July 14, 2009

SPI(Seattle Post-Intelligencer)は、アメリカの大不況のあおりを受けて新聞が次々と廃刊に追い込まれる中、現在は電子版だけが残っているわけだが、「城島問題」2008年版まとめ2009年版まとめ)を扱うこのブログの立場からいうと、なぜか、廃刊後のほうが断然役に立っている。ある種、腹をくくった感じが、廃刊前よりかえってジャーナリズムっぽくなった。
2008年における「城島問題」についてだけ言うなら、2008年5月13日のシアトル・タイムズのベイカーの記事がなんといっても嚆矢かつ必読であり、インタビューの音声をリンクしたほど熱の入ったスクープぶりによって、シアトルタイムズはSPIを断然引き離していた。

だが、このところSPI電子版は目が離せなくなっている
この間のウオッシュバーンの「ドルフィン」についてのロブ・ジョンソンインタビューは、珍しくあのシアトルタイムズベイカー後追い記事をついつい書いてしまうほど(笑)、ネタが良く、2009年の「城島問題」を読み解く上で必読記事のひとつになった。
あれは長い文章だったが、記者のおかしな注釈や主観をほとんど交えず、勇気をもってインタビューそのものを長文で掲載することは意味がある。プレーヤーの主張を十分に伝える意味で重要だ。好感が持てる。
下に訳したのは、SPIのコラムニスト、アート・ティール氏による「ワカマツの手腕の高さ」を書いた記事の「ワカマツの最大の悩みの種は城島の処遇」という部分を抜き出して粗く訳したものだが、ただ「城島問題」を秀才を気取って要領よくまとめるのではなく、むしろ、かなり踏み込んで
「たとえ上層部と食い違っていようと、ワカマツ監督の方針のほうが正しい。絶対に貫くべし」
と、ハッキリ立ち位置を決めて書いているのが、とても清清しい。やはりスポーツジャーナリズムを名乗るくらいなら、こうではなくては。
当ブログでは、意図的にではないが、なにかとシアトルタイムズの記事にお世話になるケースばかりだったが、これからはSPI電子版もできるだけ応援していく。
SPIにはあまり目を通していなかったシアトルファンもそういないとは思うが、もしそういう方がいたら、一度サイトを訪問されてみることを薦めたい。
Seattle news, sports, entertainment | seattlepi.com - Seattle Post-Intelligencer
2009年7月6日、ロブ・ジョンソンが準完全試合を達成したウオッシュバーンの新しい魔球「ドルフィン」と、その開発にいたるコラボレーションについて大いに語った。

イルカ


マリナーズを危険な落とし穴から回避させる敏腕監督
Manager's deft touch steers M's around rocky shoals

(前半部:グリフィーとベタンコートについての記述。割愛。以下、イコールのついたカッコ書き部分は、ブログ側の補足した注釈)
But Wakamatsu's biggest personnel headache looms: What to do with Kenji Johjima.
しかし、ワカマツ監督に立ちはだかる最大の頭痛の種は、「城島の処遇問題」だ。

The veteran has been supplanted as starting catcher by rookie Rob Johnson, who has won over Felix Hernandez, Jarrod Washburn and Eric Bedard. They are the starters primarily responsible for the Mariners leading the American League in earned run average, and all insist on throwing to Johnson.
ベテラン城島は、正捕手の座を新人ロブ・ジョンソンに取って代わられた。ジョンソンは、ヘルナンデス、ウォッシュバーン、ベダードを味方につけている。彼らはア・リーグERAトップのマリナーズにとって重要な主戦投手たちだが、彼ら全員がジョンソン相手に投げたいと主張している。

Johjima, whose two stints on the disabled list opened the door for Johnson, is upset, going as far as having a closed-door meeting with Wakamatsu.
城島の2度の故障者リスト入り期間がジョンソンにチャンスを与え、立場が逆転し、城島がワカマツと非公開の会議をもつところにまで事態は進んでいる。

"I think I won't look back (on the first half of the season)," Johjima told Japanese reporters Sunday. "If I hit .300, had recorded more caught-stealings, and the team had won more, I would catch more games.As a player, I have to think so."
「過去(シーズン前半)を振り返らないようにしようと思う」と城島は日曜に日本のレポーターに語った。「もし3割打って、もっと多くの刺殺を記録し続けて、チームがもっと勝っていたら、もっとたくさんのゲームに出れていただろう。プレーヤーとしてはそう考えるしかない。」
ブログ注:
この部分は、日本では違うニュアンスで報道がされている。
「けがをせず(打率)3割打って、もっと盗塁も刺して、もっと勝ち試合にしておけば、もっとマスクをかぶる機会も増えるでしょう。プレーヤーとしてはそう考えるしかないし、そうしていきます」(共同)
だが、上記の文章の、いわゆる仮定法過去が使われた英語の文章では、意味あいがかなり違う。つまり「もし〜していたら、こうなっただろう。でも、そうはならなかった」というニュアンスである。


The baseball numbers speak loudly in Johnson's favor: With him as starter, the M's are 24-16 with a collective ERA of 2.93. Johjima is 13-19 and 4.91.
野球のデータは、ジョンソン有利を高らかに告げている。ジョンソン先発でマリナーズは24勝16敗、CERAは2.93。城島は13勝19敗、CERA4.91。

But the financial numbers speak on behalf of Johjima: He is in the first year of a three-year, $24 million extension signed last year in a deal that former GM Bill Bavasi indicated was forced on him by ownership.
しかし金銭的な話となると、城島の側に有利さがある。彼は前のGMのバベジが昨年「オーナーサイドに押し付けられた」と示唆した3年24Mの延長契約の初年度にいる。

Wakamatsu is nearing an awkward crossroad in which his baseball agenda could clash with his bosses' agenda. But Wakamatsu's agenda must prevail, because he's helping end a half-decade of mishap and misery by standing tall with the facts.
ワカマツは、彼の野球の方針が、上司の方針と衝突する厄介な分岐点に接近しつつある。しかし、ワカマツの方針を優先すべきだ。なぜなら彼は事実を元に断固たる態度をとることによって、災いと苦痛の5年間を終焉させようとしているのだから。(太字:ブログ側添付)

To reinsert Johjima would be a clubhouse disaster. Already prevailing against assorted injuries to win five of nine recent road games against the best in baseball, then recovering from two bad games against Baltimore to handle Texas, the Mariners border on giddiness.
城島を元に戻す(=正捕手に戻す)ことになれば、クラブハウスに災厄をもたらすことになる。既にマリナーズはさまざまな故障(=故障者の続出)に打ち勝って、最近の強豪相手のロードで9ゲームのうち5ゲームに勝ち、次にボルチモア戦での2つの良くないゲームからも回復してテキサスを翻弄して、ほぼ有頂天な状態といっていい。
ブログ注:2008年のいわゆる「クラブハウス問題」について、その原因が「城島問題」にあったという認識を示唆している。

"We're really close to doing what Tampa Bay did last year," said closer David Aardsma (save No. 20 Sunday), referring to the unexpected American League championship by the Rays. "We're pitching well, we score when we need to and we're making good defensive plays."
日曜に20個目のセーブを記録したクローザー、デイビット・アーズマは、レイズによる予想外のア・リーグ制覇に言及して、こう言う。「投手陣はよく投げているし、打線は必要なときに得点もしている。素晴らしいディフェンシブ・プレーぶりだよ。」

We're not quite ready to witness to the Ray way, but Sunday was a testament to Aardsma's point. The Mariners yesterday featured a re-jiggered lineup of five guys hitting below .250 -- catcher, shortstop, third base, left field, DH. Somehow, it worked.
マリナーズがレイズの通った道を進んでいると断言できるまでにはまだ至ってはいないにしても、日曜のゲームはアーズマの指摘の証になった。昨日のマリナーズは打率.250未満の5人(キャッチャー、ショート、サード、レフト、DH)が仕事をしたのである。
(後略)






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