August 01, 2008

価値ある勝利だった。
昨日と、今日。わずか2試合だが、比べてみれば全く違うゲームになった。昨日までの2試合で散々ミスを犯した城島をはずしただけで、こうも野球が変わるのだから、城島の悪影響の大きさがわかるというものだ。こんなに楽に勝てるというのに、昨日、一昨日と2試合のドタバタ、いったいなんだったのか?
BOX SCORE

シアトルは結局、積極的に2008夏のトレードチャンスを活用することはできなかった。長年の欠陥である選手活用の下手さもある。だが、それ以上に大きいのは
「2007シーズンの評価を大きく間違えたことによる2008シーズンの大失敗でシアトルに向いてないことがわかった大味な野球、向いてない選手をスッパリ切る見切り。そして、来シーズン以降にやるべき野球への脱皮のためにどの選手が必要で、どの選手が必要ないか見切ること」
この2つの見切りが、いまだに果たせないでいることが大きい。

(2007シーズンの評価の間違いについては、この話をするだけでブログがひとつ必要になる長い話なので割愛する。
要は、2007シーズンは2位だから成功と思っている人が多いが、あれはイチローがあまりにも打ちすぎたりで順位が偶然上がってしまっただけで、チームとして見たら失敗したシーズンという前提に語るのが当然だった、という話。そして、この勘違いは、城島問題、つまり城島の勘違いをはじめ、2008シーズンに噴出したあらゆるチームの内部問題の基礎になっている。)




シアトルが目指すべきなのは、打撃面では、もちろん今日のような偶然の長打に頼らないで楽に勝つゲーム展開だが、そのためには的確な人選と配置が急務なのはいうまでもない。

城島が打線にいる、ということは、どういうことか。
それは打線に「バントできない。四球を選べない。走れない。かといって、長打が打てるわけでもない。だから、ただただ打席でバットを振り回しさせて、運がよければ単打、だが8割以上の確率でアウト、かつ、ダブルプレーになる確率も高い、そういう孤立打者を放置しておく」そういう意味だ。

城島を放置してチーム打撃が効率的になるわけがない。城島が孤立した、ただの打線の穴なのは、なにも打率の低さ、長打の無さからだけではない。たとえ打率が人並みになろうと、この他のプレーヤーとの繋がりを築く技術も意思もないダメ打者を使う限り、戦術は限定され、かつ、得点効率の効率化は達成されない。そこが問題なのだ。
簡単な例で言えば、単打のヒット3本打っても点が入らない、そういうゲームだらけになってしまう。これではいくらイチローがヒットを積み重ねても、入る点は限られる。

わかる人にはとっくに結論が出ている。
シアトルのようなチーム、セーフコのような球場には、下位打線に、ただ馬鹿みたいにバットを振り回すだけで出塁率の稼げない、バントもできない、犠牲フライも打てない、そんな頭の悪い右打者は、全く必要ない。
その代表格が、ヤンキースにトレードされたセクソンではなく(彼は四球を選ぶ力があるために出塁率はまぁまぁあった)コネで居座り続ける城島なのは、2007年からすでにわかっていたことだ。


そんな、チームの外にいるのと同じ孤立した捕手に、マウンドに来られて、ああだこうだピッチングを非難されようものなら、投手だとて人間だ、キレるのも当然だろう。投手たちが、今年までよく我慢したものだ。



下記に、2,4回に合計4点をもぎとった場面を挙げておく。四球、エラー、つまり相手のミスにつけこんで、いやらしく点を重ねた。特に4回など、2四球と捕手バークのバントで作った1死2,3塁が綺麗に点になった。
もし、ここにバントのできない城島がいたら、プレーの選択肢は「まぁ、好きに打て」とでも指示するしかなくなり、ダブルプレーにでも終わって、チャンスは瞬時に潰れていたことだろう。

城島を推す馬鹿ファンが「日本式」だのという言葉を使いたがるが、丁寧な野球が必要な今のシアトルに最も似合わない、荒っぽく雑な野球しかできないのが、城島という選手だということ、つまり、これからのシアトルの野球に最も必要ない、いてもらっては困るのが城島だ、ということに、早く気がついたほうがいいだろう。

2回
ラヘア  ヒット
バーク  三塁失(1、3塁)
リード  犠牲フライ(ラヘア生還)
イチロー 二塁打+ライトのエラー(バーク生還)

4回
カイロ  四球
ラヘア  四球(無死1、2塁)
バーク  バント(1死2、3塁)
リード  野選(カイロ生還)
イチロー 犠牲フライ(ラヘア生還)


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