July 10, 2009

どうせそのうち誰かが訳してくれるだろうと思っていたのだが、なかなか見つからない(苦笑)しかたなく自分で訳すことにした。拙訳の多少の問題点はご容赦してもらう。

イルカ



以下のインタビューでは、月曜の準完全試合について、ロブ・ジョンソンがいろいろと手の内を語ってくれている。
ボルチモアをキリキリ舞いさせたゲームで使った大きく曲がる変化球については、ウオッシュバーンは「フリッパー」と呼び、ロブ・ジョンソンがあらためてそれをひねって「ドルフィン」と言い直して、その球が時間をかけて練り上げられたかなり特別な球であることを明かしている。(調べたところでは、おそらく彼らは1964年にアメリカで放映されたイルカが主人公のテレビドラマ「フリッパー」にちなんで命名・改名しているのではないかと思う。)

ロブが「ドルフィン」の手の内をこうして外部に向かってしゃべれるのも、よほど自信があるからだろう。いまやウオッシュバーンには苦労したおかげで、従来の持ち球のカットボールや2シームに加えて、新しい持ち球の「ドルフィン」、また、それだけでなく、スプリッターなど多彩な球種がある。「別に『ドルフィンのことを喋っても打たれたりはしませんよ』と、自信をもってしゃべっている。

ロブによれば、今シーズンはじめからウオッシュバーンは投球の組み立て、球種について色々と試行錯誤を重ねていたようで、ロブ・ジョンソンもそれについてはなにかと協力していたようだ。
どんなカウントで「ドルフィン」を使えば効果的か、とか、「ドルフィン」の前後に投げる球種は何で、どこに投げるか、とか、ロブ・ジョンソンとウオッシュバーンの間のかなり詳しい打ち合わせぶりがうかがえる。
このあたりの投手とのコラボレーションぶり、クリエイティブな姿勢が、投手陣やスタッフ、メディアが評価する「ロブ・ジョンソンのコミュニケーション能力」の真髄のひとつだろう。


投手も、打者と同様、日々シーズン中でも自分のピッチングに改良を加えたり、新しい球種を覚えたり、クリエイティブな作業を続けている。そうでないとメジャーではすぐに通用しなくなるから、必死だ。
その、大変にめんどくさいが、創造的な作業にロブ・ジョンソンが共同作業者として加わっているからこそ、ウオッシュバーンやベダードのような投手たちがロブ・ジョンソンを「指名」してくるわけだ。
ウオッシュバーンも、もう34歳。この記事のライターも書いているとおり、自分のピッチングを改良できるところは改良して、キャリアを少しでも延ばしてサバイバルしていかなければならない。そのためには、時間をさいてコラボレーションに参加してくれて、クリエイティブなアイデアをくれるキャッチャーをパートナーとして選びたがるのは当たり前の話である。


それは、オヤジがマージャンなどやらない若い投手を無理にマージャンに誘うとか、片言の英語が喋れるとか、そんな低次元の話ではない。


ちなみにfishyは、本来「怪しげな」という、あまりよくない意味のようだが、ここではおそらくライターが、ウオッシュバーンの趣味が釣りであることにひっかけてタイトルをつけたかっただけなのだろうと想像して、単に「謎」と訳しておいた。



There's something fishy about Washburn's one-hitter
ウオッシュバーンの1安打ピッチングの「謎」。


If you thought Jarrod Washburn had the Baltimore Orioles fishing for answers Monday night, there was good reason.
もし、月曜の夜にボルチモア・オリオールズが探している答え(=なぜほぼ完璧に抑えられてしまったのかという問いに対する答え〜ブログ補足)をウオッシュバーンが持っていると考えるなら、それは適切な判断だ。

Washburn has found increasing confidence in a looping curve ball he calls "flipper." So catcher Rob Johnson renamed it "The Dolphin." And the pitch proved to be quite a catch, along with the rest of the veteran's arsenal, during a one-hit gem Monday that resulted in a 5-0 victory for the surging Seattle Mariners.
ウオッシュバーンは、彼が「フリッパー」と呼ぶ大きく曲がるカーブで自信を増した。キャッチャーのロブ・ジョンソンは、そのカーブを改めて「ドルフィン」と名付け直した。「ドルフィン」は、勢いを増しつつあるシアトル・マリナーズに月曜の1安打での5-0の勝利をもたらしたことで、ベテラン投手ウオッシュバーンにとっては、他に彼がストックしている勝負球と同じくらい、けた外れに大きな収穫であることが判明した。

The fishy offering was so effective that Johnson called only one change-up, going instead with the Dolphin to keep Baltimore batters off-balance on a night when Washburn was also spotting his fastball with extreme effectiveness on both sides of the plate.
その謎の試みは、試してみてとても効果があったため、ジョンソンはチェンジアップをたった一度しか要求せず、かわりに「ドルフィン」を使ってボルチモアの打者たちのバランスを崩させたままにさせた。そうなると、ウオッシュバーンが打者のきわどい両サイドをつく速球も非常に効果的になった。

(中略)

At 34, Washburn seems to have discovered new life. He certainly has discovered new pitches. Mechanical adjustments suggested in spring training by new pitching coach Rick Adair and bullpen coach John Wetteland have turned his two-seam fastball into an effective sinker.
34歳のウオッシュバーンは、どうやら新しい投手生命を見つけたようだ。彼は確かに新しい持ち球を発掘したのだ。新しいピッチングコーチのリック・アダイヤーと、ブルペンコーチのジョン・ウェッターランドがスプリングトレーニングで投球メカニズムの微調整について助言したことで、彼の2シームは効果的なシンカーに変貌を遂げた。

He says his curve has become better as well. And just on the last road trip, he started toying more with a little cutter to the outside corner.
彼はカーブも前よりよくなっていると言う。彼は遠征のさなかに、外角のコーナーに決まる小さなカットボールをどうにかしようと漠然と考えはじめていた。

Johnson said the curve, or Dolphin as he prefers, has become such a weapon that on Monday it replaced Washburn's change, which he normally throws 15-20 times a game, as his pitch to keep the Orioles from sitting on his fastball.
ジョンソンがいうところの「ドルフィン」は、彼ジョンソンにいわせると、ボルチモアの打者がウオッシュの速球を狙い打ちしてくるのをかわす球として、通常1ゲームあたり15球から20球の範囲でウオッシュバーンが投げるチェンジアップに代わる武器になった、という。

"It was just one of those things where they came out swinging pretty good and his command of the fastball was so good they couldn't really touch it," Johnson said. "And we were using the Dolphin to slow 'em down."
「『ドルフィン』は、打者が振りに来ているとき、とても有効な球のひとつなんだ。彼は速球のコントロールもとてもよかったんで、打者はかすりもしなかったね。」とジョンソン。「僕らは『ドルフィン』を、打者の打ち気を削ぐのに使ったんだ。」

So what exactly is this fishy pitch?
で、この謎の球は、正確にはどんな球?

"It comes out of his hand and he feels like he's going to throw it over the net," Johnson said. "He developed it early on this year after a couple games, then we started throwing it and throwing it.
「ウオッシュが自分で発明したわけなんだけど、彼にいわせると『バックネットを越えるように投げているような感覚』みたいね。ドルフィンは今年はじめに何ゲームかが終わった時点で開発してたんだけど、それから僕らはじゃんじゃん投げてるよ。」

"I'm telling him what I think about the pitch and he started to really trust it. Man, now we're starting to use it with two strikes. It was a pitch we used to get back into the count with because you don't want to swing at a pitch that is coming up at your head and dropping down at 65 or 70 mph.
「僕が彼のピッチングについて思ってることを言うようにしてから、彼は本当に信頼してくれはじめたね。今じゃ僕らは2ストライクでも(決め球として〜ブログ補足)使ってる。前はよくカウントを整えるのに使っていた。65マイルから70マイルのスピードで顔に向かってきて、そこから落ちる球を、わざわざ狙い打ちしようとは思わないだろ?」

"There hasn't been one hit off it this year. Not one. Because guys usually don't swing, they pop it straight up and are mad at themselves, or they roll it over or they miss it. So now we're starting to use it with two strikes. It's been an interesting pitch."
「『ドルフィン』は、今年になって一度もヒットにされてない。ただの一度も、だよ。打者はたいていスイングしようとか思わないんだ。ポップフライを打ち上げて腹を立てるかと思うと、のめったり、空振りしたりしてくれる。だから2ストライクのカウントで使うんだ。面白いボールだよ。」

(中略)

But on the flip side, Washburn could be doing a Jamie Moyer-like late career discovery, learning how to change speeds and develop a few new wrinkles that will make him better as he goes. He certainly has better speed than Moyer, only now he's combining the fastball with some difficult off-speed stuff.
しかし一方でウオッシュバーンは、緩急のつけ方を学び、より好投できる新しい球種をいくつか発掘しつつ、(元マリナーズで、ウオッシュバーン同様に軟投派の〜ブログ補足)ジェイミー・モイヤーばりのキャリア晩年の再発掘をなしとげつつあるかもしれない。彼はモイヤーより球は速いわけで、ウオッシュはいまや速球に、なかなかに打ちづらいスピードを殺した球を組み合わせつつあるのである。

"I think he'll tell you this is the best stuff he's ever had in his career," Johnson said. "He's developed the sinker. He's always had a cut fastball, but he's always thrown it into righties and now he's throwing it away from righties.
「彼は、自分のキャリアで投げた球の中で、一番いい球だと言うんじゃないかと思うよ。」とジョンソンは言う。「彼はシンカーを進歩させたんだ。彼には常にカットボールがあるけど、彼はいつもそれを右打者の内角に投げてきた。だけど今は、彼は右打者の遠いサイドにも投げている。」

"He's also got a splitter we throw. And now the Dolphin."
「彼はスプリッターも投げられる。そしていまや『ドルフィン』もあるわけさ。」

It all adds up to make Jarrod Washburn a very interesting pitcher these days. And on Monday night at Safeco, it was nearly perfect.
ウオッシュバーンはとてもユニークなピッチャーになりつつある。月曜の夜のセーフコのゲーム、それはほとんどパーフェクトなものだった。






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