ワカマツ

2010年8月18日、ショーウォルター監督のみせる「父親の走り」の素晴らしさ。
2010年8月9日、オークランド戦で1995年以来15年ぶり10回目のトリプルプレー達成。
2010年8月9日、遅すぎる監督ワカマツ解任。後任をきちんと決めてもいない、この行き当たりばったりな監督交代。目にあまるGMズレンシックの「優柔不断ぶり」
2010年5月10日、打撃コーチ解雇についてのいろいろな反応。
2010年5月10日、解雇された打撃コーチ アラン・コックレルと、新打撃コーチ アロンゾ・パウエルとの実績比較。
2009年9月15日、虚弱スネルを84球で降板させ、「城島リスク」を無視した「タラレバ継投」に失敗、好調ロウを無駄使いするだけでは飽き足らず、負けゲームに投手3人を無駄使いする無能監督の「自殺行為」と、試合後の泣き言&言い訳インタビューを笑う。
2009年9月8日、それまで安定していたローテを壊滅させてまで出場機会増を強行したコネ捕手、再びヘルナンデス登板ゲームに触手。結果、「延長10回裏サヨナラ負け」で、サイ・ヤング賞レースに、ヘルナンデスにとりつきたくてしかたがない厄病神の暗雲が再来。
2009年8月26日、結局「昔のマリナーズに逆戻りするだけ」しか能がない、「ぬるま湯利権つき老人ホーム」。1人分の仕事を無理に2人の選手で回して、結局高額サラリーの老人だけが得をする、不合理きわまりない「ワークシェアリング野球」。
2009年8月18日、パッジこと、イヴァン・ロドリゲスの古巣復帰と、テキサスとシアトルの広がる「格差」。
2009年7月19日、監督ワカマツが「城島問題」の現状と方針について初めて語った。(2)
2009年7月19日、監督ワカマツが「城島問題」の現状と方針について初めて語った。(1)
2009年5月25日、800万ドルもらってOBPわずか.275の城島は2イニングで4失点して速攻負けゲーム、5月スタメン4勝12敗。
2009年5月9日、シルバDL送りの背景を1ヶ月前の「城島の小手先の投球術いじり」に関するミネソタ戦記事に見る。

August 19, 2010

子供の頃、夕暮れに家にあった斧で指に大怪我をしたことがある。

よく指先が飛ばなかったものだと今でも思う怪我だったが、そのときの最も覚えている記憶は指の痛みではなくて、父の「走り」だ。
父は出血し続けている指にタオルを巻きつけると、すぐに僕を背中に背負った。実家は住宅街にあるからタクシーが通りかかることはない。父はそのまま、街で大きめの病院まで一度も休むことなく走りぬいた。

近くの、といっても、数100mはある。地下鉄ひと駅分まではないが、普段は自転車で行くような距離の場所でもある。当時の自分の体重は、覚えてはいないが、小学校高学年ですでに身長が160センチ台後半にのるような子供だ、けして軽かったとは思えない。


父が走り出す前にどこかに電話をかけようとしていた記憶はまったくない。父は119番にもタクシー会社にもかけなかった。父がタオルを指に巻きつけたこと、父が走る背中、父が走りぬけた時間外の病院のロビーの薄暗さ。すべてを鮮明に覚えている。父は電話をかけることより、迷わず自分で走ることを選んでくれた。
いまは指はかすかに傷跡が残っただけで、機能はまったくなんともない。


Oriole Park at Camden YardsOriole Park at Camden Yards

成績不振で監督をクビにしたボルチモア・オリオールズの新監督になったバック・ショーウォルターさんの試合を何試合が見ることができたが、彼が本当に素晴らしい監督さんであることは、アンパイアに抗議に行くときの彼の「走り」ですぐにわかった。
このところのボルチモアの好調さの理由がここにある。本当に彼の「走り」は見る価値がある。

彼はまず、スタートダッシュに迷いがない。
気がついたときにはもうベンチから飛び出している。

そして、のろのろ歩いたりしない。せかせか、せかせか走る。
まっすぐアンパイアに向かう。迷わず走り寄っていく。

そしてなにより、けして背の高くない彼が「この事態をなんとかしてやらねば」と思いつつ懸命に走る、その切実な気持ちが、彼の態度の隅々にとてもよく表れていて、見ていてちょっと涙が出そうになった。



監督にもいろいろなタイプがいる。
ホワイトソックスのギーエンのような「気のいい兄(あん)ちゃん」もいれば、デトロイトのリーランドのような「厳格なおじいちゃん」もいる。

ショーウォルターさんは、さしずめ「父親」だ。
彼の走りっぷりが、まさしく「父親の走り」だからだ。

父親はいざとなったら無心で駆け出していく。もし子供が車にひかれそうになったら反射的に車道に飛び出していく。
「ショーウォルターは選手になにかあったら迷わず飛び出してくれる。」選手がそう確信できる人がベンチにいて自分のプレーを見守っていてくれると思えることが、どれだけ選手に戦う勇気を与えてくれることか。シンプルなことだが、ショーウォルターさんのような、「走り」で気持ちまで表現できる監督さんは、けして多くない。

判定がくつがえるかどうかはたいした問題ではない。ショーウォルターが走る、その「走り」が既に選手へのメッセージになっている。そのことが素晴らしい。
アダム・ジョーンズのサヨナラ・セフティーバントなど、ちょっと以前の大雑把なボルチモアならありえなかったし、以前なら諦めて投げてくれた負けゲームの終盤でも、今の彼らは諦めてはくれない。


シアトルは幸いにしてボルチモアとの3連戦を勝ち越すことができたが、そんなことよりショーウォルターさんの「走り」を見れたことで非常に満足。
もしあれを見逃したMLBファンがいたら、それはそれはご愁傷さま、あんないいものを、君の一生は本当にツキがないね、といいたい。あの「走り」を見たいがためにわざわざカムデンヤーズに通う観客が増えることは間違いない、そう思っている。

これからのボルチモアは楽しみだ。もともといい打者の揃っているチームだが、これからのボルチモアのゲームはアンパイアが誤審をしてくれないと、もったいない。
なぜって、ショーウォルター監督がベンチを光の速度で飛び出して、せかせか、せかせか駆けていくあの姿を見るだけで、高い入場料を払う価値が十分あるからだ。

それくらい、彼の「走り」は素晴らしい。






damejima at 14:01

August 10, 2010

監督ワカマツ解任がようやく決まったこの日の特別な(笑)オークランド戦で、なんと、トリプルプレーが決まった。シアトルにとっては1995年7月13日トロント戦以来、チーム史上10回目。

4回表無死1,2塁から、マーク・エリスのサードゴロをロペスがキャッチして、ベースを踏み、セカンドのフィギンズコッチマンと渡って、トリプルプレー達成。ライナーで飛び出しているランナー2人をアウトにしたのではなく、ダブルプレーの延長のような「ゴロのトリプルプレー」は珍しい。オークランドがトリプルを食らうのは8回目。

10数年に一度の珍しいプレーなわけだから、やはり監督が変わることは、チームに新しい流れや雰囲気をもたらすのだろう。ダレル・ブラウンにとっては、新監督としての就任のギフトになった。

動画
http://mlb.mlb.com/video/play.jsp?content_id=10798463

GameDay
Oakland Athletics at Seattle Mariners - August 9, 2010 | MLB.com Gameday


それにしても、下の記事でデータを挙げたように、低迷する打撃成績のチームにあって打撃面で気を吐いてきたマイケル・ソーンダースをなぜスタメンで使わないのだろう。
首の痛みが引いていない、というのなら代走での起用もわかるが、もしそうでないなら、せっかくバッティングに進境ぶりがみえてきたのだから、絶対にゲームで使って慣れさせるべきだ。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年8月8日、打てないチームなのがわかっていて、それでもマイク・スウィニーをフィラデルフィアに売り飛ばしてしまうズレンシックの「素晴らしい見識」。

今日レフトの守備についているランガーハンズも使って能力を引き出してほしいプレーヤーのひとりだが、彼をファーストで使えばレフトはソーンダースでなにも問題ないのに、打てもしないコッチマンの1塁手起用にこだわりすぎるから、こういうおかしなことになる。






damejima at 12:40
なんという「行き当たりばったりで、優柔不断で、遅すぎる監督交代」だろう。


シアトル・マリナーズが、監督ワカマツ、ベンチコーチのバンバークレオ(元西武のプレーヤーでワカマツと同時期にオークランドの打撃コーチ)、投手コーチのリック・アデア、コンディショニングコーチのスティーブ・ヘクトをクビにした。
ワカマツの臨時の後任は、マイナーを4年間指導してきたダレン・ブラウン。ベンチコーチの後任は、タコマの捕手コーディネーターだったロジャー・ハンセン(元オリックスの人)。
シアトルはすでに、野球よりフットボールの実績のほうがよほどあるという不可解な打撃コーチのアラン・コックレルを解任して、マイナーの打撃コーチだったアロンゾ・パウエル(90年代に中日で3年連続首位打者)を後任にあてている。
だから、これでシアトルはタコマから指導スタッフをそっくりメジャーに上げてきたような形になる。

Mariners replace Wakamatsu with Brown | Mariners.com: News

最近監督を変えたボルチモアのショーウォルター新監督がエンゼルスを鮮やかに3タテした好例を見たばかりだ。
打撃はいいが投手がダメなことでMLBファンに有名なボルチモアだが、そのボルチモアの3人の先発投手が、3人が3人とも、見違えるような切れのいいピッチングをみせたのだから、野球のようなチームスポーツにおいては選手の発揮する力というものは、オーケストラと同じで「指揮者」によって大きく変わることがあることがよくわかるのである。


なぜシアトルと無能GMズレンシックは「どうせ交代させるとわかっているダメ監督」をクビにするだけの簡単な作業なのに、もう少しマシなやり方、スマートなやり方ができないのだろう、と思う。


先日、たしか先週の火曜日に無能GMズレンシックは現地の記者に
「ワカマツを解任しないのか?」と質問されて
「今は彼が監督だ、ごにょごにょごにょ」とか、あたかも今シーズン中は解任しないふうなナマ返事をしていたはずだ。
それが、誰から「ワカマツをクビにするように言われた」か知らないが、二枚舌の根も乾かないうちに、そして後任もしっかり決めてもないのにワカマツをクビにするのだから、呆れかえってモノがいえない。

どうせマリナーズのことだから、次の監督の目星もつけてないのだろう。ボルチモアのファンに怒られるが、ボルチモアでさえできるのに、なぜシアトルにはできないのだ。
ずっとマイナーの監督だった人間を代理監督にもってくるような、この「慌てふためきぶり」
最初にクビになったのは打撃コーチのアラン・コックレルダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年5月10日、打撃コーチ解雇についてのいろいろな反応。
そして、ワカマツ、バークレオ、アデア。
以前、マイク・ハーグローブが辞任したときは当時のベンチコーチだったマクラーレンが臨時監督になって、翌年の開幕も監督をやったわけだが、今回は監督・ベンチコーチ・投手コーチまとめて解任だから、責任の重さが違う。


なぁ、ズレンシック。
はやく決断力のカケラもないアンタ自身が辞任しろ。

「このチームが向かうべき方向に向かっていなかった」だの解任を説明したらしいが、その元の原因を作ったのは、あなた自身だ。







damejima at 11:33

May 11, 2010

打撃コーチ アラン・コックレルの解雇について、いろいろ反応がでているので、ちらほらまとめておく。


まず某巨大掲示板の書き込みで
「コックレルは、シアトルの打者に待球(quality-at-bat)を強く求めすぎて、打者がみんな絶不調に陥った」
というような意味のことを書いている人がいることについて。

どうもコックレル自身がインタビューかなにかで「自分は打撃コーチとしていつもシアトルの打者にquality-at-batを(=四球を選んで行けと)命じていた」とでも発言したソースをもとに、そういう意見を吐いているらしいが、どうもソースの英語の解釈の間違いが根本にありそうな気がする。
そもそもquality at-bat(quality-at-batとも表記する)とは、投手に球数を投げさせることだけでなく、ランナーを進める進塁打を打つことなどを含めたトータルな意味、つまり、日本語でいう記録に表れない「チームバッティング」をさしているはずで、どこでどう間違えて「コックレルがシアトルの打者に四球を選ぶことを強要した」という話になるのかが、どうもわからない。(ソースが見つからないせいもある。ソースが見つかったら書き換えるかもしれない)

たしかに、シアトルの近年の出塁率は酷すぎたのは誰でもわかることで、2010年のシアトルは「出塁率アップ」を図る必要が強くあった。セクソン、ダメ捕手城島、ベルトレのようなフリースインガーの右打者たちは、広いセーフコには全く必要なかったし、そもそも獲得するべきではなかった。
だが、出塁率アップをめざすにしても、その方法が、イコール、四球を増やすことだ、なんていうあり得ないほどの短絡的発想で、とてもじゃないが野球なんかやってられるはずがない。(もちろん、コックレル自身が本当に打者に四球を選ぶように強いていたというのなら、話は別だが)

ちなみに、新しい打撃コーチのアロンゾ・パウエルは、くしくもこのquality-at-batという言葉を使ってこんなことを言っている。
Another Bill Robinson axiom that stuck with Powell: Strive for one high-quality at-bat per day.
“I’ve never forgotten that,” Powell said. “If everybody has one quality at-bat every day, collectively, as a group, you’ll have a chance to win.”
McGrath: Powell will 'try to keep things simple' for Mariners | Seattle Mariners - The News Tribune
もしもパウエルの言うquality at-batという言葉の意味が「四球」という意味なら、パウエルも「打者は毎ゲームひとつは四球を選ぶようにしたほうがいい」と指導しようとしていることになるわけだが、どうだろう。



次に選手たちの反応。

ジャック・ウェイルソンの怪我で、代役としてスタメン起用されはじめたショートのジョシュ・ウィルソンは、コックレルをだいぶ慕っていたらしく、ジャック・ウィルソンの代役でスタメンで出られたLAAとのカード最終戦でホームランを打った後、"bittersweet."と、ホームランを打てた嬉しさと、コックレルの去った辛さの入り混じった複雑な心境を語った。
Steve Kelley | Wilson's big day tribute to fired hitting coach | Seattle Times Newspaper
だが、ブログ主に言わせれば、「ジョシュ、君がスタメンで出場し続けたいなら、コックレルが解雇されるような状態は、むしろかなりプラスなんだよ?」といいたい。
昔なら、セクソン城島、最近ではバーンズなんていうゲテモノ、あるいは力の衰えたグリフィーなんかをスタメンで使い続けるくらいなら、タコマ出身の若手選手にチャンスをやったほうがよっぽどいいとかねてから思っているが、残念ながら、シアトルは若手になかなかチャンスを与えないチーム体質だ。
だから、若い選手がチャンスをつかめるのは、1軍の選手やコーチがクビになるほどの劣悪な状況にならないと難しい。問題を起こすか、怪我でもするかしないと、タコマ出身の若手にはチャンスが巡ってはこないし、チームが変わっていけない。
そういう意味で、ジョシュ・ウィルソンやソーンダーストゥイアソソポなどの控え選手たちにとっては、人情としてはどうであれ、今回のチームの打撃不振にまつわるチームの内部粛清は、プラスのはず。
ジョシュ・ウィルソン、ちょっと人情家すぎる。


マイク・スウィニーは、打線の現状の酷さを認めつつ、「(打撃の低迷は)プレーヤーの責任であって、打撃コーチの責任ではない」と語った。
I know our offense hasn't had a heartbeat, but it's not due to Alan Cockrell. It's us, the players.
Mariners | M's fire hitting coach Cockrell, promote Powell | Seattle Times Newspaper
スウィニーはリップサービスでこういうことを言うタイプの男ではないだろうし、心からそういう風に思って発言している、とは思う。
しかし、男らしさでバッティングが良くなるわけではない。ちょっと楽天的すぎる。スウィニーは、首が寒い、つまり自分の解雇やマイナー行きに怯えているプレーヤーがたくさんいて、クラブハウスの雰囲気が重たい、というような意味のことも言っているが、とにかく打つしかないのである。クビになるべき人はクビになる。それがプロだ。
打たない選手がクビにもならずに、むしろベンチで悠々としていて、年に8Mも給料をもらっている2009年より、クビにならないかとビクビクしている2010年のほうが、チームとしてよほど正常だ。
"Looking around this clubhouse, there's a ton of players that deserve to get fired before he did and I'm one of them. I know our offense hasn't had a heartbeat, but it's not due to Alan Cockrell. It's us, the players.


次に監督、コーチ。

解雇されたコックレル自身は、どういう風に今回の解雇をとらえているだろう。シアトルの地元紙ではなくて、コックレルの自宅のあるコロラドの地元紙にこんな記事があった。
“Baseball is in my blood,” Cockrell said Monday morning while packing boxes at his apartment in Seattle, “but there are other things more important than baseball. The biggest thing in life is your family and the amount of time you spend with your family.“ (一部省略)
He refuses to offer excuses and sidesteps the word “scapegoat.”
“It’s a word that’s going to come up,” he said. “But it was my job to get those batters physically, mentally and mechanically loose and free and when that doesn’t happen, they have to point the finger somewhere.”
Ramsey: Cockrell, fired by Mariners, thrilled to be coming home to Springs | ramsey, cockrell, fired - Sports - Colorado Springs Gazette, CO
コックレルのコメント部分は見た目には「家族と過ごす時間の大切さ」を語っているわけだが、記者のコメント部分も含めて読めば、どこをどう読んでも、「コックレルはチーム不振のスケープゴートにされた」と言わんばかりの記事のつくりではあるわけで、なかなか巧妙ではある(笑)
「シアトルでは、野球以外のことで物事が決まってしまう」という言葉は、これまでも(誰だかは忘れたが)何度も耳にしたセリフでもある。
だが、正直、彼のコーチとしての実力が、メジャーの打撃コーチに見合うものになるのは、もっと先の話だという気がする。


最後に監督ドン・ワカマツの談話。
"No. 1, he's qualified," Wakamatsu said of Powell. "No. 2, he's done a lot in this organization, being the minor-league coordinator, to the Triple-A hitting coach. As you look at this lineup today, several of those guys he's worked with first-hand, so there's a comfort level. I think it is important that you look within your organization first."
Mariners Blog | Mariners dismiss hitting coach Alan Cockrell | Seattle Times Newspaper
organizationという単語を何度も何度も使っているのが、どうも不愉快に感じてしょうがない。
なんというか、会社の中間管理職のオッサンが何か言ってるみたい。長いことorganizationに貢献してきたのが、彼を打撃コーチに昇格させた理由、とでも、語っているようにしかみえないのだが、もっと他に言い方はないんだろうか。


まぁ、とにかく、今のままじゃ、打てないグリフィーを、打てないチームの誰が責められるのか、なんて意味のわからないことを他所から言われてしまう。たいへんくだらないマイナス思考である。
Mariners' Ken Griffey Jr. reportedly dozed off during game, but who could blame him? | OregonLive.com
早く若手が打ちまくって、ご老体グリフィーを引退に追いこんでもらいたい。
そのほうがグリフィーのためでもある。






damejima at 20:15
なんとか勝率5割を維持していた2010シアトルの4月末から連敗して低迷しだした原因は、誰がみてもわかるとおり、打線にある。4月末のホワイトソックス戦(ビジター)の連続サヨナラ負けスイープのショックもあっただろうが、根本的にはやはり、あまりにも打てなさすぎる打線にあった。
3点台中盤を維持しているチーム防御率のリーグ順位を見てもわかるとおり、投手陣は全体としてはよく頑張ってくれている。
投高打低のチーム状態は去年とまったく変わっていない。というか、昨年もダメだった打線の低迷はほとんど何も解決されていない。グリフィーやロペスにクリーンアップを任せたり、ロスターに2人もDHがいる愚策も相変わらずだ。


その打撃低迷の責任をとらされる形で、打撃コーチAlan Cockrell アラン・コックレルが解雇され、かわりに3Aタコマで打撃コーチをしていた元・中日ドラゴンズの3年連続首位打者、アロンゾ・パウエルにメジャーでの打撃コーチの椅子が巡ってきた。
この顛末については、既に某巨大掲示板などでは詳しく触れられ、コアなファンは事情をよく知っているわけだが、後で今シーズンあるいは2009シーズンを振り返る上で重要な話、つまり、チームのマネジメントの失敗や、打撃の指導方針の失敗についての話が少し含まれているので、今のうちに簡単なメモを残しておこうと思う。


まず、クビになった打撃コーチアラン・コックレルの経歴だが、フットボール選手として高校から大学にかけて大変に有能で非凡な学生生活を送った人なのだが、NFLではなく、MLBに進んだ。その後は、33歳でメジャーに上がるような長い下積み生活を送っただけに終わっている。ここが彼の指導力を見る上で、ひとつのポイントかもしれない。
アラン・コックレルの経歴
Alan Cockrell - Wikipedia, the free encyclopedia

高校時代のコックレルはQBとして3499ヤードのパスゲイン、44回のタッチダウンパス成功という華々しい活躍だけでなく、1541ヤード、36回のタッチダウンというラッシングを記録し、キッカーとして8回のフィールドゴール成功するなど、おそるべきスーパープレーヤーだった。
その後コックレルは奨学金を得て、ホール・オブ・フェイマーのNFLプレーヤー、レジー・ホワイトや、NFLのMVPを歴代最多の4度獲得している名QBペイトン・マニングを輩出してきたカレッジフットボールの名門テネシー大学に進んだ。
テネシーでもコックレルは大学史上初の「ルーキーであるにもかかわらず先発したクオーターバック」になり、この記録はその後も、コックレル自身とペイトン・マニングを含め、4人しか達成していない。
University of Tennessee - Wikipedia, the free encyclopedia

だがフットボーラーとしてはスーパールーキーだったコックレルだが、野球ではダメだった。

コックレルがドラフトされたのは1984年で、サンフランシスコ・ジャイアンツが外野手として1位指名した(全体9位)。84年ドラフトではオークランドがマーク・マクガイアを1位指名(全体10位)しているのだが、コックレルはいちおうマクガイアより期待度が高かったことになる。
しかしそんなコックレルがMLBでメジャーデビューできたのは、ドラフトから12年たった96年のコロラドで、出場はわずか9ゲームのみ。年齢はなんと33歳でのメジャーデビューであることからもわかる通り(怪我の長期療養かなにか、事情があったのかもしれないが)、彼に野球の才能は無かった。
Alan Cockrell Statistics and History - Baseball-Reference.com

コーチとしてのコックレルだが、2006年から3シーズン、コロラドの打撃コーチを務めた。2007年にコロラドはチームとしてナ・リーグ最高打率を記録し、リーグ優勝してワールドシリーズ進出を果たした。
だが、翌2008シーズンにはシーズン74勝88敗という不甲斐ない成績に終わり、チームは打撃コーチのコックレルはじめ、ベンチコーチ、三塁コーチの主要コーチ3人をクビにした。
Disappointing season costs three Rockies coaches their jobs - MLB - ESPN

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一方、コックレルの後任のアロンゾ・パウエルだが、彼は経歴的にシアトル、そして日本とたいへん縁が深い。
メジャー現役時代には91年に新スタジアムのセーフコが出来る前のキングドーム時代のシアトルで、ユーティリティ・プレーヤーとして57ゲームに出場した。(打率.216 OBP.288 SLG.369 OPS.657)
メジャーでのパウエルのスタッツ
(1987年、1991年)

Alonzo Powell Statistics and History - Baseball-Reference.com

91年はまだア・リーグが3地区制になる前の2地区制時代で、シアトルは83勝79敗で7チーム中の5位。当時のロスターは、野手に、サード守備についていた時代のエドガー・マルチネス、ショートに守備の名手オマール・ビスケール、マリナーズ時代のグリフィーがいて、投手には、当時シアトルに移籍して3年目の若いノーコン投手時代のランディ・ジョンソンがいた。ランディ・ジョンソンはこの年に152もの四球を出している(笑)
参照:ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年1月6日、豪球ノーコン列伝 ランディ・ジョンソンのノーコンを矯正したノーラン・ライアン。 ノーラン・ライアンのノーコンを矯正した捕手ジェフ・トーボーグ。 捕手トーボーグが投球術を学んだサンディ・コーファクス。

1991年当時のシアトルのスターター
C Dave Valle
1B Pete O'Brien
2B Harold Reynolds
SS Omar Vizquel
3B Edgar Martinez
LF Greg Briley
CF Ken Griffey Jr.
RF Jay Buhner
DH Alvin Davis
1991 Seattle Mariners Batting, Pitching, & Fielding Statistics - Baseball-Reference.com

アロンゾ・パウエルは、91年にシアトルで57ゲームに出場した後、シアトルの3Aタコマから日本のプロ野球、中日に移籍。94年から96年に外国人選手として初の3年連続首位打者を獲得している。
現役引退後は、シンシナティのマイナーの打撃コーチを経て、かつての所属チームであるシアトルで、3Aタコマの打撃コーチになった。
アロンゾ・パウエル - Wikipedia

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この2人のコーチのどちらが打撃コーチとして有能かは、やってみなければわからない問題。
だが、フィラデルフィアの監督チャーリー・マニエルのように、メジャーでの現役経験と日本野球のフィルターを両方経験してアメリカでコーチや監督になって成功している人も増えている現状もあるし、アロンゾ・パウエルの可能性のほうに、より期待感がある。

とりわけコックレルとパウエルの2人を比較してみる上で大きいと思うのは、1軍プレーヤーとして実際のゲームを数多く体験してきたアロンゾ・パウエルには「経験」という大きな財産があると思う。
パウエルの実績は日本でのもので、メジャーでの実績ではないと思う人もいるかもしれないが、タコマでパウエルに指導を受けた経験のあるマイケル・ソーンダースなどはパウエルの日本での実績を指して、He was a great hitter. と言っていて、タコマ出身の若手などはパウエルの日本での成績をきちんと知っているし、評価もしている。
2人がメジャーで経験した試合数はたしかに50歩100歩なのだが、パウエルが経験した91年のシアトルは、リーグ5位とはいえ、有能なプレーヤーがひしめいた時代の経験値だし、また、なにより、パウエルの日本での3年連続首位打者は伊達ではない。
Mariners Blog | Mariners dismiss hitting coach Alan Cockrell | Seattle Times Newspaper


かたや現役での実績が無いに等しいコックレルの実績といえば、もちろん、コロラドでの2007年のワールドシリーズ出場なわけだが、その1年だけで彼のコーチとしての優秀さが証明されたわけではない。現に、彼は2008年に解雇されている。
もちろん現役時の成績がふるわない名監督もたくさん存在しているわけだが、40代の彼に、ただでさえ監督経験の浅いワカマツのパートナーを任せるのでは、あまりにも心もとない。(もちろん、本来クビにすべきなのは、アーズマに2イニング投げさせて逆転負けしたりするダメ監督のほうなのだと思うが)
単年しか活躍したシーズンがないのに、セクソンやベルトレに大金を払ってしまうのと、ちょっと似ている。

加えて、
日本のシアトルファンが既に発言しているように、シアトルのバッティングの酷さは2009年にもあった大きな問題なわけであって、打撃コーチに責任をとらせるのなら、なぜ2010シーズンが始まってしまう前に解雇しておかないのか、という意見に賛成だ。
2009シーズン後にコックレルを解雇していたら、そのほうがよっぽど理にかなっていた。2009シーズンの打撃コーチをそのまま2010年も引き続き使ってしまうチームマネジメントにも問題がある。


シアトルというチームはいつもそうだが、風邪が相当悪化し、肺炎になって、手をつけられない状態にならないと、病院に行って手当てをしない。つまり、チームの問題がそうとう顕在化、悪化して手をつけられない状態にならないと対策を始めない。「城島問題」もそうだったが、本当にこのチームの悪い癖だ。






damejima at 19:18

September 17, 2009

ダンナの給料日に、給料全部を使い果たして豪勢な夕食を作ってしまい、翌日からはカップ麺を食わせる、なんのヤリクリ能力もない、ガキみたいな主婦。しかも、その豪華なはずの夕食も「塩加減」を間違えていて、食えたものじゃない。

そんな「ヤリクリ」の下手な主婦のダンナだったら、たまったものじゃないが、シアトルの監督のワカマツは、そういう「ガキ主婦」だからしょうがない。



9月15日のホワイトソックス戦後のインタビューは、なにげないセリフではあったが、ハッキリとわかったことは「この新人監督は、ただの新米主婦に過ぎないこと」がよくわかった、ということ。
この監督、正確に先を読み、ヤリクリ上で諦めるしかない部分はスッパリ諦め、使うべき場面では人材を的確に使って、現状戦力を有効に使いきれる手腕など、まったくない。
ただの、慌てモノ。決断力もない割りに、言い訳が多いし、贅沢なことを言う。

この監督では勝率はけして上り詰めることはない。4勝3敗だの、4勝5敗だのを永遠に続けるのが精一杯だろう。

インタビューでは、自分のミスは認めず「7回をまかせられる投手が手元にいないから負けた」と言わんばかりだが、「タラレバ」で監督業は務まらないし、パーツが足りないから補充してくれとか「泣き言」を言えるのは、監督自身がヤリクリの手腕を示してからの話だ。

料理の下手な主婦にフカヒレやフォアグラは全く必要ない。白菜とキャベツでうまい料理を作れるようになってからの話だ。


Mariners Blog | Mariners' loss to White Sox takes a toll | Seattle Times Newspaper

"This game was a lot about the bullpen, obviously,”Mariners manager Don Wakamatsu said. "You win games by getting your closer in the ballgame."
マリナーズの監督ワカマツは「明らかにこのゲームは、ブルペンには荷が重かった。勝利はクローザーを投入してこそ得られる」と言った。

Noting that Aardsma has pitched just once in the last 10 days, he added, "We have to find the guy that's going to step up and give us a solid seventh."
アーズマがこの10日間たった一度しか投げていないことに触れ、ワカマツはこう付け加えた。「ステップアップして、安定した7回を生み出してくれる投手を、我々は見つけなければならない。」


何を言っているのだろう、このアホ。(こんな言い訳話を、これっぽっちも批判しない地元メディアも、まったく機能もしてないとしかいいようがない)
まず、継投をおかしくしたのは、ワカマツ自身の決めた「先発スネルの早すぎる降板」だ。

ワカマツは、クレメントとセデーニョを安売りして獲ってきた虚弱投手スネルを、たったの84球(6イニング)で降板させている。
この過保護投手、シアトルに来てから、一度も7イニング投げたことがない。甘やかすのも、いい加減にしろといいたい。スネルは100球投げられないのではない。実際、8失点した8月11日のヤンキース戦(捕手城島)でさえ109球投げ、直近9月9日のLAA戦でも負けたが、100球投げている。

というのに、ワカマツは1点差のシチュエーションで過保護のコネ捕手同様の「過保護投手」スネルを、84球で降板させてしまったことで、7回、8回、9回と、3イニングもの間、最少得点差をコネ捕手城島マスクで守りきらなければ勝てない「選択」をした。

こんな選択、そもそもありえない。
リスクを抱えすぎ、という程度ではない。
まず成功しない。ただの「自殺行為」だ。
(関係ないが最近ホームの観客が激減した理由の大半は、この「自殺行為」の多さにあるとみている。トレード、采配、城島、選手起用。観衆は馬鹿じゃない。)

まず基本的に「CERA5点のコネ捕手城島マスクのゲームで、1点差をゲーム終盤の3イニング守りきるという選択」それ自体が、「チームの自殺行為」なのはわかりきっている。

ゲーム終盤にロウを投入しようが、アーズマを投入しようが、この「コネ捕手城島リスク」はついてまわる。ついこの間のヘルナンデス登板試合で、キャッチャーを城島に代えてサヨナラ負けしたのを、ワカマツはもう忘れたのか。


「1点差を3イニング絶対に守る選択」が可能になるのは
「キャッチャーが城島ではない」
「ホワイト、ロウ、アーズマの3人がブルペンにいるか、または、ロウが2イニングを投げられる疲労度にある」
「彼らの調子が悪くなく、イニングをまかせきれる」

という特殊な場合のみだ。

おまけに、こんな「贅沢な料理法」は、5人のローテで毎試合使えるわけじゃない。日本のプロ野球阪神のJFKシステムとは違う。

そもそも不完全な継投であっても競った勝ちゲームをモノにできる手腕が監督になければ、勝率を大きく上向かせることなど、できるわけがない。


ワカマツは7回にケリーを投入した。
コネ捕手城島マスクのゲームにケリー投入で無駄にリスクを犯し、さらに、よせばいいのにロウを無駄使いしてまで失敗したのは、「城島問題」の認識の甘いワカマツ自身のミスであり、ワカマツの責任だ。

もしケリーが7回を抑えていたら、ロウ、アーズマと投入して、試合を終わらせられるとでも思ったのだろう。だが、そのケリーが抑えられなかったから、7回をきちんと抑えられる投手がいれば勝てた、と言い訳したわけだ。

だが、そもそもケリー投入にはリスクがあり、そのリスク回避の方法もあったにもかかわらず、その両方をケアせずギャンブルして負けたのは、ワカマツのミスだ。

復帰後のケリーが、理由はわからないが、復帰前のケリー自身や、好調時のホワイトほど、安心できる投手ではなくなったことは、誰でもわかっている。そのケリーを1点差ゲームの終盤で投入する、ということは、今の時点では「リスクを覚悟する」という意味にしかならない。

また最近のゲームを点検すればわかるが、ロウはこのところよく2イニング投げさせられている。スネル先発の1点差ゲームをどうしても勝ちたいのであれば、7回アタマからロウという選択もあったわけだが、ワカマツはあえてそうはしなかった。

また7回にケリーをロウに代えるタイミング自体、おかしい。
ランナー1,2塁のピンチだったが、ケリーが三振をとって1死にしてから交代させている。三振をとれたケリーを続投させてもいいわけだが、ワカマツは急に肩を作ったロウを登板させ、結果、打たれている。


ダメ主婦が、調理法を知りもしない食材をドカスカ鍋に放り込んで、意味のわからないまま煮込んでいるのと、まるで同じ。コネ捕手城島マスクの1点差ゲームが、こんな「タラレバ」で勝てると思っているのか。

この監督、結局「城島問題」を本当に甘く見たままシーズンを過ごし、ミスを犯し続けている。


ホワイトソックス第一戦では、結果的にロウまで無駄使いしてしまい、ロウがこのあとのローテで投げられるゲーム数を限定してしまった。さらには7回に3点とられて負け試合になっているのにもかかわらず、メッセンジャー、オルソン、バティスタと、3人も投手を使ってしまい、これからのゲームで使うセットアッパーがいなくなってしまうような無駄なことをする。

馬鹿としかいいようがない。


プレイオフ進出の可能性など全くないのがわかりきっているのに、セプテンバーコールアップで上げてきた選手(正確にいうと、マイナーにも人材が枯渇しているにしても)が、オルソンだの、バルガスだの、もうメジャーで結果のでてしまった「終わった投手」ばかりで、可能性のある若手を試しもしないクセに、「7回を抑えられる中継ぎが欲しい」?(失笑)笑わせてくれる。

コネ捕手とワカマツはキャベツの千切りでもして料理の練習でもしておけ。話はそれからだ。






damejima at 09:39

September 09, 2009

自分の球を受けるパートナーをロブ・ジョンソンに指名することで、2009年にようやく厄病神から逃れることができ、サイ・ヤング賞を狙える「本来の彼の実力の位置」にまで昇ってこれた先発ヘルナンデスだが、またしても彼のもとに疫病神が再来した。

ダメ監督ワカマツは、まるで意味のない9回表の代打攻勢から、9回裏にキャッチャーをコネ捕手城島に代えてしまい、9回裏はアップアップ。

そして延長10回裏には、このシーズンオフにはクビになってチームに存在するはずのないバティスタをわざわざ登板させ「予定どおりのサヨナラ負け」。

バティスター城島、このクズ・バッテリーで、この3年間、どれだけ、何ゲーム負け続けてきたと思っているんだ。


バティスタの被打率その他
ロブ・ジョンソン 被打率.241
          OBP.353 SLG.333 OPS.686 HR1
城島       被打率.310
          OBP.413 SLG.492 OPS.905 HR6
Miguel Batista 2009 Pitching Splits - Baseball-Reference.com



ヘルナンデスにしてみれば(そしてファンも同じ気持ちだが)、「疫病神」とはもう関わりたくない、そういう気分だろうが、9回表の逃げ切りのチャンスに、グティエレスと並んで今年の最大の収穫の一部であるジョシュ・ウィルソンやロブ・ジョンソンに変えて、打てもしないグリフィーや、ついこの間メジャーに上げてきたばかりのカープを代打に出してチャンスを潰すのだから、ワカマツは本当にどうかしている。

いまAAA首位のタコマからわざわざ上げてきた若いカープの漫然とした、なんの目的も感じられない起用ぶりを見てもわかるとおり、このチームは、あいもかわらず、「いまだに」ワイルドカードを狙っている「つもり」でいるのか、それとも9月を若手を試して来期に備えて過ごすのか、そんなことすら内外にもまったく表現することもせず、ただただ漫然と、「その日暮らしのゲーム」をこなしている。
セプテンバー・コールアップと、この9月のゲームをどこまで無駄にするつもりか。


馬鹿か。ワカマツ。
コネ捕手は早く日本に帰れ。

Seattle vs. LA Angels - September 8, 2009 | MLB.com: Gameday


このところ、シアトルが最初の監督歴というド素人さんのワカマツも、代打を出すことは手法として覚えだしたようで、彼のこのところの「マイ・ブーム」のようだが、そんな場当たり的な手法が成功することなど、オールスター後ほとんど見たことがない。数字の裏づけもなにもない。そんなものは野球の戦略でもなんでもなく、ただの「ワカマツの思いつき」だ。
ワイルドカードに出る資格も能力も、決断力も何もないダメ監督だということはもうわかったから別にいいが、今日のゲームはまるで「バベジ時代」「シーズン100敗時代」「コネ捕手城島正捕手時代」の野球の再現フィルムのようなゲームだ。


今日のゲームでは2−2の同点にぎりぎり追いついた9回に、1死1,2塁のシチュエーション。
ここでワカマツのやったことといえば、一時打撃のよかった得点圏打率.269ジョシュ・ウェルソンに、打率.218、得点圏打率が.195しかないグリフィーを代打に出すこと。

予想どおり、三振


さらには、ワイルドピッチでの2死2、3塁。

この場面で、ワカマツのやったのは、得点圏打率.281のロブ・ジョンソンに、得点圏打率ゼロ割、ランナーズ・オン打率も.143しかない、9月にメジャーに上がったばかりの新人カープを代打に出すこと。

案の定、ピッチャー・ゴロ。



何がしたいのか。


ワカマツは「信頼」だの「チームのため」だの、そういう言葉をやたらと使いたがるが、選手を最後まで信頼して使いきれていないのは、ほかの誰でもない、アンタだ。ワカマツ。

各バッターの得点権打率
ジョシュ・ウィルソン .269 26打数7安打8打点
グリフィー      .195 82打数16安打26打点
ロブ・ジョンソン   .281 57打数16安打21打点
カープ        .000 3打数0安打0打点


去年までズレンシックのいたミルウォーキーに在籍していた、打撃の全くダメなビル・ホールをどれだけかわいがっているのかなにか知らないが、移籍後の打率が.208しかないビル・ホールをしきりにゲームに出したがる。また、クレメントの安売りで獲った、ジョシュ・ウィルソンに比べて打てるわけでもなく、今日の9回裏には致命傷になりかねないスローイング・エラーまで犯したジャック・ウィルソンも、やたらとゲームに使いたがる。

これらの出来損ない、いつまで使うつもりなのか。


なのに、一時打撃がかなり調子がよかったジョシュ・ウィルソンをスタメンから下げてしまい、たまにスタメンに使う程度にしてしまい、うっかりするとチームで最も好調だったジョシュ・ウィルソンの打撃はすっかり「冷めたスープ」のようになってしまった。
そのジョシュ・ウィルソンに出した代打というのが、打率.217しかないグリフィーだから、ワカマツの才能の無さにはほとほと呆れ返る。

どこのチームに「打率2割の打者」を代打で送り出すチームがある。

まぁ、まだ、グリフィーなら前半戦のような「マグレ」もあるかもしれない。
だが、得点圏打率が2割8分あって、ここぞというときに強いバッターなのがわかっているロブ・ジョンソンに、得点圏では一度もヒットを打ったことがなく、ランナーのいる打席での打率も2割ないカープを代打、ときた。

馬鹿も、ほどほどにしろ。




そして
9回裏以降、ワカマツはキャッチャーをコネ捕手城島にかえた。


結果はローテをチームに破滅的にいじってもらい、出場機会を強引に増やしてもらったコネ捕手城島のサヨナラ負けだ。


この「ゲーム終盤にキャッチャーを変える」という馬鹿げた手法で、2008年9月にどれだけ負け数を増やし、シーズン100敗につながったか、ワカマツは記録をなにも見ていないか、分析能力が無いか、どちらかだろう。

結局、このダメ監督は「城島問題」を含め、このチームの問題がどこにあるかを理解することもなく、漫然と戦い続けている。
おそらく地元メディアも、日本のメディアやファンも含め、2位という結果を誤解したまま終わって翌年にシーズン100敗した2007シーズン同様に、今シーズンの結果を、監督の能力、またコネ捕手城島の「5月」「7月」の2度にわたって犯した犯罪的ともいえる大失態を、大きな誤解をしたまま終わることだろう。


ついにはヘルナンデス登板ゲームにまで手を出したコネ捕手城島。シアトルというチームの馬鹿さ加減、そして
コネ捕手城島の、果てしないまでの強欲さ、貧乏神ぶりを
このゲームに見た。







damejima at 17:33

August 27, 2009

トレードでいじくりたおした挙句、できたのは、
むやみに振り回すだけでマグレのホームランでしか点のとれない打線やら、オーナー利権に守られたクソみたいな高給取りのコネ捕手やら。

バベジ時代そのまま。その、まん、ま。
なんのかわりばえもしない。

契約の利権で守られた選手。物事の本質の見えてない、馬鹿な御用聞きの地元メディア、日本の解説者。
5月の大敗と、7月の裏ローテでの大敗続きに大きな責任のあるコネ選手が、涼しい顔して、秋にはスタメンに戻して、チーム解体中の地区最下位チームに連勝したらお祭り騒ぎで持ち上げる。

だからなんだ。
馬鹿なのか、おまえら。


不良債権のセクソンがグリフィーとスウィニー(あるいはグリフィーとブラニヤン)に、同じく不良債権のウィーバー兄がシルバに。ベルトレの仕事は、攻撃はブラニヤン、守備はハナハンに2分割。ベタンコートの役割は、2人のウィルソンに2分割、ウオッシュバーンの仕事はフレンチとスネルに2分割。ブルームクイストやミゲル・カイロは、ランガーハンズとビル・ホールに、アダム・ジョーンズがフランクリン・グティエレスになって、そして、地方公務員かド田舎の役場の職員みたいな城島だけはたいした処分もされず、無神経に居座って(仕事だけは、正捕手が本来ひとりでこなす分の仕事を、ロブ・ジョンソンにシーズンの大半かたがわりさせておいて、城島は楽をして美味しいところどり。結局2分割)、結局この大根役者だらけの劇団の演じる中身は、「見た目の人数」が増えただけで、仕組みも役割もなにも、まったく、すこしも、どこも、変わってない。

いろいろなポジションでダブっている選手が余りまくっているが、それは偶然じゃない。「あらゆるポジションについて、ひとりの選手でできる仕事量(例えば攻撃と守備)を、2つ(攻撃的な選手と守備的な選手)に分割して、大勢でシェアして、あらゆるパズルピースを2個ずつ揃えた」のだ、選手が余るに決まっている。
グリフィーとスウィニー、2人のウィルソン、ソーンダースとランガーハンズ、城島とロブ・ジョンソン、マイナー落ちの元先発投手たち。DH、内野、外野、投手、捕手。どこもかしこも、あらゆるポジションがブヨブヨと太って、無駄な脂肪(無駄な選手数とペイロール)がついている。
こんな、あらゆるポジションのプレーヤーがダブっている選手余りの状態でセプテンバー・コールアップを迎えても、若手など、使える余地ができるわけがない。

こんな馬鹿馬鹿しい「ワークシェアリングじみた野球」、思いつけるのは、野球知らずの、よほどスポーツをわかってないビジネスマンしか、ありえない。ベースボールはスポーツであることすら、この球団では通用しない。

こんなのを「競争」とはいわないし、まして、ごく普通の球団にある正選手とバックアッパーの健全な関係ではない。同じ仕事ぶりなら安いほうを使う、という、ジェネリック医薬品のようなシンプルな発想もない。
大勢で馴れ合って、仕事をシェアしても、結局は高額サラリーの選手側がぬるま湯につかるだけだ。ツールをひとつしか持たない選手のただの寄せ集めで、チームマネジメントには合理性も大胆さもなく、ドラマもへったくれもない。
あるのは、安っぽく、みみっちい経営者感覚だけだ。

クレメントが味わった、あの語るのも苦々しい秋口の不幸は、ロブ・ジョンソンがそのまま味わうことになるだろう。悲しいことだ。

せいぜい勝率5割。
永遠にポストシーズンなんて訪れっこない。

何度も書いたが、
ノーラン・ライアン率いるテキサスが攻守のバランスのとれた、素晴らしいチーム改革に成功をおさめたことで、「LAAだけをおっかけていれば優勝は無理でも、ワイルドカードくらいはみえる」と考える「なんとも安易すぎる、田舎じみた楽観主義の時代」は、とっくに終わったことに、誰も気づかない。


なんでこんなくだらないチームにイチローがいるのか。
あれほどの、100年に1人、不世出の大天才が、なぜこんな不合理きわまりない、やることなすことメジャーらしくないチームを、よく我慢できるものだ。
不思議でならない。

今年つくる予定の記録に一区切りついたら
彼には移籍をあらためて考えてもらいたい。真剣に。

こんなダメチーム、彼にはふさわしくない。






damejima at 04:23

August 19, 2009

パッジのテキサスへのトレードの直接の目的は、サルタラマキアに発見されたThoracic Outlet Syndromeによるもの。
Thoracic Outlet Syndromeとは、日本語でいうと、胸郭出口症候群。腕に行く神経や血管が胸の出口の所で、圧迫されて起こる一連の病気だそうで、交通事故で首に傷害を受けた人、特定の姿勢で長時間コンピューターを使う人に多くみられ、水泳、バレ−ボ−ル、ウェイトリフティングのように腕を頭上によく挙げるスポーツをする人にもリスクがあるという。
第72回 胸郭出口症候群(Thoracic Outlet Syndrome = TOS) - usjapanmed.com

サルタラマキアがDL入りしたことで、テキサスは控え捕手のティーガーデンを正捕手にするとかという選択をせず、イヴァン・ロドリゲスを獲ってきて、第3のキャッチャーのケビン・リチャードソンをDFAにした。

パッジも昔のようなスラッガーとしてのパッジではないし、そうそう昔のような活躍ができるわけでもないことは、テキサスの関係者だって、わかって獲得しているだろう。それでも、少なくとも、パッジ加入でますますテキサスのゲーム運びに「安定感」が増してしまうことにはなる。
つまりテキサスは、別にパッジのバッティングに大きな期待などしなくても、「十分勝てる体勢」に常にあるという「余裕」ぶりにあるということ。その余裕の存在が大きい。
Pudge rejoins Rangers for chance to win | texasrangers.com: News


防御率1位のシアトルはむしろ不安定なチーム
現在、ア・リーグのチーム防御率1位は依然としてシアトルだが、実は、この数字にはもう、あまり意味はなくなってしまった。この数字に意味をなくさせた原因はいろいろあるが、最大の理由は、「シアトルのチームマネジメントが7月末以降ブレまくってしまい、今シーズンに何を期待しているのか、見失っている」ことにある。
チーム防御率2位をキープしていたホワイトソックスに今日テキサスが追いついて、テキサスが2位タイに浮上しているが、実際に「堅い試合運び」をきちんと毎試合できているのは、実はテキサスのほうで、シアトルではない。
それが証拠に、チーム防御率がいくらよくても、シアトルの「試合運び」は、いつもいつも不安定で、いつまでたっても、選手をむやみに入れ替えても、打順をいくらいれかえても安定しない。
誰がいまのGMを褒めて媚びへつらおうと、そんなこと知らない。チームが安定した戦いをできない現状は、あきらかにGMや監督のブレや優柔不断さに責任がある。


ア・リーグ最少失点チームは
シアトルではなく、テキサス

シアトルとテキサスの得失点にかかわる数字を比較してみる。
被打率はシアトルのほうがいい(シアトル.247 テキサス.258)のに、失点数は、見た目にはほんのわずかな差だが、テキサスのほうが少ない。(シアトル520 テキサス507)。テキサスの失点507は、実は、ア・リーグでナンバーワンなのだ。
テキサスほど失点しないチームは、ア・リーグではほかにない、ということに一応なっている。

「テキサスの失点はア・リーグで最も少ない」ことがわかった上で、さらによく見てみると面白いのは、自責点はシアトルのほうが少ない(シアトル467 テキサス479)ことだ。つまり、投手(というかバッテリー)の責任の失点はシアトルのほうが少ないわけだ。

両チームの失点差が13、自責点の差がほんの12点だから、たいした差ではない、と思われるかもしれない。
だが、ためしに「失点から自責点を引いてみる」、つまり「投手の自責点でない失点」を求めてみると、シアトルが53もあるのに対して、テキサスは28しかなく、その差は倍くらいになる。
いま約120ゲームを経過したところだから、シアトルでは、投手に責任の無い失点が2試合に1点ずつあるのに対して、テキサスでは4試合に1点くらいしかない、ということになる。
そして得点の少ないシアトルについてだけいうなら、この「投手の自責点ではない失点の重さ」は、非常に重い意味がある


「得点<失点」のシアトル、「得点>失点」のテキサス
こんどは両チームの得点数を見てみる。
シアトル470に対し、テキサスは564もある。1試合あたりに直すと、シアトル3.98、テキサス4,82。およそ1点違う。
一方で、1試合あたりの失点は、シアトル4.40、テキサス4.33で、それほど違わない。
つまり、シアトルは毎試合約4得点して、エラーによる失点も含めて、4.40失点している、つまり「得点<失点」である。それに対してテキサスは、4.82得点して、エラーによる失点も含めて、4.33失点する。つまり「得点>失点」なのである。
別の視点で言うと、シアトルでは「エラーをしていては勝てないのに、エラーが多い」が、テキサスでは「エラーがあっても勝てるが、エラーによる失点は少ない」のである


ミスが多く、ひとつのエラーが致命傷のシアトル
ミスが少なく、ミスがあっても勝てるテキサス

シアトルで「失点ー自責点」が、53もあるとさっき書いたが、これを1試合あたりに直すと面白いことがわかる。現在118試合を消化したシアトルで、投手の自責点以外の失点は、1試合あたり、53÷118=0.45点ある。
どうだろう。毎試合4点得点して、4.40点失点するシアトルのゲーム展開にとって、この「投手の責任ではない失点」が毎試合0.45点あることが持つ重さは、けして小さくない、ということだ。

これは現実のゲームを毎日見ているファンなら、誰しも実感していることだろう。勝てるはずのゲームを、打撃であれ、守備であれ、小さな気の緩みで落とすことは、シアトルではよくある。
例えば最近実際にあった例では

センターフライをグティエレスが落球したことから4失点して、ルーク・フレンチが、『自責点ゼロ』の負け投手になった

満塁でダブルプレーでチェンジのはずが、セカンドのロペスがボールを握りなおしてダブルプレーにできず、サードランナーの生還を許した

1アウト1塁からのショート・ゴロを、ショートのジョシュ・ウィルソンがエラーしてダブルプレーどころか、1、3塁にしてしまい、その後逆転負け

などというのがある。
と、いうか、毎試合のように、こういう例がある。

毎試合4点得点して、4.40点失点するシアトルのゲーム展開のシアトルにとっては、ゲームにおいて「失点につながるような事件」がひとつでも起きれば、それで勝てるゲームを間違いなく落とす。そういう、やたらと「神経質な」チームなのだ。

かたや、テキサスはというと、4.82点得点の一方で、防御率が良く、エラー含めて4.33しか失点しないのだから、基本的にミスが少なく、投手はよく投げてくれて、野手がひとつやふたつエラーしても、1本くらいホームランを打たれても、結局勝ててしまう。そういう「ゆとりのあるチーム」ということになる。

神経質にゲームを進めなければならないか、それともゆとりを持ってプレーできるか、その差が選手のメンタリティに与える影響が大きいことは言うまでもない。これは単にテキサスは打力があるから、という話で説明できる話ではない。打力があっても失点しすぎて負け続けているチームは、メジャーには掃いて捨てるほどある。テキサスの守りは堅い。

テキサスとシアトル、この両チームにおいて、本当に守りが堅いのはどちらのチームか、言うまでもない。(もっとも、ひとつのエラーの重みが、シアトルでは重くなりすぎる、と言い換えたほうがわかりやすいかもしれない)


失点に対する責任が高くても、
スタメンでいられるシアトル

かつての先発投手たち(つまり、ヘルナンデス、ウオッシュバーン、ベダード)の防御率が高かったために、シアトルはチーム防御率が見た目だけは高い。しかし、実際にはシアトルは、テキサスの倍以上の守備リスクを抱えながらプレイしている不安定な自転車操業チームだ。
テキサスのように、多少の守備の乱れや、先発投手の失点を、チーム一丸で吸収できる強靭なシステムにはなっていない。

シアトルのベンチで座っておしゃべりしている高給とりのベテランは、大量失点が当たり前の投手、大量失点が当たり前の捕手、失点につながるエラーをする可能性がある野手、または、そもそも守備につかない野手だ。つまり、総じて言えば、守備面での貢献度は小さいプレーヤーばかりだ
だが彼らのうち、野手でいえば、人並みか、人並みのやや下くらいには打てる、という名目のもとに、「貧打のシアトルでなら高給が取れるまがいものの選手」が幅をきかしている。投手でいえば、投手の選手層があまりにも薄いために、メジャーのベンチに入れて、ローテ投手にすらなれる。
彼らは、だれもかれも、「シアトルにいることが自分にとって都合がいいので、シアトルにしがみつきたがる」。見ていて本当に気分が悪い。

そこで、チームは今年6月あたり、守備はいいが安い給料の選手たちを獲得してきたり、マイナーから上げてきたりすることで、「ベンチを暖めるしか能が無いか、フルタイムで働けない高給取りの老人たち」と併用して、彼らの欠陥とペイロールをフォローする、そういうチーム補強策をとってみせた。
だが、シアトルは、いつのまにかそういう守備のいい選手をかたっぱしから「やはり打撃がダメだ」とかなんとか適当に理屈をつけて、早々に諦めてしまった。そのために、結局は勝率が下がってきて、あげくには盲目的にウオッシュバーン、クレメントを安売りして「応急処置」を施そうとしたが、かえって選手層は薄くなり、特にローテは崩壊した。
スネルは使い物にならず、ウィルソンはDL入りで、「打率は上がらず、投手の防御率は落ちる」という結果を招いて、ブルペン投手の酷使はなおさら酷くなり、結局はさらに勝率を5割に落とす結果にしかなっていない。

パイレーツ移籍後のセデーニョが既に3本もホームランを打っていることを、みなさん、ご存知だろうか。彼のホームラン数は既に城島より多い。
Ronny Cedeno Stats, News, Photos - Pittsburgh Pirates - ESPN

城島、グリフィー、スウィニー、シルバ、ベルトレ、毎試合出られる能力とフィジカルの無いベテランが、シアトルには多すぎる。彼らはロスター枠を無駄にし、能力に見合わない高給を取り、DH枠を独占しているだけでなく、能力があるかもしれない若手のチャンスを摘むどころか、若手にトレードの危機だけを与えて、結果的にシアトルのマイナーをより層の薄い、ペラペラなものにしている。
その一方で、スタメンで出ている守備系の選手は、というと、なんとかスタメン確保し続けるために、バッティングでも結果を出そうと必死になりすぎて空回りして凡退を繰り返し、「余裕の無さが余裕の無さ」を生む悪循環ばかりが繰り返されて、いつしかメジャーから落とされてしまう。
簡単に言えば、「神経質な球団マネジメントしかできない」シアトルでは「給料の安い若手に安定したチャンスで余裕を与えるような構造」にはなっておらず、むしろ、若手がちょっとでもミスをすれば、すぐに、日頃はベンチでお喋りしていて、守備面では使い物にならず、かといってバッティングはメジャー平均以下程度のベテランに、すぐにすげかえてしまうようなことばかり目立つのである。

それではチーム体質など、変わりようがない。



投打のバランスがより高い位置でとれているのは、明らかにテキサス・レンジャーズのほうなのは明らかだが、テキサスはただバッティングが優れているから勝っているわけではなく、チームマネジメントが非常にうまく投打を整備してきて、それが成功しつつある。
守れて打てる選手など、そうそういないものだが、多少の我慢もしつつ粒を揃えた選手を、方針をブレずにじっくり集めたテキサスは、チーム再建に成功しつつあるのである。パッジ獲得も、パッジの能力に期待するというより、パッジを獲ったことでチームがブレることはない自信があるから獲れる、そういう強い自信の表れだろう。

他方で、今年のシアトル、今年以降のシアトルは、何をしたいのか。
7月末のウオッシュバーンのトレード以降、このチームが何をしたいのか、何を目標にしているのか。

わかる人がいたら教えてもらいたいものだ。






damejima at 19:30

July 22, 2009

(1)からの続き(後半部分)
2009年7月19日、監督ワカマツが「城島問題」の現状と方針について初めて語った。(1)


And I asked him how much stock he puts in catchers' ERA, which is heavily in Johnson's favor. Johnson's is 2.89, while Johjima's is 4.87.
ジョンソン2.89、城島4.87と、ジョンソンがはるかに優位に立つCERAについて、どのくらい信頼しているか、質問した。

"I don't think it's a fair comparison, just because it's not apples to apples. There's no way you can really say it's an absolute. That's what we're talking about with a relationship and a belief system; if it gets to a point there's a marked difference, then you have to look at it, but as far as overall, catcher's earned run average, I think that's a very unfair statistic. If Rob catches Felix and Joh catches someone who has a much higher ERA, there's no correlation. I think over a larger sampling it maybe has some validity."
「リンゴ同士(ブログ注=十分な相関のある、比較可能な複数の事象)を比べているわけではないという端的な理由で、僕はCERAが公平な比較だとは思わない。このスタッツはけして絶対的というわけではない。我々が『人間関係』だとか『信頼システム』という言い方で語っているのも、そこらへんの話。
もし(CERAによって2人の捕手の違いに)著しい差異が現れるような段階に到達したら、考慮すべきだ。だがおおまかな話の範囲でいうと、CERAはとても不公平なスタッツだと思う。もしロブがフェリックスを受けて、ジョーがもっと防御率の悪い投手を受けたら、(2人のCERAには)相関がなくなる。もっと大きなサイズのサンプルをじっくり検討したら、妥当性があるかもしれないとは思う。」
ブログ注
この部分については、某所の翻訳とよく読み比べてもらいたいと思っている。ワカマツがCERAを全否定しているという立場で最初から訳文作成にあたるのは感心しない。
よく読まなくとも、この次のパラグラフも含め、ワカマツはCERAを完全否定しているわけではない。「CERAを検討するには、よほど条件が揃って妥当性を持たないといけない」と推論しているに過ぎない。
ワカマツはむしろ、CERAを元にロブ・ジョンソンを選んだという話になるのを避けたい、それだけだろう。
それはそうだ。もしCERAを理由にロブを選んだ、ということになれば、ロブのCERAがシーズン後半によくみられる投手陣の疲れで極度に悪化したら、またもや城島を正捕手に戻すかどうか、などというアホな話を振られかねない。打撃も同様だ。ロブの打撃が不振だの、城島がヒットを何本打っただの、よけいな雑音に悩まされたくはないだろう。
インタビュー全体として、「ロブ・ジョンソンのほうが投手と『信頼システム』ができている」と繰り返し発言していることが全てで、それ以外の評価はけっこうおざなりだ。
逆に言えば、「城島は投手との間に『信頼システム』が欠けている」と何度も何度も断言していることくらい気がつかないと、この長い文章を読む意味がない。


Or comparing the ERA with the same pitchers?
では、同じ投手に対するCERAの比較はどうだろう?

"Yeah, but again, is it against the same lineup? Who's hurt? It's such an unfair deal. How we're playing as a club at the time. It's a nice stat to look at, but there's not a great deal of validity in it."
「まあね。でもこの場合もやはりね、同じ打線相手だったか、誰か怪我していたか、そういうことで生まれる不公平さがある。それぞれの時点で我々のチーム状態がどうだったか、ということだね。見るのには楽しいスタッツだけど、大きな信頼をおけるものではないね。」
ブログ注
野球のスタッツには、厳密にいえば、まったく同じシチュエーションのスタッツなど、ひとつも存在しない。
例えばホームランだって、どんな実力の投手から打ったか、どういう広さの球場で打ったか、そのとき自分のチームはリードしていたか負けていたか、条件によって違うと言い出した日には、ホームラン王も打点王も、さらにはOPSですら、すべて相互比較できなくなってしまう。
だから、この部分にワカマツの話の重要性、信憑性はほとんどないと判断するのが正しい。CERAの話に深入りするのをなんとか避けるための口実として話している部分であり、あまりに稚拙な逃げを打っているともいえる。
ラリー・ストーンもそのことがわかったのか、話題を変えている。大人の対応ぶりである。


Does he talk to the pitchers about their comfort level with a particular catcher?
特定の捕手に投げる安心感について、投手陣と話しているのだろうか?

"We've talked about not having favoritism. What we've talked about lately is just the belief system. I don't think there's a huge difference in what's being called and what's being executed. That's what we're talking about with Joh. So much of it is body language. Whether Rob's doing it better, I'm not saying that. I'm saying the results right now, because these guys are pitching well, it's something you don't want to break up. That's not an attack on Joh and his ability. It's just that when these guys are throwing well, you tend to go with the hot hand."
「えこひいきはしない、ということについては既に話している。このごろ話し合うのは、『信頼のシステム』についてだ。僕は、サインと実際の投球との間に大きなズレがあるとは思ってない。ジョーについて言いたいのは、そういうこと。ボディーランゲージのもつ意味は大きいよ。僕は、ロブのほうがよくやっているかどうかとか、そういうことを言っていない。目下の結果を言っているだけ。投手陣がよく投げてくれているんだから、それを壊したくはない。ジョーと彼の能力に対する攻撃というわけじゃない。投手がいいピッチングをしている時は、そのまま良い状態でいきたいと思うっていう、ただそれだけのこと。」
ブログ注
このブロックの3番目のセンテンスの訳で困った。
いろいろ考えたが、betweenを補ってI don't think there's a huge difference in (between) what's being called and what's being executed.という話だと判断した。「城島の出すサインと実際の投球の間に食い違いはないと思っている」ということだ。そうでもないと「ボディランゲージ」という言葉を急に言い出す意味がなくなり、話の辻褄が合わない。
もちろん、火のないところに煙は立たない。実際には「サインと投球がズレるケース」があるのではないか。そうした場合、投手のところへキャッチャーが言って「言葉で」確認しあうものだが、それがうまくいっていない、つまり「城島の英語が通じないか、または、投手の話すネイティブな英語(またはスペイン語)を城島が完全には聞き取れていないまま、また投球に入ることがある。意思疎通ができていない。」という意味にとられないよう、ワカマツは「ボディランゲージで十分伝わるから大丈夫」とフォローしたわけだ。
この部分は、立場上モノを言えないワカマツに、ではなく、むしろ投手に話を聞いてみたいものだ。


How does he decide when it's time to use Johjima?
城島を使うタイミングは、どうやって決定する?

"When I talked with Joh, I said Rob was hurt early in the year, he was hurt. Everybody wants to put 'starting catcher, backup catcher.' I said there's going to be other opportunities. If someone gets banged up, he's going to go in and catch and be the starting catcher again. To me, it's about how effective we are at that time, and we're going to go down that road no matter who it is."
「ジョーと話した時、こんな話をした。今シーズン初め、ロブが怪我をしたこと。そう、彼も(城島と同じように)怪我をしたんだ。誰もが『正捕手』や『控え捕手』という表現をとりたがる。ほかのチャンスがめぐって来ると言ったんだ。もし誰かが怪我したら、今度は彼が試合に出て球を受けるとか、また正捕手をやることになる。私にとっては、そういう(イザという)とき、我々がいかに実戦的な準備ができているか、という話。今後もそういう道を選ぶよ。それが誰であろうとね。」
ブログ注
上のほうで、ワカマツは「人は正捕手だの、控え捕手だの、決めたがる」みたいなことを言っているわけだが、その割にはこの部分でbe the starting catcher againと、ワカマツ自身が「正捕手」という言葉を使っている。要は、城島は「控え捕手」と宣言した、ということだ。
other opportunitiesという部分だが、このotherが何を意味するのか、最初はよほど意味深なことを言っているのかと思った。つまり、城島のDH起用などを含むのかもしれないとも考えたわけだが、結局ここではそれについて語られるまでには至っていないと考えるのが妥当だと思う。
むしろ、「控え捕手として怪我した正捕手をバックアップしてゲームに入る」という話を先にしておいて、後から「正捕手復帰」という順序で話をしたことに注目するなら、「城島の正捕手復帰は、よほどのことがない限り、ない」と考えるのが、この部分だけを見てもわかる。gets banged upという部分は、「怪我をした」という意味だろうが、「疲労がピークに達した」「疲れきった」という意味も含むと考える。
なお、effectiveという単語はこの場合は「イザというときに備えておく」という意味で、効果的とか効率的とだけ訳すのには賛成しない。



My interpretation of the whole thing: Johnson is going to keep on catching the Mariners' "Big Three" in the foreseeable future.
全体を見て私はこう解釈する。「近い将来に渡ってジョンソンは『ビッグ・スリー(ブログ注=先発投手三本柱)』の球を受け続けるだろう。」

(以上 この項終わり)






damejima at 06:58
非常に難敵な翻訳をしていて、更新が滞った(苦笑)。
「城島問題」に関するシアトル・タイムズのラリー・ストーン氏によるワカマツ監督インタビューである。


最初にいくつかことわっておかなければならない。

まず、訳文だが(普段もそうしているわけだが)できるだけ直訳を心がけた。たとえばHe got three hits.を「3安打の『活躍』をした」とは訳さず、「3安打した」とだけ平易に訳すような方針を選んだ。文中、人が誰かを指すときの呼び名も、いつもなら「城島」とかにまとめてしまうのだが、今回は原文に登場するワカマツ氏、ストーン氏、それぞれの呼称に従ってある。
なんだそんなこと、と思うかもしれないが、そんな些細なことも積み重ねれば、読んだ印象はだいぶ違ってくる。読み比べてみて、味の違いを感じてもらえると幸いである。
この文章では原文を書いたラリー・ストーン氏が「あえて全文を掲載する」と言っているように、話題がダブったり、間をおいて反復されたりしている部分が何箇所もあって、多少読みづらい。逆にいえば、ライターが後で原文に手をいれて整理したり、修正したりしている形跡が少ない。
デリケートな話題なだけに「あえて原文に近いものを」というストーン氏の意図は間違ってないし、賛成する。
繰り返して言うが、そういうライターの意図があるにもかかわらず、訳をつけるにあたって、He got three hits.を「3安打の『活躍』をした」と訳す例のように、原文の表面に無い主観を訳文に過剰に加えるのはまったく賛成できかねる。最小限にとどめるべきだと思う。

また、例えば、以下の文章で監督ワカマツが語っている「うちのチームの方針は投手力と守備、特に『投手力』だ」などという部分は、実際には、毎日ゲームを見て、特に選手起用を見ていれば、とっくに誰でも理解できているはずの話である。
つまり、以下のインタビューの中身のかなりの部分は、既にチームとして方針が決まって実行されつつある話が散見されるのである。
これは、それくらい、監督ワカマツとZGMが7月に入って実行した何段階目かのチーム改革は、手順として、何の予告もなく静かに、かつ大胆に実行された、という意味になる。メディアに語る前、コネ捕手城島が気づく前に、たくさんのチーム方針の転換は実行されたのである。
そのため、まだシアトル・タイムズさえ文字にできていなかった。そういう話が、以下のインタビューではようやく言葉にされた。それだけだ。
既に実行しつつあることを、わざわざ喋るからには意図がある。それは新しいニュースの伝達や新方針の披露ではなく、「念押し」や「雑音の封じ込め」というような意味あいだろう。当然だ。

この文章ではright nowという言葉がやたらと出てくる。インタビューに多少タジタジになっているワカマツの姿がユーモラスである。せいいっぱい楽しんで読んでもらいたい。
Mariners Blog | Sunday lineups, and pre-game notes: The Rob Johnson-Kenji Johjima dynamic | Seattle Times Newspaper


With Rob Johnson starting for the third straight game, the question naturally arose about the division of playing time between Johnson and Kenji Johjima. Johjima, you might remember, started the first game of the series, with Garrett Olson pitching. He got three hits and threw out two runners, but hasn't played since. Wakamatsu made it clear he likes the way Johnson works with Felix Hernandez, Jarrod Washburn and today's starter, Erik Bedard.
Since this is such a hot topic right now, I thought I'd just run Wakamatsu's comments in their entirety:"

ロブ・ジョンソン3試合連続先発マスクをみて、必然的にジョンソンと城島健司のプレイタイムの割り振りはどうなる?という疑問がわき上がってきた。覚えているかもしれないが、城島はカード初戦のギャレット・オルソン先発のゲームでは先発した。3安打し、盗塁を2つ阻止したが、それ以降はプレーしてはいない。ワカマツは、ジョンソンのフェリックス・ヘルナンデス、ジャロッド・ウオッシュバーン、そして今日の先発エリック・ベダードの登板時の仕事ぶりに好感を持つと明言した。
現在進行形のホットな話題だし、ワカマツの全コメントを掲載してみようと思う。
ブログ注
この箇所について重要なこと、確認しておかなければならないことは、ライターのラリー・ストーンは別に「城島はあれだけ大活躍したのに、どうしてその後ゲームに出ないのだろう?」と、いわば「城島の肩を持った色彩で」インタビューに臨んでいるわけではない、ということ。MLB公式のライターでもあるラリー・ストーンはそんな偏ったことをするわけはないし、そんなことをするメリットは何もない。
次のブロックで監督ワカマツが「打撃は関係ない」と返答したことの「問い」にあたる部分が「3安打」なのであって、そこには「もっと城島を出せばいいのに」という思い入れ的な感情は存在しない。
だからこそ、訳文において「過剰な色彩」を加えることは不要だ。それに3安打がそれほど偉いなら、ロブ・ジョンソンが3本の二塁打を打ってチーム・レコードを作ったゲームだってあるし、直近のクリーブランド戦でも3出塁したゲームがある。比較にならない。1ゲームの出来でいちいち騒ぐことではない。


"I had a discussion with Joh, and we try to prioritize what's most important for this club. Getting hits is not the number-one thing. Winning ball games is, and having a belief system with the starting pitcher, and pitchers in general. Rob right now seems to have a strong relationship with the guys that he's catching. Joh's done a lot of things well. He's throwing the ball extremely well. He's raised his average.
「私は城島と話し合いの場を持った。我々はこのチームにとっての最重要事項を優先するよう努力している。ヒットを打つことは最優先事項ではない。試合に勝つこと、そして先発投手、さらには投手たち全体と、『信頼システム』を築くことが最優先だ。ロブは、目下のところ、彼がバッテリーを組んだ投手達と強い関係性を築いているようだ。城島も数多くのことをうまくやってくれている。スローイングは非常に素晴らしい。打率も上昇させている。」
ブログ注
「城島のセルフ・ジャッジ癖」がここでもピリオドを打たれた。
ここで監督ワカマツが「話し合いの場を持った」といっているのは、いつぞやの城島が談判に来たことを指している。この話し合いの後、城島は「もっと打って、もっと盗塁を刺せば、出場機会も増えるでしょう」などと、自分が監督でもないのにまったく的はずれなことを日本メディアに得意げに喋っている。
2009年7月12日、SPIのコラムニスト、アート・ティールは「城島を正捕手に戻すべきではない」「敏腕なワカマツはこれからも自分の方針を貫くべき」と主張するコラムを書いた。
それに対してワカマツは「シアトルにおける捕手の評価は、打撃が最優先事項ではない」と、直撃で返答しているわけだ。言い方を変えれば、「いくら城島がヒットを打とうが、それを理由に正捕手に戻すことはしないよ」と明言したということになる。
それはそうだ。例えば「もっとヒットを打ち、出場機会増加につながるようにアピールしたい」と発言するならともかく、アメリカのような社会では監督でもない立場で「もっとヒットを打てば、出場機会が増えるだろう」などと憶断する発言は、これもある種の「セルフ・ジャッジ」であり、メジャーのシステムで許されもしないし、歓迎もされない。
それは、審判が判定するべきストライク・ボールを、あたかもキャッチャーが自分で判定するような態度を見せるのと、全く、なんら変わらない。


"We're predicated right now around pitching and defense, No. 1 pitching. If there's a belief system Rob's doing a better job with that, we'll go with that. I'm not negating what Kenji can do. I guess as he starts to build a stronger relationship, getting back into it -- the injuries have been a strong factor with that, him missing time and Rob being able to build that relationship while he was down. I told Kenji, too, as he builds that relationship back -- he did it in spring training, he did it at the start of the year -- it can swing the other way. No one's chastizing anybody."
「我々はいま『投手力』と『守備』にチームの基礎を置いている。最も重要なのは『投手力』だ。もしロブが投手との『信頼システム』によってより良い仕事をしているなら、我々はそちらを選ぶ。
私はケンジの能力を否定しているわけではない。投手陣とより強い関係を築き始めるにつれて、彼も信頼を回復できるんじゃないかと思う。ーーそうなった強い要因は怪我だ。城島が試合から遠ざかり、その一方で、故障中にロブが関係を築くことができた。ーーケンジにも信頼システムを取り戻すよう命じてある。ーースプリング・トレーニングのときも、シーズン当初にも、できていたことだ。ーー別の方向に流れが変わる可能性はある。誰かが罰を与えているわけでも、誰かに罰を与えているわけでもない」
ブログ注
この部分の要点はつまり、「これからシアトルは『バベジGM時代の野球』を断固として葬り去りますよ」ということだ。見た目は最近のチームづくりの方針について、監督ワカマツが『投手力』と『守備』と明言しているわけだが、毎日のゲームでの選手起用を見ていれば、現地メディアも日本のファンもわかりそうなものだ。もちろん城島はバベジ時代のチョイスに基づく、セクソン同然の失敗した選択であり、やがて葬り去られる。当然のことだ。
トレード期限が迫っていることによって、トレード話をしたがるのは日本でもアメリカでも同じだが、例年通りのルーティーン、年寄りくさい噂話に明け暮れていては、目の前で起きていることすら見えない。ウオッシュバーンやベダードが煙たい城島オタさんの慌てぶりは、なんともみっともない。
ワカマツが言うように『最も重要なのは投手力』なのだから、意味のない主力投手の放出はまったくありえない。(本人が出たいというのなら話は別だ)くだらないトレードの妄想を抱くくらいなら、今のチーム方針の先を読む努力くらいはしないとダメだろう。そうでないと、自分がテストされているという大事なことすら気がつかないで漫然とプレーしていて正捕手の座から転げ落ちた城島のようになる。


I asked if building that "belief system" -- one of Wakamatsu's favorite phrases, if you haven't gathered that already -- was more difficult for Johjima because of the language issues.
私は、既に耳にしたことがあるかどうかわからないが、ワカマツのお気に入りのフレーズのひとつである『信頼システム』について、言葉の問題がある城島には難題なんじゃないかと質問してみた。
ブログ注
belief systemという言葉を、手垢にまみれた「信頼関係」という言葉で訳すかどうかで迷い、結局、『信頼システム』なんていう、日本語としてはギクシャクした言葉を「わざと」選んだ。
「たまに投手と晩メシを食う」だの「ベンチで稀に軽口をたたくことがある」だの「マージャンを誘った」だの、そういう野球と関係ない、とってつけたようなくだらないことで、「私は信頼関係回復に努めています」だの、言ってもらいたくないという理由からだ。
ワカマツがイメージする『信頼システム』は、ラリー・ストーンも思っているように、なんだかちょっとつかみづらい。だが、日本語で何も考えずに「信頼関係」と書いてしまったときに生じる、よくありがちな先入観が入り込むのは避けなければならない。
元になったのは、やはり、ロブ・ジョンソンの「ドルフィン」についてのインタビューだ。
あれは、時間がたつにつれて、ますます秀逸なインタビューだったと思うようになった。ウオッシュバーンとロブ・ジョンソンの間にある野球についての協力関係やコミュニケーションが、野球の現場での生々しさ、ダイナミックさの実例として、たいへんわかりやすい。ウオッシュバーンが自分の配球をなんとかリフレッシュして、メジャーで生き残りたいという必死さ、ロブ・ジョンソンの提供するアイデア、ワカマツの言う「信頼システム」の例というと、いつも、この「ドルフィン」開発にまつわるこのストーリーがイメージされてくる。

2009年7月6日、ロブ・ジョンソンが準完全試合を達成したウオッシュバーンの新しい魔球「ドルフィン」と、その開発にいたるコラボレーションについて大いに語った。

"I'd say language-wise, yeah. But I've also seen it with Joh. I've seen him build that relationiship and engage. He's had success with these guys in the past. He's caught guys, whether it's Batista, whether it's Felix, whether it's Bedard, these guys have had success with him. It's just as a manager and a guy overseeing this club, you try to pair up the timing of it. Right now, Rob seems to be catching those guys well."
「言語の話ね…、どうだろう。でも、私はジョーのこんなところも見てきている。投手陣との関係を築き、歯車もかみ合っていた。過去にはうまくやってこれていた。それがバティスタであれ、フェリックスであれ、ベダードであれね、彼らのボールを城島が受け、うまくいっていた。
ただ単に、監督、このチームの統括責任者としては、バッテリーを組ませるタイミングに努力している、ということだよ。今のところ、ロブのほうがうまくいっていると思う。」
ブログ注
I'd sayという表現は、相手の話をやんわりとはぐらかす時に使う。同意も否定もしたくないから、暗に「それはどうだろうね」くらいに思わせたいわけだ。
この後の記述全体がそうだが、アメリカという人種の多様な国、人権にうるさい国で、言語の問題を監督が真正面から語ることなど、できるわけがない。城島を正捕手から降ろした事実を、そういう部分でつつかれないためには、城島にはこれこれのいい部分もあると、無理にでも指摘してみせることも、人に読まれるインタビューでは言葉にしておかなければ、アメリカでは監督は務まらない。
それと、ワカマツがバティスタの名前をここで挙げている部分が問題だ。もちろんバティスタが先発投手だった時代を指すわけだが、当然ながら、監督ワカマツはその時代にはシアトルのスタッフではなく、詳細を知るわけがない。
だから「城島のこんなところも見てきた」という部分は、いわゆる「リップサービス」でしかない。インタビューしているラリー・ストーンも、もちろんそれくらいわかって聞いている。だからこそ、監督ワカマツの話の中からリップサービスを除いた部分を後で勘案して、最後に「ロブ・ジョンソンが実質正捕手の状況はこれからも続く」と推測しているのである。


(2)に続く。continue






damejima at 06:42

May 26, 2009

サンデー・フェリックス」という記事を書いたばかりの翌日、さっそくデーゲーム。先発捕手は城島だったが、2イニング4失点を残し、いつもの大量失点でゲームから怪我で退いた。
わずか序盤2イニングで4点の失点というのは、防御率に換算するなら、これ、なんと18.00だ。
酷いものだ。打線が全く機能せず、セットアッパーも安定しない現状のシアトルでは、序盤の4失点でゲームは終わってしまい、2005年あたり以降集められたフリースインガーの雑なプレーヤーたちはすぐにゲームを諦めてしまう。
Seattle vs. Oakland - May 25, 2009 | MLB.com: Gameday

城島       2イニング4失点 ERA 18.00
ロブ・ジョンソン 6イニング2失点 ERA 3.00

今の打線の惨状については、かつて監督ワカマツは5月のインタビューだかで「OBP(出塁率)を重視し、改善に取り組む」というようなことを言っていた。
例えばいつぞやなどはベタンコートを2試合スタメンからはずしておいて、さらに監督室に呼び出し、出塁率改善やら、早打ちの改善やらを要望した。そのせいか、ベタンコートは5月18日のボストン戦で珍しく四球を選ぶなどして「生まれて初めて打席で10球選んだよ」というようなことを3流インタビュアーに得意げにコメントしていたものだ。やれやれ。困ったもんだ。
Steve Kelley | Don Wakamatsu's Mariner Way puts attention on details | Seattle Times Newspaper
http://seattletimes.nwsource.com/html/stevekelley/2009231787_kelley18.html
その後ベタンコートはほんの一瞬だけは、1試合で2四球を選ぶような殊勝なところを見せたが、今日のゲームを見ればわかるように、すぐに元どおり。
ノーアウトで4度イチローが出塁しても、一度バントした以外はロクなバッティングはせず、7回の無死1、2塁ではあっさりダブルプレー。3流インタビュアーのシャノンに「イチローの後を打つのは難しい」などと愚痴を言って、馴れ合っている場合ではない。


ベルトレ、セクソン、城島、ベタンコートなど、こういう雑なプレーヤーの集団がシアトルに一斉に導入されたのは2005年あたり以降だ。考えもせずバットを振り回すしか能がないフリースインガーばかりをコレクションしていったシアトルの、かつての雑なチーム編成の残債である。
チームに大量に残されている不良債権は、城島はじめ、今も処分されていない。

30代のオッサンに言葉で「変われ」と言って、変われるものではない。
監督ワカマツがどんな野球を想定しようと、それにフィットしたプレーヤーなど、残債プレーヤーにはいない。唯一の希望の星だったイバニェスはトレードしてしまい、トレードしたアダム・ジョーンズには大活躍され、一方では、現状の内野守備は今日のゲームでもア・リーグのエラーランキング1位と中継で紹介されるお粗末ぶり。
これでゲーム後にはしゃいでいたら、頭がおかしいというものだ。


5月25日時点でのチームスタメンプレーヤーののOBPランキングはこうなっている。
2009シーズンから800万ドルかすめとっている城島が、壊滅的な打撃成績だった2008シーズンからまったく改善されるどころでないことは、ひと目でわかる。たまに打つマグレのホームランなど、なんの役にもたたない。セクソンそっくり、いや、セクソン以下である。

例えばマグレでソロを打つヘボ打者より、打率は2008年の城島並みに低いが四球を選んでくれるグリフィーのOBPは、城島より上である。こういう逆転現象はかつてのセクソンでも同じことがあった。セクソンも四球数がチームで最も多いため、OBPでは城島より上だったのだ。
城島の打撃など、昔からセクソン以下である。

2009年5月25日のチームOBPランキング

(最初の数値は出塁率。2つめの数値は打率)
ブラニヤン .393
イチロー  .365
グリフィー .363 .232 四球23
グティエレス.344
チャベス  .323
ベタンコート.291
バレンティン.286 .244
2008城島.277 .227
スウィーニー.276 .232
2009城島.275 .250
ロペス   .265 .221
セデーノ  .250 .188
ベルトレ  .246 .211
ジョンソン .219 .188


Team OBP 2009.5.25



damejima at 19:16

May 11, 2009

この記事でとりあげるのは、一度記事にした4月8日ミネソタ戦逆転負けのゲーム後の、ワカマツ監督へのインタビューである。
書いているのはMLB.comのシアトル番記者ジム・ストリート。試合後の番記者による会見が終わった後、監督ワカマツが城島とシルバの2人を呼び出して投球の選択について話をした、という内容だが、ワカマツの話の内容のもの足りなさといい、この記事を書いた記者の認識の誤りといい、あまりに事実と異なる間違いだの、認識不足だのが散在していて、しっかり読みとくにはかなりの注意が必要な、やっかいな文章だ。

Wakamatsu asking for accountability | Mariners.com: News
http://mlb.mlb.com/news/article.jsp?ymd=20090409&content_id=4187404&vkey=news_sea&fext=.jsp&c_id=sea&partnerId=rss_sea
4月8日のゲームデイ
Seattle vs. Minnesota - April 8, 2009 | MLB.com: Gameday


5月9日にシルバはDL送りになって城島の糞リードの責任をとらされる形になったわけだが、1ヶ月前にはこんな笑える記事もあったことをご存知だっただろうか? 
今回のシルバのDL送りの背景で、城島と監督ワカマツがどうかかわったのか。ワカマツが城島をどうほったらかしにし、どう甘やかしてきているか。
このブログの主筆にしてみれば当たり前のことばかりだが、そんな基本的なことを理解できないままゲームを見ている人も多いはずなので、詳細に書きとめておくことにする。

まず一言ずつ言っておこう。
シルバ欠点だらけだが、投球術そのものを他人にいじくり倒されたこのケースでは気の毒。
ワカマツは城島を甘やかすな。適当にモノを言うな。
ジム・ストリートは嘘を書くな。


さて、記事の分析にかかろう。細部は記事後半に掲げたこのブログによる翻訳を読んでもらうとして、要旨はこんなところだ。

初回と2回にホームランされたチェンジアップは城島のアイデア(これは記事本文が証拠で確定)
城島は、シルバのシンカーが狙われていることを理由に、シルバのピッチングをいじくった。具体的にはチェンジアップに逃げてホームランを2発食らい、4点失った(ここも事実として確定)
捕手出身の監督であるワカマツは、城島がシンカーをメインに組み立てる投手であるシルバにチェンジアップを投げさせて打ち崩されたことが気にいらなかった
・3回以降はシンカー中心の組み立てになり、見違えるほどよくなった(と、ワカマツと記者は見た)


最初の2点については、「なるほどな」というところだ。
やはり城島はメジャーで投手のピッチングにいらぬ世話を焼いては、ゲームを壊し、投手のアイデンティティを壊し、チームを壊していっていたのである。

だがそれ以外の点は後で読むと、指摘しなければならない問題点があまりにも多すぎる。4月8日のシルバ登板のミネソタ戦で逆転負けした理由をワカマツは結局のところあまりよくわからないまま、結局放置したのではないかと思わせるフシがある。
それは城島問題を放置するのと意味はかわらない。
城島が投手のピッチングを無駄にいじってアイデンティティを壊すのをワカマツが放置し、5月に入ってチームの状態を最悪なものにしたとしたら、これは大問題なのだが、ワカマツはおそらく、今でも5月にチームが崩壊しつつある事態の根(root)の所在がわかってはいないのではないか。

4月8日のこのゲームの敗因も曖昧なままでは、5月の突然のチーム崩壊と城島の先発マスク復帰との深い関連も認識できるはずもない。

短く言うなら、監督ワカマツはシアトルというチームを根底からダメにしてきた「城島問題」を甘く見ている。



次に、インタビューの内容で、事実と異なる点、問題点を指摘しておく。

・シルバは元々どうあがいても単調になりがちな投手である。例えばシルバの場合のシンカーとチェンジアップの違いは、球筋の大きな違いではなく、多少の緩急なはずだが、球速でいうと約10キロ程度の差しかない。そのため適応力の高いメジャーの中心打者たちは容易に反応を変え、打ち崩してくる。ただでさえ連投されるシンカーに目が慣れた後に来るのが、キレがなく、中途半端に速度だけはあるチェンジアップでは、打撃投手のタマ以下の効果しかない。またシルバのシンカーとストレートはほぼ同じ速度で、速度に差がなく、打者への揺さぶり効果が少ない。
その彼の単調になりがちな投球術を小手先でいじって、決め球やカウント球ににチェンジアップをもってくれば、アウトロー一辺倒の単調な攻めでもなんとかなると考える単調な脳しか無いダメ捕手城島は、工夫のなさすぎるダメ捕手、馬鹿捕手もいいところ。

・監督のワカマツと記者は、3回以降にシンカー中心の組み立てになって「投球ぶりが見違えた」などと、わけのわからないコメントで記事を垂れ流している。
だが、とうの昔、4月8日当時にもこのブログで指摘しておいたように、5回モーノーに決勝点となる逆転2点タイムリー・ツーベースを打たれたのは、ほかでもない、そのシンカーの馬鹿連投である。

・文中でワカマツと記者は、第2打席のモーノーにシンカーを連投してセカンドゴロに仕留めたことを褒めている。
だが彼らは5回の2死2、3塁のピンチで、同じ投球パターンで第3打席のモーノーに決勝点となる逆転2点タイムリーを打たれたことを語っていない。城島はたまたまモーノーの第2打席でうまくいったに過ぎないまったく同じパターンを、第3打席でも繰り返した。シルバにシンカーをアウトコース低めに連投させ、2点タイムリーを打たれたのである。WBCの対韓国戦で、打者の2巡目以降にスライダー系を狙い打たれたのと同様の単調なパターンでもある。
このことがワカマツとジム・ストリートのアタマにまったくなくて得意気に話しているのなら、馬鹿の骨頂としかいいようがない。

・名選手ハーシュハイザーの謹言をひきあいに出して「打者の欲しい球種を投げろ。ただし、打てないコースに」などといっているが、城島がシルバ登板試合でやってきたリードとは「打者が、来ると100も承知しているシンカーを、しかも同じコース(左打者ならアウトロー)に、何度も何度も、馬鹿のひとつ覚えのように連投すること」なのであって、ハーシュハイザーの謹言とは、まったく何の関係もない。ごくわずかな関連すらない。

・文中、『責任』というキーワードを強調しているワカマツだが、「投手にはそれぞれの長所を中心にすえたピッチングをさせる。シルバの長所はシンカー。チェンジアップはサードピッチに過ぎない」などということを言っているが、そのシルバにアホで単調なリードしかできない城島を組ませて負け続けさせ、チームを下降線に導いた『責任』は、ワカマツ自身はとれるのか? そしてシルバをDL入りさせて上げてきた投手にはマトモなキャッチャーを組ませてやれるのか?

・チェンジアップを投げさせるリードはその後、シアトルでは全くやらなくなったのか?
そんなわけがない。
例えば4月25日にシルバが強敵LAA相手に302日ぶりに勝利したゲームだが、ロブ・ジョンソンは2球どころか、もっと多くのチェンジアップをシルバに投げさせて、5回を3失点にとどめて勝たせている。
チェンジアップがよくないのではない。球種の使い方、単細胞なダメ捕手が問題なのだ。
Seattle vs. LA Angels - April 25, 2009 | MLB.com: Gameday

城島とロブ・ジョンソン、2人のキャッチャーの、シルバに対するチェンジアップの要求パターンはまったく違う。4月8日と4月25日ののゲームデイをそれぞれ分析してみればわかる。城島がカウントをとる球や、打席終盤に使うのに対し、ロブ・ジョンソンは違うパターンで使っている。

・ハーシュハイザーの言う、同じ球も使い方次第というワカマツの指摘自体は間違ってはない。
コミュニケーションが大事だ、というのなら、投手やベンチとコミュニケーションがとれず、監督の指示のエッセンスがいつまでたっても実行できない城島のようなダメ捕手を正捕手にすえるのはやめるべき。
もし城島を使い続けてチームが2008年同様に破綻するなら、ワカマツは監督を即座に辞めるべき。

4月8日ミネソタ戦1回モーノー ホームラン1回のモーノー
インコースのチェンジアップ
2ランホームラン

2回には1番打者スパンにも
チェンジアップをホームランされている

4月8日ミネソタ戦3回モーノー セカンドゴロ3回のモーノー
全球シンカー連投
セカンドゴロ

自分のアイデアで始めたチェンジアップだが2発の2ランを浴びてビビり、シンカー連投に戻った城島。
打ち取ったシンカーは、ただコントロールミスが幸いして、球がインコースに行っただけの話。

4月8日ミネソタ戦5回 モーノー逆転2点タイムリー5回のモーノー
3球目を除いて、全球シンカー馬鹿連投。
決勝点となる逆転2点タイムリー。


Wakamatsu asking for accountability
責任を求めるワカマツ

MINNEAPOLIS -- Catcher Kenji Johjima seemed surprised when told after Wednesday night's loss to the Twins that manager Don Wakamatsu had questioned two particular pitch selections.

水曜夜のツインズ戦に敗けた後、監督ドン・ワカマツが特定の2つの投球のチョイスについて疑問を投げかけた模様で、キャッチャー城島は驚いたらしい。

Each time, Johjima thought the batter was sitting on right-hander Carlos Silva's sinker, so the catcher decided to surprise the hitters by getting Silva to throw a changeup. Each time, the ball landed in the seats for a home run, producing four of the Twins' six runs in another one-run loss.

城島はミネソタの打者がいつも右投手カルロス・シルバのシンカーにあっている、と考えたので、城島はシルバにチェンジアップを投げさせることで打者を驚かせよう、と決めていた。そのチェンジアップはいずれもームランとなって外野席に放り込まれた。別の1点の失点を除けば、ツインズの6点の得点のうち、4点を生み出した。(太字:ブログによる)

Several minutes after the media left the clubhouse, Wakamatsu, Johjima and Silva had a meeting to discuss the 6-5 loss.

"Believe me, as a former catcher, I don't sit back there and say, 'That was a stupid call'," Wakamatsu said Thursday morning. "I was not trying to signal anybody out, but it was getting down to what we need to do. We're not pointing fingers. What we're saying is what happened is not acceptable."


メディアがクラブハウスを出た後、数分間、ワカマツ、城島、シルバは、6-5の負けについて討議するミーティングをもった。

「わかると思うけど、僕はキャッチャー出身だから、(そのディスカッションで)何もしないわけはないんでね、言ったんだ。『あれは愚かしい投球選択だった』とね。」と、木曜の朝ワカマツは言った。「私はシグナルを出そうとしてるわけじゃないが、でも、すべきことはビシっとやらないとね。我々は人差し指じゃない。言ったのは、いま起きてることは許容できない、ということ。」(注:太字はブログによる)

Communication and accountability are two words that ring loudly in the reorganized organization.

"The biggest thing we talked about in Spring Training was accountability and I am included," Wakamatsu said. "We told them, 'You need to have a head on your shoulders and understand what your best pitches are. We can adjust during the game.' We've always talked about pitching to our strengths. The hitter's weaknesses are secondary."


コミュニケーションと責任、これはチームの再編で強調された2つのキーワードである。

「スプリング・トレーニングで話した最大のポイントは、『責任』だ。そして、そこには僕も含まれる」とワカマツは言う。「誰でも首の上にはアタマがついてるんだし、何がベストピッチか、自分で理解する必要があると、シルバと城島の2人に言ったんだ。ゲーム中だって適応できるはずさ。いつも私たちは(投手側の)長所にそったピッチングについて話している。打者側の弱点(への対策や対応)は二次的な問題なんだ。」

And so, when Wakamatsu saw the results of Silva throwing his third-best pitch in the first and second innings to Justin Morneau and Denard Span, and then watched both balls fly, fly, away, it didn't sit well with the first-year skipper.

The changeups reminded Wakamatsu of something former Major League pitcher and Rangers pitching coach Orel Hershiser said."Orel used to say, 'Give them the pitch they are looking for, but put it in a place they can't hit it."


1回と2回に彼のサードピッチ(注=得意でない球種。この場合はシンカーとストレート以外の球、という意味。3番目に得意という意味ではない)をモーノーとスパンに投げ、ボールがはるか遠くへ飛び去っていく(注=ホームランされる)結果をワカマツが見て、1年目の船出をした船長にはどうしても納得がいかなかった。
打たれたチェンジアップは元メジャーのピッチャーで、レンジャーズの投手コーチ、オーレル・ハーシュハイザーが言ったことをワカマツに思い出させた。
「オーレルはよく言ってたもんさ。『打者が欲しがってる球を与えてやれ。ただし、彼らがそれを打つことができない場所に投げろ』とね」

It was after the second inning when Silva and Johjima went basically to the sinker and the difference was like night and day.

When Silva faced Morneau the second time, he fouled off several pitches the opposite way before grounding out to second base.

"We're trying to get Carlos back to what made him successful and we saw a lot of good things last night," Wakamatsu said. "There was more sink and it reminded me of the way he pitched when he was successful."


シルバと城島が基本的にシンカー中心にしたのは2回より以降のことで、その差は昼と夜の差くらい、歴然と違っていた。
シルヴァとの2打席目でモーノーは、セカンドゴロでアウトになる前に、いくつかの球を違う方向にファールしていた。
「我々は彼がかつて成功を収めた方向にシルバを呼び戻そうとしているんだ」とワカマツは言う。「より多くシンカーを投げるように(3回以降)なって、彼(=シルバ)が成功していたときの彼の投球術を思い出したよ。」

Wakamatsu said he has the liberty of calling pitches from the dugout, but would rather not go that route.

"We're just starting to work together," the manager said of Johjima. "How long have we been together? I am not going to back away. That's the way I saw the game and those were the two pitches that took away from an otherwise solid outing. We go forward."

Johjima was out of the lineup for Thursday afternoon's series finale against the Twins, but it had nothing to do with the previous night's game. The game plan all along was to start Rob Johnson.


ワカマツは、(監督には)ダッグアウトからピッチャーを告げる自由があるが、そういうやり方はしないと言う。
「私たち(=ワカマツと城島)は一緒に仕事しはじめたんだ。」とワカマツは城島について言う。 「どれくらい長く我々は一緒にいる? 私は問題を敬遠しあうつもりはないんだ。それが僕の野球の見方だし、ほかの点では安定した結果だった今日のゲームの価値を落としたのが(最初に言った)2球の投球だった。我々は前進してるよ。」
城島はは木曜日の午後の対ツインズ最終戦のための先発からはずれていたが、それは前の晩のゲーム(=4月8日のミネソタ戦の負け)と関係はない。ロブ・ジョンソンの起用のためのゲームプランはずっとあった。



damejima at 12:32

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