エリック・ベダード

2011年6月30日、今年上半期の先発投手5人の通知表。「6回2失点」の投手と、「7回3失点」の投手の違い。
2011年5月20日、インターリーグで2年ぶりにシアトルの投手が打ったヒットで、2009年当時のジェイソン・バルガスの苦境を思い出す。
2011年4月27日、5打点スモークの2試合連続ホームランの凄い打球。ベダード、無四球で2009年6月7日以来の勝利!
2010年9月12日、元シアトルの右腕クリス・ティルマンがデトロイトを1安打に抑えて好投中。なんとミゲル・カブレラを2三振。
2009年10月29日、コヨーテの森のベースボール。
2009年6月2日、ベダード1失点QSで圧勝、ロブ・ジョンソンはア・リーグ防御率ベスト10になんとシアトルの投手3人を送りこんだ。
2009年5月27日、ベダード6回2/3を1失点QS達成、ロブ・ジョンソン2塁打2本で信頼に応える。
2009年5月21日、ベダード登板ゲームでロブ・ジョンソンと、フルカウントだらけの城島では、先発投手に対するCERAに「2点の差」があることが完全に証明された。(ベダード版「2点の差」計算つき)
2009年5月10日、ロブ・ジョンソンはミネソタに合計23LOBを食らわせて7連敗を防ぎ、2008年5月の悪夢再現をかろうじて防いだ。
2009年4月12日、ロブ・ジョンソンは2試合連続の完封ゲームを演出して城島不要を印象づけた。
2008年7月4日、ベダードはバークとのコンビを復活させた。
2008年6月29日、クレメント先発で今シーズン初のスイープ達成。
2008年5月28日、城島・セクソンをようやくはずしたシアトルはレッドソックス相手に記念すべき完封勝利。
2008年5月21日、ベダードとウオッシュバーンは専属捕手にバーク指名と報道された。
2008年5月17日、地元記者はすでに城島とベダードの相性の悪さを指摘していた。
2008年5月8日、ベダードはバークを選んだ。

July 01, 2011

野球選手の数字、というのは、ちょっとした数字のマジックみたいなところがある。


たとえば、防御率3.00のエリック・ベダードと、防御率3.35のフェリックス・ヘルナンデス。試合を見ないで、「防御率」しか見ないようなおかしな人にしてみると、この2人が似たような投手に見えてしまうだろう。

だが、防御率というのは、9イニングでの自責点数に換算している数字であることに注意しなければならない。
防御率3.00で6回しか投げられない球数の多い今シーズンのベダードの失点は、だいたい「2点」。対して、防御率3.35で毎試合7回程度を投げるフェリックス・ヘルナンデスの失点は、ほぼ「3点」に近くなる。
2011 MLB Baseball Pitching Statistics and League Leaders - Major League Baseball - ESPNa>


打線が貧弱で、1試合あたり3点ちょっとの得点しか期待できないなシアトルの野球においては、先発投手の失点が「6イニング2失点」なのか、それとも「7イニング3失点」なのかで、勝ちゲームなのか負けゲームなのか、終盤のゲーム展開やブルペンの使い方など、ゲームの様相がまったく違ってしまう
「6イニング2失点」なら勝ちゲームのリリーフを注ぎ込んで勝ちを拾いにいくゲームになる可能性があるが、「7イニング3失点」だと、もしかすると同点か負けている可能性がある。
なぜ、試合終盤の野手のエラーが致命傷になってしまうのか。なぜリリーフ投手のわずかな気のゆるみが、これほどダメージが大きいのか。なぜクローザーにかかる負担がこれほど大きく、簡単に負けてしまうのか。
数字を並べてみると、よくわかると思う。

ベダードとヘルナンデスの、どちらが優れたイニングイーターか? といえば、当然、ヘルナンデスがベダードを圧倒するに決まっている。
だが、実際のゲームでは、打線の貧弱すぎるシアトルが得意とする投手戦のクロスゲームに持ち込んでギリギリの勝ちを拾うという目的においては、単にイニングイーターであるというだけでは、試合に勝てないのだ。
本来、ヘルナンデスだけに責任があるのではなく、打線に責任があるのだが、今シーズンのレベルのヘルナンデスに好きなようにピッチングさせているだけでは、チームの勝率は5割を越えることはできない。これも事実だ。


シアトルの勝ち負けを決めているのは、常に「ほんのわずかな差」だ。
「ほんのわずかなこと」が、実はシアトルの先発投手の「評価」や、ブルペンの使い方、代打や代走などゲーム終盤の野手の使い方を「大きく間違えるポイント」になっている。
例えば、ナショナルズとの3連戦などは、監督エリック・ウェッジが「自分たちが、なぜ勝ち、なぜ負けているのかというゲームパターン」を把握しないままゲームを進めているために、スタメン、代打、代走、守備交代など、野手の適切な選択を間違えまくって、スイープされた。

シアトルで大事な「ほんのわずかな差」とは何だろう?
簡単な数字で示しつつ、2011年上半期のシアトル先発投手たちについて通知表をつけてみる。



エリック・ベダード
ERA 3.00
QS率 0.60
Erik Bedard Game By Game Stats and Performance - Seattle Mariners - ESPN
隠れエース。
6月30日時点では、アトランタ戦で怪我をした2人のキャッチャーを補充しなければならず、40人枠を開けるためにDL入りしてしまったが、エリック・ベダードの防御率は、3.00。これはア・リーグ12位で、これはCCサバシアや、CJウィルソンよりいい。素晴らしい数字だ。
15登板で90イニングだから、1試合あたりちょうど6イニング投げている。「6イニング投げて、2失点で降板」というのが、ベダードの標準的な登板だ。

だが、最近の彼はもっと素晴らしい。
5月6月は、10登板して、自責点16。1回の登板あたり、わずか1.60しか失点していない。特に5月の月間ERAは5登板、1.39で、本当に素晴らしい数字を残した。

チームがすべき仕事は、「イニングは食えないが、防御率がいいエリック・ベダード」に、勝ちをつけてやるには、どうしたらいいか、この設問に解決策を見つけてやることだ。相手投手にあわせて野手を組み替えまくっているだけでは無意味だ。
投手ごとこういう課題にひとつひとつ丁寧に解決策を見つけて、チームの「仕入れたモノを、同じ金額で売るような、無意味な自転車操業体質」を直していくことこそが、最近ブログ主が力説している「シアトルの監督、GMの、やるべき工夫であり、仕事」だ。
イニングが食えないが、防御率は素晴らしいベダードに、「4点以上の得点」あるいは、優秀なセットアッパーの援助さえあれば、彼の登板日に勝ちを拾える可能性は常にある。もったいなさすぎる。

シアトルの「1試合あたり3点ちょっと」という貧しい得点力を考えると、ベダードが6イニング2失点で降板した後の「残り3イニング」を、3人、あるいは2人の投手が「1失点以内」で乗り切ればいい。それが実現できたゲームは、シアトルの3得点に対して、対戦相手の得点は2から3で、勝てるか、同点であることになる。
非常にあやうい話だが、シアトルの勝ちパターンは「投手戦のクロスゲーム」なのだから、しかたがない。


フェリックス・ヘルナンデス
ERA 3.35
QS率 0.67
Felix Hernandez Game By Game Stats and Performance - Seattle Mariners - ESPN
今シーズンのヘルナンデスのピッチングは、あきらかにエースのそれではない。今の彼はむしろ「中堅のイニング・イーター」である。去年までの活躍で他チームのスカウティングが進んだことで、手の内を相手バッターにかなり読まれている。
今シーズンは18登板で129イニングを投げている。1登板あたり、7.17イニング。防御率から7イニングあたりの失点を求めると、だいたい2.60という計算になる。
特に、5月6月の12登板は、自責点33。1登板あたり2.75失点で、ほぼ常に「3失点は覚悟しなけばならない」という結果になっている。6月の6登板だけ見ても、自責点は18。やはり「1登板あたり、常に3失点」という結果は、6月になっても変わっていない。

イニングが食えるが、ほぼ3失点するフェリックス・ヘルナンデス」に勝ちをつけてやるには、どうしたらいいか。
シアトルの「1試合あたり3点ちょっと」という貧しい得点力を考えると、ゲーム終盤2イニングを、セットアッパー1人とクローザーが、「必ず無失点」で乗り切らなくてはならない。これは結構きつい。
もちろん、3失点がお約束という今の状態のヘルナンデスを勝たせるには、
打線が毎試合4得点すればいいわけだが、残念なことに、今のシアトルでは、彼に4得点を約束する能力がない。
だから、ヘルナンデスが降板する7回の時点で、もし相手チームにリードを許している状況のゲームでは、試合終盤に1点か2点失うことで、ほぼチームの負けが決定してしまう。
いまヘルナンデスに必要なのは、彼の足りない部分を補ってくれる「冷静な智恵袋」だが、ヘルナンデス自身の自分の能力への過信からチームは「智恵袋の」ロブ・ジョンソンを手放ししてしまっているし、また、ミゲル・オリーボのリード能力はロブ・ジョンソンほどは高くない。オリーボは、「打者を追い込むところまでは構成できるキャッチャー」だが、「うちとるところまで、全てを構成できるキャッチャー」ではない。バッターにファウルで粘られて手詰まりになると、同じような配球に終始する。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年5月13日、「打者を追い込むところまで」で終わりの投球術と、「打者を最終的にうちとる」投球術の落差  (1)打者を追い込んだ後のヘルナンデスの不可思議な「逆追い込まれ現象」

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年5月13日、「打者を追い込むところまで」で終わりの投球術と、「打者を最終的にうちとる」投球術の落差  (2)「ストレートを投げる恐怖感」と「アウトコースの変化球への逃げ」が修正できないヘルナンデスの弱さ。


ここまで書いたことで、シアトルの貧弱な打線を前提に考えると、チームがそれぞれのゲームに勝つ可能性は、「6イニング2失点のベダードは、7イニング3失点のヘルナンデスより勝てない」とは、必ずしも言い切れないことがわかってもらえるはずだ。
この失点の2とか3とかいう細かい話をベースに、残り3人の先発投手を評価してみよう。


マイケル・ピネダ
ERA 2.65
QS率 0.75
Michael Pineda Game By Game Stats and Performance - Seattle Mariners - ESPN
相手チームに手の内を読まれ始めるまではエース格と言えた。
16登板で、102イニング、33失点。1登板あたりでは、6.38イニング、2.06失点だ。「6回か7回を投げて、ほぼ2失点で終えてくれるピネダ」は、だいたい好調時のエリック・ベダードと同じことがいえる。これは、逆にいうと、「最近好調だったエリック・ベダードは、開幕当初のピネダに匹敵する快投ぶりだ」という意味でもある。
6回か7回を投げて、ほぼ2失点で降板するピネダ」を勝たせてやるには、ベダードと同じで、ピネダが2失点で降板した後の「残り3イニング または 2イニング」を、3人、あるいは2人の投手が「無失点」で乗り切ることで、かなりのパーセンテージで勝てるのは間違いない。
だが、たとえ1失点でもすると「延長戦」になってしまう可能性を考えなくてはならないので、リリーフ投手の責任はかなり重く、ブルペン投手の疲労はどうしても深くなる。
開幕当初とは違い、相手チームはピネダの投球パターンを厳しくチェックしてきているわけだが、それに対してピネダは、チェンジアップを持ち球に加えることで「壁」を乗り越えようとしている。
若いが、ピッチングに対する情熱のある投手である。


ジェイソン・バルガス
ERA 3.88
QS率 0.56
Jason Vargas Game By Game Stats and Performance - Seattle Mariners - ESPN
いわば精密機械のような天才肌の投手。
3ヶ月でみると、16登板で、104.1イニング、45失点と冴えない。だが、ようやく相性の悪いジメネスから解放された最近の10登板は、69.2イニング 24失点。1登板あたりでは、6.92イニング、2.40失点と、輝いている。イニング数でみても、ヘルナンデスにも負けていない。かなりしっかりしてきている。

要は、バルガスという投手は、他の投手と基準が違うのだ。数字だけで追いかけてはいけない天才ぶりがいつも垣間見える。
好調時と、打たれるときの差が激しい。調子がいいと、完封ベースで投げることさえできる。これは、彼が気分屋だからではなく、何度も書いているように、球審、キャッチャーとの相性の問題だ。相性が悪いと、3から5イニングで、5点前後失点し、簡単に降板してしまうこともある
要は、バルガスは、ピッチングが「精密すぎる」のだ。

とにかく「精密機械のバルガス」の場合、単に気持ち良く投げさせることだけに気をつかうだけで、びっくりするくらいいいピッチングをしてくれる。むしろ、これほどわかりやすいピッチャーはいないだろう。
彼の実力を低く勘違いしている人が多いが、最低でも「月間5登板で3勝2敗」という計算の成り立つ、シュアな先発投手だと思う。
チームが彼に「月間6登板、4勝2敗」を、1シーズン2度くらい実現させたいと思うのなら、チームがバルガスに、キロスやジメネスのようなおかしなキャッチャーをあてがうのを絶対に止めるべきだ。、


ダグ・フィスター
ERA 3.18
QS率 0.56
Doug Fister Game By Game Stats and Performance - Seattle Mariners - ESPN
成長して、一皮剥けたダグ・フィスター」。
単なる5番手投手だと思っている人もいまだに少なくないが、それはまったくの間違い。どこを見ているのだ、と、言いたい。バルガスと同様に、本当に勘違いした人が多い。
16登板で、110.1イニング、自責点39。1登板あたりでみると、6.88イニング、244失点。
防御率3.18は、ア・リーグ17位。オークランドのトレバー・ケイヒルと肩をならべ、テキサスの期待の若手ザック・ブリットンや、あの「ちっこい球場」で打線の援護をもらいまくって10勝もあげているジョン・レスター、完全男マーク・バーリー、タンパベイの好投手デビッド・プライスより、ぜんぜんいい数字だ。

打線の貧弱なシアトルの先発投手というものは、平均投球イニングと自責点が、「6回2失点」なのか、「7回3失点」なのかで、まったく違ってくる、ということを長々と書いているわけだが、今シーズンのフィスターは「ほぼ毎試合7イニング投げられる、堂々たる若手投手」である。これは言うまでもなく、絶賛に値する。
フィスターの欠点は、WHIP(Walks plus Hits per Inning Pitched)が良くないことでわかるように、ランナーを簡単に出してしまうことであり、この悪いクセはまだまだ直っていないのは確かだが、一方では、彼なりのピッチングスタイルが固まりつつあり、ランナーを出した後に粘り強く投げ、ピンチを切り抜けていける手腕がだんだん身についてきている。

「7回を粘り強く投げられる実力の備わってきた若い投手」に勝ちをつけてやる手段など、グダグダ書く必要などない。チームがもっと細かい野球でもなんでも、やれることをやり、十分な点をとってやるだけのことだ。
そんなことも思い浮かばないような監督やGMなら、さっさとクビにしたほうがマシだ。


1登板あたりの投球イニング数
フェリックス・ヘルナンデス 7.17
(5月6月のバルガス 6.92)
ダグ・フィスター 6.88
バルガス 6.51
ピネダ 6.38
ベダード 6.00

1登板あたりの自責点
ベダード    2.00
ピネダ     2.26
(5月6月のバルガス 2.40)
フィスター   244
ヘルナンデス 2.60
バルガス    2.81

7イニング換算の自責点
ピネダ     2.06
ベダード    2.33
(6月のピネダ 2.38)
(5月6月のバルガス 2.43)
フィスター   248
ヘルナンデス 2.75
バルガス    3.03


最後に挙げたいくつかの数字は、シアトルの先発投手にとって、いかに「率」ではなく、グロスの失点数が少ないままマウンドを降りることが大事か、ということを表現したいために挙げてみた。
けしてヘルナンデスがア・リーグで成績の悪いほうに属する投手だ、などと、わけのわからないことを言うつもりではない。

だが、6回か7回、2失点くらいでマウンドを降りるヘルナンデス以外の4人の投手が、長く投げてはくれるものの、ほぼ毎試合3失点しているヘルナンデスより劣っているとでも勘違いして、「キング」だの、「キングスコート」だのと、もてはやしているような、お粗末でショボい野球意識では、いつまでたっても、「このチームが、貧打なりに勝ち続けていくための方法論」に辿り着けない、ということを言いたいのである。






damejima at 19:10

May 22, 2011

エリック・ベダードがたった92球でサンディエゴから9三振を奪い、もう誰にも文句は言わせないとばかりに8回無失点の快投で2勝目。やはり調子が戻れば彼本来のカーブを主体にしたピッチングは本当に素晴らしいものがある。
これでチームは3連勝。ピネダ、ヘルナンデス以外の先発での3連勝には本当に高い価値がある。
Seattle Mariners at San Diego Padres - May 20, 2011 | MLB.com Classic

このゲームの2回表、ベダードはフルカウントからショート脇にシングルヒットを打った。このヒット、なんでもインターリーグだけしか打席に立たないシアトルの投手としては、2009年以来、2年ぶりのヒットらしい。


ちょっと調べてみると、案の定、2009年にヒットを打ったのは、Long Beach Stateでの大学時代に投手兼DHだった経歴をもつ、バッティングのいい投手ジェイソン・バルガスだった。
June 14, 2009 Seattle Mariners at Colorado Rockies Box Score and Play by Play - Baseball-Reference.com

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年5月17日、The News TribuneのRyanDivishによると、大学時代のジェイソン・バルガスはDH兼ピッチャーで、相当バッティングがうまかったらしい。


この頃に書いたブログ記事をみてみると、バルガスがこの時期、いかに苦境にあったかがわかる。
当時のバルガスは、自分のピッチングスタイルをまるで理解しないダメ捕手城島にかわって、こんどは城島のコピーロボットとでもいうべき、キロスをキャッチャーとしてあてがわれていた。
キロスもまた、城島と同じように、バルガスのピッチングスタイルをまったく理解しないまま漫然とゲームをして、6月14日のコロラド戦も1-7と大敗した。
そのためバルガスは試合後に、「キロスのサインどおりに投げてしまったことを後悔している」と、見た目には自分を責める形で、実際にはキロスのリードを批判する発言をしたのだが、当時、監督経験の無い新人監督のワカマツはバルガスの置かれた苦境をまるで理解しなかった。

当時、自分の自由にならない状況でばかりピッチングさせられていたバルガスにしてみれば、インターリーグで、大学時代に非常に得意としていたバッティングの技術を披露することは、せめてものストレス解消だったのかもしれない。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年6月14日、城島・セクソンがゴーストとして復活したシアトルは、コロラドでスイープされた。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年6月14日、新加入投手バルガスは、「城島コピー捕手」キロスが出したサイン通り投げ、打たれまくったことを心から後悔した。(1)

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年6月14日、新加入投手バルガスは、「城島コピー捕手」キロスが出したサイン通り投げ、打たれまくったことを心から後悔した。(2)








damejima at 08:37

April 28, 2011

デトロイト第2戦、ビジターで圧勝。
素晴らしいゲームだった。
Seattle Mariners at Detroit Tigers - April 27, 2011 | MLB.com Classic

スモーク 2試合連続ホームラン from バーランダー


2011年4月27日 ジャスティン・スモーク 3ラン

先週、父の葬儀を終えたばかりのジャスティン・スモークがチームに戻ってきて、昨日今日と、いきなり2試合連続ホームラン。試合後のインタビューによるとバーランダーのストレートだけを待っていたらしい。("I was just looking for a fastball to hit." Seattle Mariners at Detroit Tigers - April 27, 2011 | MLB.com SEA Recap
今日のホームランは流し打ちで、あのバーランダーのアウトコースいっぱに決まる97マイルの速球を、この広いコメリカ・パークの左中間の奥にまで放りこんでしまうのだから、凄い。
まさに同じスイッチのスラッガー1塁手マーク・テシェイラばりの3ラン。AVG.302、OBP.408、OPS.979。

デトロイトの先発バーランダーの話
Verlander said. "I was trying to go down and away, and I basically got the pitch six inches higher than I wanted. He went down and got it _ that was a nice swing."
「外角低めを投げようと思ったんだけど、思ったところより6インチも高くいってしまって、つかまってしまった。いいスイングをするバッターだね」
Mariners rout error-prone Tigers 10-1 - Mariners News - MyNorthwest.com


ついでに、これも(笑)アウト判定だったが、明らかにセーフのフィギンズの本塁へのスライディング。

オリーボの幻のタイムリー 2011年4月27日 デトロイト戦


今日の先発ベダードは本当に素晴らしかった。
88球投げて、ストライク60。ストライク率68.1%。球数が少なく、しかも、四球を出さなかった。小気味いいテンポで投げていて、見ていても気持ちよかった。
ストレートのスピードが戻って、しかも、彼本来のボールである得意のカーブがキレキレ。序盤こそボールが高めに上ずって1点を失ったが、ゲーム後半にはストレートでカウントを悪くするとカーブで持ち直すというパターンで、終わってみれば、7回1失点の無四球登板だ。

ベダード、やればやれる。

なんだが、ヘルナンデスウオッシュバーン、そしてベダードの3本柱で面白いように勝ちまくった2009年春を思い出した。


そして打線の集中力も素晴らしかった。
Team RISPが、7-for-15。つまり、得点圏に走者がいるシチュエーションが15回もあって、しかも、そのうち半分の7回タイムリーが飛び出している。
こんなにタイムリーの出まくるシアトルを見るのは本当に楽しい。


スモークが忌引きでいない間に代役をつとめてチームを鼓舞してくれたのはアダム・ケネディの好調な打撃だったが、スモークがチームに戻ってくるにあたって、どうスタメンを構成しなおすか、アダム・ケネディをどう使うかが、このところ日米のファンの間でいろいろと議論されていた。
今日のゲームでは、ジャック・ウィルソンをスタメンに戻さず、好調アダム・ケネディをセカンドベースマンとしてスタメンに残す形をとった。もちろんブログ主は大賛成
今日の打順は、スモークとアダム・ケネディの間に絶不調ジャック・カストを挟んだ打順になっていたが、スモーク、ケネディを続けた打順にすべきだと思う。








damejima at 08:21

September 13, 2010

今年初めてタンパベイとの対戦を勝ち越し、さらに記念すべきヤンキースタジアムでの敵地スイープをもうすこしで達成しそうになった絶好調ボルチモアは、デトロイトのコメリカ・パークで、ビジターとして2006年ア・リーグ新人王ジャスティン・バーランダー先発のタイガースと対戦し、デトロイトの敵地スイープにチャレンジ中。

ボルチモアの先発は、ベダードとのトレードでアダム・ジョーンズとか、ジョージ・シェリルと一緒に移籍していったライトハンダー、クリス・ティルマンなんだが、これが、デトロイト打線を7回2アウトまで、たったブランドン・インジの1安打に抑える好投をみせている。三振は4つしかないが、そのうち2つは、あのア・リーグ三冠王候補筆頭のミゲル・カブレラなのだから価値が高い。

四球が多すぎるのはいただけないが、頑張れティルマン。
(四球多発の原因は、今日ウィータースのかわりにマスクをかぶったフォックスが、打者を追い込んでからのシチュエーションで無駄なボール球のサインを出しすぎるせいかもしれない、とみている。フォックスのサインはどうも単調すぎる)

結局、107球投げて、7回無失点のまま、勝ち投手の権利をもって降板。1安打無失点は素晴らしいが、58ストライク、ストライク率54.2%ではあまりにも少ない。次回登板へ課題が残った。
Baltimore Orioles at Detroit Tigers - September 12, 2010 | MLB.com Gameday

クリス・ティルマンの今シーズンのゲームログ
Chris Tillman Game Log | orioles.com: Stats


クリス・ティルマンは、最近好調のブライアン・マットゥースや、ブラッド・バーゲセン(彼も、スプリング・トレーニングの時期に、チームのCM撮影中にウオームアップが足りずに投げて、肩を痛め、開幕に出遅れた)とともに今年ローテ確実なんて言われながら、ソファでうたた寝をしていて首を寝違えたとかいう、つまらない理由で開幕に出遅れていた。
しかし、4月にマイナーでノーヒット・ノーランを達成したりなどして、メジャーでの活躍がチームからもファンからも心待ちにされていた。

いやー。もう、ね。
ボルチモアの若手投手、全開モードになってきた。

やばいね。やばい。ピエは盗塁するわ、フォックスはトリプル打つわ。
これは数年後にボルチモア全盛期、来るかもしれないな。

(と、思ってたら、8回裏にセットアッパーがやらかした。ミゲル・カブレラに3点タイムリー打たれ、インジには2ラン打たれ。気の弱いやつらだ 苦笑。やっぱり敵地スイープ達成寸前の緊張があんのかね? もしくはデーゲームのカード最終戦はキャッチャー変わるから、それがいけないのかもしれない。バック・ショーウォルターを新監督に迎えてから、「投手がやたらと打者に対してビビる『ボルチモア病』」はすっかり影をひそめていたのに、今日のセットアッパーには『ボルチモア病』が再発していた。)






damejima at 03:40

October 31, 2009

Woodsという、カナダのアウトドア用品メーカーがある。(宣伝ではない)
木をそのままデザインした、素朴だが品のいいデザインのロゴマークが昔から好きで、独特の発色のいいウェアや、カモフラージュ柄のバックなどを愛用してきた。Woodsは、カナダのオンタリオ州オタワで1885年創業で、アムンゼンの南極探検に資金や道具の提供するなど、極地を旅する冒険家のサポートもして、100数十年の歴史と信用を築いてきた。

このメーカーのジャケットに、自分は見たことがないが、襟にコヨーテの皮があしらわれたものがあるらしい。

コヨーテは、日本では動物園にしかいない生き物で、なじみがない。北アメリカに生息するイヌ科の動物で、イヌに似ているオオカミの近親。「歌う犬」を意味するアステカの言葉からその名がついた。「歌う」とは「遠吠えする」という意味。遠吠えは、釣りでいう朝夕の「マズメどき」に行われ、一頭が吠えはじめるとやがて他のコヨーテも加わるという。


カナダの国立公園で19歳のカナダ・オンタリオ州出身のシンガーソングライター、テイラー・ミッチェルが、ひとりで散策中、2頭のコヨーテに襲われて亡くなった。悲鳴を聞きつけた通りすがりの人の通報で、彼女はすぐ病院に運び込まれたが、10月28日朝3時30分に亡くなった。森林警備隊は2匹のコヨーテのうち1匹を撃ち殺したが、もう1匹は見つかっていない。
コヨーテは、冬場には弱ったシカを襲うが、人間を襲うことは非常に珍しいらしい。ただ、警察は襲撃したコヨーテが「非常に攻撃的だった」と話す。
19歳の彼女はちょうど10月23日から11月7日にかけてツアー中だったようで、彼女のサイトに掲げられたツアー・スケジュールが非常に哀しみを誘う。ツアー中で忙しい彼女がなぜ散策に出かけたのか記事には書かれていないが、おそらくツアーで疲れた自分を自然の中でリフレッシュしたかったのだろう。
彼女のサイトにはいま世界中からアクセスがあり、北米だけでなく世界中から追悼の言葉が書き込まれ続けている。
Coyotes kill female hiker in Nova Scotia - Canada - Canoe.ca

テイラー・ミッチェルのサイト
Taylor Mitchell :: So sad...

母エミリー・ミッチェルからの言葉
Taylor Mitchell :: From Taylor's Mom

Tragic, fatal coyote attack the exception, not the rule | Editorial | Comment | London Free Press


娘を失ったテイラーさんの母エミリーは、哀しみを堪えつつ、娘を襲ったコヨーテの駆除に反対してこう語っている。

“When the decision had been made to kill the pack of coyotes, I clearly heard Taylor’s voice say, ‘Please don’t, this is their space,”’ Mitchell said.“She wouldn’t have wanted their demise, especially as a result of her own.” She described her daughter as “a seasoned naturalist” who was experienced at wilderness camping.(中略)“She loved the woods and had a deep affinity for their beauty and serenity,” Mitchell said.
「コヨーテの群れを殺す決定がなされたと聞いて私は、『そんなことしないで。ここは彼らの場所よ』と娘が言うのがはっきりと聞こえました。」とミッチェルの母は言う。「もし彼女が生きていたら、自らの死の結果としてコヨーテが駆除されることなど望まないでしょう。」
彼女は娘を、荒野でのキャンプで経験を積んだ「熟練したナチュラリスト」と表現した。「彼女は森を愛していて、森の美しさ、平穏さに、深い親近感を持っていました。」
Coyote victim's mom thanks fans - Canada - Canoe.ca

母エミリーさんはWe take a calculated risk when spending time in nature's fold.(自然の深い懐で過ごすときはリスクをきちんと計算するものだ)とも言っている。彼女の言う「娘の荒野でのキャンプ経験」とは、おそらくコヨーテや熊も出る可能性のある場所でのキャンプ経験、という意味だろうし、日本で考えるよりもずっと高いリスクとキャンパーのスキルが想定されている。
日本ではキャンプというと、ほとんどの人は昆虫しかいない人里のキャンプ場でのバーベキュー程度をイメージする。日本でも、テントの真横に鹿が何頭もやってくるようなキャンプサイトもあることは、彼らは知らないし、夜通し火を焚いていなければ危険な荒野で野営する人々の存在もほとんど知られていない。日本ではコヨーテのいる荒野でのキャンプなど想像できない。
リスクがあるから近寄らないのでは、奥深い自然は体験できない。波は危険だが、乗ることができないのではサーファーになれない。北米で想定する自然は、日本で想定する穏やかな自然とは違い、よりワイルドなものになる。

日本とアメリカの野球の違いは、日本の守られてはいるが自然さのかけらも無いキャンプと、コヨーテの森でキャンプしてワイルドライフの一端を体験する北米キャンプの違いのような部分もある。
コネ契約で不自然にロスターの座を守られたMLBキャリアなど、星も見えない都会のマンションの屋上でやっている安っぽいバーベキューのようなもので、北米のウィルダネスどころか、日本レベルのキャンプ体験にすらなっていない。まして、メジャーのワイルドなベースボール環境で本物の体験をしたといえるわけがない。
リスクをおかす覚悟とそれを計算できる勇気やスキルがなければ、熟練したキャンパーですら命を落とすこともあるコヨーテの森にそもそも来るべきではない。



カナダといえば、シアトルの投手エリック・ベダードをすぐに思い出す。このコヨーテの事件を聞いたときもすぐに思い出した。エリックも、コヨーテの森で亡くなったテイラー・ミッチェルも、五大湖のほとりのオンタリオ州出身である。
釣りを趣味にしていることもよく知られているエリックだが、カナダ出身なだけに、オンタリオで創設されたアウトドアメーカーのWoodsを知らないわけがなく、アウトドアに出かけるときのために、おそらくウェアのひとつやふたつ、Woods製品を持って出かけているに違いない。

エリックは、釣りという共通の趣味があることもあって、同じ投手のウオッシュバーンと仲がよかったわけだが、エリックの出身地オンタリオはカナダ側で五大湖に接し、またウオッシュバーンの出身地ウィスコンシン州はアメリカ側で五大湖に接しているいくつかの州のひとつであり、2人は生まれた場所も近い。2人が仲がいいのについては、共通の趣味だけでなく、きっと生まれ育った環境が似ているせいもあるのだろう。

2人はよく連れ立って釣りに行っていたが、釣りに詳しい人はわかると思うが、北米の釣りのスタイルは、日本での伝統的なエサ釣りとはまったくスタイルが違う。
ウオッシュバーンは狩りも趣味にしているようだが、大掛かりな釣りの場合、釣りというより、むしろハンティングに近い。ターポンなどの大型魚をターゲットにするなら、ガイドを雇い、エンジンつきのボートをチャーターして、あちらのポイント、こちらのポイントと大移動しながら、大魚を狩りしていくことになる。
エリックとウオッシュバーンの2人も、オフに五大湖のどこかでボートを出して釣りを楽しみ、夜は冷えたビールでもしこたま飲んでジョークでも言い合ったに違いない。

そもそもオンタリオと、ウィスコンシンには風土的な共通点がいくつかある。五大湖に接し、コヨーテが住む自然があり、北米のネイティブ・アメリカンであるインディアンたちの「保留地」がある。
コヨーテは、インディアンにとってはただの動物ではなく、象徴的な動物のひとつであり、知性、賢さ、ずる賢さ、ペテンなど、さまざまな象徴的な意味がある。Coyote Tracks(コヨーテの足跡)はインディアン的なデザインモチーフのひとつでもある。


これら北米の土地が、はたしてテイラー・ミッチェルのいう「コヨーテの場所」なのか、インディアンと呼ばれ、いまはカジノで稼いでいる人々の土地なのかは、ブログごときが短文で軽々しく言及していい話題ではない。善悪だけで測ることのできることなど、たかがしれている。
人間はコヨーテの皮を剥いでジャケットの襟にしているが、このリアル・ファーを衣料にすることに対しても、日本でもいろいろと議論したがる人たちがいる。だが、少なくとも、人間は太古の昔から獣の皮を衣料にしてきたのは間違いない。
コヨーテは、普段は人間を襲うことはないようだ。ヒトを見れば逃げ、その性格は英語でも「shy シャイ」と表現されている。ブログ主はロードランナーを追いかけまわすコヨーテのルーニー・チューンを見て育ったが、そういえばあのコヨーテもそこそこシャイな性格だった。
だがシャイな彼らでも、森で人間に前触れなくばったり出くわせば、びっくりして襲うこともある。熊などと同じである。オンタリオでも、ウィスコンシンでも、コヨーテと人間との共存問題をめぐる議論を扱ったウェブサイトがある。

ワールドシリーズの映像をみていればわかるように、10月ともなれば北米の夜はとても冷える。ワールドシリーズが終われば、冬はもうすぐそこまで忍び寄って来ているわけで、コヨーテはワールドシリーズになど、かまってはいられない。北海道よりも厳しい冬の支度をせねばならないのである。
だからこそ冬の到来を前にした野生動物は気が立っている。


コヨーテのいる自然を愛し歌を歌う人が、歌う犬、コヨーテに襲われた。
あるハワイの海を愛するサーファーの少女は、サメに腕を食いちぎられ片腕になったが、サーフィンを引退したりはしなかった。19歳で人生を閉じたテイラー・ミッチェルも、もし今回のケガで命を落とさなかったなら、ケガが癒えた後、ふたたびコヨーテのいる森に散策に行ったことだろう。

少なくともいえるのは、
テイラー・ミッチェルも、彼女の母も、そしてベダードやウオッシュバーンも、
「自分たちの暮らしのすぐそばに森があり、そこにはコヨーテが住んでいる」と意識しながら、生まれ、育ち、歌を歌い、釣りをし、暮らしてきた、ということだ。

コヨーテの森は、アメリカ文化の精神的な源泉のひとつである。インディアン・カルチャーだけでなく、アメリカのカントリーミュージック、釣りや狩猟といったレジャー、フットボールなどの激しいアメリカンスポーツなど、さまざまな文化のバックグラウンドやシンボルになっている。

damejima at 07:48

June 03, 2009

ロブ・ジョンソンに微笑むベダード

イチローがHit Streak、連続試合安打記録で26試合の新記録を達成し、ゲームも圧勝。攻守ともに素晴らしいゲームだった。
Baltimore vs. Seattle - June 2, 2009 | MLB.com: Gameday
2番に好調ブラニヤンを入れてようやく打線変更したことが、カンフル剤として大きく効いた。長打が打てて選球眼もいいブラニヤンだが、貴重な戦力の彼がイチローのすぐ後ろに来たことで打線が妙に活性化し、ブラニヤンのホームランは彼の最近の実力からして当然だとしても、ベルトレが3安打するわ、グリフィーまでホームランを打つわで、今まで沈黙していた打線に予想を遥かに上回る刺激があったようだ。ビックリする。
捕手が城島からロブ・ジョンソンに変わったことで、シアトルが劇的に変わることは言うまでもないし、ゲームプランに大きな影響があることは既に何度か解説しているが、まったくチーム・ケミストリーというやつは、いい方向で化学変化を起こさせると、とんでもない爆発力を劇的に引き出すものだ。


このゲーム、ベダードとロブ・ジョンソンのバッテリーは自責点1で6回1/3を抑えた。
ロブ・ジョンソンとバッテリーを組んだときのベダードのERAは、なんと、とうとう2点台を切り、1点台に突入した。


ベダードの捕手別ERA
ジョンソン 50回2/3 自責点11 ERA 1.95
城島     10回   自責点5  ERA 4.50


登板日  登板回数・自責点 先発捕手
4月7日  5回自責点3    城島
4月12日 8回1/3自責点0 ジョンソン QS 完封リレー
4月18日 6回自責点1    ジョンソン QS
4月24日 6回2/3 自責点2 ジョンソン QS
4月29日 5回自責点3    ジョンソン
5月5日  7回自責点1    ジョンソン QS
5月10日 4回2/3自責点2  ジョンソン
5月21日 5回自責点2    城島
5月27日 6回2/3自責点1  ジョンソン  QS
6月2日  6回1/3自責点1  ジョンソン  QS

これでベダードは防御率2.31となり、ア・リーグ3位という、素晴らしい成績である。もし1失点がなく、かつ、7回終わりまで抑えていれば、あのERA1.10の鬼才グレインキーを越えるのは無理としても、2位が可能だった。
クリンアップがあまりにも打てないことを理由に、こんな素晴らしい投手をトレード?馬鹿馬鹿しいにも程がある。
最も先にクビにすべきなのはコネ捕手城島だ。
Erik Bedard Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN


ちなみに今、現在のア・リーグ防御率ベスト10に、シアトルの先発陣が3人も入っている。これが捕手の功績でなくて、何が功績だというのだ。
今日のロブ・ジョンソンは2塁打、四球と、2出塁して、打撃面でもチームの流れに乗っていた。
チームの不調の原因がこれで誰の目にもハッキリした。ゲームを作る能力が無く無能な裏口入学のコネ捕手城島が投手陣全体の能力を異常に引き下げていたこと、それと、城島を含め状況を考えもせず振り回すしか能のない無能な右打者中心のフリースインガー打線である。
1-0で負けた6月1日ボルチモア第1戦にしてもウオッシュバーンとロブ・ジョンソンのバッテリーはちゃんとQSを達成している。悪いのは工夫のない打線であるのは明らかだった。

ア・リーグ投手 防御率ベスト10
3位 ベダード     2.31
8位 ウオッシュバーン 3.22
10位 ヘルナンデス   3.41

MLB Baseball Pitching Statistics and League Leaders - Major League Baseball - ESPN

2009年6月2日現在 ア・リーグ防御率ベスト10



今日のリード面で圧巻だったのは、ベダードの効果的なカーブと、ズバリと投げ込むストレートの明瞭な使い分け。打者によって大きく使い方を変え、ボルチモアの打者に的を絞らせなかった。
特に圧巻の内容だった6回の3者凡退のシーンを挙げておく。

2009年6月2日 6回アダム・ジョーンズ 三振6回アダム・ジョーンズ

全球ストレート
 →三振


2009年6月2日 6回マーケイキス ショートゴロ6回マーケイキス

全球カーブ
 →ショートゴロ


2009年6月2日 6回ハフ 三振6回ハフ

高めのボールになるストレートのみでフルカウント
 →最後の1球だけが
  ベダード得意のカーブ
 →三振




damejima at 14:06

May 28, 2009

素晴らしいゲームだった。快勝。
シアトルの長打を一手に引き受ける長打率の高いブラニヤンの2ラン。9回表も素晴らしい攻撃だった。ロブ・ジョンソンがこの日2本目の2塁打を放つと、チャベスがセフティバントを決め、1、3塁。グティエレスが2点タイムリーツーベースを放つと、1塁から長躯ホームインしたチャベスの俊足&スライディング。さらにチャンスを広げビッグイニングに導くイチローのこの日3本目のヒット(ただし後続がことごとく凡打)

この9回が本当に今のシアトル打線を象徴している。
機能しているのはブラニヤンと、下位打線からイチローまでの打順のみ。イチロー以外の上位打線が全く機能していない。ワカマツはLAA戦で打線を大きく組み替えるべきだし、組み替えた後はしばらく我慢するべきだ。
Seattle vs. Oakland - May 27, 2009 | MLB.com: Gameday


ベダードの捕手別登板イニング数
ジョンソン 約6.3
城島    5.0
エリック・ベダードの全登板ゲーム - ESPN


前回のベダード登板日の記事でも書いたことだが、もう一度確認しておく。
2009年5月21日、ベダード登板ゲームでロブ・ジョンソンと、フルカウントだらけの城島では、先発投手に対するCERAに「2点の差」があることが完全に証明された。(ベダード版「2点の差」計算つき)
知ったかぶりでデータもロクに調べもしないクセに「ベダードはイニングを稼げない」などと根拠のないことを掲示板に書く馬鹿がいるが、裏口入学のコネ捕手城島では球数も増え、失点も覚悟しなければならない。そのためどの投手もイニングは稼げない。ベダードがイニングを稼げないわけではない。
ロブ・ジョンソンと城島では、ベダードの場合ゲームあたりの登板イニング数に1.3もの開きがある。コンマ3の部分も、見逃せない大事な数字だ。なぜなら登板イニングが6を越え、6.3あるからには、ロブ・ジョンソンが捕手のときには勝ちに近いスコアで7回途中まで登板している、という意味になるからだ。だから捕手ロブ・ジョンソンならリリーフは最小で2人ですむ。今日のゲームでも実際2人ですんだ。
今日のゲームでは、6回終了時点で投球数は95球程度まできていた。だがベダードはそこでは降板せず、7回108球まで投げた。ヒットを打たれた時点でマウンドを譲ったものの、もしランナーが出なければ7回終了時まで投げ切ってから降板しただろう。

ところが球数が増える城島のケースではそうはいかない。
ベダードは5回終了時点で降りてしまうことになる。スコアは負けているかタイだろうから、捕手城島なら負けゲームで、しかもリリーフは最悪4人必要になる
。(もしくは防御率最悪のバティスタがロングリリーフして負ける)4人もの質のいいブルペン投手など投入できるはずがない。

ゲームのメカニズムが全く崩壊する城島マスクのゲームでは勝てるわけがない。この2つのケースの差が、チームの勝敗、勝率に影響しないわけがない。この点をよく考えれば、城島をメジャーの一員として雇うことなど、ありえないのである。
2009年5月13日(2)、ロブ・ジョンソンと城島の間にある「2点の差」がゲームプランに与える莫大な影響を考える。(ウオッシュバーン版「2点の差」計算つき)


ベダードの捕手別ERA
ジョンソン 44回1/3 自責点10 ERA2.03
城島     10回   自責点5 ERA4.50

登板日  登板回数・自責点 先発捕手
4月7日  5回自責点3    城島
4月12日 8回1/3自責点0 ジョンソン QS 完封リレー
4月18日 6回自責点1    ジョンソン QS
4月24日 6回2/3 自責点2 ジョンソン QS
4月29日 5回自責点3    ジョンソン
5月5日  7回自責点1    ジョンソン QS
5月10日 4回2/3自責点2  ジョンソン
5月21日 5回自責点2    城島
5月27日 6回2/3自責点1  ジョンソン  QS



配球の詳細はのちほど。
ベダードのカーブを実にうまく使ったロブ・ジョンソンのリードを紹介する予定。



damejima at 07:28

May 22, 2009

裏口入学のコネ捕手城島の5月は、これで4勝10敗、勝率.286。打者の打率のような酷い数字だ。月間20敗まで、あと6

最初に言っておくと、城島が先発捕手だと先発投手がイニングイーターになれないのは、城島のピッチングの組み立てが悪いためであって、先発投手の調子の問題ではない。現にロブ・ジョンソンですでに4度もQSしている。
そんなこともわからないやつはたぶん、やたらと打者がフルカウントになる理由もわからずに年間100も200もゲームを見ているのだろうから、ただの馬鹿だ。時間のムダだから野球見るのをやめたほうがいい。

たとえば、こういう馬鹿だ。晒しておく。

140 名前:名無しさん@実況は実況板で[sage] 投稿日:2009/05/22(金) 14:11:35 ID:A1UT4BCZ
イニングを稼げないのはデビュー以来全く変わってないベダードの属性。



登板日  登板回数・自責点 先発捕手
4月7日  5回自責点3    城島
4月12日 8回1/3自責点0 ジョンソン QS 完封リレー
4月18日 6回自責点1    ジョンソン QS
4月24日 6回2/3 自責点2 ジョンソン QS
4月29日 5回自責点3    ジョンソン
5月5日  7回自責点1    ジョンソン QS
5月10日 4回2/3自責点2  ジョンソン
5月21日 5回自責点2    城島


ベダードの捕手別ERA
ジョンソン 31回2/3 自責点9 ERA2.56
計算間違いがあったため訂正
ジョンソン 37回2/3 自責点9 ERA2.17
城島     10回   自責点5 ERA4.50

ロブ・ジョンソンと城島のベダード登板ゲームでのERAは、ウオッシュバーン、ヘルナンデスで捕手別にERAを計算したのと、まったく同じ、ピッタリ同じの「2点の差」である。

ウオッシュバーンで計算した「2点の差」
2009年5月13日(2)、ロブ・ジョンソンと城島の間にある「2点の差」がゲームプランに与える莫大な影響を考える。
ヘルナンデスで計算した「2点の差」
2009年5月19日、ロブ・ジョンソンの貯金で野球をやっているコネ捕手またもや14安打5盗塁され敗戦。5月3勝9敗。ヘルナンデスを自責点6でERA4点台に沈没させ、月間20敗に突き進んだ。

ロブ・ジョンソンと城島で、先発投手のERAに「2点の差」が出ることは、もう説明するまでもない。

これまでベダードは、ロブ・ジョンソンを捕手にした場合、4回のQS(クオリティスタート)を達成している。一方、5回しか投げられなかった今日のLAA戦のように、城島を捕手にした場合、ベダードはまだ一度もQSを達成していない。こういう現象は控え捕手がロブ・ジョンソンになってから始まったわけではなく、2007年バーク、2008年クレメントでも全く同じ現象がみられた。

「2点の差」現象が偶然などでないのはいうまでもない。

ゲームログをじっくり見ていけばわかるが、今日のゲームの投手はベダードだけではなく、リリーフしたモローにしても、LAAを抑えてはいるが、2-2になる確率が高すぎる。すぐにフルカウントにもなる。
つまり、球数がかかりすぎている。
いつもの城島の「チェンジアップなども多用しながら球数をかけて、最初から決めておいた組み立てのままに投手に投げさせ、打者を追い込んで三振を狙う」というアホなリードを繰り返しているのがその理由である。
組み立てがゲーム開始から終わるまで大して変わらないから、読んだ打者が2球目あたり、または初球をホームランしてくる。このことも何度も説明してきた。

これでは先発投手が5回までしかもたずにQSはできないし、また、リリーフ投手が1人よぶんに投げなければならなくなる。
2009年5月13日(2)、ロブ・ジョンソンと城島の間にある「2点の差」がゲームプランに与える莫大な影響を考える。
http://blog.livedoor.jp/damejima/archives/913919.html
三振狙いといっても、城島のゲームの組み立て自体があまりにも単調なために、ホームランを打たれやすい。配球についてよくいわれることだが三振を狙うと、ホームラン、四球は一緒にセットになって増える、というやつだ。


くわしいホームランごとの話は、あとで書く。
LA Angels vs. Seattle - May 21, 2009 | MLB.com: Gameday
特に8回ケンドリックのホームランなどは典型的に、城島の責任のホームランであると断言できる。

2009年5月21日 LAA8回 ケンドリック ソロホームラン8回ケンドリックのソロ
この、初球にチェンジアップを外に投げておいて、次にインコースにストレートというパターンで、今シーズン、どれだけの数ホームランされているか。
馬鹿馬鹿しいので数えてもいないんだが、このブログにあげた画像だけでも10はあるんじゃないか。最近の例なら2009年5月18日、ロブ・ジョンソンの貯金で野球をやっているコネ捕手またもや敗戦で月間3勝8敗、他人の貯金を食い潰す。この記事の、5回リベラのホームランだ。



damejima at 13:46

May 12, 2009

2008シーズンにシアトルは年間100敗しているわけだが、この惨憺たるシーズンの行く末を決定づけたのは、月間20敗を記録した「崩壊の5月」である。
2008年5月の月間勝敗(公式サイト)

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2008年9月24日、12連敗を経て城島はシーズン100敗捕手となった。

いま見ても酷いものだ。月間7勝20敗。4連敗、5連敗、7連敗がそれぞれ1度ずつ記録されている。
このうち城島がマスクをかぶった試合は20試合で5勝15敗、勝率わずか.250しかない。
城島先発ゲーム+後で述べるクリーブランド戦、これだけでシアトルは月に10もの借金を作った。


以前一度記事にしたことがあるが、月間20敗という記録は、馬鹿みたいに負け続けるシアトルでさえ、そう滅多にある記録ではない。
月間20敗以上の記録は過去、記録の古い順に、1977年8月(6勝22敗)、1978年9月(7勝21敗) 、1980年8月(8勝21敗)、1983年6月(8勝20敗)、1989年8月(9勝20敗)、1992年9月(6勝20敗)、そして2008年5月(7勝20敗)と、計7回記録されているが、2008年以外の記録は全てが8月か9月、つまりポストシーズンの行方が決まってしまい消化試合+若手育成期間になった秋の記録ばかりであって、2008年のように、まだシーズン当初の5月に月間20敗などという記録を作った正捕手は球団史上、城島が初めてなのである。
An historically bad month avoided, barely
http://blog.seattlepi.com/baseball/archives/139946.asp

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2008年5月29日、城島の「球団始まって以来、最もダメな正捕手記録」。

この月を象徴するゲームのひとつが、先発バティスタ捕手クレメントのバッテリーで始まった2008年5月1日のアウェイのクリーブランド戦だろう。バティスタが7回を自責点1に抑えてマウンドを譲った。にもかかわらず、打線が打てない。9回表にイチローのヒットなどでなんとか延長にもちこんで、10回表には、なんと打てないシアトルの代表格セクソンのソロが飛び出して1点勝ち越した。
だが、問題はここからだった。よせばいいのにクレメントに代走を出した関係で、10回11回と城島がマスクをかぶった。
結果は悲惨なものだった。それぞれのイニングで1点ずつ失って、最後は11回裏の満塁からサヨナラ負け。脱力するしかないゲーム展開である。
ちなみにこの2008年5月開始時点クリーブランド戦での城島の打率は.175。5月終了時点でも.228と、ミリオネラーにふさわしい、素晴らしい数字が残っている。
Seattle vs. Cleveland - May 1, 2008 | MLB.com: Gameday
城島の2008年5月時点の打撃成績 − ESPN
http://sports.espn.go.com/mlb/players/gamelog?playerId=6458&year=2008


この2009年5月を、昨シーズンの「崩壊の5月」と比べてみてもらおう。

5月10日までの10試合、3勝7敗。勝率.300しかない。
もし仮に、5月10日のロブ・ジョンソン先発ゲームを落としていたらどうなっていたか?

2勝8敗、勝率.200。

そう。
あの悪夢のような2008年5月の勝率.259すら越える悪い勝率が待ち受けていたのである。10日のゲームの勝利がどれだけの意味をもっていたか、わかるだろう。よくある、ただのデーゲームではなかったのである。


ここまでのロブ・ジョンソンと城島の先発試合の失点を並べてみる。

ロブ・ジョンソン 3 7 3 3     
計16点 ゲーム平均 4点
城島       7 7 6 9 11 9 
計49点 ゲーム平均 8.17点
Rob Johnson 出場ゲームリスト - ESPN
Kenji Johjima 出場ゲームリスト - ESPN

防御率の計算すら必要ない。ひと目見ればわかる。


ロブ・ジョンソンがいくら失点を抑えようと、イチローが必死にヒットを生み出そうと、毎試合、懲りもせずに8点もの大量失点してくれる頼もしい城島がいるかぎり、シアトルの2009年5月はおそらく2008年5月と肩を並べるか、もしかすると、2008年を越える、史上初の素晴らしい「新・大崩壊の5月」になるに違いない。

今月は残り19試合。
復活してきたLAAとの7ゲームはじめ、BOSなど強豪とのゲームが続く。3勝7敗の現在、5月残り19ゲームを6勝13敗以下なら、城島は球団史上初の記念すべき金字塔「2年連続5月度月間20敗以上」が待ち、さらには「2年連続100敗」の記録も見えてくることだろう。


登板日  登板回数・自責点 先発捕手
4月7日  5回自責点3    城島
4月12日 8回1/3自責点0 ジョンソン QS 完封リレー
4月18日 6回自責点1    ジョンソン QS
4月24日 6回2/3 自責点2 ジョンソン QS
4月29日 5回自責点3    ジョンソン
5月5日  7回自責点1    ジョンソン QS
5月10日 4回2/3自責点2  ジョンソン




damejima at 12:49

April 14, 2009

Seattle vs. Oakland - April 12, 2009 | MLB.com: Gameday

本当のことを言えと、「城島不要を印象づけた」などというタイトルは、あまりにも当たり前すぎて、出来がよくない。
城島がいないほうがゲームがスムーズなチームであることくらい誰でもわかっているし、過去3シーズン、シアトルでは控え捕手のほうが勝率がいいくらいのことも、シアトルのゲームを見る上では全く知っていて当たり前のことで、いまに始まったことではないからだ。

勝率だけでなく、控え捕手のほうが、CERA(捕手防御率)、あるいはバッティング、走塁、リードキャッチング、このうちの2つ以上、あるいは、その全てが優れている、などという程度のことは頭に入れているのが当然のことだし、投手陣全体が城島を捕手に投げたがっていないだの、先発投手5人のうち2人までもが城島でない専属捕手を望んでいただの、そういうことも、公式サイトから地元メディアFOXなどの全米メディアなど、さまざまな場所で繰り返し報道されてきただけに周知の事実。わかってないのは、国内のスポーツニュースや、あのあまりにも出来そこないだったMajor.JPだけからだけ情報を得ている人だろう。わからない人は、もし関心があったら、このブログの過去の記事や現地記事などを照らし合わせるカタチで時系列的に読んでもらいたい。
だからこそロブ・ジョンソンが先発マスクで2試合続けて完封勝ちしてみせても、それが城島をしのぐ成績を控え捕手があげた、という意味で言っているのなら、いまさら驚くようなことではないのである。

今までそういう場面など何度あったことか

どうせ、このチームは嫌というほど城島で失敗しても改善などしない。それどころか、ダメ捕手に正捕手の座と大金を与え続けて2010シーズンを迎えることだろう。


まぁ、このゲームの影響で関心があるとしたら、次の2点だ。

1点目は、ウオッシュバーンとベダードの今後の捕手選択だ。デーゲームでロブ・ジョンソンを捕手に完封してみせ2人のベテランだが、これがたまたまデーゲームだからジョンソンを捕手に投げただけなのか、今後また専属捕手制にしようという話になっていくのか、という点である。連続完封したのが豪腕ヘルナンデスなら話は違うが、昨シーズンも捕手選びが流動的だった技巧派のウオッシュバーンとベダードだから、ちょっと関心事にはなってくる。
ベダードは昨シーズン専属捕手としてバークを指名して、それを実行した。シーズン終盤には故障でほとんどゲームに出場しなかったから、シーズン終了まで専属捕手制を貫くつもりがあったのかどうか、さすがに定かではないが、今シーズンはどうするつもりなのか。
悲惨だったウオッシュバーンはどうだろう。地元メディアも一度は、ウオッシュバーンもベダード同様に専属捕手制、と報道したにもかかわらず、人のいいウオッシュバーンは訂正会見までさせられた挙句、城島とのコンビを継続してしまい、5勝14敗などという最悪の結果を招くことになった。去年の城島先発マスクだったゲームの勝率を計算したときに4割を切るような酷さだったわけだから、当然のことではある。2008シーズン終了後のストーブリーグでは何度もウオッシュバーンのトレード話が出たが、すったもんだした割には残留が決まった経緯がある。今シーズンはウオッシュバーンはまた人のいい男を演じるつもりなのだろうか。

2点目は、ジェフ・クレメントの今後の扱いだ。
ロブ・ジョンソンが活躍するということは、ジェフ・クレメントはトレードでいい、という馬鹿げた意見がでてくるきっかけになるだろう。なにせ「野球とは関係ないところで物事が決まってしまう球団」であり、年間100敗を達成した正捕手にほとんど何も責任をとらせないシアトルだ。自軍のマイナーが大事に育ててきたトッププロスペクトであるジェフ・クレメントでも、アダム・ジョーンズなどと同様、トレードに出しかねない。



あまりにも破滅的なシーズンの終盤には普通、残したい選手だけ残し、売れる選手は全て売り払う、という再建モードにチーム全体が進むものだ。ところが、SI.comが今年のスカウティングで「やるべきことをやってない」と指摘したように、シアトルは何をやるにしても遅れてばかりだ。あのセクソンに見切りをつけるのに膨大な負けゲームを無駄に量産したように、このチームには常に、メジャートップクラスの見る目の無さ、見切りの悪さがつきまとう。
実際シアトルがやったことといえば、シーズン終盤には(クレメントの手術もあったがまったく前途のない城島を再び正捕手扱いして12連敗し、みすみすシーズン100敗を達成し、シーズンが終わるとこんどは打線の主軸のイバニェスやプロスペクトのアダム・ジョーンズを売りはらって、昨シーズンに輝きをみせたクレメントはマイナーに送り返し、2009シーズンは城島、シルバをはじめとする不良債権たちに高額ギャラを払い続けている。
しまいには契約から不良債権を売ることができず、逆に有望株をを安売りするような、再建モードとは真逆のことをするハメに陥る。
ボルチモアに行ったアダム・ジョーンズなどは、この記事を書いている時点では6試合で9安打4打点、.409と活躍している。結局のところAJに素養があるかないかより、シアトルの場当たり的な環境では育てきれない、というのが、より真実に近いだろう。いくら素質ある選手をドラフトで獲ったにしても「野球のわからない経営陣とチームマネジメントが災いして、チームに不調を招き、その不調を理由に、こんどは、チームの有望な部分から先に先に他チームに安売りしてしまう」という悪循環がいつまでも続くからだ。
この日のロブ・ジョンソンの2つ目の完封試合を生み出すために払った犠牲が、セクソンや城島、シルバ、バティスタの一斉解雇だったなら理解もできるが、イバニェスやアダム・ジョーンズを売って得た金で体質改善というのだから、開いたクチがふさがらない。



先シーズンの6月だかに先発ゲームを数試合与えられて捕手として好ゲームを演出したクレメントが、どういうわけか、不可解にも、その後しばらくマイナーに落とされていたことがあった。同じことが今後ロブ・ジョンソンに起こらないとは誰も言えない。プレー上では何の問題もなくても、この先、何か不可解な理由でジョンソンがマイナーに落とされたりしないとは限らない。2007シーズンのバークもいい勝率を挙げた時期があったが、特に優遇などされなかった
将来性が無いことがスカウティングされていたプレーヤーが正捕手として大失敗した翌シーズンに、何の責任もとらせずに正捕手の座と大金を約束してしまうような、「野球とは関係ないところで物事が決まってしまう球団」では、野球の上では考えられないようなことが何でも起こりうるのである。
たしか去年めちゃくちゃに調子が悪いクセに、デーゲームも自分を使えとゴネたのは、ほかならぬ、このダメ捕手さんだったわけだから。



damejima at 02:38

July 07, 2008

結局のところ、ベダードはシーズン当初から望んでいたバークとのコンビを復活させたようだ。復活させたからには勝たないと周囲からとやかく言われて困るのはベダード本人なわけだが、ちゃんと勝ってみせるあたりが、この人のプロとしてのしたたかさである。

勝てばいいんだろう?なら勝てる捕手にしてくれ。と、ベダード。
そう。勝てばよろしい。今後とも苦労人のバークを相手に投げることだろう。
BOX SCORE

なによりも捕手がマウンドに来てぐちゃぐちゃと言うのを嫌うベダードは、シーズン早くから城島を拒否してきた。このことは「城島問題」という、チーム低迷の根を、最も早く、最も刺激的に指摘してみせた。ベダードはある意味で「城島問題」の発見者であり、チームが上向きになるきっかけを作ったともいえる。
よくも悪くもお騒がせ者のベダード問題についての時系列はこんな感じなので、あらためてまとめておく。
ベダード関連の記事を時系列でまとめて読む

2008年5月8日、ベダードはバークを選んだ。
http://blog.livedoor.jp/damejima/archives/203782.html
2008年5月21日、ベダードとウオッシュバーンは専属捕手にバーク指名と報道された
http://blog.livedoor.jp/damejima/archives/203847.html
Bedard-Burke combo over
ベダードとバークのコンビは終了とマクラーレン

http://blog.seattletimes.nwsource.com/mariners/2008/06/bedardburke_combo_over.html
Oh yeah, of course, the headline of this blog post. Anyway, as a follow-up, someone asked whether the Erik Bedard-Jamie Burke battery is still intact.

"We don't have any combinations any more, OK?'' McLaren said. "Combinations are done.''
2008年7月4日、ベダードはバークとのコンビを復活させた。
http://blog.livedoor.jp/damejima/archives/414751.html

damejima at 15:04

June 30, 2008

クレメントに正捕手を変えローテーションがようやく一周してきたところだが、その効果はハッキリ現れてきた。

試合前にだいたい予想がついていたので、このひとつ前の記事に、この2ヶ月、シアトルでは城島先発マスクのゲームで一度も連勝がない、というデータを挙げておいた。もちろん、2戦続けてのレメント先発マスクで連勝を予想していたからだ。

今日のサンディエゴは、WBCでアメリカ代表チームの先発を勤めたあのピービの登板日だったが、クレメント先発マスクのシアトルは、そのピービ・サンディエゴにあっさり連勝。2ヶ月ぶりのひとりの捕手による連勝である。

先発ベダードはQSまであと1アウトの、5回2/3を1失点、打線がつながって終わってみれば18安打で、9−2の圧勝。クレメントは2号ソロ。今シーズン、クレメントがこのまま試合に出続けるなら城島のホームラン数くらい、追い抜くのは時間の問題だろう。

これでチームは今シーズン初のスイープ、同一カード3連勝だ。同一カードでないものも含めても、3連勝自体がほぼ2ヶ月半ぶりで、2度目だと思う。あれほど試合に出ていた城島は今シーズン1度しか3連勝を達成していないのだから笑う。

スイープを達成できた理由は簡単だ。
先発投手陣全体から嫌われ、いまやヘルナンデスの天性とチームオーナーのコネだけが頼りの城島をスタメンからはずしたことで、打線が城島、セクソンに代表される打てもしない形骸化した「大砲主義」を止め、連打で勝ちにもっていくシアトル本来の勝ちパターンを見いだしつつあること。そして、ヘルナンデスに寄生しているだけの正捕手城島を捨てて、シルバでも勝ちを拾うことができたことだ。
BOX SCORE

シアトルはインターリーグが終わってもクレメントを正捕手として使うべきだろう。まぁ、城島を正捕手に戻すような愚行をすれば、結果はだいたい予想がつくのだが。

13日 ●ディッキー 城島
14日 ●バティスタ バーク
15日 ●ウオッシュバーン 城島
16日 ●シルバ 城島
17日 ○ヘルナンデス 城島 マクラーレン、クレメント正捕手起用公言
18日 ●ディッキー クレメント
19日               マクラーレン解任
20日 ○ベダード クレメント
21日 ●ウオッシュバーン 城島
22日 ●シルバ 城島 リグルマン、城島にクレメント起用通達
23日 ○ヘルナンデス クレメント
24日 ○ディッキー 城島
25日 ●バティスタ クレメント
26日 
27日 ○ウオッシュバーン 城島
28日 ○シルバ クレメント
29日 ○ベダード クレメント

damejima at 08:20

May 29, 2008

この数年、シアトルの野球をつまらなくしていた2大不良債権の城島セクソンだが、この2人がこれほど成績がひどくとも、なぜかこの2人を同時にスタメンからはずした試合は、これまで何年も年間100試合以上の試合経過を追っかけている自分も、ほとんど記憶にない。

ところが、5月末のボストン3連戦、とうとう、というか、ようやくスタメンから「セクソン」という文字が消え、1試合を欠場した。だが、これまでも休養という意味でなら、セクソンが1試合を休むことはあったわけで、ケガ以外で2試合を続けて休ませることはなかったから、セクソンを本当にスタメンからはずす決断をシアトルがしたかどうか、問題はこの28日のゲームだった。

この日の先発投手は貴重なセットアッパーだったシェリルを出してまで獲得したベダード。すでに報じた通り、ベダードは「専属捕手制」としてバークを指定しているが、なにかとコロコロと方針が変更になるシアトルのことであり、これについてもベダード先発時の捕手を今後とも相性のいいバークでいくという保証はどこにもない。専属捕手かと思われたウオッシュバーンの捕手が再び城島に戻ってしまったという、つまらない経緯もすでにある。ベダードの球を受けるスタメン捕手が「城島」に戻ってしまっても、「ああ、またどこからか圧力がかかったのか」と、呆れるほかはないのである。



しかしながら、この日のゲームのスタメンの名前には「城島」の名前も、「セクソン」の名前もなかった城島セクソンがスタメンからはずれるという、待望の試合となった。結果は、ベダードが100球を越えて投げ、モロー、プッツと継投して、好調のレッドソックスを「完封」した。ベダードはランナーを出しながらも、8三振を奪う力投。

決断が遅すぎるのではあるが、とうとうシアトルが不良債権の処理に乗り出して、「ベースボール」を取り戻す時が来たようだ。今後を注意深く見守っていきたい。記念すべき勝利である。

damejima at 13:40

May 23, 2008

以下のSeattle Post-Intelligencerの記事は、城島がウオッシュバーンとベダードの担当からはずされ、かわりにバークがこの2人の投手の専属捕手になることを報じた記事。日本でもベダードについて報道されている。
http://mlb.yahoo.co.jp/japanese/headlines/?id=2159639&a=13083

Burke picks up regular work
with Washburn, Bedard

http://blog.seattlepi.nwsource.com/baseball/archives/139405.asp
Posted by John Hickey
at May 21, 2008 2:44 p.m.

After trying to shy away from the thought for the better part of two months, the Mariners are going to a platoon catching system.

Last week starting pitcher Jarrod Washburn suggested that he and starting catcher Kenji Johjima weren't always on the same page.

Wednesday night's game against the Tigers is the first for Washburn since saying that, and Jamie Burke replaced Johjima in the lineup. Washburn is 1-1 with a 3.46 ERA when Burke is his catcher and 1-4 with a 6.40 ERA with Johjima behind the plate.

In addition, starter Erik Bedard, who has had most of his best games with Burke behind the plate, will continue to work with Burke at the expense to Johjima's playing time.

This comes less than two months after the Mariners and Johjima agreed on a three-year contract extension.

''If you have a guy who is successful (catching) one guy,'' manager John McLaren said before Wednesday's game, ''then we've got to go that way.''

Here's the breakdown for Bedard, who is scheduled to pitch Friday in New York, with the two catchers:

Burke (4 games): 1-0, 1.67 ERA, 13.0 IP 17 H,
7 BB, 25 Ks, .169 avg., .229 OB%
Johjima (3 games): 2-2, 6.92 ERA, 28.2 IP 15 H, 12 BB, 12 Ks, .283 avg., .418 OB%


damejima at 12:04
これは5月17日にシアトルの地元メディアの記事だが、先発する捕手によってあまりにも投手の出来が違う、ということなどという程度のことは、驚くことでもなんでもない。こうした事実をこれまでずっと指摘し続けている自分としては、アメリカで記事になったこと自体がちょっと遅すぎるとしか感じない。

地元メディアは移籍してしまった投手含め、城島がシアトルに入団して以来の投手についても、すべて調べてみるといいのである。

Jamie Burke catching Erik Bedard Saturday, Johjima DH
http://blog.seattletimes.nwsource.com/mariners/2008/05/jamie_burke_catching_erik_beda.html
Posted by Danny O'Neil

Kenji Johjima remains in the lineup along with his six-game hitting streak. He is batting No. 5 on Saturday while Jose Lopez moves to the third spot in the order, Adrian Beltre is at No. 2 and Richie Sexson is hitting sixth.

Jamie Burke is catching, which is becoming the norm when Bedard starts. Saturday will be the fourth time in Bedard's last five starts Burke has been behind the plate. Now, Bedard has only six starts with the Mariners this season -- too small a sample size to draw any conclusions -- but he has been more effective with Burke catching than Johjima. Here's a look at the numbers:

--------------------------------
Johjima catching
      W L ERA Ks BB
3 games 1 0 8.18 12 12
--------------------------------
J.Burke catching
      W L ERA Ks BB
3 games 1 2 1.31 15 6

W:勝ち L:負け ERA:防御率 K:三振 BB:四球

damejima at 11:45
以下の文章は、下記アドレスから見ることのできるシアトルの地元メディアの記事の一部だが、Extra Gameという付け足し的な情報欄として、ほんの短く触れられたに過ぎなかったために、日本のマリナーズファン、あるいは城島オタの間では、どうせベダードとバークのバッテリーはあくまで城島の打撃がマシなものになるまでの「短い臨時措置」と、甘い見方が大勢を占めていた。

だが、その後、マリナーズの投手は、ベダード、ウオッシュバーンがバークを捕手として指定するようになる。

つまり、下記の記事は、そういった流れを匂わす記事だったということになる。

Mariners Notebook: Safeco numbers fall
http://seattlepi.nwsource.com/baseball/362233_mbok08.html
By JOHN HICKEY

Wednesday was the third consecutive start for Erik Bedard with Jamie Burke doing the catching. "They seem to work pretty well together," McLaren said. "It's something that we might do until (Kenji Johjima) gets his offensive game together."

damejima at 09:35

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