アメリカの気候と配球文化との関係

2011年8月25日、台風銀座日本の地勢とそっくり。ハリケーン銀座アメリカ東海岸。
2010年10月9日、アメリカ東海岸からGulf Coastまでの気候と野球文化に大きな影響を与えている「大陸棚」について、もっとよく知ってみる。
2010年10月8日、ブログ過去記事を参照しながら味わうドジャース黒田の興味深いコメント (2)西海岸と東海岸、気候の違いと「配球文化」の差。または「湿度が高いとボールが飛ばない」という誤解。

August 26, 2011

いまアメリカ大西洋岸にはハリケーン「アイリーン」が接近しているわけだが、こういうニュースを見るとあらためて日本とアメリカの大西洋岸、アトランティック・コーストの気候が非常に似ていることに気づかされる。


下の図は、ウォールストリートジャーナル電子版から拝借した地図をさらに加工し、日本とアメリカ大西洋岸を同じ緯度に並べてみたものだ。東側に大きな海があること、偏西風の影響とモンスーンの襲来コースの関係など、日本とアメリカ大西洋岸とで、それぞれの「地勢と気候の関係」が非常に似ていることがよくわかる。
日本の地形とそっくりなアメリカ東海岸
左図 アトランティック・コースト(アメリカ大西洋岸)
右図 日本
N.C.=North carolina
S.C.=South Carolina
左図内の青線=過去の巨大タイフーンの進路
Evacuations Begin Off North Carolina as Irene Strengthens - WSJ.com


日本では10分間平均の最大風速が34ノット、約17m/秒以上の熱帯低気圧を「台風」と呼び、アメリカでは1分間平均の最大風速が64ノット、約33m/秒以上の熱帯低気圧を海域別に「タイフーン」や「ハリケーン」などと呼ぶ
日本の「台風」でいうと、フィリピン沖などで熱帯低気圧が発生して北上しつつ発達し、やがて日本列島に沿って弓なりに北東に進路を変えるわけだが、これがアメリカ東海岸の「ハリケーン」では、島国ドミニカ周辺で発生した熱帯低気圧が北上しつつ発達し、やがてハリケーンとなって、2005年にアメリカのニューオーリンズを襲ったハリケーン・カトリーナのようにガルフコーストからアメリカ南部にかけての地域を襲ったり、今回のアイリーンのようにアメリカ東海岸にそって弓なりに北東に進路をかえていったりする。

日本でいう台風の元になる熱帯低気圧が次々に生産される「巣」である「フィリピン沖」は、緯度でいうと、ちょうどアメリカのハリケーンにおける発生源の「ドミニカ」にあたっている。
また、日本の台風が最初に接近する「九州」にあたっているのが、アメリカでは「フロリダ」、日本の台風が最初に上陸する「四国・東海・関東」は、アメリカでは「フロリダからサウスカロライナにかけて」にあたっている。

ハリケーン「アイリーン」


日本とアメリカ東部の大西洋岸は、陸の形が似ているだけではなくて、「海底の形」も似ている。どちらも広大な大陸棚が広がっているからだ。水深の浅い大陸棚の地形が、海水を温まりやすくさせており、台風やハリケーンの発達の原因となり、日本やアメリカ東海岸における湿潤な気候をもたらしている。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月9日、アメリカ東海岸からGulf Coastまでの気候と野球文化に大きな影響を与えている「大陸棚」について、もっとよく知ってみる。
アメリカの大陸棚(更新画像)

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月8日、ブログ過去記事を参照しながら味わうドジャース黒田の興味深いコメント (2)西海岸と東海岸、気候の違いと「配球文化」の差。または「湿度が高いとボールが飛ばない」という誤解。


先日、100何十年ぶりかにヴァージニア州で地震があって、アメリカ人を仰天させたわけだが、タイフーンでも、2004年3月26日に今まで一度も熱帯低気圧が発生したことのないブラジル沖で、観測史上初めての台風が発生した。

アメリカでのハリケーンの増加、大型化の原因については、いわゆる「地球温暖化」が原因との指摘がある一方で、そうではない、という指摘もある。
全米科学アカデミー(PNAS)は、2006年の会報で「1970年に比べ海面温度が0.5度上昇したことで、同時期のハリケーン、サイクロンの規模が1.5倍から2倍に押し上げられた」としている。
ENVIRONMENT: New Data Erases Doubt on Storms and Warming - IPS ipsnews.net
だが、別の研究者はスーパーコンピューターによる計算結果をもとに、「海水に急速な温暖化が起きたとしても、ハリケーン増加にはほとんど影響ない」との異説を発表している。
Hurricane expert reconsiders global warming's impact - Houston Chronicle

かつて一世を風靡した「地球温暖化」説にさまざまな異論が唱えられるようになったことで、いまではClimate Change(気候変動)という言い方で、干ばつや異常高温のような現象だけでなく、異常低温、局所的な大雨や大雪などを広く包含するようになってきている。
近年のアメリカのハリケーン増加や大型化の真の原因が何かはともかく、地球温暖化という単純な指摘で、いまの気候変動のすべてを説明できるとは限らないことに気をつけていなければいけないのは確かだ。
だからといって、「今のトレンドは、Climate Change(気候変動)という言い方だよ」とか、さも得意気に指摘して喜んでいるだけでは、巨大ハリケーンによる被害を何も解決できない。
パソコンが買った瞬間から性能的に過去の遺物になって古びていくのと同じで、学説などというものは常に陳腐化するのが普通だ。

研究者でない一般人にとって大事なことは、ネットで読んだ程度の耳学問をふりかざして古びた学説をあれこれ揶揄することではなくて、シンプルに、ハリケーンで被害を受けた人たちに思いを寄せることだ。

damejima at 06:21

October 10, 2010

最近の記事で、アメリカ東海岸は、西海岸よりずっと湿った気候だということを書いた。

では、なぜ東海岸のほうが、西海岸より湿っているのか。
これについては、ちょっと北米大陸のcontinental shelf「大陸棚」について知る必要がある。


本棚のことを、bookshelf(ブックシェルフ)というように、shelfとは、「棚」という意味。
大陸の周辺の海底は、いきなり急激に深くなっている場合もあるが、図のように、遠浅(とおあさ)の傾斜のゆるい部分が長く続く海底もある。
これがcontinental shelf、「大陸棚」だ。文字どおり「棚」の状態になっている

大陸棚とは(continental shelf/画像更新版)
大陸棚


北米大陸の大陸棚の場合、
下の図で、ピンク色の部分が北米大陸の場合のcontinental shelf「大陸棚」だが、東部の海岸や、Gulf Coast(日本でいう「メキシコ湾岸」)周辺に広大なcontinental shelf、「大陸棚」が広がっていることがわかる。

大陸棚は浅いから、冷たく深い海より温まりやすく、たくさんの水分が蒸発する。だから、東海岸の巨大な大陸棚が、アメリカ東部の沿岸に湿気の多い気候をもたらすのである。
(東部の寒暖の大きな差は、主に北米の大陸側からの偏西風による。西海岸でも同じように偏西風があるが、西海岸の偏西風は大陸からではなく、太平洋という海洋から吹くため、寒暖の差が少ない)

アメリカの大陸棚(更新画像)


continental shelfは、いま世界のニュースの「主役」といってもいいかもしれない。というのも、大陸棚には多くの有望な資源が眠っているからだ。
ついこのあいだまで大騒ぎしていたGulf Coastの原油流出事故(=日本でいう「メキシコ湾原油流出事故」)も、日本と中国の間で揉めている尖閣諸島の問題も、元をただせば大陸棚に眠る資源を巡る騒動だ。


どうでもいいことではあるが、あの油田事故のことを日本のサイトでは「メキシコ湾原油流出事故」などと呼んでいる。
だがアメリカでは、Gulf Coastと言えば、イコール「メキシコ湾岸部」の意味になるから、この事件を呼ぶとき、必ずしも「メキシコ」という単語をいれてはいない。
だから、例の油田事故の呼び名のバリエーションは、例えばGulf Coast Spillとか、Gulf Coast Oil Spillとか、Gulf Coast Oil Disasterとか、そういう感じになることが多い。そのことを頭にいれないで「メキシコ」という単語で検索していると、いつまでたっても目的のニュースに辿り着けない。

また、Gulf Coastという言葉は、「アメリカ南部のメキシコ湾に面した州」という意味でもある。テキサス、ルイジアナ、ミシシッピ、アラバマ、フロリダの5つが、このGulf Coastに属する州で、"Gulf States"と呼ばれる。
Gulf Coast of the United States - Wikipedia, the free encyclopedia
2005年の、あのHurricane Katrina(ハリケーン・カトリーナ)で絶大な被害が出たのはもちろん、ルイジアナを中心にしたこれらの"Gulf States"だった。ハリケーン・カトリーナではGulf Coastの油田が生産中断に追い込まれ、原油価格上昇を招いた。
油田事故といい、ハリケーンといい、Gulf Coastの広大な大陸棚が大国アメリカに与える影響力が、近年ますます大きくなりつつあることがよくわかる。


そういえば、いつぞやケン・グリフィー・ジュニアが引退をチームに電話で伝えてきたとき、彼が自宅のあるフロリダに向かうハイウェイから電話してきたという話にかこつけて、アメリカ南部のロックミュージックであるサザン・ロックや、サザン・ロックの代表的バンドのひとつレイナード・スキナードの話を書いた。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:センチメンタルなフロリダ・ドライブのための音楽。

レイナード・スキナードの代表曲のひとつがSweet Home Alabama(1974)だが、この曲で歌われているアラバマはもちろん、"Gulf States"のひとつである。

Gulf Coastがもたらす「湿気」は、アメリカ南部に独特の文化をもたらしたように、日頃は忘れているが、「気候」というのは、音楽や野球などの文化にしても、経済や産業にしても、実は相当影響力の強い存在なのだ。


アムトラック シルバーサービスアメリカ東海岸らしさを感じる
アムトラックの路線のひとつ
Silver Service

ニューヨークから東海岸を南部フロリダまでひた走る路線。途中、ニューヨークではヤンキース、メッツ、フィラデルフィアではフィリーズ、ボルチモアではオリオールズ、ワシントンではナショナルズ、セントピーターズバーグではレイズ、マイアミではマーリンズが、熱心な野球ファンの訪問と観戦を待っている。
Amtrak - Routes - Northeast - Silver Service / Palmetto







damejima at 06:32

October 09, 2010

これまでにも何度か「地域(東地区、中地区、西地区)によって、メジャーの投手がピッチングを構成する球種に違いがあること」を書いてきた。
だいたいの主旨はこうだ。
東海岸ではカットボールを多用したピッチングを構成する。中地区、西海岸では、また違う。シアトルは特殊で、メジャーの他のどの球団より、ストレート(たぶん4シーム)を投げさせたがる

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年6月13日、「メジャーで最もストレートばかり投げる」シアトルのリリーフ陣。なんと「4球のうち、3球がストレート」。(ア・リーグ各地区ごとのピッチング・スタイルの差異についてのメモ)

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年6月23日、クリフ・リー「鳥肌モノ」の115球、4試合連続無四球で6勝目。「ストレートのかわりにカットボールでカウントを作って、変化球で仕留める」クリフ・リーの「東地区っぽいピッチング・スタイル」は、実は、2010年シアトルモデル。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年8月29日、移籍後のクリフ・リーが打たれる原因を考えてみる。(1)2010年の「ア・リーグ東地区風カットボール多用配球スタイル」が東地区チームとの対戦に災いしているのか?


MLBで、地域によってピッチングの構成球種が異なることについては、これまでほとんど着目されてこなかった点だと自負しているが、今回、ドジャースとの3年契約を終えた黒田投手が、下記のようなコメントをしてくれたおかげで、これまで書いてきた記事への確信と、「新たな発見」があった。
「新たな発見」というのは、北米大陸の東海岸と西海岸との「気候の大きな違い」が、メジャーの投手の使う球種に大きな影響があるのではないか?という着眼だ。

まず、黒田投手の話をもう一度読んでみる。

ツーシームは球場の湿気の違いや、東海岸と西海岸で違ったりするけど、それも自分の中で把握できつつある。汚いボールでも抑えた投手が凄い。きれいなフォーシームでいつも空振りが取れるなら苦労しないけど限界がある。それよりは動くボールで投球の幅を広げたほうがいい」
「日本では横にスライドする詰まらせるボールでした。しかし、メジャーの打者は詰まっても内野の頭を越えるどころか、外野の頭を越えることもある。それよりも安全なのはバットの下に当てさせるか、空振りさせること。だから今は角度をつけて落とすイメージ。シュートよりシンカー(沈む球)と口で言ったほうが、投げていてもイメージがつきやすい」
悩める黒田 残りたい理由と戻りたい理由とは…(野球) ― スポニチ Sponichi Annex ニュース

「きれいなフォーシームでいつも空振りが取れるなら苦労しないけど限界がある。それよりは動くボールで投球の幅を広げたほうがいい」などというコメントは、シアトルが馬鹿のひとつおぼえで揃えた速球派投手たちがなぜすぐに通用しなくなるかという、当たり前の現象を簡潔に説明している。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:「ストレート王国の病」


それはともかく。
東海岸と西海岸の気候はどう違うか、という基本的な話を説明しよう。


野球は春から秋のスポーツだが、夏だけ比べると、東海岸の夏は(日本ほどではないが)蒸し暑い。それに比べると、西海岸の夏はずっと湿度が低い。
月ごとの差、地域差、球場の形状の差など、細かい差異は言い出せばキリがないほどあるだろうが、おおまかに「東海岸は、西海岸より湿度がずっと高い」と覚えておけばいいだろう。

例えばドジャース、エンゼルスなどのあるロサンゼルスは、ケッペンの気候区分ではCs(地中海性気候。ダウンタウンや太平洋岸でなく、内陸となれば別の気候区分)。1年のうち約300日が晴れていて、年間平均気温は約18度、冬でも平均気温約15度。夏冬の寒暖の差があまりない。東京の年間降水量は約1500ミリだが、ロスではその5分の1程度しか雨が降らず、非常に乾燥している

一方、ヤンキース、メッツのあるニューヨークは、ケッペンの気候区分でいうCfa(温暖湿潤気候。Cは温帯、fは湿潤、aは夏の気温が高いことを示す)ニューヨークはロサンゼルスと比べ、寒暖の差が非常に大きい。夏は遥かに暑く、冬は比較にならないくらい寒い。初夏の梅雨や秋の台風の影響を非常に強く受けて降水量が季節によって激変する東京と比べると、ニューヨークの降水量は少なく、月別変動も無いに等しいが、西海岸よりはるかに雨が多い


気候、たとえば、気圧、風、湿度、温度と、野球との関係について書かれた記事は誰でも目にしたことがあるだろう。

気圧は主に『ボールがどのくらい飛ぶか」に大きく影響すると考えられている。海抜1600メートルの高地にあるコロラド・ロッキーズの打撃成績が眉唾だと思われているのは、そのためだ。
また温度は、高いほどボールは飛びやすい。なんでも、温度75F(摂氏23.8度くらい)で400フィート(約122メートル)の飛距離が、温度95F(摂氏35度くらい)になると、408フィート(約124.3メートル)と、約2メートルも飛距離が伸びるらしい。
Baseball Betting Article: How weather affects baseball betting
気温の高い夏のほうがボールが飛ぶ、というわけだから、「暑さの厳しいアメリカ東海岸の夏のほうが、西海岸よりホームランが若干でやすい」とか、「テキサスのような暑い地域のほうが、北西部のシアトルよりホームランがでやすい」とか、「暑くて湿度も高い日本のほうがアメリカよりホームランがでやすい」とか、言えるのかもしれない。


そして問題の湿度


これに関しては、誰でもが覚えておくべき「非常に重要な誤解」が、ひとつある。それは「湿度が高いと、空気は重くなる。だからボールは飛ばない」という「大きな誤解」だ
事実は逆。打球の飛距離への影響が有意なほど大きいかどうかはともかくとして、物理的には「空気は、湿度が高いほど、軽くなる」のであって、重くはならない。
理由は簡単だ。「比較的重い元素である窒素を含む空気の粒のほうが、水素と酸素だけで出来ている水蒸気よりも重い」からだ。だから「湿度が高ければ高いほど、空気の密度は小さくなり、空気は軽くなる」のである。
だから、仮に「空気の密度が大きいと、ホームランがでにくい」と仮定すると、ホームランがでやすいのは、カラッと湿度の低い西海岸ではなくて、湿った東海岸なのである。空気が乾燥するとボールが軽くなってよく飛ぶような気がする、というのは、単なる誤解だ。(また乾燥したボールと湿ったボール、どちらが飛ぶかという反発力などの問題は、別の問題)
WHY IS MOIST AIR LESS DENSE THAN DRY AIR AT SAME TEMPERATURE
Air Density and Performance - 空気密度と航空機の性能


余談があまりにも多くなりすぎた(苦笑)


投手のピッチングにとって、湿度はどう影響してくるのだろう。そして、湿度は、東海岸と西海岸では大きな差があるのだが、その地域差はピッチングに影響しているのだろうか。

湿度の問題を下記の2つくらいに絞ってみた。
・ボールの変化の大きさに対する湿度の影響
・ボールへの「指のかかり」
この話はあまりにも面白いので今後とも書こうと思っているので、ここではまず、「湿度がボールの変化にどう影響するか」に関してだけ、最初の考察のきっかけを書いてみる。


既に説明したように、「湿度が大きいほど、空気の密度は軽くなる」。(ここを間違えてはいけない)だから、湿度の高い東海岸と、湿度の低い西海岸での変化球の違いを、机上の空論で、最初の仮説を立ててみる。

まず西海岸。

乾燥した西海岸では、湿った東海岸より空気密度が相対的に高く、空気抵抗が大きいと考えられる。
だから、西海岸では、回転の少ないボールに対する空気抵抗を利用することで、ボールに変化をつけやすい


次に東海岸。

これも机上の空論だが、
湿った東海岸では、乾燥した西海岸より空気密度が相対的に低く、空気抵抗が小さいと考えられる。だから、ボールに急激な変化をつけたいなら、ボールに対する空気抵抗を利用するより、むしろ、ボールに対してスピンをかけ、スピンで曲がるような変化のさせかたのほうが適している


どうだろう。
例えば、スプリットのように、ボールに回転をわざと与えずに空気抵抗でボールが落ちやすくする投手は、空気の密度の濃い西地区のチーム、ボールに強いスピンを与える変化球が得意な投手は、空気の密度が低い東地区が向いている、という簡単な図式が出来上がったわけだ。

もちろん、こんな単純な話で、黒田投手の話が説明できるとも思っていないし、球場の形状や気圧、風、チームの方針など、配球に対する影響要因は他にもたくさんある。
だが、少なくとも、北米では東海岸と西海岸はロッキー山脈を挟んでまるで気候が違い、その気候の大きな違いによって「湿度」が大きく変化すること。また「湿度」などの環境の差によって、デリケートなプロの投手の変化球の変化が違ってくることは確実なのだから、気候のせいで、東海岸の投手と西海岸の投手で、使う球種に違いが出て、そのために配球にも影響があることはほぼ確実だろうと(今のところ)考えている。


フォークボールを武器にした野茂投手の最初の所属先が、東海岸ではなくて、ロサンゼルスだった理由、東海岸ではあまりパッとした活躍ができなかった理由を、気候や湿度の面から考えたりするのも、面白い。
また夏に湿気の多い東のクリーブランドやフィラデルフィアで「カーブ」を投げていたクリフ・リーが、乾燥した西海岸シアトルで投げるにあたって「なぜ、カットボールを増やそう」と思ったのか、さらにシアトルより暑い南西部テキサスに移籍して、その「カットボール」がなぜ通用しなくなったのかを、気候から考えるのも面白い。(クリフ・リーの場合は、気候の差にあえて反する持ち球の選択をすることによって、その地区で際立った個性を演出しているような気もする。つまり「東地区にありがちなカットボール投手にはならず、カーブを多用」「西地区ではあまり多用されないカットボールを多用する」など)






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