アンパイア

2018年6月16日、投手にとってマウンドにいることは、権利であると同時に、義務でもある。
2018年4月4日、球審Lance Barksdaleの「誤判定」で見逃し三振「させられた」イチローと、2010年代のストライクゾーンの変化。
2018年1月31日、10年たっても「MLBアンパイアという職業」が無くならない理由 〜 MLBらしさの決め手は「トラッド」。
2015年8月6日、「田舎のクルマ優先の交通ルールは、都市ではまったく通用しないこと」に似ている二段モーションの議論。
2014年11月19日、面白い視点だが、まだちょっと怪しい「フレーミング」というキャッチャーの守備指標の「これから」。
2014年10月31日、「MLBアンパイアの若返り傾向」と、「得点減少傾向」の関係をさぐる。
2014年10月14日、ワールドシリーズ担当アンパイア7人と、両チームのエースとの相性だけからみた、2014ワールドシリーズの勝者。
2014年9月11日、MLBにも「危険球で一発退場」という制度は必要。 〜 なぜスタントンのデッドボール後、球審ジェフ・ケロッグはゲームコントロールを失うに至ったのか
2014年8月11日、ここまで930回のInstant Replayが行われ、その数は1.89試合に1回の割合に上っている。
2014年4月5日、ビデオ判定の拡張によって起きた 「Neighborhood Playの適用範囲の縮小」〜4月2日カブス対パイレーツ戦で判定が覆ったダブルプレー
2014年4月3日、今年から拡張されたMLBのインスタント・リプレイ。いまだによく周知されていないレギュレーションのまとめと、4つのMLB記録から明らかになりつつある「1塁塁審の問題」。
2013年10月19日、ALCS Game 6、近年最大級の不快なゲーム。マックス・シャーザーの魂のゲームを全てぶち壊した球審 Dan Iassogna の右バッターのアウトローにおける「悪意のボストン寄り判定」 (3)クレイ・バックホルツを含むボストン投手編
2013年10月19日、ALCS Game 6、近年最大級の不快なゲーム。マックス・シャーザーの魂のゲームを全てぶち壊した球審 Dan Iassogna の右バッターのアウトローにおける「悪意のボストン寄り判定」 (2)マックス・シャーザー編
2013年10月19日、ALCS Game 6、近年最大級の不快なゲーム。マックス・シャーザーの魂のゲームを全てぶち壊した球審 Dan Iassogna の右バッターのアウトローにおける「悪意のボストン寄り判定」 (1)総合データ編
2013年10月15日、ポストシーズンに頻発しているらしい「バーランダー有利のアウトコース判定」に関する記事コレクションと、2012ALCSにおけるイチロー。
2013年10月13日、ALDS Game 5における球審Tom Hallionの「左打者に関するバーランダー寄り判定」を後世に残す。
2013年8月12日、テキサス対ヒューストン戦6回裏ジョナサン・ヴィラーの打席での「球審Ron Kulpaの4球目・5球目の判定」を、事後検定する。
2013年7月2日、怪我での引退の可能性が報じられていたアンパイア、Brian Rungeがドラッグテストに落ち、トリプルA降格。
2013年6月12日、アンパイア寿命を脅かす 「ファウルチップの脅威」。近年のデータ主義野球の浸透による「ピッチャーの平均投球数の増加」と、アンパイアの疲労。
2013年5月27日、日米ファーストでの誤審3題。このところのアンパイアの「雑な判定ぶり」は、もう何らかの対策が必要なレベルにきている。
2013年5月8日、インスタントリプレイを見たにもかかわらず、誤審を修正しないどころか、むしろ「誤審の上塗り」を行ったAngel Hernandez。もうこのアンパイアを持ち上げるようなことは、二度としない。
2012年9月8日、イチローが左投手のインコースを打った二塁打の意味。一塁塁審Jerry Mealsの大誤審に名指しで怒るニューヨークメディア。
2012年9月4日、レイズ戦球審Tony Randazzoによる、8回表イチローへの2球目のありえない悪質なストライクコール。
2012年8月9日、三塁塁審Tim Welkeのレフト線判定の優柔不断さに抗議して退場になったジョー・ジラルディの求める「ファイト」。
2012年5月29日、5回裏に「故意にテキサス有利な方向にゲームを動かそうとした」球審D.J.Reyburnのあまりにもあからさまな作為。
2012年4月24日、一塁塁審として相変わらず誤審をやらかしている、懲りないJim Joyce。
2012年4月22日、球審Marvin Hudsonによる9回裏イチロー見逃し三振判定を異常と断言する「3通りの理由」。
2012年4月13日、「2シーム全盛時代」と、右投手の投げる左バッターのアウトコースへの2シーム。
2011年10月4日、NLDSでまたしてもアンパイアJerry Mealsの誤判定。
2011年8月13日、退場データのみを扱った個性的サイトにみる「トラブルメーカーのアンパイアは、やはり退場者数も多い」というデータ。
2011年7月26日、無死満塁の押し出しのかかった判定で、球審ボブ・デービッドソンの問題判定に泣かされたアダム・ケネディ。抗議すらしない弱気なエリック・ウェッジ。
2011年7月24日、みずから牙を抜いて相手にさしだしてチームに「負け犬メンタリティ」をたっぷり塗りこめた「負け犬指導者」エリック・ウェッジの「3ボール四球黙認事件」を批判する。
2011年7月9日、Sam Holbrookのミスジャッジで試合は台無しになったと、語ったエリック・ウェッジは、「気づいた」のか。それとも、「気づかない」のか。
2011年7月7日、球審ジョー・ウエストの一方的な不利判定に泣いたダグ・フィスター。Go Home, Joe West with extreme favoritism.
2011年7月5日、ゲームの進行が遅いとクレームをつけた最年長ベテランアンパイア、ジョー・ウエストに、ジョナサン・パペルボンが放った"Go Home"の一言。
2011年6月14日、「高めをとらない」球審ジョー・ウエストへの対策が遅れたシアトルバッテリー。
2011年6月10日、まるで「記録達成」を阻止したいのかとでも疑りたくなるような、今シーズンのイチローに対するアウトコースのストライクゾーン。(3)
2011年6月9日、「あれ? こんなに右打者のインコースを突くピッチャーだったっけ?」と思わせる工夫されたピッチングで、球審Marvin Hudsonの横長ストライクゾーンを乗り切ったジェイソン・バルガス。
2011年6月5日、今日も今日とてイチローと球審との戦い。従来と立ち位置を変え、バッターとキャッチャーの間の隙間「スロット」から判定する今の球審の「アウトコース判定の歪み」。
2011年6月2日、まるで「記録達成」を阻止したいのかとでも疑りたくなるような、今シーズンのイチローに対するアウトコースのストライクゾーン。(2)
2011年6月2日、まるで「記録達成」を阻止したいのかとでも疑りたくなるような、今シーズンのイチローに対するアウトコースのストライクゾーン。(1)
2011年5月28日、両軍先発に合計10個の四球を記録させた球審Todd Tichenorの、「あの記録」。
2011年4月29日、4月8日にてこずったアンパイア Sam Holbrookにまたしても遭遇したジェイソン・バルガスの初勝利。
2010年10月21日、ちょっと心配になるロイ・ハラデイの「ひじ」と、「アンパイアのコール」。今日の球審は、今年8月、これまで一度も退場になったことのないニック・マーケイキスと、監督バック・ショーウォルターを退場にしたJeff Nelson。
2010年10月12日、クリフ・リー、無四球完投!「アウトコース高めいっぱいのカーブ」を決め球に、11奪三振。テキサスがヤンキースとのリーグ・チャンピオンシップに進出。このゲームを正確なコールで素晴らしいゲームにした名アンパイアJeff Kellogg。
2010年10月7日、ディヴィジョン・シリーズ第2戦で退場させられたミネソタの監督ロン・ガーデンハイアーと、球審Hunter Wendelstedtとの間にかねてからあった軋轢。

June 17, 2018

NPB西武対中日戦で、膝痛のために試合中に倒れた敷田直人球審の件で、中日の投手、木下雄介君を無意味に叩いてる人が一部にいたらしいが、そういう人はたぶん中継とか動画を見ないで根拠なくモノを言っているに違いない。

動画で確かめれば明らかなように、敷田審判の異変に「最初に気づいた」のは、ほからなぬ木下投手であり、彼が異変を示してくれたからこそ、キャッチャー中村奨太とバッター秋山翔吾が「普通なら振り返らない後方」を振り返り、中村奨太が立ち上がってタイムを明確にかけ、関係者による迅速な対応がとるという一連の流れが発生したのである。





この件で不思議なのは、「野球における投手という仕事は、マウンドを簡単には降りない、降りたがらない、降りられないようにできている」という当たり前のことを知らない人がいまだにいる、ということだった。


2011年に、MLB投手にとって「マウンドが投手の聖域であること」を示す記事を書いた。
2011年7月6日、「MLBでは不文律を絶対に破らない」という不文律は、「どこにも無い」。 | Damejima's HARDBALL
これは、2010年4月22日OAK-NYY戦で、1塁走者のアレックス・ステロイド・ロドリゲスが、次打者ロビンソン・フロセミド・カノーのファウルでサードからファーストまで戻るときに「マウンドを横切った」という事件だ。
完全試合もやったことがあるオークランドの投手ダラス・ブレイデンはAロッドを烈火のごとく怒鳴りつけ、ダグアウトに帰った後もあらゆるものを蹴りまくって、怒りを爆発させ続けた。


いわばマウンドは、大相撲における「土俵」なのだ。

この「マウンドを勝手に横切るな」というアンリトゥン・ルールが、MLBでどの程度絶対的になっているかは別にして、少なくともいえるのは、投手として長年やってきた人たちにとって、マウンドという場所は少なくとも「非常に大事な場所」、「仕事場」であり、さらに人によって「聖地」ですらある。



投手は一度マウンドに上がったら簡単には降りられないが、それはなにも投手のプライドばかりが理由ではない。

言うまでもないが、野球というスポーツはあらゆるプレーが「投手の投球」から開始されるようにできていて、投手が投球しなければゲームが動かない。
逆にいえば、投手のケガ、体調不良、爪の割れやマメ、靴ヒモのゆるみ、サインがキャッチャーとの間で合わない、ボールの交換、打者のタイム、鳥や虫の乱入、投手交代、照明の故障、降雨など、あらゆる「投手の投球開始を妨げる要因」が発生たび、野球というゲームは「一時停止」してしまい、観客はプレー再開を待たされる。

もし敷田球審の件で、木下投手が関係者の対応を待っている間、投球練習もせず、敷田球審の真横で呆然と立ち尽くして時間を過ごし、そのせいで「肩が冷えて」しまったとしたら、たとえ敷田球審がスムーズに病院に送り出され、ゲームが短時間で再開できたとしても、こんどは木下投手が投球を再開できない。そうなれば観客は、球審交代に続いて、投手交代の間もゲーム再開を待たされることになる。
そんなことでは投手として失格だ。
(実際のゲームでは、関係者の対処の間も中村捕手が木下投手とキャッチボールして肩が冷えるのを防ぎ、ゲーム再開後、木下投手はすぐ投球できた)



投手たちが、マウンドにいる、ということは、
半分は「権利」であるが、もう半分は「義務」でもあるのである。

どんな仕事でも「現場」というものがそうであるように、投手たちにとっては「マウンドが現場」なのだ。投手は何があろうと「簡単にマウンドから降りてきてはいけない」のである。
彼らにとってマウンドは「仕事が終わるまで降りようとしない、プライドのかかった場所」であり、また、「簡単には降りてはいけない、責任のある場所」である。そういう当たり前のことくらい頭に入れて野球を見てもらいたい。安易なヒューマニズムからモノを言ってほしくない。

damejima at 21:54

April 05, 2018



2018年4月4日は、AT&TでのSFG戦だが、第一打席で球審のおかしな判定のせいでイチローが見逃し三振「させられた」のが非常にアタマにきた。
データ集めと画像編集がめんどくさいせいせいで(笑)、最近アンパイアとかストライクゾーンについて記事を書かなくなっていたことも反省としてあるし、「この数年のアンパイアの新しい傾向」にも触れながら怒りの記事を書いてみた。


このブログでは「MLB独特のストライクゾーン」について何度も書いてきた。その主なものを箇条書きにしてみると、こうなる。
・右バッターと左バッターでは、ゾーンがかなり異なる
左バッターのゾーンは、「アウトコース側」に大きくズレている。

参考記事:
2010年10月29日、MLBのストライクゾーンの揺らぎ (2)2007年の調査における「ルールブックのストライクゾーン」と、「現実の判定から逆測定したストライクゾーン」の大きな落差。 | Damejima's HARDBALL

2007年時点のゾーン
2007年時点の右打者左打者のゾーンの違い


しかし、これからMLBを見ようとする人はぜひ知っておくべきことでもあるが、「2010年代以降のストライクゾーン」は、かつての「アンパイアの個人差が許容されていたゾーン」とはまったく違うものになりつつある。
The 2017 Strike Zone | The Hardball Times via Jon Roegele, Hardball Times

2007年と2017年のストライクゾーンの違い左バッターに関する2007年と2017年のゾーンの違い


上の図で一目瞭然だが、かつてあれだけ広かった「左バッターのアウトコースのゾーン」がほぼ無くなっているかわり、今では「低めを非常に広くとるようになった」のである。(もちろん、このことは、低めの球をすくい上げるようにしてフライを打つ近年のMLBバッターの傾向とも、深く関係している)

そのベクトルを簡単にいえば、
2010年代以降のMLBのストライクゾーンは
意図的に「ルールブック通り」に変えられてきている
ということになる。



「MLBのストライクゾーンがルールブック通りのものになっていく傾向」の一方で、「アンパイアの判定の正確さ」も急激に変化しはじめている。
詳しくは別の機会に書くが、簡単にいえば、2010年代に入ってアンパイアのストライク判定は「どんどん正確になってきている」のである。

これには、MLBが「判定精度は多少悪いが個性の強いヴェテランアンパイアを引退させ、ルールブック通りに判定したがるせいで個性はないが判定精度の高い新人に入れ替えはじめた」ことも関係している。(これは別の言い方をすれば、2010年代に入ってストライクゾーンがリニュアルされるのと同時に、アンパイアの顔ぶれも、どんどん個人差のない、単調で機械的なものに「リニュアル」されつつある、という意味でもある)

参考記事:Umpires Are Less Blind Than They Used To Be | FiveThirtyEight
2010年代のアンパイアの判定の正確さの変化

こうした最近のMLBのストライクゾーンの傾向とアンパイアの変化をまずアタマに入れ、その上で、2018年4月4日のSEA対SFG戦でのLance Barksdaleのイチローの見逃し三振判定をみれば、その意味はわかると思う。


たしかにLance Barksdaleは、2010年代に求められはじめた「判定精度の高いアンパイア」のひとりで、年々精度の上がっているひとりではあるが、その一方、以下のサイトの2013年の判定例からわかるように、かつては「左打者のインハイをストライク判定したがる、奇妙なアンパイア」だった。

2013年のLance Barksdaleの判定傾向
2013_06_12_Lance_Barksdale.mia_mil.norm | Strike Zone Maps

もしMLBに「左バッターのインハイをストライク判定したがるアンパイア」がたくさんいるのなら、「MLBの判定傾向は左打者のインハイをストライク判定するのが普通なのだから、しかたがない」といえなくもないが、実際には、そんなアンパイアなどMLBにはほとんどいない。


で、あるならば、だ。

これだけMLBのストライクゾーンが「ルールブックどおり」になりつつあり、アンパイアの精度が飛躍的に上がってきていて、個人差も減って(というか、「減らされ」)きている2018年現在、MLBアンパイアの中でも指折りの判定の正確さのはずのLance Barksdaleのが、イチローに対する判定だけがこれほど酷いままでも許される理由は、どこにもない。
Lance Barksdaleが「かつての自分の判定の好みを、イチローにだけ押しつける」なんてことは、判定が画一化されつつある2018年となっては、もはやなんの意味もないのである。


あえて汚い言葉を使わせてもらうなら、
「特定の選手を差別して判定してんじゃねぇよ、クソ野郎。」
って、話になるのである。

damejima at 09:57

February 01, 2018



オックスフォード大学が2014年に「10年後に無くなっている職業」を列挙した。「スポーツの審判」もそのひとつだが、「MLBアンパイアという職業の消滅」について本気で考えたことなど一度もない。そんな予想はドナルド・トランプ当選が予測できなかったNate Silverのデジタル予想とたいした違いはない。

ガーデンハイアー

理由はハッキリしている。
MLBにおけるアンパイアは、良くも悪くも
野球というシステムの一部
だからだ。

10年後、「プレーの判定における主導権が人間から機械に移行すること」くらいはありそうだが、だからといって、スポーツ全体で「審判そのものが消滅する可能性」はまるで無い。

特に、MLBアンパイアの場合は、ありえない。
MLBアンパイアの仕事は、なにも「正確なジャッジ」だけではないからだ。彼らは「パフォーマー」であり、「オーガナイザー」でもある。
テニスとか卓球、バレーボールなど、他スポーツの審判と、MLBアンパイアとでは、立ち位置が違いすぎる。(逆にいえば、アンパイアが文化の一部として機能してきたことは、MLBの他スポーツにない面白さでもあった)

アンパイアの役割のユニークさから、もうひとつわかることは
MLB野球という料理の味の決め手は
トラディショナル風味」だ
ということだ。

そもそも、アンパイア、ボールパーク、ユニフォームなど、MLBを彩っている「トラディショナル風味」は、このスポーツを、プロスポーツとして他のスポーツに無い存在として支えてきた重要ファクターであり、そのことはMLBのデジタル化が進んでいる今も、まったく矛盾しない。


最近、MLBがオールスターの延長戦を「11回以降はランナー2塁から始めるタイブレーク方式」にすることを検討するなどと言い始めたが、それは施策として間違っているとブログ主は考える。

オールスターは、ワールドシリーズ初日の開催権がかかっているにしても、別に「勝ち負けを決める、ただそれだけのため」にやっているわけではない。むしろオールスターは、MLBファンが、野球本来のトラディッショナル風味を満喫するフェスティバルであることを忘れてもらっては困る。


敬遠の申告制にしても、ゲームは別にスピードアップしなかった。一刻も早く元に戻すべきだ。MLBは、自らのストロングポイントである「トラディッショナルなフレーバー」を損なうような「誤った施策」に手を染めるべきではない。

「MLBという料理の決め手のスパイスは、何か」、そんな基本的なことすらわかっていない、数字だけの人間が、MLBのスピーディー化とか言い出して、「やってはみるものの、ほとんど目的どおりに動かない愚策」ばかり連発するのは、ほんと、勘弁してもらいたい。

damejima at 16:39

August 07, 2015

二段モーションのピッチャーが、地方大会では見過ごしてもらえたのに、全国大会では何度も注意を受けた、というニュースを見たが、当然のことだ。なんでこんな当たり前のことがニュースになるのか、さっぱりわからない。
二段モーション禁止が「ルール」なのだから、注意されるのが当たり前というものだろうに。ルールの統一も、へったくれもない。


2020東京オリンピックのエンブレム問題もそうなのだが、こういう「ローカルで許されていた行為が、パブリックな場所に出てみたら、それが「許されないこと」なのがわかること」は、数多くある。
例えばエンブレム問題でいうと、「日本国内向けの仕事における、海外広告作品からのパクリ行為」は日本のデザイン業界内ではきわめて公然と、やって当たり前の行為のように行われているわけだが、それが世界向けの仕事となると、初めて、それが「許されない行為」であることに気づき、日本人デザイナーのオリジナリティの無さがバレたりする。

「田舎の交通ルールの酷さ」も同じだ。

田舎の世界観は、なんでもかんでも「クルマ中心」だ。
だから田舎のドライバーの頭の中は「勘違いだらけ」であり、一時停止なんてしなくていい、停止線なんか関係ない、右折だろうと左折だろうと好きなタイミングで曲がっても許される、必要なら歩道に駐車してもいい、などと、自分勝手に思いこんでいて、実際そういう危険な行為をところ構わずやっている。
(田舎では税収を増やしたいがための目的で、子供を増やそうだの、子供の笑顔があふれる町づくりだのとタテマエを言うわけだが、その割に、子供が重大な交通事故に巻き込まれる原因のひとつである「田舎の交通マナーの酷さ」はいつも放置されている)


だが「大都市」で(東京でもニューヨークでも、どこでもいいが)そういうマナーに欠けた運転をしていたら、どうだろう。あっという間に違反が積み重なって、免許などすぐ無くなってしまう。

なぜなら、都市の交通ルールは、田舎のルールとは違うからだ。

例えば、都市で横断歩道を渡ろうとしている人がいたら、クルマは右折だろうが左折だろうが関係なく100パーセント待たなくてはならない。田舎のように「人の通行をさえぎってでもスキをみて強引に曲がる」などという馬鹿な行為は許されない。

他にも、電車の切符を買うとき、エスカレーターに乗るとき、「都市には田舎にはない都市特有のルール」がある。

つまり、「人の移動に関するルール」は、都市に非常に多いのである。

理由? 簡単だ。
都市は「人が密集している場所」だからだ。

かつて5000人ものランナーが主催者の不手際でスタートできなかった富士山マラソンのずさんさについての記事でも書いたことだが、都市では「人のスムーズな移動が常に確保されていること」が、他のなによりも大事な優先事項なのであり、都市では「人の移動を妨げる行為」を「社会的に迷惑な行為」であるとみなす「都市特有のルール」が成立している。
したがって、クルマは「人の移動を妨げること」は許されない。
参考記事:2013年1月27日、マラソンブームに便乗した、あまりにもずさんな「富士山マラソン」から、「日本の新しい景観美」に至る、長い道のり。 | Damejima's HARDBALL

それは道徳によって決まるルールではない。
多くの人が集まって生きている都市特有の掟(おきて)なのだ。


「人の移動に関する都市特有の掟」は、他にもある。
例えば、切符の買い方がわからないクセに行列の先頭で係員に質問もせずオロオロしている田舎の人は、後ろから「何してんだバカヤロー」と怒鳴られてもしかたがない。それがお年寄りだろうと、子供だろうと、そんなこと関係ない。たとえカラダが不自由であっても、だからといってレストランに無理な注文をつけて「俺を抱きかかえて店内に入れろ」などとゴネたりする馬鹿げた迷惑行為は許されない。慣れない人が地下鉄に乗って出入り口付近に突っ立って、他人がドアから降りるのを邪魔するのも、ご法度だし、人が移動するためにある地下街の通路でベビーカー並べた主婦が立ち話、なんてのも許されない。

簡単にいうなら都市では、立ち止ってもらっては困る場所で、ヒトは勝手に立ち止まってはいけないのだ。それは急かしているのでもなければ、世知辛いのでもない。


考えてみると、田舎の人はやたらと「公共のルール」を決めたがるが、不思議なことに、その一方で、同時に「公共的な場所の決め事なんてものは、自分の好き勝手なタイミングや、自分の都合で破ってもかまわないものだ」と、勝手に決めつけてもいる。
ルールを守るかどうかは、要するに「自分の気分次第」なのだ。


話が飛びすぎたが(笑)、二段モーションのルールをもっと厳密にしろ、なんて話をするがいるかもしれないが、ルールさえ決めれば二段モーションがなくなるとでも思っているのだろうか。
ルールをたくさん作っては、それと並行してルールをなし崩しに破るのが得意なのが、田舎の人特有のメンタリティというものなのであって、いくら二段モーションのルールを全国的にとり決めたところで、地方大会の人の目を盗んで行われる狡賢い(ずるがしこい)二段モーションという行為は、なくなったりしないだろう。


よく「都市は非人間的だ」なんていう間違ったことを、よく考えもせずに言い切って、それがヒューマニズムだなどと勘違いして鼻高々になっている人がいるわけだが、その考えは根本からして間違っている。

人が密集している都市だからこそ、「ヒトに沿ったルール」が成立しているのである。

勘違いしている人が多いが、「街の掟(おきて)において、人間くさい」のは、田畑とクルマとご都合主義が中心で、ルールがルールとして自立しておらず、ヒトへの配慮がまるで足りない田舎ではなく、「人が密集し、ヒトのマナーの集積によってヒトのためのルールができていて、ルールがルールとして自立していて、なおかつ、ルールがヒトをきちんと拘束できてもいる「都市」のほうなのだ。

damejima at 16:41

November 20, 2014

ブログ主はアンパイア好きということもあって(笑)、アンパイアがストライク/ボールを判定するファクターとして、framing(フレーミング)が最も重要とまでは思わない。またキャッチャーの資質としても、フレーミングが上手いほうがいいに決まっているにしても、絶対不可欠な資質だ、とまでは思わない。以下にその理由の一端を書いてみる。

2010ALCS Game1 でボール判定をするGerry Davis


Baseball ProspectusでMike Fastという人がやたら推しまくっているせいか、このところMLBのキャッチャーの評価や能力比較について、フレーミングという指標をもとに話す人を見かける。
「フレーム」とは、この場合「ストライクゾーンの四角い仮想的な枠」のことで、要するに「ピッチャーが非常にきわどい球を投げたときに、キャッチャーがアンパイアの判定を『ストライク』に傾かせるキャッチング技術」を指している。(誰がみても明らかなボールをストライクにみせかけるためにミットをこれみよがしに大きく動かすテクニック、という意味ではない。そんなのはアンパイアの判断を惑わせようとする下劣な行為として、MLBアンパイアの心象を悪くするだけだ)

いうまでもなくフレーミングという技術そのものは昔からある。新しいのは技術そのものではなく、「ただでさえ数値化しにくかったキャッチャーの守備技術の一部を、可視化させたこと」だ。


この新しいアイデアをどう評価するかは、
まだそれぞれの判断にまかされている。

例えば、データサイトとして有名なFangraphは、今のところ「フレーミングについて詳しく知りたい方は、こちらをどうぞ」と、Mike Fastの記事へのリンクなどを貼りつける程度で済ませている。つまり、いまのところFangraphとしては「まだマトモには扱うわけにはいかんけんね」的な立場なので、どこかよそよそしいのだ(笑)
Catcher Defense | FanGraphs Sabermetrics Library


最初に挙げた写真は、Mike Fast自身がBaseball Prospectusに書いた記事の冒頭に挙げているもの。出典:Baseball Prospectus | Spinning Yarn: How Accurate is PitchTrax?

NYY対TEXというカードで行われた2010年ALCS Game 1、NYYが1点リードで迎えた9回裏に、左投手マリアーノ・リベラが先頭の左打者ミッチ・モアランドのインコース低めに投げた初球を、球審Gerry Davisが「ボール」とコールした場面だ。
キャッチャーは、「フレーミングが下手」なことでで有名だったキャッチャーのひとり、ホルヘ・ポサダ
October 15, 2010 American League Championship Series (ALCS) Game 1, Yankees at Rangers | Baseball-Reference.com

この球、画面上では「きわどいコース」だったように「見える」。

まず先に、結論を書こう。
おそらくこの球は、「多くのアンパイアがボールとコールする、明らかなボール」であり、判定にキャッチャーのフレーミングはほとんど無関係だっただろう。そもそもこのゲームの球審は、ストライクゾーンがMLBで最も狭いことで有名なGerry Davisなのだから、ストライク判定になりようがない。他にも、初球というカウント、左バッターのインロー、あらゆる要素が、このボールをストライクとコールさせにくくしてもいる。

では、なぜ「ボール」とコールされたのか
以下に「とりあえず考えられる理由の候補」を10個ほど挙げてみる。

候補1)ポサダがフレーミングが下手だから。
候補2)ポサダがミットを動かし過ぎて、球審の反感を買った。
候補3)「初球」というカウントでは、フレーミングは効果がない。
候補4)よく見るとコースが低すぎる。フレーミングでなんとかなるような球ではなく、もともとボールとしか判定しようがない球だ。
候補5)MLBアンパイアは、普通あまり「左バッターのインローのきわどい球」をストライクコールしない。
候補6)MLBアンパイアは、「コーナーぎりぎりの球」をストライクコールしない。
候補7)球審Gerry Davisのストライクゾーンは、もともと「非常に狭い」。
候補8)このゲームに限って、Gerry Davisが低めをとらなかった。
候補9)このゲームに限って、Gerry Davisの左打者のゾーンが狭い。
候補10)投手不利のカウント、例えば3-0では、球審が投手寄りのコールをすることもある。だが初球ではそういうことは起こらない。
候補11)単にGerry Davisが正確に判定しただけ。


以上のどれが最も適切な解答だろうか。

なにより、まず最初に確認しておきたいのは、球審がGerry Davisであることだ。このブログで何度となく書いてきたことだが、Gerry DavisはMLBで最もストライクゾーンの狭いアンパイアのひとりであり、その事実を抜きに、この判定の是非について語ることはできないし、意味がない。

この日の球審Gerry Davisの判定ゾーンを見てみると、このゲームでのGerry Davisのゾーンは、彼にしては「低めをとり、アウトコースもとり、珍しく広め」になっている。(以下は左打者のデータだが、右も同じく広い)
BrooksBaseball.net: PITCHf/x Tool | Strikezone Maps
2010年ALCS Game1 球審Gerry Davisの左打者判定傾向


続いて、ミッチ・モアランドの打席データをPitchF/Xで調べてみる。
Mike Fastの挙げた画像では、初球のインコース低めの球は「ストライクゾーンに入っている」ように「見える」。
だが、これは、地上波のテレビ画面によくある精度のよくないマトリクスであり、Gamedayでみると「ストライクゾーン内」でも、実際には「ボール」だったりするのと同じ現象だ。実際、この球はPitchF/Xでみると、「明らかに低い」
BrooksBaseball.net: PITCHf/x Tool
2010 ALCS Game1 9回裏 モアランド初球判定 球審Gerry Davis


さらに、かつて2011年7月11日の記事で書いたように、MLBアンパイアは「打者有利なカウント、例えば3-0では、投手有利に判定し、逆に投手有利なカウント、例えば0-2では、打者有利に判定する傾向」がある。
また、「ストライクゾーンは必ずしも四角い形をしておらず、むしろ『下膨れの円形』に近いこと」、したがって、「コーナーぎりぎりの球は、ストライク判定されにくい傾向にあること」が知られている。
したがって、この初球はカウントにしても、コースにしても、ストライク判定されにくい状況にある。
(なお、Mike Fast自身も、2014年3月の記事のカウント別データで、「初球」が「最もフレーミングの効果が期待できないカウントである」ことを書いている Baseball Prospectus | Framing and Blocking Pitches: A Regressed, Probabilistic Model
記事:2011年7月11日、MLBのストライクゾーンの揺らぎ (5)カウント3-0ではゾーンを広げて四球を避け、カウント0-2ではゾーンを狭めて三振を避ける。あらためて明らかになったアンパイアの「故意にゲームをつくる行為」。 | Damejima's HARDBALL
カウント0-3と、カウント0-2の、ストライクゾーンの違い


こうした簡単な検証例でも、わかることは数多くある。
短くいうなら、「球審の判定に影響しているファクター」は、なにもフレーミングだけではなく、非常に多くのファクターがからんでいること、そして、いったい、どの『きわどいストライク』が、フレーミングの効果によってストライクになったのかは、よほど膨大なファクターを仔細に点検しないかぎり、正確にはわからないということだ。

言いかえると、きわどいストライクがストライクになった理由なんてものは、数え上げれば両手では足りないかもしれないというのに、フレーミングの元データの収集自体がそんな簡単な作業なはずはない。


Mike Fastが2010年ALCSの写真を得意気に挙げた記事は、確かにフレーミングについての記事ではないわけだが、ブログ主には、彼がPitchF/X以外にどのくらいの数のファクターを考慮して、フレーミングの効果を調べあげたのかが見えてこない。つまり、球審がGerry Davisだったことや、投球が初球だったことなど、「フレーミング以外のファクター」をどの程度考慮して書いているかも見えてこないこの人を、あまり信用できていないのである。

ひとつひとつの判定には、アンパイアの個人差を中心に、これまでのMLBの慣習など、数多くのファクターが絡みつきあって判定されている。
だからこそ、このブログの意見では、たしかに面白い視点だとは思うが、だからといって数値を鵜呑みにして、フレーミングの数値で「このキャッチャーは、この人より上だ、下だ」と論じてしまうわけにはいかないと思うし、将来的にもそれは無理だろうと考える。

(まぁ、それでも、シアトルの近年の歴代キャッチャーが、ほぼ例外なくフレーミングがマイナスというのには思わず笑った(笑)探せば、2008-2013で最もフレーミング数値が悪いワースト10に城島はじめ、ムーア、ジョンソン、ジェイソ、モンテーロと、5人が入ったとする記事、あるいは城島を2007年のワーストとした記事などがみつかるはず。例:Baseball Prospectus | Spinning Yarn: Removing the Mask Encore Presentation

damejima at 10:37

November 01, 2014

2014シーズンのMLBアンパイアの「判定の正確さ」について、こんなランキングがあった。
引用元:Umpire Auditor - Businessweek

ヒトをランク付けしておいて、何を基準にランキング化したのか、説明がサイト内にみつからないのは、片手落ちというか、無礼きわまりない話だが、correct call%と表現しているところをみると、おそらく「ストライク・ボールの判定の正確さ」で並べたのだろう。
後で説明するが、このランキングにはちょっと「眉唾な部分」があって、すぐに鵜呑みにしてはいけない。だが、それなりに面白いのは確かだ。アンパイアの年齢に注目して読んでもらいたい。

左から、名前correct call%年齢と生年
2014 MLB umpire accuracy ranking best 10
注:2014年MLBデビューのHal Gibson 靴了駑舛ネット上に乏しく、生年が調査できなかった。

2014 MLB umpire accuracy ranking worst 10

ベストアンパイア10人のうち、
CB Backnor(50代)を除いた全員が30代40代

ワーストアンパイア10人のうち、
Doug Eddings(40代)を除いた全員が50代60代

MLB機構は、50代以上のアンパイアに「老眼鏡を買うための補助金」を出すことを検討すべきかもしれない(笑)
MLBでは、アンパイアもプレーヤーと同じで、ロスター、DLという言い方をするわけだが、上位10位までに入ったアンパイアのほとんどが、つい最近マイナーからメジャーのロスターに採用されたばかりのアンパイア、あるいは、DL中のMLBアンパイアの補充のため臨時にAAAから上がってきたアンパイア、もしくは比較的若いMLBアンパイアで占められている。


データ元のUmpire Auditorにはなんの解説もないのだが、ブログ主は「年齢の高いアンパイアほどパーセンテージが低くなっているのには、以下のような明確な理由があると推測した。
年齢の高いMLBアンパイアは「そのアンパイア独自のストライクゾーン」をもっていることが非常に多い。そのため、ルールブック上のストライクゾーンをもとに計測すると、年齢層の高いアンパイアほど、より多くの誤判定をしているかのような結果が出てしまう。

その一方で、臨時雇いの若いアンパイア、マイナーから昇格したばかりの若い新人アンパイアは、自分のスタイルを貫くことより、律儀にルールブックどおり判定することを選ぶ傾向があるのではないか。

例えば、Mike Wintersは1958年生まれの55歳、ヴェテランのひとりだが、彼のストライクゾーンはルールブックより「横長」にできているといわれている。こうした「横長のストライクゾーンで判定するアンパイア」は、過去の調査結果からして、けして少なくない。
他にも、ゾーンが他のアンパイアより極端に狭い、あるいは、極端に広いアンパイアも、MLBには実際に数多く存在する。

つまり、過去のMLBにおいては「アンパイアごとのストライクゾーンの個人差」が長い間許容されてきた文化的歴史があるのだ。

関連記事:2010年10月29日、MLBのストライクゾーンの揺らぎ (2)2007年の調査における「ルールブックのストライクゾーン」と、「現実の判定から逆測定したストライクゾーン」の大きな落差。 | Damejima's HARDBALL
Mike Wintersの横長なストライクゾーン青色の線=Mike WIntersの横長のストライクゾーン 
赤色の線
=ルールブック上のストライクゾーン

多くのヴェテランはこうした「個人差を許容するストライクゾーン文化」のど真ん中で育ってきているから、当然、彼らの判定結果を「ぎちぎちのルールブックどおりの基準」にあてはめて測定すると、「誤判定だらけ」という結果がでるに決まっている。だから、最初に挙げた「正確さのランキング」は、必ずしもそのアンパイアの能力を表現できていない



こうした個人差を許容してきた昔ながらのMLBアンパイア文化をこれからも認めるべきかどうかという議論はともかくとして、いまのMLBアンパイアが世代交代による「若返り」の方向に向かっていることは確かだ。
(ブログ主自身は、アンパイアの個人差はあっていいと思っている。早くヴェテランをMLBから追い出せなんて、まったく思わない)

アンパイア若返りの背景には「野球のスタイルがやたらとSelectiveになって、ボールを見逃したがるバッターが増えすぎたこと」があって、引退したTim Tschidaが「1試合の球数が300にも達した結果、アンパイアの仕事が昔よりもはるかに激務になった」と語ったように、生半可な体力ではもうやっていけなくなっていることが理由のひとつとして挙げられるだろう。
参考記事:2014年10月21日、1ゲームあたり投球数が両チーム合計300球に達するSelective野球時代であっても、「球数」は単なる「負担」ではなく、「ゲーム支配力」、「精度」であり、「面白さ」ですらある。 | Damejima's HARDBALL


さて、「アンパイアの若返りによる画一化傾向」は、これからのベースボールにとって、次のようなことを意味していくのかどうか。
1)ストライクゾーンが、より「ルールブックどおりのゾーン」に近いものに修正されていく

2)ストライク・ボールがこれまで以上に正確に判定される

これらは野球のクオリティに直接関係するかもしれないトレンドであり、推移や影響を見守っていく必要があるかもしれない。

スポーツマネジメントなどを研究しているフロリダ大学のBrian M. Mills氏が2014年8月に発表した、1988年以降のMLBについてのある研究によると、プレーの判定精度がより正確になればなるほど、野球というスポーツのオフェンスのアウトプットは縮小する傾向にあるという。つまり、判定が正確になればなるほどゲームがタイトになって、得点が減る、ということだ。
This paper examines the role of changes in monitoring, technological innovation, performance standards, and collective bargaining as they relate to performance improvements among Major League Baseball umpires from 1988 through 2013. I find structural changes in performance concurrent with known bargaining struggles, and substantial improvements in performance after implementation of incentive pay and new technological monitoring and training. Not only do umpires improve performance in expected ways, but the variability in umpire performance has also decreased substantially. These changes have reduced offensive output often attributed to a crackdown on performance enhancing drug use in MLB.
出典:Expert Workers, Performance Standards, and On-the-Job Training: Evaluating Major League Baseball Umpires by Brian M. Mills :: SSRN


この研究論文はかなりの長文で、まだ全文を読んだわけではないし、確実なことはまだ何もいえない。この記事自体が「風ふけば桶屋が儲かる」的な話でないとも限らない(笑)

ただ、「アンパイアの若返り」が、仮に「ストライクゾーンのルールブック回帰」や「より正確な判定結果」をもたらすとしたら、当然ながら、MLBの野球に多少なりとも質的変化をもたらす可能性があること、そして、アンパイアの若返りやインスタント・リプレイの拡大も含めた「プレーの判定精度の画期的な向上」が、近年のMLBのオフェンス面での得点低下傾向に拍車をかける可能性もあること、それくらいの程度の話は誰もがアタマの隅に入れて、これからの野球を検討していく材料のひとつにしていいんじゃないかと思う。

damejima at 11:37

October 18, 2014

2014ワールドシリーズの担当アンパイア7人が決まったらしい。
ソース:4 umps to work World Series for first time thanks to strong replay results - CBSSports.com

Jeff Kellogg クルー・チーフ
Ted Barrett
Jeff Nelson
Hunter Wendelstedt
Eric Cooper
Jim Reynolds
Jerry Meals

今年からインスタント・リプレイが大幅に拡大され、いくつかの例外を除いて、大多数のプレーがビデオ判定されるようになった。
参考記事:カテゴリー:Instant Replay, インスタント・リプレイ │ Damejima's HARDBALL

CBS Sportsによれば、今回がワールドシリーズ初体験となる4人のアンパイアは、「今シーズン、20人のアンパイアが10回以上もの判定変更を経験したが、判定が覆った回数が少ない4人のアンパイアがワールドシリーズに選ばれた」ということらしい。(チャレンジ=判定を不服とする監督の要請によるビデオ判定だが、きわどいとわかっている判定についてはアンパイア自身が自主的にビデオ判定を行なうこともある)


ちょっと7人のアンパイアのストライクゾーンの特徴を記しておこう。
(注:以下のアンパイアのストライクゾーンの個人差を示した図では、上下左右は「アンパイア視線で見た上下左右」になっている。また、赤色の線は「標準的なルールブック上のストライクゾーン」、青色の線は「そのアンパイアの個人的なストライクゾーン」を示す)


今回のワールドシリーズ担当アンパイアで最も特徴的なのは、ストライクゾーンの高いアンパイアが、Eric CooperTed BarrettJeff Nelsonと、3人もいることだ。(さらにJeff Nelsonはストライクゾーンが広いことでも有名)

Eric Cooperの関連記事とストライクゾーン:2011年9月16日、ダグ・フィスター8回1失点で9勝目。デトロイト・タイガース、24年ぶり4回目の地区優勝(ア・リーグ中地区では初優勝)。おめでとうダグ・フィスター。 | Damejima's HARDBALL
Eric Cooperの標準的なストライクゾーン

Ted Barrettの関連記事とストライクゾーン:2011年10月6日、フィスター5回1失点の好投で、ALDS Game 5の勝ち投手に。デトロイトがヤンキースを破って、テキサスとのALCS進出! | Damejima's HARDBALL
Ted Burrettの標準的なストライクゾーン

Jeff Nelsonのストライクゾーン:Jeff Nelsonの標準的なストライクゾーン

対照的に、Jeff Kellogg、Hunter Wendelstedtの2人のゾーンは、全体的に狭めで、ストライクが入りにくい。投手にとってはやっかいな、打者にとっては有利なアンパイアだが、2人の特徴は正反対だ。
2014ワールドシリーズのクルーチーフを務めるKelloggだが、ゾーンが極端に狭いことで有名なアンパイアの巨匠、Gerry Davisと並んで、彼はMLBの重鎮なだけあって、非常に安定した正確なコールをする。
それに対して、Wendelstedtはかつてのミネソタ監督ロン・ガーデンハイアーとの長年の確執や、退場させる人数の多さでわかるように、ときとしてコールが不安定になることで有名で、荒れたゲームになりやすい懸念もある。(もっとも、この2年くらいコールはかなり安定し、退場させる人数も激減してはいる)

Jeff Kelloggの関連記事とストライクゾーン:2010年10月12日、クリフ・リー、無四球完投!「アウトコース高めいっぱいのカーブ」を決め球に、11奪三振。テキサスがヤンキースとのリーグ・チャンピオンシップに進出。このゲームを正確なコールで素晴らしいゲームにした名アンパイアJeff Kellogg。 | Damejima's HARDBALL
Jeff Kelloggの標準的なストライクゾーン

Hunter Wendelstedtの関連記事とストライクゾーン:2010年10月7日、ディヴィジョン・シリーズ第2戦で退場させられたミネソタの監督ロン・ガーデンハイアーと、球審Hunter Wendelstedtとの間にかねてからあった軋轢。 | Damejima's HARDBALL
Hunter Wendelstedtの標準的なストライクゾーン

Jim Reynoldsは低めが異常に広く、Jerry Mealsは低めがほんの少し広いが、ほぼルールブックに近い。

Jim ReynoldsJim Reynoldsの標準的なストライクゾーン
Jerry Meals:Jerry Mealsの標準的なストライクゾーン


ここでジャイアンツのエース、マディソン・バムガーナーアンパイア別の被打率をみてみる。
Jerry Meals .375
Jeff Kellogg .360
Ted Barrett .310
Jim Reynolds .293
Eric Cooper .292
Hunter Wendelstedt .245
Jeff Nelson 登板なし
Madison Bumgarner Career Pitching Splits | Baseball-Reference.com


カンザスシティのエース、ジェームズ・シールズについてはどうだろう。
Jeff Kellogg .316
Eric Cooper .301
Ted Barrett .265
Jeff Nelson .262
Jim Reynolds .255
Hunter Wendelstedt .204
Jerry Meals .192
James Shields Career Pitching Splits | Baseball-Reference.com


明らかに今回のアンパイアのメンツは、ジェームズ・シールズ有利とはいえる(笑)

たぶんシールズは、Hunter Wendelstedt か Jerry Mealsが球審だといいなと思っているに違いないし、バムガーナーは Jerry MealsやJeff Kelloggだけは止めてくれと思っているだろう(笑)
クルーチーフJeff Kelloggが球審を務めないわけはないが、このアンパイアのゲームではシールズもバムガーナーもコテンパンに打たれている。2人の相性が極端に分かれるのはJerry Mealsだが、このアンパイアがどのゲームで球審を務めるかが分かれ目のひとつになるかもしれない。

少なくとも、「エースピッチャーと7人の球審との相性」という極端な視点だけから見るなら(笑)、今年のワールドチャンピオンは「カンザスシティ・ロイヤルズ」かもしれない。

damejima at 14:04

September 12, 2014

ジャンカルロ・スタントンが5回表にミルウォーキーのマイク・ファイアーズ(「フィアーズ」と表記してもいいのだが、現地コメンタリーはファイアーズと発音している)から顎にデッドボールを受け、流血して起き上がれないままストレッチャーで退場したミラー・パークのマーリンズ対ブリュワーズ戦は、実はその後大荒れになった。
結局「デッドボールを受けた側」のマイアミに、合計4人もの退場者を出し、マイアミは監督どころか、監督退場後、臨時に指揮をとっていたベンチコーチ(=日本でいう『ヘッドコーチ』)まで退場になった。
Gameday:Miami Marlins at Milwaukee Brewers - September 11, 2014 | MLB.com Classic

MLB Ejections 181-184: Kellogg, Bellino (3-5, 7; Marlins x4) | Close Call Sports & Umpire Ejection Fantasy League


ブログ主の意見を最初に書いておくと、2つあって、ひとつは球審ジェフ・ケロッグが、ファイアーズがスタントンにぶつけた後、その代打で出てきたリード・ジョンソンへの初球にもインハイのスピードボールを投げた、その時点で、ファイアーズを即時退場処分にし、現行のMLBルールの範囲内で、マイアミ側の「激しい怒り」に一定の理解を示す「事態沈静化のための判断」をすべきだったんじゃないか、ということ。
2つ目に、MLBにも日本のような「危険球で一発退場」という制度を導入すべきなんじゃないか、ということを言いたい。
なんでもかんでも日本よりMLBのルールが正しいわけじゃないし、MLBのルールが変更になることに別に何の問題もない。例えばバスター・ポージーの大怪我によってMLBの本塁突入のスライディングが一部制限されるようになったような例があるように、スタントンの死球がルール改正につながってもいいと思う。


MLBの現行ルールの下では、球審が「頭部への危険球を投じた投手を一発退場させない」という判断を下すこと、それ自体は間違っていない。
というのも、MLBには日本のような「危険球で一発退場」というルールがないからだ。「危険球で一発退場」というのは、日本のプロ野球のローカルルールだ。


だが、ここでもう少し考えてもらわなくてはならない。

MLBには、「報復死球」(=デッドボールをぶつけられたチームが、その後のイニングで相手選手に故意に死球をぶつける報復行為)という考えがごく当たり前のようにある。しかも、「報復死球」はかなりの頻度で実行もされる。(もちろん報復死球を頭部めがけて投げるような、思慮の足りないことはしない)
その一方でMLBアンパイアは、この当然のように行われている「報復死球」に対して、まったく容赦しない。明らかな「報復死球」を行ったチームのピッチャー、監督は一発退場になる。
従って現行のMLBルールでは、「死球をぶつけた側」に退場者が出るのではなく、結果的に「死球をぶつけられた側」に「報復死球による退場者が出る」という仕組みになってしまっているといえる。


たしかに「程度の軽い死球」の場合なら、こうした現行ルールでも機能する。
投手に悪意はない。打者にもたいした怪我がない。それなら、一発退場させるほどの処分は必要ないし、また、アンパイアが報復死球を絶対的に抑止するという考えも間違ってない。

だが、今回のスタントンのような危険な死球の場合は、話が違っている。MLBの現行ルールは十分に機能せず、アンパイアによるゲームのコントロールが失われることが、スタントンの件で明らかになった、と思うのである。

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話をスタントンのケースに一度戻す。

試合では、MLB現行ルールどおり、スタントンの顎に危険なデッドボールをぶつけた投手ファイアーズは、退場にならず、そのまま投げ続けた。

ちなみに、日本のメディアではきちんと触れられていないが、ファイアーズが投げたスタントンへの顎へのデッドボールを、球審ジェフ・ケロッグは「スイングストライク」と判定している。このため、スタントンが病院に運ばれた時点で、カウントは0-2になっている。(ブログ主はこのストライク判定自体も間違っていると考える。この間違った判定は、以下の騒動の伏線になった)

ここで投手ファイアーズはよせばいいのに、スタントンの代打で出てきたリード・ジョンソンへの初球に、またしても「インハイの危ないストレート」を投げたのである。

これがいけなかった。

カウント0−2で代打に出てきたリード・ジョンソンは、このインハイの明らかなボール球をのけぞるように避けた。のけぞったためか、「結果的に」バットが回ってしまい、「ハーフスイングした形」になっている。
さらにジョンソンは、「手に当たった」というジェスチャーをして痛がってみせた。つまり「デッドボールだ」とアピールした。(だが、ビデオで見ると実際には当たっていない)

この日の球審は、MLBアンパイアの重鎮のひとりで、正確なコールをすることで知られるジェフ・ケロッグだったが、動画を見るとわかるが、ケロッグは即座にファーストを指差している。彼は最初「デッドボール」とコールしたのだ。(ところが、後で判定が変わり、「チェックスイング」だったとしてジョンソンは三振になった)

ジョンソンが手に当たったジェスチャーをしたこともあり、マイアミ側にたまっていた「スタントンのデッドボールに対する怒り」に火がついた。マイアミベンチから選手がホームプレートに集まってきて、それに呼応してミルウォーキー側からも選手が次々と集まってくる。一触即発の事態だ。
動画:Video: Tempers flare in 5th | MLB.com

この騒動の責任をとらせる形で、球審ケロッグは、マイアミの監督マイク・レドモンドと、血相変えて大声で怒鳴りちらしていたマイアミの三塁手ケイシー・マギーを退場処分にした。
ケイシー・マギーは、死球で起き上がれないチームメイトの横にずっとしゃがんで心配していたから、チームメイトに瀕死の死球を投げつけた投手がその後も平然とインハイに投げてきたことがよほど腹にすえかねたのだろう。正義感の強い彼らしい行為ではあった。

球審が一度デッドボールと判定した打者リード・ジョンソンだが、後に判定が覆えり、「チェックスイング(=日本でいうハーフスイング)」だったとして、ジョンソンは空振り三振になった。
スタントンのデッドボール時点でのシチュエーションは、走者が2人いるマイアミ側のチャンスの場面だったのだが、2アウトでカウント0−2だった。
ケロッグによるジョンソンの判定が「デッドボールから、空振り」に変更されたことで、「デッドボールで満塁のチャンス」になるはずが、「ジョンソン空振り三振、チェンジ」になってしまい、マイアミ側のチャンスは騒動の末、潰されてしまった。


もちろん、主砲スタントンに大怪我させられただけでなく、その代打に出した打者にも「インハイの危ない球」を投げられ、さらには、その危ない球を避けたところ「チェックスイング」と判定され、三振でチェンジ、では、マイアミ側の激しい怒りがおさまるわけはない

6回裏のミルウォーキーの攻撃で、カルロス・ゴメスに危険球を投じたとして、投手アンソニー・デスクラファニ、監督の退場処分後、指揮していたマイアミのベンチコーチ、ロブ・リアリーの2人が退場処分となった。いわゆる「報復死球」というやつで、これでマイアミのベンチには監督もベンチコーチもいなくなってしまった。



こうした経緯でわかるように、球審ジェフ・ケロッグが一時ゲームのコントロールを喪失していることは明らかであり、彼の一連の判断が「マイアミ側に一方的に不利だ」とマイアミ側に受け取られてもしかたがない。

たとえMLBに日本のような「危険球で一発退場」というルールがないにせよ、リード・ジョンソンへの初球にインハイを投げた時点で、ミルウォーキーの投手マイク・ファイアーズを退場処分にすることは、「MLBの現行ルールの範囲内で」できることなのだから、球審ジェフ・ケロッグはまずファイアーズを退場にすべきだった。
もしファイアーズが退場になっていれば、マイアミのベンチから選手が出てくることは防げたはずだ。

さらにいえば、スタントンへの危険球は選手生命に関わるレベルのものだけに、「危険球で一発退場」というルールをMLBでも導入してしかるべきだと思う。
もし、スタントンのデッドボールの時点でファイアーズが一発退場になっていれば、マイアミ側の怒りに油をそそぐような事態にはなっていなかった。

damejima at 17:53

August 12, 2014

Close Call Sportsは、各種アメリカンスポーツにおけるアンパイアの「微妙な判定」や「退場処分」をテーマにしたサイトで、これまで何度となくお世話になってきた。
あのあらゆるデータを揃えているとしか思えないBaseball Referenceですら、アンパイアのこうしたデータに関しては扱っていないのだから、このサイトはコンセプトのユニークさにかけて、他の追随を許さないものがある。
Close Call Sports & Umpire Ejection Fantasy League


今シーズンからMLBではInstant Replay(=MLBでいうビデオ判定)の領域が一気に拡大されたわけだが、Close Call Sportsではそのリプレイ件数の全てを記録していっているのだから、もう脱帽するほかない。どれだけの手間暇がかかるのだろう。恐れ入る。


その彼らの記録によると、2014年8月10日現在でのInstant Replay件数は、930件に上っている。これは、この時点での試合数から換算すると、およそ1.89試合に1回ずつリプレイによる判定が行われたという計算になる。




正直なところ、最も多くInstant Replayを使っている監督、成功率の高い(あるいは低い)監督、最も多くInstant Replayを要求されたアンパイア、最も多く(あるいは少なく)Instant Replayで判定が覆ったアンパイアのランキングが知りたいところだ(笑)

まぁ、これだけ件数が多いと、簡単にまとめられないのかもしれないが、データ王国のアメリカのサイトだけに、シーズンオフにでも発表してくれることと期待している(笑)

damejima at 17:33

April 06, 2014

Neighborhood Playは、たとえ大幅に適用範囲が拡大されたInstant Replayといえども、こればかりはビデオ判定が適用されない例外であり、両軍監督はチャレンジできない」ことになっている、という話は、日米のメディアやこの手の話題に詳しいブログに書かれている定番の話題のひとつなわけだが、実際には、4月2日のカブス対パイレーツ戦でダブルプレーの成否について、ビデオ判定が行われ、判定が覆っている。

この件が果たして、
「本来ならチャレンジできないはずのNeighborhood Playを、インスタントリプレイで判定したことになる」のかどうか。

Chicago Cubs at Pittsburgh Pirates - April 2, 2014 | MLB.com Classic

パイレーツの2点リードで迎えた8回表、1死満塁で打者ネイト・シャーホルツはセカンドゴロ。アンパイアは、4-6-3のダブルプレーが成立したとして、3アウトを宣告。二塁塁審は John Tumpaine、パイレーツのセカンドはニール・ウォーカー、ショートはジョーディー・マーサー
だが、カブス監督のリック・レンテリアがビデオ判定を要求、結果的に判定が覆ってセカンドでのフォースアウトが取り消されたために、同時にサードランナーの生還も認められ、スコアは1-2と1点差になった。


このプレー、動画で確認してみると、捕球したとき、パイレーツの遊撃手ジョーディー・マーサーの足は明らかにセカンドベースから離れている
だから、問題になるのは、このプレーがいわゆる Neighborhood Play にあたるかどうかという点だ。

ビデオ判定で「セーフ」になったダブルプレー(4月2日CHC対PIT)


Neighborhood Playというのは、「ダブルプレーの際に、守備側野手(セカンドまたはショート)が、ランナーにスパイクされるのを防ぐため、捕球時に足がセカンドベースに触れていない状態で、捕球・送球すること」で、実際には、まったく足が振れないままプレーすることもあれば、送球を捕球する前に足でベースをタッチしておいて、足を離し、それから捕球・送球してダブルプレーを成立させることも多い。
こうしたNeighborhood Playに「2つのアウトの成立」を認めることは、「ベースボールにおける暗黙の了解」のひとつとして認められている。

ただ、これには注釈がある。

「ベースに触れないダブルプレー」が Neighborhood Play と認められるのは、あくまで「セカンドでランナーがアウトにできることが明白な場合だけ」だ。

もう少し具体的にいえば、「送球をキャッチした瞬間に足がセカンドベースに触れていないダブルプレー」がNeighborhood Playとして許容されるのは、「セカンドでランナーをアウトにはできる状況だったのは明らかだが、同時に、ランナーにスパイクされるのを避ける必要があったため、足をベースから離してプレーした、という場合だけ」なのだ。

だから例えば「セカンド送球が大きくそれていた」というような場合には、Neighborhood Playと認められず、ダブルプレーとして成立しない(ことがある)のだ。

そして実際、動画をみてもらうとわかるが、パイレーツの二塁手ニール・ウォーカーの送球はセンター方向にそれており、遊撃手ジョーディー・マーサーは「足をベースから離さないと、送球を捕球することができない状況」にあった。


こうした事例に非常に詳しいClose Call Sportsでは、以下のように注釈をつけて、この件の顛末を明快に説明している。

This is a reviewable play pursuant to MLB's Replay Review Regulations.
MLBのインスタント・リプレイのレギュレーションに照らせば、このプレーはビデオ判定していいプレーである。
Not reviewable is the umpire's judgment that a runner is clearly out on a force play at second base under the circumstances in which the defensive player may or may not have touched second base in his attempt to complete a double play and avoid a collision with the runner.
ビデオ判定にもちこめないのは、「アンパイアが、『二塁において走者をフォースアウトにできる状況なのが明らかだ』と判断した場合」である。そうした状況(=確実に二塁フォースアウトにできる状況)ならば、ダブルプレーを完成させつつ、ランナーとの激突を回避しようと試みる守備側プレーヤーが、セカンドベースに触塁していたかどうかは不問になる。
All other elements of the call shall be subject to review, including whether the fielder caught the ball, had control of the ball, was drawn off the bag, or tagged the runner.
それ以外はすべて「ビデオ判定の対象」になる。野手がボールをきちんと捕球できていたか、送球がそれていないか、足がベースから離れていないか、ランナーに対するタッチ等、すべてが含まれる。
Close Call Sports & Umpire Ejection Fantasy League: Neighborhood Play

要するに、「カブス対パイレーツ戦のダブルプレーでは、ゴロを捕った二塁手の遊撃手への送球が「横にそれている」。だから、二塁でのフォースアウトが成立する状況ではないのが明らかである以上、このプレーは、いわゆる "Neighborhood Play" にはあたらない。だから、この『Neighborhood Playではないプレー』をビデオ判定の対象にすることは、新しいビデオ判定のレギュレーション上も、まったく問題ない」といっているわけだ。


Close Call Sportsの説明にはもう何もつけ加える点はないほど明快だが、ブログ主としては、あえて以下の点をさらに明確にしておかないと、気が済まない。


審判関係者などでこの件について、「セカンド送球がそれているケースでは、 "Neighborhood play" にはあたらない」なんてことを書いていることがあるが、そんなことを、今のいま、「したり顔」で言われても困るのである。
まして、「昔からそうだった」とか、「そういうルール運用は昔からあった」みたいに言われるのは、もっと困るし、腹も立つ。

たくさんのゲームを見てきた人ならわかると思う。
このカブス対パイレーツ戦のダブルプレー判定は、かつての判定システムにおけるMLBアンパイアなら、判定は間違いなく「ダブルプレー成立」だったのであり、たとえ守備側の監督や選手がどんなに判定に抗議しようと、その抗議が認められるなんてことは、まずありえなかったタイプのプレーなのだ。

つまり、いいかえるなら、
これまでのMLBアンパイアは、たとえダブルプレーで送球が大きくそれようが、なんだろうが、ほとんどのダブルプレーを "Neighborhood play" とみなし、ダブルプレー成立を安易に認めてきた、と、言いたいのである。

こうしたケースで、アンパイアの酷い判定に抗議した監督・選手もいた。だが、その大半は認められることなく、むしろ、アンパイアによって数多くの「退場者」が無意味に生産されてきたのである。


ブログ主の考えでは、今回のビデオ判定の拡張によって、初めて、(それがベースボールの面白さを増すのか減じるのかという議論は別にして)かつてなんでもかんでも広大に適用され続けてきた 「広すぎるNeighborhood Play」 というunwritten rules (またはunwritten codes)が、初めて限定され、狭められて、「間違いなくフォースアウトにできると思われるケースのみを、Neighborhood Playとみなす」 という「狭い定義」に限定されたのだと思う。

もちろん、これからも個々のケースでアンパイアの判断は右往左往することになるとは思うが、このことは「ルールの厳正化」をよしとする立場の人にとって、大きな前進のひとつだ。


ダブルプレーのとき、適当にセカンドに送球し、適当にファーストに投げていればいい時代は、ある意味もう終わった。これからの時代の二塁手、遊撃手には、これまで以上に正確なプレーが求められることになる。

damejima at 10:48

April 04, 2014

2014MLBレギュラーシーズンが開幕して、適用範囲が大幅に拡大されたインスタント・リプレイ、いわゆるExpanded Replayが今シーズンから運用され始めているわけだが、いまだに、きちんとそのルールや運用方法をきちんと書いたサイトが見当たらないようだから(笑)、ちょっとまとめておくことにした。


例えば、新しいビデオ判定システムで「元の判定を覆すかどうか」について最終判断を下すのは、球場にいるクルー・チーフ(日本でいう「責任審判」)だと思っている人がいまだにいるのかもしれないが、(MLB発表の資料などで読む限り)実際にはそうではない。

判定が覆るかどうかについて最終判断を下すのは、Replay Official(リプレイ・オフィシャル)と呼ばれる「球場とは別の場所にいる、まったく別のアンパイア」だ。
また、細かくいえば、「監督がチャレンジしたプレイ」について、「ビデオ判定に入るかどうか」を決定するのも、あくまでReplay Officialの決定によるのであって、「Replay Officialがビデオ判定に移行すると決定するまで」は、元の判定は変更されることはない)

Replay Command Center
Replay Officialが判定を行うニューヨークのReplay Operations Center (Replay Command Centerと表記するメディアもある)
Major League Baseball Debuts Instant Replay Ops Center | Close Call Sports & Umpire Ejection Fantasy League

ブログ注
判定を覆すかどうかの最終判断者はReplay Officialである」という点の元資料だが、MLB公式サイトとシカゴ・トリビューン紙は以下のように書いている。

MLB公式サイト
If the Replay Official does not overturn any of the calls challenged by a Club, the Club will lose the ability to challenge any additional play or call in the game.
ソース:MLB公式サイトにおけるExpanded Replayのレギュレーション:Replay Review Regulations | MLB.com: Official info

シカゴ・トリビューン
The replay official will make the ultimate determination of whether to overturn the call.
ソース:MLB approves expanded instant replay | Chicago Tribune

以下に、新しい拡張されたMLBのビデオ判定、いわゆるExpanded Replayについて、メディア報道などをもとに箇条書きにまとめてみた。
(項目において、項目をたてる数、項目の順序、項目の分割等は、ブログ側判断によるもので、MLB機構の正式発表によるものではない。また、各種メディア資料をもとに再構成した記述であるため、記述内容が正確かどうかについては、MLBの正式発表のレギュレーションにてらして自己責任において確認してもらいたい)
資料;シカゴ・トリビューン MLB approves expanded instant replay - Chicago Tribune
資料:審判員の眼 Instant Replay starts from 2014 Official Games (インスタント・リプレーが始まるゾ!)
資料:ニューヨーク・デイリー・ニューズ Major League Baseball approves expanded instant replay, managers can challenge up to two calls a game - NY Daily News

2014シーズンからのExpanded Replayの概要

1) 「チャレンジ」できるイニング数と度数の制約
両軍監督は6イニング終了を意味する3アウトが宣告され、10秒が経過するまでの間に「1度だけチャレンジ」を行うことができる。
「2度目のチャレンジ」は、「1度目のチャレンジ」が成功した場合に限ってのみ許される。
なお、2度目のチャレンジが成功であるか失敗であるかにかかわらず、「3度目のチャレンジ」はできない

ブログ注:
チャレンジができるイニングを「6イニングまで」と書いているサイトが多いが、実際には「6イニングが終わった後でも、監督はチャレンジすることができる」から、厳密にいえば「6イニングまで」という表現は正確ではない。
というのも、Expanded Replayのレギュレーションに、「アンパイアが3アウトを宣言した後であっても、監督はチャレンジできる」という記述と、「3アウトの後でチャレンジする場合、10秒以内にチャレンジを宣言せねばならない」という細則が記述されているからだ。
("In the case of a play that results in a third–out call, a Manager must immediately run onto the field to notify the Umpire that the Club is contemplating challenging the play (and in all circumstances must be on the field in less than ten (10) seconds from the Umpire's third–out call)," via Replay Review Regulations | MLB.com: Official info
だから、非常に厳密に書けば、監督が「チャレンジ」できるのは、6イニングの3アウトの宣告まででもなければ、7イニングの開始まででもなく、「6イニング終了である3アウトが宣告された直後、10秒が経過するまで」となるわけだ。


2) 7イニング以降のアンパイア判断によるビデオ判定
両軍監督にチャレンジの権利がなくなるのは、厳密にいうなら「6イニングの3アウトが宣告されてから10秒が経過して以降」だが、それ以降は、審判団がビデオ判定が必要と認めた場合にのみ、ビデオ判定が行われる。


3) 拡張されたビデオ判定の具体的方法
監督が「チャレンジ」をすると、そのゲームにおけるアンパイアのクルー・チーフに加え、最低ひとりのアンパイアが、ビデオを見て判定を確認する。
さらに審判団は、ニューヨークにあるMLB Advanced Mediaの "Replay Operations Center" (Replay Command Centerと表記しているメディアもある)に連絡をとる。センターには Replay Official (リプレイ・オフィシャル)という肩書の 「ボールパークにいるのとは別のMLBアンパイア」が待機している
このReplay Officialが、「チャレンジ」について、「元の判定を覆すかどうかの最終判断」を行い、それをボールパークにいるアンパイアに伝える。
こうして「複数のプロセス」が実施された後、ボールパークにいるクルー・チーフはボールパークでビデオ判定の結果を両チームと観客に示す。


4) Expanded Replayが適用されるプレイ
Home Run
ホームラン以外のBoundary Calls
ボールがグラウンドとスタンドとの境界(boundary)を越えたプレイに関する判定。例「野手の悪送球でボールがベンチやカメラマン席に入り、アウト・オブ・プレイ」 (またFan InterferenceやGround-rule Doubleも、ジャンルとしては、このBoundary Callsに含まれる)
Ground-rule Double
日本でいう「エンタイトル・ツーベース」
Fan Interference
フェンス際のフライやゴロを、ファンが触れたり捕球することで、守備側野手のプレーが阻害されたようなケースの判定
Force play Neighborhood playを除く
Tag Play
盗塁や牽制を含むタッチプレー全般
Fair/Foul in the Outfield
Catch Plays in The Outfield.
外野手の捕球の成否に関する判定。例えば、スライディングキャッチやダイビングキャッチを試みた場合に、「ボールがワンバウンドしているかどうか」を判定する
Hit by Pitch
Timing Play
例:ランナー生還が三塁でのアウトより前だったかどうか
Touching a Base
例:走者のベースの踏み忘れ。アピールプレイであるため、ビデオ判定以前の問題として、守備チーム側からアピールがあったことが前提になる
Passing Runners
走者の追い越し
Record Keeping
例:打者のカウント、アウトカウント、スコア、選手交代に関する訂正
Collisions At Home Plate
ホームプレート付近での、ランナーとキャッチャー(あるいはベースカバーに入った守備側選手)との接触に関するプレイ。今シーズンからルール改正され、ホームインを狙うランナーは、ホームプレートへの直線的な走路から外れてキャッチャー(またはベースカバーした選手)に接触しようとすることが禁じられた。


5) 「チャレンジ」できないプレー
「チャレンジ」が許されないプレイが設けられている。
代表的なのは「球審のストライク/ボールの判定」で、これは「チャレンジ」できない。他に、例えばボールが大きくホップしたり、バウンドしたことで、一塁ベースあるいは三塁ベースの上を越えていく場合、それがフェアか、ファウルだったかの判定については、チャレンジすることはできない。

ブログ注
この2つの例以外に「チャレンジできないプレイ」が存在するのかどうかについては、いまのところ不明。


6) チーム側のチャレンジ以外の諸権利
ビデオを見る権利
両チームは、チャレンジ中にビデオのリプレイを見ることができる
ビデオルームと連絡をとる権利
ダグアウトには「ビデオルームと連絡をとるための電話」が設置され、ビデオルームと連絡をとることが許される
ビデオリプレイを流す権利
両チームは、クロスプレーのリプレイを、スコアボードに設置された大型スクリーンなどのようなビデオ再生装置で球場内に流すことができる(via Chicago Tribune)
アンパイアルームにある「リプレイのみられるモニターと電話」アンパイアルームにある「ビデオルームに連絡できる電話と、リプレイのみられるモニターの入ったボックス」 Why I’m against baseball’s instant replay - Salon.com


MLB初のExpanded Replayの「チャレンジ」
2014年3月31日カブス対パイレーツ戦
カブス監督リック・レンテリア、塁審ボブ・デービッドソン



記念すべき「初めてのExpanded Replayによる判定」と「1試合に2度のチャレンジ」が行われたのは、2014年3月31日のカブス対パイレーツ開幕戦。初チャレンジを行ったのは、カブスの新監督リック・レンテリア

MLB最初のチャレンジ対象となるコールを行ったアンパイアは、なんと、いわくつきのアンパイア、ボブ・デービッドソンだった(笑)

5回表の無死1、2塁、カブス先発Jeff Samardzijaが送りバント、結果は1-5-3のダブルプレーだったが、この1塁でのクロスプレーについて、今年からカブスの監督になったリック・レンテリアがチャレンジ。これが「MLB最初のExpanded Replay」になった。
ちなみに判定は覆らなかった(笑)
Cubs fall on walk-off HR in Renteria's debut - March 31, 2014 | MLB.com Wrap


MLB初の「1試合に2度のチャレンジ
2014年3月31日カブス対パイレーツ戦
ピッツバーグ監督クリント・ハーディー、塁審ボブ・デービッドソン



なおMLB初のExpanded Replayの行われたカブスvsパイレーツ戦で、10回表に、こんどはピッツバーグ監督のクリント・ハーディーがチャレンジを行ったために、このゲームは「MLB初の1試合に、2度のチャレンジが行われたゲーム」にもなった。
初の「同一ゲーム2度目のチャレンジ」だったが、対象は、またしても1塁塁審ボブ・デービッドソン(笑) いかにこのアンパイアがMLBで「心証の悪いアンパイア」であるかが、よーーーくわかる(笑)

10回表、ピッツバーグのリリーフ、ブライアン・モリスが、1塁に牽制球を投げた。ランナーは、エミリオ・ボニファシオ。
塁審ボブ・デービッドソンは「セーフ」とコールしたが、ピッツバーグ監督のクリント・ハーディーがチャレンジ。結果的に判定は「覆った」。
First of two Cubs-Bucs challenges is MLB's first | cubs.com: News


初のExpanded Replayによる「判定のターンオーバー」
2014年3月31日ミルウォーキー対アトランタ戦
アトランタ監督フレディ・ゴンザレス、塁審グレッグ・ギブソン



「チャレンジによって初めて判定が覆った」のは、これもいわくつきのバッター、去年ドーピングがバレて出場停止処分を食らっているライアン・ブラウンの1塁でのクロスプレー。

6回裏のライアン・ブラウンのファーストでのクロスプレーについて、1塁塁審のグレッグ・ギブソンは「セーフ」とコール。だが、アトランタの監督フレディ・ゴンザレスのチャレンジが通って、判定は「覆った」ため、これがMLBにおける初のExpanded Replayによる判定のターンオーバーとなった。


初の「1試合で同じチーム2度のターンオーバー」
2014年4月2日カンザスシティ対デトロイト戦
デトロイト監督ブラッド・アスムス
1塁塁審Chris Conroy



「1試合で同じチームによる2度のチャレンジに初めて成功」したのは、勇退したジム・リーランドにかわってデトロイトの新監督になったブラッド・アスムスだった。

1度目は、6回裏の無死1、2塁。デトロイトのタイラー・コリンズがオフに長期契約を結んだカンザスシティの先発ジェイソン・バルガスからセカンドゴロ。
1塁塁審Chris Conroyがアウトをコールし、いったんダブルプレーが成立したが、コメリカパークの場内のスクリーンに映し出されたリプレイは、明らかに「ファーストはセーフ」。
結局デトロイトの新監督ブラッド・アスムスのチャレンジが通って、判定は覆り、ダブルプレーによる2死3塁ではなく、1死1、3塁になった。

上で書いたように、MLBのビデオ判定のレギュレーション上、このような「1度目のチャレンジが成功した」場合では、「2度目のチャレンジ」をすることができる

2度目は、1対1の同点で迎えた延長10回表の2死2塁。打者青木宣親が、デトロイトのリリーバー、アル・アルバカーキからピッチャーゴロを打ち、ファーストでクロスプレーになった。1塁塁審Chris Conroyの判定は「セーフ」。
だが、ここでも、デトロイトの新監督ブラッド・アスムスのチャレンジが通って判定が覆り、3アウト。もし、このクロスプレーが最初の判定通り「セーフ」になっていたら、同点の2死2塁でのボテボテのゴロだっただけに、セカンドランナーは生還し、カンザスシティが1点リードして9回裏になっていたはず。
試合は、その直後の9回裏に、デトロイトが新加入イアン・キンズラーのサヨナラヒットで勝利したのだが、10回表のチャレンジ成功が効果をあげた結果になった。
Tigers win both replay challenges vs. Royals | tigers.com: News

Kansas City Royals at Detroit Tigers - April 2, 2014 | MLB.com Classic


それにしても、こうしてまとめてみると、ここで挙げてみた「Expanded Replayのチャレンジ成功の実例」の全てが、1塁でのプレーなのだが、これを「単なる偶然」と片付けていいとは、到底思えない。

2013年5月に書いた記事で、「ファーストでの誤審の多さ」について書いたことがあった。思えば、アーマンド・ガララーガの完全試合が塁審ジム・ジョイスの誤審で幻の完全試合として葬られてしまったのも、「1塁での誤審」だったのだ。
2013年5月27日、日米ファーストでの誤審3題。このところのアンパイアの「雑な判定ぶり」は、もう何らかの対策が必要なレベルにきている。 | Damejima's HARDBALL


これからもっともっと「チャレンジ成功の実例」が出てくると思うけれど、おそらくその多くが「1塁での判定」になるような気がする。
それだけに、1塁塁審をつとめるアンパイアのふるまいについて、例えばポジショニングなどを根本的に再考すべきときが来るような気がする。

damejima at 10:51

October 21, 2013

前記事:
(1)総合データ編:Damejima's HARDBALL:2013年10月19日、ALCS Game 6、近年最大級の不快なゲーム。マックス・シャーザーの魂のゲームを全てぶち壊した球審 Dan Iassogna の右バッターのアウトローにおける「悪意のボストン寄り判定」 (1)総合データ編

(2)マックス・シャーザー編:Damejima's HARDBALL:2013年10月19日、ALCS Game 6、近年最大級の不快なゲーム。マックス・シャーザーの魂のゲームを全てぶち壊した球審 Dan Iassogna の右バッターのアウトローにおける「悪意のボストン寄り判定」 (2)マックス・シャーザー編

Detroit Tigers at Boston Red Sox - October 19, 2013 | MLB.com Classic

マックス・シャーザーの投球に関する「不利」な判定の具体例に続き、こんどは2013ALCS Game 6における球審Dan Iassognaの悪質なボストン寄り判定の数々を、ボストン投手陣に対する「有利」な判定について、データを記録する。

球審Dan Iassognaの「ボストン寄り判定」は、ひとつには、デトロイト先発マックス・シャーザーの投球に執拗なボール判定を彼が降板するまで浴びせ続けるという陰湿な形で、ボストン側のあらゆるチャンスと得点の全てに抜き差しならぬ関係で絡んでいたのを確かめたわけだが、この悪行はもちろんそれのみで終わらず、もうひとつ、ボストン先発クレイ・バックホルツの投球に有利な判定をする、という形でも著しい偏りをみせている。


アンパイアの判定の「ゆらぎ」は、もしそれが「両軍に等しく生じる」ものであるなら、これほど問題にしたりはしない。
MLBアンパイアには、「ゾーンの狭さや広さ」、「ゾーンの形状の偏り」といった判定基準において、MLB特有といえる「非常に大きな個人差」が容認されており、判定基準はアンパイアごと、ゲームごとに非常に大きく変化してしまうものであることは、これまでこのブログで何度となく書いてきたように、MLBではむしろ常識であり、プレーヤーや監督コーチにもそういうものとして受け止められている。

だが、この2013 ALCS Game 6でみられた「球審Dan Iassognaの明白なボストン寄り判定」は、そうした「MLBでの常識的なアンパイアの個人差の範囲」を著しく逸脱している。
理由は、前記事にみたように、デトロイト先発マックス・シャーザーの投球について著しく不利な判定を行うだけでなく、以下にみるように、ボストン先発クレイ・バックホルツを中心に、ボストンの投手について有利な判定も同時に行っているからである。
ゆえに、2013 ALCS Game 6球審Dan Iassognaの判定については、あえて「意図的な贔屓行為」と断定させてもらう。


ちなみに、Dan Iassognaは、2013ALCS game 4の2回裏のセカンドでの判定でも、二塁塁審として悪質な「ボストン寄り判定」をやってのけている。(下記のアニメGIF参照)
1死満塁のデトロイトのチャンスで、バッターはまたしても元ボストンのホセ・イグレシアス。平凡なセカンドゴロを、ダブルプレーを焦ったペドロイアがハンブルしたことからダブルプレーが成立しなかったプレーだが、ペドロイアからのトスを捕球したショートのドリューの足は「完全にセカンドベースから離れて」いる。

2013ALCS Game 4におけるDan Iassognaの悪質なダブルプレー判定via We have a new Worst Call of the Month - Baseball Nation By Rob Neyer





クレイ・バックホルツ vs デトロイト右打者
アウトローのストライク判定

2013ALCS Game 6 BOSの投手 vs DET 右打者 判定

上の図は、ボストン投手陣のデトロイトの右打者に関する判定マップだ。四角い黒枠の右下部分に赤色の四角形が多数点在している。これは、2013 ALCS Game 6 球審のDan Iassognaが、「ボストンの投手に関しては、右打者のアウトローの投球を「非常に積極的にストライク判定」したこと」を意味している。

アウトローの拡大図
「右打者アウトロー部分の判定の差異」を明確にするために、図を拡大して比較してみると、両軍の判定結果は以下のようになる。図で、赤色は「ストライク判定」、緑色は「ボール判定」を示す。
結果はいうまでもない。球審Dan Iassognaが両軍投手の判定において、「著しく差をつけることを前提に判定した」ことは、明白だ。

ボストン投手の投球判定 右打者アウトロー拡大ボストン側投手

デトロイト投手の投球判定 右打者アウトロー拡大デトロイト側投手

ただし、あくまでここまで挙げたデータは、「打者が見逃した球の判定のみ」について書いていることを忘れてもらっては困る。
実際のゲームでは、デトロイト側の、特に右打者は「これだけアウトコース低めをストライク判定されるとわかっているゲーム」では、アウトコース低めに手を出さざるをえないし、他方、ボストン側の特に右打者にとってこのゲームは「アウトコース低めをストライク判定される心配の少ないゲーム」なのであって、安心して打ちにくいアウトコース低めを捨て、甘い球を待つことができた

これほど著しい不利が他にあるだろうか。


では、以下に具体的な打席例をみてみる。
特に最悪なのは、球審Dan Iassognaが、コントロールの悪いボストン先発クレイ・バックホルツが四球を出すのを、要所要所でストライク判定して、あからさまにアシストしたことだ。じっくりデータ上で確かめてもらいたい。

2013ボストンはたしかに勝ちゲーム終盤のブルペンには絶対の自信をもつチームだが、もしゲーム中盤で先発バックホルツが劣勢のスコアのまま降板するようなことが起きると、ボストン側は田沢以下の鉄壁のリリーフを繰り出すことができない。だから、ゲーム中盤でピンチを作ることでバックホルツの球数がいたずらに増えてしまえば、ボストンの劣勢どころか、致命傷につながる。
だからこそ、以下で示すような球審Dan Iassognaの「ボストンに四球がなるべく出ないようにするアシスト」は、試合結果を直接左右するような悪質な行為だ。


2回オマー・インファンテ4球目
カウント:3-0
投手:バックホルツ
場面:二死ランナー無し
結果:カウント3-0からのアウトコース低めの球を「ストライク判定」。6球目のアウトコースのボール球に手を出すが、それがライト前ヒットになり、出塁

カウント3-0でのストライク判定だから。もしこの4球目が「ボール判定」だったら、インファンテはすんなり四球だった。
だが、球審Dan Iassognaは、あれだけボストンの9番打者ボガーツに四球を与える有利な判定を何度も何度も執拗に行っておきながら(前記事参照)、デトロイトの打者についてはまるで真逆のストライク判定を浴びせることで、四球による出塁を何度も阻止している。
この判定でアウトコースに手を出さざるをえなくなったインファンテは、6球目の「明らかなボール球」に手を出して、これがライト前ヒットになって出塁しているわけだが、いうまでもなく、ボール球を打ってのヒットはあくまで「結果オーライ」にすぎない。
追い込まれて6球目のボール球に手を出さざるをえない状況を作られてしまっていなければ、このクソボールをすんなり見逃して四球で出塁することはより容易だったはずだ。

2013ALCS Game 6 2回インファンテ4球目バックホルツ


2回オースティン・ジャクソン2球目
カウント:1-0
投手:バックホルツ
場面:二死1塁
結果:カウント1-0からのアウトコース低めのきわどい球を「ストライク判定」され、平行カウント1-1に。次の3球目で真ん中低めの「ゾーンから外れたチェンジアップ」に手を出し、ファーストゴロ。チェンジ

上で書いたインファンテの出塁直後のジャクソンの打席。いくらジャクソンが不調とはいえ、ランナーがいる状況でカウント2-0になっていれば、嫌でもバックホルツ投手には重いプレッシャーがかかる。だが、球審Dan Iassognaは、バックホルツの2球目のアウトコース低めをストライク判定してバックホルツをアシストした。

2013ALCS Game 6 2回ジャクソン2球目バックホルツ


5回オースティン・ジャクソン3球目
カウント:2-0
投手:バックホルツ
場面:一死走者無し
結果:ボールが2球続いた後の「アウトコース低め」を「ストライク判定」。その後、粘って四球

この場面、もし3球目の判定がボールなら、カウントは3-0で、四球による出塁がみえてくる
だが球審Dan Iassognaは、またしても「アウトコース低め」をストライク判定するやりくちで、コントロールの悪いバックホルツが四球で走者を2人に増やし、ピンチになるのを阻止した。
それでもジャクソンは粘って、結果的にコントロールの悪いバックホルツから四球で出塁したのだが、なんと、ここでも元ボストンのイグレシアスが2球目のインハイのなんでもない球を内野ゴロにして、ダブルプレー。バックホルツを「内側から」アシストした。

2013ALCS Game 6 5回ジャクソン3球目バックホルツ


6回ビクター・マルチネス2球目
カウント:1-0
投手:モラレス
場面:無死満塁
結果:2球目の「真ん中低めのカーブ」を「ストライク判定」され、カウント1-1。その後、2点タイムリー

無死満塁の場面だから、いうまでもなくもし2球目が「ボール判定」でカウント2-0になっていたら、ボストンのリリーフ、モラレスに「押し出し」へのプレッシャーが非常に大きくのしかかったはずだ
だが、球審Dan Iassognaはこの低く外れた球をストライクコールすることで、ボストンをアシストした。
だがそれでも、好打者ビクター・マルチネスは4球目インローの難しい球をレフト前に2点タイムリーして、試合を逆転。彼は出塁した塁上から、プレート方向を睨みつけて吠えた。よほど、2球目の判定が頭にきたのだと思われる。彼はキャッチャー出身だから、このゲームの異常さに気がついていないわけがない。

2013ALCS Game 6 6回ビクター・マルチネス2球目モラレス


8回ビクター・マルチネス初球
カウント:初球
投手:ブレスロー
場面:1死ランナー無し
結果:三振

2013ALCS Game 6 8回ビクター・マルチネス初球ブレスロー




度重なる不利な判定にもめげず、デトロイト先発マックス・シャーザーは、7回の1死2塁で、球審Dan Iassognaがアシストし続けた問題の9番ボガーツに、フルカウントから渾身のチェンジアップを「問題のアウトコース低め一杯」に投じた。
だが、球審Dan Iassognaは執拗なアウトローのボール判定で、ボガーツが三振するのを防いでやり、同時に、シャーザーの続投を徹底的に阻止した。球審によって次々と作られるピンチにもめげず、火を噴くような粘りをみせたシャーザーだが、7回にとうとう三振のはずのチェンジアップを四球と判定され降板。この球審Dan Iassognaのボストンへの一方的なアシストを発端に、2-5と逆転されたデトロイトに、もう反撃のエネルギーは残っていなかった。
まるで「ぬけがら」だった8回の打席に立つビクター・マルチネスの姿が痛々しかった。6回の無死満塁で2点タイムリーを打って、塁上でホームプレートに向かって吠え、チームに勢いを再びつけた彼にさえ、もう気力は残されていなかった。


2012シーズン全体を棒にふるような大怪我から見事に復帰してみせたビクター・マルチネスには、個人的にカムバック賞の受賞を願っておきたい。

そして、まだ発表はないが、2013年のサイ・ヤング賞をとるであろうマックス・シャーザーに、心から「おめでとう」と言いたい。

おめでとう、マックス・シャーザー。

damejima at 10:01
前記事:
Damejima's HARDBALL:2013年10月19日、ALCS Game 6、近年最大級の不快なゲーム。マックス・シャーザーの魂のゲームを全てぶち壊した球審 Dan Iassogna の右バッターのアウトローにおける「悪意のボストン寄り判定」 (1)総合データ編

引き続いて、2013ALCS Game 6における球審Dan Iassognaの悪質なボストン寄り判定の数々を、こんどは具体的なシチュエーションに沿ってデータを記録する。


以下にみるように、2013ALCS Game 6におけるボストンのチャンスと得点の全てに、球審Dan Iassognaの「ボストン寄り判定」が、それも、抜き差しならぬ関係で絡んでいる

アンパイアの判定ミスや、その背景にあるアンパイアの個人差やMLB特有のストライクゾーンの特徴などについて、国内の他のどんなメディアやブログよりも多数の事例を指摘してきた自負があるが、これまでこういう「断定」は一度もしたことがないのだが、この「Dan Iassognaのボストン寄り判定」については、あえて「意図的な贔屓である」と断定させてもらう。

なぜなら、以下にみるように、これらの悪質な判定が、
「その1球の判定が、もしボールでなく、ストライクだったなら、ゲーム局面がまるで変わっていた、という特定の場面に限って、それも、執拗に繰り返し繰り返し行われた」からであり、加えて、「事例の大半が、9番ボガーツから打順が上位にかえっていく、まったく同じシチュエーションに集中していて、ボストン側の全てのチャンスメイクと得点をアシストしている」からだ。

正直、酷い判定もたくさん見てはきたが、これほど「意図的であると断定するほかないようなアンパイアの最悪な判定偏向」は、いまだかつて見たことがない。


マックス・シャーザー vs ボストン右打者
アウトローでの徹底的なボール判定

2013ALCS Game 6 DETの投手 vs BOS 右打者 判定

バックホルツの投球のかなりのボール球をストライク判定したり、シャーザーの左バッターへの投球をボール判定したり、このゲームの球審 Dan Iassognaの悪質な判定例は他にも数かぎりなくパターンがあるが、このゲームで最もありありと「むきだしの作為と悪意」が感じられる愚劣な判定が、以下に挙げるマックス・シャーザーの右バッターのアウトローへの投球をことごとく「ボール判定」した事例の数々だ。
これらはもうMLBというより、スポーツを冒涜しているとしか言いようがない。本当に許しがたい。

3回ボガーツ3球目・5球目・7球目
カウント:0-2、2-2、3-2
投手:シャーザー
場面:先頭打者
結果:カウント0-2から「三球三振」のはずが、四球を与えるほどのボール判定の連続

2013ALCS Game 6 3回ボガーツ3球目シャーザー

3回エルズベリー3球目・5球目
カウント:1-1、2-2
投手:シャーザー
場面:球審の作りだしたボガーツの四球で、無死1塁
結果:カウント1-1、2-2から2度にわたるボール判定。その後、四球

2013ALCS Game 6 3回エルズベリー3球目シャーザー


もし、ボガーツのアウトロー3球の判定のうち、どれかひとつでも「ストライクコール」だったら、彼は「三振」だった
あえて断定させてもらうが、球審Dan Iassognaは執拗なボールコールで、故意にボガーツの三振を避けさせ続けることで、ボストンにのみ有利な攻撃シチュエーションを与え続けた」。そして、そうしたDan Iassognaの悪意ある贔屓判定は「ボガーツ」に明らかに集中している。
この「ボガーツの打席における執拗なアウトローのボール判定によって、ボストン側にのみ得点チャンスを作りだす行為」は、このゲームでシャーザーが降板するまで、球審Dan Iassognaによって執拗かつ途切れることなく続けられた。

球審Dan Iassognaは、このイニングで、ボガーツの四球だけで飽き足りず、次打者の左打者エルズベリーのインローの判定でもボール判定を続けまくって四球にさせ、無死1、2塁のピンチを強引に演出した。
だがシャーザーは、無死1、2塁で送りバントをしたシェーン・ビクトリーノの小フライをスライディングキャッチするファインプレーをみせ、その後もペドロイアをダブルプレーに仕留める奮闘ぶりで、このピンチをしのいでみせた。



5回ボガーツ4球目
カウント:1-2
投手:シャーザー
場面:二死走者なし
結果:カウント1-2から「三振」のはずが、ボール判定。二塁打。次打者のエルズベリーにタイムリーが出て、ボストン先制

3回の悪質な判定に続き、打者は、またしてもボガーツだ。明らかに球審Dan Iassognaはボガーツの打席で「仕掛け」ようと狙い続けていた。この打席の4球目の判定も、三振だったはずの3回とまったく同様であり、もし4球目が「ストライク判定」だったら、ボガーツは「三振」で、しかも「チェンジ」だった。この「球審Dan Iassognaの悪質な意図的判定ぶり」には呆れるほかない。
ボガーツに二塁打を浴びたシャーザーは、次の左打者エルズベリーの初球に投げたチェンジアップが甘くなり、先制タイムリーを浴びてしまうことになる。

2013ALCS Game 6 5回ボガーツ判定注:問題の「4球目」が「黒い枠線」の右のライン上にあるように見えるため、「きわどい判定」のように勘違いするかもしれないが、この「黒い枠線」は「ルールブック上のストライクゾーン」を意味しているのであって、実際のストライクゾーンはもっと外に広い。すなわち、この「4球目」は「余裕でストライク」なのだ。

2013ALCS Game 6 5回ボガーツ4球目シャーザー


6回ペドロイア1・2・3球目
カウント:0-0、1-0、2-0
投手:シャーザー
場面:無死1塁
結果:四球

5回に、4球目のストレートで三振だったはずのボガーツが、球審Dan Iassognaのねじまがった判定で三振をまぬがれて打った二塁打が元で1点リードされたデトロイトだが、6回表にビクター・マルチネスの執念の2点タイムリーで逆転に成功する。
だが、直後の6回。先頭のシェーン・ビクトリーノがデッドボールで歩いた後のペドロイアの打席で、またしても球審Dan Iassognaはなんと初球から3球目まで、まったく右手を挙げようとしなかった。結果ペドロイアが歩いて、無死1、2塁の絶対絶命のピンチ。これを「悪質な意図的判定」といわずして、何を悪質というのだ。
だが、シャーザーは動じず、続くオルティーズ、ナポリ、サルタラマキアを3者連続でうちとる入魂の投球をみせ、この大ピンチをしのぎきってみせた。

2013ALCS Game 6 6回ペドロイア123球目シャーザー


7回ボガーツ6球目
カウント:3-2
投手:シャーザー
場面:一死2塁
結果:カウント3-2からボール判定。四球

3回、5回に続き、7回のボガーツの打席でもそれは起こった。
7回の「6球目の判定」も、3回と5回、2つの打席と同じであって、もしこの判定が「正しく、ストライクコールされていたら、ボガーツは三振していた」のである。
このような「もしストライクコールだったら三振」という打席が「ボガーツだけ、3打席続いた」ことになる。こんな悪質な行為を、「偶然」だの「ミス」だのと甘ったるい言葉で済ますようなことはしない。遠慮なく「球審Dan Iassognaの意図的悪意に基づく判定」と言わせてもらう。
球審が故意に作り上げたボガーツの四球によって、1死1、2塁となり、マック・シャーザーは、彼の魂がこもったマウンドから引きずり降ろされた。

だが、球審の判定さえマトモで正気だったなら、ここは本来は「2死2塁」だったはずである。当然、粘りをみせていたシャーザーを監督リーランドが降板させることはなかった可能性がある。さらに、あえてタラレバいわせてもらえば、次打者のエルズベリーをうちとって、それで「チェンジ」だった可能性もある。

だが、実際には、球審Dan Iassognaがボガーツの「故意の四球」によって意図的に作り続けた1死1、2塁のピンチで、エルズベリーの「明らかにダブルプレーにできるショートゴロ」を、ボストンから来た愚鈍なホセ・イグレシアスがハンブルして、ビクトリーノの馬鹿げたグランドスラムを呼び込むことになる。出来過ぎた筋書きである。

2013ALCS Game 6 7回ボガーツ判定

2013ALCS Game 6 7回ボガーツ6球目シャーザー




マックス・シャーザー vs ボストン左打者
インローでのボール判定

ここまで見てきたように、あらゆるボストンの得点とチャンスメイクに、球審Dan Iassognaの「右打者のアウトローのボストン寄り判定」が絡んでいるわけだが、では、「左打者」に関してはそういう愚劣な判定はなかったのかというと、もちろんそんなことはない。上に既に挙げておいた3回の左打者エルズベリー以外の例をいちおう挙げておく。

2013ALCS Game 6 DETの投手 vs BOS 左打者 判定

2回ドリュー2球目
カウント:0-1
投手:シャーザー
場面:二死走者なし
結果:カウント0-1からボール判定。その後三振

下記の図で、2球目の位置が非常にわかりづらいと思う。
というのは、「2球目を示す緑色の円が、4球目を示す赤色の円の『陰』に、ほぼすっぽりと隠れてしまっていて見えにくい」からだ。(目をこらせば、やや右下に緑色部分がほんの少しにじんで見えているのがわかると思う)つまり、それくらい2球目と4球目は同じ位置にあるということだ。
判定は2球目はボール、4球目はストライクだ。いかにこの球審の判定が酷いかがよくわかる。

2013ALCS Game 6 2回ドリュー2球目シャーザー


以下、(3)バックホルツ編に続く。

Damejima's HARDBALL:2013年10月19日、ALCS Game 6、近年最大級の不快なゲーム。マックス・シャーザーの魂のゲームを全てぶち壊した球審 Dan Iassogna の右バッターのアウトローにおける「悪意のボストン寄り判定」 (3)クレイ・バックホルツを含むボストン投手編

damejima at 02:38

October 20, 2013

野球という「自分の好きなスポーツ」を見ていて、こんな不愉快な、というより、胸くそ悪い気分になったことは、非常に珍しい。1球や2球程度の判定のバラつきなら、これほどまでに怒りがこみあげてはこない。
2つのチームで判定を「ボストンはストライク」「デトロイトはボール」と分けた理由を、この悪質な球審 Dan Iassognaに問いただしたいものだ。
Detroit Tigers at Boston Red Sox - October 19, 2013 | MLB.com Classic


以下に可能なかぎりのデータをどんどん追加していく。




元資料

右打者の判定(両チーム併記のオリジナル)
出典:2013年10月19日 ALCS Game 6 DET vs BOS | 球審:Dan Iassogna | BrooksBaseball.net: PITCHf/x Tool | Strikezone Maps
2013ALCS Game 6 Dan Iassogna 右打者の判定

左打者の判定(両チーム併記のオリジナル)
2013ALCS Game 6 Dan Iassogna 左打者の判定



ボストン側判定

ボストンの投手 vs デトロイトの右打者
この図は、上のオリジナルから「ボストンの投手のみのデータ」をブログ側で抜粋したもの。ボストン先発バックホルツがどれほど制球に苦しんでいたか、そして、バックホルツとボストンがどれだけ要所要所で「球審のアシスト」を受けていたか、ハッキリわかる。
例えば、右下あたりに注目してもらいたい。赤色の四角形が「枠の外」に数多くある。これは、「右バッターのアウトコース低めの球が、ストライクと判定されていること」を示している。
こうした赤色の四角形は、ほかにも、ゾーンの真ん中の下あたりにも2つほどある。このうち、より低めに外れているほうが、6回にタイムリーヒットを打ったビクター・マルチネス(右打席)への2球目(ストライク判定)だ。いかに酷い判定だったかが、データ上ではっきり確認できる。

2013ALCS Game 6 BOSの投手 vs DET 右打者 判定



デトロイト側判定

デトロイトの投手 vs ボストンの右打者
この図は、オリジナルから「デトロイトの投手のみのデータ」をブログ側で抜粋したもの。
右下あたりを注目してもらいたい。緑色の三角形が「枠の内側」に非常にたくさん並んでいる。これは、「デトロイト投手の投げた右バッターのアウトコース低めの球が、数多く『ボール』と判定されていること」を示している。
マックス・シャーザーは、こうした球審のあからさまな悪意に満ちた判定に苦しめられながらも粘り抜いた。彼の魂の投球を横を向いてボールと判定し続けた、この外道の球審Dan Iassognaは、いったい何を思いながら判定していたのだろうか。

2013ALCS Game 6 DETの投手 vs BOS 右打者 判定


デトロイトの投手 vs ボストンの左打者
この図は、同じく、オリジナルから「デトロイトの投手のみのデータ」をブログ側で抜粋したもの。
やはり、右下あたりを注目してもらいたい。緑色の三角形が「枠の内側」と「枠の上」に2つほど並んでいる。これは、「デトロイト投手の投げた左バッターのインコース低めの球が、『ボール』と判定された例」を示している。

2013ALCS Game 6 DETの投手 vs BOS 左打者 判定


以降の2つの記事で、各打者ごとの判定と、その判定の行われたシチュエーションを記録し、Dan Iassognaの歪んだ判定がどれだけ試合展開を決定的に左右したかについて、詳細に記録する。

Damejima's HARDBALL:2013年10月19日、ALCS Game 6、近年最大級の不快なゲーム。マックス・シャーザーの魂のゲームを全てぶち壊した球審 Dan Iassogna の右バッターのアウトローにおける「悪意のボストン寄り判定」 (2)マックス・シャーザー編

Damejima's HARDBALL:2013年10月19日、ALCS Game 6、近年最大級の不快なゲーム。マックス・シャーザーの魂のゲームを全てぶち壊した球審 Dan Iassogna の右バッターのアウトローにおける「悪意のボストン寄り判定」 (3)クレイ・バックホルツを含むボストン投手編

damejima at 13:43

October 16, 2013

ジャスティン・バーランダー登板時にみられる「左バッターのアウトコースの投手有利な判定」について、なんとなく調べ続けていたら、まぁ、どういう理由でこんなにたくさん書かれたのか知らないが、過去に、それもとりわけ「ポストシーズンでの判定」について書かれた記事が、あるわ、あるわ(笑)
どれもこれも、どこか怒りのこもった記事ばかりなのが困りものではあるが(苦笑)、それにしても、この数の多さ(笑)あんまり多いので、ついでだからコレクションしておくことにした(笑)


それにしても面白いのは、大半の記事が異口同音に「アウトコースの判定」を問題にしていることだ。どうやら、この「問題」の存在に気がついた人の数は、かなりの数にのぼるとみた。
この「ポストシーズンにおけるバーランダー優遇現象」が観測され続ける理由はなんだろう。バーランダーがよほど「左バッターのアウトコース」にばかりいい球を投げているのか、もしくは、「バーランダーにだけ好意的なアンパイア」が世の中に溢れかえっているのか、はたまた、「バーランダー嫌いのファン」が世の中に溢れているのか。どれが正解なのか、教えてもらいたいものだ(笑)


記事1
2011 ALDS Game 3 DET vs NYY
におけるバーランダー有利な判定(サバシアへの判定との比較)
Comparing strike zones for Sabathia and Verlander - Baseball Analytics Blog - MLB Baseball Analytics
サバシアが5回1/3(7安打4失点)しかもたず、当時まだセットアッパーだったラファエル・ソリアーノが、デルモン・ヤングに決勝ホームランを打たれて敗戦投手になったゲームだ。
ちなみにヤンキースはデトロイト時代のデルモン・ヤングには煮え湯を飲まされ続けていて、2011ALDSで3本、2012ALCSでも2本、合計5本ものホームランを打たれ、36打数12安打9打点とさんざんな目にあわされ、2度敗退する原因となった。
記事によれば、このGame 3で 「ゾーン外の球がストライク判定された割合」は、サバシア7.3%に対し、バーランダーはその約2.7倍、19.6%もの数字になるという。

この試合の球審は、「ゾーンの狭さ」と「判定の確かさ」の2つで有名なMLBアンパイア界の巨匠Gerry Davis(第3回WBCの日本ラウンド 日本対中国戦の球審をつとめたアンパイア)なだけに、2人の先発投手の判定にそこまで差が出るものなのかどうか、ちょっと信じがたい部分もないではないが、記事に掲載されたデータで見るかぎり、たしかに左バッターの場合の判定が「バーランダーだけ」甘くなっている。
Damejima's HARDBALL:2013年3月3日、WBCファースト・ラウンドにみる「MLB球審のストライクゾーン」とゲーム内容との関係 (1)基礎知識編

October 3, 2011 American League Division Series (ALDS) Game 3, Yankees at Tigers - Baseball-Reference.com

ちなみに2011ALDSといえば、Game 5で、この年の7月末にデトロイトにトレードされたばかりのダグ・フィスターがNYY相手に5回1失点と好投したのが懐かしい。リーランドはこの試合でも、2013ALDSのOAK戦でやったようにシャーザーをリリーフ登板させ、必勝態勢をひいている。
かたや、ジョー・ジラルディも、当時のエース、サバシアをリリーフ登板させているが、サバシアはこの2011ALDSでヤンキース投手陣では最も多くの失点をしている投手であって、たとえリリーフといえど、負けられないGame 5で使う意味が全くわからない。おまけにジラルディは、5回の2死2塁でミゲル・カブレラを敬遠させる弱気な策をとって、勝負どころに強いのがわかりきっているビクター・マルチネスに無理な勝負を挑み、決勝タイムリーを打たれている。(おまけに、1失点しているサバシアを次の6回も投げさせた)
ま、振り返ってみれば、ジラルディはイチローが移籍する前から勝負どころではいつも「謎采配」をする監督ではあったのだ(笑)
Damejima's HARDBALL:2011年10月6日、フィスター5回1失点の好投で、ALDS Game 5の勝ち投手に。デトロイトがヤンキースを破って、テキサスとのALCS進出!

October 6, 2011 American League Division Series (ALDS) Game 5, Tigers at Yankees - Baseball-Reference.com

記事2
2012 ALDS Game 5 DET vs OAK
におけるバーランダー有利な判定
Strike-Zone Controversy During ALDS? | A Good Sports Hang
デトロイトがオークランドを6-0のシャットアウトで下し、2012ALDSの勝ち抜けを決めたゲーム。球審はWally Bell。オークランド先発はジャロッド・パーカー。
オークランドは、クリスプ、ドリュー、セス・スミス、レディックと、上位に左バッターを4人並べたが、その4人で合計9三振を喫するという惨憺たる結果に終わっている。
翌2013年のALDS Game 5でオークランドは、前年を上回る6人もの左バッターを並べてバーランダーに挑んだが、やはり0-3のスコアでシャットアウト負けし、シリーズ敗退している。
October 11, 2012 American League Division Series (ALDS) Game 5, Tigers at Athletics - Baseball-Reference.com


記事3
2012 ALCS Game 3 DET vs NYY
におるバーランダー有利な判定(フィル・ヒューズへの判定との比較)
Rejection By Zoubek: One of the Many Benefits of Being Justin Verlander
ヤンキースが1-2のクロスゲームで敗れ、シリーズ3連敗となったゲームだ。球審は、本来はゾーン全体が狭いというデータをもつが、気まぐれな判定ぶりで何をするかわからないSam Holbrook。結果的にヤンキースはそのまま次のゲームでも敗れ、スイープを食らった。
記事によれば、このゲームでバーランダーは、左バッターのアウトコースの判定で、ゾーン外の球を10球程度ストライクと判定されている。その一方、フィル・ヒューズは、5球程度のゾーン内の球を「ボール判定」されている、という。
Sam Holbrookに関する記事:Damejima's HARDBALL:2011年4月15日、Sam Holbrookの特殊なストライクゾーンに手こずったジェイソン・バルガス。バルガス、松阪、コーファクスのピッチングフォーム比較。

この2012 ALCS Game 3で、ヤンキースのチーム初ヒットを打ったのがイチローなら(4回 レフト前)、ただひとり2安打して気を吐いたのも、イチローだ。
だが、試合後のデータをみればわかるとおり、2人の左打者ガードナー、グランダーソンはノーヒットに終わり、左のカノー、左打席のテシェイラも精彩はなかったように、ヤンキースの左バッターは全体としてはバーランダーに抑え込まれた。
October 16, 2012 American League Championship Series (ALCS) Game 3, Yankees at Tigers - Baseball-Reference.com

記事4
年々縮小していく傾向にある「バーランダーの速球につきものの有利なアウトコース判定」
Verlander's Fastball Losing Favor with Umps - Baseball Analytics Blog - MLB Baseball Analytics
かつて100マイルを誇ったバーランダーのストレートだが、その球速が最近になって低下していくのにしたがって、「バーランダーの投げるストライクゾーン外の速球がストライク判定されるパーセンテージ」も年々下がってきてますよ、という主旨の記事。
記事によれば、「ゾーン外の球がストライク判定される率」は、2011年にバーランダーが「16.4%」と高く、この数字より高いパーセンテージをもつ右投手は、リヴァン・ヘルナンデス、フィスター、マーカム、ボーグルソン、ダン・ヘイレン、コルビー・ルイス、ロイ・ハラデイくらいだという。


記事5
2013年に「ストライクゾーン外の球を、最も多くストライクとコールされた投手ランキング」(バーランダーは第3位)
Which Pitchers are Getting Calls, Getting Squeezed? - Baseball Analytics Blog - MLB Baseball Analytics
この記事によれば、「ストライクゾーンを外れた球を、最もストライクとコールされやすい投手」は、どういうわけか、ほとんどが「右投手」ばかりらしい。(アレックス・コブ、カイル・ローシュ、バーランダー、デンプスター、ピービー、バックホルツ、マカリスター、ヘリクソン、ケビン・スロウウィー、マット・レートスの順。逆に、ゾーン外の球を「ボール判定」されてしまいやすいのは、マット・ハービーやジョー・ソーンダースらしい)

だが、確かにALDS Game 5で、有利な判定を受けたとされるバーランダーは「右投手」だが、対戦相手のソニー・グレイだって「同じ右投手」だ。
だから、この程度の「寄せ集めのデータ」では、「右投手が左打者に投げるアウトコースのゾーンは一般に広い」と断言することなど、もちろんできない相談だし、ましてや、「バーランダーのアウトコースのストライクゾーンが、ソニー・グレイに比べてやたらと広かったこと」を、「バーランダーが右投手だから」と説明して済ますことはできない。
こういう記事だけ読んで、「MLBのアンパイアには、右投手が左打者のアウトコースに投げた場合、ストライクゾーンが広く判定されやすくなる傾向がある」と思い込んでも、それはまったく意味がない。



さて、こうしてポストシーズンでのバーランダーのことを書いていると、2012ALCSにおけるイチローの活躍を、あらためて書き起こしたくなってくる。

2012 ALCS Game 1
0-4と、4点リードされて迎えた絶体絶命の9回裏、当時のデトロイトの守護神ホセ・バルベルデから打った起死回生の2ランは忘れられない。初球のど真ん中の速球を見逃した後、バルベルデが投じたインコースいっぱいの速球を振り抜いた。この試合、イチローは2ランを含む4安打。爽快な試合だった。

Damejima's HARDBALL:2012年11月9日、2012オクトーバー・ブック WS Game 4でフィル・コークが打たれた決勝タイムリーを準備した、イチローの『球速測定後ホームラン』 による『バルベルデ潰し』。

October 13, 2012 American League Championship Series (ALCS) Game 1, Tigers at Yankees - Baseball-Reference.com



2012 ALCS Game 3
左バッターにとって、「ポストシーズンで対戦するのは鬼門」とさえいえる右腕バーランダーから、イチローが2安打したゲーム。
速球の衰えがささやかれるバーランダーが、打者を追い込んでから投げる最近の勝負球のひとつが、独特の握りから投げる「チェンジアップ」であることはよく知られているわけだが、イチローの4回のチーム初ヒットは、フルカウントからその「チェンジアップ」を打ったもの。
この記事で書いてきたことでわかるように、「バーランダーがポストシーズンで左バッターに投げるアウトコースの球」は、たとえストライクゾーンから外れていても、ストライク判定されやすい。それをしっかりヒットにしたのだから、たいしたものだ。
左バッターにとって非常にやっかいな「バーランダーのアウトコースの球」を、それもバーランダー有利な判定が頻発するポストシーズンにヒットにするのがいかに難しいかを知れば、このGame 3におけるイチローの2安打の奮闘ぶりが理解できるはず。
October 16, 2012 American League Championship Series (ALCS) Game 3, Yankees at Tigers - Baseball-Reference.com


やはり、どこをどうみても、シアトルから移籍してシーズンの半分だけ過ごした2012年ヤンキースで、ポストシーズン終了まで粘り強く活躍しつづけたイチローが、翌2013シーズンの開幕を「下位打線から再度始めなければならない理由」など、まったく、1ミリも、見つからない。

そもそも、上に挙げたイチローのヤンキース移籍前の、NYY対DETの2011ALDSでのヤンキースの打撃スタッツをみればわかることだが、2011年のポストシーズンの時点で既に、ヤンキースが「勝負どころになると全く打てないチーム」であることは明確になりつつあった。
2011ALDSでいえば、打線全体で5試合で50三振、1試合あたり10三振を喫して、シリーズ敗退。テシェイラ、Aロッド、ラッセル・マーティンの3人は打率1割台でまるでアテにならず、その打てない3人に、ニック・スイッシャー、ジーター、グランダーソンを入れた6人でも、ホームランはたった2本しか打ててない。

つまり、2013年は怪我人が多かったから打てない、のではなく、「怪我人が出まくる前から、見た目ほど打ててはいなかった」というのが正しいわけだ。

近年のビッグネームを並べただけのヤンキース打線の中身がスカスカになってきていたことに誰ひとり気がつかなかったのは、単に、ヤンキースにカネはあっても、分析力は無い、ただそれだけのことである。ジラルディとの4年契約をみても、「ヤンキースの分析力の無さ」ははっきりしている。

damejima at 08:44

October 14, 2013

2013ALDS Game5 Tom Hallionのバーランダー優遇判定
元資料:2013ALDS Game 5 | BrooksBaseball.net: PITCHf/x Tool | Strikezone Maps


これは、デトロイト対オークランドの2013ALDS Game 5における、球審Tom Hallion左打者における判定マップである。例によって、示されているのは「打者の見逃した球の判定」のみであり、「全投球を示す」ものではない。

四角形のドットは、ソニー・グレイ先発のオークランドの全ピッチャー、三角形のドットが、デトロイトのピッチャーの投球(先発ジャスティン・バーランダーとクローザーのホアキン・べノア)を示す。
図は「アンパイア目線」で描かれているため、向かって、左側は三塁側、右側が一塁側である。また、赤いドットは「ストライク判定」、緑色のドットは「ボール判定」を意味する。

黒い実線の大きな四角形は、「ルールブック上のストライクゾーン」、斜線で区切られた四角の部分は、「標準的なMLBの球審の使うストライクゾーン」である。
図をみてわかるとおり、実際のゲームで球審が使う「左バッターのストライクゾーン」は、ルールブック上のゾーンよりも、はるかにアウトコース側が広大にできている。このことは、これまで何度も説明してきたとおりだ。
参考:Damejima's HARDBALL:2010年10月29日、MLBのストライクゾーンの揺らぎ (2)2007年の調査における「ルールブックのストライクゾーン」と、「現実の判定から逆測定したストライクゾーン」の大きな落差。

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さて、図をダブルクリックして、別窓に大きな画像として開いてみてもらいたい。

図の「左側のピンク色の部分」に、非常にたくさんの赤色の三角形が並んでいること、そして、同じエリアの四角形は、そのほとんどが緑色になっていること、がわかる。

これは、「MLB特有の『左バッターのだだっ広いアウトコースのストライクゾーン』と、そのさらに外側のボールゾーン」において、
デトロイトのピッチャーが、左バッターのアウトコースに投げた投球のうち、明らかにボールと思われる4球ほどを含め、かなりのパーセンテージが「ストライク判定」されていること

そしてその一方で、
ソニー・グレイをはじめとするオークランドのピッチャーが、同じく左バッターのアウトコースに投げたきわどい投球では、その大半が「ボール判定」されていたこと
を意味する。

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もちろん、前の記事で書いたとおり、オークランドのALDS敗退の主原因は監督ボブ・メルビンの投手起用ミスにあると思うし、その判断がこのデータによってくつがえることはない。
Damejima's HARDBALL:2013年10月13日、ボブ・メルビンのALDSにおける自滅。相反する「カオス的世界」と「リニアな個人」。


だが、この試合の球審Tom Hallionの判定の酷さについては、後世のオークランドの名誉のためにも、記録のひとつとして残さないわけにはいかない。

バッティング面でいうと、オークランドは右腕バーランダーを打ち崩す目的で、好調の1番ココ・クリスプ以外にも、5番から9番まで、合計6人の左バッターを打線に並べていた。
球審の左バッターのアウトコースの判定がこれほど偏っていたのでは、オークランドの左を並べた打線の狙いが無意味になってしまいかねない。
(ちなみに、バーランダーが「左バッターとの対戦」のほうが三振をとりやすく、四球をだしやすいというデータはあるが、「右バッターより、左バッターに特に弱い」という顕著なデータはない Justin Verlander Career Pitching Splits - Baseball-Reference.com

また、ALDS Game 2で信じがたいほどの快投ぶりをみせていた若いソニー・グレイが、Game 5では一転してランナーを出しまくる不調ぶりをみせた理由にしても、原因の大半は彼自身の「経験不足」や「度胸不足」にあるにしても、球審Tom Hallionのこれほど偏った判定ぶりに左右された部分もあったことを、あえて言い添えておきたいと思う。

とりわけ、グレイはこのゲームで、デトロイトの左バッターの代表である5番ビクター・マルチネスに3安打されている(他に3安打以上した打者はいない)のをはじめ、7番アレックス・アビラと9番ドン・ケリー、2人のバッティングのそれほどよくない左打者に、合計3四球を与えている。
右打者には、ミゲル・カブレラの2ランを除けばそれほど痛打されていないだけに、球審の判定の偏りによって、グレイにかかる左バッターのプレッシャーが非常に大きくなったことは、想像にかたくない。

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ソニー・グレイがこれから経験するMLBは、ときとしてこうしたおかしな判定に遭遇する、やっかいな場所でもある。

ソニー・グレイが今後、豊かな経験を得ることを通じて、こうした判定上の不利にも動じないピッチングのできる、度胸の座った投手に育つこと、さらに、こうしたゲームでは球審の判定の歪みを逆に利用できるほどの狡猾さも身につけること、そして、ヴェテラン球審にさえ「この大投手なら、このコースはストライクとコールしなくてはしょうがないだろう」と思わせるような、バーランダークラスの大投手になることを、祈ってやまない。







damejima at 16:51

August 13, 2013

MLBのアンパイアの「ストライクゾーンにまつわる判定の是非」を後から議論するにあたっては、必ず理解していなくてはならないことが、いくつかある。

何度も書いてきたことだが、MLBのストライクゾーンは、「ルールブック上のストライクゾーン」ではなく、不文律としての「MLBにおける基本的なストライクゾーン」があって、さらには、「右バッターと左バッター、それぞれに異なる慣例的ストライクゾーンがある」のだ。
そして、困ったことに、最終判定に決定的な影響を及ぼすのは、ルールブックでも、バッターの左右で異なるMLBの基本ゾーンでもなくて、「球審ごとに存在する個人差」、つまり、「その球審だけに特有のストライクゾーン」だ。(そして、さらにやっかいなことに、同じ球審でもゲームごとに判定傾向が異なることは往々にしてある)

1)MLBにおける左打者、右打者それぞれの
  基本的なストライクゾーン
2)その球審特有のストライクゾーンのパターン
3)その日だけのストライクゾーンの傾向


ダルビッシュが登板し、ノーヒットノーランかと騒がれた今日のテキサス対ヒューストン戦の6回裏、ジョナサン・ヴィラーの打席の判定で、球審Ron Kulpaのボール判定を不服として抗議したキャッチャーのピアジンスキーが退場処分になったが、このRon Kulpaの判定を、「事後判定」してみることにする。

GameDay
Texas Rangers at Houston Astros - August 12, 2013 | MLB.com Classic

2013年8月12日TEX vs HOU 6回裏 Jonattan Villar

ピアジンスキーが問題にしたのは、4球目の「アウトコースのストレート」と、5球目の「真ん中低めのスライダー」だろう。2球続けて、きわどいコースではある。

これら2つの投球は、以下に挙げたPitch f/xデータで見る限り、「ボール」である。
その意味は2つある。「ルールブック上のストライクゾーンからみると、論議の余地の全くないボール」であり、また、「アウトコースが非常に広い、というMLBの慣例的な左バッターのストライクゾーンからみても、きわどいが、疑いなくボール」なのである。

BrooksBaseball Pitchf/x
BrooksBaseball.net: PITCHf/x Tool

2013年8月12日 TEX vs HOU 6回裏 Jonattan Villar PitchF/X


6回裏 Jonattan Villarへの「4球目」
BrooksBaseball.net: PITCHf/x Tool | Strikezone Maps
破線は、「MLBでの慣例的な左バッターのアウトコースのストライクゾーン」だが、4球目は、わずかにアウトコースに外れている
2013年8月12日 TEX vs HOU 6回裏 Villarの4球目


とはいえ、MLBでのストライク判定を決めるのは、最後は球審の「個人差」だ。
もし、球審Ron Kulpaが「左バッターのアウトコースが通常では考えられないほど広い球審」であるなら、問題の4球目が「ストライク判定」になっていた可能性はある。だから彼のこれまでの判定傾向を確かめないと、何もいえない。
ちなみに、左バッターのアウトコースにあたる「レフト側」が広い球審、というと、過去のデータ上、Derryl Cousins、Tim Timmons、Laz Diaz、Ed Hickox、Bill Miller、Bill Werke、Lance Barksdale、Doug Eddingsなどがいる。ただ、今回問題になった「4球目」をストライク判定するほどレフト側が広い球審は、そのうちでも半分足らず、3人か4人しかいない。

このゲームで球審をつとめたRon Kulpaの判定傾向はどうかというと、彼の過去の判定傾向によると、彼のレフト側のゾーンは確かに「広め」ではあるが、かといって、問題の4球目をストライク判定するほど、広くはない
また、この試合を通しての判定傾向は、左バッターのアウトコースを極端に広くとっていたわけではないし、また、6回裏のジョナサン・ヴィラーの打席に限って判定傾向が大きく変わった、とはいえない。
そして、彼はもともと判定の正確なアンパイアのひとりである。
参考記事:Damejima's HARDBALL:2011年6月2日、まるで「記録達成」を阻止したいのかとでも疑りたくなるような、今シーズンのイチローに対するアウトコースのストライクゾーン。(1)

球審Ron Kulpaの例年の判定傾向
(元資料:Hardball Times)
赤い線:「ルールブック上のストライクゾーン」
青い線:「Ron Kulpaの判定傾向」

Ron Kulpaのストライクゾーン


ここまでの検証によって、今回の「Ron Kulpaの判定」に対する事後検定というか、二次的な判定は、「4球目」、「5球目」、いずれも、「ボール判定」でさしつかえない」、となる。ジョナサン・ヴィラーの4球目、5球目は、いずれも「ボール」だ。

ちなみに、スポーツにおける退場処分を専門に扱うユニークなサイト、Close Call Sportsがこの判定をどう判断したのか、確かめてみると、彼らはこのRon Kulpaの判定に関してcorrect、つまり、球審Ron Kulpaの判断が「正しい」と断定している。

Close Call Sportsによる判断
MLB Ejection 129: Ron Kulpa (1; AJ Pierzynski) | Close Call Sports and the Umpire Ejection Fantasy League

damejima at 11:54

July 03, 2013

先日、MLBアンパイアとしては若い50歳代のTim Tchidaが引退を決意した理由のひとつが、バッターのファウルチップがアンパイアのマスクを直撃する衝撃が長年積み重なったことによる首などの慢性的な怪我だった、という記事を書いたが、膝の怪我で休養している別のアンパイア、43歳のBrian Rungeにも怪我による引退の噂がある、と書いた。
Damejima's HARDBALL:2013年6月12日、アンパイア寿命を脅かす 「ファウルチップの脅威」。近年のデータ主義野球の浸透による「ピッチャーの平均投球数の増加」と、アンパイアの疲労。

ところが、そのBrian RungeがMLBがアンパイアに対してランダムに行う薬物検査に落ち、その結果トリプルAのアンパイアに降格処分になったと、MLBが発表した。
てっきり膝の怪我が周囲の同情を集めているものとばかり思っていただけに驚いた。(かわりにChris Conroyがメジャーのアンパイアに昇格)
AP NewsBreak: People familiar with situation say MLB umpire Runge let go after drug violation | Fox News

MLB dismisses umpire for drug violation - MLB - SI.com

彼の薬物検査からどんな薬物が発見されたのかは公表されていないが、MLBアンパイアのトリプルA降格がかなり重い処分なのは間違いない。World Umpires Association代表をつとめるJoe Westもコメントを拒否しているほどだ。(シーズン途中の降格は2000年以来らしいが、そのときの降格理由は「怪我」であり、やむをえない理由だから、今回とは意味が違う)

憶測でモノを言ってもはじまらないが、Rungeは、祖父から親子3代にわたってMLBアンパイアをつとめてきた家系で、よほどのことがなければ職を失うとは考えられない。その彼が公表できない理由で、しかもシーズン途中で降格処分になったのだから、ただごとでない理由による降格なのは、おそらく間違いない。


イチロー線引き退場事件

Brian Rungeは、イチローがアウトコースの判定に怒ってベース脇にバットで線を引いて、MLBでは初の退場処分にさせられたときの球審であることは何度も書いてきたが、彼はさらに、2012年4月21日ホワイトソックスのPhillp Humberがシアトル戦で完全試合を達成したゲーム、そして同年6月8日こんどはそのシアトルが複数投手によるノーヒット・ノーラン、combined no-hitterを達成したゲームの、両方の球審でもあった。
参考記事:Damejima's HARDBALL:2012年6月8日、複数投手によるノーヒット・ノーラン、combined no-hitter達成!記念すべき試合の決勝点はイチロー!

完全試合とcombined no-hitterの両方で球審だったBrian Runge


damejima at 08:45

June 13, 2013

最近、どうも球審のストライク・ボールの判定がよろしくない、と感じることがある。ゾーンが広いとか狭いとか、きわどい球の判定がどうこうとか、細かいことを言いたいのではなく、「明らかなストライクなのに、『ボール』と平然とコールする球審がいる」、と感じるのだ。

そういうとき、今日のアンパイアは誰だ?と思って調べてみると、知らない名前のアンパイアだったりする。

単なる偏見かもしれないが、この現象、今シーズンが始まる前にMLBのクルーチーフクラスのアンパイアが3人も同時に入れ替わったからじゃないか、と思っているのだが、どうなんだろう。

2013シーズン前に引退したアンパイア
Derryl Cousins 66歳
Tim Tschida 55歳
Ed Rapuano 52歳

新たに採用されたアンパイア
Vic Carapazza
Manny Gonzalez
Alan Porter

クルーチーフに昇進したアンパイア
Ted Barrett
Fieldin Culbreth
Jim Joyce


2013シーズンのクルーリスト
2013シーズンのクルー表
ソース:2013 MLB Umpire Crew List | Close Call Sports and the Umpire Ejection Fantasy League


今年引退したアンパイアのうち、4,496試合も裁いた御年66歳のDerryl Cousinsは、MLBで33年間も働いた大ヴェテランだから、まぁ、引退といっても、年相応の定年みたいな意味の引退だが、残りの2人、TschidaとRapuanoはまだ50代なのだから、ちょっと早すぎる。


Tim Tchida自身が引退理由をインタビューで語っているのでちょっと訳出しておく。彼は引退理由を「首から上の怪我のため」と言っているわけだが、(彼自身は明言してないが)慢性的な怪我をする原因が「ファウルチップによる強烈な衝撃」にあるのは明らかだろう。
やはりアンパイアは大変な商売だと、あらためて思う。

引用元:Former umpire Tim Tschida 'having a ball' as prep assistant coach - TwinCities.com

BS: You're still a young guy. Why did you retire from umpiring?
まだ若いのに、なぜ引退?

TT: I've had some concussions and some upper-neck injuries over the years. I've spoken to a couple of experts who've said, "You're one hard foul tip away from quality-of-life issues." That was a big part of it. And quite frankly, I'm tired of the travel. Thirty years of running in and out of airports, it was enough. When I came in, the average number of pitches in a major league game was 200. Today, it's 300. Just working balls and strikes alone at the major league level is twice as hard as when I came up. It's so scrutinized, and there's the replay and the talk of changes and all the things that were there. I just thought, "It's time."

長年、脳震盪と首の上のほうの怪我を患ってたんだけど、何人かの専門家に聞いたら、『あと1回強烈なファウルチップを受けたら、それこそ今後の人生がフイになる重大事になる』って言われてね。それが最大の理由さ。
それと、率直に言って、旅に疲れたんだ。なんせ30年間も空港を行ったり来たりしたんだぜ? もう、たくさんだ。
俺がメジャーのアンパイアになったとき、MLBの1ゲームあたりの平均投球数は「200」だったんだ。それが、今じゃ「300」さ。(厳密な判定が要求される)MLBレベルでボールとストライクを判定する仕事をするってことは、俺がこの仕事に就いた時より2倍もハードになってるんだよ。あれこれ人に詮索されるし、今じゃインスタント・リプレイもある。判定の変更について議論もしたりしなきゃなんない。あらゆるものが変わった。で、ふと思ったんだ。『もう潮時だぜ』ってね。

上の記事を引用したClose Call Sportsによれば、Ed Rapuanoの引退理由も、Tim Tschidaと似たような理由らしい。さらに、Brian Rungeにも怪我が原因で引退するのでは、という噂があるらしい。

Meanwhile, Ed Rapuano retired to the position of MLB Umpire Evaluator due to similar injury concerns.
Rumor: AAA Umpire May be Hired, Replacing Brian Runge | Close Call Sports and the Umpire Ejection Fantasy League


Tim Tschidaがメジャーデビューしたのは1986年。ヤンキースでいうと、ルー・ピネラが監督、ドン・マッティングリー、リッキー・ヘンダーソンが現役選手という時代の話なわけだが、以下のデータで見る限り、Tim Tschidaが「俺がMLBに入った頃は、ピッチャーの投球総数は200だった」というのはちょっと大袈裟な数字であって、実際には、「1チームあたり130ちょっと」くらい、「両軍あわせて260くらい」と見るのが妥当じゃないかという気がする。
でも、まぁ、それにしたって、近年バッターが、selective、つまり、ますます球を選ぶようになっているのは事実だ。そして、その背景に「セイバーメトリクスの影響」があるのは、おそらく間違いない。
1980年代末以降の投球数の増加 via Baseball Reference
The average number of pitches thrown per game is rising ≫ Baseball-Reference Blog ≫ Blog Archive

いつもアンパイアの判定にケチをつける記事ばかり書いているが、こういう記事を書いたときくらいは、常にファウルチップの危険に晒され、選球眼ばかりがやたらと強調される嫌な時代にアンパイアをやってくれている人たちへ、感謝の気持ちを思い出しておこう。

お疲れ様。Tim Tschida。
あなたがピッチャーからの不平不満に神経をすり減らしてコールし続けた「MLBで最も狭いストライクゾーン」を、いつまでも忘れないよ(笑)
Which umpire has the largest strike zone?

damejima at 04:53

May 28, 2013

つい先日のオークランド対クリーブランド戦で、クルーチーフ (日本でいうところの「責任審判」) としてインスタント・リプレイを見たのに誤審をやらかした上、正当な抗議をしたボブ・メルビンの退場処分までやらかして、全米のMLBファンとメディアに完全にダメ審判の烙印を押されたAngel Hernandez(1961年生まれ 51歳)が、5月24日ホワイトソックス対マイアミ戦の延長10回裏のサヨナラ判定で、またもや「試合結果そのものを左右するレベルの誤審」をやらかしてくれた。

エンジェル・ヘルナンデスの誤審 CHW×MIA 20130524

この誤審は、延長10回裏の1死満塁で、ホワイトソックスのアレックス・リオスが打った内野ゴロのダブルプレー判定で起きている。当然リオスがもし「セーフ」なら、サードランナーは生還できている。
つまり、Angel Hernandezの誤審がなければ、後攻のホワイトソックスはサヨナラ勝ちしていたのである。
ボブ・メルビンの退場といい、この誤審といい、酷いものだ。この角度で見て正確に判定できないのなら、彼自身にMLBから退場してもらったほうがいいかもしれない。


聞くところによると、日本でも約1っか月半くらい前の4月17日(日本時間)、巨人×阪神戦でもかなり酷い誤審があったらしい。
日本のプロ野球のアンパイアの動向には詳しくないし、プロ野球自体、専門外なわけだが、これは写真でみても、ハッキリ誤審とわかる。
一塁塁審のセ・リーグの牧田匡平というアンパイアは、例によってどうやらこれまでにも何度か誤審トラブルを起こしているらしく、コアなプロ野球の審判マニアの間ではとりあえず有名なアンパイアのひとりらしい。
画像でみた人間ですらイラっとするくらいだから、現場のスタジアムにいあわせたファンは、さぞかし血圧が上がったに違いない。困ったものだ。

2013年4月17日 巨人・阪神戦の牧田匡平審判による誤審

2013年4月17日 巨人・阪神戦の牧田匡平審判による誤審

2013年4月17日 巨人・阪神戦の牧田匡平審判による誤審


この牧田匡平という人はフロリダのハリー・ウェンデルステッド審判学校に留学したと、経歴にある。
この学校は、その名のとおり、MLBのアンパイアが作った学校だが、設立したのは、現在41歳の現役アンパイアHarry Wendelstedt 3世ではなく、彼の父親で、33年もの長きにわたってナ・リーグ審判をつとめ、去年2012年3月9日に73歳で亡くなられたHarry Wendelstedt, Jr.氏だ。
(ちなみにこの2人は、MLB唯一の「同時に審判をつとめた親子」でもある。Harry Wendelstedt, Former NL Umpire who "Lived for Baseball," Dead at 73 | Close Call Sports and the Umpire Ejection Fantasy League

現役審判の、息子Harry Wendelstedt 3世のエピソードで有名なのは、なんといってもミネソタ・ツインズ監督ロン・ガーデンハイアーとの確執だろう。
彼がこれまでに5回ほどガーデンハイアー(彼のチームのコーチや選手が同時に退場させられることもあった)を退場処分にしていることは、このブログでも2010年に書いたが、たしかにひとりのアンパイアが同じ監督を通算5回も退場処分にしているなんて話は、他にちょっと聞いたことがない。
Damejima's HARDBALL:2010年10月7日、ディヴィジョン・シリーズ第2戦で退場させられたミネソタの監督ロン・ガーデンハイアーと、球審Hunter Wendelstedtとの間にかねてからあった軋轢。

Harry Wendelstedt 3世の年度別退場コール数
4 (2005)
6 (2006)
4 (2007)
4 (2008)
5 (2009)
6 (2010)
8 (2011)
1 (2012)
UEFL Profile of MLB Umpire: Hunter Wendelstedt | Close Call Sports and the Umpire Ejection Fantasy League

2011年の被退場者
Close Call Sports and the Umpire Ejection Fantasy League: Hunter Wendelstedt
LAAジェレッド・ウィーバー投手 7月31日 正
LAA監督マイク・ソーシア 7月31日 正
ATL一塁手フレディ・フリーマン 8月8日 正
ATL監督フレディ・ゴンザレス 8月8日 誤
MIN三塁手ダニー・バレンシア 8月22日 正
MIN監督ロン・ガーデンハイアー 8月22日 正
COL監督ジム・トレーシー 8月26日 正
TB監督ジョー・マドン 9月16日 誤
(正=正しいコール 誤=誤審)

Harry Wendelstedt 3世の名誉のために言っておくと、いくらロン・ガーデンハイアーとの間に確執があるといっても、上のデータでわかるように、かつての彼の退場コールは数が多かったのは確かだが、退場コールの中身には問題がなかった。



Harry Wendelstedt 3世とガーデンハイアーの確執はともかくとして、Angel Hernandezといい、牧田匡平といい、どういう理由でそうなったのかはわからないが、このところアンパイアの明白な誤審(特に1塁での誤審)が、あとをたたない。

例えばAngel Hernandezがホワイトソックス戦のダブルプレーで誤審を犯したのと同じ5月24日のTEX×SEAでは、Jeff NelsonがHernandezと同じダブルプレー判定で誤審を犯している。
彼は一塁塁審として、2回裏に3-6-1のダブルプレーが成立したとしてアウトをコールしているのだが、このプレー、ショートからの送球をファーストでグラブに収めているのは、「1塁ベースを実際に踏んでいた一塁手ミッチ・モアランド」ではなく、なんとモアランドと交錯した「1塁ベースをまったく踏んでいないピッチャーのジャスティン・グリム」なのである。

おまけに、このJeff Nelsonの誤審で、シアトル監督エリック・ウェッジは抗議に行っているのが動画でもわかるが、この、かつて2011年に「まだカウントは3ボールなのに四球判定され、しかも、それに気づいていたのにもかかわらず、球審に抗議に行かなかった」このトンチンカンな監督は、ジェフ・ネルソンの犯した誤審に気がついたわけではなく、なんと「一塁手ミッチ・モアランドの足が離れた」という点について抗議しているというのだから、ほんと、どうしようもない。(資料参照:試合後の公式サイトの記事 Texas Rangers at Seattle Mariners - May 24, 2013 | MLB.com SEA Recap
Damejima's HARDBALL:2011年7月24日、みずから牙を抜いて相手にさしだしてチームに「負け犬メンタリティ」をたっぷり塗りこめた「負け犬指導者」エリック・ウェッジの「3ボール四球黙認事件」を批判する。




damejima at 02:06

May 09, 2013

プログレッシブ・フィールドで行われていた2013年5月8日のオークランド対クリーブランド戦で、クルーチーフAngel Hernandezの酷い「誤審の誤審」が行われた。

Angel Hernandezには、心底落胆させられた。もうこの審判を持ち上げるようなことは二度としない。

理由は、説明などしなくとも、ビデオを見てもらえばわかる。(MLB.comのウェブサイトのビデオ編集担当者も、この判定が「誤審」であることはわかっていたため、手すりに跳ね返るシーンが繰り返し繰り返しレビューされている)

Baseball Video Highlights & Clips | OAK@CLE: Rosales' fly ball reviewed, ruled a double - Video | MLB.com: Multimedia

MLB Ejection 030: Angel Hernandez (1; Bob Melvin) | Close Call Sports and the Umpire Ejection Fantasy League



9回表、3-4と1点ビハインドで迎えたオークランドの8番バッター、アダム・ロサレスは、クリーブランドのクローザー、クリス・ぺレス(2012年5月に「なんでファンは見に来ないんだ」と発言して問題になったピッチャー)のストレートを強振。
打球は、左中間スタンドにスタンドインし、「ファンが落下するのを防止する金属製の手すりに当たって」から、跳ね返って外野のフィールドに落ちてきた。

だが、この打球は最初2塁打と判定され、オークランド監督ボブ・メルビンが抗議。インスタントリプレーによる判定(いわゆるビデオ判定)が行われることになり、審判団がビデオルームに消えた。
その間、メルビンは、よほど確信があったのだろう、(というか、ビデオを見れば、確信があって当たり前の打球の跳ね方だが)、落ち着いた様子で判定結果を待った。

だが、なんと、ビデオルームから戻ってきたクルーチーフ(日本でいう責任審判)のAngel Hernandezは、「自分の目で事実を見ている」にもかかわらず、二塁打を宣言したため、ボブ・メルビンが猛抗議。その結果、メルビンは退場になった。

ボブ・メルビンを退場させるエンジェル・ヘルナンデス(20130508)

もちろん、アダム・ロサレスの「9回2アウトからの起死回生の同点ホームラン」も「無かったこと」にさせられた。オークランドはこの後満塁にまで詰め寄ったが、あと1本が出ず敗れた。


この件は、「審判それぞれにストライクゾーンには癖があるから、最も大事なことは、判定傾向をコロコロ変えないことだ」とか、「審判も人間なのだから、間違うこともある」とか、そういう話は一切通用しない。

悪質なことに、これは単なる誤審ではない。度重なるアンパイアの誤審を修正し、判定精度を上げるために導入されたインスタントリプレーだというのに、Angel Hernandezは、その修正そのものを拒否してみせた。


なんのためのビデオ判定だ。これではインスタントリプレーが存在する意味自体がないがしろになる。MLB機構は、Angel Hernandezをなんらかの形で謝罪させるべきだ。

当ブログは今後、このアンパイアを持ち上げるような馬鹿な真似は、もう二度としない。

Umpires help Indians beat Athletics - SweetSpot Blog - ESPN

MLB says umpires made wrong call in game between Oakland Athletics, Cleveland Indians - ESPN

MLB admits Angel Hernandez blew call, ruling Adam Rosales’ home run a double  - NY Daily News

damejima at 15:39

September 09, 2012

2012年9月8日 2回表 イチロー タイムリー二塁打

動画:Baseball Video Highlights & Clips | NYY@BAL: Ichiro swats a double to score Martin - Video | MLB.com: Multimedia
Gameday:New York Yankees at Baltimore Orioles - September 8, 2012 | MLB.com Classic

これはボルチモア第3戦の2回表に、左投手ジョー・ソーンダースからセンターオーバーのタイムリー・ツーベースを打ったイチローの配球データ。左投手のインコースの球を、センター奥までライナーで打ち返したことに、今後のイチローを占う深い意味がある。

下記のデータを見てもらいたい。

これは、今シーズンのイチローの対・右投手と対・左投手に対するホットゾーンのうち、コース別の「打率」を示した図。「低め」の球には、鬼のように強い。

2012年 対・右投手打率(absolute color mode
これは得意コースを赤苦手コースを青で表したもの。
Baseball Prospectus | PitchFX Hitter Profile: Ichiro Suzuki
イチロー 2012年右投手ホットゾーン(absolute color mode)


同じデータを、「得意さの度合い」によって相対的に色に濃淡をつけるRelative Color Modeで見ると、こうなる。
イチローは、キャリア通算で、MLBの投手たちが決め球として非常によく使う真ん中低めの球に鬼のように強いというデータが残っている。さらに、球種で言うと、とあるブログによれば、チェンジアップなどのオフ・スピードの球に非常に強いというデータがある。(資料:Best Offspeed Hitters - Baseball Analytics Blog - MLB Baseball Analytics
そのキャリア通算でみられる「右投手の低め、特に、真ん中低めに滅法強い」という傾向は、2012年もまったく変わっていない。

2012年 対・右投手打率(relative color mode)
イチロー 2012年右投手ホットゾーン(relative color mode)



同じことを、こんどは対・左投手について見てみる。
例えば、インハイに強いことがわかる一方で、インローに広い苦手ゾーンがあることがわかる。

2012年 対・左投手打率(absolute color mode)
Baseball Prospectus | PitchFX Hitter Profile: Ichiro Suzuki
イチロー 2012年左投手ホットゾーン

2012年 対・左投手打率(relative color mode)
イチロー 2012年左投手ホットゾーン(relative color mode)


2007年からこうしたホットゾーンデータを収集しはじめていると思われるBaseball Prospectのデータで、2007年〜2012年のデータを見ると、2007年以降の通算と今シーズンを比べたときの、対・左投手に対する打撃成績の違いは、ホットゾーンに如実に表れている。

2007年〜2012年 対・左投手打率
(absolute color mode)
2007年〜2012年 対・左投手ホットゾーン(absolute color mode)

2007年〜2012年 対・左投手打率
(relative color mode)
2007年〜2012年 対・左投手ホットゾーン(relative color mode)


だが、こういう単純データだけが野球ではない。
こういうデータの断片だけを見て、やれ「イチローは左投手のインコースの球が打てなくなった」だのなんだの言いたがるデータ馬鹿は、日本にもアメリカにも山ほどいるわけだが(笑)、彼らがイチローのことをまるでわかってないということは、よくわかる。

というのも、イチローが「インコースのハーフハイトを苦手にしている」という事実自体は、なにも今シーズンに始まったことではないからだ。
上の2007年〜2012年のデータで見てもわかるが、インコースのハーフハイトのコース別の打率は、.220と、稀代の天才安打製造マシン・イチローにしてはかなり低い数字だった。だから、今シーズンの打率全体が下がったのは事実であるにしても、特別に今年だけがインコースを打てていないわけではない。


ブログ主がむしろ今年のイチローのホットゾーンに驚きを感じるのは、「ボールゾーンの球をヒットにする率が下がっていること」だ。

最近はセイバーメトリクスが幅をきかせるようになったせいか、やたらと打者に一定の出塁率を求める声が大きいが、イチローはもともとそういうタイプではない。(ちなみに、セイバーメトリクスの重要性や真実味が、セイバーが世の中に初めて登場した時代ほどでは無くなりつつあり、むしろ信頼性が低下しつつあることには、大半の人は気づいていない)

確認しておくと、イチローの選球眼は悪いわけではない。むしろ、かなりいいほうだ。

だが、天才というもの特徴は、
枠にはまらないこと」だ。

イチローは、ストライクだろうが、ボールだろうが、かたっぱしからバットに当ててヒットにできる。だから、ホットゾーンで見るとわかることだが、ストライクゾーンをはずれたボール球の打率が異常に高い。
こんなバッター、他にはウラジミル・ゲレーロくらいしか思いつかない。

なのに、最近では、無能監督エリック・ウェッジではないけれども、イチローに、あれをやれ、これをやれ、あれはするな、これもするなと、余計な「常識的な制約」を設けたがる指導者があまりにも多すぎる。
そして、悪いことに、イチローも、その律儀で真面目な性格が災いして、「ストライクだけを振り、ボールを見逃そうとする」ような、つまらない「常識」が働くようになってきてしまっている

それがいけない、と、ブログ主は思う。
天才は常識になど従う必要は、まったくない

どんなコースのボールだろうと、イチロー自身が「打てる!」「ヒットにできる!」と思ったのなら、好きなように振れば、それでいいのである。彼はそういうプレースタイルで野球殿堂に入ろうとしている稀代の天才打者なのであって、常識にまみれた他人がとやかく言うのは筋違いというものだ。

早くそういう「非常識なイチロー」を見たいものだが、今日の左投手のインコース打ちの成功は、イチローのバットがフル稼働する日が遠くないことを物語っている。



それにしても、ヤンキースに対するアンパイアの判定の酷さは、日に日に度を越してきている。
既にイチローへのアウトコースの判定の滅茶苦茶さについては記事にしたが、ああいう「いかがわしい判定」が、イチローに対してだけではなく、ヤンキース全体に行われつつあることを、ニューヨークのメディアも、今日のマーク・テシェイラのダブルプレー判定で思い知ったのではないだろか。
Damejima's HARDBALL:2012年9月4日、レイズ戦球審Tony Randazzoによる、8回表イチローへの2球目のありえない悪質なストライクコール。

このダブルプレー判定については、ニューヨークのメディアの大半はとにかく怒り狂っていて、一塁塁審Jerry Mealsの誤審を名指しで罵っている。(大メディアであるNew York Timesのタイトルと写真だけは冷静な対応だが、それでも本文中では冒頭部分で批判している)

NY Post
9月8日のダブルプレーを誤審したJerry Mealsを罵るNYメディア
Blown call costs Yankees in loss to Orioles; Girardi heated after game - NYPOST.com

Blaming umps is loser talk - NYPOST.com

NY Daily News
Jerry Meals' blown call in 9th inning dooms Yankees to 5-4 loss against Baltimore Orioles - NY Daily News

NY Times
Yankees Lose to Orioles and Drop Back Into Tie for A.L. East Lead - NYTimes.com

2012年9月8日 ボルチモア戦9回表 一塁塁審Jerry Mealsの誤審2
2012年9月8日 ボルチモア戦9回表 一塁塁審Jerry Mealsの誤審3
2012年9月8日 ボルチモア戦9回表 一塁塁審Jerry Mealsの誤審1


しかしまぁ、これでようやく、アンパイアたちがア・リーグ東地区の勝敗を操作したがっているということに、多くの人たちが気づくことだろう。それはそれで、遅ればせではあるにしても、いいことだ。

マトモに勝とうと思ったら、有無を言わせない勝ち方をしないと、クロスゲームでの判定でこれからも繰り返し嫌な思いをすることになりそうなわけだが、現状の投手陣の崩壊ぶりを考えると、なかなか有無を言わせない勝ち方もできない現状なのが辛いところである。


ちなみに、このJerry Mealsというアンパイア、昨年2011年7月26日のピッツバーグ対アトランタ戦延長19回にも、ありえない誤審を犯して問題になっている。
Pittsburgh Pirates at Atlanta Braves - July 26, 2011 | MLB.com PIT Recap

2011年7月26日パイレーツ対ブレーブス戦でのJerry Mealsの誤審

この試合、延長19回裏の満塁の場面で、アトランタのスコット・プロクターがサードゴロを打ち、ピッツバーグの三塁手ペドロ・アルバレスがホームに送球、ホームに突入した三塁走者フリオ・ルーゴはホームプレートの1メートル以上も手前でキャッチャーにタッチされた。
だが、球審Jerry Mealsは、この明らかすぎるアウトを「セーフ」と大誤審して、アトランタをサヨナラ勝ちさせたのである。
この判定が誤審だったことは、後にMLBが公式に認めている。
July 26, 2011 Pittsburgh Pirates at Atlanta Braves Box Score and Play by Play - Baseball-Reference.com

Major League Baseball and umpire Jerry Meals agree Meals made the wrong call in Atlanta's 4-3, 19-inning win over Pittsburgh early Wednesday morning.
MLB acknowledges Jerry Meals' missed call after Pittsburgh Pirates file complaint over 19-inning loss - ESPN




damejima at 21:42

September 06, 2012

「父親とベースボール」という記事の最後のまとめに向かって資料を読みあさる毎日が続いている。

Black Athena Writes Back: Martin Bernal Responds to His Critics例えば、『黒いアテナ』によって歴史学に旋風を巻き起こしたマーティン・バーナルが、『黒いアテナ』に対する各界からの反論に対する再反論をまとめた著作 "Black Athena Writes Back: Martin Bernal Responds to His Critics" (デューク大学出版会)は、日本では今年やっと訳本が出版されたばかりだが、その序文でバーナルは、「文化のオリジナリティをどう判断するか」について、非常に面白い指摘をしている。
この指摘は、短く触れるのがもったいないほど、あまりにも面白い。そのうち時間をみつかればちょっとした解説を書くつもりだが、「さまざまなものが外部から流入してミクスチュアを起こした場所にも、ゆるぎないオリジナリティは存在する。『流入』と『オリジナリティ』は矛盾せず、両立する」というバーナルの「オリジナリティに関する新しい発想」は、あまりにも面白い。

実は、この話が書かれているのは、序文ののほんの数行にすぎない記述部分なのだが、あまりにもクリエイティブな発想が含まれているためか、電気で打たれたように目からウロコが落ちた。
ロンドンオリンピックのあまりにも退屈な閉会式にみられたように、音楽であれファッションであれ、今のクリエイティブがあまりにもつまらないと感じている人には、ぜひこの著作の序文を読むことを薦めたい。それくらい、バーナルの基本姿勢はいい。


バーナルの『黒いアテナ』によって欧米文化の根幹を否定されたかのように感じて、躍起になって反論したがる欧米の研究者はとかく多いわけだが、独特の発想から「日本文化のあり方を敬愛する」と語るマーティン・バーナルは、実はギリシア文化をまったく否定などしていない。
ギリシアと日本とアップルの文化的共通点を、むしろ、バーナルなら記述できると思う。誰かこのテーマで彼にインタビューをすればいいのに、もったいない。日本文化には大陸から伝わったものも少なくないが、その大半をオリジナル化することに成功した日本独特の「オリジナル化するチカラ」の高さが、これほど短い言葉でわかりやすく説明されたのは初めてなのではないだろうか。

「起源こそがオリジナリティである」なんていう決めつけは、「最もオリジナリティのないオリジナリティ観」である。なんでもかんでも「起源」にこだわるような硬直した古い歴史観では、変容しつつある「オリジナリティの新しい意味」はまったく理解できないだろう。
(それは、他国の創造物をパクリ続けている人たちの好きな、みすぼらしい起源論とやらからも、また、以下のくだらない記事にみる某企業の元幹部という人の誤った過去のレビューの発想からも、よくわかる。シャープ元幹部が実名で明かす 日本のテレビが韓国製に負けた「本当の理由」  | 経済の死角 | 現代ビジネス [講談社]


と、まぁ、ひたすら野球以外のことにかまけているわけだが、ヤンキース対レイズの初戦で、8回に代打で出たイチローが三振したことくらいはわかっている。

その後、見ていると、この三振について、日本のメディアにも掲示板にも、どこにもきちんとした分析が載っていない。単に思いつきの書き込みや記事が並んでいるだけだ。
どうせ、いつものことだが、誰も彼もきちんとしたデータなど見ずに、テキトーに思いつきだけ書き並べて、「野球を語ったつもり」になっているわけだ。

くだらないにも程がある。

最近、日本と海の向こうの某国との間で、領土やなんやかんやの揉め事が表面化したせいなのかなにか知らないが、感情的なイチローバッシングも相変わらず多い。8番打者が打たないとポストシーズンに行けないような、ひ弱なチームは、最初から強くないのである。簡単な話だ。
また、他方では、カリフォルニアの裁判でサムスンへの訴訟に勝ったアップルへの執拗な攻撃もある。例えば、ニューズウィーク日本版のアップル批判記事などは、よくもまぁ、これだけ根拠の無い記者の主観を並べて批判したつもりになれるものだと感心するような、嘘くさい記事ばかり並んでいる。よほど悔しかったどこかの企業が金を出してパブリシティ記事でも書かせたのだろう。
(それにしても、某携帯電話のショップ内には、どうしてああも、日本語の怪しい人間が常駐しているのだろう? 日本人名のついた名札さえつけていれば日本人だと思ってもらえるとでも思っているのだろうか)


Tony Randazzoに抗議するジラルディ(この後、退場)
タンパベイ初戦でヤンキース監督ジョー・ジラルディは、球審Tony Randazzoの4回のクリス・ディッカーソンに対する見逃し三振判定を巡って、退場処分になっている。

実は、このアンパイアのチームにジラルディが退場させられるのは、今シーズン2度目なのだ。(最初の退場も既に記事にしている)
Damejima's HARDBALL:2012年8月9日、三塁塁審Tim Welkeのレフト線判定の優柔不断さに抗議して退場になったジョー・ジラルディの求める「ファイト」。
今日の4人のアンパイアのうちの3人、Tony RandazzoTodd TichenorBob Davidsonは、ジラルディが三塁アンパイアTim Welkeの判定を不服として抗議を続けて退場になった8月9日のタイガース戦でもアンパイアをつとめていたのだ。因縁の間柄といわざるをえない。



データで見るかぎり、ジラルディを激高させたディッカーソンの4球目判定それ自体は、よくある「きわどい球」のひとつでしかないとは思う。
曖昧なデータでしかないGamedayだけ見てモノを言っている人には「ボール」に見えたかもしれないが、PitchF/Xデータで見ると、たしかに「きわどい高さ」ではあるが、逆に言えば、「よくある普通のきわどい球」でしかない。
また、Tony Randazzoは、もともと低めをあまりとらず、高めのストライクゾーンになる傾向のアンパイアだ。

だが、たとえそうだとしても、ジラルディが退場するほど怒りまくったのも当然なほど、このところのヤンキースに対する球審のコールが酷いのは確かだから、ジラルディの抗議そのものは支持できる。

このところのアンパイアの判定は、このところ常にヤンキースの対戦チームに有利に働きすぎている。なにかこのところ、まるで球審全体が「ア・リーグ東地区を接戦状態にして、9月の野球を面白くしてやろう」とでも思っているかのような印象さえ受ける。
だから、ジラルディの抗議は、こと、ディッカーソンの判定への個別の抗議という意味よりも、このところずっと続いているヤンキース不利の判定の連続に、「もう、いい加減にしてくれ!」と抗議し、アンパイアのパフォーマンスを牽制する意味で、適切な対応だと思うし、当ブログはジラルディを支持する。
(この間のボルチモア戦で、ブルペン投手の酷い継投と、当たっているディッカーソンにアンドリュー・ジョーンズを代打に出したりした采配ミスは最悪だったが、それはそれ。ミスのない監督など、いない)


退場に関するデータをまとめているClose Call Sports: Ejectionsでも、さっそくこの退場をデータを交えた記事にしている。
Close Call Sports: Ejection 148: Tony Randazzo (2)


ジラルディが退場になったディッカーソンの4球目判定よりも、問題なのは、同じゲームの8回に代打で三振したイチローへの2球目の判定だ。
このイチローへの2球目の、アウトコースの4シームの判定の悪質さ、酷さに比べたら、ディッカーソンの4球目の判定くらい、どうっていうことはないレベルなのだ。
というのは、8回表のイチローへの2球目のストライクコールは、ありとあらゆるデータ上においてパーフェクトに「ボール」であり、しかも、このゲーム全体において「8回のイチローの打席でしかやっていない、異質かつ悪質な誤判定」だからである。

それくらい、8回のイチローへの2球目の判定は酷いし、悪質だ。

アウトコースにボール3個半から4個くらい外れているクソボールを「ストライクコール」されたら、どんなバッターでもインコースいっぱいの球(4球目)に手が出るわけがない。三振して当たり前だ。

Tony RandazzoTony Randazzo


まぁ、データを見るといい。

2012年9月4日 イチロー 8回表 三振New York Yankees at Tampa Bay Rays - September 4, 2012 | MLB.com Classic


2012年9月4日イチロー 8回表 三振 球審Tony Randazzo
Brooks Baseball · Home of the PitchFX Tool - Strikezone Map Tool

何度も何度も書いてきているように、MLBでは左打者と右打者のストライクゾーンは同じではない。(もちろん、世の中の野球ファンとやらは、そんなこと気にもかけずに、知ったかぶりを語り続けている)
優れたPitchf/xデータを提供してくれているBrooks Baseballが、球審のコール(=打者の見逃した球)をマッピングする際には、まずいったん全データをマップ上に並べ、次に、それぞれのバッターの体格の違いを考慮した補正を加え、さらに、右バッターと左バッターで分けて表示している。

上の図は、この日の球審Tony Randazzoが、左バッターに対して行ったコール(打者の見逃した球のみ)をいったんマッピングして、その後補正したマップだが、黒い実線で囲まれた四角形は「ルールブック上のストライクゾーン」であり、黒い四角形の左側部分に延長されている「破線部分」は、「MLBの球審が、左バッターに対する判定を行うとき特有の、アウトコースのストライクゾーンの広さ」を示している。
左バッターのアウトコースのゾーンの拡大部分の大きさは、アンパイアによって個人差はあるが、標準的には、だいたい「ボール2個分程度」と考えられる。

このデータを見てもらうとわかるとおり、イチローへの2球目のアウトコースの4シームは、ボール3個半くらいは外れており、しかも、こうしたアウトコースの「異常に広い判定」は、このゲームにおいて、なんと、「たった一度しか行われていない」のである。
ゲーム全体を通じてアウトコースの判定が広かったのならいざ知らず、この球だけをストライクとコールしたのだから、「悪意のある判定」と断定せざるをえない。

2012年9月4日 イチロー 8回表 2球目の誤判定 球審Tony Randazzo
Brooks Baseball · Home of the PitchFX Tool - PitchFX Tool │ 2012年9月4日 8回表 イチローの打席のデータ

去年4月に、球審Marvin Hudsonによるイチローの見逃し三振判定を記事にしたことがあったが、今回のTony Randazzoは、あれよりも酷い。このゲーム全体を通じてTony Randazzoはそこそこ正確な判定を行ったゲームでの出来事なだけに、Tony Randazzoには、ジラルディとともに「おまえ、いい加減にしろ」と言いたい。
Damejima's HARDBALL:2012年4月22日、球審Marvin Hudsonによる9回裏イチロー見逃し三振判定を異常と断言する「3通りの理由」。


それにしても、地元のチームが優勝争いをしていて、しかも、人気チームのヤンキースとゲームをした夜だというのに、17000人ちょっとしか観客が入らないタンパベイは、根本的な何かがマーケティング的に間違っている。ほんと、ありえない不人気球団だ。

damejima at 18:06

August 10, 2012

デトロイトとの最終戦のアンパイアの布陣は、こんな感じ
まぁ、なんつか、なんとなくジョー・ジラルディの退場(5回目)も起こりうるような、問題児アンパイア軍団ではある(笑) 実際、球審の判定の片寄りにも泣かされ続けたシリーズでもあった。

HP: Todd Tichenor
1B: Tony Randazzo
2B: Bob Davidson
3B: Tim Welke
New York Yankees at Detroit Tigers - August 9, 2012 | MLB.com Box

Damejima's HARDBALL:Todd, Tichenor を含む記事

Damejima's HARDBALL:2011年8月13日、退場データのみを扱った個性的サイトにみる「トラブルメーカーのアンパイアは、やはり退場者数も多い」というデータ。

Close Call Sports は、前にも一度紹介したが、アメリカのプロスポーツの「退場処分」だけを集めたサイトで、Pitchf/xデータで名高いBrooks Baseballと並んで、ブログ主のお気に入りのサイトのひとつ。どのアンパイアが、今年何回退場させているか、なんてことも簡単に調べられる。
これだけニッチな出来事にこだわりぬいたサイトというのも、なかなかない。ケタはずれのデータマニアの数多くいるアメリカならではのサイトといえる。
当然ながら、今日のジラルディの退場もさっそく記事になっている。
Close Call Sports: Ejection 114: Tim Welke (1)


今日の試合を見てなかった人のために書いておくと、

If Ichiro keeps doing things like this, #Yankees fans will be very, very happy: atmlb.com/QJG0h0

— New York Yankeesさん (@Yankees) 8月 9, 2012
">イチローのタイムリーなどでヤンキースが2点をリードして迎えた5回裏、先発黒田アレックス・アビラに2ランを打たれてしまい、同点になった。
その後、アウト2つとシングルで、2死1塁。ここでアンディ・ダークスに、アウトコース低めのシンカーを、レフト線にタイムリ・ツーベースを打たれた。

このツーベースは、物理的には、よく見るとオンラインであり、「フェア」という判定自体は結果的には正しい。

だが、いけないのは、三塁塁審Tim Welkeが、判定に迷って、途中で判定を変えたことだ。

MLB公式サイトの動画ではわかってもらえないのが残念だが、Tim Welkeは、最初にファールのジェスチャーをした。それから右腕を直覚にした不可思議なポーズ(これは以下の写真を参照)になったまましばらく硬直して、それから急に判定を変え、激しく「フェア」のジェスチャーをした。
途中でコールを変えられたら、レフトが誰であっても対応なんてできない。

動画:Baseball Video Highlights & Clips | NYY@DET: Girardi tossed for dirsputing a call - Video | MLB.com: Multimedia
2012年8月9日 判定をくつがえすTim Welkeにとまどうイバニェス

ヤンキースのレフトは今日は、ラウル・イバニェスで、運の悪いことに、守備の天才イチローではなかった。
イバニェスは、当然ながら、塁審のファウルのジェスチャーを見ていたから、初動が遅れ、おまけに、ボールが手につかずにもたついてしまい、結果的に1塁ランナーがホームインしてしまった、というわけ。


Tim Welke というと、今年5月2日のドジャース対ロッキーズのゲームで、ジェリー・へアストンの三遊間のゴロをダイビングキャッチした三塁手からの送球が、右へ大きくそれたので、塁を離れて腰をかがめてボールをキャッチした一塁手トッド・ヘルトンの足が明らかにベースから離れていたにもかかわらず、「アウト」判定をするという誤判定事件を起こしている。
May 2, 2012 Los Angeles Dodgers at Colorado Rockies Play by Play and Box Score - Baseball-Reference.com
2012年5月2日ドジャース対ロッキーズ戦のTim Welkeの誤審

2012年5月2日ドジャース対ロッキーズ戦のTim Welkeの誤審 2

2012年5月2日ドジャース対ロッキーズ戦のTim Welkeの誤審 3

Tim Welke makes one of the worst calls you’ve ever seen in baseball | Big League Stew - Yahoo! Sports

このときの判定について、後日のゲームでTim Welkeはへアストンに謝罪するのだが、性格のいいへアストンは「あの角度じゃ見えなかっただろうし、しかたがないよ」と謝罪を受け入れている。
"He said he was sorry," Hairston said. "He's been a really good umpire for a long time and, you know what, obviously because of the angle he didn't see it.
Hairston receives apology from umpire | dodgers.com: News


まぁ、いろいろな意見があるだろうが、このへアストンの一件にしても、性格の悪いブログ主に言わせれば、わざわざ「一塁手の足が見えづらいポジションにいるTim Welke」が悪い。
写真から見るかぎり、このときTim Welkeのとったポジションは、基本の「三塁手の送球に対して直角となる位置」ではなくて、セカンドの守備位置寄りの、やや斜め前方の角度から見ている。そのため、そもそも最初から一塁手の足は見えにくい。
これは、おそらく、クロスプレーを予測して、体を目一杯伸ばして捕球するであろう一塁手のファーストミットに、いつボールが収まるのかを見きわめたいという理由でそうしているのだろうが、だとしたら、一塁手のトッド・ヘルトンの前足があれほど深い角度で折れ曲がっていることから、ヘルトンの左足がベースから大きく離れていることを類推すべきだ。もし、そうでないなら、もっと違う角度、つまり、ヘルトンの足も見える角度から判定すべきだろう。

今日のレフト線のオンラインの当たりの判定を迷ったことも考え合わせると、もしかしてTim Welke、遠くがあまりよく見えてないんじゃないか? とさえ思わせるフシがあった。


アーマンド・ガララーガの完全試合をぶち壊したジム・ジョイスの例の世紀の大誤審にしても、アンパイアの位置から見ると、1塁主とランナーは多少重なって見える(下の写真)。だが、同じシチュエーションを、こんどは1塁スタンド側から見ると、ランナーがアウトであることに異議を挟む余地はない。
つまり、1塁塁審は必ずしもベストポジションにいてくれるとは限らないのだ。
だが、ファーストミットにボールが収まる瞬間のタイミング中心にだけ見て判定していればすむのなら、アンパイアなんていらない。1塁塁審はもっと頭と足を使って、自分がファーストのプレイを見る角度を工夫すべきだ。
アーマンド・ガララーガの完全試合を壊したジム・ジョイスの誤審 1

アーマンド・ガララーガの完全試合を壊したジム・ジョイスの誤審 2



だが、まぁ、そんな細かいことより、大事なことは、ジョー・ジラルディが「ファイト」していることだ。彼はいま、「ファイトする選手」を求めてもいる。

ヤンキースというチームは、非常にテンションが高く、いわば「高気圧なチーム」であると同時に、どういうものか、気圧の非常に高い自転車のタイヤ、例えばロードレーサーの固いチューブラータイヤにピンホールが開いて圧力が抜けていってしまうように、突如として気の抜けたプレーが続くことが往々にしてある。
それは例えば、タイムリー欠乏症、内外野の守備の乱れ、粘りのないバッティング、気の抜けた併殺打の山、バッテリーの単調でワンパターンな配球などが、それにあたる。これらの「低気圧ヤンキース」は、このチームが打撃重視で構成されたチームであることとは関係ない。単に意識の問題だろう。
Yankees Beat Tigers, but Anxiety Persists - NYTimes.com


ジョー・ジラルディがいま選手に求めていることは、おそらく細かいミスを減らすことじゃなく、単純に、ファイトすること、最後まで諦めないことだ。たぶんその結果としてミスも減ると思っているんじゃないか。
ファイトすることの大事さはよくわかるし、イチロー移籍以降でいうと、デトロイト戦ではだいぶ改善されてきた。
チーム全体でいえば、タイムリーが出るし、バッティングに粘りも出てきて、無気力な併殺打も減ってきた。
イチローにしても、バッティング面で打点が増えているのはもちろん、捕れるとは限らないのに、ホームランを追いかけてコメリカパークのフェンスによじのぼっているのも素晴らしい。


いまヤンキースの低気圧さがいまだに表れていて気になるのは、内外野の守備の乱れと、単調でワンパターンな配球という守備面くらいだ。

もしイチローが2人いてくれれば、ヤンキースのライトとレフトを同時に守れるのにと思っている日本のイチローファンはきっと多いことだろう(笑)

ファイトする姿勢を選手に伝える方法のひとつとして、気にくわないプレーにデカい声で抗議して退場してみせる、というシンプルな手法は、ブログ主はたいへんに好きだ。監督という職業の人は多少は熱くなれるようでなくちゃ、と思う。


3ボールで四球になっても、何をされても、黙ったまま負けている西海岸の無口なヘボ監督より、100万倍マシだ。

Damejima's HARDBALL:2011年7月9日、Sam Holbrookのミスジャッジで試合は台無しになったと、語ったエリック・ウェッジは、「気づいた」のか。それとも、「気づかない」のか。

Damejima's HARDBALL:2011年7月24日、みずから牙を抜いて相手にさしだしてチームに「負け犬メンタリティ」をたっぷり塗りこめた「負け犬指導者」エリック・ウェッジの「3ボール四球黙認事件」を批判する。

Damejima's HARDBALL:2011年7月26日、無死満塁の押し出しのかかった判定で、球審ボブ・デービッドソンの問題判定に泣かされたアダム・ケネディ。抗議すらしない弱気なエリック・ウェッジ。




イギリスの400mランナー、デレク・レドモンドは、1988年ソウルオリンピック出場を怪我でフイにするが、親子で努力を重ね、1992年のバルセロナオリンピックで優勝候補の一角として陸上男子400mに出場したが、レース途中、突然ハムストリングの故障にみまわれ、走れなくなる。
だが、やがてデレクは静止を振りきって立ち上がり、足をひきずりながらゴールを目指した。ゴール前100mでは、係員の静止を振り切ってコースに飛び出してきた父ジム・レドモンドが息子に肩を貸し、親子は65000人の観衆のスタンディング・オベーションの中、ゴールラインを越えた。
このときの光景は後に、2008年北京オリンピックのVISA cardのコマーシャルに採用され、俳優モーガン・フリーマンがナレーションを務めた。デレクは陸上引退後もアスリートとして、バスケットと7人制ラグビーのイギリス代表選手となった。また父親ジムは、2012年ロンドンオリンピックの聖火ランナーのひとりに選ばれた。


damejima at 12:05

May 30, 2012

今日の球審D.J. Reyburnは、あまり聞き慣れない名前のアンパイアだと思ったら、Wikiによれば、2009年から2010年までは主にドミニカン・リーグでアンパイアをしていたらしい。
D.J. Reyburn - Wikipedia, the free encyclopedia

どんなリーグでアンパイアをしていようと、優秀で公正なアンパイアなら構わない。
だが、「アンパイアが、あからさまにゲームを作ろうとする行為」は、いただけない。
というか、ハッキリ言わせてもらうが、ここまで連続してあからさまに判定を贔屓してゲームを動かそうとする作為を、あまり見たことがない。
Seattle Mariners at Texas Rangers - May 29, 2012 | MLB.com Classic


今日のシアトル先発ジェイソン・バルガスは、何度も書いているように、コントロールが非常にいいピッチャーで、ことに、調子のいいときなどは「針の穴を通す」という月並みな表現を使いたくなるほどのコントロールの持ち主だ。

そのバルガスが強打のテキサス打線をヒット1本に抑えこんだまま、シアトルが4-1と3点リードで、5回裏テキサスの攻撃を迎えた。

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1死走者なしで、
バッターは右のマイク・ナポリ

まず、2球目のインハイの2シーム(下の画像のアルファベットAで示した球。緑色の円に、白ヌキ数字で2と書かれている)

2012年5月30日5回裏 マイク・ナポリ 四球


これは左ピッチャーのバルガスが、右バッターのインコースに投げる2シームで、いわゆる「フロントドア・2シーム」。(下図でいうAの軌道)
これは日本でいう「内角をえぐるシュート」のような軌道の2シームで、バルガスは今日これを右バッターに多投することで、テキサス打線を黙りこませた。
front door と back door

たしかにこの2球目は、ルールブック上のストライクゾーンではボールだが、「右バッターのストライクゾーンは、内外についてボール1個分、広い」というMLBの球審の平均的傾向からすれば、きわどいところを突いている。
だが、「コーナーいっぱいに決まる球は、ストライク判定しないアンパイアが多い」というのも、また、MLBの球審の傾向でもあることだし、2球目がボール判定されたことは、まぁ、問題ない。
参考データ:ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年7月11日、MLBのストライクゾーンの揺らぎ (5)カウント3-0ではゾーンを広げて四球を避け、カウント0-2ではゾーンを狭めて三振を避ける。あらためて明らかになったアンパイアの「故意にゲームをつくる行為」。


しかし、いけないのは、
3-2、マイク・ナポリがフルカウントまで粘った後の10球目の2シームの「ボール判定」だ。

ハッキリ言わせてもらう。
この判定には、球審D.J. Reyburnの「ここでゲームを盛り上げておこう」というあからさまな作為が、ハッキリ現れている。
低めギリギリどころか、かなりストライクゾーンの内側に決まったこの2シームを、球審D.J. Reyburnは、そしらぬ顔をして「ボール判定」し、マイク・ナポリを1塁に「球審が故意に歩かせた」のである。

大きく変化する球ならいざ知らず、それほど大きく曲がるわけではないバルガスの2シームの判定で、これほど真ん中に来た球を「ボール」と判定するなら、何がストライクか。
球審D.J. Reyburnは、他に、このコース近辺の球を、他のイニングにおいては何度も何度もストライクコールしている。

だから10球目の判定は絶対におかしい。
マイク・ナポリは本来、見逃しの三振だ。

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次は、
ナポリの「球審D.J. Reyburn作為の四球」に続き、ヨービット・トレアルバのシングルヒットで、無死1、2塁となった後、9番クレイグ・ジェントリーの打席の初球、3球目、6球目の判定だ。

これはもう、酷すぎてお話にならない。
よくここまであからさまに連続して贔屓判定できるものだ。
ここまであからさまなのは珍しい。


まず初球の2シーム(下図で、アルファベットのBで示した球)。

これなどは、ストライクかボールかを論じる必要すら感じない。球審D.J. Reyburnは、よくこのストライクを、恥ずかしげもなく「ボール」と判定できるものだ。このときたしかマウンド上のバルガスが大きな声を出して球審に話しかけたが、無理もない。こんなのをボールと判定されたんじゃ、たまったもんじゃない。


そして、「ボール」と判定された3球目のチェンジアップ(下図で、アルファベットのCで示した球)。

この判定も相当ひどい。
左ピッチャーのバルガスが、得意のチェンジアップを右バッターのインコース一杯に決めるのだから、球の軌道は当然アウトコース側から入ってきて、ストライクゾーンをハッキリと横切り、インコース一杯に決まっている。球審D.J. Reyburnは、よくこのストライクを恥ずかしげもなく「ボール判定」できるものだ。

また、フルカウントから投げた6球目のチェンジアップにしても、インコース低め一杯に決まったのだから、ボールの軌道は十分にストライクゾーンを横切っている可能性は高いわけだが、この球も球審D.J. Reyburnは「ボール判定」している。

これでは投手は投げる球など、なくなってしまう。
次のバッター、イアン・キンズラーが初球の真ん中低めのカーブを併殺打してくれてチェンジになったからいいようなものの、もしこの打球が抜けて大量失点しているようなら、試合の流れは大きくテキサスに傾いたはずだ。

ナポリも、ジェントリーも、見逃し三振の判定が正しい

2012年5月30日5回裏 クレイグ・ジェントリー 四球


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プレート間近で判定する球審に、あらぬ言いがかりをつけているように思われても困るので、以上の話を、いつものBrooks BaseballのPitchFXで検証しておこう。
Brooks Baseball · Home of the PitchFX Tool - Strikezone Map Tool

下記の図で、マイク・ナポリへの2球目(アルファベットのA)、クレイグ・ジェントリーへの初球(B)、3球目(C)が、それぞれハッキリと確認できる。
また、マイク・ナポリへの10球目は、見た目にわかりにくいが、アルファベットのAで示した2球目から数えて、2つ左に位置している赤い三角形の陰にダブる形で隠れている。明らかにストライクである。

ナポリについても、ジェントリーについても、それぞれ複数球の判定が間違っており、そこには「故意にゲームを作ろうとする球審の作為」があると断定せざるをえない

2012年5月30日 球審J.D.Reyburnの判定


それにしても、最近のヘスス・モンテーロがマスクをかぶったゲームでのリードは酷い。ほとんどの球をアウトコース低めでお茶を濁そうとしている。これでは相手に手の内を読まれて当然だ。まるでかつてのダメ捕手城島を見ているかのようだ
今日ジェイソン・バルガスは右バッターのインコースを果敢に攻めてテキサス打線を牛耳ったわけだが、キャッチャーはジョン・ジェイソだった。

ジェイソン・バルガスは、ミニ城島みたいな単調なサインしか出せないヘスス・モンテーロとは、絶対にバッテリーを組むべきではない。

damejima at 17:41

April 25, 2012

デトロイト対シアトル初戦、ジェイソン・バルガスがまたもアンパイアの誤審に泣かされながらも、粘って3勝目。デトロイト先発は今シーズン始まって以来ずっと打たれまくりのERA8点台マックス・シャーザーだから、シアトルがある程度得点できることは予測できた。
Seattle Mariners at Detroit Tigers - April 24, 2012 | MLB.com Classic

それにしても、
4回裏フィルダーのシアトル先発バルガスを強襲した打球は、結果的に言えば安打になった(その直後2ランホームラン被弾)わけだが、バルガスのファースト送球は、スローで見ると余裕で間に合っている。
そりゃそうだ。送球がファーストミットに収まったとき、フィルダーはまだベースを踏んですらいなかったんだから。クロスプレーですらない。

一塁塁審は、ガララーガの完全試合をフイにした、
あのJim Joyce
懲りないアンパイアだ。
Top 10 Worst Calls In Baseball History | Top 10 Lists | TopTenz.net

詳しくはまた後で書く。


ついでに言えば、メジャー経験の浅い球審James Hoyeの判定もかなり酷い。
データ画像を作るのがめんどくさいので、今日は自分で勝手に見てもらいたいが、(Brooks Baseball · Home of the PitchFX Tool - Strikezone Map Tool 2012/04/24 DETvsSEA)、左バッターのアウトコース判定に何の基準も見えないわ、右バッターと左バッターでストライクゾーンがまるで違うわ、こんな「バッターから見て、何の基準も見えない球審」じゃ、ゲームがやりにくくてしかたないに違いない。


どこかにフィルダーの内野安打の動画か静止画が落ちてないかな?

damejima at 09:35

April 23, 2012

2012年4月22日 ホワイトソックス戦9回裏判定 Marvin Hudsonアウトコース高めに注目。ボールの3球目より、ストライクの5球目のほうが外にある。(以下、画像をクリックすると、別窓で拡大画像)
Chicago White Sox at Seattle Mariners - April 22, 2012 | MLB.com Gameday


ホワイトソックス3連戦の最終戦で球審を務めたMarvin Hudsonは、2010年6月2日に当時デトロイトの先発投手だった右腕アーマンド・ガララーガの完全試合が、1塁塁審ジム・ジョイスの明らかな誤審によってフイにされたあのゲームで球審を務めていたアンパイアだ。
アーマンド・ガララーガの幻の完全試合 - Wikipedia
9回裏1死1塁でイチローに対する5球目をMarvin Hudsonはストライク判定したが、そのいい加減さに呆れかえっている。そして、ロクにデータを見る習慣も無いクセに、イチローの三振について、あーだこーだと批判するアホウにも、つける薬がない。

ちなみに、この打席でのピッチャーの投球は、
1球目 4シーム ボール
2球目 2シーム ファウル
3球目 4シーム ボール
4球目 4シーム ファウル
5球目 2シーム ストライク 見逃し三振


この判定は、以下の3つの観点から、
その判定はおかしい」と断言する。

何度も書いてきたように、そのことの是非はともかくとして、MLBの球審の判定は「ルールブック上のストライクゾーン」に従ってなど、いない。
むしろ、アンパイアごとに、当たり前のように、そのアンパイア固有のストライクゾーンがあり、彼らはゲームをある意味で「作って」もいる。そして、アンパイア間の個人差は、かなり酷いレベルにある。
MLBでプレーするバッターは、ゲームに出る以上、良くも悪くも、ルールブック上のストライクゾーンに従ってのみプレーするのではなくて、「その球審の判定傾向に沿ってプレーすること」を強いられることも、常に頭に入れておかなければならないし、MLBのストライクゾーンにはアンパイアごとの非常に大きな個人差が存在することを、誰でも知っておかなければならない。

ブログ主は、球審は絶対にルールブックに沿って判定すべきなどとは思わないが、むしろ球審が「自分のストライクゾーン、あるいは、今日のストライクゾーンが、どういう形か」という判定ルールをゲームの流れの中で暗黙のうちに示さなかったり、また、「自分が一度示していたルールを、ゲームの特定場面のみに関して恣意的に変更する」ことは許されない、と考えている。
これは、単純に「人間だから判定を間違うこともあるさ」なんていう、ジジイのカビくさい説教で説明できる話ではないし、また、「3球目は変化しない4シーム、5球目は変化する2シームだから、3球目がボールで、よりアウトコースに行った5球目がストライクなのはしょうがない」という程度の常套句で説明できる誤差でもない。


1)過去のMarvin Hudsonは、むしろ
 「アウトコースの非常に狭い球審」


Marvin Hudsonの過去のストライクゾーン
赤色の線は、「ルールブック上のストライクゾーン」、
青色の線が、Marvin Hudsonの過去の判定傾向だ。
(資料:Hardball Times: A zone of their own 2007年)
過去のMarvin Hudsonの判定傾向はこうなる。
1)3塁側(左バッターでいうアウトコース)が狭い
2)高めが広い

Marvin Hudsonは本来、左バッターのアウトコースのストライクゾーンが非常に広いMLBにあって、真逆の「左バッターのアウトコースのゾーンが非常に狭い特殊なアンパイア」であり、9回裏の問題判定は、この球審の「過去の判定傾向」に、まったくそぐわない。


2)この日だけに限ったMarvin Hudsonの判定傾向は、
 「低めが狭く、あとはルールブックどおり」であり、
 しかも、一貫している


以下の2つの図は、2012年4月22日のシアトル対ホワイトソックス戦だけに限った球審Marvin Hudsonの判定傾向だ。(上の図が左バッター、下が右バッター) 特徴は、2つある。
1)右バッターは、アウトコースもインコースも、標準的なMLBのゾーンより、かなり狭い
2)左バッターは、インコースは狭く、アウトコースはやや狭め
3)左バッターのアウトコースは、高めに関してはとらない
4)左右共通して、低めが狭く、ほとんどとらない

4月22日限定の左バッターへの判定
アウトコースの高めはほとんどとっていない。
2012年4月22日 Marvin Hudsonの判定の全体傾向

4月22日限定の右バッターへの判定
インコース、アウトコースのきわどい球を全くとっていない。
2012年4月22日 Marvin Hudsonの判定の全体傾向(右バッター)

総じていえば、この日のMarvin Hudsonの判定は、低めのゾーンが狭いことを除けば、標準的なMLBのゾーンではなく、「ほぼルールブックどおりのゾーン」がルールになっている。
MLBのアンパイアの標準的ストライクゾーンといえば、もちろん「左バッターはアウトコースだけがボール2個分くらい広く、右バッターはインコース・アウトコースともに1個分くらいずつ広い」わけで、このルールブックより広い標準的ストライクゾーンで判定するアンパイアは少なからずいるわけだが、この日のMarvin Hudsonのゾーンは、そのMLB標準ゾーンよりもずっと全体的に狭い。
これは、この元来「アウトコースは狭いが、低めはほぼルールーブックどおり、高めはかなり広くとるアンパイア」にしては、非常に珍しい判定傾向だ。

そして問題なのは、この日、Marvin Hudsonの「ホワイトソックス投手がシアトルの左バッターに投げた球に関する判定」において、ストライク判定された見逃しストライクは、9回裏のイチローへの5球目、この、たった1球だけしか記録されていないことだ。
この1球の判定だけが、明らかに、「この日限定の判定傾向」の流れに沿っていない。

出典:Brooks Baseball · Home of the PitchFX Tool - Strikezone Map Tool


3)9回裏イチローの打席は、3球目の4シームをこの日の判定傾向どおりボール判定しておいて、3球目より外に行ったの5球目の2シームをストライク判定する「トラップ判定」

以上の話を、ひとつの図にまとめてみた。

赤い線が、ルールブック上のストライクゾーン。
青い線が、過去のMarvin Hudsonのストライクゾーン。
緑の線が、22日のMarvin Hudsonのストライクゾーン。
アルファベットのAで示した緑色の三角形が、9回裏イチロー3球目の4シーム。アルファベットのBで示した赤色の三角形が、同じく5球目の2シームである。
2012年4月22日のMarvin Hudsonのストライクゾーン


上の図のアルファベットのAB(=9回裏のイチローへの3球目と5球目)を、BrooksBaseball.netのStrikezone Maps上にマッピングし、ズームしてみると、以下のようになる。(黒い太線が、ルールブック上のストライクゾーン、黒い破線が、左バッターに対するMLBの標準的なストライクゾーン)
2012年4月22日 Marvin Hudsonの9回裏判定 ズームアップ


上で一度書いたように、球審Marvin Hudsonの「ホワイトソックス投手の左バッターに対する判定」において、ストライク判定されているアウトコースの見逃しストライクは、9回裏のイチローへの5球目、このたった1球だけしか記録されていない

そして、さらにタチが悪いのは、
3球目のアウトコース高めの4シームを、「この日の判定傾向」どおりにボール判定して、「やっぱりアウトコース高めはとらない」と思わせておいて、5球目のほぼ同じコースの2シームを、彼の「過去の判定傾向」とも、また、「この日の判定傾向」とも無関係に、ストライク判定していることだ。


まさに 「トラップ」だ。ありえない。
こんなあくどい判定に対応できるわけがない。


もし、このゲームでの球審の左バッターに対する判定が、ごく標準的なMLBのストライクゾーン、つまり、左バッターのアウトコースについてボール2個分くらいは広い標準的ゾーンに基づいてコールされていたら、ブログ主も5球目の判定に文句をつけるつもりにはならない。

なぜこの判定が「異常だ」と断言するかといえば、この判定が、「Marvin Hudsonの過去の判定傾向」とも、「この日の判定傾向」ともまるで異なるうえ、さらに悪質なことに、3球目をあらかじめボール判定しておいて、あたかも「今日のオレ様の判定は、外をとらないんだぜ」と思わせておいて、5球目をストライク判定してみせた「トラップ判定」だから、である。


バッターは9回ともなれば、自分のそれまでの打席から得た経験と、他のバッターやスコアラーから得た情報などから、その日の球審の判定傾向を頭に入れてバッターボックスに立っているものだ。
もしアウトコースのストライクゾーンが可変、つまり「コロコロ変わる」というのなら、それはそれで構わないのであって、「この球審のアウトコースのストライクゾーンは、けっこう変わる」とあらかじめ頭にいれて打席に入ればいいだけのことで、イチロークラスの技術のあるバッターなら、アウトコースのくさい球をカットしに行く心の準備ができる。

だが、
「もともとアウトコースの狭いアンパイア」が、その日の傾向として「ほぼルールブックに沿った、標準ゾーンより狭いストライクコール」をしていて、「左バッターのアウトコース高めには、辛い判定をしている」とわかっているゲームで、しかも、3球目の「左バッターのアウトコースがかなり広い標準的ストライクソーンからすればストライクと判定するはずの球を、ボール判定した」その直後に、3球目よりもさらにアウトコースに来た球をストライク判定するなどと、誰も思うわけがない。


イチローは選球眼がいいから、よけいに、見極めができてしまう。3球目がボールなら、2シーム程度の曲がりなら、この日の判定傾向のアウトコース高めのゾーンの狭さからして5球目はボールと判断するのは当然だ。

こんな経緯の球をカットに行けるわけがない。
だから、こんな判定は「異常」と断言できるのである。

damejima at 22:07

April 14, 2012

セーフコ開幕戦の球審は、アンパイアとしては若いTim Timmons (1967年生まれ 44歳)。

今日の彼の判定は、左バッターのアウトコースのゾーンがかなり広いイメージで、好機に見逃し三振をくらってヘルメットを投げたマイケル・ソーンダースなど、判定に不服そうな左バッターが続出した。たしかに、テレビ画面で見るとかなりアウトコースの判定が広い印象を受けるかもしれない。
Oakland Athletics at Seattle Mariners - April 13, 2012 | MLB.com Classic


球審Tim Timmonsの過去の判定傾向は以下の図の通り(2007 by Jonathan Hale: the Hardball Times)。メジャーで「高めをまったくとらないアンパイア」として3本指に入るアンパイアだ。(赤い線がルールブックのストライクゾーン。青い線が、Tim Timmonsのゾーン  。ただ、今日の判定は高さはごく普通の判定だった)

Tim Timmonsのストライクゾーン


高めのゾーンの狭いアンパイア ベスト10

Chuck Meriwether -8.53
Ed Rapuano -7.05
Tim Timmons -7.02
Jerry Layne -6.79
Larry Vanover -6.35
Brian Runge -5.68
Marty Foster -5.21
Chad Fairchild -5.04
Ed Montague -4.53
Mark Carlson -4.52
資料:The Hardball Times: A zone of their own



さて、今日のTim Timmonsの実際の判定ぶりは、データ上ではどうだったのだろう。いつものように、優れたアンパイアの判定データを提供しているBrooksBaseball.netStrikezone Mapを見てみる。
Brooks Baseball · Home of the PitchFX Tool - Strikezone Map Tool: 2012_04_13_oak_sea

2012年4月13日 シアトル対オークランド戦 Tim Timmonsの判定


2つあるグラフのうち、上が左バッターに対する判定。下が右バッターに対する判定。黒い実線は「ルールブック上のストライクゾーン」、破線は「実際のMLBのアンパイアが判定するストライクゾーン」で、何度も書いてきたように、実際のMLBの球審の判定においては、左バッターと右バッターでは、まったくストライクゾーンが異なることに注意してもらいたい。
簡単にいうと、左バッターについては、インコースはルールブックどおりだが、アウトコースはボール2個くらいは平気で外に広い。右バッターについては、外も内も、ボール1個分くらい広い。(球審によって、もっと広い人、狭い人がいる)
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月29日、MLBのストライクゾーンの揺らぎ (2)2007年の調査における「ルールブックのストライクゾーン」と、「現実の判定から逆測定したストライクゾーン」の大きな落差。


かつてはBrooksBaseball.netStrikezone Mapも、この左右のバッターでのストライクゾーンの違いを、きちんと反映はしていたが、図中には書き込んではいなかった時代があったが、去年からだったか、グラフの中に左バッターと右バッターのゾーンをハッキリ書くように仕様が変わった。


今日のオークランド先発バートロ・コロンの持ち球は、若い頃はカーブを投げた時代もあったが、今ではまったく投げないし、またチェンジアップ系の割合もそれほど若い頃から増えてはいない。
彼の持ち球の特徴は、他のヴェテラン投手のように緩急にあまり頼ることがない点で、近年ではむしろ2シームを多投することで、ストレート系への依存率がかえって高まっている気さえする。
今日の彼の配球は、内・外への2シームが基本で、スライダーと、ときおり投げるチェンジアップがスパイスになっていた。
Bartolo Colon » Statistics » Pitching | FanGraphs Baseball

コロンの持ち球といえば、アメリカのスカウティングサイトなどでも日本でも語られるのは、左バッターに対するfrontdoor 2-seam、つまり左バッターのインコースで、ボールゾーンからシュートしながらストライクになる2シームが特徴のひとつだったわけだが、今日のコロンは、球審のアウトコースのゾーンが広いことに早々と気がついて、左バッターのインコースではなく、「アウトコースで、ストライクゾーンから入ってボールゾーンに抜けて逃げていく2シーム」を多投して、左打者しかヒットを打てないシアトル打線を牛耳った。
こういう抜け目のなさ、対応の早さが、ヴェテランの味だ。
資料:60ft6in – Pitcher Scouting Reports - Is This Really Happening?: Bartolo Colon


この「左バッターのアウトコースにシュートしてストライクになる、右投手の2シーム」は、実際にバッターボックスに立っているプロのバッターですら判定に迷うくらいだから、テレビを見ている観客に、それがストライクかボールかを判定するのは難しい。

(ちなみに「backdoor, バックドア」の変化球は、「アウトコースの球で、ボールゾーンである外側から曲がってきて、最終的にストライクになる球」のこと。
MLBの投手がよく使う「バックドアの変化球」としてよく知られている変化球には、例えばbackdoor sliderがある。右投手が左バッターのアウトコースに(下の図のA)、あるいは、左投手が右バッターのアウトコースに(下の図のB)投げる。
この試合で右腕バートロ・コロンが左バッターのアウトコースに投げた2シームは、さらにひとつ下の図のCで、バックドアではない。)
front door と back door

左バッターのアウトコースをかすめる2シームの軌道



Tim Timmonsはもともとアウトコースのストライクゾーンの広い球審なだけに、左バッターに対するコロンの外の2シームをストライクと判定しやすい試合環境だった。
だが、データ上からみると、たしかに明らかなボールをストライクコールした例もいくつかはあったが、大半の見逃しについては、MLBの左打者に対するアウトコースの広さで説明のつくストライクだった。


左バッターのアウトコースに投げる、ストライク判定される2シーム」は、いま、右投手の左バッター対策として、非常に効果を挙げつつある。実際、どの試合を見ても、必ずといっていいほど多投されている感がある。

問題は、シアトルが、この「2シーム時代」にきちんとアップデートできているか? ということだ。

主に4シームしか投げられないようなブルペンピッチャー、2シームを打ち崩すバッティングを研究してないバッター、投手の投げる2シームを受け損なって失点につなげてしまうキャッチャー、2シームの判定に迷うバッター。

様々な意味で、現状のシアトルは「2シーム時代」についていけてないことが、今日ハッキリした。



だが、逆にいえば、チームとしての課題がこれほどハッキリ見えるゲームなんて、そうそうあるものじゃない。日々進歩することが今のシアトルの仕事だとしたら、ある意味、克服すべき課題、進歩すべき方向がこれだけハッキリ見えたことは、むしろラッキーとさえいえる。

そして、これだけはハッキリしている。
こういう「いい経験」をしても、進歩できない選手がいれば、その選手は変化する能力のない負け犬だし、チームが選手の技術の修正を指導できなければ、そのチームは、かたくななだけの負け犬になる。














damejima at 18:38

October 05, 2011

フィラデルフィアとアトランタのNLDS(ナ・リーグ ディヴィジョン・シリーズ)Game 3は、コール・ハメルズが好投したフィラデルフィアが3-2で辛くも勝ってNLCS進出に王手をかけたが、またしてもアンパイアJerry Mealsの判定を巡るトラブルがあった。

フィラデルフィアが2点リードの9回表、1死1塁で、バッターのカルロス・ルイーズが、センターへライナーを放った。
セントルイスのセンター、スキップ・シューメーカーはこの打球を見事にダイビングキャッチしてみせたのだが、ライト線審Jerry Mealsはこのファインプレーを「ワンバウンドでのキャッチ」と、ヒットと判定した。
だが、審判団は協議した後、一度出された判定を「アウト」に覆した
のである。

スコア
Philadelphia Phillies at St. Louis Cardinals - October 4, 2011 | MLB.com Gameday
動画
Baseball Video Highlights & Clips | PHI@STL Gm3: Schumaker's terrific play ruled a catch - Video | MLB.com: Multimedia
記事
Umpires overturn Skip Schumaker non-catch | MLB.com: News


さかのぼる2011年7月26日に起きた「球審Jerry Mealsのホームプレートでのタッチプレイ誤審によるサヨナラ事件」は、明らかにJerry Mealsの誤審だった。(というか、うっかりすると、「八百長」と言われかねない、あからさますぎるミス。疲労は言い訳にはできない。疲れて判定ができないのなら、アンパイアをやめて故郷に帰るべき)
ファンの誰もが怒り、数多くのメディアが「ベースボール始まって以来の劣悪な判定」と非常に厳しい批判を展開、そしてMLB機構もJerry Meals自身も「誤審」を認めるに至った。
メディアの批判記事例:FOX
Baseball's biggest blown call keeps happening - MLB News | FOX Sports on MSN
注)blownという単語
元来は「暴風や爆発で、ぶっ飛ぶこと」だが、俗語として「失敗する、台無しにする」という意味があり、また「麻薬を吸引することで、ぶっ飛ぶ」という意味もある。
だから、この単語が使われるのは、単純ミスという程度の「軽い意味」ではなく、日本の掲示板の野球俗語(笑)でも、「ありえねぇミスだぞ、このボケカスは!」とか、「マジ、とんでもねぇな、こいつぅ」「ラリってんじゃねぇぞ、コノヤロ」とか、「お下品発言」をするときの、「ありえねぇ」「トンデモない」「ラリってる」などにあたる強調言葉として、ちょっとありえないような失敗を非常に強く叱責する、というニュアンスで使われる。
たとえばクローザーならblown save=「セーブ失敗」程度だが、これがミスの許されないアンパイアになると、blown callと使われれば、「マジありえない判定やらかした」、「麻薬でもやってんのか?と言いたくなる、トンデモない誤審だ」という意味になる(笑)
だから、MLBにもアンパイアの誤審は数々あるが、Jerry Mealsの犯した19回裏の誤審のように、あらゆるマスメディアがこぞってblownという単語を使ったミスは、他に類をみない。blownという単語のみをGoogleで検索すると、Jerry Mealsの誤審の記事が検索結果のトップページに出てくるほどだ。
それほど「世紀の大誤審」なのである。

「誤審」を認めたMLB機構
MLB acknowledges Jerry Meals' missed call after Pittsburgh Pirates file complaint over 19-inning loss - ESPN
「誤審」を認めたJerry Meals
Meals: 'I was incorrect' in blown call as Pirates move on - USATODAY.com

だが、もしかすると、NLDSでの「シューメーカーのキャッチング誤審」の是非は人によっては多少意見が分かれるかもしれない。
なぜなら、このプレーはスロービデオで見ると100パーセント間違いなく「アウト」であり、事実として間違いなく「シューメーカーのファインプレー」なのだが、これをノーマルスピードで見ると、捕球した瞬間にシューメーカーのグラブがわずかにバウンドして見える錯覚のせいか、あたかも「ワンバウンドでのキャッチ」に見えてしまう可能性がわずかながらあるからだ。

まぁ、判定の是非については、動画がMLB公式にあることでもあるし、何度でも好きなだけ見て、自分自身の目で確かめるといいと思う。


だが、その場にいなかった人間の目にどう見えるかとか、人間の目には錯覚の問題がある、とかは、この誤審の本筋ではない。シューメーカーは間違いなく捕球しており、Jerry Mealsの判定が間違っていたのは歴然とした事実だ。
一度「ワンバウントしている」とされた判定が覆る結果になった原因は、審判団の協議において、このプレーを他の位置から見ていたJerry Meals以外のアンパイアから、「明らかにあれはアウトだ。捕球している。判定を覆すべきだ」と強い意見があったからに他ならない。
つまり、問題は「他の審判でも容易に下せた判定」を、「最も近くで見ていたはずのJerry Mealsが、間違えたこと」なのだ


判定が正しいほうに覆ったこと自体は非常に喜ばしいことだ。
だが、その決着のしかたは、10月2日に球審Jerry Mealsのコールぶりを批判して罰金を払わされることになったトニー・ラルーサの溜飲が下がるようなものではなかった。
この判定は覆ったとはいえ、「奇妙な形」で決着しているからだ。


捕球できたことに自信があったシューメーカーは、もちろんJerry Mealsの誤審にすぐに気がつき、抗議した。ベンチからもトニー・ラルーサも飛び出してきていた。
「奇妙な形の決着」というのは、6人の審判団が協議した結果、センターライナーを打ったルイーズだけがアウトになり、ファーストランナーで、ライナー性の当たりに飛び出していたポランコはアウトにならず、1塁に戻され、ダブルプレーとして決着しなかったからだ

当然ながら、もしJerry Mealsが「シューメーカーがライナーをキャッチした」と正しく判定できていたら、シューメーカーはボールを即座にファーストに投げ返したわけだから、塁を飛び出していた1塁ランナー、ポランコもアウトになり、ダブルプレーが成立していたはずだ。Jerry Mealsのせいで、セントルイスはとれたはずのアウトをひとつ損したことになる。
誤審の曖昧な決着の直後、次のバッターが三振してチェンジになったから、結果的に「ダブルプレーの消滅」は問題にならなかったが、もし次のバッターがタイムリーでも打っていたとしたら、とんでもないことになるところだった。


2011年7月26日のJerry Meals誤審サヨナラ勝ち事件」と勝手に名づけた(笑)事件は、今年7月26日のピッツバーグ対アトランタ戦、延長19回裏に起きた。

まずは下の写真を見てもらいたい。
誰がどう見たってアウトだ。しかし、こんな簡単な判定を「延長19回裏に、セーフと誤審できるアンパイア」がいる。
Jerry Mealsだ。

2011年7月26日 Jerry Mealsの「19回裏 誤審サヨナラ」

2011年7月26日 Jerry Mealsの「19回裏 誤審サヨナラ」別角度

3-3の同点のまま膠着したこのゲームは、なんと延長19回まで続いたのだが、19回裏のアトランタの攻撃、1死2、3塁の場面で、サードゴロで三塁走者フリオ・ルーゴがホームに突入した。
写真と動画を見てもらうとハッキリわかるように、ホームプレートの2メートルは手前でタッチアウトだった。
なのに、球審Jerry Mealsがなんとこれを「セーフ」とコール。そのままアトランタのサヨナラ勝ちが決まってしまった。

きわどいプレーの判定ならいざ知らず、これだけはっきりアウトだったプレーだけに、もちろん大問題になった。どうやらJerry Mealsのオハイオ州にある自宅には、生死にかかわる物騒な電話が、それもかなりの数かかってきたようだ。
この件は後になって、MLB機構も、Jerry Meals自身も、誤審だったことを認めている。

動画
Baseball Video Highlights & Clips | Meals talks about his contentious 19th-inning call - Video | MLB.com: Multimedia
物騒な電話についての記事
Umpire Jerry Meals' family receives death threats over call - MorningJournalNews.com | News, Sports, Jobs, Lisbon, Ohio - The Morning Journal
記事
Youngstown News, Salem grad and umpire Meals says he missed call in Pittsburgh loss

What they’re saying about the Jerry Meals call | HardballTalk
"home plate umpire Jerry Meals made one of the worst calls you’ll ever see in a baseball game"


トニー・ラルーサの罰金の顛末は、こうだ。
10月2日のNLDSをフィリーズと戦っている最中のラルーサが、MLBでゲーム中によくある監督インタビューで、"two different strike zones" (今日のゲームでは、2つのストライクゾーンがある)と、球審Jerry Mealsのコールがフィラデルフィア側に有利になっている、という趣旨の批判をクチにした。

記事
La Russa fined for remarks about strike zone | cardinals.com: News
動画
NLDS: Cardinals vs. Phillies, Game 2 | STL@PHI Gm2: La Russa disagrees with ump's zone - Video | cardinals.com: Multimedia

球審の判定ぶりと、ルールブック上のストライクゾーンとのズレを知るには、いつものBrooks Baseballを見てみるのが早い。

10月2日の球審Jerry Mealsのコールは、データ上で見るかぎりでは、右バッターのインコースとアウトコース高めのコールにやや問題はあるものの、それらはどれも「むしろフィラデルフィアの投手の不利になる判定」であり、この日の球審Jerry Mealsのコールについて「セントルイス側に大きく不利になるような判定の歪み」は確認できない。
今日のシューメーカーのファインプレーは明らかにJerry Mealsの誤審だが、10月2日の球審としてのコールに関しては、ラルーサの勘違いといえそうだ。
Brooks Baseball · Home of the PitchFX Tool - Strikezone Map Tool
ちなみに、このサイトのデータは通常、「6つの図」で構成されているのだが、このゲームに限っては、最も上に、典型的な右バッターのゾーン、典型的な左バッターのゾーンを明示した、2つの図が追加され、「8つの図」で構成されている。これは異例のことだ。
NLDSという大事な場面での「ストライクゾーンによる贔屓についてのラルーサ発言」があっただけに、なにかサイトへの大きな反響があったか、サイトの運営側がこの件に配慮してより正確なデータを付記したのかもしれない。



アンパイアと監督・プレーヤーの確執というと、ミネソタの監督ロン・ガーデンハイアーHunter Wendelstedtジェイソン・バルガスSam Holbrookジョナサン・パペルボンJoe Westをすぐに思い出すのだが(笑)、トニー・ラルーサとJerry Mealsの関係は今後どうなるだろう。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月7日、ディヴィジョン・シリーズ第2戦で退場させられたミネソタの監督ロン・ガーデンハイアーと、球審Hunter Wendelstedtとの間にかねてからあった軋轢。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年7月5日、ゲームの進行が遅いとクレームをつけた最年長ベテランアンパイアに、ジョナサン・パペルボンが放った"Go Home"の一言。



damejima at 15:37

August 15, 2011

いや、もうね。これは脱帽した。
UEFL(Umpire Ejection Fantasy League)っていう、アンパイアが選手とか監督を退場させたデータだけを扱ったサイトだけども、よくまぁ、ここまでこだわれるねぇ(笑)すごい。
Umpire Ejection Fantasy League

このサイトが扱うのは、今シーズン、「いつ、どの審判が誰を退場させたか」どころじゃなくて、「野球規則のどれに該当して退場させたかで、カテゴリー化する」とか、「過去にさかのぼって、どのアンパイアが何人退場処分にしたかをリスト化する」とか、「退場」にこだわりまくったデータ(笑)
もちろん、Mark Rippergerがボストン監督のフランコーナを退場させたデータもとっくにのってて分析もされてる。なんつー早業(笑)

ちなみに、このサイトによる「2005年から2011年まで 最も退場処分を行使したアンパイア ベスト10」と、7シーズン通算の退場人数は、以下の通り。

Joe West 42人
Bob Davidson 37人
Marty Foster 36人
Angel Hernandez 34人
Tim Timmons 30人
Hunter Wendelstedt 29人
Bill Welke 27人
Paul Emmel 27人
Sam Holbrook 27人
Mike Everitt 26人

いやはや。ボブ・デービッドソンは言うまでもなく日米で有名な問題アンパイアだが、他にも、このブログで名前を挙げて批判してきたアンパイアがてんこ盛り(笑)退場者数トップのJoe Westは、1シーズンあたり6人もの選手監督を退場処分にしていることになる。

Joe West
ボストンとヤンキースのゲームの進行が遅いことを正直に指摘して、ジョナサン・パペルボンに名指しで逆批判された。ゲーム進行の遅さの指摘自体は正しいとは思うが、そもそも彼のアンパイアとしての仕事ぶりのほうにも、かなり問題がある。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年7月7日、球審ジョー・ウエストの一方的な不利判定に泣いたダグ・フィスター。Go Home, Joe West with extreme favoritism.

Hunter Wendelstedt
ミネソタ監督ロン・ガーデンハイアーとの確執で有名。退場処分多数。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月7日、ディヴィジョン・シリーズ第2戦で退場させられたミネソタの監督ロン・ガーデンハイアーと、球審Hunter Wendelstedtとの間にかねてからあった軋轢。

Sam Holbrook
なぜかシアトル戦にばかり登場して歪んだストライクゾーンを披露する問題アンパイア。ゾーンにせよ、なんにせよ、判定の偏りが激しすぎる。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年4月15日、Sam Holbrookの特殊なストライクゾーンに手こずったジェイソン・バルガス。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年7月9日、Sam Holbrookのミスジャッジで試合は台無しになったと、語ったエリック・ウェッジは、「気づいた」のか。それとも、「気づかない」のか。


ちなみに、同じデータから、7シーズンで退場させた人数が少ないほうのアンパイアの人数を調べてみると、以下のようになっている。

退場数 アンパイア
0人    14人
1人    4人
2人    7人
3人    1人
4人    5人
5人    6人
6人    3人
7人    6人
合計   46人


メジャーのアンパイアは、選手と同じように「ロスター」というのだが、98人がロスター登録されている。
Umpires: Roster | MLB.com: Official info

上のデータから、98人のロスター・アンパイアの約半分、46人のアンパイアは、1シーズンあたり1人以下の退場者しか出していない、ということがわかる。この7シーズンでひとりも退場させたことがないアンパイアも、14人もいるのだ。

きちんと分析していかないとけして一概に断定はできないわけだが、印象としては、退場処分が発生する原因は、「選手・監督の側に問題がある」のか、それとも「明らかにわかる間違った判定をしたなど、アンパイア側に問題がある」のかは、いわずもがなだ(笑)
アンパイアに絶大な権威がなくなってはゲームにならないのは確かなだけに、ムダに退場者を増やしてファンの興味を削ぐことがないよう、よりアンパイアの側も技術アップを図ってもらいたいところだ。






damejima at 02:25

July 27, 2011

雨の中断を挟んで、再開後、14三振を奪っていたCCサバシアから8回表に3人の打者が連続フォアボールを選んでつくった無死満塁のチャンスで、ヤンキースはサバシアをあきらめて右のリリーフ、デービッド・ロバートソンを出してきたために、「ミスター左右病」エリック・ウェッジは8番の右打者ホールマンにかえ、左打者アダム・ケネディを代打に出したのだが、カウント3-1から「押し出しのかかったアウトコースのボール球のストライク判定」で明暗が分かれた。

Seattle Mariners at New York Yankees - July 26, 2011 | MLB.com Classic

2011年7月26日8回表満塁カウント3-1でのボブ・デービッドソンの判定

2011年7月26日球審ボブ・デービッドソンの左打者アウトコース判定
Brooks Baseball · Home of the PitchFX Tool - Strikezone Map Tool

今日の球審は、「あの」ボブ・デービッドソン
言わずと知れた、WBCで日本チームのホームランを二塁打と判定した、あのアンパイアである。

無死満塁でマウンドに上がったデービッド・ロバートソンは、アウトコース一辺倒のピッチングで、カウント3-1から、またもアウトコースにカットボールを投げたのだが、これは明らかにはずれていた。
だが、ボブ・デービッドソンは、このボール球をストライクと判定し、一気にゲームの流れを変えてしまった。ケネディは、フルカウントから、アウトコース低めにはずれるカットボールを空振り三振。
この場面を見ていた地元記者のツイッターが一斉にボブ・デービットソンの判定をなじるくらい、酷い判定だった。


この三振は、二重の意味で、ボブ・デービッドソンが「作為的につくりだした三振」だ
上の2つ目のBrooks Baseball Netから拝借した図でわかるように、そもそも、今日のボブ・デービッドソンの左打者のアウトコースの判定は異常に広すぎた

ただ、いちおうことわっておくと、この「広すぎる左バッターのアウトコース」の異常なゾーンの恩恵を受けたのは、主にシアトル先発ダグ・フィスターのほうだ。今日のサバシアのピッチングは、球審のゾーンの狭い広いにまったく関係なく、びっくりするほどコントロールがよく、ルールブック上のゾーンのコーナーいっぱい、コースいっぱいにビシビシと決めていく素晴らしい投球ぶりだった。貧打のシアトル打線では、とてもとても打ち崩すことはできない内容だった。そこは認めざるをえない。

しかし、8回表の満塁の場面で押し出しのかかった緊迫した場面での判定は、納得しない。サバシアのピッチングが、ゾーンに無関係に冴えていたことと、シアトルの唯一のチャンスの場面が、おかしな判定でゲームの流れが変えられてしまうことは、まったく別の問題だからだ。
もしここでケネディが押し出し四球を選んでいれば、さらに無死満塁から、ゲームの流れはまったく別のものになった。


アダム・ケネディは、彼がシアトルに来る以前から知っている。場面やカウントに応じたプレーのできる、頭のいい男だ。
普通なら、無死満塁で三振なんかしたプレーヤーには、「どうして球審がアウトコースを広くとっていることを頭にいれて、打席に立たないんだ!」と厳しく批判するところだが、ケネディに限っては、あの場面で「今日の球審のむちゃくちゃな判定傾向」を、まったく頭に入れないで打席に立った、とも思えない。
アダム・ケネディは、同じパターンで凡退し続けているオリーボカープペゲーログティエレスとは違う。
そもそも、ウェッジはこれだけ連敗したのだから、いい加減に「左右病のスタメン起用」をやめて、たとえ先発が左投手であっても、アダム・ケネディをスタメンで起用すべきだ。


ヤンキースのキャッチャー、フランシスコ・セルベリは、なんというか、相手の心理の動揺を見透かすような、非常にメンタルな、いやらしいリードをする。
まぁ、悔しいけれども、ボブ・デービッドソンの「疑惑の判定」で「押し出し」と思った球をストライクと言われ、心理的ダメージを受けているケネディに、フルカウントという切羽詰ったカウントで「直前の疑惑の判定と、まるで同じコース、同じ球種」を投げてくるのだから、「弱った動物相手にワナをしかけるような配球」としかいいようがない。やはり、ついバットが出て三振してしまうのも、しかたないといえば、しかたない。

今日はサバシアとセルベリのバッテリーに素直に脱帽しておくしかない。だが、絶好調のサバシアとアンパイアを相手に投げ合ったのだから、7回3失点でQSしたダグ・フィスターは、褒められてしかるべきだろう。


ブログ主は、ボブ・デービッドソンのああいう判定に、なぜエリック・ウェッジが抗議しないのか? と思う。カッコなんか気にせず抗議して退場したほうが、どれほどいいか。
LAA戦での「2度目の3ボール四球」ではないが、ああいう問題のある判定に毅然とした態度をとり続けないから、相手に舐められるのだ。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年7月24日、みずから牙を抜いて相手にさしだしてチームに「負け犬メンタリティ」をたっぷり塗りこめた「負け犬指導者」エリック・ウェッジの「3ボール四球黙認事件」を批判する。






damejima at 12:35

July 25, 2011

育成中のチームなんだから、15連敗してもしかたがない。

くだらねぇ。何もわかっちゃいない。
それが「負け犬メンタリティ」であって、そういう負け犬メンタリティを植えつけることが、どれだけ人間の成長の妨げになるかってことにすら、まだ気づかないのかね?
負け犬が泣きながら満塁ホームラン打ったって、全然怖くない。そんなだから問題が何も解決しない。たとえ四球の押し出しの1点を守り抜いた勝ちでもいい。それが「勝つ」ということだし、「勝つ」ということを学ぶことは非常に大事だし、もっと大事なのは、同じ失敗を繰り返すプレーヤーを同じ失敗を繰りかえさないプレーヤーに変えていくことで、これこそが本当の育成で、同じ失敗を繰り返して負け続けるプロセスには何も学ぶものはない

この「負け犬メンタリティ」が元々どこからやってきたのか?
ハッキリ、誰でもわかるように書いておくから、耳の穴かっぽじって聞くといい。


あの「事件」が起きた日は、このところ続いている所用がやはりあって、ゲームを見ることができなかったのがとても残念だった。それは、オールスター直前のビジターLAA第4戦で起きた、今シーズン2度目の「3ボール四球事件」だ。
ブログ主は、この2度目の「3ボール四球事件」が、「負け犬メンタリティ」のルーツだと確信している。


最初に言っておくと、ブログ主は戦闘の場である球技スポーツのグラウンドにおいて、ああした「みずから牙を抜いて相手に差し出すような、負け犬行為」を、単なるミスどころのレベルではなく、もしそれが社会や、災害や戦場といった限界状況でで起きた出来事なら、「背任行為や、犯罪にあたる」とまで思っている。
もし、自分の会社の社長が、他国のライバル企業に自社の特許技術を勝手使われ、さらにその他国で特許申請までされたにもかかわらず、社長がそれを「知ってたよ」なんて言って黙認したら、信頼なんか絶対に生まれない。

戦う人間には、ああいう行為は許されないと思う。



今シーズン2度あったこの「3ボール四球」という事件がエリック・ウェッジの負け犬メンタリティを生んだあらましをメモしておこう。

1度目の3ボール四球事件
ウェッジが「謝罪」した7月2日パドレス戦


2011年7月2日 パドレス戦における1度目の3ボール四球事件
San Diego Padres at Seattle Mariners - July 2, 2011 | MLB.com Classic
最初は、7月2日のパドレス戦5回裏、1アウト。外野手キャメロン・メイビンが、まだフルカウントなのに四球としてランナーに出た。だが、このことにシアトル側の誰も気がつかず、このランナーがタイムリーで生還し、このゲーム唯一の得点かつ決勝点になってしまい、シアトルは0-1の僅差で負けた。
この試合、投手はダグ・フィスター。この試合、ただの負けゲームではない。ダグ・フィスターは9イニングをひとりで投げ抜いたからだ。フィスターの貴重な力投を、チームは単なるベンチの注意不足で無駄にしたのだ。
フィスター自身は、試合後に「投げることに集中していたので分からなかった」とコメントしたが、監督エリック・ウェッジは「数えていなかった自分のミスだ」として、試合後クラブハウスで選手たちに「謝罪」して自分のメンツをとりつくろった。



ハンク・コンガー ハーフスイング誤判定事件
ウェッジが「退場」した7月9日のエンゼルス第3戦

Seattle Mariners at Los Angeles Angels - July 9, 2011 | MLB.com Classic
パドレス戦での「1度目の3ボール四球事件」から1週間たったアナハイムでの第3戦、3回裏無死1塁。
シアトルの先発マイケル・ピネダは8番ハンク・コンガーにストレートを投げ続けて、フルカウントの8球目、真ん中低めにスライダーを投げた。コンガーはハーフ・スイングして三振。ランナーのトランボはスタートを切っており、ミゲル・オリーボがセカンド送球して楽々アウト。
いわゆる三振ゲッツーのはずだったが、球審Todd Tichenorがスイングの判断を仰いだ三塁塁審Sam Holbrookが「スイングしてない」と誤判定を下して、無死1、2塁。その後、タイムリーとホームランで4点を失って、このゲームに3-9で敗れた。

このときの対応について、このブログでは「ここが負け犬になるかどうかの分かれ目になる」と判断して、こんなタイトルの記事を掲載した。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年7月9日、Sam Holbrookのミスジャッジで試合は台無しになったと、語ったエリック・ウェッジは、「気づいた」のか。それとも、「気づかない」のか。
「こんな「事件」、ほんの一部にすぎない。
このブログでは、シアトルの地元メディアが書きたがらないようなこと、エリック・ウェッジがコメントしそうもないことも書いてきた。もちろん、球審Sam Holbrookについては、ずっと前からその「おかしな挙動」をずっと追跡して記録してきている。

ウェッジはこの事件、どう思ったのだろう。
よくある単なるアンパイアの誤判定だと思うのか。よくある単なるアンパイアの誤判定だと思って、風呂にでも入ってビールでも飲んで忘れてしまうのか。
それとも、一時期多発していたイチローのアウトコースへのストライク判定、オールスター、バルガスを中心にしたさまざまな先発投手における判定の歪み。エリック・ウェッジは、さまざまな「設けられたハードル」の存在に気づいただろうか。
ハッキリ言って、監督エリック・ウェッジが抗議すべき判定、抗議して退場になるべき判定は、いままで、もっと数え切れないほどあった。選手は、そういうおかしな判定の中でずっとゲームをやらされている」

だが、結論からいうと、
エリック・ウェッジは「すべてのことに泣き寝入りする、負け犬の道を選んだ」



2度目の3ボール四球事件
ウェッジが「黙認」した7月10日の第4戦エンゼルス戦


2011年7月10日 エンゼルス戦における2度目の3ボール四球事件
Seattle Mariners at Los Angeles Angels - July 10, 2011 | MLB.com Classic
エリック・ウェッジが決定的に「負け犬メンタリティ」をシアトルに塗りこめたのは、2度目の「3ボール四球」が起こった7月10日のエンゼルス戦での「エリック・ウェッジの負け犬の対応ぶり」だ。
3回裏、1死1塁。ボビー・アブレイユが「カウント3-1」なのに、ファーストに歩いた。またしても「3ボール四球」である。

この試合後、監督ウェッジは、1週間前のパドレス戦とはまったく違う態度に出た。なんと「3ボールなのは、わかっていたが、黙認した」と言い出したのだ。

This time, the Mariners were aware of the count.
こんどは(パドレス戦のときとは違って)マリナーズはカウントのミスに気づいていた。

I knew it was only 3-1 to Abreu,” Wedge said, “but I told our coaches, I don’t want to pitch to him with a 3-1 count, anyway ? I think Abreu is their best hitter. I thought since it worked against us last time, maybe we can make it work for us this time.”
アブレイユのカウントが、まだ3-1なのは知ってたよ。でもコーチにはこう言ったんだ。『カウント3-1で(選球眼が良くリーグ屈指の数の四球を選ぶ)アブレイユに(彼に有利なのが見え見えのカウントで)投げたくなんかないよな?』って。アブレイユはエンゼルスのベストバッターのひとりだからな。前回パドレス戦での「3ボール四球」はウチのチームに不利な結果になったわけだから、こんどはウチに有利に働くんじゃないかな、と思ったんだ。」
Angels' Abreu walks on another 3-ball count - seattlepi.com


典型的「負け犬メンタリティ」だ。
このエリック・ウェッジの「負け犬メンタリティ」は、もちろんすぐに選手に伝染した
このゲームで、「3ボール四球」が起きたときにマウンドで投げていたのはフェリックス・ヘルナンデスだが、彼はもう「負け犬メンタリティ」丸出しにして、こんなコメントを言ってのけたのだ。
もし、自分の登板ゲームにプライドがあれば、こんなくだらないコメントはしないものだ。

On the mound, Hernandez knew, too.
マウンド上のヘルナンデスも(アブレイユがまだ3ボールで、四球ではないことを)知っていた。

“I thought, ‘That’s ball three,’ on the pitch when he walked, but I got the next two guys and it didn’t hurt us,
「彼が四球で歩いたとき、『まだ3ボールだ』と、わかってたよ。でも次の2人をうちとったんだし、俺たちには実害は無しさ」
Angels' Abreu walks on another 3-ball count - seattlepi.com



スポーツ選手でも、ビジネスマンでもいいが、これらのエピソードの流れを読んで、ウェッジのやった「3ボール四球の黙認」を「負け犬メンタリティ」と思わない人がいたら、ぜひ、お目にかかりたい。

たまに、ベースボールは、イニング交代のときにのんびりできるスポーツだと思っている人がいる。認識を今すぐ改めるべきだ。
野球は、相手が油断して均衡が破れたなら、相手のプライドを死滅させるまで得点しぬいて、容赦なく相手を潰しぬき、白旗を上げさせる「格闘技」そのものの厳しいスポーツだ。


将棋や囲碁、チェスのようなボードゲームをやったことのある人はわかると思うが、たとえプロもどきでも、本当に強い相手がなりふりかまわず本気で襲いかかってくるときの「相手に潰される感覚」というものは、「相手のプライドとやる気を死滅させるまで、とことん潰しにかかってくる、恐怖の戦闘感覚」であって、本気のボードゲームは格闘技そのものであり、ボクシングの殴り合いとどこも変わりない。
序盤は、相手にわずかなピンホールも見せないようにディフェンスを固めるか、相手のピンホールをこじ開けるために攻撃にパワーを傾注するか、天秤にかけながら戦闘は進むために、「均衡」と呼ばれる時間帯があるわけだが、ちょっとでも「明白な穴」が開けば、必ずそこは突かれ、傷は広げられ、均衡は破れ、勝敗は一気に決するのが普通だ。最後の寄せは上手い人間なら誰でもそれなりにできる。むしろ問題は、均衡を破られないで維持することだ。

エリック・ウェッジがやったことの意味は、シアトル・マリナーズという野球チームに、最初から穴の開いた、均衡の崩れた状態でゲームが始まるのを黙認することだ。

それを負け犬メンタリティといわずして、
何が負け犬メンタリティかっ。






damejima at 20:10

July 10, 2011

その事件はSEA vs LAA第3戦、スコアレスで迎えた3回裏に起きた。

2011年7月9日 Sam Holbrook コンガーのハーフスイングを誤判定


先頭のマーク・トランボが四球で歩いた。
次打者はハンク・コンガー

シアトルの先発マイケル・ピネダはフルカウントまでストレートを投げ続けて、8球目に真ん中低めにスライダーを投げた。コンガーはハーフ・スイングして三振。ランナーのトランボはスタートを切っており、ミゲル・オリーボがセカンド送球して楽々アウト。

いわゆる三振ゲッツー。
の、はずだった。


ところが、球審Todd Tichenorがスイングの判断を仰いだ三塁塁審Sam Holbrookは、なんと「スイングしてない」と判断した。
このときのシアトルの選手、ベンチのとまどいは、以下の動画に収められている。MLBが故意に消さない限り、Sam Holbrookの、この恥ずべき判定の記録は永遠に残る。

動画:Wedge's ejection │ MLB.com

この判定結果に抗議したシアトル監督エリック・ウェッジは退場させられたわけだが、ゲーム後、こんな風にコメントしている。「酷いコールによって試合の流れは変わってしまった」。
"It changes the course of the entire ballgame,'' Wedge said of the call. "Two outs and nobody on, to first-and-second and nobody out. They score four runs. It's ridiculous. It was obvious to everybody in the ballpark, obviously, except for him that he did go (around). It was just a bad call. A bad call that changed the entire ballgame.''
Mariners Blog | Eric Wedge furious at umpire's call, saying it "changed the entire ballgame'' | Seattle Times Newspaper


スイングしているかどうかなど、議論する必要などない。
写真を見て、コンガーのグリップ位置、バットヘッドの位置、全体のピントなどを検討すれば、誰にでもわかるし、立証できるからだ。たぶん、バットのヘッドは、ホームプレートどころか、バッターボックスの先端まで突き出ているはずだ。


だが、こんな「事件」、ほんの一部にすぎない。

このブログでは、シアトルの地元メディアが書きたがらないようなこと、エリック・ウェッジがコメントしそうもないことも書いてきた。もちろん、球審Sam Holbrookについては、ずっと前からその「おかしな挙動」をずっと追跡して記録してきている。


ウェッジはこの事件、どう思ったのだろう。
よくある単なるアンパイアの誤判定だと思うのか。よくある単なるアンパイアの誤判定だと思って、風呂にでも入ってビールでも飲んで忘れてしまうのか。

それとも、一時期多発していたイチローのアウトコースへのストライク判定、オールスター、バルガスを中心にしたさまざまな先発投手における判定の歪み。エリック・ウェッジは、さまざまな「設けられたハードル」の存在に気づいただろうか。

ハッキリ言って、監督エリック・ウェッジが抗議すべき判定、抗議して退場になるべき判定は、いままで、もっと数え切れないほどあった。選手は、そういうおかしな判定の中でずっとゲームをやらされている。

このブログは、忘れない。なにもかも。
ピンときたことを、記録し、積み重ねる。
そうすることで、おかしな「流れ」の存在が見えてくる。


球審Todd Tichenorに関するブログ記事

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年5月27日、フランクリン・グティエレスのスーパー・キャッチ。イチローの変態ツーベース&決勝打点。タイムリー無しの4得点でヤンキースを撃破! 勝率5割復帰!!! ポーリー3勝目。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年5月28日、両軍先発に合計10個の四球を記録させた球審Todd Tichenorの、「あの記録」。


三塁塁審Sam Holbrookに関するブログ記事

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年4月15日、Sam Holbrookの特殊なストライクゾーンに手こずったジェイソン・バルガス。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年4月29日、4月8日にてこずったアンパイア Sam Holbrookにまたしても遭遇したジェイソン・バルガスの初勝利。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年5月28日、アダム・ケネディのサヨナラタイムリーを生んだマリアーノ・リベラ特有の「リベラ・左打者パターン」配球を読み解きつつ、イチローが初球サヨナラホームランできた理由に至る。






damejima at 23:17

July 08, 2011

ほんと、気分の悪いゲームだった。

ジョナサン・パペルボンにGo Homeと罵倒されたアンパイア、ジョー・ウエストの話を、ジョー・ウエスト側に好意的な立場から記事を書いたばかりだが、今日のLAA初戦の球審が、そのジョー・ウエストとはまるで知らなかった。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年7月5日、ゲームの進行が遅いとクレームをつけた最年長ベテランアンパイアに、ジョナサン・パペルボンが放った"Go Home"の一言。

最近イチローに対する球審のアウトコースの「ゆがんだ判定」も多少マトモになってきたな、と思っていたところだったが、オールスターが近づいたせいか、球審ジョー・ウエストは、ダグ・フィスターがエンゼルスの右打者に投げるアウトコースを、「ど真ん中に近い球」すら含めて、ことごとくボール判定し、その一方で、オールスターでの登板が予想されているジェレッド・ウィーバーの判定と大きな差をつけて、アンパイアとしてゲームを「つくった」。
Brooks Baseball · Home of the PitchFX Tool - Strikezone Map Tool

ジェレッド・ウィーバーは疑いなくオールスター出場にふさわしい素晴らしい投手のひとりであり、ほっておいてもシアトルの若い打者くらい軽くひねる能力がある。
だから、あえてゲームを「つくる」必要などないのに、なんでまた、こういう変なことをするのだろう。
これほど、片方のチームの投手だけを故意に不利な判定をする「エコヒイキのゾーン」は、見たことがない。少なくとも、今シーズンのシアトルのゲームでは、はじめて見た

ブログ主もパペルボンにならって言わせてもらおう。
Go Home, Joe West with extreme favoritism.
偏った球審など見たくない。家に帰りやがれ。



右打者への判定

三角がフィスターの投球、四角がウィーバー。
がストライク判定、がボール判定。

2011年7月7日 球審ジョー・ウエストの右打者のゾーン


データを見てもらうと、ゾーン内に緑色の三角形がやたらとたくさんあるのがわかるだろう。
それらは全てダグ・フィスターが右打者に対して投げたストライクで、球審ジョー・ウエストは全部「ボール」とコールした。中には「ほぼど真ん中に近いストライク」すら、ボール判定している。
酷いもんだ。



ジョー・ウエストというアンパイアは、球審としては、もともと「低目とファースト側のゾーンが、極端にではないが少し狭く、高めとサード側がわずかに広い」、そういうゾーンの特徴を持つアンパイアで、ゾーン全体はやや狭いほうに属する。
資料:ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年11月6日、MLBのストライクゾーンの揺らぎ (3)アンパイアの個人差をグラフ化してみる
両チームの投手が「その球審独特のゾーン」で同じように判定され、同じように被害をこうむったというのなら、「まぁ、MLBではゾーンもアンパイアの個性のうち」と、肩をすくめて苦笑いすることもできなくもない。

だが、だ。
ジョー・ウエストは、ダグ・フィスターのストライクだけを、ボール判定」している。こればかりは許せない。監督エリック・ウェッジはなぜこんなおかしなアンパイアに抗議しないのか。


ついでに書くと、
今日最も被害を受けたのはフィスターだが、左打者イチローの、第3打席2球目のアウトコース低めの判定も酷い。
ダグ・フィスターの右打者のアウトコースへの判定がことごとくボール判定になったわけだが、左打者への投球で、これほど酷い判定を受けたのはイチローだけだ。
Seattle Mariners at Los Angeles Angels - July 7, 2011 | MLB.com Classic

左打者への判定
2011年7月7日 球審ジョー・ウエストの左打者のゾーン

2011年7月7日 イチロー第3打席2球目 投手ジェレッド・ウィーバー


もうすぐオールスターだが、オールスター出場選手だけを一方的に保護し、優れた選手だとアピールしてまでして、不自然な大量投票によって進んだマトモでないオールスターの体面をとりつくろい、演出しても、何の意味もない。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年7月3日、「ここまでするか」と感じる、2011年オールスター投票の作為。






damejima at 14:11

July 06, 2011

よくMLBについて、アンリトゥン・ルール (明文化されないルール。不文律。英語ではunspoken ruleとか、unwritten ruleと表現されることが多い。また"Baseball Code"と、「ダヴィンチ・コード」風の表現もある)がある、なんてことを言う人がいる。たとえば「審判を批判するのはタブー」とか、そういうたぐいの話だ。
また、MLBと日本のプロ野球の違いについても、「MLBは、これこれである」 とか、いつのまにかまかり通っている「日本でのMLB常識」みたいなものがある。たとえば「MLBの試合進行は、いつも速い」とか、そういう話だ。


だが、本当にそうなのか。


2010年春に、MLBの最年長アンパイアとしてよく知られている1952年生まれのベテラン ジョー・ウエスト が、ヤンキースとレッドソックスのゲームについて「試合進行が遅すぎる」という意味の発言をして物議をかもした。
Umpire Joe West blasts Boston Red Sox, New York Yankees for slow play - ESPN
この件に関してはMLBコミッショナー、セリグ氏もコメントを求められたりして対応に苦慮されたようで、ジョー・ウエストは制裁こそされなかったものの、後に機構側に発言の不用意さをたしなめられたらしい。
West was not fined by Major League Baseball for his comments, but was "admonished firmly",

Joe West (umpire) - Wikipedia, the free encyclopedia



いちおう注釈をつけておくと、MLBのゲーム進行のスピードには「さまざまなタイプ」がある。いつもゲームを見ている人には説明の必要はないだろうが、例えばボストンの松坂登板試合などは、それはもう、嫌になるほど長い(笑)。一方で、どんなチームであれ、ダブルヘッダーの第一試合は、信じられないほどの超高速でゲームが終わってしまう。
つまり、一概にMLBのゲームは早いとばかり言い切れない。中には遅いゲームもある。

ボストンだけについて言うと、ゲーム進行がノロいと感じるのは、別にヤンキース戦だけに限らない、という印象がある人が多いはず。ブログ主もボストンのゲームは、どんなカードであれ基本的に試合が「ゆっくりだ」とは感じる。また、ヤンキースよりボストンのほうがずっと「ゆっくりだ」と感じる。
以前何度か書いたように、ボストンの打者はア・リーグで最も待球してくる。なんせ、ア・リーグで唯一「P/PA=1打席あたりのピッチャーの平均投球数」が4球を越えるわけだし、またそれと同時に、よく打ち、よく走って、繋がる打線なわけだから、どうしても攻撃時間が長く感じるに決まっている。
ただ、まぁ、待球の多さとヒット数だけで「試合進行を遅いと感じる原因になるか?」というと、それは別問題で、それだけで説明がつくものでもない。そのくらい、ボストンのゲームには「スローには感じる部分」がある。


アメリカには、なんというか度はずれて熱心な人というのがいて、このジョー・ウエストの発言を受けて、ヤンキースとレッドソックスの実際のゲームを測定し、「実際のゲームで、どの選手の間が長いか?」を調べた人まで出現した(笑)
たぶんストップウオッチかなんかで細かく計測したのだろうが、なんという粘り強さだ。とても真似できない(苦笑)
ちなみに、その人の計測結果によると、野手ではヤンキースではデレク・ジーター、ボストンではダスティン・ペドロイアが、いわゆる「間の長いプレーヤー」らしい。
Sabermetric Research: Why are Yankees/Red Sox games so slow?


また、ヤンキースの試合進行のスピードについても言うと、100年くらい前、1905年6月の古いNew York Timesに、「ヤンキースとカブスの試合をブルックリンに見に行ったんだが、あれじゃ試合時間が長すぎる。もっと短くしてくれ」という意見を書いた記事があって、ヤンキースのゲームに「ノロい」とクレームがつくのは今に始まったことでもないようだ。
TOO SLOW BASEBALL. - Complaint of a Patron of the National Game. - Letter - NYTimes.com

ゲーム進行の遅さを嘆く1905年のニューヨーク・タイムズ紙記事

20世紀に入る前後の時代のベースボールは、まだルールを固めていっている最中なだけに、たぶん試合進行も今とはかなり違っていただろう。
例えば「フォアボール」だが、1876年にMLBが出来た当初はまだ「ナインボール」で、9つのボールを選ばないと打者は出塁できなかった。だが、試合のスピードアップが求められることで徐々に短くされ、1889年に「フォアボール」、日本でいう「四球」というルールになった。
だから1905年に試合を見た人ですら「試合進行が遅い」と感じたからには、九球が四球になった1900年代でも、まだ「ゲーム進行がテキパキしてない」と感じさせるさまざまなシークエンスが、当時のゲームにあったわけだ。


とにかくいえるのは、MLBにまるで関心のない日本の野球ファンは「MLBのゲームはなんでもかんでもスピーディーで、テキパキと展開するのが常識」とか思っているかもしれないが、現実はそうでもない、ということ。
最初に挙げたESPNの記事でも、2009年ワールドシリーズで、ヤンキースのキャッチャーホルヘ・ポサダが、「1イニングに8回」もマウンドのCCサバシアのところに行った、なんていう例を挙げている。
イチローがランナーに出た、というだけで、5回以上牽制球を投げてくる投手だっているくらいだ。「ノロいゲーム」は、実際ある。


話がひどく横道に逸れた。
ジョー・ウエストの「ヤンキースとレッドソックスは試合進行がノロい発言」に、当時、ヤンキースとボストンの選手たちは血相変えて噛み付いた。
例えば、当時ボストンにいたジョナサン・パペルボンは、こんな強烈なことを言っている。(ちなみに、パペルボンの名誉のためにいっておくと、この件についてはヤンキースのクローザーリベラも、彼なりの強い調子でコメントしている)
"Have you ever gone to watch a movie and thought, 'Man, this movie is so good I wish it would have never ended.' That's like a Red Sox-Yankees game. Why would you want it to end?"
He added: "If you don't want to be there, don't be there. Go home. Why are you complaining. I'm not going to sit somewhere I don't want to be. If you go to a movie or any entertainment event and you like it, you're going to stay and watch and you're not going to want it to end. If you don't, then you won't. Why is it such a big deal?"

意訳:「いい映画を見てると、『終わってほしくない』って思うだろ? ヤンキースとウチのゲームも、まさにそれだよ。嫌なら、スタジアムにいることない。とっとと家に帰れよ!
Umpire Joe West blasts Boston Red Sox, New York Yankees for slow play - ESPN


いやはや。
Go home発言ですよ。ダンナ。
ヤンキースとボストンは「特別だ」と思ってるわけですよ、彼ら。



もしも、ですね。仮定の話として。
日本人であるイチローが、これ、発言してたら
どういうことになるか。考えてみたら、怖い怖い(笑)
アンパイアに向かって、Go Home! だもん。

もしも、こういう発言をしても許されるような道理がイチロー側にあったとしても、また、仮にイチローがヤンキースかボストンの中心選手のひとりであったとしても、審判に向かって Go home なんて言い放ったりした日には、たぶん、もう、信じられないくらいアメリカでバッシングを受けると思う。(もちろん、聡明な彼はこういう汚い言葉を使って他人を罵倒したりするわけがない。当然です。ここでいっているのは、あくまで仮の話。)



つまり言いたいのは、
「審判を批判すること」は最終的なタブーではないってこと。
ほんとのタブーはですね、もっと別のところにあるわけです。はい。


ほんとの意味でアメリカの「メジャーな、メジャー記録」をゴボウ抜きしてくって仕事はね、大変な仕事なわけです。いろんな意味でね。

damejima at 20:44

June 15, 2011

まだゲーム中だが、ちょっと気になったのでメモしておく。
Los Angeles Angels at Seattle Mariners - June 14, 2011 | MLB.com Classic

今日の球審はジョー・ウエスト
データ上では、メジャーでゾーンの狭い球審のひとりだ。メジャーのアンパイアのデータは下記を参照。(本来のジョー・ウエストは、左打者のアウトコース側と、低めが狭い)
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年11月6日、MLBのストライクゾーンの揺らぎ (3)アンパイアの個人差をグラフ化してみる

これは2回までの判定マップだが、ルールブック上のストライクゾーンに入っている先発フィスターの「高めの投球」が、ほとんど全てといっていいくらい「ボール」判定されている。特に左打者の高めは全滅だ。
身長が高いダグ・フィスターは、角度のついたストレートを投げたがる。フィスターがいつも投げる高めストレートに、今日はスピードもコントロールもなかったのは彼自身の責任だが、その一方で、判定もひどかった。
2011年6月14日 ジョー・ウエストのストライクゾーン(2回まで)
資料:Brooks Baseball · Home of the PitchFX Tool - Strikezone Map Tool


2011年6月14日 1回表 アブレイユ 四球1回表
アブレイユ 四球

初回のアブレイユは、初球、3球目がゾーン内。画像は省略したが、二塁打を打たれた先頭バッター、アイバーへの3球目も、ゾーン内。だが、ストレートにこだわって高めに連投し、「ボール判定」の連続から大量失点を招いた。


元のマップに、今日のゲーム序盤(2回まで)に球審が最もストライク判定しているホットゾーンを、赤い枠線で書きこんでみた。いかにゾーンそのものが狭く、また、「高目をとっていなかったか」がわかる。
2011年6月14日 球審ジョー・ウエストの判定ゾーン


こういう特殊なゾーンでの判定傾向に対して、エンゼルス先発のジェレッド・ウィーバーはどう対処しているかというと、シンプルに「打たせてとるピッチングをしているの」だ。無理にきわどいところを突いて、三振をとりにいくようなことはしていない。
こういうところは、さすがLAAの鍛えられたバッテリーだと思う。非常にクレバーだ。無理に空振りをとりにいって成功するような球審でないことを、ウィーバーは早くから見抜いている。
たとえばイチローが3回にヒットにした球を思い出してほしい。イチローが打ったのは、「ボールになる真ん中低めチェンジアップ」だ。ヒットを打たれはしたが、打たれたくないバッターにこういうボールを使うという方針は、まったく間違ってない。


かたやフィスターだが、立ち上がりに高めばかり投げたのは、こういう判定傾向のゲームでは「致命傷」だった。
彼の経験の無さ、初回にアレックス・アイバーにバント(ファウル)されたことだけで気持ちがアップアップになってしまう精神的なゆとりの無さを考えると、ここはフィスター自身がピッチングを修正するより、キャッチャーのミゲル・オリーボが、フィスターに「進むべき方向」を示してやるべきだったが、いつもそうなのだが、オリーボはその日の判定傾向をほとんど考慮していないように見える。これはフィスターのときだけに限らない。

フィスターが中盤以降に立ち直ってきたのは、プレートの真上に落ちる変化球、つまり「球審の好きなストライク」を多用するようになってからだが、これでは対応が遅すぎる
初回に、「フィスターのいつも使う角度のある高めのストレートを多投するピッチング」ではなく、もっとプレートの真上に落ちるチェンジアップやカーブをもっと効果的に使うように方針をもっと早く変更していれば、重い4失点など、なかったと思う。
もちろん、初回の走者ハンターの狭殺プレーでのスモークの守備、ダブルプレーにできたはずのケネディの送球ミスなど、守備にも足をひっぱられた。

フィスター、いつものことながら、気の毒だ。






damejima at 13:05

June 10, 2011

ビジター デトロイト戦初戦、3回表のイチロー第2打席。
3球目が気にいらないので、とりあげてみた。
今日の球審はCory Blaser
Seattle Mariners at Detroit Tigers - June 9, 2011 | MLB.com Classic


2011年6月10日 デトロイト戦3回表 イチロー 3球目2011年6月10日
デトロイト戦3回表
イチロー 3球目

3回表イチロー第2打席終了時の判定マップ
資料:Brooks Baseball · Home of the PitchFX Tool - Strikezone Map Tool
2011年6月10日 球審Cory Blaserの判定マップ(3回表まで)

試合終了時の判定マップ
資料:Brooks Baseball · Home of the PitchFX Tool - Strikezone Map Tool
2011年6月10日 球審Cory Blaserの判定マップ(試合終了時)


ちょっと長い注釈をつけたい。

このゲーム、初回の第1打席で、イチローは初球のアウトコースのストレートを打っている。打ったのはストレートで、かなりゾーンからはずれている
「なぜ、あのイチローが、ここまではずれているストレートを打つのだろう?」と驚く人もいると思う。

初回、第1打席の初球と、3回表、第2打線の3球目は、ほとんど同じコースで、ボールとしかいいようがないストレートだ。
イチローは初回は振ったが、3回表のストレートは振らなかった。振らなかったが、球審の判定は、ボールではなく、「ストライク」だった。

2つの球は似ている。

それだけに、上に挙げた2つ目と3つ目のマップ上での指摘は、もしかすると「初回に打った球」と、「3回の見逃した3球目」を混同しているのではないか? と思う人がいるかもしれない。

だが、それは絶対にない
そういうことを防ぐために、わざわざ2つの判定マップを挙げているのだ。理由を以下に説明する。


2つの判定マップはBrooks Baseball · Home of the PitchFX Tool - Strikezone Map Toolというサイトのツールから借用したものだが、このサイトのマップにプロットされているドットが示しているのは、すべて「球審のコールした球」であって、「ゲームで投じられた全球」ではない。
つまり、記録されるのは「ボール判定された球」、および「打者が見逃したストライク」、この2つのみ、なのである。
もちろん、このことはサイトにきちんと明記されている。
These graphs only plot calls made by the home plate umpire. In other words, they only plot balls and called strikes. No other pitches or results are included. Intuitively, this provides a representation of the strikezone for each game.

3回表の判定マップは、イチローが第2打席を終えた「直後」に採取したものだ。

なぜ、そんなことをするのかというと、このツールのマップは、ゲーム進行につれてどんどん点が書き込まれていく仕組みになっていて、ゲームが終わったときには、3番目に挙げた「試合終了時の判定マップ」のように、たくさんの点が並んでしまっている。
だから普通なら、混みあい、重なりあったドットの中から「どれがイチローのアウトコースに投じられた投球なのか?」を、厳密に判定することが難しくなるのである。

だから、早めにマップをキャプチャーして保存でもしておかないと、後で言いたいことも言えなくなってしまう。
だから、あわてて保存するのだ。


だが、最近あまりにも目に余る「MLBのアンパイアのイチローのアウトコースへの理不尽な判定の数々」の場合、そういう「2段階の保存作業」は、本当は必要ない。

なぜなら、3回表の判定マップで「最もアウトコースにはずれているボール」(=イチロー第3打席の3球目)は、たとえ試合が終わって、マップ上に数多くの点が書き込まれてしまった後でも、つまり、3番目の図の状態で見たとしても、「迷わず、これがイチローのアウトコースの判定だ!」と、簡単に指摘できるほど、あまりにもストライクゾーンからはずれているから、である。

そのくらい、今のイチローのアウトコースの球審の判定は酷いのである。

実際、このごろ、どのピッチャーも、どのピッチャーも、初球は何をさしおいても「アウトコースのストレート」を投げてくる。そして、それをイチローが簡単に見逃すようになっていて、これが、いとも簡単にカウントが追い込まれる原因になり、そして、バッティングスタイルの崩れにも繋がっている。


そんな劣悪な環境におかれているのだ。
アウトコースのボール球であっても、どうせストライクコールされるくらいなら、振ってヒットにしてやる!」と、彼が思ったとしても、なんの不思議もない、と思う。

ブログ主は、イチローが、このゲームの初回、初球のアウトコースの「3回の3球目以上に、とんでもなくはずれているストレート」を強振したのは、彼なりの、野球のルール内での反抗と抗議であり、「球審のコールになんて、負けないぜ。ヒットにしてやるっ」という意思表明だと思って、このゲームを見た。

2011年6月10日 デトロイト戦 1回表 イチロー 初球2011年6月10日
デトロイト戦 1回表
イチロー 初球

ブログ主はイチローの不屈さを絶対的に支持している。
あきらめる? とんでもない。ありえない。
あきらめたら、負けだ。

気にいらないものは、
とことん「気にいらない」と言うつもりだ。
誰にも遠慮なんかしない。






damejima at 17:23

June 09, 2011

よくまぁ、今日のようなストライクゾーンが「極端な横長」で、低めのチェンジアップがほとんどボールにされてしまうような球審にブチあたった日に、針の穴を通すコントロールで投げるのを信条とするジェイソン・バルガスが、ここまでの好投をできたものだ。感心した。

最近めっきりキレがなくなったリリーフ、ジャーメイ・ライトが同点2ランを打たれてしまい、せっかくのバルガスの勝ち星をフイにしてしまったが、いずれにしても粘り強いピッチングで、超苦手なホワイトソックス戦、苦手なUSセルラー・フィールドでのビジター3連敗を見事に阻止してくれたのは、バルガスの好投あってこそだ。文句無く素晴らしい。

前の登板の初完封といい、
バッテリーに心から拍手を送りたいと思う。

Seattle Mariners at Chicago White Sox - June 8, 2011 | MLB.com Classic

今日の球審Marvin Hudsonは、本来はこういうアンパイアではない、と思う。データ上でいうと、本来はかなりルールブックどおりのストライクゾーンを持っている「はず」のアンパイアだ。

だが、なんとまぁ驚いたことに、今日のMarvin Hudsonのゾーンは、「あまりにも横長なゾーンで判定することで有名なMike Winters」以上の、びっくりするほど横長なストライクゾーンだった。
資料:Mike Wintersのストライクゾーン
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年11月8日、MLBのストライクゾーンの揺らぎ (4)特徴ある4人のアンパイアのストライクゾーンをグラフ化してみる(付録テンプレつき)

今日のゾーンの「極端さ」ときたら、低めのきわどいボールをとらない程度の話じゃなかった。
たぶん今日は、ルールブック上のゾーンの低めいっぱいから上に、約ボール2個分、約5インチから6インチくらいの間の空間、つまり「ボール約2個分くらいの低めのストライクゾーン」が「消滅していた」と思う。

そして、低目をまるでとらない一方で、「左右のゾーン」は異常に広かった

だから、今日のバッテリーは「上下」ではなくて、「左右」にゾーンを使うしかなかった。(実際、今日バッティングでも大活躍したオリーボの打った球は、どれも高めの球。彼はキャッチャーだから「このアンパイアなら、高目を投げるしかないと、相手バッテリーも考えているに違いない」とでも考えて、狙いを高めに絞っていたかもしれない)


以下は、いつもの判定マッピングである。
四角い点がホワイトソックスの投手、三角の点がシアトルの投手。赤色の点が「ストライク判定」緑の点が「ボール判定」
低めのゾーン内に、「緑色の点」、つまり「球審にボール判定されたストライク」が、異常にたくさんあることを見ておいてもらいたい。
よくこれで、低めのきわどい球を決め手とするジェイソン・バルガスが好投できたものだ。

2011年6月9日 球審Marvin Hudsonの「横長ストライクゾーン」
資料:Brooks Baseball · Home of the PitchFX Tool - Strikezone Map Tool


わかりやすくするために、上の今日の判定結果マッピングに、さらに手を加え、「今日のおおまかなストライクゾーン」を赤色の四角形で示してみた。
びっくりするくらい「ストライクゾーンが横長になっている」ことがわかると思う。図をクリックして、大きな図で確かめてもらいたい。

2011年6月9日 球審Marvin Hudsonの「横長ゾーン」を明示した図


バルガスは、こういう「低目をほとんどとらない球審」に出くわすと、どうしても彼本来の「きわどいコースにストライクを決めまくって、打者をキリキリ舞いさせるようなピッチング」が出来なくなってしまう。
バルガスはときとして大量失点することがあるが、それは、かつての城島キロス、いまのジメネスのような、バルガスの望む配球パターンを頭に入れてないキャッチャーとばかり組まされてきたこと以外に、球審の問題がある。低めのストライクがとってもらえず、しかたなく高めにチカラの無い球を投げては、連打されまくってしまうのだ。

バルガスが負けるときの典型的なパターンは、日本のファンもよく知ってのとおり、「コントロールの素晴らしいバルガスはいつでもきわどい変化球のストライクを投げられる。なのに、低目をまるでとらないような相性の悪い球審に悩まされると、結局、意図しない大量失点をする負けパターン」にはまる(というか、ハメられてしまう)のだ。


だが、今日のバルガスは違っていた。
やっぱり息のあったクレバーなバッテリーは見ていて気持ちがいい。
今日バルガスとオリーボは、バルガス特有の負けパターンにはまらないように気をつけていたように見えた。


プレートの真上に落ちる変化球は、MLBにおける典型的な決め球のひとつだが、バルガス、オリーボのバッテリーは、ゲーム序盤から「プレートの真上に落ちるチェンジアップ」だけに頼らず、「インコースを突く攻め」も織り交ぜて、配球に変化をもたせていた。
だが、ゲーム序盤に「今日は、低めのチェンジアップがストライク判定してもらえないこと」に気づいて、低めのチェンジアップだけに頼るのを止め、(特に右打者に対して)インコース攻めをより強調した。

この「インコース攻め」が、今日の「まったく普段の彼らしくないMarvin Hudson」のような「低目をまるでとらない球審」がとても苦手なバルガスにとって、非常に功を奏した。


例1)初回のカルロス・クエンティン
1回裏、二死走者なし。
3番カルロス・クエンティンには、この3連戦で既にフェリックス・ヘルナンデスがホームランを打たれているが、バルガスは、その危険なクエンティンのインコースへ「勇気ある2球目」を投げた。
シアトルには好投手も多い。だが、いま好調のクエンティンのインコースに、ひょいっとチェンジアップを投げるだけの勇気あるピッチャーは、このジェイソン・バルガスだけだろう。

このインコースのチェンジアップは見事すぎるほどの「明らかなストライク」だったが、球審の判定はなんと「ボール」。やむなく外のカットボールで追い込むが、4球目に再び「ボール判定されたチェンジアップ」と同じコースにストレートを投げたところ、ホームランを浴びた。ツいてない。

2011年6月9日 ホワイトソックス戦 1回裏 クエンティンへの2球目


例2)4回のリオス
4回裏、二死2塁。追加点のピンチ。
5番アレックス・リオス。2球目、インコース低めにズバリと決まったバルガス得意のチェンジアップだが、球審はこれを「ボール判定」。その後3-0とカウントを悪くして、ピンチを広げそうになった。
だが、こんどはバルガスが、あわてずに得意のチェンジアップを典型的な「アウトハイ・インロー」配球で内・外と投げ分け、リオスをピッチャーゴロに仕留めた。
MLBでよくみかける「アウトハイ・インロー配球」については以下のブログ記事を参照。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」damejimaノート

2011年6月9日 ホワイトソックス戦 4回裏 リオスへの2球目






damejima at 14:24

June 06, 2011

今日のタンパベイ戦、球審はJim Joyce。そう、あのガララーガの完全試合未遂ゲームの、あのジム・ジョイス。
Jim Joyceはどうも、右打者のときは完全に「スロット」のポジションだが、左打者のときはやや中心よりと、バッターによって立ち位置が変わっているように見えるのだが、どうなのだろう。気のせいか? (左のペゲーロのときなどはスロットだったりするのも、意味がよくわからない)
Tampa Bay Rays at Seattle Mariners - June 5, 2011 | MLB.com Classic


初回のイチローは、アウトコースのストレートを見逃し三振。自信をもって見逃している。もちろん、ボールはデータ上、ストライクゾーン外にはずれている。詳しくはまた後で書く。今はデータを貯めたい。

最近、イチローが「不調だから、アウトコースが見えてない」なんて言う人がいるが、ハッキリ書いておく。
イチローは「アウトコースが見えていないから、ストライクを振らずに三振した」のではない。「ボールなのがわかったから、振らなくていい球を振らなかった」だけだ。
これをストライクと判定するかどうかは、単に「球審の個人差の問題」であり、イチローの選球眼の問題ではない。

2011年6月5日 1回裏 イチロー 見逃し三振1回裏
イチローへの4球目

2011年6月5日 初回 イチロー三振時の判定マップ
資料:Brooksbaseball.net

次の資料は7回裏、イチローへの初球。球審Jim Joyceはインコースへのストレートをストライク判定した。これも、もちろんデータでみると、ゾーンをはずれている。

何度も書いてきているように、MLBのアンパイアの傾向として「左打者のアウトコースの判定で、ゾーンを広くとる」というのはある。
資料:ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:アンパイア、MLBのストライクゾーン

だがしかし、左打者のインコース、いわゆる「スロット」に立って判定しているはずの球審が、左打者のインコースの「ゾーン外にはずれている球」を「ストライク判定」とは、ちょっとやりすぎだ。左打者への判定が外は広いMLBとはいえ、内はここまで広くない。

2011年6月5日 7回裏 イチロー 初球7回裏
イチローへの初球


次の資料は、2回裏、6番の右打者ミゲル・オリーボへの3球目。アウトコースへのストレートをストライク判定。これも、もちろんゾーンははずれている。

今日の先発はエリック・ベダードだが、こういう外の判定の広い球審の日には、ストライクゾーン内にしゃかりきになってストライクを投げようとしてはいけないのだが、残念ながら、今日の序盤のベダードは非常に投げ急いでいて、カウント0-2から必要のないストライクを投げ急いでタイムリーを浴びている。

なんせ、アウトコースの、ゾーン外の球をこれだけストライク判定してしまうアンパイアなのだから、バッテリーはちょっと使うコースを考えないとダメだ。(さらに言えば、ゲーム終盤にはゾーンが変わってくる、という問題も意識に入れておくべきだろう)

2011年6月5日 2回裏 ミゲル・オリーボへの3球目2回裏
オリーボへの3球目

2011年6月5日 2回裏 オリーボ3球目時点での右打者判定マップ
資料:Brooksbaseball.net


ちなみに最近「球審の立ち位置」が、昔とは違うことをご存知だろうか?

なにも特定のアンパイア、少数のアンパイアが、自分の特殊な趣味で立ち位置を変えたのではなく、トレンドとして変わった、というか、変えたのだ。(とはいえ、もちろんそれでも「立ち位置」に冠する球審間の個人差が無くなるわけではない。「個人差」というのは、MLBにおいて常に認められている、ひとつの文化のようなものだ)
どう変わったかというと、球審はかつてのようにホームプレートの中心ラインに沿って立って、「ストライクゾーンを左右均等に見てはいない」のである。
今、アンパイアは、プレートの中心に沿って立つのではなく、「バッターのインコース側」に立って、バッターとキャッチャーの間の「隙間」から顔をのぞかせるようにして、ゾーンを見て、判定しているのである。
この「打者とキャッチャーの間の、球審が顔をのぞかせる隙間」のことを「スロット」といい、「スロットに立って判定する球審のポジショニング」を、アンパイアの人たちの用語などは「スロット・ポジション」とかいっている。(なお、英語サイトでは、work in the slotとか、set up in the slotなどという表現をみかける)「スロット」という言葉は、ギャンブルの名前ではなく、「隙間」という意味。

この球審の立ち位置の変化は、MLBであれ、日本のプロ野球であれ、野球を見る上でファンの誰もが必ず知っておくべきことだと思う。
アンパイアをやっている立場の人にしてみれば、「スロット」からの判定は「一番判定の難しいアウトコース低目が見えるようになる。またインコースの際どい球筋が見えることで、投手の極端なインコース攻めを抑制できる」とか考えている人が多いようだ。

だが、実際に野球をやってきて今は解説者をやっている人たちや、巷の野球ファンが、アンパイア側の人たちと同じ意見を持っているとは限らない。
解説者の中にも、ファンの中にも、「スロットからの判定だと、遠いアウトコースの判定はおぼつかないんじゃないの?」と疑問を投げかける趣旨の発言をしている人は、けっこうみかける。
ブログ主も、「スロットから判定すれば、アウトコースの判定がより正確になる」とは、今のところ思えない。

発言例:ボルチモアのフォーラム
New Umpire Plate Position
発言例:High School Baseball Web
Plate Umpire positioning - Topic
資料:球審のポジションに関するPDF
http://glenwoodlittleleague.org/wp-content/uploads/forms/umpiring/plate_mechanics.pdf


ちなみに以下は、8回表からベダードをリリーフして、逆転を許したシアトルのジャーメイ・ライトの、タンパベイ、フェリペ・ロペスへの2球目。ゾーンに入っているアウトコースのストライクを「ボール判定」。
なんだろうねぇ、この球審ジム・ジョイスの「アウトコースの判定」。やれやれ。

2011年6月5日 8回表 フェリペ・ライトへの2球目8回表
ロペスに投じた
ライトの2球目






damejima at 05:39

June 03, 2011

これは、ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年6月2日、「記録達成」を阻止したいのかとでも疑りたくなるような、今シーズンのイチローに対するアウトコースのストライクゾーン。(1)、の続きの記事。


BrooksBaseball.netは、ルールブック上のストライクゾーンと、実際のアンパイアの判定の「ズレ」について、非常に強いこだわりをもったデータを提供してくれているサイトだ。
今日のタンパベイのゲームでも、球審Ron Kulpaの正確無比な判定を、ゲームの進行に沿って、そこそこリアルタイムにデータ上にマッピングしてくれている。
Brooks Baseball · Home of the PitchFX Tool - Strikezone Map Tool

今日のゲーム全体の「左打者の判定」は、下のマップのようになっている。
クリックすると別窓が開いて、大きなマップがみられるので、よかったら見てみてもらいたい。四角い点がシアトルの投手、三角がタンパベイの投手。赤い点がストライク判定緑の点がボール判定だ。

どうだろう。

今日の判定は、赤い点が、実にきれいにゾーン内に収まって、なおかつ、緑の点がきれいにゾーンの外におさまっていることがわかると思う。
今日の球審Ron Kulpaが、かなり正確な判定をしていることがハッキリわかってもらえると思う。このブログでよくとりあげる、低めの大半をボール判定するタイプのSam Holbrookのマップなどと比べてもらってもいい。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年4月29日、4月8日にてこずったアンパイア Sam Holbrookにまたしても遭遇したジェイソン・バルガスの初勝利。

2011年6月2日 左打者への判定(Normalized Maps)ゲーム全体の判定マップ


さて問題にしたいのは、イチローのアウトコースの異常さだ。


まず1回裏、第1打席の5球目
イチローはカウント1-2から、タンパベイ先発の右投手James Shieldsの5球目のストレートを見逃して、三振に倒れている。その球は、下の画像でいうと、白い淡い線で描かれた仮想ストライクゾーンの左下にある、赤色で「5」と書かれた点だ。

この球、Gamedayの表記では、ゾーンからボールひとつくらいはずれているわけだが、後でこれがBrooksBaseballのデータ上ではどういう風に表記されているのかを見てみることで、BrooksBaseballというサイトのデータがいかに正確か、そして、ストライクとボールを見分けるイチローの選球眼がいかに正確かの、両方を感じとることができるはずだ。
(ちなみに下の「1回裏の判定マップ」で、マッピングされた点の数が「ゲーム全体の判定マップ」より少ないのは、初回イチローの打席までのデータであるため。後から画像ソフトで点を消したわけではない)

2011年6月2日 1回裏 イチロー 三振初回・イチロー
5球目を見逃し三振

1回裏時点での判定マップ
2011年6月2日 初回 イチローが三振した時点でのマップ


次に、4回裏、第3打席の初球
この球は、アウトコースのハーフハイトのストレート。ゾーン左側に「1」と書いてある赤い点がそうだ。
どうだろう。上の例と比べても、びっくりするほど、ゾーンからはずれているのがわかると思う。

2011年6月2日 4回裏 イチロー 5球目>4回裏・イチロー
ショートゴロ


上の2つの例を、こんどはBrooksBaseballの試合全体のデータで確認してみる。
細かいデータなので、図をクリックして、大きな図にしてから見たほうがいいと思う。もちろん赤い日本語の文字は、ブログ側で後からデータに書き入れたものだが、データそのものは一切いじっていない。

1番目のサンプルの、「初回・5球目」については、このコースをストライクとコールするアンパイアはいるものだ、ということは、もちろんわかっている。なにも、このコースをストライクコールされること自体に文句を言っているのではない。
問題にしているのはそういうことではなくて、「ゲーム全体の判定マップ」を見渡せばわかることだが、「ボール半分のわずかなズレでも正確に判定できるような、これほど優秀で正確なタイプのアンパイアが、なぜ、イチローの打席に限っては、あからさまに「ボール1個はずれたボール」を、ストライクとコールするのか?」ということだ。

マップを見てもらおう。

イチローへの投球を加筆強調したマップ
2011年6月2日 イチローの打席だけに現れるおかしな判定

BrooksBaseballのデータで見るかぎり、
シアトル、タンパベイ、どちらのチームの打者かを問わず、このゲームの左打者で、アウトコースのボール球をストライクと誤判定されたのは、イチローに対する初回・5球目と、4回・初球の、2球しかないのだ。

そして、4回のコールに関しては、どう考えても、このアンパイアは、「これほど明白にゾーンからはずれたストレート」を、ストライクコールするようなタイプではない。
加えて、この馬鹿みたいにはずれた明らかなボール球をストライクとコールする「アウトコースの判定が異常に広いアンパイア」は、さすがのMLBでも、ほとんどいない



以上、ここまで書いたことの信憑性を高める意味で、イチローの打席と比較する資料として、2回裏フィギンズの打席のアウトコース判定を挙げておく。
初球と4球目をよく見てもらいたい。ボール半分のわずかな違いしかない。非常にきわどい判定だが、球審は実に素晴らしい正確さで、初球のストライクはストライク、4球目のボールはボールとコールしている。いかにこの球審が目がいいアンパイアかが、これでわかる。
もし4球目がストライクコールなら、フィギンズは見逃し三振で、この打席5球目のタイムリーヒットは生まれていない。

2011年6月2日 2回裏 フィギンズの打席のアウトコース判定比較対象資料
2回裏フィギンズの打席の正確無比なアウトコース判定


改めて言うけれど、この球審Ron Kulpaは、もともと正確なジャッジのできるアンパイアだ。加えて、今日に限って言うなら、左打者のアウトコースを「ボール半分以下の正確な精度」で判定している。なかなかこんな優秀なアンパイア、Jeff Kellogじゃあるまいし、そうそういるものじゃない。

なのに、イチローの打席に限って、なぜああいうコールがされるのか。

おかしなアウトコース判定が、
今シーズン、あまりにも多すぎる。



資料;初回 イチローの打席までの全データ。
上の3つが補正後。下の3つが補正前。
証拠画像






damejima at 16:53
旅行好きの人はよく目にすると思う。

日本人旅行者が、やれ釣り銭を誤魔化されたの、ホテルがダブルブッキングだったの、ホテルの部屋の設備が故障していた、意味のわからない料金を払わされた、空港でトランクがどっかに行ってしまった、思っていたものと違うものを押し付けられた、そういう旅先でのトラブルの数々。
だが、そういう場面でしっかりクレームを言える人を、残念ながら、あまり見ない。
文句を言うのが恥ずかしい、あるいは、ガミガミ文句をいうとソフィスティケートされた人間でないと思われる、とでも思っているのだろうか? 意味がわからない。ダメなものは、はっきり「ダメ」「修理しろ」「やりなおせ」「これじゃない」「金返せ」と言っていいのだ。


ここに書くことは、「イチローの打席特有の、アウトコースの判定のおかしさ」について、だ。これは、今シーズンずっと思っていたことで、なにも今日初めて考えたのではない。

あらかじめ言っておきたいのだが、MLBのアンパイアには「右打者のゾーンにくらべると、左打者のゾーンは、アウトコース側にズレていて、アウトコースが広い」という、共通の判定基準がある。
この「左打者のアウトコースが広い」現象については、このブログでは、他のどんなメディアより、たくさんの記事を積み重ねて書いてきたつもりだし、MLB全体が共有している範囲での「左打者判定」なら、別に文句をつけるつもりはない。今までのシーズンのイチローの打席でも、「他のMLBの左打者にも共通の現象」なら、よくあった。
また、「同じゲームに出場しているシアトルの左打者にも共通してみられる判定のゆがみ」、あるいは「同じゲームに出場している相手チームの左打者にも共通してみられる判定のゆがみ」、つまり、単なる「そのアンパイア特有のクセや、贔屓の意識」という意味でなら、全世界の野球どこでもある話なので、そのことについても、文句を言ったことは一度もない。


だが、今シーズンのイチローのアウトコースの判定は、ちょっと酷いと、ブログ主は常々思って見ている。つまり、「両チームあわせて、イチローにだけ、厳しい判定が下されている」としか思えないシーンが、多々ありすぎる。


こういうことは、まぁ、誰もが体面を気にして、書かない。公言しない。
だがブログ主は今シーズンの2ヶ月弱のゲームを見てきて、今シーズンについてだけはひとこと言っておかなければならない、と思うようになり、あまり気は進まないが、重い腰を上げてみた。なんせ他に書く人がいないのだから、辛辣な書き方で知られる(笑)このブログで書くしかない(笑)
なんとか、誰にでもわかるようなレベルで書きとめられればいいが、と思う。

この話の真偽のほどは、それぞれの人の判断にまかせたい。同意する人もいるだろうし、同意しない人もいるだろう。
ブログ主はちなみに、今シーズンのイチローの打席については、ほぼ大半を見ている。あくまで今日挙げる例は、多々ありすぎる「おかしいと思うイチローのアウトコースの判定」のサンプルに過ぎない
まぁ、あれこれ言わなくても、シアトルのゲームを数多く見ている人なら、わかっていることだ、とも思っている。
Tampa Bay Rays at Seattle Mariners - June 2, 2011 | MLB.com Classic


まず今日の球審、Ron Kulpaについて。

最初にこれは確認しておきたい。
もし、もし今日の球審が、あまりにも極端なストライクゾーンの持ち主だったなら、むしろ、ブログ主はこんな記事は書かない。むしろ、正確な判定をする優秀な人だからこそ、書く気になった。

たとえんば、球審が、ゾーンが極端に狭いGerry Davis、逆に極端に広いJeff Nelson、ゾーンが非常に横長なMike Wintersなど、判定の特徴があらかじめわかっている人なら、「ああ、今日のゲームはゾーンが極端で、たぶん打者はアンパイアに振り回されることになるだろう」と、あらかじめわかる。(そういう意味では、ジェイソン・バルガスを悩ましているSam Holbrookだって、「ゾーンがかなり狭い」とわかっているのだから、それはそれで諦めがつく部分もある。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年11月8日、MLBのストライクゾーンの揺らぎ (4)特徴ある4人のアンパイアのストライクゾーンをグラフ化してみる(付録テンプレつき)
だが、今日の球審Ron Kulpaは、本来「非常にノーマルで、正確なタイプのアンパイア」のひとりだ。だからこそ、今日イチローのアウトコースの判定を問題にしたくなる。

Overall  2.08
Left    1.76
Right   -2.22
Top    1.9
Bottom  1.89

上の数字は、Ron Kulpaのストライクゾーンの数値だ。この数値が何を意味するのかは、ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年11月6日、MLBのストライクゾーンの揺らぎ (3)アンパイアの個人差をグラフ化してみる というブログ記事を参照してもらいたい。

上の数値を、図にしてみると、こんな感じになる。

Ron Kulpanoのストライクゾーン


ゾーン全体が、「やや三塁側、左打者のアウトコース側にやや寄っている」のがわかると思うが、このこと自体は、よくあることだ。
資料:ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月29日、MLBのストライクゾーンの揺らぎ (2)2007年の調査における「ルールブックのストライクゾーン」と、「現実の判定から逆測定したストライクゾーン」の大きな落差。

前に書いたように、「左打者のゾーンがアウトコース側にずれている」のはMLBのアンパイア全体の傾向であって、特に問題にならない。
むしろRon Kulpaのストライクゾーンは、ルールブック上のストライクゾーンからの「ズレ」は、トータルにみて「小さい」部類に入り、かなり正確な判定をするタイプのアンパイアだと思う。


むしろ、正確な球審だからこそ、
判定の問題部分がわかりやすいのだ。






damejima at 16:05

May 29, 2011

ア・リーグのゲームでピッチャーが打席に立つことは絶対にありえないか? と、聞かれれば、答えは No だ。

ア・リーグでも投手が打席に立つことは、ありうる。

Boston Red Sox at Minnesota Twins - May 28, 2009 | MLB.com Wrap

May 28, 2009 Boston Red Sox at Minnesota Twins Box Score and Play by Play - Baseball-Reference.com

例えば、こういうことだ。

昨日2011年5月27日のシアトル・ヤンキース戦のゲームの球審をつとめたTodd Tichenorのストライクゾーンがやけに狭くて、両軍先発投手ピネダバーネットが2人で合計10個もの四球を出した、という話をしたばかりだが、奇しくもちょうど2年前の2009年5月28日に、そのTodd Tichenorが球審をつとめたミネソタ・ボストン戦で、こんな事件があった。


この日のミネソタは、これはたまたまなのだが、レギュラーキャッチャーのジョー・マウアーが休養日で、DHとして出場していた。

1-1の同点で迎えた7回表。

先頭打者ジェイソン・バリテックが、珍しくこの日2本目となるホームランを打って1点リードした後、さらに1死1、3塁となって、ダスティン・ペドロイアが犠牲フライを打ち、ボストンがリードを2点に広げたのだが、ホームプレート上でのクロスプレイのセーフ判定を巡って、ミネソタ側が猛烈に抗議した。
球審Todd Tichenorはこのとき、ミネソタのやたらと退場させられることでも有名なガーデンハイアー監督と、控えキャッチャーのマイク・レドモンドを退場処分にしたのだが、この日のミネソタベンチには、悪いことに、DHジョー・マウアーしかキャッチャーがいなかった。

そのためミネソタはやむなく、マウアーをDHからキャッチャーにして守備につかせた
Morning Juice: Outta here! Tichenor hits an umpire's grand slam - Big League Stew - MLB Blog - Yahoo! Sports

DHが守備につくケースでは以下のルールが適用される。

1) 守備しないDHの選手を、守備につかせることはできる
2) だが、そのかわりに、チームはDHの権利を失う
3) DHがいなくなった以上、そのチームの投手は打席に立たなければならなくなる
(実際にはピンチヒッターが出されることがほとんど)

だから、この日のミネソタ側のWrapには、ア・リーグでは見慣れない表記がいくつもある。

Mauer, DH-C
マウアーの右側の記号は守備位置だが、DHからキャッチャーに代わったことがわかる。

Redmond, M, C(退場になった控えキャッチャー)
Henn, P
a-Cuddyer, PH
Ayala, P
b-Buscher, PH

ミネソタは控えキャッチャーのレドモンドが退場になったために、守備の欠けた部分はDHマウアーが守備について埋めたわけだが、打撃のラインアップの欠けた部分、つまり8番の打順を、「DHの権利が消滅した」投手で埋めなくてはならない。
そのためミネソタはブルペンからショーン・ヘン(当時ミネソタに在籍していて、現在はトロント)を登板させただけでなく、打者として8番に入れた
というのも、DHマウアーが守備についたことで、ミネソタ側の「DHの権利が消滅」してしまい、たとえア・リーグのゲームで、投手であっても、この場合は打順に入れなくてはならないのだ。
そして、この8番という打順は、すぐ裏の7回裏に打順が回ってくるために、もし代打を出さずにおくと、投手ショーン・ヘンは、DH制ア・リーグのゲームなのに、打席に立たなければならなくなる
(実際には代打が出る。このケースでもマイケル・カダイアーが代打に立った)

さらにやっかいなことに、カダイアーが代打に出たにしても、こんどはカダイアーが投手を兼任できるわけではないわけだから、カダイアーが打席に立った次の守備のイニングになる時点で、カダイアーの打順には投手をいれなくてはならない。
(このケースではカダイヤーの打順に投手アヤラを入れた)

さらにまた、その投手に打順が回ってくることがあれば、またまた代打を出すハメになる。
(このケースでは、投手アヤラに代打ブッシャーを出した)
めんどくさいこと、このうえない。

DHの権利喪失の例
Forfeiting the right to a DHという項目参照。やはりキャッチャーがらみのケースが多い。
Designated hitter - Wikipedia, the free encyclopedia

ただし、
このゲームはこのままでは終わらなかった。


波乱だらけの7回表が終わり、7回裏のミネソタの攻撃になった直後、ストライク・ボールの判定を巡って、こんどはボストン側が猛抗議を行ったことから、なんと、こんどはボストンの監督フランコーナと、キャッチャーのジェイソン・バリテックが退場になったからだ。
ただし、ボストンのベンチには、控えキャッチャーのコタラスがいたために、ボストンはミネソタがDHを失ったような「めんどくさい事態」にはならずにすんだ。(キャッチャーをDHにしたりするものじゃないことが、よーくわかる)
05/28 2009 7回表裏で両チームのキャッチャーと監督4人が退場 ‐ ニコニコ動画(原宿)

そう。
あの両軍監督、両軍キャッチャー、合計4人退場事件のときの球審が、昨日のシアトル・ヤンキース戦で両軍先発投手に10個もの四球を出させた球審Todd Tichenorなのである。


この人の「帳尻癖」、なんとかならないものかね?(苦笑)






damejima at 08:43

April 30, 2011

なんという偶然なのか。

ボストン遠征第1戦に先発したのはジェイソン・バルガスだったが、球審はなんと、またしても、4月8日のクリーブランド戦で手こずった、あのストライクゾーンの極端に狭いSam Holbrookだったのだ。
バルガスは今日、2010年8月14日以来となる、久しぶりの勝利を得たわけだが、この勝利はSam Holbrookのコールに対するリベンジの意味もあった。
Seattle Mariners at Boston Red Sox - April 29, 2011 | MLB.com Classic

Seattle Mariners at Boston Red Sox - April 29, 2011 | MLB.com SEA Recap

ジェイソン・バルガスが2011年4月8日に、クリーブランド相手にメッタ打ちにあったときの球審が、MLBのアンパイアの中でもストライク・ゾーンが非常に小さいことで知られる、Sam Holbrookだったことは、一度記事にした。彼のコールの特徴は、「高めのストライクをとり」、そして「低めのストライクをまるでとらない」ことだ。
バルガスは4月8日のクリーブランド戦では、低めのボールをことごとくボール判定され、しかたなく高めにボールを浮かせてストライクをとりにいったところを、ことごとく狙い打ちを食った感があった。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年4月15日、Sam Holbrookの特殊なストライクゾーンに手こずったジェイソン・バルガス。

2011シーズン ジェイソン・バルガスの
アンパイア別WHIP・ERA

Bruce Dreckman 0.900 1.35
Wally Bell 0.900 1.35
Larry Vanover 1.333 3.00
Ed Rapuano 1.800 10.80
Sam Holbrook 1.839 9.58
Jason Vargas 2011 Pitching Splits - Baseball-Reference.com



4月8日と、4月29日
この2つのゲームで、球審のコールはどうだったのか。
同じなのか。違うのか。



2つのゲームを、感覚などではなく、具体的なデータで比較してみよう。

資料にしたのは、以前何度か使ったことがあり、素晴らしいデータ提供で知られているBrooksBaseball.netの提供するデータである。
Brooks Baseball · Home of the PitchFX Tool - Strikezone Map Tool


まず、4月8日のデータを見てみる。
データの見方は以下のとおり。

1) 図の中央、黒線で描かれた四角形が、ストライクゾーン
2) 図はアンパイア視線で描かれている。
  右側がライト側、左側がレフト側にあたる。
3) 四角形のデータはホーム側の投手。三角形はビジター。
したがって、4月8日のデータでは、四角形がシアトルの投手。三角形がクリーブランド。4月29日のデータでは、四角形がボストン。三角形がシアトルになる。
4) 赤い色はストライク判定緑色はボール判定


4月8日 対左打者
2011年4月8日 対左打者 Sam Holbrookのコール
ストライクゾーンが非常に極端なことは、ひとめでわかる。最も大きな特徴は、対左打者のストライクゾーンにおいてSam Holbrookは「まったく低目をとらない」ことだ。さらに「高め、外角を、異様なほど、やたらとストライクコールしている」。
下に挙げた同じ日の右打者のデータと比較してみてもらいたいが、これほど低目をとらず、高目をとるSam Holbrookの極端なストライクゾーンは左右両方の打者に適用されているのではない高めをこれほどストライクコールするのは左打者に特有の現象だ。

4月8日 対右打者
2011年4月8日 対右打者 Sam Holbrookのコール
高めのストライクゾーンはノーマルだ。
だが、低めのゾーンは、なんと、ほとんどのストライクゾーン内の球を「ボール」とコールしている
これでは投手はたまったものではない。
特に左投手で、右打者に対してアウトコースから真ん中低めいっぱいに決まるチェンジアップを多投する配球を得意とするバルガスにとっては、こうした低目をまったくとってくれないアンパイアは、どうみても死活問題だ



では、こんどは、
今日4月29日のコールぶりをみてみる。
4月8日のコールの傾向とだいぶ違うので、4月8日のコールの特徴をあらためて頭に入れてから見てもらいたい。


4月29日 対左打者
2011年4月29日 対左打者 Sam Holbrookのコール
低めについて、やはり「低目をとらないSam Holbrook」の特徴が強く現れており、多数の低めのゾーン内の投球がボールとコールされている
特に、ボストンの投手の右打者への低めへの球は、非常に多くがボールとコールされている。(実際には、ボストンの右投手松坂の左打者への投球が被害にあったと思われる)
また、アウトコースのゾーン外の球(つまり図に向かって左側=レフト側)に、ストライクとコールされた球が多くみられるのだが、これは以前いちど指摘したように、MLBのアンパイアの左打者へのコールはアウトコース側をボール1個か2個分広くストライクコールするのが普通なのであって、これをもってしてSam Holbrookだけの特徴というのは間違っている。むしろ、平均的なMLBのアンパイアのコールといっていい。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月29日、MLBのストライクゾーンの揺らぎ (2)2007年の調査における「ルールブックのストライクゾーン」と、「現実の判定から逆測定したストライクゾーン」の大きな落差。
4月8日にみられたような「左打者の高目をやたらとストライクとコールする」という特徴はまったく影をひそめている

4月29日 対右打者
2011年4月29日 対右打者 Sam Holbrookのコール
低めについてはやはり、「低目をとらないSam Holbrook」の特徴が発揮されていて、ゾーン内への投球なのにボールとコールされた球が多数発生している
同じ4月29日の対左打者のケースではボストンの投手の低めが多数ボール判定されているが、対右打者では逆に、シアトルの投手の右打者の低めへの投球の多くがボールとコールされてしまっている。(実際には、シアトルの左投手バルガスの右打者への投球が被害にあったと思われる)
高めのゾーンについて、4月8日のような「異様に高めのボールをストライクとコールする」ような事態は、まったくみられない。


バルガスの立場からいうと、4月8日と4月29日の球審Sam Holbrookのコールの違いは下記のような意味になる。

1) 4月8日の左右両方の打者にあった「低めの球をまったストライクとコールしてもらえない現象」は、4月29日については、少なくとも、左打者については無くなり、右打者については残った
このため、推定として、4月29日のバルガスがヒットを打たれた打者は、右打者が多いはず
実際に、ボストンの打者でゲームで打点を挙げたのは、2本のホームランを打った右打者マイク・キャメロンと、1打点を挙げたケビン・ユーキリス。下記に、実際にボール判定されたストライクゾーン内の投球例を挙げる。

2) 4月8日にあった「左打者の高目にはずれる球を、ストライクとコールしてもらえる現象」は、4月29日には全く消滅した。だが、もともと低目や左右を広く使う配球をするバルガスにとっては、高めのストライクゾーンが狭まることのデメリットは、ほとんどない。

2011年4月29日 3回裏 ダーネル・マクドナルドへの6球目3回裏
ダーネル・マクドナルドへの6球目

結果:四球

2011年4月29日 3回裏 ケビン・ユーキリスへの初球3回裏
ケビン・ユーキリスへの初球

結果:タイムリーヒット

2011年4月29日 5回裏 ケビン・ユーキリスへの5球目5回裏
ケビン・ユーキリスへの5球目

結果:四球








damejima at 23:37

October 22, 2010

今日のフィラデルフィアとサンフランシスコのゲームは、なんともテンポが悪い、重いゲーム。正直、とてもとてもリンスカムロイ・ハラデイという好投手同士の小気味のいい投げ合い、という感じではなかった。
もちろん、チームが「勝利」を期待する投手だし、投高打低のポストシーズンなだけに、2人とも本当に大変な疲労感があるに違いない。2人には、心からお疲れ様といいたい。
Philadelphia Phillies at San Francisco Giants - October 21, 2010 | MLB.com Gameday


特に、気になったのは、ロイ・ハラデイだ。
なにかこう、ダルそうな、腕の振れてない感じのピッチングフォーム
が心配になった。

もともとスリー・クオーターというより、下手をすると、スリー・クオーターとサイドスローの中間くらいな感じでスローするピッチャーではあるが、それにしたって今日は、いくらなんでもちょっと肘が下がってしまっているように思えてならなかった。
もちろんレギュラーシーズン21勝して、今年のサイ・ヤング賞間違いなしの大投手とはいえ、10敗した中には打ち込まれたゲームも何ゲームもあり、そういう調子の悪いの登板の大半は見てないからなんとも言えないが、それでも、これほどダルそうな感覚で投げて、しかも8回どころか、6回で降板していく疲れたハラデイを見ると、いつも8回くらい平気で投げぬくタフな人だけに、肘でも痛いのかと、ちょっと心配になる。
(ハラデイ、1977年5月生まれの30代のオジサン。かたやリンスカム、1984年6月生まれ。7歳違うんだから、しかたがないといえば、しかたがないか 苦笑 ちなみに1977年生まれは、他に、野手ではアンドリュー・ジョーンズカルロス・ベルトランブランドン・インジアレックス・ゴンザレス、投手ではフィリーズの同僚のロイ・オズワルトAJバーネットヴィンセント・ペディーヤなどなど 1977 Major League Baseball Born this Year - Baseball-Reference.com

今シーズンのロイ・ハラデイのゲームログ
Roy Halladay Game Log | phillies.com: Stats



それと、もうひとつ気になるのは、
ハラデイの低めのカットボールに対する
アンパイアのコールの辛さ


NLCS(=ナ・リーグのチャンピオンシップ・シリーズ)になってからのハラデイは、打者を追い込んでから投げる「ベース上、低めいっぱいに決まる決め球のカットボール」を、かなりの数、「ボール」判定されて苦しんでいる。
Brooks Baseball · Home of the PitchFX Tool - Strikezone Map Tool
どうもゲーム中盤、しかもサンフランシスコのクリンアップの打席になると、決まって判定が辛くなるような気がするのは、気のせいなんだろうか。


実は、この6回の球審Jeff Nelsonの判定の辛さについては
かなりややこしい背景がある。



10月16日 Game 1
6回表のカットボール(3球目)の「ボール」判定


San Francisco Giants at Philadelphia Phillies - October 16, 2010 | MLB.com Gameday
球審は、サンフランシスコ・ジャイアンツのバリー・ボンズが755本目のホームランを打ったときに球審をしていたDerryl Cousins(→NYデイリー・ニューズで検索したDerryl Cousinsのこれまでの記事はこちら Derryl Cousins)。10月21日の球審をつとめるJeff Nelson(2001年にシアトルに在籍していたブルペン投手ジェフ・ネルソンとは別人)は、このゲームではレフトの線審。

6回表2アウト1塁。バッターは5番パット・バレル。0-2と追い込んでからの3球目、決めにいった低めいっぱいのカットボールが、「ボール」判定。ロイ・ハラデイはこのあと2本のタイムリーを浴びた。
「試合の流れを決めた判定」だけに、MLBの公式サイトの動画にも、わざわざHalladay has a close call on a 0-2 pitch(「ハラデイ、カウント2ナッシングからきわどい判定に泣く」)というタイトルまでつけられた動画がアップロードされているくらいだ。実際、きわどい。
そもそも中立的な立場のMLBの公式サイトの動画で、アンパイアの判定の微妙さが動画になって残ること自体、そう滅多にあることじゃないと思う。
この件について、ハラデイ自身は記者の質問に、こんなコメントを残した。
Halladay had thrown an 0-2 fastball with two outs that looked like it could be strike three to slugger Pat Burrell, until umpire Derryl Cousins deemed it low. Did Halladay figure the inning-ending strikeout was his?
"Yeah, I did," he said. "But that's part of it. There are obviously calls that (the Giants) wanted too. That's part of the game. (後略)"
出典: Roy Halladay, Jimmy Rollins Among Phillies to Show Cracks in Game 1 -- MLB FanHouse

問題の場面の動画
Baseball Video Highlights & Clips | NLCS Gm 1: Halladay has a close call on a 0-2 pitch - Video | MLB.com: Multimedia

2010年10月16日NLCS第1戦6回表バレル3球目 投手ハラデイ2010年10月16日
NLCS Game 1
6回表 2アウト1塁
カウント0-2
ジャイアンツ5番打者
パット・バレルへの
非常にきわどい3球目


3球目の低めのカットボールを「ボール」と判定され、次の4球目、タイムリー・ツーベースを打たれ、3点目を失う。



10月21日 Game 5
6回裏のカットボール(6球目、7球目)の
「2球連続ボール」判定


Philadelphia Phillies at San Francisco Giants - October 21, 2010 | MLB.com Gameday
今日のゲームの球審は10月16日のGame 1では線審だったJeff Nelson。10月16日Game 1で球審をつとめていたDerryl Cousinsは、このゲームではセカンド塁審。

Jeff Nelsonは、Hardballtimesによれば
ルールブックに沿ったゾーン、理論的なストライクゾーンと最もかけはなれた、自分勝手なストライクゾーンを主張するMLBアンパイア」の代表格。
Jeff Nelsonのストライクゾーンは「2000年代以降にストライクゾーンが、ルールブックどおりに近い現在のゾーンに修正される前までの、ステロイダーによるホームラン量産時代の典型的ゾーン」に近く、「異常にアウトコースのストライクゾーンが広い」。
Hardballtimesは、この「古いストライクゾーン」をいまだに使っているJeff Nelsonのコールを、the classic “Glavine” call、つまり、「トム・グラビン的ストライクゾーンによる古典的なコール」と呼んでいる。特にJeff Nelsonの「右打者から見て外角のストライクゾーン」が異常に広いことは、データ的に明らか、らしい。

Jeff Nelsonは、今年2010年8月10日のボルチモアとテキサスのゲームでは、ボルチモアに不利な判定をし続けた上に、これまでメジャーのキャリアで一度も退場になったことのないニック・マーケイキスの打席で、わけのわからない判定で三振させて、温厚なマーケイキスがさすがにキレたのを、マーケイキスにとってキャリア初となる退場処分にし、さらに9回には、名監督バック・ショーウォルターまで、このゲーム2人目となる退場処分にした、いわくつきのアンパイア
この「マーケイキス退場事件」が起きたのも、やはり10月16日、10月21日の両事件と同じ、「6回」。

Jeff Nelsonによって
退場になるニック・マーケイキス(動画)

Baseball Video Highlights & Clips | TEX@BAL: Markakis is ejected arguing the strike zone - Video | orioles.com: Multimedia
Jeff Nelsonによって
退場になるバック・ショーウォルター(動画と記事)

Baltimore frustrated, ejected against Wilson | orioles.com: News
2010年8月10日のデータサンプル:明らかに「ボール」
cascreamindude: Ejections: Jeff Nelson (3, 4) 
NYデイリー・ニューズで検索したJeff Nelsonのこれまでの記事:Jeff Nelson (Umpire)

HardballtimesのJeff Nelsonに関する批評
タイトルがA zone of their own(「身勝手なストライクゾーン」)という、辛辣な記事。「メジャーで、最も実際の理論的なストライクゾーンとかけはなれた、自分勝手なストライクゾーンを主張するアンパイアは誰なのか?」を、豊富なデータから解き明かす優れた記事。
Jeff Nelsonの短評は、north and south、つまり高低は正確だが、内外については古典的グラビン・コールをするアンパイア」
Jeff Nelson: The most pitcher-friendly umpire in 2007. He calls the vertical strike zone much closer to the rulebook definition. He also is willing to give the outside corner against right-handed hitters, the classic “Glavine” call a couple inches off the plate.
A zone of their own



さて今日のゲームの話に戻ろう。

6回の先頭打者として、このポスト・シーズンの活躍で一気に名を上げた感じの4番バスター・ポージーが打席に入った。
ハラデイはポージーをカウント2-2と追い込んで、6球目、7球目に「低めいっぱいのカットボール」を投げたが、いずれも「ボール」と判定され、結局、四球。ノーアウトのランナーになった。
ハラデイは、なんとかこの後、2死1、2塁を無失点に抑えるが、このイニングで降板。いつものように長いイニングを投げることはできなかった。

マーケイキスも物静かな男だが、ロイ・ハラデイも負けず劣らず冷静な男だ。だが、さすがに今日は、テレビ画面からもロイ・ハラデイの憤怒が伝わってくるほど、彼の表情は険しくなり、感情を露わにしていた。

この6回の「疑惑の2球連続ボール」判定の伏線には、初回に起きた「5番バレル怒鳴り散らし事件」がある。

2010年10月21日NLCS第5戦6回裏ポージー6・7球目 投手ハラデイ2010年10月21日
NLCS Game 5
6回裏 ノーアウト
ジャイアンツ先頭打者
4番バスター・ポージーへの
6球目、7球目




10月21日 Game 5
初回の「ストライク判定」にまつわる
サンフランシスコ5番打者バレルの「怒鳴り散らし事件」


あまり書いていて気持ちのいい話ではないのだが、6回の「2球連続ボール判定」の前に、実は、既にこのゲームの初回、例の10月16日に「ボール」判定が問題になった件の当事者であるパット・バレルが、大きな問題をひき起こしている。

5番バレルは、初回に5人目の打者として登場したが、Gamedayのグリッドで見るかぎり、明らかにストライクの「インローいっぱいに決まるカットボール」でロイ・ハラデイに三振させられた。
だがバレルは、その際、たぶん「ストライク判定」が不服だったのだろう、例のマーケイキスとショーウォルターを退場させた球審Jeff Nelsonに、大声を出して文句をつけている。
だがバレルは、球審の判定に声を張り上げて文句を言うだけで(それだけで、既に退場ものだが)済まさずに、ベンチに引き上げていくロイ・ハラデイに対して、何か大声で怒鳴り散らした
ブログ主は、ひとの唇の動きを読めるような達人ではない。だが、動画によれば、なんとなくフォー・レター・ワーズを使っているようにも見える。もしこのとき、いわゆる「フォー・レター・ワーズ」を使っているとしたら、球審は、なんらかの処分、というより、バレルを即時退場にすべきだ。
だが、球審Jeff Nelsonは、8月にマーケイキスは退場処分にしたクセに、このときは、動画を見ればわかるように、ただバレルの行動をいさめただけで、退場にしなかった

球審に文句をつけるパット・バレルの動画
YouTube - 100_0088[1].MP4

2010年10月21日NLCS第5戦1回裏バレル4球目 投手ハラデイ2010年10月21日
NLCS Game 5
1回裏 2アウト1、2塁
ジャイアンツ5番
パット・バレルへの4球目

低めいっぱいのカットボール。Gamedayのグリッドで見るかぎり、あきらかに「ストライク」。それなのにバット・バレルは球審とロイ・ハラデイに怒鳴り散らした。
球審Jeff Nelsonはバレルを即刻退場にすべきだった。

この初回の「バレル怒鳴り散らし事件」については、このゲームを取材していた沢山のメディアも気がついており、ニューヨーク・デイリーニューズ電子版などは、通常の野球記事のように、この日のゲーム内容を記事にするだけでなく、「バレル怒鳴り散らし事件」を含めて記事にしている。
ニューヨーク・デイリーニューズは、ロイ・ハラデイ自身に、ベンチに引き上げていくときの事情について質問さえしていて、さらにはハラデイからの回答も記事にしている。記事によればロイ・ハラデイは、
There are a lot of emotions at this point in the season.
「この件はシーズン中からいろいろと紆余曲折があるんだ。」
と、数々のいきさつや感情が複雑に折り重なった、やっかいな問題が存在することを認めつつ、
I thought it was a pretty good pitch.
「僕が投げたボール(初回バレルに投げたカットボール)は非常にいい球だったと思っているよ。」
と、「投球が明らかにストライクだった」と確信していることを、明確に示した。
Roy Halladay pulls groin but bests Giants 4-2, as Phillies send NLCS back to Philadelphia down 3-2

このGame 5の初回と6回の出来事をならべるとわかることだが、これは言いたくもないが、6回のポージーの打席で「低めいっぱいに入っているカットボール」を、それも「2球連続してボール判定」したのは、球審Jeff Nelsonが「初回のバレルの打席のストライク判定と帳尻をあわせた」可能性があるのである。
だが、ここが肝心な点だが、ボール自体は、動画やGamedayのグリッドで見るかぎり、10月16日Game 1の6回表バレルの打席で「ボール」判定されたカットボールも、Game 5の1回裏にバレルが三振した「ストライク」判定のカットボールも、6回ポージーへの2-2からの「2球連続ボール判定」されたカットボールも、どれもこれも「ストライク」といってさしつかえないと、ブログ主は判断している。

球審がストライクコールをしているのに、球審にも、相手投手にも汚い言葉で怒鳴るなど、もってのほかだ。そして球審は、そういう選手をこそ退場にしないで、誰を退場にするというのだ。
10月16日の「ボール」判定では、ロイ・ハラデイだってよほど腹がたったかもしれないが、彼は判定に不服などつけたりはしなかった。
それに、そもそも10月16日の「ボール」判定においては、パット・バレル側は「得」をしている側であり、ゲームにも勝っているわけであって、この初回の「ストライク」を「ストライク」と判定したことに、顔を真っ赤にして、青筋たてて怒る筋合いは全くない


もし仮に、プレーヤーに恫喝されて、球審が判定を後で「帳尻させている」と邪推されかねない行為があるとすれば、そのアンパイアには非常に問題がある。責任をとって、このポストシーズンのアンパイアを自主的に辞退したほうがいいと思う。

そもそも、この「バレルとロイ・ハラデイの間の遺恨」が発生してしまった原因は、ここまで書いてきたことでわかるように、10月16日のバレルでの打席で「ストライク」のカットボールを「ボールと判定ミスしたこと」にあることを忘れてはならない。
あきらかな「ボール」を「ストライク」とコールされて怒ったマーケイキスは退場にさせたクセに、あきらかな「ストライク」を「ストライク」とコールされただけなのに、逆ギレして怒鳴り散らしたパット・バレルは退場にしない。また、どれもこれも「ストライク」である「低めいっぱいのカットボール」を、「ボール」といってみたり、「ストライク」といってみたり、挙句の果てに「2球連続ボール」とコールしてみたり。この審判団は判定に一貫性がなく、グラグラと揺らいでばかりいる。だから、こういう不愉快な事件が続発することになる。






damejima at 15:40

October 13, 2010

クリフ・リーの惚れ惚れする無四球完投。
これでポストシーズン登板、6勝0敗。防御率も、あのサンディ・コーファックス、そしてクリスティ・マシューソン、殿堂入りしている伝説の2人の投手に続く、歴代3位。

歴代ポストシーズンERA
1位 サンディ・コーファクス  0.95
2位 クリスティ・マシューソン 1.06
3位 クリフ・リー       1.44

" When we scored that second run, you could see the look in his eye change."
「(テキサスの)2点目が入ったとき、クリフ・リーの目つきが変わったのがわかったろ?」(クリフ・リーが投げたら1点のリードで十分だったと語るマイケル・ヤングCompleteLee! Road to LCS for Texas: 5th gear | MLB.com: News

こんな素晴らしい投手を、しかもよりによって同地区のライバルチームに出して戦力強化に貢献してしまうシアトルのGMは、当然ながら、馬鹿だ。
(もっとも、クリフ・リーの能力は、再建すらままならならず、次の監督すら決まらないシアトルではポストシーズン進出がありえない以上、宝の持ち腐れにはなる。まぁ、あのトレードをwin-winだなんて恥ずかしいことを公然と言ってのける馬鹿だらけなのが、シアトルという底辺チームの、ファンもメディアも含めたレベルの低さなので、何を言っても無駄だろう。ESPNにあれほどフィギンズをクソミソにこきおろされても、まだ無能なズレンシックにしがみついている。やれやれ。)
Texas Rangers at Tampa Bay Rays - October 12, 2010 | MLB.com Gameday

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月3日、かつて2008年に城島が選ばれた「ESPN上半期LVP」と「年間LVP」をほぼ同時受賞したといえるショーン・フィギンズ。そして、「シーズン最悪の非貢献者」と名指しされたも同然のズレンシック。


クリフ・リーの今日の120球のうち、ストライクは90球。4球投げれば3球がストライクで、ストライク率は、驚異の「75%」。アトランタ・ブレーブスは四球とエラーで逆転負けし続けて敗退していったが、クリフ・リーはやはりポストシーズンに強い。(ポストシーズン防御率歴代3位。6勝0敗)ポストシーズン進出がわかっていたテキサスにとって、クリフ・リーは最上の買い物になった。
最初の登板でも104球中76ストライクで、ストライク率73.1%と破格の高率だったわけで、クリフ・リーは2回の登板、ほぼ同じペースでストライクをとり続けたことになる。結果、最初の登板で10三振、2回目が11三振、合計21三振。(その結果、テキサスがディヴィジョンシリーズで奪った三振は55となって、これは歴代1位)タンパベイ唯一の3割打者クロフォードはじめ、タンパベイ打線を完璧に抑え込んだ。

タンパベイ先発のデビッド・プライスが104球68ストライクで、65.4%だから、クリフ・リーのほうが10%もストライク率は高い。
プライスもけして悪い出来ではなかったが、いかんせん名投手クリフ・リーと投げ合うと、ピッチングの組み立てが、力まかせで、あまりにも工夫がないのがよくわかる。あれでは、まだ若い。ゲレーロのような強振タイプは速球で抑えられるが、イアン・キンズラーのようなタイプにはどうしても捕まってしまう。


ただ3回までのクリフ・リーには、ハラハラする場面もあった。
以前の記事で書いたことだが、やはりクリフ・リーは、明らかにキャッチャーのベンジー・モリーナと息があっていない。1点とられた3回だったか、クリフ・リーがモリーナのサインに首を振り続けて、4つ目か5つ目のサインで、ようやく投げるボールが決まる、なんていうシーンがあったように、サインがなかなか決まらず、クリフ・リーがピッチングにおいて重視する「投球テンポ」が遅かった。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年9月12日、、移籍後のクリフ・リーが打たれる原因を考えてみる。(3)典型的な「パターン配球」で打ちこまれたミネソタ戦、「パターンの例外」を数多く混ぜて抑えたヤンキース戦の比較と、クリフ・リーがキャッチャー選びにこだわる理由。

クリフ・リーが安定しだしたのは、やはり、「カーブを決め球に使い出した4回以降」だ。
これも何度も書いてきたことだが、クリフ・リーのシアトル移籍が決まるずっと前、日本のシアトルファンがクリフ・リーの名前すら知らない頃から注目してきたブログ主としては、カーブで決めてくるクリフ・リーが、ホンモノのクリフ・リーだと確信している。今日の序盤の横に動くカット・ボールも悪くはなかったが、4回以降にタンパベイ打線を沈黙させたのは、やはり「カーブ」だ。
テキサスの次の相手はヤンキースだが、あの打線はカットボールに非常に慣れているので、カットボールだけでは通用しない。

今日のクリフ・リーの「カーブ」は際立った特徴があった。「高めいっぱいに決まるカーブ」を決め球として多投して、数多くの三振を奪ったのである。
日本にはあいかわらず「低めの球さえ投げていれば、投手はなんとかなるものだ」という迷信がある。「高めいっぱいに決まるカーブ」を決め球に素晴らしいピッチングを披露した今日のクリフ・リーを見て、もうちょっと高めの球を使う研究をするべきだと思う。もちろん、そのためには目のいいアンパイアを育てないと話にならない。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」 『damejimaノート』(4)「低め」とかいう迷信 研究例:カーブを有効にする「高めのストレート」

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」 『damejimaノート』(9)クリフ・リーのプレイオフ快刀乱麻からの研究例:「カーブとチェンジアップ、軌道をオーバーラップさせ、ド真ん中を見逃しさせるスーパーテクニック」


クリフ・リーのコントロールが冴えたこともさることながら、今日のホームプレートアンパイアJeff Kelloggが実に目のいいアンパイアで、コールの正確さには感心した。ほんのちょっとでもはずれているとボール、ギリギリ入っているのはストライクと、きわどいコースの判定が非常に正確だった。
先日ミネソタのガーデンハイアーを退場させたHunter Wendelstedtは、ポストシーズンもロクに経験してないクセに態度だけはデカい、最悪のアンパイアだったが、Jeff Kelloggはこれまでに、97年のオールスター、4回のナ・リーグのディヴィジョンシリーズ(1998, 2000, 2003, 2007), 5回のリーグチャンピオンシップ(1999, 2001, 2002, 2004, 2006)、3回のワールドシリーズ(2000, 2003, 2008)でアンパイアをつとめてきたヴェテランである。
クリフ・リーとデビッド・プライスの投げあい、なんていう好ゲームをきちんとファンに楽しんでもらおうと思うなら、Jeff Kelloggのような、ポストシーズンにふさわしいアンパイアを連れてきてもらわないと困る。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月7日、ディヴィジョン・シリーズ第2戦で退場させられたミネソタの監督ロン・ガーデンハイアーと、球審Hunter Wendelstedtとの間にかねてからあった軋轢。


それにしても、今日のテキサスの勝利の立役者は、守りではクリフ・リーだが、攻撃面で、ロン・ワシントン監督の思い切った盗塁指示と、テキサスのランナーたちの走塁の素晴らしさを挙げないわけにはいかないだろう。
タンパベイのキャッチャーは、奇しくも、クリフ・リーがクリーブランド時代に指名していたケリー・ショパックだったが、タンパベイの内野手たちの気の緩みを見逃さないテキサスの大胆かつ的確な走塁で、ショパックは試合途中でゲーム・コントロールを失っていた。

ショパックがそもそもクリーブランドからタンパベイに来たのは、タンパベイの正捕手ナバーロの不振からだ。
たぶん今日のゲームだけしか見ないアホウには、ショパックがただの経験不足のキャッチャーにしか見えないだろうが、レギュラーシーズンのチーム打率が.247と、まったく打てないタンパベイがレギュラーシーズンを優勝で終わることができたのは、先発・ブルペンともに防御率が良かったからであって、その意味でレギュラーシーズンでのショパックの働きは十分なものがあった。
ただ、まぁ、ショパックはいかんせんクリーブランド時代はポストシーズンとはまるで縁がなかったキャッチャーだけに、テンションの高い大舞台での経験不足が露呈した形になった。今後のためにはいい経験になったことだろう。






damejima at 13:53

October 08, 2010

いやー。これはちょっと酷い。

今日のディヴィジョンシリーズ、ヤンキース対ツインズの第2戦の7回表、ヤンキース先頭ポザダが四球で歩いて、そこからミネソタが2失点したのだが、フルカウントからのボール判定をめぐって、ミネソタ監督ロン・ガーデンハイアーが退場させられた。

見ていた人はわかると思うが、ガーデンハイアーが怒りに燃えたのは、なにもフルカウントからの1球だけではなく、左打者ポサダの打席でインコースいっぱいに決まった球がことごとく「ボール」判定されていたからだ。

後述するYahoo.comの記事(Twins’ misgivings about umpire were justified - MLB - Yahoo! Sports)を読みながら比較するとわかるが、今日のゲームでは、基本的に「一塁側の球(特に左打者のインコースのストライク)をボール、三塁側の球(特に左打者のアウトコースのボール)をストライクとコールする判定傾向」があった。

さらに言えば、このゲームでは、そもそもミネソタとヤンキースのストライクゾーンが明らかに違っている。「ミネソタの投手が左打者に投げるときのストライクゾーンのズレ」が特に酷くて、ストライクゾーン自体が三塁側にボール1個分以上ズレている
ガーデンハイアーはミネソタの投手がヤンキースの左打者に投げるインコースいっぱいの「ストライク」だけが、多数「ボール」と判定され続けていることに怒ったのである

それに、なにも7回のガーデンハイアーは長時間の抗議を行ったわけではなく、ごく短時間抗議してダグアウトに引き上げようとしていた。だが、ガーデンハイアーが諦めてベンチに帰ろうとしているのに、球審は彼の退場をコールしたのである。(もちろん擦れ違うときにでも、ガーデンハイアーが短く何か言い、その言葉が球審の耳に入ったのだろうが、面と向かって言われたわけじゃあるまいし、その程度のことで大事なポストシーズンのゲームを壊す権利は、球審にはないと思う)

ガーデンハイアーが退場させられた7回のポサダの打席以外にも、右打者デレク・ジーターへのド真ん中、明らかに「ストライク」のカットボールが「ボール」判定されるなど、今日の球審は、10をはるかに越えるストライクを誤判定して「ボール」にしている。

ヤンキース対ミネソタ第2戦 7回表 ポサダ 四球2球目のアウトコースにはずれているように見えるシンカーを、球審は「ストライク」とコールしている。そのことからも、そもそも球審のストライクゾーンが三塁側に大きくズレていることがわかる。ゲームの重要なポイントで、ストライクゾーン自体をボール1個半も動かされたんじゃ、ゲームにならない。

3球目のインコースのストレート、6球目のインコースのシンカー、共に、ミネソタの投手の投げたインコースの球が「ボール」判定されていることに着目してもらいたい



アメリカのヤフーcomのJeff Passanは、とてもゲームが終わったばかりとは思えないスピードで、このゲームの「判定の酷さ」について、詳細なデータ画像入りの批判記事を出し、球審Hunter Wendelstedtのアンパイアの判定の酷さを批判した。
Twins’ misgivings about umpire were justified - MLB - Yahoo! Sports

この記事の詳細なデータによると、やはり今日の球審のコール傾向には「大きな歪み」があった。

「ストライクゾーンが、2つのチームで著しく違っている」
「左打者のインコースのストライクの数多くを
 ボールとコールした」
「三塁側寄りにはずれるボール球のかなりの数を
 ストライクとコールした。
 とりわけミネソタの投手の投げた球の場合に顕著」



Yahoo.comのライターJeff Passanはこんな風に書いている。
the width is not some subjective determination. Home plate is home plate. It doesn’t move.
つまり、高低はともかく、ストライクゾーンの幅は、ホームプレートの幅が一定である以上、常に不変なのであって、そこがコロコロ変わるなどということは、「アンパイアの恥」であるはずなのである。

ダメなアンパイアに大事なポストシーズンのゲームを壊されれば、そりゃ怒りたくもなる。いくらインコースの判定が辛いメジャーとはいえ、ディヴィジョン・シリーズ第1戦を負けているミネソタからしたら、取り返しがつかないアンパイアのミスだ。去年もミネソタはポストシーズンでヤンキースに3連敗してポストシーズンを敗退しているだけに、なおさら怒りがおさまらないということもあるだろう。

ゲームを中継しているキャスターも、ガーデンハイアーに同調して、「エクセレント・ピッチ」とミネソタ先発のパヴァーノの球を褒めつつ、フルカウントからの左打者ポサダへのインコースの球を何度もスロー再生してみせた。
そのボールの軌道は、明らかに「ゾーンいっぱいに決まるストライク」。スローで違う角度の映像も見たが、明らかにストライクだった。
今日の球審が「いわくつきのアンパイア」なだけに、対戦相手のヤンキースから今シーズンはミネソタに移籍して17勝を挙げて大活躍だった先発パヴァーノと、ガーデンハイアーが気の毒になった。
New York Yankees at Minnesota Twins - October 7, 2010 | MLB.com Gameday


今日の球審の名は、Hunter Wendelstedt
実はこの人、父親も、1960年代から90年代にかけてナ・リーグのアンパイアで、親子2代にわたってのアンパイア。
そもそもHunter Wendelstedtは、ポストシーズンの経験が豊富なアンパイアではない。2009年10月1日のアリゾナとサンフランシスコ・ジャイアンツのゲームでは、こともあろうに、アリゾナの監督A. J. Hinch(史上最年少34歳でメジャーの監督になった)と、投手コーチのメル・ストットルマイアー・ジュニアの両方を同時に退場させる、などという「禍根の経歴」がある。
ちなみに退場させられたアリゾナの投手コーチメル・ストットルマイアー・ジュニアは、元ヤンキースの投手コーチで、2008年にシアトルの投手コーチも務めた、あのメル・ストットルマイアー・シニアの息子だ。


下記のブログによれば、Hunter Wendelstedtはこのシリーズが始まる前に、既にガーデンハイアーを合計4度も退場処分にしているらしい。
Gardenhire-Wendelstedt: A little history - Rivalry Central | Red Sox -- Yankees

親子でメジャーのアンパイアだから「なにかにつけて上から目線で判定を下す、居丈高なアンパイア」と決め付けるのは良くないかもしれない。だが、ガーデンハイアーは、かねてからトラブル続きの彼について、
Twins manager Ron Gardenhire last season said Wendelstedt believes “he’s God as umpires go,”(あいつはアンパイアが神様かなんかだと信じ込んでやがる)てな事を言っている。
Twins’ misgivings about umpire were justified - MLB - Yahoo! Sports


Yahoo.comで使われているデータの元ネタはBrooks Baseball · Home of the PitchFX Toolというサイトのデータである。元データから抜粋するときの細かいズレも多少あるように見えるが、記事の論調や結論に影響はあるほどではない。
Yahoo.comのグラフは、元データのうち、左バッター、右バッターのデータが混在したものから抜粋し作成されているが、元データでは、左バッターと右バッターで分けたグラフも挙げられており、「左打者と右打者でのストライクゾーンの違い」もわかるようになっている。
元データによれば「右バッターの場合のストライクゾーンは、ミネソタもヤンキースも変わらず、球審の判定の精度も高い。だが、なぜか左バッターになると、突然大きな差ができること」、あるいは「ミネソタの投手が投げた球に限って、左打者のアウトコースのボール球をストライク判定していること」「左打者のインコースのストライクの多くがボール判定されていること」などがわかるようになっている。

下記のYahoo.comのグラフが元資料にした元データ
Brooks Baseball · Home of the PitchFX Tool - Strikezone Map Tool

ヤンキースVSミネソタ第2戦 ストライクとコールされたボール今日のゲームの
called strike

これは「コールド・ストライク」、つまり打者が見逃したストライクだけを図表にしたもの。スイング・ストライク、つまり、空振りは含まれない

2つのチームのストライクゾーンが明らかに違う。ミネソタの投手が投げる場合に限って、三塁側寄りにはずれたボール球の数多くが「ストライク」と判定されている。これでは、ミネソタ側に「ヤンキースとミネソタで、ストライクゾーンがズレている」と思われてもしかたがないし、また、両チームでゾーンが違っていることに気がつくのが遅れれば、守備と攻撃でちぐはぐさが出て大きなハンディになるのは当たり前。


ヤンキースVSミネソタ 第2戦 ボールとコールされた球「ボール」と誤判定されたストライクゾーン内の球だけを集めた図
左打者に対するインコースの球が大半を占める。

7回表の左打者ポサダの打席では、アウトコースにはずれるシンカーをストライク判定し、逆にインコースをことごとくボール判定していることから、あきらかにゲーム終盤、ミネソタの投手が投げるときのストライクゾーンだけが、ボール1個半以上、三塁側にズレていることがわかる。






damejima at 10:14
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