July 11, 2009
この日チーム最高の4LOBを記録したコネ捕手城島の打撃だが、この日の4打席は非常に象徴的な4打席で、ちょっと後世に残るような4打席だった、そんな強い印象が残った。
この4打席の意味は非常に大きい。「城島のメジャーにおける打撃面の低評価」は、もはや決定的なものであること。直らないリード癖などの守備面同様、打撃面でのスカウティング(というか欠陥)がメジャー各チームに知れ渡っていること。また、知れ渡るだけでなく、実際にゲームで徹底実行されてきていることを、特に「前の打者敬遠→城島三振」で内外に強く印象づけた。
もしダメ捕手城島が打撃面でかろうじてクビの皮一枚つながっていたのだとしたら、「そのなけなしの皮がようやくスッパリ切断されたのは、この7月8日のゲームだった」と、後世思うのではないか、そんな印象すらある。
ひとことで済ますなら
「もう、あらゆる面が通用しない」ということだ。
初球 内をえぐる4シーム
2球目 インコースの4シーム
3球目 外のカーブ
4球目 外のボールになるスライダー(三振)
このボルチモアバッテリーの「最後に逃げていく球を振らせる」リードはなかなか面白い。ボールを最内から、内、さらに外。徐々に打者の目線を離していき、打者の意識を外へ釣っている。最後には外にはずれるスライダーを振らせて三振。まさにバッテリーのもくろみ通り。城島のワンパターンリードのように最初からアウトコース低めばかりなら、こうはならない。比較するべき。
Baltimore vs. Seattle - July 8, 2009 | MLB.com: Gameday
無死2塁 ショートゴロ
2死走者なし ショート強襲安打
2死1塁 センターフライ
2死1、2塁 (前の打者敬遠→)三振
このゲームでシアトルは8回まで3-0とリードしていたが、チャンスを作りながらもなかなか追加点が奪えず、流れを引き寄せて相手チームを気分的にもスコアでも圧倒することに失敗し、最後に逆転負けを食らった。
最近ありがちなゲームのひとつではあったわけだが、ダメ打者城島はこの日、チーム最多の4LOB。2007シーズン同様のシチュエーション打撃の酷さでチャンスを潰していった。
第1打席のノーアウト2塁での「進塁できないショートゴロ」も酷いが、とりわけ滑稽だったのは、第4打席である。前の打者が敬遠される年8Mのサラリーの打者。しかも、そこで三振。二重に恥を晒した。
城島のプレーぶりに「それでも打撃くらいはなんとか」と、忍耐を重ねていたチームマネジメントが、これでキレたとしても不思議ではない。
まず敬遠という点の意味。
このときのボルチモアの投手は右のBassだから、左打者ランガーハンズとの勝負を避け、右打者城島と勝負した、と、思う人がいるかもしれない。
だが、年に軽く100ゲーム以上シアトルのゲームを見ているが、城島嫌いのブログ主でさえ、投手が右であれ左であれ、城島の前の打者が敬遠、というシーンは、今までほとんど見た記憶がない。ましてランガーハンズは、他の新加入の選手たち同様(グティエレスは除く)守備はいいが、バッティングはたいしたことはない打者だ。その打者を敬遠してまで勝負されたのである。
城島オタさんたちに聞いてみたいものだ。
「城島の前の打者が敬遠されて三振したんですが、今どういう気分?(笑)」と。
それくらい、記憶にないのである。
前の打者を敬遠して城島と勝負する意味として考えられるのは、ダメ打者城島のランナーズ・オン打率の低さ。
2007年にしつこいほど触れたことだが、この打者のランナーズ・オンでの打撃は、2009シーズンもまったくダメである。2009年7月8日までのスタッツを見ておくといい。ひどいものだ。
.222という打率は、城島の指定席のような打率で、サンプル数が少ないからこうなっているのではない。2007年のリプレイを見ているかのようだ。
2009年城島 ランナーズ・オン打率(2009年7月8日現在)
ランナー1塁 29打数5安打 .200
ランナー2塁 9打数1安打 .111
ランナー1,2塁 9打数2安打 .222
上記3シチュエーションあわせた打率
47打数8安打 .170
Kenji Johjima Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN
ちなみに2007年のランナーズ・オンもあげておく。2009年になっても数字に改善はまったく見られないことを、よく確かめておくといい。
2007年の城島の打撃というと、よく「最初の2年(つまり2006年と2007年)は、打撃はよかった」などと嘘を書く人が多い。
どうせ「消化試合の続く9月に帳尻を合わせたシーズン打率」を指して言いつのって打撃の酷さを誤魔化したいのだろうが、恥をかきたくないなら、この打者を年間打率などで語らないことだ。
相手にしてもしょうがないのだが、2007年はア・リーグの併殺打数でランキングに入った年。四球数、出塁率、どこをどうとっても中身は酷いものだ。あんな数字のどこをどう見ると「最初の2年はよかった」などと言えるのか、聞きたいものだ。
参考 2007年の城島 ランナーズオン打撃
6/25まで 112打数25安打 打率.223(スタメン最下位)
7/20まで 134打数30安打 打率.224 OBP.286
8/18まで 171打数38安打 打率.222(ほぼスタメン最下位)RC27 4.12 OBP.280(スタメン最下位)
次に、第4打席の三振という結果について。
この打者の三振率をよくわかっているブログ主としては、ちょっと驚いた。このダメ打者さん、どんなに打撃がダメダメなシーズンでも、とにかく三振はしないからだ。
「三振しない」、というと、あたかも良い事をしているように勘違いする人がいるかもしれない。
言っておくと、このダメ打者さんの場合、「三振しない」は単に「意地になって、ただただ、むやみとボールをバットにひっかける」、ただそれだけの意味である。
「ヒットを打つ」という意味でもないし、「四球率が上がる」という意味にもならない。打率や四球率を見ればわかる。2007年にア・リーグの併殺打数ランキングに登場したときも、三振率は低かった。調べてもらえばわかる。
この日の第1打席の無死2塁でもショート・ゴロを打っているが、無死2塁なら、せめて進塁できるようにライト側に打て、というのが、ごく普通の「打てない打者の責任」というものだ。
だが、年がら年中併殺打をショート、サードに打っているこの打者には、馬の耳に念仏。なんの工夫もない。
「むやみとボールをバットにひっかける」フリースインガーだからこそ、ボテボテのショートゴロ、サードゴロが多く、ランナーが進塁できないどころか、併殺打が多い。簡単な話だ。たまにライトに打球がいっても、翌日には忘れている。
このダメ打者が打率を帳尻するのによく使う「三遊間のヒット」は、この日の第2打席もそうだが「たまたまバットにボールをひっかけたのが、運よく三遊間を抜けていくだけ」のことで、別に狙いがあるわけでもなんでもなく、ただの「マグレ」なのである。
ランナーズ・オン打率の低さを他の地区のチームにすら足元を見られ、あまつさえ、三振までした城島。この日のバッティングの意味するものは重い。
そんなこんなで3−0のリードで迎えた9回だったが、シアトルはここで5点を奪われ逆転負け。もちろん、逆転負けを味わいながら9回をプレーする間も、このダメ捕手の脳裏に繰り返し流れていたのは、「敬遠」「三振」の2つの単語と、ショックな気分のブルーな景色だったことだろう。
そんなダメ選手が自分のことばかりクヨクヨ考えている間に、チームマネジメントは動きを加速している。
やっと、シアトルに当然のことが当然のように起こる毎日が来ようとしている。もうシアトルにフリースインガーは必要ない。
この4打席の意味は非常に大きい。「城島のメジャーにおける打撃面の低評価」は、もはや決定的なものであること。直らないリード癖などの守備面同様、打撃面でのスカウティング(というか欠陥)がメジャー各チームに知れ渡っていること。また、知れ渡るだけでなく、実際にゲームで徹底実行されてきていることを、特に「前の打者敬遠→城島三振」で内外に強く印象づけた。
もしダメ捕手城島が打撃面でかろうじてクビの皮一枚つながっていたのだとしたら、「そのなけなしの皮がようやくスッパリ切断されたのは、この7月8日のゲームだった」と、後世思うのではないか、そんな印象すらある。
ひとことで済ますなら
「もう、あらゆる面が通用しない」ということだ。
初球 内をえぐる4シーム
2球目 インコースの4シーム
3球目 外のカーブ
4球目 外のボールになるスライダー(三振)
このボルチモアバッテリーの「最後に逃げていく球を振らせる」リードはなかなか面白い。ボールを最内から、内、さらに外。徐々に打者の目線を離していき、打者の意識を外へ釣っている。最後には外にはずれるスライダーを振らせて三振。まさにバッテリーのもくろみ通り。城島のワンパターンリードのように最初からアウトコース低めばかりなら、こうはならない。比較するべき。
Baltimore vs. Seattle - July 8, 2009 | MLB.com: Gameday
無死2塁 ショートゴロ
2死走者なし ショート強襲安打
2死1塁 センターフライ
2死1、2塁 (前の打者敬遠→)三振
このゲームでシアトルは8回まで3-0とリードしていたが、チャンスを作りながらもなかなか追加点が奪えず、流れを引き寄せて相手チームを気分的にもスコアでも圧倒することに失敗し、最後に逆転負けを食らった。
最近ありがちなゲームのひとつではあったわけだが、ダメ打者城島はこの日、チーム最多の4LOB。2007シーズン同様のシチュエーション打撃の酷さでチャンスを潰していった。
第1打席のノーアウト2塁での「進塁できないショートゴロ」も酷いが、とりわけ滑稽だったのは、第4打席である。前の打者が敬遠される年8Mのサラリーの打者。しかも、そこで三振。二重に恥を晒した。
城島のプレーぶりに「それでも打撃くらいはなんとか」と、忍耐を重ねていたチームマネジメントが、これでキレたとしても不思議ではない。
まず敬遠という点の意味。
このときのボルチモアの投手は右のBassだから、左打者ランガーハンズとの勝負を避け、右打者城島と勝負した、と、思う人がいるかもしれない。
だが、年に軽く100ゲーム以上シアトルのゲームを見ているが、城島嫌いのブログ主でさえ、投手が右であれ左であれ、城島の前の打者が敬遠、というシーンは、今までほとんど見た記憶がない。ましてランガーハンズは、他の新加入の選手たち同様(グティエレスは除く)守備はいいが、バッティングはたいしたことはない打者だ。その打者を敬遠してまで勝負されたのである。
城島オタさんたちに聞いてみたいものだ。
「城島の前の打者が敬遠されて三振したんですが、今どういう気分?(笑)」と。
それくらい、記憶にないのである。
前の打者を敬遠して城島と勝負する意味として考えられるのは、ダメ打者城島のランナーズ・オン打率の低さ。
2007年にしつこいほど触れたことだが、この打者のランナーズ・オンでの打撃は、2009シーズンもまったくダメである。2009年7月8日までのスタッツを見ておくといい。ひどいものだ。
.222という打率は、城島の指定席のような打率で、サンプル数が少ないからこうなっているのではない。2007年のリプレイを見ているかのようだ。
2009年城島 ランナーズ・オン打率(2009年7月8日現在)
ランナー1塁 29打数5安打 .200
ランナー2塁 9打数1安打 .111
ランナー1,2塁 9打数2安打 .222
上記3シチュエーションあわせた打率
47打数8安打 .170
Kenji Johjima Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN
ちなみに2007年のランナーズ・オンもあげておく。2009年になっても数字に改善はまったく見られないことを、よく確かめておくといい。
2007年の城島の打撃というと、よく「最初の2年(つまり2006年と2007年)は、打撃はよかった」などと嘘を書く人が多い。
どうせ「消化試合の続く9月に帳尻を合わせたシーズン打率」を指して言いつのって打撃の酷さを誤魔化したいのだろうが、恥をかきたくないなら、この打者を年間打率などで語らないことだ。
相手にしてもしょうがないのだが、2007年はア・リーグの併殺打数でランキングに入った年。四球数、出塁率、どこをどうとっても中身は酷いものだ。あんな数字のどこをどう見ると「最初の2年はよかった」などと言えるのか、聞きたいものだ。
参考 2007年の城島 ランナーズオン打撃
6/25まで 112打数25安打 打率.223(スタメン最下位)
7/20まで 134打数30安打 打率.224 OBP.286
8/18まで 171打数38安打 打率.222(ほぼスタメン最下位)RC27 4.12 OBP.280(スタメン最下位)
次に、第4打席の三振という結果について。
この打者の三振率をよくわかっているブログ主としては、ちょっと驚いた。このダメ打者さん、どんなに打撃がダメダメなシーズンでも、とにかく三振はしないからだ。
「三振しない」、というと、あたかも良い事をしているように勘違いする人がいるかもしれない。
言っておくと、このダメ打者さんの場合、「三振しない」は単に「意地になって、ただただ、むやみとボールをバットにひっかける」、ただそれだけの意味である。
「ヒットを打つ」という意味でもないし、「四球率が上がる」という意味にもならない。打率や四球率を見ればわかる。2007年にア・リーグの併殺打数ランキングに登場したときも、三振率は低かった。調べてもらえばわかる。
この日の第1打席の無死2塁でもショート・ゴロを打っているが、無死2塁なら、せめて進塁できるようにライト側に打て、というのが、ごく普通の「打てない打者の責任」というものだ。
だが、年がら年中併殺打をショート、サードに打っているこの打者には、馬の耳に念仏。なんの工夫もない。
「むやみとボールをバットにひっかける」フリースインガーだからこそ、ボテボテのショートゴロ、サードゴロが多く、ランナーが進塁できないどころか、併殺打が多い。簡単な話だ。たまにライトに打球がいっても、翌日には忘れている。
このダメ打者が打率を帳尻するのによく使う「三遊間のヒット」は、この日の第2打席もそうだが「たまたまバットにボールをひっかけたのが、運よく三遊間を抜けていくだけ」のことで、別に狙いがあるわけでもなんでもなく、ただの「マグレ」なのである。
ランナーズ・オン打率の低さを他の地区のチームにすら足元を見られ、あまつさえ、三振までした城島。この日のバッティングの意味するものは重い。
そんなこんなで3−0のリードで迎えた9回だったが、シアトルはここで5点を奪われ逆転負け。もちろん、逆転負けを味わいながら9回をプレーする間も、このダメ捕手の脳裏に繰り返し流れていたのは、「敬遠」「三振」の2つの単語と、ショックな気分のブルーな景色だったことだろう。
そんなダメ選手が自分のことばかりクヨクヨ考えている間に、チームマネジメントは動きを加速している。
やっと、シアトルに当然のことが当然のように起こる毎日が来ようとしている。もうシアトルにフリースインガーは必要ない。