マイケル・ピネダ
● 2012年3月2日、ファウルチップがマスクに当たったくらいでいちいちベンチに退いているようでは、キャッチャーとして使いモノにならないヘスス・モンテーロ。
● 2011年6月17日、「そういえばダスティン・アックリーのメジャーデビューの日はイチローが3安打してフィリーに完勝したんだよな」と、一生言えるわけで。「Carolina Double カロライナ・ダブル」もビューティフル。
● 2011年5月27日、フランクリン・グティエレスのスーパー・キャッチ。イチローの変態ツーベース&決勝打点。タイムリー無しの4得点でヤンキースを撃破! 勝率5割復帰!!! ポーリー3勝目。
● 2011年5月10日、超早打ちで待球しない打線で知られるボルチモアに対する「3球勝負」で自ら墓穴を掘ったサヨナラ負けを、きちんと教訓にする。
● 2011年5月5日、見事に勝ち越したテキサス3連戦を題材に、「大量の三振をとれるのに、なぜか負ける投手」と、「バットには当てられるのに、凡打の山を築くバルガス」の違いについてちょっと考える。
● 2011年6月17日、「そういえばダスティン・アックリーのメジャーデビューの日はイチローが3安打してフィリーに完勝したんだよな」と、一生言えるわけで。「Carolina Double カロライナ・ダブル」もビューティフル。
● 2011年5月27日、フランクリン・グティエレスのスーパー・キャッチ。イチローの変態ツーベース&決勝打点。タイムリー無しの4得点でヤンキースを撃破! 勝率5割復帰!!! ポーリー3勝目。
● 2011年5月10日、超早打ちで待球しない打線で知られるボルチモアに対する「3球勝負」で自ら墓穴を掘ったサヨナラ負けを、きちんと教訓にする。
● 2011年5月5日、見事に勝ち越したテキサス3連戦を題材に、「大量の三振をとれるのに、なぜか負ける投手」と、「バットには当てられるのに、凡打の山を築くバルガス」の違いについてちょっと考える。
March 03, 2012
ピネダ、こんな選手と交換したんだな。
もったいね。
日本でいうオープン戦にあたるカクタスリーグ(cactus league)の初戦で、いきなりパスボールのヘスス・モンテーロ。やっぱり守備は言われている通りの選手だった。ヤンキースが手放すだけのことはある。
その後、ファウルチップがマスクごしに顔に(正確には左顎のようだが)当たって、カメみたいにひっくり返ってしまい、どうやら今シーズン序盤のポジションは控えキャッチャーらしいジョン・ジェイソと交代した。
どうせ時間がたてば、モンテーロはDH専用になって、ジェイソがマスクかぶってる、なんてことに、いつのまにかなってるだろうけどな(笑)
ファウルチップがマスクに当たった程度のことでいちいち交代しているようでは、プロの、それもスイングスピードの速いMLBで、キャッチャーなんてつとまらない。過保護もいい加減にな、ウェッジ。
バッティング?
相手チームにスカウティングされるまでの命でしょ。
それがMLBというもの。
OPSを批判したシリーズ記事で書いたことじゃないけど、今シーズンのストーブリーグのFA選手たちの惨状を見てもわかるように、もうこれからは守備のできない選手がのさばる時代じゃない。打てるだけ程度の選手は、もうメジャークラスとは呼べない。
もったいね。
日本でいうオープン戦にあたるカクタスリーグ(cactus league)の初戦で、いきなりパスボールのヘスス・モンテーロ。やっぱり守備は言われている通りの選手だった。ヤンキースが手放すだけのことはある。
その後、ファウルチップがマスクごしに顔に(正確には左顎のようだが)当たって、カメみたいにひっくり返ってしまい、どうやら今シーズン序盤のポジションは控えキャッチャーらしいジョン・ジェイソと交代した。
どうせ時間がたてば、モンテーロはDH専用になって、ジェイソがマスクかぶってる、なんてことに、いつのまにかなってるだろうけどな(笑)
ファウルチップがマスクに当たった程度のことでいちいち交代しているようでは、プロの、それもスイングスピードの速いMLBで、キャッチャーなんてつとまらない。過保護もいい加減にな、ウェッジ。
バッティング?
相手チームにスカウティングされるまでの命でしょ。
それがMLBというもの。
OPSを批判したシリーズ記事で書いたことじゃないけど、今シーズンのストーブリーグのFA選手たちの惨状を見てもわかるように、もうこれからは守備のできない選手がのさばる時代じゃない。打てるだけ程度の選手は、もうメジャークラスとは呼べない。
damejima at 11:16
June 18, 2011
ダスティン・アックリーがメジャーデビューしたフィリー相手の初戦。観客34,345人。わが天才イチローが3安打を固め打ちして、新人君に勝利を贈った。粋なことをするもんだ。いやー、素晴らしいバッティング。ピネダも練習しているチェンジアップをついに実戦投入して、対戦相手にスカウティングされはじめている自分のピッチングを立て直しにかかって7勝目。(3回表二死ランナー無しの場面でジミー・ロリンズに投げた2球目、6回表ジミーロリンズへの3球目など)
Gameday:Philadelphia Phillies at Seattle Mariners - June 17, 2011 | MLB.com Classic
判定マップ:Brooks Baseball · Home of the PitchFX Tool - Strikezone Map Tool 2011年6月17日フィラデルフィア第1戦
(今日の判定は、左バッターのインコースが狭すぎで、アウトコースが超広い。つまり、左バッターだけゾーン全体が三塁側に大きくズレてる。球審Doug Eddings)
アックリーはメジャー初ヒットのバッティング面より、8回表の5-4-3のダブルプレーがよかったな。カルロス・ルイーズのハードスライディングを綺麗に避けながらのストロングスロー。なかなかだった。長年セカンドベースマンを誰にするかで悩まされてきたシアトルだけど、悩み事が、これでひとつ減った。
なんせ、ノースカロライナ大学出身のダスティン・アックリーと、サウスカロライナ大学出身のジャスティン・スモークの、「Carolina Double カロライナ・ダブル」(©damejima)だからね。なんとも、びゅーてほー。アトランティック・コーストの野球ファンも喜んだんちゃないのかな。(ちなみに、サウスカロライナにはCarolina Double Marathonっていうハードな耐久マラソンレースが実際あるらしい 笑)
ダスティン・アックリーの「カロライナ・ダブル」について、ブレンダン・ライアン。
ついでだから、復調したイチローのバッティングについて、エリック・ウェッジ。
ひさしぶりにラウル・イバニェスの姿も確かめられて、それも大満足。シアトルはレフト、空けて待ってますよ? イバちゃん(笑)ペゲーロより、イバちゃんがいい(笑)
イチロー RF
ライアン SS
グティエレス CF アダム・ジョーンズ CF
イバニェス LF
スモーク 1B
アックリー 2B
オリーボ C
ケネディ DH
募集中 3B
サード? ライアン・ジマーマンがいいな(笑)
Gameday:Philadelphia Phillies at Seattle Mariners - June 17, 2011 | MLB.com Classic
判定マップ:Brooks Baseball · Home of the PitchFX Tool - Strikezone Map Tool 2011年6月17日フィラデルフィア第1戦
(今日の判定は、左バッターのインコースが狭すぎで、アウトコースが超広い。つまり、左バッターだけゾーン全体が三塁側に大きくズレてる。球審Doug Eddings)
アックリーはメジャー初ヒットのバッティング面より、8回表の5-4-3のダブルプレーがよかったな。カルロス・ルイーズのハードスライディングを綺麗に避けながらのストロングスロー。なかなかだった。長年セカンドベースマンを誰にするかで悩まされてきたシアトルだけど、悩み事が、これでひとつ減った。
なんせ、ノースカロライナ大学出身のダスティン・アックリーと、サウスカロライナ大学出身のジャスティン・スモークの、「Carolina Double カロライナ・ダブル」(©damejima)だからね。なんとも、びゅーてほー。アトランティック・コーストの野球ファンも喜んだんちゃないのかな。(ちなみに、サウスカロライナにはCarolina Double Marathonっていうハードな耐久マラソンレースが実際あるらしい 笑)
ダスティン・アックリーの「カロライナ・ダブル」について、ブレンダン・ライアン。
"That's not an easy play," Ryan said. "It just shows more poise and his calm. That calm is something that can't really be taught, so I think we're all pretty impressed."Dustin Ackley begins highly anticipated Mariners career in style | Mariners.com: News
「いンやぁ、アレ、簡単なプレーじゃなかったわねぇ。なんつぅの、あの子、落ち着きあるんだがね。ああいう「落ち着き」ってぇのは、教えようとして教えられるもんじゃないンよね。うん。オジちゃん、感心ちまちた。だから、このあとエビフリャー食べるがね。アンタも来る?エドガー・マルチネス通りでクルマ止めて待っとるがね。」
ついでだから、復調したイチローのバッティングについて、エリック・ウェッジ。
Mariners manager Eric Wedge said after the game. "But you see that bat head staying in the zone a lot longer. The plane of his bat is where it needs to be. Like I've said before, he's a tough hitter to critique because it's a very, very unique approach.Mariners Blog | Mariners put a complete team effort into this one on offense, defense and the mound | Seattle Times Newspaper
「バットヘッドが、ベスポジにピタっ。スイングの軌道面も、理想的なとこにピタっ。前もいうたんやけどさ、イチローいうたら、どうにもコメントしにくいバッターやねんな。そらそうよ。バッティングに対するアプローチがあまりにも超絶ユニークすぎやわ。あんなん、他におらん。それにしても、このイカ焼きうまいわ。阪神百貨店で買うたんやで。さすがイチローの国の食いもんやで。」
ひさしぶりにラウル・イバニェスの姿も確かめられて、それも大満足。シアトルはレフト、空けて待ってますよ? イバちゃん(笑)ペゲーロより、イバちゃんがいい(笑)
イチロー RF
ライアン SS
イバニェス LF
スモーク 1B
アックリー 2B
オリーボ C
ケネディ DH
募集中 3B
サード? ライアン・ジマーマンがいいな(笑)
damejima at 14:08
May 28, 2011
シアトルがとうとう5割復帰。
3点のビハインドからグティエレスのファインプレーで流れを引き寄せると、イチローの2ベースを原動力に、1点差に詰め寄る。そしてライアンが同点になるゴロ打点、イチローの決勝打点も生まれて、タイムリー無しの4得点でNYY初戦に逆転勝利。先発ピネダをリリーフして好投したポーリーに3勝目がついた。
New York Yankees at Seattle Mariners - May 27, 2011 | MLB.com Classic
Baseball Video Highlights & Clips | NYY@SEA: Gutierrez makes a beautiful catch in center - Video | MLB.com: Multimedia
イチローの変態ツーベース。
どうみてもアウトコースのボール球(笑)
8回表2死2塁での牽制アウトの瞬間
セットアッパー、ジャーメイ・ライトが、セカンドランナーをピックオフで刺した瞬間を撮影したシアトル・タイムズのスーパーフォト。たぶんキャッチャーからのサインプレイ。
The Seattle Times: May 27 | Seattle Mariners vs New York Yankees
それにしても、今日の球審Todd Tichenorはストライクゾーンが狭かった。シアトルの先発ピネダ、ヤンキースの先発AJバーネットが、揃って5四球、2人あわせて10イニングで10四球という、めったにないゲームになったのはそのため。下記に、ピネダのケースのボール判定を挙げておく。
ちなみに、今日の1塁塁審は、バルガスがさんざん手こずっている、あのSam Holbrook。
この対ヤンキース3連戦の3戦目にはバルガス先発のはずだが、また球審はSam Holbrookなのだろうか?
なんでまたシアトルはいつもいつもこのアンパイア、このチームに当たるのだろう?
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年4月15日、Sam Holbrookの特殊なストライクゾーンに手こずったジェイソン・バルガス。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年4月29日、4月8日にてこずったアンパイア Sam Holbrookにまたしても遭遇したジェイソン・バルガスの初勝利。
1回表 A・ロッド 7球目
結果 四球
フルカウントから投じたアウトコース一杯に決まるスライダーが、ボール判定。
2回表 ポサダ 初球
結果 2球目をレフトフライ
初球、低め一杯に決まるストレートがボール判定。
2回表 スウィッシャー 初球・3球目
結果 四球
初球と3球目、インコースのコーナー一杯のストレートがボール判定
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3点のビハインドからグティエレスのファインプレーで流れを引き寄せると、イチローの2ベースを原動力に、1点差に詰め寄る。そしてライアンが同点になるゴロ打点、イチローの決勝打点も生まれて、タイムリー無しの4得点でNYY初戦に逆転勝利。先発ピネダをリリーフして好投したポーリーに3勝目がついた。
New York Yankees at Seattle Mariners - May 27, 2011 | MLB.com Classic
Baseball Video Highlights & Clips | NYY@SEA: Gutierrez makes a beautiful catch in center - Video | MLB.com: Multimedia
イチローの変態ツーベース。
どうみてもアウトコースのボール球(笑)
8回表2死2塁での牽制アウトの瞬間
セットアッパー、ジャーメイ・ライトが、セカンドランナーをピックオフで刺した瞬間を撮影したシアトル・タイムズのスーパーフォト。たぶんキャッチャーからのサインプレイ。
The Seattle Times: May 27 | Seattle Mariners vs New York Yankees
それにしても、今日の球審Todd Tichenorはストライクゾーンが狭かった。シアトルの先発ピネダ、ヤンキースの先発AJバーネットが、揃って5四球、2人あわせて10イニングで10四球という、めったにないゲームになったのはそのため。下記に、ピネダのケースのボール判定を挙げておく。
ちなみに、今日の1塁塁審は、バルガスがさんざん手こずっている、あのSam Holbrook。
この対ヤンキース3連戦の3戦目にはバルガス先発のはずだが、また球審はSam Holbrookなのだろうか?
なんでまたシアトルはいつもいつもこのアンパイア、このチームに当たるのだろう?
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年4月15日、Sam Holbrookの特殊なストライクゾーンに手こずったジェイソン・バルガス。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年4月29日、4月8日にてこずったアンパイア Sam Holbrookにまたしても遭遇したジェイソン・バルガスの初勝利。
1回表 A・ロッド 7球目
結果 四球
フルカウントから投じたアウトコース一杯に決まるスライダーが、ボール判定。
2回表 ポサダ 初球
結果 2球目をレフトフライ
初球、低め一杯に決まるストレートがボール判定。
2回表 スウィッシャー 初球・3球目
結果 四球
初球と3球目、インコースのコーナー一杯のストレートがボール判定
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damejima at 12:35
May 11, 2011
痛すぎる1敗だった。
カムデンヤーズに移動してのボルチモア初戦だったが、勝ちゲームの投手を注ぎ込みまくった上で、痛恨のサヨナラ負け。せっかく近づいてきていた5割ラインがまた遠ざかってしまった。
だが、「なぜ負けたのか?」、そこをしっかり考えて、要因を少しでもみつけだしておかないと、「頭を使わない野球」に逆戻りしてしまう。思い出すのも苦痛なゲームだが、きちんとメモを残しておく。
今日の負けで特にダメな点をひとつだけ選べ、といわれたら、「カウント0-2からの3球目に、必要のないストライクを投げてはヒットを打たれる、これを何度も何度も繰り返したこと」を挙げたい。
Seattle Mariners at Baltimore Orioles - May 10, 2011 | MLB.com Classic
9球目 スライダー シングル マーケイキス
3球目 ストレート シングル 0-2から ゲレーロ
6球目 ストレート ホームラン 打点1 ハーディー
4球目 ストレート シングル 2-1から ゲレーロ
初球 ストレート シングル 打点1 初球 スコット
3球目 スライダー ダブル 打点2 1-1から アダム・ジョーンズ
3球目 ストレート シングル 0-2から ウィータース
2球目 スライダー シングル 0-1から ハーディー
3球目 カーブ 0-2から ゲレーロ
3球目 カーブ 0-2から 打点1 ルーク・スコット
2球目 ストレート 0-1から 打点1 アダム・ジョーンズ
4球目 スライダー 0-2から マーケイキス
初球 ストレート アダム・ジョーンズ
4球目 ストレート 2-1から ハーディー
5球目 スライダー 2-1から ピエ
3球目 スライダー 0-2から ハーディー
4球目 チェンジアップ 1-2から マーケイキス
初球 シンカー フォックス
4球目 シンカー 打点1 2-1から ピエ
初球 シンカー 打点1 ウィータース
これは今日打たれた20本ものヒット。
見てわかるとおり、わかりやすい特徴がいくつもある。
1)カウント0-2と、打者を追い込んだ直後に投げた「不用意なストライク」(ヒット数6本。そのほとんど全てが3球目)
2)初球にストライクをとりにいった球
3)カウントを少し整えてから、ホームベース真上に投げた「決めにいく変化球」(これは大半が4球目)
こうした現象が起きる理由は、ボルチモアというチームの打線の「早打ち」という特徴に、今日のシアトルの投手のピッチングが合ってしまっている、ということが、まずひとつ、挙げられる。
また、もうひとつ忘れてはいけないのは、「配球の単調さ」。これも残念ながら挙げておかなくてはならない。
初球にストライク。2球目でファウルを打たせて打者を追い込めたら、0-2でも遊ばず、ストライク勝負。また、ボールを挟んで1-2というカウントで追い込んだ場合は、ホームベース上あたりに落ちるスライダー系(あるいはシンカー)変化球で勝負。
パターンがあまりにも単調すぎる。
先日の記事で指摘したように、ボルチモアの打線は「待球をしない」という点に非常に強い特徴がある。
P/PA(打席あたりのピッチ数)、つまり、相手投手に投げさせた1打席あたりの球数がトップのボストンは常に4に近い数字で、ア・リーグで最も待球型のチームなのに対して、ボルチモアは3.5前後しかなく、間違いなく早いカウントからバットを振ってくる。チームの四球数も、リーグでダントツに少ない。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年5月2日、「何もせず待球するのではなく、打者有利なカウントでならストライクを思い切りスイングするからこそ、むしろ四球を増やすことができる」という当たり前の現象について考える。
こうした「早打ちチーム」ボルチモアの特徴を頭に入れておいた上でならわかると思うが、今日のシアトルの投手たちのほとんどがなぜ、打者をカウント0-2と追い込んだ直後に、あれほどストライクを投げたのか、正直、理由がさっぱりわからない。
ピネダのストレートのように、三球三振を狙いにいっても大丈夫といえる素晴らしい持ち球でもないかぎり、今日のような単調な配球では、それこそ、ボルチモア打線にニンジンをくれてやるような結果にしかならない。
貧打に泣いているはずのボルチモア打線が、シアトルとの対戦に限ってはイキイキして見えるのは、シアトルのバッテリー側の戦術が「ボルチモアにフィットしたピッチングスタイルをしてしまっているから」だ。
バットを振りたくて振りたくてしょうがないタイプの打線に対して、ああもストライクをしつこく決めていこうとすれば、いくらでもヒットを打たれてしまう。
デレク・リーには失礼かもしれないが、今の三振して当たり前のデレク・リーすら四球で歩かせてしまうようなピッチングをしていては、勝てるゲームも落としてしまうのだ。
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カムデンヤーズに移動してのボルチモア初戦だったが、勝ちゲームの投手を注ぎ込みまくった上で、痛恨のサヨナラ負け。せっかく近づいてきていた5割ラインがまた遠ざかってしまった。
だが、「なぜ負けたのか?」、そこをしっかり考えて、要因を少しでもみつけだしておかないと、「頭を使わない野球」に逆戻りしてしまう。思い出すのも苦痛なゲームだが、きちんとメモを残しておく。
今日の負けで特にダメな点をひとつだけ選べ、といわれたら、「カウント0-2からの3球目に、必要のないストライクを投げてはヒットを打たれる、これを何度も何度も繰り返したこと」を挙げたい。
Seattle Mariners at Baltimore Orioles - May 10, 2011 | MLB.com Classic
9球目 スライダー シングル マーケイキス
3球目 ストレート シングル 0-2から ゲレーロ
6球目 ストレート ホームラン 打点1 ハーディー
4球目 ストレート シングル 2-1から ゲレーロ
初球 ストレート シングル 打点1 初球 スコット
3球目 スライダー ダブル 打点2 1-1から アダム・ジョーンズ
3球目 ストレート シングル 0-2から ウィータース
2球目 スライダー シングル 0-1から ハーディー
3球目 カーブ 0-2から ゲレーロ
3球目 カーブ 0-2から 打点1 ルーク・スコット
2球目 ストレート 0-1から 打点1 アダム・ジョーンズ
4球目 スライダー 0-2から マーケイキス
初球 ストレート アダム・ジョーンズ
4球目 ストレート 2-1から ハーディー
5球目 スライダー 2-1から ピエ
3球目 スライダー 0-2から ハーディー
4球目 チェンジアップ 1-2から マーケイキス
初球 シンカー フォックス
4球目 シンカー 打点1 2-1から ピエ
初球 シンカー 打点1 ウィータース
これは今日打たれた20本ものヒット。
見てわかるとおり、わかりやすい特徴がいくつもある。
1)カウント0-2と、打者を追い込んだ直後に投げた「不用意なストライク」(ヒット数6本。そのほとんど全てが3球目)
2)初球にストライクをとりにいった球
3)カウントを少し整えてから、ホームベース真上に投げた「決めにいく変化球」(これは大半が4球目)
こうした現象が起きる理由は、ボルチモアというチームの打線の「早打ち」という特徴に、今日のシアトルの投手のピッチングが合ってしまっている、ということが、まずひとつ、挙げられる。
また、もうひとつ忘れてはいけないのは、「配球の単調さ」。これも残念ながら挙げておかなくてはならない。
初球にストライク。2球目でファウルを打たせて打者を追い込めたら、0-2でも遊ばず、ストライク勝負。また、ボールを挟んで1-2というカウントで追い込んだ場合は、ホームベース上あたりに落ちるスライダー系(あるいはシンカー)変化球で勝負。
パターンがあまりにも単調すぎる。
先日の記事で指摘したように、ボルチモアの打線は「待球をしない」という点に非常に強い特徴がある。
P/PA(打席あたりのピッチ数)、つまり、相手投手に投げさせた1打席あたりの球数がトップのボストンは常に4に近い数字で、ア・リーグで最も待球型のチームなのに対して、ボルチモアは3.5前後しかなく、間違いなく早いカウントからバットを振ってくる。チームの四球数も、リーグでダントツに少ない。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年5月2日、「何もせず待球するのではなく、打者有利なカウントでならストライクを思い切りスイングするからこそ、むしろ四球を増やすことができる」という当たり前の現象について考える。
こうした「早打ちチーム」ボルチモアの特徴を頭に入れておいた上でならわかると思うが、今日のシアトルの投手たちのほとんどがなぜ、打者をカウント0-2と追い込んだ直後に、あれほどストライクを投げたのか、正直、理由がさっぱりわからない。
ピネダのストレートのように、三球三振を狙いにいっても大丈夫といえる素晴らしい持ち球でもないかぎり、今日のような単調な配球では、それこそ、ボルチモア打線にニンジンをくれてやるような結果にしかならない。
貧打に泣いているはずのボルチモア打線が、シアトルとの対戦に限ってはイキイキして見えるのは、シアトルのバッテリー側の戦術が「ボルチモアにフィットしたピッチングスタイルをしてしまっているから」だ。
バットを振りたくて振りたくてしょうがないタイプの打線に対して、ああもストライクをしつこく決めていこうとすれば、いくらでもヒットを打たれてしまう。
デレク・リーには失礼かもしれないが、今の三振して当たり前のデレク・リーすら四球で歩かせてしまうようなピッチングをしていては、勝てるゲームも落としてしまうのだ。
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damejima at 13:42
May 06, 2011
勝ったゲームを、終わった後でMLB公式サイトのGamedayという機能で、ゆっくりたどってみるのは本当に楽しい。ライブで見ている時間とはまったく視点でゲームを見ると、「そうか」、「なるほど」と、気づかされることが本当に多いものだ。
テキサスとの第3戦は、1勝1敗のタイになった後のゲームで、しかも、シアトルのチーム勝率5割ラインが見えてきているだけに、勝つか負けるかで大きく違ってくる大事なゲームだったわけだが、われらがジェイソン・バルガスが、キャッチャーミゲル・オリーボとの息のあった素晴らしいバッテリーワークをみせてくれて、強敵を割と簡単にねじ伏せることができた。
Texas Rangers at Seattle Mariners - May 5, 2011 | MLB.com Classic
この連戦で先発した6人の投手たちの、ストライク率を書き出してみた。(最初の数字が総投球数、2番目がストライク数)
「ストライク2 に対して、ボール1」という、MLBの典型的な配球比率については、これまでこのブログで、しつこくしつこく、書き過ぎるほど書いてきたが、この3連戦でのマイケル・ピネダとコルビー・ルイスのストライク率は、それを遥かに上回っている。
このシアトル対テキサス3連戦で、先発投手で負けがついたのは、9三振を奪ったマイケル・ピネダと、11三振を奪ったコルビー・ルイスの2人だ。
クリフ・リー並みのとんでもなく高いストライク率で、これほど多くの三振を奪ったにもかかわらず、彼らは負けた。
思い出すと、去年秋10月のポストシーズン開幕戦、クリフ・リーが73.1%もの高いストライク率で勝利を手にした日に、ロイ・ハラデイは、なんと、クリフ・リーすら超える76.0%と、ちょっと異常とさえいえる圧倒的なストライク率で、たった104球で9回を投げぬいてしまい、軽くノーヒット・ノーランを達成してしまった。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月6日、クリフ・リー、タンパベイを10三振に切ってとり、ポストシーズンまず1勝。フィラデルフィアでもみせた大舞台でのさすがの安定感。
だが、あんな超人的な芸当、つまり、ほとんどストライクばかり投げて相手をピシャリと抑え込むことができるのは、彼ら2人の名投手のような、並み外れた投球術を持った投手だからこそ可能になるのであって、並みの投手には無理な相談だ。
野球は「アウトをとる競技」ではあるが、別に「三振をとるための競技」ではない。
三振をたくさんとったのに、味方が点をとってくれなくて負けるというセリフは非常によく聞く話だが、三振を多くとる投手がなぜそういう結果を招くのかについては、投手側にも多少理由があるケースもあるはずだ。
例えば、マイケル・ピネダ。
彼は、まだ球種が少ない。
そういう投手が、4球に3球、ゾーン内にストライク、それも大半はファストボールを投げ続けるのだから、クリス・デイビス、ミッチ・モアランド、エルビス・アンドラスといった、テキサスの誇る若い豪腕バッターたちに狙いを絞られて、自慢の剛球をミートされるハメになった。
特に、クリス・デイビスにホームランを打たれてはいけない。
打撃スタッツをみればわかることだが、彼は典型的なストレートボールヒッターだ。ストレートには異常に強いが、カーブなどはあまり打てない。
今日の第3戦、2点負けている場面の9回表にクリス・デイビスはピンチヒッターとして打席に立ったが、あの打席の平凡すぎる凡退ぶりを見てもらえばわかる。ブランドン・リーグが決め球のスプリッターを使うまでもなく、チェンジアップとシンカーだけで、クリス・デイビスのバットは空を切り続けた。
ピネダも、次回からちょっとは考えて投げないとダメだろう。
上は、ピネダがホームランを打たれた翌日のゲームの9回表に代打で出てきたクリス・デイビスをブランドン・リーグが三振にしとめた打席の投球の詳細。リーグとピネダのピッチングの違いを見るために挙げてみた。
リーグのこの配球は、ロブ・ジョンソンがよく使う、アウトハイとインローを投げ分ける、典型的なMLB的配球だ。以前から何度となく書いている。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」 『damejimaノート』(2)「外角低め」「ストレート」という迷信 実例:「アウトハイ・インロー」の対角を使うメジャーのバッテリー
この配球では、インとアウトで球速にも変化をつけるためにアウトハイの球にストレート系、インコースに変化球を使うとか、内外で速度の投げ分けをすることがほとんどだ。
リーグの場合、高速シンカーが投げられるので、外に高速シンカー、内にチェンジアップと投げ分けて、内外で10マイルの速度差をつけて、クリス・デイビスを軽く三振にしとめた。
今日のコルビー・ルイスだが
打者の攻め方がワンパターンすぎて、見ていてつまらない。
例えば、打者が左なら、外を徹底して攻めておいて、最後インサイドで三振に仕留める。ただそれだけ。だから、あれを打てないのは、シアトルの下位打者が頭を使ってないだけのことだ。
追い込んだカウントを作るためにかなりの手間をかけるのがルイスの定石なわけだが、三振の数が増えるかわり、味方の守備時間も長くなりがちで、ただでさえ湿ってきているテキサス打線に元気がない。
投手が打者を追い込むカウントを作る前に、もし甘く入った球があれば、どれもが失点の原因になるし、早いカウントから打って出られると、案外ひとたまりもない。
イチローの2本のヒットなども、2本とも、カウントを作るための外角ストレートをレフトに弾き返したヒット。ルイスがインコースにスライダーで討ち取りにいく前に、アウトコースいっぱいにストライクが来るのがわかってしまっては、天才イチローは軽く打ちこなしてしまう。
ジェイソン・バルガスが、本来はチェンジアップ主体に打者をうちとる配球をするピッチャーであることは、これまで何度となく書いてきた。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年6月20日、7回QSで3勝目のバルガスは、6月14日キロス批判と対照的にロブ・ジョンソンの「ゲームメイクの上手さ」を称え、チームは5割復帰を果たした。(2)
テキサスも、シアトルと同地区で、バルガスを何度も打ち崩した経験があるだけに、そのへんとっくに研究済みのはずだから、今日はたぶんチェンジアップを狙い打ちした打者も多数いただろうと思うが、そこは、さすが研究熱心なバルガスだ。
まるでカットボールを多用するア・リーグ東地区の投手たちのように、カットボール主体のピッチングにスッパリと切り替えて、テキサス打線を手玉にとった。
(地区ごとの配球文化の差異については、ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年6月13日、「メジャーで最もストレートばかり投げる」シアトルのリリーフ陣。なんと「4球のうち、3球がストレート」。(ア・リーグ各地区ごとのピッチング・スタイルの差異についてのメモ)を参照)
城島やキロスのような酷いキャッチャーとばかり組まされて誰もバルガスに注目していない頃から彼の才能に注目し続けているだけに、バルガスのピッチングについては誰よりも詳しいと思ってきたが、これほどカットボール主体に投げて成功したバルガスは見たことがない。
たぶん、去年シアトルに在籍していたクリフ・リーに、カットボールの使い方についてしつこく質問していたバルガスのことだから、こういうゲームプランは、半年以上前から準備していたに違いない。
対戦相手をきちんと研究してビヘビアを常に更新し、投手の進歩に対応し続けていけるのが「いい打者」なら、どんなに打者に研究されても、それをさらに乗り越えて、進歩し続けていけるのが、MLBにおける「いい投手」である。
だとすれば、ジェイソン・バスガスは、間違いなく、「いい投手」だ。
4回表
マーフィー
初球のカットボールをダブルプレー
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テキサスとの第3戦は、1勝1敗のタイになった後のゲームで、しかも、シアトルのチーム勝率5割ラインが見えてきているだけに、勝つか負けるかで大きく違ってくる大事なゲームだったわけだが、われらがジェイソン・バルガスが、キャッチャーミゲル・オリーボとの息のあった素晴らしいバッテリーワークをみせてくれて、強敵を割と簡単にねじ伏せることができた。
Texas Rangers at Seattle Mariners - May 5, 2011 | MLB.com Classic
この連戦で先発した6人の投手たちの、ストライク率を書き出してみた。(最初の数字が総投球数、2番目がストライク数)
97-77 79.4% 9三振0四球 ピネダ SEA
113-83 73.4% 11三振1四球 ルイス TEX
102-68 66.6% 6三振1四球 オガンドー TEX
96-63 65.6% 3三振2四球 バルガス SEA
125-81 64.8% 12三振1四球 CJウィルソン TEX
103-65 63.1% 3三振2四球 ベダード SEA
「ストライク2 に対して、ボール1」という、MLBの典型的な配球比率については、これまでこのブログで、しつこくしつこく、書き過ぎるほど書いてきたが、この3連戦でのマイケル・ピネダとコルビー・ルイスのストライク率は、それを遥かに上回っている。
このシアトル対テキサス3連戦で、先発投手で負けがついたのは、9三振を奪ったマイケル・ピネダと、11三振を奪ったコルビー・ルイスの2人だ。
クリフ・リー並みのとんでもなく高いストライク率で、これほど多くの三振を奪ったにもかかわらず、彼らは負けた。
思い出すと、去年秋10月のポストシーズン開幕戦、クリフ・リーが73.1%もの高いストライク率で勝利を手にした日に、ロイ・ハラデイは、なんと、クリフ・リーすら超える76.0%と、ちょっと異常とさえいえる圧倒的なストライク率で、たった104球で9回を投げぬいてしまい、軽くノーヒット・ノーランを達成してしまった。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月6日、クリフ・リー、タンパベイを10三振に切ってとり、ポストシーズンまず1勝。フィラデルフィアでもみせた大舞台でのさすがの安定感。
だが、あんな超人的な芸当、つまり、ほとんどストライクばかり投げて相手をピシャリと抑え込むことができるのは、彼ら2人の名投手のような、並み外れた投球術を持った投手だからこそ可能になるのであって、並みの投手には無理な相談だ。
野球は「アウトをとる競技」ではあるが、別に「三振をとるための競技」ではない。
三振をたくさんとったのに、味方が点をとってくれなくて負けるというセリフは非常によく聞く話だが、三振を多くとる投手がなぜそういう結果を招くのかについては、投手側にも多少理由があるケースもあるはずだ。
例えば、マイケル・ピネダ。
彼は、まだ球種が少ない。
そういう投手が、4球に3球、ゾーン内にストライク、それも大半はファストボールを投げ続けるのだから、クリス・デイビス、ミッチ・モアランド、エルビス・アンドラスといった、テキサスの誇る若い豪腕バッターたちに狙いを絞られて、自慢の剛球をミートされるハメになった。
特に、クリス・デイビスにホームランを打たれてはいけない。
打撃スタッツをみればわかることだが、彼は典型的なストレートボールヒッターだ。ストレートには異常に強いが、カーブなどはあまり打てない。
今日の第3戦、2点負けている場面の9回表にクリス・デイビスはピンチヒッターとして打席に立ったが、あの打席の平凡すぎる凡退ぶりを見てもらえばわかる。ブランドン・リーグが決め球のスプリッターを使うまでもなく、チェンジアップとシンカーだけで、クリス・デイビスのバットは空を切り続けた。
ピネダも、次回からちょっとは考えて投げないとダメだろう。
上は、ピネダがホームランを打たれた翌日のゲームの9回表に代打で出てきたクリス・デイビスをブランドン・リーグが三振にしとめた打席の投球の詳細。リーグとピネダのピッチングの違いを見るために挙げてみた。
リーグのこの配球は、ロブ・ジョンソンがよく使う、アウトハイとインローを投げ分ける、典型的なMLB的配球だ。以前から何度となく書いている。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」 『damejimaノート』(2)「外角低め」「ストレート」という迷信 実例:「アウトハイ・インロー」の対角を使うメジャーのバッテリー
この配球では、インとアウトで球速にも変化をつけるためにアウトハイの球にストレート系、インコースに変化球を使うとか、内外で速度の投げ分けをすることがほとんどだ。
リーグの場合、高速シンカーが投げられるので、外に高速シンカー、内にチェンジアップと投げ分けて、内外で10マイルの速度差をつけて、クリス・デイビスを軽く三振にしとめた。
今日のコルビー・ルイスだが
打者の攻め方がワンパターンすぎて、見ていてつまらない。
例えば、打者が左なら、外を徹底して攻めておいて、最後インサイドで三振に仕留める。ただそれだけ。だから、あれを打てないのは、シアトルの下位打者が頭を使ってないだけのことだ。
追い込んだカウントを作るためにかなりの手間をかけるのがルイスの定石なわけだが、三振の数が増えるかわり、味方の守備時間も長くなりがちで、ただでさえ湿ってきているテキサス打線に元気がない。
投手が打者を追い込むカウントを作る前に、もし甘く入った球があれば、どれもが失点の原因になるし、早いカウントから打って出られると、案外ひとたまりもない。
イチローの2本のヒットなども、2本とも、カウントを作るための外角ストレートをレフトに弾き返したヒット。ルイスがインコースにスライダーで討ち取りにいく前に、アウトコースいっぱいにストライクが来るのがわかってしまっては、天才イチローは軽く打ちこなしてしまう。
ジェイソン・バルガスが、本来はチェンジアップ主体に打者をうちとる配球をするピッチャーであることは、これまで何度となく書いてきた。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年6月20日、7回QSで3勝目のバルガスは、6月14日キロス批判と対照的にロブ・ジョンソンの「ゲームメイクの上手さ」を称え、チームは5割復帰を果たした。(2)
テキサスも、シアトルと同地区で、バルガスを何度も打ち崩した経験があるだけに、そのへんとっくに研究済みのはずだから、今日はたぶんチェンジアップを狙い打ちした打者も多数いただろうと思うが、そこは、さすが研究熱心なバルガスだ。
まるでカットボールを多用するア・リーグ東地区の投手たちのように、カットボール主体のピッチングにスッパリと切り替えて、テキサス打線を手玉にとった。
(地区ごとの配球文化の差異については、ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年6月13日、「メジャーで最もストレートばかり投げる」シアトルのリリーフ陣。なんと「4球のうち、3球がストレート」。(ア・リーグ各地区ごとのピッチング・スタイルの差異についてのメモ)を参照)
城島やキロスのような酷いキャッチャーとばかり組まされて誰もバルガスに注目していない頃から彼の才能に注目し続けているだけに、バルガスのピッチングについては誰よりも詳しいと思ってきたが、これほどカットボール主体に投げて成功したバルガスは見たことがない。
たぶん、去年シアトルに在籍していたクリフ・リーに、カットボールの使い方についてしつこく質問していたバルガスのことだから、こういうゲームプランは、半年以上前から準備していたに違いない。
対戦相手をきちんと研究してビヘビアを常に更新し、投手の進歩に対応し続けていけるのが「いい打者」なら、どんなに打者に研究されても、それをさらに乗り越えて、進歩し続けていけるのが、MLBにおける「いい投手」である。
だとすれば、ジェイソン・バスガスは、間違いなく、「いい投手」だ。
4回表
マーフィー
初球のカットボールをダブルプレー
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damejima at 16:11