September 19, 2008

9回の裏の1死3塁のサヨナラのピンチに、イチローを内野守備につかせる5人内野をリグルマンが敷いたことで、この試合を記憶しているファンも多いことだろう。
BOX SCORE

ヘルナンデスがLAAをなんとか3失点におさえて7イニングを投げたあとの8回表。代打カイロのタイムリーで同点に追いつき、なおも2死1、2塁だったが、ここで打者は城島。当然のように凡退して城島がチャンスを潰して、同点止まり。ここぞというところでは打たないヘボバッターだが、この試合の最も重要な問題は.210の低脳バッティングではない。

そして9回裏。1死からエンゼルスのロドリゲスに初球を3塁打された。ここでリグルマンがとったのが奇策の「5人内野」。イチローをセカンドの付近で守備につかせた。リグルマンがこの奇策を使うのは、今シーズン2度目である。内野手5人というのも、首を傾げる策だが、問題はここですらない。


問題は2つある。

この4連戦、2度目のサヨナラは食らうべくして食らったサヨナラだ。この外野に2人しかいない状況であっさりフィギンズに、初球をサヨナラタイムリーをされるのだが、城島の言い訳がふるっている。

「高めのシンカーをひっかけさせたかった」

馬鹿としかいいようがない。こんな、外野飛球を打たれたくない場面で高めの球を要求とは、どれだけの低い知能か。高校生の捕手程度でも、これくらいわかる。

この、外野に打たれたくない場面で高めの球から入ったことがひとつの問題点だが、話はここでも終わらない。もっと大きい話がある。
フィギンズの前の「ロドリゲスの打席の初球」。9回裏にサヨナラのピンチを招いたこの一投のほうが、フィギンズへの初球以上に大きい問題だ。

まずはこれでも読んでもらおう。日本の半端な記事しか書かない馬鹿ライターも、ファンもあまり目を通さない、対戦相手のエンゼルスの公式サイトの記事である。

ちなみに、文中でロドリゲスが言う「おとといサヨナラ勝ちした金曜のゲーム」というのも、もちろん、先発マスクは城島だ。それをしっかりアタマに置いて、下の文章を読んでもらおう。

http://losangeles.angels.mlb.com/news/gameday_recap.jsp?ymd=20080914&content_id=3474191&vkey=recap&fext=.jsp&c_id=ana
Figgins hit the first pitch he saw from Mariners reliever Roy Corcoran to deep right field, but no one was there to make the play because Ichiro Suzuki was playing behind second base to give the Mariners a five-man infield instead.
フィギンズはマリナーズのリリーバー、コーコランの初球をライトの奥にヒットしたが、そこには誰もいなかった。というもの、イチローはマリナーズの5人目の内野手としてセカンドの後ろにいたのだから。

"That was surprising," Figgins said. "I didn't think Ichiro wanted to come in the infield. He was coming in there pretty slow."
「(内野5人体制には)びっくりしたよ」とフィギンズ。「イチローは内野に来たくなかったんじゃないかな。だって、ものすごくゆっくり来たからねぇ」

The single easily scored Rodriguez, who tripled off Corcoran before Figgins came to the plate. Rodriguez also hit the first pitch he saw, as it caromed off the right-field fence just over Ichiro's glove.
このフィギンズのシングルヒットは、フィギンズの前に三塁打を打っていたロドリゲスを生還させた。ロドリゲスも初球から打って、イチローのグラブをかすめて越えライトフェンスにビリヤードの球が当たってはねかえるような当たりを打った。

But it was scouting on Rodriguez's part that helped the Angels to their ninth walk-off win of the season and their second against the Mariners this week. He looked for a first-pitch fastball away from Corcoran after the right-hander started him that way on Friday.
エンゼルスにとってサヨナラ勝ちは、今シーズン9度目、そしてマリナーズに対しては今週2度目だが、ロドリゲスのヒットについていえば、それはスカウティングの成果。彼は、金曜に右腕のコーコランが同じように、彼に対して初球を外の早い球から入ることを発見していた。

"I remembered him from two nights ago," Rodriguez said. "That's how he started me -- with two-seamers away. I figured I'd sit on it first pitch and if he throws it, I'm going to get it."
「おとといの彼を覚えていたのさ」とロドリゲスは言う。「外の2シーム系から入ってくるのが彼のやり方さ。最初の球に、その外の2シームを待つイメージでいた。もし投げてきたら、つかまえてやろうと思ってたよ。」
(訳注:文中のcaromは、いわゆる四つ球やスリークッションなど、ポケットのないビリヤードをさす。ちょっと訳しにくいが、はねかえる、という意味にとった。)

スカウティングを頭に意識しつつ、狙い通りしとめるエンゼルスのソーシア野球の質の高さ、選手の頭のよさ。
それにひきかえ、なんというマリナーズの控え捕手、城島の、頭の悪さ、単調さ。こんな捕手に試合をまかせているから、5人内野などやっても無意味な場面だった、ということがしっかりわかるインタビューである。(これだけ興味深いことをエンゼルスの選手が発言しているというのに、日本の馬鹿なMajor.jpの程度の低い記事はこの程度だから哀しいかぎりだ。この日の低脳なMajor.jpの記事がこれ


ロドリゲスへの工夫のない初球。フィギンズへの不用意な高めの初球。このたった2球で、城島は、ここまで5連勝のコーコランに初めての負けをつけ、そしてこれで首位LAAとの4連戦で、スイープ達成させた。

ここからまた、今年5月同様、果てしない連敗街道は間違いなく始まる。




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