ズレンシック就任後のトレード損失

2014年12月3日、地区優勝できるチーム作りに疾走するトロントへ移籍するマイケル・ソーンダース。トロントGMアンソポロスの「目のつけどころ」。
2014年12月2日、放出した先発投手3人がこの5年のワールドシリーズで先発した、21世紀最高の「他チーム優勝請負人」シアトルGMジャック・ズレンシックが、ケンドリス・モラレスの「2度の獲得」で演じた最悪のドタバタ劇。
2014年9月19日、「FA偏重、若手軽視、育成軽視」のチームが招いた凋落。アダム・ジョーンズとダグ・フィスターの転進。
2014年9月12日、基本データすら調べない「記者」なんてものの書くことを鵜呑みにしてはいけない時代。 〜 イチロー追い出し後、惨憺たるホームゲームの観客数にあえぐシアトルの「正しい位置づけ」。
2013年6月2日、GMズレンシックの仕業によるシアトル・マリナーズ 「2013年版 ポジション別 崩壊目録」 (2)投手編
2013年6月2日、GMズレンシックの仕業によるシアトル・マリナーズ 「2013年版 ポジション別 崩壊目録」 (1)チームコンセプト編+野手編
2012年6月21日、Baseball Americaの2012ドラフト資料でわかった、「MLBで買い物が最も下手な球団」、シアトル・マリナーズ。やがて来るペナルティも考えず、ドラフトで30球団最高の大散財。
2012年5月6日、「投手の時代」と、2008年に社長に就任したノーラン・ライアンのテキサス改革。時代の変化が見えていない2000年代末のシアトル、クリーブランドの没落。
2012年4月17日、「うまさ」なんてものはメジャーのショートには、あって当り前。むしろ決定的な場面での「雑さ」が最悪なブレンダン・ライアンの守備の下手さ。
2012年3月18日、ダグ・フィスター、ワシントン戦で3度目の登板。4イニング7奪三振で、今年も順調な仕上がり。
2012年3月2日、ファウルチップがマスクに当たったくらいでいちいちベンチに退いているようでは、キャッチャーとして使いモノにならないヘスス・モンテーロ。
2012年2月22日、無能なズレンシックが毎年放出し続けてきた先発投手たちのみで作った 「2012年マリナーズ開幕ローテーション」。
2012年1月29日、 「ヘスス・モンテーロが将来ヤンキースのキャッチャーになると思ったことは、まったくない」 ヤンキースにとってモンテーロが最初からトレードの駒にすぎなかったことを示すボストン新監督ボビー・バレンタインのコメント。
2012年1月20日、ESPNの主筆ジェイソン・スタークが、MLBにおけるピネダ放出を疑問視する声、ズレンシックのトレード手法の「狭量さ」に対する他チームGMの不快感、モンテーロの慢心ぶりへの関係者の不快感を記事にした。
2012年1月18日、打者より投手。そういう時代。
2011年9月29日、予想通り、9月のア・リーグ月間最優秀投手は、ダグ・フィスター。
2011年9月26日、ダグ・フィスター、クリーブランドを無四球9奪三振で8回完封、11勝目。9月5勝0敗で、月間最優秀投手をたぐり寄せる。
2011年9月16日、ダグ・フィスター8回1失点で9勝目。デトロイト・タイガース、24年ぶり4回目の地区優勝(ア・リーグ中地区では初優勝)。おめでとうダグ・フィスター。
2011年9月11日、ダグ・フィスター、ミネソタを7回零封で移籍後6勝目。ERAはついに3.06に。
2011年9月5日、ダグ・フィスター、ア・リーグ中地区首位決戦のビジター第1戦に先発、キャリアハイの13奪三振で勝利!大一番に強いことを証明。
2011年9月4日、シアトルの若手打者の打撃傾向と打席サンプル集 (3)キャスパー・ウェルズ
2011年9月4日、シアトルの若手打者の打撃傾向と打席サンプル集 (2)カイル・シーガー
2011年9月4日、シアトルの若手打者の打撃傾向と打席サンプル集 (1)マイク・カープ
2011年8月31日、得意不得意がわかりきっているシアトルの打者にすらヒットを許すダン・ヘイレンの不用意さ。
2011年8月30日、平日のゲームにもかかわらず34,866人の大観衆を集めたコメリカ・パークでダグ・フィスター、6回までパーフェクト。13ものゴロアウトで、7回2/3を投げきる無四球ピッチング。
2011年8月30日、エンゼルス第2戦でひきつづきシアトル打者の検証。あまりにも予想どおりなので、検証終わり。
2011年8月29日、高橋尚投手の「打たれるべくして打たれた」決勝2ラン。
2011年8月27日、キャスパー・ウェルズがデトロイト時代に頻繁に対戦していたア・リーグ中地区の投手たちが、ウェルズをどう凡退させるのか、観察してみた。
2011年8月27日、予想通り1ヶ月で燃え尽きたズレンシックとエリック・ウェッジ演出による8月の線香花火大会。1ヶ月で擦り切れるのがわかっているドアマットの取り換えみたいな「マンスリー・リサイクル」の馬鹿馬鹿しさ。
2011年8月25日、ダグ・フィスター、7回自責点ゼロ、無四球試合達成で移籍後3勝目。リリースポイントの安定した基本球種だけのシンプルなピッチングで、タンパベイ打線を封じる。
2011年8月20日、ダグ・フィスター、ア・リーグ中地区の首位攻防戦で、106球で7回を投げぬきクリーブランドを余裕でかわして移籍後2勝目。
2011年8月17日、 「フライボール・ピッチャーの防御率は、実は、チームの守備力とは無関係」という、ユニークなコラム。
2011年7月31日、もはやストレートで押せるピッチャーでも、グラウンドボール・ピッチャーでもない、フェリックス・ヘルナンデス。ちなみに、ダグ・フィスターのストレートは、MLB全体11位の価値。
2011年7月31日、「広い球場は、投手有利」というのは、ただの固定観念にすぎない。だからこそ、せっかくグラウンドボール・ピッチャーに変身を遂げたダグ・フィスターを売り払ってまでして外野手を補強してしまうシアトルは、どうしようもない馬鹿である。
2011年7月30日、自分の買ってきたガラクタは後生大事に抱えこみながら、チームの強みである先発投手は毎年のように安売りしてきたズレンシックの馬鹿げたトレード遊びはもはや「背任レベル」。
2011年7月26日、この9年間というもの、シアトル・マリナーズという野球チームがとってきたチーム編成戦略はずっと間違い続けてきた、という事実。年がら年中よその国のドラマばかり垂れ流し続けてきた某テレビ系新聞の「デタラメ記事」を笑う。
2011年7月24日、GMは「超守備的貧打チーム編成」で、監督は「フルスイング野球」(笑) 貧打と残塁の山が両立する矛盾したフリースインガー野球の末路的満塁ホームラン連打。
2011年7月9日、6月のPitcher of the Monthを受賞したばかりのクリフ・リーが、イチローが今シーズン初ホームランを打ったトミー・ハンソンからキャリア初ホームラン。
2011年7月5日、イチローの強烈なダブルプレー阻止スライディングで決勝点ゲッツ。ズレンシックの「二重スタメン」の弊害。
2011年5月13日、ロブ・ジョンソンのキャッチングが原因でないことが完全証明。去年もゲームを壊し続けたブランドン・リーグの無残なる崩壊。
2011年4月17日、ズレンシックの「他画自賛」を笑う。
2011年4月9日、2人の出来損ないのジャック、ジャック・ウィルソンとジャック・ズレンシックに、ファンと監督エリック・ウェッジ、チームメイトへの明確な謝罪を要求する。
2011年1月22日、ポジション別 GMズレンシックの「ミスでミスを補う」かのような、泥縄式のこれまでの仕事ぶり。
2010年8月27日、8月初めにスポーツ・イラストレイテッドのジョン・ヘイマンは「8月末までにトレードされるかもしれない選手31人」のトップに、「ショーン・フィギンズ」を挙げた。(ウェーバー・トレードの解説など)
2010年8月19日、CCサバシアには申し訳ないが、今シーズンのア・リーグのサイ・ヤング賞にふさわしいのは、さまざまなメジャー記録を更新しそうなクリフ・リーだと思う。
2010年8月17日、「フィギンズのセカンドコンバートと打順2番固定が大失敗に終わった」ことが、攻守両面、さらには規律の崩壊を招き、いまやシアトルは「ア・リーグで最もエラーの多いチームのひとつ」。
2010年8月8日、打てないチームなのがわかっていて、それでもマイク・スウィニーをフィラデルフィアに売り飛ばしてしまうズレンシックの「素晴らしい見識」。
2010年8月2日、クリフ・リー放出で投手陣の中心を失い、6勝22敗と墜落した7月の責任転嫁は「ロブ・ジョンソンのマイナー送り」。たぶんマリナーズはここから地区優勝してくれるに違いない(笑)
2010年8月1日、不用意なクリフ・リー放出でマリナーズ「7月の墜落」。クリフ・リー放出の意味の重さがわかってないメディアとファンが多すぎる。
2010年7月31日、あたかもシアトルの誰かさんがこのブログを読んでいるかのような「小太り扇風機ジャスティン・スモーク」のマイナー落ち。ズレンシックの選手編成は、ツギハギだらけの「雪ダルマ式借金補強」で、もはや完全破綻。

December 04, 2014

今シーズン、いいところまで行きながら、最後に惜しくも失速して地区3位に終わってしまったトロントだが、やり手GMアレックス・アンソポロスがいまストーブリーグの先頭を切って疾走している。
ラッセル・マーティン、ジョシュ・ドナルドソン、マルコ・エストラーダ、マイケル・ソーンダースはじめ、ウィンター・ミーティングを前にした他チームGMがうかうかしている間に、あれよあれよという間に必要な選手を揃えつつあるのである。

他のGMを出しぬくほどの猛スピードでチームづくりを進めたかったとみえるアンソポロスだが、彼が目をつけた補強ポイントのひとつは、どうやら「チームと不和を起こしている選手たち」だったようだ。


例えば、オークランドから獲得したオールスタープレーヤー、ジョシュ・ドナルドソンは、2014シーズンにちょっとした怪我をしたのだが、そのときDL入りするかしないかについて、オークランドGMビリー・ビーンとかなり揉めたようだ。
ソース例:A’s trade of Josh Donaldson is hard to figure out - SFGate
ソース例:Scott Miller's Starting 9: With Nelson Cruz, Mariners Can Win Now―and Later | Bleacher Report
トラブルがどの程度ヒートアップしたものだったかは正確にはわかっていないが、少なくとも「話し合いの場を持った」ことは両者が認めているから、少なくとも「意見の相違」があったことは間違いない。また、トロントへのトレードが決まった後にドナルドソンがTwitter上でいろいろと発言していたところをみるかぎり、簡単に解決できる軽いトラブルではなかったことも、たぶん間違いない。
MLBでのトレードで「移籍していく選手が元の所属チームを批判的にコメントすること」はほとんどない。それだけに、かつてブランドン・モローがシアトルからトロントに移籍したときに、 "I was never really allowed to develop as a starter." と言ってシアトルを痛烈に批判したことがまさにそうだった(→参考記事)ように、もし元の所属チームを批判するコメントを残すときは「よほどのことがあった」と判断できるのである。
参考記事:2009年12月22日、「投手コーチ・アデアとの打ち合わせを無視し、モローにカーブのサインを一切出さなかった城島」に関する記録。投手たち自身の「維新」による城島追放劇の舞台裏。 | Damejima's HARDBALL
参考記事:2010年6月19日、意味なくダメ捕手城島が阻害していた「カーブ」を自由に使えるようになってピッチングの幅を広げ始めたブランドン・モロー。 | Damejima's HARDBALL

ある説では、両者の話し合いの場でビリー・ビーンに激怒したドナルドソンがビーンを "Billy Boy!" と怒鳴りつけた、ともいわれているが、残念ながらこの話の真偽は定かではない。
("Billy Boy" は、なかなか母親のもとを離れられない男の子のことを歌った古いアメリカのフォークソング。転じて、おそらく「このマザコン野郎っ!」という意味の罵声として使ったと思われる)
記事例:“Billy Boy”: The Josh Donaldson trade was reportedly sparked by an argument with Billy Beane | HardballTalk



マイケル・ソーンダースはシアトルから獲得したが、こちらはGMとの間で「明らかなトラブル」を抱えていた。
Michael Saunders, agent unhappy with criticism from Jack Zduriencik | HardballTalk

今シーズンのソーンダースは出場ゲーム数が78にとどまったことでわかるように怪我がちなシーズンだったわけだが、そのことをオフになってシアトルGMジャック・ズレンシックが記者会見の場で「おまえのフィジカルの管理がなってないからダメなんだ」と、名指しで批判したことで、両者の関係はこじれた。
トロント移籍が明らかになる前、ソーンダースは代理人を変えている。これを「ズレンシックとの関係修復のきざし」と甘ったるい見方をしたアメリカメディアもあったが、ブログ主は「移籍に備えた準備」としか思っていなかった。

ソーンダースのケースについて言うと、たとえ選手が怪我をして休もうと「GMがそれを批判する」などという馬鹿げた行為が行われることは、MLBではありえない。選手は怪我したくて怪我するわけではない。言うまでもない。

ちなみに、かつてシアトルにいたGMズレンシックのお気に入りの遊撃手ジャック・ウィルソンが「風呂場でこけて怪我して、シーズンを棒にふった」という馬鹿すぎる事件を起こしたことがある。そのときズレンシックは公式の場で馬鹿すぎる怪我をした選手をなじるようなことはしなかった。
「ズレンシックが獲ってきた選手たち」は、過去に例えば「試合中なのに、自分の判断で自宅に帰ってしまう」とか、「バントを命じられたのに、意図的に拒否した」とか、「あまりにも成績が悪くてベンチに下げられて、監督を怒鳴つけた」とか、常識外れな事件を多々起こしてきているが、そのことをチームが公式に批判したという話を聞いたことがない。

そのくせ、ソーンダースのDL入りにはケチをつけた挙句に放出するのだから、意味がわからない。

ズレンシックが就任以来、イチローも含めて、「自分の就任前からチームにいた選手」をそれこそ片っ端から放出し続けてきたことは、シアトルにちょっと関心のあるMLBファンなら誰でも知っている事実だ。
そしてもちろん、2004年ドラフトでシアトルに入団しているソーンダースは、その「2009年のズレンシックGM就任前からシアトルにいた選手」である。
だから、いつかソーンダースが放出される日が来ることは、かなり前からわかっていた。たぶん、ズレンシックは無理に理由をつけてでも、ソーンダースをチームから放り出せる日を待っていたに違いない。
だが、「怪我を口実に関係をこじれさせて放出」などという歪んだ行為は、マトモな野球人のすべきことではない。


まぁともかく、シアトル脱出おめでとう、ソーンダース。カナダ出身の彼ならトロントでスタンディング・オベーションで迎えられることだろう。

選手が主役になるのが本来の「野球」というものだ。
勘違いしている人間が非常に増えているようだが、
ファンが見たいのは、「チーム」や「選手」が勝つ姿であって、
「GMが勝つ」のを見たいわけではない。

damejima at 09:29

December 03, 2014

2010年代のワールドシリーズで投げた先発投手で
シアトルGMズレンシックが放出した投手


クリフ・リー 2010年テキサス
ダグ・フィスター 2012年デトロイト
ジェイソン・バルガス 2014年カンザスシティ

この5年間、ア・リーグのワールドシリーズ進出チームのうち、それぞれの別々の3チームの主力投手が、「シアトルGMジャック・ズレンシックが放出した投手」なのは、もちろん偶然ではない(笑)
なんせ彼は、「最高クラスの先発投手を、びっくりするほどの安値で売り払う」ことにかけては、MLB史上最高の才能をもったジェネラル・マネージャーなのだから、当然の話だ(笑)
2013年にシアトルをクビになったデータ分析やスカウティングを担当のGM特別補佐Tony Blenginoも、クビになった後、こんなことを言っている。
“Jack never has understood one iota about statistical analysis. To this day, he evaluates hitters by homers, RBI and batting average and pitchers by wins and ERA. Statistical analysis was foreign to him. ”
「ジャック(ズレンシック)は、統計的な分析についてはこれっぽっちも理解してない。 今日に至るまで、彼は打者をホームランと打点と打率、投手を勝ち数と防御率で評価してるんだ。統計分析なんて彼には縁の無い存在だった」

もし来シーズン、どうしてもワールドシリーズに進出したいア・リーグチームのGMがいたら、絶対にこの人に「先発投手のトレード話」をもちかけるべきだ。
そう、ちょうど今なら、お買い得な「岩隈」という先発ピッチャーがいる。他チーム優勝請負人ジャック・ズレンシックなら、ほとんど数字を確かめることもなく、必ず最安値で取り引きしてくれるはずだ(笑)

ちなみにクリフ・リーは、テキサスでのワールドシリーズ終了後、5年120Mの大型契約でフィラデルフィアへ栄転。フィスターは、デトロイトでワールドシリーズを経験した後、ワシントンにトレードされ、コンテンダーを渡り歩く有名投手に成長した。バルガスはトレード先のアナハイムで2013年5月に月間最優秀投手賞を受賞する好成績を残した後、4年32Mの長期契約でカンザスシティに栄転、ワールドシリーズを経験した。


さて問題は、これらの投手放出によって「シアトルが得た選手たち」の「その後」だ(笑)

ジャスティン・スモーク
一塁手がダブつきまくっていた2010年7月に、ズレンシックがクリフ・リーとの交換でテキサスから獲得。一塁しか守れないにもかかわらず、打てない。またタテマエでは「スイッチヒッター」なのだが、左投手が全く打てないため、事実上スイッチではない。
シアトル移籍後の2010年夏は大振りばかりで空振り三振が多く、打撃不振からマイナー落ち。シーズン終盤に復帰するものの、2011年以降も打撃がモノになる気配はなく、2013年にもマイナー落ちを経験。2014年オフにウェイバーにかけられ、クレームされたトロントに移籍するも、ノンテンダーFA。
キャスパー・ウェルズ
2011年7月末のフィスター放出でデトロイトから移籍。2012年に93ゲームも出場したが、打率.228と低迷。2013年DFA。その後チームを転々とし、2014年独立リーグ行き。GMズレンシックの無能さと、フィスター放出の無意味さを、全シアトルファンに思い知らせた選手のひとり。
チャンス・ラフィン
2011年7月末のフィスター放出でデトロイトから移籍。同年WHIP1.571という最悪の成績を残した。その後、消息不明。
チャーリー・ファーブッシュ
2011年7月末のフィスター放出でデトロイトから移籍。あくまでフィスターのトレードが失敗でないと主張したいチーム側は、ファーブッシュをしつこく先発投手として起用し続けたが、1年目に3勝7敗と、フィスターのトレードがとてつもない失敗だったことを明らかにしただけに終わる。結局セットアッパーに転向。
ケンドリス・モラレス
バルガスとのトレードでアナハイムからシアトルに移籍。シアトルに2シーズンに2度入団した、非常に不可解な移籍経緯のある選手。以下に詳述。(なお、以前は「ケンドリー・モラレス」と表記されていたが、Kendrys Moralesと登録名が変更になり、日本語表記も変更になった)


ケンドリス・モラレスの「2度にわたる獲得」で、シアトルが「ワールドシリーズ先発投手」と、「プロスペクト」と、「741万ドルの大金」と、「10数年ぶりのポストシーズン進出」を失った顛末

最近のシアトルになんの関心もないから、以下の衝撃的な事実をつい最近まで知らなかった(笑) よくこんな馬鹿なことを許したものだと、感心させられたのが、以下の「ケンドリス・モラレス、2年連続シアトル入団事件の顛末」だ。

モラレスは、当時FAまで1年となっていたシアトルの先発投手ジェイソン・バルガスとのトレードで、2013年にアナハイムからシアトルに移籍し、1年だけ在籍し、ホームラン23本、打率.277の成績を残して、オフにFAになった。
つまりバルガスは、彼自身もあと1シーズンでFAになってシアトル脱出予定だったとはいえ、あれほどの投手だというのに、「たった1シーズンでFAになるのがわかっている野手との交換でトレードされた」ということだ(笑)
「チーム再建」だの、「若返り」だのというお題目はどこ行ったのさ? と言いたくなる(笑)ブログ主に言わせれば、このトレードのみで、十分すぎる超絶的な大失態だが、コトはこれだけでは終わらない。


ズレンシックは、「1年しかチームにいない」ことがわかっているモラレスを、貴重な先発投手を無駄に放出してまで獲得した。それだけでも馬鹿だが、さらに、いざモラレスがチームを去るとなると、どうしても引き止めたくなったらしく、「どうせ移籍するだろうが、ドラフト指名権が欲しい」という意味ではなく、「チームに残ってもらいたい」という意味のクオリファイング・オファーを提示したのである。

だがシアトルにいたくないモラレスは拒否。
ズレンシックは赤恥をかいた。


ただそれでも、もし2013年オフにモラレスをリーグ上位チームが獲得してくれれば、クオリファイング・オファーの規定によって獲得チームのドラフト指名権がシアトルに移ることにはなる。

だがドラフト指名権移動は起こらなかった

というのも、モラレスがFA市場で売れ残ってしまい(契約が遅れた理由は代理人スコット・ボラスの提示金額が高すぎたためらしい)、ようやく2014年6月になって1年1200万ドルの単年契約にこぎつけたチームが、地区最下位のミネソタだったからだ。ミネソタの前年のリーグ順位は下から3番目。全体10位以内の指名権は保護されるため、ミネソタのドラフト指名権は移動しない。

クオリファイング・オファーの提示額の高さを考えれば、契約が難航して困っていたはずのモラレスが、再契約したくてたまらないシアトルとの契約を選択してもいいはずだが、モラレスは優勝する見込みが全く無いミネソタとの単年契約のほうを選んだ。モラレスが「シアトルに戻るのを、心底嫌がっていた」ことが非常によくわかる。


さて、2014シーズンのア・リーグのポストシーズン行き候補が決まりかけてきた初夏。モラレスは6月のミネソタで39ゲーム出場したが、ホームランはたった1本(AB/HRはキャリアワーストの154.0)で、打率.234と、酷い打撃成績に終わっており、ここが肝心だが、ミネソタファンのブーイングを浴びていた。

だがここで再び
「他チーム優勝請負人」ズレンシックが動いた(笑)

なんと、彼はまだ「モラレスにこだわった自分」にこだわり続けていたのだ。ズレンシックは「ミネソタでブーイングを浴びている、打てないモラレス」を獲るため、「シアトル側のサラリー全額負担+若手のスティーブン・プライヤー」という、わけのわからない破格の好条件を提示し、10数年ぶりにポストシーズンの可能性が見えてきたが、打撃の補強が急務だったシアトルに、打ててないモラレスを助っ人として再獲得してきてしまうのだ(笑)

よほどのことでもない限り他チームのやり方にクチをはさむことなどないMLBだが、この理解不能な「モラレス再獲得」については、他チームのエグゼクティブと称する人物がFOXのインタビューに応えて "curious" 、「奇妙なことをするもんだ」と真っ向から批判している。
Trader Jack? As Seattle's GM struggles to complete deals, some rival executives wonder | FOX Sports

結局シアトルは、「2度のモラレス獲得」に、「先発ジェイソン・バルガス、741万ドル、プロスペクトひとり、2年の歳月」を費やした。(注:この場合の金銭負担は「1シーズンを通じてプレーした」場合の「1200万ドル」ではなく、「日割り計算」の「741万ドル」になる)
かたやミネソタは「結局モラレスに1円も払わないまま、ドラフト指名権も手放すことなく、お払い箱にできた」のである。どちらが損せずに済んだか。いうまでもない。


こうしてモラレスは、たぶん嫌々だったと思うが、シアトルに「2年続けて」入団することになった。(たぶんFA後にようやく契約できたミネソタに足元を見られ、契約に拒否権が入れられなかったのだろう)モラレスがミネソタからシアトルに移ったのは2014年7月24日以降だが、結果はどうだったか。
59ゲーム出場 239打席
ホームラン7本 打率.207
AB/HR 30.4(キャリア23.5を大きく下回る)


2014年7月以降のシアトルは、ヤンキース、カンザスシティ、オークランドとともにワイルドカード争いをしていた。カンザスシティの好調さから、単に勝率を維持している程度ではポストシーズン進出はダメで、「勝ちをさらに積み上げ、勝率を上げ続ける必要」があった。

シアトルが「勝率が上昇しない原因」は、
いうまでもなくチーム伝統の「得点力不足」にあった。

ズレンシックが6年もの歳月をかけ、自分の手で得点力を極限まで低下させてきたのだから(笑)このチームの得点力の無さは、ロビンソン・カノーひとり獲得したところで、なんとかなるような代物ではないのだ。

そこでズレンシックは、「ミネソタでブーイングされていたモラレス」を再獲得しただけにとどまらず、さらにニック・フランクリンをエサにした三角トレードで、「対戦相手にとっくにスカウティングされまくって、所属するデトロイトからも見放されつつあったオースティン・ジャクソン」まで獲得してしまう。当然、ジャクソンも打てるわけがない。(54ゲーム出場、打率.229)

こうしてシアトルは、またもやズレンシックがやらかしたトレード失敗の数々によって、オールスター後に得点力を伸ばすことができず、10数年ぶりのポストシーズン進出をみすみす逃すハメになった(笑)
シーズン終盤失速した2014シアトルの成績
First Half    51勝44敗 貯金7 378得点321失点 勝率.537
Second Half  36勝31敗 貯金5 256得点233失点 勝率.537


バルガスがトレードされた2012年当時ズレンシックは、自分自身の契約更新を目前にしていた。
おそらく彼は、「守備重視の大失敗」、「若手路線の大失敗」、「トレードでの数々の大失敗」、「イチロー追い出しという歴史的ミス」、「観客激減」など、これまでの不手際の数々によって消えかかっていた自分の契約延長を可能にするために、それまで主張し続けてきた「チーム再建」や「若返り」などという「まやかしのコンセプト」ですら、すっかり全部引っ込めて、「目先の勝利を優先」する方向に方針を変え、「1年先にいなくなるのがわかっているFA野手」であっても、ステロイダーであっても、なりふりかまわず手を出す一方で、若手をトレードの駒にしはじめている。

もしバルガスのトレードが、そういう「目先の利益を追いかけるためだけのトレード」ではなく、「課題だったはずのチーム再建をきちんと優先した、有望な若手数人を手に入れるトレード」だったら、あるいは、「モラレスにとって、シアトルがわずか1年いただけでも在籍したくなくなるような、イヤな球団」でなかったら、シアトルはモラレス獲得で失った「741万ドルの無駄なカネと、プロスペクト」を失わずに済んだはずだ。

いずれにしても、ケンドリス・モラレスを執拗に追いかけたズレンシックの度重なるドタバタが、シアトルを2014年のポストシーズン進出から遠ざける大失態を招いた原因のひとつであることは間違いない。
課題の得点力不足を解消できないままシーズンに突入しただけでも、GMとして大失態だが、それだけでなく、ポストシーズン進出の可能性があるチームにとって必須条件の「夏の戦力補強」に失敗したのだ。
(だからこそ、ふたたび後がなくなった彼はボルチモアでブーイングされまくっているステロイダー、ネルソン・クルーズにも2014年オフに手を出した。そのうちメルキー・カブレラにすら手を出す可能性がある)


よく、こんな「売るのも、買うのも下手なGM」に、
チームをまかせる気になるものだ。

damejima at 09:30

September 20, 2014

2人の元シアトルのプロスペクト、アダム・ジョーンズ(BAL)と、ダグ・フィスター(WSN)の所属球団が、それぞれ地区優勝した。心からおめでとう、と言いたい。
今はコンテンダー(=優勝争いできるチーム)の主力選手となっている彼らだが、その2人がかつてシアトルでどういう扱いを受けていたか、今となっては忘れてしまった人もいることだろう。

言うまでもなく、この2人の有望選手が「シアトルを出た理由」は偶然などではなく、背景に今も変わらず続く「シアトルの若手育成能力の無さ」と、「ジェネラル・マネージャーの無能ぶり」がある。
アダム・ジョーンズとフィスター、2人に関していうと、2004年以降のセンターの選手起用における失敗、そして2000年代から近年まで一貫して行われ続けた「FA補強の失敗の連続と、有望先発投手の放出の連続」の両方が深く関係している。


アダム・ジョーンズ移籍の背景にある
シアトルの「2000年代センター問題」


アダム・ジョーンズは2008年2月8日、エリック・ベダードとの交換トレードで、クリス・ティルマン、ジョージ・シェリル、現在広島で活躍中のカム・ミッコリオ(来日後の登録名は「ミコライオ」)などとともにボルチモアに移籍した。
その後、ゴールドグラブ 3回(2009、2012、2013)、シルバースラッガー 1回(2013)、オールスターゲーム選出 4回(2009、2012、2013、2014)と活躍し、今ではゴールドグラブの常連だったエンゼルス時代のトリー・ハンター的な「ア・リーグを代表するセンター」であり、押しも押されもしないボルチモアの中心選手だ。

シアトル時代のアダム・ジョーンズは2003年MLBドラフトで1位指名(全体37位)を受けたプロスペクトだが、当時を知らない人は「ドラフト1位なんだし、さぞデビュー前はシアトルの秘蔵っ子として大事に扱われていたのだろう」と思い込んでいるかもしれないが、当時を知っている人なら、そんなこと考えもしない。

なぜなら、シアトル時代のアダム・ジョーンズはかなりいい加減な扱いを受けていたからだ。

シアトル時代のAJのメジャー経験は、彼が20歳、21歳の2006年、2007年の2シーズンだが、いずれも夏以降に申し訳程度にちょろっと使われただけにすぎない。
しかも、使われたといっても、2006年の9月以降と、2007年のかなりの部分が「代打」「代走」「守備固め」としての出場で、とてもとても「次世代のチームを担うトッププロスペクトとして華々しく扱われた」とはいえないどころか、むしろシアトル時代のアダム・ジョーンズは「単なる外野のユーティリティの若造」程度の軽い扱いしか受けていなかった

2006年の出場ゲーム:Adam Jones 2006 Batting Gamelogs | Baseball-Reference.com

2007年の出場ゲーム:Adam Jones 2007 Batting Gamelogs | Baseball-Reference.com


こうしたアダム・ジョーンズのひどい扱いの背景には、2000年代中期のシアトルのチーム編成が極度に迷走していたことが原因の、「センター」のポジションの不安定さがある。

2000年代初期、シアトルのセンターは、グリフィーとのトレードでシンシナティからシアトルにやってきて、2001年、2003年にゴールドグラバーとなった、センターの名手マイク・キャメロンがいたから非常に安定していたが、そのキャメロンがFAでメッツに去ると一気に不安定化してしまう。
アダム・ジョーンズがメジャーデビューした2006年にしても、ブルームクイスト、ジェレミー・リードなど計8選手がセンターを守ったことでわかるように、2000年代中盤になってもシアトルのセンターはまったく固まっていなかった。

翌2007年になると当時のシアトルの無能GMビル・バベジは、FA外野手のホセ・ギーエンを連れてくる。
だが、このギーエン、なんとセンターを守れない外野手だったため、2007年はライトの魔術師イチローがセンターに回って、センターでもゴールドグラブを獲り、ギーエンはライトを守った。
だが、結局ギーエンは1年プレーしただけでいなくなってしまい、翌2008年になるとセンターが固定できない2006年の状態に逆戻りしてしまい、再びジェレミー・リードなど4人が交代でセンターを守った。

2000年代終盤には無能GMジャック・ズレンシックがお気に入りのフランクリン・グティエレスをセンターに固定したが、そのグティエレスにしても体質のあまりの弱さと打撃の平凡さ、肩の弱さから結局失敗に終わったことは知っての通りだ。


こうしたセンター守備の右往左往ぶりは、シアトル・マリナーズというチームが「これまでいかに理解不能なことばかりしてきたか」という証拠のひとつだ。
誰しも思うことだが、シアトルがそれほどまでにセンターの起用に四苦八苦していたのなら、なぜドラフト1位ルーキーの若いアダム・ジョーンズを大事にして、センターに固定して育てればよかったのだ

だが実際には、今も昔も若手育成能力の皆無なシアトルは、AJにマトモなプレー機会を与えず、挙句の果てに無能GMたちの選手獲得の失敗の連続で先発投手が足りなくなったために、後のゴールドグラバーを先発投手獲得のコマにして安売りしてしまうのだから、開いたクチがふさがるわけもない。


ちなみに、2000年中期にシアトルの外野の「控えの控え」だったチュ・シンスがライトのポジションでメジャーデビューできなかったのは、同ポジションにイチローがいて邪魔したからだなどと、「とんでもない嘘八百の言いがかり」をつける人がいる(笑)

わかりきったことを解説するのも馬鹿馬鹿しいが、まず、これは当然の話だが、2004年にジョージ・シスラーのシーズン最多安打記録を更新して波に乗りまくるイチローのレギュラーポジションを奪う可能性が、当時シアトルの外野の控え選手だったアダム・ジョーンズ以下の存在で、「控えの控え」に過ぎないチュ・シンスにあるわけがない。
次に、以上の記述でわかると思うが、イチローとイバニェスが固定されていた2000年代中期のシアトルの外野のポジションで、控え選手がレギュラーを得られる可能性があったポジションは、「キャメロンがいなくなって以降、適任者がいないセンター」であって、「ライト」ではない。
その「センター」にしても、本来なら最も適任者であるはずのアダム・ジョーンズですらロクに守らせてもらえないほど、当時のシアトルのチーム編成は「若手を育てる能力もなく、才能を見抜く目もまるで持ちあわせていなかった」のだから、当時の控え外野手アダム・ジョーンズ以下だったチュ・シンスが、2006年当時のシアトルで「空いているセンター」を守れる可能性など、無いに決まっている。

また、ホセ・ギーエンが入団したことでイチローがセンターに回り、ライトに空きが生じていた2006年には、ギーエンの成績次第でアダム・ジョーンズやチュ・シンスなどの若手にもライトを守るチャンスが生じた可能性もないではなかったわけだが、実際には実現していない。
なんせ当時のシアトル・マリナーズは、センターが本職なはずの自前のプロスペクト、アダム・ジョーンズにすらセンターを守るチャンスをやらなかったくらいだ。といって、シアトルはチュ・シンスをセンターに回すわけでもなく、「センターが守れない」ホセ・ギーエンを連れてきてしまい、天才外野手イチローのいたライトにギーエンを置いてしまうのだから、これら全てはチーム編成の責任であり、と同時に、単にチュ・シンスに外野のレギュラーポジションを奪いとるのに必要な「アダム・ジョーンズより上であるという評価」がされるほどの実力がなかっただけのことでもある。


ただ、勘違いしてはいけないと思うのは、ドラフト時のアダム・ジョーンズの評価は、ジョー・マウアーやスティーブン・ストラスバーグ、ブライス・ハーパーのような「その年のドラフトの目玉選手」だったわけではないし、全米トップテンの評価だったというわけでもない、ということだ。
彼はあくまで、2003年ドラフト全体37位の、それも「補足指名」による1位指名選手であって、2003年ドラフトで1位指名されたのは「37人」だったから、1巡目37位のアダム・ジョーンズは「2003年のドラフトで最も最後に指名された1巡目指名選手」なのだ。

もう少し詳しく書くと、2002年ドラフトでのシアトルは、イチローが入団した2001年にぶっちぎりの勝率で地区優勝していたために、上位指名権を持っていなかった。そのためシアトルは「全体28番目」というかなり遅い順位で、当時高校生だったJohn Mayberryを1位指名した。
だが、そのMayberryが入団拒否し、スタンフォードに進学してしまったために、シアトルに「1位指名選手が入団しなかったことへの補償」として「補完指名権」が発生した。それが翌2003年ドラフトでの「アダム・ジョーンズの全体37位指名」だ。
この「補完指名権」は「最初の30人の指名を終わった後で行われる補足的な1位指名」なわけだから、実質的にアダム・ジョーンズは2巡目以降の指名レベルだった、といえなくもない。

MLBドラフトにおける「1巡目指名」
実際のMLBドラフトの1巡目指名では、必ずしも30球団が1人ずつ、合計30人が順に指名されるわけではない。
さまざまな理由から上位指名権が移動したり、補完指名権が発生したりすることによって、結果的に複数の1位指名権を所有するチーム」が出現することが多い。
したがってドラフト1巡目の最初の30人の指名においては、ひとつのチームが2人以上の選手を指名することもあれば、逆に「その年に1位指名権を全く持たないチーム」も出現することになる。(例えば2002年ドラフトでは、オークランドが1巡目で8人を指名して『マネーボールドラフト』と呼ばれた)

上位指名権が移動する例:
これは既に改正された古い制度だが、かつては、有力選手がフリーエージェントで他チームに流出すると、元の所属球団(=流出球団)が、FA選手を獲得した球団が所有しているドラフトでの「上位指名権」や「補完指名権」を獲得できるという制度があった。
この場合、どのFA流出選手にどの順位のドラフト指名権が付随するかは、その選手の「格付け」や、流出球団の地区順位・年棒調停など、諸条件によって決まる。(FA選手の格付けは、スポーツ選手の格付け専門機関であるElias Sports Bureauによる。「タイプA」、「タイプB」など、タイプという呼称が使われる)




ダグ・フィスター移籍の背景にある
シアトルの「若手先発投手の安売りセール」


ダグ・フィスターは、ビル・バベジが2006年ドラフト7巡目で指名し、ジャック・ズレンシックが2011年にチャーリー・ファーブッシュ、チャンス・ラフィン、キャスパー・ウェルズなどとのトレードで、デビッド・ポーリーとともにデトロイトに放出した。

シアトル在籍最後のシーズンとなった2011年前半は「3勝12敗」という惨憺たる成績だったが、これはERA3.33、WHIP1.171という数字が示すように、フィスターはいいピッチングをしていたが、単に貧弱すぎるシアトル打線の援護がないために勝てなかった、ただそれだけのことであり、事実7月末に移籍した先のデトロイトでフィスターは、「8勝1敗、0.839」という驚異的な数字を残し、地区優勝を経験している。

数字に弱い無能なGMズレンシックは、フィスターがタイガース、さらにはナショナルズと、彼が地区優勝チームの主力ローテ投手のひとりとして活躍できるほどのポテンシャルを持っていたことを、シアトル在籍時の簡単な統計数字から読み取る能力すら持ち合わせていなかった。デトロイトへのトレードは安売りそのものであり、このトレードは空前の大失敗といえる。


このフィスターのトレードについても、アダム・ジョーンズのトレードの背景に、2000年代のシアトルがセンターの選手起用で重ねたミスがあるのと同様に、その背景に「シアトルが2000年代中期以降ずっと続けてきたローテ投手陣の構築失敗」がある。
もっと具体的にいうと、「自軍のマイナー上がりの才能ある投手の軽視」と、「トレードによる先発投手放出の連続」だ。


2001年にMLB史上最高の116勝を挙げ、最強だったはずのシアトルが「地区最下位に沈む弱さに急激に下降した」のは、2004年のことだ。この2004年の直前、2003年11月にはビル・バベジがシアトルのGMになるという「事件」(笑)があった。
2004年はバベジがGMに就任して最初のシーズンであり、このときはまだ誰も「バベジが史上最悪のGMのひとりであること」に気づいてはいなかった(笑)

2000年代中期にシアトルが地区最下位に沈むようになった理由のひとつはローテ投手陣の極端な弱体化だが、シアトルの選手層、特にローテ投手の顔ぶれを「2000年代初期」と「2000年代中期」で比べてみると、そこに『非常に大きな違い』があることに誰でも気づかなくてはならない。

シアトルの選手層の「質的」変化

2000年代初期:多くがドラフトで獲得して自前で育成した選手や、シアトルでメジャーデビューした選手で形成

2000年代中期以降:FA選手との契約や、若手選手の放出によるトレードに依存し、ドラフト後の育成でほとんど収穫なし


例えば、2004年のローテ投手には、メッシュ、ピニェイロ、ライアン・フランクリンなど、シアトルで育ってきた投手たちの名前が並ぶ。フレディ・ガルシアにしても、MLBに入ったのはドラフト外でヒューストンだが、メジャーデビューはシアトルだ。
このことでわかるように、2000年初期のシアトルの選手層には、「シアトルで育った選手」に可能な限りこだわって、なおかつ、勝ててもいたという大きな特徴がある。

もちろんシアトルでメジャーデビューしているイチローも、シアトル市民にとってみれば「シアトルで育った新人」のひとりだ。

2001年の116勝シーズンにシアトルの観客動員がMLBトップに輝いた理由は、単に「勝ち数が多かったこと」だけが理由ではなくて、「シアトルゆかりの選手が数多くいるチームで優勝できたこと」にあることは、地元メディアですらきちんと語ってこなかった。
(だから「FA偏重になって負け続けた時代に、観客が離れていっている理由」を誰も気づかなかったし、地元メディアすらきちんと指摘しなかった。彼らは「勝てばそのうち観客は戻るさ」くらいに思っていたと思う)

参考記事:2013年3月1日、「イチローは僕のヒュミドールなんだ」 〜 マイク・モースだけにしかわからない「『イチローのいるシアトル』の甘く、ほろ苦い香り」 | Damejima's HARDBALL


「幸福な2000年代初期」に対して、
「不幸な2000年代中期以降」は、なぜ起こったか。

例えば2007年、2008年あたりのローテ投手をみると、ウオッシュバーン、ホラシオ・ラミレス、バティスタ、ジェフ・ウィーバー、バティスタ、シルバ、ベダード、イアン・スネルなどであり、ヘルナンデス以外の先発投手の獲得のほとんどが「FA選手」だ。(一部は自軍の有望選手との交換トレード
野手にしても、リッチー・セクソンやエイドリアン・ベルトレが典型だが、FA選手との契約と、その失敗例が掃いて捨てるほどある。

当然ながら、FA選手との契約にはカネがかかるし、それだけでなく、彼らは成績が最悪になっても契約で守られ、マイナーに落としたりスタメンを外したりすることが簡単にはできないことが多い。だから彼らが活躍しても、しなくても、若手の出場機会は減ることになる。
チーム財政が苦しければ、新たな選手獲得の予算が限られてくるチーム側としては、FA選手が期待はずれに終わったときに、さらに新たな選手を獲得してくるためには、若手をトレードの「エサ」にするしかなくなる。
こうして、「金銭と、ドラフトの上位指名権という犠牲を払って高額契約したFA選手が期待外れに終わる。チームはドラフトでいい選手がとれず、予算の自由度も減り、こんどは既存の若手をエサに選手を獲ってこようとする。そのFA選手がまた期待外れに終わると、また別のFA選手に手を出す。そうして失敗し続けた上に、ドラフト上位指名もできない年度が続く」という、「典型的な悪循環」が生まれる。

実際、こうした「FAでシアトルに入団した先発投手」のほとんどは、前例がないほどの大失敗か、それに準ずる程度の平凡な成績に終わり、その一方で、シアトルが放出した有望選手たちは、ようやくゲームに出場できる機会を得て経験を積んだ結果、大きく成長を遂げるという、シアトル特有の奇妙な現象が2000年代中期以降に生まれることになった。

「放出した選手が必ずといっていいほど活躍する」という奇妙な現象はけして「偶然」などではないのである。
参考記事:2013年6月2日、GMズレンシックの仕業によるシアトル・マリナーズ 「2013年版 ポジション別 崩壊目録」 (2)投手編 | Damejima's HARDBALL


こうしたバベジ時代、ズレンシック時代共通の「FA重視、ドラフト軽視、若手育成軽視」のチーム編成手法は、2000年代初期までの「強い地元チーム」に熱狂してきたシアトルのファン心理を急激に冷めさせ、チームから著しく遠ざける結果をまねいた。

その後、MLBのスタメンクラスの実力もない若手選手に機会を与えるフリをしてイチローを追い出す口実にしたズレンシックとエリック・ウェッジの悪質な戦略は、成功もしないし、観客もそれを評価せず、観客はますますスタジアムから離れる結果になった。
(だからこそ、「シアトルで育ったイチロー」がデイブ・ニーハウスにとっての『ラスト・マリナーズ』だったわけだ。参考記事:2010年11月15日、デイブ・ニーハウスにとっての「ラスト・マリナーズ」。 | Damejima's HARDBALL

こうしたFA選手偏重の選手獲得、選手起用によって、2000年代のシアトルからアダム・ジョーンズ、ダグ・フィスター、ブランドン・モローなどの若手(あるいはマイク・モース、ラファエル・ソリアーノのような活躍が期待できる選手)が次々に離れていく一方で、給料が高い割に成績がふるわないFA選手ばかりがチームにたまっていき、それとともにチームの観客動員は2万人のラインに向かって一直線に下降していった。


こうして眺めてみると、2000年代中期以降の「FA重視、若手軽視、育成軽視のシアトル・マリナーズ」は、ある意味で、「コア4」の時代が終わりつつあるのがわかっているのに、若手を育てもせず、ステロイドのインチキ野球に頼り続けながら他チームから大物FA選手を集め続けて没落していったニューヨーク・ヤンキースの2000年代中期の軌跡と、まったくもって瓜二つだ。

damejima at 10:16

September 13, 2014

いまだにあの無能なジャック・ズレンシックがGMで、心底嫌いなシアトル・マリナーズのことを持ち上げる義理など別にない。まったくない。
だが、「閑古鳥が鳴くセーフコ」などと平気で嘘を書く「記者」とやらのいい加減な記事に腹がたつから、いちおう書いておく。
世論誘導のためなら嘘の報道もする、ジャーナリズムの片鱗すらない朝日新聞じゃあるまいし、もうちょっときちんと事実を調べてから書く能力は記者にはないのか、といいたい。
【MLB】マリナーズがプレーオフ進出のチャンスも、閑古鳥が鳴く客席… (ISM) - Yahoo!ニュース


Baseball Referenceのデータによると、今年のMLBの観客動員数は、全体としていえば、9月11日時点で2013年より約40万人、減少している。
Change in Baseball Attendance 2013 to 2014 | Baseball-Reference.com

この減少を招いた主原因はハッキリしている。フィラデルフィア・フィリーズとテキサス・レンジャーズの大幅な観客数減少だ。フィリーが57万人、テキサス34万人と、2チームで約90万人も減っている。

もちろん理由がある。
地区順位の低迷だ。

フィリーは、2007年から2011年まで5年連続地区優勝を成し遂げて、2012年には、1試合あたり44,000人もの観客を集める超人気球団に成長し、ナ・リーグ1位、ならびにMLB全体でもヤンキースまでも抑えて観客動員数1位を記録した。
かつては、ロイ・ハラデイ(引退)、クリフ・リー(60日間のDL中)、コール・ハメルズロイ・オズワルト(移籍)、カイル・ケンドリックなど、錚々たる先発投手陣を擁して勝ちまくったわけだが、いかんせん主力選手の若返りに失敗。地区順位が低迷すると、一気に観客数は激減した。
2012 National League Attendance & Miscellaneous | Baseball-Reference.com

テキサスは、ア・リーグ西地区のお荷物球団だった2000年代初期の低迷が嘘のように、2011年、2012年と、2年続けてワールドシリーズに進出。2013年には、ヤンキースに迫る1試合あたり38,000人もの観客動員に成功し、ア・リーグではヤンキースに次ぐ2位、MLB全体でも5位の人気チームに躍り出た。

だが、それも真夏の夜の夢で、人気絶頂だった2012年が結果的にテキサスの転機となる。なかでも、シーズン序盤から地区首位を快走しておきながら、シーズン終盤の低迷から、ボブ・メルビン率いるオークランドに奇跡的な逆転地区優勝を許してしまったことは、あってはならないミス、痛恨の極みであり、これがチーム崩壊に向かうキッカケになった。
2012年オフ、ずっとチームのシンボルだったマイケル・ヤングがチームを去るのをテキサスは結局慰留もせず、さらに2013年オフになるとチームに内紛が起きて、人気社長だったノーラン・ライアンがチームを去り、またチームの大黒柱のひとりだったイアン・キンズラーがデトロイトに行ってしまい、チームは「中心」を失った。
そして、チーム建て直しを図りたいGMジョン・ダニエルズが補強したプリンス・フィルダーチュ・シンスといった選手の獲得が失敗に終わると、一気に観客の心はチームから離れたのである。(とはいえ、テキサスの観客動員数はいまだにシアトルの1.5倍以上ある。シアトルのチーム運営が10年以上失敗続きだったことを思えば当然の話だ)
2013 Major League Baseball Attendance & Miscellaneous | Baseball-Reference.com


こうした「一時の人気絶頂ぶりから転落したチーム」があった一方、人気を回復しつつあるチームも、もちろんある。

例えば、全体としての観客動員数でいうと、ミルウォーキーシアトルが、それぞれ20万人程度、観客を増やしているし、それよりもMLBファンとして腰を抜かすほど驚かされるのは、かつてあれほど人気がなかったオークランドが、なんと今シーズンに限っては「16万人」も観客動員を増やし、観客動員増加数ランキング第3位に入っていることだ。当然これも、オークランドがかつての黄金時代のような地区優勝できるチームに復活しつつあることが理由だ。
Change in Baseball Attendance 2013 to 2014 | Baseball-Reference.com

今シーズンはオークランドの他にも、マイアミピッツバーグヒューストンなど、「これまで観客が少ない少ないと長年言われ続けてきたチームで観客が増加している」のがひとつの特徴で、マイアミなどは、ずっと2万割れしていた「1試合あたりの観客数」が今年2万人の大台を回復するにまでに回復してきている。
これらは明らかに、かつての不人気球団、低迷球団が、ボールパークの新設をしたり、チームが優勝争いに加わったりしたことで、人気がやや改善傾向にあることの証だ。


他にたとえばヤンキースでいうと、昨年同時期に比べて13万人以上観客を増やして、1試合あたりの観客数もア・リーグで唯一4万人以上をキープしてリーグトップを走っているように、MLB全体としての観客動員はむしろ改善傾向がみられる。
もしフィラデルフィアとテキサスでの90万人もの観客激減がなければ、他のMLB28球団合計の観客動員数はむしろ「2013年より増加傾向にある」、これがMLBの観客動員の基本傾向であることを、まずは頭に入れてほしい。

基本データすら調べない無能な記者の書くことなど信じてはいけない。



フィラデルフィアとテキサスを除いたMLB全体の観客動員が微増傾向にあることをふまえた上で、シアトルを見てみる。

シアトルの「ホームゲームの観客数」が1試合あたり1万数千人と低迷しだしたのは、別に今に始まったことではない。
チーム、GMジャック・ズレンシック、監督エリック・ウェッジ、地元紙シアトル・タイムズジェフ・ベイカースティーブ・ケリーあたりが共謀してチームのレジェンドであるイチローをヤンキースに追い出してから、シアトルの観客動員数は激減している
関連記事:2012年7月25日、この10年のヤンキース戦の観客動員データから明らかになった、セーフコ・フィールドのファンは「イチローを観るためにスタジアムに通い続けてきた」という子供でもわかる事実。 | Damejima's HARDBALL

MLBに詳しい人なら誰でも知っていることだが、MLBで「1試合あたり観客2万人」というのは不人気球団のボーダーラインなのだが、シアトルの観客動員はこの「1試合あたり2万人」すれすれの数字を、2012年、2013年と2年も続けて記録した。
これまでギリギリ2万人を割らずに済んできたのは、単に、4万人近い観客が集まるア・リーグ人気チームとのビジターでの対戦(例えばアーリントンでのテキサス戦、ヤンキースタジアムでのヤンキース戦など)が、シアトルの観客動員数にカウントされているからに過ぎない。

4万入るビジターゲームの数字までカウントされているのに「1試合あたりの観客動員数」が2万人を切りそうになる、ということは、「シアトルのセーフコ・フィールドでの1試合あたりの観客動員数が2万人を大きく割り込んでしまい、毎試合1万ちょいしか入らない状態が、常態化している」という意味にほかならない。
関連記事:2011年9月16日、球団のドル箱であるヤンキース戦ですら1試合あたり観客2万人を切る事態を招いた無能GMズレンシック。もはや「内側に向かって収縮する白色矮星」のシアトル・マリナーズ。 | Damejima's HARDBALL


イチロー追い出しによって観客に見放されたシアトル・マリナーズはこの数年、フェリックス・ヘルナンデスの人気を煽ることで人気回復を図ろうとキャンペーンを続けてきた。だが、それは成功しなかった。
関連記事:2011年6月29日、興奮しやすい性格を抑えこむことでサイ・ヤング賞投手になった選手を、なぜ黄色い酔っ払い軍団を作ってまでして奪三振を煽り立てる必要があるのか。 | Damejima's HARDBALL
かつて何度もこのブログで解析したように、彼が投手として素晴らしい選手であるのはたしかだが、ヘルナンデスは、若い頃からそうだが、「数字をもっていない選手」だ。彼の登板ゲームだからスタンドが満員になるといった、地元での爆発的人気をもった選手ではないことはハッキリしている。


だから、今のシアトルのホームで1万数千人という観客数は、ヘルナンデスの好成績とはまったく無関係で、ひとえに「ロビンソン・カノーに頼りきったチームがワイルドカードを争っていること」のみが理由で、それ以外にない。それを「閑古鳥が鳴いている」と表現するのは正しくない。

シアトルの1試合あたり1万数千人というホームゲームの惨憺たる観客数は、「イチロー移籍直後のスタンドのガラガラぶりから、これでも多少増えた」というべき、そういう数字なのである。

damejima at 14:35

June 03, 2013

GMズレンシックの仕業によるシアトル・マリナーズ 「2013年版 ポジション別 崩壊目録」は、「チームコンセプト+野手編」と「投手編」の2つに分割され、それぞれ必要に応じて改訂を続けている。
投手編 Last Updated : 2014/12/02

チームコンセプト+野手編」はこちら
Damejima's HARDBALL:2013年6月2日、GMズレンシックの仕業によるシアトル・マリナーズ 「2013年版 ポジション別 崩壊目録」 (1)チームコンセプト編+野手編


ズレンシックが放出したピッチャー

ジャロッド・ウオッシュバーン
2006年にFAでエンゼルスから加入。どことなくキーファー・サザーランドに似た風貌の左投手。MLB有数のラン・サポートの少ない投手として当時有名で、2009年7月にトレードされるまで変わらなかった。
主力先発投手3人が揃って城島とのバッテリーを拒否した2009シーズンのシアトルは、7月まで優勝戦線に残れるほど好調だったわけだが、中でもウオッシュバーンは準パーフェクトゲームを含む8勝6敗、防御率2.64。数字もさることながら、投手陣のリーダーとしてチームを鼓舞し続けた。
2009年夏のウオッシュバーンは、地元メディアにひっきりなしにトレードの噂を書きたてられ続ける状態だったにもかかわらず、ごくわずか残されたポストシーズン進出の望みを捨てずに奮闘。2009年7月には「ア・リーグ月間最優秀投手」を受賞している。
ウオッシュバーン自身は常に「トレードは望まない。このチームでやりたい」と公言し続け、シアトルでのプレー続行を望んでいたが、ズレンシックは耳を貸さず、トレード期限となる7月31日に、ルーク・フレンチ他との交換で、当時中地区首位だったデトロイトにトレードしてしまった。
リンク:ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年7月23日、ウオッシュバーンは「移籍したくない」といい、「プレーヤーが売り払われないために、頑張るしかない」と語った。
リンク:ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年7月27日、魚釣りの好きな男の父が息子に電話してきて「トレードされたのかい?」と尋ねた。息子は言う。it's not over.「チームはまだ終わってないよ。」そして彼は家族のために魚料理を作った。
投手陣の支柱だったベテラン投手ウオッシュバーンがトレードされたことで、その後シアトル投手陣は総崩れになり、チームにごくわずか残されたプレーオフ進出の望みは断たれた。後にはウオッシュバーンだけでなく、クリス・ジャクバスカス、ブランドン・モローなど、2009シーズンを戦った投手たちも次々と放出された。
ブランドン・モロー
トロント移籍にあたって、モロー自身がシアトルの投手育成の未熟さをメディアで公然と批判。またシアトル時代、不調だったモローに、当時の投手コーチ、リック・アデアが「カーブを多投させてみよう」と提案し、バッテリーとも打ち合わせが済んでいたにもかかわらず、実際のゲームではダメ捕手城島がモローにカーブのサインを「故意に」出さなかったというありえない事件がシアトル地元メディアによって暴露され、シアトルの育成能力の無さがさらに浮き彫りになった。
リンク:ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年12月22日、「投手コーチ・アデアとの打ち合わせを無視し、モローにカーブのサインを一切出さなかった城島」に関する記録。投手たち自身の「維新」による城島追放劇の舞台裏。
移籍後、モローはトロントのスターターに定着。146.1イニングを投げ、10勝7敗と活躍し、準パーフェクトゲームも達成。シアトルが開花させることのできなかった実力の程を示した。
クリフ・リー
フィラデルフィアからGMズレンシックが複雑なトレードに相乗りする形で獲得。春先に調子が上がらないフェリックス・ヘルナンデスのかわりに、2010年夏までエースとしてチームを支えた。
だが、2010年7月のフラッグシップトレードで、ズレンシックが、こともあろうに同地区ライバルであるテキサスへ、マーク・ロウとともに放出。シアトルは、前年2009年の同じ7月にウオッシュバーンを放出して投手陣の精神的な支柱を失った事件に続き、2年続けて投手陣の支柱を失うハメになり、一方のテキサスはワールドシリーズを戦う大黒柱を得た。その後クリフ・リーは、2010年ワールドシリーズ終了後、5年総額1億2000万ドルの大型契約でフィラデルフィアへ戻った。クリフ・リー放出で得たスモークは、後に未熟なフリー・スインガーであることが判明した。
ダグ・フィスター
ズレンシック就任前からシアトルにいた生え抜き。ズレンシックによる2009年7月ウオッシュバーン放出、2010年7月クリフ・リー放出に続き、2011年7月デビッド・ポーリーとともにデトロイトに出された。移籍先のデトロイトで、あの剛腕バーランダーに続く先発の柱として大活躍し、2012年にはワールドシリーズ(vs SFG)でも先発した。2014年からナショナルズに移籍、ここでもローテ投手の一角として16勝6敗、ERA2.41のハイグレードな成績を挙げ、2014ナ・リーグサイヤング投票8位に輝いた。
フィスター放出の一方でシアトルが獲得したのは、キャスパー・ウェルズ、チャーリー・ファーブッシュ、チャンス・ラフィンなどだが、誰ひとり者になってなどいない。このトレードが「球団史に残る最悪トレードのひとつ」であることなど、言うまでもない。
マイケル・ピネダ
2005年にドラフト外契約した生え抜きで、2011年に鮮烈な先発デビューを飾った。最初の3か月の被打率は約2割で、ただならぬ将来性を漂わせたが、シーズン最期に失速。結果的に言えば、故障を抱えたまま投げていた。
2012年1月、ズレンシックはこのピネダを、モンテーロ、ノエシなどとのトレードでヤンキースに放出。故障が癒えず、なかなか戦列に復帰できなかったが、2014年スプリングトレーニングで復活。ズレンシックの無能さが浮き彫りになったトレードのひとつ。
ジェイソン・バルガス
2008年12月、GMズレンシックが三角トレードでメッツから獲得。本来「チェンジアップ主体で投げる投手」だが、常にキロスや城島といった「彼特有のピッチングスタイルを理解できないキャッチャー」とばかりバッテリーを組まされ、当初は成績が伸び悩んだ。
だが、彼の才能にフタをしていた城島が日本に去った後、バルガスの実力の片鱗が発揮され始め、2010年は6月までに14登板して、91.1イニングを投げ6勝2敗、防御率2.66。60もの三振を奪った一方、四球は23しか与えなかった。たしか、この時期のア・リーグWHIPランキングにダグ・フィスターとともに名前を連ねていたはず。残念ながらシーズン終盤には多投からくる疲労などで成績を崩した。
復調と飛躍が期待されたが、自分で始めた若手路線をみずから放棄して打線テコ入れをはかろうとするズレンシックが、バルガスを同地区アナハイムにケンドリー・モラレスとのトレードで放出。フィスターに続くバルガスの放出により、ズレンシックはシアトルGM就任時にチームに在籍していた「ヘルナンデス以外の先発投手の全員」を放出したことになった。バルガスはLAA移籍後、2013年5月、月間最優秀投手賞を受賞した。
2013年11月にカンザスシティと4年3200万ドルで契約。2014年ワールドシリーズを経験した。
カルロス・シルバ
バベシ時代の2007年12月に、4年4400万ドルで獲得したが、当時の正捕手城島とまるで息があわなかったこともあり、ずっとお荷物と思われていた。
リンク:ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年6月19日、移籍後にストレートを投げる割合が83.1%から55.7%に突然下がり、シカゴ・カブスで別人になったカルロス・シルバの不可思議な変身。
GMズレンシックは2009年12月になって、何を思ったのか、シルバに600万ドルもの大金をそえ、シルバをカブスへ放出。かわりに問題児ミルトン・ブラッドリーを獲得するというギャンブル的トレードを断行した。
そのシルバが移籍先で開幕8連勝を記録する一方、ブラッドリーは数々の事件を起こした後に、ロサンゼルスで暴行事件で逮捕された。問題児を放出できただけでなく600万ドルの現金も得たカブスがトレードに成功した一方で、故意に問題児を抱え込んでコントロールできなかったズレンシックとシアトルは、暗黒の貧乏くじを引いた。
ショーン・ケリー
2007年ドラフト13位。この投手をズレンシックが外部からトレードで獲得してきたと思っている人が多いが、れっきとしたシアトルの生え抜き。だが、ズレンシックが獲得してきた投手ではない。
投手を見る目が全くない無能GMズレンシックが2013年2月ヤンキースに放出。ヤンキースで勝ちゲームのセットアッパーとして活躍。ショーン・ケリーのトレードもズレンシックの負けが確定。

ズレンシックが獲得したピッチャー
イアン・スネル
2009年7月末にGMズレンシックが、ジェフ・クレメントなど4人との交換で、ジャック・ウィルソンとともに獲得。どこにもいいところが見られないまま、2010年戦力外。
ルーク・フレンチ
2009年7月ウォッシュバーンを放出したトレードで、ズレンシックがデトロイトから獲得。2シーズンプレーし、ERA6.63、4.83。2010年10月を最後にメジャーのゲームに出ておらず、まったく使い物にならなかった。2011年8月DFA。
ブレイク・ベバン
2010年7月クリフ・リー放出トレードでテキサスから獲得。2007年テキサスのドラフト1位指名選手。クリフ・リー放出で先発が足りなくなったシアトルは、ベバンを「クリフ・リーがいなくても先発は足りている」とでも言いたげに言い訳がましく「ニワカ仕立ての先発」として起用した。
だが、3シーズン通算のERAは4.67と、とても先発投手としてやっていける能力はなく、2013年のWHIPが1.694と成績は壊滅的。やむなくリリーフに転向させるもどうにもならず、マイナー落ちさせたが、タコマでもWHIP1.521の惨状。にもかかわらずズレンシックは、この選手に2014年の1年契約を与えた。2014年オフにFA、アリゾナとマイナー契約。
ジョシュ・ルーク
2010年7月のクリフ・リーのトレードでテキサスから獲得してきた選手のひとり。過去にレイプで告発されているが、軽犯罪を認めることによって告発をまぬがれたらしい。この危ない投手を安易に獲得してきた責任者のひとり、スカウト・マネージャーCarmen Fuscoは2010年9月にクビになっている。いわゆる「トカゲの尻尾切り」だが、このことは日本ではほとんど知られていない。
チャーリー・ファーブッシュ
2011年7月フィスターとのトレードで獲得。フィスターのトレードが失敗でないことを主張したいチーム側は、このファーブッシュをしつこく先発投手として起用し続けたが、1年目は3勝7敗と、フィスターのトレードが大失態だったことが明白になっただけの結果に終わる。結局セットアッパーに転向。
チャンス・ラフィン
2011年7月フィスターとのトレードで獲得。同年WHIP1.571という酷い成績を残した。その後の消息は不明。フィスターのトレードがGMズレンシックの大失態だったことの証明となった選手のひとり。
ヘクター・ノエシ
2012年1月ズレンシックによるマイケル・ピネダとのトレードで、ヤンキースから獲得。フィスターで獲得したファーブッシュと同様、ピネダのトレードが失敗でないと主張したいがために、チーム側は、ファーブッシュと同様、このノエシも2012シーズンに無理矢理先発として起用し続けたが、ERA5.82、2勝12敗という「宇宙の破滅的成績」に終わった。「打てない、守れないモンテーロ」ともども、ピネダのトレードが大失敗だったことの証明となる選手のひとり。2013年マイナー落ちするが、マイナーでもERAは5.83。使い物にならないまま、2014年4月テキサスに移籍。
スティーブン・デラバー
2011年にFA選手として契約。翌2012年にシアトルでWHIP0.927という、ちょっと驚異的な数字を残しつつあったにもかかわらず、なんと2012年7月に外野手エリック・テムズとのトレードで放出。ズレンシックという人物が、自分は数字に強いというフリをし続けているにもかかわらず、実は数字に非常に疎いことがモロバレになったトレード。
デラバーは移籍先のトロントで活躍し、2013年オールスターに34番目の選手として出場。一方のテムズは2013年6月にDFAとなり、デラバーのトレードもズレンシックの負けが確定。
ダニー・ハルツェン
2011年シアトルのドラフト1位(全体2位)。ダスティン・アックリーと同じヴァージニア大学の出身。大学時代からかなり奇妙なフォームで投げていたピッチャーだが、2011年のMLB入りからわずか2年で肩を故障。手術が必要なレベルの重い怪我だった。マリナーズは「フォームに問題があるのはわかっていたが、時期を見てフォームを修正するつもりだった」などと、後づけで言い訳がましいコメントを出した。2014年も早々に怪我でリタイア。


クローザーの異動

JJプッツ
就任早々のズレンシックが2008年12月に行った三角トレードで、メッツに放出。シアトルはフランクリン・グティエレス、ジェイソン・バルガスなどを獲得。
デイビッド・アーズマ
2009年1月ズレンシックがボストンから獲得。クローザーに転向して38セーブ、十分すぎるほどの活躍だった。だが、一転して2010年はストレート一辺倒の単調なピッチングに固執し始めて、成績が低迷。2011年は故障を理由に一度も登板しなかったが、この見込み違いの投手にシアトルは450万ドルも払った。
ズレンシックはトレードを画策したが、うまくいかず、ズルズルと残留し続けた後、FAにさせてしまった。このため、シアトルはアーズマを「トレードの駒」として活用する機会を失った。これは明らかにGMの大失態。
ブランドン・リーグ
2009年12月、先発ブランドン・モローとのトレードでトロントから獲得。何年も活躍できる価値ある先発投手と、どこにでもいるブルペン投手のトレードをWIN-WINだなんて言い張るのは馬鹿馬鹿しい与太話でしかないが、モローの放出が大失態でないことを隠したい人間が、日本でもアメリカでもそういう嘘八百の与太話を主張した。だがそういう人間たちはやがて、トロントでのモローの活躍でやがて沈黙。だいたい、ブランドン・リーグがクローザーとしてマトモに機能したのは、不調のアーズマにかわり37セーブ挙げた2011年だけでしかない。2012シーズン途中にドジャースに移籍して、しばらくクローザーを務めたものの、あまりの失点ゲームの多さに2013シーズン途中でクローザーをクビにされ、その後チームは優勝したが、ポストシーズンのロスターから外される憂き目を見た。
トム・ウィルヘルムセン
2010年3月ミルウォーキーからFAで獲得。そもそもこの投手を発掘したのはミルウォーキー時代のズレンシック。WHIPが1.000を切っているだけに、成績にケチをつけるほどではないが、2009年のアーズマ、2011年のリーグと同じレベルの安定感があるわけではない。やがて消費されて終わり、だろう。



もちろん、もっとたくさんのダメ選手をズレンシックは獲得してきたわけだが、書いていて疲れてきたので、もう止める。馬鹿馬鹿しくて話にならない(笑)


2011年のこの記事でも書いたことだが
念のため、もう一度書いておこう。

ベースボールはGMのオモチャではない。
ファンのためのものだ。


damejima at 08:30
かつて同種の記事を書いた。2011年1月、そして2013年6月だ。
月日が過ぎ、変われた人も、変わりたいのに何も変われない人もいる。
Damejima's HARDBALL:2011年1月22日、ポジション別 GMズレンシックの「ミスでミスを補う」かのような、泥縄式のこれまでの仕事ぶり。

正直、最近のマリナーズに興味など、全くない。ゲーム自体見ないし、見たいとも思わない。
だが、このチームがその後どうなったか、後世の事情のわからない人たちのための情報は必要だろうから、そのためだけに情報を集めて2011年のこの古い記事を更新し、資料として残しておくことだけはする。
この「常に道を踏み外し続けた常識の無いチーム」が犯し続けてきたチームマネジメントの壊滅的な失策の数々は、ポジションごとの選手推移を示すことでより具体的に見えるはずだ。
「守備重視」。それと矛盾する「先発投手セール」。先発投手を売って得た「若手重視」。「イチローバッシング」。「球場改修」。若手重視を放棄した「ベテラン回帰」。どれもこれも不合理な戦略ばかり。そして、あまりに無礼過ぎる言動の数々。どの策略をとっても、成功していないどころか、MLB始まって以来の壊滅的な失敗に終わっているのは誰の目にも明らかだ。


以下、まずジャック・ズレンシックのGM就任以降の「チームコンセプトの度重なる変更と放棄の歴史」をまとめ、次に、ポジション別プレーヤーの推移をメモとして残す。
以下の「あまりにもずさんな選手獲得履歴の数々」を読めば、このGMには「ちょっとおかしいとしか思えない、この人にしかない特有の病的な行動パターン」があることがわかるはずだ。例えば、「そのポジションに既に別の選手が在籍しているにもかかわらず、さらに、同じタイプ、同じ守備位置の選手を獲得してきてしまい、選手がダブってしまう」という、ちょっと「病的な癖」が、ズレンシックにはある。
簡単にいえば、この人物は、野球のジェネラル・マネージャーなのではなくて、自分の好きなオモチャだけ収集して机の上に並べたがる、単なる「コレクター」に過ぎない。「コレクター」は、自分の好きなものを収集したがるから、たとえ収集物がダブろうと、気にしないのである。


「守備重視」戦略選手編成は打撃壊滅によって破綻
ジャック・ズレンシックがGM就任以降コレクションしてきた選手のパターンのひとつは、ジャック・ウィルソン、ブレンダン・ライアン、フランクリン・グティエレスなどでわかる通り、「貧打の守備専用野手」だ。
この「守備専用選手コレクション」に始まった「守備重視」という奇想天外なチームコンセプトは、シアトル・マリナーズにMLB創設以来というレベルの「打線壊滅」をもたらし続け、シアトル・マリナーズは実質メジャーレベルのチームではなくなった。
にもかかわらず、チーム戦略の破滅的失敗が続いていることを認めたがらないシアトル・マリナーズは、見せかけだけの戦略を、しかもコロコロと変え続け、しかもそのすべてに大破綻を繰り返して、迷走につぐ迷走をし続けて、現在に至っている。

「守備重視」の放棄を意味する「先発投手セール」と、
先発投手セール失敗の責任逃れのための「若手重視」

誰がどうみても、広いセーフコフィールドでは、「優れた先発投手」、特に、ダグ・フィスターのような「ゴロアウトをとるのが得意なグラウンドボール・ピッチャー」は、チーム戦略の要となるキー・プレーヤーであるはずであり、実際、2000年代末には、イチローの存在と先発投手陣の優秀さがシアトル・マリナーズの唯一無二の財産だった。
だが、ズレンシックが無意味な「先発投手セール」をやり続けたことにより、チームは守備重視どころか、むしろ、守りの要であるはずの先発投手陣を自らの手で再起不能なまでに壊滅させていった。
ズレンシックは、彼がシアトルGM就任前から在籍していた主力先発投手のほとんど全てを放出したが、そのトレード条件はまるで釣り合わない破格の条件下での「安売り」であり、しかも、トレード相手は往々にして同地区ライバルチームだったから、結果的にライバルを利して、自軍には大損害を与え続けた。
こうした「先発投手の安売りトレード」が失敗の連続に終わり続けた結果、マリナーズのロスターには、「打てるわけではないが、かといって、守備がうまいわけでもない。ただ『若いというだけ』の選手」が大量にコレクションされていった。
だがそれでもシアトル・マリナーズは、GMの不始末の連続をなんとか誤魔化そうと、「若手重視」という「まやかしの戦略」を打ち出した。

苦しまぎれの「若手重視」。イチローに全ての責任をかぶせようとした卑怯極まりないシアトル
ズレンシックの「先発投手安売りセール」のせいで、マリナーズのロスターには「メジャーレベルではない、ただ若いだけの選手」が大量コレクションされるという不合理きわまりない現象が出現した。
しかし、それらの使えない若い選手たちの集団が、「自らの犯した不手際のなによりの証拠だという事実」を認めたくないズレンシックと飼い犬監督エリック・ウェッジ、シアトル・マリナーズ、彼らを支持するシアトル地元メディアは、不良在庫の若手を苦しまぎれにスタメンに並べただけの若いチームを称して、まるでそれが「シアトルを若手中心のチームに変えるための、新たな成長戦略」ででもあるかのように地元メディアとブロガーを使って吹聴しはじめた。
チームは、この「みせかけだけの、実は廃品のかたまりの若手重視チーム」をマネジメントの失敗と受け取られないようにするために、やがて地元メディアやブロガーと結託して、昔ながらの地元ファン感情を逆撫でまでして、レジェンドでありフランチャイズプレーヤーでもあるイチローに、選手適性を無視した役割を、それも不調期にすら繰り返し押し付け続け、さらにはチーム運営の不手際の責任をイチローに押し付けるような言動を繰り返した挙句、最後はチームから追い出した。
その一方でズレンシックは、明らかに衰え始めたフェリックス・ヘルナンデスと無謀な長期大型契約を結んだが、もともとヘルナンデスに観客動員力などあるわけもなく、セーフコの観客動員数が減少に向かっただけでなく、客層の決定的な質的低下をも招いた。

「若手重視」の放棄と、ヴェテラン路線再開
相手チームを利しただけに終わった「球場改修」の大失敗

GMと地元メディアの度重なる大失態をごまかすだけのために、若い選手を並べただけの野球チームがただ試合をやって負け続けるだけという、不毛きわまりないチーム運営が馬脚をあらわすのに、もちろん時間はかからなかった。
何の育成もされないまま、ただ試合に出され、監督ウェッジにフルスイングをそそのかされているだけの技術不足の若手選手たちの打撃はやがて低迷し、シアトルの打撃成績は底辺を這いずりまわった。何の特徴もない未熟な選手たちが、ただただバットを強振して、負け続けるだけのシアトル野球のつまらなさに、当然ながら観客の足はスタジアムから遠のいた。
すると、無責任さの権化ジャック・ズレンシックは、「守備重視戦略」を放棄したときと同じように、「若手重視戦略」すら放棄し、チームの中心にベテランを導入し始めた。
ズレンシックはさらにセーフコフィールドを狭く改造することで、あまりにも貧しいチーム打撃をホームラン量産で改善するという「奇策」にうって出た。
だが、結局シアトルの貧打にはなんの変化も見られず、対戦相手のホームランや長打だけが増加し、セーフコ改修は「宇宙レベルの大失敗」に終わった。

標榜した「若手重視路線」の選手を、ほぼ総入れ替え
「ホーム改修」の大失敗と重度の守備崩壊

打撃力アップをもくろんで無理をして獲得してきたマイク・モースや、イバニェスの「消耗ぶり」が象徴するように、ヴェテラン路線への転換にしても、しょせんGMの延命のためのカンフル剤でしかなく、その効果は非常に短期で消滅した。
2013年初夏、過去の数シーズンと同じように、クリーブランド戦で惨めなサヨナラ負け3試合を含むスイープを食らい、その後、連敗していくワンパターンな展開で、シーズンが5月には終了するという「いつもどおりの展開」に、何の変化もない。2013シーズンも、ズレンシックのミスの連続によるマリナーズの「弱体化」があたかもイチローのせいででもあるかのような「嘘八百」を主張し続けていたシアトル・マリナーズとシアトル地元メディアのぶざまな姿だけが晒され続けた。
チームはやがて、かつて若手育成のためと称して「イチロー外し」に利用したアクリー、モンテーロ、スモークらの大成を諦め、さらにブレンダン・ライアンのスタメン維持も諦めて、これらの選手に変わるプレーヤーとして、さらなる若いフランクリン、ミラーをメジャーに投入するが、これらの選手の守備がまるでダメなことが明確になり、大失態を続けてきたGMズレンシックが、あれだけ失態を繰り返しながらも人目憚らずに大言壮語してきた「マイナーの充実」すら、「すべてのカード」を使い果たし、マイナーすら空っぽになって全てが終了した。

イチロー追い出しに加担した人物たちの「退場処分」と
無能すぎたGMズレンシック時代の終焉

2013年には、イチロー追い出しに加担した地元紙シアトル・タイムズのスティーブ・ケリー(退社)、ジェフ・ベイカー(異動)が去り、さらにズレンシックのお気に入りの、監督ウェッジ、ブレンダン・ライアン(トレード)、フランクリン・グティエレス(契約延長オプションを破棄しFA)がいなくなって、「無能なくせにプライドだけは高い人間が跳梁跋扈してきたシアトル・マリナーズのあまりに無能なズレンシック時代」は実質終焉した
Damejima's HARDBALL:2013年9月30日、シアトル・タイムズのスティーブ・ケリー退社、ジェフ・ベイカー異動、そして、マリナーズ監督エリック・ウェッジ退任。


ファースト

マイク・スウィニー
2009年1月、GMズレンシックがオークランドから獲得。イチローがマリアーノ・リベラからサヨナラ2ランを打ったゲームで、リベラから値千金のツーベースを打ってイチローに繋いだ場面は忘れがたいハイライト。間違いなく頼れる男だったが、残念なことに腰痛の持病があり、たびたび試合を休んだ。2010シーズンは、スウィニーとグリフィー、2人のDH要員がベンチにいたため中継ぎ投手のロスター枠がひとつ足りず、疲労でブルペンが崩壊する結果を招いた。もちろんそれは選手の責任ではなく、そういう歪な選手編成にしたGMズレンシックの責任だ。2010シーズン途中にフィラデルフィアへ移籍。幸せなNLDSを経験して引退。
ケイシー・コッチマン
2010年1月、ズレンシックがビル・ホール他との交換でボストンから獲得。2010年に125試合も出場させてもらったにもかかわらず、打率.217と惨憺たる打撃成績。逆にいえばチームは、これだけ酷い打撃成績を放置してコッチマンを起用し続けたわけで、2008年に打率2割に終わった城島を起用し続けたのと似たミスを、シアトルは犯した。
ちなみに彼を守備の名手とする人が多いが、それは誤解でしかない。この一塁手は、配球がどんなコースだろうと、打者がプルヒッターであろうとなかろうと、常に「ライン際」しか守らないから、1、2塁間の強いゴロは大半を見送るだけで、手を出さない。だから、どれもヒットになってしまい、コッチマンのエラーにならなかった、それだけのことだ。彼の守備は単なる手抜きで、けしてマーク・テシェイラ級の名一塁手だったわけではない。
ラッセル・ブラニヤン
2010年6月、グリフィー引退とスウィニーの腰痛で欠けた主軸の穴を補う形で、ズレンシックがクリーブランドから獲得。だが、ブラニヤンは、スウィニーと同様の腰痛持ちであり、「腰痛持ち選手のフォローのために腰痛持ちの選手を獲得してくる」という、意味のわからないトレードだった。2010年シーズン終了後、シアトルはブラニヤンとは契約せず、FA。2013年を無所属で過ごした後、メキシカン・リーグでプレーしている。
ジャスティン・スモーク
ただでさえ一塁手がダブついていた2010年7月に、ズレンシックがクリフ・リーとの交換でテキサスから獲得してきたプロスペクト。一塁しか守れないにもかかわらず、打てない。いちおうスイッチヒッターだが、左投手が全く打てないため、スイッチである打撃メリットはまるでない。
クリフ・リーがトレード先のテキサスでワールド・シリーズ第1戦の先発に登場する活躍を見せた一方で、スモークはシアトルに来た2010年夏、大振りばかりで空振り三振が多く、打撃不振から一時マイナー落ちした。シーズン終盤復帰するが、2011年以降も打撃が大成する気配はまったくなく、2013年にもマイナー落ち。2014年オフにはウェイバーにかけられてトロントにクレームされ、シアトルを去った。移籍後はトロントのレギュラー。


セカンド

ホセ・ロペス

ズレンシック就任前からいた生え抜き。セーフコでは不利な右打者だ。ズレンシックが2010年にフィギンズを獲得したため、セカンドを守りたいフィギンズの主張を優先したシアトルは、ロペスをサードにコンバートした。セカンド守備では不安があったロペスだが、サードではなかなかシュアな守備をみせ、周囲を驚かせた。2010年オフ、コロラドへ放出。
シアトル在籍終盤のロペスは、グリフィーのシーズン途中での突然の引退、スウィニーの腰痛による欠場などで、主軸打者がいない非常事態の中で4番を「打たされた」が、彼に4番は荷が重すぎて打撃低迷を招いた。そもそも本来は、GMズレンシックが主砲を補充すべきだった。後に日本のプロ野球巨人などで活躍。
ショーン・フィギンズ
もともとエンゼルスではユーティリティ扱いで、さまざまなポジションを守った。にもかかわらずGMズレンシックは、4年3600万ドルもの大金、18位のドラフト指名権を同地区ライバルに明け渡してまで獲得し、さらにセカンドを守っていたロペスをサードにコンバートし、「2番セカンド、フィギンズ」にこだわり続けた。
だがフィギンズのセカンド守備は、大事な場面のダブルプレーのミス、ポップフライの深追いなどによる落球など、ポカが非常に多く、期待はずれに終わる。加えて、打撃も惨憺たる成績で、いちおう「スイッチヒッター」だが、実際には左打席はまったく使い物にならなかった。
2010年7月23日ボストン戦で、レフトのソーンダースのセカンド返球がそれたのを二塁手フィギンスが漫然と見送ったことに、当時の監督ワカマツが激怒。フィギンスに懲罰代打を送ったことで、テレビ放映中にもかかわらず両者がベンチ内でつかみ合いをする事態に発展した。その後フィギンズはチームに謝罪せず、またチームも彼を処分しなかった。結局シアトルは契約を残したまま2012年11月に解雇。だが、サラリー支払いはいまだに終わっていない。2013年3月にマイアミとマイナー契約。後に解雇。
ブレンダン・ライアン
ズレンシックの「守備重視戦略」とやらが破綻しつつあった2010年オフ、同じショートにまったく同タイプのジャック・ウィルソンがいて、ショートがダブるのがわかりきっているにもかかわらず、セントルイスから獲得した選手。ジャック・ウィルソンとポジションがかぶったライアンは、トレード当初だけセカンドを守った。ライアンの守備は、MLBトップクラスの守備評価がある一方で、ここぞという場面での単純ミスも目立つ。
問題は打撃の酷さだ。ほとんどのシーズン、2割ちょっとの打率しかない。ジャック・ウィルソン移籍後、本職のショートに戻ってスタメン定着したが、打てないことには変わりなく、2013年スタメン落ち。つまり、この選手は単に、守備だけが突出した選手であり、本当はメジャーでやっていける選手ではないということ。2013年9月ヤンキースにトレードされたが、打てない守備専門選手という位置づけに変わりはなく、2015年放出。
アダム・ケネディ
2010年冬のシアトルはやたらと「守備系内野手」を貯め込み、守備位置がかぶりまくっていた。2010年冬にGMズレンシックが獲得してきたケネディもそのひとりだ。
本職はセカンドだが、それ以外に、ファースト、サードも守った。2011年にライアンがショートの守備位置をジャック・ウィルソンから奪った後、セカンドはウィルソン、ケネディなどが、かわるがわる守った。2011年オフにFA。2012年ドジャースで引退。
ダスティン・アクリー
2009年ドラフト1位(全体2位)。シアトルが、打てない若手をスタメンにズラリと並べて貧打に泣くチームになった元凶のひとり。ズレンシックの
「まやかしの若手重視戦略」のもとで、アクリーも十分な育成期間を経てないにもかかわらず、2011年に早くもメジャーデビューさせた。
マリナーズはアクリーを「イチローにとってかわるスター候補」にしようとしたため、アクリーをメジャーデビュー以降に出場した300試合の約3分の1で、かつて「イチローの定位置」だった「1番打者」として出場させた。
だが、そうしたマリナーズの「もくろみ」は完全に失敗に終わる。打てないアクリーは、153ゲームもの出場機会をもらったメジャー2年目に打率.226と失速。さらに3年目の2013年は打率をさらに下げ、マイナー落ち。後に、外野手にコンバートされ、セカンドを守ることはなくなった。後にセカンドのポジションはニック・フランクリンを経て、ロビンソン・カノーのものになった。
アクリー、スモーク、モンテーロは、いまやむしろシアトルのチームマネジメントの「失態の象徴」である
ニック・フランクリン
2009年ドラフト1位(全体27位)。期待のプロスペクトとの触れ込みで、マイナーで育てられていたが、アクリーがセカンド失格の烙印を押されて外野手にコンバートされたことで、2013年5月以降にメジャーのセカンドの位置をあてがわれた。当初は華々しい打撃成績にチームは糠喜びしたが、7月2割、8月に1割と、打率は一気に低下。それだけでなく、守備の要であるセカンドとして、おびただしい数のエラーを犯すヘボ・プレーヤーであることが判明。
ロビンソン・カノー
総額2億4000万ドルの10年契約という超高額で獲得。1年目の2014年にそれまでの5シーズンに25本以上放っていたホームランが14本まで減少したのを皮切りに、翌2015年は、メジャー昇格以降初めて三振数が100を超え、打率3割も途切れ、盗塁数自己ワースト、セカンドの守備評価も著しく下がるなど、あらゆる指標で低下をみせ、これからの長い契約に暗澹たる影を落としている。

サード

ホセ・ロペス
ズレンシック就任前からの生え抜き選手。2009年シーズン後にズレンシックが獲得したフィギンズをセカンドにねじこんだため、サードへコンバート。予想に反し、セカンド時代よりシュアな守備をみせた。
上にも書いたが、もし当時ズレンシックが頼れる主軸打者をきちんと補強していれば、なにもロペスにまだ荷の重すぎる4番を打たせ続けるようなこともなかったはず。2010年シーズンの主軸打者不在は、ロペスだけの責任ではない。主軸打者をきちんと用意するのはGMの仕事。
ショーン・フィギンズ
セカンド守備に同意して入団し、ロペスをサードに追いやったクセに、2011年になるど、こんどはサード守備を主張して、再度ロペスの守備位置を奪った。しかし、81ゲームに出場して打率.188。アクリーのおまけとして入団したカイル・シーガーにポジションを奪われた挙句、最後は契約期間を残したままシアトルをクビになった。
カイル・シーガー
期待されずに入団。ドラフト1位アクリーの、ヴァージニア大学時代のチームメイトで、当初アクリーの話し相手くらいに思われていたが、結果的に3番サードに定着。当然ながら、ズレンシックがシーガーの将来性を確信して獲得したわけではない。
ヴィニー・カトリカラ
2009年ドラフト10位。マリナーズは、ヴェテランピッチャー、ジェレミー・ボンダーマンをロスター入りさせる、ただそれだけのために、カトリカラをDFAした。(オークランドがクレーム)「若手路線」が聞いてあきれる話だ。


ショート

ユニスキー・ベタンコート

ズレンシック就任前からいた選手。ちなみに、入団当時ショートを守っていたBALのアダム・ジョーンズが外野手に転向したのは、このベタンコートを獲得したため。外野にコンバートされたジョーンズがその後、センターの名手としてゴールドグラブを獲得するようになったのだから、人生わからない。もちろん若手を大成させる能力などないマリナーズは、ジョーンズをボルチモアに放出するという大失策をしでかした。
ベタンコートはキューバ出身のラテン系気質が災いしてか、欠点と長所が両方現れる凹凸の激しいプレーヤーだ。守備のポカや、打撃での併殺打の多さ、早打ちなど、プレーに粗さがある反面、シアトル時代の彼は、9番打者として1番イチローに繋ぐバッティングで多大な貢献を果たした。セーフコでは活躍しにくい右打者として、十分な打撃成績を残してもいる。
GMズレンシックは、その愛すべき悪童ベタンコートを2009年7月に、マイナー選手2人との交換でカンザスシティに放出。移籍後のベタンコートは2010年カンザスシティでチーム最多となる16本塁打・78打点を記録した。2011年はサイ・ヤング賞投手ザック・グレインキーとともに、ミルウォーキーへ移籍。2014年からオリックスでプレー。
ロニー・セデーニョ
2009年1月28日、GMズレンシックがカブスから投手ギャレット・オルソンとともに獲得。だが、わずか半年後、2009年7月末、ズレンシックはジャック・ウィルソン、イアン・スネルを獲得するために、セデーニョをジェフ・クレメントなどとともにピッツバーグに放出した。
移籍後2010年のセデーニョは、139試合出場で、打率.256。二塁打29本は、キャリア・ハイ。一方で、ピッツバーグから獲得したイアン・スネルは使いモノにならず、2010年6月に戦力外、ジャック・ウィルソンも怪我だらけで、たいして使い物にならないまま終わった。後にヒューストンのショートの控えだが、そこそこの打率を残した。
ジャック・ウィルソン
2009年7月末に、GMズレンシックが、セデーニョ、クレメントなどとの交換で、スネルとともに獲得。とにかく故障の多いスペランカー体質で、2010年8月には自宅バスルームで転倒し、利き手の指を骨折している。シアトル入団以降もシーズン通してプレーできた試しがなく、守備の名手と言われることも多いが、実際にはライアン同様に凡ミスもけして少なくなかった。2012年9月引退。
ジョシュ・ウィルソン
シーズン通しての出場こそないが、ジャック・ウィルソンの穴を埋めた苦労人。2010年にはスウィニーの穴を埋めるため1塁手すらやらされたこともある。長期にわたっての起用経験がなく、一時的に起用されては、調子が上向く頃にベンチ要員に戻されるという悪いパターンを繰り返されているうち、守備ミスで落ち込み、打撃低迷するという残念な結果に終わった。
ブレンダン・ライアン
上の同名項目参照。単なる貧打の守備要員の内野手。あまりにも打てないこの選手がスタメンを続けることができたのは、単に「GMズレンシックのお気に入り」だったからにすぎない。
しかし、あまりにも打てなさ過ぎることから、2013シーズンに、ついにスタメン落ち。後にヤンキースにトレードされ、グティエレスとともに、「スタメンをズレンシックのお気に入りで埋める無意味な時代」が終焉した。
ブラッド・ミラー
2011年ドラフト2位(全体62位)。改修で狭くなった後のセーフコでメジャーデビュー。打てないライアンに変わる「打てるショート」として1番に定着させようとしたが、「ショートはファインプレーができて当たり前のMLB」にあって、エラー多発のヘボ守備ぶりで、ショートとして使い物にならない選手であることが判明。外野手にコンバートされた後、タンパベイへ放出。


レフト

エリック・バーンズ

GMズレンシックがアリゾナから獲得。2010年4月、延長11回1死満塁のサヨナラの場面で、スクイズのサインに従わず、一度出したバットを引いて見逃して、サヨナラ勝ちの絶好機をつぶした。バーンズは監督ワカマツに何の釈明もせず、それどころか、自転車で自宅に逃げ帰って、同年5月2日解雇処分となった。その後引退して、なんとソフトボール選手になった。
ケン・グリフィー・ジュニア
2009年にGMズレンシックが古巣シアトルに復帰させ、ファンの喝采を受けた。だが、それで欲が出て、チームも本人も、1シーズン限定で、いい印象だけ残して引退させることをせず、翌年もプレーさせてしまい、最悪の結果を招いた。
2010年は加齢による衰えから打撃成績が極端に低迷。「試合中、居眠りしていた」との報道からトラブルとなり、2010年6月2日に突如現役引退を宣言。ファンが楽しみにしていたはずの引退関連行事さえ本人不参加でマトモに開催できず、22シーズンにもわたるキャリアの晩節を汚す残念な結果になった。
ミルトン・ブラッドリー
GMズレンシックが、バベジ時代の不良債権のひとり、カルロス・シルバとのトレードで、カブスから獲得。もともと問題行動で有名だった選手で、シアトルでも2010年5月の試合途中に無断帰宅し、メンタルな問題からそのまま休養。2010シーズンは打率.205と低迷。また2010年オフには、女性に対する脅迫容疑でロサンゼルス市警に逮捕され、2011年5月16日付で解雇。そのまま引退。
マイク・カープ
2008年12月の三角トレードでメッツから獲得。先発投手放出トレードの大失策の連続をなんとしても糊塗したいズレンシックが、単なる「つじつまあわせ」で始めた若手中心路線のひとり。ズレンシックは結局まやかしの若手路線を放棄したため、カープを2013年2月にボストンに放出。ボストンから来るトレード相手の名前すらわからない安易なトレード(いわゆるPTBNL)だったが、カープは移籍したとたん3割を打つ活躍ぶりで、一時ボストンのレギュラーだったが、後にDFA。テキサスを解雇。
キャスパー・ウェルズ
2011年7月末のダグ・フィスター放出でデトロイトから獲得。2012年に93ゲームも出場したが、打率.228と低迷。2013年にDFA。ウェイバーでトロントが獲得したが、その後チームを転々とし、2014年に独立リーグ行き。GMズレンシックの無能さと、先発ダグ・フィスターの放出の無意味さを、全シアトルファンに思い知らせた選手のひとり。
ジェイソン・ベイ
シアトルが若手路線をタテマエにしてイチローを追い出したクセに、その若手路線すら放棄して、ヴェテランのジェイソン・ベイを獲得したのだから、開いたクチがふさがらない。おまけに、2012年冬にFAで獲得したこの選手は全く使い物にならず、2013年シーズン途中DFA、その後引退。
ラウル・イバニェス
2012年ポストシーズンに、ヤンキースで奇跡的なホームランを打ち続けて名前を上げたラウルだったが、ヤンキースが契約を更新しなかったため、2012年12月古巣シアトルと275万ドルで契約。ホームランが打てるメリットはあるが、打率が低く、加えて守備に難がある。何事も諦めない素晴らしい選手だが、シアトルの暗い雰囲気に呑みこまれつつある。2014年に事実上引退。


センター

フランクリン・グティエレス
2008年12月の複雑な三角トレードでクリーブランドから獲得。ズレンシックの「守備重視」戦略を象徴する選手のひとりで、ブレンダン・ライアンと並ぶGMのお気に入りだった。
いつも身体のどこかが悪い「典型的なスペランカー」であり、シーズンをマトモにプレーし続けられたことは一度もない。打てない、試合にも出ない選手に、2012年550万ドル、2013年700万ドルも払ったのだから、よほどこのプレーヤーこそ「不良債権」である。2013シーズン後にオプションの行使をチーム側が拒否、FAに。2015年、2016年にシアトルと1年契約。
マイケル・ソーンダース
ズレンシック就任前からの生え抜き。スペランカー、グティエレスが不在のときセンターを守った。生真面目なカナダ人プレーヤーであり、イチローのところによく質問しに来ていた。その研究熱心さで日本にもファンが多い。健康面も問題ない。
ズレンシックが、問題児であることがわかりきっているバーンズやブラッドリーを獲得し、その彼らが次々問題を起こして引退していったため、皮肉にも結果的にソーンダースの出場経験が増え、インコース低めの変化球に弱いというバッティングの弱点に多少改善がみられた。本来なら将来のシアトルの骨格になるべき生え抜き選手だった。
2014年1月15日にマリナーズと1年契約。故障から78試合の出場に終わったものの、打撃面では打率.273、出塁率.341、長打率.450と、自己最高の数値をたたきだした。
ダスティン・アクリー
かつては2009年ドラフト1位(全体2位)の期待の星だったが、既にそれはもう過去の話。セカンド失格の烙印が押され、外野手にコンバート。育成能力皆無なチームと、プライドだけは高いくせに変われない選手との出会いは、結局、不幸の連鎖にしかならなかった。
センターを守るはずのズレンシックお気に入りのグティエレスが、極端なスぺランカーであるため、かわりにシアトルのセンターを守ってきたのはソーンダースだったが、シアトルはアクリーにセンターの守備位置を与えた。だからといってそれは「アクリーの外野手としての守備能力が高いから」ではない。


ライト

イチロー
長年チームに貢献したレジェンドが周囲の圧力でやむなくヤンキースに移籍した後、地元紙記者が「シアトルで長く降り続いていた雨が止んだ」などと、正気とは思えない言いがかりを書き連ねたことは、ファンとして一生忘れるつもりはない。シアトルタイムズを許すつもりも、毛頭ない。
そうした言論を主導してきたひとりは、シアトル・タイムズのスティーブ・ケリーだが、この野球音痴の無礼な老人は、定年かなにか理由は知らないが、2013年2月にシアトルタイムズを退職している。
マイク・モース
2009年6月に、マイク・モースをトレードで放出したのは、他の誰でもない、ズレンシック自身だ。その後のマイク・モースはナショナルズで打率.294、ホームラン67本を打った。
放出された後のモースがナッツで活躍する間にマリナーズは崩壊を続け、やがてズレンシックは自分から言い出した「守備重視」、「若手重視」を両方とも放棄して、モースを三角トレードで2013年1月に再獲得して呼び戻す。年棒675万ドル。古巣に戻ったモースだが、ズレンシック・マリナーズの暗黒に呑みこまれてしまい、2013年8月ウエイバーにかけられ、ボルチモアがクレーム。
エリック・テムズ
2012年7月にスティーブン・デラバーを放出してトロントから獲得したが、2013年6月にDFA。ズレンシックの数えきれない負けトレードのひとつ。デラバーは移籍先のトロントで31ゲーム投げてERA1.75、34番目の選手として2013年オールスターに出場したのだから、ズレンシックの見る目の無さにはほとほと呆れるばかりだ。

キャッチャー

ロブ・ジョンソン
「城島問題」でチーム全体が揺れ、主力先発3人が城島とのバッテリーを拒否した2009年シーズンを支え、フェリックス・ヘルナンデスのサイ・ヤング賞獲得に貢献した功績から、2010年正捕手に選ばれた。だが、2010年のチーム低迷の責任を押し付けられる形でシーズン途中マイナー送りになり、シーズンオフにサンディエゴと契約。
アダム・ムーア
使い物にならないキャッチャーだが、シアトルの3Aタコマのコーチ、ロジャー・ハンセンのゴリ押しによって、何の実績もないまま正捕手に居座った。惨憺たる打撃成績、たび重なるパスボールやエラーにもかかわらず、起用され続けた。2012年7月にウェイバーにかけられ、カンザスシティに移籍。
リンク:ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年9月14日、過去に城島擁護者だったベンチコーチ、ロジャー・ハンセンが現在も続けている無意味な捕手トレーニング手法。マイナーコーチ時代から続けてきた「手抜きのスパルタ方式」でプロスペクトを壊し続けてきた責任を徹底批判する。
ジョシュ・バード
2010年1月に契約。ロブ・ジョンソンやアダム・ムーアの穴を埋める役割を務めた。
エリエセル・アルフォンゾ
2008年5月に薬物で50試合の出場停止処分になった捕手。2010年6月、シアトルに来てわずか3ヶ月でDFAになった。
ミゲル・オリーボ
バベシ時代の2005年7月末、ミゲル・オリーボは、守備面の問題などを理由にシアトルからサンディエゴに一度放出されている。移籍後はHR16本、打点58をたたき出し、主に打撃面で貢献。シアトルはランディ・ウィンとの交換でセントルイスからヨービット・トレアルバを獲得するが、すぐに放りだし、日本から城島を獲得した。城島は2006年以降ずっと「城島問題」によってチーム全体を悩ますことになる。コロラドに移籍したトレアルバは2007年に自己最多113試合に出場、ワールドシリーズを経験した。
結局、シアトルは回りまわって、一度手放したオリーボを三顧の礼で迎え入れるという、なんともお粗末な結果になった。現在はマイアミに在籍。
ヘスス・モンテーロ
2012年1月マイケル・ピネダとのトレードで、ヘクター・ノエシとともにヤンキースから獲得。クリフ・リーを犠牲に獲得したスモークにならんで、「貴重な先発投手を犠牲にして獲得したにもかかわらず、まるで期待はずれな若手プロスペクト」の代表格のひとり。2013年は60日間のDL入りもしている。
バイオジェネシス事件で、ライアン・ブラウン、ネルソン・クルーズなどともに、出場停止処分が確定。これにより、ヘスス・モンテーロが単なる「ステロイダー」だったことが判明。2014年のスプリングトレーニングでは18キロもの体重オーバーで人前に現れて、即座にマイナーに落とされた。どうしようもない選手。
2015年オフにウェーバー公示され、トロントがクレーム。
ジョン・ジェイソ
2011年11月シアトルがジョシュ・ルークを放出したトレードで、タンパベイから獲得。シアトルにおける108ゲームの出場で50打点あげているように、勝負強いバッティングに魅力があった。しかし選手を見る目の無いズレンシックが彼の打撃面の才能に気づくことはなく、キャッチャーをマトモにできるはずもないモンテーロの控えとして起用され続けた挙句、2013年1月マイク・モースを獲得した三角トレードで、ズレンシックがオークランドに放出。その後のシアトルは、というと、いまだに貧打にあえいでいるのだから、まるで話にならない。
マイク・ズニーノ
2012年ドラフト1位(全体3位)。自分自身の度重なる不手際が原因の観客激減に悩むズレンシックが、2013年6月12日にメジャーにコールアップ。しかもスタメンで使いだしたのだから、笑わせてくれる。ここまで来ると、もう批評の域を超えている(笑)2013シーズンの打撃成績は当然ながら何も見るべきものがないレベルで終わった。
なんの育成もしないまま、いきなりメジャーデビューさせてモノになるなら、誰もMLBで苦労しない。ごく一部の地元メディアはさっそく批判を浴びせたが、このブログとしては「いまさら批判しても遅い。アンタたちは今までロクにズレンシックを批判しないどころか、むしろバックアップし続けてきたのだから、これからも我慢しとけ」と言わせてもらおう。
ケリー・ショパック
2013年2月7日に獲得。ズニーノのメジャー昇格と入れ替わりに、同6月20日DFA。シアトルは、このほんの短期間在籍しただけのキャッチャーにシアトルは1.5Mもの金額を支払った。

追記:2013年6月17日
この記事、あまりにも長いので、2つに分割した。
投手編はこちら。
Damejima's HARDBALL:2013年6月2日、GMズレンシックの仕業によるシアトル・マリナーズ 「2013年版 ポジション別 崩壊目録」 (2)投手編

damejima at 07:25

June 22, 2012

このバカでかい画像は、何かというと、2012年のMLB各チームのドラフト収支だ(6月21日現在)。
「上手な買い物によって、予算枠以下でドラフト指名選手と契約できているチーム」ほど、上にチーム名が書かれている。まぁ、いってみれば、買い物上手ランキングみたいなものだと思えばいい。

この表の項目の見方は、次のような感じ。
Bonus Pool 「予算枠」 新労使協定下でチームが使うことを許されるドラフト予算総額の上限注1
Pool Spending 「確定された支出」 既に契約の終わった選手に支払う支出額。
Signed in Top 10 最も予算がかかる10巡目までの上位指名選手のうち、契約済みの人数
Signed Total 契約の終わった選手の総数
--------------------------------------------
+/− 「予算枠収支」。今シーズンのドラフト予算枠から、「既に契約した選手へ払う確定した支出」と、「まだ未契約の選手に予定している契約ボーナスなど、今後予定している支出」の、2つをまとめて引いた、そのチームの収支。

注1:新労使協定下では、10巡目までの指名選手に支払う「契約ボーナス」の金額の上限額が、それぞれの指名順位に応じて「推奨される契約金額」として非常に細かく決められている(スロット額)。
それら全ての「指名順位で決まるスロット額」を総合計した金額は、その球団が、その年のドラフトで使うことのできる予算総額の上限、すなわちBonus Poolとなる。
もし球団が実際に使った金の総額が、ドラフト予算の上限であるBonus Poolを超過(overage)すれば、超過額のBonus Poolに対する%によって、MLB機構から「課徴金」や「翌年以降の指名権剥奪」など、重いペナルティが課せられる

このリストで、上のほうに書かれているチーム=「黒字」=予算枠より実際の契約を安くあげることに成功した黒字チーム、下のほうに書かれているチーム=「赤字」=推奨される契約ボーナス額より割高な契約を行ったことによって、予算枠に超過が発生している赤字チーム、これが基本的な表の見方である。

未契約の指名選手がそれぞれのチームに少しずつ残っているから、ランキングはこれからも少しくらいの変動はありうるが、ドラフト指名選手との契約が大筋では終わりに近づきつつあることから、6月21日現在、この表の下のほうにチーム名のある球団、つまり、「あらかじめわかっていた予算枠を、割高な契約を連発したせいで既に使い果たしてしまって、超過が発生し、ペナルティ発生が予想される球団」は、ほぼ確定しつつある

Baseball Americaによる2012ドラフト収支ランキング(6月21日現在)
出典BaseballAmerica.com: Draft: Draft Database


試しに、Seattle Marinersという項目を探してみる。
すると、一番下にある。

もう一度言おうか?
一番下
つまり割高な買い物によって、与えられた予算枠を既に使い果たしているMLB最大の赤字チームだ。わかりやすくていいだろう?(笑)
MLB全30球団のうち、こうした予算枠以上にドラフトで金を散財している超過チーム自体、たった「4チーム」しかない。(サンフランシスコ、セントルイス、ボストン、シアトル)
そして、
割高な買い物をして100万ドル以上もの予算枠超過を背負いこんでいる「ドラフト下手なチーム」は、MLB全30球団で、シアトル・マリナーズ、たった1チームだけ、しかない


チーム名をクリックすると、チーム別の契約の明細が出てくる。シアトル・マリナーズのドラフト収支は、6月21日現在、以下のようになっている。

 予算枠      $8,223,400
 既に使った支出 $3,820,200
--------------------------
 差し引き     $4,403,200


なんだよ! まだ予算枠440万ドルも残ってるじゃないか!
Baseball America、嘘つきやがって。

などと思っては、バカにされるだけだ(笑)
以下の表をじっくり見たまえ。大事な部分が抜けているのが、わかるはずだ。

マリナーズ2012ドラフト収支(Baseball America 6月21日現在)

出典BaseballAmerica.com: Draft: Draft Database


そう。
1巡目指名のマイク・ズニーノの名前が太字になっていない。
つまり、最も金のかかる1巡目指名選手と、まだ契約できていない、のである。肝心の1巡目指名選手と契約できてもいないうちに、このチームは、既に予算枠820万ドルのうち、約半分にもあたる380万ドル以上の予算枠を使いこんでしまったのである。

仮にマイク・ズニーノとの契約を、スロット額どおり、520万ドルで終えるとして、さきほどの計算を、再度やり直そう。

 予算枠              $8,223,400
 既に使った支出         $3,820,200
 ズニーノ契約に必要な支出 $5,200,000
-----------------------------------------
 差し引き        マイナス $796,800


仮にマイク・ズニーノとの契約を、推奨額の520万ドルで終えるとしても、約80万ドルの超過が発生することがわかる。(もちろん、ズニーノとの契約にもっと金がかかれば、それだけシアトル・マリナーズの超過額は増える)

だが、もちろん、必要な費用は、ズニーノとの520万ドルの巨額契約ボーナス以外にも、こまごまと存在している。10位以下の指名選手に10万ドル以上払うかもしれない。
だから、もろもろの支出を加味した上で、Baseball Americaは、現在のシアトル・マリナーズのドラフト予算の収支を、「マイナス 1,422,300ドル」、つまり、140万ドル以上のBonus Pool超過が発生している、と踏んでいるわけだ。

この大赤字ドラフトの原因は、どうやら、
1位指名を除く、契約の決まった10位まであたりの指名選手に対して支払う契約ボーナスが、選手ひとりあたり「数10万ドル」、日本円にして数千万単位と、指名順位に応じて細かく決まる推奨契約金額(スロット額)からして、あまりにも over slot、つまり、推奨契約金額よりあまりにも高い金額で契約し過ぎていること にある。
つまり、
最も重要で金のかかる買い物である1巡目指名選手との契約をまだできてもいないのに、2巡目から10巡目あたりの選手で割高な買い物ばかりしていたら、いつのまにか財布に既に金が無くなって、それどころか、予算枠をかなりオーバーして大赤字になっていた わけだ。

シアトル・マリナーズ、ペナルティ必至の情勢である(笑)
予算枠820万ドルに対する142万ドルの超過というのは、なんと17%以上もの超過にあたるから、このままズニーノと500万ドル超の契約をするだけでも、シアトル・マリナーズは最高レベルのペナルティを与えられ、課徴金100%に加え、2013年と2014年の2年間の1巡目指名権を連続して剥奪されることになる

また、当然の話だが、
Bonus Pool超過の重いペナルティを避けるために、マイク・ズニーノに安すぎる契約金を提示したことで、ズニーノとの契約が御破算になれば、ズレンシックが、新労使協定を知らないかのようなバカ馬鹿しい割高契約を連発したおかげで、今年の貴重な1巡目指名権をゴミ箱に捨てることになる

逆に、
もし、なにかにつけて自分のミスを認めたがらないズレンシックが、Bonus Pool超過の重いペナルティを覚悟した上で、マイク・ズニーノに520万ドル以上の契約を提示して無理矢理契約すると、チームには課徴金100%が来るのに加えて、来年、再来年、2つの1巡目指名権をゴミ箱に捨てることになる

新労使協定下でのドラフトのペナルティ

5%以内の超過 超過額の75%の課徴金
5-10% 課徴金75%、翌年の1巡目指名権剥奪
10-15% 課徴金100%、翌年の1巡目+2巡目指名権剥奪
15%以上 課徴金100%、翌2年の1巡目指名権剥奪

0-5% 75% tax on overage
5-10% 75% tax on overage and loss of 1st round pick
10-15% 100% tax on overage and loss of 1st and 2nd round picks
15%+ 100% tax on overage and loss of 1st round picks in next two drafts
MLB, MLBPA reach new five-year labor agreement | MLB.com: News


やり手のGMがシアトルにいるって?
は? だれのこと? (笑)
再建?(笑)

damejima at 14:04

May 07, 2012

ノーラン・ライアンがテキサス・レンジャーズ社長に就任したのは、2008年2月。さらに2010年1月にライアンは共同経営者になっている。
ライアンらの投資グループは、かつて大統領選出馬のための資金が必要になったジョージ・ブッシュから250M(=2億5千万ドル)でレンジャーズを買い取ったトム・ヒックスから、チームを買い取ったわけだが、その金額は元値の倍、500M(=5億ドル)以上といわれている。そしてテキサスは2010年に11年ぶりの地区優勝を成し遂げることになる。


以下に、2000年以降の10年間のア・リーグ全チームの平均ERAと、テキサス・レンジャーズのチームERA(防御率)の変遷を、グラフにしてみた。2つの事実を見るためだ。

1) 2000年代終盤のア・リーグ平均ERAは、全体として改善されていく傾向にあり、「投手の時代」に向かっていることが明確になっていた。

2) テキサスのチームERAは、2000年代中期までは常にリーグ平均より遥かに悪い数値だったが、ノーラン・ライアンが社長就任した2008年シーズンを境にして、劇的に改善されていき、ついにはア・リーグの改善トレンドを越え、リーグ平均より良い数値にまで到達した。

横軸: 時間軸(1=2001年 2=2002年・・・11=2011年)
青い折れ線: テキサスのチームERA
赤い折れ線: ア・リーグ全チームの平均ERA
曲線: それぞれの近似曲線(3次)
リーグとテキサスのERAの変遷比較

なお、上のグラフだけでは、「2000年代終盤のア・リーグ全体のERAは、かなり改善傾向を示していた」という点がわかりにくいと思うので、縦軸を縦方向に大きく引き延ばし、変化をより強調したグラフを作ってみた。
変化を強調したこちらのグラフで見れば、いかに「ア・リーグが、2008年以降変わっていっていたか」が、よりわかりやすく見えてくると思う。

赤い折れ線: ア・リーグ全チームの平均ERA
曲線: 近似曲線(3次)
リーグERAの変遷


これらのグラフを見るときに、頭の隅に入れておかなければならないことがいくつかあるのだが、最も大きなファクターのひとつが、ヤンキース移籍後のアレックス・ロドリゲスに対するテキサスの年棒負担の問題だ。

テキサスは2001年にシアトルから、10年総額252M(2億5200万ドル)でA・ロッドを獲得した。(これはなんと、かつてトム・ヒックスがジョージ・ブッシュに払ったチーム買い取り金額と、ほぼ同額の大金)
だがテキサスのチームERA変遷グラフからわかる通り、2000年初頭〜中期のテキサスの防御率は酷いものであり、いくらA・ロッドがステロイドを使用してホームランを打ちまくろうが焼石に水で、チーム低迷は改善できなかった。
そのため、やがてテキサスはA・ロッドをヤンキースに手放さざるをえなくなるのだが、このときテキサス側は、A・ロッドの残り年棒179Mのうち、約3分の1、67Mを引き続き負担しなければならなかった。
この重い金銭負担が、2000年代中期のレンジャーズのチーム再建に大変な足かせとなった

The Rangers also agreed to pay $67 million of the $179 million left on Rodriguez's contract.
Alex Rodriguez - Wikipedia, the free encyclopedia



なにも、2000年代終盤にテキサスだけがチームERAを改善していたわけではなく、ア・リーグ全体としてERAは改善傾向にあった。
だが、問題なのは、投手の時代に向かう動きが、1シーズン限りではなく、潮流の変動であることに早くから気づいて、「意図的に」チームカラー変更に着手できたかどうかだ。
2000年代末のア・リーグに、こうした時代の変化について「チーム方針として」きちんと対応しきれたチームが多かったとは、全く思わない。


例えば「シアトル」だ。

たしかに、2009年以降のシアトルのチームERAが、テキサスのチームERAが2009年以降改善されていったのと同じように、2009年にが1点近く劇的に改善されているため、シアトルのチーム方針が投手の時代に向かいつつあったと勘違いする人もいるだろう。
参考:シアトルのチームERA
2007 4.73
2008 4.73
2009 3.87
2010 3.93
2011 3.90

だが、2009年のシアトルのチームERAの変化は、チームが意図した変化でもなければ、ポジティブな変化でもない。まして、時代の変化を先取りしたチーム側が、チームコンセプトを変えたためでもない
2009年のシアトルの変化は「ネガティブな変化」、つまり、ただ単にチームがチームを腐敗させつつあった「城島問題」に、何も対策しないどころか、むしろチームと城島が優遇契約を交わすという腐った対応をしたことに業を煮やしたローテ投手3人が、自主的にダメ捕手城島とのバッテリーを全面拒否したことで、ダメ捕手がようやく正捕手からはずされ、対応が遅れに遅れ、間違った対応だけが続けられてきた「城島問題」にようやくケリがつけられた、それだけのことだ。
あのあまりにも馬鹿げた「城島問題」の処理が、もっと早く、それもチーム主導でできていたなら、もっとマトモなチームになるチャンスがあった。
チームに頼らない選手自身の手による解決という、前代未聞の方法で解決された城島問題」後のシアトルは、「もともと優秀だったローテ投手たちのERAが、本来の数値レンジに戻っただけ」であり、無能GMズレンシックが潮流の変化に気づいてチーム方針を転換したからでもなんでもない。

当のシアトルとズレンシックが、時代の変化を先取りするどころか、変化をまるで理解していなかった証拠に、GMズレンシックは、チーム本来のストロング・ポイントであり、また2010年代以降の時代のニーズでもある「ローテーション投手」(ウオッシュバーン、クリフ・リー、ブランドン・モロー、ダグ・フィスター、マイケル・ピネダなど)を同一リーグのコンテンダーに安売り、切り売りする馬鹿トレードを毎年のように実行しては、毎年のようにフィギンズ、ブラッドリー、グリフィー、バーンズ、ジャック・ウェイルソン、グティエレス、スモーク、ライアン、ウェルズ、モンテーロと、野手に投資しては、自分たちのお気に入り選手ばかり重用し、失敗した野手投資の後処理すらマトモにできないGMと監督であるにもかかわらず、時代の読めない地元メディアと日米の一部ファンとがそれを毎年追認して、挙句にはチームの得点力が足りないからというわけのわからない屁理屈で3000本安打という大記録達成を目指し盗塁もできる稀代の1番打者イチローに3番を押し付ける愚行までしている、のである。

ズレンシックが掲げて大失敗した「超守備的」というわけのわからないチームコンセプトにしたところで、あんなものは「単なる机上の思い付き」に過ぎず、「投手の時代」とは全く関係ない。また野手のひとりやふたり程度が多少の成功をおさめようが、愚鈍さと愚行が救われるわけでもなんでもない。
また近年の「育成モード」も、本当の意味でのチーム再建でもなんでもなく、単にかつてズレンシックの獲ってきた野手があまりにも使いものにならなくて店(=観客動員)が閑散としてきたので、あわててマイナーの選手をごっそり上げてきて店頭に並べているだけに過ぎない。


同じことは、先日記事にした2000年代クリーブランドの失態にも言える。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2012年5月4日、エリック・ウェッジの無能さを証明する、選手育成部長ジョン・ファレル流出後のクリーブランド・インディアンス没落。
ア・リーグ全体がひそかに「投手の時代」に向かって進んでいた2000年代中期に、クリーブランドはせっかくの分厚い選手層を抱えながら、「投手というものをまるで理解する能力の無い、投手起用の超下手クソな監督」エリック・ウェッジを起用し続けて大失敗を犯し、CC・サバシアクリフ・リーの生え抜きローテ投手2本柱を失って、他の多くのチームのERAが改善されていった2009年に、クリーブランドはチームERAを5点台にまで悪化させている。
たとえクリーブランドが近年になってようやくデレク・ロウウバルド・ヒメネスといったFA先発投手に投資することで、かつての馬鹿げたチームマネジメントの大失態からやや立ち直り、「投打のかみあったチームを目指すという常識」を取り戻しつつあるとはいえ、時代への対応に数シーズンは立ち遅れたクリーブランドが「ERA3点台の時代」「投手の時代」に追いつくまでの時間に、既に先行投資を追えたテキサスやデトロイトが時代をリードし、ボルチモアやトロント、タンパベイなどもチーム改革に取り組んで十分な成果を挙げはじめているとあっては、もうなまやさしいことではア・リーグ制覇はできない。

ちなみに、
クリーブランドは2010年に1試合あたりの観客動員数23,357人で、MLB最少観客動員数の球団だった(ホーム、アウェイの合計)。そして2012年5月7日現在、地区首位であるにもかかわらず、17,164人と、またもやMLBで最も観客動員の少ない球団になっている。1試合あたり2万人を切ったのは、2005年以降では、クリーブランドのみ。
2012 MLB Attendance - Major League Baseball - ESPN


社長に就任して以降のノーラン・ライアンのチーム改革の詳細な中身はあまりわからない。
だが、それにしたって、外から見ているだけでもデレク・ホランドトミー・ハンターネフタリ・フェリースを育て、CJウィルソンスコット・フェルドマンなどを大成させてもきた最近のテキサス・レンジャーズのローテ投手たちの選手層の厚さを見れば、ノーラン・ライアンが2008年の社長就任後から確実に進めてきたチーム改革事業の歩みの重さがわかろうというものだ。ダルビッシュ獲得も、そうしたノーラン・ライアンの敷いたレールの上にある。


やはり「変化」というものは、
時間がたってから気づくのでは、遅すぎるのだ。







damejima at 02:32

April 18, 2012

GMズレンシックのトレードの下手さを批判する以外の目的で、ブレンダン・ライアンというプレーヤーを、このブログで取り上げたことはない。もともとこのプレーヤーに興味がなかったから、当然だ。(あの程度の守備とバッティング、別に他の誰かでいいし、さらには以前も書いたように「怪我の多さ」という重大欠陥が、ブレンダン・ライアンにはある。まともに1シーズンとおしてプレーできた試しがない)

今日のゲームの4回裏に、「満塁の鬼」イチローの2点タイムリー含め、打者11人で6点もぎとった後で、苦手のクリーブランドに大量失点を許したきっかけは、5回表ノーアウト1、3塁で、1番打者ブラントリーを簡単にダブルプレーをとれるショートゴロに仕留めたにもかかわらず、ブレンダン・ライアンがジャッグルしたせいで、アウトをひとつもとれず、クリーンアップにつながってしまい、大量失点を招いたことだ。
ただでさえ不安定な先発ケビン・ミルウッドは、気落ちしたのだろう、その後投げ急いでズルズルと崩れ、あれよあれよという間に同点、さらに継投にも失敗して逆点されてしまった。


ブレンダン・ライアンの「守備」は、「うまい」ことになっている。しかし、彼は同時に、「非常に雑なプレーをするショート」、でもある。



「ブレンダン・ライアンはうまい。たまにはミスもするさ。」
と、思う人もいるかもしれない。そうではない。

うまさ、と、雑さ、は両立する
たまにはファインプレーくらいできるが、同時に、大事な場面で何度も何度も雑なプレーで決定的なミスをやらかすプレーヤーなど、MLBには(そして日本の野球にも社会にも)掃いて捨てるほどいる。



見た目の派手なファインプレーの2つや3つ、減ってもかまわない。士気を下げる、くだらなさすぎる緩慢プレーをゼロにして、気持ちよくゲームに勝ってもらいたいものだ。

このショートの雑すぎるプレーのおかげで、せっかくの気分のいいゲームが壊されるのを見るのは、今年だけで、もう2試合目だ。ウロ覚えだが、たしか前のミスも、ダブルプレーで1塁へのなんでもない送球をミスって、その結果ゲームを落とした気がする。(もちろん今年だけでなく、去年も相当な数のミスがあった)


本当に締まった守備のできるシュアな選手なら、在籍チームは優秀なショートを手放すことなどしない。球団から球団を彷徨う、なんてことになるからには、やはり何か、「この選手、やっぱりいなくもていいや」と思わせる、なにか決定的な欠陥があるものだ。そういう欠陥は、「俺は上手い」と思い込んでいる本人にはわかりにくい。


このプレーヤーの持っている独特の「雑さ」が、嫌いだ。

ダブルプレーでミスを犯した後の打席にしても、追いつかれた後のノーアウト1,2塁のような重要な打席で、明らかにボールの釣り球を無策に振り回して責任感に欠けた三振をするのも、このプレーヤー独特の「雑さ」だ。


ブレンダン・ライアンは、なまじ上手いプレーもできると、多くの人に思われているだけに、単に下手なだけのショートより、なおさらタチが悪いが、なに、迷うことなど、ない。スッパリ言い切っておけばいい。


ブレンダン・ライアンの守備は、下手だ。

damejima at 12:52

March 19, 2012

2イニング、3イニングと徐々に登板イニング数を増やしてきたダグ・フィスターが、フロリダのグレープ・フルーツ・リーグ(Grapefruit League)ワシントン戦で3度目の登板。今シーズンのスプリング・トレーニングで最長となる4イニングを投げ、圧巻の7奪三振で順調さを見せつけた。
Detroit Tigers at Washington Nationals - March 18, 2012 | MLB.com Classic

実戦ではないスプリングトレーニングで打者から逃げ回って四球連発しているようなことでは心もとない。今日のフィスターは37ピッチで32ストライク。1回などは味方内野手のエラーを挟んで、3者三振。いつものようにランナーは出すものの、アグレッシブにナッツのバッターを攻め続けて、また一段とMLBのピッチャーらしい風格が出てきた。
Doug Fister Stats, Video Highlights, Photos, Bio | tigers.com: Team


何度も書いてきたように、フィスターはシアトル時代からもともと「ランナーを出しはするが、失点はほとんどしないタイプ」だから、このピッチャーの良さは「一夜漬けの数字野球にハマったまま抜け出せなくなっている無能なGM」や、「試合を見ず、FIPやWHIPのような指標だけで選手のことを何もかもわかっていると勘違いしている馬鹿な数字オタク」にはわかりっこない。(後になって、後付けで彼がシアトル時代も良かったとか称する数字をほじくり返してくるくらいが関の山だ)

ピッチャーの中にはいろんなタイプがいる。
指標ばかりありがたがる人間が多くなっているわけだが、彼のように、いつもWHIPはダメだが、ピッチャーとしては十分実力のある投手もいる。フィスターは、ランナーは出すものの、だからといって四球連発はしないし、ホームランも打たれない。けしてコントロールが悪いわけでもなく、また、度胸がないわけでも、ランナーが出た後の慎重さがないわけでもない。グラウンドボール・ピッチャーだから、いざとなったらダブルプレーをとる投球術も心得ている。

もしフィスターが、きわどくコーナーを突くピッチングをすることばかりに必死になって、四球を連発した挙句にホームランを浴び、大量失点するような悪いときのデイビッド・アーズマ松坂のようなピッチャーだったら、彼はいま、昨年のメジャーの地区優勝チームの先発マウンドには立ってない。


数字なんか見ていても、ダメなヤツはダメなままだ。
今日のようなゲームで、無能な人間が「シアトル時代に何を見てこの投手を酷評していたのか」がわかる気がする。

damejima at 06:33

March 03, 2012

ピネダ、こんな選手と交換したんだな。
もったいね。


日本でいうオープン戦にあたるカクタスリーグ(cactus league)の初戦で、いきなりパスボールのヘスス・モンテーロ。やっぱり守備は言われている通りの選手だった。ヤンキースが手放すだけのことはある。

その後、ファウルチップがマスクごしに顔に(正確には左顎のようだが)当たって、カメみたいにひっくり返ってしまい、どうやら今シーズン序盤のポジションは控えキャッチャーらしいジョン・ジェイソと交代した。
どうせ時間がたてば、モンテーロはDH専用になって、ジェイソがマスクかぶってる、なんてことに、いつのまにかなってるだろうけどな(笑)

カクタスリーグ初戦からパスボールのヘスス・モンテーロ

ファウルチップがマスクに当たった程度のことでいちいち交代しているようでは、プロの、それもスイングスピードの速いMLBで、キャッチャーなんてつとまらない。過保護もいい加減にな、ウェッジ。


バッティング?
相手チームにスカウティングされるまでの命でしょ。
それがMLBというもの。

OPSを批判したシリーズ記事で書いたことじゃないけど、今シーズンのストーブリーグのFA選手たちの惨状を見てもわかるように、もうこれからは守備のできない選手がのさばる時代じゃない。打てるだけ程度の選手は、もうメジャークラスとは呼べない。

damejima at 11:16

February 23, 2012

毎年先発投手を放出するチームはいくらでもある。
ダメな選手はクビになるのが、プロとして、当たり前である。

(ただ、1年も怪我で休んで、足の屈伸どころか、プロレベルの運動能力そのものが失われつつある控え捕手が、「マトモにこなせるはずもない守備位置、それも、やったことすらないポジションを、あたかもこなせるかのように見せかける見世物」を公衆の面前でやり、さらに開幕で本来の守備位置のプレーヤーを押しのけてまでしてポジションを横取りする、そういう選手に日本円で20億もの給料を払う野球チームが、地球上のどこかに存在するとも聞く。
だが、それ空想だろ? と他人から嘲笑されて当り前の、そんなわけのわからない話が、現実のプロの野球チームで実行されつつあるはずはない。だからマトモに論じる気にすらならない。いくら地球が広いからといって、そんな草野球以下の話が、現実であるはずはない)


だが、チームの優秀な3本柱のうちの一人を毎年のように放出し続けて、先発投手陣を故意に弱体化し続ける野球チームが、どこにあるだろう?


あるんだな、これが。

シアトル・マリナーズ。

ジャロッド・ウオッシュバーン
ブランドン・モロー
クリフ・リー
ダグ・フィスター
マイケル・ピネダ(放出順)

この数年に放出された5人の先発投手が、これだ。この5人を仮に先発ローテーションとみたてて、2012年の予想ローテーションと比べてみるといい。

2012年予想ローテーション
ヘルナンデス
バルガス
ミルウッド、岩隈、ベバン、ノエシ、ファーブッシュのうち、3人


(ウオッシュバーンが今投げると仮定するには年齢的な問題があるにしても)2つのローテーションのどちらが優秀か。比べて考える必要すら、ない。
最初に挙げた5人なら、かなりの数のイニングを投げ抜いてくれる。フィスターとピネダの給料が、彼らの能力に対して抜群に安くて済むから、あとはヘルナンデスを売り払った金で、気のきいた打者を揃えてくるだけだ。(それが本来の「再建」というものだ)
逆に言えば、フィスターやピネダのようなコストパフォーマンスのいい若くて安いローテーション投手をやすやすと放出する馬鹿なチームなど、シアトルの他には無い。


ジャロッド・ウオッシュバーン
2009年7月31日 デトロイトと交換トレード
交換相手:Luke French、Mauricio Robles
フレンチは結局使い物にならずに、その後FAになった。2012年1月ミネソタと契約。ロブレスは、2011年にシアトルのAAAで、WHIP1.853。まるで使い物になりそうにない。

ブランドン・モロー
2009年12月23日 トロントと交換トレード
交換相手:Brandon League、Johermyn Chavez
モローは移籍先での活躍が認められ、このほどトロントと3年21Mで契約長した。契約は2014年まで。2015年はチームオプション。
ブランドン・リーグはたしかに現クローザーだが、先発投手とブルペン投手の交換がフィフティ・フィフティのトレードだなんて馬鹿げた話は、メジャーではありえないので、そういう馬鹿げた話に耳を貸す必要などない。チャベスは2Aで打率.216。まるで使い物にならない。

クリフ・リー(+現金)
マーク・ロウ
2010年7月9日 テキサスと交換トレード
交換相手:Justin Smoak、Blake Beavan、Josh Lueke、Matthew Lawson
このトレードについて、選手だけが交換されたように見せかけたいのか何か知らないが、「クリフ・リーとスモークのトレードはWIN-WIN」とか、意味のわからないことを大言壮語したがるアホウをよく見かけるが、このトレードでシアトルはテキサスに現金を支払ってもいる。
クリフ・リークラスの先発投手を放出するというのに、放出する側がキャッシュをつけるなんざ、馬鹿のやることだ。
サイ・ヤング賞クラスの先発投手と、守備能力がなく低めの変化球に致命的弱点のある扇風機の、どこをどう比べると、同じ価値だとか考えられるのか、ミドリムシレベルの脳で考えることは、やはり想像を超えている。
ジョシュ・ルークも投手としては使い者にならなかった。だがそれでも2011年11月27日にタンパベイのキャッチャーJohn Jasoとトレードできた。使えない選手を処理できただけマシといえる。
というのも、ズレンシックは、失敗トレードの連続でチームにドンドンたまっていく「使えない選手を放置する癖」があるからだ。
FAになってミネソタと契約したルーク・フレンチや、同じくFAになってヤンキースと契約したデイビッド・アーズマのように、ズレンシックは自分が犯したトレードの失敗でチーム内でくすぶったまま残留している選手を処分せずい放置しておくものだから、彼らを多くのケースでむざむざフリーエージェントにさせてしまい、結局、ズレンシックの失敗トレードの数々の大半は、後処理を何も施さないまま放置されて、チームにまったく何のメリットも残らない。
こういう馬鹿げたトレード後の残骸処理を、ズレンシックは非常によくやる。なのに、逆にフィギンズは、干しておけばいいだけのことなのに(売れるものなら、とっくに売れている)、いまさら1番起用だなんて、いったいこのオッサン、何がしたいのか。意味がわからない。
だが、使えないジョシュ・ルークでジョン・ジェイソが獲得できたからといって、これまで取り柄が何も無いキャッチャーの起用に使い果たしてきた無駄な時間は戻ってはこない。ロブ・ジョンソンをサンディエゴに追いやっておいて、無能コーチ ロジャー・ハンセンのお気に入りキャッチャー、アダム・ムーアを重用して時間をムダにしたように、ムーアだの、ジメネスだの、アルフォンゾだの、わけのわからないキャッチャーばかり使って負け続けた無意味な時間は、結局誰ひとりとしてマトモなキャッチャーを育てなかった。で、ムーアも結局お払い箱。
くだらないにも程がある。

ダグ・フィスター
デビッド・ポーリー
2011年7月30日 デトロイトと交換トレード
交換相手:Charlie Furbush、Casper Wells、Chance Ruffin、Francisco Martine
チャーリー・ファーブッシュは2011年、3勝7敗 ERA6.62。この防御率ではメジャーでマトモに投げられるレベルではない。ブルペン投手としてすら使い物にならない。チャンス・ラフィンが2011年に投げたのは、たったの14.0イニングだが、ERA3.86と、まぁまぁ。スカウティングされれば終わりのキャスパー・ウェルズは、さらに謎の病気持ちであることまで判明。マトモにシーズン通して使えるレベルにない。

マイケル・ピネダ
Jose Campos
2012年1月23日 ヤンキースと交換トレード
交換相手:Jesus Montero、Hector Noesi
ヘスス・モンテーロは、下記の資料でわかるように、ヤンキースにとっては「やっかい者」で、トレードの駒にして処分したがっていた。そしてモンテーロのキャッチャーとしての仕事になど、メジャーの誰も期待してないことも、資料から明らか。
他方、ピネダには、球種の少なさや配球の単調さなど課題もあったが、伸びしろは十分あった。下記の記事で挙げたように、他球団のGMですら、ピネダをトレードの駒にしたズレンシックの異常な行為に「驚いた」と語っているように、このクラスのピッチャー、つまり実力があるのにまだ給料の安い若いローテ投手を放出するなど、普通ありえない。だがズレンシックは、フィスターに続いてピネダを放出し、ありえないトレードを2度も続けて自分のチームのローテーションを弱体化させているのである。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2012年1月20日、ESPNの主筆ジェイソン・スタークが、MLBにおけるピネダ放出を疑問視する声、ズレンシックのトレード手法の「狭量さ」に対する他チームGMの不快感、モンテーロの慢心ぶりへの関係者の不快感を記事にした。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2012年1月29日、 「ヘスス・モンテーロが将来ヤンキースのキャッチャーになると思ったことは、まったくない」 ヤンキースにとってモンテーロが最初からトレードの駒にすぎなかったことを示すボストン新監督ボビー・バレンタインのコメント。

モンテーロは、キャッチャーとは名ばかりであり、実際の守備ポジションはせいぜいDH兼1塁手といったところでしかない。だから、ジャスティン・スモークとモンテーロは、チームにおける機能がかぶっている。
同じタイプの選手をチームに2人ずつ置く悪癖が、なぜこのGMはいつまでたっても治らないのだろう?

この「同じ役割の選手がチームに2人存在する」というダブり現象は、言わずと知れた無能GMズレンシックの、いつもの「選手をダブって確保する癖」だ。
ショートに既にジャック・ウィルソンがいるのにブレンダン・ライアンを獲ってきたり、ケン・グリフィー・ジュニアマイク・スウィニーの2人のDHを併用してロスター枠をムダにしてしまい、その結果ブルペン投手が足りなくなったり、アダム・ケネディ、ラッセル・ブラニヤン、スモークなどファーストを守る選手ばかり集めてしまって、にっちもさっちもいかなくなって結局手放したり、とにかく「ズレンシックのダブり癖」による失敗は毎年恒例の行事。
たぶん、ズレンシック本人がこの悪癖に気づくことは、永遠にない。



この数シーズン、この無能ジェネラル・マネージャーがやってきたことは、細かい部分を捨象して考えてみるとわかることだが、「結果を残し、将来性も約束された貴重なローテーション投手を即座に安くタタキ売って、かわりに、若い選手、特に守備の苦手な、まだ実績も将来性も約束されているわけではない打撃系の野手を獲ってくること」、たったそれだけでしかない。

ズレンシックのこうした行動は、オークランドをつまらない球団にしたビリー・ビーンと、まるでかわり映えしない。
貿易にたとえれば、「良い国内製品(将来性のある投手)を安値で輸出ばかりして、たいしたことのない外国製品(将来壊れるかもしれない将来性未知数の扇風機型野手)を輸入ばかりしてきた」わけだ。MLBのGMの仕事は、貿易を行って黒字をチームに貯めこんでいくことだが、こんなことばかりしていれば、そりゃ貿易黒字が溜まるわけがない。

シアトル・マリナーズというチームは、「バッティングは(イチロー除いて)最低レベルだが、投手は最高」と言われ続けてきたわけだが、ズレンシックがやってきたことは、そのチームの財産である先発投手を毎年競売にかけてタタキ売ってきた結果にすぎない。
そのタタキ売りの結果が「投手力は毎年のように下がり続けているのに、投手の犠牲と引き換えに作り上げようとした打撃は、メジャーでも歴史的にドン底レベルの貧打のまま」なわけだから、躊躇なく、ズレンシックは無能だと、言わせてもらう。

ズレンシックがローテーション投手を、交渉相手に足元を見られながら競売にかけて安く売り飛ばし、そのトレード対価として相手に売りつけられた野手(あるいは投手)は、シアトルのロスターに、こんなにもたくさんいる。どうせ大半の選手はモノにならない。最初に挙げた先発投手陣がチームに揃っていたほうが、どれだけチームの先行きに期待がもてたことか。
1B スモーク
DH モンテーロ
OF ウェルズ
P ベバンノエシリーグファーブッシュラフィン


イチローに3番適性があるかどうかなんてわけのわからない議論を、論じる気はさらさらない。3番適性があるとかないとか、そういうスジ違いの論議を始める以前に、メジャーの歴史でも歴代屈指のリードオフマンの打順を弄らざるを得なくなるような貧打のチームを作っておいて、イチローに3番強要などありえない、ということをまず確認しておかなければ話は何も始まらない。


バベシの時代からずっとそうだが、このチームはスジの通らないことを、あまりにもやり過ぎる。


ハッキリ言っておこう。

無能なズレンシックよ。そして腰ぎんちゃくの小判鮫エリック・ウェッジよ。
これまで積み重ねてきたおまえたちの失敗の尻拭いをイチローにさせようとしてるようにしか見えないぜ、おまえら。
どうにもならなくなって不良債権化したフィギンズを、いまさら売れるモノに仕立てあげたいのか何か知らないが、スジの通らないことばかりやりやがって、イチローの3000本安打の偉業を邪魔するんじゃねぇ。

damejima at 10:19

January 30, 2012

以下は、ESPNニューヨークの記事。
バレンタインいわく、「僕はヘスス・モンテーロがやがてヤンキースの正捕手になるだなんてこと、考えたことがない」そうだ。

どうだ(笑)
1月18日にアップしたダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2012年1月18日、打者より投手。そういう時代。で、「(ヤンキースが)ヘスス・モンテーロを放出したってことは、ヤンキースがモンテーロの将来性を既に見きわめ、見限ったのだ、ということくらい気づくべきだ。」と書いたが、まったく当たっていた。

もちろん、先日とりあげたESPNのジェイソン・スタークの記事(下記リンク)の内容とも見事に一致している。モンテーロは最初からヤンキースのトレード・ピースだったのである。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2012年1月20日、ESPNの主筆ジェイソン・スタークが、MLBにおけるピネダ放出を疑問視する声、ズレンシックのトレード手法の「狭量さ」に対する他チームGMの不快感、モンテーロの慢心ぶりへの関係者の不快感を記事にした。

そりゃそうだ。
下記の記事にもあるように、モンテーロは2011年9月に1ヶ月だけメジャーでプレーしているが、出場した18ゲームの大半(15ゲーム)は、DHとしての出場であり、マスクをかぶったのはわずか3ゲームにすぎない。
もしヤンキースがモンテーロを「シーズン通して」使う気があるなら、そして、「正捕手として」本当に使えるのなら、シーズン終了間際にこういう「チラ見せ」なんかせず、シーズン最初からキャッチャー兼DHとしてきちんと使う。それが「次期正捕手候補」としての正当な使い方だ。
Jesus Montero 2011 Batting Gamelogs - Baseball-Reference.com

おまけに、ヤンキースは去年のポストシーズンでも、モンテーロを1度しか使っていない。(ALDS Game 4 デトロイト戦 10-1でヤンキース勝利) しかもその出場は、デッドボールを受けたDHポサダの代打に過ぎず、単にDHとしての出場であって、キャッチャーとしては出場していない。ヤンキースはポサダにかわるキャッチャーとしてドジャースからラッセル・マーティンを獲っているのだから、当然の話だ。
守備に不安のある新米キャッチャーを、1試合1試合が真剣勝負のポストシーズンでマスクをかぶらせるわけがない。
New York Yankees at Detroit Tigers - October 4, 2011 | MLB.com Classic

下記の記事、もうちょっと捕捉が必要かもしれない。

ボビー・バレンタインは、ボストンの監督になる直前の2011年11月から、ニューヨーク生まれの往年の名投手オーレル・ハーシュハイザーなどとともに、ESPNのSunday Night Baseballという番組のコメンテイターをつとめていた。
下記の記事で、「1月中旬、こんなことを言っていた」という記述があるのは、番組を見たわけではないが、おそらく「1月中旬のSunday Night Baseballの番組中で、こんなコメントをしていた」という意味だろう。

ちなみにハーシュハイザーが引退したのは2000年のことだが、引退前年の1999年は地元ニューヨークのメッツでプレーしていて、そのときの監督がバレンタインだった。(バレンタインがメッツの監督だったのは、1996年から2002年まで)
バレンタインの故郷コネティカット州スタンフォードはニューヨーク中心部から北東へ約36マイル(およそ57km)で、ニューヨークの衛星都市、昔の言葉でいえばベッドタウンだから、同じニューヨーク郊外のバッファローで生まれているハーシュハイザーとは、出身地がほぼ同じという関係でもある。




Bobby V. not surprised by Montero trade - Yankees Blog - ESPN New York

Seeing the Yankees trade their young catcher, Jesus Montero, didn't come as a surprise to new Red Sox manager Bobby Valentine.
ヤンキースが若いキャッチャー、ヘスス・モンテーロをトレードするのがわかっても、レッドソックス新監督ボビー・バレンタインにとってそれは驚きではなかった。

"I thought that was kind of in their plans," Valentine said on Sunday at Rippowam Middle School in his hometown of Stamford, Conn. "He helped their plans come to fruition by the way he played that last month of the season. I didn't really ever think he was going to be their catcher of the future but maybe."
バレンタインは日曜に、故郷コネティカット州スタンフォードのRippowam Middle Schoolで語ってくれた。「モンテーロがシーズン最後の1ヶ月にプレーしたことは、ヤンキースのプランが実を結ぶのに一役買ったね。僕は、将来モンテーロがおそらくヤンキースのキャッチャーになるだろうなんてことを、まるで考えたことがない。

Valentine, who is never one to shy away from giving his opinion, previously didn't seem that impressed that the Yankees acquired touted rookie pitcher Michael Pineda from Seattle in exchange for Montero.
バレンタインは、自分の意見を言うのを尻込みしたりする人間ではない。ヤンキースがモンテーロと交換に有望ルーキー、マイケル・ピネダをシアトルから獲得したことにも、好印象を持っているわけではないらしい。

"Pineda, when I saw him in the first half (last season), he looked unhittable. In the second half, he looked OK," Valentine told reporters in mid-January. "I don't know. (Seattle) saw a lot of him, and they traded him."
1月中旬バレンタインはレポーターに、「ピネダは、昨シーズンの前半戦に見たときには、とても打てそうに思えなかった。だけど後半戦になったら、打てそうだったね。」と話していた。「シアトルがピネダの力量をどの程度確かめたのかわからないけど、彼らはピネダをトレードした。」

While Valentine said the trade didn't surprise him, he did not elaborate on why. The Yankees also traded away reliever Hector Noesi in the deal and received a minor league pitcher.
バレンタインは、このトレードに驚いてはいないと発言していたが、その一方で、このトレードが行われた理由については詳しいコメントをしていない。ヤンキースはこのトレードでリリーバーのヘクター・ノエシを放出し、マイナーのピッチャーを獲得している。


"I don't know," Valentine said when asked if he thought Montero was going to be used as a trade chip in the future. "I don't know what the Yankees are doing, I think Brian (Cashman) is a real smart guy, one of the great managers in the game of baseball, and I don't know what his plan was."
モンテーロが将来トレードのピースとして使われると思うかどうか尋ねたところ、バレンタインは「私にはわからない」と答えた。「僕にはヤンキースが何をしようとしているか、わからない。ブライアン(=ヤンキースGMキャッシュマン)は実に頭のいい男で、野球界の偉大なGMのひとりだけど、僕には彼がどんなプランを持っているのかなんてことまではわからない」


damejima at 18:38

January 21, 2012

かつて2008年に、ダメ捕手城島を「ア・リーグ年間ワーストプレーヤー」に選ぶことで「ダメ出し(笑)」してくれたESPNのシニアライター、ジェイソン・スターク, Jason Stark は、全米スポーツメディアでも一目置かれるポジションにあるライターだが、マイケル・ピネダヘスス・モンテーロのトレードについて、ピネダのような若い主戦投手をトレードしてしまうことへの他チーム関係者の疑問符、ズレンシックの市場原理に基づかない狭量なトレード手法に関する他チームGMの不快感などを紹介した、彼ならではの記事を書いてくれた。
(この記事の本題は、十字靭帯を痛めたビクター・マルチネスには代わりになる選手などいない、それほど優れた選手だよ、という話なわけだが、中段にマイケル・ピネダ放出について書かれた部分があり、ピネダとモンテーロ、2人のプレーヤーとしての今後の課題にも触れている。ちなみに、2011シーズン終盤に突如としてという感じでピネダの球速が落ちたことは、ブログ主も当時すぐに気付いた。ピネダには他にも、球種の少なさやスタミナなど、課題は多いことはわかりきっているが、これらの課題の存在は、日米のMLBファンはじめ、ブログ主にも既にわかっている話ばかりであり、ジェイソン・スタークが取り上げたからといって、とりたてて重い意味はない)

この記事でちょっと驚くのは、シアトルGMズレンシックが、ちょっと前にブログ主がTwitterで紹介したばかりの、マイアミのあの攻守に優れた若い強打者マイク・スタントンを獲りにいっていたことだ。
damejimadamejima
でも、どういうプレー結果か、なんとなくわかりきってるヴェテランより、今のマーリンズで最も興味深いのは、マイク・スタントン。高校卒業時にNFLシアトルシーホークスの現ヘッドコーチ、ピート・キャロルがUSCのコーチ時代にスカウトしようとしたほど、あらゆるスポーツができた逸材中の逸材。

もしピネダの交換相手がマイク・スタントンだったら、いくらズレンシック嫌いのブログ主だって、そりゃさすがに脱帽ものだが、そんなことはまったく起こりえないことなので、心配ない(笑)
それこそ、マイアミの将来を背負って立つマイク・スタントンをトレードの駒にしたりすれば、かえって他チームのGMたちが「よく、まぁ、あのクラスの選手を放出したもんだ」と、ひっくり返って驚く。

下記の記事でピネダ放出というズレンシックの判断が他チーム関係者に疑問符をつけられたり、冷笑されるのは、ピネダの価値が「マイアミがスタントンを放出するレベルのありえなさ」かどうかは別にして、ピネダのような主力投手を放出する行為が、他チームのGMにしてみれば「ありえない行動」だからだ。(ましてシアトルはイチローと投手力しか長所がない。かたやヤンキースには、モンテーロを放出しても痛くも痒くもないだけの豊富なチーム力と人材があり、無能なプロスペクトマニアから見れば有望なはずのモンテーロを、実はヤンキース自身は煙たがっていた理由もハッキリあったことは、下記の記事に書かれているとおり)
メジャー1000打席で56ホームランの強打者にして強肩外野手でもあるマイク・スタントンは、メジャーでまだ100打席も打っておらず、守備能力のない慢心が噂されるDHモンテーロとは、モノがまるで違う。(というか、以下の記事で、ヘスス・モンテーロが完全にDH扱いされていることも、よく目を凝らして読むべきことのひとつ)スタントンとモンテーロを比べること自体、まったく意味がない。


この記事によって、ピネダ放出が他チームのGMや幹部、スカウトに冷笑されているのが、哀れな無能GMズレンシックの実態だということに、ひとつ確証が得られた。
ジャック・ズレンシックの小心で、市場原理に基づかない無意味なトレードぶりは、実はMLBの内部で好感されていない。他球団からすればズレンシックが「いかに、おいしい選手を安売りしてくれる、ありがたい、見る目の無いジェネラル・マネージャーであるか」が、この記事からよくわかる。


このブログにおける過去のJason Starkに関する記事
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2008年7月12日、城島はESPNのMLB専門記者Jason Starkの選ぶ上半期ワーストプレーヤーに選ばれた。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2008年9月28日、ESPNのJason Starkは城島をア・リーグ年間ワーストプレーヤー、「LVP」に選んだ。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月3日、かつて2008年に城島が選ばれた「ESPN上半期LVP」と「年間LVP」をほぼ同時受賞したといえるショーン・フィギンズ。そして、「シーズン最悪の非貢献者」と名指しされたも同然のズレンシック。

(以下Jason Starkの記事と粗訳。
 太字はブログ側による。)

Detroit Tigers challenged with replacing Victor Martinez - ESPN

• Here's a question several teams asked this week: "How come we never knew that Michael Pineda was available?" Interesting issue.
今週、いくつかのチームからこんな質問を受けた。「マイケル・ピネダがトレード可能だってことが、なんで我々にはちっともわかんなかったんだ?」 興味深い話だ。

"I bet I've had a dozen conversations with [the Mariners] this winter," said an official of one club. "Never brought him up. I guess we didn't have what they were looking for."
「この冬(マリナーズ関係者とは)非常に頻繁に話したんだけどもね」と、あるクラブの関係者。「ピネダのトレードを議論の俎上にのせることはできなかったな。まぁ、たぶん、彼らの求めていたものを我々が持っていなかったからだろうけど。」

And that, it appears, is exactly what went on here. Mariners GM Jack Zduriencik clearly targeted a very select group of young, controllable, impact bats -- Jesus Montero, Mike Stanton, Logan Morrison, etc.-- and dangled Pineda only to those teams, for those hitters. Eventually, it turned out to be the Yankees who said yes.
たしかにその話はどうも当たっているようだ。マリナーズGMのジャック・ズレンシックは、ヘスス・モンテーロ、マイク・スタントン、ローガン・モリソンなど、若く、バットコントロールもいい強打者にはっきりターゲットを絞っていて、それらのチームやバッターに対してのみ、ピネダとのトレードをちらつかせていたらしい。話に応じたのが、結局ヤンキースだった、というわけだ。

But what if Zduriencik had made it more widely known that he'd talk about Pineda, the way the A's did with Gio Gonzalez and Trevor Cahill, the way the Padres did with Mat Latos? Would he, or could he, have gotten more than Montero and Hector Noesi?
しかし、アスレチックスがジオ・ゴンザレスやトレバー・ケイヒルに、もしくは、パドレスがマット・ラトスについてそうしたように、もしズレンシックが、ピネダがトレード可能であることを、もっとオープンにしていたらどうだっただろう? モンテーロやヘクター・ノエシ以上の獲物をゲットできただろうか?
=ブログ注:市場価値が高いとわかっている選手のトレードで最大限の収穫が得られるように、アスレチックスやパドレスが主戦クラスのローテ投手のトレードをオープンにしたように、ズレンシックがピネダのトレード話をオープンにしていれば、シアトルは、DHモンテーロなどではなくて、もっと大きな収穫を得られた可能性があったかもしれない、という意味

"We were blown away when this deal went down," said one GM. "I can't believe they would trade that kind of player. I'm not sure how you do that and not contact everybody. I'm sure Jack likes the deal he made. But even if you don't match up, you never know what you might be able to get if you open it up to start exploring three-team deals."
「我々はこのトレードの話を聞いて、ぶっ飛ぶんださ。」と、あるGM。
「私は、彼らがあのクラスのプレーヤーをトレードしたことにビックリしたんだ。なんでそうするのかわからないけど、他の全チームに接触することなくトレードしたんだからね。よくわからない話さ。たぶんジャックは、ああいうやり方が好きなんだろうな。
でも、たとえお互い求めてるものが一致してなくても、情報がオープンにされてれば、複数チーム間のトレードで欲しい選手が得られるかどうか模索できるわけだけど、情報がオープンじゃないんだから、欲しい選手が得られるかどうかなんて、あれじゃわかりっこないよ。」
=ブログ注:ピネダクラスの投手ならウチだって欲しいんだから、言ってさえくれれてれば、もし自分のチームにシアトルの欲しい選手がいなかったにしても、第3のチームを巻き込んで、シアトルがモンテーロ以上に欲しい選手を提示することができたかもしれないが、情報がオープンじゃないなら何もできっこない、という話

• After any trade like this, a swap of two young players who appear bound for stardom, people start reading all sorts of ulterior motives into it. So let's get to conspiracy theory No. 1 -- that something is up with Pineda.
こういう、これからスターダムに乗ってきそうな2人の若いプレーヤーのトレードの後では、そこに隠されたトレードの裏話が探られるものだ。ピネダに関する謎解きは、こうだ。

"I saw him in September, and he was throwing 87-91 [mph]," said one exec. "I'm sorry. You just don't trade [young, controllable] premium top-of-the-rotation starters unless something ain't right. I just find it strange [to] trade a front-line starter for a DH."
「僕は9月に彼を見てる。87マイルから91マイルを投げていたね。」と、あるチームの幹部。
「申し訳ない言い方になるけど、なにかよほどの問題があるのでもない限り、プレミアムのついた(つまり、若くて、コントロールもいい)主戦クラスのローテーションピッチャーをトレードするなんて、ありえない。まして、ローテの軸になる投手をDHとトレードだなんて、おかしなことをするもんだとしか言いようがないよ。」

Now the common wisdom on Pineda is that he just slammed into a wall after hitting his innings limit. And no one else we surveyed was alarmed by his fading velocity down the stretch. But it's something to watch, because the facts back this up. For the record, here are Pineda's four-seam fastball velocities through the season, according to Pitch F/X:
ピネダについては、彼がいわゆる「イニングの壁」にぶちあたって打たれる、ということが共通認識になっているが、我々が調べた範囲の関係者では、2011シーズン最後になって彼の球速が落ちたことに警鐘を鳴らす人は、誰ひとりいなかった。だが(ピネダの球速低下を)裏付ける事実もあるので、それは一応見ておくべきだろう。Pitch F/Xの記録によれば、ピネダの4シームの球速は、シーズン通して以下のようになっている。

April 5 (first start of the year): 94-98
June 1: 94-97
Aug. 9: 95-97
Sept. 21 (last start of the year): 91-93


• Now here's conspiracy theory No. 2 -- that there were below-the-surface issues with Montero that caused the Yankees to dangle him in several major deals over the last year and a half.
次に、2つめの謎解き。モンテーロにまつわる水面下の問題だ。それは、ヤンキースが1年半以上もの長きにわたって、いくつかの大きなトレード話にモンテーロ放出をちらつかせる原因になった。

The Yankees obviously insist otherwise. They're deep in catchers. And they just scored the second-most runs in baseball. So their take is simply that they dealt from strength, and the Mariners were doing exactly the same thing.
ヤンキース自身はきっと違う主張をするだろうが、彼らはキャッチャーを多数抱え込んでいる一方で、彼らはMLBで二番目に多い得点をできるチームでもある。だから彼らが望むのは、シンプルに彼らの(選手層の)強みを生かしたトレードであり、また(投手に強みをもつ)マリナーズもまた全く同じことをしようとした。
=ブログ注:つまり、スタークが言いたいのは、ヤンキースにはキャッチャーならいくらでもいて、得点力にも問題がないのだから、モンテーロくらい、いなくなっても別に痛くないんだよ、ということ

But we've written in Rumblings before that there are teams out there that have been wary of Montero despite his undeniable talents. And what turned them off was their perception that he showed signs of "big league-itis" before he ever reached the big leagues.
しかし我々は、以前、モンテーロには否定しようのない才能がある反面で、いくつかの不満からモンテーロ獲得に及び腰になるチームがあることを記事にした。それらのチームのモンテーロ獲得意欲を萎えさせたのは、モンテーロがメジャーに上がる前にみせた『大リーグ病』の兆候だ。

"I'm just not sure about his makeup," said one scout who covers the Yankees' system. "I don't like that he looked bored, at 21, playing professional baseball in Triple-A. Yeah, he'd had some success. But he acted like he'd won five batting titles in the big leagues. … I will say, though, that I saw signs of growth in the last year. I thought Jorge Posada had an effect on him last year in spring training. So hopefully, he got the message. And hopefully, it was just immaturity."
「彼の気質について、確かなことを言えるわけじゃないけど」と、ヤンキースの育成システムに精通する、あるスカウトは言う。
「まだ21歳の彼が、プロとしてトリプルAでプレーすることに飽き飽きしてるように見えたことが、気に入らないね。
たしかに、彼はちょっとばかり成功を納めたさ。でも、まるでメジャーの5つのバッティングタイトルを獲得したかのように振舞うって、ちょっとどうかと思うよ。言わせてもらえば、去年で今後の成長についての前兆を見た、とでもいうかさ・・・。
去年のスプリング・トレーニングではホルヘ・ポサダの存在が、彼に影響を与えてたと思う。だから、モンテーロがそこから何かメッセージを受け取っていることを願うばかりだね。単にまだ未熟だからだけなら、いいんだけどもね。」
=ブログ注:去年のスプリング・トレーニングでは、大先輩で、お目付け役でもあるホルヘ・ポサダの存在があって、モンテーロのわがままを抑制することもできたが、ポサダのような存在がなくなったら、どうなるかわからないよ? という意味


damejima at 09:18

January 19, 2012

ちょっとした理由があって、奥歯にモノがはさまったような言い方をするのに飽きたから、何事もハッキリ書いておく。


ついさっきダルビッシュの契約がようやくまとまったニュースが野球関連のツイッターを駆け巡ったばかりだが、シアトルのローカルコラムニスト、デビッド・キャメロン
「もし、プリンス・フィルダー、ジョシュ・ハミルトン、ダルビッシュの3人のうち、2人をとっていいと言われたら、オレなら迷わずフィルダーとハミルトンを選ぶ」なんて回りくどいことをツイートしている。
d_a_cameronDavid Cameron
If someone told me I could pick two of three between Fielder, Hamilton, and Darvish, I'd pick the first two. Pretty easily, too.

シアトルが興味を示しているとかどうとか「飛ばし」くさい報道の続いているフィルダーを引き合いに出すのは、まぁご愛嬌だが、どこをどう話をねじ曲げるとハミルトンの話になるのか、わけがわからない。シアトルの話じゃなく、テキサスがフィルダーとハミルトン、両方獲れるかどうかなんて話題なら、もう話にならない。シアトルローカルが他チームの議論をして何になる。
この人、さっきからずっと、ダルビッシュのテキサスとの交渉を、チクチク、チクチクと、ツイッターでこねまわすような言い方の揶揄を続けているわけだが、なんてまわりくどい男なんだと思いつつ、ツイッターを読んでいた。

もしキャメロンが、いつ再建が軌道に乗るのかすら見えてこない今の白色矮星シアトルにフィルダーのような金額の打者が絶対に必要だと本気で思うのなら、ハッキリそう書いて恥をかけばいいだけのことだ。まぎらわしいことばかりグダグダ書いてないで、言いたいことがあるなら、ハッキリ書けばいい。
「金のあるチームの番記者がうらやましい」でも、「本当のことをいうと、夢のあるテキサスに引っ越したい」でもいいし、「本当のことを言うと、オレは野球をやったことはないけどホームランだけが死ぬほど好きなんだ」でも、「オレは日本人が嫌いだ」でも、「FOXのローゼンタールみたいな全米メディアのメジャーな記者より才能のあるオレが、なんでシアトルローカルに埋もれて人生を終わらなきゃいけないんだ」でも、なんでも、好きなことを好きなだけ書けばいいのだ。
別に意見を言うだけなら、タダだし、無害だ。こちらは痛くも痒くもない。なんとでも書けばいい。回りくどいことを、クドクド言う必要などない。


テキサス・レンジャーズが、メジャー実績の全くない未知数の日本人投手ダルビッシュとの交渉を、満を持してFAになったメジャーを代表するホームランバッターのひとりプリンス・フィルダーとの交渉より優先したこと。これは事実であり、動かせない。
もしキャメロンが、テキサスがメジャー実績のない非アメリカ人選手との交渉を、メジャーで実績を積んできたメジャーの打者との交渉より優先したことがどうしても気にいらないのなら、「ツイッターでグダグダ言ってないで、テキサスの球団事務所に直接電話しろ」と言いたい。


だが実績主義を持ち出して議論する輩(やから)に限って、まだメジャーでたった18ゲームしかプレーしてない未知数のヘスス・モンテーロを持ち上げるダブルスタンダードだから、始末が悪い。69打席で17三振もした、守備のできない、狭いヤンキースタジアムの扇風機が広いセーフコでプレーしても、まるでアルバート・プーホールズジョー・マウアーにでもなれるかのように持ち上げたがる。

ウザいこと、このうえない。

そもそも、長年ヤンキースのキャッチャーをつとめてきて、最近はDHに退いていたホルヘ・ポサダが引退して、キャッチャーが手薄になったというのに、ヤンキースが同ポジションのトップ・プロスペクト、ヘスス・モンテーロを放出したってことは、ヤンキースがモンテーロの将来性を既に見限ったということだ、ということくらい、気づくべきだ。ヤンキースだって馬鹿じゃない。


そもそも、選手層の厚いテキサスにチーム力で大差がつけられただけでなく、高額な放映権を手にしたことで、今シーズン以降、好きなように選手層を分厚くできる予算が毎年得られることが確定したLAAにも覆しようのない大差をつけられた弱体化球団シアトル・マリナーズが、いまさらフィルダーを獲る意味なんてものは、「ジャック・ズレンシックが大失敗を続けて、今年さらに落ち込むのが確実の観客動員をなんとか食い止めるための客寄せパンダ」程度の意味しかない。
そんなものは「キングスコートとかいう、ヘルナンデスをダシにした悪ふざけ」と同じ程度の悪あがきだ。くだらないにも程がある。
そんな程度のマーケティングで、ズレンシックがあまりにも無能であることに気づいて逃げ出したシアトルの地元民がスタジアムに戻ってくるわけがない。



OPSのデタラメさを書いたシリーズ
(あれはこれからの野球を見る上で重要な記事だから、全ての人に目を通してもらいたい)で言いたかった裏の意図のひとつは、「もう指標詐欺のハンパ打者に大金をはたく時代は終わる」ということだ。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:指標のデタラメさ(OPS、SLG、パークファクターなど)
(ダメ捕手城島や引退寸前の松井はともかく、フィルダーの打撃スタッツはさすがに指標詐欺とは言わないが、フィルダーが果たしてライアン・ブラウンと同じようなドーピングをしてないとは、まだ言い切れない)

今年から始まるヒト成長ホルモン検出のための血液検査。去年の暮れに発覚したライアン・ブラウンのドーピング問題。メープルバットの規制問題。こんな時代なのに、まだ「当分は再建モードが続くチームに、プリンス・フィルダーが必要だ」とか、わけのわからないことを主張し続けている人間がいること自体、理解できない。

まして、セーフコは投手有利のピッチャーズパークだ。
ヤンキースタジアムやアーリントンのような打者有利のヒッターズパークで、それも100打席にも満たない少ないわずかな打席数で、ちょっと見栄えのする打撃スタッツを残したからといって、将来のあるローテ投手を放出する犠牲まで払って、バッターをピッチャーズパークに連れてくるくらい、馬鹿馬鹿しいトレードはない。
ヒッターズパークからピッチャーズパークに移籍しても、打撃成績がまったく落ちないくらい飛びぬけた天性に恵まれているのならともかく、セーフコに来る打者の打撃成績は、下がって当たり前。

クリフ・リーを出してまで獲ったジャスティン・スモークが、2011シーズンのプレー結果で、左打席では低めの変化球をまるで打てないばかりか、守備が下手(2011年のUZRマイナス0.8)なことまで確定して、守れるのは1BとDHくらいでモンテーロとかぶり、しかも、オリーボにまだ契約が残っているというのに、キャッチャーのジョン・ジェイソを獲ってしまい、ただでさえ、またもやキャッチャーがダブつき状態だというのに、ダグ・フィスターの安売りに続いてマイケル・ピネダまで出して、ほぼDHでしか使えないヘスス・モンテーロを獲り、それでも飽き足らず、スモークとも、モンテーロとも守備位置のかぶるフィルダー?


笑わせるなっての(笑)馬鹿。


コンテンダー、たとえばフィリーズが、大投手ロイ・ハラデイクリフ・リーを手中にしたことで、往年のブレーブスのように安定してポストシーズンに進出し続けていること。贅沢税に怯えているはずのヤンキースだが、それでも、単年ではあるにせよ黒田と高額で契約する一方で、マイケル・ピネダを確保したこと。テキサスがフィルダーより優先でメジャー実績のないダルビッシュに長期契約を提示し、契約したこと。覇権奪回を目指すLAAがライバルのテキサスから5年75Mの契約でCJウィルソンを奪いとったこと。

要は、「打者よりも投手」の時代なのである。

OPSのようなデタラメ指標に保護され、甘やかされてきた打者より、長い期間優れた成績を残せるホンモノの投手を優遇する時代なのである。OPSみたいなデタラメ数字を信じて野球をやっているのは、タンパベイくらいのものだ。


フィルダーですら実は売り先がみつからないで困っているというのに(たぶん彼はコンテンダーには行けないだろう)、守備のできないDH専用のハンパ打者に大金を与える(または手持ちの有望投手と交換する)などという行為は、これからの時代にはまるで無意味だ。
(もちろん、DHとはいえど、エドガー・マルチネスは別格。彼は殿堂入りしてもおかしくない。現役で言うならデトロイトのビクター・マルチネス。だが、2人のマルチネスのレベルの打者ででもない限り、DH専用打者と高額サラリーで契約などありえない。ビクター・マルチネスは先日靭帯を断裂して今シーズンは絶望らしいが、2011シーズンのクレバーなバッティングが素晴らしかっただけに、非常に残念だ)
サードピッチの習得、配球の単調さの改善、スタミナの上積みなど、課題は山積していたが、まだ伸びしろのあったマイケル・ピネダを、2011年7月のフィスター放出同様にトレードしてしまい、かわりに、海のものとも山のものともつかず、DHにしか使いようがないヘスス・モンテーロを獲ってきてしまうシアトルの「先の時代の見えてない野球」を議論するなんてことは、時間の無駄。


スティーブ・ジョブズは言っている。
今日やるべきことは、本当に心からやりたいことか
考えろよ。と。

ズレンシックの馬鹿げた「タイトルだけしか書かれておらず、肝心の中身は白紙の企画書」みたいな野球マネジメントや、シアトルの地元メディアのくだらない戯言(ざれごと)につきあわされるのは、まっぴら。シアトルが要りもしないフィルダーを獲るかどうかだの、どうせそのうちズレンシックが下手すぎるトレードを繰り返した挙句、手駒が足りなくなりトレードの駒にしてしまうのがオチのスモークやモンテーロの将来性だの、そんな無意味な議論で時間をムダにするくらいなら、来年に90年代の超大物ステロイダー(バリー・ボンズマーク・マクガイアサミー・ソーサラファエル・パルメイロロジャー・クレメンスなど)がズラリと顔を揃え、その一方で、ステロイドと無縁だった名選手たち(どうみても誰よりも先に殿堂入り当確のグレッグ・マダックスと、クレイグ・ビジオなど)が、一斉に投票にかけられる2013年の野球殿堂入り投票のことでも考えるか、野球を忘れて温泉にでも行ったほうが、はるかにマシ。
2013 Potential Hall of Fame Ballot - Baseball-Reference.com


ダルビッシュについて語るノーラン・ライアン(動画)
今は球団社長とはいえ、もともと名投手のライアンだけに、ダルビッシュの投手としての特徴を、「低めに決まる変化球がいいね」とか、それはもう、明確に喋っている。
Baseball Video Highlights & Clips | Emily Jones talks with Nolan Ryan about Yu Darvish - Video | MLB.com: Multimedia

damejima at 08:05

September 30, 2011

2009年にロブ・ジョンソンが、1シーズンに3回、シアトルの投手をア・リーグ月間最優秀投手に押し上げたのをしみじみ思い出す。特にデトロイトに理不尽なトレードをされる直前の、7月に受賞したジャロッド・ウオッシュバーンを。今回の受賞は、ある意味でウオッシュバーンのリベンジでもある。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年6月7月9月、2010年6月 月間最優秀投手とロブ・ジョンソン効果


予想通り、9月に一度も負けなかったダグ・フィスターが、9月のア・リーグ月間最優秀投手に選ばれた。9月のERA0.53はもちろんメジャートップクラス。WHIPも0.529と文句のつけようがない。
そして被打率は.127。これは、フィスターと並んで9月のナ・リーグ月間最優秀投手に選ばれた、プエルトリコ出身でフロリダの奪三振王、ハビアー・バスケスと並んで、メジャートップの数値らしい。
また、34三振を奪いつつ、3四球しか与えなかったことで得られたK/BBの数値11.4も驚異的な数値だ。
Tigers right-hander Doug Fister named American League Pitcher of the Month. | MLB.com: News

たとえ1ヶ月の成績であっても、彼は、この地球上にたった2つしかないトップリーグであるア・リーグの投手の頂点に立ったのだ。そうそう簡単に達成できることではない。どんな名投手だってキャリアで何度達成できるかわからない快挙のひとつだ。

(とはいえ、クリフ・リーなどは、2008年にクリーブランドで2度(4月、8月)、2010年テキサスで1度(7月)、2011年フィリーズで2度(6月、8月)と、毎年のように受賞しているわけだが(笑) まぁ、フィスターをクリフ・リーと比べるのは、まだ可哀想だ)

あらためて、心から「おめでとう」と言いたい。
Players of the Month | MLB.com: News

この件に関しては、ただ事実を並べただけのMLB公式サイトを見るより、例えば以下のようなサイトを見るほうが面白い。このリンクはアメリカのCBSのサイトだが、ダグ・フィスターの今回の受賞をCBSのMLB担当者たちの一部がどれほど驚いているかがわかって、非常にオモロイ(笑) 「わかってないねぇ、CBSも(笑)」と、ニヤニヤしながら、思い切り楽しんで読むことができる(笑)

特に、4番目にピックアップしたコメントを、しっかり目に焼き付けておくといい(笑)
フィスターのトレードがWIN-WIN? 何を馬鹿なことを(笑) そんな馬鹿げたコメントは、全米担当の立場にあるためにロクに情報集めもせず書き散らす、時間に余裕の無い情報濃度の薄いメディアのアホが、フィスターの登板をまったく見もせず、成績の中身をまるで吟味もせず、ただシアトル時代のフィスターの勝ち負け程度しか見ずに、しかも、デトロイトでの登板結果が出る前、8月初旬あたりに。単なる思いつきをウェブに書き散らしただけの、ただの与太話(笑) ファーブッシュが今すぐ月間最優秀投手になれるかって? 絶対ありえない(笑) ザマミロ。

ついでに言えば、かつてのクリフ・リーとジャスティン・スモークのトレードもそう。
WIN-WIN? まさかっ(失笑) ありえない。ありえるわけがない(笑) どこをどう間違えると、そういう馬鹿げた与太話になるのか、教えてもらいたい(笑)

no one blinks twice when his name gets slotted behind Verlander at No. 2. in the postseason rotation.

It sounds like a joke, but it's not.

Many pitchers had great months, but Fister's symbolized how great the Tigers' chances to reach the World Series have become.

As long as the Tigers didn't give Seattle a future John Smoltz (they didn't), this is the best trade any contender made.
「タイガースはシアトルに『未来のジョン・スモルツ』 (と言えるような、若くて、将来性と実力のある有望株)を放出したわけでもなんでもないわけで (実際デトロイト側の出した投手をシアトルで登板させてみたら、「未来のスモルツ」でもなんでもなかった)、このトレードは (デトロイトの側が、フィスターという「未来のスモルツ」を得た、という意味で) 優勝候補チームのやったトレードの中で、ベストのトレードだ」
Players of the Month: Beltre, Fister - CBSSports.com


すぐにポストシーズンが始まる。ヤンキースの強力打線との対決がダグ・フィスターを待っているわけだが、できればワールドシリーズまで駆け上がって、かつての師匠であるフィリーズの二枚看板、クリフ・リー、あるいは、大投手ロイ・ハラデイとの投げ合いをぜひ見てみたいものだ。

ポストシーズンも頑張れ。ダグ・フィスター。
GO FISTER GO! DO IT!



damejima at 11:32

September 27, 2011

クリーブランド戦に先発したダグ・フィスターが勝ち投手になるのはとっくにわかりきっているので、ゲーム終了を待たずに「無四球完封」という内容の記事で書いていたら、8回裏にデトロイトがあまりにも点を取りすぎてしまって大差がついてしまい、9回表にフィスターが登場してこなかった(笑)

前の登板で3イニングだけの登板でラッキーな10勝目を挙げていたダグ・フィスターだが、クリーブランドを109球(81ストライク)で散発3安打、無四球9奪三振で8回を無失点に抑えて、まったくあぶなげなく11勝目。
今日のストライク率74.3%はちょっと驚異的。これじゃ、まるでクリフ・リーだ。(笑)
これでERAは、2.83。タンパベイのジェームス・シールズに並んで、ア・リーグERAランキング3位に躍り出た。
2011 MLB Baseball Pitching Statistics and League Leaders - Major League Baseball - ESPN
これで9月は5勝0敗、自責点わずか2点。他の有力候補が誰かは見てないのだが、9月の月間最優秀投手賞受賞は固いと見た。
Cleveland Indians at Detroit Tigers - September 26, 2011 | MLB.com Classic


今日のフィスターは、なんといってもスライダーのキレが凄まじかったのに加えて、あらゆる球種をコントロールできていたのが素晴らしい。
7回表に、クリーブランドのクリーンアップを3者三振にしたイニングなどは実に圧巻のピッチングで、下に挙げたトラビス・ハフナーの三振などは、ちょっとロイ・ハラデイばりの「4球ピッチ」だった。

2011年9月26日 投手ダグ・フィスター トラビス・ハフナー 三振

初球が、アウトコース低め、コーナーにピタリと決まるカーブ。2球目が、アウトコース一杯のハーフハイトのチェンジアップ。3球目は、インコース一杯のスライダー。そして、最後に内寄りの低め一杯に決まるストレートで、ハフナーはまったく手が出ず、見逃し三振。
カーブチェンジアップスライダー、そして、ストレート。変幻自在のパターンだ。


同じパターンの配球を、8回表の1死2塁、得点圏にランナーを背負った場面から。打者は、エゼキエル・カレーラ

2011年9月26日 投手ダグ・フィスター エゼキエル・カレーラ 三振
外一杯のチェンジアップ、高め一杯のスライダー、ど真ん中のストレート、最後は低め一杯のカーブで、空振り三振。力で押すストレート以外、変化球がどれもこれも一杯に決まっている。
チェンジアップスライダー、そして、ストレートカーブ
上に挙げたハフナーの三振の配球順序と違うのは、ハフナーでは最初にカーブだったが、カレーラには最後にカーブだった、この1点だけ。最初に使ったカーブを、こんどは最後に付け替えたわけだ。
チェンジアップは外いっぱいに「カウントを稼ぐ」。スライダーとカーブは、低めいっぱいに使い、「決め球にも、カウント稼ぎにも使える」。そういった構造材としての変化球で、壁面ともいうべきストレートを効果的に演出して「見せ球」にして、何度もこのブログで書いてきた「4球ピッチング」を遂にモノにしたのがよくわかる。


今のダグ・フィスターなら、基本的に、どの球種でもゾーンぎりぎりに決められるし、どの球種でもストライクがとれて、どの球種でも三振がとれる。まさに、投手として理想的



damejima at 10:43

September 17, 2011

地区優勝おめでとう、ダグ・フィスター

デトロイト・タイガースは、24年ぶり4回目の地区優勝だが、1994年に「3地区制」が導入され、98年にア・リーグ東地区からア・リーグ中地区に所属が変わってからの話でいうと、悲願の初優勝ということになる。
というのも、デトロイトが前回地区優勝した1987年は、94年に「3地区制」が導入になる以前の優勝であり、87年優勝当時のデトロイトは、69年に導入された「東西制」のもとで、ア・リーグ東地区の所属だったからだ。

ちなみに、1970年にシアトル・パイロッツが、当時メジャーの球団が無くなってしまっていたミルウォーキーにフランチャイズを移して創設された「ミルウォーキー・ブリュワーズ」は、創設当初、東西制のもとでのア・リーグ東地区所属チームであり、94年に3地区制が導入されたときに、ア・リーグ中地区に移動している。
そして98年に、タンパベイがア・リーグ東地区に出来て、今日優勝が決まったデトロイトがア・リーグ東地区からア・リーグ中地区に移動になったことで、ブリュワーズはこんどはナ・リーグ中地区へ移動した。
(ちなみに、もともとミルウォーキーという街は、66年までブレーブスがフランチャイズにしていた街で、66年にブレーブスがアトランタに移動してしまったことで、数年はメジャーのチームが無かった。98年にデトロイトがア・リーグ中地区に来ることになったときに、「ア・リーグ中地区のどのチームをナ・リーグ中地区に移動させるか?」という議論になったが、ミルウォーキーはもともとナ・リーグのブレーブスがあった街だけに、当初候補に挙がっていたロイヤルズではなく、もともとナ・リーグの野球に親しみのあるミルウォーキーのチームをア・リーグからナ・リーグに移動させるという案にあまり抵抗がなかったのは、そのせいもあるらしい)

今年優勝しそうな勢いのミルウォーキー・ブリュワーズだが、1982年の唯一の地区優勝(同年リーグ優勝)は、1987年のデトロイト・タイガーズとまったく同様、「ア・リーグ東地区所属時代の優勝」であって、98年にナ・リーグ中地区に移動して以降は、一度も優勝していない
だから、今年デトロイトとミルウォーキーが優勝することになれば、両リーグとも中地区は、「デトロイト、ミルウォーキーが98年のエクパンジョンで現在の所属地区に移動してからは、揃って初の優勝を成し遂げる」という、なんとも珍しい現象が起きることになる。



フィスターが加入して以降、先発投手陣の柱がしっかりしたことによる無傷の12連勝が効いて、2位クリーブランドも3位ホワイトソックスも、むしろ引き離される一方の圧倒的優勝になった。外野手を補強したくらいでなんとかなると思ったクリーブランドはご愁傷様(笑)
24年ぶりの優勝を決めたデトロイト公式サイトのこのゲームのヘッドラインは、Fister leads the way as Tigers clinch Central。フィスターがこの優勝を導いたと、手放しで褒め称えた。

ポストシーズンにバッティングのいいヤンキース、ボストンあたりをバーランダー、フィスターでねじ伏せるのを見るのが非常に楽しみだ。
Detroit Tigers at Oakland Athletics - September 16, 2011 | MLB.com DET Recap

Detroit Tigers at Oakland Athletics - September 16, 2011 | MLB.com Classic


今日もダグ・フィスターは完璧。移籍後7勝目。91球で8回を投げ切ってしまい、ブルペンでいちおう肩を温めていたブルペン投手ホアキン・ベノワの出番はなかった。グラウンドアウトが9.フライアウトは5。いつものようにゴロアウトで非力なオークランドを翻弄した。
これでフィスターの登板イニング数は197.1。次の登板で200イニング登板達成は確実。9月に入って、ERA0.80、2勝負けなし。今月あと2回か3回登板し、もしもそれぞれのゲームを1失点以内で行けて勝ち投手なら、今月のア・リーグ月間最優秀投手もありうる
Doug Fister Stats, Bio, Photos, Highlights | tigers.com: Team

球種としては以下の通りで、いつもの球種だ。カーブがよかったのは前回通りだが、前回の登板と比べると、やや変化球の割合が多かった。これには理由がある。
4シーム 35%(前の登板 35%)
2シーム 25(33)
カーブ  15(19)
スライダー 12(5)
チェンジアップ 12(7)

ま、いっても、優勝自体は想定内。
むしろ期待はダグ・フィスターのポスト・シーズン。


今日の球審はEric Cooperだったが、このアンパイアはとにかくゾーンが高い。もともと通常のアンパイアより、ゾーンがボール2個くらい高いのだ。(下の図の青線がEric Cooperのゾーン)

Eric Cooperのストライク・ゾーン

Eric Cooperよりゾーンの高いところをとる球審といえば、MLBで最も高いところをストライクコールするGary DarlingDan Lassognaか、ゾーン全体が広大なことで知られるJeff Nelsonくらいで、約100人いるMLBのアンパイアのうち、ほんの数人しかいない。

この球審のゾーンが高いのは、突然今日のゲームでだけ広くなったわけではなく、あくまであらかじめわかっていたことだ。(ちなみに、普通はボール1個か2個分広い左バッターのアウトコースが、こんなに狭い球審も珍しいわけだが、これもこのアンパイアのクセ。よく知られていて、想定内)
だからこそ、身長の高いダグ・フィスターが打者を見おろすように投げる縦変化のカーブが非常に効果的になるし、変化球をいつもより多用したピッチングは実にクレバーだったといえる。
逆に、オークランド先発のトレバー・ケーヒルは低めにシンカーを集めるのが持ち味の投手なだけに、こういうゾーンの高い球審は合わない。もっと大量失点していてもおかしくなかった。
Brooks Baseball · Home of the PitchFX Tool - Strikezone Map Tool



damejima at 13:55

September 12, 2011

前回9月5日のクリーブランド戦では、13奪三振とキャリアハイの奪三振数を記録したダグ・フィスターが、こんどは同地区のミネソタ戦で好投。108球74ストライクの安定したピッチングを披露して、移籍後6勝目を挙げた。デトロイトはミネソタのスイープに成功、9連勝。
9月に入って、同地区のクリーブランド、ミネソタとの対戦が続いたが、9月に入ってからの2ゲームでフィスターの被打率はわずか.132、WHIPもわずか0.67。2チームを完全に沈黙させ、デトロイトの首位の座を確保したのだから、この2勝は非常に高い価値がある。

ゲームをクローズしたのは、いつものホセ・バルベルデだが、ゲームセットの瞬間、獣のように数秒間吼え続けたシーンは、必見(笑)
Minnesota Twins at Detroit Tigers - September 11, 2011 | MLB.com Classic


今日の登板、グラウンドアウトが9、フライアウトが4で、いかにもグラウンドボール・ピッチャーのフィスターらしい内容。

フィスターの登板イニング数は、186.2。いま登板イニング数トップは、同じデトロイトで、今年のサイヤング賞間違いなしのジャスティン・バーランダーの229.0で、2位がCCサバシアの224.1、3位がタンパベイのジェームズ・シールズの218.0だが、今年のフィスターはこのままでいけば、MLBの一流先発投手の目安であるシーズン200イニング登板に到達するのは、ほぼ間違いない。酷い成績のままの200イニングなら意味はないが、この好成績での200イニングには非常に高い価値がある。

また、ア・リーグWHIPランキングでも、今日のゲームの前までが1.140で10位だったが、ゲーム後には1.13を切ってきた。ランキング10位以内キープは間違いない。
WHIPの良さの背景にあるのは与四球の少なさだ。今日のゲームの前までで、ア・リーグ与四球ランキングでも1.655で4位。K/BBランキングでも3.573でア・リーグ8位に入り、HR/9ランキングは0.473でア・リーグ2位(更新前)だから、これらのランキング順位もさらに良化することだろう。

まだゲームが終わって間もないのでBaseball Referenceはじめ、スタッツサイトのデータが更新されていないわけだが、フィスターの防御率はついに3.06まで下がった。これはア・リーグERAランキング10位のダン・ヘイレンについに肩を並べたことになる。
2011 American League Pitching Leaders - Baseball-Reference.com

フィスターといえば、大半のシアトルファンは「ランナーはかなり出すが、粘りのピッチングで得点を許さない」というイメージを持っているわけだが、そういうイメージはもう古くさい。
というか、フィスターに失礼

フィスターはいまや、「イニングが食えて、四球を出さず、ホームランも打たれず、ランナーを出さず、防御率も最高レベルで、ア・リーグ最高の先発ピッチャーのひとり」である。

たいしたものだ。


前回9月5日の登板では、記憶では4シーム、チェンジアップ、カーブ程度のシンプルな球種だけを使ってクリーブランドから13三振を奪ったような記憶があるが、今日はストレート系では2シーム(33%)と4シーム(35%)を同じくらいのパーセンテージ使い分けて、あとはカーブ(19%)、スライダー(5%)、チェンジアップ(7%)という感じの配球で、2シームを多用した点に特徴がある。
クリフ・リーエリック・ベダードジャロッド・ウオッシュバーンと、シアトルには「カーブ使い」に長けたヴェテラン投手がたくさんいた。フィスターもどうやら、こうした「カーブ使いの名手」の仲間入りができそうだ。

逆にいうと、そういう「身近にいてくれて若手が学ぶことのできるヴェテラン投手を次から次へトレードし、さらには彼らから何かを学んだ中堅投手さえもトレードしてしまうズレンシック無能の極みということでもある。
学ぶべきヴェテランもいないキャリア不足の投手陣で、何をどう再建するというのだ。馬鹿か、と、言いたい。



日本の自称マリナーズファンというかチームオタの一部に、フィスターについてどういう評価があったかを知るには、次のリンクをクリック(笑)→続きを読む

damejima at 06:13

September 06, 2011

デトロイト対クリーブランドのア・リーグ中地区首位決戦第1戦は、ダグ・フィスターの素晴らしいピッチングと、今季素晴らしいバッティングを披露しているビクター・マルチネスの3ランで、デトロイトが先勝した。
優勝にわずかな望みを託すクリーブランド先発は、好投手ウバルド・ヒメネスで、しかもデトロイトはビジターだから、この勝利には非常に高い価値があるのは言うまでもない。
Detroit Tigers at Cleveland Indians - September 5, 2011 | MLB.com Classic


ダグ・フィスターは、キャリアハイとなる13三振を奪った。特に上位打線の1番から4番まで4人の打者から2つずつ三振を奪い、クリーブランド打線を封じ込めた。
3回裏には2死満塁のピンチがあったが、ここで3番カブレラを簡単に追い込んでおいて、クリフ・リーばりのカープで三振に仕留めるのだから、たいしたものだ。
フィスター13奪三振 動画(MLB公式):
Baseball Video Highlights & Clips | DET@CLE: Fister fans 13 over eight dominant frames - Video | MLB.com: Multimedia

デトロイト公式サイトのトップ記事のタイトルも、3ランを打ったビクター・マルチネスではなく、Fister's 13 K's help Tigers pad division lead と、フィスターが主役だ。

松坂を(あるいはヘルナンデスでもいいが)思い出してもらうとよくわかると思うが、三振をとろうとすると、早いカウントから打たせてとるわけではないわけだから、どうしても球数というのは増えてしまう傾向がある。
だが、今日のフィスターは、13三振を奪いながら、8イニングを、わずか101球(72ストライク)で投げ切ってしまったのだ。少ない球数でたくさんの三振をとるのは、よほどの実力がないとできるものではない。まったく文句のつけようがない。


この日、クリーブランドの先発ヒメネスも、打たれたヒットは、4回に打たれたわずか2本のみ。彼の絶好調とまではいえないにしても、ピッチング全体はそれほど悪くはなかった。だが、その2本が致命傷になってしまった。
デルモン・ヤングにヒットを打たれた後、ミゲル・カブレラはフルカウントから四球。1死1,2塁となって、5番ビクター・マルチネスに、2-2から甘く入ったストレートをライトスタンドの奥深くに放り込まれた。

何度も書いてきたことだが、今シーズンのビクター・マルチネスはほんとうに素晴らしいバッティングを披露していると思う。この3ランも、「甘く入ったボールだから、ホームランにできて当たり前」なんて、まったく思わない。そんなことを言う人がいたら、逆に聞いてみたい。
「ここぞという大一番で、もしど真ん中にボールがきたとして、確実にホームランにできますか?」
中地区優勝をまだ諦めてないクリーブランドの最後の望みを断ち切るような、素晴らしいホームランだ。
ビクター・マルチネス3ラン 動画(MLB公式)
Baseball Video Highlights & Clips | DET@CLE: Martinez belts a three-run shot to right - Video | MLB.com: Multimedia

2011年9月5日 ビクター・マルチネス 3ラン 投手ヒメネス



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damejima at 09:26

September 05, 2011

キャスパー・ウェルズ


典型的ローボールヒッター
マトモな選手なら全員が持っているべき、「腕をたたんでインコースをスイングする技術」そのものがない。よくこんな選手を獲得してくるものだ。
当然のことながらインコースが苦手。メジャーのバッターがシーズン通してプレーできる選手になるには、「ひと目でわかる欠点があること自体が致命的だ。この選手はメジャーのバッターにはなれない。断言できる
ヒッティング・カウントについては、典型的なMLBの早打ちタイプ。2球目、3球目に勝負をかけてくる。0-2、1-2、2-2、フルカウントと、2ストライクをとられたあらゆるカウントでのバッティングで、スタッツがガクンと下がる。
P/PAは4.04なのに、BB/PAが去年より悪化していることからわかるように、基本的には3球目までに勝負が決着する典型的早打ち打者。四球を選ぶタイプではない。

高めが苦手。速球に強いカイル・シーガーと違って、高めの早い球についていけなさそうだ。マイク・カープと違って、チェンジアップは得意。
投手は、インコース、高めが苦手なこと、早いカウントから打ってくること、きわどいコーナーの球でも器用に打てる打者だが同時にボール球でも振ってくる打者でもあることなどを頭に入れて対戦すればいい。

得意球種はチェンジアップ、カットボール、苦手球種はシンカー、スライダー、カーブ。
持ち球の関係で、どうしてもウェルズの得意なカットボールを投げたいのなら、苦手なのが明白なインコースに投げるべきだし、同じように、ウェルズの得意なチェンジアップを投げたいなら、ストライクにせず、ボールにする球として投げることで、安全性が高まる。
ローボールヒッターのウェルズへのフィニッシュとして、苦手な高めにストレートで押して三振でもさせるか、ボールになる外の変化球を空振りか凡退させるか、迷うところだが、無理せず、低めの、それもボールになる変化球を投げて凡打させておけばすむ。
ただ、8月末のホワイトソックス戦のデータから、苦手意識があるのは球種よりも「コース」らしいので、球種はそれほど気にしなくていいかもしれない。

ローボールヒッター
2ストライクをとられると、打てない
インコース、高めが苦手
シンカーがまったく打てない
たとえ得意球種でもインコースに投げられると打てない
追い込まれると、ボール球に手を出すクセ


得意カウント 1-0、0-1、1-1、2-1(特に1-1)
苦手カウント 0-2、1-2、2-2、3-2
得意球種 チェンジアップ、カットボール
苦手球種 スライダー、カーブ、(8/27追記 シンカー
得意コース アウトロー、インロー
苦手コース 高め、インコース
得意チーム BOS,MIN,OAK.TEX
苦手チーム LAA,CLE
Casper Wells Hot Zone | Seattle Mariners | Player Hot Zone | MLB Baseball | FOX Sports on MSN

クリーブランド戦でのデータ
第1戦
第1打席 インコース シンカー 死球
第2打席 アウトロー ストレート シングルヒット
第3打席 アウトロー ボール球シンカー ライトフライ
第4打席 アウトコース ハーフハイト ボール球のストレート セカンドゴロ
Seattle Mariners at Cleveland Indians - August 22, 2011 | MLB.com Classic

第2戦
第1打席 インコース高め シンカー サードゴロ
第2打席 ど真ん中 シンカー ファーストゴロ
第3打席 インコース真ん中 ボール球シンカー 空振り三振
第4打席 真ん中高めのストレート 空振り三振
Seattle Mariners at Cleveland Indians - August 23, 2011 | MLB.com Classic

第4戦
第1打席 アウトロー ボール球のカットボール 空振り三振
第2打席 ややインコースより ど真ん中のシンカー ファーストフライ
第3打席 アウトコース ボール球のカットボール セカンドフライ
第4打席 アウトロー スライダー サードフライ
第5打席 インコース カーブ 見逃し三振
Seattle Mariners at Cleveland Indians - August 24, 2011 | MLB.com Classic

対ホワイトソックス ジョン・ダンクス
第2戦
第1打席 外のチェンジアップ 空振り三振
第2打席 インコース低め ボール球のカットボール 空振り三振
第3打席 インコース低め ストライクになるカットボール 空振り三振
Chicago White Sox at Seattle Mariners - August 27, 2011 | MLB.com Classic

クリーブランドの「シンカー」パターン
インコースのカットボールで追い込み、
高めからシンカーを落として空振りさせる

配球の細かい部分は省略させてもらったが、クリーブランドの投手たちは、インコースのカットボールで追い込んでおいてから、シンカーを投げて凡退させるパターンを多用している。持ち球にスプリッターのある投手なら、シンカーのところをスプリッターでも代用できるだろう。
カットボール自体はウェルズの得意球種のはずだが、苦手なインコースに投げられると、とたんにミートできなくなる。ウェルズは球種の得意不得意よりも、よほどインコースに苦手意識があるとみた。
逆にいうと、「苦手なコースのあるバッターとの対戦」においては、球種がたとえそのバッターの得意な球であっても、苦手コースにさえ投げられるなら、なにも怖がる必要はなく、むしろ、凡退させるのに絶好な切り札にできるということ。勉強になる(笑)

ホワイトソックス ジョン・ダンクスの
「カットボール」パターン

高めの球で追い込み
インローのボールになるカットボールで三振

ウェルズを3打席3三振させたホワイトソックスのジョン・ダンクスも、ウェルズの弱点である「高め」「インコース」といった「コースの弱点」を徹底的に突いている。最初に高めを多投して追い込んでおき、最後はインコース低めの完全にボールになるカットボールを振らせるのが、ダンクスのパターン。クリーブランドも使っていた「インコースのカットボール」がここでも使われている。


打席例

2011年8月30日 エンゼルス戦 5回裏
三振
インコースのストレート。彼がインコースが苦手らしいのは、もう、よーくわかっているが、0-2、1-2、2-2、3-2、あらゆる2ストライク後のバッティングが苦手なバッターでもある。
1-2と追い込んだ後は、何も考えず漫然とピッチングしている投手なら、よくありがちな「追い込んだら、アウトコースの低め」とかいう知恵のない、紋切型の配球をしてしまう典型的なシチュエーションなわけだが、きっちりインコースに厳しい配球をしてくるところに、今日のソーシアの「絶対に勝つんだ」という「やる気」を感じた。
2011年8月30日 5回裏 ウェルズ三振


2011年9月9日 カンザスシティ戦 2回裏
三振
アウトコースのシンカーで3球三振。「シンカーがまるっきり打てない」というスカウティング通りで、驚くにはあたらない。
むしろ、見てもらいたいのは2球目アウトローのチェンジアップ。キャスパー・ウェルズの得意な球種とコースであり、ストライクをとろうと思っていたらヒットになっていた球だ。空振りをとれたのは、たまたま低めに外れたため。投手はジェフ・フランシス。シアトル打線に痛打されまくって自責点5で3回もたなかったが、この2球目の不用意さから、ピッチングの幼さがよくわかる。
2011年9月9日 ロイヤルズ戦 2回表 キャスパー・ウェルズ 三振



damejima at 01:52
カイル・シーガー

典型的なストレート系ヒッター
けして、カープのようなローボールヒッターではないにもかかわらず、なぜかカープと並んでシアトルで最もフライアウト率が高い打者でもある。たぶんスイングそのものにフライになる原因があるのだろう。

スライダーへの苦手意識
いかんせん低めが苦手なのが、メジャーのプレーヤーとしてやっていく上で致命的なのは明らか。ハーフハイトの甘い球を仕留めるのは得意。スライダーへの苦手意識は相当なものがありそうだが、その元をたどると「低めの球への苦手意識」に辿り着く。
対戦する投手は、球が浮かないようにコントロールに気をつけつつ、低めの変化球で勝負しておけばいいだけ。このことが、対戦チーム全体に浸透するのに、そう時間はかからないはず。
同地区のライバルとしてこれから数多く対戦しなければならないア・リーグ同地区のエンゼルス、テキサスには、既に低スタッツが既に残されている。同地区だけに、新人といえども既にある程度スカウティングされてしまった、とみなければならない。

得意カウント 初球、1-1、2-0、2-1、3-1、0-2、
苦手カウント 1-2、2-2
得意球種 カットボール、ストレート
苦手球種 スライダー
得意コース インロー、ハーフハイト、
苦手コース アウトロー、真ん中低め
苦手投手 しいて言えばフライボール・ピッチャー
苦手チーム LAA,TEX
Kyle Seager Hot Zone | Seattle Mariners | Player Hot Zone | MLB Baseball | FOX Sports on MSN


打席例

2011年8月26日 ホワイトソックス戦 第1打席
センターフライ
外低めのチェンジアップ。
2011年8月26日 カイル・シーガー 第1打席


2011年8月26日 ホワイトソックス戦 第2打席
二塁打
真ん中のストレート。ストレートの強いバッターに、ストレート3連投、しかもど真ん中では打たれて当然
2011年8月26日 カイル・シーガー 第2打席


2011年8月26日 ホワイトソックス戦 第3打席
センターフライ
真ん中低めのカーブ。スカウティングどおり。
2011年8月26日 カイル・シーガー 第3打席


2011年8月26日 ホワイトソックス戦 第4打席
空振り三振
外低めにはずれるチェンジアップ。初球、2球目と、得意なはずのインコース、ハーフハイトの球を連続して見逃しているあたり、やはり、スライダーによほどの苦手意識があるのだろう。早いカウントでは得意なストレート系に絞って待っていることが、よくわかる。
2011年8月26日 カイル・シーガー 第4打席


2011年8月29日 エンゼルス戦 8回裏
三振
アウトコースのスライダー。オリーボにヒットを許し、ソーシアは次のキャスパーを敬遠させて、1死1、2塁にしてまでキャスパーと勝負し、ダブルプレーをとりにきた。つまり、それだけ「打ちとる自信があった」ことになる。
この場面で高橋尚は「ストレート系ヒッター」カイル・シーガーに、ストレートを初球、3球目と投げているのだが、これはちょっと危ない。3球目のストレートは少し浮いていて、タイムリーを打たれても不思議ではなかった。
この打席、最後は、このブログのスカウティングどおり、シーガーが大の苦手にしている「アウトローのスライダー」で三振させているのだが、どうも高橋尚投手は、きちんと相手打者のスカウティングをきちんと反映して投げていると思えない投球をする。
2011年8月29日 8回裏 シーガー三振 投手 高橋尚


2011年8月30日 エンゼルス戦 4回裏
ダブルプレー
初球のアウトローのストレート。ストレートは得意球種のはずだが、「いくら好きな球種でも、それが苦手なアウトローに来たときには、凡退する」、それくらい、シーガーのアウトローへの苦手意識は強い。あえて打者の好きな球種を、その打者の苦手なコースに投げることは、コントロールさえ気をつければ非常に効果がある。
2011年8月30日 4回裏 シーガー ダブルプレー


2011年8月31日 エンゼルス戦 2回裏
二塁打
インコースのカットボール。
このバッターが最も苦手にする「アウトコースのスライダー」に翻弄され続ける様子は、既に一度書いた。この打席でも、2球目のど真ん中のカーブを見逃している理由は、非常によくわかる。このバッターはゆっくり大きな動きをする変化球についていけないので、こういうボールを最初から諦めているからだ。
このバッターは、ストレートかカットボールが自分の得意コースのインローやハーフハイトに来るのだけをひたすら待ち受けているような、「定置網の漁師」みたいな打者なのだから、「インコースのストレート系」はもちろんタブーだ。
このヒットを打たれたのは2回裏だが、試合終盤になって集中力が切れてきたときに、結局ダン・ヘイレンのピッチングはどんどん緩んでしまい、打者のスカウティングを無視して、自分の好きな球を漫然と投げ込んでしまうことになって失点した。
2011年8月31日 カイル・シーガー 二塁打 SEAvs.LAA





damejima at 01:37
若手打者の打撃傾向についてあれこれ書いているうちに、複数の記事に書き散らして内容が散逸してしまっているので、「打者ごと」にまとめなおして保存しておくことにした。過去の記事と内容がダブるのだが、ご容赦願いたい。

まずは、マイク・カープから。


マイク・カープ

典型的なローボールヒッター、それも「インコースのローボール」に限られる。この打者が典型的なフライボールヒッターなのは、そのためだ。
スタッツを稼ぐのは、大半が「得意コースであるインコースの低い球を打ったフライかライナー」によるもの。ゴロさえ打たせておけば、まったくノーチャンスだ。
三振させる配球パターンが非常にハッキリしている打者でもあり、三振は非常にとりやすい。追い込んでおいて、外の高めのストレート、アウトローの変化球、インローのボールになる変化球、3つのうちどれかを投げておけばいいだけだ。逆にいうと、こんなわかりやすいバッターに長打を打たれてしまうような投手は、スカウティングに関心がない知恵の足りない投手だ。
メジャーに上がった直後に数字を残したが、BABIPの異常に高い打者であることからわかるように、「まだスカウティングされていなかった」のに加えて、単に「運がよかっただけ」

フライボール・ピッチャー(それもスカウティングに関心の低い投手)にとっては非常に嫌なバッターだが、グラウンドボール・ピッチャーにしてみれば、これほどダブルプレーをとりやすいバッターはいない。ランナーが1塁にいるケースでは、アウトコースの変化球でゴロを打たせてダブルプレーに仕留めるのを狙うべき典型的なバッターだ。

ランナーズ・オンでの初球打ち
ランナーズ・オンと、そうでないときでスイングするカウントを変えるという、独特のカウント感覚を持っている。
なんとなくだが、「投手の油断やスキの出るカウントで強振してくる変則的な傾向」をもっていると思われる。「ここはスイングしてこない」と投手が油断しがちなカウントで、不意打ちをくらわせるように強振してスタッツを稼ぐバッターだ。
ランナーが得点圏にいるケースでの初球打ちが、異常に得意。チャンスの場面でけして待球せず、初球から思い切って打ちに出る奇襲策でタイムリーを稼いできた。8月末のエンゼルス戦までの「初球打率」は、なんと6割を超え、OPSが1.455もあった。(AVE.636 OBP.636 SLG.818 OPS1.455)
投手は、ランナーが二塁にいるは、ストライクをとりたいだけのために、初球に低めのスライダーやカットボールを不用意に投げないことだ。
ランナーが出たからといって、マリアーノ・リベラがよくやる手を使って、カットボール、あるいはインコースのボールを詰まらせてセカンドゴロを打たせ、ダブルプレーに仕留めよう、などとカッコつけると、むしろ投手のほうが墓穴を掘ることになる。それはカープの最も得意な球種とコースなのだ。結構な数の投手がこの「ランナーを出した直後の初球に、インロー」のパターンで失敗している。
ここはむしろ、例えばランナーを十分に牽制しておいて、盗塁される危険性も覚悟で、カープの苦手なチェンジアップやカーブを勇気をもって投げることで、ダブルプレーという最良の結果を手にすべき。もし、ゴロでなく、空振り三振に仕留めたい満塁のようなケースでは、外の球で追い込んでおいて、カープの得意コースであるインローに、苦手球種のカーブかチェンジアップを「ボールになるように」投げるのが最適。
ちなみに、ア・リーグ東地区の投手との相性がいいのは、カープの得意なカットボールを多用したがる投手が多いためではないか。

ランナーのいないケースでは、逆にボール先行カウントになるまで待つ傾向もあるので、必ずしも早打ち打者というわけではない。あくまで、ヒッティングするカウントは、ランナーの有無によって変わる。
また、初球打ちが大得意な反面で、早打ち打者の多いMLBにあって誰もがヒッティングカウントにしている「カウント0-1」を苦手にしているのは、非常に珍しい。投手側の計算としては、初球さえファウルを打たせることに成功したら、2球目を振ってこないカープが見逃すような変化球で追い込んでおけば、あとは投手の勝ちだろう。
カイル・シーガーと非常に対照的なバッティング傾向をもつため、この2人の打席が連続するスタメンでは、どちらかが打ち、どちらかが凡退する光景が非常によくみられる。

得意カウント 初球、2-0、1-1、3-1、3-2
特に初球打ち AVE.636 OBP.636 SLG.818 OPS1.455 BABIP.636
苦手カウント 0-1、1-2、2-2
得意球種 スライダー、カットボール
苦手球種 チェンジアップ(特にアウトロー)、外高めのストレート
得意コース インロー(典型的なローボールヒッター)
苦手コース 高め
苦手投手 グラウンドボール・ピッチャー
得意チーム NYY,BOS,TOR
Mike Carp Hot Zone | Seattle Mariners | Player Hot Zone | MLB Baseball | FOX Sports on MSN


打席例

2011年8月26日 ホワイトソックス戦 1回表
ダブルプレー
苦手球種のチェンジアップ。下に挙げた9月2日 オークランド戦のキャッチャーフライと同じボール。典型的なローボールヒッターだが、アウトローのチェンジアップは、低めでも打てていない。たぶん球種が問題なのだろう。
2011年8月26日 ホワイトソックス戦 1回表 カープ ダブルプレー 


2011年8月29日 エンゼルス戦 8回裏
2ランホームラン
得点圏にランナーがいるケースのカープに「初球、インコース、スライダー」だけは、絶対に投げてはならない球だ。そのコースだけ、その球種だけを待ち受けているところに、指定どおりのコース、球種を投げれば、飛んで火にいる夏の虫、そりゃ打たれるに決まってる。
2011年8月29日 8回裏 カープ 2ラン 投手 高橋尚


2011年8月31日 エンゼルス戦 7回裏
シングルヒット
インローのカットボール」は、カープの最も得意な球のひとつ。スカウティングにピッタリあてはまる。
投手はダン・ヘイレンだが、初球、2球目と、カープの得意な「インローのカットボール」を連投してヒットを打たれているのだから、どうみても「不用意な配球」としかいいようがない。
2011年8月31日 マイク・カープ シングル


2011年9月2日 オークランド戦 3回表
キャッチャーフライ
苦手球種のチェンジアップ。。典型的なローボールヒッターで、インローのスライダーやカットボールは非常に得意だが、チェンジアップは、いくら低めでも打てていない。
2011年9月2日 SEAvsOAK カープ キャッチャーフライ


2011年9月3日 オークランド戦 4回表
空振り三振
苦手な高めのボール球を振って、三振。このゲームでは3三振しているが、三振した球は全部が「高めのストレート」。
2011年9月3日 ホワイトソックス戦 4回表 カープ 三振


2011年9月3日 オークランド戦 7回表
空振り三振
高めを苦手とするカープが高めのストレートについていけず、空振り三振すること自体は、別に驚くようなことでもない。だが、初球の「インローのスライダー」を見送ったのには、ビックリした。「初球、インロー、スライダー」とくれば、このローボール・ヒッターの黄金パターンのはず。だが、カープはスイングしなかった。
と、なれば、考えられる理由はひとつしかない。「ランナーがいないイニングの先頭打者だったから」だ。得点圏にランナーがいるときのカープなら、間違いなくこの球をフルスイングしていたはず。
やはりこのバッターは「ランナーの有無によって、スイングするカウントと、待つ球種が変わるバッター」なのは、たぶん間違いない。
2011年9月3日 ホワイトソックス戦 7回表 カープ 三振


2011年9月3日 オークランド戦 9回表
見逃し三振
やはり「高めのストレート」はは苦手なのだろう。この打席では全球ストレートを投げられて、2球のストライクを見逃して三振している。
2011年9月3日 ホワイトソックス戦 9回表 カープ 三振


2011年9月4日 オークランド戦 3回表
ダブルプレー
1死1塁の場面。インローのシンカーでダブルプレー。本来はインローの得意なバッターだが、チェンジアップが苦手なのと同様、シンカーも苦手らしい。3球目のカーブも空振りしている。
2011年9月4日 アスレチックス戦3回表 カープ ダブルプレー


2011年9月4日 オークランド戦 5回表
2死1,2塁 ピッチャーゴロ
アウトローのシンカー得点圏にランナーがいる打席だから、カープが初球をスイングしてくる典型的なパターンだ。ピッチャーは、シンカー投手のトレバー・ケイヒル
もしここで不用意に「インローのスライダー」なんかを投げてしまうと、確実にタイムリーを食らうわけだが、投手ケーヒルのチョイスは「アウトロー」。ゴロを打ったら、典型的なフライボールヒッターのカープはノーチャンスだ。
2011年9月4日 オークランド戦 5回表 カープ 投ゴロ


2011年9月11日 カンザスシティ戦 7回裏
先頭打者 三振
アウトローのチェンジアップは、最もカープを三振させやすい球(他には、外高めのストレートも有効)。スカウティングに熱心でないエンゼルスと違って、カンザスシティはもともと分析好きの土地柄なせいか、カープにインコースの球をほとんど投げない。この打席も、苦手なアウトコース、そしてチェンジアップと、スカウティングどおりの攻めで3球三振。
2011年9月11日 ロイヤルズ戦 7回表 カープ 三振


2011年9月12日 ヤンキース戦 8回裏
無死1塁 ダブルプレー
カープがダブルプレー打を打つときのお約束の「アウトロー」。ランナーが1塁にいるときに、カープにアウトローに投げない投手は、スカウティングしてないと思うくらい、当たり前の配球。そろそろアウトローを苦手コースに加えてもいいかもしれない。
2011年9月12日 ヤンキース戦 8回裏 カープ ダブルプレー





damejima at 01:23

September 02, 2011

夏になって西地区首位のテキサスを猛追していたはずの8月のエンゼルスだが、もうひとつ追い上げムードの波に乗り切れていない理由が、なんとなくシアトルの4連戦でみえてきた。どうも、こう、鉄壁の緻密さでゲームに臨んでいるはずのマイク・ソーシアらしからぬ「雑さ」が、特に投手に見えるのである。
4連戦初戦に決勝2ランを許した高橋尚といい、自責点2ながら若いバッターに不用意なヒットを許してしまうダン・ヘイレンといい、マイク・カープにシンカーを4連投して決勝2点タイムリーを打たれたスコット・ダウンズといい、こう言ってはなんだが、エンゼルスの野球も大雑把というか、緩くなったものだと思う。
さしもの闘将マイク・ソーシアも、ちょっと年をとったのかもしれない。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年8月29日、高橋尚投手の「打たれるべくして打たれた」決勝2ラン。

Los Angeles Angels at Seattle Mariners - August 31, 2011 | MLB.com Classic


7回裏 マイク・カープ
シングル
打ったのは「インローのカットボール」。マイク・カープは何度も書いたように、典型的ローボールヒッターだ。得意球種はスライダーカットボール。苦手球種はチェンジアップ。特に得点圏シチュエーションでの初球打ちなどにも強い特徴がある。
「インローのカットボール」はスカウティングにピッタリあてはまるカープの最も得意な球のひとつだ。投手はダン・ヘイレンだが、初球、2球目と、同じ「インローのカットボール」を続けて投げて打たれたヒットだから、不用意な配球としかいいようがない。

2011年8月31日 マイク・カープ シングル


左打者へのインコースのカットボールといえば、ヤンキースのマリアーノ・リベラがすぐに思い出されるが、前にも書いたことを引用すると、同じ左打者のインコースのカットボールによる配球でも、マリアーノ・リベラなら、こういうふうには攻めない。

リベラの典型的な「カットボール・パターン」は、カットボールを2球連投したりしない。まずカットボールをインコースに投げてえぐっておいたなら、次のボールに選択するのは、カットボールではなくて、「ストレート」だ。
この配球を打者側からみると、インコースをえぐるカットボールで腰を引いた直後に、同じようなコースに同じような球速のボールが来るわけだから、自分では十分に踏み込んで打っているつもりなのに、実際には無意識に腰を引きながらスイングしてしまっている、とか、自分ではストレートをスイングしているつもりなのに、無意識にカットボールにあわせるスイングをしてしまって、ひっかけるようなバッティングになったりしてしまう。
リベラの配球の妙は、100マイル近い豪速球を投げておいてからスプリットで空振りさせるような「大げさな変化」ではなくて、カットボールとストレートの「ほんのわずかな違い」を使って、プロの打者の「素人にはない反射神経」や、「動くカットボールにさえ反射的に対応ができてしまう、プロのバットコントロール」を逆に利用している点だ。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年5月28日、アダム・ケネディのサヨナラタイムリーを生んだマリアーノ・リベラ特有の「リベラ・左打者パターン」配球を読み解きつつ、イチローが初球サヨナラホームランできた理由に至る。


カイル・シーガー
2回裏 二塁打
打ったのは、上のカープと同じ「インコースのカットボール」。ストレート系ヒッター、シーガーが最も得意とする球種であり、コースだ。得意球種がストレート、カットボール、苦手がスライダー。得意コースは、インローとハーフハイト、苦手が、真ん中低めとアウトロー。
このバッターが最も苦手にする「アウトコースのスライダー」に翻弄され続ける様子は、既に一度書いた。
この打席でも、2球目のど真ん中のカーブを見逃している理由は、非常によくわかる。このバッターはゆっくり大きな動きをする変化球についていけないので、こういうボールを最初から諦めているからだ。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年8月27日、予想通り1ヶ月で燃え尽きたズレンシックとエリック・ウェッジ演出による8月の線香花火大会。1ヶ月で擦り切れるのがわかっているドアマットの取り換えみたいな「マンスリー・リサイクル」の馬鹿馬鹿しさ。

このバッターは、ストレートかカットボールが自分の得意コースのインローやハーフハイトに来るのだけをひたすら待ち受けているような、「定置網の漁師」みたいな打者なのだから、「インコースのストレート系」はもちろんタブーだ。
このヒットを打たれたのは2回裏だが、試合終盤になって集中力が切れてきたときに、結局ダン・ヘイレンのピッチングはどんどん緩んでしまい、打者のスカウティングを無視して、自分の好きな球を漫然と投げ込んでしまうことになって失点した。

2011年8月31日 カイル・シーガー 二塁打 SEAvs.LAA


ダン・ヘイレンについてこうして書いていると、スカウティング関係なくピッチングしているように見えるタンパベイのジェームズ・シールズを思い出した。
いいピッチャーなんだけどな。ジェームズ・シールズ、ダン・ヘイレン。彼らには、クリフ・リーロイ・ハラデイを見ているときに感じる「ピッチング芸術」を感じない。

だから彼らのファンになるところまでいかない。
残念だ。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年6月3日、打者のスカウティングを全く頭に入れてなさそうに見えるタンパベイのJames Shields。



damejima at 08:25

August 31, 2011

いやー、惜しかった。
もしかすると、完全試合か? と、思わせる「芸術的」ピッチングだった。


カンザスシティとの第2戦に登板したダグ・フィスターだが、6回終了時点まで、すべてのイニングを3者凡退に切ってとるパーフェクト・ピッチング
試合後、デトロイトの監督リーランドは両軍投手のピッチングについて「art of pitching(芸術的ピッチング)」と、手放しでほめたたえた。
Leyland said. "And I think you saw the art of pitching at its best tonight from both sides."
Kansas City Royals at Detroit Tigers - August 30, 2011 | MLB.com DET Recap

7回こそ、先頭打者に二塁打を打たれて気持ちが少しだけ途切れて、味方が得点する前に1失点してしまい、残念ながら勝ち星こそつかなかったが、それでも、1失点で7回2/3。それもたったの94球(65ストライク)での結果だ。十分すぎる。
そしてチームは10回裏にサヨナラ勝ちで首位キープ。文句のつけようがない。
Kansas City Royals at Detroit Tigers - August 30, 2011 | MLB.com Classic

今日のゲーム、初回のソフトライナーと4回のフライアウトの2つの例外を除いて、6回までの16アウトがすべてが「ゴロ」と「三振」。それも「無四球」なのだ
これはピッチャーとして本当に素晴らしい。

以前、フィスターが良くなった理由として、「グラウンドボール・ピッチャーに変身できたこと」を挙げておいたが、まさに今日のゲームで証明してくれた。
いまやダグは、ア・リーグBB/9ランキング3位HR/9ランキング2位移籍後のK/BB(SO/BB)は、なんと、8.50の超ハイパーな数字で、2010年ナ・リーグ サイヤング賞投手ロイ・ハラデイの7.30より優れた数値。
堂々たる一流である。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年7月31日、「広い球場は、投手有利」というのは、ただの固定観念にすぎない。だからこそ、せっかくグラウンドボール・ピッチャーに変身を遂げたダグ・フィスターを売り払ってまでして外野手を補強してしまうシアトルは、どうしようもない馬鹿である。

2011年ア・リーグ BB/9ランキング
1. Tomlin (CLE)  1.143
2. Haren (LAA)  1.248
3. フィスター (SEA、DET)   1.752
4. Pavano (MIN)  1.790
5. Francis (KCR)  1.830
2011 American League Pitching Leaders - Baseball-Reference.com

2011年ア・リーグ HR/9ランキング
1. Masterson (CLE)  0.288
2. フィスター (SEA、DET) 0.464
3. Sabathia (NYY)   0.615
4. Weaver (LAA)    0.626
5. Wilson (TEX)     0.677
2011 American League Pitching Leaders - Baseball-Reference.com

デトロイト移籍後
BB/9(9イニングあたりの四球数) 0.6
K/BB 8.50
K/BBは三振数を四球数で割った数値で、SO/BBとも書く。投手の力量をもっともシンプルに測るスタッツで、3点台なら優秀といわれる。

参考:2010年MLB 最優秀K/BB
ア・リーグ クリフ・リー 10.28
ナ・リーグ ロイ・ハラデイ 7.30


よく野球ファンが、大振りのバッターについてだけでなく、投手についても、「三振か、ホームランか、四球」という言い方をするように、ゴロアウトと奪三振は往々にして両立しないものだ。
簡単な話、ストレートで押すタイプの投手をみればわかる。たいていは、ストレートの球威を保つためにコントロールを多少なりとも犠牲にしている。そうすると、三振は多くとれる反面で、ちょっと間違うと四球連発、ホームラン、なんて悲惨な結果になりやすくなるのが、速球投手のよくあるパターンだ。


ダグ・フィスターの場合は違う。適度に三振も奪いつつ、なおかつ大半の打者に内野ゴロを打たせるという、理想的ピッチングができる。こんな投手、探したって、なかなかいない。ベンチの監督から見て、これほど安心できるピッチャーはいない。
前にも何度も書いているとおり、コメリカ・パークというボールパークは「センターが馬鹿みたいに広大なスタジアム」であり、フライが上がる、ということは、イコール、かなりの確率で長打が生まれる、という意味になる。
グラウンドボール・ピッチャーがどれほど貴重なものか、平日のゲームにもかかわらずスタジアムに詰めかけた34866人ものデトロイト・ファンもしみじみ思っていることだろう。
フィスターを放出した無能なズレンシックのトレードがWIN-WINだ、なんて言ってる馬鹿がいたら、そいつに話かけるのはやめたほうがいい。なぜなら、一切の例外なく、哀れな野球音痴だからである。

Doug Fister Statistics and History - Baseball-Reference.com



damejima at 15:09
今日は、気のゆるみがみられた29日の初戦とは一転してマイク・ソーシアらしいソツのないゲーム。徹底して足を使って容赦ない攻撃をしかけ、投げては、打者のウィークポイントを徹底してついてきている。

欠点やミスは誰にでもある。
問題なのは、「みつかった穴が、修理・修正できるものであれば即座に修正を促していく修正のスピード、修正できない欠陥かどうかを判断する見極めのスピード、修正できない欠陥を部品ごと交換する踏ん切りのスピード、これらのスピードの速さ」だ。
シアトルの仕事ぶりは常に、日本のお役所仕事の「のろまさ」に似ている。この10年、「城島問題」へのカタツムリが這うような極端にノロい対応ぶりだけでなく、大きな判断ミスを繰り返し犯し続けたGMの交代の遅さ、意味も目的もわからないトレードによる戦力ダウン、修正できない欠点が既にスカウティングされているプレーヤーでも起用しつづける無能な選手起用による勝率ダウン、チーム運営のあらゆる点について、「スピーディーな対応」というものを、「かけら」すら見たことがない



カイル・シーガーの「球種」と「コース」(=ストレート系が得意。スライダー、アウトローが苦手)、キャスパー・ウェルズの「コース」(=インコース、縦の変化が苦手)、マイク・カープの「カウント」(=スライダー、インローが得意。得点圏走者での初球打ちなど)などのスカウティングポイントを引き続き検証してみた。
元記事:ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年8月27日、予想通り1ヶ月で燃え尽きたズレンシックとエリック・ウェッジ演出による8月の線香花火大会。1ヶ月で擦り切れるのがわかっているドアマットの取り換えみたいな「マンスリー・リサイクル」の馬鹿馬鹿しさ。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年8月27日、キャスパー・ウェルズがデトロイト時代に頻繁に対戦していたア・リーグ中地区の投手たちが、ウェルズをどう凡退させるのか、観察してみた。

まだゲームは終わってないのだが、当初の判断が正しいことがよーくわかった。わかってしまえば、もうつまらない。カープのタイムリーにしても、「え? なぜそこでこの打者の大好きなインローの変化球、投げちゃうわけ?」という感想しかない。
インディアンス、ホワイトソックス、エンゼルスと3カード続けてきたシアトルの若手打者の検証はこれで終わりにする。
Los Angeles Angels at Seattle Mariners - August 30, 2011 | MLB.com Classic


4回裏。カイル・シーガー
初球のアウトローのストレート。ダブルプレー。
ストレート、カットボールを得意にし、スライダー、アウトコースを苦手にするバッターだが、「好きな球種が苦手コースに来たとき」はこんな風に凡退するものだ。あえて打者の好きな球種を、その打者の苦手なコースに投げることは、コントロールさえ気をつければ非常に効果がある。
2011年8月30日 4回裏 シーガー ダブルプレー


5回裏。キャスパー・ウェルズ
4球目のインコースのストレート。三振。
彼がインコースが苦手らしいのは、もう、よーくわかっているが、0-2、1-2、2-2、3-2、あらゆる2ストライク後のバッティングが苦手なバッターでもある。
1-2と追い込んだ後は、何も考えず漫然とピッチングしている投手なら、よくありがちな「追い込んだら、アウトコースの低め」とかいう知恵のない、紋切型の配球をしてしまう典型的なシチュエーションなわけだが、きっちりインコースに厳しい配球をしてくるところに、今日のソーシアの「絶対に勝つんだ」という「やる気」を感じた。
2011年8月30日 5回裏 ウェルズ三振




damejima at 13:27
雑なプレーを見るのが死ぬほど大嫌いだ。
敵も味方も、そんなの関係ない。


首位テキサスを猛追するエンゼルスだが、シアトルとの初戦の試合ぶりを見る限り、戦略の緻密さで知られてきたマイク・ソーシアにしてはどこか雑なゲームぶりだったように思えた。本気でテキサスを追い落とす気があるのかどうか、エンゼルスらしさが、どうも伝わってこない。
Los Angeles Angels at Seattle Mariners - August 29, 2011 | MLB.com Classic

カイル・シーガーが「球種」と「コース」(=スライダー、アウトローが苦手)、キャスパー・ウェルズは「コース」(=インコース、縦の変化が苦手)にバッティングの苦手ポイントのひとつがあるように、マイク・カープの場合、「カウント」が重要ポイントのひとつで、とりわけ「カープは初球打ちが得意で、得点圏にランナーがいるケースでは特に初球を強振してくる」ということを書いたばかりだ。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年8月27日、予想通り1ヶ月で燃え尽きたズレンシックとエリック・ウェッジ演出による8月の線香花火大会。1ヶ月で擦り切れるのがわかっているドアマットの取り換えみたいな「マンスリー・リサイクル」の馬鹿馬鹿しさ。


彼のファンの方々にはたいへん申し訳ない言い方だが、高橋尚投手は自分にとって関心のある選手ではないのと、二段モーションに見えてしかたがないのもあって、いままで記事に一度も名前を出したことすらないのだが、この日のピッチングをみるかぎり、正直、雑すぎる
とてもじゃないが、緻密なベースボールで知られたソーシアのエンゼルスが、優勝を狙って負けられないゲームの同点で迎えた終盤に登板させる投手のテンションとは思えない。


8回裏の先頭打者ダスティン・アックリーに、カウント2-2から、雑な4球目を投げた後、5球目に、90マイルの力の無いストレートをど真ん中に投げてツーベースを打たれたのも情けない話だが、マイク・カープへ、よりによって「初球に、インコースの、スライダー」を投げたのは、優勝のために負けられないチームのブルペン投手として正気の沙汰ではない。

どうだ、このブログのカープに対するスカウティングが正しいだろ、とか言いたいから、言うわけではない。カープが「初球打ちの化け物」であることくらい、誰だって数字を見ればわかる。打率がなんと6割を超え、OPSが1.455もあるのだ(AVE.636 OBP.636 SLG.818 OPS1.455 エンゼルス戦前の数値)。そして、インコースと、スライダーが得意。

つまり、だ。
得点圏にランナーがいるケースのカープに「初球、インコース、スライダー」だけは、絶対に投げてはならない球なのだ。そのコースだけ、その球種だけを待ち受けているところに不用意に投げれば、飛んで火にいる夏の虫、そりゃ打たれるに決まってる。

2011年8月29日 8回裏 カープ 2ラン 投手 高橋尚



ホームランを打つまでのカープは、3打席あって、投手は元マリナーズのピニェイロ
ピニェイロのGO/AOは、ビジターでは1.43。つまり8月26日の記事で書いたとおり、ピニェイロは、カープが最も苦手にしているグラウンドボール・ピッチャーなのだ。実際、ピニェイロはカープを3打席で2度ゴロアウトにうちとって、問題なくうちとっている。
ピニェイロはカープに、初球に一度もインコースを投げていないし、スライダーも投げていない。きちんとスカウティングを守っている。
ピニェイロのカープの初球の球種とコース
1回2死  アウトコースのシンカー 外野ライナー アウト
3回2死1塁 アウトコース低めのカーブ ボール
5回2死3塁 真ん中低めのシンカー ファウル

5回の2死3塁、つまり得点圏にランナーのいるシチュエーションでは、カープは予想どおりピニェイロの初球をスイングしている(ファウル)。やはり、カープは初球を執拗に狙っている打者のは間違いない


ついでにいうと、カープに2ランを浴びた後の高橋尚のピッチングもよくない。
オリーボにヒットを許し、ソーシアは次のキャスパーを敬遠させ、1死1、2塁にしてダブルプレーをとりにいった。
この場面で高橋尚は「ストレート系ヒッター」カイル・シーガーに、ストレートを初球、3球目と投げている。3球目のストレートは少し浮いていて、タイムリーを打たれても不思議ではなかった。カープへの「初球、インコース、スライダー」といい、なんでこう配球に厳しさがないのだろう。
この打席、最後は、このブログのスカウティングどおり、シーガーが大の苦手にしている「アウトローのスライダー」で三振させているのだが、どうも高橋尚投手は、きちんと相手打者のスカウティングをきちんと反映して投げているとは思えない。

2011年8月29日 8回裏 シーガー三振 投手 高橋尚


追記: 2011.8.30
これはおまけ。翌日30日のゲームから、カイル・シーガーの4回裏のダブルプレー打。やはりシーガーは「アウトロー」が苦手。

2011年8月30日 4回裏 シーガー ダブルプレー


こういう形でスカウティングが当たっても、ちっともうれしくない。スタメンがだいぶ入れ替わってエンゼルスの野球も変質してきてしまっているのわかるが、それでもやはり、エンゼルスらしくないエンゼルスは、できることなら見たくない。
どうせならキャッチャー出身のソーシアがベンチからすべての配球のサインを出してでも、グウの音も出ないスカウティングで、得意不得意のハッキリしているシアトルの実力不足の若手くらい、ビシッとうちとってもらいたいものだ。


追記 2011.9.2
エンゼルスは上に書いたシアトル4連戦の後、アナハイムに戻って、ミネソタとの連戦を戦っているのだが、初戦を5-12で落としている。
高橋尚は、このゲームの8回無死満塁のピンチで登場したのだが、1死をとった後、ミネソタの9番打者ドリュー・ビュテラという新人キャッチャーに2点タイムリーを浴び、記録上は自責点1だが、実際には3点の失点をしている。
ビュテラという打者は、打率.168という超低打率の「打たれてはいけない」打者。データでみるかぎり、ビュテラのホットゾーンは「真ん中低め」だけしかない。
だが、高橋尚は、その「真ん中低めだけしか打てない打者」に、カウント2-2からわざわざ「最も得意な真ん中低め」を投げ、2点タイムリーを打たれてしまうのだから、いくらデータが少ない新人打者とはいえ、軽率だったと言われても言い訳のしようがない。
真ん中低めに投げてしまったのが、意図的なのか、コントロールミスだったのかどうかはわからないが、この打者のスタッツを見るかぎり、他に簡単に打ちとれる球があったはずだ。
Drew Butera Hot Zone | Minnesota Twins | Player Hot Zone | MLB Baseball | FOX Sports on MSN

Minnesota Twins at Los Angeles Angels - September 2, 2011 | MLB.com Classic

ドリュー・ビュテラのホットゾーン

2011年9月2日 LAA対MIN 投手高橋尚 打者ビュテラ



damejima at 08:42

August 28, 2011

キャスパー・ウェルズは、スタメン試合数が少ない選手だが、デトロイトから来た選手だから、ア・リーグ中地区のチームとの対戦経験は10ゲーム前後ある(シアトル移籍後の対戦を含む)。
シアトルはいまクリーブランドに続いて、ホワイトソックスとの3連戦中で、ちょうどア・リーグ中地区との7連戦だから、西地区の投手よりは多少なりともウェルズの特徴をある程度スカウティングしていると思われる中地区のピッチャーたちが、どうウェルズを凡退させるのか、観察してみた。

ウェルズのシアトル移籍後のデータだけからみた基本的特徴のうち、最もハッキリしている特徴は、以下のとおり。得意球種はチェンジアップ、カットボール、苦手球種はスライダー、カーブだが、下に書いたとおり、問題なのは球種より「コース」らしいので、あまり気にしなくていい。
ローボールヒッター
2ストライクをとられると、打てない
インコース、高めが苦手

結論から先にいうと、
新たにわかったことが、3つほどある。
シンカーがまったく打てない
たとえ得意球種でもインコースに投げられると打てない
追い込まれると、ボール球に手を出すクセ


対クリーブランド
第1戦
第1打席 インコース シンカー 死球
第2打席 アウトロー ストレート シングルヒット
第3打席 アウトロー ボール球シンカー ライトフライ
第4打席 アウトコース ハーフハイト ボール球のストレート セカンドゴロ
Seattle Mariners at Cleveland Indians - August 22, 2011 | MLB.com Classic

第2戦
第1打席 インコース高め シンカー サードゴロ
第2打席 ど真ん中 シンカー ファーストゴロ
第3打席 インコース真ん中 ボール球シンカー 空振り三振
第4打席 真ん中高めのストレート 空振り三振
Seattle Mariners at Cleveland Indians - August 23, 2011 | MLB.com Classic

第4戦
第1打席 アウトロー ボール球のカットボール 空振り三振
第2打席 ややインコースより ど真ん中のシンカー ファーストフライ
第3打席 アウトコース ボール球のカットボール セカンドフライ
第4打席 アウトロー スライダー サードフライ
第5打席 インコース カーブ 見逃し三振
Seattle Mariners at Cleveland Indians - August 24, 2011 | MLB.com Classic

対ホワイトソックス ジョン・ダンクス
第2戦
第1打席 外のチェンジアップ 空振り三振
第2打席 インコース低め ボール球のカットボール 空振り三振
第3打席 インコース低め ストライクになるカットボール 空振り三振
Chicago White Sox at Seattle Mariners - August 27, 2011 | MLB.com Classic

クリーブランドの「シンカー」パターン
インコースのカットボールで追い込み、
高めからシンカーを落として空振りさせる

配球の細かい部分は省略させてもらったが、クリーブランドの投手たちは、インコースのカットボールで追い込んでおいてから、シンカーを投げて凡退させるパターンを多用している。持ち球にスプリッターのある投手なら、シンカーのところをスプリッターでも代用できるだろう。
カットボール自体はウェルズの得意球種のはずだが、苦手なインコースに投げられると、とたんにミートできなくなる。ウェルズは球種の得意不得意よりも、よほどインコースに苦手意識があるとみた。
逆にいうと、「苦手なコースのあるバッターとの対戦」においては、球種がたとえそのバッターの得意な球であっても、苦手コースにさえ投げられるなら、なにも怖がる必要はなく、むしろ、凡退させるのに絶好な切り札にできるということ。勉強になる(笑)

ホワイトソックス ジョン・ダンクスの
「カットボール」パターン

高めの球で追い込み
インローのボールになるカットボールで三振

ウェルズを3打席3三振させたホワイトソックスのジョン・ダンクスも、ウェルズの弱点である「高め」「インコース」といった「コースの弱点」を徹底的に突いている。最初に高めを多投して追い込んでおき、最後はインコース低めの完全にボールになるカットボールを振らせるのが、ダンクスのパターン。クリーブランドも使っていた「インコースのカットボール」がここでも使われている。



damejima at 18:23
2011シーズン 選手入れ替えリスト

「ミスター・マンスリー・リサイクル」、選手入れ替えオタクのエリック・ウェッジが、今シーズンに選手を入れ替えたタイミングは、おおまかにいって、4度ある。

5月末前後
ソーンダース、ブラッドリーに見切りをつけ、ペゲーロ、マイク・ウィルソンを試しはじめた。
6月初旬
ルイス・ロドリゲス、マイク・ウィルソンに見切りをつけ、ホールマン、カープなどをコールアップ。その後アックリーをコールアップ。
7月中旬
決定的な17連敗によってポストシーズンを諦め、ペゲーロ、ホールマンに見切りをつけた
8月末
ポストシーズンを諦め最下位に沈んだことで例年通り血迷った無能GMズレンシックが先発投手2人、フィスター、ベダードを放出。ウェルズを起用しはじめ、一度使ってマイナーに落としていたカープ、シーガーを再コールアップ。
9月(予定)
いわゆる「セプテンバー・コールアップ」

資料:ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年8月16日、1ヶ月で燃え尽きる線香花火に火をつけ続けているだけ。エリック・ウェッジのなんとも貧しい「独り花火大会」。

8月以降に4回目の選手入れ替えでエリック・ウェッジが使ってきたカープシーガーウェルズが予想通り賞味期限1か月の線香花火だった。
セプテンバー・コールアップではどうせまたペゲーロでも再コールアップしてきて、シアトルのわけのわからない「2011年エリック・ウェッジ線香花火大会」は、いつのまにか尻すぼみに終わってしまうのだろう(笑)
たった1ヶ月で火が消えてしまうのがわかっている安物の蚊取り線香みたいな選手でも、火が消えたところで、相手がスカウティングしないうちにマイナーに落として、しばらくしまいこんでおけば、相手チームが忘れた時期をみはからって再び取り出し、また火をつけてやれば、また1ヶ月くらいは十分燃える
こんなドアマットの取り換えというか、素人の焚火みたいな選手起用が、能力は無い癖にいつも上から目線のエリック・ウェッジのご立派な「育成」とやらなのだから、おそれいる(失笑)
話にならない。
マイク・カープ
Last 28 days 打率.310 (BABIP .388)
14 days .240 (.310)
7 days .148  (.231)

キャスパー・ウェルズ
Last 28 days 打率.288 (BABIP .382)
14 days .242 (.235)
7 days .188 (.182)


以下に数字だけからみた3人の打者の傾向をあげてみた。ネット上で誰でも入手できる簡単なデータからですら、多少なりともわかることはあるのだから、来シーズン、プロのスカウティングマンの手にかかればどうなるか、誰にでも予想がつくというものだ。

マイク・カープ
典型的なフライボールヒッターであり、なおかつ、典型的なローボールヒッターBABIPの異常に高い打者。スタッツを稼ぐのは、ほとんどがフライによる。ゴロはまったくノーチャンス。
フライボール・ピッチャーにとっては嫌なバッターである反面、グラウンドボール・ピッチャーにしてみれば、これほどダブルプレーをとりやすいバッターはいない。ランナーが1塁にいるケースでは、ゴロを打たせてダブルプレーに仕留めるのを狙うべき典型的なバッターだ。
だが、マリアーノ・リベラがよくやる手を使って、カットボール、あるいはインコースを詰まらせることでセカンドゴロを打たせてダブルプレーに仕留めよう、などとカッコつけると、それはカープの得意な球種とコースだから、むしろ墓穴を掘ることになる。結構な数の投手がこのパターンで失敗した。
ここは、むしろランナーを十分に牽制しておいて、盗塁される危険性も覚悟でチェンジアップやカーブを勇気をもって投げることで、ダブルプレーという最良の結果を手にすべき。もし、ゴロでなく、空振り三振に仕留めたい満塁のようなケースでは、外で追い込んでおいて、カープの得意コースであるインローに、苦手球種のカーブかチェンジアップを「ボールになるように」投げるのが最適。
ちなみに、ア・リーグ東地区の投手との相性がいいのは、カープの得意なカットボールを多用したがる投手が多いためではないか。
独特のカウント感覚を持っている。なんとなくだが、「投手の油断やスキの出るカウントでスイングする変則的な傾向」をもっていると思われる。「ここはスイングしてこない」と投手が考えがちなカウントで、不意打ちをくらわせるように強振してスタッツを稼ぐバッターだから、投手はカウントをとるための低めのスライダーを不用意に投げないことだ。
特にランナーがいるケースでは、待球せず、初球打ちでシングルヒットを打つ奇襲策でタイムリーを稼いできた。ランナーのいないケースでは、逆にボール先行カウントになるまで待つ傾向もあるため、必ずしも早打ちというわけではない。
初球打ちが異常に得意な反面で、早打ち打者の多いMLBにあって誰もがヒッティングカウントにしている0-1を苦手にしているのは非常に珍しい。投手側の計算としては、初球さえファウルを打たせることに成功したら、2球目を振ってこないカープが見逃すような変化球で追い込んでおけば、あとは投手の勝ちだろう。
カイル・シーガーと非常に対照的なバッティング傾向をもつため、この2人の打席が連続するスタメンでは、どちらかが打ち、どちらかが凡退する光景が非常によくみられる。

得意カウント 初球、2-0、1-1、3-1、3-2
特に初球打ち AVE.636 OBP.636 SLG.818 OPS1.455 BABIP.636
苦手カウント 0-1、1-2、2-2
得意球種 スライダー、カットボール
苦手球種 チェンジアップ
得意コース インロー(典型的なローボールヒッター)
苦手コース インハイ
苦手投手 グラウンドボール・ピッチャー
得意チーム NYY,BOS,TOR
Mike Carp Hot Zone | Seattle Mariners | Player Hot Zone | MLB Baseball | FOX Sports on MSN

打席例:2011年9月2日 オークランド戦 3回表
キャッチャーフライ
打ったのは、苦手のチェンジアップ。典型的なローボールヒッターで、インローのスライダーやカットボールは得意だが、チェンジアップは、いくらアウトローでも打てていない。

2011年9月2日 SEAvsOAK カープ キャッチャーフライ


キャスパー・ウェルズ
典型的ローボールヒッターインコースに苦手ポイントがいくつかあるのが、メジャーのバッターとしては致命的。P/PAは4.04なのに、BB/PAが去年より悪化していることからわかるように、基本的には3球目までに勝負が決着する典型的早打ち打者で、四球を選ぶタイプではない。
ヒッティング・カウントについては、典型なMLBのバッターで、早打ちタイプ。2球目、3球目に勝負をかけてくる。逆に、0-2、1-2、2-2、フルカウントと、2ストライクをとられると、どんなカウントであってもスタッツがガクンと下がる。
高めが苦手。速球に強いカイル・シーガーと違って、高めの早い球についていけなさそうだ。マイク・カープと違って、チェンジアップは得意。
投手は、インコース、高めが苦手なこと、早いカウントから打ってくること、きわどいコーナーの球でも器用に打てる打者だが同時にボール球でも振ってくる打者でもあること、などを頭に入れて対戦すればいい。
ウェルズの得意なカットボールを投げるなら苦手なのが明白なインコースに投げるべきだし、同じように、チェンジアップを投げたいならストライクでなく、ボールにすることで安全性が高まる。
ローボールヒッターのウェルズへのフィニッシュとして、苦手な高めにストレートで押して三振でもさせるか、ボールになる外の変化球を空振りか凡退させるか、迷うところだが、無理せず、低めの、それもボールになる変化球を投げて凡打させておけばすむ。

得意カウント 1-0、0-1、1-1、2-1(特に1-1)
苦手カウント 0-2、1-2、2-2、3-2
得意球種 チェンジアップ、カットボール
苦手球種 スライダー、カーブ、(8/27追記 シンカー
得意コース アウトロー、インロー
苦手コース 高め、インコース
得意チーム BOS,MIN,OAK.TEX
苦手チーム LAA,CLE
Casper Wells Hot Zone | Seattle Mariners | Player Hot Zone | MLB Baseball | FOX Sports on MSN


カイル・シーガー
典型的ストレート系ヒッター。
カープのようなローボールヒッターではないにもかかわらず、なぜかカープと並んでシアトルで最もフライアウト率が高い打者でもある。
いかんせん低めが苦手なのが、後々メジャーのプレーヤーとして致命的になっていくのは明らか。ハーフハイトの甘い球を仕留めるのは得意。スライダーへの苦手意識はたぶん相当なもの。
対戦する投手は、球が浮かないようにコントロールに気をつけつつ、低めの変化球で勝負すればいいだけ、ということが、そのうち対戦チーム全体に浸透するはず。
同地区のライバルとしてこれから数多く対戦しなければならないア・リーグ同地区のエンゼルス、テキサスには、既に低スタッツが既に残されている。同地区だけに、新人といえども既にある程度スカウティングされてしまった、とみなければならない。

得意カウント 初球、1-1、2-0、2-1、3-1、0-2、
苦手カウント 1-2、2-2
得意球種 カットボール、ストレート
苦手球種 スライダー
得意コース インロー、ハーフハイト、
苦手コース アウトロー、真ん中低め
苦手投手 しいて言えばフライボール・ピッチャー
苦手チーム LAA,TEX
Kyle Seager Hot Zone | Seattle Mariners | Player Hot Zone | MLB Baseball | FOX Sports on MSN


8月26日のホワイトソックス戦から、シーガーの4打席を抜き出してみた。全打席3球以内に決着しており、まさにスカウティングどおり。よほど追い込まれるのが嫌なのだろう。
Chicago White Sox at Seattle Mariners - August 26, 2011 | MLB.com Classic

2011年8月26日 カイル・シーガー 第1打席外低めのチェンジアップ
センターフライ

スカウティングどおり。

2011年8月26日 カイル・シーガー 第2打席真ん中のストレート
二塁打

ストレートの強いバッターに、ストレート3連投、しかもど真ん中では打たれて当然。

2011年8月26日 カイル・シーガー 第3打席真ん中低めのカーブ
センターフライ

スカウティングどおり。


2011年8月26日 カイル・シーガー 第4打席外低めにはずれるチェンジアップ
空振り三振

初球、2球目と、得意なはずのインコース、ハーフハイトの球を連続して見逃しているあたり、やはり、スライダーによほどの苦手意識があるのだろう。早いカウントでは得意なストレート系に絞って待っていることが、よくわかる。




damejima at 03:49

August 26, 2011

デトロイト移籍後5回目の先発となるタンパベイ戦で、ダグ・フィスターが99球(63ストライク)で3勝目。
デトロイトの大黒柱は言うまでもなく、8月5勝負けなしで、8月の月間最優秀投手が確実どころか、今シーズンのサイ・ヤング賞投手ほぼ当確と思っているジャスティン・バーランダーだが、8月3勝1敗のフィスターも、ほぼ2番手といっていい大活躍だと思う。
Detroit Tigers at Tampa Bay Rays - August 25, 2011 | MLB.com Classic

素晴らしい投球内容だったと思う。
理由は3つ。

一つ目は、「球種の少なさ」。
投げたのは以下の球種だが、基本的に誰でも投げる球しか投げていない。まさに実力の証だ。スプリッターもなければ、高速シンカーも、ナックルカーブもない。といって、ストレートが特別早いわけでもない。たぶんトップスピードは93マイルいってないと思う。
4シーム    41球
スライダー   22球
カーブ     14球
チェンジアップ 14球
2シーム     8球

2つ目は、「リリースポイントの安定感」。
無四球に象徴されるように、いまのフィスターは安定感が抜群だ。その理由のひとつが、この「リリースポイントの安定」だろう。どんな球種を投げてもバラつかないことが、いまの彼のピッチングを支えている。こういう状態のときの投手は、特殊な変化球などに頼らなくても十分ピッチングができる。

3つ目は、「長打を打たれなかったこと」。
打たれた長打はサム・フルドのツーベースのみ。何度も書いてきたが、ホームランを打たれなくなったのは、今年のフィスターの成長を示すポイントのひとつ。


これでポストシーズンでのフィスターの登板を見るのが非常に楽しみになってきた。

それにしても、相変わらずビクター・マルチネスが素晴らしい。今日はDHでの出場だが、1安打2四球の3出塁。荒っぽくバットを振り回して長打を狙うようなかつてのようなバッティングではなく、常にシチュエーションを考え、無駄なプレイをしないよう心がけている真摯な姿勢が、バッターボックスからビシビシ伝わってくる。






damejima at 07:03

August 22, 2011

デトロイトに移籍した(馬鹿なズレンシックに移籍させられた)ダグ・フィスターが、2位のクリーブランドとの首位決戦に先発。もともと大振り傾向のあるクリーブランド打線を6安打1四球で、帳尻打者の散発的ソロホームラン1本だけに抑えて、悠々首位決戦に勝利した。
Cleveland Indians at Detroit Tigers - August 20, 2011 | MLB.com Classic

デトロイト移籍以降、4ゲーム目の登板だが、最初の2ゲームは、なんと9イニング投げて奪三振ゼロ。もともと三振をたくさんとる投手ではないものの、やはりバッテリーとしての呼吸はあっていなかった。
この日の奪三振は7で、今シーズンの最多タイ。

以前の記事で書いたとおり、コメリカパークというボールパークは、センターが馬鹿みたいに広く、特に三塁打が出やすい球場だ。
パークファクターでいうと、それほどヒッターズパークに見えないが、実際にはそうでもないし、セーフコに比べれば、二塁打、三塁打のでやすさは比較にならない。
投手のシアトルからデトロイトへの移籍はどうみても投手に不利な移籍だし、予想されたことだが、移籍によってフィスターのスタッツはだいぶ悪化したが、それでも2勝1敗なのだから立派なものだ。
ダグ・フィスター
移籍前後のWHIP、ERA+の比較

移籍前 1.171 115
移籍後 1.477 87

早く環境に慣れて白星を積み重ねることで、無能GMズレンシックを見返してほしいものだ。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年7月31日、「広い球場は、投手有利」というのは、ただの固定観念にすぎない。だからこそ、せっかくグラウンドボール・ピッチャーに変身を遂げたダグ・フィスターを売り払ってまでして外野手を補強してしまうシアトルは、どうしようもない馬鹿である。

Doug Fister Statistics and History - Baseball-Reference.com






damejima at 00:37

August 19, 2011

とある日本のセイバー系サイトで、ちょっと面白いコラムをみかけた。
投手を4タイプに分け、それぞれにチームの守備力との相関を計算したところ、「フライボール・ピッチャーの防御率は、チームの守備力とは、ほとんど何の関係ない」というのだ。
もしこれが本当だとすると、例年フライボールピッチャーばかり集めてきたチームのクセに、守備に大金をかけてきた無能GMズレンシックのチーム編成戦略は「実は、そもそも無意味だった」ということになる(爆笑)
セイバーメトリクス 野球データ分析コラム|SMRベースボールLab


ただ、残念なことにこの仮説、実は
すぐに妥当といいきれるものでもない。

まずは、この著者が導き出した仮説から引用。
DERから導かれた結論
三振型の投手は守備力の影響を受けにくい
フライ型の投手は守備力が低いと成績が悪くなりやすい
ゴロ型の投手は守備力が高い場合成績が良くなりやすい
投手の成績と守備力の関連について〜DERを用いて - セイバーメトリクス 野球データ分析コラム|SMRベースボールLab

UZRから導かれた結論
三振型の投手は外野の守備力が高いほど防御率が低い
フライ型の投手は守備力との関係は認められなかった
ゴロ型の投手は内野の守備力が高いほど防御率が低い
投手の成績と守備力の関連について−UZRを用いてPart1 - セイバーメトリクス 野球データ分析コラム|SMRベースボールLab


読めばすぐにわかるように、著者は、DER(Defense Efficiency Ratio)とUZR(Ultimate Zone Rating)、2種類の守備系指標から2種類の考察を行い、2つの多少異なった仮説を導きだしていている。
たとえばフライボール・ピッチャーの防御率については、DERからの考察では「守備力が低い場合、成績が悪くなりやすい」と相関を肯定しているのに対して、UZRからの考察では「チームの守備力と関係はない」と相関を否定し、2つの違う仮説を導き出している。
そして、困ったことに、著者はDERとUZRで、なぜ結論が変わってくるのか?という点について、十分な説明をしていない。


DERUZRで違う仮説が導きだされる原因は何だろう?
計算間違いとか、仮説の構造にもともと無理があるとか、そういう単純ミスでもない限り、普通は、DERとUZR、2つの指標の本性というか、2つの指標の性質の違いに原因があると考えるのが自然だが、著者は、DERとUZRが高い相関関係にあるとは書いているものの、「DERとUZRの違い、相関性と、投手の防御率に与える影響の差」について十分説明を尽くしているとはいえない。

著者の挙げた数値を見る限り、「DERとUZRの相関度の計算において、DERと内野のUZRの係数と、DERと外野のUZRの係数で大きく違いがあるので、「DERとの相関がより強いのは、内野のUZRである」ようにも見えるのだが、どういうものか、著者はその点について特に何も強調はしてない。

もし「DERとの共通性が強いと言えるのは、主に内野のUZRである」と仮定していいのなら、「投手の防御率と、チームの守備力とのかかわり」については、「内野守備については、DER、UZR、どちらの指標を使ってもほぼ同じ結論が出せる」ことになる。
そして「外野守備については、DERとUZRでは指標の個性の違いが際立ってしまう」のだと仮定すると、「投手の防御率と、チームの外野守備力の相関については、使う指標によって導かれる仮説が異なってしまう」のは当然のことになるわけだが、そのことについて、著者は残念ながら特に言及していない。


しかしまぁ、始まったばかりの議論にそんな細かいことを言っていても始まらない。DERでもUZRでも同じ方向性の仮説にたどりついている部分だけをつまみ食いしてみる。

グラウンドボール・ピッチャーの防御率について筆者は、DERからの考察では「守備力が高い場合、成績が良くなりやすい」、UZRからの考察では「内野の守備力が高いほど、防御率が低い」と、似たような結論が導かれている。
別の言い方をすると、グラウンドボール・ピッチャーの防御率は、DERからみても、内野のUZRからみても、チームの守備力と強い相関関係にある、ということらしい。ちなみに著者は、内野のうち、守備で最も投手の防御率に関係するのは、サードとショートであるとしている。

三振型のピッチャーの防御率については、DERでみると相関は見られないが、UZRおよび外野のUZRの2つとは強い相関関係がある、としている。つまり、「三振をたくさんとれる投手にとって大事なのは、外野のゾーン的な守備力である」ということらしい。まぁ「長打になりそうなボールを捕球してアウトにするとか、三塁打を二塁打に、二塁打を単打にできる、守備チカラの高い外野手が必要」とでもいう意味にとっておくことにする。

最後にフライボール・ピッチャーの防御率は、DER、UZRの両方と、ほとんど相関関係がないらしい。つまり、ここから「フライボールピッチャーの防御率は、チームの守備力とは、実は、ほとんど相関関係がない」という話につながっていくわけで、ズレンシックの守備に大金をかける戦略の無意味さの証明になるわけだ(笑)
もちろん、上で既に書いたように、DERとUZRの指標の個性と投手の防御率の関係にほとんど言及が無い以上、この仮説はまだ十分に議論が尽くされているとは言えないと思うが、なかなか興味深い話だ。
投手の成績と守備力の関連について−UZRを用いてPart1 - セイバーメトリクス 野球データ分析コラム|SMRベースボールLab


まぁ、細かいことを抜きにまとめておこう。
こういうことになる。
●三振を数多くとれるピッチャーには
 良質の外野手が必要。
●グラウンドボール・ピッチャーには
 良い内野手、特に、優れたサードとショートが必要。
●フライボール・ピッチャーは守備とあまり関係がなく
 必ずしも守備に大金をかける必要はない。

残念すぎる守備マニア、ズレンシック(爆笑)






damejima at 10:46

August 01, 2011

フェリックス・ヘルナンデスのGB/FB/LDデータ


フェリックス・ヘルナンデスは、ピッチャーとしての質が大きく変わりつつある。
上のグラフは、ヘルナンデスの打たれた打球を、ゴロ(緑)フライ(赤)ライナー(青)の3つに分け、それを年次で並べたものだ。
Felix Hernandez » Statistics » Pitching | FanGraphs Baseball
デビュー当初、ヘルナンデスは極端なまでのグラウンドボール・ピッチャーだったのは有名な話だが、今は年を追うごとにフライボール・ピッチャーになりつつある。
今年のGB%(ゴロ率)は、49.1 %と、キャリアで初めて50%を切っている。


今のヘルナンデスは、ストレートと変化球をだいたい半々に投げ分けるとピッチングスタイルで、カウントを稼ぐのがストレート、追い込んだらチェンジアップ、シンカーといった、変化球を投げる、というのが基本であることくらい、もうほとんどのチームが知っている。
と、いうより、今のヘルナンデスのピッチングスタイルは、ストレートを痛打されては、アウトコースの変化球で逃げ回りながら、どうにか打者を討ち取っている状態、というのが本当のところだ。


いまMLBで最もストレートを投げる率が高いのは、ヤンキースの元サイ・ヤング賞投手、バートロ・コロンの83.4%だが、今のヘルナンデスのストレート率はいまや、わずか54.9%しかない。ストレートで勝負はしていないし、勝負できもしない。
MLB全体で、ストレートのピッチ・バリューが高いベスト10の投手を挙げてみた。今のヘルナンデスのストレートのピッチ・バリューはわずか-2.8しかなく、マイナスの数値だ。いかにヘルナンデスのストレートに信頼が失われたかがわかる。

ストレートのピッチ・バリューが高い投手ベスト10
Justin Verlander 26.4 
Jered Weaver 25.2
Ian Kennedy 19.5
CC Sabathia 19.5
C.J. Wilson 18.3
Scott Baker 18.3
Josh Beckett 17.3
Cliff Lee  16.9
David Price 16.3
Alexi Ogando 16.0
-----------------
ダグ・フィスター 15.4 (11位)

ストレートのバリューに関してだけ言えば、無能なズレンシックがデトロイトに安売りしてしまったダグ・フィスターのほうが、マイナス数値のヘルナンデスよりずっと数値が高いどころか、なんとMLB全体で11位をキープしている
ダグ・フィスターのストレートのピッチバリューは、4シームの速さでMLBファンを驚かせたマイケル・ピネダの9.9よりも高い。勘違いしている人が多いが、マリナーズの先発投手で規定回数に達している4人の中で、最もバリューが高いストレートを投げていたのは、ピネダでも、ヘルナンデスでもない。ダグ・フィスターだ。
ダグ・フィスターは、今年、チェンジアップとストレートを少し減らして、カーブとスライダーを多投するようにピッチングスタイルを変えているのだが、だからといって、ストレートの価値が下がらなかったのだから、たいしたものだ。
Doug Fister » Statistics » Pitching | FanGraphs Baseball


もったいないことをするものだ。
さすが無能なGM。やることが違う。

シンカーとチェンジアップで逃げ回るだけのピッチャーに、
20ミリオンの価値はない。







damejima at 17:15
ブログ主はもう、言葉と行動の矛盾がはなはだしいズレンシックエリック・ウェッジのインタビューを読まないことにした。
目先をごまかしているだけの、頭の悪い人間たちの言うことに、いちいち耳を傾けなければならない理由はない。


ダグ・フィスターは今の時点で、MLBで「最もラン・サポートの少ない先発投手」である。つまり、フィスターがいくら好投しても、味方は点をとってくれないわけで、それが彼の3勝12敗という不幸な成績に直結していた。
ダグ・フィスターは見た目(=見た目の成績)は悪いが、中身(=ピッチングの質)はしっかりしている。

よくエリック・ウェッジは、まったく意味もなくコロコロ変えてばかりいる自分の野手起用の下手さ加減を棚に上げて、「ベテランがー、ベテランがー」とか馬鹿のひとつ覚えで、お経をとなえ続けているわけだが、グティエレスのような打率2割以下でミリオン単位のギャラをもらっている無能な野手に責任をとらせて真っ先に放出するのならともかく、むしろ、明らかに打線の貧打のせいで勝てない先発投手、それも「チームに残りたい」と明言している投手から真っ先に放出してしまうのだから、このチームの監督とGMの言葉と行動には、なんの一貫性もありえない。
だからもう聞く耳を持つ必要などない。


MLBで最もランサポートの少ない投手 ベスト3
ダグ・フィスター 1.97
ダスティン・モーズリー SD 2.55
ジェイムズ・シールズ TB 2.75
Major League Leaderboards » 2011 » Starters » Batted Ball Statistics | FanGraphs Baseball


獲得する側の球団からすれば、フィスターのような「見た目の成績は悪いが、実はピッチングの中身のいい投手」に、かなりの「お買い得感」があることは、説明するまでもない。


そもそもセーフコは「投手有利のスタジアム」なのだから、もし他のチームにダグ・フィスターのような「たまたまランサポートが少ないだけで、成績が悪く見える先発投手」がいたら、そういう「見た目の悪い投手」こそ率先して獲得してきて投手有利なセーフコで投げさせれば、コストパフォーマンスのいい投手に「化けてくれる」可能性がある。(もちろん、もともとダメな投手をいくらセーフコに連れてきても、ダメなものはダメだが。誰をチョイスするかこそ、本当の手腕だ)

つまり、詳しくは後で説明するが
ダグ・フィスターのようなグラウンドボール・ピッチャータイプで、しかもイニングを食える先発投手こそ、あらゆる点でセーフコ向きの投手なのだ。
なのに、セーフコにフィットしたコストパフォーマンスのいいダグ・フィスターを誰よりも先に安売りするのだから、どこまでマヌケなジェネラル・マネージャーなんだ?、という話になるのが当然だ。



去年から今年にかけてのフィスターの変化には、ひとつ、特筆すべき特徴があって、それは「フライボール・ピッチャーから、グラウンドボール・ピッチャーへの変身」という点。
これが彼にとってどれだけ大きな意味があったか、以下にチラッとメモしておきたい。まず、ちょっとGB/FB(ゴロをフライで割った数字。数字が大きいほど、打球のゴロ比率が高い)を見てみる。

ダグ・フィスター GB/FB
2009 1.06
2010 1.36
2011 1.35

ダグ・フィスター GB%
2009 41.3 %
2010 47.1 %
2011 46.4 %


MLBでは「フライアウトのある一定のパーセンテージは、本来なら長打あるいはホームランだったのが、たまたまアウトになっただけ」という考え方は、かなり浸透している。
だから、「あるピッチャーが、ゴロが急増し、フライが激減した」という現象は、ある程度の範囲で 「ホームランを打たれる可能性が非常に下がった」という意味になる。

ダグ・フィスターの場合を見てもらいたい。見事に今年、昔よりはずっと「フライを打たれないピッチャー」に変身している。
HR/FBは「フライに占めるホームランの割合」、HR/9は「9イニングあたりに打たれるホームランの割合」だが、びっくりするほど今年のダグ・フィスターは数字が改善している。
HR/FB HR/9 ホームラン数
2009 14.1 % 1.62 10本
2010 6.4 % 0.68 13本
2011 4.4 % 0.43 7本


MLBの投手のゴロ率 上位
(カッコ内は HR/FB HR/9)
Major League Leaderboards » 2011 » Pitchers » Batted Ball Statistics | FanGraphs Baseball
ジェイク・ウェストブルック STL 61.6 %(13.5 % 0.93)
チャーリー・モートン PIT 59.8 %(7.6 % 0.40)
デレク・ロウ ATL 59.7 %(7.9 % 0.49)
ティム・ハドソン ATL 57.9 %(8.2 % 0.57)
---------------------------------
フィスター 46.4 %(4.4 % 0.43)

ゴロ率 下位(カッコ内は HR/FB HR/9)
Major League Leaderboards » 2011 » Pitchers » Batted Ball Statistics | FanGraphs Baseball
J.A.ハップ HOU 32.4 %(10.6 % 1.33)
マイケル・ピネダ SEA 32.9 %(7.5 % 0.83)
コルビー・ルイス TEX 33.0 %(12.6 % 1.73)


MLB全体でみると、ゴロ率上位の投手では、例えば、今年快進撃中のピッツバーグのチャーリー・モートンがいる。
2010年のモートンは、HR/FBが18.1 %、被ホームラン15本と、酷いありさまだったが、2011年になってそれが7.6 %、5本と、大幅に改善されてホームランを打たれにくくなり、現在8勝6敗。ピッツバーグの久々の首位争いに十分貢献している。
ピッツバーグは他にも、ジェフリー・カーステンズ、ケビン・コレイア、ジェームズ・マクドナルドと、去年より投手成績が改善した先発投手がいるわけだが、どんなコーチがいるのか知らないが、今シーズンの快進撃は案外ピッチングコーチのおかげかもしれない。
ちなみに、2010年にモートンが打たれた球種は、主にカーブ、チェンジアップといった変化球だったが、今年の彼はストレートを投球全体の75%も投げるようにしており、ピッチングスタイルを大きく変えることが、今年の成功につながっている。


逆に、ゴロ率下位の投手では、フィリーのマイナーからヒューストンに移籍して先発投手になったJ.A.ハップの数字が酷い。ホームラン17本を打たれて、防御率6.01、4勝13敗。アストロズ低迷の原因は、ピッツバーグとは逆に、ピッチングコーチのあまりの無能さにあるのかもしれない。
コルビー・ルイスの数字もあまりよくはない。彼のHR/9は1.7で、ア・リーグで最もホームランを打たれやすいピッチャーが、コルビー・ルイスだ。彼のランサポートは6.20で、ダグ・フィスターの3倍以上ある。ようするに、彼が10勝8敗と勝ち星先行でいられるのは、明らかに味方打線のおかげでしかない。


最後にマイケル・ピネダの将来性について。

ピネダはいまメジャー有数のフライボール・ピッチャーだ。
だから、将来も現状のフライボール・ピッチングのままだとすると、現状のピッチングや数値がどうであれ、将来もっと相手チームに研究されだしたときに、外野が広くてホームランの出にくいスタジアムで投げるのには向いていても、狭いスタジアムでは長打を浴びて大炎上という現象が頻繁に起きる可能性をもっている。
実際ピネダは、広いセーフコでの被長打率は.254と驚異的に低いが、狭いフェンウェイでは被長打率.619、失点7と、長打を浴びてボコボコに打たれている。エンジェルスタジアムは基本的には中立的な球場だが、ここも相性がよくない。
Michael Pineda 2011 Pitching Splits - Baseball-Reference.com


そのピネダが打たれているスタジアムのひとつが、デトロイトのコメリカパークだ。
コメリカパークは、ゲームを見たことのある人ならすぐわかるのだが、とにかくセンターが異常に広い。左中間、右中間も広いし、それだけでなく、センター後方のエリアがまた、やけにだだっ広い。

よく「広いスタジアムだから投手有利」と単純に思われがちだが、コメリカパークに関してはまったく同意できない

むしろ、まったく逆だ。

ブログ主は「コメリカはヒッターズ・パーク」と確信して、いつもゲームを見ている。
なぜなら、コメリカパークのセンターは、あまりに守備でカバーしなければならない面積が広すぎる。そのため、センターの定位置のほんのちょっとはずれた場所にシャープなライナーを打ちさえすれば、すぐに外野を抜ける二塁打、三塁打になってしまう
ESPNのパークファクターデータによれば、コメリカパークは、メジャーで最も三塁打のでやすい球場のひとつだ。
2011 MLB Park Factors - Triples - Major League Baseball - ESPN

つまり「広すぎる外野は、かえって長打を生む」ということ。

だから、もしデトロイト・タイガースにトレードされたのが、去年からグラウンドボール・ピッチャーに変身をとげることに成功したダグ・フィスターではなく、MLB屈指の極端なフライボール・ピッチャーであるマイケル・ピネダだったら、センターの広いコメリカパークでは長打を打たれまくって潰れる可能性がある。(ピネダと同じように典型的なフライボール・ピッチャーで、シアトルからデトロイトに意味もなくトレードされて潰されたジャロッド・ウォッシュバーンにも同じことがいえる。あのトレードは「フライボール・ピッチャーがコメリカには向いてないこと」をまったく理解しない屑トレードだった)


「広いスタジアム」=「投手有利」と決め付けがちだ。
だが、ピネダのような「フライボールピッチャーは、広いスタジアムだからこそ、長打を浴び続ける可能性もある」ということもある。

だとすれば、外野の広いスタジアムで、
どうすれば長打による失点を防げるのか?

1 フライボール・ピッチャーを先発に揃えた場合
マイケル・ピネダのような、カットボールやシンカーの持ち球のないフライボール・ピッチャーを先発にズラリと揃えると、フランクリン・グティエレスのような、打撃はダメでも守備の上手い外野手を、大金を出して雇い、たくさんのフライを捕らせる必要が出てくる。グティエレスの打撃の下手さ、肩の弱さには目をつぶる。

2 グラウンドボール・ピッチャーを先発に揃えた場合
グラウンドボール・ピッチャーを揃えて、フライをできるだけ打たせない。外野手の守備負担を減らすことで、外野手にはある程度バッティング重視の選手を配置できるようになる。


ブログ主は、後者のアイデアのほうが、外野手の打撃を無駄にせず、貧打を解消につながるとは考えるが、それを実現するためには、ダグ・フィスターのようなグラウンドボールピッチャーを安売りして先発投手陣がフライボール・ピッチャーばかりになってしまっては、まるでお話にならない。

セーフコのような「投手有利といわれるスタジアム」だからこそ、ダグ・フィスターのようなグラウンドボール・ピッチャーを放出し、マイケル・ピネダのようなフライボール・ピッチャーばかり残す一方で、守備だけしかできないグティエレスのような外野手を置いておくのが、いかに固定観念にとらわれた馬鹿か、ということが、おわかりいただけただろうか。


もういちど書いておく。

「広い球場は、投手有利」というのは、ただの固定観念にすぎない。投手有利なはずのセーフコであっても、そのピッチャーが持ち球にカットボールやシンカーなどがないフライボール・ピッチャーであるなら、長打を打たれまくる可能性は十分すぎるくらい、ある。


貴重なグラウンドボール・ピッチャーを自分の手で放出し、その一方で、外野の大飛球を処理できない守備の下手な外野手を次々にそろえているシアトルの2011年のトレードが今後どういう風に破綻するか、もう言わなくてもわかるだろう。デトロイトに放出すべきなのは、ダグ・フィスターではなく、コメリカパークの広いセンターの守備にうってつけのフランクリン・グティエレスだ。





damejima at 02:54

July 31, 2011

たとえばノートパソコン事業では黒字のコンピューターメーカーのCEOが、不動産投資で失敗し、巨額の赤字を出した、とする。
シアトル・マリナーズで「安売り王ズレンシック」が先発投手を次々に売り払おうとする行為は、無謀な不動産投資の失敗がまねいた大損を言い訳するために、本業である黒字のノートパソコン事業を外国に売却するのと、意味的にはかわりない。
他社や他国に対し、唯一優位に立っている事業を売り払ってしまった後で、その企業がどこをどうすると黒字転換できるというのか。



ここ数日、ベダードフィスターバルガスといったシアトルのローテーション・ピッチャーにトレードの噂が出ていたが、たぶんやらかすだろうと思っていた「安売り王ズレンシック」が、予想通り、やらかした。
ようやく今年モノになったダグ・フィスターと、ロングリリーフのできる唯一のブルペン投手デビッド・ポーリーの2人を、デトロイトにタダ同然でくれてやって、そのかわりに「バベシ時代の失敗で、セーフコにはまるで必要のないことがわかっている、右のフリースインガー」、それも「選手がダブついている外野手」を獲得してきたのである。
これはかつて2009年7月末にズレンシックがウオッシュバーンを安売りしたのと、まったく同じパターンだ。あのときも、投手陣は精神的支柱を失ってガタガタになり、シーズン100敗の主原因になった。


このGM、わざとシアトルの資産を他チームに流出させ続けて、他チームを潤す目的でシアトルにやってきた「スパイ」か?(笑)


事業経営になぞらえると、ズレンシックがやっているのは「失敗続きの野手買い」で、巨額の累積赤字を出し、なおかつ、その赤字事業を整理・清算もできないうちに、「自軍の黒字分野の売却、つまり、先発投手の放出によって、慌てて埋め合わせようとする背任行為」だ。

「守りをコンセプトにしたチーム」? 「育成」?
若い成長株の、それもギャラが安くてイニングを食ってくれる先発投手を安売りしといて、どこが「育成」だよ。馬鹿いうな。

人を育てている最中のチームだというなら、どうしてフィスターのような若くて安価な才能を売り払ったりするのか
投手有利なパークファクターをもつチームが持つべきチーム特性である「先発投手」を安売りするズレンシックは、ただの「経営能力の無い馬鹿」だ。

「安売り王ズレンシック」は、トレードにおける「買い」事業で、使い物にならないガラクタを高額で買い続けてきた。
そんなことをしていれば、そりゃ早晩チームは破産する。当然だ。

ブログ主は、「安売り王ズレンシック」のトレードは、企業活動で言えば、普通に「背任」にあたると思って見ている。(「背任」という言葉の意味がわからない人は、自分で調べてもらいたい)
「投手を含む、守りをコンセプトに選手を集め続けてきたはずのチーム」が、ガラクタ野手の能力不足という赤字事業の補填のために、自社のなけなしの資産である「先発投手」を安売りする、なんて行為が、組織マネジメントの上でどれほど背任行為か。


シアトルは今、芽が出た選手をバンバン売り飛ばし続けるトレードを繰り返してきたオークランドが、ファンから見放されて不人気球団になっていったプロセスとまったく「同じ轍(てつ)」を踏んでいる
だが、日米ともマスメディアはぬるくて馬鹿だから、きちんとそれを批判することすらしない。
シアトルの地元メディアごときは、もうどうでもいい。野球通のような顔をしたがる人間が多いが、結局のところ、物事を根底からきちんと理解して批判していく能力など、彼らには存在しない。まぁ、モノを見る目のない馬鹿は好きなだけ「チームの提灯持ち」をやっていればいい。


バベシ時代の負の遺産で、予算の硬直化をまねき、チーム再編成の足枷になっていた高額複数年契約のガラクタ、シルババティスタなどを何シーズンも我慢した末にようやく処分し終えたことで、チーム向上時代に向かうはずだったシアトルは、ズレンシックの政策的破綻を放置することで、ポジションのダブった大量の売れない不良在庫野手を抱え、結局また、高額複数年契約のガラクタがチームの予算とロスターを硬直化する「バベシ時代とまるで同じ、身動きのとれない時代」へと舞い戻ってしまった。
ガラクタをとっかえひっかえ使いながら、「守備専の野手」に気前よくくれてやった高額契約のツケを毎年負担し続けているのが、今の貧打のシアトルだ。

「ガラクタ野手買いでの失敗」「守備専用野手への無駄な高額投資」は、当然のことながら、「守備的なチームカラーのはずなのに、かえってガラクタ野手の守備のミスやポカが頻発する矛盾」と、「チームバッティングの数値の大幅な低下」をもたらした。特に後者は、チーム勝率の大幅な低下につながった。
その結果、チームの勝率は、投手の疲労がたまる時期に一気に低下し、毎年のようにペナントレースから脱落するハメになる。


「安売り王ズレンシック」の「悪いクセ」のひとつは、まるで100円ショップで買ってきた安物が所狭しと並んでいる家のように、自分の買ってきたガラクタをまったく手放すことができない、という点だ。
たとえばショートは、メジャー最低年俸のロニー・セデーニョをパイレーツに放出して得たジャック・ウィルソンを高額の複数年契約で抱え込んだまま、次のショート(ブレンダン・ライアン)を獲得してきた。
レフトにいたっては、バーンズブラッドリーと問題児ばかり買ってきたはいいが、続けて大失敗し、レフトにかけられる資金そのものが無くなってしまい、金がなくなったと言い訳するのがカッコ悪いので、こんどは「育成」と称して雑なプレーしかできあいペゲーロを執拗に起用し続けて、さらに大きく墓穴を掘った。
今は、これからどの程度やれるのかわからないカープに頼るありさまだったわけだが、カープがちょっと打ち出すと、こんどは実力がついてきた矢先の先発投手フィスターを放り出してまでして、ダブつきはじめている外野手をデトロイトくんだりから調達してくるのだから、始末に終えない。
無能にも程がある。問題児バーンズ、ブラッドリーを獲ってきて失敗した責任も、スカウティングされて打てなっているペゲーロをしつこく使い続けてチーム勝率を下げた責任も、カープを上げたり下げたりしている腰のすわらなさも、誰も、何も、責任をとっていない。

ヒゲの1本や2本剃ったくらいで、責任をとったつもりか。
愚かな。


予算に余裕がないために、「何かを買いたければ、何かを売るしかないハメに陥っている」のが、今のシアトル・マリナーズだ。メジャーで最も貧打のチームが「野手の穴」を埋めるべきなのは誰でもわかっているが、ズレンシックには金がない。
なぜなら、破綻したコンセプトであることがとっくに確定している「守備的チーム」とやらを作り上げるために、大金を払った守備専用野手フランクリン・グティエレスやジャック・ウィルソン、セーフコでは使いものにならないことが確定したショーン・フィギンズ、さらにはもはや大投手とはいえないフェリックス・ヘルナンデスに高額の長期契約を与えてしまって、とっくの昔に予算は硬直化してしまっているからだ。
彼らのような高額の守備系プレーヤーを処分するのが、予算の硬直化を解決する早道だが、ズレンシックには、自分の失敗を認めることになる彼らの処分に踏み切る考えがみられない。
だから、金のないズレンシックは、唯一の資産である先発投手を意味もなく売っぱらった後でさえ、予算に余裕を生み出せず、結局若手を使うしか他に手がない。
こんな堂々巡りは「再建」でも、「育成」でもない。


デトロイトから獲得したのは、主にライトを守っていた外野手のCasper Wellsという右打者をメインピースに、今年メジャーデビューしたばかりの左投手Charlie Furbush、メジャー経験の無い三塁手Francisco Martinez、だそうだ。
Casper Wells Statistics and History - Baseball-Reference.com

Charlie Furbush Statistics and History - Baseball-Reference.com

Francisco Martinez Minor League Statistics & History - Baseball-Reference.com

シアトルにはイチローグティエレスという複数年契約のある外野手が2人いるのだから、当然キャスパー・ウェルズはレフトを守るということになる。おまけに、キャスパー・ウェルズは、セーフコで不利なのがわかっている右のフリースインガーだ。
レフトは、ズレンシックがやってきてから、一度も安定したことがない。バーンズ、ブラッドリー、ペゲーロ、ホールマン、カープ、そして、キャスパー・ウェルズ。
レフトのポジションだけをみても、どれだけチームの勝率と資金を犠牲にして、くだらない模索ばかりきたことか。これが他にも、DH、セカンド、ショート、ファースト、センター、キャッチャーと、それぞれに問題点を抱えているのだから、笑っちまう。


これほど選手をいれかえても、まるでチーム力が向上しないのは、ひとえに「安売り王ズレンシック」が、チーム編成と、チームの連続的運営、チーム再建にまったく才の欠けた、無能なGMだからだ。






damejima at 17:44

July 27, 2011

夕刊フジとかいうメディアが、こんなことを書いてくれたらしい。ありがたい。
「イチローを中心に進められてきた最近10年のマリナーズのチーム編成は、結果的に失敗といわざるをえない。」
イチロー怒られた!マ軍崩壊で強まる「放出論」 (夕刊フジ) - Yahoo!ニュース

「自分はマリナーズのことを何も知らないで書いています」という事実を、これだけハッキリとわからせてくれる記事というのも、そうはない(笑)

ありがたいねぇ(笑) こんなクチの悪いブログでも、今まで遠慮してあげてきたのに(笑)。まぁ、これをきっかけに、年がら年中よその国のドラマばかり垂れ流し続けている、他国の資本ばかり入ったおかしな某テレビ系列のメディアを、これからは心おきなく「名指し」で批判させてもらおう(笑)無能な記者さん、ありがとう。アンタはとても使える記者だ(笑)



あのチーム破壊王、ビル・バベシがシアトルのGMだった時代のチームコンセプトは、「右のフリースインガーを集める」というもので、日本から城島、キューバからベタンコート、そしてFA選手からセクソン、エイドリアン・ベルトレ、はえぬきからロペスを、スタメンに並べた。
守備マニア、ズレンシックがGMの現在のチームコンセプトは、「超守備重視と称して、守りに湯水のごとく金を注ぎ込む」というものだ。



右のフリースインガーを集める
守備に湯水のように金を注ぎ込む


バカかよ、2人とも(笑)


イチローは左バッターだ。バベシが来るよりずっと前、2001年からシアトルのスピードスターだったイチローには、2003年11月にシアトルGMになったバベシの敷いた「右のフリースインガー路線」は、まったく何の関係もない。

また、ズレンシックがシアトルに来たのは2009年だから、2008年から5年契約を結んでいるイチローは、ズレンシックの「投手を含め、守備にムダに金を注ぎ込こめるだけ注ぎ込む超守備的路線」とは、まったく何の関係もない。
もっと詳しくいえば、ズレンシックが、ジャック・ウィルソンやフランクリン・グティエレス、フェリックス・ヘルナンデス、ショーン・フィギンズに金を湯水のように注ぎこんだチーム編成戦略の破滅的崩壊は、2001年以来持続してきた高い実績により、たとえどこのチームと契約しようと長期高額契約が約束されていたイチローとは、まったくなんの関係もない。


今まで言わなかったが、
この際だから、ハッキリしておこう。


バベシとズレンシックの掲げた2つのチームコンセプトは、方向性が違うように見えるだけで、実は、まったく同じ性格のものだ
なぜなら、この2人が提案した2種類のチーム編成コンセプトはどちらも、「セーフコというホームスタジアムのパークファクター」はじめ、チーム編成の前提条件あるいは制約条件に、最初からまるでフィットしておらず、チームの問題点を、助長させるだけで何も解決しない「超ダメ・コンセプト」だからだ。

ビル・バベシは、「右打者に圧倒的不利で、ホームランの出にくい広いホームパークなのに、大金を大量の右打者を雇い入れることに投じる」という矛盾した投資戦略をとって大失敗し、クビになった。
ズレンシックは、フランクリン・グティエレスやジャック・ウェルソンに複数年契約をくれてやって、守備に大金を投資し、加えて「価格の安い投手でも、手の内がバレないうちなら、他のスタジアムよりもいいコストパフォーマンスが見込める投手に有利なスタジアム」なのに、フェリックス・ヘルナンデスに長期契約の大金をくれてやり、結果的に「守りに、金を湯水のように使った」ことで、貧打をより助長し、ペイロールの硬直化をまねいた。
それだけでなく、ズレンシックは、自分の発案したチームコンセプトの政策的破綻によって2年連続でチーム・バッティングの破滅的破綻を招いた責任があるにもかかわらず、破綻を糊塗する若手起用に走り、歴史的貧打と2年連続のチーム大破綻を引き起こした。


こうしてみると、誰でもわかるだろう。
フリースインガー右打者マニア、ビル・バベシ就任の2003年から、守りに金を湯水のように使う守備マニア、ズレンシックが2年連続で大崩壊した2011年まで、この「9年間」というもの、シアトル・マリナーズという、金はあるが肝心の球団経営は素人のチームがとってきたチーム編成戦略は「9年もの間、ずっと間違い続けている」


何度も言わないとわからない人もいるだろう。
もう一度言っておく。

この9年間というもの、シアトル・マリナーズというチームがとってきたチーム編成戦略は、イチローと無関係に、ずっと間違い続けてきている。


「コンセプトレベルから9年間ずっと間違え続けてきた」シアトル・マリナーズという野球チームは、「イチローと無縁のチーム編成ばかりしてきた球団」であると、何の迷いも無く断言できる。
イチローはシアトル・マリナーズにおいて、ともすると周囲の「パークファクターにあわない、間違った編成コンセプトで集められた 大勢の『本来、彼らのほうが場違いな選手たち』」から孤立し、その選手たちがやがて例外なく全滅していく中で、プライドと個人記録達成を心の支えにしながら、ひとりだけ違うレベルでプレーし続けてきて、その結果、毎年のようにゴールドグラブを受賞し、毎年200本のヒットを打ち、毎年オールスターに出場してきた。
こんな基本的なことすら、某フジ系列の、知識の欠けたマスメディアの記者は理解していない。


きちんとしておかないと、今後も間違える人が出てくるだろう。もう一度ハッキリ言っておく。

イチローはシアトル・マリナーズにおいて、多くのシーズンを「パークファクターや貧打など球団の課題を解決するどころか、まったく間違った編成コンセプトで集められた 大勢の『場違いな選手たち』」に囲まれたまま、野球してきた。「城島問題」は、その一角に過ぎない。


この際、断言させてもらっておく。

9年もの長きにわたって、チームづくりをコンセプト段階からして間違え続けながら、ミスばかりしてきたこの素人経営球団が、メジャー球団としての「メンツ」をどうにかかろうじて保ってこれたのは、イチローの存在があったおかげだ。

イチローという存在は、もともとこのチームの9年間のチームづくりの失敗とは何の関係もなく、高い実績を残してきたレジェンドであり、どこの国の、誰であろうと、そしりを受けるいわれなど、どこにもない。


イチローの2008年の契約更新にあたっての条件は、金額ではなく、むしろ「勝てるチームづくり」だったはずだ。
本来、メジャーのさまざまな記録更新がかかった記念すべきシーズンになるはずの2011年のシーズンを、チームにあわない編成コンセプトで2年も続けて破綻させ、果ては連敗記録まで作って意気消沈させるチームにして、レジェンドの記録達成の邪魔ばかりしている球団サイドのほうこそ、イチローと日本のファンに謝罪すべきだ。






damejima at 22:05

July 25, 2011

なぜ、勝率5割から雪崩のような15連敗で最下位に転げ落ちた、貧打意で有名なチームなのに、満塁ホームランが毎日のように出るのか?、考えたことがあるだろうか?

わかりにくいなら、別の言い方をしてみよう。

なぜ、メジャーで最もチーム打率の低いチームで、満塁ホームランを毎日生産する必要があるのか?

まだわかりにくい?
それなら、もっと別の言い方をしてみよう。

満塁のシチュエーションで、シアトルの打率の低い打者たちは、「何を狙っている」のか?


さすがにもう答えはわかっただろう。
彼らは満塁や、1・2塁、2・3塁といった、ランナーが貯まった場面で、フルスイングすることを「許されている」のだ。(たぶん、許されているどころか、そうするよう指導すらされていると思う)
だから、彼らのバッティングの結果は、いつも「三振」「出合い頭の事故みたいなホームラン」「ポップフライ」になる。

相手チームのバッテリーにしてみれば、グティエレスペゲーロオリーボスモークのような、ミート技術が無く、ついていけない球種やコースがハッキリわかっている打者がフルスイングしてくるがわかったなら、アウトコース低目にスライダーでも連投しておけば済んでしまうのは、わかりきっている。追い込んだ後にストレートなど投げてこない。ホームラン事故を体験するのは、相手バッテリーが大量リードで気が緩んでいるときだけだ。

わかりやすい話だ。

では、「ランナーが貯まった場面では、必ずフルスイングする野球」を指導しているのは誰なのか。そりゃ、もちろん監督エリック・ウェッジである。これも誰でもわかる。
ブログ主は、ウェッジがどんなチャンスの場面でも、ほとんど細かい戦術をとらないのは、むしろ「ウェッジが打者にフルスイングするよう、強く命じている」のだろうと想像している。
(いま「想像する」と書いたのはソースがないから礼儀としていちおう遠慮して書いておいただけの話で、自分の中では、「想像」などという甘いしろものではなく、岩よりも硬く「確信」している。まちがいなく「フルスイングしろ」と「命じて」いるはず)
ソースがないのが残念だが、無能なウェッジは間違いなく、クラブハウスに鍵をかけた密室ミーティングで野手を集めて、「おまえら、何してんだ。ランナーを貯めたら、フルスイングしろと、あれほど言っただろ!」と大声で怒鳴りつけていると、ブログ主は確信しているのである。


だが、だ。
ちょっと待て。


このチームのベースは、GMズレンシックが昨シーズンに超守備的チーム編成をもくろんで集めた選手を並べた「守備的チーム」である。そして、監督エリック・ウェッジの指示は、守備はまぁまぁだが打撃はイマイチな「ズレンシック的プレーヤー」たちに、「フルスイングさせる野球」。

「超守備的貧打チーム」で、
「フルスイング野球」
だと?(笑)

こんな「矛盾したチームづくり」が、グラウンドで「噛み合って」機能するとでも思っているのか?(笑)

なぁ、おまえら。たいがいにしとよ(笑)


日本人を舐めるなよっての(笑)
あたかも野球を知ってるかのようなフリして、おまえらのやってる野球はトンチンカンな、何のまとまりもないことばかり。GM、監督、地元メディア、そして球団も。おまえらのやっていることは、まるで、どこも噛み合ってないぞ。わかってるのか?(笑)


かつて無能なエリック・ウェッジは、これまでチームを支え続けてきた投手陣の頑張りを「マグレ」呼ばわりした。
だが、「超貧打チームに、ランナーが貯まったらホームランをかっとばせ」なんてチーム運営こそ、草野球以下の「意味不明のマグレ野球」だ。

「マグレの満塁ホームラン」が続いたら、「打線は上向いてきた」とか言い出す、エリック・ウェッジよ。

おまえさ、ほんとは素人だろ?(笑)






damejima at 13:37

July 10, 2011

5勝0敗、ERA0.21、WHIP0.690の素晴らしい成績で、6月のPitcher of the Monthを受賞したばかりのクリフ・リーが、オールスターを前に同地区2位アトランタとの重要なゲームに先発したのだが、このゲームの3回裏に、なんとアトランタ先発、10勝4敗の新鋭トミー・ハンソンから、キャリア初となるホームランをかっとばした。
ベンチではキャッチャーのカルロス・ルイーズが小躍りして喜んでいた(笑)
Cliff Lee Is Awesome, Adds Home Run Hitter to Resume

Pitcher of the Month
Philadelphia Phillies starter Cliff Lee voted National League Pitcher of the Month for June | MLB.com: Official Info

Cliff Lee 2011 Pitching Splits - Baseball-Reference.com


トミー・ハンソンは今シーズンは既に2桁、10勝にのせ、防御率も2.52と素晴らしい。だが、その新鋭のボールをスタンドに叩き込んでしまうのだから、クリフ・リーのバット、おそるべし(笑)
FOXのケン・ローゼンタールなどは「彼がバッティングが好きなんだ。だから、ナ・リーグに移籍したんだ」などとツイートした。


そういえば、6月28日のシアトル対アトランタで、イチローが今シーズン初ホームランとなる先頭打者ホームランを打ったのも、このトミー・ハンソン。
まぁ、単なる偶然という以上のこの出来事。この2人、いまだに縁が繋がっているらしい。

トミー・ハンソンの打たれたホームラン全記録
Tommy Hanson Career Home Runs Allowed - Baseball-Reference.com


ちなみにゲームは、トミー・ハンソンを粘り強いフィリーズ打線がまったく打ち崩せず、フィリーズの得点はなんと「クリフ・リーのホームランの1点のみ」で、クリフ・リーは勝ち投手になれなかった(笑)
その後1−1で延長に入り、11回表に3点を入れたアトランタが逆転勝ち。勝ち投手はなんとアトランタのリリーフ、ジョージ・シェリル(笑)

なんというか、いろいろとシアトルに縁のあるゲームだった(笑)

Atlanta Braves at Philadelphia Phillies - July 9, 2011 | MLB.com Classic






damejima at 08:50

July 06, 2011

2011年7月5日 イチローのスライディングで決勝エラー誘発

動画:Seattle Mariners at Oakland Athletics - July 5, 2011 | MLB.com Video

Gameday: Seattle Mariners at Oakland Athletics - July 5, 2011 | MLB.com Classic


1点リードで9回裏を迎えながら、クローザーブランドン・リーグが2本のヒットを浴びて、リードを失った。2本目のヒットはレフトのカルロス・ペゲーロがほぼ捕れたポップフライ。記録はシングルヒットだが、ほぼエラー。

同点で、試合は延長へ。

10回表。
まるで当たっていないグティエレスがようやくシングルで出塁し、無死1塁のチャンス。だが、次のホールマンがバント失敗した挙句に、三振。いやな空気が流れた。
次は、トップにまわって、この日すでに2安打のイチロー。タイムリーの期待が高まったが、打席途中でグティエレスが盗塁。
こうなると、当然、敬遠。現在のオークランドの監督は、クビになったボブ・ゲレンの後を引き継いだ元マリナーズ監督のボブ・メルビンだ。彼はイチローのことを知り尽くしている。1死1、2塁で、バッターはブレンダン・ライアン
ライアンはこのところイチローがランナーにいるとほとんど打てない。この日は3回表にも、1死1塁でイチローを塁上に置いて併殺打を打っている。ここでも例によってセカンドゴロ。

ライアンのこの日2回目の併殺打で万事休す、と、思われたが、イチローがオークランドの若いショート、クリフ・ペニントンに強烈なダブルプレー阻止のスライディングをかましたところ、ペニントンの悪送球を誘って、セカンドランナーのグティエレスが一気に生還。これが決勝点となった。


ゲームの経緯というものは、たいていこうやって書き並べて、経緯をきちんと追わないとわからないものだ。
きちんと経緯を見てもらえばわかるが、この「イチローのスライディング」は、味方のミスを最低4つは一気に取り返している。ざっと数え上げただけで、最低4人の大きなミスをカバーしているのである。
たかがスライディング、ではない。

9回表のブランドン・リーグの失点
9回表のカルロス・ペゲーロの守備ミス
10回表のグレッグ・ホールマンのバントミスと三振
10回表のブレンダン・ライアンの併殺打


今日のイチローはDHで、ライトを守ったのは、最近ペゲーロと交代でレフトに入り、たまにはグティエレスの代わりにセンターも守ったりするホールマンだ。
シアトルは「マイナー番長」であることが明らかになった外野手のリザーブのマイク・カープをマイナーに送り返したため、今日のように、ホールマンとペゲーロ、2人を同時にスタメンで使うと、ベンチには外野手の控え選手がいなくなる
もし、どうしても緊急に外野を守らせるとしたら、かつてLAA時代に外野手だったショーン・フィギンズくらいしかいない。
1点リードした9回裏に、1死3塁、あわやサヨナラ負けというピンチを迎えたが、守備が下手なのがわかっているレフトのペゲーロに守備固めができなかったのは、今シーズンの「野手の手薄さ」が背景にある。


なぜ、シアトルはこんなに「野手が手薄」なのか。
というか、スタメンを毎日入れ替え続けられるほど、野手がロスターにあふれかえっているのに、なぜ「野手が手薄」なのか。

理由はハッキリしている。
GMズレンシックの不手際だ。


ズレンシックが去年もくろんだ「超守備的選手構成」は、既に取り返しがつかないほど破綻して、ペイロール、つまりチームの予算は今は身動きがとれない
だが、その収拾策としてズレンシックが開幕以降やったことといえば、去年の無駄な選手を整理することもせず、放置したまま、マイナーから「打てそうだが、守りのできない給料の安い若手選手」を大量に連れてきて、「若手育成シーズン」とか称してスタメンに名前を連ねさせることだった。

その結果、生まれたのが、ウェッジが毎日やっているとっかえひっかえの「二重スタメン」だ。

だからいまズレンシックとウェッジがやっていることは、「若手の育成」という名目の、実質「自分の失敗してできた莫大な借金の穴埋め」だ。
去年の借金の整理もできないズレンシックは、しかたなく若手育成という名目のもとにマイナーから若い選手を次々に上げてきて、床に開いたデカい穴を、若手という「値段の安いパテ」で塗り固めてふさいで、誤魔化そうとしているのである。


ズレンシックは、去年自分の肝いりでスタメンに名前を連ねさせたミルトン・ブラッドリー、ショーン・フィギンズ、ジャック・ウェイルソン、フランクリン・グティエレスに、気前よく契約をくれてやった。だが、すぐに彼らは基本的に打撃(あるいは打撃と守備の両方)に問題があることが既にわかった。

そのため、いまシアトルのロスターは、働かないのに給料の高い選手と、働けるが給料の安い選手、2種類の選手が、ダブついて存在している。そしてズレンシックは、一部の選手が新しいスターであるかのように意識的にファンを誘導して、スタジアムを満杯にしようとやっきになっている。
普通に活躍し続けていれば自然と抜きん出ていくのがスターというものなのに、不自然、かつ、迷惑きわまりない。

A群 「打てない。守備のみ。複数年契約のベテラン」
2Bジャック・ウィルソン、CFグティエレス、3Bフィギンズ、そしてかつてのLFミルトン・ブラッドリーなど。言うまでもなく、「去年のロスターの残骸」だ。無能なズレンシックの与えた無謀な複数年契約で、能力に見合わない給料を稼いでいる。彼らの能力不足を埋めているのは、給料の安いケネディ、アックリー、ライアンなど。ケネディは、アックリーのリザーブまでこなしている。

B群 「打てそうな期待感。守備はイマイチ。若手」
1Bスモーク、LFペゲーロ、LFカープなどの新人。メジャーに呼んだ当初は多少打てた。だが、時間が経つにつれ、守備が下手なことが判明しつつあり、打撃も湿ってきた。彼らの控え選手はホールマンくらいしかいないが、とても能力不足解消とは言いがたい。彼らの出場じたいが、控え選手をスタメンに出しているようなものだから、もし彼らが怪我でもすると、控え選手はすぐに不足する。ジメネスの怪我がいい例だ。


ジャック・ウィルソンは、すっかりブレンダン・ライアンとダスティン・アックリーの陰にかくれたコストの馬鹿高い控え選手で、ペイロールの硬直化を招いている。複数年契約をもらって以降のグティエレスは、アウトコースの変化球に弱いくせに引っ張りたがる「サードゴロ マシーン」で、肩も弱い。年900万ドルも稼ぐフィギンズは、とっくに攻守とも壊れ果てた。ここに、アウトコースの変化球が打てないことが相手チームにバレつつあるオリーボが加わりつつある。
ペゲーロは打てる球種とコースをスカウティングされて、さっぱり打てなくなり、さらに守備が上手くない。低めのワンバウンドするような釣り球のチェンジアップで簡単に三振することは、いまや誰でも知っている。スモークは低めの縦に動く変化球に釣られやすく、強い当たりのファーストゴロが苦手なことも判明しつつある。カープは今回のコールアップでも全く時間の無駄に終わり、マイナーに返品された。


シアトル・マリナーズの4番以降9番までの6人は、シンプルにいえば攻撃しかできない給料の安い若手6人と、守備しかできない給料の高いベテラン6人、合計12人でやっている「おそろしく非効率な会社」のようなものだ。

この「会社の本来の仕事」は、本来は6人分だ。6つの攻撃と、6つの守備だ。本来はこれを6人でこなして、6人分の給料を払う。
だがシアトルでは、いわば12人の野手で、この6人分の仕事をさせている。12人分の給料を払い、常に12人分の出場枠を順繰りに確保してやって、調子をキープし続ける。


となると、そこで始まるのが、毎試合のように繰り返される「スタメン組み替えごっこ」だ。

「相手の先発投手が左だから」とか名目をつけて、「新人のA、B、C。ベテランのa、b、c」を使ったかと思えば、その翌日は「相手の先発が右だから」と名目をつけて、「新人のD、E、F。ベテランのd、e、f」と、まったく違う6人を使う。



先発投手が左? だから何?
そんなの、どこにも合理性はない。






damejima at 19:15

May 14, 2011

5/8  リーグ 3失点 敗戦投手
5/10 リーグ 2失点 サヨナラ負け
5/12 リーグ 2失点 サヨナラ負け
(先発バルガス9回無失点
5/13 リーグ 3失点 サヨナラ負け
(先発フィスター8回2失点

かつて、ピッチングを組み立てようとするロブ・ジョンソンのサインに首を振りまくって、ワンパターンにストレートだけを投げたがって、せっかくの勝ちゲームを連続サヨナラ負けしまくって、チームを崩壊に導いたときのデイビッド・アーズマの慢心ぶりがそうだったように、去年ブランドン・リーグが何度も繰り返し炎上して、ゲームを何度も落としていたのを、なんと、言うにことかいて、当時シアトルのキャッチャーだったロブ・ジョンソンがリーグの決め球のひとつであるスプリッターを捕れないから、リーグがスプリッターを投げられないのが理由で、リーグはまともにピッチングできていないだの、なんだの、おかしな「タラレバのナンクセ」をつけてロブ・ジョンソンを罵倒してばかりいた手の施しようがない馬鹿が、日本にもアメリカにもいたものだが、いつになったら、ああいう頭の悪い人間が「野球を見る目」が身につくのだろう(冷笑)
永遠に勘違いしたことを言っていればいい。こちらは常に遠くから冷笑するだけだ(笑)


本当は単なる平凡なセットアッパーでしかないブランドン・リーグがどういうレベルの投手なのかは、この1週間で全て証明が終わった。

結論:
去年ブランドン・リーグが炎上していたのは、単に、単なるセットアッパーレベルの実力しかないこの投手の能力の無さが原因であり、ロブ・ジョンソンのキャッチングのせいではない。以上証明終わり。以降、議論不要。
Seattle Mariners at Cleveland Indians - May 13, 2011 | MLB.com Classic


ブランドン・リーグは、今はトロントでローテーション・ピッチャーとして活躍しているブランドン・モローとのトレードで獲得した投手だが、よく、無能GMズレンシックの酷い業績を言い繕うために、このトレードを、Win-Winのトレード、つまり、双方に利益のあったトレードのように言う人がいるが、馬鹿なことを言うものじゃない。

ブランドン・モローはシアトルの2006年ドラフト1位(全体5位 この年はティム・リンスカムが全体10位でドラフトされた年)で、しかもスターターである。
1st Round of the 2006 MLB June Amateur Draft - Baseball-Reference.com

MLBにおけるスターターの投手と、単なるセットアッパーの「重みの違い」すらわからないで、くだらないことを言うものじゃない。

ハッキリしておく。
貴重なドラフト1位のスターターを、単なるセットアッパー程度と交換してしまうトレードが、Win-Winなわけがない。馬鹿なことを言うな。


この件についても、証明終わりだ。

結論:
ブランドン・モローと、ブランドン・リーグのトレードは、単に、数あるズレンシックの失敗トレードのひとつである。以上証明終わり。以降、議論不要。


Brandon League is not a closer.
He is just a loser.








damejima at 11:28

April 18, 2011

新人王の資格を持つマイケル・ピネダが粘投して、シアトルの連敗を止めた。正直、ヘルナンデスの状態が状態なだけに、現状のチームのエースは明らかにヘルナンデスではなく、このピネダだ。
Seattle Mariners at Kansas City Royals - April 17, 2011 | MLB.com Gameday

ヘルナンデスは去年、初めてサイ・ヤング賞に輝いたわけだが、このブログでは彼のサイ・ヤング賞獲得記事を書かなかった。と、いうのも、2010年のシーズン途中にずっと指名捕手にしてきたロブ・ジョンソンとバッテリーを組むことをやめたのを見て、ピッチングの組み立てに関するヘルナンデスの慢心を感じた、というのが、その理由だ。
ヘルナンデス自身のピッチングの組み立ては、去年からずっとそうだが、2ストライクとって追い込んでからの無駄な球数がちょっと多すぎる。


去年の惨憺たるシーズンの後、GMジャック・ズレンシックはファンに向けた手紙を書いた。
ファンはてっきり、ズレンシックが自分自身の意思で意味不明な超守備的なチーム編成をして大失敗したことへの謝罪でもするのかと思ったわけだが、実際にはそうではなく、ズレンシックが主張したのはなんと、「これだけの若い選手層が充実してきました。どうだ。」という、なんとも的はずれの馬鹿馬鹿しい自画自賛だった。
E-mail messages from Lincoln and Zduriencik to fans | Seattle Mariners blog - seattlepi.com
(日本語訳 他サイト)101敗のマリナーズ:責任者の謝罪の手紙:MikSの浅横日記:So-net blog


だが、この「自画自賛」は、実は自画自賛ですらなく、
正確には「他画自賛」だった。
ズレンシックが「手紙」の中でわざわざ自慢した「若い戦力」14人のリストをみてみるといい。

Dustin Ackley 2009年ドラフト
Justin Smoak クリフ・リーとトレード
Carlos Peguero 2005年(3A)
Nick Franklin 2009年ドラフト
Kyle Seager 2009年ドラフト
Johermyn Chavez 2009年12月ブランドン・モローとトレード
Greg Halman 2004年契約
Matt Mangini 2007年ドラフト(DL)
Michael Pineda 2007年契約
Blake Beavan クリフ・リーとのトレード(3A)
Dan Cortes 2009年7月ベタンコートとトレード(3A)
Mauricio Robles 2009年7月ウオッシュバーンとトレード(DL)
Maikel Cleto 2008年12月プッツなどとのトレードで獲得
    さらに2010年ブレンダン・ライアンとトレードで放出
Anthony Varvaro 2011年1月アトランタがクレーム


自慢気にズレンシックが挙げている14人の中には、実際にはズレンシックがGMとしてまったく関わってない選手が多数含まれている。
たとえば今日の先発で、大注目のドミニカン、マイケル・ピネダは、2005年にはもうシアトルと契約していたわけで、ズレンシックとはなんのかかわりもない。
こうしたズレンシックとかかわりのない選手をリストから削除してみると、こうなる。

Dustin Ackley 2009年ドラフト
Justin Smoak クリフ・リーとのトレード
Nick Franklin 2009年ドラフト
Kyle Seager 2009年ドラフト
Johermyn Chavez 2009年12月 ブランドン・モローとのトレード
Blake Beavan クリフ・リーとのトレード(3A)
Dan Cortes 2009年7月にベタンコートとトレード(3A)
Mauricio Robles 2009年7月にウオッシュバーンとトレード(DL)


最初のリストから、ズレンシックが関わっていない選手を除いてみると、14人が、半分の8人になったわけだが、実際には、この数はもっと減る。
というのは、たとえばダスティン・アックリー獲得は、ズレンシックの功績でもなんでもないからだ。シアトルはGM交代とは無関係に2009年ドラフトで全体2番目の指名権を持っていたのであって、たとえアヒルやニワトリがGMであろうと、この2009年ドラフトでアックリーを指名していたはずであって、GMが誰であろうと関係ない。
同じように、ジャスティン・スモーク獲得についても、名投手クリフ・リーとの交換という好条件を考えると、たとえ誰がGMであろうと一定レベル以上の選手をとってこれた楽なトレードだったわけで、ジャスティン・スモーク獲得もGMの実績でもなんでもない
加えて、2009年ドラフト組のNick FranklinやKyle Seagerといった選手たちは当然ながらすぐに戦力になるわけでもないし、また、トレードの下手なズレンシックが、いつ下手なトレードの駒にしてしまうかわからないのだから、GMの実績にカウントするほどの話ではない。


Johermyn Chavez 2009年12月 ブランドン・モローとのトレード
Blake Beavan クリフ・リーとのトレード(3A)
Dan Cortes 2009年7月にベタンコートとトレード(3A)
Mauricio Robles 2009年7月にウオッシュバーンとトレード(DL)


どうだろう。
14人のリストが結局たった4人しか残らない。
しかも、3Aが2人。DL入りが1人。その3人を除くと、たった1人しか残らない。
ブランドン・モローのトレードでは、移籍先のトロントでモローの先発投手としての開花に泣き、2009年ウオッシュバーン、2010年クリフ・リーのトレードでは、2年続けて先発投手陣の精神的支柱を自分から放出し、投手陣崩壊を自ら招いた。


こんな最悪の選手獲得実績で、「どうだ、若い戦力が充実してきただろう?」もなにもないものだ(笑)








damejima at 10:43

April 10, 2011

たくさんのイベントが用意され、せっかく盛り上がるはずだった開幕ゲームのハッピーなムードをぶち壊しにした2人の出来損ないのジャック、すなわち、ジャック・ウィルソンジャック・ズレンシックに対して、開幕を楽しみにしてきたファンと、監督エリック・ウェッジ、チームメイトに対する、きちんとした謝罪のステートメントを要求する。


ブログ主が聞きたいのは、「今後はチームに貢献できるように努力する」だのなんだのという、よくある軽いエクスキューズではない。
必要なのは、明確な「アイム・ソーリー」だ。
欧米人は謝らないのが普通だ、だの、なんだの、そういう屁理屈はまったく必要ない。

もし、ジャック・ウィルソンが謝罪できない、謝罪したくないというのなら、もはやゲームで使う必要はまったくない。
もちろん、たとえ謝罪したとしても、ジャック・ウィルソンを即時トレードしても、なんら、さしつかえない。まったく問題ない。

自分が重大なミスをしてゲームを壊しておいて、しかも、ミスをした自分のほうからゲームを離脱するなど、もってのほかだ。さらに、経緯に関して嘘をついた挙句に、ゲームに出たいだのなんだの、言語道断、もってのほか。ファンを馬鹿にするのも、たいがいにしてもらいたい。

まず謝罪。話はそれからだ。



この不祥事が起こる原因を作ったのは、はっきり、
GMズレンシックだ。



理由は、2つ。

第一の理由は、ズレンシックが、あらゆる点で期待はずれだったジャック・ウィルソンを、獲得に責任のあるGMとしてきちんと処分しようとしないどころか、むしろ、セカンドへのコンバートなどという中途半端な形でスターターに温存して、ジャック・ウィルソンを甘やかし、慢心させたことだ。

ジャック・ウィルソンはこれまで、ケガばかりのスペランカーであり、ロクにゲームに出ていない。ショートの守備は平凡だし、打撃面も期待できない。
にもかかわらず、ズレンシックは、2010年冬にまったく同じショートのポジションに、まったく同タイプ、守備専ショートのブレンダン・ライアンを獲得してきた。
このことにより、マリナーズのペイロールの無駄遣いはさらに加速した。同じポジションに同タイプのプレーヤーは2人いらないのは当然だ。だから、ライアンを獲得したのならジャック・ウィルソンのほうはスタメンから干して追い出すか、トレードの駒にするか、なんらかの手段で処分するしかなかったはずだ。

一方、2010年には既に、フィギンズが二塁手としては並以下の守備しかできないことはわかっていた。
にもかかわらず2010シーズンは、セカンドからサードにコンバートされていたホセ・ロペスと、二塁手のつとまらないフィギンズの守備位置を、2人とも元に戻すアイデアも実行することなく、ズレンシックは頑固にフィギンズを二塁手に固定したまま、シーズン100敗を喫した。
なのに、2010年のシーズン終了後にズレンシックのやったことといえば、セカンド守備をやるという前提で自分が獲得してきたショーン・フィギンズの「本職である三塁手に戻りたい」というわがままを聞いてやるという愚策だった。
その結果、セカンドをフィギンズに譲ったホセ・ロペスの最後の砦となっていたサードのポジションは、あっけなく、わがままし放題のフィギンズのものになってしまうことになる。
ホセ・ロペスは、もともと二塁手だっただけに、彼をセカンドに戻して使うアイデアも可能だったが、なんとズレンシックのやったことといえば、もともと二塁手だったロペスの放出だった。

こうして、GMジャック・ズレンシックは、ショーン・フィギンズとジャック・ウィルソン、この高給取りの2人に馬鹿げた処遇を与え続け、甘やかし続けた。
ズレンシックが多くのペイロールと選手を犠牲にして獲得してきた2人が、2人して、守備も、打撃も、両方が度をこして期待はずれだったことにあるのは明白だったにもかかわらず、ズレンシックは問題の核心をわざと避けて通るように、とことん彼らのわがままを聞いてやるような馬鹿な真似をしたのである。

結果、セカンドのポジションは、結局、控えのユーティリティプレーヤーとしてズレンシックが獲得してきた二塁手のできるピークが過ぎたアダム・ケネディでも、期待の若手のダスティン・アックリーの育成に使うでもなく、なんとショートの守備しか実績のないジャック・ウィルソンにくれてやることになった。
馬鹿としか、言いようがない。ジャック・ウィルソンには、セカンドをやることで不平不満を言う権利そものがないことは、こうした経緯から誰の目にも明らかだ。


第二の理由は、2010年のショーン・フィギンズ打順降格事件で、まったく毅然とした対応をとらず、むしろ、悪しき前例を作ったことである。
当時のショーン・フィギンズは(今年もそうだが)、あまりにも打撃が酷いために、9番に打順を降格させられ、それが不満で、ゲーム中のダグアウトで監督と揉め、2人して揉めている様子がテレビカメラを通じて放映される、などという馬鹿なことをしたプレーヤーだが、この不祥事をきちんととがめて処罰しておかないから、こういうことになる。

そのフィギンズ、今年も既に「あるまじき最悪の打撃成績」になっている。フィギンズの今後の処遇についても、来るべきときが来たら、つまり、あまりに結果が出せないようなら、打順を降格させるなり、スターターからはずすなりという降格処分を、今度こそ、躊躇なく実行すべきだ。

監督ワカマツがクビになったこと自体は指導力や経験の不足からくるもので、それ自体はしかたがない。だが、いくら経験不足の監督であっても、監督という管理職をまかせた以上、GMの役職にある人間は、監督としての立場とプライドを守ってやる責任と義務がある。

今回のジャック・ウィルソン事件でも、ズレンシックは"Eric is the manager, and he's in charge,'' (Chuck Stark: Wilson, Wedge add controversy to Opening Day » Kitsap Sun)と、去年のショーン・フィギンズ事件のときに、監督ワカマツについて言っていたのとまったく同じことを言っているが、ズレンシックのこういう言葉がまったく信用ならないものであることは、彼がフィギンズを全く処罰しない一方で、監督ワカマツは、自分のチームコンセプト大失敗の責任をおっかぶせるようにクビにしたことで明らかだ。

監督キャリアのないワカマツは、監督を大事にしないチームの酷い扱いに膝を屈したが、エリック・ウェッジは違う。次のゲームでラインナップ・カードにジャック・ウィルソンの名前を書かないかったのである。
ウェッジがスターターからジャック・ウィルソンをはずすことで、明確に処罰の姿勢を示したことを、このブログは強く支持する。スターターに絶対に戻すべきではない。


もし、今回のジャック・ウィルソン事件がきちんと処理できなかったときは、GMジャック・ズレンシックは即時辞任すべきだと考える。



Mariners' Eric Wedge: Jack Wilson's actions 'unspeakable' | Mariners.com: News
エリック・ウェッジ「ジャック・ウィルソンの振る舞いには、呆れてモノが言えない」(マリナーズ公式サイト)

Seattle Mariners Blog with Shannon Drayer - Mariners Blog - MyNorthwest.com
(ブログ注)このシャノン・ドライアーの記事は、まず、ジャック・ウィルソンが自らゲームを降りた4月6日の水曜に一度書かれ、2日後の4月8日金曜にジャック・ウィルソンのほうから事態の収拾を狙って少数の記者だけを集めて、自ら語ったインタビューについての部分を追加する形になっている。ジャック・ウィルソンの態度が、この数日でどう豹変したかを読み取るには非常に都合がいい。

Mariners Blog | Mariners had better get this Jack Wilson thing under control fast | Seattle Times Newspaper
「マリナーズはジャック・ウィルソンの事態を早急に収拾すべき」(シアトル・タイムズ)

Mariners must rid themselves of Wilson | MORE TOP SPORTS - The News Tribune
「マリナーズはウィルソン事件を克服すべき」
(The News Tribune)

Mariners can't keep Jack Wilson; Eric Wedge shows he's in charge - Blog - MyNorthwest.com
「マリナーズはウィルソンをチームに置いてはおけないだろう。エリック・ウェッジは指揮官が自分であることを示した」
(MyNorthwest.com)

Jack Wilson situation takes another turn following Mariners loss | Seattle Mariners blog - seattlepi.com
(Seattle Post Intelligencer)
「マリナーズ敗戦後、ジャック・ウィルソンの件で急展開」
(ブログ注)「急展開」というのは、最初は「水曜のゲームでは、監督のウェッジに交代させられた」と嘘の発言をしていたジャック・ウィルソンが「実は、監督にではなく、自分からゲームを降りた」と事実を語ったことをさす。この発言を受けて、地元メディアは大慌てでこの事件についての記事のトーンを一斉に変えた。








damejima at 07:18

January 23, 2011

書いていたら、だいぶ嫌になってきた。事実関係で間違っている部分があるかもしれないが、2010シーズン、どれだけ酷い事件ばかり続いたかを羅列していたら気分が悪くなってきたので、もうやめる。
GMズレンシックの先導した守備偏重のチーム編成の大破綻を筆頭に、ショーン・フィギンズと元監督ワカマツの試合中のベンチでの言い争いと乱闘。エリック・バーンズの自転車帰宅事件。ケン・グリフィー・ジュニアの居眠り報道事件と、後味の悪い引退劇。ミルトン・ブラッドリーの無断帰宅にロサンゼルスでの逮捕。そして、自宅の風呂場でコケて骨折するジャック・ウィルソン。

およそ、どうみても、
「まともに機能できている組織体」とは言えない。

こうした事態が、現場の統率者であるジェネラル・マネージャー、GMの責任でないとしたら、誰の責任だろう。教えてもらいたいものだ。


ファースト

マイク・スウィニー

2009年1月に、GMズレンシックがオークランドから獲得。例のマリアーノ・リベラからイチローがサヨナラ2ランを打ったゲームで、リベラから値千金のツーベースを打ってイチローに繋いだように、間違いなく頼れる男。ただひとつだけ残念なことに腰痛の持病があり、たびたび試合を休んだ。好きな選手なので言いたくないが、2010シーズンは、スウィニーとグリフィー、DH要員がロスターに常に2人存在するという無駄な状態が続いた影響で、中継ぎ投手のロスター枠がひとつ足りなくてブルペン投手が苦しんだ、というのはまぎれもない事実として書き留めておく。
2010シーズン途中にフィラデルフィアへ移籍。幸福なポストシーズンを初体験できたのは、なによりだ。
ケイシー・コッチマン
2010年1月に、GMズレンシックが、ビル・ホール他1名との交換で、レッドソックスから獲得。このコッチマン、2010シーズンに125試合も出場させてもらったわけだが、打率.217、OBP.280、長打率.336、OPS.616という惨憺たる打撃成績。逆にいえば、チームは、これだけ酷い打撃成績を放置して、コッチマンをずっとゲームに出場させ続けたわけであり、2008シーズンに打率2割に終わった城島がゲームに出続けた無意味さとそっくり。シーズン終了後コッチマンを放り出したわけだが、もっと早く処分すべきだった。ちなみに、放出後のビル・ホールは、ボストンで119試合に出場し、.打率247、OBP.316、.SLG456、OPS.772。
ちなみに、彼を守備の名手だという人が多い。だが、ブログ主はまるでそう思わない。コッチマンは、前に来たゴロはともかく、横のゴロはあえて手を出さない。というのは、ポジションを常にライン際にとっているから。これでは1、2塁間のゴロの大半がライトに抜けてしまう。だからエラーにならない。それだけのことだと思っている。
彼は、投手の配球がインコースだろうがアウトコースだろうが、バッターがどんなタイプだろうが、打球の条件の変化も考慮せず、いつもライン際にポジションをとる。だから1、2塁間の当たりがキレイにライト前に抜け、あたかもクリーンヒットに見えてしまう。
ヤンキースの守備のうまい1塁手テシェイラと比べればわかる。テシェイラが1、2塁間のゴロを飛びついて捕るとき、補球位置はびっくりするほどセカンド側に寄っている。最初から多少はライト線から離れて守らないと、こうはいかない。彼のポジショニングの大胆さがなせる技である。ライト線に抜けるゴロも、テシェイラは飛びついて捕ることができる。
ラッセル・ブラニヤン
2010年6月に、ケン・グリフィー・ジュニア引退と腰痛持ちのマイク・スウィニーの欠ける主軸打者の穴を補う形で、GMズレンシックがクリーブランドから、マイナー有力選手2人(エスケル・カレラ、フアン・ディアス)との交換によって獲得。
ブラニヤンは34歳の腰痛持ちであり、この出戻りトレードは、腰痛持ちのスウィニーのフォローのために腰痛持ちのブラニヤンを獲得したという、おかしなもの。
この1塁手をダブつかせたトレードでシアトルが放出したマイナー選手はいずれも有望選手だった。ひとりは、AAウェスト・テネシーのチームMVPに選ばれ、サザン・リーグのオールスターに選出されたことのあるエスケル・カレラ(23歳)。もうひとりが、昨年カリフォルニア・リーグのオールスターに選出された遊撃手フアン・ディアス(21歳)。
2010年シーズン後、シアトルはラッセル・ブラニヤンとは契約せず、FAにした。マイナーの有望な2選手を失ってまで強行したトレードの結果がこれでは、シアトルのマイナーがスカスカになるばかりだ。
ジャスティン・スモーク
ただでさえ一塁手がダブついていた2010年7月に、GMズレンシックがクリフ・リーと交換にテキサスから獲得した一塁手。その後のクリフ・リーはその後ワールド・シリーズの第1戦先発になるなど、チームの看板になったが、スモークはシアトルに来た当初、大振りばかり目立って空振り三振が多く、打撃不振からマイナー落ちしている。シーズン終盤に復帰するが、2011年以降の先行きは誰にもわからない。いちおうスイッチヒッターということになっているが、左投手との対戦ではほとんど期待できない。


セカンド

ホセ・ロペス

いうまでもなく、近年ずっとシアトルのセカンドを守ってくれた貴重な生え抜きプレーヤー。2010年のショーン・フィギンズ獲得でサードにコンバートされた。サードでもなかなかシュアな守備をみせたが、2010シーズンオフに、ついにコロラド・ロッキーズへ放出されてしまう。
打撃面では「ロペスに不運もあった」と、彼を弁護したくなる。
ケン・グリフィー・ジュニアのシーズン途中の突然の引退や、マイク・スウィニーの腰痛による欠場などから、シアトルに頼れる主軸打者がいない非常事態となったため、ホセ・ロペスは、彼にはまだ荷の重すぎる4番を打たされ続け、その重圧から打撃成績が低迷し続けた、とも思うからだ。(おまけに彼は右打者だ)
四球が少ないのは彼のもともとある欠点だが、長打力は、あのジョー・マウアーに比肩するものがあることは一度書いた。彼はホームスタジアムの狭いチームに行って、のびのび打てる打順で使ってもらえれば、打撃成績向上をみるはず。
ショーン・フィギンズ
そもそも、フィギンズはエンゼルスで主にサードを守ったプレーヤーだ。GMズレンシックは、そのタイプAの三塁手を、4年3600万ドルの大金と、18位のドラフト指名権を同地区のライバルに明け渡してまで獲得し、さらにはホセ・ロペスをサードにコンバートまでして、「フィギンズ、2番、セカンド」にこだわった起用を続けた。
だが、彼のセカンド守備はイマイチどころではなかった。大事なところでダブルプレーのミスなど、エラーは多いし、ポップフライを深追いしすぎる。
加えて、いちおう「スイッチヒッター」ということになっているフィギンズの左打席はほとんど使い物にならない。これは、スイッチヒッターといいながら左投手がまるで打てないスモークも同じ。
2010年7月23日、レッドソックスのキャメロンが左越え二塁打を打ち、レフトのソーンダースの二塁返球が本塁寄りにそれた時に、二塁手フィギンスがこれを漫然と見送ったことについて、当時の監督ワカマツが激怒し、その後フィギンスに代打を送った。両者は口論からベンチ内で大がかりなもみ合いとなり、それがテレビ放映される異常事態に発展。
この一件の後、フィギンズはチームに対して申し開きも、謝罪もしていないの。また、チームもフィギンズを処分しなかった。
ブレンダン・ライアン
2010年シーズンオフに、GMズレンシックがセントルイスから獲得した内野手。セカンド、サードも守れるらしいが、本来はショート。守備の名手としてショートではMLBでトップクラスの評価がある。
ただ、これだけ守備に定評のあるショートストップなのに、元三塁手のフィギンズをセカンドから本来のサードに戻してやるために、本来ショートのブレンダン・ライアンをセカンドで使うのだという。だとしたら、なんのための獲得か、よくわからない。
だが問題はそれだけではない。ライアンの打撃である。2010年は139試合出場で、打率.223、2本塁打、36打点と、2010年のケイシー・コッチマン並の酷い打撃実績しかない。さらには、セーフコでは鬼門とわかりきっている右打者でもある。
2010シーズンにあれだけ「守備偏重コンセプトのチーム編成」が大破綻をきたしたというのに、またしても、その破綻したコンセプトそのままの「守備専用プレーヤー」をまたもや獲得してきてしまうのだから、ズレンシックの迷走ぶりもちょっと開いたクチがふさがらない。
アダム・ケネディ
2010年冬にGMズレンシックが獲得してきた堅守の二塁手。ブレンダン・ライアンの本職はショートであり、本来はこのアダム・ケネディが本職の二塁手。ケネディはサード経験も90試合ほどあるものの、そんな試合数ではたかがしれている。
たしか2009年くらいに、いちどだけアダム・ケネディについての記事を書いて、「こういう野球を知っている選手こそ欲しい」とかなんとか書いた記憶があるが、あれからもう随分と時間がたってしまった。彼ももう35歳。引退が見えてきている。
2010年にファーストの選手をダブつかせたズレンシックだが、2010年の冬にまたもや、やたらと守備系の内野手を貯め込んでいるために、またしても内野手がダブりだしている。本職でいえば、サードはフィギンズ、ショートはブレンダン・ライアン、セカンドがアダム・ケネディなわけだが、もちろんショートには、かつてGMズレンシック自身の肝いりで獲得してきて失敗した高給取りの高齢スペランカー、ジャック・ウィルソンがいる。
と、なると、まだ今年3月に29歳になるブレンダン・ライアンに本職でないセカンドをやらせて、35歳のアダム・ケネディにセカンドの控えとユーティリティでもやらせるつもりなのだろうか。そしてトミージョン手術経験のある二塁手(または一塁手)ダスティン・アックリーをどう処遇するのか、という問題もある。
と、いっているそばから、アダム・ケネディは、2010年1月27日カリフォルニア州で飲酒運転で逮捕。やれやれ・・・。


サード

エイドリアン・ベルトレ

シアトルとの2005年からの5年契約が切れた2009年シーズン後にボストンと900万ドルで単年契約。東海岸移籍後のベルトレは、打率.321、28本塁打、102打点の驚異的な打撃成績を残した。2011年以降は、その成績をひっさげ、こんどはテキサス・レンジャーズと6年9600万ドルで契約した。
シアトルとは関係ない話だが、三塁手ベルトレのテキサス加入で、ブログ主の好きな選手のひとりであるマイケル・ヤングがサードベースマンから、DHにコンバートされるらしく、非常に残念に思う。マイケル・ヤングはたぶん2000年のメジャーデビュー以来、ずっとプレーしてきたテキサスというチームに深い愛着があるだろうし、コンバートが嫌だから移籍させてくれとは言わないだろう。だからこそ、このコンバート、かえってややこしい。
ホセ・ロペス
2009年シーズン後のショーン・フィギンズ獲得に際して、セカンドからサードへコンバートされ、それまでのセカンド守備でみせたようなポカの多発も心配されたが、予想に反してサード守備ではシュアなプレーぶりをみせた。
上でも書いたが、もしチームが頼れる主軸打者をきちんと補強してくれていたら、ロペスにはまだ荷の重すぎる4番を打たされ続けるようなこともなかったはずだ。2010年シーズンの主軸打者不在を、ロペスだけに責任を押し付けるのは、チームとしては正しくない。主軸打者をきちんと用意するのはGMの仕事である。
2010年オフに、GMズレンシックはホセ・ロペスをコロラド・ロッキーズへ放出してしまったが、マウアーとの比較で書いたように、ロペスには持ち前の長打力があり、おそらく狭い球場では意外なほどの打撃成績向上を見るはず。


ショート

ユニスキー・ベタンコート

キューバ出身のベタンコートは、ラテンの気質、とでもいうのだろうか、欠点もあるが長所もある、そんなプレーヤーだった。守備のポカや、打撃での併殺打の多さ、早打ちなど、プレーの質の粗さを指摘され続けた反面で、9番打者として1番イチローに繋ぐバッティングでチームに貢献するなど、セーフコでは活躍しにくい右打者として、十分な打撃成績を残した。
GMズレンシックは、その愛すべき悪童ベタンコートを2009年7月に、マイナーリーガー2人との交換でカンザスシティに放出。移籍後のベタンコートは2010年カンザスシティでチーム最多となる16本塁打・78打点を記録。2011年はサイ・ヤング賞投手ザック・グレインキーとともに、ミルウォーキーへ移籍することが決まっている。
ちなみに、かつてショートだったアダム・ジョーンズが外野手に転向したのは、ベタンコートを獲得したため。アダム・ジョーンズはその後センターとしてゴールドグラブ賞を受賞したのだから、人生はわからないものだ。
ロニー・セデーニョ
2009年1月28日、GMズレンシックがシガゴ・カブスからアーロン・ハイルマンとのトレードで、ギャレット・オルソンとともに獲得した遊撃手。だが、そのわずか半年後、2009年7月末、GMズレンシックはこのセデーニョを、さらにジャック・ウィルソン、イアン・スネルとの交換のためにピッツバーグに放出している。放出されたのは、セデーニョ、ジェフ・クレメント、アーロン・プリバニック、ブレット・ローリン、ネイサン・アドコック。パイレーツ移籍後の2010年のセデーニョは、139試合に出場し、打率.256、OBP.293、SLG.382、OPS.675。二塁打29本は、キャリア・ハイである。
その一方、パイレーツから獲得した2人の選手、イアン・スネルは2010年6月に戦力外通告、ジャック・ウィルソンは怪我だらけと、ほとんど使い物にならなかった。
ジャック・ウィルソン
2009年7月末に、GMズレンシックが、セデーニョ、クレメント、アーロン・プリバニック、ブレット・ローリン、ネイサン・アドコックとの交換で、イアン・スネルとともに獲得。
2010年8月に、自宅バスルームで転倒し、右手中手指を骨折。この骨折以外にもスペランカーとして知られ、シアトルに来て以降、いまだにシーズン通じてまともにプレーできた試しがない。守備の名手と言われることも多いが、実際のところ、平凡な守備ミス、ポカもけして少なくない。
ジョシュ・ウィルソン
ほとんどシーズン通しての出場こそできないが、ジャック・ウィルソンの穴を埋めてきた苦労人。また2010シーズンには、マイク・スウィニーの穴を埋めるために、1塁手すらやらされたこともある。
シアトルで長期にわたって起用された経験がほとんどない。一時的に起用されて調子が上向く頃にはベンチ要員に戻る、このパターンを繰り返されているうちに、守備でミスし、打撃も低迷という悪循環に陥ることが多いのが非常にもったいない。


レフト

エリック・バーンズ

GMズレンシックがアリゾナから獲得。2010年4月、延長11回1死満塁のサヨナラの場面で、ベンチのスクイズのサインに従わず、一度出したバットを引いて見逃して、サヨナラ勝ちの絶好機をつぶした。この大失態についてバーンズは、監督ワカマツに何の釈明もせず、それどころか、自転車で自宅に逃げ帰り、5月2日に解雇処分。その後、意味不明な行動のまま、引退し、なんとソフトボール選手になった。
ケン・グリフィー・ジュニア
2009年にGMズレンシックが古巣シアトルに復帰させて、ファンの喝采を受けたが、その栄光ある印象を残したまま引退させることをせずに、翌2010年にもプレーさせ続けたことで、最悪の結果を招いた。
2010年は年齢からくる衰えにより、打撃成績が極端に低迷。さらには「試合中に居眠りしていた」との報道から球団との間でトラブルとなり、グリフィーはそのまま2010年6月2日に現役引退。ファンが楽しみにしていたはずの引退関連行事も本人不参加などで、まともに行えず、22年間にわたる輝かしいMLBキャリアの晩節を汚す残念な結果になった。
ミルトン・ブラッドリー
GMズレンシックがカルロス・シルバとのトレードで、シカゴ・カブスから獲得。数々の問題行動で有名だった選手だが、2010年5月、試合途中に無断帰宅し、メンタルな問題からそのまま休養。2010シーズンの成績は、打率.205、ホームラン8本、出塁率.292、SLG.348、OPS.640と、お話にならない。また2010年オフには、シーズン中における女性に対する脅迫容疑で、ロサンゼルス市警に逮捕された。2011年にプレーできるのかどうかすら不明。
Report: Seattle Mariners' Milton Bradley arrested for alleged threats - ESPN
マイケル・ソーンダース
シアトル期待の生え抜きの真面目なカナダ人プレーヤー。インコース低めの変化球に弱いという弱点が判明しているものの、エリック・バーンズの解雇や、まともに出場し続けられないミルトン・ブラッドリーのメンタル問題などが、かえって効を奏して、ソーンダースに左翼手として連続して出場する機会が回ってきて、2010年は100試合に出場できた。出場を続けるうちに、苦手な低めの変化球にわずかに改善が見られはじめている。2011年の飛躍が期待されている。


キャッチャー

ロブ・ジョンソン

くだらない城島問題の処理にチーム全体が揺れ、主力先発投手3人が城島とのバッテリーを拒絶した2009年シーズンを支えた功績から、2010年開幕キャッチャーに選ばれたが、2010年チーム低迷の責任を押し付けられる形でシーズン途中にマイナー送りに。シーズンオフに、サンディエゴ・パドレスと契約。
アダム・ムーア
ひとことで言って、まるで使い物にならない。だがシアトルの3Aタコマのコーチ、ロジャー・ハンセンの強力な後ろ盾があり、いつのまにかスタメン捕手に居座った。ロジャー・ハンセンは、ワカマツなど監督コーチが不振の責任から退任させられた後、シーズン終了までの繋ぎの意味でメジャーのコーチに昇格させただけでしかない臨時のベンチコーチ。
リンク:ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年9月14日、過去に城島擁護者だったベンチコーチ、ロジャー・ハンセンが現在も続けている無意味な捕手トレーニング手法。マイナーコーチ時代から続けてきた「手抜きのスパルタ方式」でプロスペクトを壊し続けてきた責任を徹底批判する。
惨憺たる打撃成績、たび重なるパスボールやエラーにもかかわらず、アダム・ムーアは2011年もどうやら25人ロスターの捕手とみられる。
ジョシュ・バード
2010年はロブ・ジョンソンやアダム・ムーアの穴を埋める役割を務めた。2011年もマイナー契約かなにかで残留する模様だが、チームがミゲル・オリーボと2年契約したことから、2011年も第3の捕手扱いとみられる。
エリエセル・アルフォンゾ
2008年5月に薬物で50試合の出場停止処分になった捕手。2010年6月、シアトルに来てわずか3ヶ月でDFAになった。たぶん、この選手がシアトルにいたことすら思い出さないだろう。
ミゲル・オリーボ
バベシ時代の2005年7月末、ミゲル・オリーボは、守備面の問題などを理由にサンディエゴに一度放出されている。移籍後のオリーボは、規定打席未満ではあったが、本塁打16本・打点58をたたき出し、打撃面での貢献をみせた。
オリーボ放出と同時にシアトルは、オリーボの代役キャッチャーとして、ランディ・ウィンとの交換で、セントルイスからヨービット・トレアルバを獲得したが、シアトルはそのトレアルバをすぐに放り出して日本から城島を獲得。2006年以降ずっと「城島問題」はチーム全体を右往左往させる大事件になる。
シアトルを短期間で放り出されたヨービット・トレアルバは、コロラドに移籍、2007年には自己最多の113試合に出場して、ワールドシリーズを経験した。
結局、シアトルは回りまわって、一度手放したオリーボを再びシアトルに三顧の礼で迎え入れるという、なんともお粗末な結果になった。(2011年2.75M、2012年3.5M、2013年はチーム・オプション)


ピッチャー

ジャロッド・ウオッシュバーン
ブランドン・モロー

ウオッシュバーンは2006年にFAでエンゼルスから加入した、どことなくキーファー・サザーランドに似た風貌の左投手。加入当初からMLBでも有数のラン・サポートの少ない投手として有名で、これは2009年7月にトレードされるまで変わることはなかった。
主力先発投手3人が揃って城島とのバッテリーを拒否した2009のシアトルは、7月まで優勝戦線に残れるほど好調なシーズンだったわけだが、中でもウオッシュバーンは準パーフェクトゲームを含む8勝6敗、防御率2.64の好数字もさることながら、投手陣のリーダーとして、チームを鼓舞し、支え続けていた。
ごくわずかなポストシーズン進出の望みが消えかかったこの大事な夏に、根強いトレードの噂が続いたにもかかわらず、2009年7月のア・リーグ月間最優秀投手を受賞していたウオッシュバーン自身は、常に「トレードは望まない。このチームでやりたい」と公言し続け、シアトルでのプレー続行を望んでいたが、GMズレンシックは耳を貸さず、トレード期限日となる7月31日に、ルーク・フレンチ他1名との交換で、ウオッシュバーンを中地区首位のデトロイト・タイガースにトレードしてしまう。
リンク:ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年7月23日、ウオッシュバーンは「移籍したくない」といい、「プレーヤーが売り払われないために、頑張るしかない」と語った。
リンク:ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年7月27日、魚釣りの好きな男の父が息子に電話してきて「トレードされたのかい?」と尋ねた。息子は言う。it's not over.「チームはまだ終わってないよ。」そして彼は家族のために魚料理を作った。
ベテラン投手ウオッシュバーンが抜けたことにより、その後シアトル投手陣は支柱を失って総崩れになり、チームのわずかに残されたプレーオフ進出の望みは断たれた。その結果、ウオッシュバーンに続いて、クリス・ジャクバスカス、ブランドン・モローなど、2009シーズンを戦った投手たちも放出されてしまう。
トロント移籍にあたってブランドン・モローはシアトルの投手育成ぶりを公然と批判した。また、シアトル時代に不調だったモローに、当時の投手コーチ、リック・アデアが「カーブを多投させてみよう」と打ち合わせをしていたにもかかわらず、ゲームで城島がモローにカーブのサインを故意に全く出さなかったというありえない事件も、地元メディアによって暴露された。
リンク:ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年12月22日、「投手コーチ・アデアとの打ち合わせを無視し、モローにカーブのサインを一切出さなかった城島」に関する記録。投手たち自身の「維新」による城島追放劇の舞台裏。
モローは移籍後の2010年にスターターに定着。146.1イニングを投げ、10勝7敗と活躍し、準パーフェクトゲームも達成。シアトルが開花させられなかった実力の程を示した。
他方、GMズレンシックは、ギャレット・オルソン、イアン・スネル、ルーク・フレンチなどの投手を次々に獲得していったが、どの投手も中途半端な投手ばかりで、パッとしない成績のまま終わった。
カルロス・シルバ
バベシ時代の2007年12月に、4年4400万ドルで獲得したが、当時の正捕手城島とまるで息があわなかったこともあって、ずっとお荷物の投手だった。
リンク:ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年6月19日、移籍後にストレートを投げる割合が83.1%から55.7%に突然下がり、シカゴ・カブスで別人になったカルロス・シルバの不可思議な変身。
GMズレンシックは2009年12月になって、何を思ったのか、シルバに600万ドルの金銭を加えることまでして、シルバをシカゴ・カブスへ放出、かわりに問題児ミルトン・ブラッドリーを獲得するというギャンブル的トレードを実行した。
シルバは、カブス移籍1年目、開幕8連勝を記録。その一方でブラッドリーは、数々の事件を起こした後、ロサンゼルスで暴行事件で逮捕。問題児を放出し、加えて600万ドルの現金も得たカブスがギャンブルに成功し、問題児を自ら抱え込んでコントロールし損なったGMズレンシックとシアトルが暗黒の貧乏くじを引いた。
イアン・スネル
2009年7月末にGMズレンシックが、ジェフ・クレメント、アーロン・プリバニック、ブレット・ローリン、ネイサン・アドコックとの交換で、ジャック・ウィルソンとともに獲得。どこにもいいところの見られないまま、2010年に戦力外。
ジェイソン・バルガス
2008年12月に、GMズレンシックが三角トレードでメッツから獲得。
獲得当初から、「チェンジアップ主体でピッチングを構成する投手」であることはわかりきっていたが、彼が常にキロスや城島といった「彼のピッチングスタイルを理解しないキャッチャー」とばかりバッテリーを組まされて成績が伸びず、悩み抜いてきたことは何度もこのブログに書いてきた。
だが、彼の才能にフタをしていた城島が日本に去ったことで、2010年春以降、バルガスはその実力の片鱗をみせる。6月までに14登板して、91.1イニングも投げ、6勝2敗、防御率2.66。60もの三振を奪う一方で、四球は23しか与えなかったため、ちょっと不確かな記憶だが、たしかこの時期のア・リーグWHIPランキングにダグ・フィスターとともに名前を連ねていたはず。英語版wikiにも、through June has proven to be one of the most surprising success stories on the troubled Seattle team's roster. と、酷いシーズンにおける活躍の輝きぶりが驚きとともに書かれている。
シーズン終盤には多投からくる疲労だと思うが、残念ながらキレがなくなったのと、チェンジアップだけの配球では通用しなくなり、打たれるようになったものの、2011年シーズンの復調と飛躍を期待したい投手ではある。
クリフ・リー
フィラデルフィアからGMズレンシックが複雑なトレードに相乗りする形で獲得。春先に調子の上がらないフェリックス・ヘルナンデスのかわりに、2010年は夏まで実質エースとしてチームを支えた。
だが、2010年7月のトレード期限に、GMズレンシックが、こともあろうに同地区のライバルであるテキサスへ、マーク・ロウとともに放出。シアトルは、前年2009年のトレード期限ギリギリに放出したウオッシュバーンに続いて、2年続けて投手陣を支える精神的支柱を失うハメになり、一方、テキサスはワールドシリーズを戦う太い大黒柱を得た。
クリフ・リー放出で得たジャスティン・スモークは、依然として未熟なままのフリー・スインガー。クリフ・リーは、2010年ワールドシリーズ終了後に、5年総額1億2000万ドルの長期契約で元の所属チームであるフィラデルフィアへ戻っていった。
ジョシュ・ルーク
クリフ・リーとの交換で、テキサスからやってきた選手のうちのひとり。右投手。過去にレイプで告発されたことがあり、どうも軽犯罪を認めることにより、レイプでの告発をまぬがれた、という話が囁かれている。やれやれ。どいつもこいつも。
デイビッド・アーズマ
2009年にクローザーとして定着して、十分すぎるほどの活躍がみられた。だが、どういう心境の変化かわからないが、一転して2010年はストレート一本やりの、あまりにも単調すぎるピッチングに固執するようになって、自ら墓穴を掘った。シーズンオフにGMズレンシックはアーズマのトレードを画策するも、うまくいかず、ズルズルとした形で残留が決まる。
ヘスス・コロメ
この投手、獲得する前年の2009年は、ミルウォーキーでわずか5試合の登板で、防御率も5点台後半の冴えない成績だったにもかかわらず、GMズレンシックが自身の古巣から獲得してきた。案の定、2010年6月には、はやばやとDFA。この投手がシアトルにいたことを、たぶん、今後思い出すこともなくなるだろう。2012年メキシコリーグで薬物違反により50試合の出場停止処分。

カネコア・テシェイラ
2006年にホワイトソックスの22巡目で指名された投手。2010年のシアトルが初のメジャー経験らしく、コロメ同様の経験不足の投手。防御率5.30で、6月には、はやくもDFA。コロメ同様、2011年中には、この選手がシアトルにいたことすら誰も思い出さなくなると思う。


ここに書いたこと以外にも、2010シーズンについて書きたいことはもっともっといろいろある。

たとえば2010年ライアン・ローランドスミスは、「自分のストレートに慢心して、ストレートばかり投げたがって試合を壊し続けた2010年のデイヴィッド・アーズマ」と同じように、速さもキレもないストレートに固執しまくった挙句に、けっきょく最悪の成績に終わり、ノンテンダーになってヒューストンに移籍していった。
リンク:ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年4月30日、「ストレートを投げたくてしかたない病」にかかったローランドスミス。
フィギンズの不遜さにしても、少なからず彼の慢心を感じる。打順を9番に下げられたくなければ打て、打ってから文句を言え、といいたい。打たない高給取りが人前で恥をかくのは当たり前のことだ。


ああいう「慢心」はどこから生まれてくるのだろう。


シアトル・マリナーズには、選手たちの「慢心」を許してしまう「何か」がある。これは批判ではない。「分析」である。
そして、その「慢心」は、チームがチームとして機能するときに大事な「規律」や「責任感」を破壊し、チームはチームとして機能できないまま、年月だけが過ぎる結果を生む。

「野球以外の場所でのゴタゴタ」がいつも存在することは、例の「城島問題」でも、嫌というほど学ばされた。たとえば、城島の3年契約がそうだ。野球の成績と無関係に破格の待遇の契約内容が決まってしまうような不合理さが、チーム内の規律に深い亀裂を生まないわけはない。
フィギンズの事件のように、チームとしての指導に従わない選手をきちんと処分しないで見過ごすような規律の緩さ、たとえばロジャー・ハンセンのような若い選手を大成させたキャリアが実はないクセに、意味のないスパルタ式の練習で若い選手の身体を壊すしか能のない人物をマイナーのコーチとして雇い続けてきた不合理さ、守備偏重の偏った野球チームを無理に作ろうとして大破綻を招いたGMにきちんと責任をとらせないで看過する無責任さ、何度チームが大敗シーズンを終えようと若手中心のスタメンに切り替えて実力を試そうとしない硬直したチーム運営、どれもこれも「慢心」と、そこからくる「規律の崩壊」につながる。


だからこそ、ここは次のシーズンが始まってしまう前に、苦痛でも書き留めるしかない。

ベースボールはGMのオモチャではない。
ファンのためのものだ。






damejima at 05:01

August 28, 2010

もうすぐ8月が終わる。
つまり、8月末のいわゆるウェイバー・トレード期限がやって来る、ということだ。

最近のウェーバートレードのニュース例
マニー・ラミレスのウェーバーに複数球団がクレーム
Multiple Teams Claim Manny Ramirez On Waivers: MLB Rumors - MLBTradeRumors.com
デレク・リーが若手3投手と交換でアトランタに移籍
Braves Have Not Asked Mariners About Figgins: MLB Rumors - MLBTradeRumors.com


チッパー・ジョーンズの怪我による戦線離脱で、急遽代役を探さなくてはならなくなったアトランタ・ブレーブスが選んだのは結局、7月に球団間で合意していたエンゼルスへの移籍を拒否したカブスのデレク・リーだったわけだが、デレク・リーの移籍が決まる前にシアトル地元メディアは「ショーン・フィギンズをアトランタにトレードできる可能性」について、しきりに記事にして、フィギンズ放出を煽りまくっていた。(例:8月12日のこの記事 Should The Mariners Trade Chone Figgins? | U.S.S. Mariner

しかし、だ。

かつて打撃成績がメジャー最低になった(ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2008年7月15日、地元記者ベイカーはメジャー最低打者城島に呆れ果てる。ダメ捕手城島のクビを切るどころか、高額の複数年契約を与えてやった、この弱腰球団は、新米監督の首くらいはなんとか切れても、公衆の面前でダグアウトで監督に反抗するようなフィギンズを放出、なんていうスジの通った行動を貫徹できるわけがない。
SPIなどは歴然とした球団の経営者批判をウェブサイト上に掲載しているが、この球団にやれることは、トカゲの尻尾を切るように出来の悪い新米監督とロブ・ジョンソンに責任を押し付けるくらいのことが関の山だろう。
Mariners' problems lie at the top, not in the manager's office
この記事の翻訳:Go Mariners! シアトル・マリナーズ最新ニュース from SeattlePI.com:マリナーズの問題は、監督ではなくトップだ



40人ロスターの選手は、7月末までのノンウェーバー・トレードでならウェイバーなしでもトレードできるが、それ以降の8月末までにトレードを行う場合は、ウェーバー通過が必要になる。
8月末までのウェーバー・トレードでは、交換相手の選手が40人ロスターに入っている場合、その選手もウェーバー通さないとトレード出来ない。そのため、マイナーリーガーや、PTBNL(後日発表選手)が交換要員に充てられることも多い。また複数球団からクレームがあった場合、順位の低い球団、同じリーグの球団など、交渉の優先順位があらかじめ決められている。また7月末までのトレードにない特徴として、ウェーバー公示した球団は1度だけウェーバー自体を取り消すことができる。


ウェーバー期間に他チームからクレーム(Claim、譲渡申し込み)があった場合、次のような3つの道がある。
1)元の球団がウェーバー自体を取り消す
2)クレームしてきた球団と48時間以内にトレードを成立させる
3)元の球団がクレームしてきた球団にその選手を放棄する。この場合、クレームしてきた球団はその選手の残りの契約金全額を引き継がなくてはならない。

クレームが無く、選手がウェーバーを通過すると、初めてチームは選手を自由にトレードできるようになる。マイナー降格させるなり(ベテラン選手は選手の同意が必要)、保有権を放棄するなり、他チームへトレードするなりの行為ができる。


さて、スポーツイラストレイテッドのジョン・ヘイマンが、ウェーバー・トレード候補に挙がるのではないか、という選手31人を名指しする記事を書いたのは、8月初め。
その記事のトップに挙げられていたのが、ほかでもない「使えないチビ、ショーン・フィギンズ」である。ほかにもシアトルでは、ミルトン・ブラッドリーケイシー・コッチマンの名前も挙げられていた。
Chone Figgins, Barry Zito among those who could still be traded - Jon Heyman - SI.com

1. Chone Figgins, Mariners 2B. He's in the first year of a four-year, $36 million contract, and for whatever reason, Seattle doesn't appear to be the perfect match it seemed to be. He recently had a dispute that became public with manager Don Wakamatsu. Someone may still remember his productivity from his days with the Angels and see him as a potential igniter atop a lineup.

27. Milton Bradley, Mariners OF. With $16 million to go through next year, no chance anyone claims him. But does anyone want him, either?

28. Casey Kotchman, Mariners 1B. Looks like strictly a defender now. No one should claim him with $1.5 million to go.


ジョン・ヘイマンが移籍候補に挙げた31人のうち、実際にトレードされたのは、8月18日にマイナーの投手3人との交換でカブスからアトランタ・ブレーブスに移籍したデレク・リーくらいだが、カブスがデレク・リーを放出したがっていることは、7月にはカブスとエンゼルスの間で合意していたことで周知の話なわけで、デレク・リーのトレードを先読みするくらいのことは別に難しくない。
それだけに、この記事はもともとかなりの部分、記者個人の好みで書かれた割としょうもない記事だったともいえる。

だが、それにしたって、チームの現場責任者である監督に公衆の面前で歯向かうような真似をした選手を、まるで「何もなかった」かのように処分できない弱腰のチームだ、「使えないチビ ショーン・フィギンズ」を8月末までにトレード、なんていう、1本スジの通った骨っぽい芸当が、この「常に腰砕けのシアトル」に実行できるわけがない。

もしこのチームにそんな甲斐性があれば、とっくにもっとマシな球団になっている。






damejima at 03:57

August 20, 2010

今現在16勝を挙げてハーラートップを走っているのはNYYのCCサバシアだが、今年のサイ・ヤング賞に彼がふさわしいかどうか、という点になると、ちょっとどうだろうと思う。
彼はたしかに丈夫で頼りになる投手で、イニング数、ゲーム数を投げてくれる投手だが、打たれたヒット数、四球数がちょっと多すぎるし、彼にサイ・ヤング賞を与えるくらいなら、まだボストンのバックホルツにでもくれてやったほうがマシだと思うが、もっとふさわしい投手がいる。

それはクリフ・リー

彼の今シーズンの公式スタッツのうち、打ちたてつつある数々の歴史的な記録と、さまざまなスタッツで彼がどれだけ上位にいるかを見てもらいたい。
去年も勝ち数の多いヘルナンデスではなくて、防御率と内容で上回ったカンザスシティのグレインキーがサイ・ヤング賞投手になったが、今年のサイ・ヤング賞も、昨年のヘルナンデス同様に、勝ち数の多いサバシアより、(もう少し勝ち数を増やすという条件つきで)内容のあるクリフ・リーがふさわしいと思う。
2010 American League Pitching Leaders - Baseball-Reference.com

特に、ちょっと今シーズンのクリフ・リーの四球の異常な少なさは、ちょっと尋常でない。

SO/BB(Strikeouts / Base On Balls、三振数÷四球数)
SO/BBは、サイ・ヤング賞の名前の元になった約100年前の名投手サイ・ヤングが、1893年から1906年までの14シーズンで11回もメジャー最高を記録している記録で、サイ・ヤングの名投手ぶりを示す数値のひとつだ。
これまでの歴史的なシングル・シーズン記録は、1980年代に2度のサイ・ヤング賞に輝き、カンザスシティ・ロイヤルズをワールドチャンピオンに導いた名投手ブレット・セイバーヘイゲンが16年前、1994年に110年ぶりだかに打ち立てた11.0000だが、今年のクリフ・リーは、なんと14.7000
記録を破るにしても、その記録更新の幅がハンパなく大きすぎる。なんというか、ケタが違う。
セイバーヘイゲンの前の記録は、1884年にJim Whitneyが打ち立てた10.0000で、これは、イチローが84年ぶりに更新したジョージ・シスラーのシーズン最多安打記録と同じように、その後100年以上も誰も破れなかった歴史的大記録なのだが、ブレット・セイバーヘイゲンの11.0000は、その記録を110年ぶりにうち破った。
そのセイバーヘイゲンの快挙を、クリフ・リーはさらに誰も想像すらできないとんでもない数値14.7000で抜き去ろうとしている。
Progressive Leaders & Records for Strikeouts / Base On Balls - Baseball-Reference.com


BB/9(9イニングあたりの四球数)
メジャーの長い記録の中でも、単年でBB/9が1.0000を切ることができた投手は(今年のクリフ・リーを除いて)わずか114人しかいない。
そしてのその大半は1880年代から1900年代初頭にかけての古い記録であって、20世紀半ばから現在にかけてだけをみると、達成できたのは(2010年クリフ・リーを除いて)以下のわずかのべ9人しかいない。しかも、複数回達成した投手が大投手グレッグ・マダックスなど3人いることから、達成者の実数はたった6人しかいない。

カルロス・シルバ (26)  0.4301 2005
クリフ・リー (31)   0.5325 2010 左投手
Bob Tewksbury (31) 0.7725 1992
Greg Maddux (31)  0.7736 1997
Bob Tewksbury (32) 0.8424 1993
David Wells (40)  0.8451 2003 左投手
LaMarr Hoyt (30)  0.8558 1985
Jon Lieber (34)   0.9170 2004
David Wells (41)  0.9199 2004 左投手
Greg Maddux (29)  0.9873 1995
Single-Season Leaders & Records for Bases On Balls per 9 IP - Baseball-Reference.com

今年のクリフ・リーの0.5325は、いまのところ1800年代を含めていえば歴代15位くらいにあたるのだが、2010年クリフ・リーより上の数値を記録している14人は「全員が右投手」であって、今年のクリフ・リーがこのままいけば、左投手として歴代最高のBB/9を記録することになる。
近年の左投手がBB/9において1.0000を切った記録は、2000年にトロントで20勝をあげ完全試合もやっているデービッド・ウェルズの2003年の0.8451、2004年の0.9199くらいしか記録がなく、クリフ・リーの0.5325は、左投手として化け物クラスの数値である。
Progressive Leaders & Records for Bases On Balls per 9 IP - Baseball-Reference.com


WHIP(Walks & Hits per IP)
四球が異常に少ないのだから、WHIP(イニングあたりのヒットと四球でランナーを出す率)がいいのは当たり前といえば、当たり前かもしれない。クリフ・リーの0.947は、いまのところア・リーグトップ。

1. クリフ・リー .947
2. Cahill (OAK) .981
3. Weaver (LAA) 1.095
4. Pavano (MIN) 1.107
5. Lester (BOS) 1.130
6. Hernandez (SEA) 1.138
7. Danks (CHW) 1.146
8. Lewis (TEX) 1.153
9. Braden (OAK) 1.154
10. Marcum (TOR) 1.160
Progressive Leaders & Records for Walks & Hits per IP - Baseball-Reference.com

ただ、WHIPの数値の良さについては、四球を出す率が異常に少ないわけだから、その分ヒットを打たれてこの数字になっている、ともいえるわけで、それを考慮すると手放しで喜ぶべき数値ではない、ともいえる。
現に、シアトルから移籍して以降、クリフ・リーの被打率は、かなり急上昇している。
5月 .248
6月 .222
7月 .211
8月 .277
Cliff Lee Stats, News, Photos - Texas Rangers - ESPN

やはりクリフ・リーが今年の歴史的な記録塗り替え作業に成功するとしたら、ベースになった好成績期間は明らかにロブ・ジョンソンとバッテリーを組んだシアトル在籍中の成績である。

2010シーズン ERA+(=Adjusted ERA+)
シアトル在籍時 172 (ほぼキャリア・ハイ)
テキサス 126
2チーム在籍トータル 150

2010シーズン ERA(=いわゆる防御率)
シアトル在籍時 2.34 (キャリア・ハイ)
テキサス 3.44
トータル 2.77
Cliff Lee Statistics and History - Baseball-Reference.com






damejima at 11:12

August 18, 2010

「守れるチーム」を作るとか高言していたはずの「守るしか勝つ方法がない」シアトルは、いまや「ア・リーグで最もエラーの多いチームのひとつ」だ。情けない。
2009年にチームUZRがメジャー断トツの1位だったのが、まるで幻だったかのように、シアトルの守備はダメになった。 (たぶん、このチームの関係者は2009年に城島をスタメンマスクから干して先発投手がようやくマトモに機能するようになって勝率が大幅に改善できた理由の根本をわかっていない。わかってないまま、いじくり倒して2010年に失敗した。その最大の失敗がフィギンズ。)

そしてチームの負けパターンは、春と、どこも、何も、変わってない。それはそうだ。原因をきちんと対策できてない。対策できないから、この勝率なのだ。
いくら先発投手と外野守備だけよくても、打てない、守れない内野手と、ブルペン投手がそのままでは、いくらロブ・ジョンソンに理由のない責任をかぶせても勝率は上がってこない。

8月15日クリーブランド戦では、ア・リーグで最も下手なセカンドの「使えないチビ」フィギンズの「いつものエラー」から、満塁ホームランを打たれて、いつものように負けた。
8月16日のボルチモア戦は、クローザーのストレートばかり投げたがるデイビッド・アーズマの「いつものひとり相撲」「いつもの四球連発」から、9回裏に同点に追いつかれ、いつものように延長でブルペン投手でサヨナラ負けした。

負けるなら負けるで、ドラフト1位獲得の権利を獲得できるところまで潔く負ければいいのだが、かつての城島恒例の「秋の帳尻打撃」のように、最下位が確定した夏を過ぎる頃からしか打てない帳尻ダメ選手たちの意味不明の帳尻ヒットのせいで、意味のない勝ち星を中途半端に挙げてくるから、よけいに始末が悪い。

たぶん、このチームに再建は無理だ。
再建ということのMLB的な意味も方法もわかってない。


もちろん、ゴールドグラブ賞の選考がエラー数だけで受賞者を決めるような単純すぎる決め方をしているのを批判して、セイバー派の人たちがFielding Bible賞を創設した話のように、エラー数の多さだけをあげつらって守備批判するのは意味がない。

だが、フィギンズのセカンド守備は、むしろ逆だ。
エラー数だけあげてフィギンズのセカンド守備の下手さ加減を批判するのでは、むしろ批判そのものが甘くなって、フィギンズに有利になるほどだ。
それほどフィギンズのセカンド守備は、エラー数がア・リーグで最も多いばかりか、「エラーと記録されないミス」があまりにも多い。エラー数のような見かけのデータでなく、シアトルの毎日のゲームを見慣れている人たちはわかっていることだ。
正面をついた強い当たりはグラブからこぼす、グラブが触っていても捕れない、他チームの上手いセカンドなら捕れている軽いイレギュラーは捕れない、よしダブルプレーというプレー場面でランナーのスライディングをかわすのが下手で1塁に送球できない、ライト前に上がったポップフライを追いすぎてテキサスヒットにする。などなど。例を挙げればキリがない。

フィギンズの場合、データに現れる守備の下手さ、データに現れない守備の下手さ、その両方があまりに多いから、彼のエラーの多さだけ挙げても、むしろ批判が足りないくらいであって、彼のセカンド守備の下手さぶりはエラー数だけでも十分にわかる、というのが正しいのである。

セカンドに好打者で守備も上手い選手が揃う今の時代のMLBにおいて、「左打席ではマトモに打てず、スイッチヒッターとは名ばかりで、守備においてもア・リーグ最低クラスのセカンド」それがフィギンズだ。来期いくら打撃が上向こうが、セカンド守備は突然改善できたりはしないだろう。


今シーズンのシアトルの最大の失敗は、チーム編成にあるのは誰の目にも明らかだ。守備のチームとして成功したのは、「ようやくネックだった城島を干すことに成功した2009年」であって、2010年ではない。
ロスターの打順と守備位置をどう構成するかはチームマネジメントの最大の仕事だが、「最大のポイントだったフィギンズのセカンドコンバートと打順2番固定が大失敗に終わったこと」が、攻守両面にわたって大打撃になって、想定したチームコンセプトが完全に崩壊しているのは明らかだ。
にもかかわらず、無能なズレンシックは、結局、監督コーチをクビにして、選手を数人いれかえただけで、さらにクリフ・リーのトレードにも大失敗しておいて、攻守のネックの何人かと自分自身については何の責任もとらせていない。

P 8 8位タイ
C 9 4位タイ
1B 3 12位
2B 14 1位タイ
3B 19 2位タイ
SS 19 2位タイ
LF 6 3位タイ
CF 0 13位タイ
RF 3 9位

これは今シーズンのシアトルのポジション別エラー数と、リーグ内でのエラーランキングだ(8月17日までだが、急いで書き写しているので多少数値に間違いがあるかもしれない)フィギンズはア・リーグの二塁手で最もエラーするプレーヤーのひとりだ。

フィギンズは、今シーズン、ア・リーグで最も出場ゲームの多いセカンドプレーヤーだが、守備の良さを表す指標のひとつであるレンジ・ファクター(RF)でみると、RF/9(9イニングあたりのRF)、RF/G(ゲームあたりのRF)でみて、出場100ゲームを超える5人ほどのセカンドプレーヤーの中で最も数値が悪い。また50ゲームを超える選手10数人の中でも、タンパベイの2人を除けば、最も低い。


ちなみにサードのホセ・ロペスについてだが、「ロペスのサード守備は、フィギンズ並みに酷い」と思いこんでいるシアトルファンは多い。

だが、それはおそらく間違いだ。

たとえば同じ三塁手で守備には定評があるエイドリアン・ベルトレと比較してみると、ベルトレのボストンでのエラー数はホセ・ロペスと同じ16で、RFはロペスのほうがいい。マイケル・ヤングや、ミゲル・テハダもエラー数そのものはロペスとかわりない。ロペスの問題は、彼らほど打てないことであって、エラー数ではない。(だからこそ、ロペスの安易なトレードに、ブログ主は賛成していない)
またシアトル在籍時代のベルトレは、当時の打撃の酷さはともかく守備に関してだけは多くのシアトルファンも認めていたわけだが、それでも1シーズン最低14のエラーを記録していて、多い年には18のエラーを記録している。つまり、シアトルだけしか知らないファンが守備の名手と「思い込んでいる」ベルトレは、ミネソタやデトロイトの三塁手のように、シーズンを1ケタのエラー数で終われるような三塁手ではなかった、ということ。
だから2010年のロペスのエラー数16が、これからの50試合足らずで20もエラーするのでもないかぎり、シアトル時代のベルトレと比べて飛びぬけて多すぎるとはいえない。
シアトルファンは、ちょっとロペスの守備のハードルを上げ過ぎている。

それどころか、100ゲームを越えてサードを守ったア・リーグの今シーズンの三塁手の中で、最もRF関連の数値がいいプレーヤーがホセ・ロペスだったりするのを忘れて彼の守備を批判してもらっては困る。

ベルトレの過去の守備スタッツ
Adrian Beltre Stats, News, Photos - Boston Red Sox - ESPN

規定ゲーム数に達しているア・リーグ三塁手の守備スタッツ

2010 Regular Season MLB Baseball 3B Fielding Statistics - Major League Baseball - ESPN



つい話がフィギンズのセカンド守備の下手さからそれてしまった。守備指標はいろいろあるわけだが、RFでなく(結果はしれているが念のため)UZR(アルティメット・ゾーン・レイディング)でみるとどうだろう。

シアトルのチーム全体の数値はリーグ4位。
勘違いしてはいけないのは、2009年シアトルのチームUZRは85.3で、メジャー断トツの1位であったこと。2010年にチームを意味もなくいじりすぎて、これでもチームのUZRはかなり下がったのである。
「守るしか勝つ方法がない」シアトルのUZRがなんとか4位にもちこたえたのは、たぶん外野守備の良さが大きく効いている。外野手全体のUZRがいいのは言うまでもない(リーグ3位)が、ただ、フランクリン・グティエレスの数値は、2009年の31.0から大きく下がって、2010年は7.5しかない。チーム内UZR1位は今年はイチローの10.0だ。もちろん今年のゴールドグラブも間違いない。
まるで打てず、どうみても来年は必要ないとブログ主が思っているコッチマンだが、見てないが、守備数値だけはたぶんいいはず。ブログ主は別にコッチマンの守備がとりわけいいとは思わない。1、2塁間を抜けていく当たりに弱すぎるし、そもそも守備位置が悪い。ただ無難にこなしてエラーをしてないだけの話。ランガーハンズで十分に代役ができる。
またショートでは、多くの人が守備の名手と「思い込んでいる」ジャック・ウィルソンのUZRは「マイナス」で、-1.4。その一方で多くの人が「エラーばかりしていると思い込んでいる」ジョシュ・ウィルソンは「プラス」で、0.3。(これには日頃からジョシュ・ウィルソンを使い続けるべきと言っていたブログ主は納得)
American League Teams ≫ 2010 ≫ Fielders ≫ Fielding Statistics | FanGraphs Baseball

ところが、セカンドだけを見るとシアトルは大きくマイナスで、LAAについで悪い。RFだけでなく、UZRでみても、フィギンズのセカンド守備がいかにダメかがわかる。LAAの数値が悪いのはケンドリックの-10.8が酷すぎるためだが、もちろんシアトルの数値を大きくマイナスに引き下げているのは、フィギンズの-9.1。(ちなみにサードをやっていたLAA時代のフィギンズのUZRは、たとえば2009年に16.6と、2ケタのプラス)
いかに二塁手フィギンズが「処理できるはずの打球を処理できていないか」わかる。やはりフィギンズは、「目に見えるエラー数だけが多いわけではない」のだ。


フィギンズ -9.1(1047イニング)
トゥイアソソーポ -0.8(8イニング)
ジョシュ・ウィルソン 0.5(13イニング)
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RF(レンジ・ファクター)と同様、サードについてもUZRを参照してみると、ロペスはプラス数値(UZRはプラス数値なら、リーグ平均以上の守備であることを示す)で、リーグ6位。やはり「ロペスのサード守備は、フィギンズのセカンド守備と同じくらい酷い」というのは、単なるいいがかりでしかないことがわかる。
American League Teams ≫ 2010 ≫ Fielders ≫ Fielding Statistics | FanGraphs Baseball


監督ワカマツがクビになったのは当然のことだが、それにしたって「打撃も守備もダメで打順降格にされそうになって、監督にベンチで歯向かったフィギンズを何も処分しない」のは、MLBの鉄則に反する。
無能な監督がそれをやったから選手を処分しなくていいとか、そういう問題ではない。審判に手を出したプレーヤーが退場になるのと同じで、それは「ケジメ」である。
「スイッチヒッターとは名ばかりで、ア・リーグ最低の守備しかできない」フィギンズを打順降格にするくらいの処分は当たり前の行為であって、むしろ処分方針として甘いくらいだ。

このまま今後も「使えないチビ」フィギンズになんの処分もしないのなら「シアトルはケジメのつけられない、選手に舐められっぱなしの球団」というレッテルは、永遠にはがせないだろう。






damejima at 17:24

August 09, 2010

19.4 7本


これが何の数字かというと、風呂場でコケで指を骨折してしまうような出来損ないで、高給取りで、スペランカーのショートストップを獲るかわりにピッツバーグに放出されたジェフ・クレメントの今シーズンのホームラン1本あたりの打席数と、ホームラン数である。
ピッツバーグで最もホームランの多いのは、110ゲーム出場で16本の主砲ギャレット・ジョーンズだが、彼のホームラン率は26.1でチーム内4位だ。52ゲーム・7本のクレメントのほうが、実はホームラン率は高い。
ア・リーグの規定打席に達した打者で、ホームラン率が20.0を切る打者というと10人ちょっとしかいない。19前後の打者はユーキリスゲレーロアレックス・ゴンザレスとか、ビッグネームの打者になる。
もちろん160ゲーム出場したらそれだけ同じ割合でホームラン数が増えるとは言わないし、打率があまりにも冴えないのがクレメントの現状のダメな点ではあるが、やはりクレメントの長打力にはまだまだちょっとした可能性がある。


まぁ余談はそれくらいにして、パークファクターが違うのは承知の上で、このクレメントのホームラン率19.4と、シアトルの野手全員のホームラン率を比較してみる。

シアトル ホームラン率ランキング(2010年8月8日現在)
Mike Sweeney 16.5 6本
Russell Branyan 21.3 8本
Ryan Langerhans 22.7 3本
Michael Saunders 23.5 8本
Milton Bradley 30.5 8本
Justin Smoak 31.5 2本
Josh Bard 35.0 2本
Adam Moore 37.0 2本
Casey Kotchman 39.9 7本
Franklin Gutierrez 40.0 10本
Seattle Mariners 2010 Batting / Hitting Statistics - ESPN

なんと、クレメントを上回るホームラン率を記録している選手というのが、先日フィラデルフィアにトレードされてしまったマイク・スウィーニー、たったのひとりしかいない。

それはそうだ。
ア・リーグ全体のホームラン率を参照してみると、スウィニーの16.5という数字は、ジャスティン・モーノーマーク・テシェイラといったオールスター級の打者に匹敵する数字なのだ。
起用されたゲーム数、打席数を考えると、マイク・スウィニーのホームランは、本数こそ6本しかないが、長打の効率そのものは抜きん出ていたことがわかる。

マイク・スウィニーは背筋のけいれんのために6月27日から故障者リスト入りしてしまっていたわけだが、シアトルは彼がリストから外れると同時にウェイバーにかけてしまい、フィラデルフィアにクレームされ、放出してしまった。


しかし、だ。

打線の貧打にあえぐチームなのがわかりきっていて、優先して処分すべき選手は誰だったのか。それはマイク・スウィニーなのか。トレードしないまでも、いますぐにでもスタメンからはずすべき選手が誰なのか。


.375

これはクレメントのSLG(長打率)だが、ホームラン率と同じように、シアトルのSLGランキングと比べてみるとどうだろう。
チーム内2位のソーンダースの進境が著しいことがわかる。その一方で、なにか長打を放っている「印象」のあるグティエレスが、中軸打者として起用され続けてきた割に、実は、主軸を打つにはけっこう頼りない数字でしかない。
そしてクレメントより長打率のいい打者は、トレードされてしまった長打男のスウィニー、打席数の少ない控え捕手バードを含めてさえもシアトルの野手全員の中に、たったの5人しかいない。

シアトル 長打率ランキング(2010年8月8日現在)
Mike Sweeney .475
Michael Saunders .420
Russell Branyan .400
イチロー .390
Josh Bard .386
Franklin Gutierrez .370
Ryan Langerhans .368
Milton Bradley .348
Casey Kotchman .344
Josh Wilson .335
Seattle Mariners 2010 Batting / Hitting Statistics - ESPN

そして、チーム内長打率ランキングでもマイク・スウィニーが抜きん出ている。
マイクの.475という長打率は(規定打席に達していないわけだが)規定打席に達している打者のみのア・リーグSLGランキングに照らしていうと23位から24位あたりに該当していて、例えば25位のジョー・マウアーの.473や、26位のマイケル・ヤング、27位のアレックス・ロドリゲスの.470より上の数字なのだ。
もちろん160ゲーム出場していれば、おのずと数字は下がるだろうが、この長打率においてもスウィニーという選手はチーム内で敬意を表されていい選手であることは間違いない。



.611

これはクレメントのOPSだ。ホームラン7本はいいとして、現状の打率が悪すぎるためにクレメントのOPSが悪いのはわかっているが、シアトルのOPSランキングの酷さをきわだたせる意味で、わざと挙げてみた。

シアトル OPSランキング(2010年8月8日現在)
Mike Sweeney .802
イチロー .753
Ryan Langerhans .740
Michael Saunders .725
Russell Branyan .699
Josh Bard .698
Franklin Gutierrez .684
Chone Figgins .650
Josh Wilson .645
Milton Bradley .641
Seattle Mariners 2010 Batting / Hitting Statistics - ESPN

ここでも、トップはマイク・スウィニーだ。
またも上位に名前が出てきたソーンダースの進境にも拍手を送りたいし、また出場機会をなかなか与えてもらえてないランガーハンズも頑張っている。
スウィニー、ソーンダース、ランガーハンズは今シーズン、常時出場機会を与えてもらってきた選手ではない。それだけに、チームのOPSランキングに名前の出てこないシーズン開幕時のレギュラー野手のたるみきった成績は糾弾されていい。

サードのロペス、ショートのジャック・ウィルソン、ファーストのケイシー・コッチマン。さらに、あらゆる打撃スタッツのベスト10に名前が出てこないDHケン・グリフィー・ジュニア。
これに、シーズンが実質終わってしまってから帳尻しているだけの「使えないチビ」フィギンズを含めると、開幕時の内野手全員の打撃は「全滅」である。


ファーストをコッチマンにやらせるくらいなら、ランガーハンズを使え、と言いたい。そしてジャック・ウィルソンが骨折してくれて、清々した。ジョシュ・ウィルソンにやっとチャンスが巡ってきた。


まぁ、こんな状況の中で実行されたのが、
「チームで一番効率よく打てるマイク・スウィニーのトレード」なのである。

スウィニーに唾をつけたのが、ピッツバーグやワシントン、つまり惨憺たる成績のチームが獲得したのではなく、まだまだプレイオフを諦めてはいない強豪フィラデルフィアだったことの意味が、「素晴らしき見識」をお持ちのシアトル・マリナーズのゼネラル・マネージャーにはわかっているのだろうか(笑)

マイク・スウィニー放出は、チーム内の投手のまとめ役だったクリフ・リー放出と同じように、野手のメンタルなまとめ役を失うという「形のない損失」でもあるどころか、「数字にはっきりと表れた、バッティング面での明らかなマイナスのトレード」でもある。

8月から正捕手にすえたアダム・ムーアのあらゆる打撃スタッツだって、ジョシュ・バードどころか、ロブ・ジョンソンより低い。






damejima at 18:29

August 03, 2010

今日は朝からたいへん笑わせてもらった。
これだからこのブログを読む人がゼロにならない、というのが、よくわかる(笑)ありがたい、ありがたい(笑)

マリナーズが「7月の墜落」をしたのは、無能なズレンシッククリフ・リーを安易に安売りしたにもかかわらず、その後の足りなくなるのがわかっている先発投手の人的な補充や、チームをまとめなおす新しい目的意識を、用意さえしていなかったために、イチロー以外にチームに残されていた最後のストロングポイントである先発投手陣に中心がなくなってしまい、最後の砦のバランスが壊れたためだが、さらに言えば、その「墜落した7月」は「ジョシュ・バードがロブ・ジョンソンにかわって正捕手におさまった7月」だというのに、どういうものか、無能なチームマネジメントを批判すらしないどころか、目の前にある現実を見たがらないアホウがアメリカにも日本にもたくさんいて、ロブ・ジョンソンのマイナー落ちを手をたたいて、まるで田舎の猿が飛びはねるがごとくに喜んでいる。

まぁ、こういうアホウがたくさんいるからこそ、この数年、このブログも価値を押し上げてもらったわけで、見ていて痛々しい人々だが、喜ばしくもある(笑)ある意味でたいへんありがたい人々でもある。こういうお人好しの方々がかつて「城島問題」の重さに気づきもしないで恥をかいてくれたおかげで、このブログも今日の隆盛を迎えられたというものだ。

たぶんこの人たちは、2010シーズンの「7月の墜落」の意味も、まるで的外れな文章を書き連ね続けてくれて、シーズンの終わりに来るであろうチームのシーズン100敗についても、的外れなことを言い続けて、恥をかいてくれるに違いない。
ありたがや、ありがたや。(笑)

マリナーズ月別成績・勝率
4月 11勝12敗 .478
5月 8勝19敗  .296
6月 14勝13敗 .519
7月 6勝22敗  .214


ジョシュ・バードがチームに復帰してきたのは7月1日、ヤンキース戦からだ。そこから彼の先発ゲームは13ゲームあるが、たったの2勝しかしていない。
Josh Bard Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN

ロブ・ジョンソン先発ゲーム
4月 7勝4敗 .636
5月 2勝11敗
6月 11勝8敗 ,579
7月 4勝11敗
合計 24勝34敗 .414
Rob Johnson Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN

ジョシュ・バード先発ゲーム
5月 3勝3敗(5月26日のデトロイト戦は1打席だけで交代)
7月 2勝11敗
合計 5勝14敗 .263
Josh Bard Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN


6月には月間勝率5割に戻して復調気配もあったシアトルだが、いったいなぜ7月にガクンと墜落したか、7月にジョシュ・バード先発ゲームでいったい何ゲームを落としたか、日米のアホウたちはそんな簡単なことも頭にいれもせず、いつまでも過去のパスボール程度のささいなことを小姑のようにグチグチと陰湿にあげつらって重箱の隅をつつくのに顔を赤くして苦心惨憺している。ほほえましいものだ。

誰が考えたって、ヘルナンデスがバードと組むようになったからといって、ヘルナンデス登板ゲームの勝ちが増えるわけがない。事実、7月になってバードとも組むようになったが、ヘルナンデスの勝ちゲームはまるで増えてなどいない。今シーズンのヘルナンデスの不安定さは、ロブ・ジョンソンのせいでもなんでもない。

ヘルナンデス登板ゲームの勝敗
4月 4勝1敗
5月 0勝6敗
6月 2勝4敗
7月 2勝4敗
Felix Hernandez Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN

それはそうだろう。
シアトルの先発投手がいくらQSしようと、何をしようとゲームに勝てないのは、フィギンズ以下の打線が度をこして貧弱なのと、ブルペン投手があまりにも非力なことに原因があるからなのがわかりきっているからだ。
たとえロブ・ジョンソンをマイナー送りにしたところで、こうしたチームの墜落の根本原因が改善するわけでもなんでもない。
そんなのは、ただの責任転嫁でしかない、馬鹿げた行為なのは、子供でもわかる。

たとえば、だ。
クリフ・リーがジョシュ・バードを専属捕手に選ばなかったのは、ロブ・ジョンソンのせいではないローランドスミスが見苦しい投手なのは、ロブ・ジョンソンのせいではないアダム・ムーアがメジャーで突然3割打てるわけでもなんでもない。アルフォンゾなどという「まがいもののキャッチャー」で一度失敗して負け数を無駄に増やしたくせに、(というか、2009年にもキロスとかいう、まがいもので失敗している)、この人たちは、どういうものか、いまだに懲りないのである。

もしメジャーの他のチームで、ショーン・フィギンズのようなこと(=規律違反)をベンチでしたら、打順降格どころではすまない。ゲームになど、出してもらえなくなる。ヘタをすればトレードされる。
にも、かかわらず、そのフィギンズには何の処分も下すこともできないのだから、チームまるごと舐められて当然だ。だが、立場の強いフィギンズは処分できないクセに、立場の弱いロブ・ジョンソンには責任転嫁とは、おそれいる。

理にかなった行動をとれなくなったズレンシックも、ワカマツも、もうマネージャーとして末期症状である。


先発投手のキャッチャー別ERAと被打率

クリフ・リー
バード 5.65 .267
ロブ・ジョンソン 1.97 .232
Cliff Lee 2010 Pitching Splits - Baseball-Reference.com

ヘルナンデス
バード 1.59 .194
ロブ・ジョンソン 3.05 .236
Felix Hernandez 2010 Pitching Splits - Baseball-Reference.com

バルガス
バード 5.55 .327
ロブ・ジョンソン 3.57 .254
Jason Vargas 2010 Pitching Splits - Baseball-Reference.com

フィスター
バード 3.46 .252
ロブ・ジョンソン 3.68 .256
Doug Fister 2010 Pitching Splits - Baseball-Reference.com

ローランドスミス
バード 9.79 .362
ロブ・ジョンソン 6.34 .310
Ryan Rowland-Smith 2010 Pitching Splits - Baseball-Reference.com


6月の成績がまがりなりにも勝率5割をキープできたのは、あきらかにクリフ・リーとロブ・ジョンソンのバッテリーの安定感があったことと、先発投手がブルペンに頼るのを止め、長いイニングを投げるようになったからだ。そして、もしジョシュ・バードが怪我をしていなくて、ずっと正捕手であったところで、クリフ・リーはジョシュ・バードを自分の専属捕手には選ばなかっただろう。
6月にはチームの支柱になっていたクリフ・リーを、何の準備もケアもしないうちに、しかも同地区の首位チームに思いつきで安売りするような馬鹿げたことをしでかした上に、さらに「7月の墜落」の責任をロブ・ジョンソンに押し付けてマイナー送りにして、シアトルは「6月のチームの中心軸」を自分の手でドブに捨てたのである。


ここまでの責任転嫁をしたからには、たぶんここからズレンシックとワカマツはきっと地区優勝してみせてくれるに違いない(笑)






damejima at 10:37

August 02, 2010

4月 11勝12敗 .478
5月 8勝19敗  .296
6月 14勝13敗 .519
7月 6勝22敗  .214

これは、2010年シアトル・マリナーズの月別の勝ち負けと、勝率だ。
みてもらうとわかるように、4月と6月にはほぼ5割程度の勝率を残している。特に大事なのは、6月のチーム成績が言うほど悲惨ではないことだ。

しかし、7月に、突然エンジンが壊れた飛行機が急降下するように、マリナーズは墜落した。
今シーズンはこのままだとシーズン110敗を越えるのではといわれているが、その墜落原因が「チームとしての目的の再構築も、きちんとした精神的な準備、後半に使う選手の手配、そんな当たり前の準備すらないまま、突然クリフ・リーを不用意に放出して、投手陣の中心を失い、チームが数少ないストロングポイントを喪失したことにある」のは、火をみるより明らかだ。

これは2009年の7月にウオッシュバーンをデトロイトに放出したのと同じ現象である。

2009年の投手陣の精神的な支柱はウオッシュバーンだったが、2010年の場合、投手陣の精神的なリーダーは明らかにクリフ・リーである。ヘルナンデスはまだ若い。
クリフ・リーが突然いなくなったことで、マリナーズはイチロー以外の唯一の財産であった「優秀な先発陣」の「精神的な支柱」「大黒柱」を失って、残り少ない財産すら失ったのである。


7月以降もマリナーズでプレイする残された選手たちにとって大事なのは、「これからチームが何を目的に、どう戦っていくのか」「7月以降の再構築された目的のために、チーム編成にどういう変更を加えていくのか」であることは、当たり前である。
それなのに、シアトル・マリナーズはおそらく、何の明確な目的再構築のプランも持たず、選手にはほとんど何の説明もないまま、クリフ・リーをただただ安売りした、と、このブログでは推測する。
でなければ、これほどまでにチームが壊れない。今のシアトル・マリナーズは、チーム自体が壊れている


ひとつの人間集団が目的と中心を持たない、もてないことの影響の大きさは、はかり知れない。

なぜなら
目的をもたない人間は弱いからだ。
また、中心をもたない集団は弱いからだ。


こんなのは「兵法の基本」である。こんな当たり前のプリンシプルがわからない人間たちがマネージャーをやっているシアトル・マリナーズに、チームスポーツがコントロールできるわけがない。

シアトル・マリナーズはすみやかに目的と中心を再構築すべきだ。
それをする気がないのなら、球団運営などやめてしまえ。



さて、主な先発投手別に月別の勝ち負けをみてもらおう。
その目的は「月ごとに、誰が投手陣を支えてきたか」を見ることだ。(以下は、その投手の勝ち負けではなく、その投手の登板日におけるチームの勝ち負けである。お間違えなきように)

クリフ・リー登板ゲーム
4月 0勝1敗
5月 3勝2敗
6月 5勝1敗
7月 1勝0敗
Cliff Lee Stats, News, Photos - Texas Rangers - ESPN

ヘルナンデス登板ゲーム
4月 4勝1敗
5月 0勝6敗
6月 2勝4敗
7月 2勝4敗
Felix Hernandez Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN


ダグ・フィスター登板ゲーム
4月 2勝2敗
5月 2勝4敗
6月 1勝0敗
7月 1勝5敗
Doug Fister Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN

バルガス登板ゲーム
4月 2勝2敗
5月 3勝2敗
6月 3勝3敗
7月 1勝4敗
Jason Vargas Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN

ローランドスミス登板ゲーム
4月 2勝3敗
5月 1勝5敗
6月 1勝4敗
7月 0勝6敗
Ryan Rowland-Smith Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN


この程度のデータでも、小学生でもわかることがあるだろう。

4月の中心はヘルナンデスだ。しかし5月の不振はヘルナンデス登板ゲームに負け続けたことが大きい。
6月の中心は、もちろんクリフ・リー。
バルガス、フィスターの2人、特にバルガスは、この間ずっと地道にチームを支えてきた。
5月以降のローランドスミス登板ゲームの極端な負け越し(2勝15敗)を放置し続けたことは、チーム墜落に直結している。




クリフ・リーがマウンドに登れない4月を支えたのはヘルナンデス登板ゲームの4勝1敗だが、他の先発投手のゲームも、ほぼ5割の勝敗になっている。この時点で先発投手陣にはそれはそれなりの一体感があった。

だが、5月にクリフ・リーが復帰すると、ヘルナンデス登板ゲームが0勝6敗となって、結果的にチームは大きく負け越した。
5月のヘルナンデスの登板ゲームだが、彼は6ゲームのうち4ゲームでクオリティ・スタート(QS)を決めているわけで、けして「5月のチームの大きな負け越し」は、ヘルナンデスのせいではない。
だが、月別ERA(防御率)だけでみると、5月以外の月が全てERA2点台なのに対して、5月だけが4点台なのは事実なのであって、けして5月のヘルナンデスが本来の調子ではなかったのもまた事実だ。今シーズンのヘルナンデスは安定感がない。

6月になると、クリフ・リーの登板ゲームが5勝1敗となってチームを支えるとともに、他の投手もそれなりに勝ったために、結果的にチームは6月に限って言えばほぼ5割の勝率を残すことができた。

そして7月。クリフ・リーが同地区首位のテキサスにトレード。


これまでのシーズン、たとえサイ・ヤング賞候補になった年であれ、どのシーズンであれ、まだ若いヘルナンデスがチームの投手陣のリーダーシップを発揮してきたわけではない。やはりそこは、ウオッシュバーンのような年のいったベテラン投手がまとめてきた。
今年に限っては、ジェイソン・バルガスがクリフ・リーにいろいろと投球術を学んでいたという事実があるように、投手陣をリーダーとして引っ張っていたのは、引退したグリフィーでも、まだ若いヘルナンデスでもなく、「動じない男」クリフ・リーだ。


クリフ・リーの放出じたいはやむをえないことであるにしても、その放出先が同地区の首位チームであることの意味不明さや、チームの勝ち頭でリーダーのひとりであるはずのクリフ・リーが突如いなくなって、明らかに負けが増えていくことがわかっているこのチームが、いったい何を目指して戦うのか、そんな重要なことすらまるっきり明確でないようなラインアップ、スタメンが続いている中で、
イチローはじめ、選手たちが、「いったい自分はなんのために戦っているのだろう」などと思うような戦いしかできない状態だとしたら、そこには中心も、目的もありえない。ただの弱々しさだけが残るのは当然だ。


そんなこともわからずにチームスポーツをマネジメントしようとしている人間がいるとしたら、その人間は馬鹿だ。
何もわかっていないし、チームスポーツにかかわる資格がない。







damejima at 20:40

August 01, 2010

今日のミネソタ戦の結果の酷さはともかく、マイケル・ソーンダースの攻守にわたる向上ぶりには感心した。

とくに2本のレフト線の打球処理の鮮やかさには、ちょっと感動を覚えた。スライディングでフェンスにボールが届くのを阻止したのは素晴らしいし、その後の内野への返球も、動作が機敏なのがとてもいいし、返球そのものが強く遠くまでダイレクトに投げられるようになってきた。
また、バッティング面でも、苦手にしていたインローに落ちる変化球への対応にだいぶ改善の跡がある。たぶん自分でもなんとかしようと、ファンに見えないところで練習を重ねているのだろう。まだ変化が小さい場合に限られるにしても、変化球をだいぶ芯にとらえられるようになってきた。

ゲームに使われることでレフト守備も打撃もよくなりつつあるマイケル・ソーンダースだが、彼はこれまで、この最悪のシーズン中、誰かが怪我で休まないかぎり、ずっとベンチで我慢させられ続けてきたのであって、ほんとうに心が痛む。
たしかに彼の打撃には低めの変化球に弱点があったが、マイケル・ソーンダースの長打でどれだけ助かったゲームがあったことか。あやうくノーヒット・ノーランというゲームですら、彼のホームランで助かったことすらある。
彼の成長が楽しみだ。



先日、ローランドスミスについて、「あまりにも見苦しい選手」「見るに値しない」「この無能な投手が1勝10敗でも先発投手の権利を失わない理由を、本人と無能なGMは記者会見でも開いてファンに釈明するべきだ。」などとこのブログに書いたら、その途端、ローランドスミスが15日間のDL入りするという出来事があったばかりだが、こんどは、このブログで「小太りの扇風機」と書いたジャスティン・スモークがマイナー落ちした。(スモークの年棒調停のがれの対策だという話もあるが、ここまでくるとそんな小さい話題など、どうでもいい)

スモークのマイナー落ち、偶然にしては、まるで、どこかの会社のだれかさんが、このブログを読んであわててでもいるかのようなタイミングの「良さ」だ。


なんだ、いったい。
この、ローランドスミスに責任をとらせるタイミングといい、スモークのマイナー落ちといい、ささいな失敗を指摘されるのをおそれるド田舎の役場の小役人のような「みみっちいチームマネジメントぶり」は。

見苦しいにも程がある。



あんたたちの犯したミスは巨大なミスであって、ローランドスミスとスモークを下に落としたことくらいで言い訳できるような、そんな小さい代物ではない。

おまけに、この2人を落とした後釜にマイナーから上げてきたのが、移籍したくないと明言していた2009シーズンの先発3本柱のひとり、ウオッシュバーンを2009年7月末に無理矢理トレードまでして獲得したが、まるで使えもしなかった元デトロイトのルーク・フレンチと、三塁手としてはこれまで何度もテストして結果がわかりきっているはずのマット・トゥイアソソーポなのだから、何をしたいのか、わからない。
こんな2人をマイナーから上げてきたところで、「来期使える選手を見極めるための戦力テスト」にも、「来期スタメンで使う選手に実戦で経験を積ませる機会」にも、どちらの意味にもならない。

ファンを馬鹿にするにも程があるだろう、おまえたち。



とっくにわかっていたことだが、ズレンシックの選手編成は「もともとメチャクチャ」で、なおかつ「ツギハギだらけ」だったことがハッキリしてきた。

このブログではすでに何度も「ズレンシックの選手編成ぶりは、「選手同士の守備位置がダブりすぎているなど、無駄だらけ」と何度も指摘してきた。ズレンシックを神のようにあがめてきたアホウなメディアや、知ったかぶりの日本のMLBオタクもようやくわかったことだろう。
ズレンシックの編成は、内野、外野、投手、捕手、ほとんどすべてにおいて失敗したが、最大の失敗は、単に「無能なズレンシックが獲得してきた選手が期待どおりの活躍をしてくれなかったこと」にあるわけでない。

そんな失敗なら、よくある。
見苦しさはそんなことでは生まれてこない。


ズレンシックの失態が取り返しのつかないと言うのは、もともと機能するはずのない選手までも獲ってきて予算と時間とロスター枠を無駄にして、ファンの期待と時間と金を無駄にしたこと、機能のダブりまくった選手ばかり獲得してきて、限られた予算とロスター枠を無駄にしたこと、機能してない選手に対していつまでも見切りができずにチャンスを無意味に与え続けたこと、そして数々の選手獲得の失敗を、さらに無駄な選手獲得でツギハギに取り繕おうとしてさらに失敗を積み重ねたこと、また、不調の選手にプレー改善のチャンスとアドバイスを適切かつ柔軟に与えられる技量をもった監督もコーチも用意しなかったこと、などにある。

その結果、ズレンシックは、見苦しすぎるプレーをファンに見ることを強要し続けた。これこそは最大の失敗、失礼きわまりないファンの冒涜だ。

ファンは、ズレンシックのつまらないミスと、機能しない選手が無駄に与えられたチャンスを無駄に消費し続けるのを見せつられけ続けるために存在しているのではない。


たとえば守備位置の変更や打順を変える、控え選手といれかえて競争心を煽る、とかのように、現場の細かい工夫で選手の一時的な不調を乗り越えつつシーズンを送って、チームに一体感をもたらすのではなくて、GMや監督、不調の選手の犯し続けたミスをとりつくろうために、ツギハギだらけの「ミスをとりつくろうためだけの補強」をさらに何度も繰り返して行ったことで、もはや取り返しのつかないほど巨大な負債を作ったチームは、もはや破綻状態にあるといっていい。



イチロー以外の打撃の酷さや、先発以外の投手たちの酷さはもう言うまでもないことなので、守備について多少まとめてみる。書いていてあまりにイライラするので、キーを打つ指も、ちょっと怒りで震えるほどだ。


まず、内野守備だが、
2010シーズンにあたってマリナーズが内野守備を大きく動かしたもともとの原動力は「ショーン・フィギンズをセカンドに固定しようとした」ことにある。このことは、マリナーズファンなら誰でも知っている。

予備知識として、知らない人もいるかもしれないから、一応書いておくと、「使えないチビ、ショーン・フィギンズ」は、前の所属チームのエンゼルスでスタメン起用されだした初期の頃は「ユーティリティ・プレーヤー」としてスタートした選手だということを頭にいれるべきだ。
彼の守備の本職はセカンドでなくサード、どころか、かつては外野手としてもけっこうなゲーム数出場している。
つまり「使えないチビ、こと、ショーン・フィギンズ」は、使おうと思えば、外野ですら守らせられる「便利屋さん」だということを頭に入れておかなければいけない。
いつのまに「自分は大選手」と本人が誤解しているか知らないが、せめてオールスターに出られるくらいになってから、文句は言ってもらいたいものだ。

話を進めよう。

無能なズレンシックは、内野をいじくり倒して、「守備位置のダブりという、危うい地雷」をロスターにたくさん作りだした。(もちろんレフトとDHもいじくりたおして駄目にした)
「使えないチビ」フィギンズをマリナーズに連れてくるにあたっては、選手の年棒を釣り上げるので有名なスコット・ボラスが代理人をつとめるサード、エイドリアン・ベルトレをボストンに出し、セカンドの守備が上手くないといわれ続けてきたホセ・ロペスをサードにコンバートして、受け入れ準備を整えたフシがある。
ファーストのラッセル・ブラニヤンとは契約を見送って、かわりにフィギンズと同じ元エンゼルスのケイシー・コッチマンを連れてきた。ショートは、かつてショートを守っていたセデーニョとのトレードでピッツバーグから獲得してきたスペランカーでシーズン通して働けないジャック・ウィルソンだ。
ジャック・ウィルソンはセデーニョと同じポジションの選手だが、この「同じポジションの選手をわざわざ獲得してきてしまう」のは、無能なズレンシックの「悪いクセのひとつ」だ。



こう書くと、内野守備が鉄壁にでもなったかのような錯覚を持つかもしれないが、実際には、マリナーズは2010シーズンで「セカンドをフィギンズに守らせることに固執する、という大失敗」を犯した。大失敗というのは、「不調だろうが、なんだろうが、固執したこと」。そのことで内野手の起用は滅茶苦茶になった。

「使えないチビ」ショーン・フィギンズは、セカンド守備でエラーばかりしているが、そういう記録に残る、目に見えるエラーばかりではない。「見えないエラー」も多すぎる。
特に、ゲームでのキーになる場面、たとえばダブルプレーでの「送球ミス」「連携ミス」、ポップフライを追いすぎて外野守備の前進の邪魔をしてヒットにしてしまう、守備位置が悪くてゴロを外野に抜かれる、などなど、「記録にあらわれないミス」も毎週、どのカードでも見かける。お世辞にも、クレバーな選手とは呼べない。

フィギンズは守備の名手とかいう先入観にとらわれた地元メディアやファンサイトなどはなかなか認めないのだろうが、そんなことはどうでもいい。ハッキリ書いておかないと馬鹿はわからないだろうから、ここでハッキリ書いておこう。
フィギンズのセカンド守備はヘタ。
 セカンドで使う価値など、まるで無い。


しかし無能なマリナーズは、自らが犯した編成上の失敗の最大の事件のひとつである「フィギンズのセカンド守備が、上手いどころか、むしろ、ロペス以上に下手だった」ことがわかったにもかかわらず、「いまだにセカンドで起用しつづけている」という致命的なミスを、認めないという立場を貫いている。
それどころか、犯したミスをとりつくろうためにさらに無駄なトレード、無駄な選手起用を重ねて、金を無駄使いし続け、最初のミスについてお茶を濁そうとしてきた。


はっきりいって
フィギンズ程度のセカンド守備なら、ロペスで十分だ。
コッチマン程度のファースト守備なら、ランガーハンズで十分だ。
ジャック・ウィルソンの守備に多額のギャラを払うくらいなら、
ペーパーボーイ、ジョシュ・ウィルソンの打撃をとるほうがマシだ。
クリフ・リーをトレードの駒にして、スモーク程度の選手をもらってきてしまうなど、言語道断、もってのほか。その意味の無さは、言葉にならない。

なのに、だ。マリナーズは、ロペスをセカンドに、フィギンズをサードに戻して気分転換させるような工夫すら試してみることもまるでしないどころか、、
「使えないチビ。フィギンズ」の打順をいじることもせず、
打てないコッチマンにはチャンスをくれてやるクセに、
スペランカーのジャック・ウィルソンが怪我をしている間さにさんざん世話になったジョシュ・ウィルソンにはキレギレのチャンスしか与えず、
その結果、内野はどうなったかというと、打率が.250を切る打てないクセに守備もそこそこでしかない選手ばかりが雁首を揃えている。

そのクセ、彼らズレンシックがシーズン前に補強した選手がまるで打てないからといって
ただでさえダブついていた1塁手に、ブラニヤンを出戻り補強し、
名投手クリフ・リーを同地区に放出してライバルの補強に加担してまでして1塁手の小太り扇風機スモークを補強して
ただでさえダブついている1塁手を、意味もなくさらにダブつかせた。

こういう「補強のミスを、さらなる補強で埋めあわせしようとする無駄な行為」は、金銭感覚の乏しい貧乏人が「返せない借金を、さらに借金で埋めて体裁をとりつくろおうとして、借金を雪ダルマ式に膨れ上がらせる現象」と、まるでソックリだ。



同じような「雪ダルマ式にふくれあがる借金のようなツギハギ補強」は、レフトDHの選手起用でも起きている。

レフトの守備は、あの愛すべきラウル・イバニェスがフィラデルフィアに出ていってしまってからロクなことがない。
名前も出したくないほど見苦しい外野手、バーンズ」は、とてもメジャーの野球選手とはいえないどころか、草野球レベルの選手だった。にもかかわらず、この「バーンズの見苦しいプレーぶりを見ることを、ファンに強要しつづけた」のは、「マリナーズ」であり、ズレンシックである。
また、往年の守備もバッティングもできないのはわかっているグリフィーにすらわざわざレフトもやらせ、挙句の果てには名選手グリフィーのプライドと実績に傷をつける形で引退させた。この「老いたグリフィーの見苦しいプレーぶりと、悲惨な引退劇を見ることを、ファンに強要しつづけた」のも、ほかでもない「マリナーズ」であり、ズレンシックだ。


意味のない見苦しいプレーを見せ続けるのも、
限度がある。

GMも監督も、使えない選手も
さっさと次の世代に席を譲るべきだ。







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