シアトル時代のイチロー

2010年7月28日、マリナーズにとってイチローは必要かもしれないが、イチローファンにとって、もはやマリナーズは必要ない。
2010年6月18日、イチローとグリフィーのダブル・ボブルヘッド・デーにふらりとやってきた元ガンズ・アンド・ローゼスのダフ・マッケイガンは「レイカーズが大嫌いなんだ」と言った。
2010年6月2日、グリフィー引退に贈るイチローのサヨナラヒット!!
2009年5月18日、シアトルのアンバランスすぎる現状(2) イチローがチームのヒットの20%を生産している2010シーズン。
2010年3月29日、 元・阪神メンチの2006年の大記録に首をひねりつつ、シアトルマリナーズ版Prima9に、さっそくケチをつけてみる(笑)
2010年3月26日、スポーツ・イラストレイテッドの表紙を4度飾ったイチローの扱いの変遷から、「イチローがにもたらしたMLB新世紀」を読む。
2010年3月26日、The Fielding Bible Awards選考委員で、2007年CASEY Awardを受賞しているスポーツ・イラストレイテッドのJoe Posnanskiがイチローを絶賛した記事の翻訳を読んでみる。
2010年3月23日、まだスプリング・トレーニングなのにスタンディング・オベーション起こさせてしまうこの人は、やはり「天才」なんですよ。
2010年1月16日、2009年9月にイチローが打った超劇的サヨナラ2ランで、ヘルナンデスが16勝目を挙げたNYY戦を、「カウント論」から振り返る。
2009年12月8日、ショーン・フィギンズはどうやら2番を打ち、守備位置はシーズン当初サードではなく、セカンドらしい。
2009年11月12日、速報イチロー、3度目のシルバースラッガー賞受賞! 注目のアーロン・ヒル、ライアン・ジマーマンが初受賞。
2009年11月10日、イチロー9年連続ゴールドグラブ受賞。Fielding Bible賞との同時受賞は、イチローと完全試合男マーク・バーリーの2人のみという快挙。
2009年8月24日、ジャーナリスト気取りのクセに認識不足だらけのシアトル地元記者のイチローへのやっかみを笑う。
2009年8月4日、イチローは一塁手ブラニヤンよりはるかに長い距離をとんでもない速度で走り、ファウルフライをスライディングキャッチした。
2009年7月16日、シアトルは「本当のレース」を走り出した。
2009年7月5日、9年連続選出のイチローとともに、フェリックス・ヘルナンデス、オールスターに選出。また、元マリナーズのラウル・イバニェス、アダム・ジョーンズ、オールスターに選出される。
2009年4月15日、ジャッキーロビンソン・デイ、イチローは満塁ホームランで3085本目を飾った。
2008年7月10日の、城島の尻拭い代打が原因で、イチローはホームラン競争出場を取りやめた。

July 29, 2010

タイトルに書いた言葉はホワイトソックスに11-0で負けたのを知ったときに、スッと頭に浮かんできた。書くことに、なんのためらいもない。たぶん先発はローランドスミスだっただろうが、どうでもいい。洒落で言うのではなく、この無能な投手が1勝10敗でも先発投手の権利を失わない理由を、本人と無能なGMは記者会見でも開いてファンに釈明するべきだ。


本当はタイトルはイチローを主語に、こう書きたいところなのだ。

マリナーズにとってイチローは必要かもしれないが、
イチローにとってマリナーズは必要ない。



だが、まぁ、一般論として、自分以外の人がどう考え、どう感じて日々を送っているかということにクチをはさむのは間違った考えなわけだと思うし、だからこの記事のタイトルはいまのところちょっと生ぬるい書き方になってしまった。
もちろん、確信はとっくにしている。マリナーズにとってイチローは必要だろうが、イチローにとって、もうマリナーズにいるメリットは何もない。あたりまえのことだ。


これまで何シーズンも惨敗の続くシーズンを見続けてきた。もちろんブログ主だけがそうだというのではなく、イチローファンの誰しもがそうだろうと思う。われわれは、あえてチームの醜態を見ず、イチローの活躍だけを楽しみにする観戦スタイルに気分を切り替えることに慣れてきたつもりだった。
が、今シーズンはどうにも気分が苦い。怒りを通り越して、冷えている。アスファルトの道路の横にヒョロヒョロと生えている雑草を噛んでいるような気になる。


ブログ主が特に気分の悪くなる原因のうち最近の大きなものを挙げるとすれば、次の4つくらいだ。まぁ、4つもあれば十分すぎるわけだが。
本当は最初「小太り扇風機」ジャスティン・スモークも入れていたのだが、ちょっと考えて、彼は許すことにした。クリフ・リーをこともあろうに同地区に放出し、そのかわりに彼のような扇風機をとってきてしまう責任は無能なズレンシックにあるのだし、スモーク自身のせいではない。

ローランドスミス
フィギンズ
ワカマツ
ズレンシック


この人たちはどういう理由や目的があってゲームをやり、チームをいじくりまわしているのか。ぴったりあてはまる言葉がなかなかみつからない。今みつかっている範囲の言葉で言えば、
「 見苦しい 」
の一言が最もよくあてはまる。

そう。あなたがたは
まったくもって見苦しい。


先日などはローランドスミスが先発マウンドに上がるゲームだとわかって、テレビのスイッチを消した。この、うつろな自信のない目をした、オドオドした人間のクセに、自尊心だけは一人前に高いという矛盾した人間の顔を、もう見たくないからである。
この投手が、カウントを悪くしてボールをおそるおそる置きにいってボールをスタンドに放り込まれる姿は、とても野球選手とは思えない。


フィギンズの今シーズン第1号ホームランなども、正直、かえってその見苦しい帳尻ぶりに、腹が立つというより、心が冷える。いままで野球も数々見てきていたが、「ホームラン」に対してこういう冷えた感情を持ったのは初めてだ。
7月末に1本ホームラン打つくらいなら、3ヶ月前にヒットを3本打ってくれたほうが全然マシだと、面と向かって言ってやりたいものだ。



城島問題のときもそうだったが、このチームではどんなに成績が悪かろうと、コストパフォーマンスに問題があろうと、「一度ロスターになったらスタメンをはずれない」「いくら馬鹿げた行為を続けても職を失わない」という、クソみたいな伝統があることはハッキリしている。
そういう醜態は常に、何の責任もないファンに押し付けられる。マリナーズという組織は、それを恥ずかしげもなく、やめようともしない。


別になんのためらいもない。こう書く用意はいつでもできている。

マリナーズにとってイチローは必要かもしれないが、
イチローにとってマリナーズは必要ない。


そう。
必要ない。

このサイトを閲覧する人たちがどの国から見ているかを示すプラグインを先日右上につけたのだが、見てもらうとわかるように、このサイトは全体の5%程度だがアメリカからも閲覧されている。だから英語でも書いておくことにしよう。

Though Ichiro might be necessary for Mariners,
for the Ichiro fan,
Mariners has already been unnecessary.


サラリーは高いがまるで使えない選手どもに阻まれてなかなかスタメン起用されなかったペーパーボーイソーンダースに、今後の幸多かれ。






damejima at 21:03

June 19, 2010

シアトルは、あの伝説のギタリスト、ジミ・ヘンドリックスの生まれた街で、彼の墓もシアトルにある。またニルヴァーナカート・コバーンが自殺したのも、彼のシアトルの自宅だった。シアトル出身バンドのひとつパール・ジャムがデビューアルバム「Ten」のためのセッションを行ったのは、セーフコ・フィールドから真北に16マイルほどのところにあるLondon Bridge Studio。シアトルは実はロックの歴史と切っても切れない街のひとつなのだ。

野球にしか興味のないマリナーズファンからはシアトルは保守的な街というイメージを持たれているが(保守的な街だからこそ、かもしれないが)パンクに影響を受けたグランジやオルターナティブ系のアーティストを続々と輩出した街でもある。
(一度ロックファンであることでも有名なランディ・ジョンソンが日本にプライベートでレコード漁りに来ることを書いたが、彼はたぶんオーソドックスなハードロック〜メタル系のファンで、グランジ、オルターナティブ系はあまり聴かないんじゃないかと想像する。ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年1月5日、ランディ・ジョンソン引退を喜ぶ。 理由:この冬の間に西新宿で見られる確率アップ(笑)
シアトルのバンド、ニルヴァーナが、ロサンゼルスのガンズ・アンド・ローゼスと対立関係にあったことは有名だが、イチローグリフィー・ジュニアのダブル・ボブルヘッド・デーのゲームが行われたシンシナティとの第1戦のスタンドに、その元ガンズ・アンド・ローゼスのベーシストで、アクセル・ローズと対立してバンドを辞めたベーシスト、ダフ・マッケイガンがスタンドに現れインタビューを受けていた。
Baseball Video Highlights & Clips | CIN@SEA: Former Guns N Roses star praises Mariners - Video | MLB.com: Multimedia

ゲームはクリフ・リーが先発し、110球79ストライク、7三振の力投でシンシナティを完封して、シアトルがひさびさの連勝。
ストライクを集めて打者をうちとるクリフ・リーらしいピッチングで、三振のほとんどは高めにはずれるストレート系と、ワンバウンドするくらい低いカーブの2種類で、打者に空振りさせて三振させる強引さがとてもクリフ・リーらしい。
Cincinnati Reds at Seattle Mariners - June 18, 2010 | MLB.com Gameday

シアトル生まれのベーシスト ダフ・マッケイガンダフ・マッケイガン(Duff "Rose" McKagan)は、1964年シアトル生まれ。ロサンゼルスに移り、ロスで結成されたガンズ・アンド・ローゼスのオリジナルメンバーになり10数年活動したが、やがてアクセル・ローズとのどうにもならない対立などを経て、1998年に脱退した。
Duff McKagan - Wikipedia, the free encyclopedia
ダフ・マッケイガンはトレイシー・ガンズが脱退する前からのガンズ最初のベーシストであり、ガンズ・アンド・ローゼスの文字通りのオリジナルメンバー。
ガンズは、そもそもバンド名の由来ともなったオリジナルメンバーのトレイシー・ガンズ(g)とロブ・ガードナー(ds)が全米デビュー前にあっさり脱退し、かわりにスラッシュスティーブ・トレイシーが加入して以降に全米デビューして、アルバム『アペタイト・フォー・ディストラクション Appetite For Destruction』発売後50週目で全米1位になっている。



ダフは今はseattleweekly.comのレギュラーコラムニストでもあり、ハワイのサーファーなどがいう「地元民」という意味で「ローカル」になったわけだが、クリフ・リー先発の今日のゲームをスタンド観戦しているところに現れたインタビュアーの質問に答えて
I am a huge Mariners fan.
I hate the Lakers.

俺は熱烈なマリナーズファンだよ。(中略)
 レイカーズなんて大嫌いさ
なーんて意味深なことを言っている(笑)

シアトル生まれのベーシスト ダフ・マッケイガン意味深というのは、もちろん、ダフが長年在籍したガンズ・アンド・ローゼスがマリナーズにとってはライバルチームの本拠地であるロサンゼルスで結成されたバンドであること、ダフがアクセル・ローズと対立してガンズから脱退したこと、ロサンゼルスにあるレイカーズがつい先日ファイナルの第7戦でボストン・セルティックスを下して連覇を果たして、コービー・ブライアントがMVPに輝いたばかりであることなどなどをまとめてひっかけて
「ロサンゼルス? しらねーよ、そんなの。だいっきらいだ」
なんて言っているわけだ。

まぁスタジアムにわざわざ足を運ぶくらいだから、ダフはイチローとグリフィーのダブル・ボブルヘッド人形は大事に家に持ち帰ったに違いない。
ただ最近の彼のseattleweekly.comのコラムには映画評はあってもスポーツ記事はなく、最近彼が加入したバンド、ジェーンズ・アディクション Jane's Addictionの記事ばかりで埋めつくされている。まぁ、それはそれでご愛嬌ということで。
Seattle Music - Reverb - "Duff McKagan" Archives


そんな「ロサンゼルスという街」に複雑な感情をもつダフだが、彼がもうひとつやっているコラムが、なんとあのPlayboy誌(日本版ではない)の「金融関連コラム」だ。
Duffonomics - Duff McKagan - Playboy Money Article
ダフは、カート・コバーンと同様に高校中退だが、アルコールやドラッグ乱用、さらには膵臓破裂という大病も経験した後に更生して、シアトル大学に入学して金融を専門的に学んだという異色の「金融系ロック・ベーシスト」だからである(笑)
ウォールストリートジャーナル電子版を購読し、ブラックベリーで金融情報を常にチェックしながら、投資信託を買い、を買い、不動産も買い、ロサンゼルスやシアトル、ハワイなどに不動産を持ち、グーグルには早い段階から投資して、ヴィンテージギター市場にも投資するというのだから、「不思議なベーシスト」ではある(笑)
彼がいうには、「バンドを食い物にされたくないから、金融のことを勉強するんだ」、とのことである。


ダフ・マッケイガンは、ジェーンズ・アディクション以外に、ヴェルヴェット・リヴォルヴァー Velvet Revolverのベーシストでもある。
いってみれば「アクセル・ローズと喧嘩別れしたガンズのメンバーばかりで作ったバンド」であるヴェルヴェット・リヴォルヴァーなのだが、どういうものか知らないが、ガンズの曲もやれば、ガンズと対立していたニルヴァーナの曲もやる。ヴェルヴェット・リヴォルヴァーのお金関連のことをやっているのは、もちろん、ダフ・マッケイガンである。



「ガンズ・アンド・ローゼスは金儲けのためにロックをやっている」と常々批判していたカート・コバーンが、(読む可能性はゼロだろうが)ダフの金融コラムを読んだら、なんと言うだろうか。また彼がヴェルヴェット・リヴォルヴァーが演奏するニルヴァーナのカバー曲を聞いたら、いったい何と言うだろう。

だからこそ、今日セーフコでダフ・マッケイガンに聞いてみてほしかったのは
「レイカーズが嫌いはわかったけどね、いったいどのくらいの本気度で、レイカーズが嫌いなの?」
ということだ(笑)

ニルヴァーナ






damejima at 19:25

June 03, 2010

胸が熱くなるゲーム。
野球ファンで本当によかった。

2010年6月2日 イチロー サヨナラヒット

珍しく1試合で3つも三振したイチロー。スイングを見るかぎり、第一打席からずっと明らかにホームラン狙いに見えた。そして延長に入ってドラマが待っていた。まるでWBCの決勝のように。
やはり、イチローは「持ってる」。

MLB公式動画
Baseball Video Highlights & Clips | MIN@SEA: Lee hustles to field a bunt perfectly - Video | MLB.com: Multimedia

Junior moment: Ichiro wins one for Griffey
Minnesota Twins at Seattle Mariners - June 2, 2010 | MLB.com Wrap

MLB公式サイトの今日のゲームの記事タイトルは、Junior moment: Ichiro wins one for Griffey 「グリフィーの花道:グリフィーのためにイチローが勝利をもたらした」と、そのドラマチックなゲームを形容した。

Mariners win on Ichiro's walk-off single | Mariners.com: News
Seattle lost one of its icons Wednesday, but another delivered.
「水曜シアトルはシンボルのひとつを失った。だが、もうひとつのシンボルがもたらされた。」

Minnesota Twins at Seattle Mariners - June 2, 2010 | MLB.com Gameday

06/02 2010 イチロー サヨナラヒット‐ニコニコ動画(9)


2010年6月2日 イチローサヨナラヒット グリフィー引退ゲームイチロー サヨナラヒット
全11球


初球から4球目まで
ストレートはすべて見逃して、スライダーのみを2球スイングしている。あきらかに変化球狙い。

5球目から10球目まで
ミネソタバッテリーがイチローが狙いを絞って打席に立っていることに気づいたのだろう、6球続けてストレートばかり投げてきた。それに対してイチローは、全ての球を三塁側スタンドにファウルしてカットしてみせた。かなりバットが遅れて出ているのは、明らかに変化球にあわせてスイングのタイミングを遅らせているためだろう。素晴らしい技術。

11球目
イチローにあまりにもストレートをカットされ続けたので、ついに痺れを切らしたミネソタバッテリーが投げてきた運命の11球目が、「スライダー」。イチロー、すかさずピッチャー返し、打球はセンター方向に。セカンドがかろうじて追いついて、膝をついたままトスするが、セーフ。イチロー、4度目のサヨナラ打。
まるであのWBC決勝の再現のようだった。

「(気持ちの)整理もできないまま、混乱した状態でゲームしていました」「去年の春(第2回WBC)の最後の打席は僕の野球人生で最も雑念の多かった打席と言いましたが、その次に雑念の多い打席と言えるでしょうね」
イチロー「いろんなことがよぎった」 - MLB - SANSPO.COM



それにしても今日のヒーローは、イチローの神バッティングもさることながら、ミルトン・ブラッドリーを忘れてはならない。

彼はかねてからグリフィーJr.が自分にとっての憧れのアイドルと公言してきたわけで、今日のゲーム前、スタジアムにグリフィーの映像が流されると、ブラッドリーはこらえきれず、ダグアウトのベンチでタオルで目をぬぐいつつ、人目をはばからず泣いた。

今日のゲームはスコアからわかるように投手戦で、シアトル先発クリフ・リーが本当に素晴らしいピッチングをみせたが、ミネソタの先発スローウィーも好投で打ちあぐねた。

5回表、先頭打者ブラッドリーがシングルヒットで出塁する。
ここで彼の驚くべきファイトが炸裂する。ロペスの打席で2盗、コッチマンの打席で3盗と、2つの盗塁を続けて成功させてみせて、さらにコッチマンの外野フライで生還してみせたのである。
Baseball Video Highlights & Clips | MIN@SEA: Kotchman plates Bradley with a sac fly - Video | MLB.com: Multimedia

9回までにシアトルの得点はこの得点のみ。まさに、ブラッドリーがこの特別な日のために、まるで乾ききった雑巾を絞るように搾り出してくれた得点だった。

"I hit left-handed because of Griffey. I wanted to play baseball, be an outfielder, make diving catches, style on a home run, because of Griffey. Guys like him don't come around every day. He's just as magical off the field as on it."
-----Milton Bradley






damejima at 14:17

May 19, 2010

某巨大掲示板にこんなデータがあった。

見ていて気が滅入るようなデータでもあるが、マスメディアでは誰も作らないような個性があるデータ、つまり、魅力的なデータだと思う。このまま埋もれさせてしまうには惜しいので、転載し、貴重な記録としてサイト上に残しておくことにした。
今年のシアトルが、いかにアンバランスかということが、哀しいくらいによくわかる。
(書き込みをしたID:nKKUN3Ke氏に感謝を申し上げたい。なお、元の書き込みから、ラベル部分を一部訂正してある。というのも、ブログというのはカラム幅に制約があるからである。左右の幅を少し狭くし、見やすくしてある)


523 名前:名無しさん@実況は実況板で[sage] 投稿日:2010/05/18(火) 15:30:30 ID:nKKUN3Ke

01チーム安打1637(2) イチロー安打242(14.78%)
02チーム安打1531(4) イチロー安打208(13.58%)
03チーム安打1509(9) イチロー安打212(14.04%)
04チーム安打1544(6) イチロー安打262(16.96%)
05チーム安打1408(27) イチロー安打206(14.63%)
06チーム安打1549(10) イチロー安打224(14.46%)
07チーム安打1629(3) イチロー安打238(14.61%)
08チーム安打1498(10) イチロー安打213(14.21%)
09チーム安打1430(20) イチロー安打225(15.73%)
10チーム安打281(28) イチロー安打56(19.92%)←(38試合消化時点)

ブログ側注
左より、チーム総安打数、チーム総安打数の30球団における順位、イチローの総安打数、イチローの安打数がチーム安打数に占めるパーセンテージ


面白いことに、イチローが打つヒット数というのは、ほぼチームの安打数の15%前後という数値におさまっていてきている、ということが、まず面白い。

上のデータでシアトルのチームヒット数のMLBランキングを見てもわかるとおり、シアトルがいつもいつも貧打のチームだったわけではない。どんなチームでもそうだろうが、打てるシーズン、打てないシーズン、いろいろなシーズンがある。
同じように、イチローにも、2004年のような超爆発するシーズンもあれば、ほどほどのシーズン(もちろん、それでも200本打ってしまうわけだが)もあり、いろいろである。

では、チームがものすごく打てるシーズンは、イチローのヒット数も多くなるという傾向にあるか? というと、完全に比例関係にあるとまで言えるほどの関連性はない。シーズンごとのイチローの好不調の波は、けしてチームの好不調とは一致しない。

にもかかわらず、どういうわけかメジャー移籍以降のイチローの安打数はいつも、チームの総安打数の15%前後という範囲におさまってきた。


ところが、だ。

今年2010年にかぎっては、
いまのところイチローがチームの安打数の約20%を占めている。こんなシーズンはこれまでになかった。イチローがチームの安打の5本に1本を打っているのである。

試合サンプル数が少ないという意見もあると思うが、現状の傾向や、打者の調子の推移をおおまかに見る限り、今後、イチロー以外の選手においてヒット数が大きく増えていく傾向が見られるかというと、残念ながら、そんな気配はまるっきりみられないので、いまの傾向、つまり、「イチローがチーム内で例年にない割合のヒット数を記録してしまう可能性」は大きい、と言わざるをえない。

2001年から2009年にかけて、さまざまな選手がやってきて、去っていき、監督もGMも何人か変わったが、これほどアンバランスな状態になったのは、今年2010年が初めてなのである。






damejima at 19:58

March 30, 2010

MLB公式サイトがメジャー30球団それぞれに選ぶ、歴代名シーンベスト9のシアトル・マリナーズ版というのを見た。無性にイライラした(笑)

Baseball Video Highlights & Clips | Prime 9 examines the top moments in Mariners' history - Video | MLB.com: Multimedia

1.1995年      ディヴィジョン・シリーズ初突破
2.1995年10月2日 ポストシーズン初進出
3.2004年10月1日 イチロー、シーズン最多安打記録更新
4.2001年10月6日 シーズン116勝(メジャー記録タイ)
5.1993年7月28日 グリフィーJr.8試合連続HR
6.2001年       ALDS(地区シリーズ)突破
7.1990年9月14日 グリフィー親子アベックHR
8.2009年9月18日 イチロー、NYYリべラからサヨナラ2ラン
9.2002年5月2日 マイク・キャメロン1試合4HR


8試合連続ホームラン、という記録は、メジャー記録であり、これまで3人しか達成していない。7試合連続を達成した選手もわずかに3人しかいない。こういっては失礼かもしれないが、思ったより達成しずらい記録なのである。

8試合連続HR達成者(年代順)
Dale Long (1956)、Don Mattingly (1987)、Ken Griffey Jr (1993)

7試合連続達成者(年代順)
Jim Thome (2002)、Barry Bonds (2004)、Kevin Mench (2006)

8試合達成者の3人はまぁ置いておいて、7試合連続HRの達成者が、いけないねぇ。まぁ見てもらいたい。
個人的に非常に嫌いなバッターのジム・トーミも、ステロイダーのバリー・ボンズがランキングに入っていることも、なんとか我慢してみるとしよう。
しかし、だ。
7試合連続HRの3人目の達成者、Kevin Mench (2006)だけは、ダメだ(笑)

カタカナで書くと、ケビン・メンチ

メンチ。この名前、どこかで聞いたことがないだろうか?(笑)
そう。その通り(苦笑)当たりだ。
2009年に阪神にいた、あの男。7月に奥さんの出産に立ち会うために帰国したまま日本に戻ることのなかった(笑)、あの元・阪神のメンチ、である。出場ゲーム数、わずか15。酷いもんだ(笑)
ケビン・メンチ - Wikipedia

7試合連続ホームランは、メンチがテキサス・レンジャーズにいた2006年4月に記録したものである。しかも、これ、右打者としてメジャー史上初めての達成というから驚く。
なのに、だ。この年に出場した127試合で、彼が打ったホームランは13本。つまりシーズンの半分のホームランを、4月の1週間だけで打ったのである。
正直、ステロイドかなにかとしか思えない。
ちなみに、メンチは、その前年2005年に、12勝4敗、ERA2.33でサイ・ヤング賞の最右翼といわれていたロイ・ハラデイの足に打球をぶつけて、シーズン後半を棒に振らせたらしい。ほんと。ちょっとロクなことをしない(笑)


まぁ、そんなわけで、ブログ主damejimaは「連続試合ホームラン記録」そのものに、どうにも価値を見い出せない
そんなものを「歴代名場面集」に入れるくらいなら、なぜ1995年のランディ・ジョンソンのサイ・ヤング賞とかを入れないのか、と思ったりする。
マイク・キャメロンの4打席連続ホームランもどうだろう・・・な。もっと他のでいいだろ。ヘルナンデスの月間最優秀投手賞&オールスター初出場なんか、自分の中では非常にキラキラしている瞬間なのだが、なぜ入らない。(まぁ、もっとよほど大きな記録でないと入らないのは、わかってはいるが(笑))

さらに「親子でアベックホームラン」はどうなんだ?日曜午後の『新婚さんいらっしゃい』じゃあるまいし、ほのぼのとしている場合か。チームの歴史的場面とは全く思わないぞ。などと、ひとりでムッとしてみる。まぁ、それだけ、グリフィーのスター性が・・・、なんて、全く考えない。

「イチローのシーズン最多安打メジャー新記録達成」はランキングに入って当然だが、いかんせん、映像の編集がよくない。
イチローが打ったヒット数の、記録としての偉大もさることながら、映像としては、打った後に、チームメイト全員が試合を止めて祝福したこと、さらにその後で、イチローが、故人であるジョージ・シスラー氏のご遺族の方々と握手した「瞬間」、あの「瞬間」に、ベースボールというか、フィールド・オブ・ドリームスを強く感じるわけで、だな。
あの「握手の瞬間」を歴史的名場面の映像に入れないで、何を入れるんだろう。


とか、なんとか。
まぁやっぱり、こういうベスト10ものは、人によって意見が異なるのである(笑)こんなPrime9を、プライムとは、認めない(笑)。こんど、暇なときに、自分だけの名場面、最悪場面のそれぞれベスト10でも、発表することにしよう(笑)






damejima at 12:38

March 27, 2010

スポーツ・イラストレイテッド2001年5月28日号表紙2001年5月28日号

BGM「時代は変わる」
ボブ・ディラン

「黒船」
サディスティック・ミカ・バンド

イチローが初めてスポーツ・イラストレイテッド誌の表紙を飾ったこの号は、同誌がMLB、NBA、NFLのそれぞれに選んだ「2000年以降の印象深い表紙ベスト10」にも選ばれている。メジャーデビューしたばかりのイチローが、この号のためのスポーツ・イラストレイテッド側のカバーストーリー取材を断ったことは、イチローファンの間で有名な話である。
イチローが初めてスポイラの表紙になったことについての当時の記事を見ると、日本人スポーツライターの誰も彼もが、いわゆる「スポーツイラストレイテッドの表紙を飾ると良くないことが起きる」とかいう、いわゆるSports Illustrated Cover Jinx (US版Wikiにはこのジンクスの専門ページもあって、誰と誰が、どんな不幸な目にあったかがリストアップされている(笑)Sports Illustrated Cover Jinx - Wikipedia, the free encyclopedia) を心配する老婆心溢れまくりの記事を書いていたのが、今となってはたいへん微笑ましい、というか、馬鹿馬鹿しい(笑)要は当時は誰もまだイチローの活躍に確信がもてなかった、ということだろう。

その、誰もが不安視したイチローの2001シーズンの結果は、どうだったか。もちろん、新人王からMVPからなにから、とれるタイトルを全て獲りまくった、あのてんこ盛りの輝かしい成果。チームはシーズン116勝。
たぶんイチローは世界で最もジンクスに無縁な男のひとりである。この人の持って生まれた星の輝きの強さときたら、そりゃハンパじゃない。

同じ2001年発行の別の表紙には、シーズン73HRの新記録を作ったバリー・ボンズが登場しているが、このことは非常に重い意味がある。なぜなら、今ならステロイダーのボンズがスポーツ・イラストレイテッドの表紙になるなど、絶対にありえないからだ。
ボンズの体格が劇的に大きくなったことについてマスメディアが度々取り上げはじめたのは、この2001年前後からだが、MLBでのステロイドに関する正式な調査報告であるミッチェル報告が出されるのは、2007年を待たなければならない。
2001年段階では、MLBとアメリカメディアはまだMLBのステロイド問題に半信半疑なのである。また、MLBに対して憧れだけを持ったままの日本のメディアは、なおさら、急に体が大きくなってスタンドにバカスカ放り込むホームランバッターに決定的な疑問を投げかけるだけの根拠も、自信もあるわけではなかった。

見た目華奢に見えるイチローのMLBでの将来に誰も確信を持たない。2001年のMLBとは、まだそんな時代だったのである。
そんな時代にメジャーに登場したイチローは、MLBにとってひとつの「ベースボール革命」であり、アメリカ文化に対する「逆・黒船」だったことが、この2001年5月のスポーツ・イラストレイテッドがいみじくも実証するのである。
2001年スポーツ・イラストレイテッド全表紙


スポーツ・イラストレイテッド2002年7月8日号表紙2002年7月8日号

BGM「天城越え」
石川さゆり

メジャーデビューから1年経ったイチローの、この自信の表情。「どうだ。俺がイチローだ」と言わんばかりである。
だが、実際のところ、2001年春にイチローの活躍に半信半疑だったアメリカのスポーツメディアは、2001シーズンのイチローのあれほどの栄光を見た後ですら、いまだに「時代の底流の変化」に気づいてはいなかった。
このイチロー特集号でのカバーストーリーのタイトルが、The Ichiro PARADOXというおかしなタイトルであることでもわかる。スポイラのライターが何を指して「パラドックス」かと言っているかというと、「パワーも、個性も足りない。なのに、なぜあれだけ活躍できるのか?」ということ。
つまり、2000年代初頭のスポーツ・イラストレイテッドは、ステロイドに頼ったパワー・ベースボールの終焉も確信できず、この先の時代がどう変わっていくのかもわからないまま、スポーツ記事を書きちらしている、ということだ。2002年のスポーツ・イラストレイテッドではいまだに「イチローの天才と、彼のもたらす時代の変化が理解しきれてなかった」のである。

だから2002年当時のスポーツ・イラストレイテッドは、イチローの個性の強さ、アクの強さも、才能も、よく知りもしないまま記事にしている。その後オールスターのア・リーグの試合直前のロッカールームで、イチローが選手たちを前に繰り広げる強烈過ぎるスピーチが恒例になることも知らず、2010年になってJoe Posnanskiが「MLBの歴史上、イチローのような選手は見たことがない」とそのユニークさを讃える記事をスポーツ・イラストレイテッドに書くのも、つまり、イチローをアメリカが理解しはじめるのは、まだまだずっと、ずっと先の話なのだ。
時代の先を行く者。それがイチローである。
2002年スポーツ・イラストレイテッド全表紙


スポーツ・イラストレイテッド2003年5月5日号表紙2003年5月5日号

イチローがスポーツ・イラストレイテッドの表紙を飾った回数は、2001年と2002年の2回だと思っている人も多いかもしれない。だが、実際には4回ある。この号では、左上のタイガー・ウッズの隣に、イチローの顔がみえる。時代に影響を与える101人を選んだこの号で、MLBの現役プレーヤーで選ばれたのは、54位のイチロー以外には、62位A・ロッドのみだ。

イチローの表紙登場3回目は、101 Most Influential Minorities in Sportsなんとも意味深な特集号である。なんというか・・・、なんでまたこういうタイトルにしたのだろう?101匹のダルメシアンじゃあるまいし(笑)
マイノリティという単語を聞くと「スポーツ界で最も影響力のある少数民族101人」とか訳して、国連にでも抗議メールを送る人がでてきそうなタイトルだが(笑)、ここではたぶん「有色人種で、スポーツ界で最も影響のある101人」くらいの意味だろう。まぁ、それにしたって、かなり差別感のあるいやらしいタイトルだが。
アジアからは、イチロー以外に、NBAのヤオ・ミン、ゴルファーのパク・セリなど、当時のアジア系有力アスリートが選ばれている。また、アメリカ人の黒人から、人種的に様々な血をひくタイガー・ウッズ、ニューヨーク州ブルックリン生まれのマイケル・ジョーダン、メキシコ系アメリカ人ボクサーのオスカー・デ・ラ・ホーヤ、NBAのレブロン・ジェームズ、テニスのウィリアムズ姉妹などが選ばれている。
2003年時点のレブロン・ジェームズはまだ新人で、NBAドラフトで全体1位でクリーブランド・キャバリアーズに入団したばかり。ヴィーナス・ウィリアムズは、2002年2月に黒人の女子テニス選手として初の世界ランキング1位になったばかり。
イチローの紹介文にはこんなコメントがある。
This Japanese star became the face of globalization in 2001, when he won the AL MVP. He dispelled the long-held notion that only pitchers, not position players, could make the jump from Japan to the major leagues.

全米のスポーツ界が、なんでもかんでも白人(ないしはアメリカ人)で、ステロイドもオッケーなアメリカ中心時代から、グローバルな新世紀に大きく変化しつつあることに、2年も3年も遅れてようやく気づきはじめたスポーツ・イラストレイテッドだが、なにか気がつくのが遅れたことがよほど悔しいのかなにか知らないが、「マイノリティ」と、新勢力を片隅におしやった上で紹介するところが、かつての、どうにも頑固で保守的なスポーツ・イラストレイテッドの体質を表している(笑)
101 Most Influential Minorities in Sports スポーツイラストレイテッドが選んだ101人全リスト



スポーツ・イラストレイテッド2004年10月4日号表紙2004年10月4日号

記事も長くなったので、ちょっと簡単に触れておくことにする(笑)
バリー・ボンズがステロイダーとして、その記録ともども名誉もなにもかもを失って、スポーツ・イラストレイテッドが心から頼れる(笑)アメリカ人スターもいなくなってしまうのかと思われた矢先に現れたのが、イチローと同じ年デビューのアルバート・プーホールズだ。たぶんスポーツ・イラストレイテッドはこれからの10数年、プーホールズを褒めたたえることで、ホームランとステロイド全盛時代を懐かしむという複雑な脳内遊びを継続するつもりだったに違いない。やれやれである(笑)

だが、時代の変化は、そんな姑息な遊びとは関係なく、どんどん進む。
その後、スポーツ・イラストレイテッドのライターも、だんだんに入れ替わりが進んでいく。セイバー・メトリクス系のJoe Posnanskiが加わったことだって、その一環だろうと思っている。スポーツ・イラストレイテッドが記事を書く基準そのものが、これからもっともっと変化していかざるをえないだろう。


いつまでたっても、エラーさえ少なければそのプレーヤーにゴールドグラブを与えてもいいという単純な時代が続くわけでもない。キャッチャーの守備評価にCERAが導入されたりする、そういう時代である。
打つ、守る、走る。イチローの真価が本当の高さで評価されるのは、まだまだこれからだが、そうなる日も、もう遠くない。

4つのスポーツ・イラストレイテッドを見てきてわかるように、日本の至宝イチロー自身のスタンスは2001年から変わっていない。
変わってきたのは、スポーツ・イラストレイテッドとアメリカのスポーツメディアのほうだ。


SI Vault - 54 years of Sports Illustrated history - SI.com






damejima at 23:31
スポーツ・イラストレイテッド MLB

1983年に始まったCASEY Awardは、ベースボールにまつわる最も優れた著作に贈られる賞で、1986年にはあのセイバーメトリクスの親玉のビル・ジェームズ親父も“The Bill James Historical Abstract”で受賞している。

Joe Posnanskiは、スポーツ・イラストレイテッドのライターとしては、2009年に寄稿者になっているのだから、まったくの新顔だが、ベースボールライターとしてはもう十分すぎる実績を積んでいる。
既に2003年と2005年に、AP通信の選ぶアメリカのベスト・スポーツコラムニストに選ばれ、さらに2007年には“The Soul of Baseball”で、CASEY Awardも受賞していて、なんというか、威風堂々スポーツ・イラストレイテッドに乗り込んだ、という感じの風情のスポイラ入りなのだ。
The Soul of Baseball
List of Sports Illustrated writers - Wikipedia, the free encyclopedia

さらにいえば、Joe Posnanskiは、昨年ロブ・ジョンソンが、Defensive Run Savedでメジャー第1位、2009年キャッチャー部門の第9位に選ばれた、あのThe Fielding Bible Awardsの選考者の一人でもある。
つまり、Fielding Bibleが大きく評価するフランクリン・グティエレスジャック・ウィルソンロブ・ジョンソンといった守備評価の高いプレーヤーが集結した今のシアトル・マリナーズというチームを、非常に興味深い目で見ているはずのセイバーメトリクス親父グループのひとりというわけで、こんなガイジンさん知らないよ、というマリナーズファンも、実はとっくに、しかも何度もお世話になった、彼らの話題に触れたことがある、というわけだ。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:セイバーメトリクスにおける守備評価、Fielding Bibleに関する関連記事

Fielding Bible2009 投票者と投票内容の詳細

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年10月31日、2009年Fielding Bible賞にみる「キャッチャーに必要な能力の新スタンダード」。ロブ・ジョンソン、キャッチャー部門9位にランクイン。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年12月20日、セイバーメトリクスで始まった「捕手の守備評価の新基準」。ロブ・ジョンソン、Defensive Run Saved キャッチャー部門でメジャー1位の評価を受ける。


まぁ、そんなことより、面白いのは、Joe Posnanskiが例のカンザスシティ・スター紙の出身だ、ということだ。

カンザスシティ・スター紙については、たった一度だが、このブログで触れたことがある。覚えている方もほとんどいないだろう。この記事だ。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年10月27日、Kansas City Starは、ヘルナンデスとグレインキーのシーズンスタッツを補正した上で比較して、「勝負は五分五分」と語った。
Greinke vs Hernandez: My Vote | Upon Further Review

ヘルナンデスとグレインキーのサイ・ヤング賞争いの行方を占った記事について書いたのだが、元ネタになったカンザスシティ・スターの記事を書いたのは、Joe Posnanskiではなく、別のライターなのだが、地元ロイヤルズのグレインキーと、シアトルのヘルナンデスのサイ・ヤング賞争いを、実に丁寧に、そして身内の贔屓が過ぎることもなく、さまざまな角度から分析していて、とても感心させられたのをよく覚えている。
特に、見た目の勝ち星で判断するのではなくて、理由のある、他人も納得させられる補正を加えてから判断しているところが、今流のライターらしい。
古い考えのライターなら、例えば、エラー数が少ないプレーヤーは補正もせずにそれだけでゴールド・グラブとか、そういう単純なモノの見方で賞を選んでしまうわけだが、カンザスシティ・スターは一貫してそういう考えをとっていないらしい。

こうしたフェアで、しかもきちんと分析し。他人からも評価に値する文章をモノにできる視点をもったライターがたくさん育つ環境がカンザスシティ・スターにはあって、その環境がJoe Posnanskiのようなローカルライターから、全国紙のライターへと押し上げる土壌になっているのだろうと思う。素晴らしいことだ。
カンザスシティ・スター出身のライターには他に、Foxsports.comのライターであり、ESPNなどにも寄稿するJason Whitlock、かつてホール・オブ・フェイムの投票者だったJoe McGuff(故人)などがいる。


この近年バリバリに売り出し中の気鋭のライターJoe Posnanskiがスポーツ・イラストレイテッドに書いた、日本人としてちょっと恥ずかしくなるくらい熱狂的な「イチロー評」の日本語訳が以下のサイトに出ている。
イチロー最大級の評価に浴す:MikSの浅横日記:So-net blog

元記事はこれ。さすがにJoe PosnanskiはThe Fielding Bible Awardsの選考委員らしく、ジョージ・シスラーは、たしかにバッティングだけ見ればイチローと比肩しうる数字を残した。だが、イチローの守備、強肩、スタイル、その全てのユニークさを考えたら、「彼のようなプレーヤーを見たことがないし、彼のようなプレーヤーをこれから見られるだろうとも思わない。」と、ハッキリ意見を述べている。
プレーヤーをあらゆる角度から数値に帰して分析するThe Fielding Bible Awardsの選考委員である彼が、これほど熱心に理屈抜きに誉めるのだから、激賞といっていい。
Seattle Mariners' Ichiro Suzuki is one-of-a-kind player - Joe Posnanski - SI.com
電子版スポーツ・イラストレイテッドのMLBコーナーのトップ記事でもある。
MLB news, scores, stats, fantasy - Baseball - SI.com


翻訳が正しいかどうかとか、元の記事のJoe Posnanskiのプレーヤーごとの判断が正しいかどうかとか、そういう細かいことは、この際、どうでもいい。要は、Joe Posnanskiのこの文章に尽きる。

I don't think there has ever been a player in baseball history quite like Ichiro Suzuki.
私はこれまでの野球史において、イチローに似たプレーヤーがいたとは全く思わない。

誰にも似ていない、ということは、ユニークだということの、最も簡単な証明である。Baseball Referenceに、そのプレーヤーの成績と似た成績をもつ過去現役のプレーヤーという項目があり、似ているパーセンテージも表示されているが、イチローについては、似た選手が無理矢理挙げてある程度で、まったく似たプレーヤーがいないことがデータからも実証されている。


同じ時代に生まれてよかった、と思える選手は数えるほどしかいないものだ。スポーツ・イラストレイテッドの表紙を飾った回数でいうと、こんなふうになっている。マイケル・ジョーダンがいかにスーパースターだったのか、よくわかる。

マイケル・ジョーダン 56回
モハメド・アリ 38回
タイガー・ウッズ 30回
カーリム・アブドゥルジャバー 22回
マジック・ジョンソン 22回
ジャック・ニクラウス 22回

マイケル・ジョーダンの本当に凄かった何年かのシーズン、「空中を歩く」プレーぶりを目の前で見ることのできた幸福なバスケットボールのファンと同じように、イチローの現役のプレーを見られるのは、Joe Posnanskiが言うように、たしかに自分の孫に語って聞かせてやりたい出来事である。






damejima at 02:27

March 24, 2010

イチロー版 ザ・キャッチ


イチローのこの超ファインプレー、ちょうどブルペンから俯瞰的に見ることのできたLAA側のリリーバー、スコット・シールズはこう言った。

「イチローが、さ。いくつゴールドグラブとってると思ってるの?
 それが答えだよ」

マリナーズの監督ドン・ワカマツはこういった。

「彼は、GPS持ってんのさ」

Ichiro's 'unbelievable' grab recalls Mays | MLB.com: News(動画あり)

この記事を書いたのはMLB.comのシアトル番記者のJim Streetだが、
It was an a-Mays-ing catch all right, reminiscent of the great grab Willie Mays made in the 1954 World Series to rob the Indians' Vic Wertz of an extra-base hit.
なんて、ビックリ仰天という意味のアメイジングと、メイズをひっかけて、a-Mays-ingとダジャレを飛ばしている。

もちろん、メイズとは、ホール・オブ・フェイマーのウィリー・メイズのことで、ここでウィリー・メイズを引き合いに出したのは、1954年ワールドシリーズでの超有名なメイズの「ザ・キャッチ」を思い起こさせるほど、このイチローのキャッチが超ファインプレーだったと言いたいわけである。

両方の動画を見比べると、打球の落下点に向かってまっすぐに向かっている、という点で、メイズよりもイチローのキャッチのほうが優れている。








damejima at 20:09

January 17, 2010

9回裏、1点ビハインド。
2人が三振し、2死。
代打スウィーニーが2塁打を放つ。代走はソーンダース。
打席に入るイチローの動作はいつもと変わらない。

初球。

雷鳴に似た歓声。
インコースにややボール気味に投げこまれたカットボールが、総立ちのライトスタンドに吸い込まれて消えていく。見送りながら、マリアーノ・リベラは何度も怒鳴る。"No!、No!"

憮然とした顔でマウンドを去っていくマリアーノにかわって主役がプレートを踏むと、シアトルの長い長い祝賀会が始まった。

サヨナラホームランを打ったイチローを出迎えるマイク・スウィニー

Ichiro's walk-off shot stuns Mariano, Yanks | Mariners.com: News

NY Yankees vs. Seattle - September 18, 2009 | MLB.com: Gameday

2009年9月18日イチロー、サヨナラ2ランfromマリアーノ・リベライチローのサヨナラ2ラン
初球カットボール。

イチローサヨナラ2ランの後ハグするヘルナンデスとロブ


カットボール連投で2三振させていたリベラが
スウィニーへの初球にかぎってストレートだった不思議


9回裏にハナハン、カープと連続三振をとったリベラの投げた球種は、全球カットボール。彼らの打撃ではまったくリベラの得意球カットボールに歯が立たなかった。
次打者はジョシュ・ウィルソンだったが、ここで監督ワカマツはスウィニーを代打に送った。このゲームはシアトルの順位を上げるものではなかったが、ヘルナンデスにとってはサイ・ヤング賞のかかった重要なゲームのひとつだったから当然だ。
ここで不思議なのは、マリアーノ・リベラが、スウィニーへの初球に、カットボールではなく、ストレートを選んだこと。次の打者がイチローでもあるし、ここでゲームを終わりたいのは当然であるにしても、ちょっと不思議なことである。


「2球目強打者」、マイク・スウィニー。

スウィニーは、基本は早打ち打者だが、カウントによって打ち方をはっきり決める、ちょっと不思議なバッティングをする。
スウィニーにとっての初球は長打狙いのカウントで、必ずといっていいほど強振してくる。打率は低い。打数が多く、2009までの3シーズンで最多。ホームランも、17本のうち5本を打っていて、最多。
2球目、ここがスウィニーの「得意カウント」である。1-0であれ、0-1であれ、非常に高い打率とOPSを記録している。2球目の打率は妙に高い。

2009 スウィニー カウント別打率
Count 0-0 .200 OPS.595 打数40(最多)
Count 0-1 .435
Count 1-0 .556
Count 1-1 .300
Mike Sweeney Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN

2007〜2009 スウィニー カウント別打率
Count 0-0 .260 OPS.716 打数127(最多) 
Count 0-1 .364
Count 1-0 .377
Count 1-1 .313
スウィニーの3シーズンの打撃スタッツ
Mike Sweeney Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN


あれだけカットボールを連投していた投手のリベラが、スウィニーへの初球にストレートを選んだのはなぜだろう。スウィニーが早打ち打者だとわかっていたから、わざと球種を変え、2球目にカットボールを投げる予定だったのだろうか。
また、カットボール連投で2三振くらうのをベンチで見ていたスウィニーのほうも、自分の打席に限って、初球にカットボールでなくストレートが来ることは予測していたのだろうか。なぜ初球のストレートを見送って、得意の2球目にスイングするほうを選ばなかったのか。

わからないことだらけだが、これだから本当に野球は面白い。
リベラがスウィニーに、このイニングで初めてストレートを投げて打たれたことは、イチローの初球にカットボールを投げる(というか、ストレートを投げられなくなった)伏線になっている。

2009年9月18日代打スウィニー2塁打マイク・スウィニーの2塁打
初球ストレート。
初球に長打を狙ってフルスイングするのは、いつものスウィニーの打撃パターンそのもの。



苦手カウントの存在しないイチロー

最近「damejima版カウント論」なるものをちょっと考えていて、もうすぐまとまるので長々と連載する予定なのだが、イチローという打者の天才ぶりには、あらためて驚かされた。
スウィニーにとっての「2球目」のように、イチローにも得意カウントがあるといえばある(0-0、1-0など)のだが、そんな些細なことより驚かされるのは「不得意カウント」というものがほぼ存在しないことだ。
イチローは0-2と追い込まれても、フルカウントでも、3割打てる。こんな打者、そうそういない。だからこそ、毎年のように高打率が残せるのだろうが、ほとほと関心する。

ただ「ほぼ」、と書いたのにはもちろん意味があって、穴のまったく存在しない天才野球少年イチローにあっても、たったひとつ「苦手カウント」というものは存在している。いや、むしろ、ひとつでも存在していることが不思議なくらいだ。そのことについては後日書く。(次の記事以降を参照:ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」 『damejimaノート』(10) 「MLB的カウント論」研究 <1> なぜアメリカの配球教科書の配球パターンは「4球」で書かれているのか?


初球の打率4割のイチローに
初球勝負をかけ「られて」負けたリベラ


イチローのホームランは、投手のリベラではなく、打者側のイチローが「勝負をかけて、勝った」とみるほうが現実に即していそうだ。この3年間のイチローの得意カウントの打率はこうなっている。
0-0 .402
0-1 .401
1-1 .394
どうだろう、この異様な打率の高さ(笑)
だが、これだけを見て、イチローを「早打ち打者」と決め付けるのは、実際のゲームを見ていない証拠だ。実際のゲームをみれば、いかにイチローが頻繁に「初球ストライクをやすやすと見逃している」ケースが多いか、わかる。「どうしてあれを振らないんだ」と、ファンがやきもきするほど、その数は多い(苦笑)

だが、これも勘違いしてはいけない。
こんど書く予定のカウント論を先取りして言うなら、「メジャーの好打者はほとんどの場合、初球、2球目の打率は、誰でもびっくりするほど高い」ことが多いものなのだ。彼らの追い込まれてからの打率傾向は打者によって大きく違うものだが、初球、2球目についてはほぼ共通して打率が異様に高い。
イチローの初球の打率が高いからといって、その程度のデータでイチローを「早打ち」と決め付けるのは、まったくもって間違いだ。イチローのケースでは、「あらゆるカウントで打てる」というのが、むしろ正解。
Ichiro Suzuki Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN


この劇的なサヨナラで16勝目をあげたヘルナンデスは、わずか104球(65ストライク、39ボール)で9回を投げ抜いて、1点負けたままベンチで9回裏を迎えた。劇的な勝ちをもたらしたイチローのあまりにも劇的なサヨナラホームランで好投が霞んでしまったが、104球で強打のNYYに9回投げきったのだからたいしたものだ。
負けも覚悟したであろうヘルナンデスにとっては、ここで負けてはサイ・ヤング賞レースが終わってしまっていた可能性もあった。だからこそ逆転を信じて9回まで投げさせたわけで、試合後のヘルナンデスが興奮してイチローに抱きついて喜んだのも非常によくわかる。

この日のピッチングは、なんといってもグラウンドアウト(GO)を16もとったことが画期的に素晴らしい。これほどの数は、いくらヘルナンデスがグラウンドボールピッチャーといえど、今シーズン最高の数のグラウンドアウトだ。

ヘルナンデスがフライボールピッチャーばかり揃ったシアトルでは非常に珍しいグラウンドボールピッチャーであることは、一度指摘したことがある。
1試合で三振を15以上も獲ることももちろんすごい偉業だが、グラウンドアウトを16もそうそうとれるものでもない。キング・オブ・グラウンドボールピッチャーは、MLB全体でならロイ・ハラデイだが、シアトルではフェリックスだ。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年9月24日、先発ゲーム4連勝のロブ・ジョンソン二塁打2四球、ヘルナンデス11三振で17勝目。サイ・ヤング賞レースに生き残る。9月8日の城島のサヨナラ負けがなければ、9月のア・リーグ月間最優秀投手はとっくにヘルナンデスに決まっていた。

ヘルナンデスのGB/AB、GO/AO
(カッコ内はESPN、それ以外はBASEBALL REFERENCE
2005 2.08(2.14)  2.93
2006 1.40(1.41)  2.09
2007 1.55(1.60)  2.56
2008 1.06(1.10)  1.62
2009 1.13(1.17)  1.55
キャリア   1.31 (1.35)  1.95
MLB AVG. 0.78       1.06

Felix Hernandez Pitching Statistics and History - Baseball-Reference.com

Felix Hernandez Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN






damejima at 02:21

December 09, 2009

ショーン・フィギンズの加入で沸き返るシアトルファンだが、誰しも気になる来シーズンの打順、あと守備位置について、フィギンズ自身のインタビューで、彼自身の口から「2番、セカンド」という言葉が出たらしい。
フィギンズのサードがないってことは、ベルトレ、ロペス、ビル・ホール、ハナハンなどの、内野手たちの処遇がいったいどうなるのか。フィギンズはこれでぐっすり眠れるだろうが、これでしばらくシアトルファンはゆっくり眠れない(笑)

詳しくは下記のリンクへ。

Mariners Blog | Chone Figgins ready to bat second and play second if he has to | Seattle Times Newspaper

Figgins: 'I'd be honored hitting behind Ichiro'


それにしても、フィギンズ、血液検査の結果が出て正式にマリナーズの一員になる前の晩、気になって眠れなかったらしい。かわいいやつ(笑)
"It was pretty nervewracking last night to try to sleep and have to get on a plane the next day and not be able to get on the phone with anybody to get the results,'' Figgins said.

フィギンズはイチローの後の2番という仕事について、a little more patient at the plateと、patient(忍耐)という言葉を使って説明している。城島、セクソン、ベタンコートはじめ、何も考えずにバットを振っているかつてのダメダメ扇風機ばかりだったバベシ時代の打者たちと違って、よく野球全体が見えている。
さすが、知将ソーシアに鍛えられたクレバーな選手だけはある。






damejima at 19:43

November 13, 2009

イチローが2009年のシルバースラッガー賞を受賞した。3度目の受賞。
これで守備の9年連続のゴールドグラブ、2回目のFielding Bible賞とあわせ、今年は攻守の賞をほとんど総なめにした。
打撃のシルバースラッガー賞、そして守備のゴールドグラブ、Fielding Bible賞と、3賞を全部受賞したのは、ア・リーグではイチロー、ただひとりである。今年のシルバースラッガー賞ではイチローが最も年上の選手なだけに、本当に素晴らしい。
ちなみに、ナ・リーグではライアン・ジマーマンのみが、ア・リーグのイチローと同様に、3つの賞を受賞している。
またブログで注目してきた2人のプレーヤー、アーロン・ヒル、ライアン・ジマーマンが初受賞したのも嬉しい。

ナ・リーグ シルバースラッガー賞
若い選手が多く選出されたことと、ゴールドグラブとの重複が少ないことに特徴がある。
1B Albert Pujols Fielding Bible賞
2B Chase Utley
3B Ryan Zimmerman 初 ゴールドグラブ、Fielding Bible賞
SS Hanley Ramirez
OF Ryan Braun
OF Matt Kemp 初 ゴールドグラブ
OF Andre Ethier 初
C  Brian McCann

ア・リーグ シルバースラッガー賞
攻守兼用のベテランが多い。イチローが最年長。
1B Mark Teixeira ゴールドグラブ
2B Aaron Hill 初 Fielding Bible賞
3B Derek Jeter  ゴールドグラブ
SS Evan Longoria 初 ゴールドグラブ
OF Ichiro 3回目 ゴールドグラブ、Fielding Bible賞
OF Torii Hunter 初 ゴールドグラブ
OF Jason Bay 初
C  Joe Mauer  ゴールドグラブ
DH Adam Lind 初

歴代受賞者
Silver Slugger Award - Wikipedia, the free encyclopedia

関連記事(MLB公式)
Silver Slugger winners being unveiled | MLB.com: News

Silver Sluggers a mix of old and new | MLB.com: News

Ichiro claims third Silver Slugger Award | Mariners.com: News

イチローの年度別成績
Ichiro Suzuki Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN

ナ・リーグのシルバースラッガー賞で、守備の賞を同時に受賞しているプレーヤーは、Albert Pujols、Ryan Zimmerman、Matt Kempの3人のみ。対してア・リーグで守備の賞を同時受賞しているのは、イチローはじめ、7人。このことだけでリーグの性格の違いをうんぬんするつもりはないが、面白い現象だ。
DH制のないナ・リーグでは打撃専用っぽいプレーヤーが多いといえば多いのに対して、DH制のあるア・リーグでは攻守に優れたプレーヤーが多く選ばれている。
またナ・リーグの受賞者は、30歳のチェイス・アトリーを除いて全員が20代の若い選手なのに対して、ア・リーグは30歳台が5人と、ベテランが多いのも特徴。


イチロー
新人王。首位打者2回。リーグMVP、盗塁王、オールスターMVP、各1回。MLBオールスター9年連続選出。シルバースラッガー賞3回。9年連続ゴールドグラブ。Fielding Bible賞2回。シーズン最多安打、9年連続200本安打。などなど。

アーロン・ヒル
1982年生まれ。いわゆるこのブログでいう、「1983年世代」にして、「強打の二塁手」
2009年オールスター初選出。2009年にシルバースラッガー賞、Fielding Bible賞を初受賞。
2009年11月5日、「強打の二塁手」〜今年最も記憶に残ったプレーヤー、最も注目すべきポジション。

2009年10月31日、2009年Fielding Bible賞にみる「キャッチャーに必要な能力の新スタンダード」。ロブ・ジョンソン、キャッチャー部門9位にランクイン。

ライアン・ジマーマン
1984年生まれ。いわゆるこのブログでいう、「1983年世代」
2009年オールスター初選出。2009年にシルバースラッガー賞、ゴールドグラブ、Fielding Bible賞を、それぞれ初受賞。
2009年11月11日、ナ・リーグのゴールドグラブ発表。ア・リーグ同様、2人がFielding Bible賞と同時受賞。結局、センター以外を守る外野手でゴールドグラブに選ばれたのは、イチロー、ただひとり。

2009年10月31日、2009年Fielding Bible賞にみる「キャッチャーに必要な能力の新スタンダード」。ロブ・ジョンソン、キャッチャー部門9位にランクイン。






damejima at 08:35

November 11, 2009

2009年ア・リーグのゴールドグラブ賞が発表になった。
Ichiro, Hunter win ninth Gold Gloves | MLB.com: News

Ichiro adds to his legacy with No. 9 | MLB.com: News

イチローはこれでメジャーデビュー以来、9年連続ゴールドグラブ受賞。今シーズンも素晴らしい守備を披露し続けたから当然といえば当然だが、めでたいことだ。
9年連続ゴールドグラブ獲得プレーヤーは、メジャーでもグリフィー・ジュニア含めて7人だけしかいない。83補殺(Outfield Assists=外野手補殺)は、2001年以降ではメジャー最多。
またマリナーズの23シーズン連続のゴールドグラバー輩出は、メジャー・レコードらしい。ア・リーグ最多の観客動員数を記録した2001年以降の数年、いかにシアトルに多彩な才能が集まり、勢いがあったかわかる。

シアトル・マリナーズが23シーズン連続で輩出した
ゴールドグラバーのリスト

1987 Mark Langston, LHP
1988 Mark Langston, LHP Harold Reynolds, 2B
1989 Harold Reynolds, 2B
1990 Ken Griffey Jr., OF Harold Reynolds, 2B
1991 Ken Griffey Jr., OF
1992 Ken Griffey Jr., OF
1993 Ken Griffey Jr., OF Omar Vizquel, SS
1994 Ken Griffey Jr., OF
1995 Ken Griffey Jr., OF
1996 Ken Griffey Jr., OF Jay Buhner, OF
1997 Ken Griffey Jr., OF
1998 Ken Griffey Jr., OF
1999 Ken Griffey Jr., OF
2000 John Olerud, 1B
2001 Ichiro Suzuki, OF Mike Cameron, OF
2002 Ichiro Suzuki, OF Bret Boone, 2B John Olerud, 1B
2003 Ichiro Suzuki, OF Bret Boone, 2B Mike Cameron, OF John Olerud, 1B
2004 Ichiro Suzuki, OF Bret Boone, 2B
2005 Ichiro Suzuki, OF
2006 Ichiro Suzuki, OF
2007 Ichiro Suzuki, OF Adrian Beltre, 3B
2008 Ichiro Suzuki, OF Adrian Beltre, 3B
2009 Ichiro Suzuki, OF
元データIchiro wins record ninth straight Gold Glove

先日すでに発表になっている2009年Fielding Bible賞は、サイバーメトリクス系の人々による独自の守備系ベストナインで、MLB全体から各ポジション1人だけを選ぶが、ゴールドグラブはベースボールのプロであるメジャー各チームの監督・コーチの投票によって選出され、リーグごとに各ポジション1人が選ばれる。
(プロが選ぶメジャーと、素人である新聞記者が選ぶ日本のプロ野球のゴール「デン」グラブは、方式がそもそも違う。2つを混同して語る人が多すぎる)

選出スタンスに違いがあるゴールドグラブ、Fielding Bible賞の2つを同時受賞したのは、イチローと、完全試合男、シカゴ・ホワイトソックスのマーク・バーリー、わずか2人だけである。


ゴールドグラブとFielding Bible賞、2つの賞の差

2つの賞の受賞者を比べるかぎり、その差はゴールドグラバーがFielding Bible賞では4位になる程度の「微妙な差」で、プレーヤーの順位がまるで違ってくるかというと、大半のポジションでは、それほどめちゃくちゃな差があるわけではない。
(素人記者が選出することで、日本のプロ野球におけるゴール「デン」グラブに対しては様々な批判があるが、その日本での論点を、そっくりそのままメジャーのゴールドグラブに対する批判に流用して展開しているアホウがいるが、日米の選出方式がまったく違う以上、意味がない。プロである監督・コーチが選出するメジャーのゴールドグラブは、「素人の思いつき」で決定されているわけではない。)

ところが、2つの賞で選手評価に大差が現れるポジションもある。2009年でいえば、「ショート」と「外野手」だ。この2つのポジションでは、ゴールドグラバーがFielding Bible賞では20位だったりする。
Fielding Bibleはジーターの守備をまったく評価していない。シアトルのショート、ジャック・ジョンソンがFielding Bible賞を受賞できたのには、実はそういう背景がある。
外野手部門も2つの賞で評価の差の激しいポジションだが、イチローは、両方の基準を満たし、最高評価を得た。どんな基準で判定しようと、今年も文句なくメジャーの守備の達人として認められているのである。イチローはバッティングのみならず、守備タイトルの面でも、そろそろMLBの歴史的領域に達しつつある。
歴代ゴールドグラブ受賞者(英語) American League Gold Glove Award Winners - Baseball-Reference.com

歴代ゴールドグラブ受賞者(日本語) - Wikipedia

2009年ア・リーグ ゴールドグラブ賞
(カッコ内はFielding Bible賞2009における順位。外野手は2つの賞で選定基準が異なる)
Ichiro, Hunter win ninth Gold Gloves | MLB.com: News
C  Joe Mauer (3位)
1B Mark Teixeira (4位)
2B Placido Polanco (6位)
3B Evan Longoria (4位)
SS Derek Jeter (17位)
OF Torii Hunter (センター部門9位)
OF Adam Jones (センター部門21位)
OF Ichiro Suzuki (ライト部門1位)
P  Mark Buehrle (1位)



2009年Fielding Bible賞
Fielding Bible
C  Yadier Molina
1B Albert Pujols
2B Aaron Hill
3B Ryan Zimmerman
SS Jack Wilson
LF Carl Crawford
CF Franklin Gutierrez
RF Ichiro Suzuki
P  Mark Buehrle


ゴールドグラブがリーグごとに守備のベストナインを選出するのに対して、Fielding Bible賞はメジャー全体からポジションに対して1人だけを選ぶ。(だからといって、Fielding Bible賞のほうがエライ、という単純に言い切れるものでもない。いくら守備指標がいいからといって、ジャック・ウィルソンを選んでもしょうがない)Fielding Bible賞の成り立ちについては、下の記事に多少書いたので参照してもらいたい。
2009年10月31日、2009年Fielding Bible賞にみる「キャッチャーに必要な能力の新スタンダード」。ロブ・ジョンソン、キャッチャー部門9位にランクイン。

ゴールドグラブはバッティング成績やネームバリューを加味しすぎると批判があるわけだが、今回の両方の賞の受賞者をポジションごとに見比べてみるのはなかなか面白い。


ゴールド・グラバーになれなかった
アーロン・ヒル


キャッチャーのジョー・マウアー(2年連続2回目のGG受賞)はFielding Bible賞2009でも3位だし、テシェイラ(GG3回目、Fielding Bible賞4位)の守備がいいのもわかっているから問題ない。ジーター(GG4回目)を選んでしまうのはゴールドグラブの悪い癖だから、あきらめるしかない(笑)

だが、クビをひねる選考は二塁手だ。
先日「2009年11月5日、「強打の二塁手」〜今年最も記憶に残ったプレーヤー、最も注目すべきポジション。」という記事で書いたように、ESPNなど全米スポーツメディアが選ぶ今年のベストナインでは、二塁手にはアーロン・ヒル、ベン・ゾブリスト、イアン・キンズラーといった、打撃のいい選手たちの名前がズラリとあがっていた。
なかでもアーロン・ヒルは2009シーズン、打撃で素晴らしい数字を残しただけでなく、守備でも今年Fielding Bible賞を受賞していて、守備面の評価も高い。打撃面も加味されやすいと噂されるゴールドグラブでは、なおさら攻守のバランスの素晴らしいアーロン・ヒルが文句無く選ばれると思っていたわけだが、どういうわけか、二塁手には2007年に一度受賞しているプラシド・ポランコが選出されている。
どういうわけで、いまポランコなのか?
イマイチ、理解に苦しむ(苦笑)


サイズモアを脇においやった
グティエレスとアダム・ジョーンズ


ゴールドグラブの外野手部門は、クリーブランドのセンター、グレイディ・サイズモアが、2007年、2008年と連続受賞していたわけだが、WBCで怪我をした2009年は106ゲームの出場、打率.248に留まり、その座を元シアトルで、今はボルチモアのセンターを守るアダム・ジョーンズに譲った。まったくトレード要員にするなど、惜しいことをしたものだ。
アダム・ジョーンズのGG受賞について、MLB公式サイトでは、まるで守備が出来すぎるイチローの存在がジョーンズなどシアトルの若手外野手の成長にフタをしてきたような誤った書き方をしているが、他にマトモに外野を守れる人材がいなかった当時のチーム事情のためにイチローがセンターに回っていただけのことだから、イチローに非はない。単なる誤解である。またイチローはセンターでもゴールドグラバーである。
Jones' inclusion is ironic in one significant sense: For two seasons he was one of the young Seattle outfielders whose path was blocked by Ichiro. Ichiro, Hunter win ninth Gold Gloves | MLB.com: News

ゴールドグラブに選出された外野手3人のうち、イチロー以外の2人はセンタープレーヤーで、トリー・ハンターアダム・ジョーンズだが、Fielding Bible賞の選んだメジャー1センターは、現シアトルのフランクリン・グティエレスだった。
グティエレスはシアトルに移籍することで正センターとして定着できてFielding Bible賞も受賞したのだから、イチローの高すぎる才能が若手外野手のフタをしているわけがない。要は、誰が上にいようと上手くなればいい。それだけのことだ。

グティエレスは、元はといえば、クリーブランド時代、正センターのサイズモアの控えだったわけで、ある意味、アダム・ジョーンズとグティエレスの2人がかりで、サイズモアを脇役においやった形にはなった。

ではグティエレスとアダム・ジョーンズ、どちらの守備がいいか。
これは比較基準をどこに置くかによるだろう。(外野手部門では、ゴールドグラブとFielding Bibleとでは、選ぶ選手はかなり異なる。2つの賞で受賞できる守備でも天才のイチローは例外)
グティエレスは打球判断や落下点への到達スピードなど、捕球に高い才能があり、アダム・ジョーンズはグティエレスより肩がマシなのと、打撃スタッツが上回っている。

グティエレスが、イチローやバーリーのように、ゴールドグラブであろうと、Fielding Bible賞であろうと、誰からもケチのつけどころのないセンターになるには、もう少し遠投の肩の強さ、スローイングコントロールをつけることと、バッティングスタッツをもう少し改善する必要があるようには思うが、どうだろう。






damejima at 11:53

August 25, 2009

それにしても、城島のコバンザメ記者Nといい、ウオッシュバーンのトレードを必死になって煽って実現させた、このシアトル地元紙のジャーナリスト気取りライターといい、スポーツライターはどうしてこうもダメで、モノを見る目のない輩が多いのだろう。


ポストシーズン進出の可能性がなくなったチームで、しかもセプテンバー・コールアップ直前になっているのに、今頃になってチーム打撃がどうたらこうたらだの、メディアとして、まったく意味がない。
そろそろ新人をメジャーに上げてきて来年に向けてメジャーの守備と打撃に慣れさせなければいけないこの時期だが、コネ捕手城島はじめ、シーズンの順位争いがまだ片付かない春から夏にかけてはたいした数字を残せなかった戦犯のベテランを、まるで「2008年のシアトルのように」9月以降も使い続け、彼らが自分の帳尻をあわせのためだけを目的に、必死にホームランや長打を狙うのを、地元メディアとしてほめちぎりたいとでもいうのか。

そういう、悪夢の大失敗シーズンのクセに若手の育成にも失敗した2008年のような馬鹿馬鹿しいチーム運営を、今年もまたシアトルにさせたいのか。


何年もメジャーにいながら、プレーオフ進出の見込みのないチームにとってのセプテンバー・コールアップの目的も理解できず、メジャーの仕組みもわからず、チームを100敗させておいて、秋が近づいたチームが若手だらけになったのを「タコマーズ」と皮肉った馬鹿すぎる2008シアトルの正捕手ではないが、この記者も馬鹿としかいいようがない。


グリフィーにDH枠を独占させるような馬鹿なチームマネジメントをして、中心選手に順番にDHを与えて疲労回復を図る機会すら与えずに疲弊困憊させているシアトルだが、イチローがふくらはぎの張りを訴えて、次のゲームへの出場ができるかどうかわからないという、日本のファンがそれでなくてもイライラしているこの時期に、地元メディアのシアトル・タイムズのベイカーが馬鹿丸出しでイチロー批判めいた記事を書いた。

いつもなら、自分が記事を書くときには、そのデータを挙げるか、根拠として原文のリンクを出しつつ記事を書くことにしているのだが、今回かぎりはあまりに内容が馬鹿らしくて、こんな酷い原文、とても訳す気にならない。
全部読みたい好事家は、自分で勝手に読み通してほしい。あまりにも酷いことがわかると思う。

書いたご本人、いつもジャーナリスト気取りのようだが、いやいや、いやいや。ありえない。あんたは、ただのシアトルにコネがあるから生きていられる御用聞き程度だ。
Mariners Blog | Mariners are worst in AL at scoring baserunners; failing more than 2008, 2004 squads | Seattle Times Newspaper


このジャーナリスト気取り、超限定されたシチュエーションを2つあげつらって、重箱の隅をつつきたいらしい。
ひとつは、たぶんBRS%。
(たぶん、というのは、Baseball Referenceのデータを流用して人を批判しているクセに、「このデータです」とベイカーが特定してないからだ。このBRS%、打点に限らず、その打者の打席でランナーが得点できた率、という、なんとも曖昧なデータなのである)
それと、もうひとつ、「無死か1死でランナーがサードのシチュエーションで、ランナーに得点をさせる率」。

この程度のトリビアルなデータの羅列で「シアトルの得点力の無さの原因」を探れて、しかも無駄に文字を書いて金にできるなら、誰だってメジャーのアナリストかコーチになれる。
こんな記事を書いてよく恥ずかしくないものだ。


このジャーナリスト気取りが言うには、BRS%のリーグアベレージが15%で、イチローが13%だとかいい、また、2つ目の「2アウト以下、サードでの得点率」では、イチローが30%しかないと胸を張りつつ、どうもイチローが仕事をしてないように書きたくてたまらないようだが、こんなデータで「打者の得点力」を測る馬鹿がどこにいる。

2008年に大失敗した城島をまたもや正捕手にすえて5月に大失敗し、また失敗した城島を7月に正捕手に戻しかかり、さらにマトモに打てもしないグリフィーなぞにDHを独占させてチームの主力選手を疲労困憊させ、主力投手のウオッシュバーンを安売りしてしまうチームマネジメントもチームマネジメントで酷いものだ。
だが、メディアとしてそんなチームマネジメントの酷さをこれっぽっちも批判せず、疲れ切ったイチローをムチ打つかのような記事を意気揚々と書いてジャーナリスト面する阿呆が「スポーツ・ジャーナリズム」とは、城島を正捕手に戻すチームマネジメントと同じくらい、ちゃんちゃらおかしい。




ベイカーのこの記事のくだらなさはいくらでも反証が出るだろうし、日本のメジャーファンなら誰しも、その人なりに何十、何百という種類の反論ができることだろうから、あえてここでその全部を網羅するような無駄なことはしない。あまりにも馬鹿すぎる記事に、そこまで丁寧に反論する義理はない。


そもそも今シーズン、イチローが「無死か1死でランナー3塁」というシチュエーションの打席がいくつあったか。

たったの23打席である。

20かそこらの数のシチュエーションのパーセンテージをあげつらって、イチローについて何か言えたつもりになるスポーツライターなど、ただの馬鹿である。BRS%のイチローの数字だとて、キャリアでは15%であって、リーグ標準レベルの数字をほぼ9年、きっちり残してきている。



ベイカーはそもそも、今シーズンがはイチローにとって、たいへんに特殊な年になりそうなことがわかってない。

イチローが打席に入ったときに塁上にいるランナー総数は例年350ちょっとくらいが年平均だが、今年は、あと1ヶ月少々のシーズンを残して、わずか248だかしかないのである。あと何打席あるかわからないか、100打席としても、その全部にランナーがいるなどということはありえないから、今シーズンのランナー数はどうみても、300ちょっとくらいしかいかないだろう

こんなことになった理由は、チームマネジメントに理由があり、イチローの責任ではないのは当然だ。
このチームは2009シーズン、「イチローの前にランナーを出して、いろいろ柔軟に策を講じる戦術」ではなく、むしろ「イチローの前でイニングが終わってしまう打線」を、意味不明にずっと続けてきた。
そんなこともきちんと抑えずに、ヘボいライター風情にあれこれ言われても、まるで意味はない。
下位打線の打率を他のシーズンと比較してみたことはないのだが、2009シーズンの9番打者に「打率の最も低い打者を常に置き続けた」のは間違いない。その打線システムで、イチローの得点生産力にケチをつけるなど、もってのほかだ。

このブログでも、また、数多くのイチローウオッチャーさんたちが言ってきたように、永遠の1番打者イチローが主力であるシアトルというチームにおいては、「9番打者」は本来特別な打者だ。
かつては好打者のベタンコートが9番に座り続けていた時代が長かったわけだが、その意味をワカマツは考慮することなく、結局9番には当時はまだ調子の出なかったセデーニョや、まだメジャーに慣れないソーンダースなどを置いて、打者としてのイチローを「塁に出る役割に限定して使い倒してきた」。それでイチローの打席からランナーの絶対数を減らし、打点の絶対数を減少させたのは、チームの失敗であって、イチローの責任ではない。



また、こんな走力と得点のデータもある。
イチローが走力を生かして、味方の得点を増やし、味方の中軸打者の打点を増やしてやっているというデータ群であるが、シアトルのジャーナリズム気取りのスポーツライターはこんなところも見てないのだから困る。

例えば「そのプレーヤーがランナーとして1塁にいて、二塁打が出た。このケースで、生還したケースはどのくらいあるか」というデータがある。
イチローの場合、9回のそうしたシチュエーションで、生還したケースは7回もある。言ってみれば、得点圏でない走者シチュエーションでの長打を、「イチローの傑出した走力」が、「イチロー自身の得点」と「打者の打点」に変えているわけだ。

このデータ例では、シアトルで足のあるほうといえるグティエレスさえ、6回のうち2回しか生還してない。イチローがダントツで、その次は最高でもベルトレの10回中4回程度。ベイカーがなにかともちあげたがるブラニヤンなどは8回中2回しか生還してないし、ロペスも11回中2回、グリフィーも7回中2回。大半の選手が2回程度しか生還してない。
つまり、ロペス、ブラニヤン、グリフィーのような走者は、1塁にいて2塁打が出たとしても、ほとんどホームには帰ってこれない。だが、イチローだけは悠々とホームに帰ってこれるのである。
言い方をかえれば、今年のような9番にある程度出塁できる打者を置かないノーマルな打順システムにおいては、イチローは「自身の打点は伸びないが、走力を生かして、あとの打者にツーベースが出ればホームに帰ってくる仕事では他の打者の打点を増やしている」のに対して、ロペス、ブラニヤンなどは、「たまにイチローを返すのが仕事で、打点を増やしてもらっているが、自分自身はホームランでも打たない限り、生還できるかどうかわからない」のだ。
例年100得点を記録してきたイチローの今年に限っての得点の伸び悩みをみれば、彼ら「イチローを還すのが仕事のバッターたち」が、どれほど仕事をできているか、できていないか、小学生でもわかりそうなものだ。



また別の例で、「プレーヤーがランナーとして2塁にいて、シングルヒットが出たときに、生還できた数」を調べると、イチローの場合、19回のうち、12回(63%)も生還し、12得点を挙げている。このケースでの生還数は、もちろんチームトップである。この数字に近い数字なのはグティエレスで、13回中8回生還(61.5%)で、イチローには及ばない。

この数字、他のプレーヤーはこうなっている。
ブラニヤン  13回中 7回   53.8
ロペス    14回中 6回   42.9
グリフィー  7回中 3回   42.9
これらのプレーヤーは、たとえ2塁にいても、シングルヒットでは必ずしもホームに還って来れるものでもない、ということがよくわかるだろう。(そもそもグリフィーがセカンドにいるシチュエーション自体が、4番DHにしては少なすぎる)彼らは打点を稼ぐ「バッター」にはなれても、後続打者にとっては打点のチャンスとなる「ランナー」にはなれず、チャンスを摘み取っている。



イチローはバッターとして得点に貢献してもいるが、ランナーとしても貢献している。こんなことは、ファンなら誰でもわかっていることだ。イチローのランナーとしての走力、というのは、打点とは違う意味で、ある種の得点力であることは、子供でもわかる。野球は次のベースを獲る競技だから、「ベース」ボールなのである。
「ランナーとしてのイチローが1塁にいて、ブラニヤンやロペス、グリフィーが二塁打を打ったケース」では、もちろん打点はイチローではなく、打者のほうにつく。「イチローが2塁にいて、彼らがシングルヒットを打ってイチローが走力でシングルヒットを得点に変えたケース」でも同じだ。打点や、シュチュエーション打撃での数字が上がるのは、ブラニヤンやロペス、グリフィーのほうで、イチローではない。
だが、数字を見てもわかるとおり、実際には、極端に言えば1塁から二塁打で長躯ホームインしたり、2塁からシングルヒットで生還できるのは、半分はイチロー(やグティエレス)の仕事であり、彼らにしかできない仕事なのだ。
むしろイチローのほうに打点をつけたいくらいの話なのである。


今年のイチローの得点の低さを見てもわかる通り、イチローが2塁や3塁にいても、イライラするほどホームに還ってこれないシーンを何度見たことか。シアトルの地元のジャーナリスト気取りも、程度の低い記事ばかり書いていい気になるな、と言いたいものだ。



なお、ちなみに、このダメ・スポーツライターのあげる2つのデータで比べると
BRS%
ロブ・ジョンソン 15%
城島        9%

「無死か1死でランナー3塁」の打席での
ランナー生還率(打点に限らない)

ロブ・ジョンソン 41%
城島       43%

ロブ・ジョンソンのほうがチームバッティングに優れている。(そもそもシチュエーション数が少なすぎて比較にならない。とはいえ、BRS%は城島の場合、年々低下の一途。)






damejima at 02:46

August 05, 2009

2009年8月4日 イチローファインプレー(守備位置、捕球位置つき)

ちょっとイチローの最初に走り出した位置がわかりづらいと思うので、画像を右クリックして、画像のみを新しいタブか別窓で見てもらいたい。
画像の中に加えた「イチロー」という文字の最後の棒の、ちょうど右に、イチローが「画像がかすんで、にじむほどの超高速」で右にシャトル移動しているのが、かすかに映っている。

この画像、これでもバットにボールがあたってからほんの少し時間がたった後のもので、イチローは既にかなり右に走っている。ファーストランナーがスタートを切って1、2塁間にいることからも、わかるだろう。
いかに最初にイチローがライトの奥にいたかがわかる。

なぜかイチローの姿だけが色が薄いのは、最初のイチローの守備位置がけっこう深めでピンがあってないのもあるが、イチローのシャトル移動の速度があまりにも高速すぎて、動画の解像度や、コマとコマの間(ま)すら飛び越えてしまい、映っていないからである(笑)

あまりにも速い。

いま見ると、もしフェンスがなければ、これはファーストのファウルフライである。(笑)


1点差の9回裏2アウト満塁というゲームは
こうしてようやく終わった。

damejima at 14:22

July 17, 2009

We are in a race.
楽しいお祭り、オールスターも終った。
レースに戻るときが来た。

今年のシアトルは色々な意味でレースの真っ最中にいる。
2008年には考えられなかったことだし、地区2位になった2007ですら、こういう高揚感はなかった。城島が正捕手から脱落したことで、ついにシアトルのチームあげての本当のレースが始まったのである。

それぞれのプレーヤーに、それぞれのテーマがある。
見ていて本当に楽しい。

これからがホンモノのレースだ。



シアトルの参加するレースはいくつもある。
もちろん最大のレースはチームのポストシーズン進出レースだ。

上に調子のなかなか落ちてこない2チームがいる。それだけに、前半戦のようにコネ捕手城島のゲームで適当に負ける期間をチームが許容して、5割少しの勝率を続けていては絶対に追いつけない。「二兎を追う者、一兎も得ず」だ。
LAAは、かつてのオークランドのように勝ちだすと止まらなくなるチーム力があり、ほっておいても連勝してしまう。それだけにシアトルは今後どのくらい連勝できるかがレース結果の分かれ目になってくる。連敗はもちろん致命傷だが、それ以上に、10連勝とは言わないまでも、小さい連勝でいいから、多少は連勝を延ばせるように工夫する努力が必要になってきた。その意味で先発3本柱をロブ・ジョンソンに託す監督ワカマツの戦略は正しい。
だが、シアトルはローテにどうしても穴があるため、今はまだ3連勝、4連勝できる体勢が整っているとは言いがたい。4番手、5番手投手のゲームをどれだけ拾えて連勝につなげられるかは、LAA、TEXとの三つ巴レースの重要な鍵になってくる。

それにしてもTEXの打者は素晴らしい。オールスター直前のレンジャーズ4連戦でネルソン・クルーズにいきなりバコンとホームランを打たれたのをよく覚えているが、彼のバッティングをオールスターのホームランダービーで見ていたが、あらためてTEX打線の破壊力には感心させられた。7月のレンジャーズ4連戦は、よくあの打線を抑え込めたものだと思う。
前半戦の表の立役者、MVPにはもちろん、イチローブラニヤンヘルナンデスアーズマなどの名前があがってくることだろうが、このブログとしては、投手陣をア・リーグ1位のERAに導いて、チームのプレーヤーを表舞台のレースに押し上げたロブ・ジョンソン「縁の下MVP」を進呈したいと思う。
Seattle fresh, tested for second-half run | Mariners.com: News


イチローマウアー首位打者争いはそれにしても熾烈だ。
オールスターでマウアーがレフトへ流して打ったタイムリーを見ても、彼は簡単には打ち取れないことがわかる。ここから9月までの2ヵ月半はたぶん毎日やきもきすることになるだろう。USA Todayが記事にしたようだが、あれでは短すぎるし中身があまりないので、記事として面白くない。そもそもオバマ大統領すらイチローと呼ぶプレーヤーのことを、あえてSuzukiなどと書くのもどうも、スポーツ紙ではないからとはいえ、ハナから好感がもてない。
Mauer, Suzuki jockey for position in AL batting race - USATODAY.com
それにしても、このところアメリカのメディアがイチローを取り上げる回数がぐっと増えた気がする。ESPNのJayson Starkは、イチローが56試合で53試合にヒットを打ったことを挙げて、過去にジョー・ディマジオのヒット・ストリークに間接的に迫ったプレーヤーを記事にしている。
Bobby Abreu finally gets home run happy - ESPN
かつてDETのオルドニェスとの対決では終盤に調子を落としたが、今年の首位打者争いはファンとして、勝って「もらいたい」だの、勝ち「たい」だの、甘えたことは言わない。今年はファン一体となって是が非でもこのレースには勝つ。勝つ。勝つ。



投手陣にはこれからいくつもレースが控えている。

ヘルナンデスは、サイ・ヤング賞レースが始まる。6月の月間最優秀投手初受賞に続いて、オールスター初選出&初登板と、いいことが続いたが、ここで人生は終わりどころか、ここからが本当のレースになる。

記者投票で決まるサイ・ヤング賞は記者の投票で決まる主観的な賞だが「記者は最初に防御率を見ることが多い」と、シアトルタイムズのベイカーは言う。ヘルナンデスの防御率はいま2.53で、防御率2.12のグレインキーとはまだ差があるが、2点を切っていたグレインキーの数字はこのところ少しずつ落ちてはきているので、ヘルナンデスの可能性は徐々に上がってきている。いま昇り調子のフェリックスだから、頑張ればやがて追い抜ける。後半戦は、キレの出てきたシンカーなどを武器に、あらゆる数値を上げていく必要がある。
Mariners Blog | Seattle Mariners ace Felix Hernandez could be taking home more hardware with good second half | Seattle Times Newspaper

さまざまなメディアが前半戦のMVPプレーヤーを発表しているが、去年城島をLVPに選んだESPNのJayson Starkは、やはりグレインキーを前半戦サイ・ヤングに推している。
Jayson Stark's first-half review: MVPs and LVPs; Cy Youngs and Yuks; the very, very odd - ESPN

奪三振数はグレインキーがリーグ3位129。ヘルナンデス4位の121(1位バーランダー149)。QS数は、グレインキーが15、ヘルナンデスが14。QS%はグレインキーが83%、ヘルナンデスが78%というように、2人は防御率以外ではほぼ互角だが、まだまだあらゆる数字でほんの少しずつグレインキーが優ってはいる。
ア・リーグ ERAランキング
MLB Baseball Pitching Statistics and League Leaders - Major League Baseball - ESPN

ウオッシュバーン
は、前半戦、ラン・サポートが少ないための不運な負け、中継ぎでの敗戦が多かっため、6勝6敗と、気の毒な勝ち負けだったが、リーグ第5位の防御率2.96、リーグ第3位のWHIP 1.09(ヘルナンデスは1.14で第6位)と、登板の中身を評価する声はこのところ一気に高まっている。
さすがにサイ・ヤング賞は10連勝でもしないかぎり無理かもしれないが、防御率など彼にもまだチャレンジできないことはない。「ドルフィン」など、多彩なキレのある持ち球を駆使して、彼の潜在的な実力に見合った結果を残してもらいたいものだ。
ア・リーグ WHIPランキング
MLB Baseball Pitching Statistics and League Leaders - Major League Baseball - ESPN

ベダード
は、既定投球回数に足りなくなってしまったため、防御率ランキングからは一時的に姿を消しているが、防御率は2.63と、ヘルナンデスの2.53と比べても遜色ない。後半戦もたくさんのゲームで登板して、彼の淡々と投げ込む独特のカーブなどで打者を翻弄し続けることができれば、彼にもチャンスがある。FAを控えたシーズン途中というのに、早々と「この球団にできれば残りたい」と彼が言ったことは心に強く残っている。怪我による長期離脱がなければ、ポストシーズンでの登板という名誉が巡ってくるし、頑張って欲しい。


投手についても野手についても書きたいことはまだまだたくさんあるのだが、彼らを支えるロブ・ジョンソンにとってもレースはある。
これからチームを支え、先発の3本柱を支えるわけだが、その結果として、メジャー最高CERAという勲章を得られるかもしれない。現在彼のCERAは2.95で、そこそこの出場イニングのあるキャッチャーでは飛びぬけた数字だが、残念ながら既定イニングには達していない。
両リーグで既定イニングに達している捕手は15人しかいないが、その中では、LADの名捕手ラッセル・マーティンが3.46でトップを走っていて、2位がオールスターでタイムリーを打ったSTLのヤディア・モリーナで3.70。
これから沢山のゲームをまかされることだろうから、毎日のゲームを頑張っていればやがては既定イニングに近づいてくる。楽しみである。






damejima at 07:25

July 06, 2009

おめでとう。イバニェス。2009年オールスター、ナ・リーグ外野手ロスターに選出。
イチローとイバニェスがオールスターで談笑するシーンが楽しみだ。


フェリックス・ヘルナンデスは、6月のPitcher of the Month受賞に続いて、2009ASア・リーグのピッチャーのリザーブに選出された。またBALのアダム・ジョーンズがナ・リーグの外野手のリザーブに選ばれた。
2009年7月3日、ヘルナンデス、6月のア・リーグPitcher of Monthを受賞。6月に彼の球を受けたバーク&ロブ・ジョンソンにとっても名誉の受賞となる。


それにしても、ウインブルドンの決勝は凄かった(笑)

2009 All-Star Game: Rosters by League | MLB.com: Events






damejima at 02:34

April 16, 2009

ジャッキー・ロビンソン - Wikipedia

ジャッキー・ロビンソン・デイNYYのクローザー、リベラのように1997年以前から背番号42をつけていた選手を例外として、ジャッキー・ロビンソンの背番号42はMLB全チームで永久欠番となっている。そのためリベラがメジャー全球団で最後の背番号42をつけたプレーヤーとなる。

ICHI SALAMI!!! イチ・サラミ!
phrazed by Larry Stone
このフレーズは、今回のイチローの満塁ホームランの出た4月15日のゲームでシアトルタイムズにゲームログを書いていたラリー・ストーンLarry Stoneが書いた。もちろん、MLBで満塁ホームランが出たときによく使われる「グランドサラミ!」というフレーズをもじったもの。

Grand Salami Time!! グランドサラミ!
phrazed by Dave Niehaus
長年シアトルの実況中継を担当し、2008年にはフォード・C・フリック賞を受賞した名物アナウンサー、デイブ・ニーハウス氏の手になる造語。「グランドスラム」と「グラン・サラミ(というデカいサラミ・サンドイッチ)」をかけており、グランドサラミなる雑誌まである。このフレーズ、現在ではMLB全体で使われるようになっている。
ちなみに彼は1999年発売のニンテンドー64のKen Griffey, Jr.'s Slugfestという野球ゲームにも登場している。
用例 "Get out the rye bread and mustard, Grandma, it is grand salami time!""

See You Later!!! シー・ユー・レラ!
phrazed by Dave Niehaus, perhaps.
なお、今回のイチロー満塁ホームランの英語実況で実況アナ氏は、"See You Later!!!"と絶叫している。
彼らはよくホームランが出たときに"Good-by Baseball !!!!"グッバイ・ベースボー!!!と叫ぶが、See You Later!はそれをさらにひねったものだろう。つまり「ボールよっ、またなぁぁぁぁっ!!!」という感じ。
ちなみに、グッバイ・ベースボー!!! は「さらばっ!ボールよっ!」という意味で、別に「さらば、野球よ」という意味ではないので勘違いしないように。

イチロー日米通算タイ記録満塁ホームランイチローの日本プロ野球最多安打タイ記録の3085本は
満塁ホームラン

イチロー満塁ホームラン 別角度日本の満塁ホームラン記録は王さんの15本。イチローはこの日のグランドスラムで野村氏、小久保に並んで12本で、4位タイ(日米通算)。

イチロー満塁ホームラン 3日本のスポーツ紙によれば、イチローの場合、ホームランのうちにしめる満塁ホームランの占める割合は約16本に1本と超高率だという。これはかつて満塁男といわれた駒田徳広氏に匹敵する確率だそうだ。
実は満塁男?イチローの驚異的確率!(野球) ― スポニチ Sponichi Annex ニュース

イチロー満塁ホームラン 6

イチロー満塁ホームラン 7

イチロー満塁ホームラン 4マッハGoGoGoは日本の1960年代のアニメだが、アメリカでもSpeed Racerというタイトルで吹き替え版があり人気があった。2008年夏には、あのマトリクスのウオシャウスキー兄弟が監督をして映画にもなった。もちろん、イチローのスピードとひっかけているのだろう。

イチロー満塁ホームラン 5

http://www.youtube.com/watch?v=PMJdRBryHIA&fmt=18


英語実況動画(公式サイト)
http://seattle.mariners.mlb.com/media/video.jsp?content_id=4161017



damejima at 06:36

July 15, 2008

今年のオールスターではイチローにホームラン競争に出て欲しいとの要望があったようだが、7月10日のオークランド戦で城島の尻拭いをさせられたのが原因でイチローは足の痛みを悪化させ、ファンの間で前々から期待感があったイチローのホームラン競争出場は幻となって消えてしまった。イチローの数々の大記録のかかった今年、まったく城島はどう責任をとるつもりなのか。


この試合は投手戦で、7回まで両軍とも無得点。8回の1死1、3塁で打席の回った城島の代打として、この日休養したイチローが打席に立った。スクイズ失敗の後、結果的には四球を選んで1死満塁になるのだが、後続は外野フライすら打てず、得点に結びつけることができなかった。その後シアトルは9回裏2アウトから同点ホームランを打たれ、延長の末、サヨナラ負けした。
よくある話?いや、断言しておく。全くもってそうではない。以下にこの日の馬鹿馬鹿しい経緯をもっと詳しく記録しておこう。

7回表ノーアウト1塁であまりにも打てない城島はバントを命じられたが、失敗してファーストファウルフライ。これが諸悪の始まりである。(もちろん接戦でなくともバント失敗でポップフライは失態である)

この選手の馬鹿さ加減、どういう言葉で表現したらいいか。
ちょうど1ヶ月前の6月11日トロント戦だが、ここでも城島は送りバントを失敗している。このとき城島は試合後なんと言ったか。「反省はしないといけないけど敗因にはならない」無反省にそう言ってのけたのである。それから1ヶ月。おそらくバント練習など全くせず、ただただ漫然と過ごしたのだろう。城島の怠惰なプレー姿勢は、この日の8回のくだらない代打とサヨナラ負けだけでなく、イチローの怪我の悪化を呼び込んでしまう。
バントは小さなプレーだから反省しなくてもいいとでも思っているのか。馬鹿なことを言うな。7月の城島の月間打率はオールスターまで22打数1安打、たったの.045しかないクセに大口を叩ける立場か。
6月11日の記事と城島コメントhttp://blog.livedoor.jp/damejima/archives/300521.html

さて試合に戻ろう。8回の1死1、2塁のチャンスで、6番城島に打席が回ってきた。次打者は打率.212のカイロ。ここでイチローが代打に送られたのだが、この代打、あまりにも奇妙すぎる。
ほんとうに久しぶりの休養日だったはずの3割打者イチローが、7月に1割すら打てない城島の尻拭いをさせられ、それもわざわざスクイズバントのために打席に立って、怪我を悪化させ、オールスターのホームラン競争を棒に振ったのである。

奇妙というからには理由がある。

まずイチローの代打起用だが、城島が一度打席に立ってからの代打スクイズである。こんな中途半端なことは日本でも滅多にみられない。初球がワイルドピッチで1死1、3塁になったせいで、それで急遽イチローが城島の1ボールのカウントを引き継いで打席に立ったのである。
この日イチローの名前は9:30にはDHとしてスタメン表に名前があったようだ。試合に出られないこともない状態だが、いちおう大事をとろう、という意味で変更になり、11:00にはスタメン表から消えていた。そういう大事な休養日だったのだが、城島の尻拭いのために引っ張り出されたのである。

結果からいうと1、3塁でベンチは、城島にタイムリーなど全く期待していなかった。期待したのはバントだが、バント成功すら城島には期待できないと判断したからこそ、イチローを代打起用した。イチローにも最初から決め打ちでバントを命じている。
城島にはバントすら無理というリグルマンの判断は、6月11日と、この試合の7回表の城島のバント失敗が元になっていることはいうまでもない。

この試合のあと、試合終盤に城島に代打が出されるケースは頻発しているが、まさに自業自得。バントを小さなプレーと小馬鹿にしている城島が自分の出場機会を失っていくのは自業自得だが、休養日のはずの先輩イチローに尻拭いまでさせ、怪我を悪化させてしまうとは、城島はどう責任をとるのか。

7月のイチローの月間打率は今年最高の.380である。普通に打ってもタイムリーなら大量点につながるし、犠牲フライはもちろん、内野ゴロでもイチローの足ならダブルプレーが防げて点になる可能性があるし、こういう緊迫した場面ではイチローの俊足で、相手内野手が打球処理を焦ってエラーすることも多々ある。
つまり言いたいのは、1死1、3塁でのベンチの選択肢がスクイズ決め打ち、などということは、イチローに限っては全くありえないということだ。イチローのプレーを見続けている人なら常識だろう。そもそもイチローにスクイズバントなど、滅多に見たことがない。プレーの選択肢が広い選手だから、わざわざ最初からアウトカウントを増やすと決まっている選択は馬鹿げているからだ。


この場面の城島の失態は単に打撃不振からではなく、小さなプレーを小馬鹿にして練習すらしない怠慢さにあるのだが、この失態を隠したいのか、この試合後、城島オタから果てしないほどの理不尽な言い訳が聞こえてきた。

まずは「イチローは城島の代打で出る前から足を痛めていただろう」というもの。
これについては以下のソースを参照してもらおう。イチローは城島の代打で足を痛めたことで、オールスターのホームラン競争を辞退したことが明言されている。これはイチローの通訳のケン・バロンが語った話であって、間違いない。

Ichiro turns down Home Run Derby
http://blog.seattletimes.nwsource.com/mariners/2008/07/ichiro_turns_down_home_run_der.html
Yes, Ichiro was indeed offered a chance to participate in next week's Home Run Derby at the All-Star Game at Yankee Stadium. He was approached earlier this week by MLB officials and said he'd get back to them on it. An MLB source revealed this, so I asked Ichiro -- through his interpreter, Ken Barron -- what was up.

"Yes, I was asked,'' he confirmed to me earlier today. "But because of my hamstring, I decided not to participate.''

That would be the hamstring he felt tightness in this week. Which caused him not to start that series finale in Oakland, though he entered the game as a pinch-hitter for Kenji Johjima in the eighth.


次にこの試合の敗戦の責任は、代打を出された城島のあとマスクをかぶって9回裏に2本のホームランを打たれたバークだ、という中傷。いつもの責任逃れに終始するいつもの城島オタの戯言は、あえなくこの2日後の7月12日に、いつものように笑いものになって終わった。
7月12日ロイヤルズ戦、4-3でリードして迎えた9回裏、城島はデヘスースにサヨナラ2ランを打たれたのである。どちらの試合も投手はモロー、全く似た試合展開。要は急造クローザーのモローが打たれた、それだけの話なのだ。
実際に、7月10日のモローは試合後「カウントを悪くしてしまったのが一番よくない。そうなると相手も次に何が来るのかわかってしまう。(ホームランを打たれた球は)両方とも、ほぼど真ん中」と自分のミスを認めている。
Dickey's beauty spoiled by bullpen
http://seattle.mariners.mlb.com/news/gameday_recap.jsp?ymd=20080710&content_id=3108368&vkey=recap&fext=.jsp&c_id=sea
リグルマンも「この試合はホームランで負けたわけじゃない。チャンスが何回もあったのに、それを生かせなかったことがいけなかった。」と語っている。
リグルマンのいうチャンスを生かせない選手に7回、8回の城島が入っていないわけがない。リグルマンはあきらかに城島を打線のボトルネックと考えている。
http://seattlepi.nwsource.com/baseball/370367_mari11.html

また城島オタは「スクイズを失敗したイチローが悪いので、城島が悪いんじゃない」とまで言い出す始末だったが、この程度の戯言はとりあうまでもない。城島がまともにバントできるなら、そのまま城島がバントしておけばいいので、別にハムストリングのケアで休養しているイチローを使う理由はなにもない。


イチローがなぜホームラン競争に出るのをやめたか?
これでおわかりいただけただろう。城島のせいである。

damejima at 12:24

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