July 24, 2009

グティエレスを怪我で欠いて、打撃面では非常に苦しいゲームだったが、そんなゲームに限って相手投手の出来がよく、ランガーハンズの初ヒットがようやく出たときには、正直、ため息がでた。「ノーヒットノーランをやられなくてよかった…。これで負けてもしかたない…」。
そんな貧打戦が、2本目のヒット、つまり8回のブラニヤンの2ランで勝ってヘルナンデスにも勝ちがついてしまうのだから、やはり守りは大事だ。
相手が先発投手を変えてくれて得た2ランである。DETの監督リーランドにしてみれば、イチローを警戒せざるをえなかったわけで、首位打者イチローならではの無言のプレッシャーが先発投手を降ろしたことになる。
ブルペンの貢献も大きい。ロウ、アーズマと、鬼気迫るピッチング。ロブ・ジョンソン相手のときのロウは思い切りがよくて気持ちいいし、多少休養できたせいか、アーズマの球に本来のキレが戻ってきた。頼もしい。
Seattle vs. Detroit - July 22, 2009 | MLB.com: Gameday
ヘルナンデスの8三振(動画)
ブラニヤンの2ラン(動画)

今日のゲームで一番のテーマは、チームの勝利を除けば、もちろんサイ・ヤング賞レースをひたはしるキング・フェリックスの「自責点数」と、「勝利」だった。3回に1点を失ったときはヒヤヒヤしたが、その後は何事もなかったかのように変化球、特にタイガース打者が驚いた「90マイル台のスライダー」で、タイガース打線を寄せ付けなかった。
このゲームでは、LAAのソーシア監督同様、DETのベテラン監督リーランドの恐さを思い知らされた。最初のイニングから徹底した「ストレート狙い」を打者に指示していたようで、グランダーソン、ポランコと、狙い打ちでシングルを連打された。
"They jumped on the fastball a little bit." (ヘルナンデス)
Felix, Branyan carry Mariners in victory | Mariners.com: News
ロブ・ジョンソンが優れたキャッチャーなのは、DET側が狙い球を絞ってきていることがわかった時点で、剛腕ヘルナンデスの投球の組み立てを「変化球中心」にスパッと切り替えられる「場を読む力」と、それを投手とのやりとりで理解しあえる日頃から育てた「コミュニケーション力」である。
試合を見ていた人はわかると思うが、ヘルナンデスは変化球主体に切り替えた後も、何度かサインに首を振ってストレートを投げたがった。
ロブ・ジョンソンは、ヘルナンデスがどうしてもストレートを投げたいときは投げさせつつ、トータルには変化球に配球の中心をもっていって、今日のゲームをモノにしていた。
あまりにもヘルナンデスと対立して無理に言うことを聞かそうとせず、あわせるところはあわせ、全体としては変化球主体にしていく。いかにも、日本語でいう「女房」的な仕事ぶりである。
ブルペンはロウ、アーズマと、直球系の投手をつないだが、ここでは逆に、ド真ん中のストレートをわざと要求するほど大胆なリード。これも素晴らしかった。

サイ・ヤング賞レースについてはこれまで、ERAトップを走るグレインキーとヘルナンデスを比較してきたが、ここにきて、本当のライバルはやはり、ア・リーグを代表する大投手ハラデーだろうと思い出している。
ブラニヤンのホームランでヘルナンデスに勝ちがつき、ハラデーと同じ11勝3敗になったことは、たいへん大きい。

ア・リーグ ERAランキング
MLB Baseball Pitching Statistics and League Leaders - Major League Baseball - ESPN



ロブ・ジョンソンとコネ捕手城島のCERAの差については、長く「2点」と表現していたが、アウェイ9連戦以降をみると、「2.5点」に拡大している。7月7日の大敗したゲームを除くと、その差はさらに広がって「3.5点」に近くなる。
正捕手交代は、確実に効果を挙げている。
Rob Johnson Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN

だが、大きな連勝をできない今の2勝1敗、3勝2敗ペースでは、首位を走る好調LAAにはけして追いつけはしないし、ポスト・シーズンに進出するのは無理だ。
問題は、いわゆる「ビッグスリー」以外の先発投手候補たち、バルガス、ジャクバスカス、ローランド・スミス、オルソンなどで、どれだけ勝ちが拾えるかにかかってきた。彼らだって、コネ捕手城島などではなく、もっとマトモなキャッチャー相手に投げたいだろう。

シアトルは城島からミットを取り上げてベンチに座らせ、マイナーからバークかクレメントを上げてくるべき時期だ。城島はどうしてもゲームに出たければDHでもやればいい。そうしないと、数試合に1ゲーム、必ず負けるコネ捕手城島のローテ4番手、5番手投手のゲームの負けを消すことは簡単にはできない。
バルガス、ジャクバスカス、ローランド・スミス、オルソン、彼らにとっては、コネ捕手城島がプレートの後ろにいるということは、ゲームが0−2から始まるということであり、彼らのERAは登板するたびに悪くなり、チームからの評価もされないという意味になっている。
いってみれば、いまのシアトルは、ロブ・ジョンソンが先発マスクの日だけが2009年版のシアトルになったが、それ以外の、疫病神城島先発の日には2008年の、あの100敗シアトルをあいかわらず再現している。「2つの分裂したシアトル・マリナーズ」がそこにある。

これでは「城島問題」の根本的な解決になどなっていない。
いまのシアトルは5日間のうち、2日間だけ時計が1年巻き戻ってしまっている。「城島の先発する日のシアトルは1年、時間が巻き戻ったタイムマシン」のようなものだ。


ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.カテゴリー:2009投手ERA「2点の差」

6月26日 @LAD 2-8 L 城島    8回自責8
6月27日 @LAD 5-1 W ジョンソン 9回自責0 QS
6月28日 @LAD 4-2 W 城島    9回自責2
6月30日 @NYY 5-8 L 城島    9回自責6
7月1日  @NYY 2-4 L ジョンソン 8回自責4 QS
7月2日  @NYY 8-4 W 城島    9回自責4
7月3日  @BOS 7-6 W ジョンソン 11回自責6 QS
7月4日  @BOS 3-2 W 城島    9回自責2
7月5日  @BOS 4-8 L 城島    8回自責8
(遠征からホームに戻り、正捕手実質交代)
7月6日  BAL 5-0 W ジョンソン 9回自責0 QS
7月7日  BAL 4-12 L ジョンソン 9回自責12
7月8日  BAL 3-5 L 城島    9回自責3
7月9日  TEX 3-1 W ジョンソン 9回自責1 QS
7月10日  TEX 4-6 L 城島    9回自責6
7月11日  TEX 4-1 W ジョンソン 9回自責1 QS
7月12日  TEX 5-3 W ジョンソン 9回自責3
7月16日  @CLE 1-4 L 城島    8回自責2
7月17日  @CLE 6-2 W ジョンソン 9回自責2 QS
7月18日  @CLE 3-1 W ジョンソン 9回自責1 QS
7月19日  @CLE 5-3 W ジョンソン 9回自責3
7月21日  @DET 7-9 L 城島    8回自責9
7月22日  @DET 2-1 W ジョンソン 9回自責1 QS

城島再復帰後(=6月26日以降)
ジョンソン 10勝2敗 109回自責点34 CERA 2.80
城島    3勝7敗 86回自責点50 CERA 5.23

正捕手交代後(=7月6日以降)
ジョンソン 8勝1敗 81回自責点24 CERA 2.66
(7月7日を除くと、72回自責点12 CERA 1.50)
城島    0勝4敗 34回自責点20 CERA 5.29






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