July 22, 2009

(1)からの続き(後半部分)
2009年7月19日、監督ワカマツが「城島問題」の現状と方針について初めて語った。(1)


And I asked him how much stock he puts in catchers' ERA, which is heavily in Johnson's favor. Johnson's is 2.89, while Johjima's is 4.87.
ジョンソン2.89、城島4.87と、ジョンソンがはるかに優位に立つCERAについて、どのくらい信頼しているか、質問した。

"I don't think it's a fair comparison, just because it's not apples to apples. There's no way you can really say it's an absolute. That's what we're talking about with a relationship and a belief system; if it gets to a point there's a marked difference, then you have to look at it, but as far as overall, catcher's earned run average, I think that's a very unfair statistic. If Rob catches Felix and Joh catches someone who has a much higher ERA, there's no correlation. I think over a larger sampling it maybe has some validity."
「リンゴ同士(ブログ注=十分な相関のある、比較可能な複数の事象)を比べているわけではないという端的な理由で、僕はCERAが公平な比較だとは思わない。このスタッツはけして絶対的というわけではない。我々が『人間関係』だとか『信頼システム』という言い方で語っているのも、そこらへんの話。
もし(CERAによって2人の捕手の違いに)著しい差異が現れるような段階に到達したら、考慮すべきだ。だがおおまかな話の範囲でいうと、CERAはとても不公平なスタッツだと思う。もしロブがフェリックスを受けて、ジョーがもっと防御率の悪い投手を受けたら、(2人のCERAには)相関がなくなる。もっと大きなサイズのサンプルをじっくり検討したら、妥当性があるかもしれないとは思う。」
ブログ注
この部分については、某所の翻訳とよく読み比べてもらいたいと思っている。ワカマツがCERAを全否定しているという立場で最初から訳文作成にあたるのは感心しない。
よく読まなくとも、この次のパラグラフも含め、ワカマツはCERAを完全否定しているわけではない。「CERAを検討するには、よほど条件が揃って妥当性を持たないといけない」と推論しているに過ぎない。
ワカマツはむしろ、CERAを元にロブ・ジョンソンを選んだという話になるのを避けたい、それだけだろう。
それはそうだ。もしCERAを理由にロブを選んだ、ということになれば、ロブのCERAがシーズン後半によくみられる投手陣の疲れで極度に悪化したら、またもや城島を正捕手に戻すかどうか、などというアホな話を振られかねない。打撃も同様だ。ロブの打撃が不振だの、城島がヒットを何本打っただの、よけいな雑音に悩まされたくはないだろう。
インタビュー全体として、「ロブ・ジョンソンのほうが投手と『信頼システム』ができている」と繰り返し発言していることが全てで、それ以外の評価はけっこうおざなりだ。
逆に言えば、「城島は投手との間に『信頼システム』が欠けている」と何度も何度も断言していることくらい気がつかないと、この長い文章を読む意味がない。


Or comparing the ERA with the same pitchers?
では、同じ投手に対するCERAの比較はどうだろう?

"Yeah, but again, is it against the same lineup? Who's hurt? It's such an unfair deal. How we're playing as a club at the time. It's a nice stat to look at, but there's not a great deal of validity in it."
「まあね。でもこの場合もやはりね、同じ打線相手だったか、誰か怪我していたか、そういうことで生まれる不公平さがある。それぞれの時点で我々のチーム状態がどうだったか、ということだね。見るのには楽しいスタッツだけど、大きな信頼をおけるものではないね。」
ブログ注
野球のスタッツには、厳密にいえば、まったく同じシチュエーションのスタッツなど、ひとつも存在しない。
例えばホームランだって、どんな実力の投手から打ったか、どういう広さの球場で打ったか、そのとき自分のチームはリードしていたか負けていたか、条件によって違うと言い出した日には、ホームラン王も打点王も、さらにはOPSですら、すべて相互比較できなくなってしまう。
だから、この部分にワカマツの話の重要性、信憑性はほとんどないと判断するのが正しい。CERAの話に深入りするのをなんとか避けるための口実として話している部分であり、あまりに稚拙な逃げを打っているともいえる。
ラリー・ストーンもそのことがわかったのか、話題を変えている。大人の対応ぶりである。


Does he talk to the pitchers about their comfort level with a particular catcher?
特定の捕手に投げる安心感について、投手陣と話しているのだろうか?

"We've talked about not having favoritism. What we've talked about lately is just the belief system. I don't think there's a huge difference in what's being called and what's being executed. That's what we're talking about with Joh. So much of it is body language. Whether Rob's doing it better, I'm not saying that. I'm saying the results right now, because these guys are pitching well, it's something you don't want to break up. That's not an attack on Joh and his ability. It's just that when these guys are throwing well, you tend to go with the hot hand."
「えこひいきはしない、ということについては既に話している。このごろ話し合うのは、『信頼のシステム』についてだ。僕は、サインと実際の投球との間に大きなズレがあるとは思ってない。ジョーについて言いたいのは、そういうこと。ボディーランゲージのもつ意味は大きいよ。僕は、ロブのほうがよくやっているかどうかとか、そういうことを言っていない。目下の結果を言っているだけ。投手陣がよく投げてくれているんだから、それを壊したくはない。ジョーと彼の能力に対する攻撃というわけじゃない。投手がいいピッチングをしている時は、そのまま良い状態でいきたいと思うっていう、ただそれだけのこと。」
ブログ注
このブロックの3番目のセンテンスの訳で困った。
いろいろ考えたが、betweenを補ってI don't think there's a huge difference in (between) what's being called and what's being executed.という話だと判断した。「城島の出すサインと実際の投球の間に食い違いはないと思っている」ということだ。そうでもないと「ボディランゲージ」という言葉を急に言い出す意味がなくなり、話の辻褄が合わない。
もちろん、火のないところに煙は立たない。実際には「サインと投球がズレるケース」があるのではないか。そうした場合、投手のところへキャッチャーが言って「言葉で」確認しあうものだが、それがうまくいっていない、つまり「城島の英語が通じないか、または、投手の話すネイティブな英語(またはスペイン語)を城島が完全には聞き取れていないまま、また投球に入ることがある。意思疎通ができていない。」という意味にとられないよう、ワカマツは「ボディランゲージで十分伝わるから大丈夫」とフォローしたわけだ。
この部分は、立場上モノを言えないワカマツに、ではなく、むしろ投手に話を聞いてみたいものだ。


How does he decide when it's time to use Johjima?
城島を使うタイミングは、どうやって決定する?

"When I talked with Joh, I said Rob was hurt early in the year, he was hurt. Everybody wants to put 'starting catcher, backup catcher.' I said there's going to be other opportunities. If someone gets banged up, he's going to go in and catch and be the starting catcher again. To me, it's about how effective we are at that time, and we're going to go down that road no matter who it is."
「ジョーと話した時、こんな話をした。今シーズン初め、ロブが怪我をしたこと。そう、彼も(城島と同じように)怪我をしたんだ。誰もが『正捕手』や『控え捕手』という表現をとりたがる。ほかのチャンスがめぐって来ると言ったんだ。もし誰かが怪我したら、今度は彼が試合に出て球を受けるとか、また正捕手をやることになる。私にとっては、そういう(イザという)とき、我々がいかに実戦的な準備ができているか、という話。今後もそういう道を選ぶよ。それが誰であろうとね。」
ブログ注
上のほうで、ワカマツは「人は正捕手だの、控え捕手だの、決めたがる」みたいなことを言っているわけだが、その割にはこの部分でbe the starting catcher againと、ワカマツ自身が「正捕手」という言葉を使っている。要は、城島は「控え捕手」と宣言した、ということだ。
other opportunitiesという部分だが、このotherが何を意味するのか、最初はよほど意味深なことを言っているのかと思った。つまり、城島のDH起用などを含むのかもしれないとも考えたわけだが、結局ここではそれについて語られるまでには至っていないと考えるのが妥当だと思う。
むしろ、「控え捕手として怪我した正捕手をバックアップしてゲームに入る」という話を先にしておいて、後から「正捕手復帰」という順序で話をしたことに注目するなら、「城島の正捕手復帰は、よほどのことがない限り、ない」と考えるのが、この部分だけを見てもわかる。gets banged upという部分は、「怪我をした」という意味だろうが、「疲労がピークに達した」「疲れきった」という意味も含むと考える。
なお、effectiveという単語はこの場合は「イザというときに備えておく」という意味で、効果的とか効率的とだけ訳すのには賛成しない。



My interpretation of the whole thing: Johnson is going to keep on catching the Mariners' "Big Three" in the foreseeable future.
全体を見て私はこう解釈する。「近い将来に渡ってジョンソンは『ビッグ・スリー(ブログ注=先発投手三本柱)』の球を受け続けるだろう。」

(以上 この項終わり)






ハワイ移民150周年
No Ichiro, No watch.

Play Clean
日付表記はすべて
アメリカ現地時間です




Twitterボタン

アドレス短縮 http://bit.ly/
2020TOKYO
think different
 
  • 2014年10月31日、PARADE !
  • 2013年11月28日、『父親とベースボール』 (9)1920年代における古参の白人移民と新参の白人移民との間の軋轢 ヘンリー・フォード所有のThe Dearborn Independent紙によるレッドソックスオーナーHarry Frazeeへの攻撃の新解釈
  • 2013年11月8日、『父親とベースボール』 (8)20世紀初頭にアメリカ社会とMLBが経験した「最初の大衆化」を主導した「外野席の白人移民」の影響力 (付録:ユダヤ系移民史)
  • 2013年11月8日、『父親とベースボール』 (8)20世紀初頭にアメリカ社会とMLBが経験した「最初の大衆化」を主導した「外野席の白人移民」の影響力 (付録:ユダヤ系移民史)
  • 2013年11月8日、『父親とベースボール』 (8)20世紀初頭にアメリカ社会とMLBが経験した「最初の大衆化」を主導した「外野席の白人移民」の影響力 (付録:ユダヤ系移民史)
  • 2013年6月1日、あまりにも不活性で地味な旧ヤンキースタジアム跡地利用。「スタジアム周辺の駐車場の採算悪化」は、駐車場の供給過剰と料金の高さの問題であり、観客動員の問題ではない。
  • 2012年7月3日、『父親とベースボール』 (2)南北戦争100年後のアフリカ系アメリカ人の「南部回帰」と「父親不在」、そしてベースボールとの距離感。
  • 2012年7月3日、『父親とベースボール』 (2)南北戦争100年後のアフリカ系アメリカ人の「南部回帰」と「父親不在」、そしてベースボールとの距離感。
  • 2012年6月29日、『父親とベースボール』 (1)星一徹とケン・バーンズに学ぶ 『ベースボールにおける父親の重み』。
Categories
ブログ内検索 by Google
Google

livedoorブログ内検索
Thank you for visiting
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

free counters

by Month