」そして「バークでなく、俺が最終回にプッツをリードしていれば勝てた」と、タラレバを言って、同僚バークのリードを試合直後にけなしたのである。やんわり、かつ、あからさまにけなすあたり、本当に男らしくない、いやらしいネチネチとしたやり方である。
http://mlb.yahoo.co.jp/score/?gid=2008040207

この男、本当に選手同士のマナーをわかっていない。
というか、いわぬが花という言葉があるが、この男、なんでも言わずにはいられないのだ。言葉も存在も、心底から軽い男よ、としかいいようがない。

代走を送らなければ逆転がない、そう判断される場面で、チームが城島に代走を送るのは当然の戦術だ。まして開幕したばかりというのに、試合直後にチームメートのプレーについて、アレコレ批判がましいことを言うのは、アメリカのプロスポーツではあまりにも非常識。
城島を引っ込めたのはたまたまどうしようもない流れなのに、マスクを突然かぶったバークの結果がどうであれ、「次の試合では抑えたい」程度に、9回の出来事には触れずにおくのがチームメイトの礼儀というものだ。9回にはグラウンドに立っていない選手がとやかくいえる立場にはない。悔しければ、9回もまかせてもらえる捕手になっていればいいだけのことだ。

このとき再逆転のホームランを打った選手の名前をあまり誰も覚えていないだろう。ジョシュ・ハミルトン。そう。今年のオールスターにイチローを上回る得票で選出された、あのハミルトンである。クレメントは2005年のドラフト1位だが、ハミルトンは1999年のドラフト1位。
その後のハルミトンの絶好調ぶりは開幕時点では予測されていなかったし、今年のプッツの不調ぶりも同様だから、開幕わずか3戦目で、先を読めもしない城島が「俺がリードしていれば抑えられた」などと発言するのは、後になってみれば、縁の下からチームを支え続けているバークに対する暴言としかいいようがない。

このバーク、城島の3年契約のときに、こう発言している。「ジョーはリーグでも有数のエリート捕手。この契約はジョーと家族、そしてチームのために大きい」。自分が控えとしてどれだけ貢献しているかとか、試合に出たいとか、そういう願望丸出しでコメントなどしたりはしない。これがプロという見本のようなコメントである。
http://mlb.yahoo.co.jp/headlines/?a=12209

こうしたバークの堅実さを知っているからこそ、投手陣が「バークに投げたい」と思うわけで、ウオッシュバーンもかつてこんな風にバークの仕事ぶりを誉めた。
Winning pitcher Jarrod Washburn said Burke, a much-traveled, little-used catcher until landing in Seattle last year, is one of his favorites.

"I love Burkie," Washburn said. "He busted his butt for a long time to get here. Now that he's here, he works hard. And when he gets a chance, he usually makes something happen."

http://blog.livedoor.jp/damejima/archives/203802.html

「投手」バーク

そして、今日。
バークは投手が足りなくなった延長戦で、リグルマンのコメントから察するに志願したのだろう、なんと投手として最終回を投げ、敗戦投手になった。ベンチにはモローとローズ残っていたが、彼らを投げさせられない事情があったための緊急措置だが、この件についてリグルマンは「ブルームクイストやベルトレら何人かの選手が自分のところに来て、『俺も投げられる』と言ってくれた。その申し出こそが、チームに対する本当の献身。けがの危険もあるのにそう言ってくれるのは、彼らがチームメートのことを考えている証だ」と語った。
http://mlb.yahoo.co.jp/headlines/?a=14591

リグルマンのいう「何人かの選手」には、もちろん投手出身のイチローも含まれる。
Catcher Burke pitches; Mariners lose anyway
http://seattlepi.nwsource.com/baseball/369829_mari07.html
One by one, they came up to Mariners manager Jim Riggleman in the dugout.
"Skip, I can pitch if you need me to."
Willie Bloomquist. Adrian Beltre. Ichiro Suzuki. Even R.A. Dickey, who had thrown 105 pitches less than 24 hours earlier.


Tigers clip M's after Seattle sends backup catcher Burke to mound in 15th
http://sports.espn.go.com/mlb/recap?gameId=280706112
Once Ichiro Suzuki heard that backup catcher Jamie Burke was about to take the mound, he hustled over to manager Jim Riggleman and volunteered his services.


当然のことながら、マウンドに立ち、滅多にないこの非常事態に耐えたバークに、リグルマンが感謝していないわけがない。

打たれるのはわかっている場面である。いわば、負けに行くようなものだ。だからこそ、逆に、打たれた結果ではなく、志願してきた選手の献身の精神の高さを誉める。よくも悪くも、まさにアメリカ的な場面である。

このことについて城島がなんとコメントしているか。
「『これが大リーグ。思い出になる試合だった』と感心する一方で、『けがが怖いという理由でイチローさんに投げさせないのに、なんでバークなの?』と笑顔で突っ込みを入れていた。」
http://mlb.yahoo.co.jp/headlines/?a=14589

バークはたしかに城島同様に、足は遅い。だが、かつての投手経験を生かして、この日の汚れ役を引き受けたバークがある意味の大きな仕事をしたことは、監督だけでなく、投手陣も含め、チームメイトがけなすはずもない。今後、おそらくベダードとバークのコンビ再結成について、クレームをつける者はいなくなるだろう。

周囲とのこういう信頼感がバークにとっての大きな財産になっていることは、そして城島がなぜ周囲から信頼がないのか、城島などには永遠にわからない。
この九州の馬鹿の、空気の読めなさ。なぜバークよくやった、くらいのことを言ってすませておけないのか。これで、このクチだけは軽い男、バークに対して今シーズン2度目の失態なのだが、たぶん、その意味はわかってないだろう。

ハワイ移民150周年
No Ichiro, No watch.

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