July 12, 2009

イッツ・ショウタイム。


打線は2番ブラニヤンのバットが湿ってきたことでかなり微妙なものになりつつあるが、かわりに好調な伊達男グティエレスの一発で、首位テキサスとの4連戦の初戦をモノにできた。7月8日の逆転負けで傷心のクローザー、アーズマも9回に3人で抑え、今年一度も勝てなかったテキサスに、ようやく初勝利である。

7月6日に強豪とのきつい9連戦ロード(これは後で書くが、城島にとっては「ラスト・チャンス」だったようだが)からセーフコに帰ってきて以降、捕手としての立場を確立しはじめたロブ・ジョンソンのゲームは、6日のウオッシュバーンの準完全試合といい、ドラマチックな出来事が沢山起きるので見ていて飽きない。
この日のゲームも、語らなければならないことが多すぎるので、なかなか書けないでいた。たぶん暇なときにまた書き加えることになると思う。ご容赦願いたい。
Texas vs. Seattle - July 9, 2009 | MLB.com: Gameday

マイケル・ヤングの盗塁を阻止するロブ・ジョンソン
Baseball Video Highlights & Clips | TEX@SEA: Johnson makes heads-up play to get the out - Video | MLB.com: Multimedia


この日の主役はもちろん、6月のア・リーグ最優秀投手に選ばれオールスター初出場を目前に控えたフェリックス・ヘルナンデスだ。

打線がなかなか点がとれない一方、フェリックスは8回表まで1失点で投げきった。直後、先頭イチローが2ベースを打ちチャンスが巡ってきたが、ここでもブラニヤン、ロペスと倒れてランナーを進塁させることすらできない。「とても見てられないよ」とばかりにタオルを顔にかけ、ベンチで顔を覆って天を向くフェリックス。
その彼が突然跳ね起きたのは、2死でボックスに入ったグティエレスのバットの快音。右打者殺しのセーフコの左中間だが、一番深いところに放り込んだ。
吼えまくるフェリックスは動画にしっかりと残っている。何度でも好きなだけ見るといいと思う。ブログ主も20回以上見ているし、今も書きながら見ている(笑)何度見ても、この日のフェリックスの咆哮は最高だ。
これこそベースボール。これこそ野球というものの楽しみだ。

Baseball Video Highlights & Clips | TEX@SEA: Gutierrez's three-run shot puts Seattle up - Video | MLB.com: Multimedia


この日のフェリックスは、ロブ・ジョンソンのサインにクビを振って変化球を投げるシーンが印象的だった。打者にしてみれば、先発投手が強気な速球派とくれば、「クビを振る=ストレート」と想像するものだ。
だが、この日フェリックスは首を振り、(ロブ・ジョンソンのサインがストレートだったかどうかは定かではない)変化球、キレキレのシンカーを投げた。
かつてはよく城島と気が合わないフェリックスが、ストレートを投げたい場面で、例のワンパターンなリードで無理にでも外角低めに変化球を投げさせようとする城島のサインとぶつかって、下手をするとマウンドで喧嘩になるほど気持ちがキレる、などというケースがよくあったものだ。
もうあんなシーン、見たくもない。



ブログ主はこうやって頻繁にブログを書いている関係上、当然のことながら、5月の中旬以降、シアトルの主戦投手3本柱が城島とバッテリーを組まなくなっていることは、とっくにわかっていた。
フェリックスは5月19日以降、ウオッシュバーンだって、フェリックスとほぼ同じ5月18日以降は、城島と一度も組んでいない。もちろんベダードは2008年から既に「城島とは組みたくない」ことを表沙汰にしていたことはよく知られている。


なんだかよくわからないのだが、シアトルの主戦投手3人が3人とも、そろって城島とは組んでいないという今の事態に、過剰に驚く人、あるいは、城島が主戦投手と組ませてもらえないと、子供じみた憤慨する阿呆など、さまざまな人が世間にはいるようだが、ブログ主としては、いまさら何でそんなことを騒いでいるのか、可笑しくてしょうがない。

そんなことは、振り返れば、というか、ちゃんとデータを追っていれば、5月中旬にはすでに時間の問題だったことはわかりそうなものだ。

5月末にはなんとなく判明していた「主戦投手3人が誰も城島と組みたがっていない事実」が表沙汰にならなかったのは、ベダードが何度も登板回避していたために、主戦投手3人がズラリ全員ロブ・ジョンソンと組むという事態がなかなか起きなかっただけのことだ。


いいかえると、ここが大事な点だが、
5月にはすでに「城島に与えられた一度目のチャンス」は終わっていたのである。それに気がつきもしないで漫然としてチャンスを逃がしたのは城島自身である。


「第一の」、というのは、もちろん、「第二のテスト」があったからだ。
それはおそらく、6月末城島が骨折から復帰してからのLAD、NYY、BOSの9連戦だったと思う。ここでは、既にシアトルの先発3本柱がもう長いこと城島とはバッテリーを組んでいないにもかかわらず、「3連戦カードのうち、2ゲームを城島にまかせて『みる』」という不思議なテストが行われた。

この「第二のテスト期間」を「不思議」というのには、理由がある。
普通ならこういう場合、「3連戦のうち、3ゲーム目のデーゲームを、2人目の捕手にまかせる」という方式になることは、メジャーファンなら誰でも知っている。
だがこの9連戦では、非常に不規則なローテーションの組みかえが行われる中で、3連戦の初戦や2試合目がロブ・ジョンソンという、非常にイレギュラーな起用が試みられた。
その結果、「3連戦のうち2ゲームを城島にまかせる」というわりには、結果的に、(この9連戦でまだ復帰していないベダードを除いて)ただの1度もヘルナンデス、ウオッシュバーンは城島と組まなかった。




この「第二のテスト」である遠征9連戦の不可思議な捕手起用が意図的なものだったかどうかは、報道すらない以上たしかなことは言えないが、5月1日の城島1回目の復帰以降の「第一のテスト」に城島が失敗してチームが2008年同様の崩壊の危機に陥ったこと、そしてなにより、5月中旬から6月下旬の城島の骨折中、まったく城島と組まないですむ機会を得た主戦投手3人の「これが同じ投手か? と、見違えるような、めざましい働き」
この2つによって、「城島問題の影響の大きさ」がチームに認められたのは間違いないと、このブログでは考える。



だから、LAD遠征以降の9連戦以降、このブログの更新内容には常に気をつかった。ゲームごとの勝ち負けより、「第二のテスト」の目指す方向性がどういうものか、毎日気になった
もしヘルナンデス、ベダード、ウオッシュバーンのキャッチャーをロブ・ジョンソンから城島にあっさり変更してしまうようなことがあれば、あるいは、デーゲームにはロブ・ジョンソンとかいう斬新さの無い変更になってしまえば、チームがプレーヤーに向ける評価の目線の厳しさが「緩い」と判断せざるを得なくなる。

しかし、喜ばしいことに、シアトルはそうしなかった。

9連戦のとき、すでに復帰した城島に主戦投手3人と組む機会は既にほぼ失われていたと見るのが正しいことは明らかであるとは判断していたが、真っ先にトレードされたのが、一部で興味本位に噂されるベダードやウオッシュバーンではなく、ベタンコートであったことで、「このシーズンが始まって以来、シアトルのチームマネジメントが、2008年シーズンを大惨敗に導いたプレーヤーに、シーズン当初から厳しいテスト目線を向けていた」ことは、ようやく確信になった。

だからこそ、ようやく、この記事を書けるのである。
どういう起用法の変更になるか、形が見えてこないことには書けなかったことはたくさんあった。


「第二のテスト」は行われ、コネ捕手城島はそれにも失敗した。
だからこそ、ホームに帰ってきた7月6日のゲームでは、堂々と「主戦投手3本柱のゲームではロブ・ジョンソン」という新しい原則が公(おおやけ)にできたのだと思う。
なにも、いきなり城島が、主戦投手3人と組む機会を奪われたわけでも、いきなり正捕手の座を剥奪されたわけでもなんでもないことは、以上の記述でわかるはずだ。



メジャーの限られたプレーヤーが特別な待遇を約束されるのは「ゲームにおいてプロである」からだ。低いテンションで漫然とプレーしていても、ほっておいてもゲームに出られるなどと、緩い気持ちでサバイバルできる世界ではないことは誰もが知っていなければならない。

コネでスタメンなど買うから、こうなる。

ヘルナンデスにしても、2006年以降、どれだけ城島が関係を修復する時間とチャンスがあったことか。しかし、それができなかった以上、人のせいにすることは許されない。何度も何度も与えられてきたチャンスを逃がしたのは城島自身だ。


6月の月間最優秀投手受賞の大きさがこれでわかる。メジャー屈指の好投手フェリックス・ヘルナンデス、彼の本当の実力をロブ・ジョンソンが引き出したことで、フェリックスはようやく城島の呪縛から解き放たれる時が来た。


イッツ・ショウタイム。
これからが本当の勝負だ。




ヘルナンデス 自責点5点以上の全登板
2006年 12勝14敗
4月13日 自責点5 城島
5月16日 自責点5 城島
5月21日 自責点7 城島
5月31日 自責点5 城島
8月13日 自責点6 城島
8月23日 自責点7 リベラ→城島
9月3日  自責点7 リベラ

2007年 14勝7敗
5月30日 自責点7 城島
6月26日 自責点5 城島
7月22日 自責点6 城島
8月29日 自責点6 城島
9月9日  自責点9 城島

2008年 9勝11敗
5月3日  自責点6 城島
5月26日 自責点5 城島
8月19日 自責点5 バーク
9月9日  自責点6 ロブ・ジョンソン

2009年
4月11日 自責点5 城島
5月4日  自責点6 城島
5月9日  自責点5 城島
5月19日 自責点6 城島


ヘルナンデスの2009全登板ゲームログ

4月6日  6回自責点1  城島 QS
4月11日 5回自責点5  城島
4月17日 6回自責点3  ジョンソン QS
4月23日 7回自責点0  ジョンソン QS 完封リレー
4月28日 8回自責点0  バーク QS
5月4日  6回自責点6  城島 負け
5月9日  4回自責点5  城島 負け
5月14日 7回自責点0  ジョンソン QS
5月19日 5回2/3自責点6 城島 負け
5月24日 8回自責点1  ジョンソン QS 10三振
5月30日 6回2/3自責点0  ジョンソン QS
6月5日  7回自責点1    ジョンソン QS 10三振
6月10日 7回自責点1    バーク QS
6月16日 9回自責点0    バーク QS
6月21日 7回1/3自責点0 バーク QS
6月27日 8回自責点0    ジョンソン QS 9三振
7月3日  7回自責点3    ジョンソン QS
7月9日  8回自責点1    ジョンソン QS







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