September 05, 2008
ちょうど1年とちょっと前、シアトルは首位追撃にすでに息切れして、2位は確定しつつあり、ワイルドカード争いでもすっかり敗れ去りつつあったと記憶する。つまり、ポストシーズンに出られない2位という、なんとも中途半端な成績で終わったわけである。
2007年の6月、そして7月中ほどのメジャー30球団の正捕手全員のCERA(捕手防御率)のデータを持っているのだが、7月中ごろのCERA最下位争いはこんな感じで、5点台の3人の捕手の所属チームは、全チームが地区最下位だった。
2007年7月17日
ナバーロ TB 5.59 地区最下位
レアード TEX 5.24 地区最下位
シュナイダー WSN 5.12 地区最下位
ルイス PHI 4.92(手元に記録がなくチーム順位不明)
城島 SEA 4.82 地区2位
次に、これがシーズン終了時の、この5人の捕手の、CERAと打率である。勘の悪い人を除けば、不思議なことに気がつかれることだろう。
2007年シーズン終了時
ナバーロ TB 5.50 .227 地区最下位
城島 SEA 5.03 .287 地区2位
シュナイダー WSN 4.79 .235 地区4位
レアード TEX 4.78 .224 地区最下位
ルイス PHI 4.62 .259 地区優勝
コールアップを前後して城島を除く全員がCERAが改善し、城島ひとりだけ数値が悪くなって、メジャー最低クラスの5点台という酷い数値でシーズンを終えている。
これは、ひとつにはシーズン終盤にシアトルというチームがいかに息切れしたか、ということの証でもあるし、また、シアトルの2位という順位の内容が、かろうじて死守した2位であって、首位に肉薄した2位ではないということでもある。城島がこの2007シーズン終盤にいい仕事をしたなどと、お世辞にも言えない。8月以降は打率2割を切る7月の酷い打撃をなんとか帳尻あわせしてシーズンを終えることに夢中だったに過ぎない。
そしてこの「普通なら最下位に沈むはずのCERA5点台などという正捕手がいるのに、2位を死守してしまったこと」は、シアトルの2007シーズンの評価について、ものすごく多くの人とメディアが「誤解」する大きな原因になった。つまり、多くの人が「投手さえ補強すれば、来年は、優勝できないにしても、ポストシーズンを戦えるのではないか?」と誤解したのである。
もう一度言わないとわからない人もいるだろうから、もう一度書く。
「正捕手のCERA5点台というのは、(異様に運と打撃がよくない限り)チームが地区最下位に沈むのが普通のレベルの数値」なのである。
最下位に沈んでいてもおかしくなかったシアトルは、チームもファンも、2位という順位に目がくらんで、そういうごく普通の感覚が欠けて慢心しまい、城島ごときに3年24Mもの契約を与えてしまう原因のひとつになった。実は、城島という捕手は、単に「チームがたまたま2位になってしまった年に捕手だった、運のいいだけのヘボ捕手」に過ぎなかったのである。
さて、今年、去年の、あの酷いCERAを記録した5人はどうなったか?かいつまんで、データを挙げてみる。数字は順に、CERA、打率である。城島、レアードを除いて、CERAが改善し、チームは優勝戦線を戦っている。また打撃は城島・ルイスを除き、改善がみられた。もっと詳しく、長打率などを調べると、ナバーロ、レアードあたりの今年の打撃の改善ぶりは、もっとわかってもらえるはずだ。
2007年にわかった改善点を、しっかりと改善し、チーム力アップに努めたチームは2008シーズンの首位戦線に加わって、新たな球団の歴史を作りつつある。一方で、セクソン、城島をクビにするなどして改善すべき欠陥を看過したまま2008シーズンに入ったシアトルは、5月にはすでに首位争いから脱落して、いまやメジャー最下位チームに低迷したのである。
2008年9月4日現在
ナバーロ TB 3.78 .295 地区首位
http://sports.espn.go.com/mlb/players/stats?playerId=5902&context=fielding
打率、CERAともに大きく改善。チームは激戦の東地区で初の首位を走る記念すべきシーズン。
レアード TEX 5.02 .284 地区2位
http://sports.espn.go.com/mlb/players/stats?playerId=5465&context=fielding
打撃上昇。CERAは悪化しているものの、レアード含めたチーム打撃のすさまじさで2位上昇。
シュナイダー NYM 3.89 .259 地区首位
http://sports.espn.go.com/mlb/players/stats?playerId=4388&context=fielding
ワシントンから、ロデューカを放出したメッツに移籍。打撃はやや持ち直した。CERAは大きな改善。チームの首位争いに貢献中。
ルイス PHI 3.90 .221 地区2位
http://sports.espn.go.com/mlb/players/stats?playerId=28447&context=fielding打撃はあいかわらずの不振だが、CERAは大きく改善。チームは首位争い。
城島 SEA 4.58 .209 地区最下位
http://sports.espn.go.com/mlb/players/stats?playerId=6458&context=fielding
打撃不振は極限まで達している。シーズン後半にCERAは多少改善されたものの、アリーグ首位打者が.320あたりで決まりそうな今年としては、まるでほめられる数値ではない。チームは極度の不振。
2007年の6月、そして7月中ほどのメジャー30球団の正捕手全員のCERA(捕手防御率)のデータを持っているのだが、7月中ごろのCERA最下位争いはこんな感じで、5点台の3人の捕手の所属チームは、全チームが地区最下位だった。
2007年7月17日
ナバーロ TB 5.59 地区最下位
レアード TEX 5.24 地区最下位
シュナイダー WSN 5.12 地区最下位
ルイス PHI 4.92(手元に記録がなくチーム順位不明)
城島 SEA 4.82 地区2位
次に、これがシーズン終了時の、この5人の捕手の、CERAと打率である。勘の悪い人を除けば、不思議なことに気がつかれることだろう。
2007年シーズン終了時
ナバーロ TB 5.50 .227 地区最下位
城島 SEA 5.03 .287 地区2位
シュナイダー WSN 4.79 .235 地区4位
レアード TEX 4.78 .224 地区最下位
ルイス PHI 4.62 .259 地区優勝
コールアップを前後して城島を除く全員がCERAが改善し、城島ひとりだけ数値が悪くなって、メジャー最低クラスの5点台という酷い数値でシーズンを終えている。
これは、ひとつにはシーズン終盤にシアトルというチームがいかに息切れしたか、ということの証でもあるし、また、シアトルの2位という順位の内容が、かろうじて死守した2位であって、首位に肉薄した2位ではないということでもある。城島がこの2007シーズン終盤にいい仕事をしたなどと、お世辞にも言えない。8月以降は打率2割を切る7月の酷い打撃をなんとか帳尻あわせしてシーズンを終えることに夢中だったに過ぎない。
そしてこの「普通なら最下位に沈むはずのCERA5点台などという正捕手がいるのに、2位を死守してしまったこと」は、シアトルの2007シーズンの評価について、ものすごく多くの人とメディアが「誤解」する大きな原因になった。つまり、多くの人が「投手さえ補強すれば、来年は、優勝できないにしても、ポストシーズンを戦えるのではないか?」と誤解したのである。
もう一度言わないとわからない人もいるだろうから、もう一度書く。
「正捕手のCERA5点台というのは、(異様に運と打撃がよくない限り)チームが地区最下位に沈むのが普通のレベルの数値」なのである。
最下位に沈んでいてもおかしくなかったシアトルは、チームもファンも、2位という順位に目がくらんで、そういうごく普通の感覚が欠けて慢心しまい、城島ごときに3年24Mもの契約を与えてしまう原因のひとつになった。実は、城島という捕手は、単に「チームがたまたま2位になってしまった年に捕手だった、運のいいだけのヘボ捕手」に過ぎなかったのである。
さて、今年、去年の、あの酷いCERAを記録した5人はどうなったか?かいつまんで、データを挙げてみる。数字は順に、CERA、打率である。城島、レアードを除いて、CERAが改善し、チームは優勝戦線を戦っている。また打撃は城島・ルイスを除き、改善がみられた。もっと詳しく、長打率などを調べると、ナバーロ、レアードあたりの今年の打撃の改善ぶりは、もっとわかってもらえるはずだ。
2007年にわかった改善点を、しっかりと改善し、チーム力アップに努めたチームは2008シーズンの首位戦線に加わって、新たな球団の歴史を作りつつある。一方で、セクソン、城島をクビにするなどして改善すべき欠陥を看過したまま2008シーズンに入ったシアトルは、5月にはすでに首位争いから脱落して、いまやメジャー最下位チームに低迷したのである。
2008年9月4日現在
ナバーロ TB 3.78 .295 地区首位
http://sports.espn.go.com/mlb/players/stats?playerId=5902&context=fielding
打率、CERAともに大きく改善。チームは激戦の東地区で初の首位を走る記念すべきシーズン。
レアード TEX 5.02 .284 地区2位
http://sports.espn.go.com/mlb/players/stats?playerId=5465&context=fielding
打撃上昇。CERAは悪化しているものの、レアード含めたチーム打撃のすさまじさで2位上昇。
シュナイダー NYM 3.89 .259 地区首位
http://sports.espn.go.com/mlb/players/stats?playerId=4388&context=fielding
ワシントンから、ロデューカを放出したメッツに移籍。打撃はやや持ち直した。CERAは大きな改善。チームの首位争いに貢献中。
ルイス PHI 3.90 .221 地区2位
http://sports.espn.go.com/mlb/players/stats?playerId=28447&context=fielding打撃はあいかわらずの不振だが、CERAは大きく改善。チームは首位争い。
城島 SEA 4.58 .209 地区最下位
http://sports.espn.go.com/mlb/players/stats?playerId=6458&context=fielding
打撃不振は極限まで達している。シーズン後半にCERAは多少改善されたものの、アリーグ首位打者が.320あたりで決まりそうな今年としては、まるでほめられる数値ではない。チームは極度の不振。