ジェイソン・バルガス

2014年12月2日、放出した先発投手3人がこの5年のワールドシリーズで先発した、21世紀最高の「他チーム優勝請負人」シアトルGMジャック・ズレンシックが、ケンドリス・モラレスの「2度の獲得」で演じた最悪のドタバタ劇。
2012年5月29日、5回裏に「故意にテキサス有利な方向にゲームを動かそうとした」球審D.J.Reyburnのあまりにもあからさまな作為。
2012年4月24日、一塁塁審として相変わらず誤審をやらかしている、懲りないJim Joyce。
2012年4月19日、骨棘と関節唇故障から自慢の速球を捨てざるをえなかったたジェイソン・バルガスが毎年産み出す新しいピッチング・スタイル。彼のグラウンドボール・ピッチャーへの転身に、心からの拍手を贈りたい。
2011年6月19日、シェイン・ビクトリーノを翻弄したジェイソン・バルガス独特の投球術。中心を作らない「トライアングル・ローテーション」。
2011年6月19日、ジェイソン・バルガス、フィラデルフィア・フィリーズを119球3安打に抑えて、今シーズン2度目の完封勝ち!!!
2011年6月9日、「あれ? こんなに右打者のインコースを突くピッチャーだったっけ?」と思わせる工夫されたピッチングで、球審Marvin Hudsonの横長ストライクゾーンを乗り切ったジェイソン・バルガス。
2011年5月25日、明らかにボールの投球さえ、ミットを大きく動かしてストライクにみせかけようとするジメネスの最悪のキャッチング。今すぐにでもロスターからはずすべき。
2011年5月20日、インターリーグで2年ぶりにシアトルの投手が打ったヒットで、2009年当時のジェイソン・バルガスの苦境を思い出す。
2011年5月18日、ジェイソン・バルガス、大学時代の元チームメイト対決で既に6勝のジェレッド・ウィーバーに投げ勝ち、9奪三振の快投で素晴らしい3勝目。エンゼルスを制圧!
2011年5月17日、The News TribuneのRyanDivishによると、大学時代のジェイソン・バルガスはDH兼ピッチャーで、相当バッティングがうまかったらしい。
2011年5月13日、「打者を追い込むところまで」で終わりの投球術と、「打者を最終的にうちとる」投球術の落差  (1)打者を追い込んだ後のヘルナンデスの不可思議な「逆追い込まれ現象」
2011年5月5日、見事に勝ち越したテキサス3連戦を題材に、「大量の三振をとれるのに、なぜか負ける投手」と、「バットには当てられるのに、凡打の山を築くバルガス」の違いについてちょっと考える。
2011年4月29日、4月8日にてこずったアンパイア Sam Holbrookにまたしても遭遇したジェイソン・バルガスの初勝利。
2011年4月16日、トロイ・トゥロウィツキー、ジェイソン・バルガス、ジェレッド・ウィーバー、ターメル・スレッジの母校、カリフォルニア州立大学ロングビーチ校の「ダートバッグ野球」。アメリカのカレッジベースボールとMLBの深い繋がり。
2010年6月1日、コロメ、テシェイラ、不調だった2人のブルペン投手がDFAになって、さっそく好ゲーム。バルガス好投で4勝目、打線もつながりまくりだが、本当の意味のチーム改善にはまだまだ。(「MLBのDFA(戦力外通告)の仕組み」解説つき)
2010年4月9日、ジェイソン・バルガスの典型的な「3拍子パターン」にビクビクしながら、シアトルとテキサスのゲームを見守る(笑)
2009年6月26日、バルガスのゲームプランを全く理解してないSBO=城島は、満塁でダブルプレー打、恒例の大量失点で惨敗した。
2009年6月20日、7回QSで3勝目のバルガスは、6月14日キロス批判と対照的にロブ・ジョンソンの「ゲームメイクの上手さ」を称え、チームは5割復帰を果たした。(2)
2009年6月20日、7回QSで3勝目のバルガスは、6月14日キロス批判と対照的にロブ・ジョンソンの「ゲームメイクの上手さ」を称え、チームは5割復帰を果たした。(1)
2009年6月14日、新加入投手バルガスは、「城島コピー捕手」キロスが出したサイン通り投げ、打たれまくったことを心から後悔した。(2)
2009年6月14日、新加入投手バルガスは、「城島コピー捕手」キロスが出したサイン通り投げ、打たれまくったことを心から後悔した。(1)
2009年6月14日、城島・セクソンがゴーストとして復活したシアトルは、コロラドでスイープされた。
2009年6月3日、ロブ・ジョンソン強肩披露、6回2死2、3塁、9回無死1塁でランナーを刺し、サヨナラ勝ちに導く。(バルガスの捕手別ERA付き)
2009年5月29日、ロブ・ジョンソン、バルガスを6回1/3QS、ホワイトを2試合連続ホールドに導いてLAA撃破、連勝を果たす。

December 03, 2014

2010年代のワールドシリーズで投げた先発投手で
シアトルGMズレンシックが放出した投手


クリフ・リー 2010年テキサス
ダグ・フィスター 2012年デトロイト
ジェイソン・バルガス 2014年カンザスシティ

この5年間、ア・リーグのワールドシリーズ進出チームのうち、それぞれの別々の3チームの主力投手が、「シアトルGMジャック・ズレンシックが放出した投手」なのは、もちろん偶然ではない(笑)
なんせ彼は、「最高クラスの先発投手を、びっくりするほどの安値で売り払う」ことにかけては、MLB史上最高の才能をもったジェネラル・マネージャーなのだから、当然の話だ(笑)
2013年にシアトルをクビになったデータ分析やスカウティングを担当のGM特別補佐Tony Blenginoも、クビになった後、こんなことを言っている。
“Jack never has understood one iota about statistical analysis. To this day, he evaluates hitters by homers, RBI and batting average and pitchers by wins and ERA. Statistical analysis was foreign to him. ”
「ジャック(ズレンシック)は、統計的な分析についてはこれっぽっちも理解してない。 今日に至るまで、彼は打者をホームランと打点と打率、投手を勝ち数と防御率で評価してるんだ。統計分析なんて彼には縁の無い存在だった」

もし来シーズン、どうしてもワールドシリーズに進出したいア・リーグチームのGMがいたら、絶対にこの人に「先発投手のトレード話」をもちかけるべきだ。
そう、ちょうど今なら、お買い得な「岩隈」という先発ピッチャーがいる。他チーム優勝請負人ジャック・ズレンシックなら、ほとんど数字を確かめることもなく、必ず最安値で取り引きしてくれるはずだ(笑)

ちなみにクリフ・リーは、テキサスでのワールドシリーズ終了後、5年120Mの大型契約でフィラデルフィアへ栄転。フィスターは、デトロイトでワールドシリーズを経験した後、ワシントンにトレードされ、コンテンダーを渡り歩く有名投手に成長した。バルガスはトレード先のアナハイムで2013年5月に月間最優秀投手賞を受賞する好成績を残した後、4年32Mの長期契約でカンザスシティに栄転、ワールドシリーズを経験した。


さて問題は、これらの投手放出によって「シアトルが得た選手たち」の「その後」だ(笑)

ジャスティン・スモーク
一塁手がダブつきまくっていた2010年7月に、ズレンシックがクリフ・リーとの交換でテキサスから獲得。一塁しか守れないにもかかわらず、打てない。またタテマエでは「スイッチヒッター」なのだが、左投手が全く打てないため、事実上スイッチではない。
シアトル移籍後の2010年夏は大振りばかりで空振り三振が多く、打撃不振からマイナー落ち。シーズン終盤に復帰するものの、2011年以降も打撃がモノになる気配はなく、2013年にもマイナー落ちを経験。2014年オフにウェイバーにかけられ、クレームされたトロントに移籍するも、ノンテンダーFA。
キャスパー・ウェルズ
2011年7月末のフィスター放出でデトロイトから移籍。2012年に93ゲームも出場したが、打率.228と低迷。2013年DFA。その後チームを転々とし、2014年独立リーグ行き。GMズレンシックの無能さと、フィスター放出の無意味さを、全シアトルファンに思い知らせた選手のひとり。
チャンス・ラフィン
2011年7月末のフィスター放出でデトロイトから移籍。同年WHIP1.571という最悪の成績を残した。その後、消息不明。
チャーリー・ファーブッシュ
2011年7月末のフィスター放出でデトロイトから移籍。あくまでフィスターのトレードが失敗でないと主張したいチーム側は、ファーブッシュをしつこく先発投手として起用し続けたが、1年目に3勝7敗と、フィスターのトレードがとてつもない失敗だったことを明らかにしただけに終わる。結局セットアッパーに転向。
ケンドリス・モラレス
バルガスとのトレードでアナハイムからシアトルに移籍。シアトルに2シーズンに2度入団した、非常に不可解な移籍経緯のある選手。以下に詳述。(なお、以前は「ケンドリー・モラレス」と表記されていたが、Kendrys Moralesと登録名が変更になり、日本語表記も変更になった)


ケンドリス・モラレスの「2度にわたる獲得」で、シアトルが「ワールドシリーズ先発投手」と、「プロスペクト」と、「741万ドルの大金」と、「10数年ぶりのポストシーズン進出」を失った顛末

最近のシアトルになんの関心もないから、以下の衝撃的な事実をつい最近まで知らなかった(笑) よくこんな馬鹿なことを許したものだと、感心させられたのが、以下の「ケンドリス・モラレス、2年連続シアトル入団事件の顛末」だ。

モラレスは、当時FAまで1年となっていたシアトルの先発投手ジェイソン・バルガスとのトレードで、2013年にアナハイムからシアトルに移籍し、1年だけ在籍し、ホームラン23本、打率.277の成績を残して、オフにFAになった。
つまりバルガスは、彼自身もあと1シーズンでFAになってシアトル脱出予定だったとはいえ、あれほどの投手だというのに、「たった1シーズンでFAになるのがわかっている野手との交換でトレードされた」ということだ(笑)
「チーム再建」だの、「若返り」だのというお題目はどこ行ったのさ? と言いたくなる(笑)ブログ主に言わせれば、このトレードのみで、十分すぎる超絶的な大失態だが、コトはこれだけでは終わらない。


ズレンシックは、「1年しかチームにいない」ことがわかっているモラレスを、貴重な先発投手を無駄に放出してまで獲得した。それだけでも馬鹿だが、さらに、いざモラレスがチームを去るとなると、どうしても引き止めたくなったらしく、「どうせ移籍するだろうが、ドラフト指名権が欲しい」という意味ではなく、「チームに残ってもらいたい」という意味のクオリファイング・オファーを提示したのである。

だがシアトルにいたくないモラレスは拒否。
ズレンシックは赤恥をかいた。


ただそれでも、もし2013年オフにモラレスをリーグ上位チームが獲得してくれれば、クオリファイング・オファーの規定によって獲得チームのドラフト指名権がシアトルに移ることにはなる。

だがドラフト指名権移動は起こらなかった

というのも、モラレスがFA市場で売れ残ってしまい(契約が遅れた理由は代理人スコット・ボラスの提示金額が高すぎたためらしい)、ようやく2014年6月になって1年1200万ドルの単年契約にこぎつけたチームが、地区最下位のミネソタだったからだ。ミネソタの前年のリーグ順位は下から3番目。全体10位以内の指名権は保護されるため、ミネソタのドラフト指名権は移動しない。

クオリファイング・オファーの提示額の高さを考えれば、契約が難航して困っていたはずのモラレスが、再契約したくてたまらないシアトルとの契約を選択してもいいはずだが、モラレスは優勝する見込みが全く無いミネソタとの単年契約のほうを選んだ。モラレスが「シアトルに戻るのを、心底嫌がっていた」ことが非常によくわかる。


さて、2014シーズンのア・リーグのポストシーズン行き候補が決まりかけてきた初夏。モラレスは6月のミネソタで39ゲーム出場したが、ホームランはたった1本(AB/HRはキャリアワーストの154.0)で、打率.234と、酷い打撃成績に終わっており、ここが肝心だが、ミネソタファンのブーイングを浴びていた。

だがここで再び
「他チーム優勝請負人」ズレンシックが動いた(笑)

なんと、彼はまだ「モラレスにこだわった自分」にこだわり続けていたのだ。ズレンシックは「ミネソタでブーイングを浴びている、打てないモラレス」を獲るため、「シアトル側のサラリー全額負担+若手のスティーブン・プライヤー」という、わけのわからない破格の好条件を提示し、10数年ぶりにポストシーズンの可能性が見えてきたが、打撃の補強が急務だったシアトルに、打ててないモラレスを助っ人として再獲得してきてしまうのだ(笑)

よほどのことでもない限り他チームのやり方にクチをはさむことなどないMLBだが、この理解不能な「モラレス再獲得」については、他チームのエグゼクティブと称する人物がFOXのインタビューに応えて "curious" 、「奇妙なことをするもんだ」と真っ向から批判している。
Trader Jack? As Seattle's GM struggles to complete deals, some rival executives wonder | FOX Sports

結局シアトルは、「2度のモラレス獲得」に、「先発ジェイソン・バルガス、741万ドル、プロスペクトひとり、2年の歳月」を費やした。(注:この場合の金銭負担は「1シーズンを通じてプレーした」場合の「1200万ドル」ではなく、「日割り計算」の「741万ドル」になる)
かたやミネソタは「結局モラレスに1円も払わないまま、ドラフト指名権も手放すことなく、お払い箱にできた」のである。どちらが損せずに済んだか。いうまでもない。


こうしてモラレスは、たぶん嫌々だったと思うが、シアトルに「2年続けて」入団することになった。(たぶんFA後にようやく契約できたミネソタに足元を見られ、契約に拒否権が入れられなかったのだろう)モラレスがミネソタからシアトルに移ったのは2014年7月24日以降だが、結果はどうだったか。
59ゲーム出場 239打席
ホームラン7本 打率.207
AB/HR 30.4(キャリア23.5を大きく下回る)


2014年7月以降のシアトルは、ヤンキース、カンザスシティ、オークランドとともにワイルドカード争いをしていた。カンザスシティの好調さから、単に勝率を維持している程度ではポストシーズン進出はダメで、「勝ちをさらに積み上げ、勝率を上げ続ける必要」があった。

シアトルが「勝率が上昇しない原因」は、
いうまでもなくチーム伝統の「得点力不足」にあった。

ズレンシックが6年もの歳月をかけ、自分の手で得点力を極限まで低下させてきたのだから(笑)このチームの得点力の無さは、ロビンソン・カノーひとり獲得したところで、なんとかなるような代物ではないのだ。

そこでズレンシックは、「ミネソタでブーイングされていたモラレス」を再獲得しただけにとどまらず、さらにニック・フランクリンをエサにした三角トレードで、「対戦相手にとっくにスカウティングされまくって、所属するデトロイトからも見放されつつあったオースティン・ジャクソン」まで獲得してしまう。当然、ジャクソンも打てるわけがない。(54ゲーム出場、打率.229)

こうしてシアトルは、またもやズレンシックがやらかしたトレード失敗の数々によって、オールスター後に得点力を伸ばすことができず、10数年ぶりのポストシーズン進出をみすみす逃すハメになった(笑)
シーズン終盤失速した2014シアトルの成績
First Half    51勝44敗 貯金7 378得点321失点 勝率.537
Second Half  36勝31敗 貯金5 256得点233失点 勝率.537


バルガスがトレードされた2012年当時ズレンシックは、自分自身の契約更新を目前にしていた。
おそらく彼は、「守備重視の大失敗」、「若手路線の大失敗」、「トレードでの数々の大失敗」、「イチロー追い出しという歴史的ミス」、「観客激減」など、これまでの不手際の数々によって消えかかっていた自分の契約延長を可能にするために、それまで主張し続けてきた「チーム再建」や「若返り」などという「まやかしのコンセプト」ですら、すっかり全部引っ込めて、「目先の勝利を優先」する方向に方針を変え、「1年先にいなくなるのがわかっているFA野手」であっても、ステロイダーであっても、なりふりかまわず手を出す一方で、若手をトレードの駒にしはじめている。

もしバルガスのトレードが、そういう「目先の利益を追いかけるためだけのトレード」ではなく、「課題だったはずのチーム再建をきちんと優先した、有望な若手数人を手に入れるトレード」だったら、あるいは、「モラレスにとって、シアトルがわずか1年いただけでも在籍したくなくなるような、イヤな球団」でなかったら、シアトルはモラレス獲得で失った「741万ドルの無駄なカネと、プロスペクト」を失わずに済んだはずだ。

いずれにしても、ケンドリス・モラレスを執拗に追いかけたズレンシックの度重なるドタバタが、シアトルを2014年のポストシーズン進出から遠ざける大失態を招いた原因のひとつであることは間違いない。
課題の得点力不足を解消できないままシーズンに突入しただけでも、GMとして大失態だが、それだけでなく、ポストシーズン進出の可能性があるチームにとって必須条件の「夏の戦力補強」に失敗したのだ。
(だからこそ、ふたたび後がなくなった彼はボルチモアでブーイングされまくっているステロイダー、ネルソン・クルーズにも2014年オフに手を出した。そのうちメルキー・カブレラにすら手を出す可能性がある)


よく、こんな「売るのも、買うのも下手なGM」に、
チームをまかせる気になるものだ。

damejima at 09:30

May 30, 2012

今日の球審D.J. Reyburnは、あまり聞き慣れない名前のアンパイアだと思ったら、Wikiによれば、2009年から2010年までは主にドミニカン・リーグでアンパイアをしていたらしい。
D.J. Reyburn - Wikipedia, the free encyclopedia

どんなリーグでアンパイアをしていようと、優秀で公正なアンパイアなら構わない。
だが、「アンパイアが、あからさまにゲームを作ろうとする行為」は、いただけない。
というか、ハッキリ言わせてもらうが、ここまで連続してあからさまに判定を贔屓してゲームを動かそうとする作為を、あまり見たことがない。
Seattle Mariners at Texas Rangers - May 29, 2012 | MLB.com Classic


今日のシアトル先発ジェイソン・バルガスは、何度も書いているように、コントロールが非常にいいピッチャーで、ことに、調子のいいときなどは「針の穴を通す」という月並みな表現を使いたくなるほどのコントロールの持ち主だ。

そのバルガスが強打のテキサス打線をヒット1本に抑えこんだまま、シアトルが4-1と3点リードで、5回裏テキサスの攻撃を迎えた。

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1死走者なしで、
バッターは右のマイク・ナポリ

まず、2球目のインハイの2シーム(下の画像のアルファベットAで示した球。緑色の円に、白ヌキ数字で2と書かれている)

2012年5月30日5回裏 マイク・ナポリ 四球


これは左ピッチャーのバルガスが、右バッターのインコースに投げる2シームで、いわゆる「フロントドア・2シーム」。(下図でいうAの軌道)
これは日本でいう「内角をえぐるシュート」のような軌道の2シームで、バルガスは今日これを右バッターに多投することで、テキサス打線を黙りこませた。
front door と back door

たしかにこの2球目は、ルールブック上のストライクゾーンではボールだが、「右バッターのストライクゾーンは、内外についてボール1個分、広い」というMLBの球審の平均的傾向からすれば、きわどいところを突いている。
だが、「コーナーいっぱいに決まる球は、ストライク判定しないアンパイアが多い」というのも、また、MLBの球審の傾向でもあることだし、2球目がボール判定されたことは、まぁ、問題ない。
参考データ:ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年7月11日、MLBのストライクゾーンの揺らぎ (5)カウント3-0ではゾーンを広げて四球を避け、カウント0-2ではゾーンを狭めて三振を避ける。あらためて明らかになったアンパイアの「故意にゲームをつくる行為」。


しかし、いけないのは、
3-2、マイク・ナポリがフルカウントまで粘った後の10球目の2シームの「ボール判定」だ。

ハッキリ言わせてもらう。
この判定には、球審D.J. Reyburnの「ここでゲームを盛り上げておこう」というあからさまな作為が、ハッキリ現れている。
低めギリギリどころか、かなりストライクゾーンの内側に決まったこの2シームを、球審D.J. Reyburnは、そしらぬ顔をして「ボール判定」し、マイク・ナポリを1塁に「球審が故意に歩かせた」のである。

大きく変化する球ならいざ知らず、それほど大きく曲がるわけではないバルガスの2シームの判定で、これほど真ん中に来た球を「ボール」と判定するなら、何がストライクか。
球審D.J. Reyburnは、他に、このコース近辺の球を、他のイニングにおいては何度も何度もストライクコールしている。

だから10球目の判定は絶対におかしい。
マイク・ナポリは本来、見逃しの三振だ。

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次は、
ナポリの「球審D.J. Reyburn作為の四球」に続き、ヨービット・トレアルバのシングルヒットで、無死1、2塁となった後、9番クレイグ・ジェントリーの打席の初球、3球目、6球目の判定だ。

これはもう、酷すぎてお話にならない。
よくここまであからさまに連続して贔屓判定できるものだ。
ここまであからさまなのは珍しい。


まず初球の2シーム(下図で、アルファベットのBで示した球)。

これなどは、ストライクかボールかを論じる必要すら感じない。球審D.J. Reyburnは、よくこのストライクを、恥ずかしげもなく「ボール」と判定できるものだ。このときたしかマウンド上のバルガスが大きな声を出して球審に話しかけたが、無理もない。こんなのをボールと判定されたんじゃ、たまったもんじゃない。


そして、「ボール」と判定された3球目のチェンジアップ(下図で、アルファベットのCで示した球)。

この判定も相当ひどい。
左ピッチャーのバルガスが、得意のチェンジアップを右バッターのインコース一杯に決めるのだから、球の軌道は当然アウトコース側から入ってきて、ストライクゾーンをハッキリと横切り、インコース一杯に決まっている。球審D.J. Reyburnは、よくこのストライクを恥ずかしげもなく「ボール判定」できるものだ。

また、フルカウントから投げた6球目のチェンジアップにしても、インコース低め一杯に決まったのだから、ボールの軌道は十分にストライクゾーンを横切っている可能性は高いわけだが、この球も球審D.J. Reyburnは「ボール判定」している。

これでは投手は投げる球など、なくなってしまう。
次のバッター、イアン・キンズラーが初球の真ん中低めのカーブを併殺打してくれてチェンジになったからいいようなものの、もしこの打球が抜けて大量失点しているようなら、試合の流れは大きくテキサスに傾いたはずだ。

ナポリも、ジェントリーも、見逃し三振の判定が正しい

2012年5月30日5回裏 クレイグ・ジェントリー 四球


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プレート間近で判定する球審に、あらぬ言いがかりをつけているように思われても困るので、以上の話を、いつものBrooks BaseballのPitchFXで検証しておこう。
Brooks Baseball · Home of the PitchFX Tool - Strikezone Map Tool

下記の図で、マイク・ナポリへの2球目(アルファベットのA)、クレイグ・ジェントリーへの初球(B)、3球目(C)が、それぞれハッキリと確認できる。
また、マイク・ナポリへの10球目は、見た目にわかりにくいが、アルファベットのAで示した2球目から数えて、2つ左に位置している赤い三角形の陰にダブる形で隠れている。明らかにストライクである。

ナポリについても、ジェントリーについても、それぞれ複数球の判定が間違っており、そこには「故意にゲームを作ろうとする球審の作為」があると断定せざるをえない

2012年5月30日 球審J.D.Reyburnの判定


それにしても、最近のヘスス・モンテーロがマスクをかぶったゲームでのリードは酷い。ほとんどの球をアウトコース低めでお茶を濁そうとしている。これでは相手に手の内を読まれて当然だ。まるでかつてのダメ捕手城島を見ているかのようだ
今日ジェイソン・バルガスは右バッターのインコースを果敢に攻めてテキサス打線を牛耳ったわけだが、キャッチャーはジョン・ジェイソだった。

ジェイソン・バルガスは、ミニ城島みたいな単調なサインしか出せないヘスス・モンテーロとは、絶対にバッテリーを組むべきではない。

damejima at 17:41

April 25, 2012

デトロイト対シアトル初戦、ジェイソン・バルガスがまたもアンパイアの誤審に泣かされながらも、粘って3勝目。デトロイト先発は今シーズン始まって以来ずっと打たれまくりのERA8点台マックス・シャーザーだから、シアトルがある程度得点できることは予測できた。
Seattle Mariners at Detroit Tigers - April 24, 2012 | MLB.com Classic

それにしても、
4回裏フィルダーのシアトル先発バルガスを強襲した打球は、結果的に言えば安打になった(その直後2ランホームラン被弾)わけだが、バルガスのファースト送球は、スローで見ると余裕で間に合っている。
そりゃそうだ。送球がファーストミットに収まったとき、フィルダーはまだベースを踏んですらいなかったんだから。クロスプレーですらない。

一塁塁審は、ガララーガの完全試合をフイにした、
あのJim Joyce
懲りないアンパイアだ。
Top 10 Worst Calls In Baseball History | Top 10 Lists | TopTenz.net

詳しくはまた後で書く。


ついでに言えば、メジャー経験の浅い球審James Hoyeの判定もかなり酷い。
データ画像を作るのがめんどくさいので、今日は自分で勝手に見てもらいたいが、(Brooks Baseball · Home of the PitchFX Tool - Strikezone Map Tool 2012/04/24 DETvsSEA)、左バッターのアウトコース判定に何の基準も見えないわ、右バッターと左バッターでストライクゾーンがまるで違うわ、こんな「バッターから見て、何の基準も見えない球審」じゃ、ゲームがやりにくくてしかたないに違いない。


どこかにフィルダーの内野安打の動画か静止画が落ちてないかな?

damejima at 09:35

April 20, 2012

ジェイソン・バルガスは、シアトルに移籍してくる前のメッツ在籍時代、2007年10月に肘のbone spur(=骨棘 こつきょく)、そして2008年5月には股関節のtorn labrum(関節唇)を続けて手術している。長期休養後、球速は戻らず、その結果、大学時代から自慢だった4シームストレートを捨てざるをえなくなった。


関節唇というのは、肩と股関節にだけある。
人間の骨格は、重力にあらがって両手を自由に使える直立二足歩行をする独特の身体システムに進化したために、動物とは全く違う複雑な身体メカニズムをもつ。肩に故障が起きやすく、また、上半身の重みを支える股関節にどうしても大きな負荷がかかるのも、進化の副産物だ。
上半身の重量に耐えるために、股関節の形状は、球形になった大腿骨の端を窪みにはめこむだけでなく、股関節唇が包み込むことで、関節としての安定性を高めている。
ただ、股関節唇は柔らかいため、野球のスライディングなどで股関節が瞬間的に大きく広げられると、亀裂が生じる。そのままプレーを続けていると、股関節唇の亀裂は大きくなるばかりでなく、裂けた軟骨が関節の中に入り込んでスムーズな動きが妨げられるようになったり、入り込んだ軟骨が股関節表面に傷を付けるようになり、やがて手術が必要な状態になるほど深刻化していく。
関節唇の損傷で長期休養を強いられるMLBプレーヤーは近年急増しており (アレックス・ロドリゲスダレン・オデイチェイス・アトリーカルロス・デルガドブレット・マイヤーズエリック・ベダードグレッグ・ゾーン、ソフトバンクのクローザー馬原など)、特にピッチャーにとっての関節唇損傷の影響はトミー・ジョン手術より深刻だといわれてきた。
Baseball's most fearsome injury. - Slate Magazine

Torn Labrum(股関節唇損傷)Torn Labrum - International Hip Dysplasia Institute (IHDI)


torn labrumの起きるメカニズム




肘と股関節の手術後のジェイソン・バルガスのピッチングは、どう変わったのかを見てみよう。
数字を見れば明らかなように、故障手術後のバルガスは、配球の中心だった自慢の4シームを「捨てていく」ことで投手成績を向上させてきた
名門ルイジアナ州立大学、そしてカリフォルニア大学ロングビーチ校で速球をビシビシ投げてMLB入りし、20代なかばでローテーションピッチャーだった投手がスピードボールを捨てるのだ。さぞかし最初は無念だったことだろう。

年度  FA  CH  FT
2009 63.7 16.4 8.4
2010 26.5 29.3 35.6
2011 24.2 29.9 25.4
2012 17.0 19.7 39.1
FA:ファストボール CH:チェンジアップ FT:2シーム
Jason Vargas » PitchFx » Overview | FanGraphs Baseball

ジェイソン・バルガスの年度別FIP
ジェイソン・バルガスの年度別FIPJason Vargas » Graphs » Comparison » All Season » Pitching | FanGraphs Baseball


バルガスのトレードマークは昔も今も「チェンジアップ」で、近年、投げる率こそ下がってきてはいるものの、いまでもそれなりのパーセンテージのチェンジアップを投げている。
シアトルに移籍してきた当初、バルガスの投手成績が伸び悩んだのは、手術でスピードボールを捨てざるをえなくなり、活路を求めた彼が編み出した独特のチェンジアップ中心配球にまったく理解のない城島、キロス、ジメネスなどの無能なダメ捕手とばかりバッテリーを組まされたからだ。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:ジェイソン・バルガス

大学時代のバルガスは、カリフォルニア大学ロングビーチ校時代のチームメイトであるLAAのローテ投手ジェレッド・ウィーバーによれば、「94から95マイルを投げるほどの、バリバリの速球派」だった。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年5月18日、ジェイソン・バルガス、大学時代の元チームメイト対決で既に6勝のジェレッド・ウィーバーに投げ勝ち、9奪三振の快投で素晴らしい3勝目。エンゼルスを制圧!

かつて速球派だったバルガスの近年の持ち球の大きな変化は、なんといっても手術で球速の落ちた4シームを諦め、配球の中心を2シームやチェンジアップに切り替えたことだ。
だが、自慢の4シームを「捨てる」といっても、それをバルガスがすぐにできたわけではない。彼は手術後の2009年ですら、63.7%もの4シームを投げ、その結果打たれまくって、投手成績を大幅に悪化させている。
彼が、場合によっては引退を覚悟しなければならないほどの故障を手術した直後でさえ、あくまで自分を速球投手であると思いこみたかった切ない気持ちが、よく伝わってくる。投手はロボットじゃない。人間なのだ。
だが、彼は2010年にようやく速球に別れを告げて、カットボールを習得した。(それは自慢のカーブだけではやっていけないと感じたクリフ・リーがカットボールを習得したのと似ている)
その後、苦心して編み出したチェンジアップ中心の配球を相手チームに読まれて打たれ出したが、その対策として今年からナックルカーブを習得し、相手チームのスカウティングによって配球を読まれるのを防ごうとしている。

こうした努力の結果、これまでのジェイソン・バルガスはフライボールピッチャーだったが、今シーズンのバルガスは、キャリアで初めてゴロアウトがフライアウトを上回っている。これが大きい。
もちろん、ゴロアウトの増加には、多投している2シームやチェンジアップ、ナックルカーブなど、縦の変化が効いているのだろう。4月18日クリーブランド戦6回の二死満塁のピンチでも、2シームでかつての同僚ホセ・ロペスをゴロアウトにうちとっている。
Cleveland Indians at Seattle Mariners - April 18, 2012 | MLB.com Classic
ジェイソン・バルガスのフライアウトとゴロアウトの割合
初めてゴロアウトがフライアウトを上回った2012年のバルガス


ジェイソン・バルガスが例年、オールスター明け以降に調子を落とすことが多いのは当然承知しているが、その原因はスタミナ不足ばかりではなく、むしろ相手チームのスカウティングによって、そのシーズンのためにジェイソン・バルガスが編み出す配球や苦労して覚えた新しい持ち球が研究され尽くしてしまうからではないか、と思っている。

数々の故障を越え、毎年シーズンオフに新しい球種を覚え、毎年のように配球パターンを変え、2012年もまた新しいピッチングスタイルに辿り着いてマウンドに登り続ける、勇気あるジェイソン・バルガスに、あらためて心からの拍手を贈りたい。

damejima at 09:51

June 20, 2011

これはもう、野球というより、現代アート。ヴィンチェンゾ・ナタリ監督のカナダ映画「CUBEを見ているかのような、コンテンポラリーアート感覚のピッチングだ。

CUBEのポスター


何度も書いてきているように、チェンジアップだけを武器にして打者と対戦していた頃とまったく違い、今のジェイソン・バルガスは、ファストボールカットボールチェンジアップ、この3つの球種の絶妙な「トライアングル・ローテーション」からピッチングを構成することで、打者を翻弄することができるようになった。

フィラデルフィアのいまの打線の核は、いざというときにあまり打たないライアン・ハワードでも、今シーズン不調のチェイス・アトリーでもなくて、あきらかに2番シェイン・ビクトリーノなのだが、このビクトリーノをバルガスが丁寧に料理したのが完封につながった。大事なことなのでメモをとっておこう。

第1打席 ストレート中心
チェンジアップ(ボール)
ストレート(見逃しストライク)
カットボール(ファウル)
ストレート(ボール)
カットボール 三振

第2打席 チェンジアップ中心
チェンジアップ(ボール)
チェンジアップ サードファウルフライ

第3打席 たった1球投げたカーブ
カットボール(見逃しストライク)
カーブ ショートポップフライ

第4打席 カットボール中心
カットボール(見逃しストライク)
チェンジアップ(ファウル)
カットボール(ボール)
ストレート センターフライ

4つの打席をこんどは球種別に見てみる。
投げた球種は4つだ。

チェンジアップ(4球)
   ボール、ボール、サードファウルフライ、ファウル
カットボール(4球)
   ファウル、三振、見逃しストライク、ボール
ストレート(3球)
   見逃しストライク、ボール、センターフライ
カーブ(1球)
   ショートポップフライ

実に美しい。
使った4つの球種、その全てで、
 ひとつずつアウトにうちとっている
」。


バルガスがいかにビクトリーノに的を絞らせなかったか、
細かい説明など不要だろう。


ビクトリーノに対して「使った4つの球種すべてで凡退させた」だけでなく、各打席の初球に使った球種の「微妙な」バラつき感、各打席のピッチングの中心球種のバラつき感。
どこを見ても、バルガスのピッチングは常に、極端すぎない程度の 『ゆるい意外性の感覚』 に満ちていて、まるで墨に水をかけて曖昧に暈す(ぼかす)かのように、 『法則性の出現』 を非常に上手く消している

球種を6つとか7つとか、数多く使えば使うほど的を絞らせないですむか、というと、そうでもない。それぞれの球種のレベルが低くては意味がないし、たくさんの球種を持っている投手に限って、フォークとか、本当の勝負球種はひとつだけしかなかったりするのも、人間という動物の不思議なところだ。
また、投球ごとに必ずコースも球種も変える、というような「極端すぎるバラつき」も、実は意外性は無い。かえって法則性がにじみ出てしまう。

適度に同じで、適度に違う。いつ変わるのか、わからない。
そういう「曖昧さ」こそが、「中心」というものを消滅させる。


そう。これは
中心の無い三角形が自由にローテーションする
中心の無い世界」。
トライアングル・ローテーション」(©damejima)だ。

Rotation of a triangle







damejima at 16:12
これがプロなんです。「投球術」というやつなんです。


ジェイソン・バルガス、フィリーズ完封、おめでとう!!!!!
間違いなく、今シーズンのバルガスのベストゲーム。全119球、ストライク84球ボール35球。被安打3、四球2。特に、今のフィリーズ打線の核になっているジミー・ロリンズショーン・ビクトリーノのバットを完璧に抑えこんだのが、最大のポイントだろう。
球審は2009年オールスターの球審もつとめた経験のあるDana DeMuth。今日の彼のコールは非常に正確。素晴らしい投手戦を支えた影の立役者。


バルガス5勝目
いやっほぉおおおおおおおおおぉぉぉ!!!!!!!!!

拍手拍手拍手

Philadelphia Phillies at Seattle Mariners - June 19, 2011 | MLB.com Classic

今日は父の日だったから、スタジアムは子供連れで超満員。
そしてファンだけでなく、ジェイソン・バルガスの2人の娘さん、ブランドン・リーグの2人の娘さん、監督エリック・ウェッジの2人の子供たちはじめ、選手の子供たちが大勢スタジアムにやってきていた。(どういうわけか、選手の子供たちはほとんど「女の子」ばかりだった 笑)

ラリー・フライは、三つ子を連れたパパにプレゼントされたが、「ビッグパパ」バルガスは、フィリーを完封して、2人の娘たちに父の日の勝利をプレゼントした。

今日はイチメーターの人も、最後はいつもの「イチメーター」の看板を「Viva. Las. Vargas」ってプレートに持ち変えて、バルガスの完封を応援してた。


ほんとうにいい日曜日&父の日。
最高!






damejima at 07:47

June 09, 2011

よくまぁ、今日のようなストライクゾーンが「極端な横長」で、低めのチェンジアップがほとんどボールにされてしまうような球審にブチあたった日に、針の穴を通すコントロールで投げるのを信条とするジェイソン・バルガスが、ここまでの好投をできたものだ。感心した。

最近めっきりキレがなくなったリリーフ、ジャーメイ・ライトが同点2ランを打たれてしまい、せっかくのバルガスの勝ち星をフイにしてしまったが、いずれにしても粘り強いピッチングで、超苦手なホワイトソックス戦、苦手なUSセルラー・フィールドでのビジター3連敗を見事に阻止してくれたのは、バルガスの好投あってこそだ。文句無く素晴らしい。

前の登板の初完封といい、
バッテリーに心から拍手を送りたいと思う。

Seattle Mariners at Chicago White Sox - June 8, 2011 | MLB.com Classic

今日の球審Marvin Hudsonは、本来はこういうアンパイアではない、と思う。データ上でいうと、本来はかなりルールブックどおりのストライクゾーンを持っている「はず」のアンパイアだ。

だが、なんとまぁ驚いたことに、今日のMarvin Hudsonのゾーンは、「あまりにも横長なゾーンで判定することで有名なMike Winters」以上の、びっくりするほど横長なストライクゾーンだった。
資料:Mike Wintersのストライクゾーン
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年11月8日、MLBのストライクゾーンの揺らぎ (4)特徴ある4人のアンパイアのストライクゾーンをグラフ化してみる(付録テンプレつき)

今日のゾーンの「極端さ」ときたら、低めのきわどいボールをとらない程度の話じゃなかった。
たぶん今日は、ルールブック上のゾーンの低めいっぱいから上に、約ボール2個分、約5インチから6インチくらいの間の空間、つまり「ボール約2個分くらいの低めのストライクゾーン」が「消滅していた」と思う。

そして、低目をまるでとらない一方で、「左右のゾーン」は異常に広かった

だから、今日のバッテリーは「上下」ではなくて、「左右」にゾーンを使うしかなかった。(実際、今日バッティングでも大活躍したオリーボの打った球は、どれも高めの球。彼はキャッチャーだから「このアンパイアなら、高目を投げるしかないと、相手バッテリーも考えているに違いない」とでも考えて、狙いを高めに絞っていたかもしれない)


以下は、いつもの判定マッピングである。
四角い点がホワイトソックスの投手、三角の点がシアトルの投手。赤色の点が「ストライク判定」緑の点が「ボール判定」
低めのゾーン内に、「緑色の点」、つまり「球審にボール判定されたストライク」が、異常にたくさんあることを見ておいてもらいたい。
よくこれで、低めのきわどい球を決め手とするジェイソン・バルガスが好投できたものだ。

2011年6月9日 球審Marvin Hudsonの「横長ストライクゾーン」
資料:Brooks Baseball · Home of the PitchFX Tool - Strikezone Map Tool


わかりやすくするために、上の今日の判定結果マッピングに、さらに手を加え、「今日のおおまかなストライクゾーン」を赤色の四角形で示してみた。
びっくりするくらい「ストライクゾーンが横長になっている」ことがわかると思う。図をクリックして、大きな図で確かめてもらいたい。

2011年6月9日 球審Marvin Hudsonの「横長ゾーン」を明示した図


バルガスは、こういう「低目をほとんどとらない球審」に出くわすと、どうしても彼本来の「きわどいコースにストライクを決めまくって、打者をキリキリ舞いさせるようなピッチング」が出来なくなってしまう。
バルガスはときとして大量失点することがあるが、それは、かつての城島キロス、いまのジメネスのような、バルガスの望む配球パターンを頭に入れてないキャッチャーとばかり組まされてきたこと以外に、球審の問題がある。低めのストライクがとってもらえず、しかたなく高めにチカラの無い球を投げては、連打されまくってしまうのだ。

バルガスが負けるときの典型的なパターンは、日本のファンもよく知ってのとおり、「コントロールの素晴らしいバルガスはいつでもきわどい変化球のストライクを投げられる。なのに、低目をまるでとらないような相性の悪い球審に悩まされると、結局、意図しない大量失点をする負けパターン」にはまる(というか、ハメられてしまう)のだ。


だが、今日のバルガスは違っていた。
やっぱり息のあったクレバーなバッテリーは見ていて気持ちがいい。
今日バルガスとオリーボは、バルガス特有の負けパターンにはまらないように気をつけていたように見えた。


プレートの真上に落ちる変化球は、MLBにおける典型的な決め球のひとつだが、バルガス、オリーボのバッテリーは、ゲーム序盤から「プレートの真上に落ちるチェンジアップ」だけに頼らず、「インコースを突く攻め」も織り交ぜて、配球に変化をもたせていた。
だが、ゲーム序盤に「今日は、低めのチェンジアップがストライク判定してもらえないこと」に気づいて、低めのチェンジアップだけに頼るのを止め、(特に右打者に対して)インコース攻めをより強調した。

この「インコース攻め」が、今日の「まったく普段の彼らしくないMarvin Hudson」のような「低目をまるでとらない球審」がとても苦手なバルガスにとって、非常に功を奏した。


例1)初回のカルロス・クエンティン
1回裏、二死走者なし。
3番カルロス・クエンティンには、この3連戦で既にフェリックス・ヘルナンデスがホームランを打たれているが、バルガスは、その危険なクエンティンのインコースへ「勇気ある2球目」を投げた。
シアトルには好投手も多い。だが、いま好調のクエンティンのインコースに、ひょいっとチェンジアップを投げるだけの勇気あるピッチャーは、このジェイソン・バルガスだけだろう。

このインコースのチェンジアップは見事すぎるほどの「明らかなストライク」だったが、球審の判定はなんと「ボール」。やむなく外のカットボールで追い込むが、4球目に再び「ボール判定されたチェンジアップ」と同じコースにストレートを投げたところ、ホームランを浴びた。ツいてない。

2011年6月9日 ホワイトソックス戦 1回裏 クエンティンへの2球目


例2)4回のリオス
4回裏、二死2塁。追加点のピンチ。
5番アレックス・リオス。2球目、インコース低めにズバリと決まったバルガス得意のチェンジアップだが、球審はこれを「ボール判定」。その後3-0とカウントを悪くして、ピンチを広げそうになった。
だが、こんどはバルガスが、あわてずに得意のチェンジアップを典型的な「アウトハイ・インロー」配球で内・外と投げ分け、リオスをピッチャーゴロに仕留めた。
MLBでよくみかける「アウトハイ・インロー配球」については以下のブログ記事を参照。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」damejimaノート

2011年6月9日 ホワイトソックス戦 4回裏 リオスへの2球目






damejima at 14:24

May 26, 2011

ミネソタ初戦で、今までまったく関心のなかった控えキャッチャーのクリス・ジメネスを初めてじっくり見てみたが、いったいあれは何だ?
怒りがこみあげてくる。
いったい誰が、あんなおかしなMLBらしくないテクニックを教えこんだのだ?
Seattle Mariners at Minnesota Twins - May 23, 2011 | MLB.com Classic


何がいけないって、
どんなクソボールでも、「常に」ミットを大きく動かしてストライクにみせかけようとするキャッチングだ。

マジ最悪
こういうのは技術が高いとか低いとか、そういう問題ですらない。メジャーのキャッチャーとして、ありえない。

たしかにMLBでも、きわどいボールの場合に、判定を有利にしようとミットをほんのわずか動かすキャッチャーは、いる。
だが、ジメネスのキャッチングの酷さはそういうレベルではない。度を越している
なんたって、誰が見てもボールどころか、ゾーンからはるか遠く離れた明白なボールですら、大きくミットを動かして、球審にアピールしようとしているのだ。ありえない。

いらぬことをするな。と、言いたい。

いまや知っての通り、MLBのアンパイアは(個々の技術はともかく)プライドが非常に高い。
キャッチャーが、日本のプロ野球でやるように「あからさまにミットを動かして捕球する」ことで、「アンパイアのコールを自分たちに有利に誘導しようとしている」と球審に思われれば、そのアンパイアはもう、ピッチャーに有利な判定などしてくれなくなる。当然の話だ。

実際、データを調べてみると、5月23日の球審Ed Rapuanoは、シアトルの投手の低めのボールに辛くなっていて、特にバッターが左の場合に、低目をほとんどストライクコールしていない。(この日のミネソタの左打者というと、当たっているトップバッターのディナルド・スパン、2本ホームランを打たれたジム・トーミがそれにあたる)

2011年5月23日 球審Ed Rapuanoの判定(補正後 左打者)左マップ内、三角形のマーキングがシアトルの投手。
低めのストライクがほとんどボールとコールされている。
出展:Brooks Baseball · Home of the PitchFX Tool - Strikezone Map Tool

2011年5月23日 ミネソタ初戦 3回裏 スパン 四球5月23日 3回裏
スパン 四球

2球目、3球目と続けて投じたアウトコース低めの釣りっぽいストレートがボール判定。フルカウントからの7球目、インコースをえぐる絶好のカットボールもボール判定。

控えキャッチャーのクリス・ジメネスになんの関心もなかったので、いままでたいして調べてもなかったのだが、5月23日のバルガス先発ゲームがあまりにも酷かったので、ちょっと調べてみて、呆れた。

ジメネスは2004年ドラフト19巡目(全体557番目)でクリーブランドの選手になり、それから5年目の2009年にようやくメジャーデビューしている。それから2010年10月にはFAになり、12月にシアトルと契約したわけだが、2009年デビュー時は外野手としての起用が中心のユーティリティとしてのデビューであって、メジャーでのキャッチャーとしてのキャリアがほとんどない。
これはもう、CERAがどうの、配球がどうのとか、そういうレベルじゃない。
Chris Gimenez Fielding Statistics and History - Baseball-Reference.com

CERA
2009年 4.18(45ゲーム中8ゲームがキャッチャー ライト7、レフト14)
2010年 4.54(28ゲーム中24ゲームがキャッチャー)
2011年 5.75(10ゲーム中9ゲーム)
通算   4.78


キャッチャーで先発したゲームほぼ全敗のジメネスとばかり組まされている、不幸なジェイソン・バルガス
負 4-6 ベダード
負 3-8 バルガス
負 0-7 ヘルナンデス
負 2-3 ベダード
負 1-9 バルガス
負 0-6 フィスター
勝 2-1 フィスター  ←オリーボと途中交代
勝 8-7 バルガス  ←オリーボ途中交代


ここ最近のジェイソン・バルガスのピッチングは、シアトルに来たばかりの頃のように、チェンジアップのキレと緩急だけに頼っているのではなくて、ストレート、チェンジアップ、カットボールの3つの球種を、相手に読まれないような意外性のある配球をし、しかも、きわどいコースにビシリ、ビシリと決めていくピッチングに変化している。
とりわけ最近のバルガスにとって重要なのは、低めにビシビシ決めていく「コントロールの良さ」だ。
これがたとえば「低目をまったくとらない、バルガスと相性の悪いアンパイア」にあたるとどうなってしまうか、については、再三再四書いてきた。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年4月15日、Sam Holbrookの特殊なストライクゾーンに手こずったジェイソン・バルガス。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年4月29日、4月8日にてこずったアンパイア Sam Holbrookにまたしても遭遇したジェイソン・バルガスの初勝利。

微細なコントロールが命になってきたバルガスにしてみれば、ジメネスのような「キャッチングの酷さで、アンパイアを敵に回してしまうようなキャッチャー」と組むことは、まさに死活問題。かつてダメ捕手キロスと組まされていた不幸な時代が復活しかねない。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年5月20日、インターリーグで2年ぶりにシアトルの投手が打ったヒットで、2009年当時のジェイソン・バルガスの苦境を思い出す。

いったい誰がジメネスにあんな、まるでMLBらしくないキャッチングを教えこんだのだ。(まさか、シアトルのマイナーの、あの無能なバッテリー・コーディネーター、ロジャー・ハンセンか?)
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年9月14日、過去に城島擁護者だったベンチコーチ、ロジャー・ハンセンが現在も続けている無意味な捕手トレーニング手法。マイナーコーチ時代から続けてきた「手抜きのスパルタ方式」でプロスペクトを壊し続けてきた責任を徹底批判する。


バルガスやフィスターがローテーション・ピッチャーとして大成しようとしている矢先に、ジメネスのような酷いキャッチャーと組ませるべきではない。
すぐさまこんな最悪のキャッチャーはマイナーに落とすべきだ。








damejima at 11:11

May 22, 2011

エリック・ベダードがたった92球でサンディエゴから9三振を奪い、もう誰にも文句は言わせないとばかりに8回無失点の快投で2勝目。やはり調子が戻れば彼本来のカーブを主体にしたピッチングは本当に素晴らしいものがある。
これでチームは3連勝。ピネダ、ヘルナンデス以外の先発での3連勝には本当に高い価値がある。
Seattle Mariners at San Diego Padres - May 20, 2011 | MLB.com Classic

このゲームの2回表、ベダードはフルカウントからショート脇にシングルヒットを打った。このヒット、なんでもインターリーグだけしか打席に立たないシアトルの投手としては、2009年以来、2年ぶりのヒットらしい。


ちょっと調べてみると、案の定、2009年にヒットを打ったのは、Long Beach Stateでの大学時代に投手兼DHだった経歴をもつ、バッティングのいい投手ジェイソン・バルガスだった。
June 14, 2009 Seattle Mariners at Colorado Rockies Box Score and Play by Play - Baseball-Reference.com

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年5月17日、The News TribuneのRyanDivishによると、大学時代のジェイソン・バルガスはDH兼ピッチャーで、相当バッティングがうまかったらしい。


この頃に書いたブログ記事をみてみると、バルガスがこの時期、いかに苦境にあったかがわかる。
当時のバルガスは、自分のピッチングスタイルをまるで理解しないダメ捕手城島にかわって、こんどは城島のコピーロボットとでもいうべき、キロスをキャッチャーとしてあてがわれていた。
キロスもまた、城島と同じように、バルガスのピッチングスタイルをまったく理解しないまま漫然とゲームをして、6月14日のコロラド戦も1-7と大敗した。
そのためバルガスは試合後に、「キロスのサインどおりに投げてしまったことを後悔している」と、見た目には自分を責める形で、実際にはキロスのリードを批判する発言をしたのだが、当時、監督経験の無い新人監督のワカマツはバルガスの置かれた苦境をまるで理解しなかった。

当時、自分の自由にならない状況でばかりピッチングさせられていたバルガスにしてみれば、インターリーグで、大学時代に非常に得意としていたバッティングの技術を披露することは、せめてものストレス解消だったのかもしれない。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年6月14日、城島・セクソンがゴーストとして復活したシアトルは、コロラドでスイープされた。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年6月14日、新加入投手バルガスは、「城島コピー捕手」キロスが出したサイン通り投げ、打たれまくったことを心から後悔した。(1)

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年6月14日、新加入投手バルガスは、「城島コピー捕手」キロスが出したサイン通り投げ、打たれまくったことを心から後悔した。(2)








damejima at 08:37

May 19, 2011

まさにジェイソン・バルガスの強いハートと投球術が炸裂したゲームだ。

拍手拍手拍手
素晴らしい115球である。
ストライク75球で、ストライク率は65.2%。まさに「ストライク2 ボール1」。教科書どおりだ。

The Long Beach State 49ers Baseball team のロゴマークLong Beach Stateのロゴ

ジェイソン・バルガスが、Long Beach State(カリフォルニア州立大学ロングビーチ校)での大学時代の元チームメイト、ジェレッド・ウィーバーとの投げ合いに勝った。しかも、エンゼルス打線を散発4安打にかわし、7回無失点の快投。これで3勝目。
ジェレッド・ウィーバーとバルガスの元チームメイト対決の結果は、ESPNの看板番組「スポーツセンター」でも取り上げられた。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年4月16日、トロイ・トゥロウィツキー、ジェイソン・バルガス、ジェレッド・ウィーバー、ターメル・スレッジの母校、カリフォルニア州立大学ロングビーチ校の「ダートバッグ野球」。アメリカのカレッジベースボールとMLBの深い繋がり。

チームメイト対決に関するロサンゼルス・タイムズの記事
Cal State Long Beach teammates Jered Weaver and Jason Vargas oppose each other tonight | The Fabulous Forum | Los Angeles Times

Angels' Weaver hopes to right ship in Seattle - latimes.com

試合前のジェレッド・ウィーバーのコメント
"I'm looking forward to facing Jason. We were part of a great team at Long Beach State. He used to throw 94, 95 [mph] in college. He's definitely become more of a pitcher, and it's cool to see," Weaver said. "I think this is the closest start I've ever been part of. Usually it's like a five-game separation in the title race, but everybody is in it now. That's kind of exciting."
Los Angeles Angels at Seattle Mariners - May 18, 2011 | MLB.com Preview

過去のバルガスとウィーバーの対戦
バルガスがシアトルに来て以降、2009年9月9日に一度だけ同じゲームで投げたことがあるが、このときウィーバーは先発だが、シアトル先発はイアン・スネルで、バルガスは先発ではなくブルペン投手としてリリーフ登板だった。
だからバルガスとウィーバーが同時に先発して、真っ向から投げ合ったのは、どうやら今日が初対決らしい。
バルガスはエンゼルス戦通算2勝2敗。防御率2.45。被打率.215、被OPS.626。バルガスが最も多く三振数を奪った対戦相手が、エンゼルス。
September 9, 2009 Seattle Mariners at Los Angeles Angels of Anaheim Box Score and Play by Play - Baseball-Reference.com

バルガスは、ついこのあいだ、ボルチモアの好投手ザック・ブリットン(彼は今日はヤンキース相手に投げていた)と投げあって、9回無失点に抑えきったばかりで、8回1失点に抑えた5月8日テキサス戦も含めれば、これで3試合続けてほぼパーフェクトなピッチング内容だ。

打線も既に6勝を挙げて今期好調のジェレッド・ウィーバーをものともせず、なんとか3点をもぎとり、たぶん負けるだろうなどとファンの間で思われていたいエンゼルス戦を完封勝ち。
Los Angeles Angels at Seattle Mariners - May 18, 2011 | MLB.com Classic

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年5月13日、「打者を追い込むところまで」で終わりの投球術と、「打者を最終的にうちとる」投球術の落差  (1)打者を追い込んだ後のヘルナンデスの不可思議な「逆追い込まれ現象」


今日のバルガスは、イニングの締めなど、要所要所で三振をとれたのが大きいが、その原動力になったのが、4シーム、チェンジアップ、カットボールの使い分け
新しいGamedayのデータで見るとわかるが、今日のバルガスはこの3つの球種を、ほぼ3分の1ずつ使って、打者に的を絞らせなかった
(例えば、5回のボージャスの三振は、全球チェンジアップ。7回のアブレイユの三振は、三振前の1球を除いて全部ストレート)


配球面で特に気にいったのは、
3回のトリー・ハンターの三球三振の場面。

初球
アウトコースいっぱい、ハーフハイトのカットボール。見事なコントロールだ。
もしこのボールがアウトコース低めコーナーいっぱいだと、3球目の変化球で三振がとれるかどうかがわからなくなる。なんでもかんでも、コーナーいっぱいに決めればいいというものではない。ハーフハイトだからこそ、3球目を振ってくれる。

2球目
もしロイ・ハラデイならここで、インコースいっぱいのハーフハイトの4シームでも投げそうな気がするが、バルガスは、インハイいっぱいの4シームを投げて、トリー・ハンターを一気に追い詰めた。これも素晴らしいコントロール。

3球目
ここでストライクからボールになるバルガス得意のチェンジアップがアウトコースに炸裂。ハンターはなすすべもなく三球三振。
だが、もし仮にハンターがこの素晴らしいチェンジアップを振らずに我慢できていたとしても、おそらくハンターはハーフスイングしていたに違いないと思う。
だから、たとえ4球目を投げることになったとしても、バッターが圧倒的不利な状況にはかわりないことは、誰でもわかるだろう。組み立てがハッキリしているから、次の4球目に投げるべき球のイメージも、すでにバルガスの頭の中にイメージできていたはずだ。

常に次がイメージできる、それが投球術というもの。
常にバッターの半歩先を歩けるコントロールと、キレ、配球イメージが、バルガスにはある

2011年5月11日 3回表 トリー・ハンター 三振


参考:大投手ロイ・ハラデイの芸術的三球三振
2009年9月30日 投手ハラデイ 打者デビッド・オルティス

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」 『damejimaノート』 序論:2009年9月30日、大投手ハラデイの「配球芸術」を鑑賞しながら考える日米の配球の違い

初球 アウトコースいっぱい ハーフハイトのチェンジアップ
2球目 インコースいっぱい ハーフハイトのカットボール
3球目 インコース ストライクからボールになるカーブ

2009年9月30日 7回 ハラデイ、オルティスを3球三振


最後に蛇足ながら、まるでハートが弱くてストライクが投げられないセットアッパー、ジャーメイ・ライトを必死にリードして、2死満塁からLAAの新人ハンク・コンガーのインコースいっぱいに投げさせ、価値ある三振を奪った好リードのキャッチャー、ミゲル・オリーボにも大きな拍手。
拍手拍手拍手

ちなみに、今日CFフランクリン・グティエレスがスタメン復帰したが、ジェイソン・バルガスがシアトルに来たのは、2008年12月11日、シアトル、クリーブランド、ニューヨーク・メッツのからむ三角トレードのときで、このときシアトルは、ショーン・グリーンJJプッツジェレミー・リードなどを放出し、バルガスグティエレスマイク・カープアンディ・チャベスなどを獲得した。バルガス獲得時のGMはズレンシック








damejima at 14:18

May 18, 2011

シアトルの地元紙The News TribuneのRyanDivishツイッターによると、大学時代のジェイソン・バルガスはDHもやっていたらしく、かなりバッターとしても才能があったらしい。
https://twitter.com/RyanDivish

大学時代のジェイソン・バルガスについては一度記事にした。
ジェイソン・バルガスは、トロイ・トゥロウィツキージェレッド・ウィーバー、現横浜のターメル・スレッジは同時期にこのLong Beach State(カリフォルニア州立大学ロングビーチ校)でプレーした。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年4月16日、トロイ・トゥロウィツキー、ジェイソン・バルガス、ジェレッド・ウィーバー、ターメル・スレッジの母校、カリフォルニア州立大学ロングビーチ校の「ダートバッグ野球」。アメリカのカレッジベースボールとMLBの深い繋がり。

スポーツのさかんなLong Beach Stateのウェブサイトには、在学生で後にプロとして活躍しているような選手たちのリストがあるが、気がつかなかったが、ジェイソン・バルガスの名前の横には、たしかに「Designated Hitter/Pitcher」とある。
最初、アメリカのカレッジ・ベースボールの名門LSU、ルイジアナ州立大学で野球をやっていたバルガスが、Long Beach Stateに在籍したのは1年間だけだが、その1年間だけで、打率.354の高打率、二塁打14本、ホームラン5本をマークしている。
1年間の数字とはいえ、野球の非常にさかんなカリフォルニア州での成績だから、なかなかたいしたバッティングセンスだ。

Jason Vargas, Designated Hitter/Pitcher, 2004
One of just a handful of solid two-way players for the Dirtbags, he spent just one year at The Beach, teamming with Jered Weaver and Cesar Ramos to go a combined 27-5 during the Super Regional run in 2004. He also led the team in hitting batting .354. He spent just a year and a half in the minors before getting called up from Double-A in 2005.
Long Beach State Official Athletic Site Traditions

MLBのプレーヤーになってからのバルガスのバッティングスタッツもいちおう見ておくと、これもなかなかのものだ。特にナ・リーグ時代の打率は、なんと.295。打撃不振に悩むシアトルの打者たちには、耳の痛い話だろう(笑)
投手は交流戦以外ではバッターボックスに立たないア・リーグに移籍してからは、コンスタントにバッティングをしなくなったせいか、バルガスの打撃成績もたいしかことはなくなったが、ちょっと期待しながらゲームを見てみるのも面白い。

2005年 FLA 26打数8安打 二塁打2本2打点 打率.308
2006年 FLA 16打数5安打 二塁打1本1打点 打率.311
2007年 NYM 2打数0安打
2009年 SEA 4打数1安打 打率.250
2010年 SEA 6打数0安打
通算 54打数14安打 二塁打3本 3打点 打率.259
ナ・リーグのみ 44打数13安打 二塁打3本 打率.295 OBP.326 SLG.364 OPS.690
Jason Vargas Batting Statistics and History - Baseball-Reference.com










damejima at 09:37

May 14, 2011

カムデンヤーズでのビジターゲームで、ジェイソン・バルガスが、ボルチモア期待の新鋭ザック・ブリットンと投げ合い、2人とも9回無失点でマウンドを降りる手に汗にぎる投手戦を演じた。
Seattle Mariners at Baltimore Orioles - May 12, 2011 | MLB.com Classic
ゲーム自体は、ブランドン・リーグの乱調で12回表の貴重な得点を勝ちに結びつけることができず、サヨナラ負けしたのだ、そんな、リーグのふがいなさが原因とわかっていることは、どうでもいい。
フェリックス・ヘルナンデスではまったく抑えられることができなかったボルチモア打線Seattle Mariners at Baltimore Orioles - May 11, 2011 | MLB.com Classic)を、なぜジェイソン・バルガスはこれほどまでに完璧に抑えられたのか? そのことのほうがはるかに大事だ。

その他、自分の中でいろいろなことについて、答えがハッキリと出たので、その一部をまとめてみた。

ヘルナンデスには「投球術」が欠けているのである。

「フェリックスがいつも5月に調子が出ない」とか、そんなオカルトじみた、どうでもいい理由ではない。もっときちんとした、野球の上での話だ。



ヘルナンデスはこれまで、自分に欠けている「投球術」の部分を、キャッチャー(たとえば、いまやサンディエゴの正捕手の位置にいるロブ・ジョンソン)やベンチによって補完されてきた、そういうタイプの投手だ。
球威は十分だが、投球術に欠ける。だから、ヘルナンデスは、投球術のない今のままでは、絶対にロイ・ハラデイにはなれない。球威だけでは誰もロイ・ハラデイにはなれない。

ロイ・ハラデイは、自分の中に「自立した投球術」を持つ、自立した投手だ。だから、キャッチャーが誰であろうと、打線の調子がどうであろうと、関係ない。自分の内部に存在する「自分自身の手で育てあげた自分だけの投球術」をもとに、ゲームの最後まで責任をもって投げぬく。それを信条としている。100球制限も、ロイ・ハラデイには関係ない。
他方、ヘルナンデスにあるのは、「球威」「スピード」「変化球のキレ」「ボールコントロール」など、ボールに物理的なパワーを与える能力、それと「負けん気」などのメンタリティの強さだが、それら以外に、まだ欠けている投手として必要な能力がある。
それが、日本語でいうところの「投球術」だ。つまり彼は単にボールを上手にあやつって打者を追い込んでいるだけであり、「自分で自分のピッチングスタイルをデザインする能力」には欠けている。
それがボルチモアとの対戦でハッキリわかった。

ヘルナンデスはとりあえず打者を追い込めるところまで行ける。それはひとえに、彼のパワーのおかげだ。だが、打者を自由自在にうちとるためのピッチング・デザインは、彼の内部に十分あるとはいえない。


だからもうブログ主は、ヘルナンデスのことを「キング」と呼ぶのは、やめることにした

頂上をあらわす「キング」という称号で呼んでいい投手は、例えば、ロイ・ハラデイノーラン・ライアンのような「自立した投球術」を備えた大投手であって、投球術に欠けるフェリックス・ヘルナンデスには「キング」の称号はふさわしくない。ちょっと態度が大きいくらいのことで、誰かのことをキングなどと呼ぶ必要など、まったく感じない。


細かい部分に触れよう。
これは、いままで何度も中途半端に書きとめてきたことを一歩先に進めることにもなる。

去年も頻繁に見た光景だが、ヘルナンデスは「打者を追い込んでからの投球」が、まったくもって冴えない。

なぜなら、ヘルナンデスは「打者を追い込む」のは上手いのに、いざ凡退させる段階になって四苦八苦ばかりしていて、スッキリ討ち取ることができないからだ。

具体的に言えば、打者を追い込んだ後、明らかにボールとわかる無駄な投球が多すぎて、2-2、3-2と、カウントを自分からどんどん悪くしていき、せっかく追い込んだ打者を簡単に四球にしていたりする。(こういう投球数が無駄に増えていくピッチングでは、野手の守備時間が異様に長くなり、野手のバッティングにも影響が出て、ラン・サポートも減ることが多い)


ボルチモアとの対戦で、ヘルナンデスはキャッチャー、ミゲル・オリーボとまるで息が合ってなかった。(けして全部の場面がそうだとは言わないが)特に、打者を追い込んだ後のサインが最も意見が合わなかったように見えた。もちろん、オリーボがどういう球を要求し、サインにヘルナンデスが、何度も何度も首を振って、その結果どういう球を選択したかを明確に知ることなどできないが、首をふったシチュエーションと、その後に投げた球などから推測すると、ブログ主は、以下のようにヘルナンデスとオリーボの意見があわない理由を考えた。

特に典型的な右打者のカウント1-2という場面で説明してみよう。


打者を追い込んだこういう場面で、最近ヘルナンデスが、キャッチャーのサインに首を振りまくるケースが、非常に多くみられる。ヘルナンデスが最終的に投げたがる球はどうやら「アウトコースの、大きく鋭く変化して、打者から逃げてボールになる球」のようだ。
この球をヘルナンデスが使いたがる理由についてブログ主は、「自分の球の威力で追い込んだ打者を、最後になにがなんでも、『安全に』空振りさせたい」のだろう、と見ている。

だが、このヘルナンデスが投げたがるアウトコースの球に、どういうものか、打者がまるで反応しない。むしろ簡単に見逃してくる。そして見逃された球がきわどいコースにビシリと決まって、見逃し三振がとれることはほとんどなく、むしろ、アウトコース低めにハッキリはずれるボールになることが多い。

要は、打者側に、「追い込まれてからヘルナンデスが投げてくるアウトコースの変化球は、見た目の変化は素晴らしいが、ボールになる。だから、見逃しても、三振しないですむ」ことがバレはじめているのだろう、と思う。
いくら、いままで誰も見たことがないような素晴らしい変化をするボールでも、大きくはずれてボールになることがあらかじめわかってしまえば、打者は空振りしない。うちとれない。単純な話だ。


だが、それでもヘルナンデスは、アウトコースの変化球によほど急激な変化をつけたがる。よほど打者にバットを振らせたいのだろう、キャッチャーのサインの大半に首を振り、ボールに強すぎるスピンをかけるために、非常に力み(りきみ)かえって投げ続ける。そのため、ボールにあまりにも変化がつきすぎて、1塁側に大きく逃げるワンバウンドになるケースが多々ある。
これが、ヘルナンデス登板時に頻発しているワイルドピッチ(またはパスボール)の元凶になっている。


投手にしてみれば「こんなに、いままで誰も投げてないほど、急激な変化球で打者を誘っているのに」と思っている。なのに、打者がまるで反応しない。すると、投手はかえって「まだ打者をうちとってもいないのに、決め球が無くなってしまった感覚」になったりする。
こういう「カウントの上では、投手側が打者を追い込んだはずが、かえって、投手のほうが、投げる球が無くなった、追い詰められた、という感覚に追い込まれていく」という、おかしな現象を、とりあえず「逆追い込まれ現象」とでも呼んでおくことにする。
(ある意味で、満塁で打席に入った打者が、チャンス!とポジティブな感情を持つのではなく、むしろネガティブにヤバイ!と感じるのにも、ちょっとだけ似ている 笑)


この「逆追い込まれ現象」に陥ったときのヘルナンデスは、たいてい表情は怒ったようなイライラした表情か、無表情だが、人間というものは不思議なもので、顔だけそういう厳しい表情、クールな表情だからといって、行動においても自分の思ったとおりの大胆さ、強気が、表現できるわけでは、まったくない。
むしろ、逆で、顔は冷静で、見た目は強気そうなのに、実は内心とても追い詰められている、そういう人こそ、たくさん見かける。それが人間という動物の普通の光景だ。

いくら本人だけが「絶対に三振をとるぞ!」と決め付けて、「俺は強気な投手だ!!」と鼻息荒く息巻いていたとしても、ボールそのものは打者にたち向かうどころか、むしろ打者から大きく逃げているのでは、なんの意味もない。
ヘルナンデスが強気になるべき相手は、サインを出している味方のキャッチャーではなく、対戦している相手チームの打者なのだ。言うまでもない。キャッチャーのサインをいくら拒否できるようになったとしても、そんなのは「強気」でもなんでもない。ただの「内弁慶の子供」だ。

「逆追い込まれ現象」に陥ったヘルナンデスのアウトコースの「逃げの変化球」はますます打者に見切られていき、投げる球が無くなったヘルナンデスは、フルカウントから、こんどは力まかせに、高速シンカーや、カットボール、4シームなど、ストレート系の球を投げるわけだが、体重のバランスは崩れ、ボールは思いもよらぬ方向に行ってしまい、四球を出し、タイムリーを打たれてしまう。
まるでパソコンで映画のDVDをリプレイするかのように。



そもそも真剣勝負の場において『投手だけが安全でいられる、打者の空振り』など、ないはずだ。
「安全でなさそうなところ」にリスク承知でキレのある球を思い切って投げ込むからこそ、打者のバットは思わず空を切って三振してくれる、あるいは凡退してくれるのであって、絶対に投手側は安心だという「安全なところ」に、いくら鋭すぎる「逃げの変化球」を投げ続けてみたところで、打者は空振りなどしてくれない。

そういう意味では、ヘルナンデスのアウトコースのボールは「打者にたち向かう」どころか、むしろ「打者から大きく逃げている」
投手が「打者から逃げるボールで、三振してくれ」とか、そういうことばかり考えるのは、単に、自分に都合のいいことばかり考えがちな子供、という話になる。


この話の意味は、ボルチモアの素晴らしい新人投手、ザック・ブリットンの大胆すぎる2シームと比べてみても、よくわかるはずだ。

ブリットンは、打者を追い込むだのなんだの、ごちゃごちゃ考えるより先に、2シームを、ほぼ「ストライクゾーンの、信じられないほどド真ん中」に投げこんでくる。もちろん打者は「しめた!!」と思って反射的にフルスイングしてくるわけだが、これが、ボールが動くせいで、まるでマトモにバットに当たらない。必ずといっていいほど、ボテボテの内野ゴロになる。
もちろん、東地区の投手であるブリットンには、東海岸特有のカットボールや2シームといった「動くボール」を多用する投球術が文化的背景にある。若い投手だが、彼なりに計算されたピッチング、といっていいと思う。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:地区ごとの配球文化の差異


このブリットンの2シームのチャレンジぶりに比べれば、いかにヘルナンデスのアウトコースの変化球が、投手側のリスクをあらかじめ回避した「安全な逃げ」でしかないか、わかると思う。
外の変化球が、どれだけ大きく曲がろうと、鋭く落ちようと、そりゃ、ボールになるとわかってしまえば振ってもらえなくなる。



思うに、投手の投球術というのは、2種類あって、けっこう混同されていると思う。

ひとつは、「打者を追い込むところまで」の投球術。
もうひとつは、「打者を最終的にうちとる」ための投球術。

もちろん、ロイ・ハラデイは後者だ。
そして、このあいだ初めて見たザック・ブリットンも、シアトルでいえば最近のジェイソン・バルガスも、後者だと思う。

前者の「打者を追い込むまでの投球術」しかもたない投手は、打者を追い込んだ後にどうするかといえば、自分の持ち球の中で、その日、これはと思えるボールを、えいやっ、とばかりに投げ込んでくるだけだ。
それでも球威があるうちはいい。手の内を相手に研究されないうちは、それでもいい。
だが、そんなのを「投球術」と呼ぶことなどできない。
そういう投手は本来、最後にはキャッチャー(あるいはピッチングコーチでもいい)の持つデザイン力の助けを借りなければならないはずだ。


自分のストレートの威力を過信というか慢心して、キャッチャーのあらゆるサインに首をふり、ストレートだけを投げることにこだわりぬいて、その結果、勝ちゲームを大量破壊しまくったデイビッド・アーズマも、かなりどうかしていると思ったものだが、フェリックス・ヘルナンデスが、第二の「慢心したアーズマ」にならないことを祈る








damejima at 20:44

May 06, 2011

勝ったゲームを、終わった後でMLB公式サイトのGamedayという機能で、ゆっくりたどってみるのは本当に楽しい。ライブで見ている時間とはまったく視点でゲームを見ると、「そうか」、「なるほど」と、気づかされることが本当に多いものだ。

テキサスとの第3戦は、1勝1敗のタイになった後のゲームで、しかも、シアトルのチーム勝率5割ラインが見えてきているだけに、勝つか負けるかで大きく違ってくる大事なゲームだったわけだが、われらがジェイソン・バルガスが、キャッチャーミゲル・オリーボとの息のあった素晴らしいバッテリーワークをみせてくれて、強敵を割と簡単にねじ伏せることができた。
Texas Rangers at Seattle Mariners - May 5, 2011 | MLB.com Classic

この連戦で先発した6人の投手たちの、ストライク率を書き出してみた。(最初の数字が総投球数、2番目がストライク数)

97-77  79.4% 9三振0四球  ピネダ  SEA
113-83 73.4% 11三振1四球 ルイス  TEX

102-68 66.6% 6三振1四球  オガンドー  TEX
96-63  65.6% 3三振2四球  バルガス   SEA
125-81 64.8% 12三振1四球 CJウィルソン TEX
103-65 63.1% 3三振2四球  ベダード    SEA



ストライク2 に対して、ボール1」という、MLBの典型的な配球比率については、これまでこのブログで、しつこくしつこく、書き過ぎるほど書いてきたが、この3連戦でのマイケル・ピネダコルビー・ルイスのストライク率は、それを遥かに上回っている。

このシアトル対テキサス3連戦で、先発投手で負けがついたのは、9三振を奪ったマイケル・ピネダと、11三振を奪ったコルビー・ルイスの2人だ。
クリフ・リー並みのとんでもなく高いストライク率で、これほど多くの三振を奪ったにもかかわらず、彼らは負けた。


思い出すと、去年秋10月のポストシーズン開幕戦、クリフ・リー73.1%もの高いストライク率で勝利を手にした日に、ロイ・ハラデイは、なんと、クリフ・リーすら超える76.0%と、ちょっと異常とさえいえる圧倒的なストライク率で、たった104球で9回を投げぬいてしまい、軽くノーヒット・ノーランを達成してしまった。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月6日、クリフ・リー、タンパベイを10三振に切ってとり、ポストシーズンまず1勝。フィラデルフィアでもみせた大舞台でのさすがの安定感。
だが、あんな超人的な芸当、つまり、ほとんどストライクばかり投げて相手をピシャリと抑え込むことができるのは、彼ら2人の名投手のような、並み外れた投球術を持った投手だからこそ可能になるのであって、並みの投手には無理な相談だ。


野球は「アウトをとる競技」ではあるが、別に「三振をとるための競技」ではない
三振をたくさんとったのに、味方が点をとってくれなくて負けるというセリフは非常によく聞く話だが、三振を多くとる投手がなぜそういう結果を招くのかについては、投手側にも多少理由があるケースもあるはずだ。


例えば、マイケル・ピネダ
彼は、まだ球種が少ない。
そういう投手が、4球に3球、ゾーン内にストライク、それも大半はファストボールを投げ続けるのだから、クリス・デイビスミッチ・モアランドエルビス・アンドラスといった、テキサスの誇る若い豪腕バッターたちに狙いを絞られて、自慢の剛球をミートされるハメになった。
特に、クリス・デイビスにホームランを打たれてはいけない。
打撃スタッツをみればわかることだが、彼は典型的なストレートボールヒッターだ。ストレートには異常に強いが、カーブなどはあまり打てない。
今日の第3戦、2点負けている場面の9回表にクリス・デイビスはピンチヒッターとして打席に立ったが、あの打席の平凡すぎる凡退ぶりを見てもらえばわかる。ブランドン・リーグが決め球のスプリッターを使うまでもなく、チェンジアップとシンカーだけで、クリス・デイビスのバットは空を切り続けた。

ピネダも、次回からちょっとは考えて投げないとダメだろう。

2011年5月5日 9回表 代打クリス・デイビス 三振

上は、ピネダがホームランを打たれた翌日のゲームの9回表に代打で出てきたクリス・デイビスをブランドン・リーグが三振にしとめた打席の投球の詳細。リーグとピネダのピッチングの違いを見るために挙げてみた。
リーグのこの配球は、ロブ・ジョンソンがよく使う、アウトハイとインローを投げ分ける、典型的なMLB的配球だ。以前から何度となく書いている。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」 『damejimaノート』(2)「外角低め」「ストレート」という迷信 実例:「アウトハイ・インロー」の対角を使うメジャーのバッテリー
この配球では、インとアウトで球速にも変化をつけるためにアウトハイの球にストレート系、インコースに変化球を使うとか、内外で速度の投げ分けをすることがほとんどだ。
リーグの場合、高速シンカーが投げられるので、外に高速シンカー、内にチェンジアップと投げ分けて、内外で10マイルの速度差をつけて、クリス・デイビスを軽く三振にしとめた。


今日のコルビー・ルイスだが
打者の攻め方がワンパターンすぎて、見ていてつまらない。
例えば、打者が左なら、外を徹底して攻めておいて、最後インサイドで三振に仕留める。ただそれだけ。だから、あれを打てないのは、シアトルの下位打者が頭を使ってないだけのことだ。
追い込んだカウントを作るためにかなりの手間をかけるのがルイスの定石なわけだが、三振の数が増えるかわり、味方の守備時間も長くなりがちで、ただでさえ湿ってきているテキサス打線に元気がない。
投手が打者を追い込むカウントを作る前に、もし甘く入った球があれば、どれもが失点の原因になるし、早いカウントから打って出られると、案外ひとたまりもない。
イチローの2本のヒットなども、2本とも、カウントを作るための外角ストレートをレフトに弾き返したヒット。ルイスがインコースにスライダーで討ち取りにいく前に、アウトコースいっぱいにストライクが来るのがわかってしまっては、天才イチローは軽く打ちこなしてしまう。


ジェイソン・バルガスが、本来はチェンジアップ主体に打者をうちとる配球をするピッチャーであることは、これまで何度となく書いてきた。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年6月20日、7回QSで3勝目のバルガスは、6月14日キロス批判と対照的にロブ・ジョンソンの「ゲームメイクの上手さ」を称え、チームは5割復帰を果たした。(2)
テキサスも、シアトルと同地区で、バルガスを何度も打ち崩した経験があるだけに、そのへんとっくに研究済みのはずだから、今日はたぶんチェンジアップを狙い打ちした打者も多数いただろうと思うが、そこは、さすが研究熱心なバルガスだ。
まるでカットボールを多用するア・リーグ東地区の投手たちのように、カットボール主体のピッチングにスッパリと切り替えて、テキサス打線を手玉にとった
地区ごとの配球文化の差異については、ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年6月13日、「メジャーで最もストレートばかり投げる」シアトルのリリーフ陣。なんと「4球のうち、3球がストレート」。(ア・リーグ各地区ごとのピッチング・スタイルの差異についてのメモ)を参照)

城島やキロスのような酷いキャッチャーとばかり組まされて誰もバルガスに注目していない頃から彼の才能に注目し続けているだけに、バルガスのピッチングについては誰よりも詳しいと思ってきたが、これほどカットボール主体に投げて成功したバルガスは見たことがない
たぶん、去年シアトルに在籍していたクリフ・リーに、カットボールの使い方についてしつこく質問していたバルガスのことだから、こういうゲームプランは、半年以上前から準備していたに違いない

対戦相手をきちんと研究してビヘビアを常に更新し、投手の進歩に対応し続けていけるのが「いい打者」なら、どんなに打者に研究されても、それをさらに乗り越えて、進歩し続けていけるのが、MLBにおける「いい投手」である

だとすれば、ジェイソン・バスガスは、間違いなく、「いい投手」だ。

2011年5月5日 4回表デビッド・マーフィー ダブルプレー4回表
マーフィー
初球のカットボールをダブルプレー







damejima at 16:11

April 30, 2011

なんという偶然なのか。

ボストン遠征第1戦に先発したのはジェイソン・バルガスだったが、球審はなんと、またしても、4月8日のクリーブランド戦で手こずった、あのストライクゾーンの極端に狭いSam Holbrookだったのだ。
バルガスは今日、2010年8月14日以来となる、久しぶりの勝利を得たわけだが、この勝利はSam Holbrookのコールに対するリベンジの意味もあった。
Seattle Mariners at Boston Red Sox - April 29, 2011 | MLB.com Classic

Seattle Mariners at Boston Red Sox - April 29, 2011 | MLB.com SEA Recap

ジェイソン・バルガスが2011年4月8日に、クリーブランド相手にメッタ打ちにあったときの球審が、MLBのアンパイアの中でもストライク・ゾーンが非常に小さいことで知られる、Sam Holbrookだったことは、一度記事にした。彼のコールの特徴は、「高めのストライクをとり」、そして「低めのストライクをまるでとらない」ことだ。
バルガスは4月8日のクリーブランド戦では、低めのボールをことごとくボール判定され、しかたなく高めにボールを浮かせてストライクをとりにいったところを、ことごとく狙い打ちを食った感があった。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年4月15日、Sam Holbrookの特殊なストライクゾーンに手こずったジェイソン・バルガス。

2011シーズン ジェイソン・バルガスの
アンパイア別WHIP・ERA

Bruce Dreckman 0.900 1.35
Wally Bell 0.900 1.35
Larry Vanover 1.333 3.00
Ed Rapuano 1.800 10.80
Sam Holbrook 1.839 9.58
Jason Vargas 2011 Pitching Splits - Baseball-Reference.com



4月8日と、4月29日
この2つのゲームで、球審のコールはどうだったのか。
同じなのか。違うのか。



2つのゲームを、感覚などではなく、具体的なデータで比較してみよう。

資料にしたのは、以前何度か使ったことがあり、素晴らしいデータ提供で知られているBrooksBaseball.netの提供するデータである。
Brooks Baseball · Home of the PitchFX Tool - Strikezone Map Tool


まず、4月8日のデータを見てみる。
データの見方は以下のとおり。

1) 図の中央、黒線で描かれた四角形が、ストライクゾーン
2) 図はアンパイア視線で描かれている。
  右側がライト側、左側がレフト側にあたる。
3) 四角形のデータはホーム側の投手。三角形はビジター。
したがって、4月8日のデータでは、四角形がシアトルの投手。三角形がクリーブランド。4月29日のデータでは、四角形がボストン。三角形がシアトルになる。
4) 赤い色はストライク判定緑色はボール判定


4月8日 対左打者
2011年4月8日 対左打者 Sam Holbrookのコール
ストライクゾーンが非常に極端なことは、ひとめでわかる。最も大きな特徴は、対左打者のストライクゾーンにおいてSam Holbrookは「まったく低目をとらない」ことだ。さらに「高め、外角を、異様なほど、やたらとストライクコールしている」。
下に挙げた同じ日の右打者のデータと比較してみてもらいたいが、これほど低目をとらず、高目をとるSam Holbrookの極端なストライクゾーンは左右両方の打者に適用されているのではない高めをこれほどストライクコールするのは左打者に特有の現象だ。

4月8日 対右打者
2011年4月8日 対右打者 Sam Holbrookのコール
高めのストライクゾーンはノーマルだ。
だが、低めのゾーンは、なんと、ほとんどのストライクゾーン内の球を「ボール」とコールしている
これでは投手はたまったものではない。
特に左投手で、右打者に対してアウトコースから真ん中低めいっぱいに決まるチェンジアップを多投する配球を得意とするバルガスにとっては、こうした低目をまったくとってくれないアンパイアは、どうみても死活問題だ



では、こんどは、
今日4月29日のコールぶりをみてみる。
4月8日のコールの傾向とだいぶ違うので、4月8日のコールの特徴をあらためて頭に入れてから見てもらいたい。


4月29日 対左打者
2011年4月29日 対左打者 Sam Holbrookのコール
低めについて、やはり「低目をとらないSam Holbrook」の特徴が強く現れており、多数の低めのゾーン内の投球がボールとコールされている
特に、ボストンの投手の右打者への低めへの球は、非常に多くがボールとコールされている。(実際には、ボストンの右投手松坂の左打者への投球が被害にあったと思われる)
また、アウトコースのゾーン外の球(つまり図に向かって左側=レフト側)に、ストライクとコールされた球が多くみられるのだが、これは以前いちど指摘したように、MLBのアンパイアの左打者へのコールはアウトコース側をボール1個か2個分広くストライクコールするのが普通なのであって、これをもってしてSam Holbrookだけの特徴というのは間違っている。むしろ、平均的なMLBのアンパイアのコールといっていい。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月29日、MLBのストライクゾーンの揺らぎ (2)2007年の調査における「ルールブックのストライクゾーン」と、「現実の判定から逆測定したストライクゾーン」の大きな落差。
4月8日にみられたような「左打者の高目をやたらとストライクとコールする」という特徴はまったく影をひそめている

4月29日 対右打者
2011年4月29日 対右打者 Sam Holbrookのコール
低めについてはやはり、「低目をとらないSam Holbrook」の特徴が発揮されていて、ゾーン内への投球なのにボールとコールされた球が多数発生している
同じ4月29日の対左打者のケースではボストンの投手の低めが多数ボール判定されているが、対右打者では逆に、シアトルの投手の右打者の低めへの投球の多くがボールとコールされてしまっている。(実際には、シアトルの左投手バルガスの右打者への投球が被害にあったと思われる)
高めのゾーンについて、4月8日のような「異様に高めのボールをストライクとコールする」ような事態は、まったくみられない。


バルガスの立場からいうと、4月8日と4月29日の球審Sam Holbrookのコールの違いは下記のような意味になる。

1) 4月8日の左右両方の打者にあった「低めの球をまったストライクとコールしてもらえない現象」は、4月29日については、少なくとも、左打者については無くなり、右打者については残った
このため、推定として、4月29日のバルガスがヒットを打たれた打者は、右打者が多いはず
実際に、ボストンの打者でゲームで打点を挙げたのは、2本のホームランを打った右打者マイク・キャメロンと、1打点を挙げたケビン・ユーキリス。下記に、実際にボール判定されたストライクゾーン内の投球例を挙げる。

2) 4月8日にあった「左打者の高目にはずれる球を、ストライクとコールしてもらえる現象」は、4月29日には全く消滅した。だが、もともと低目や左右を広く使う配球をするバルガスにとっては、高めのストライクゾーンが狭まることのデメリットは、ほとんどない。

2011年4月29日 3回裏 ダーネル・マクドナルドへの6球目3回裏
ダーネル・マクドナルドへの6球目

結果:四球

2011年4月29日 3回裏 ケビン・ユーキリスへの初球3回裏
ケビン・ユーキリスへの初球

結果:タイムリーヒット

2011年4月29日 5回裏 ケビン・ユーキリスへの5球目5回裏
ケビン・ユーキリスへの5球目

結果:四球








damejima at 23:37

April 17, 2011

コロラドのショート、Troy Tulowitzkiトロイ・トゥロウィツキー)のバットが絶好調だ。打者有利なスタジアムとはいえ、48打数17安打、ホームラン7本は凄い。SLG .854、OPS 1.330は今の時点でリーグトップ。
Troy Tulowitzki Statistics and History - Baseball-Reference.com

トゥロウィツキーがコロラドに入団した2005年は、有名なドラフトの大豊作年で、シアトルはカレッジ・ワールドシリーズ最多優勝12回を誇る名門USCの大学No.1キャッチャー、ジェフ・クレメントを全体3位で指名したが、他に、このトゥロウィツキー、ライアン・ジマーマン、カレッジ・ワールドシリーズ優勝4回のマイアミ大学のライアン・ブラウン、2008年にフロリダ州立大学のバスター・ポージーが記録を破るまでは契約金の史上最高額のレコードを持っていたジャスティン・アップトンクレイ・バックホルツアンドリュー・マッカチェン、2006年2007年とカレッジ・ワールドシリーズを2連覇して勢いのあるオレゴン州立大学のジャコビー・エルズベリー(ただしエルズベリー自身は2連覇のメンバーではない)など、錚々たる顔ぶれが揃った大豊作のドラフトだった。
1st Round of the 2005 MLB June Amateur Draft - Baseball-Reference.com

Who Could the Seattle Mariners Have Drafted Without Bill Bavasi? | May

Troy Tulowitzkiは去年ゴールドグラブ、シルバースラッガー賞、さらにはFielding Bible賞と、攻守の賞を同時受賞している。
ここ数年、ショートの守備で評価が高かったのはずっとフィラデルフィアのジミー・ロリンズだったが、彼は近年故障に苦しむようになったこともあって、2010年でTroy Tulowitzkiが、これまで守備評価で肩を並べていたジミー・ロリンズを完全に抜きさり、MLBの最高のショートはいまやTroy Tulowitzkiになったといえるかもしれない。

ショートのFielding Bible賞 歴代受賞者

(カッコ内は同じ年のショートのゴールドグラブ受賞者。なおFielding Bible賞はMLB全体で1名しか選ばれない)
2006 Adam Everett
    (ジーター、オマル・ビスケール)
2007 Troy Tulowitzki
    (オーランド・カブレラ、ジミー・ロリンズ)
2008 Jimmy Rollins
    (マイケル・ヤング、ジミー・ロリンズ)
2009 Jack Wilson
    (ジーター、ジミー・ロリンズ)
2010 Troy Tulowitzki
    (ジーター、Troy Tulowitzki
Fielding Bible:The 2010 Awards


Troy Tulowitzkiが卒業したカリフォルニア州立大学ロングビーチ校の野球部(The Long Beach State 49ers Baseball team 非公式な愛称はThe Dirtbags)は、Troy Tulowitzkiにとって卒業大学の大先輩で現在はチームメイトでもあるジェイソン・ジオンビー、名手トゥロイツキーがショートにいたために49ers入学後にショートからサードに転向したエヴァン・ロンゴリア、LAAの主戦投手ジェレッド・ウィーバーはじめ、MLBに何人もの有力プレーヤーを輩出してきた。

The Long Beach State 49ers Baseball team のロゴマークThe Long Beach State 49ers Baseball teamのロゴマーク

Long Beach State 49ers出身の野球選手

Jason Giambi コロラド
Danny Espinosa ワシントン
Evan Longoria タンパベイ
Troy Tulowitzki コロラド
Chris Rice ボストン
Jered Weaver アナハイム
ジェイソン・バルガス シアトル(2004年ドラフト2位 全体68位)
Bobby Crosby オークランド
Chris Gomez ピッツバーグ
Jeremy Reed メッツ 元シアトル
ターメル・スレッジ 横浜
California State University Long Beach Baseball Players | Baseball-Reference.com
Long Beach Stateからドラフトされた選手
MLB Amateur Draft Picks who came from "Long Beach State University (Long Beach, CA)" - Baseball-Reference.com

Long Beach Stateの運動部のニックネームは、1849年のゴールドラッシュにちなんだ49ersだが、野球部だけは例外で、非公式にDirtbagというニックネームをもつ。
Dirtbagというのは、日本語でいう「土嚢袋」で、転じて「卑劣なやつ」とか、そういうあまりよくない意味になる言葉だが、大学の公式サイトによると、彼らのいうLong Beach Stateらしい野球、Dirtbag Baseballというのは、ずるがしこく、汚い野球という意味ではなくて、要は「なりふりかまわず、全身全霊を尽くして一生懸命にやる野球」という意味で、特に悪い意味で言っているわけではないらしい。
Long Beach State Official Athletic Site Baseball


データによれば、MLB屈指の名ショートになったTroy Tulowitzkiと、シアトルの先発投手ジェイソン・バルガス、LAAの主軸投手ジェレッド・ウィーバーは、2004年に同時にLong Beach State 49ersに在籍しており、チームメイトだったようだ。
2004年のゴールデン・スパイク賞はウィーバーが受賞しているように、これだけのメンバーが揃った黄金のシーズンではあったが、2004年の同校はBig Westカンファレンスで2位にはなったものの、残念ながら全米大学野球選手権カレッジ・ワールドシリーズには出場できなかった。いかにアメリカの大学野球がレベルが高いかわかる。
Long Beach State 49ers baseball - Wikipedia, the free encyclopedia

ビッグ・ウェスト野球名門校が多いビッグ・ウェスト・カンファレンス

ちなみにLong Beach State 49ersは90年代に、名コーチだったDave Snowがコーチしていた時期、4度カレッジ・ワールドシリーズ出場を果たしている。
最後のカレッジ・ワールドシリーズ出場となったのは1998年で、準決勝で残念ながら強豪アリゾナ州立大学に敗れたのだが、この年度の躍進の原動力になったのが、バッティングの良さだった。

現在日本のプロ野球横浜マリーンズで活躍中のターメル・スレッジは、この1998年カレッジ・ワールドシリーズ出場時のLong Beach State 49ersの主力スラッガーのひとりで、スレッジの名前はLong Beach State 49ersの公式ウェブサイトの「歴代名選手リスト」に、Troy Tulowitzkiとジェイソン・バルガスに挟まれて、いまも名前が載っているほど、大学では名選手だった。
スレッジは2年ちょっとの在籍期間に、打率.369、100打点 22ホームラン、171得点を記録している。

ちなみにターメル・スレッジは、1999年のMLBドラフト8巡目でシアトルが指名し入団もしているプレーヤーなのだが、このことは日本のシアトルファンでも知らない人がいると思う。なにせ2000年9月にシアトルは、Long Beach State 49ersの歴史を作ったこのスラッガーを、トレードであっさりとモントリオールに放出してしまっているからだ。
Long Beach State Official Athletic Site Traditions


ちなみに、1998年のカレッジ・ワールドシリーズ準決勝で、現横浜のスレッジの所属するLong Beach State 49ersを破ったアリゾナ州立大学には、元シアトルのユーティリティで、現在はアリゾナ・ダイヤモンドバックスに在籍するウィリー・ブルームクイストが在籍していた(準優勝)。
ブルームクイストはもともとアリゾナ州立大学の出身だから、アリゾナの地は居心地がいいのかもしれない。
1998 College World Series - Wikipedia, the free encyclopedia
アリゾナ州立大学といえば、カレッジ・ワールドシリーズ優勝5回の名門であり、バリー・ボンズレジー・ジャクソンアンドレ・イーシアー、元ヤクルトのボブ・ホーナーなどのスラッガーから、イアン・キンズラーダスティン・ペドロイアなどの攻守にたけた名手まで、多種多様なMLBプレーヤーを輩出しているが、数があまりにも多すぎるので紹介は省略。
Arizona State University Baseball Players | Baseball-Reference.com


ジェイソン・バルガスは最初からLong Beach State 49erの選手だったわけではなくて、最初は強豪ルイジアナ州立大学(LSU,Louisiana State University)に所属していた。(13試合登板 1勝1敗 防御率3.43。所属大学から他の大学に移るのは、アメリカではよくある)
ルイジアナ州立大学は、USCやアリゾナ、テキサス、マイアミなどと並ぶカレッジベースボールの名門校で、最近でこそ優勝はないが、90年代に長い黄金時代があり、カレッジ・ワールドシリーズにトータルで15回出場し、6回の優勝を果たしている。

ルイジアナ州立大学出身のプレーヤーといえば、ずっとコロラドでプレーしていた外野手のブラッド・ホープもいるが、なんといっても、トロントの二塁手アーロン・ヒルを真っ先に思い出す。
大学時代のアーロン・ヒルは、セカンドではなくショートを守っていて、通産打率 .335、23ホームラン、150打点を記録した。
Louisiana State University Baseball Players - Baseball-Reference.com

カレッジ・ワールドシリーズ優勝回数ランキング
USC 12回
ルイジアナ州立大学 6回
テキサス 6回
アリゾナ州立大学 5回 (アリゾナ大学とは別の学校)
マイアミ 4回
Cal State Fullerton 4回
College World Series - Wikipedia, the free encyclopedia








damejima at 13:58

June 02, 2010

やればできる。
それがわかって嬉しい限り。

2009シーズンにあれほどキャッチャーとの相性に悩まされて結果を出せなかったジェイソン・バルガスが、新キャッチャーのアルフォンソをパートナーに、ランナーを出しながらも要所を締めるピッチングで、7回104球を投げた。バルガスは4勝目
また一方で、グリフィーをスタメンから完全にはずしたことでようやく活性化してきた打線が繋がって、ア・リーグ中地区首位の好調ミネソタ・ツインズに圧勝できた。
いま絶好調のジャスティン・モウノーにソロホーマーを浴びたが、今の彼は手がつけられないほど当たっている。こればかりはしかたがない。
Minnesota Twins at Seattle Mariners - June 1, 2010 | MLB.com Gameday

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:「城島コピー捕手」キロスと「キロス問題」



5月30日のサヨナラ負けの後の記事
でシアトルの25人枠、いわゆるアクティブ・ロスターの選手構成の酷さ、つまり「ブルペン投手が不足しているのに、使えない野手を無駄にベンチに入れすぎていること」を指摘したが、シアトルはようやくロスターの改善に乗り出した。
翌31日にコロメテシェイラ、2人のブルペン投手をDFAにしたのである。
Mariners Blog | M's DFA Texeira, Colome, recall Garrett Olson, Sean White | Seattle Times Newspaper

Designated For Assignment(DFA)とは、5月30日の記事で説明した40人ロスターの外に出されてしまうことを意味する。日本でいう戦力外通告だが、解雇という意味ではない。

いちど説明したことの繰り返しになってしまうが、開幕時にベンチに入れるのは25人限定のアクティブ・ロスターの選手であり、また9月のセプテンバー・コールアップでベンチに入るには、メジャー契約の40人枠に入っている必要がある。
だから、選手にとってDFAされて40人枠からはずされるということの意味は、ただマイナーに落とされたというだけではなく、「たとえ秋になって出場選手枠が40人に拡大されても、メジャーのゲームには出られない立場に落ちる」というたいへん厳しい意味になる。


ちなみに、このDFAになった2人の投手たちの行き先だが、どうもかなりややこしい手続きを経て決まるらしい。

まず、この2人、そもそも5月30日の記事で説明したマイナー・オプションが切れている。そのため、シアトルは彼ら2人をメジャーから下に落とすためには、ウェーバーを通さなくてはならない。
ちなみにこの2人の投手たちがいくら不調でも、彼らのオプション切れのため、うかつにはマイナーに落とせなかった。このことが、いままでずっとシアトルのベンチ入り投手たちの健全な入れ替えを阻害してきた主原因のひとつでもある。
さらにテシェイラはルール5ドラフトで獲得した選手であるため、マイナーに落とすといっても、さらに手続きがややこしい。

DFA後の手続き
(1)ウェーバーにかけられる
5月30日の記事でも説明したが、オプションの切れた選手を25人枠の外に移動する場合、ウェーバーにかける、つまり、他球団の獲得意思を確かめなければならない。(オプションがある選手ならば、25人枠と40人枠の間を自由に行き来できる)
ここで、もしクレーム(Claim)する(=獲得したいと意思表明する)球団があれば、その球団に行けることになるが、ただ、このケースの場合は、指名球団は25人枠、アクティブ・ロスターに入れる、というのが獲得の前提条件として付帯する。

(2)元の所属チームに返却
レンタル選手のテシェイラは、もしウェーバーでクレームする球団がなかった場合、レンタル元であるヤンキースが自軍に復帰させるどうか決める段階に移行することになる。もしヤンキースが「ウチで使うから、テシェイラを返してくれ」という選択をした場合、2万5000ドルの支払い義務が生じるらしい。

(3)シアトルのマイナーに所属する
ウェーバーでクレームしてくれる球団がなく、しかも、レンタル元も「もうウチでは必要ないよ」と言ってきた場合に、初めてシアトルとの間でマイナー契約を結ぶかどうか、という段階になる。通常DFAでは、メジャー在籍5年以上の選手は、このマイナー契約の申し出を拒否することもできる。拒否した場合は自由契約となる。



今日テシェイラ、コロメにかわってひさびさにメジャーに上がったオルソンのピッチングは、外の低めの球のコントロールがちょっとびっくりするほど良くなっていた。リック・アデア以外に、優秀な投手コーチでもいるのだろうか。


それにしても、今回のブルペン改造は、調子の悪すぎるブルペン投手2人を実質クビにして、マイナーにいる投手を上げてきて、急場をしのいでいるわけだが、これは本来とるべき手法ではない。
なぜなら本来やるべきなのは、25人枠の野手の無駄を無くし、ロスターの投手たちの人数自体を増やすことだ。それによってブルペン投手にかかる負担を軽くしてやることができる。

そうもしないと、メジャーに上げてきたオルソン、ホワイトの2投手も、今は調子がよくても、やがては人手の足りないブルペン投手陣において酷使され、疲労とストレスが重なるるうちに、コロメ、テシェイラのように何度もメッタ打ちにあってしまいかねない。


ちゃんとマトモな人数のブルペン投手が揃っている、という意味で、もっとマトモなブルペン投手管理のできるチームにコロメとテシェイラが行って、活躍する可能性はある。もしそうなったときは、シアトルファンは、自軍のチームマネジメントの失態を苦々しく思い出しながら、拍手するしかないだろう。

MLB.Liberties 出張所:ページ内で良く使う用語 - livedoor Blog(ブログ)
戦力外通告 - Wikipedia
Cot's Baseball Contracts: Transactions Glossary






damejima at 15:40

April 10, 2010

去年、「キロス問題」(参照:ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:「城島コピー捕手」キロスと「キロス問題」)以降、いろいろと落ち着かないシーズンを過ごしたバルガスが、先発投手としての開幕を迎えた。いまちょうどテキサス相手に投げている最中だが、どうにもハラハラする(笑)
Seattle Mariners at Texas Rangers - April 9, 2010 | MLB.com Gameday


彼の持ち球の命といえば、本人いわく、チェンジアップ、ということになるが、野村克也氏の言う「3拍子パターン」を、1回表からずっと続けている。ストレートを2球ほおっておいて、3球目にチェンジアップ、という典型的な「3拍子パターン」である。
(ゲームの中盤からは、ストレートを2球続けてからチェンジアップにいくパターンを、チェンジアップから入ってストレートというパターン、あるいは、ストレート、チェンジアップ、チェンジアップというパターンに変えたが、それでも、チェンジアップの球数が多すぎる。
結局のところテキサスの打者は初球か3球目のどちらかにチェンジアップが来ると予測できてしまう。)

いつテキサス打線につかまってしまうのか、非常に心配しながら、ハラハラして観戦しているのである(笑)なんとか最後までもってもらいたい。


かつてダメ捕手城島の使った3拍子パターンについては一度指摘したことがある。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」 『damejimaノート』(5)実証:ロブ・ジョンソンと城島との違い 「1死1塁のケース」


ちなみに、テキサス打線というのは、低めの球に異常に強く、高めに弱い。そのことも去年一度書いた。ロブ・ジョンソンはそこを逆手にとって、「高めのストレート」から入る配球でテキサス打線を翻弄したことがある。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:最終テキサス戦にみるロブ・ジョンソンの「引き出し」の豊かさ (1)初球に高めストレートから入る


バルガスのチェンジアップについてはいろいろと書きたいことがあるので、この記事は後で書き足そうと思う。






damejima at 10:19

June 27, 2009

あまりにも腹のたつコメントをゲーム後に裏口入学のコネ捕手が出すので、新たにダメ捕手用に造語を作った。必要ならダメ捕手の名前の前につけて、城島の代名詞として「SBO」とでも、形容詞として「SBOコネ捕手」でもなんでも好きに使うといい。
SBO =「S初球 Bボールが O多い ので、僕は配球ができなくて、夜、ひとりでは怖くてトイレに行けない。僕のような偉大なキャッチャーには、初球が自由自在にストライクにできる投手をあてがいたまえ、ワカマツ。」
SBO:
Syokyu Ball ga Ooi node.
This sentense means "Almost of the first pitch went ball tonight, it is not possible to lead, and I cannot go to the rest room alone at night. In a great catcher like me, Wakamatsu, unite the pitcher who can pitch strike freely at first one."



シアトルがこの貯金2をどれだけの苦労をして積み上げたか。
わかっているのか。この裏口入学のコネ捕手
例えばバークおまえのようなダメ捕手のDL期間に、最初はどこの馬の骨ともわからない2Aのダメ捕手2号キロスに先を越されても黙々と練習をし、そのダメ捕手2号がダメだとわかってやっとマトモにゲームに出られるようになってチームを支え続けたバークが、どれだけの苦労と努力をもとになけなしのチャンスをつかんだか
そして、ダメ捕手DL明けといれかわりに彼バークがDFAになり、どんな気分でダメ捕手が自分やロブ・ジョンソンの積み上げた貯金を食いつぶすのを見ているか

「初球がボールが多いので」?
知るか。甘えたことを言っている場合か。ボケ。


「1死満塁でダブルプレー」がこんなプレーヤーの再登場にはお似合いだ。
バルガス炎上。5回途中降板、5失点。
コーコラン炎上。2失点。
ホームラン打たれまくり。

Seattle vs. LA Dodgers - June 26, 2009 | MLB.com: Gameday



甘えるのもたいがいにしとけ、と、言いたいことは山ほどあるが、まずムカムカする気分を抑えつつ、2点ハッキリさせとかなければならない。
まず球審の判定についてだ。


この前のカードのパドレス戦シリーズでも、だ。3戦ともマスクはロブ・ジョンソンだったが、シアトルがどれだけアンパイアの判定に泣かされたか。
このブログでも何度も書いている。「球審が低目のストレートをとってくれない」と。加えて、イチローの満塁でタイムリーとなるはずだったダブルのファウル判定、イチローのヒットでホームに帰ってきたランナーに捕手が触ってないように見えるアウト判定など、数々の判定に泣かされた。
それでも、だ。ロブ・ジョンソンは「低目をとってくれないので」などと泣き言を言わなかった。シアトルがカードを勝ち越して終わるためにプレーヤー全員が頑張った。
2009年6月24日、低めのストレートのボール判定に悩まされながらも、ロブ・ジョンソンはクロスゲームを逃げ切り、6月の「1点差ゲーム」を7勝2敗とした。


次に投手のコントロールについて。

ゲームを毎日見ている人ならわかると思うが、城島がDLしている間の数々のゲームの中で、シアトルの投手が制球が悪くボールからばかり入るゲーム、イニング、打席など、これまでいくらでもあった。
それどころか、要所で最初の2球が2ボールナッシングになることもザラにあったし、せっかくの0-2からフルカウントになってしまうシチュエーションもザラにあった。

それが野球というものだ。
泣き言を並べたいなら引退することだ。


それでも、だ。
ロブ・ジョンソンやバークが、インタビューで自軍の投手のコントロールについてケチをつけたことなど聞いたことがない。


コネ捕手、甘えるのもたいがいにしろ。
(そして、バルガスにケチばかりつけつつ、コネ捕手を甘やかしてばかりいるワカマツも、残念なことにゲーム後にストライクゾーンが狭いと泣き言をいうバルガスもだが)



さて、今日のゲーム後、アメリカで報道されているのかどうか知らないが、日本のスポーツ新聞の電子版には、城島のこんな馬鹿げた言い訳が一斉に掲載された。

先発バルガスが初回から制球に苦しみ、配球が後手に回った。「ボール先行でインサイドが使いにくくなった。厳しいところを突いてもバッターは振らない。悪循環というか…
城島1カ月ぶり復帰…惨敗に笑顔なし(デイリースポーツ) - Yahoo!ニュース


おいおい。九州の田舎者のオッサン。
も、たいがいにしとけ。

それにプロなら「初球がボール」が「四球」でなく、「長打」を打たれた言い訳にできるのか。
「ボールが先行した」ことが「あわてふためいて、ぬるいストライクを置きにいって、四球より酷い長打にされて負けた」言い訳にできるのか。
「一度ホームランを打たれているバッターに、ボールが先行したら四球で歩かせることも考えもせずに、毎度毎度ストライクを置きにいって、しかも3度も繰り返しホームランされた」ことの言い訳にできるのか。


どこまで自分に甘いんだ。馬鹿捕手。


今日の長打とタイムリーの場面を画像で抜き出しとく。
「ボールが先行で、インコース」がどうたらこうたら、ぬるい言い訳も聞いてあきれる。初回の3ランからして、嘘ときてる。

2009年6月28日 2回ブレイク 2塁打.jpg2回ブレイク 2塁打
初球から3球続けてボール
しかし、打たれたのは
フルカウント後

ちなみに投げた6球全部4シーム


2009年6月28日 2回エシアー 3ラン.jpg2回エシアー 3ラン
初球ストライク
ホームランを打たれたのは1-1
平行カウント


2009年6月28日 4回ブレイク ソロ4回ブレイク ソロホーマー
初球はボール

ホームランを打たれたのは1-1
平行カウント後で
しかも、2球目、3球目と
同じコースに同じ球種、
チェンジアップ連投


2009年6月28日 5回ケンプ トリプル5回ケンプ トリプル
打たれたのは初球
しかも明らかにストライク


2009年6月28日 5回カーショウ タイムリー5回投手のカーショウ
タイムリー
投手にタイムリー、
しかも打たれたのは
チェンジアップ

打たれたのは0-2と
追い込んで3球目。
しかも明らかにストライク


2009年6月28日 6回エシアー 2ラン6回エシアー 2ラン
初球ボール
打たれたのは2球目のストライク
同じ球種、同じコース

2009年6月28日 8回エシアー ソロ8回エシアー ソロ
初球から3球続けてボール
打たれたのは3-1からの5球目




さて、まだまだ言い足りないが、こんなことをしていては次のゲームが始まってしまう。

ワカマツについて急いで触れておく。


裏口入学のコネ捕手を好投手バルガスにあてがうとは。ワカマツはやはり、他のことはさておき、こと「キロス問題」、そしてそれに関連する「バルガスのゲームプランうんぬん」の一件については、バルガスの主張の意味がわかってなかった。

何度も書いてきたように、バルガスのピッチングにとってのキーポイントのひとつは「チェンジアップ」であることは、ワカマツとバルガスの両者が認めている。
「城島のコピー捕手」キロスはそんなことすらわからずにゲームでバルガスをリードしようとして、結局DFAになった。
2009年6月14日、新加入投手バルガスは、「城島コピー捕手」キロスが出したサイン通り投げ、打たれまくったことを心から後悔した。(1)
2009年6月14日、新加入投手バルガスは、「城島コピー捕手」キロスが出したサイン通り投げ、打たれまくったことを心から後悔した。(2)
2009年6月16日、バークはヘルナンデス完封ゲームでついに「プチ城島問題」を抱えるキロスに実力で引導を渡した。(「キロス問題」まとめつき)
2009年6月20日、7回QSで3勝目のバルガスは、6月14日キロス批判と対照的にロブ・ジョンソンの「ゲームメイクの上手さ」を称え、チームは5割復帰を果たした。(1)
2009年6月20日、7回QSで3勝目のバルガスは、6月14日キロス批判と対照的にロブ・ジョンソンの「ゲームメイクの上手さ」を称え、チームは5割復帰を果たした。(2)


バルガスは今日5回途中まで投げたが、チェンジアップは全部で6球。全球見てみよう。
今日のドジャース打線は最初からチェンジアップを打ちにきていて、最初はとらえられなかったが、とうとう4回の「連投」でつかまり、5回には「投手になら大丈夫だろうと投げてタイムリー」されていることがわかる。

初回0球
2回2球(レフトフライ、ボール)
3回1球(センターフライ)
4回2球(ブレイクへ2球連続 見送りストライク後、ホームラン
5回2球(投手カーショウにタイムリー、ファウル)

全部で6球しかないのに、ボールになった1球を除いて、全ての球に打者が手を出してきている。つまり、今日のドジャースの打者にとって、バルガスのチェンジアップは「狙い球のひとつ」だった。ここが肝心。
そして、2回と3回にはチェンジアップでアウトにとれた。それでコネ捕手に心の緩みができたのだろう、4回には、なんとこのゲームで初めてチェンジアップを連投した。

その結果どうなったか。
ホームラン

そして懲りたのか、しばらくチェンジアップは封印していたが、5回のノーアウト3塁で、「投手だから、投げてみるか」と言わんばかりに、チェンジアップを投げた。

結果。
投手にタイムリー
完全に気の緩み。

下記のリンクのログを読んで、今日の馬鹿馬鹿しいバルガズのチェンジアップの扱いぶりと、ロブ・ジョンソンのゲームでのチェンジアップの扱いの違いを見るといい。
2009年6月20日、7回QSで3勝目のバルガスは、6月14日キロス批判と対照的にロブ・ジョンソンの「ゲームメイクの上手さ」を称え、チームは5割復帰を果たした。(2)


4回表、シアトルはイチロー、ブラニヤンが連打してチャンスをつくった。そこでイニングを終わらせたのは城島のいつものダブルプレー打
城島の併殺打の多さについては、2007年夏に一時期ア・リーグの併殺打数トップに立ったことがあるといえば十分だ。
ロブ・ジョンソンのことをけなすのに、よくいいのはCERAだけなどという馬鹿がいる。2007年以来の城島の酷いバッティングについては無視しておいて、馬鹿なことを言うものじゃない。せせら笑っておく。
2008年6月13日、1死満塁で併殺打の城島は地元観客から大ブーイングを受ける。
2008年7月23日、延長11回裏サヨナラの好機に城島はまさかの併殺打を打った。
2008年7月30日、城島の送球ミスで同点、キャッチングミスで逆転、あげく投手ローズはキレて退場した。
2009年2月25日、城島は素人相手にランナーズ・オン7打席で3つもの内野ゴロを打った。
2009年3月5日、WBC中国戦2回表無死1,2塁、予想どおりの併殺キングぶり。



心の底から言わせてもらおうか。
裏口入学のダメ捕手城島はメジャーにしがみついた馬鹿としかいいようがないダメ人間。このダメ捕手のフォロアーも、はっきり言っておく。おまえたちは、ただの知ったかぶりの馬鹿だ。






damejima at 12:29

June 23, 2009

(1)では、バークを飛び越す形で2Aからメジャーに上がったキロス起用を起点に、キロスと息があわないというバルガスの主張、キロスの起用スタンスについての監督ワカマツの思惑、バークの頑張りとキロスのDFA、バルガスのロブ・ジョンソンへの期待など、6月20日のバルガス登板には複雑な要素がからみあっていたことを書いた。


6月20日のアリゾナ戦で勝ったゲームの後で、ロブ・ジョンソンがバルガスのチェンジアップについて言及しているのだが、これにはいろいろと伏線がある。


6月14日のコロラド戦大敗後、監督ワカマツは「バルガスのベストピッチはチェンジアップだと思うが、(今日のコロラド戦では)外角低めのカーブとシンカーで何度も痛い目にあっていた。彼本来のゲームプランからはずれていた」と厳しい評価をした。
要はワカマツはバルガスに、チェンジアップを混ぜバルガス本来の配球パターンに戻ることを求める意味での「ゲームプラン改善」を求めた。

バルガス側も、チェンジアップがピッチングの上で重要な得意球であることを認めはしたが、一方では
自分本来のゲームプランとは違う流れのサインを出す捕手キロスの要求どおりに投げたことを主張し、「クビを振らなかったのを深く後悔した」という婉曲な言い方で、暗に、というより、事実上はハッキリと、バルガスはキロスとバッテリーを組むのを嫌がった
バルガスにとってのチェンジアップが、ベダードにとってのカーブ同様に、ピッチングの組み立てに重要だという点で、ワカマツとバルガスの間に意見の相違点はない。
だが、バルガスは自分のゲームプランを理解せずにゲームに出てくるキロスを嫌いつつ、自分がワカマツの望む5月29日のLAA戦のような、自分らしいピッチングをするには、ロブ・ジョンソンのようなクレバーなキャッチャーが必要だと、主張したわけだ。
Rainy, fateful fifth costly for Mariners | Mariners.com: News
2009年6月14日、新加入投手バルガスは、「城島コピー捕手」キロスが出したサイン通り投げ、打たれまくったことを心から後悔した。(2)

この城島そっくりの単調なリードをする城島コピー捕手キロスについての問題は、さまざまな経緯を経て、バークがメジャーに残り、キロスがDFAされることで決着をみた。
2009年6月16日、バークはヘルナンデス完封ゲームでついに「プチ城島問題」を抱えるキロスに実力で引導を渡した。(「キロス問題」まとめつき)



さて、そんな背景にそんな複雑な絡みのあった土曜のアリゾナ戦のバルガスだったが、ひさびさにロブ・ジョンソンとバッテリーを組んで無事3勝目をあげた。
ワカマツが絶賛したこのゲーム後のインタビューでバルガスは、ロブ・ジョンソンとバッテリーを組んでゲームプランがとてもうまくいったとたいへんに喜んだ。またロブ・ジョンソンの側も、バルガスのことを以下のように語って褒めた。

Johnson gave high marks to Vargas' sinker and changeup."He made his changeup work and when you can do that," Johnson said, "your fastball is going to be more effective."
ジョンソンはバルガスのシンカーとチェンジアップを高く評価した。「彼はチェンジアップを有効に使ってた。そうすることで速球も、より効果的になるんだよね」とジョンソンは言う。
Vargas steps up in Mariners' victory | Mariners.com: News


バルガスとロブ・ジョンソンのバッテリーが「チェンジアップ」をどう使ったかについては、以下の数字をみてほしい。

イニングごとに投げたチェンジアップ数
(1〜7回 GameDayで球種の記録漏れが数球あり
 必ずしも正確ではない)
2 1 1 0 2 3 2

1回から3回まで
チェンジアップは1イニングで1球程度の少なさ。ただ、わずか1球ながら「得意球のチェンジアップもあるぞ」と打者にイメージづけることに成功した。
ゲーム全体でもいえるのだが、バルガスが打者をチェンジアップで打ち取ったケースは、全7イニングで1人しかいない。このようにバルガスとロブ・ジョンソンのバッテリーはチェンジアップを決め球にはしていない。
それは例えば、比べるなら、シルバと城島のバッテリーのように、アウトコース低めに、シルバの得意なシンカーを連投し続けてホームランを打たれるような、そんな馬鹿な真似はしていない、ということである。
カウントはほぼ全て「2球目」で使っている。
試合後ロブ・ジョンソンは「アリゾナ打線は(初球を必ず振ってくるアップトンのように)打ちたがりが揃っている」と言っていた。おそらく、早いカウントから打ってくるアリゾナの打者に変化球の存在をイメージづけするためには「早いカウントで変化球をみせておかないと効果がない」という意味で、「2球目にチェンジアップ」という選択をしたと考える。

4回
本当はこのイニングこそ、圧巻だったと思う。
このイニングに投げた球種は、なんと4シームのみ。わずかひとつの球種だけで、速球派というわけでもないバルガスが、アリゾナのクリンアップを3者凡退に打ち取っているのである。
まさにロブ・ジョンソンが「チェンジアップを有効に使えば、速球も、より効果的になる」と試合後に言っている、その通りの演出だ。
バルガスのストレートがそれほど剛速球なわけではないにもかかわらず、結局1球も変化球を使わず、「チェンジアップなど変化球がいつか来そうなイメージだけで」3人を切り取ってしまったのだから、さすがである。

5回から7回
1回から4回に比べ、チェンジアップを多用したのが、この5回から7回。4シームしか投げなかった4回と対照的。
1人の打者にチェンジアップを2球使ったケースが2度あり、そのうちの1度は2球続けている。
ただ、アップトンにだけは、ロブ・ジョンソンが「この打席は、前の2打席と違って、初球を見送ってくると思った」と試合後に語っているように、アップトンの打ちに出るカウントが変わってないのを読み間違え、初球をホームランされた。それ以外は、なにも心配のいらない素晴らしいピッチングをみせた。


要は「あるぞあるぞと思わせておいて、できるかぎりチェンジアップは使わず、イニングを食いながら、ゲームをしめくくった」ということだ。

素晴らしいゲームプランである。



"He got a lot of first-pitch outs," catcher Rob Johnson said. "This team likes to swing. They were putting the bat on the ball, but were hitting 'em right at our guys."Johnson gave high marks to Vargas' sinker and changeup."He made his changeup work and when you can do that," Johnson said, "your fastball is going to be more effective."
「彼は初球でアウトをたくさんとれた」とロブ・ジョンソンは言う。「このチームは打ちたがりだからね。彼らは当てに来たけど、打球は野手の正面をついていた」ジョンソンはバルガスのシンカーとチェンジアップを高く評価した。「彼はチェンジアップを有効に使ってた。そうすることで速球もより効果的になるんだよね」とジョンソンは言う。

The battery had praise for each other.
バッテリーはお互いを褒めあった。

"It's nice having Rob back there tonight," Vargas said. "He's caught the majority of my starts and we just really went over the game plan before and got a pretty good idea of what I could do."
「今夜ロブとバッテリーを組めて楽しかったよ」とバルガス。「彼は僕の先発ゲームの大部分でマスクをかぶってくれてるから、僕らは事前に本当にちょっちょっとゲームプランをおさらいしただけで、僕ができることの範囲でかなりいいゲームプランができちゃうんだ。」

The key was changing speeds and keeping the free-swinging D-backs off balance.
キーポイントは、速度の緩急、それと、振り回してくるアリゾナの打者たちの体勢を崩させることだった。






damejima at 16:10
この日のスコアは4-3。ロブ・ジョンソン先発ゲームの常で、僅差でシアトルの勝ちにみえるが、実際には、投手陣の自責点は1点のみであることに注意されたし。1回の失点はロブ・ジョンソンのスローイングエラー、9回の失点はセカンドセデーニョのエラーがらみ。
バルガスはこれで3勝目。ゲーム後のインタビューで彼は6月14日の敗戦後に監督ワカマツが使った「ゲームプラン」という言葉を使いながら、ロブ・ジョンソンとバッテリーを組んだことで「ゲームプラン」どおり非常にうまくやれたことを喜んだ。
最近DL入りしてしまったベダードは規定投球回数が足りなくなり、ERAランキングから消えてしまったが、こんどはバルガスが規定に達すればア・リーグERAランキングに登場する日が来る可能性が出てきた。
Arizona vs. Seattle - June 20, 2009 | MLB.com: Gameday


この日のワカマツとバルガスのインタビューを読むには、5月29日LAA戦のバルガスの好投を頭にいれ、「プチ城島問題」である「キロス問題」の経緯もおさらいしつつ、6月14日のコロラド戦で負けた後のこの2人のインタビューを読んでおくと、なお一層面白い。
ワカマツがなぜいつも「アナハイムでのバルガス好投」を引き合いに出すのか、バルガスがなぜ「ゲームプラン」という言葉を使いロブ・ジョンソンを褒めちぎるのか、ロブ・ジョンソンがなぜ「バルガスの得意のチェンジアップ」について延々と説明するのかがわかるからだ。
2009年5月29日、ロブ・ジョンソン、バルガスを6回1/3QS、ホワイトを2試合連続ホールドに導いてLAA撃破、連勝を果たす。
2009年6月14日、新加入投手バルガスは、「城島コピー捕手」キロスが出したサイン通り投げ、打たれまくったことを心から後悔した。(2)
2009年6月16日、バークはヘルナンデス完封ゲームでついに「プチ城島問題」を抱えるキロスに実力で引導を渡した。(「キロス問題」まとめつき)


必読資料A 6月14日コロラド戦 敗戦後インタビュー
Rainy, fateful fifth costly for Mariners | Mariners.com: News
必読資料B 6月20日アリゾナ戦 勝利後インタビュー
Vargas steps up in Mariners' victory | Mariners.com: News


資料Aで監督ワカマツは、バルガスの6月14日敗戦についてこう言っている。"(一部略)since that game in Anaheim, he hasn't looked as crisp."「(5月29日の)アナハイム戦以来、ピリっとしない」。
他方、1週間後の資料Bで監督ワカマツは、好投したバルガスについて、"I thought Vargas threw a great game, as good, or close to, the game he threw in Anaheim," Wakamatsu said. "He looked sharp, he looked fresh."と、またもや5月29日LAA戦を引き合いに出しながら、「あのアナハイムのゲームと同じか、近いくらい素晴らしい出来」と、またしてもLAA戦にこだわりつつ、妙な褒め方をしている。

ワカマツは、よほど5月29日LAA戦のバルガスと比べて印象づけたいらしい。

資料Aでのワカマツ発言について、このブログではこう書かせてもらった。
「正直言って、かなりガッカリさせられた。たぶん、シアトル投手陣も、このワカマツ発言には相当がっかりしたのではないかと想像する。アナハイムでのLAA戦のキャッチャーは、もちろん我らがロブ・ジョンソンだ。バルガスだって言いたいのは「あのLAA戦とコロラド戦では、キャッチャーが違うじゃないですか?なんでそこがわからないの?」という部分が多々あるはず。『ロブ・ジョンソンなら、サインに首を振らなくても、十分QSさせてくれたぜ?』というわけだ。」



バルガスは6月に入って9日、14日と2連敗してしまったが、捕手はバークとキロスで、5月29日LAA戦のロブ・ジョンソンではない。
特に14日のキロスとバッテリーを組んで大敗したコロラド戦については、当事者ではないジム・ストリートでさえ「この敗戦にはバルガスがキロスとバッテリーを組んだことも要因」と公式サイトで明記するほどバッテリー間の息があわず、バルガス自身も珍しくキロスを名指ししてまで「息があわないこと」を主張した。
2009年6月14日、新加入投手バルガスは、「城島コピー捕手」キロスが出したサイン通り投げ、打たれまくったことを心から後悔した。(1)
2009年6月14日、新加入投手バルガスは、「城島コピー捕手」キロスが出したサイン通り投げ、打たれまくったことを心から後悔した。(2)

ところが6月14日の話(資料A)では、忌引でゲームを休んでいたロブ・ジョンソンの復帰がアリゾナ戦で予定されていたにもかかわらず、6月19日以降のバルガスの登板がロブ・ジョンソンが捕手の「土曜」ではなく、1日余分に休養を入れてキロスが捕手かもしれない「日曜」になるらしいことを、公式サイトのジム・ストリートが書いていた。

だが、それでは意味がない。わざわざバルガスが「息が合わない」と、チームメイトのキロスを名指しするリスクを冒してまで自己主張した意味がなくなる。表向きは「休養もいいかもね」などと言っていても、バルガスの休養についての話ぶりはどこか上の空だったのは、そのせいだ。

ワカマツがこだわる「5月29日LAA戦好投の再現」や、「バルガス流のチェンジアップ主体のゲームプランにのっとった試合運び」をバルガスに要求したければ、ワカマツはバルガスの登板をを日曜にズラすべきではないのである。
バルガス登板がロブ・ジョンソンが捕手の土曜で再度バルガスが投げてみてこそ、バルガスが捕手キロスに不満を漏らした意味も明確になり、5月29日LAA戦の好投の要因がどこにあったのかわかり、ジム・ストリートが公式サイトに「キロスとバッテリーを組んだことも敗因」とリスクを犯してまで書いた意味もある
日曜にバルガスがキロス相手に投げたのでは、バルガスのチームメイト批判を懲罰するペナルティにしかならなくなってしまう。
今回のアリゾナ戦でのバルガス登板には、いろいろな人がやや危ない橋を渡ってまで主張するだけの期待がこもっていた。


しかし、ワカマツはちゃんと動いてくれた。
6月19日にキロスをDFAにし、かつ、バルガスの登板を21日の日曜に延ばすことなく、6月20日のロブ・ジョンソンがマスクのゲームにもってきて、バルガスの好投を引き出したのである。


これで、バルガスが喜ばないわけはない。
バルガスとロブ・ジョンソンは周囲の期待に応えて、初回こそ失点したが、その後の17人を連続で凡退させる偉業をやってのけた。


このブログも、資料Aでのワカマツ発言について「正直ガッカリした」と書いたことは撤回しようと思う。
この記事の後編(2)では、ロブ・ジョンソンがコントロールした「バルガスのチェンジアップ主体のゲームプラン」の一端に触れてみる。






damejima at 00:50

June 16, 2009

さて、(2)では、「バルガスのキロスのサイン通りで打たれました発言」を荒っぽいが訳してみようと思うのだが、このインタビュー、どういうわけか、いろいろとややこしい。
できるだけ複雑にはしたくないのだが、どうしても疑問点、矛盾点、背景を指摘しつつ読んでもらわないと、面白くないし、バルガスの真意や、こんな記事をわざわざ書いたジム・ストリートの真意、さらには一番問題な「今、投手陣たちが捕手に抱いている感情」が理解できなくなる部分が多い。「城島問題」によるチーム崩壊の場合に、この手の感情を首脳陣が理解できなかったことが崩壊の基礎になっただけに、軽率な対応はできないと思わないと、後で痛い目をみると思う。
ブログ側からの指摘部分、付け加えた部分が多いが、色分けして、できるだけ読みやすくはしてみた。ご容赦願いたい。

とにかく、バルガスは1投手として、言い訳じみた、ちょっと情けない部分もないではない自己主張ではあるが、はからずも監督ワカマツに重い宿題をハッキリとつきつけることになってしまった。
Rainy, fateful fifth costly for Mariners | Mariners.com: News


Manager Don Wakamatsu said Vargas "from the start wasn't in a groove, and I think he went away from his game plan quite a bit. What I mean by that is that I thought his changeup was his best pitch, and he got hurt a couple of times on breaking balls and sinkers down and away. Giving up 14 hits and three walks to this club is not going to lead to winning."
監督ワカマツはバルガスについてこう語った。「最初からあまり好調ではなかったし、彼(本来)のゲームプランからどんどんそれていってしまったと思う。というのはね、僕は彼のベストピッチはチェンジアップだと思ってたんだが、(コロラド第3戦での)彼は外角低めのカーブとシンカーで何度も痛い目にあっていた(=同じコースの似た球筋の球種を、連打されていた)。ヒット14本とフォアボールを3つもコロラドに与えてちゃ、勝ちにはつながらないよ。」

ブログ注
あまり人前で話すような言い方ではない。監督ワカマツのバルガスに対するイライラぶりがかなりダイレクトに伝わってくる。彼はバルガスの何にイライラしているのか、まずそこが問題だ。
ワカマツの話の流れではあたかも「バルガスが14本ヒットを打たれた」ようになっている。だが実際には、2本少ない12本である。
なぜこんな間違いをしたのかわからないが、次のセンテンスでライターのジム・ストリートがわざわざ「12本」と本数を書き換えてまで訂正しているところを見るかぎり、意図はわからないが、ワカマツが「14本」と発言したのはどうも間違いないようだ。監督ワカマツが頭に血が上って敗戦をバルガスに押し付ける発言をした、と受け取られてもいたしかたないとしか思えない。
またワカマツは「バルガスが外角低めの変化球ばかり打たれた」ことを批判しているが、後の文章でバルガスは「キロスのリードどおりに投げた」と、弁解というか、反論というか、主張している。(笑)
だが、これもシアトルでよく初回などのピンチではロブ・ジョンソンがベンチを見ている。これが守備位置についてのサイン出しならともかく、配球のサインもあるとしたら、バルガスのコロラド戦でどのくらいベンチからサインが出たのか、それによって話も違ってくる。キロスが新人なだけにベンチがかなりサインを出したということがないともいえない。
また監督の発言の中でヒットの本数を間違えたことをジム・ストリートが故意に直さずに書いたのは、明らかに「バルガスが指摘したかった捕手キロスの問題」を故意にクローズアップするためである。



Vargas (2-2) surrendered 12 of the hits and admitted after the game that he should have thrown more changeups.
バルガス(2勝2敗)はヒットのうち12本を喫し、試合後には「もっとチェンジアップを投げるべきだった」と認めた。

ブログ注
このブログでは既に「チェンジアップ押し付け」問題というカテゴリーを用意し、既に数本の記事を書いている。どうも今シーズンは「チェンジアップ」が、長打の被弾や、投手と捕手の配球面の揉め事など、なにかとトラブルの原因になっているような気がしてならない。ただ、残念なことに、それが根本的にはどこから指示が出ているかなど、今はまだ詳しいことは何もわかっていない。



"The changeup has been a good pitch for me, and I should have been smarter than that and shake to it," Vargas said. "I probably could have gotten out of that [fifth] inning."
「チェンジアップは僕の得意球だ。僕はもっと強い気持ちで臨むべきだったし、サインに首を振るべきだった。」とバルガスは言う。「(もしチェンジアップを混ぜた自分の得意パターンの配球をしてたら大量失点の5回の)あのイニングはもしかするとうまく切り抜けられたのかもしれない。」

ブログ注
昔ディッキーがトリー・ハンターに長打を打たれて、まったく同じ発言をしている。「ハンターは僕の得意球のナックルに手を焼いてた。ストレート投げて打たれたけど、やっぱり得意球なげときゃよかった」
よくロブ・ジョンソンの記事で書くことだが、ロブ・ジョンソンは打者のインコースを勇気をもって使いつつ、組み立てるのが上手い。つまり「逃げばかりではない」。また、ベダードのカーブなど、投手の得意球も把握し、計算に入れて組み立てるから、投手はサインどおり投げてもQSできる安心感があるだろう。

対して裏口入学のコネ捕手城島は、ランナーが出ると、投手が誰であろうと、得意にしている球種が何であろうと、アウトコース低めにスライダー系を投げさせようとしたり、アウトコースのギリギリにストレートを投げさせようとする。つまり「ひたすら逃げる。でも打たれる。四球の山を築く。投手の自尊心が傷つく」。この差が大きい。キロスも同じだ。
どうなのだろう。バルガスが本当に言いたいのは、捕手に従うかどうかという単細胞な瑣末な問題ではないような気がしてならない。結局は捕手とベンチがどう投手のアイデンティティを大事にするか、という問題でもあるのだが、これがワカマツ監督に伝わっているかどうかは、よくわからない。残念なことだ。
得意球のチェンジアップさえ投げさせておけばバルガスのプライドは満たされる、とかいう単純なものでもない。
ちなみに細かいことだがsmartという単語の訳に迷って、打球が強いことをsmartというのにならった。正直これでいいかどうかはわからないが、大意に影響はない。ただ「頭がいい」と訳しただけでは通じにくいと思っただけのこと。



The fact he was pitching to rookie catcher Guillermo Quiroz also was a factor.
彼が新人キャッチャーのキロス相手に登板したことも、(今日のバルガス登板失敗の)要因となった。

ブログ注
日本のスポーツ新聞などでもそうだが、記事の中で、「記者の主観」と「選手の実際の発言」を織り交ぜて、全体をひとつのストーリーにまとめることは多々ある。この文なども、「打たれたのは、捕手キロス相手に投げたことに要因がある」と「バルガスが言っている」と、わざと書きそえることもできたはずだ。だが、ライターのストリートは、そうは書いていない。当然のことながら、ライター側にある種の「バルガス発言への同意」のようなものがあると考えなければならない。



"We haven't worked all that much together," Vargas said. "When you get into a pattern of shaking, shaking, shaking, it slows the game down. I tried to execute the pitches I was throwing."
「僕らはまだ一緒にたくさんバッテリーを組んできたわけじゃない。」とバルガスは言う。「サインを拒否しまくるパターンになっちゃうと、ゲームはダラけてしまう。僕は投げるとき、(キャッチャーのキロスから指示されたコース・球種を)指示どおりにしようとしてたんだ。」

ブログ注
さて問題の箇所だ。バルガスはどうやら「サインを拒否しまくりたくなるほど、サインがあわなかったようだが、我慢した」らしい。我慢など意味がないのだから、しなければいいのだが、バルガスは我慢した。
次回登板に向けてバルガスの意図はどこにあるのか。さまざまにとれる。「次回誰が捕手であっても、サインには首を振らせてもらうよ」という意思表明ともとれるし、もっと突っ込んで言えば、「もうキロスを捕手には投げたくない」という強い拒絶感ともとれる。
もちろん2008年のウオッシュバーンがそうだったように、投手が「特定の捕手のサインどおり投げて打たれて後悔した」と発言したところで、その後、捕手を指定してまで登板させてもらえるかどうかは未知数である。意思の強いベダードは城島相手にはほぼ登板しなくていいことになったが、人のいいウオッシュバーンはそうはいかず敗戦を繰り返した。
こういうチームメイトについての批判めいた発言はあまりアメリカのプロスポーツでは公然とされないことが多いものだ。だが、今回、こうして公然と発言したからには、例えば「テンポよくキャッチャーのサインどおりに投げたつもりが、ボコボコに打たれまくって、監督にあれこれ批判されるくらいなら、自分の思った通りに投げさせてくれ」、または「なにも納得いかないサインしか出せないヘボなキャッチャーに指図されてまで登板など、したくない」などという強い意思が多少なりともバルガス側にあるのは確かだろう。
それにしてもわからないのは、シアトルがメジャー球団なのに、どうしてこうも「投手に気持ちよく投げさせようとできないのか」、ということだ。まぁ、城島なんかを3年契約してしまう球団だから、しょうがないか。



The way the rotation is currently set up going forward, Vargas' next start will come next Sunday, giving him an extra day's rest.
ローテーションは今は先延ばしされつつある。バルガスの次の登板は、彼に1日休養を与え、(予定されていた土曜ではなく)次の日曜になる模様。

ブログ注
ここも問題の箇所だ。バルガスの次回登板が6月21日の日曜ということになれば、球を受ける捕手はデーゲームなので「控え捕手」になる。今週末にロブ・ジョンソンが正捕手に復帰してくる予定だから、控え捕手として日曜にバルガスの球を受けるのは、「バーク」なのか、「キロス」か。
もしキロスがまたバルガスの捕手を勤めることになれば、当然、バルガスはふてくされる。
監督ワカマツがそれでもバルガスに「城島のコピー捕手」であるキロスを押し付けるのか。それともバークで実験して「様子を見る」のか。たぶんバークになるとは思うが、それだと、そもそもコロラド戦を前に「バークをマイナーに落として捕手は3人体制にしない」と思っていた首脳陣の思惑をバルガスが壊す結果になる。問題はそこにもある。監督ワカマツのイライラである。
この監督、どうも「実戦で実験ばかりしている」ような気がするのは、気のせいなのか?ゲームで試さないで、ゲームの前に頭を使うわけにはいかないのだろうか。



"Vargas is a guy who didn't throw at all last year [because of injury] and it might be a good idea to back him up," Wakamatsu said. "We'll see. But really, since that game in Anaheim, he hasn't looked as crisp."
Wakamatsu was referring to his outing against the Angels on May 29, when Vargas allowed two runs over 6 1/3 innings. "Our job is to figure out what's different about that game in Anaheim, where he was as good as you can get," the manager said.

バルガスは(怪我のために)去年全く投げてないからね、(バルガスの体力面に配慮して休養を与えるのは)彼をバックアップするにはいいアイデアかもしれないね。」とワカマツ。「様子は見てみるよ。でも、ほんと、彼はアナハイムでのゲーム以来、しゃきっとしてないな。」
ワカマツが引き合いにだしたのは、5月29日の(ロブ・ジョンソンがキャッチャーを務めた)対エンジェルス戦の登板。バルガスは6回1/3を投げ、2失点だった。
「我々(監督やコーチ)の仕事は、彼が(ロブ・ジョンソンとバッテリーを組んで)かなりいい感じだったアナハイムのゲームが(今日キロスとのコンビで失敗したゲームと)どう違うのかを明らかにすることだ。」

ブログ注
この部分でのワカマツ発言には、正直言って、かなりガッカリさせられた。たぶん、シアトル投手陣も、このワカマツ発言には相当がっかりしたのではないかと想像する。
アナハイムでのLAA戦のキャッチャーは、もちろん我らがロブ・ジョンソンだ。バルガスだって言いたいのは「あのLAA戦とコロラド戦では、キャッチャーが違うじゃないですか?なんでそこがわからないの?」という部分が多々あるはず。
「ロブ・ジョンソンなら、サインに首を振らなくても、十分QSさせてくれたぜ?」というわけだ。

どうも
もしかすると監督ワカマツは、アナハイムで、あの強豪LAA相手にQSしたバルガスと、コロラドでボコボコにされたバルガスの違いが、どこにあるか気がついていない(もしくは半信半疑な)ような気がする。
それは、チームがなぜ勝っているか、また、負けているか、要因factorを把握していない、という意味になる。ジム・ストリートが文中でfactorという単語を使ったのは、そういう意図が隠れていると見た。

だから、以前の記事で書いたように、キロスをコロラドに連れていこうとしたりするのだろうか。せっかくの捕手出身監督だというのに、こんなものなのだろうか。
Mariners | Russell Branyan's mammoth homer lifts Mariners back to .500 mark | Seattle Times Newspaper

バルガスは「テンポ重視で、自分の投げたい球でない球ばかり要求してくるキャッチャーのキロスのサインを、我慢我慢で、キロスの言う通り投げてみたら、ボッコボコに打たれました」と、ちょっと肩を怒らせ気味に話した以上、「監督、キャッチャーの違いなんですよ、キャッチャーの!」と言いたい部分があるわけだ。
もちろん、ライターのジム・ストリートだって、この記事を書くにあたって、バルガスに多少はシンパシーを持って書いているからこそ、「バルガスの登板失敗の要因には、キャッチャーのキロスもある」と書いているわけだ。

「監督・・。なんでわからないの?おれたち投手陣は、やっぱ捕手によって全然代わってしまうことはわかってるんですよ?陰では、みんな言ってるんですぜ?」監督ワカマツがこんなふうに言われてないといいが、さて、どうだろう。


damejima at 14:11
昨日のゲーム終了後、キロスが「城島コピーのような単調すぎるキャッチャー」であることを指摘しつつ、シアトルの首脳陣が「コロラドに連れていく控え捕手をどうやらバークではなくキロスにしようとしていた」ことなどについて記事を書いて、後は所要でブログを放置していた。

翌日になって公式サイトのある記事を見て、いつもの通り「やはり自分の思った通りだったな」と、ほくそ笑んだ。
公式サイトによれば、コロラド第3戦のバッテリーについて監督ワカマツは「アウトコース低めの変化球ばかりを痛打されていること」を批判し、また、投げて負け投手になったバルガスは「捕手キロスのサインどおりに投げて後悔している」と自分を責める形で、捕手のリード内容を批判した主旨の記事が掲載されているのを、今日になって知ったのである。
Rainy, fateful fifth costly for Mariners | Mariners.com: News
注:粗訳は、2009年6月14日、新加入投手バルガスは、「城島コピー捕手」キロスが出したサイン通り投げ、打たれまくったことを心から後悔した。(2)に掲載

このブログの「時系列にそって読む『城島問題』」というタイムライン記事を理解してもらっている人は、シアトルというチームでこの種の記事がでてくる意味は、もう説明しなくてもわかるはずなので、ここから先、読み飛ばしてもらってかまわない。

シアトル投手陣から「捕手のサイン通り投げたことを後悔した」というたぐいの発言が出るのは今回が初めてではない。
むしろ、「またか」という感じだ。
2008年以前から実は存在していた「城島問題」がようやく表沙汰になったのは2008シーズンだが、この年の「城島問題」のブレイク直前に、しかも、ウオッシュバーンディッキー、2人の投手から連続して今回のバルガスとソックリの発言が、発言が飛び出して、その後の「城島問題」の騒ぎにつながっている。

2008年4月15日、ウオッシュバーンは「城島のサイン通り投げた後悔」をクチにした。
2008年4月19日、新人投手ディッキーすら後悔をクチにした。

今回バルガスがキロスのリードについて語った記事で、すでにこのブログで何度も「キロスは城島と同じタイプ、城島のコピー捕手」と語ってきたことが事実として裏付けられた。
2009年5月31日、通算CERA5.51のキロスは6回裏以降「城島そっくり」の大炎上ぶりで、LAAスイープを逃した。
2009年6月6日、キロスの単調なリードを予測する。
2009年6月14日、城島・セクソンがゴーストとして復活したシアトルは、コロラドでスイープされた。


さて、問題のバルガス発言だが、
この記事は実際、かなりややこしいので、何度かに分けて記事にする。


まず、バルガス発言をきちんと読むためには、地元紙シアトルポストによる、下記の記事を必ず読んでおいてもらいたい。
Mariners manager Don Wakamatsu indicated before Thursday's game that one of his three catchers ― likely Jamie Burke ― would be sent back to the minors, while a pitcher would be called up.
Mariners | Russell Branyan's mammoth homer lifts Mariners back to .500 mark | Seattle Times Newspaper
次カードのコロラド遠征にあたってシアトルは捕手3人の帯同はせず、ジェイミー・バークがマイナーに落ち、ピッチャーを1人上げてくる模様だ、と、記事は推定している。つまり、バークをマイナーに戻し、しばらくはロブ・ジョンソンとキロス、2人捕手体制で行く、という意味だ。
この「キロスとバークの選択では、首脳陣はキロスを優先していたらしい」というポイントはたいへん重要なので、必ず頭に入れておいてもらいたい。
(もちろん、記者ベーカーの推測記事なのだから、「キロス優先」という話自体が間違っている可能性もないわけではない。だが書いたのが、シアトルマリナーズに深いコネクションを持つので有名で、ジャーナリストタイプの記者ベーカーであり、彼が具体的な取材ソースもなしに書くはずはない。必ずチーム内の誰かは、ベーカーに「キロスを連れて行く」旨の発言をしたのは間違いない)

しかし、ロブ・ジョンソンの配偶者の家族に不幸があった関係で、ロブ・ジョンソンはコロラド遠征を途中で欠場することがわかり、連れていくのは、結局バークも含めて3人の捕手になった。

ちなみに、城島骨折DL後、コロラド遠征直前の捕手3人のCERAは、ロブ・ジョンソンとバークが約2点前後で、キロスひとりが4.33と大きく離されている。
ロブ・ジョンソン
5勝3敗 73回自責点15 CERA 1.85 QS7回
バーク
2勝1敗 26回自責点6 CERA 2.08 QS1回
キロス
2勝1敗 27回自責点13 CERA 4.33 QS1回


2009年6月14日、新加入投手バルガスは、「城島コピー捕手」キロスが出したサイン通り投げ、打たれまくったことを心から後悔した。(2)
に続く。






damejima at 11:42

June 15, 2009

よくよくシアトルはついてない。
まさか城島とセクソンがゴーストとしてチームに復活するとは思わなかった。


ようやく多少アウトラインができつつあったかにみえたモロい「シアトルの守り勝つ野球の形」は、海岸に作った砂の塔が高波にスイープされるかのように、自分からあっさり手放してしまった。
第3戦の9回表最終バッターになったベタンコートが初球をあっさりダブルプレーになったように、このチームのプレーヤーは「すぐに気が抜けてしまう安物のコーラ」のような「炭酸プレーヤー」が多すぎる。
Seattle vs. Colorado - June 14, 2009 | MLB.com: Gameday


謎解きを先に言えば、キロスは、平凡な打撃だけが売り物の大味な「城島型のコピー捕手」であり、またグリフィーは「四球と、たまに打つマグレのヒットしか期待できないセクソンのコピーのような、クリンアップのバッター」である。城島とキロス、セクソンとグリフィーのデータを比べてみるとわかる。
大量に失点しつつ、打線としては沈黙する、かつての最下位マリナーズの典型的ゲーム運びが、残念ながら、ロブ・ジョンソンのいないところで密かに復活ののろしをあげているのである。
イチロー、ブラニヤン、先発の3本柱とロブ・ジョンソン、このあたりを中心にいくらか上昇の気配をみせた中で、「城島・セクソンのゴースト」が先発ラインアップにこっそりと種をまかれ、葉を出し、復活しようとしている。インターリーグの見通しは暗い。



頼みのロブ・ジョンソンは、ようやく復帰で当然期待したが、配偶者のご家族の交通事故死とかで1ゲームだけで残念ながら再度メンバーからはずれてしまった。(このあたりもやや因縁めいている)コロラド第2戦では、ロペスの2ランで3-3に追いついた流れをロウのエラーとフィルダーズチョイスで潰してしまった。なにせ気分屋が多いシアトルはこれですっかりやる気を無くしてしまい、第3戦を待たずにほぼスイープが決定してしまった。これでも第2戦でミスしまくったロウはデータ上だけは自責点0なのだから、本当に始末が悪い。
第3戦は、ある意味、現状では「城島のコピー捕手」である単調な組み立ての捕手キロスが、これも単調なピッチングの投手バルガスと組んだ最悪のバッテリー。コロラドのデーゲーム・ラインアップにいいように打たれて7失点し、またもや借金を3つにしてしまった。
2009年6月6日、キロスの単調なリードを予測する。
2009年6月9日、バークは不可解にも4月29日LAA戦以上の単調なゲームを再現した。



シアトルは、3連勝できないチームだ。
だから借金をひとつ減らすのに、1カード3ゲームかかる。3つ減らすには、3カード9ゲームもかかり、時間にして約2週間が必要だ。もちろん、借金を減らした後で負けてもいけない。
そのことを考えれば、コロラドで1勝だけでもしておけばまったく違うわけだから、第3戦の先発捕手はキロスではなく、なぜバークを続けて捕手に使わないのか。
前のカードの終了時に地元紙シアトルタイムズのベーカーの推定記事として、「コロラド遠征ではバークを帯同しない(つまり意味としては、ロブ・ジョンソン、キロスだけを帯同させる)」という指摘があったが、なぜそんなことをするのか、まったく意味がわからないと思っていた。
デーゲームは控え捕手で、とか悠長な言っている場合ではない。キャリアCERA5点台のキロスと、城島DL後CERA2点台のバークとの対比なら、まったくバークのほうがマシだろうに。(実際にはロブ・ジョンソンの義理の母の事故の件がチーム側にわかっていたせいなのか、バークはコロラドに行ったわけだが)
ジャーナリストタイプのスポーツ記者ベーカーだから、推定するからには何か取材ソースがあってのことだろう。チーム首脳陣に「バークよりキロスのほうがマシ」などという判断があるとしたら、その判断には首を傾げざるを得ない。
2009年6月11日、城島DLからわずか2週間、4カード連続勝ち越しでついに勝率5割、2位に浮上した。(城島DL後の全成績・捕手別データつき)


キロス、というキャッチャーについてはこれまでも何度か触れている。
キャリアCERAが5点台中盤とディフェンス面ではとっくに失格プレーヤーで、だからこそ、あちこちの球団を転々としているプレーヤーであり、、よほどオフェンス面がよくないことには使えないのが特徴であることがだんだんわかってきた。
キロスは「出たら、人並み以上に打ってくれるのでなければ使う意味がない捕手」、別の言い方をすれば、、「打撃は他の捕手に比べて少しだけマシな程度であって、大量失点は覚悟しないといけない欠陥のある捕手」であって、NYYのポサダやコネ捕手城島と同じ、雑で大味なタイプなのである。
Guillermo Quiroz Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN
2009年5月31日、通算CERA5.51のキロスは6回裏以降「城島そっくり」の大炎上ぶりで、LAAスイープを逃した。
2009年6月6日、キロスの単調なリードを予測する。



最近よく、メジャー最低貧打のシアトル打線の改善策として、「打撃の多少マシな城島に早く復帰してもらいたい」などと、馬鹿馬鹿しい意見を見るが、とんでもない話だ。
現状キロスは、数字上明らかに、既に「城島のコピー捕手」なわけで、ただでさえ得点力のないシアトルはこんな捕手がチームに2人もいたら大量失点の連続で、いとも簡単に崩壊してしまう。
もしかして、そのへんのキャッチャーの能力の良し悪しの判断についてそもそもチームの首脳陣がわかってないとしたら、それはヤバすぎる。裏口入学のコネ捕手城島は、「投手のリード、ゲームの組み立てに強引に介入して混乱を招きやすクセに、コミュニケーション能力のないために対立とイライラを投手に与え続ける異常なキャッチャー」であって、メジャー他球団の普通の意味のキャッチャーではない。
今日のゲームでもわかるように、大きくリードを許したゲームで、城島本人、または、「城島コピー捕手」が1ゲームに1本や2本のシングルを打とうが、打たまいが、チームは負ける。
そんな.280や.250で7点も8点も失う捕手など使うより、失点そのものを減らさないと意味がない。
城島も、「城島のコピー捕手」キロスも、シアトルでは起用する意味がない。


城島・キロス比較(2009年シーズンデータ)
城島とキロスなら、打率のいいキロスを使うほうがずっとマシ。
キロス
打率.286 CERA 5.00
城島
打率.259 CERA 4.89


どうもワカマツは監督としての経験不足のせいなのかどうか、選手起用はまだまだゆるいように感じるし、インターリーグへの対処もどうかと思う。

例えばイチローの前の8、9番打者が走者として出れば、イチロー、ブラニヤンが走者を帰す「裏クリンアップ」になるという特殊事情にあるのは、今年に限らずシアトルの打線では毎年起きる現象で、シアトルの常識だ。9番に昔ならベタンコートを入れていたのは、そういう意味だ。
だが、ワカマツは、9番は一番打てない選手とかいう常識にとらわれているのか、インターリーグの打順9番に投手を置き続けている。

またライト側はスコアボードがあってホームランにはなりにくいクアーズ・フィールドで、ワカマツはレフトをグリフィーに守らせ、また捕手キロスに左バッターのアウトコースを攻め、右バッターのインコースを攻めさせたりするのは、まったくもって見当違いだと思う。
ここは明らかに、ライトのイチローの堅守を信頼して、ライトに打たせるような配球にすべきなのに、それをしないのはなぜなのか。

もちろん、四球を選ぶ能力しかないグリフィーが明らかに「打率は低いが四球だけ選ぶセクソンのコピーになっている」ことは明らかなのに、5番で起用しつづけていることも意味不明。6番か7番で十分だろう。


チーム首脳やプレーヤーがゲームをどう見て、選手をどう評価するのかという「モノを見る目」のあやふやさ、間違い、目指すものの不一致が、城島、キロス、グリフィー以下のプレーヤーのダメな成績を容認し、チームをぬるま湯にして、築きかけていた「守り勝つ野球」をあっさり手放す一因になっている。
キロスというプレーヤー自体は、どうでもいい。
問題なのは、今後、ロブ・ジョンソンの偉業ともいえる2点台のERAを否定するような意味の行動(例えば、あまりに打てないからといって、正捕手城島、控え捕手をキロスにするようなこと)があれば、このチームは間違いなく最下位行きだ。

まったくこのチーム、どれだけ野球や合理的なモノの見方をわからない人がやっているチームだろうと思うことは多い。「ダメなものをスッパリ切る」、そのくらいの簡単な合理性が、メジャーの球団にしてはあまりにもできない。マリナーズという球団はあまりにも合理性が無さ過ぎて、まるでメジャーっぽくない。


城島DL以降の捕手成績比較(1)
(コロラド遠征前)
ロブ・ジョンソン
5勝3敗 73回自責点15 CERA 1.85 QS7回
バーク
2勝1敗 26回自責点6 CERA 2.08 QS1回
キロス
2勝1敗 27回自責点13 CERA 4.39 QS1回

城島DL以降の捕手成績比較(2)
(コロラド遠征後)
ロブ・ジョンソン
5勝4敗 79回自責点19 CERA 2.16 QS7回
バーク
2勝2敗 35回自責点9 CERA 2.31 QS1回
キロス
2勝2敗 36回自責点20 CERA 5.00 QS1回



バルガスの登板 捕手別比較
ロブ・ジョンソン
5/29 LAA 5-2 WIN
2009年5月29日、ロブ・ジョンソン、バルガスを6回1/3QS、ホワイトを2試合連続ホールドに導いてLAA撃破、連勝を果たす。
6/3 BAL 3-2 WIN
2009年6月3日、ロブ・ジョンソン強肩披露、6回2死2、3塁、9回無死1塁でランナーを刺し、サヨナラ勝ちに導く。(バルガスの捕手別ERA付き)

バーク
6/9 BAL 3-1 LOSE
2009年6月9日、バークは不可解にも4月29日LAA戦以上の単調なゲームを再現した。

キロス
6/14 COL 7-1 LOSE
2009年6月14日、城島・セクソンがゴーストとして復活したシアトルは、コロラドでスイープされた。






damejima at 10:39

June 04, 2009

ロブ・ジョンソンが素晴らしい強肩を2度にわたってみせてピンチを2度しのぎ、サヨナラ勝ちに結びつけた。
イチローが27試合連続安打達成し、チームは2連勝。めでたい。イチローの愛犬「一弓」がご主人様の記録達成を見るためにスタジアムにやってくる日はまだまだ先のことになるが、来週から始まる遠征も楽しみだ。

http://seattle.mariners.mlb.com/media/video.jsp?content_id=4862585
http://seattle.mariners.mlb.com/media/video.jsp?content_id=4861881

勝ち投手は、LAA第3戦でサヨナラを喫したアーズマ。疲労から2日の休養をもらったようだが、これで自信を取り戻してくれることだろう。
それにしても、逆転2ランを打っていながら、9回裏1死3塁でイチロー、ブラニヤンと、2人も続けて敬遠の後でベルトレ勝負とは、この打順はなかなか面白い。ベルトレも試合後のインタビューで苦笑いしていたようだ。
Baltimore vs. Seattle - June 3, 2009 | MLB.com: Gameday

最初の場面は6回。

ベルトレの逆転2ランで1点リードをもらいつつ、それなりに好投していたバルガスだったが、週間MVPをとったばかりの好調スコットにタイムリー・ツーベースを打たれて同点にされ、なおも2死2,3塁。
ここで投手が変わり、バルガスはあとアウト2つというところで惜しくもQSを逃したが、ERAは1.93。あのグレインキー並みの数字をキープしているが、この素晴らしい数字を作った捕手はやはりロブ・ジョンソンである。
この一打同点のピンチで、ロブ・ジョンソンがサードランナーのハフをピックオフで刺した。いわゆる矢のような送球というやつ。ロブ・ジョンソンの強肩が再逆転のピンチを救った。
http://seattle.mariners.mlb.com/media/video.jsp?content_id=4862585

May 3 OAK W 8-7 2回1/3自責点0 ジョンソン(延長15回)
May 8 @MIN  L 11-0 1回1/3自責点0 城島
May 12 @TEX L 7-1 5回自責点1   ジョンソン
May 17 BOS  W 3-2 5回1/3自責点1  ジョンソン
May 22 SF   W 2-1 7回自責点1   ジョンソン QS
May 29 @LAA W 5-2 6回1/3自責点2 ジョンソン QS
Jun 3  BAL   W 3-2 5回自責点2   ジョンソン

ジョンソン 33回自責点7  ERA 1.91
城島    1回1/3自責点0 ERA 0.00
Jason Vargas Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN


二度目の場面は同点で迎えた9回表。

クローザーのアーズマが先頭ハフにシングルを打たれ、無死1塁。ここで打席は巧打者モーラ。3−1の厳しいカウントになって、ランナーのハフがスタートを切る。エンドランだ。打者モーラはファウルで、フルカウント。
ここから1塁ランナーのハフは全球スタートを切る。このきつい展開の中で、6球目でバッターのモーラが三振、ロブ・ジョンソンがセカンドに送球し、走者ハフをゆとりをもって刺し、三振ゲッツーでピンチを切り抜けた。
http://seattle.mariners.mlb.com/media/video.jsp?content_id=4861881


今日投げた投手たちは、ベダードやウオッシュバーンのようなERA3点台の安定感のある投手ではなく、9回のアーズマも、LAA戦サヨナラ負けの影響が残っているのか、多少球は上ずっていた。
それだけに、この2つのピンチをロブ・ジョンソンの肩で余計な失点無しに抑えたことは非常に大きく、9回裏のサヨナラ劇の裏の主役はロブ・ジョンソンだったといえる。



ただ、勘違いしてはならないことが、ひとつある。

それは「牽制死、盗塁阻止は、よくも悪くもやはり、たかがひとつのアウトにすぎない」ということだ。

今日のようなクロスゲームなら、ロブ・ジョンソンの2つのアウトは価値がある。たしかに、キャッチャーの肩がメンタル面の弱いシアトルのブルペン投手の気分を楽にして、ゲームを締まったものにしていく効果はある。だが、もしそのアウトがなくとも、投手は打者を抑えることができたかもしれないし、野手のファインプレーでチェンジにできたかもしれない。

そもそもシーズンで捕手の肩でとれるアウトなど、数はしれている。
そんなことのために先発投手に慣れないクイックモーションを強要して調子を狂わせるくらいなら、毎試合5失点しているダメ捕手の失点そのものを減らすために、クビにしたほうがずっと早い。




もしどのゲームでも5失点してしまうダメ捕手城島が、今日のゲームの先発捕手だったとしたら?

コネ捕手城島はロブ・ジョンソンと比べ、常に失点が2点以上多いダメ捕手である。今日のゲームの最終回は、同点ではなく、いつものランナーが出た後の単調リードで、2点以上負けていたはずだ。
2点以上リードされた終盤ともなれば、打撃面では、いくらワカマツがバントが好きでも、細かいバッティングやバントを打者に要求できっこない。これが城島が捕手に復帰した5月に突然シアトルの打撃が2008シーズンのような粗い馬鹿バッティングに戻ったメインの理由だ。
また投手起用でも、アーズマやケリーなど登板させられるわけがない。それどころか、登板するのは並以下のブルペンか敗戦処理投手になるから、2点リードされるどころか、終盤さらに失点し、もっと酷い惨敗スコアだった可能性は高い。
仮に1つや2つ牽制や盗塁阻止でアウトにした程度では、城島が先発するゲームの場合は惨敗ゲームにしかならない。勝てるわけがない。

肩の強さが本当の意味で活かせるのは、ロブ・ジョンソンがやっているようなクロスゲームだ。締まった展開でないと意味がない。グダグダな大量失点ゲームしかできいない城島の場合、肩などなんの意味もなさない。


また、この期に及んで打者としての城島に期待する野球音痴の馬鹿がいまだに存在するようだが、このダメ打者にして、どんなゲームでもヒトより2点失点するダメ捕手でもある城島を、打撃面での理由で先発で使うなど、とんでもない。ありえない。
ダメ打者城島の打撃がメジャーで長打を量産できる代物ではないことなど、この3年でとっくに証明された。
また、四球を選んだりシングルヒットを重ねることで、高いOBP(出塁率)でチームに貢献できるタイプでもないことくらい、とうの昔に、NPB時代に既に証明は済んでいる。
城島が盗塁を数多く刺したといわれる2007年、このダメ打者がシーズンにいくつ併殺打を打ったか?ア・リーグ最多クラスの20を越える大量の併殺打を打って、40以上のアウトを量産したのだ。30や40、盗塁を阻止したところで、帳尻すらあわない。それに他の捕手との差など、数える程度の差しかない。


控え捕手の出るゲームを除いた100ゲームで、「城島が毎試合絶対に2点ずつ打点を挙げられる。100本ホームランを打てる」とでもいうのならともかく、毎試合ヒトより2点ずつ多く失点するようなコネ捕手をゲームに出す必然性など、最初からどこにもない。
それどころか、このダメプレーヤーをゲームに出さないことでチームが「あらかじめ約束された失点」を大きく減らすことが、シーズンを「普通に」戦える第一歩だ。

この先、こんな捕手を正捕手に復帰させるようでは、万年最下位、永久Bクラスは確定してしまうのである。



damejima at 13:56

May 30, 2009

2009年5月29日、イチローの超絶技巧RBIシングル
イチローさすがの2安打だが、せっかくのノーアウト2塁で得点できないシーンがまたまた見られたように、まだまだ2番から4番の仕事がダメだが、それでも、ロブ・ジョンソンがバルガスの好投を最後まで守って連勝した。

バルガスQSで、これでロブ・ジョンソン先発ゲームの5月のQS数は、4月と並んで8になり、合計で16となった
細かいことだが、ブラニヤンの守備位置がなかなかよかった。ファーストライナーがどれかイチローの前に抜けてしまっていればこのゲームはもっともつれたゲームになっていた。
Seattle vs. LA Angels - May 29, 2009 | MLB.com: Gameday

詳細はのちほど

ゲーム最大のターニングポイントは、7回裏1死1、3塁を
インコース攻めでしのいだロブ・ジョンソンとホワイト

勝敗を分けた最大のポイントは1点とられてなおも得点圏にランナーを残した場面の7番のナポリの打席である。ロブ・ジョンソンの特徴のひとつでもあるインコース攻めについてはすでに指摘してある。(下記リンク)
2009年4月9日、ウオッシュバーンは城島抜きのゲームをエンジョイして完封勝利してみせた。
今シーズンは一時3割近辺を打っていたこの打者を、犠打になる外野フライでも内野ゴロでもない、1塁ポップフライというベストの結果に導けたことが、このゲームの勝敗を大きく分けた。
これでホワイトは2試合連続のホールド。だいぶ安心感が出てきた。
もし、この場面に裏口入学のコネ捕手城島がいたら、アウトコース低めへの攻めを中心に攻めたのは間違いない。今年5月1日オークランド戦でマット・ホリデーに打たれた同点ホームランを比較例に挙げておく。


7回1死1、3塁 ナポリ(スコア4−2)
結果:1塁ポップフライ


2009年5月29日 7回ナポリ 1Bポップフライ全球ストレート
2-0とカウントを悪くするが、それでもインコース勝負をかけたロブ・ジョンソンとホワイトのバッテリーの勝ち。


比較例
2009年5月1日 オークランド戦7回表
マット・ホリデーに浴びた同点ソロ(投手ホワイト 捕手城島)

1点リードの僅差で迎えた7回表。「外に変化球、内にストレート」のいつものコネ捕手リード。2−1とカウントを悪くして、慌ててストライクを置きにいく、いつもの城島。置きにいっただけのスライダーをスタンドに放り込まれ、同点に追いつかれた。

比較例 2009年5月1日オークランド戦7回表 ホリデー同点ソロ初球、2球目
アウトコースへのスライダー
3球目 インコースにストレート
4球目 甘く入ったスライダーをホームラン。7-7の同点に追いつかれる。




2度のダブルプレー(投手バルガス)
上にあげたナポリの打席以外に、バルガスの好投を支えた2つのダブルプレーも大きい。簡単に打席を挙げておく。どちらのケースでも、インコースは有効に使われている。

2009年5月29日 3回裏LAAフィギンズ ダブルプレー3回裏LAAフィギンズの
ダブルプレー


初球インハイのストレート
2球目インローのチェンジアップ

インコース上下に攻めた後、
3球目外のストレートをひっかけさせた

2009年5月29日 6回裏LAAアブレイユ ダブルプレー6回裏 LAAアブレイユの
ダブルプレー


初球、2球目と
インコースをえぐっておいて
3球目の外のストレートで
ダブルプレー

7回裏1、3塁でナポリをうちとった攻めとよく似ている。



damejima at 13:42
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