June 23, 2009

この日のスコアは4-3。ロブ・ジョンソン先発ゲームの常で、僅差でシアトルの勝ちにみえるが、実際には、投手陣の自責点は1点のみであることに注意されたし。1回の失点はロブ・ジョンソンのスローイングエラー、9回の失点はセカンドセデーニョのエラーがらみ。
バルガスはこれで3勝目。ゲーム後のインタビューで彼は6月14日の敗戦後に監督ワカマツが使った「ゲームプラン」という言葉を使いながら、ロブ・ジョンソンとバッテリーを組んだことで「ゲームプラン」どおり非常にうまくやれたことを喜んだ。
最近DL入りしてしまったベダードは規定投球回数が足りなくなり、ERAランキングから消えてしまったが、こんどはバルガスが規定に達すればア・リーグERAランキングに登場する日が来る可能性が出てきた。
Arizona vs. Seattle - June 20, 2009 | MLB.com: Gameday


この日のワカマツとバルガスのインタビューを読むには、5月29日LAA戦のバルガスの好投を頭にいれ、「プチ城島問題」である「キロス問題」の経緯もおさらいしつつ、6月14日のコロラド戦で負けた後のこの2人のインタビューを読んでおくと、なお一層面白い。
ワカマツがなぜいつも「アナハイムでのバルガス好投」を引き合いに出すのか、バルガスがなぜ「ゲームプラン」という言葉を使いロブ・ジョンソンを褒めちぎるのか、ロブ・ジョンソンがなぜ「バルガスの得意のチェンジアップ」について延々と説明するのかがわかるからだ。
2009年5月29日、ロブ・ジョンソン、バルガスを6回1/3QS、ホワイトを2試合連続ホールドに導いてLAA撃破、連勝を果たす。
2009年6月14日、新加入投手バルガスは、「城島コピー捕手」キロスが出したサイン通り投げ、打たれまくったことを心から後悔した。(2)
2009年6月16日、バークはヘルナンデス完封ゲームでついに「プチ城島問題」を抱えるキロスに実力で引導を渡した。(「キロス問題」まとめつき)


必読資料A 6月14日コロラド戦 敗戦後インタビュー
Rainy, fateful fifth costly for Mariners | Mariners.com: News
必読資料B 6月20日アリゾナ戦 勝利後インタビュー
Vargas steps up in Mariners' victory | Mariners.com: News


資料Aで監督ワカマツは、バルガスの6月14日敗戦についてこう言っている。"(一部略)since that game in Anaheim, he hasn't looked as crisp."「(5月29日の)アナハイム戦以来、ピリっとしない」。
他方、1週間後の資料Bで監督ワカマツは、好投したバルガスについて、"I thought Vargas threw a great game, as good, or close to, the game he threw in Anaheim," Wakamatsu said. "He looked sharp, he looked fresh."と、またもや5月29日LAA戦を引き合いに出しながら、「あのアナハイムのゲームと同じか、近いくらい素晴らしい出来」と、またしてもLAA戦にこだわりつつ、妙な褒め方をしている。

ワカマツは、よほど5月29日LAA戦のバルガスと比べて印象づけたいらしい。

資料Aでのワカマツ発言について、このブログではこう書かせてもらった。
「正直言って、かなりガッカリさせられた。たぶん、シアトル投手陣も、このワカマツ発言には相当がっかりしたのではないかと想像する。アナハイムでのLAA戦のキャッチャーは、もちろん我らがロブ・ジョンソンだ。バルガスだって言いたいのは「あのLAA戦とコロラド戦では、キャッチャーが違うじゃないですか?なんでそこがわからないの?」という部分が多々あるはず。『ロブ・ジョンソンなら、サインに首を振らなくても、十分QSさせてくれたぜ?』というわけだ。」



バルガスは6月に入って9日、14日と2連敗してしまったが、捕手はバークとキロスで、5月29日LAA戦のロブ・ジョンソンではない。
特に14日のキロスとバッテリーを組んで大敗したコロラド戦については、当事者ではないジム・ストリートでさえ「この敗戦にはバルガスがキロスとバッテリーを組んだことも要因」と公式サイトで明記するほどバッテリー間の息があわず、バルガス自身も珍しくキロスを名指ししてまで「息があわないこと」を主張した。
2009年6月14日、新加入投手バルガスは、「城島コピー捕手」キロスが出したサイン通り投げ、打たれまくったことを心から後悔した。(1)
2009年6月14日、新加入投手バルガスは、「城島コピー捕手」キロスが出したサイン通り投げ、打たれまくったことを心から後悔した。(2)

ところが6月14日の話(資料A)では、忌引でゲームを休んでいたロブ・ジョンソンの復帰がアリゾナ戦で予定されていたにもかかわらず、6月19日以降のバルガスの登板がロブ・ジョンソンが捕手の「土曜」ではなく、1日余分に休養を入れてキロスが捕手かもしれない「日曜」になるらしいことを、公式サイトのジム・ストリートが書いていた。

だが、それでは意味がない。わざわざバルガスが「息が合わない」と、チームメイトのキロスを名指しするリスクを冒してまで自己主張した意味がなくなる。表向きは「休養もいいかもね」などと言っていても、バルガスの休養についての話ぶりはどこか上の空だったのは、そのせいだ。

ワカマツがこだわる「5月29日LAA戦好投の再現」や、「バルガス流のチェンジアップ主体のゲームプランにのっとった試合運び」をバルガスに要求したければ、ワカマツはバルガスの登板をを日曜にズラすべきではないのである。
バルガス登板がロブ・ジョンソンが捕手の土曜で再度バルガスが投げてみてこそ、バルガスが捕手キロスに不満を漏らした意味も明確になり、5月29日LAA戦の好投の要因がどこにあったのかわかり、ジム・ストリートが公式サイトに「キロスとバッテリーを組んだことも敗因」とリスクを犯してまで書いた意味もある
日曜にバルガスがキロス相手に投げたのでは、バルガスのチームメイト批判を懲罰するペナルティにしかならなくなってしまう。
今回のアリゾナ戦でのバルガス登板には、いろいろな人がやや危ない橋を渡ってまで主張するだけの期待がこもっていた。


しかし、ワカマツはちゃんと動いてくれた。
6月19日にキロスをDFAにし、かつ、バルガスの登板を21日の日曜に延ばすことなく、6月20日のロブ・ジョンソンがマスクのゲームにもってきて、バルガスの好投を引き出したのである。


これで、バルガスが喜ばないわけはない。
バルガスとロブ・ジョンソンは周囲の期待に応えて、初回こそ失点したが、その後の17人を連続で凡退させる偉業をやってのけた。


このブログも、資料Aでのワカマツ発言について「正直ガッカリした」と書いたことは撤回しようと思う。
この記事の後編(2)では、ロブ・ジョンソンがコントロールした「バルガスのチェンジアップ主体のゲームプラン」の一端に触れてみる。







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