フェリックス・ヘルナンデス

2011年8月1日、「ダグ・フィスターはやたらとランナーを出していた」というのはウソ。最もランナーを出さず、ホームランと四球も出さないア・リーグ屈指のピッチャーが、ダグ・フィスター。
2011年7月31日、もはやストレートで押せるピッチャーでも、グラウンドボール・ピッチャーでもない、フェリックス・ヘルナンデス。ちなみに、ダグ・フィスターのストレートは、MLB全体11位の価値。
2011年6月29日、興奮しやすい性格を抑えこむことでサイ・ヤング賞投手になった選手を、なぜ黄色い酔っ払い軍団を作ってまでして奪三振を煽り立てる必要があるのか。
2011年5月13日、「打者を追い込むところまで」で終わりの投球術と、「打者を最終的にうちとる」投球術の落差 (2)「ストレートを投げる恐怖」と「外の変化球への逃げ」が修正できないヘルナンデスの弱さ。
2011年5月13日、「打者を追い込むところまで」で終わりの投球術と、「打者を最終的にうちとる」投球術の落差  (1)打者を追い込んだ後のヘルナンデスの不可思議な「逆追い込まれ現象」
2011年4月11日、ひゃっほー My Oh My! 逆転サヨナラ勝ち! 最高!!! ミラクル!!!!!!!!
2010年6月13日、「バランスの鬼」ヘルナンデス、8回2/3を2失点に抑え4勝目。輝きを取り戻しはじめたヘルナンデスの個性を、クリフ・リーとの「ストライク率の違い」から考える。ロブ・ジョンソン3安打。(2010年ヘルナンデス ストライク率表つき)
2010年4月21日、ヘルナンデス8イニングを無四球自責点ゼロの完投2勝目で、17連続QSのクラブレコード達成、シアトル同率首位!ロブ・ジョンソン、4回裏2死満塁の同点タイムリーと好走塁でヘルナンデスを強力バックアップ。
2010年4月5日、今年のシーズンを占うヘルナンデス、ロブ・ジョンソンのバッテリーの2010年版配球パターンを読む。
2009年11月18日、フェリックス・ヘルナンデス、ルイス・アパリシオ賞受賞。
2009年11月17日、残念ながらヘルナンデスのア・リーグ サイ・ヤング賞はならず。しかしシアトル公式サイトは2009シーズンのヘルナンデス、ロブ・ジョンソンのバッテリーを、winning combination、「勝てるやつら」と、ほめたたえた。
2009年10月6日、ヘルナンデスと松坂の近似曲線の違いから見た、ヘルナンデスの2009シーズンの抜群の安定感にみる「ロブ・ジョンソン効果」。(ヘルナンデスと松坂の2009ストライク率グラフつき)
2009年9月29日、ストライク率が60%を切ったヘルナンデスをロブ・ジョンソンがリードしてオークランド24残塁、18勝目、9月は5勝0敗。サイ・ヤング賞をバックアップする今シーズン2度目のア・リーグ月間最優秀投手確定か。
2009年9月24日、先発ゲーム4連勝のロブ・ジョンソン二塁打2四球、ヘルナンデス11三振で17勝目。サイ・ヤング賞レースに生き残る。9月8日の城島のサヨナラ負けがなければ、9月のア・リーグ月間最優秀投手はとっくにヘルナンデスに決まっていた。
2009年9月13日、ダブルヘッダー第二試合、祝・イチロー9年連続200安打達成! ヘルナンデスとロブ・ジョンソンのバッテリー快勝! 7回を4安打1四球でテキサスを零封して15勝目。
2009年9月2日、初回の盗塁を刺したロブ・ジョンソン好リードで、ヘルナンデスは好投手カズミアとの投げ合いを制し、8回無失点。サイ・ヤング賞をさらに引き寄せる14勝目で、防御率2.65。アーズマは強打者モラレスを空振り三振に切ってとり、33セーブ。
2009年8月28日、ヘルナンデス7回3失点QS達成で、13勝目。ア・リーグの「QS数」「QSパーセンテージ」、2つのランキング」のトップに立つ。
2009年8月12日、ホワイトソックスの完全試合男バーリーを相手に5人の投手をリードしたロブ・ジョンソンは、ヘルナンデス10三振をはじめ合計16三振を奪い、14イニングを無失点で耐え抜いた。
2009年7月29日、サイ・ヤング賞投手クリフ・リーのフィリーズ移籍に、ヘルナンデスはじめシアトルのローテ投手の契約更新における「城島問題」の大きさを見る。
7月22日、ロブ・ジョンソン先発マスク7連勝、11三振で投手戦を制す。サイ・ヤング賞をめざすヘルナンデスは11勝目、ERA2.45とア・リーグ2位をキープした。(「2つのシアトル」)
2009年7月14日、オールスターが思い出させてくれる「過去への敬意」。
7月9日、城島の呪縛から解き放たれオールスター出場直前のヘルナンデスは8回QS、5連勝で9勝目。グティエレスの逆転3ランで獣のごとく吼えた。(「二度のテストに失敗した城島」長文)
2009年7月3日、ヘルナンデス、6月のア・リーグPitcher of Monthを受賞。6月に彼の球を受けたバーク&ロブ・ジョンソンにとっても名誉の受賞となる。
2009年6月10日、ヘルナンデス7回QSで6勝目、バーク2007年の感じをやや取り戻す。
2009年6月5日、ロブ・ジョンソン3連続ファインプレー(本塁突入ブロック、CS、スクイズはずし)+グティエレスの超ファインプレー、ヘルナンデスは7つ目のQS。だが・・・。
2009年5月30日、劇的な同点ホームランから逆転勝ちで3連勝、ヘルナンデスはQS。
2009年5月24日、ヘルナンデスは無敗のパートナー、ロブ・ジョンソンを捕手に8回自責点1でQS達成、10奪三振でひさびさのデーゲームを勝利に導いた。
2009年5月19日、コネ捕手またもや14安打5盗塁され連日の大敗。これで5月は3勝9敗。ヘルナンデスを自責点6でERA4点台に沈没させ、月間20敗に突き進んだ。(ヘルナンデスの「2点の差」計算つき)
2009年4月23日、ロブ・ジョンソンは完封勝ちでメジャーNo.1のCERAを継続した。

August 02, 2011

ダグ・フィスターの話をすると、よく 「あんなに毎回毎回ランナー出すピッチャーが、いいピッチャーなわけがない」とか、「フィスター? たいしたことないだろ、あんなの」とか、知ったかぶりしたがる馬鹿がいる。

基礎的なデータすらロクに見ないで印象だけで喋るから、馬鹿はすぐに恥をかく。

WHIPランキングだけ見ても、一目瞭然だ。
ダグ・フィスターはランナーをやたらと出すどころか、むしろ「ア・リーグで最もランナーを出さないピッチャーのひとり」であり、シアトルにおいては「誰よりも優れた内容のピッチングをしていたピッチャーであり、エースともてはやされるフェリックス・ヘルナンデスより、WHIPの数値は優れている」、というのが事実だ。
また、BB/9(9イニングあたりの四球数)においても、ダグ・フィスターは「ア・リーグで最も四球を出さないピッチャーのひとり」であり、シアトルにおいては「ダグ・フィスターは、フェリックス・ヘルナンデスよりも四球を出さないピッチャー」である。

ア・リーグWHIPランキング
(2011年6月1日現在 以下同じ)
2011 American League Standard Pitching - Baseball-Reference.com

Justin Verlander 0.867
Josh Beckett 0.917
Jered Weaver 0.942
Dan Haren 0.990
Josh Tomlin 1.025
Alexi Ogando 1.040
James Shields 1.073
Michael Pineda 1.077
Philip Humber 1.105
David Price 1.112
---------------------
ダグ・フィスター 1.171 15位
ヘルナンデス 1.206 20位


ア・リーグBB/9ランキング
Josh Tomlin 1.1
Dan Haren 1.3
Jeff Francis 1.7
Justin Verlander 1.8
Carl Pavano 1.9
ダグ・フィスター 2.0
Jered Weaver 2.0
David Price 2.0
Mark Buehrle 2.1
Gavin Floyd 2.1
--------------------
ヘルナンデス 2.8(30位)


ついこの間、ダグ・フィスターがグラウンドボール・ピッチャーに変身した、という趣旨の記事を書いた。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年7月31日、「広い球場は、投手有利」というのは、ただの固定観念にすぎない。だからこそ、せっかくグラウンドボール・ピッチャーに変身を遂げたダグ・フィスターを売り払ってまでして外野手を補強してしまうシアトルは、どうしようもない馬鹿である。

ダグ・フィスターがグラウンドボール・ピッチャーに変身したことの効果は、ア・リーグのHR/9(98イニングあたりの被ホームラン率)ランキングを見るとわかる。
今年のダグ・フィスターは「ア・リーグで最もホームランを打たれにくいピッチャーのひとり」だからだ。
このHR/9の数値においても、フィスターはヘルナンデスを大きく引き離している。

ア・リーグHR/9ランキング
Justin Masterson 0.2
CC Sabathia 0.3
Jered Weaver 0.4
ダグ・フィスター 0.4
Tyler Chatwood 0.6
Brandon Morrow 0.6
C.J. Wilson 0.6
Edwin Jackson 0.6
Josh Beckett 0.6
Philip Humber 0.6
Dan Haren 0.6
-----------------------
ヘルナンデス 0.7


「グラウンドボール・ピッチャー」
「ランナーを出さない」
「ホームランが少ない」
「四球が少ない」
「ストレートのピッチバリューが高い」

これらが今年のダグ・フィスターのピッチングの特徴だが、もちろんこれらは相互に関連している。ゴロが多く、フライを打たれないなら、当然、ホームランは打たれない。四球が少ないから、ランナーが貯まらず、大量失点しない。
そして、「ストレートが使える投手」というのは、ピッチングにおいて、非常に大きなウエイトをもつ。


フィスターのいいデータばかりでなく悪いデータのほうを見てみると、フィスターの成長ぶりがもっとよくわかる。

今シーズンにフィスター打たれたヒット数は139本で、これはア・リーグ14位にもあたる多さ。H/9(9イニングあたりのヒット数)でみても8.6と非常に多く、ほめられたものではない(それでもシアトルで最も多くヒットを打たれている先発投手のは、フィスターではなく、ヘルナンデスの147本だ)
普通これだけヒットを打たれたら、防御率は酷いことになる。実際、H/9が9を越えている、つまり、毎回のようにヒットを打たれるような投手は、マイク・バーリーのような例外を除けば、ほぼ全員が防御率4点台、5点台の投手ばかりだ。

だが、そこまでヒットを打たれているフィスターのERAは3.33で、これはシアトルで最も優れている。
説明しなくてもわかると思うが、これは、彼が打たれた139本のヒットのうち、100本がシングルヒットで、無駄に四球を出してランナーを貯めたり、ホームランを打たれたりすることが少ないためだ。


もしブログ主がGMなら、2000万ドルと40万ドルの似たような成績のピッチャーがいたら、40万ドルのピッチャーのほうをチームに残し、2000万ドルのピッチャーはトレードに出して、課題のバッティングを強化するのに予算を使う。

当然のことだ。

もし逆の行動をとるとしたら、そのGMにはチームを強化するつもりが本当は無いのだ。

Doug Fister 2011 Pitching Splits - Baseball-Reference.com

Felix Hernandez 2011 Pitching Splits - Baseball-Reference.com






damejima at 18:27

August 01, 2011

フェリックス・ヘルナンデスのGB/FB/LDデータ


フェリックス・ヘルナンデスは、ピッチャーとしての質が大きく変わりつつある。
上のグラフは、ヘルナンデスの打たれた打球を、ゴロ(緑)フライ(赤)ライナー(青)の3つに分け、それを年次で並べたものだ。
Felix Hernandez » Statistics » Pitching | FanGraphs Baseball
デビュー当初、ヘルナンデスは極端なまでのグラウンドボール・ピッチャーだったのは有名な話だが、今は年を追うごとにフライボール・ピッチャーになりつつある。
今年のGB%(ゴロ率)は、49.1 %と、キャリアで初めて50%を切っている。


今のヘルナンデスは、ストレートと変化球をだいたい半々に投げ分けるとピッチングスタイルで、カウントを稼ぐのがストレート、追い込んだらチェンジアップ、シンカーといった、変化球を投げる、というのが基本であることくらい、もうほとんどのチームが知っている。
と、いうより、今のヘルナンデスのピッチングスタイルは、ストレートを痛打されては、アウトコースの変化球で逃げ回りながら、どうにか打者を討ち取っている状態、というのが本当のところだ。


いまMLBで最もストレートを投げる率が高いのは、ヤンキースの元サイ・ヤング賞投手、バートロ・コロンの83.4%だが、今のヘルナンデスのストレート率はいまや、わずか54.9%しかない。ストレートで勝負はしていないし、勝負できもしない。
MLB全体で、ストレートのピッチ・バリューが高いベスト10の投手を挙げてみた。今のヘルナンデスのストレートのピッチ・バリューはわずか-2.8しかなく、マイナスの数値だ。いかにヘルナンデスのストレートに信頼が失われたかがわかる。

ストレートのピッチ・バリューが高い投手ベスト10
Justin Verlander 26.4 
Jered Weaver 25.2
Ian Kennedy 19.5
CC Sabathia 19.5
C.J. Wilson 18.3
Scott Baker 18.3
Josh Beckett 17.3
Cliff Lee  16.9
David Price 16.3
Alexi Ogando 16.0
-----------------
ダグ・フィスター 15.4 (11位)

ストレートのバリューに関してだけ言えば、無能なズレンシックがデトロイトに安売りしてしまったダグ・フィスターのほうが、マイナス数値のヘルナンデスよりずっと数値が高いどころか、なんとMLB全体で11位をキープしている
ダグ・フィスターのストレートのピッチバリューは、4シームの速さでMLBファンを驚かせたマイケル・ピネダの9.9よりも高い。勘違いしている人が多いが、マリナーズの先発投手で規定回数に達している4人の中で、最もバリューが高いストレートを投げていたのは、ピネダでも、ヘルナンデスでもない。ダグ・フィスターだ。
ダグ・フィスターは、今年、チェンジアップとストレートを少し減らして、カーブとスライダーを多投するようにピッチングスタイルを変えているのだが、だからといって、ストレートの価値が下がらなかったのだから、たいしたものだ。
Doug Fister » Statistics » Pitching | FanGraphs Baseball


もったいないことをするものだ。
さすが無能なGM。やることが違う。

シンカーとチェンジアップで逃げ回るだけのピッチャーに、
20ミリオンの価値はない。







damejima at 17:15

June 30, 2011

前の原稿でも書いたことだが、シアトルマリナーズの観客席に空席が目立つようになった根本原因は、端的に言うと、球団サイドが「自分たちが目指すべきでない野球スタイルに金を出し続け、そして、目指すべきスタイルを見失い続けてきた」からだ。
若かろうと、年寄りだろうと、自分にどんな服が似合うかすらわからないで、よく生きていけるものだ。
彼らはこれまで何シーズンもの時間と、何十万ミリオンもの大金を無駄にしつつ、毎シーズン敗れ続け、そして本来は根本的なところから手をつけるべきチームの再建や、若手起用を毎年のように先送りしつつ、有望な選手をちょっと起用しては結局は他チームに追いやり、結局、最後はあらゆることを中途半端にしたまま、監督と選手を無駄に入れ替えながら2011年を迎えている。



例えば、「城島問題」もそのひとつだ。
MLBには、あれほど適応能力に欠けた選手の必要性はカケラもなかった。だが、選手間レベルでは必要ないことが速い段階でわかっていたにもかかわらず、チームはずっと起用し続け、最後は高額長期契約までくれてやり、何年もの間の貴重な時間を、無駄なストレスと無駄な敗戦の山とともに無駄にした。

城島、セクソンなどを含む「右のフリースインガーをかき集めた、だらしない野球」もそうだ。
セーフコ・フィールドというスタジアムは、右打者不利の球場である。にもかかわらず、右打者に金を注ぎ込み、そして結局、当時の右打者のほぼ全員が後にチームをクビになった。
そしてここでも、シーズン単位の貴重な時間が無駄になった。

ケン・グリフィー・ジュニアの処遇もそうだ。
彼はたしかにこのチームの偉大なレジェンドのひとりだ。だが、彼を客寄せパンダとして招聘しておいて、十分なリスペクトとともに引退の花道を用意して1シーズンで引導を渡しておけばそれで十分だったものを、欲をかいた人間が判断を誤ったことで、2シーズン目の契約に突入し、最悪の結果を招いた。彼の名誉も、球団の成績にも、同時に傷がついた。
ここでも、何年もの貴重な時間が無駄になった。


果てしない時間が無駄になり続ける中で、
他チームに出て行った選手たちが「野球に適した環境」の中で活躍しだすのを、ファンとメディアは常に指をくわえて見てきた。


そう。
大事なことは単純だ。
野球に適した環境」で「そのチームに適した野球」をやり、「勝つ」こと、「勝ち続けるために必要な、意味のあるプレーを、観客に見せ付けること」だ。

けしてやってはいけないことは、
野球に適さない環境で、シアトルに向いていない野球をやり、負け続ける姿、あるいは、勝ちにつながるのかどうかどころか、何の意味があってそうするのかすらわからないプレーや選手起用を、説明もないまま、観客に晒し続けること」だ。


フェリックス・ヘルナンデス、という若いピッチャーが、ア・リーグを代表する右投手になるといわれながら、何年もの時間が無駄になった。
なぜなら、若くて血の気の多いヘルナンデスに、まったく合わない城島という言い出したらテコでも引かない異文化の馬鹿キャッチャーを無理にあてがおうとし続けたのだから、彼の成長がうまく進むわけがないし、本来出るべきだった好成績は何シーズンも遅れることになった。
ここでも、何シーズンかの貴重な時間が無駄になった。


そして、いま、スタジアムをどうにかして少しは満員にしたいと焦るシアトルの球団サイドは、キングスコートとかいって、ビール片手に大騒ぎしたい若者を集めるための集客作戦を実行し、さかんにフェリックス・ヘルナンデスの奪三振を煽りはじめている。


ヘルナンデスという南米の投手は、
なぜサイ・ヤング賞投手にステップアップできたのか。

血気にはやり、激しい性格のヘルナンデスに、まったくフラットで、抑揚がまるで無く、ガリ勉型で研究心だけはあるロブ・ジョンソンのような、「まったく正反対のタイプの性格のキャッチャー」をあてがうことで、凸凹の非常に激しいバッテリーを組む実験に成功したからだ。
ロブ・ジョンソンは、ヘルナンデスに欠けていた落ち着き、配球パターンのバリエーション、相手打者のパターン研究など、さまざまな面で補う役割を担ったのだが、ヘルナンデス自身は、おそらく、その意味の重さを今でも過小評価していると思う。


やたらと血の気は多かったが、他人の力を借りる形で落ち着きや投球術を手に入れ、周囲のチカラで一流にのし上がったヘルナンデスを、こんどは「黄色いカードを持たせた、野球をあまりよくわかってない若者たち」に奪三振を煽らせて、いったいこのチームは何がしたいのか。
ヘルナンデスがいまさらストレートだけでバカスカ三振を獲りながらゲームを押し切れるピッチャーだとでもいうのか。

これが果たして「野球に適した環境」なのか。
ヘルナンデス自身のこれからのために必要な環境なのか。

そんなこともわからないで、よく経営がやれる。よく記事を書ける。


言われないと、気づかないのか。






damejima at 17:09

May 15, 2011

この記事は、下のリンクの続きだ。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年5月13日、「打者を追い込むところまで」で終わりの投球術と、「打者を最終的にうちとる」投球術の落差  (1)打者を追い込んだ後のヘルナンデスの不可思議な「逆追い込まれ現象」



ちょうど一ヶ月前。
カムデンヤーズへの遠征で、フェリックス・ヘルナンデスは、典型的な早打ちボルチモア打線につかまり、早いカウントのストレートを狙い打たれる形で、被安打7、四球3、自責点4。5回でマウンドを降りた。
ゲーム序盤の3失点くらいなら、ほとんどの場合、そのまま7回120球くらいまで平気で投げるヘルナンデスが「5回で降板させられた」のだから、いかに5月12日のカムデンヤーズでのピッチング内容が悪かったかがわかる。
Seattle Mariners at Baltimore Orioles - May 11, 2011 | MLB.com Classic

あのとき、こんなことを書いた。
ヘルナンデスには「投球術」が欠けている。
だからもう、ヘルナンデスのことを、「キング」と呼ぶのは、やめることにした。


あれから一ヶ月たって、6月18日。
ホームのフィリーズ戦で、ジミー・ロリンズシェイン・ビクトリーノに好きなように打たれまくるヘルナンデスを見ながら、5月のときの「感想」は、変わるどころか、より確信に近いものに変わった。
キングス・コート」とかいうチケット販売戦略は、まぁ、観客動員のためのギミックだから、それはそれでいい。好きなようにビール飲んで、仮装大会やって、お祭り騒ぎは好きに楽しめばいい。だが、ブログ主は、ヘルナンデスのことを「キング」と呼ぶつもりはない。


5月頃、日本のファンはヘルナンデスについて、「いつも5月がよくないから、しかたがない」だの、わかったようで実は何の根拠もないことをしきりに言っていたものだ。月別データを見ると、そういうテキトーすぎる意見が「二重の意味で」現実をわかっていない意見であることがわかる。

今年のヘルナンデスは、月別データだけでいうと、「いつも5月がよくないから、しかたがない」どころか、これでも5月が一番「マシ」なのだ。
   被打率 防御率
4月 .240   3.32
5月 .202   3.07
6月 .263   3.77

まぁ、こんなデータを見ると「5月は例年悪いわけだけど、今年に限っては、実は良かったんだな・・・。ヘルナンデス、さすが」(笑)などと、自分が二重に馬鹿なことを言っていることさえ気づかないで、早とちりしたことを言うアホウが必ず出てくるだろう。数字だけ見て、実際のゲームはほとんど見ずにモノを言っていても、恥をかかずに済むと思っているのだろうか。

ヘルナンデスの5月の全登板を見た人なら、データ上の良し悪しはともかく、「2011年5月のヘルナンデス」がかなりグダグダなピッチングぶりだったことをよく知っている。だからこそ、5月にボルチモアでメッタ打ちにあったのである。

そして「6月のヘルナンデス」は、5月の「数字では絶対にわからないグダグダ」が表面化してきて、被打率.263などという、とんでもないことになってきている。



Fangraphには、カウント別に、投手がどんな球種を投げたかが、おおまかにわかるデータが用意されている。
これと、Baseball Referenceのカウント別被打率とあわせて、今年のヘルナンデスが「どういうカウントで、どういう風に打者を攻め、そして打たれているか」、ちょっと簡単にシミュレーションしてみよう。
Felix Hernandez ≫ Splits ≫ 2011 ≫ Pitching | FanGraphs Baseball
Felix Hernandez 2011 Pitching Splits - Baseball-Reference.com
注意してほしいのは、Fangraphの球種分類が「おおまか」であること。たとえば、最近のヘルナンデスは「シンカー」を多投するが、この「シンカー」という球種はFangraphの分類項目に無い。たぶん、どれか違う変化球のパーセンテージに含められて計算されてしまっている。だから以下の話で、変化球についてあまり厳密に書くことは、そもそもできない)



Baseball Referenceによれば、今年のヘルナンデスがもっとも打たれたカウントが、First Pitch、初球だ。まず、ここが問題の出発点である。
相当打たれている。被打率は.381。被長打率.540、被IOPS.930。数字の上だけでみても、かなり酷い。

他にも、ヘルナンデスが被打率3割以上打たれているカウントは、初球、1-0、2-0、0-1、1-1と、合計5つもある。要は「3球目までに打たれると、かなりの確率でヒットを打たれてしまっている」ということになる。

Fangraphで、「被打率3割以上の5つのカウント」で投げた球種を調べてみると、面白いことがわかる。

ヘルナンデスが打たれているカウントで投げている球種をみてみる。
初球 速球(確率71%)被打率.381
1-0 速球(70%)被打率.308
2-0 速球(94%)被打率.385
0-1 速球(33%)、カーブ(31%)被打率.324
1-1 速球(38%)、カーブ(25%)、チェンジアップ(24%)被打率.361
Felix Hernandez 2011 Pitching Splits - Baseball-Reference.com


もうおわかりだろう。簡単だ。
早いカウントではストレートを打たれ、遅いカウントになると、変化球を打たれる
これらの単純なデータ群からでさえ、ヘルナンデスが投球の3球以内で打たれるパターンが、簡単に分類できることがわかる。

もうちょっと詳しく書いてみる。

A)初球が打たれるケース(1通り)
A−1 初球のストレートを狙い打たれ、長打される

B)2球目が打たれるケース(2通り)
B−1 初球のストレートがボール判定。2球目にストレートを連投してストライクをとりにいって打たれる
B−2 初球のストレートがストライク判定。2球目にストレートか、カーブを投げ、打たれる

C)3球目が打たれるケース
C−1 初球、2球目でストレートを投げて、どちらもボール判定。3球目もストレートで、そこで打たれる
C−2 初球のストレートでストライク、2球目がストレートかカーブで、ボール。1-1となって、次の球(ストレート、カーブ、チェンジアップのどれか)を打たれる。
C−3 初球のストレートがボール、2球目もストレートで押して、こんどはストライク。1-1となって、次の球(たぶんアウトコースの変化球、それもシンカーかチェンジアップと推測)を打たれる。


同じことを、こんどは「バッター目線」から整理してみよう。
打者はどのカウントで、どの球種を打てばいいか?

初球の狙いかた
1)何も考えず、初球ストレートを思い切り強振。長打狙い。
2球目の狙いかた
2)初球ストレートがボール判定だった場合、2球目も高確率でストレートが来るので、ここは必ずヒッティングすべき。
3)初球、2球目が、続けてストレートのボール判定のカウント2-0。次は間違いなくストレート。狙い打ちしていい。(もし四球が必要な場面で、コントロールが荒れているケースなら、振らなくてもいい)
4)初球ストレートを強振して、空振りか、ファウルだったカウント0-1の場合。2球目がストレートである確率はかなり下がり、球種がバラつくため、ここは様子見。
5)初球ストレートがきわどいので見逃したカウント0-1の場合、もしその球がストライクだったら、2球目は球種が予測しづらい。ちょっと様子見。
3球目の狙いかた
6)初球ボールで、2球目をファウルしたら、3球目は、変化球かストレートか、狙う球種さえしっかり絞りきれれば、甘い球を狙い打てる。
7)初球ストレートがストライク、2球目がボールのカウント1-1なら、3球目は基本的に様子見だが、打ちたいなら、変化球かストレートか絞りきって、甘い球だけを打つ。
8)初球、2球目で、カウント2-0に追い込まれた場合。3球目のアウトコースの変化球は、ほぼ「釣り球」。見逃すべき。4球目も、ほぼ同じ。これでカウントを2-2まで戻せる。

ちょっと読みづらい書き方で申し訳なかったが、上に書いたことをもっと簡単に言うと、どういうことが起こっているのか。

早いカウントで投げたがる「ストレート」、遅いカウントになると投げたがる「変化球」、ヘルナンデスはその両方を打たれているのである。


初期症状で、ストレートへの自信と信頼が失われていき、さらに症状が進んだ後期症状では、せっかく打者を追い込んでも、その後はアウトコースのボールになる釣り球の変化球一辺倒になって、打者にピッチングの組み立て自体を見切られていく。その結果、球数はやたらとかかるようになり、2-2や、フルカウントがやたらと増えていく、というのが結論だ。


実際、今年のヘルナンデスのPitch Type Values(球種ごとの有効度)は、こうなっている。(カッコ内は2010年の数値)
ストレート    -1.8(2010年 25.5)
スライダー系  -0.7(6.1)
カーブ      3.2(2.4)
チェンジアップ 13.9(18.7)

早いカウントのストレートが打たれすぎたことで、配球システムの根本が崩れて、いざとなったらストレートに頼るピッチングが不可能になってきた」のである。
これがヘルナンデスのピッチングの根幹が崩壊してきた去年から既にあった「第一の問題点、初期症状」だ。


そして、ストレートを早いカウントで打たれすぎて、ピッチングの逃げ道がなくなってしまった彼が何に頼ったか。
外のシンカーやチェンジアップである。


最初の2球でなりふいかまわず打者を追い込んで、カウント0-2としたら、後は、外のシンカーやチェンジアップ。
ここからが「第二の問題点、後期症状」だ。
どうにかして打者を追い込んだにしても、あとに残されたのは、チェンジアップやシンカーくらいしかない。そういう球種をアウトコースのボールゾーンに釣り球として投げるのは、「打者への攻め」ではなくて、「単なる消去法」だ。ほかに選択肢がないから、それに決定しているだけである。
(本当はないこともないのだが、たとえキャッチャーがそれを要求しても、ヘルナンデスは首を横に振る。だから、カウントが煮詰まると、非常に高い頻度でバッテリーのサインがあわなくなって、テンポが遅くなる。そうするとビクター・マルチネスのような観察眼のある打者は「ヘルナンデスが首を振ったな。ああ、これは変化球、特にシンカーが来るな」と、わかるようになってくる)

だが、打者も馬鹿ではない。

ストレートを投げることに「ある種の恐怖心」を抱くようになってきているヘルナンデスの「弱腰ぶり」は、打者はもう十分すぎるほどわかっている。
ヘルナンデスのカウント0-2、あるいは、カウント1-2からは、たてつづけに「外の、ボールになる変化球が来ること」はわかっている。ならば、ボールなら黙って見逃せばいいし、ストライクなら、タイミングをあわせて狙い打つだけのことだ。

こうして、カウント2-2やフルカウントが多発するようになっていく。


こういうのを、
日本語では「見切られる」という。
先発投手は見切られたらオシマイだ。






damejima at 18:07

May 14, 2011

カムデンヤーズでのビジターゲームで、ジェイソン・バルガスが、ボルチモア期待の新鋭ザック・ブリットンと投げ合い、2人とも9回無失点でマウンドを降りる手に汗にぎる投手戦を演じた。
Seattle Mariners at Baltimore Orioles - May 12, 2011 | MLB.com Classic
ゲーム自体は、ブランドン・リーグの乱調で12回表の貴重な得点を勝ちに結びつけることができず、サヨナラ負けしたのだ、そんな、リーグのふがいなさが原因とわかっていることは、どうでもいい。
フェリックス・ヘルナンデスではまったく抑えられることができなかったボルチモア打線Seattle Mariners at Baltimore Orioles - May 11, 2011 | MLB.com Classic)を、なぜジェイソン・バルガスはこれほどまでに完璧に抑えられたのか? そのことのほうがはるかに大事だ。

その他、自分の中でいろいろなことについて、答えがハッキリと出たので、その一部をまとめてみた。

ヘルナンデスには「投球術」が欠けているのである。

「フェリックスがいつも5月に調子が出ない」とか、そんなオカルトじみた、どうでもいい理由ではない。もっときちんとした、野球の上での話だ。



ヘルナンデスはこれまで、自分に欠けている「投球術」の部分を、キャッチャー(たとえば、いまやサンディエゴの正捕手の位置にいるロブ・ジョンソン)やベンチによって補完されてきた、そういうタイプの投手だ。
球威は十分だが、投球術に欠ける。だから、ヘルナンデスは、投球術のない今のままでは、絶対にロイ・ハラデイにはなれない。球威だけでは誰もロイ・ハラデイにはなれない。

ロイ・ハラデイは、自分の中に「自立した投球術」を持つ、自立した投手だ。だから、キャッチャーが誰であろうと、打線の調子がどうであろうと、関係ない。自分の内部に存在する「自分自身の手で育てあげた自分だけの投球術」をもとに、ゲームの最後まで責任をもって投げぬく。それを信条としている。100球制限も、ロイ・ハラデイには関係ない。
他方、ヘルナンデスにあるのは、「球威」「スピード」「変化球のキレ」「ボールコントロール」など、ボールに物理的なパワーを与える能力、それと「負けん気」などのメンタリティの強さだが、それら以外に、まだ欠けている投手として必要な能力がある。
それが、日本語でいうところの「投球術」だ。つまり彼は単にボールを上手にあやつって打者を追い込んでいるだけであり、「自分で自分のピッチングスタイルをデザインする能力」には欠けている。
それがボルチモアとの対戦でハッキリわかった。

ヘルナンデスはとりあえず打者を追い込めるところまで行ける。それはひとえに、彼のパワーのおかげだ。だが、打者を自由自在にうちとるためのピッチング・デザインは、彼の内部に十分あるとはいえない。


だからもうブログ主は、ヘルナンデスのことを「キング」と呼ぶのは、やめることにした

頂上をあらわす「キング」という称号で呼んでいい投手は、例えば、ロイ・ハラデイノーラン・ライアンのような「自立した投球術」を備えた大投手であって、投球術に欠けるフェリックス・ヘルナンデスには「キング」の称号はふさわしくない。ちょっと態度が大きいくらいのことで、誰かのことをキングなどと呼ぶ必要など、まったく感じない。


細かい部分に触れよう。
これは、いままで何度も中途半端に書きとめてきたことを一歩先に進めることにもなる。

去年も頻繁に見た光景だが、ヘルナンデスは「打者を追い込んでからの投球」が、まったくもって冴えない。

なぜなら、ヘルナンデスは「打者を追い込む」のは上手いのに、いざ凡退させる段階になって四苦八苦ばかりしていて、スッキリ討ち取ることができないからだ。

具体的に言えば、打者を追い込んだ後、明らかにボールとわかる無駄な投球が多すぎて、2-2、3-2と、カウントを自分からどんどん悪くしていき、せっかく追い込んだ打者を簡単に四球にしていたりする。(こういう投球数が無駄に増えていくピッチングでは、野手の守備時間が異様に長くなり、野手のバッティングにも影響が出て、ラン・サポートも減ることが多い)


ボルチモアとの対戦で、ヘルナンデスはキャッチャー、ミゲル・オリーボとまるで息が合ってなかった。(けして全部の場面がそうだとは言わないが)特に、打者を追い込んだ後のサインが最も意見が合わなかったように見えた。もちろん、オリーボがどういう球を要求し、サインにヘルナンデスが、何度も何度も首を振って、その結果どういう球を選択したかを明確に知ることなどできないが、首をふったシチュエーションと、その後に投げた球などから推測すると、ブログ主は、以下のようにヘルナンデスとオリーボの意見があわない理由を考えた。

特に典型的な右打者のカウント1-2という場面で説明してみよう。


打者を追い込んだこういう場面で、最近ヘルナンデスが、キャッチャーのサインに首を振りまくるケースが、非常に多くみられる。ヘルナンデスが最終的に投げたがる球はどうやら「アウトコースの、大きく鋭く変化して、打者から逃げてボールになる球」のようだ。
この球をヘルナンデスが使いたがる理由についてブログ主は、「自分の球の威力で追い込んだ打者を、最後になにがなんでも、『安全に』空振りさせたい」のだろう、と見ている。

だが、このヘルナンデスが投げたがるアウトコースの球に、どういうものか、打者がまるで反応しない。むしろ簡単に見逃してくる。そして見逃された球がきわどいコースにビシリと決まって、見逃し三振がとれることはほとんどなく、むしろ、アウトコース低めにハッキリはずれるボールになることが多い。

要は、打者側に、「追い込まれてからヘルナンデスが投げてくるアウトコースの変化球は、見た目の変化は素晴らしいが、ボールになる。だから、見逃しても、三振しないですむ」ことがバレはじめているのだろう、と思う。
いくら、いままで誰も見たことがないような素晴らしい変化をするボールでも、大きくはずれてボールになることがあらかじめわかってしまえば、打者は空振りしない。うちとれない。単純な話だ。


だが、それでもヘルナンデスは、アウトコースの変化球によほど急激な変化をつけたがる。よほど打者にバットを振らせたいのだろう、キャッチャーのサインの大半に首を振り、ボールに強すぎるスピンをかけるために、非常に力み(りきみ)かえって投げ続ける。そのため、ボールにあまりにも変化がつきすぎて、1塁側に大きく逃げるワンバウンドになるケースが多々ある。
これが、ヘルナンデス登板時に頻発しているワイルドピッチ(またはパスボール)の元凶になっている。


投手にしてみれば「こんなに、いままで誰も投げてないほど、急激な変化球で打者を誘っているのに」と思っている。なのに、打者がまるで反応しない。すると、投手はかえって「まだ打者をうちとってもいないのに、決め球が無くなってしまった感覚」になったりする。
こういう「カウントの上では、投手側が打者を追い込んだはずが、かえって、投手のほうが、投げる球が無くなった、追い詰められた、という感覚に追い込まれていく」という、おかしな現象を、とりあえず「逆追い込まれ現象」とでも呼んでおくことにする。
(ある意味で、満塁で打席に入った打者が、チャンス!とポジティブな感情を持つのではなく、むしろネガティブにヤバイ!と感じるのにも、ちょっとだけ似ている 笑)


この「逆追い込まれ現象」に陥ったときのヘルナンデスは、たいてい表情は怒ったようなイライラした表情か、無表情だが、人間というものは不思議なもので、顔だけそういう厳しい表情、クールな表情だからといって、行動においても自分の思ったとおりの大胆さ、強気が、表現できるわけでは、まったくない。
むしろ、逆で、顔は冷静で、見た目は強気そうなのに、実は内心とても追い詰められている、そういう人こそ、たくさん見かける。それが人間という動物の普通の光景だ。

いくら本人だけが「絶対に三振をとるぞ!」と決め付けて、「俺は強気な投手だ!!」と鼻息荒く息巻いていたとしても、ボールそのものは打者にたち向かうどころか、むしろ打者から大きく逃げているのでは、なんの意味もない。
ヘルナンデスが強気になるべき相手は、サインを出している味方のキャッチャーではなく、対戦している相手チームの打者なのだ。言うまでもない。キャッチャーのサインをいくら拒否できるようになったとしても、そんなのは「強気」でもなんでもない。ただの「内弁慶の子供」だ。

「逆追い込まれ現象」に陥ったヘルナンデスのアウトコースの「逃げの変化球」はますます打者に見切られていき、投げる球が無くなったヘルナンデスは、フルカウントから、こんどは力まかせに、高速シンカーや、カットボール、4シームなど、ストレート系の球を投げるわけだが、体重のバランスは崩れ、ボールは思いもよらぬ方向に行ってしまい、四球を出し、タイムリーを打たれてしまう。
まるでパソコンで映画のDVDをリプレイするかのように。



そもそも真剣勝負の場において『投手だけが安全でいられる、打者の空振り』など、ないはずだ。
「安全でなさそうなところ」にリスク承知でキレのある球を思い切って投げ込むからこそ、打者のバットは思わず空を切って三振してくれる、あるいは凡退してくれるのであって、絶対に投手側は安心だという「安全なところ」に、いくら鋭すぎる「逃げの変化球」を投げ続けてみたところで、打者は空振りなどしてくれない。

そういう意味では、ヘルナンデスのアウトコースのボールは「打者にたち向かう」どころか、むしろ「打者から大きく逃げている」
投手が「打者から逃げるボールで、三振してくれ」とか、そういうことばかり考えるのは、単に、自分に都合のいいことばかり考えがちな子供、という話になる。


この話の意味は、ボルチモアの素晴らしい新人投手、ザック・ブリットンの大胆すぎる2シームと比べてみても、よくわかるはずだ。

ブリットンは、打者を追い込むだのなんだの、ごちゃごちゃ考えるより先に、2シームを、ほぼ「ストライクゾーンの、信じられないほどド真ん中」に投げこんでくる。もちろん打者は「しめた!!」と思って反射的にフルスイングしてくるわけだが、これが、ボールが動くせいで、まるでマトモにバットに当たらない。必ずといっていいほど、ボテボテの内野ゴロになる。
もちろん、東地区の投手であるブリットンには、東海岸特有のカットボールや2シームといった「動くボール」を多用する投球術が文化的背景にある。若い投手だが、彼なりに計算されたピッチング、といっていいと思う。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:地区ごとの配球文化の差異


このブリットンの2シームのチャレンジぶりに比べれば、いかにヘルナンデスのアウトコースの変化球が、投手側のリスクをあらかじめ回避した「安全な逃げ」でしかないか、わかると思う。
外の変化球が、どれだけ大きく曲がろうと、鋭く落ちようと、そりゃ、ボールになるとわかってしまえば振ってもらえなくなる。



思うに、投手の投球術というのは、2種類あって、けっこう混同されていると思う。

ひとつは、「打者を追い込むところまで」の投球術。
もうひとつは、「打者を最終的にうちとる」ための投球術。

もちろん、ロイ・ハラデイは後者だ。
そして、このあいだ初めて見たザック・ブリットンも、シアトルでいえば最近のジェイソン・バルガスも、後者だと思う。

前者の「打者を追い込むまでの投球術」しかもたない投手は、打者を追い込んだ後にどうするかといえば、自分の持ち球の中で、その日、これはと思えるボールを、えいやっ、とばかりに投げ込んでくるだけだ。
それでも球威があるうちはいい。手の内を相手に研究されないうちは、それでもいい。
だが、そんなのを「投球術」と呼ぶことなどできない。
そういう投手は本来、最後にはキャッチャー(あるいはピッチングコーチでもいい)の持つデザイン力の助けを借りなければならないはずだ。


自分のストレートの威力を過信というか慢心して、キャッチャーのあらゆるサインに首をふり、ストレートだけを投げることにこだわりぬいて、その結果、勝ちゲームを大量破壊しまくったデイビッド・アーズマも、かなりどうかしていると思ったものだが、フェリックス・ヘルナンデスが、第二の「慢心したアーズマ」にならないことを祈る








damejima at 20:44

April 12, 2011

うっはーーーー!!

勝った!!!!

7点差をひっくりかえしたのは1999年以来らしい。
最高ぉ! ひゃっほぉぉっ!!!

 My Oh My
拍手拍手拍手

1点差の9回裏
マイケル・ソーンダース 二塁打 無死2塁
ブレンダン・ライアン バント 1死3塁
代打アダム・ケネディ ショートゴロ 2死3塁
イチロー 敬遠 2死1,3塁 →盗塁 2死2、3塁
ロドリゲス 逆転サヨナラ2点タイムリー

動画
Featured | TOR@SEA: Rodriguez wins it with a walk-off single - Video | Mariners.com: Multimedia

2011年4月11日ルイス・ロドリゲス サヨナラヒット


逆転サヨナラに沸く観客 2011年4月11日


逆転サヨナラにはしゃぐカップル 2011年4月11日

Gameday
Toronto Blue Jays at Seattle Mariners - April 11, 2011 | MLB.com Gameday

Fangraph
Mariners » Win Probability » Monday, April 11, 2011 | FanGraphs Baseball

ルイス・ロドリゲスの活躍の瞬間
Luis Rodriguez
Luis Rodriguez » Statistics » Batting | FanGraphs Baseball


試合後のインタビュー

ルイス・ロドリゲス
チェンジアップをずっと狙っていた
He said he was looking for changeups and sliders from Shawn Camp, and finally got a changeup he was able to square up.
Mariners Blog | Mariners win!! Mariners win!! | Seattle Times Newspaper

フェリックス・ヘルナンデス
「何を投げても打たれた」
"Every pitch I threw, they were hitting," Hernandez said.
Toronto Blue Jays at Seattle Mariners - April 11, 2011 | MLB.com SEA Recap

相手チームトロントのベンチには、ベンチコーチとしてシアトルの元・監督ドン・ワカマツがいるわけだが、どうやら彼はかなりヘルナンデスのスカウティングを済ませてゲームに臨んでいるようだ。








damejima at 15:02

June 14, 2010

偉大なるバカボンの父も言っている。

「 これでいいのだ。 」

Seattle Mariners at San Diego Padres - June 13, 2010 | MLB.com Gameday

"I was fine, I was strong,"
「ピッカピカだったろ?俺って強ええからな、イェイ」

わざと意訳したが(笑)、ゲーム後のインタビューでヘルナンデスはひさしぶりに彼の年齢相応らしい感情の爆発のさせかたをした。これから長いメジャー生活を送るであろう彼の今後のピッチングスタイルを考える上で、たいへん意味のあるインタビューである。読む価値がある。
Mariners win finale behind Felix's gem | Mariners.com: News


結論を先に書いておこう。
6月7日のクリフ・リーが「ストライクの鬼神」であるとすれば、本来のヘルナンデスは、同じ神でも「バランスの鬼神」である。
つまり、こういうことだ。ヘルナンデスは「ストライク・ボールの適度な混ぜ具合」や「球種を適度に混ぜるバランスの良さ」がピッチングの鍵になって、打者をゴロの凡打に打ち取る投手であり、だからこそ「ピッチング全体の適度なストライク率」あるいは「その試合におけるコントロールの出来の良さ・悪さ」が、他の投手よりもずっと大きな意味をもつと考えるのである。
「バランスが命」であるからこそ、キャッチャーとの相性が大事で、ヘルナンデスが本来もっているコントロールの悪さや、ピッチングの単調さを、補う役割がキャッチャーに求められる。
クリフ・リーは6月7日の登板で「78.5%」などという驚異のストライク率を記録して、シアトルの鬼門であるアーリントンでレンジャーズ打線を沈黙させてみせた。(ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年6月7日、クリフ・リー、貫禄の107球無四球完投で4勝目。フィギンズの打順降格で、次に着手すべきなのは「監督ワカマツの解雇」
あのときのクリフ・リーが「ストライクの鬼」であるとすれば、ヘルナンデスは「バランスの鬼」であり、クリフ・リーとヘルナンデスは求めるべき目標が違うのである。



個性は、それぞれに違う。
違うから面白く美しく、また自分だけの個性という貴重な宝石を誰もが探し求める。みんな同じでは、どこまでも続くどんよりした梅雨空のようになってしまい、つまらないこと、このうえないし、価値もない。
大投手ロイ・ハラデイにはハラデイの投球術があり、「ストライクの達人」クリフ・リーのとは違う。リンスカムにはリンスカムのピッチングフォームがあり、ヒメネスとも、クリス・カーペンターとも違う。

ゲーム後のインタビューで、サンディエゴの監督バド・ブラックが今日のヘルナンデスのピッチングを絶賛しているが、その要因として「ストライク・ボールの配分の良さ」と「カーブの切れ」を挙げている。
true No. 1 pitchers という言葉のtrueという部分に、重みがある。1シーズンだけ良い投手を、バド・ブラック監督だってtrueとは呼びたくないだろう。
"Felix has come into his own as a staff ace," said Padres manager Bud Black. "He's turned into one of the true No. 1 pitchers. His ball-strike ratio was great, and that's the best overhand curve I've seen him throw."

今日のヘルナンデスは128球を投げ、ストライクを85球。全投球のちょうど3分の2がストライクであり、配球セオリーどおりの配合である。
バド・ブラック監督はこの配球全体をコントロールするヘルナンデスの能力の高さを絶賛しているわけだが、もちろん間接的にはヘルナンデスの良き相棒であるロブ・ジョンソンの素晴らしいリードに向けられた賛辞でもある。投球の3分の2ストライクを投げれば誰でもサイ・ヤング候補になれるわけではない。


ヘルナンデスのピッチング内容とストライク率の関係の深さについては、すでに何度も何度もこのブログで指摘してきた。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年10月5日、ヘルナンデスのストライク率と四球数の関係を解き明かす。(ヘルナンデスの2009ストライク率グラフつき)
今年2010年の4月21日にボルチモア戦で投げたときに、対戦相手のDHルーク・スコットもこんなことを言っている。球種をうまく混ぜたことが、あのゲームで9安打打たれながら自責点ゼロに抑えることができた要因になったというのである。
He did a good job of mixing up his pitches, hitting his spots, good sinker, good velocity on his fastball, hard curve, hard slider, good changeup.
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年4月21日、ヘルナンデス8イニングを無四球自責点ゼロの完投2勝目で、17連続QSのクラブレコード達成、シアトル同率首位!ロブ・ジョンソン、4回裏2死満塁の同点タイムリーと好走塁でヘルナンデスを強力バックアップ。


ヘルナンデスの四球が増えはじめるストライク率の臨界値は、この記事(ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年10月5日、ヘルナンデスのストライク率と四球数の関係を解き明かす。(ヘルナンデスの2009ストライク率グラフつき)を書いた時点では、四球数が3を越えるのを「ストライク率60%あたり」と推測した。
ヘルナンデスのストライク率と四球数の関係

そのため、この1年くらいの登板で「ストライク率が60%前後以下になったゲーム」を太字にして表示してみた。

2009年後半ヘルナンデスのストライク率と四球数
8月1日  104球58ストライク 55.8% 四球4
8月7日  113球70ストライク 61.9% 四球6
8月12日 105球67ストライク 63.8% 四球4
8月18日 106球69ストライク 65.1% 四球1
8月23日 101球67ストライク 66.3% 四球ゼロ
8月28日 104球63ストライク 60.6% 四球1
9月2日  114球67ストライク 58.8% 四球3
9月8日  113球69ストライク 61.1% 四球4
9月13日 109球65ストライク 59.6% 四球1
9月18日 104球65ストライク 62.5% 四球1
9月24日 108球77ストライク 71.3% 四球2 11三振
9月29日 120球69ストライク 57.5% 四球4
10月4日 107球72ストライク 67.3% 四球1
2010年前半ヘルナンデスのストライク率と四球数
4月5日  101球58ストライク 57.4% 四球6
4月10日 110球74ストライク 67.2% 四球1
4月16日 105球63ストライク 60.0% 四球2
4月21日 113球82ストライク 72.6% 四球ゼロ
4月26日 114球74ストライク 64.9% 四球3 負
5月1日  96球53ストライク 55.2% 四球4 負
5月7日  84球48ストライク 57.1% 四球4 HR3 負
5月13日 105球66ストライク 62.9% 四球2
5月18日 118球72ストライク 61.0% 四球2
5月23日 110球73ストライク 66.4% 四球1 負
5月29日 111球71ストライク 64.0% 四球3
6月3日  116球79ストライク 68.1% 四球1
6月8日  107球65ストライク 60.7% 四球3 ER7 負
6月13日 128球85ストライク 66.4% 四球1
Felix Hernandez Game Log | Mariners.com: Stats

見てもらうとわかるが、2009年はヘルナンデスがサイ・ヤング賞候補になった素晴らしいシーズンだが、ストライクが60%以下しか入らないゲームなどいくらでもあった。特に8月末から9月前半にかけて、サイ・ヤング賞が目の前にあるのがわかっていた重要ないくつかのゲームで、ストライクをとれないゲームが続き、あの時期は本当に苦しかったものだ。
だがそれでも、結果だけみれば、面白いように勝てたのである。
当時のブログ記事ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:September 2009)を読んでもらえばわかるが、9月24日の24残塁のように、たとえヘルナンデスの調子の良くないゲームでも、ロブ・ジョンソンがバッテリーとしての工夫などをして、投手単独ではなく「バッテリーとして」勝ちを積み重ね続けたことが、ヘルナンデスのサイ・ヤング賞レースを支えたのである。
もしそういう「歴史」がなかったら、いまごろとっくにヘルナンデスはキャッチャーを変えるかなにかしている。

よくロブ・ジョンソンのことを「投手にとりいるのがうまい」とかなんとか無意味な揶揄をするみすぼらしい人間がいるが、自分の無知を自分で晒すような真似をして何が面白いのだろう。今日もロブ・ジョンソンは3本のヒットでヘルナンデスを支えた。


ヘルナンデスのストライク率は2010年に入って突然落ちたわけでは、けしてない。2010シーズンに突然コントロールが甘くなって、そのために今年のヘルナンデスの調子がいまひとつ上がらないわけではないのである。
メジャーのスカウンティング能力は非常に高いから、ヘルナンデス、ロブ・ジョンソンのバッテリーの配球パターンだって分析され対策されているのは明らかだし、また一度指摘したように、2ストライクをとって打者を追い込んでからの変化球のキレがどうも今シーズンはいまひとつよくないとか、微妙な修正すべき点はたくさんある。
今日のようにカーブが切れると、ヘルナンデスのピッチングは非常に組み立てやすいだろうと思う。逆にいうと、あまりシンカーに頼るより、カーブで緩急をつけるヘルナンデスのほうが、ブログ主としては見ていて小気味いいし、安心できる。


そういう細かなことはプレーヤーにまかせておけばいいことであって、どうでもいいが、そんなことより大事なことは、「ヘルナンデスがどういう投手か」ということだ。
彼は、ストライク率が50%台の半ばに落ちるようなコントロールの甘いピッチングでは苦しい登板になるが、だからといって、クリフ・リーのようにストライクをむやみにとれる投手になる必要など、どこにもない。
ヘルナンデスは「バランスの鬼」。そのことがハッキリしたことが、このゲーム最大の収穫だと思う。

自分が誰なのかわからなくなっているローランドスミスにこそ、このゲームの深い意味をしっかりと噛み締めてもらいたいと思う。






damejima at 14:03

April 22, 2010

ヘルナンデスが2勝目となる8イニング無四球完投。今年テキサスからボルチモアに移籍した好投手ケビン・ミルウッドとの両先発投手完投ゲームに投げ勝った。シアトルの先発が完投するのはこれが今シーズン初。
ヘルナンデスのERAはこれで2.15、ERA1点台の大台もみえてきた。強敵の大投手ロイ・ハラデイがナ・リーグに行ったことだし、去年惜しくもとれなかったサイ・ヤング賞を今年こそとってもらいたいものだ。
これでシアトルは貯金2。開幕好調で先を走っていた首位オークランドがNYYに敗れたため、ついに同率首位となった!
Regular Season Standings | MLB.com: Standings
動画:Baseball Video Highlights & Clips | BAL@SEA: Wilson ropes a bases-clearing double - Video | Mariners.com: Multimedia

初回の1失点はブラッドリーの怪我の関係で臨時にレフトのスタメンに入ったマット・トゥイアソソーポのエラーによるもで、ヘルナンデスに自責点はついていない。
日米の自責点の考え方の違いについては、下記の記事を参照。日本でなら、初回のヘルナンデスには、自責点がついていたことだろう。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年3月30日、スポーツ・イラストレイテッドのJoe Posnanskiが、「非自責点」について語ったのを読んで、「日米の自責点の考え方の差異」についても勉強してみる。

キングの良き相棒ロブ・ジョンソンは、1点を追う4回裏の2アウト満塁のチャンスで同点タイムリーなど2安打。いつもながら、不思議な場面で打つ男である(笑)
それどころか、今日はなんと盗塁までしてみせて(笑)、ヘルナンデスを強力にバックアップした。ジャック・ウィルソンの3点タイムリー・ツーベースの場面で、ロブ・ジョンソンは1塁ランナーだったが、彼が長躯ホームインしたのも、とても意味のある走塁だった。彼は実はなかなか足が速いことがわかった。
動画:4回裏タイムリー Baseball Video Highlights & Clips | BAL@SEA: Johnson's infield single drives in a run - Video | Mariners.com: Multimedia
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:ロブ・ジョンソンの得点力・長打

ヘルナンデスは今日の8回QSで、去年から延々と続けている連続QS記録のほうもさらにひとつ加えて、17に伸ばした。公式サイトによれば、これはクラブレコードだそうだ。もちろんQSのほとんど全てはロブ・ジョンソンとのバッテリーによるもの。まさに鉄壁のバッテリーである。
Baltimore Orioles at Seattle Mariners - April 21, 2010 | MLB.com Gameday
Felix tops O's with 17th straight quality start | Mariners.com: News


今日のヘルナンデスの投球内容は113球投げて、ストライクがなんと82、ボールがたったの31。結果、ストライク率はなんと72.6%にも達した。19勝した昨年2009シーズンの夏でも、こんな高いストライク率で投げきったのはたった1試合しかないし、1ゲームで80もストライクを投げたのは記憶にない

以前に一度指摘したことだが、ヘルナンデスのストライク率は、四球数と非常に強い関連性がある(当たり前だと思うかもしれないが、そうならない投手もいる)。
また、さらに言えば、ヘルナンデスの場合、ストライク率と投球内容には一定の関連性があり、ストライク率が必要以上に高過ぎると、(もちろんヘルナンデスだからゲームにには勝てるのだが)内容面では良くないことがほとんど。
今日のゲームでも、貧打にあえぐ不調のボルチモア打線に9本のヒットを許している。(特にシアトル戦を得意にしているマーケイキス。3安打)
もちろん、そうしたピンチを、2併殺、無四球で切り抜けていくのが、ロブ・ジョンソンの手腕である。2併殺ともに、ボルチモア打線の要の2番ウィギントンというのが大きい。3番マーケイキスに3安打されているだけに、もし2番ウィギントンのところで打線が繋がっていたら、今日の勝利は危なかった。
相手チームのルーク・スコットは今日のヘルナンデスのピッチングをこんな風に言っている。
He did a good job of mixing up his pitches, hitting his spots, good sinker, good velocity on his fastball, hard curve, hard slider, good changeup.
球種をうまく混ぜたことが、9安打を打たれながら自責点ゼロに抑えることのできた要因になった。

2009年ヘルナンデスのストライク率と四球数

8月1日  104球58ストライク 55.8% 四球4
8月7日  113球70ストライク 61.9% 四球6
8月12日 105球67ストライク 63.8% 四球4
8月18日 106球69ストライク 65.1% 四球1
8月23日 101球67ストライク 66.3% 四球0
8月28日 104球63ストライク 60.6% 四球1
9月2日  114球67ストライク 58.8% 四球3
9月8日  113球69ストライク 61.1% 四球4
9月13日 109球65ストライク 59.6% 四球1
9月18日 104球65ストライク 62.5% 四球1
9月24日 108球77ストライク 71.3% 四球2 11三振
9月29日 120球69ストライク 57.5% 四球4
10月4日 107球72ストライク 67.3% 四球1
今日のゲーム
2010年4月21日 113球82ストライク 72.6% 四球ゼロ

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年10月5日、ヘルナンデスのストライク率と四球数の関係を解き明かす。(ヘルナンデスの2009ストライク率グラフつき)

今日のゲームはヘルナンデスの無四球完投勝利だが、ストライク率が70%を越えるような高い率になると、将来の大投手ヘルナンデスの場合にかぎっては、四球数は自然と1ゲームに1以下になる。
だから他のどこにでもいるような平凡な投手と違い、「無四球でゲームを終わること」それ自体は、ヘルナンデスの場合に限ってはそれほどたいしたことではない。むしろ、あまりにもストライクをとることに熱中しすぎて、投げ急いで打たれることのほうが怖い。

ヘルナンデスのストライク率と四球数の関係

もともと膝の故障を抱えているミルトン・ブラッドリーは今日はお休みで、マット・トゥイアソソーポにチャンスが巡ってきた。
初回に失点につながる残念なエラーをしてしまったが、これくらいのことはブラッドリーだって、バーンズだってやっている。好調の打撃面ではヒットを打てたのだし、問題ない。
なにより、4回裏のセンター方向のロブ・ジョンソンのゴロでセカンドに劇走してセーフにしたのは、ほかならぬトゥイアソソーポで、この走塁がゲームのターニングポイントだったと、ゲーム後にジャック・ウィルソンも語っている。なんとか今回のチャンスを生かして、スタメンに食い込んでもらいたいものだ。
バーンズのようなネタ選手を見るのは、もうセクソンで飽き飽きだ。どうでもいい。

監督ワカマツはもっと使える選手にチャンスを与えるべきだ。いくら選手が怪我をした臨時の処置とはいえ、バーンズがセンターなど、とんでもない。レフトでも代打でも、必要ない。






damejima at 15:29

April 06, 2010

とうとうシアトルの開幕戦がやってきた。5年契約を結んだばかりのフェリックス・ヘルナンデスが先発。先発キャッチャーは良き相棒のロブ・ジョンソン
Seattle Mariners at Oakland Athletics - April 5, 2010 | MLB.com Gameday

立ち上がりのヘルナンデス、ロブ・ジョンソンのバッテリーはとにかくストレートをほうらなかった。シンカー、シンカー、また、シンカー。高速シンカーだらけ。そしてチェンジアップとカーブ。まるで王健民ばりのピッチングである(笑)

結果からいうと、ヘルナンデスはストレートを温存した。いざというときにならないと投げないし、投げるときには目の覚めるようなストレートをほおって三振を奪う。
ヘルナンデスに7分目のチカラで投げる貫禄が出てきた。素晴らしい。

またロブ・ジョンソンは今日のゲームで4つのダブルプレーをオークランドに食らわせた。去年同様、要所でダブルプレーに仕留めるロブ・ジョンソン流は健在である。(ロブ・ジョンソンが開幕試合でホームランを打ったのは出来すぎだが(笑)四球2つを選んだことがたいへん素晴らしい)
まだゲームは終わってないが
そして開幕戦勝利! 今年も彼らは頼りになりそうだ。


盗塁の多さ、四球の多さ。出塁率の高さ。そして打線の繋がり。2010年シアトルは、何もかもが変わろうとしている。


いくつか配球を紹介しておこう。
最初はハーフハイトのボールを多用したブログ主好みのパターン。

2010年4月5日ヘルナンデスのキレ味冴える配球ハーフハイトの配球パターン(3回裏・デイビス)

初球、2球目とインコースを変化球で突いて意識させておいて、3球目にいきなり、ほとんどここまで投げてこなかったストレートをアウトハイにズバン!と投げ、打者デイビスにファウルさせた。
この3球目を振らせたことで、4球目のアウトコース一杯に決まるカーブはまったく打者が手が出なかった。素晴らしい三振。



2つ目は、去年さんざん紹介してきた「アウトハイ・インロー」の典型的パターンだ。
日本では決め球はアウトローと決めてかかりやすいためか、「インハイ・アウトロー」パターンが多用される。インハイに変化球を投げておいて、決め球はアウトローにストレートを投げたがる。日本のプロ野球の中継でも見ながら一度メジャーの「アウトハイ・インロー」パターンと比べてみてほしい。
だが、メジャーでは(もちろん投手全員ではないが)、インロー(またはインコースのハーフハイト)にストレートを見せておいて、勝負球としてアウトハイに変化球を投げたりもする。まったく逆パターンである。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」 『damejimaノート』(2)「外角低め」「ストレート」という迷信 実例:「アウトハイ・インロー」の対角を使うメジャーのバッテリー

また、アウトのハーフハイトに変化球を何度も見せておいて、最後にインハイのストレートで勝負するパターンなども、配球教科書の最初のパートにのっていたりする。アウトローで決めることに固執しない様々な配球パターンが、若い頃から教え込まれているわけである。

4TH SEQUENCE
Away, away and in

1. Fastball lower outer half
2. Repeat fastball lower outer half
3. Curveball away
4. Fastball up and in

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」 『damejimaノート』(1)「外角低め」「ストレート」という迷信


ロブ・ジョンソンの多用するMLBで典型的な「アウトハイ・インロー」パターンは、コースの内外(うちそと)、高低を投げ分けるだけでなくて、早いストレート系のボールの後に緩い変化球(または逆)を投げることが多く、球種も変えてくる。つまり、球種の変化、ボールの軌道の変化に加えて、速度の変化、つまり緩急も加わる。
見た目にはただ内外に投げ分けているだけのように単純に見えるが、ヘルナンデスとロブ・ジョンソンのバッテリーでは、要所で多用され、非常に高い効果を挙げている。

2010年4月5日 開幕戦アウトハイ・インローの典型的パターン典型的な「アウトハイ・インロー」のパターン(5回裏・チャベス セカンドゴロ)

初球、アウトハイのカーブ。
2球目、インローに速度のあるシンカーで討ち取った。
ボールの内外のコース、高さ、、球種、ボールの軌道、速度、たった2球だが、あらゆる面で打者の目先を変え、けして打者にバットにまともに当てさせない。
2球目が、1球目と同じ速度のカーブではいけない。球種とスピードに変化がつかないからだ。だから2球目は、2シーム、速度のあるカットボール、速度のある高速シンカーなどでなければならない。







damejima at 13:51

November 19, 2009

ヘルナンデスが故国ヴェネズエラでルイス・アパリシオ賞という賞の6人目の受賞者となった。過去の受賞者は以下の通り。この賞、よく知らないのだが、錚々たるプレーヤーたちが受賞している。
サンタナがサイ・ヤング賞を獲得した年に2度受賞していることからして、今回のヘルナンデスが「サイ・ヤング賞」クラスの扱いを故国で受けたことになる。

2004年 ホアン・サンタナ(サイ・ヤング賞)
2005年 ミゲル・カブレラ
2006年 ホアン・サンタナ(サイ・ヤング賞)
2007年 マグリオ・オルドニエス(首位打者)
2008年 フランシスコ・ロドリゲス(最多セーブ)
2009年 フェリックス・ヘルナンデス(最多勝、最高勝率)
Luis Aparicio Award - Wikipedia, the free encyclopedia

ルイス・アパリシオは、南米最初の殿堂入りプレーヤーで、ヴェネズエラの英雄的プレーヤー。元ホワイトソックスのショート・ストップで、背番号11は永久欠番。
1959年にデビューして新人王と盗塁王になり、この年から9年続けて盗塁王。オールスター10回選出。ゴールドグラブ9回。
Luis Aparicio - Wikipedia, the free encyclopedia
ルイス・アパリシオ - Wikipedia

Baseball Referenceによれば、歴代のプレーヤーのうち、最もルイス "Little Louie" アパリシオに似ているプレーヤーは、かつて89年から93年にシアトルに在籍したオマー "Little O" ビスケール
Luis Aparicio Statistics and History - Baseball-Reference.com

ビスケールは、ルイス・アパリシオの9回をしのぐ11回のゴールドグラバー。メジャー全体でもオジー・スミスの13回に次ぐ回数を誇る。通算守備率は歴代1位(1000試合以上)の.984、通算併殺数(ショート)でも歴代1位の1698(2008年終了時点。更新中)だそうだ。
打撃面でも、打率でアパリシオが通産打率.262なのに対して、ビスケールが.273と、やや上回っている。ビスケールは2009年6月25日に2678本目の安打を放ち、アパリシオのもっていたヴェネズエラ人最多安打記録の2677本を更新した。
このことからも、アパリシオとビスケールの比較において、こと打撃面だけに関していえば、ビスケールのほうがほんの少し上回っていることがわかる。
オマー・ビスケル - Wikipedia

走れて守備のいいアパリシオ、鉄壁の守備に加えてバッティングでやや上回るビスケール、どちらがヴェネズエラ最高のショートか。
スタッツだけでは非常に迷う部分があるわけだが、野茂さんが、両リーグでノーヒッターになったという記録以上に、日本人のMLB進出のパイオニアとしての尊敬を集め続けているように、ビスケールのヒット数がアパリシオを越えた今でも、やはり、南米プレーヤーとして最初のホール・オブ・フェイマーとなったアパリシオの功績に大しては大きな敬意が払われるだろう。

イチローは2009シーズン終了時でいうと、9回連続オールスター、9年連続ゴールドグラブ、9年連続200本安打で、通産打率.333なのだが、こうして数字をみてみると、ものすごく打てるアパリシオ(新人王、盗塁王9回、GG9回、オールスター10回 通産打率.262)、ものすごく打てるビスケール(GG11回、オールスター3回 通産打率.273)のようなものだ。あらためて、「凄い」、と、思う。

2010シーズンにイチローが10年連続ゴールドグラブとなれば、殿堂入りプレーヤーのルイス・アパリシオの9回を抜き、10年連続オールスター選出となれば、ルイス・アパリシオと肩を並べる。
しかし、それも通過点に過ぎない。めざすは13年連続ゴールドグラブのオジー・スミスだし、バッティングではこの2人をイチローがはるかに上回っている。
Ichiro Suzuki Statistics and History - Baseball-Reference.com






damejima at 21:14

November 18, 2009

2009ア・リーグのサイ・ヤング賞投手は、カンザスシティ・ロイヤルズのザック・グレインキーに決まった。

2009 ア・リーグ サイ・ヤング賞 投票結果
Greinke gets one more win: AL Cy Young | MLB.com: News

ちなみに、シアトルでは唯一、あのランディ・ジョンソンがサイ・ヤング賞を1995年にとっている。1995年は、前年のメジャーのストライキの影響で観客が激減した年だが、ランディ・ジョンソンのサイ・ヤングの快投は観客をスタジアムに呼び戻す原動力になった。翌年の96年にシアトルは創設以来はじめて1ゲームあたりの観客動員数が3万人を越えている。
もし今回フェリックス・ヘルナンデスがサイ・ヤング賞をとれば、2人目になって、その部分だけはランディに肩を並べることができたわけだったが、とても残念だ。だが、素晴らしいピッチングをしたグレインキーには心からおめでとうといいたい。

創立時以来のマリナーズ観客動員数推移グラフ

創立時以来のマリナーズ
観客動員数推移グラフ
(クリックすると拡大)

グレインキーはまさに、今年のMLBの賞レースを席捲した「1983年生まれ」。レギュラーシーズンの試合をあまり見てはいないのだが、特に前半戦の防御率1点を切る時期の好投ぶりには、鬼気迫るものがあったようだ。
サイ・ヤング賞の投票に関しては、シアトル・タイムズ紙のベイカーが、「記者はまず防御率、ERAを見る」と言っていたように、結果もERAの差が大きく影響したようだ。
たしかにグレインキーは16勝しかしてないかもしれないが、例えばグレインキーのラン・サポート(RS)が3.92しかないのに対し、貧打のシアトルとはいえ、ヘルナンデスのRSが4.37あることから、グレインキーの勝ち数が少ないのは、ひとえに「チームが弱いため、しかたない」という判断が体勢を占めた感じだ。
2009年11月12日、2009年の攻守あらゆるポジションと賞を席捲し、これからのメジャーを担う「1983年世代」。

2009年10月27日、Kansas City Starは、ヘルナンデスとグレインキーのシーズンスタッツを補正した上で比較して、「勝負は五分五分」と語った。


過去にカンザスシティでサイ・ヤング賞になったのは、グレインキーが初めてではなく、Bret Saberhagenが2度(1985年、1989)、David Coneが1度(1994年)の、合計3回とっており、グレインキーで4回目となる。
歴代サイ・ヤング賞投手
MLB Awards | MLB.com: History

1985年のワールド・シリーズでは、カンザスシティ・ロイヤルズと、セントルイス・カージナルス、同じミズーリ州の2チームの対戦になり、2つの街がInterstate 70というハイウェイで結ばれていたことから、I-70 Seriesと呼ばれ、たいへんに盛り上がったようだ。
このシリーズではカンザスシティが勝ったが、MVPになった21歳の若きヒーロー、Bret Saberhagenは、この年、20勝6敗、防御率2.87でサイ・ヤング賞に輝き、さらにワールドシリーズMVP、リングを同時に得ている。
Interstate 70 - Wikipedia, the free encyclopedia

このグレインキーの球を受けたカンザスシティのキャッチャーは、城島がシアトルに来る前年までシアトルでキャッチャーをしていたミゲル・オリーボ。ヘルナンデスの球を受けたロブ・ジョンソンにとっては、シアトルの先輩キャッチャーのひとり、ということになる。
オリーボについてグレインキーは、
"Olivo did a fantastic job with me all year, we had a good bond together." と話して、その仕事ぶりを賞賛したが、オリーボのほうは、FAで他のチームに行くことになっていて、
"I loved him and we had a great relationship, but that's baseball."「彼のことは好きだし、素晴らしい関係が築けたと思ってるよ。(でも、僕は移籍するんだ)それがベースボールってもんさ」と、なんともそっけないコメントを残した。


ヘルナンデスは、終わってみれば、19勝5敗で、最多勝タイ。初タイトルを手にした。ほかにも被打率、被OPS、QS数などで、ア・リーグNo.1に輝いた。6月には月間最優秀投手を初受賞、7月にはオールスターに初選出。ERA2.49、奪三振217。238.2ものイニングを投げ、打たれたホームランはわずか15本。
ロブ・ジョンソンとのバッテリーで本当に素晴らしいシーズンを過ごした。

ヘルナンデスのシーズン別成績
Felix Hernandez Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN
このブログで「ヘルナンデス」をテーマに書かれた記事
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:カテゴリー:「キング・フェリックス」ヘルナンデス

MLBのシアトル公式サイトでは、ヘルナンデス、ロブ・ジョンソンのバッテリーを「ウイニング・コンビネーション(勝てるコンビ)」と称え、このバッテリーが15勝2敗、ERA1.98の記録を作ったことを褒めたたえた。
Wakamatsu also made catcher Rob Johnson Hernandez's regular batterymate.
It was a winning combination as Hernandez posted a 15-2 record and 1.98 ERA the remainder of the season and was selected to the AL All-Star team for the first time.
Felix finishes second in pursuit of Cy | Mariners.com: News

オリーボと対照的に、ロブ・ジョンソンは今年のヘルナンデスのピッチングの素晴らしさについて、またしても熱弁をふるって、その球を受けられる栄誉を熱をこめて語った。けっこう饒舌な男である(笑)
"He doesn't throw one pitch straight -- ever," Johnson said. "He has one curveball that goes sideways and one that goes straight down. He has a slider that backs up, breaks down and goes sideways. His changeup sinks and cuts. His four-seamer cuts and sometimes goes up, and his two-seamer sinks and you just never know how much.
"I honestly can say I have caught a potential Hall of Fame pitcher and a future Cy Young Award winner."


なお、公式サイトが「このバッテリーが2敗した」と表現しているのについては、キャッチャーがゲーム終盤に城島に変わり、「サヨナラ負け」したゲームが含まれている。もちろん、このブログでは、その1敗を、ヘルナンデス、ロブ・ジョンソンバッテリーの負けにはカウントするような、馬鹿なことはしない。
2009年9月8日、それまで安定していたローテを壊滅させてまで出場機会増を強行したコネ捕手、再びヘルナンデス登板ゲームに触手。結果、「延長10回裏サヨナラ負け」で、サイ・ヤング賞レースに、ヘルナンデスにとりつきたくてしかたがない厄病神の暗雲が再来。

この疫病神捕手は、トレードされたウオッシュバーンがセーフコに戻ってきたゲームにも先発して、「サヨナラ負け」している。大事なゲーム、要所のゲーム、記念すべきゲーム。そのどれにも勝ちを残せない、哀れな選手である。
2009年8月20日、シアトル公式サイトのジム・ストリートはロブ・ジョンソンとウオッシュバーンの「フィールドでの再会」をユーモラスに記事にした。 →だが無粋なチームの監督さんがスタメンマスクに選んだのは、なぜか「城島」 →最悪の「サヨナラ負け」(失笑)

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年5月19日、コネ捕手またもや14安打5盗塁され敗戦。5月3勝9敗。ヘルナンデスを自責点6でERA4点台に沈没させ、月間20敗に突き進んだ。(ヘルナンデスの「2点の差」計算つき)


一方、ヘルナンデス、ロブ・ジョンソンのバッテリーには、メモリアルなゲームが数多くあった。
LAAとの対戦で0-3で負けていて、9回にロペスの劇的な同点3ランが出て、逆転勝ちしたゲーム。グティエレスの逆転3ランで勝ったゲーム。
そして、イチローの9年連続200本安打達成ゲームに、ヤンキースのリベラからサヨナラ2ランを打った、あの素晴らしいゲームも、ヘルナンデス登板ゲームだ。

そのどれもが素晴らしい今シーズンのヘルナンデス、ロブ・ジョンソンのバッテリーの充実ぶりを祝福している。

2009年5月30日、劇的な同点ホームランから逆転勝ちで3連勝、ヘルナンデスはQS。
5月30日のヘルナンデス(動画・MLB公式)
Baseball Video Highlights & Clips | SEA@LAA: Hernandez allows just one unearned run - Video | MLB.com: Multimedia

2009年7月3日、ヘルナンデス、6月のア・リーグPitcher of Monthを受賞。6月に彼の球を受けたバーク&ロブ・ジョンソンにとっても名誉の受賞となる。

7月9日、城島の呪縛から解き放たれオールスター出場直前のヘルナンデスは8回QS、5連勝で9勝目。グティエレスの逆転3ランで獣のごとく吼えた。(「二度のテストに失敗した城島」長文)

2009年9月13日、ダブルヘッダー第二試合、祝・イチロー9年連続200安打達成! ヘルナンデスとロブ・ジョンソンのバッテリー快勝! 7回を4安打1四球でテキサスを零封して15勝目。

2009年10月4日、ロブ・ジョンソン、高めの球を効果的に使った好リードや8回の刺殺などでヘルナンデスに5連勝となる19勝目、ついにア・リーグ最多勝投手達成!!
10月4日のヘルナンデス(動画・MLB公式)
Baseball Video Highlights & Clips | TEX@SEA: Hernandez wins his 19th of the year - Video | MLB.com: Multimedia

2009年10月6日、フェリックス・ヘルナンデス、今シーズン2度目のア・リーグ月間最優秀投手受賞! ロブ・ジョンソンにとっても3度目の栄誉となる担当投手の栄冠獲得で、キャッチャーとして最高の栄光あるシーズンだったことを完全に証明してみせた。

メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」 『damejimaノート』(8)「配球しないで給料をもらえる捕手」を縁切りしたヘルナンデス


投手だけに与えられるのがサイ・ヤング賞だが、もしメジャーに投手と捕手のバッテリーに与えられる賞があるとすれば、上のオリーボとロブ・ジョンソンのコメントを読めばわかるとおり、間違いなくその賞は、今年フェリックス・ヘルナンデスとロブ・ジョンソンのバッテリーに与えられるべきである。






damejima at 17:31

October 07, 2009

前の記事(2009年10月5日、ヘルナンデスのストライク率と四球数の関係を解き明かす。)で、近似曲線を使ってヘルナンデスのストライク率と四球数の関係を考えてみた。
かつてはストレートばかり投げたがったり、三振をやたらと取りたがったりしたヘルナンデスだが、ロブ・ジョンソンという最高のパートナーをみつけた今シーズンは、ひとことでいって「動じないピッチング」ができるようになったことが、データからもわかった。

どうなんだろう、
他の投手でも同じようなことは言えるのか?
四球数が変化をおこすストライク率の臨界数値は変わらないものなのか。

ちょっとイタズラ心が沸いて、今シーズン絶好調だったヘルナンデスとロブ・ジョンソンのバッテリーの抜群の安定感を、たいへん松坂君には恐縮だが、四球で崩れることが多いといわれ続けているボストンの松坂を引き合いにして、比較してみることにした。
下記のグラフで、黒い近似直線がヘルナンデス赤い近似曲線が松坂、である。(「近似曲線」とは何か、については、前の記事を参照)

ヘルナンデスと松坂 「ストライク率・四球数」近似曲線の違いクリックすると拡大します
©2009 damejima


なぜ、ヘルナンデスが直線で、松坂が曲線なのか。

見てもらうとわかるとおり、投手によって特性はまったく違っていた。
まず、ヘルナンデスだが、彼の近似曲線を「直線」で表現してあるのには、ハッキリした理由がある。ヘルナンデスの近似曲線が、2次式でも4次式でもたいした変化がなく、ほぼ直線になってしまうのである。
これは、彼のストライク率と四球数の関係が非常に単純で強靭な関係にあることを推測させる。単純に言えば、「ストライクが増えれば、非常に単純に正比例して四球が減る(逆に言えば、ボールが増えれば単純に四球が増える)」という関係にある、ということだ。
だから四球の計算式も、こんな簡単な計算式でほぼあてはまってしまう。
(四球数) = -0.2332 ×(ストライク率) + 17.024
calculating formula made by damejima
©2009 damejima


それに対し、ボストンの松坂の場合は、コトはまったく簡単ではない。
Daisuke Matsuzaka 2009 Pitching Gamelogs - Baseball-Reference.com
近似曲線の形は、設定する関数の次元を上げていくほど、複雑な形状に変わっていく。だいたい5次式くらいの表現が、穏当な意味で実態にあてはまる感じがしたが、その計算式は、エクセルのいうところによれば、こんな複雑な式になるらしい。
とても複雑すぎて表示が手に負えないから画像にしておく。
松坂用の計算式
calculating formula made by damejima
©2009 damejima


ともかく松坂の場合、ヘルナンデスとの比較でいえることは、
(1)ストライク率が65%を越えると四球が急減
(2)逆に、65%を切ると、四球が急速に増える


なぜ松坂にこういう「ストライク率によって、ピッチングの状態が急激に変わる手のひら返し的な現象」が起きるのかは、正直、理由はよくわからない。
おそらく世間で言う「よい松坂」とは(1)の状態を指し、「悪い松坂」は(2)の状態を指しているのだろう。いずれにしても好不調の波が非常に激しく出るタイプなのは間違いない。

ただ、問題はこのデータから見えないところにある。
松坂のストライク率が65%を越えると急激に四球を出さなくなるといっても、そういう「やたらとストライクをとったゲーム」で果たして松坂の自責点が少なくなっているとはいえないからである。
例1)6月7日 テキサス戦 ストライク率69.6%
   5回2/3 自責点5 被安打10 四球なし
例2)6月13日 フィリーズ戦 ストライク率67.0%
   4回 自責点4 被安打7 被ホームラン2 四球1
Daisuke Matsuzaka Stats, News, Photos - Boston Red Sox - ESPN

これだけストライクが増えると急激に四球が急に少なくなる投手の場合、四球をほとんど出さない快投をみせたという可能性より、むしろ、例えばカウントを悪くしてから四球を出すのでなく、ストライクをとりにいってホームランをガツンと打たれている可能性も考えなければならない。
実際、松坂にはそういうゲーム例は多く、簡単なデータからではわからない、なんともいいようのないピッチングの解析しにくさ、複雑さがある。


この点、今シーズンのヘルナンデスの場合は、松坂のような複雑な事態はまったくない。ストライクが増えれば自然と三振が増え、相手打線は沈黙する。ただそれだけ。シンプルな話だ。
好不調の波がほとんどなく、悪いときでも勝てる。
このことが、今年のア・リーグ最多勝につながった。あきらかにこれは「ロブ・ジョンソン効果」である。



ちょっと抽象的になってしまった。具体例を一つだけ示しておこう。
四球数がちょうど3になるストライク率は、縦軸の3の部分を横に見ていけばいいのだが、ヘルナンデスがほぼ60%くらいなのに対し、松坂は62%から63%くらいになる。
つまり、松坂はストライク率がほんのちょっと悪くなるだけで、四球が増え、ピッチングが乱れてくる。
一方、ヘルナンデスは、松坂より低いストライク率のゲームでも、四球を出さない。それだけ、ヘルナンデスのほうが粘れて、ドッシリ構えたピッチングができているはず、ということになる。これが「ロブ・ジョンソン効果」だ。



今年のヘルナンデスは6月のア・リーグ月間最優秀投手初受賞にはじまり、オールスター初選出、ア・リーグ最多勝投手が決定、これに、まだ確定してはいないが、9月の最優秀投手とサイ・ヤング賞が加われば、もう何も言うことはない素晴らしいシーズンになる。
Players of the Month | MLB.com: News

こうした安定感のあるシーズンになった理由は、この近似曲線が示すとおり、調子の良いときも悪いときも大きな波を起こさず、淡々とシーズンを送ってきたことが最も寄与していると思う。

damejima at 04:08

September 30, 2009

サイ・ヤング賞獲得のためには、今は残りゲームをとにもかくにも勝利する必要があるヘルナンデスだったが、なんとか18勝目をおさめることができた。めでたい。

今日の登板の動画
Baseball Video Highlights & Clips | OAK@SEA: Hernandez hurls 7 2/3 strong frames - Video | Mariners.com: Multimedia


恒例のストライク率だが、前の登板からうってかわって60%を切って、4四球を与えた。ストライク率57.5%は夏以降の登板としては2番目に悪い。
たしかに、この数字が示すようにヘルナンデスはけして調子がよくはなかったが、大量失点にはつながらないのが、このバッテリーのいつもの持ち味。けして球威だけに頼っているわけではない。
投手の調子の良くないときも悪いなりにゲームを作れることが、ヘルナンデスがロブ・ジョンソンとバッテリーを組む理由のひとつになっていることだろう。
今日大量失点せずに済んだ理由はもちろん、長打をまったく許していないことが大きい。それと、2、3、4回と2人以上ランナーを出してたイニングでも、ロブ・ジョンソンが慌てず後続打者のアウトカウントを冷静に増やしてタイムリーヒット連発で傷を大きくしなかったことが大きい。(4回の失点はワイルドピッチがらみ。8回の失点も犠牲フライでタイムリーではない)

オークランドの24残塁(プレーヤーLOBの総計)が、今日のバッテリーのピッチングの答え。これで9月のア・リーグ月間最優秀投手が近づいた。

ロブ・ジョンソンは今日のゲームで5連勝。今月6勝2敗だが、ロブ・ジョンソンにヘルナンデスの登板ゲームだけ先発させているチームは何を考えているのか。コネ捕手城島の先発ゲームを真っ先に減らすべきだ。
だが、結局そういうマトモなことをしないチームは、かえってコネ捕手先発ゲームの負けばかりをファンに見せつけて、晒し者にしている。だから、どうせ結局はコネ捕手の醜態を腹を抱えて笑うだけだが。ざまあみろ、というところだ(笑)


2009 ロブ・ジョンソン出場ゲーム (9月29日まで)
あらゆる月で貯金を達成。
いまや貯金の合計は22


4月 8勝5敗 貯金3
5月 8勝5敗 貯金3
6月 8勝4敗 貯金4
7月 11勝5敗 貯金6
8月 8勝6敗 貯金2
9月 6勝2敗 貯金4

シーズン通算 49勝27敗(貯金22)
シーズン勝率 .645
Rob Johnson Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN

ヘルナンデスのストライク率

8月1日  104球58ストライク 55.8% 四球4
8月7日  113球70ストライク 61.9% 四球6
8月12日 105球67ストライク 63.8% 四球4
8月18日 106球69ストライク 65.1% 四球1
8月23日 101球67ストライク 66.3% 四球0
8月28日 104球63ストライク 60.6% 四球1
9月2日  114球67ストライク 58.9% 四球3
9月8日  113球69ストライク 61.1% 四球4
9月13日 109球65ストライク 59.6% 四球1
9月18日 104球65ストライク 62.5% 四球1
9月24日 108球77ストライク 71.3% 四球2 11三振
9月29日 120球69ストライク 57.5% 四球4

Oakland vs. Seattle - September 29, 2009 | MLB.com: Gameday

さて、問題のサイ・ヤング賞だが、とりあえず、今月ヘルナンデスは5勝0敗、防御率1.15だから、月間最優秀投手が獲得できればたいへん大きな後押しになる。
何度も言うようだが、かえすがえすも、9月8日のコネ捕手城島のサヨナラ負けがもったいなさすぎる。チームは疫病神からヘルナンデスから遠ざけておくべき。

ヘルナンデスの全登板
4月6日  6回自責点1  城島 QS
4月11日 5回自責点5  城島
4月17日 6回自責点3  ジョンソン QS
4月23日 7回自責点0  ジョンソン QS 完封リレー
4月28日 8回自責点0  バーク QS 9三振
5月4日  6回自責点6  城島 負け  9三振
5月9日  4回自責点5  城島 負け
5月14日 7回自責点0  ジョンソン QS
5月19日 5回2/3自責点6 城島 負け
5月24日 8回自責点1  ジョンソン QS 10三振
5月30日 6回2/3自責点0  ジョンソン QS
6月5日  7回自責点1    ジョンソン QS
6月10日 7回自責点1    バーク QS
6月16日 9回自責点0    バーク QS
6月21日 7回1/3自責点0 バーク QS 8三振
6月27日 8回自責点0    ジョンソン QS 9三振
7月3日  7回自責点3    ジョンソン QS
7月9日  8回自責点1    ジョンソン QS
7月17日 8回自責点2    ジョンソン QS 8三振
7月22日 7回自責点1    ジョンソン QS 8三振
7月27日 5回2/3自責点7 ジョンソン
8月1日  7回自責点2    ジョンソン QS
8月7日  6回自責点3    ジョンソン QS
8月12日 7回自責点0    ジョンソン QS 10三振
8月18日 7回自責点1    ジョンソン QS 9三振
8月23日 6回自責点3    ジョンソン QS
8月28日 7回自責点3    ジョンソン QS
9月2日  8回自責点0    ジョンソン QS
9月8日  7回自責点1 ジョンソン→城島 QSサヨナラ負け
9月13日 7回自責点0    ジョンソン QS
9月18日 9回自責点1    ジョンソン QS
9月24日 8回自責点3    ジョンソン QS 11三振
9月29日 7回2/3自責点2 ジョンソン QS






damejima at 20:08

September 25, 2009

今日のヘルナンデスは8回108球、77ストライク、31ボール。ストライク率71.3%は、この2ヶ月では8月23日の66.3%を抜いて最高値。(調べていないが、シーズンでも、もしかするとストライク率は最高値かもしれない)

8月1日  104球58ストライク 55.8% 四球4
8月7日  113球70ストライク 61.9% 四球6
8月12日 105球67ストライク 63.8% 四球4
8月18日 106球69ストライク 65.1% 四球1
8月23日 101球67ストライク 66.3% 四球0
8月28日 104球63ストライク 60.6% 四球1
9月2日  114球67ストライク 58.9% 四球3
9月8日  113球69ストライク 61.1% 四球4
9月13日 109球65ストライク 59.6% 四球1
9月18日 104球65ストライク 62.5% 四球1
9月24日 108球77ストライク 71.3% 四球2 11三振 

ひさびさに楽にストライクをとれるピッチングにはなったわけだが、「3球に2球ストライクを投げる」、つまり、メジャーの配球術として一般的な67%程度という数値からいうなら、今日のヘルナンデスはかなりストライクが多すぎる。

それだけ、今日のヘルナンデスは三振を意識して取りにいった、といえるだろう。
そのために、一時の不調時によくやっていたシンカーを多用する組み立てではなく、ストライクの多さからわかるように、今日のヘルナンデスはストレートを投げたがった。
その結果、今シーズン最多の11三振をとれたわけだが、その一方ではバーノン・ウェルズに3ランを許した。三振を故意に狙いにいくピッチングというのは、こういう怖さがある。

9月24日のGameDay
Seattle vs. Toronto - September 24, 2009 | MLB.com: Gameday


9月、ヘルナンデスはこれで4勝0敗、防御率0.58。
月間最優秀投手を初受賞した今年6月が「3勝0敗、防御率0.94」だから、遥かに9月のほうが数字がいい。
9月最初の登板のストライク率を見ればわかるように、8月末から9月にかけてのヘルナンデスは、けして調子がいいとは言えないゲームが多かった。もし9月の月間最優秀投手を受賞できれば、それはロブ・ジョンソンの功績でもある。
もし、9月8日のLAA戦でキャッチャーを城島に代えてサヨナラ負けしたりするような馬鹿な真似をしていなければ、2009年9月のア・リーグ月間最優秀投手賞は、間違いなく、今の時点でとっくに、9月5勝のヘルナンデスに決定していた。

コネ捕手城島は、まさに
ヘルナンデスの疫病神である。


2009年9月8日、それまで安定していたローテを壊滅させてまで出場機会増を強行したコネ捕手、再びヘルナンデス登板ゲームに触手。結果、「延長10回裏サヨナラ負け」で、サイ・ヤング賞レースに、ヘルナンデスにとりつきたくてしかたがない厄病神の暗雲が再来。

ヘルナンデスのスタッツ
Felix Hernandez Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN

とにもかくにも、8回3失点、17勝目。
防御率はわずかに下がってしまったが、勝ったことでサイ・ヤング賞レースに生き残ることができただろう。

ちなみに、グレインキーとヘルナンデスの比較で面白いデータがある。
2009ア・リーグで200イニング投げている投手のうち、グレインキーは、LAAのウィーバー弟や、DETのバーランダーほど極端ではないにしても、指折りのフライボール・ピッチャーのひとりである。(グレインキーのGround ball/Fly Ballの数値は、ウオッシュバーンと同等程度)
対してヘルナンデスは、ハラデイと並んで、ア・リーグで最も極端なグラウンドボール・ピッチャー。2人はア・リーグで最も極端なグラウンドボール・ピッチャーで、シーズンのダブルプレー獲得数も上位にいる。

Ground Ball/Fly Ball
およびダブルプレー獲得数
(2009年9月24日現在)
ヘルナンデスも、キング・オブ・グラウンドボールピッチャー、ハラデイ同様、ダブルプレー獲得数が多く、また、典型的なフライボールピッチャーのウィーバー弟はダブルプレー獲得数がシーズンで5つしかない。
だが、もちろん、フライボール・ピッチャーのグレインキーの併殺数が16であるように、フライボール・ピッチャー全部がダブルプレーが少ないわけではない。
フライボール・ピッチャーだらけのシアトルの投手だが、下記のデータにあげたように、ダブルプレーに仕留めるのが上手くない。
よくウオッシュバーンをフライボール・ピッチャーだからという理由で、セーフコでしか通用しないだのなんだの、とやかく言いたがる馬鹿がいるが、彼はダブルプレーが必要な場面ではきちんとゴロを打たせているように、単なるフライボール・ピッチャーに留まらない投球術をもつ素晴らしい投手である。
また、グラウンドボール・ピッチャーのヘルナンデスと、ズレンシックが無駄にトレードで獲ってきたスネルやフレンチを比較しれみればわかるように、セーフコは球場が広いからフライボール・ピッチャーを獲ってくれば活躍するなどという迷信ほど、内容の無い馬鹿げた話もない。
そんな単純な話が野球で通用するわけがない。

アーズマ     0.36  2
フレンチ      0.44  4
ケリー       0.49  4
オルソン      0.52  9
モロー       0.58  5
バルガス      0.61  11
ウオッシュバーン 0.64  16(DET含む)
スネル       0.66  4
メッセンジャー   0.67  1
ロウ         0.73  5
ローランド・スミス 0.73  5
フィスター     0.76  6
ベダード      0.80  2
ジャクバスカス   0.85  7
シルバ       0.92  4
バティスタ     0.93  9
ホワイト       0.99  5
ヘルナンデス   1.17  19

グレインキーとのQS数、QS%比較
MLB Baseball Pitching Statistics and League Leaders - Major League Baseball - ESPN


今日のアンパイアは、もともと際どい球をとらないタイプ。
打たれた6回は、今日ヘルナンデスから2安打しているイヤな先頭打者アーロン・ヒルをサードゴロにうちとって「ヤレヤレ」と思ったら、サードのベルトレのエラーで出塁させてしまった。
さらに追い討ちをかけるように、次打者のアダム・リンドに投げた初球、アウトローのカーブが低め一杯にズバっと決まった見事なストライクを、アンパイアがボール判定された。
さすがに大人になったと評判のヘルナンデスも、これにはさすがに多少イライラしたのだろう、リズムが狂って、バーノン・ウェルズへの初球スライダーが真ん中に入ってしまった。

やはりノーアウトで味方のエラーで出塁されるのは、精神的にこたえる。



ロブ・ジョンソンの打撃はコネ捕手に出場機会を与えすぎている9月のゲーム数が少ないために本来のバッティングの集中力を欠いている心配はあったが、杞憂に終わった。
ツーベースを打ったこともさることながら、なにより2つの四球が素晴らしい。
彼の選球眼の良さのポイントのひとつは、今日のような左投手の投げてくる、きわどい所に来るが最後はボールになり、打っても凡打にしかならないアウトコースのスライダーの見極めができて、しかも、手を出さないこと。だからストレート系をミスショットしてファウルしていても、四球につながる。

ヘルナンデスの全登板

4月6日  6回自責点1  城島 QS
4月11日 5回自責点5  城島
4月17日 6回自責点3  ジョンソン QS
4月23日 7回自責点0  ジョンソン QS 完封リレー
4月28日 8回自責点0  バーク QS 9三振
5月4日  6回自責点6  城島 負け  9三振
5月9日  4回自責点5  城島 負け
5月14日 7回自責点0  ジョンソン QS
5月19日 5回2/3自責点6 城島 負け
5月24日 8回自責点1  ジョンソン QS 10三振
5月30日 6回2/3自責点0  ジョンソン QS
6月5日  7回自責点1    ジョンソン QS
6月10日 7回自責点1    バーク QS
6月16日 9回自責点0    バーク QS
6月21日 7回1/3自責点0 バーク QS 8三振
6月27日 8回自責点0    ジョンソン QS 9三振
7月3日  7回自責点3    ジョンソン QS
7月9日  8回自責点1    ジョンソン QS
7月17日 8回自責点2    ジョンソン QS 8三振
7月22日 7回自責点1    ジョンソン QS 8三振
7月27日 5回2/3自責点7 ジョンソン
8月1日  7回自責点2    ジョンソン QS
8月7日  6回自責点3    ジョンソン QS
8月12日 7回自責点0    ジョンソン QS 10三振
8月18日 7回自責点1    ジョンソン QS 9三振
8月23日 6回自責点3    ジョンソン QS
8月28日 7回自責点3    ジョンソン QS
9月2日  8回自責点0    ジョンソン QS
9月8日  7回自責点1 ジョンソン→城島 QSサヨナラ負け
9月13日 7回自責点0    ジョンソン QS
9月18日 9回自責点1    ジョンソン QS
9月24日 8回自責点3    ジョンソン QS 11三振






damejima at 11:27

September 14, 2009

イチローがとうとう世紀を代表する大記録に到達した。9年連続200本安打。
正直、ファンとしても当のイチローと同じで肩の荷が降り、ホッとした。これで、これからやっと楽な気持ちでゲームを見ることができる。有難い。毎年同じことを言っている自分も工夫がなさすぎると思うが、毎年思うことだからしかたない。
Ichiro sets MLB record on infield grounder | MLB.com: News(動画あり)

それにしても、胃潰瘍、ふくらはぎの怪我。壁の多いシーズンだった。
4月の一時欠場を知ったときは、正直「今年とうとう大記録も途切れてしまうのか・・・」と、内心不安にかられたものだ。
しかしイチローは、それが記録達成であれ、WBCであれ、いつも最後には「主役」として立派に仕事を達成してくれる。ファンが心配するようなことは、毎度毎度、結局ほとんど必要ないのである。

もちろん、そういう選手なのだとわかっている。わかっていても、やはりハラハラして一挙手一投足、見ずにはいられない。こんなブログをやっているとよほどの変人に思われていることだろうが、日本中どこにでもいる、ごく平凡なイチローファンである。

ある場所で、「今シーズンの欠場で、イチローは休みながらシーズンを過ごしたほうが、結果的に記録達成も早いし、成績も良いことがわかった。年齢のこともある。これからは休みながらシーズンを過ごしてほしい」という意味のことを書いている人がいた。まったく同感である。
だが、野球をするために生まれてきた永遠の野球小僧イチローを、誰がそんな屁理屈で休ませることができるだろうか?到底無理に決まっている。
イチローに「休め」、などと正面きって従わせられる人は、かの仰木さんしか思いつかない。

仰木さん。イチロー、今年もやりましたよ。
だから、これからは少しは休みもとりながら野球するように、どうか仰木さんからきつく言ってやってください。
仰木彬 - Wikipedia



今日のよき日を祝うように、ヘルナンデス15勝目。サイ・ヤング賞レースに首の皮一枚残っている。これからも負けることはできない。
9月8日の登板ではロブ・ジョンソンに代打を出してしまい、最後には城島マスクでサヨナラ負けした。あのゲームが、ヘルナンデスのサイ・ヤング賞レースにどれだけ悪い影響があることか。ヘルナンデスの邪魔をしたくないなら、「城島問題」がよくわかってない監督ワカマツもちょっとは頭を使うべきだ。

Seattle vs. Texas - July 30, 2009 | MLB.com: Gameday

ヘルナンデスがグレインキーとア・リーグ首位を争っている指標に、QS数QS%がある。この日の勝利で、ヘルナンデスのQS数は25になって、グレインキーを1つ上回ったが、QS%はグレインキーと同じだ。ひとつQS数が多いのに、QS%は同じというのでは、正直印象はもちろんグレインキーのほうがいい。もちろんグレインキーの一番の強みは防御率の良さだ。
MLB Baseball Pitching Statistics and League Leaders - Major League Baseball - ESPN



今日のフェリックスのストライク率は59.6%。(109球。65ストライク、44ボール)けして絶好調という感じではない。
前の登板よりも四球がだいぶ減ったのはいい。四球で崩れる脆弱な投手ではないが、無駄な四球は出さないにこしたことはない。


8月1日  104球58ストライク 55.8% 四球4
8月7日  113球70ストライク 61.9% 四球6
8月12日 105球67ストライク 63.8% 四球4
8月18日 106球69ストライク 65.1% 四球1
8月23日 101球67ストライク 66.3% 四球0
8月28日 104球63ストライク 60.6% 四球1
9月2日  114球67ストライク 58.9% 四球3
9月8日  113球69ストライク 61.1% 四球4
9月13日 109球65ストライク 59.6% 四球1

テキサス先発のホランドは7勝10敗とさえない成績にみえるが、シアトルは相性がよくない。
デレク・ホランド投手の全ゲームログ
Derek Holland Stats, News, Photos - Texas Rangers - ESPN
覚えている人も多いだろう。忘れもしない7月30日だ。9回2アウトまで1安打に抑え込まれて、あわや完封+準完全試合というところまで追い込まれた。最終回に1点だけはどうにか取って、1-7でボロ敗けしたわけだが、1ヶ月半ぶりに借りを返すことができた。



ヘルナンデス2009全登板ゲーム
Felix Hernandez Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN

4月6日  6回自責点1  城島 QS
4月11日 5回自責点5  城島
4月17日 6回自責点3  ジョンソン QS
4月23日 7回自責点0  ジョンソン QS 完封リレー
4月28日 8回自責点0  バーク QS 9三振
5月4日  6回自責点6  城島 負け  9三振
5月9日  4回自責点5  城島 負け
5月14日 7回自責点0  ジョンソン QS
5月19日 5回2/3自責点6 城島 負け
5月24日 8回自責点1  ジョンソン QS 10三振
5月30日 6回2/3自責点0  ジョンソン QS
6月5日  7回自責点1    ジョンソン QS
6月10日 7回自責点1    バーク QS
6月16日 9回自責点0    バーク QS
6月21日 7回1/3自責点0 バーク QS 8三振
6月27日 8回自責点0    ジョンソン QS 9三振
7月3日  7回自責点3    ジョンソン QS
7月9日  8回自責点1    ジョンソン QS
7月17日 8回自責点2    ジョンソン QS 8三振
7月22日 7回自責点1    ジョンソン QS 8三振
7月27日 5回2/3自責点7 ジョンソン
8月1日  7回自責点2    ジョンソン QS
8月7日  6回自責点3    ジョンソン QS
8月12日 7回自責点0    ジョンソン QS 10三振
8月18日 7回自責点1    ジョンソン QS 9三振
8月23日 6回自責点3    ジョンソン QS
8月28日 7回自責点3    ジョンソン QS
9月2日  8回自責点0    ジョンソン QS
9月8日  7回自責点1 ジョンソン→城島 QSサヨナラ負け
9月13日 7回自責点0    ジョンソン QS






damejima at 14:13

September 03, 2009

初回にヒットを打ったLAAの先頭打者フィギンズは二盗を試みたが、ロブ・ジョンソンが素晴らしいコンロトールで盗塁を刺し、ビル・ホールのファインプレーなどもあってバックがヘルナンデスの立ち上がりを支え、ヘルナンデス8回無失点、14勝目。サイ・ヤング賞に一歩近づく大きな勝利と防御率アップとなった。

He and catcher Rob Johnson were on the same page the entire game.
Jim Street ,MLB.
Felix baffles Angels, outduels Kazmir | Mariners.com: News

LA Angels vs. Seattle - September 2, 2009 | MLB.com: Gameday

それにしてもわからないのは、あいもかわらずの「ロートル優先の選手起用」だ。
今シーズン残り一ヶ月しかないのに、サードのポジションを怪我明けのベルトレの打撃復調のために消費してしまい、DH枠は、チャンスを潰してばかりで打てもしないスウィニーに与え続けて終わってしまうつもりなのか。(コネ捕手城島やグリフィーは論外)
移籍後の打率が2割しかないジャック・ウェルソン起用もまったく意味がない。もし2人のウェルソンの守備力が同程度なら、打撃が良くサラリーも安いジョシュ・ウィルソンのほうをなぜ使わないのか。
打てないビル・ホールもそうだ。たしかに今日は活躍した。だが、それはたまたまそういう日もある、という程度の話。基本的にビル・ホールのスイングは酷い。いちいち大きく反動をとってからでないと振れない。あんな酷いリズムの取り方で、手元で変化するメジャーの球を、カラダに近いポイントで人並みにバッティングできるわけがない。

こういう若手軽視で「不良債権を貯め続ける」選手起用は、ここ何年もシアトルでやり続けている。セプテンバー・コールアップも、毎年毎年チーム順位がたいしたことがないクセに、懲りもせずに、老人たちの帳尻打撃ために無駄にし続けている。
例えば打撃が同じ程度なら、サラリーが安く、今後の伸びしろが期待できる若い選手を使うほうが予算が節約できるし、また、もし守備が同程度なら打てる選手のほうを使ったほうがチームは勝てる。それなのにサラリーが高いのに成績は若手とかわりばえしない老人ばかりをスタメンに使い続けてきた。ロブ・ジョンソンと城島のチョイスにも同じようなシアトル独特の若手軽視は表れている。

なぜそんな単純な選択すらできないのか。
こういう起用の間違いで、何人有望選手を外にほうりだしてきたか。

2009のセプテンバー・コールアップでも、ウオッシュバーンを安売りしてしまったせいでワイルドカード絶望のクセに、チームの方針転換もたいしてしていない。若手を上げて経験を積ませることもせず、9月というのに、老人たちばかりスタメンに留まっている。

これで来年のチームが良くなるわけがない。
コアな観客層は既に8月以降、とっくに今年のチームマネジメントの無理なローテ投手陣改造失敗によるワイルドカード争い脱落に呆れてスタジアムを離れている。



今日のフェリックスは114球で、ストライク67、ボール47で、ストライク率は58.9%で、彼の数字としてはよくない。8月上旬に一時改善されてきていたストライク率だが、8月下旬以降、また下がってきたのが、なんとも気になる。
四球3個は、このところのヘルナンデスにしては多い(ヘルナンデスは自分の出した四球にイライラして崩れる部分もあるから注意が必要だ)打者に対して初球がボールになると、ボール先行してカウントを悪くしやすい。
ただ、強打者ぞろいのLAAに、「初球は絶対にストライクを投げる」と決めてかかると、狙い打ちされて自滅する、ということもある。兼ね合いが難しいが、今日はそこはうまくいっていた。
8回無失点に抑えられたのは、ボール3カウントから投げるストレートにバットをへし折る球威があったことや、ゲーム終盤アウトコースに使ったシンカーでストライクがとれるようになって、球数が一気に節約できたことが大きい。
悪いなりにロブ・ジョンソンがまとめた、というところ。

8月1日  104球58ストライク 55.8% 四球4
8月7日  113球70ストライク 61.9% 四球6
8月12日 105球67ストライク 63.8% 四球4
8月18日 106球69ストライク 65.1% 四球1
8月23日 101球67ストライク 66.3% 四球0
8月28日 104球63ストライク 60.6% 四球1
9月2日  114球67ストライク 58.9% 四球3



今日最も圧巻だったのは、ヘルナンデスがトリー・ハンターから奪った2三振も素晴らしいが、むしろ、9回にアーズマが対戦した2人目の打者モラレスからとった空振り三振が素晴らしい。素晴らしいコントロールと配球だった。
今シーズン急成長したモラレスは長打率なんと6割に迫るLAA期待の若手だが、1−0からlアウトコース一杯に速球で2ストライクをとって、1−2と追い込んだ後に、3球目のストレートとまったく同じ軌道、まったく同じ腕の振りから、スッと落ちる4球目の2シームを投げ、見事に空振り三振させた。
振っても三振、振らなくても三振。完璧な1球だった。

2009年9月2日 9回モラレス三振9回 モラレス 三振


アーズマは誰がキャッチャーでも同じ、と、思い込んでいる人もいるかもしれないが、そんなことはない。アーズマは、かつてのビッグスリー同様、ロブ・ジョンソンが受けたほうがずっと成績がいい。
アーズマがロブ・ジョンソンに投げるときは、
「城島より被打率が1割も優れている」
「城島が受けるより三振が多く、四球が少ない」
「その結果、SO/BBが城島の2倍優れている」

これが事実だ。

      BB SO SO/BB 被打率
ジョンソン 14 43 3.07 .154 (35ゲーム117打席)
城島    13 21 1.62 .250 (22ゲーム84打席)

アーズマの1ゲームあたりの三振と四球
ジョンソン 1.23三振 0.40四球
城島    0.95三振 0.59四球
(2009年9月1日現在)


ヘルナンデス2009全登板ゲームログ

4月6日  6回自責点1  城島 QS
4月11日 5回自責点5  城島
4月17日 6回自責点3  ジョンソン QS
4月23日 7回自責点0  ジョンソン QS 完封リレー
4月28日 8回自責点0  バーク QS 9三振
5月4日  6回自責点6  城島 負け  9三振
5月9日  4回自責点5  城島 負け
5月14日 7回自責点0  ジョンソン QS
5月19日 5回2/3自責点6 城島 負け
5月24日 8回自責点1  ジョンソン QS 10三振
5月30日 6回2/3自責点0  ジョンソン QS
6月5日  7回自責点1    ジョンソン QS
6月10日 7回自責点1    バーク QS
6月16日 9回自責点0    バーク QS
6月21日 7回1/3自責点0 バーク QS 8三振
6月27日 8回自責点0    ジョンソン QS 9三振
7月3日  7回自責点3    ジョンソン QS
7月9日  8回自責点1    ジョンソン QS
7月17日 8回自責点2    ジョンソン QS 8三振
7月22日 7回自責点1    ジョンソン QS 8三振
7月27日 5回2/3自責点7 ジョンソン
8月1日  7回自責点2    ジョンソン QS
8月7日  6回自責点3    ジョンソン QS
8月12日 7回自責点0    ジョンソン QS 10三振
8月18日 7回自責点1    ジョンソン QS 9三振
8月23日 6回自責点3    ジョンソン QS
8月28日 7回自責点3    ジョンソン QS
9月2日  8回自責点0    ジョンソン QS






damejima at 11:21

August 30, 2009

5回までの投球数が多く、たとえQSを達成したとしても6回までで一杯だろうと思われたヘルナンデスだったが、7回にわずか8球で終える快投をみせた。結局、104球で7回まで投げてくれて、無事13勝目。サイ・ヤング賞になんとか望みをつないだ。
Kansas City vs. Seattle - August 28, 2009 | MLB.com: Gameday

ストライク63に対して、ボールが41、ひさしぶりに全投球におけるストライク率の低いゲームだった。以前、今シーズン途中でトルネード風にフォームをいじりだしてから、どうもコントロールが悪くなっているような気がする、と以前指摘したことがある。

とはいえ、8月はゲームごとにストライク率が上がってきている。8月最初の3ゲームで14ものフォアボールを出していた最悪の状態は、この数ゲームで脱しつつある。

8月1日  104球58ストライク 55.8% 四球4
8月7日  113球70ストライク 61.9% 四球6
8月12日 105球67ストライク 63.8% 四球4
8月18日 106球69ストライク 65.1% 四球1
8月23日 101球67ストライク 66.3% 四球0
8月28日 104球63ストライク 60.6% 四球1

ヘルナンデスの全登板ゲームのストライク数

Felix Hernandez Game Log | Mariners.com: Stats

ヘルナンデスは、これでQS数22、QS%0.81。QS数21のグレインキーをひとつ引き離して、ア・リーグのQS数、QSパーセンテージ、2つのランキングでトップに立った。
30日のカンザスシティ第4戦で、グレインキーの登板があるが、そのゲームでグレインキーがQSするかどうかが重要になった。
MLB Baseball Pitching Statistics and League Leaders - Major League Baseball - ESPN

2009年8月28日 ア・リーグQS数QS%ランキング


ヘルナンデスの2009全登板ゲームログ

4月6日  6回自責点1  城島 QS
4月11日 5回自責点5  城島
4月17日 6回自責点3  ジョンソン QS
4月23日 7回自責点0  ジョンソン QS 完封リレー
4月28日 8回自責点0  バーク QS 9三振
5月4日  6回自責点6  城島 負け  9三振
5月9日  4回自責点5  城島 負け
5月14日 7回自責点0  ジョンソン QS
5月19日 5回2/3自責点6 城島 負け
5月24日 8回自責点1  ジョンソン QS 10三振
5月30日 6回2/3自責点0  ジョンソン QS
6月5日  7回自責点1    ジョンソン QS
6月10日 7回自責点1    バーク QS
6月16日 9回自責点0    バーク QS
6月21日 7回1/3自責点0 バーク QS 8三振
6月27日 8回自責点0    ジョンソン QS 9三振
7月3日  7回自責点3    ジョンソン QS
7月9日  8回自責点1    ジョンソン QS
7月17日 8回自責点2    ジョンソン QS 8三振
7月22日 7回自責点1    ジョンソン QS 8三振
7月27日 5回2/3自責点7 ジョンソン
8月1日  7回自責点2    ジョンソン QS
8月7日  6回自責点3    ジョンソン QS
8月12日 7回自責点0    ジョンソン QS 10三振
8月18日 7回自責点1    ジョンソン QS 9三振
8月23日 6回自責点3    ジョンソン QS
8月28日 7回自責点3    ジョンソン QS






damejima at 14:49

August 18, 2009

この8月12日のゲームは映像で見ていないのだが、疲労回復を理由にロブ・ジョンソンを1ゲーム休ませたくらいだから、大変なゲームだったことは容易に想像できる。
それはそうだ。ついこの間、完全試合をやったばかりのホワイトソックスのエースと、シアトルのエースの激突で、9イニング+5イニング、1試合半もやったのだ。疲れないほうがおかしい。
Griffey gives Mariners win in 14 innings | Mariners.com: News

サードランナーを刺したロブ・ジョンソンの強肩
Baseball Video Highlights & Clips | CWS@SEA: Johnson's pickoff gets Podsednik - Video | MLB.com: Multimedia

ヘルナンデスはこのゲームで10三振を奪っている。2ケタの三振を奪うのは、5月24日のサンフランシスコ戦以来。つまり、ひさびさにヘルナンデスが、世間の人の言う「ヘルナンデスらしい」ピッチングをした、ということになる。(実際のヘルナンデスはストレートで三振をとるピッチングばかりしているわけではない)
2009年5月24日、ヘルナンデスは無敗のパートナー、ロブ・ジョンソンを捕手に8回自責点1でQS達成、10奪三振でひさびさのデーゲームを勝利に導いた。

この8月12日、ヘルナンデスがひさびさの2ケタ三振で自責点ゼロと、ヘルナンデスらしいピッチングをできたについては、7月27日にブルージェイズに打ちこまれた次の登板でヘルナンデスがわずか2三振で勝利投手になった8月1日のゲームでの勝利がたいへん大きい。

2009年8月1日、ロブ・ジョンソン、ロウを好投させて終盤を締め、超苦手の『ビジターTEX戦、2009年初勝利』達成。数々のファインプレーにも助けられたヘルナンデスは、粘りの12勝目、ERA2.78、QSも達成。



8月1日のゲームはよく覚えている。象徴的なのが三振数で、わずか2つしかない。奪三振数のランキングでも上位のヘルナンデスが、わずか2三振で勝ち投手になったのである。いかに彼の調子がホンモノでなかったかがわかる。
この前の登板の7月27日、疲労のたまったヘルナンデスはブルージェイズ相手に11安打2ホームランを打たれ、7失点していた。続く8月1日のゲームでも、どの球種もキレがなく、ヘルナンデスは前回の登板の大敗から完全には復調していなかった。

だが、その大敗で自信が揺らぎかけたヘルナンデスを、野手とブルペン、そしてロブ・ジョンソンがよく助けた。守備のファインプレーとセットアッパーのロウの好投などに助けられた。あんなに良いロウは今まで見たことがない出来だった。



投手というものは、シーズンずっと好調をキープできたら、そんな旨い話はないわけだが、世の中、そう甘くはない。たとえ多少調子を落としているときでもマウンドに上がらなければならないことがある。それがローテの中心を背負うエースというものだ。


だからキャッチャーは本来、投手の調子によって多少はリード内容を変えなければならない。

そんなこと、誰でもやっている、と思うかもしれない。

しかし、例えば、9三振を奪いながらヘルナンデスが6失点して負けた5月4日のゲームを見ればわかる。キャッチャーは城島だ。
この5月のゲームは、自軍の先発投手の調子も、相手打線の調子もおかまいなしに、馬鹿のひとつ覚えで三振をとりにいく城島マスクの典型的ゲームのひとつで、この5月の3連敗以来、ヘルナンデスは城島相手に投げるのを一切止めた。


ローテからはずして休ませることのできない主力投手の調子がたまたま良くないことは、往々にしてある。8月12日のヘルナンデスも、ストレートにいつもの勢いがなく、また変化球のコントロールもイマイチだった。
そういう場合に、投手に「三振を無理にでも奪いにいくような投球」「無理にコーナーを狙い続けるような配球」、あるいは「盗塁を刺しやすくするためだけの配球」を要求し続けていたら、そんな馬鹿なキャッチャー相手に、誰も投げようとは思わなくなるのは当然だ。

それなのに、投手の球が真ん中にそれてホームランを打たれでもしようものなら、「城島が構えたミットにボールがこないで、逆球が来た。悪いのは投手で、城島は悪くない。」などと、馬鹿丸出しの話を得意満面でしゃべる馬鹿が、ファンにも、解説者にもいる。どこまで馬鹿なのだろう。おそらく、自分が無知と恥を晒しているのがわからないのだろう。



もし8月1日のゲームで、城島の馬鹿リードのようなことをしていたら、確実にヘルナンデスは2連敗して調子を崩し、精神的にも崩れていたことだろう。それが、5月4日のゲームと、8月1日のゲームの違い、コネ捕手城島と、ロブ・ジョンソンの違いである。
ロブ・ジョンソンはこの8月1日のゲームでは、このところ初回からストレートを狙い打たれがちだったヘルナンデスに、変化球主体で投げさせたりしつつ、無理に三振を奪いにいくような配球をしないことによって、けして調子のよくはないヘルナンデスに結果的に12勝目をプレゼントしている。

そんな8月1日のゲームから用意されていた「ヘルナンデスの再生」が果たされたのが、この8月12日の完全試合男バーリーと投げ合ったゲームである。ロブ・ジョンソンもほっとして、その夜は疲れて爆睡したことだろう。


ヘルナンデスの2009全登板ゲームログ

4月6日  6回自責点1  城島 QS
4月11日 5回自責点5  城島
4月17日 6回自責点3  ジョンソン QS
4月23日 7回自責点0  ジョンソン QS 完封リレー
4月28日 8回自責点0  バーク QS 9三振
5月4日  6回自責点6  城島 負け  9三振
5月9日  4回自責点5  城島 負け
5月14日 7回自責点0  ジョンソン QS
5月19日 5回2/3自責点6 城島 負け
5月24日 8回自責点1  ジョンソン QS 10三振
5月30日 6回2/3自責点0  ジョンソン QS
6月5日  7回自責点1    ジョンソン QS
6月10日 7回自責点1    バーク QS
6月16日 9回自責点0    バーク QS
6月21日 7回1/3自責点0 バーク QS 8三振
6月27日 8回自責点0    ジョンソン QS 9三振
7月3日  7回自責点3    ジョンソン QS
7月9日  8回自責点1    ジョンソン QS
7月17日 8回自責点2    ジョンソン QS 8三振
7月22日 7回自責点1    ジョンソン QS 8三振
7月27日 5回2/3自責点7 ジョンソン
8月1日  7回自責点2    ジョンソン QS 2三振 勝ち
8月7日  6回自責点3    ジョンソン QS
8月12日 7回自責点0    ジョンソン QS 10三振







damejima at 14:55

July 30, 2009

サイ・ヤング賞投手クリフ・リーがクリーブランドからフィラデルフィアに移籍する直前に、「クリフ・リーが、ビクター・マルチネスとセットで移籍するのでは」なんていう、あまりにも馬鹿げた噂を平然と書いている人を目にした。
シアトルとはなんの関係もない話だが、「城島問題」という「捕手と投手の関係の問題」には大いに関係のある話題ではあるので、ちょっと書いておく。
Phillies land Lee from Tribe | MLB.com: News
クリフ・リーのキャリアスタッツ
Cliff Lee Pitching Statistics and History - Baseball-Reference.com

投手クリフ・リーと捕手ビクター・マルチネスの関係については一度、下の記事に書いたので、多少のデータとリンクはそちらを見ておいてもらいたい。要するに、クリフ・リーは捕手としてはダメ捕手のビクター・マルチネスとのバッテリーを拒否することでサイ・ヤング賞に輝いたのだ。
2009年7月16日、城島は試合序盤、投手オルソン、ジャクバスカスがモーションに入ってもミットを構えず、ゲームのリズムを壊した。(サイ・ヤング投手クリフ・リーがなぜショパックを指名捕手にしたか 解説つき)


そのクリフ・リーが優勝の見込みのないCLEを抜け出すにあたって、ダメ捕手と一緒に移籍?
とんでもない。ありえるわけがない。(笑)
そんなトレード、クリフ・リーが受け入れるはずがない。

だからこそ、クリフ・リーが移籍するとしたら、単独か、誰かと組み合わせになるにしても、ビクター・マルチネスとのセットには絶対にならないと最初から思っていた。案の定、外野手のベン・フランシスコとの組み合わせになった。
まったく、いつになったら「城島問題」はじめ、「捕手と投手の関係の問題」が、ゴリゴリに硬化した旧式の脳の人たちのアタマの奥に浸透するのか、と思う。
やれやれ。


さて、クリフ・リーが移籍する先のキャッチャーは誰なのか。
Carlos Ruiz CERA 4.31
Carlos Ruiz Stats, News, Photos - Philadelphia Phillies - ESPN
WBCのパナマ代表キャッチャーで、打率.230でPHIの正捕手であることからわかるとおり、リード重視の守備型キャッチャーで、ビクター・マルチネスとは対極のタイプの捕手である。クリフ・リーも、カルロス・ルイスならさぞかし安心だろう(笑)
移籍後のクリフ・リーのERAなどのスタッツには、今後も注目していくつもりだ。
ちなみに、カルロス・ルイスのWikiには、「肩にも定評があり2007年は30%を超える盗塁阻止率を記録した。」などと書いてある。彼の今の盗塁阻止率は31.9%、かたやロブ・ジョンソンは30.8%である。
そんな、盗塁阻止率なんていうたいしたことのないスタッツより、2008年のCERA3.84のほうが、よほどカルロス・ルイスを見る上でに重要。だいたいバリテックあたりと同じくらいの数字、なかなか優秀である。

カルロス・ルイスと、クリーブランドの2人のキャッチャーを並べてみると、こうなる。
Carlos Ruiz 4.31
Kelly Shoppach 4.83
Victor Martinez 5.84
もちろんア・リーグとナ・リーグの違いがどう関与するのかわからないし、投手陣の実力も違うわけだから、単純に比較するわけにはいかない。
だが、クリーブランドが真っ先にやるべきトレードは、クリフ・リーを手放すことではなく、ダメ捕手ビクター・マルチネスが売れるうちに一刻も早く見切りをつけて放り出し、どこかのマトモな投手か野手を獲得してくることだったのではないかと思えてならない(笑)

逆に言えば、インディアンスというチームが、「捕手と投手成績の関係の問題」について、関心を十分に払ってこなかった、十分な配慮を怠ってきたことが、サイ・ヤング賞投手が「このチームには先の見込みがない、移籍して、リングを手にしよう」と考えた理由であることは確かだと思う。



ビクター・マルチネスの処遇の誤りで、インディアンスは、ひとりのサイ・ヤング賞投手を失ったわけだが、シアトルにとっても他人事ではない。
ベダードやウオッシュバーンが今期になって「シアトルに残りたい」と言い出した背景には、当然のことながらチーム側から「もう城島とはバッテリーを組まなくてよろしい」とようやくお墨付きが出たということがあるわけで、それはヘルナンデスとの契約についても、当然のことながら、「城島問題」は大きく影響する、という意味になる。

シアトルが、クリフ・リーを失ったクリーブランドと同じ目にあって、ヘルナンデスを失いたくなければ、「城島問題」の処理をさらに強くすすめるべきだ。






damejima at 11:52

July 24, 2009

グティエレスを怪我で欠いて、打撃面では非常に苦しいゲームだったが、そんなゲームに限って相手投手の出来がよく、ランガーハンズの初ヒットがようやく出たときには、正直、ため息がでた。「ノーヒットノーランをやられなくてよかった…。これで負けてもしかたない…」。
そんな貧打戦が、2本目のヒット、つまり8回のブラニヤンの2ランで勝ってヘルナンデスにも勝ちがついてしまうのだから、やはり守りは大事だ。
相手が先発投手を変えてくれて得た2ランである。DETの監督リーランドにしてみれば、イチローを警戒せざるをえなかったわけで、首位打者イチローならではの無言のプレッシャーが先発投手を降ろしたことになる。
ブルペンの貢献も大きい。ロウ、アーズマと、鬼気迫るピッチング。ロブ・ジョンソン相手のときのロウは思い切りがよくて気持ちいいし、多少休養できたせいか、アーズマの球に本来のキレが戻ってきた。頼もしい。
Seattle vs. Detroit - July 22, 2009 | MLB.com: Gameday
ヘルナンデスの8三振(動画)
ブラニヤンの2ラン(動画)

今日のゲームで一番のテーマは、チームの勝利を除けば、もちろんサイ・ヤング賞レースをひたはしるキング・フェリックスの「自責点数」と、「勝利」だった。3回に1点を失ったときはヒヤヒヤしたが、その後は何事もなかったかのように変化球、特にタイガース打者が驚いた「90マイル台のスライダー」で、タイガース打線を寄せ付けなかった。
このゲームでは、LAAのソーシア監督同様、DETのベテラン監督リーランドの恐さを思い知らされた。最初のイニングから徹底した「ストレート狙い」を打者に指示していたようで、グランダーソン、ポランコと、狙い打ちでシングルを連打された。
"They jumped on the fastball a little bit." (ヘルナンデス)
Felix, Branyan carry Mariners in victory | Mariners.com: News
ロブ・ジョンソンが優れたキャッチャーなのは、DET側が狙い球を絞ってきていることがわかった時点で、剛腕ヘルナンデスの投球の組み立てを「変化球中心」にスパッと切り替えられる「場を読む力」と、それを投手とのやりとりで理解しあえる日頃から育てた「コミュニケーション力」である。
試合を見ていた人はわかると思うが、ヘルナンデスは変化球主体に切り替えた後も、何度かサインに首を振ってストレートを投げたがった。
ロブ・ジョンソンは、ヘルナンデスがどうしてもストレートを投げたいときは投げさせつつ、トータルには変化球に配球の中心をもっていって、今日のゲームをモノにしていた。
あまりにもヘルナンデスと対立して無理に言うことを聞かそうとせず、あわせるところはあわせ、全体としては変化球主体にしていく。いかにも、日本語でいう「女房」的な仕事ぶりである。
ブルペンはロウ、アーズマと、直球系の投手をつないだが、ここでは逆に、ド真ん中のストレートをわざと要求するほど大胆なリード。これも素晴らしかった。

サイ・ヤング賞レースについてはこれまで、ERAトップを走るグレインキーとヘルナンデスを比較してきたが、ここにきて、本当のライバルはやはり、ア・リーグを代表する大投手ハラデーだろうと思い出している。
ブラニヤンのホームランでヘルナンデスに勝ちがつき、ハラデーと同じ11勝3敗になったことは、たいへん大きい。

ア・リーグ ERAランキング
MLB Baseball Pitching Statistics and League Leaders - Major League Baseball - ESPN



ロブ・ジョンソンとコネ捕手城島のCERAの差については、長く「2点」と表現していたが、アウェイ9連戦以降をみると、「2.5点」に拡大している。7月7日の大敗したゲームを除くと、その差はさらに広がって「3.5点」に近くなる。
正捕手交代は、確実に効果を挙げている。
Rob Johnson Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN

だが、大きな連勝をできない今の2勝1敗、3勝2敗ペースでは、首位を走る好調LAAにはけして追いつけはしないし、ポスト・シーズンに進出するのは無理だ。
問題は、いわゆる「ビッグスリー」以外の先発投手候補たち、バルガス、ジャクバスカス、ローランド・スミス、オルソンなどで、どれだけ勝ちが拾えるかにかかってきた。彼らだって、コネ捕手城島などではなく、もっとマトモなキャッチャー相手に投げたいだろう。

シアトルは城島からミットを取り上げてベンチに座らせ、マイナーからバークかクレメントを上げてくるべき時期だ。城島はどうしてもゲームに出たければDHでもやればいい。そうしないと、数試合に1ゲーム、必ず負けるコネ捕手城島のローテ4番手、5番手投手のゲームの負けを消すことは簡単にはできない。
バルガス、ジャクバスカス、ローランド・スミス、オルソン、彼らにとっては、コネ捕手城島がプレートの後ろにいるということは、ゲームが0−2から始まるということであり、彼らのERAは登板するたびに悪くなり、チームからの評価もされないという意味になっている。
いってみれば、いまのシアトルは、ロブ・ジョンソンが先発マスクの日だけが2009年版のシアトルになったが、それ以外の、疫病神城島先発の日には2008年の、あの100敗シアトルをあいかわらず再現している。「2つの分裂したシアトル・マリナーズ」がそこにある。

これでは「城島問題」の根本的な解決になどなっていない。
いまのシアトルは5日間のうち、2日間だけ時計が1年巻き戻ってしまっている。「城島の先発する日のシアトルは1年、時間が巻き戻ったタイムマシン」のようなものだ。


ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.カテゴリー:2009投手ERA「2点の差」

6月26日 @LAD 2-8 L 城島    8回自責8
6月27日 @LAD 5-1 W ジョンソン 9回自責0 QS
6月28日 @LAD 4-2 W 城島    9回自責2
6月30日 @NYY 5-8 L 城島    9回自責6
7月1日  @NYY 2-4 L ジョンソン 8回自責4 QS
7月2日  @NYY 8-4 W 城島    9回自責4
7月3日  @BOS 7-6 W ジョンソン 11回自責6 QS
7月4日  @BOS 3-2 W 城島    9回自責2
7月5日  @BOS 4-8 L 城島    8回自責8
(遠征からホームに戻り、正捕手実質交代)
7月6日  BAL 5-0 W ジョンソン 9回自責0 QS
7月7日  BAL 4-12 L ジョンソン 9回自責12
7月8日  BAL 3-5 L 城島    9回自責3
7月9日  TEX 3-1 W ジョンソン 9回自責1 QS
7月10日  TEX 4-6 L 城島    9回自責6
7月11日  TEX 4-1 W ジョンソン 9回自責1 QS
7月12日  TEX 5-3 W ジョンソン 9回自責3
7月16日  @CLE 1-4 L 城島    8回自責2
7月17日  @CLE 6-2 W ジョンソン 9回自責2 QS
7月18日  @CLE 3-1 W ジョンソン 9回自責1 QS
7月19日  @CLE 5-3 W ジョンソン 9回自責3
7月21日  @DET 7-9 L 城島    8回自責9
7月22日  @DET 2-1 W ジョンソン 9回自責1 QS

城島再復帰後(=6月26日以降)
ジョンソン 10勝2敗 109回自責点34 CERA 2.80
城島    3勝7敗 86回自責点50 CERA 5.23

正捕手交代後(=7月6日以降)
ジョンソン 8勝1敗 81回自責点24 CERA 2.66
(7月7日を除くと、72回自責点12 CERA 1.50)
城島    0勝4敗 34回自責点20 CERA 5.29






damejima at 01:53

July 15, 2009

日本には「お盆」という盛夏の習慣があり、それにあわせて祭りが行われ、人は故郷に帰る。

「お盆」には、人は故郷で、昔なつかしい友に会って旧交を温め、墓地にもう亡くなってしまった人を訪ねて、自分がどこから来たのかを確かめ、そして、どこへ向かっているのか確かめる。
過去と再会することは、悲しいことではない。むしろ、畏敬と謙虚さをもった心に年に一度戻る大切な時間である。


Nick Adenhart, 1986-2009 | MLB.com: History

Nick_Adenhart_ForeverAdenhart honored in pregame ceremony | angelsbaseball.com: News

Game_of_Nick_Adenhart

関連記事まとめ:The Johjima Problem.:ニック・エイデンハート Nick Adenhart

メジャーのオールスターの季節にいつも思うことは、ベースボールは誰かひとりの手で築きあげられるわけではなく、たくさんのプレーヤーとファンが長い歴史を共有することで高められる、ということだ。オールスターにはいつも過去の名プレーヤーが招待され、現役プレーヤーとの間で短い時間だが暖かい交流が図られるのを、ファンが微笑みとともに見守る。
いや。歴史を共有、というと、むつかしくなってしまう。むしろ、「長い夢」を一緒にみる、といったほうがいいかもしれない。

オールスターとは各シーズンの最も大きな夢をファンとプレーヤーが共有しあう行為であり、そこに出場することはベースボールという「長い長い夢」の一部、いい意味で「かけら」になる、ということだ。


イチローがシスラーの墓参りに行ったことで、そんなことを考えた。イチローは既にベースボールという歴史の一部、長い夢の一部としてフィールドに立っている。シスラーの墓参りはベースボールに対する畏敬と謙虚の表れである。
The Hot Stone League | UPDATED: Ichiro visits grave of George Sisler (with new Ichiro and Wakamatsu quotes) | Seattle Times Newspaper

A buried treasure - MLB - ESPN
セントルイス・ブラウンズのプレーヤーだったジョージ・H・シスラーのストーリー。


だからオールスターはベースボールにとっての「お盆」なのである。
いま最もホットなプレーヤーの演じる夢のゲームを見ながら、ファンは昔なつかしいプレーヤーを思い出し、プレーヤーはいつもは離れて戦っている他チームの友人に会って旧交を温める。


日頃、雑事にかまけてばかりいる自分のような人間が今年亡くなったエンゼルスのニック・エイデンハートのことも思い出すとしたら、オールスターの今日が最もふさわしい。
日本の「お盆」には「送り」という習慣があるが、このオールスターで、彼がベースボールにかけた夢をセントルイスのフィールドに「送って」やりたいと思う。


オールスターのフェリックスAbove us.


フェリックスは、エイデンハート投手と同じ、1986年生まれ。

汽笛の鳴る線路脇のボールパークマリナーズの故郷は海沿いのボールパーク。貨物の鉄道のすぐ裏。南側に走る道路は「エドガー・マルチネス通り」
http://maps.google.co.jp/maps?ll=47.593115,-122.33335&z=15&t=h&hl=ja






damejima at 08:59

July 12, 2009

イッツ・ショウタイム。


打線は2番ブラニヤンのバットが湿ってきたことでかなり微妙なものになりつつあるが、かわりに好調な伊達男グティエレスの一発で、首位テキサスとの4連戦の初戦をモノにできた。7月8日の逆転負けで傷心のクローザー、アーズマも9回に3人で抑え、今年一度も勝てなかったテキサスに、ようやく初勝利である。

7月6日に強豪とのきつい9連戦ロード(これは後で書くが、城島にとっては「ラスト・チャンス」だったようだが)からセーフコに帰ってきて以降、捕手としての立場を確立しはじめたロブ・ジョンソンのゲームは、6日のウオッシュバーンの準完全試合といい、ドラマチックな出来事が沢山起きるので見ていて飽きない。
この日のゲームも、語らなければならないことが多すぎるので、なかなか書けないでいた。たぶん暇なときにまた書き加えることになると思う。ご容赦願いたい。
Texas vs. Seattle - July 9, 2009 | MLB.com: Gameday

マイケル・ヤングの盗塁を阻止するロブ・ジョンソン
Baseball Video Highlights & Clips | TEX@SEA: Johnson makes heads-up play to get the out - Video | MLB.com: Multimedia


この日の主役はもちろん、6月のア・リーグ最優秀投手に選ばれオールスター初出場を目前に控えたフェリックス・ヘルナンデスだ。

打線がなかなか点がとれない一方、フェリックスは8回表まで1失点で投げきった。直後、先頭イチローが2ベースを打ちチャンスが巡ってきたが、ここでもブラニヤン、ロペスと倒れてランナーを進塁させることすらできない。「とても見てられないよ」とばかりにタオルを顔にかけ、ベンチで顔を覆って天を向くフェリックス。
その彼が突然跳ね起きたのは、2死でボックスに入ったグティエレスのバットの快音。右打者殺しのセーフコの左中間だが、一番深いところに放り込んだ。
吼えまくるフェリックスは動画にしっかりと残っている。何度でも好きなだけ見るといいと思う。ブログ主も20回以上見ているし、今も書きながら見ている(笑)何度見ても、この日のフェリックスの咆哮は最高だ。
これこそベースボール。これこそ野球というものの楽しみだ。

Baseball Video Highlights & Clips | TEX@SEA: Gutierrez's three-run shot puts Seattle up - Video | MLB.com: Multimedia


この日のフェリックスは、ロブ・ジョンソンのサインにクビを振って変化球を投げるシーンが印象的だった。打者にしてみれば、先発投手が強気な速球派とくれば、「クビを振る=ストレート」と想像するものだ。
だが、この日フェリックスは首を振り、(ロブ・ジョンソンのサインがストレートだったかどうかは定かではない)変化球、キレキレのシンカーを投げた。
かつてはよく城島と気が合わないフェリックスが、ストレートを投げたい場面で、例のワンパターンなリードで無理にでも外角低めに変化球を投げさせようとする城島のサインとぶつかって、下手をするとマウンドで喧嘩になるほど気持ちがキレる、などというケースがよくあったものだ。
もうあんなシーン、見たくもない。



ブログ主はこうやって頻繁にブログを書いている関係上、当然のことながら、5月の中旬以降、シアトルの主戦投手3本柱が城島とバッテリーを組まなくなっていることは、とっくにわかっていた。
フェリックスは5月19日以降、ウオッシュバーンだって、フェリックスとほぼ同じ5月18日以降は、城島と一度も組んでいない。もちろんベダードは2008年から既に「城島とは組みたくない」ことを表沙汰にしていたことはよく知られている。


なんだかよくわからないのだが、シアトルの主戦投手3人が3人とも、そろって城島とは組んでいないという今の事態に、過剰に驚く人、あるいは、城島が主戦投手と組ませてもらえないと、子供じみた憤慨する阿呆など、さまざまな人が世間にはいるようだが、ブログ主としては、いまさら何でそんなことを騒いでいるのか、可笑しくてしょうがない。

そんなことは、振り返れば、というか、ちゃんとデータを追っていれば、5月中旬にはすでに時間の問題だったことはわかりそうなものだ。

5月末にはなんとなく判明していた「主戦投手3人が誰も城島と組みたがっていない事実」が表沙汰にならなかったのは、ベダードが何度も登板回避していたために、主戦投手3人がズラリ全員ロブ・ジョンソンと組むという事態がなかなか起きなかっただけのことだ。


いいかえると、ここが大事な点だが、
5月にはすでに「城島に与えられた一度目のチャンス」は終わっていたのである。それに気がつきもしないで漫然としてチャンスを逃がしたのは城島自身である。


「第一の」、というのは、もちろん、「第二のテスト」があったからだ。
それはおそらく、6月末城島が骨折から復帰してからのLAD、NYY、BOSの9連戦だったと思う。ここでは、既にシアトルの先発3本柱がもう長いこと城島とはバッテリーを組んでいないにもかかわらず、「3連戦カードのうち、2ゲームを城島にまかせて『みる』」という不思議なテストが行われた。

この「第二のテスト期間」を「不思議」というのには、理由がある。
普通ならこういう場合、「3連戦のうち、3ゲーム目のデーゲームを、2人目の捕手にまかせる」という方式になることは、メジャーファンなら誰でも知っている。
だがこの9連戦では、非常に不規則なローテーションの組みかえが行われる中で、3連戦の初戦や2試合目がロブ・ジョンソンという、非常にイレギュラーな起用が試みられた。
その結果、「3連戦のうち2ゲームを城島にまかせる」というわりには、結果的に、(この9連戦でまだ復帰していないベダードを除いて)ただの1度もヘルナンデス、ウオッシュバーンは城島と組まなかった。




この「第二のテスト」である遠征9連戦の不可思議な捕手起用が意図的なものだったかどうかは、報道すらない以上たしかなことは言えないが、5月1日の城島1回目の復帰以降の「第一のテスト」に城島が失敗してチームが2008年同様の崩壊の危機に陥ったこと、そしてなにより、5月中旬から6月下旬の城島の骨折中、まったく城島と組まないですむ機会を得た主戦投手3人の「これが同じ投手か? と、見違えるような、めざましい働き」
この2つによって、「城島問題の影響の大きさ」がチームに認められたのは間違いないと、このブログでは考える。



だから、LAD遠征以降の9連戦以降、このブログの更新内容には常に気をつかった。ゲームごとの勝ち負けより、「第二のテスト」の目指す方向性がどういうものか、毎日気になった
もしヘルナンデス、ベダード、ウオッシュバーンのキャッチャーをロブ・ジョンソンから城島にあっさり変更してしまうようなことがあれば、あるいは、デーゲームにはロブ・ジョンソンとかいう斬新さの無い変更になってしまえば、チームがプレーヤーに向ける評価の目線の厳しさが「緩い」と判断せざるを得なくなる。

しかし、喜ばしいことに、シアトルはそうしなかった。

9連戦のとき、すでに復帰した城島に主戦投手3人と組む機会は既にほぼ失われていたと見るのが正しいことは明らかであるとは判断していたが、真っ先にトレードされたのが、一部で興味本位に噂されるベダードやウオッシュバーンではなく、ベタンコートであったことで、「このシーズンが始まって以来、シアトルのチームマネジメントが、2008年シーズンを大惨敗に導いたプレーヤーに、シーズン当初から厳しいテスト目線を向けていた」ことは、ようやく確信になった。

だからこそ、ようやく、この記事を書けるのである。
どういう起用法の変更になるか、形が見えてこないことには書けなかったことはたくさんあった。


「第二のテスト」は行われ、コネ捕手城島はそれにも失敗した。
だからこそ、ホームに帰ってきた7月6日のゲームでは、堂々と「主戦投手3本柱のゲームではロブ・ジョンソン」という新しい原則が公(おおやけ)にできたのだと思う。
なにも、いきなり城島が、主戦投手3人と組む機会を奪われたわけでも、いきなり正捕手の座を剥奪されたわけでもなんでもないことは、以上の記述でわかるはずだ。



メジャーの限られたプレーヤーが特別な待遇を約束されるのは「ゲームにおいてプロである」からだ。低いテンションで漫然とプレーしていても、ほっておいてもゲームに出られるなどと、緩い気持ちでサバイバルできる世界ではないことは誰もが知っていなければならない。

コネでスタメンなど買うから、こうなる。

ヘルナンデスにしても、2006年以降、どれだけ城島が関係を修復する時間とチャンスがあったことか。しかし、それができなかった以上、人のせいにすることは許されない。何度も何度も与えられてきたチャンスを逃がしたのは城島自身だ。


6月の月間最優秀投手受賞の大きさがこれでわかる。メジャー屈指の好投手フェリックス・ヘルナンデス、彼の本当の実力をロブ・ジョンソンが引き出したことで、フェリックスはようやく城島の呪縛から解き放たれる時が来た。


イッツ・ショウタイム。
これからが本当の勝負だ。




ヘルナンデス 自責点5点以上の全登板
2006年 12勝14敗
4月13日 自責点5 城島
5月16日 自責点5 城島
5月21日 自責点7 城島
5月31日 自責点5 城島
8月13日 自責点6 城島
8月23日 自責点7 リベラ→城島
9月3日  自責点7 リベラ

2007年 14勝7敗
5月30日 自責点7 城島
6月26日 自責点5 城島
7月22日 自責点6 城島
8月29日 自責点6 城島
9月9日  自責点9 城島

2008年 9勝11敗
5月3日  自責点6 城島
5月26日 自責点5 城島
8月19日 自責点5 バーク
9月9日  自責点6 ロブ・ジョンソン

2009年
4月11日 自責点5 城島
5月4日  自責点6 城島
5月9日  自責点5 城島
5月19日 自責点6 城島


ヘルナンデスの2009全登板ゲームログ

4月6日  6回自責点1  城島 QS
4月11日 5回自責点5  城島
4月17日 6回自責点3  ジョンソン QS
4月23日 7回自責点0  ジョンソン QS 完封リレー
4月28日 8回自責点0  バーク QS
5月4日  6回自責点6  城島 負け
5月9日  4回自責点5  城島 負け
5月14日 7回自責点0  ジョンソン QS
5月19日 5回2/3自責点6 城島 負け
5月24日 8回自責点1  ジョンソン QS 10三振
5月30日 6回2/3自責点0  ジョンソン QS
6月5日  7回自責点1    ジョンソン QS 10三振
6月10日 7回自責点1    バーク QS
6月16日 9回自責点0    バーク QS
6月21日 7回1/3自責点0 バーク QS
6月27日 8回自責点0    ジョンソン QS 9三振
7月3日  7回自責点3    ジョンソン QS
7月9日  8回自責点1    ジョンソン QS






damejima at 08:07

July 05, 2009

King Felix

シアトルの若きエース、ヘルナンデスがア・リーグ6月のPitcher of Monthを受賞した。

月間3勝、防御率0.94の素晴らしい成績を評価されてのものだが、3勝のキャッチャーは、バーク2回、ロブ・ジョンソン1回。6月の登板は全部で5回で、バーク3回、ロブ・ジョンソン2回となっている。
バーク、ロブ・ジョンソン、2人のキャッチャーにとっても、たいへん名誉ある受賞なのは言うまでもない。

ちなみに彼の5月は1勝3敗(ロブ・ジョンソン1勝城島3敗)、防御率は4.34(登板6回 うちロブ・ジョンソン先発3回自責点合計1点城島3回自責点17点)。城島が先発捕手のときのヘルナンデスの自責点、17。もはやお笑いぐさだ。
5月と6月の大差、ロブ・ジョンソンと城島の巨大な差は、歴然だのなんだの、言葉にするまでもない。間違っても裏口入学のコネ捕手城島には縁のない賞だ。
Felix named Pitcher of Month for June | Mariners.com: News

Players of the Month | MLB.com: News

ヘルナンデスの全登板
Felix Hernandez Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN
4月6日  6回自責点1  城島 QS 勝
4月11日 5回自責点5  城島
4月17日 6回自責点3  ジョンソン QS 勝
4月23日 7回自責点0  ジョンソン QS  勝 完封リレー
4月28日 8回自責点0  バーク QS 勝
5月4日  6回自責点6  城島 
5月9日  4回自責点5  城島 
5月14日 7回自責点0  ジョンソン QS
5月19日 5回2/3自責点6 城島 
5月24日 8回自責点1  ジョンソン QS 勝 10三振
5月30日 6回2/3自責点0  ジョンソン QS
6月5日  7回自責点1    ジョンソン QS 10三振
6月10日 7回自責点1    バーク QS 勝
6月16日 9回自責点0    バーク QS 勝
6月21日 7回1/3自責点0 バーク QS
6月27日 8回自責点0    ジョンソン QS 勝 9三振
7月3日  7回自責点3    ジョンソン QS


歴代のPitcher of Month
Pitcher of the Month Award for the American and National League






damejima at 02:13

June 11, 2009

さぁ、明日ふたたび勝率5割にトライである。
勝てば、4カード続けての勝ち越しにもなる。大事なゲームがやってきた。シアトルのファンは必ず見るべきだろう。


今日は両チームのセカンドベースマン、ホセ・ロペスとブライアン・ロバーツのバット対決となった。ロペスの2ホーマーで、このところラン・サポート(RS , run support)に恵まれなかったヘルナンデスにやっと勝ちがついた。
ゲームのターニングポイントになったのは、2-0とリードしていたシアトルが1点返された5回裏。今日3安打のロバーツのタイムリーで1点を返された後、さらに2死1塁からマーケイキスに2塁打を打たれた。
1塁ランナーロバーツが生還し同点かと思われたが、しかし、ここでイチローがライトの奥の奥からホームへ、ノーバウンドの大返球。3塁を回りかけるランナーのブライアン・ロバーツをサードベースに釘付けにした。
このイニングでの失点がイチローの「肩」で1点で済んだことが、ロペスのホームランと並んで、このゲームの勝利を決定づけた。


バークは昨日の反省でもしたのか、うってかわって打者にインコースのボールもしっかりと見せつつ、低めの変化球を振らせていた。ことに、6番のルーク・スコットを2三振と仕事をさせなかったのが効いている。明日もゲームがあるが、明日のゲームで、ボルチモアのもうひとりの打線のキーマンであるブライアン・ロバーツをしっかりと抑えることができたら言うことはない。
昨日の記事で「単調すぎる」と評したバークだったが、今日はしっかりと投手を支えるテンションがあり、ホワイト、アーズマも安定そのもので、まったく危なげないゲーム終盤だった。
Seattle vs. Baltimore - June 10, 2009 | MLB.com: Gameday


ヘルナンデスは7回自責点1で、QS達成。ERAがとうとう3.06と、3点を切る直前にまできた。素晴らしい出来である。ヘルナンデスはこれで6勝3敗。3敗のゲームの捕手は全て城島である。
ヘルナンデスの全登板ゲームログ
Felix Hernandez Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN


今日のゲームでヘルナンデスはERAを3.06として、ア・リーグERAランキング7位。ERA3.07で8位の同僚のウオッシュバーンをわずかに抜いた。なおベダードは2.47で4位。
3人ともア・リーグERAランキング ベスト10をキープ。マーベラスな素晴らしい先発投手陣である。
ア・リーグ 投手ERAランキング
(左側下にもリンクあり)
MLB Baseball Pitching Statistics and League Leaders - Major League Baseball - ESPN


ア・リーグ投手ERAランキング
2009年6月10日ゲーム終了時

2009年6月10日ゲーム終了時 ア・リーグ投手ERAランキング


ヘルナンデスの捕手別勝ち負け・防御率
ロブ・ジョンソン 3勝0敗
         41回2/3 自責点 ERA 1.09

バーク     2勝0敗 ERA 0.64
城島       1勝3敗 ERA 7.76


4月6日  6回自責点1  城島 QS
4月11日 5回自責点5  城島
4月17日 6回自責点3  ジョンソン QS
4月23日 7回自責点0  ジョンソン QS 完封リレー
4月28日 8回自責点0  バーク QS
5月4日  6回自責点6  城島
5月9日  4回自責点5  城島
5月14日 7回自責点0  ジョンソン QS
5月19日 5回2/3自責点6 城島
5月24日 8回自責点1  ジョンソン QS 10三振
5月30日 6回2/3自責点0  ジョンソン QS
6月5日  7回自責点1    ジョンソン QS 10三振
6月10日 7回自責点1    バーク QS



damejima at 10:54

June 06, 2009

非常に緊迫した締まったゲームだった。クロスゲームを台無しにしたのはもちろんレフトバレンティンのまずい守備だが、延長に突入した時点でレフトを守備のいいチャベスにかえる工夫をしないこと、そして9回裏に8番セデーニョへの代打ではなく9番グティエレスへ代打を出したこと、しかも打てるとも思えないグリフィー、とか、監督ワカマツのこの日の采配には首をかしげるという話はわかる。
"It's a play that I have to make," Balentien said. "I have no excuse to not make that play."
http://seattletimes.nwsource.com/html/mariners/2009307428_mari06.html
グティエレスのスーパーキャッチはもちろん、8回、9回、10回と、ロブ・ジョンソンと内外野の好プレー連続グッジョブで、なんとかもちこんだ延長戦である。もったないことをした。

ロブ・ジョンソンの今日のプレーは公式サイトのリプレイに2つ上がっている。ロブ・ジョンソンの好プレーがMLB公式のサイトに上がるのは、6月3日のボルチモア戦の2つに続くもの。このところ、リード以外の面での好プレーが際立っている。
ロブ・ジョンソンのMLB公式サイトビデオ集
http://seattle.mariners.mlb.com/search/media.jsp?player_id=453531

先発ヘルナンデスは、ロブ・ジョンソンを捕手に7回自責点1でQS。これで今シーズンのQSは7個目。ロブ・ジョンソンをキャッチャーにしたケースのERAはとうとう1.09まできた。そのうち1点台を切るのも目前である。
Felix Hernandez Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN

2009年6月5日 ア・リーグERAランキング2009年6月5日
ア・リーグERAランキング
ヘルナンデスは10位

ロブ・ジョンソンは6月、すでに4ゲームで3つ目のQS。

QSは達成できたヘルナンデスだが、しかしこのところのピッチングには「攻め」の姿勢があまり感じられないときが多い。
初球や2球目に投げるシュート回転で外に逃げる球がことごとくボールになってしまうのがよくない。GameDayで見るといちおう4シームという表示にはなっているが、実際には、外にかなりシュート回転して逃げるカットボールのような球が多い。そのため、どうしてもカウントをとりにいってシングルを打たれたり、カウントを悪くして四球を出したりして、ランナーを貯めたりもした。
だが、ピンチに強いのがロブ・ジョンソンのいいところ。後続にタイムリーを許さずに、延長戦にまでもつれる粘り強いゲーム運びをした。
かえすがえすも、もったいないゲームだった。
Minnesota vs. Seattle - June 5, 2009 | MLB.com: Gameday

8回表、本塁突入阻止。
http://seattle.mariners.mlb.com/media/video.jsp?content_id=4896295
ランナーセカンドから、いつも強いスイングをするブライアン・ブッシャーの強烈な当たりはセカンド強襲内野安打。セカンド・ロペスが横にはじくのを見て、セカンドランナーのトルバートがホームをつくが、キャッチャーのロブ・ジョンソンがランナーを思い切り弾き飛ばすほどのホームブロッキングをみせてアウト。

9回表、二塁スチールを刺す。
2アウトからスパンが歩いて、バッターはただいま絶好調のマウアー。カウント1−1になって、ここで痺れを切らしたミネソタベンチが動いて、ランナーがセカンドに走る。ロブ・ジョンソンからのセカンド送球でアウト。マウアーにタイムリーを許さずチェンジ。

10回表、スクイズをウエスト。
http://seattle.mariners.mlb.com/media/video.jsp?content_id=4896937
この回の先頭は前の打席でランナーが盗塁死したマウアーの再度の打席。レフトへの大きな当たりだったが、レフト・バレンティンが完全に目測を誤って2塁打になってしまう。この時点で9回表の盗塁死のプレーはある意味、無になってしまった。モーノー敬遠で、1,2塁。
5番クベルの当たりはセンターへの大飛球。グティエレスが背走しつつ、フェンスを越えるか越えないかの大飛球を超ファインプレーでキャッチ。
http://seattle.mariners.mlb.com/media/video.jsp?content_id=4896903
素晴らしすぎるグティの守備。セカンドランナーはタッチアップで、1、3塁。5番トルバートのところで、またもやミネソタベンチが動いた。スクイズだ。
ここで、なんとシアトルバッテリーがウエスト、ランナーを三本間でタッチアウトにした。素晴らしいプレーの連続だった。

だが・・・。
ここでレフトへの飛球をバレンティンが最初前進して、後退するようなまずい守備でタイムリーエラー。彼は打球判断を今日2つ間違えた。


ヘルナンデスの捕手別勝ち負け
ロブ・ジョンソン 3勝0敗
41回2/3 自責点 ERA1.09

城島       1勝3敗 ERA7.43
バーク      1勝0敗 ERA0.00


4月6日  6回自責点1  城島 QS
4月11日 5回自責点5  城島
4月17日 6回自責点3  ジョンソン QS
4月23日 7回自責点0  ジョンソン QS 完封リレー
4月28日 8回自責点0  バーク QS
5月4日  6回自責点6  城島
5月9日  4回自責点5  城島
5月14日 7回自責点0  ジョンソン QS
5月19日 5回2/3自責点6 城島
5月24日 8回自責点1  ジョンソン QS 10三振
5月30日 6回2/3自責点0  ジョンソン QS
6月5日  7回自責点1    ジョンソン QS 10三振



damejima at 15:04

May 31, 2009

0−3で負けていた9回表、ロペスの劇的な同点3ランで追いついて、10回表にバレンティンの2ベースから素晴らしい逆転勝利。ロペスは2日連続ホームラン。
このチームがあの粘り強いLAA相手にこんな芸当ができるのは、疫病神城島の不在で投手のリズムがたいへんに改善されてゲームマネジメントにリズムが戻りつつあり、チームの状態が上向いてきた証拠。
これで3連勝。3連勝は裏口入学のコネ捕手さんは今シーズン一度も達成してないはず。(もっとも、毎年のように城島は捕手としてほとんど3連勝などしていないのだが)
Seattle vs. LA Angels - May 30, 2009 | MLB.com: Gameday

ヘルナンデスがQS。これで5月のロブ・ジョンソン先発ゲームは9つめのQSになり、とうとう4月の8個を越えた。ヘルナンデスとロブのバッテリーでのQSはこれで5個目。ヘルナンデスは調子はよくないながら、6回2/3、113球と、7回裏までなんとか投げてくれた。
城島のDLいりのおかげで、ほとんど達成寸前だったいわゆる「2年連続5月20敗」というまったく不名誉な記録は達成されないことになった。チームとして、たいへんにありがたいDLである。


それにしても今日は細部ではなんとも納得のいかない内容だった。4月26日のウオッシュバーンのゲームとたいへん感覚的によく似ている。
と、いうのも、GameDayで調べてもらうとわかるが、どの投手も初球をアウトコース低めのボールから入ることが多く、その「逃げ」の姿勢が、ノーアウトのランナーを許して苦しいイニングが続いたからだ。
LAAに得点を許した8回裏も、どこか、いつもの「インコースの攻めをキーポイントに攻める」ロブ・ジョンソンのリードとは全く違う空気が流れていた。昨日のゲームとよく比べてもらいたいものだ。
もしベンチからのリード指示であれば、バッテリーにまかせ、あまり余計なことはしないほうがいいと考える。
2009年4月26日、ウオッシュバーンが潰されたLAA戦、謎の馬鹿リードを解き明かす。

この日のピンチを何度も救ったのはLAAの4つのダブルプレーと、アブレイユを抑えたこと。さらに8回裏にイチローのレーザービームをファーストブラニヤンがカットして打者走者をアウトにするファインプレイ。あれがなければ、傷口はもっと開いてロペスの3ランですら追いつけなかった。
10回裏の1死2塁、あのトリー・ハンターが珍しく中途半端なハーフスイングでダブルプレーに仕留められてくれたのはたいへんに大きかった。好打者ハンターがああいう中途半端にスライダーをひっかける場面はあまり見ない。
このシリーズがはじまってからアブレイユにマトモにバッティングをさせてないことも大きい。選球眼のいいアブレイユがこの日も2つのダブルプレーで、4LOB。



damejima at 13:26

May 25, 2009

これでヘルナンデスはロブ・ジョンソンがキャッチャーのケースでは3勝0敗と負け無し

5月に入って城島がフェリックスの捕手を続けてやるようになってしまい、4度続けて城島相手に登板して0勝3敗と、全敗していたが、疫病神コネ捕手城島から離れられるデーゲームがようやく回ってきたことで、ついにフェリックスに5月初の白星がついた。

スコアは5-4でのクロスゲームだが、ヘルナンデスの自責点は8回に打たれたホームランによる1失点のみ。8回を自責点1、10三振の好投である。残り3失点は味方のエラーによるもの。
フェリックスは球数が7回には98球程度に達していた。7イニングで降板することもできたが、彼は8回も投げた。ロブ・ジョンソンをキャッチャーに気分よく投げられたのがありあり。クローザー役をつとめたアーズマが2三振を奪い、シアトルの投手2人でジャイアンツから合計12もの三振を奪った。
San Francisco vs. Seattle - May 24, 2009 | MLB.com: Gameday


フェリックスはこれで奪三振66で、ア・リーグ3位。
いまア・リーグ奪三振上位は、バーランダー(DET)、グレインキー(KC)、ハラデイ(TOR)、レスター(BOS)などで、各チームの有力投手たちが並ぶ。
これにフェリックスを入れた5人のうち、ERAの素晴らしいグレインキーとハラデイの2人は勝ち自体が多いのだが、ERAのよくないバーダンダー、ヘルナンデス、レスターはそうでもなく、勝ち負けが同数程度だ。
当たり前のことだが、ただ三振が多くとれるだけで失点だらけでは無意味なのである
コネ捕手城島の先発マスクゲームには、そういう意味のないスタンドプレイ・ゲームがあまりに多い。お客さんは三振をとることに熱中しているクセに四球乱発・ホームラン連発で失点ばかりするコネ捕手の自分に酔った無様な醜い姿を見るためにスタジアムに足を運んでいるわけではないのである。

フェリックスも、もし裏口入学のコネ捕手城島などがキャッチャーでなかったら、下にあげたように、もっと失点そのものが減り、ERAが改善されることで、とっくにもっと勝ち星に恵まれていたはず。
チームとして、これほどの投手を無駄に負け続けさせるのは本当に許されない。城島にヘルナンデスのキャッチャーをまかせるべきではないのは当然のことで、企業でいえば「背任行為」にあたる。
これからのキャリアも、しばらくはメジャーからいなくなる運命しかもたない裏口入学のコネ捕手に悩まされ続けるフェリックスに、心から同情する。

ヘルナンデスの捕手別勝ち負け
ロブ・ジョンソン 3勝0敗 ERA1.29
城島       1勝3敗 ERA7.43
バーク      1勝0敗 ERA0.00


4月6日  6回自責点1  城島 QS
4月11日 5回自責点5  城島
4月17日 6回自責点3  ジョンソン QS
4月23日 7回自責点0  ジョンソン QS 完封リレー
4月28日 8回自責点0  バーク QS
5月4日  6回自責点6  城島
5月9日  4回自責点5  城島
5月14日 7回自責点0  ジョンソン QS
5月19日 5回2/3自責点6 城島
5月24日 8回自責点1  ジョンソン QS 10三振

捕手ごとのERAの内容はこちら。ERAの評価は勝敗に直結している。
ジョンソン 28回自責点4     1.29
城島    26回2/3自責点22  7.43
バーク   8回自責点0      0.00
防御率=(自責点×9×3)÷(投球回×3)で、計算


追記
それにしてもLAAは強い。
今日のゲームではドジャースタジアムのアウェイで勝っているのだが、ホームランは1本もないのに、10得点。得点圏の打席を12回つくりだし、そのうち7回もタイムリーを記録している。強い。シュアなバッティングを誇る打線にアブレイユ、ハンターの補強がピッタリはまっている。
今日のゲームのシアトルがたった5安打で、2本のホームランで5点獲って勝ったのと違って、チームの地力に大差がある。



damejima at 07:33

May 20, 2009

だから言ったろう。
城島先発ゲームは0−0から始まるんじゃない。最初から0−2なのだ。5月この裏口入学が復帰してからの失点をまた並べとく。燦然と輝く金字塔だ。

7 7 6 9 11 9 7 6 5 5 10 6

5月12ゲームで、88失点(笑)さすが裏口入学してるだけのことはある。
今日はLAA第2戦だが、昨日3盗塁したLAAは、今日はなんと5盗塁(ハンター2、フィギンズ、アブレイユ、イズトゥーリス)。なにが強肩城島だ(笑)笑っちまう。この2日間で、コネジマ、8盗塁されてやがる。
たぶん明日も走られまくるだろう。

LA Angels vs. Seattle - May 19, 2009 | MLB.com: Gameday



ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:
2009年5月13日(2)、ロブ・ジョンソンと城島の間にある「2点の差」がゲームプランに与える莫大な影響を考える。


上のリンクは昨日ウオッシュバーン登板試合をサンプルに、城島の存在がシアトルのゲームプランにどれだけ莫大な悪影響を及ぼし続けているかを適当に書いた記事だ。適当に、というのは、こんなことはもう何年も前から自分の中ではわかっていることなので、という意味。中身が適当なわけではない。後半部分に、
例2)城島先発マスクで、ゲーム失点が5を越えるケースのグダグダゲーム
というパターンを挙げてある。
今日のLAA第二戦が、この城島パターンにピッタリあてはまっているのは誰にでもわかることだろう。

今日はヘルナンデス登板試合について書いてみる。

4月6日  6回自責点1  城島 QS
4月11日 5回自責点5  城島
4月17日 6回自責点3  ジョンソン QS
4月23日 7回自責点0  ジョンソン QS 完封リレー
4月28日 8回自責点0  バーク QS
5月4日  6回自責点6  城島
5月9日  4回自責点5  城島
5月14日 7回自責点0  ジョンソン QS
5月19日 5回2/3自責点6 城島


捕手ごとのERAを計算してみる。
(防御率=(自責点×9×3)÷(投球回×3)で、計算)

ジョンソン 20回自責点3   1.35
城島    26回2/3自責点22  7.43
バーク   8回自責点0   0.00


どうだ。
ウオッシュバーンとロブ・ジョンソンのバッテリーの話が、この組みあわせだけで成り立っているのではないことは、どんな馬鹿にでもわかるだろう?



damejima at 14:06

April 24, 2009

イチローの先頭打者ホームランでシアトルが完封勝ち。21日に9三振(チームとしては10三振)で勝ったウオッシュバーンに続き、ヘルナンデスが7回を好投。セットアッパーのアーズマも切れの素晴らしい球で1回2三振の快投で、ヘルナンデスの7三振とあわせ、9三振でタンパベイを翻弄した。
Tampa Bay vs. Seattle - April 23, 2009 | MLB.com

なお、シアトルタイムズによれば、先頭打者ホームランの1点だけでゲームが決まる試合は、メジャーの歴史で22ゲーム目の珍しい記録のようだ。マリナーズでは92年のミネソタ戦以来、2度目らしい。
Mariners | Ichiro's home run gives Mariners 1-0 win over Tampa Bay | Seattle Times Newspaper
http://seattletimes.nwsource.com/html/mariners/2009112579_mari24.html

最小点差の状態が最後まで続いてバッテリーが慎重さを要求され続けたせいか、インコースを使うのが上手いロブ・ジョンソンにしてはインコースの球が少ない配球のゲームだった。
これでロブ・ジョンソンのCERAは2.45と、2点台をキープ。今のところ、メジャートップを快走している。このことについて、ロブ・ジョンソンはこの日まで全く知らなかったらしい(下記の記事から)
Johnson a boon to Mariners' pitching | Mariners.com
http://mlb.mlb.com/news/article.jsp?ymd=20090423&content_id=4400686&vkey=news_sea&fext=.jsp&c_id=sea&partnerId=rss_sea
Rob Johnson Stats, News, Photos - ESPN
http://sports.espn.go.com/mlb/players/stats?playerId=28866&context=fielding


先発投手が7三振奪った、というと、後でデータしか見ない人には、ランナーがほとんど出ない快投だったように思うかもしれないが、チームLOBは7だがタンパベイの個人LOBの合計は15。21日のウオッシュバーンのゲームの17LOB同様、けして少なくない。毎回のようにランナーが出ているのである。
ランナーが出やすい原因のひとつは、昨日のゲーム同様、このところ酷いシアトルの守備。本来は捕手のジェイミー・バークがスウィニーの怪我のフォローで急遽ファーストを守ったのはしかたないにしても、特に内野守備は毎試合のようにエラー、エラー。打撃はいいチャベスも、守備はけして上手いとも思えないし、センターを守るのは無理がある。


21日のウオッシュバーンは1回から5回まではスライダー、6回以降はストレート主体に切り替えて9三振を奪ったが、今日のヘルナンデスはちょうど逆のパターンだった。
速い球のないウオッシュバーンとは違って、ヘルナンデスはストレートで三振がとれる。最初の5イニングはストレート主体で組み立てて、特に最初の3イニングなどは決め球もストレート。
だが、回を追うごとにストレートで追い込んで決め球をシンカーやチェンジアップというパターンに徐々に切り替え、打者に的を絞らせなかった。

特にバッテリーが冴えたのは、同じパターンで2つのダブルプレーを取った6回と7回だろう。これは偶然ではなかった。
6回は変化球連投でペーニャを三振に仕留めると、ランナーを出した後、ストレートが苦手なデータのあるゾブリストを、データどおりのストレートでダブルプレー。7回はランナーが出た後、シンカーが好きというデータのある岩村を、ボールになる外のシンカーで釣って三振、そしてストレートに切り替えてバートレットをダブルプレー。
ネクストバッターズ・サークルにいる打者に、変化球で三振を獲るシーンを印象づけておいてストレートでダブルプレーに仕留める。同じパターンを2度続けたわけだ。

7回無死1塁 岩村三振1点差の7回無死1塁
岩村の打席

3球目から5球目まで全てシンカー。シンカー連投したのはこの打席の岩村くらい。最後は外のボールになるシンカーで三振

ちなみにBS1の解説で武田が「ヘルナンデスが獲った三振はほとんどが変化球ですね」などというような的はずれなことをしゃべっていたが、それはグラウンドに立っていない人間のただの印象にすぎない。
投げた球種全体を眺めれば、実際には大半はストレートを投げ、三振をとるのも要所を締めるのもストレート系(カット、2シーム含む)である。大きく変化する球でピンチを切り抜けた印象が強いのは、試合の中盤以降のポイントで変化球を投げてピンチをしのいだシーンがあまりに印象的だから、解説者のクセに目をくらまされているだけのことである。

ヘルナンデスの7三振の球種
最初の4三振がストレート系 あとの3三振が変化球によるもの
1回 先頭     アップトン 内ストレート
1回 2死走者なし ロンゴリア 内ストレート
2回 1死1,3塁 ナバーロ  外ストレート
3回 先頭    バートレット 内ストレート
3回 2死1塁   ロンゴリア 外低めシンカー
6回 先頭    ペーニャ   真ん中チェンジアップ
7回 無死1塁  岩村     外ボールになるシンカー
 
ランナーズ・オンで打ち取った球種/ヘルナンデス
2回 1死1、3塁 ナバーロ  三振      外ストレート
2回 2死1、3塁 岩村    レフトフライ  外ストレート
3回 2死1塁    ロンゴリア 三振     外低めシンカー
4回 1死1、2塁 ナバーロ センターフライ 中低めストレート
4回 2死1、2塁  岩村    セカンドゴロ 外ストレート
5回 2死1塁    ロンゴリア ショートフライ ストレート
6回 1死1塁    ゾブリスト 外ストレート  ダブルプレー
7回 無死1塁  岩村 三振     外ボールになるシンカー
7回 1死1塁 バートレット 3ゴロ 内ストレート ダブルプレー



damejima at 12:11
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