September 05, 2008

今年初めてのロブ・ジョンソンの先発試合。0-1で負けたが、ヘルナンデスが好投し、彼自身、ご機嫌はいいようだ。まるで「顔見世興行」のように使われた若い選手たちだが、評価については、メディアとライターによって評価が違っている。例によって日本のファンは、公式サイトでお互いを誉めあうような、いわゆる「タテマエ」記事を鵜呑みにして、これからはロブ・ジョンソンだ、とか騒いでいるようだが、英語ではgoodという表現はたいした誉め言葉にならないことくらい、貧弱な中学英語でさえも教えているのだ。しっかりしてもらいたい。
監督リグルマンも、タコマのメディアも、シアトルはすでに若い選手をテストしはじめて定着と強化をはかっているところであって、むしろ、そのテストを続行したいのだが、なにせセプテンバー・コールアップという制度がいやおうなくある、テストの対象選手を大きく広げなければならないことを、ちょっと苦々しく思っている、という空気を読みとってもらいたい。
セプテンバー・コールアップ組の選手には、今シーズンのオフ、いろいろとトレードの画策があるかもしれないと予測しておく。


これはリグルマンが残した、セプテンバー・コールアップという制度自体について、その制度の意味を疑うかにみえる、微妙なコメント。現地シアトルの来シーズンに向けた空気を読むために、このコメントは重要と考える。実際には、リグルマン自身は、コールアップ制度を批判したいというより、就任して以来せっかく試行してきた6月中旬以降の新しいロスターを大事にしたい、との考えがベースにあることを主張しておきたいから発言しているのは明らか。
http://www.thenewstribune.com/sports/mariners/story/468548.html
“Do any other sports do something like this? Don’t misunderstand – I like that the kids come up, but on a nightly basis in September, eveybody’s roster should be 25 players,” Riggleman said. “We play baseball for five months with one set of rules, then change them in the last month when races are decided.”
「こんなの、ほかのスポーツでやってるかい?誤解しないでくれよ。メジャーにやってくる新人君たちは好きさ。でも9月は基本的にナイター続きだからね、25人のプレーヤーでやるべきだよ」と、リグルマン 「5カ月もひとつのセットで野球やってきて、ペナントレースが決まる最後の月にそれを変えるって、どうなのよ?」


このリグルマンのコメントに呼応するかのような記事は、ロブ・ジョンソンにやけに好意的なシアトルタイムズではなくて、タコマの情報に詳しいニュース・トリビューンが書いているのが面白い。マイナーの選手に同情的な立場をとるとみられるメディアがむしろ「トレード」という言葉を使うのだから、わりと説得力がある。リグルマンは「チョウチョになれ」と言っているが、なにも「シアトルで」チョウチョになれとは言っていないのが、微妙な言い回しなのだ。
http://blogs.thenewstribune.com/mariners/2008/09/03/if_the_kids_are_here_they_ll_play
"we want to let them get the butterflies out with that first game action."(中略)
(リグルマン)「メジャー初体験のゲームで、タコマの新人君たちが無事にチョウチョになれることを願ってるよ。」
The Mariners have already made heavy use of rookies like Wladimir Balenien, Jeff Clement Bryan LaHair, and given starts to pitchers Ryan Rowland-Smith, Ryan Feierabend and - on Friday - Brandon Morrow.
マリナーズは既にバレンティン、クレメント、ラヘアといったルーキーのヘビーローテーションに入っているし、ローランドスミス、フィアベント、そして金曜にはモローと、新人ピッチャーたちもスタートを切っている。
Now, the team gets to hold a month-long audition that also showcases young players they may want to trade in the off-season.
さあ、チーム主催による1ヶ月もの、長いオーディションの始まりだ。それはオフシーズンにトレードを希望するかもしれない若いプレーヤーの見本市でもある。


ここからは、公式サイトのコメント。上記の2つに比べれば、選手評価という面ではどれだけ中身がかったるいかわかるというシロモノだが、別の角度から見ると興味深いコメントでもある。
http://seattle.mariners.mlb.com/news/gameday_recap.jsp?ymd=20080903&content_id=3412475&vkey=recap&fext=.jsp&c_id=sea

1●ヘルナンデスのロブ・ジョンソンについてのコメント
on the same pageという表現は「共通の見解をもつ」という意味。人気のテレビドラマシリーズ「24」などでもよく使われている英語的表現。「24」では「了解した」という意味で、copyという単語を使ったりして、独特のスピード感をセリフに持たせている。
このコメントが価値があるのは、ヘルナンデスがキャッチャーに求めている「立場」というものがよくわかること。彼は捕手に「一方通行的なリード」などというものを求めてなどいない。同じ立ち位置にいてくれれば、それでグッジョブ、と言っているのである。
"He did a great job," Hernandez said. "(中略)We were on the same page all day on which pitch to call. Yeah, he's a very good catcher."

2●ロブ・ジョンソンのヘルナンデスについてのコメント
ムービング・ファストボールは、いうまでもなく、いまのメジャー、そして五輪、WBCのような国際試合でも主流になっている球種のひとつで、ロブ・ジョンソンもその威力に驚いている。このタマへの対応が、今の日本の野球で遅れていることが、城島の不振や、五輪での情けない成績につながっていることは、こんど別の記事で書く予定。また、公式サイトのライターが、ロブ・ジョンソンを「receiver レシーバー」という単語を使って呼んでいることにも注意。
"He was on with all four of his pitches," the rookie receiver said. "You need to be on top of your game to catch him. All of his pitches move quite a bit, and his breaking ball is really sharp."

3●リグルマンのロブ・ジョンソンについてのコメント
depth chartは、ひとつのポジションの選手の間の優先出場順位のことで、スポーツの記事では非常によく出てくる言葉。depthと、1単語だけで表現されることも覚えておく必要がある。順位の高い順に、スターター (starter)、バックアップ (backup)、3番手 (third-string) となるが、捕手の場合なら、正捕手、控え捕手、3番手となる。
ここでも、リグルマンが、ジョンソンのことをキャッチャーとは言わずに、receiverレシーバーと、表現している。サッカーの場合で、前線の選手を単にフォワードと言わず、プレースタイルによって、ストライカーとか、ポストとか、シャドウとか、言い分けたりするが、地元紙にしてもリグルマンにしても、打撃の弱いロブ・ジョンソンを「receiverレシーバー」と表現することの意味は、なんとなくでも、わかっておくべきだろう。
Riggleman dished out some praise for the catcher ranked at the top of the organizational depth chart on defense.
"He did what we heard he could do," the manager said. "He's a good receiver back there. He handled a tough guy like Felix and made it look easy."



長くなったが、最後にロブ・ジョンソンに、いやに好意的なシアトル・タイムズの記事。途中のカッコにくくられた部分の、城島に対する皮肉は、シアトルでの城島の立場がもうまったくゼロに等しい、針のムシロであることを示す。http://blog.seattletimes.nwsource.com/mariners/2008/09/02/september_callups_should_they.html
Johnson is another one that I'd like to see. There are still a lot of questions about Jeff Clement's defense. I think it makes a lot of sense to try him at first base or DH, considering the catching depth in the organization. Maybe Johnson could hold down the catching position for a year until Adam Moore is ready. (Yeah, I know Kenji Johjima is still around, too. I'm not smart enough to figure out an answer to that dilemma. Hey, it wasn't me that signed him to a three-year extension. A three-year extension!! Yes, folks, his new contract hasn't even started yet. Could he be the first player released before his contract extension even begins?). So, anyway, it would be nice to give Johnson some action, too. But Clement needs his at-bats.


参考
http://nhkradio-everyday.seesaa.net/ NHKラジオ/英語復習帳
このサイトは身近で使いやすく、気にいっている。



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