August 02, 2009

このゲーム、最も大きい収穫は、ロウの好投
今年一度も勝てていなかったビジターのテキサス戦に、とうとう勝利することができた。

それにしてもこの数試合、ヘルナンデスのコントロールがバランバランになってきた。あの「トルネード風のフォームへの改造」はストレートの走りやコントロールに影響はないのだろうか。
カラダ全体に捻りを加えてモーションを起こすにしても、一度ねじった体をひねりながら戻すタイミングと、腕を振るタイミングが微妙に重なってしまい、結果として、かえって腕の「しなり」が相殺されてしまい、結果的に「ボールに体重をのせるタイミング」がまったくあわなくなっているように見えてしかたない。
心配である。

打線も、もちろん点がとれないよりは十分に打ったが、なにせ個人LOB総計35もの残塁、これはちょっといただけない。
もしイチローのレーザービーム、ランガーハンズのファインキャッチはじめ、ヘルナンデスを助けたいくつかのファインプレーがなかったら、本来は乱打戦になる可能性もあったわけで、もしそうなっていたら、得点が7点では足りず、ゲーム終盤に逆転負けしていたかもしれない。

ランガーハンズのファインプレー
Baseball Video Highlights & Clips | SEA@TEX: Langerhans makes the grab and hits the wall - Video | Mariners.com: Multimedia

イチローのレーザービーム・ダブルプレー
Seattle vs. Texas - August 1, 2009 | MLB.com: Gameday

Mariners' offense breaks out for Felix | Mariners.com: News

2007年以来、セットアッパーとしてのロウについては、正直、まったくいいイメージがない。先発投手が6回か7回を好投してリードしているゲームでさえ、ロウの単調なストレート主体の組み立てとノーコンで、何ゲームひっくりかえされたことか。
今日は9回に5点差があってクローザーにセーブがつかないため、アーズマを投入せず2イニングをまかされた。「またロウか」とイヤな感じがしたわけだが、むしろ余裕の危なげないピッチング。正直驚かされた。

ストレートのキレもよかったが、それよりなにより今日のロウで特筆なのは、変化球の使い方の良さ。コントロール、キレもよかったし、なにより、対戦する打者によって変化球を使い分けて、組み立て(変化球を使う、使わない。カウントのどこで投げるか。変化球を続けるか、1球だけ使うか)を大きく変化させたことが素晴らしい。
特に多投したスライダーがとても効果的に使われ、テキサスの打線に的を絞らせなかった。

ブログ主も今日はさすがにロウに謝るべきだ、と感じた(苦笑)
Boxscore: Seattle vs. Texas - August 1, 2009 | MLB.com: News

こういうゲームを見て、「いつもは貧しいオフェンスがブレイクしたゲーム」と見るか、「いつもの堅いディフェンスが失点を抑えたゲーム」と見るか、もちろん2つの見方がある。
公式サイトや地元紙は前者のようだが、当ブログは後者をとる。

7得点したとはいえ、35残塁と、攻撃面ではもっと点がとれたゲームで、得点数はこれでは最小限としかいえない。
むしろ、大量失点を避けにくい球場と打線相手のゲームを、野手のファインプレーや、調子のよくない先発投手の粘り、セットアッパーの出来などで、失点を最小限に押さえ込んだことが、「超苦手なテキサスのビジター戦 初勝利」につながったと思うからだ。


ロウの好投の要因は何だろう。
いくつか考えられる。「バッテリーの投球テンポ」「打者ごとの変化球と速球の配球バランス」「変化球を使うボールカウント」「変化球のコントロールとキレのよさ」「キャッチャーロブ・ジョンソンのミットを構えるタイミングの早さ」

参考動画)某ダメ捕手さんのミットを構えるタイミング
(リンク拝借失礼)

DET戦の城島、オルソンが満塁ホームランを打たれる場面。7秒目後半、投手オルソンがモーション開始どころか、足をおろしかけているのに、まだ捕手城島がミットを構えていない。その後ボールはスタンドに。fromニコニコ動画(ββ)



8回のロウとロブ・ジョンソン
マーフィー   ストレートのみで1-2と追い込んで
        決め球のみスライダー。
        直球狙いなのか、見逃し三振
バード     全球ストレート。レフトフライ
ブレイロック  初球ストレートから、2球変化球で
        3-1から高めストレートに手を出し、フライアウト

9回のロウとロブ・ジョンソン
クルーズ    ストレートのみの1-1からスライダー空振り
        1-2と追い込む
        最後は意表をついた「ド真ん中にスライダー」
        スライダー連投で空振り三振
ハミルトン   ほとんど変化球。ファウルで粘られた
        最後はインコースのスライダー。フライアウト
サルタラマキア ストレート連投で2-2
        5球目スライダーで決めに行くがボールで
        フルカウント。
        5球目と同じコースに、
        こんどはストレートを投げ込み見逃し三振



やはり8回を見ていると、7月以降のシアトルと対戦するチームのバッターの狙い球の基本戦略は、当然ながら、「早いカウントでのストレート系狙い打ち」なのだろうと思う。特に、ヘルナンデス、ロウ、アーズマといった、ストレートを連投したがる投手の直球が狙われていると感じるゲームが増え続けている。
彼らは勝ちゲームの投手たちなだけに、やっかいだ。ストレートを投げることを躊躇しだすと、途端にピッチングの構成が崩れてきて、投手に自信がなくなってくる。
8回9回の6人のバッターのうち、4人に対し「初球がボール」になっている。これは単なるコントロールミスかもしれないが、一方で、このところの相手チームの「初球にストレートでストライクをとりにくるのをフルスイングせよ」という基本戦略を警戒した結果かもしれない。
先頭マーフィーのストレート狙いを、スライダーでかわして「見逃し」三振させたのが、8回の象徴的な打席だ。

かたや9回は、8回に「うまくいくはずの『ストレート狙い』をかわされた」感じになったテキサス打線が変化球にも手を出すようになっている。実際、クルーズはスライダーを2球とも振ってきた(三振)。
ここらへんのテキサスの打者の、相手投手の配球パターンの変化への対応の早さ、柔軟性は、ほんとうに素晴らしい。昔弱かった頃のテキサスとの大きな違い、差を感じる。
彼らはたしかにホームラン数ア・リーグNo.1の強打のチームだが、なにも、2008年までのシアトルのように、闇雲にバットを振り回しているわけではないことを強く感じさせる。

だが、ロウとロブ・ジョンソンのバッテリーも負けてはいなかった。変化球を意識しはじめた9回のテキサスの打者たちに、即座に対応し、9回に組み立てを変えてきた。
最後のバッターサルタラマキアには、8回には狙われていたはずの4シームで「見逃し」三振。これが象徴的。


8回に「スライダーを見逃しさせての三振」ではじまり、9回、クルーズの「スライダー連投による空振り三振」を経て、最後をこんどは「ストレートを見逃させての三振」で切って落としたあたりが、この日の終盤のバッテリーの冴え、対応の早さを象徴しているように思う。







Play Clean
日付表記はすべて
アメリカ現地時間です

Twitterボタン

アドレス短縮 http://bit.ly/
2020TOKYO
think different
 
  • 2014年10月31日、PARADE !
  • 2013年11月28日、『父親とベースボール』 (9)1920年代における古参の白人移民と新参の白人移民との間の軋轢 ヘンリー・フォード所有のThe Dearborn Independent紙によるレッドソックスオーナーHarry Frazeeへの攻撃の新解釈
  • 2013年11月8日、『父親とベースボール』 (8)20世紀初頭にアメリカ社会とMLBが経験した「最初の大衆化」を主導した「外野席の白人移民」の影響力 (付録:ユダヤ系移民史)
  • 2013年11月8日、『父親とベースボール』 (8)20世紀初頭にアメリカ社会とMLBが経験した「最初の大衆化」を主導した「外野席の白人移民」の影響力 (付録:ユダヤ系移民史)
  • 2013年11月8日、『父親とベースボール』 (8)20世紀初頭にアメリカ社会とMLBが経験した「最初の大衆化」を主導した「外野席の白人移民」の影響力 (付録:ユダヤ系移民史)
  • 2013年6月1日、あまりにも不活性で地味な旧ヤンキースタジアム跡地利用。「スタジアム周辺の駐車場の採算悪化」は、駐車場の供給過剰と料金の高さの問題であり、観客動員の問題ではない。
  • 2012年7月3日、『父親とベースボール』 (2)南北戦争100年後のアフリカ系アメリカ人の「南部回帰」と「父親不在」、そしてベースボールとの距離感。
  • 2012年7月3日、『父親とベースボール』 (2)南北戦争100年後のアフリカ系アメリカ人の「南部回帰」と「父親不在」、そしてベースボールとの距離感。
  • 2012年6月29日、『父親とベースボール』 (1)星一徹とケン・バーンズに学ぶ 『ベースボールにおける父親の重み』。
Categories
ブログ内検索 by Google
ブログ内検索 by livedoor
Thank you for visiting
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

free counters

by Month