イチロー・スーパーカウントダウン

2016年7月28日、「ライト前ツーベース」の攻守における意義。イチローシフトをかいくぐった2998安打からわかる、「セントルイスの強さ」と「現代野球におけるライトの守備の重要さ」。
2016年7月26日、イチロー vs フィリー 「3000安打 全力阻止シフト」。3000安打目前のイチローから長打2本を奪い去ったピーター・ボージャスへの拍手。「他チームのセンターには手を出すな」という負の法則。
2015年8月24日、「ヒット1本あたりの打席数」ランキングでみれば、イチローの通算ヒット数の多さは「打順が1番だから」ではなく、むしろピート・ローズの安打数こそ単なる「打数の多さによるもの」に過ぎない。
2014年9月28日、2012年9月に書いた「3000安打達成者予報」を、2014年9月版に修正する。
2013年9月8日、イチロー・スーパーカウントダウン(12) サヨナラ勝ちを呼びこむ「MLBデビュー後 13シーズン連続20盗塁」達成! リッキー・ヘンダーソン、オジー・スミスに次ぐ、MLBで3人目の快挙。
2013年8月21日、イチロー・スーパーカウントダウン(11) イチロー、MLB通算2722安打でルー・ゲーリッグの通算安打数を越え、日米通算4000安打達成!
2013年8月14日、イチロー・スーパーカウントダウン(10) イチロー、MLB通算2023試合出場達成。「デビュー後13シーズンでの試合出場数」で、ピート・ローズの記録を38年ぶりに塗り替え、歴代1位達成。
2013年8月13日、イチメーターさんのヤンキースタジアム観戦チケット入手にひと肌脱いでいるらしいBleacher Creaturesの"Bald" Vinnyの漢気。
2013年7月21日、イチロー・スーパーカウントダウン(9) 日米通算4000安打まで、あと25本。ジャック・モノー 『偶然と必然』
2013年7月19日、17歳の沢村栄治が草薙球場で晩秋の空を見上げてボールを見送ってから、イチロー2722安打まで。日本野球の歩んだ79年の記念碑。
2013年7月14日、イチロー・スーパーカウントダウン(8) イチロー、MLB通算2000試合出場達成! MLB史上ピート・ローズだけしか達成していなかった「デビュー後13シーズンでの2000試合出場」の2人目の達成者となる
2013年7月11日、イチロー・スーパーカウントダウン(7) カンザスシティ第3戦でMLB通算1997試合出場達成。MLB史上ピート・ローズしか達成していない「デビュー後13シーズンでの2000試合出場」まで、あと3試合。MLB通算2700安打まで、あと9本。
2013年7月4日、イチロー・スーパーカウントダウン(6)日米通算4000安打達成を意味する『ルー・ゲーリッグ越え』のMLB通算2722安打まで、あと37本。
2013年7月4日、イチロー・スーパーカウントダウン(5) ミネソタ第4戦でMLB通算1990試合出場達成。MLB史上ピート・ローズしか達成していない「デビュー後13シーズンでの2000試合出場」まで、あと10試合。
2013年6月24日、イチロー・スーパーカウントダウン(5)MLB通算出場試合数「1980試合」到達。ピート・ローズ以外達成していない「13シーズン・2000試合出場」まで、あと20試合。「ピート・ローズ越え」歴代1位まで、あと43試合。(誤データ修正版)
2013年6月12日、イチロー・スーパーカウントダウン(4)MLB通算2659安打達成で、「27歳から39歳までの通算ヒット数」でピート・ローズを抜き、MLB歴代1位。
2013年6月9日、イチロー・スーパーカウントダウン(3)おそらく"Unbreakable Record”となるイチローの「27歳から39歳までの間に打ったMLB通算ヒット数」。歴代1位ピート・ローズに、「あと1本」。
2013年6月5日、イチロー・スーパーカウントダウン(2)MLB通算2655安打達成し、テッド・ウィリアムズを抜いたことで得られた「確信」。さまざまな議論があることを承知していても、やはり誰もが書かずにいられない『4000本の栄光』。
2013年6月4日、イチロー・スーパーカウントダウン(1)MLB通算2654安打目の先制タイムリーを放ち、テッド・ウィリアムズの記録に並ぶ。

July 29, 2016



ある意味で、これが「イチロー」なのだ。

相手にシフトをしかれれば、こんどは「そのシフトの裏をかく打球を打つ」のである。

シフトの裏をかく」などと、言葉で言うのは簡単だ。だが、プロの、それも「MLBの投手の球を打って、データ分析に基づくシフト守備の裏をかく打球を打てるだけのバットコントロールをもった選手」など、歴史的にみても、そうはいない。

2016年7月28日
STL vs MIA 7回裏 1死1塁


フィリー同様、イチローシフトをしいてきたセントルイスだが、カウント1-0からジョナサン・ブロクストンの2球目をしっかりヒットした代打イチローの打球は、一塁手マット・アダムスの右を抜け、ライト線への強烈なゴロ。「イチローシフト」であらかじめセンターに寄っていたライトのスティーブン・ピスコッティがふとフェンス到達前に追いついた

この「フェンス到達前に追いついた」というプレーが結局ゲームの趨勢を分けた

このプレーは、イチローの2998安打の陰にかくれた形になって目立たないが、セントルイスのライト、スティーブン・ピスコッティの隠れたファインプレイだ。


もしイチローの鋭い打球がフェンスに到達していれば
どうだったか。


まず前提としてアタマに入れておくべきなのは、セントルイスはいま、ポストシーズンに向けて地区首位カブスを6.5ゲーム差の2位で追っているわけだが、カブスの強さからいって、地区優勝を狙うというよりはワイルドカード争いをしているわけで、その対象チームは、ほかならぬ今日の対戦相手マーリンズなのだ、ということだ。(他にドジャース、メッツ、パイレーツ)

だから、このセントルイス対マイアミ戦は、両チームにとって今シーズンのポストシーズン進出のために絶対に勝ち越さなければならない「ガチの決戦シリーズ」なのだ。


代打イチローの打席のシチュエーションを確かめでおこう。
スコアは3-5」「1死1塁」だ。

ということは、もしライトのスティーブン・ピスコッティが緩慢な守備で打球のフェンス到達を許してイチローを三塁打にしていれば、マイアミ側には「スコア4-5、1死3塁にイチロー」というまたとない同点のチャンスがころがりこむ。
もし「1点リードされた1アウトで、走者はサードにイチロー」というシチュエーションが実現できていたら、走者が足の速いイチローだけに、内野ゴロ、外野フライ、パスボール、ボーク、エラー、どんなプレーでもマイアミが同点にできた可能性はとても高い。

セントルイスはその「潜在的な大ピンチ」を、「外野がシフトの逆をつかれたが、打球のフェンス到達は許さないという、ライトの俊敏な守備」で「スコア3-5のまま、1死2、3塁」と、「リスクを最小限に抑える」ことに成功したわけだ。


マイアミは、その後ヘチャバリアのショートゴロの間にランナーがひとりだけ還り、「スコア4-5で、2死2塁」とした。だが、セントルイスは「イチローの三塁進塁」を許さず、それが「マイアミの同点を許さないこと」につながった。
というのは、ブロクストンがマイアミの8番打者、右のヘチャバリアのインコースだけを2シームで徹底して攻めて、絶対にライト方向の打球を打たせず、レフト方向に引っ張らせてゴロを打たせる配球をしたからだ。
右投手のブロクストンの2シームは右打者ヘチャバリアのインコースに食い込むように動く。ヘチャバリアにはこの厳しい攻めをライト方向に返すだけの技術がない。

かつて、イチローは1点差のランナー2塁でインコース攻めにきたマリアーノ・リベラの初球のカットボールをサヨナラホームランしてみせたわけだが、あのひと振りがどのくらい凄いか、このヘチャバリアのショートゴロと比べてもわかる。

2016年7月28日ヘチャバリア ショートゴロ配球data:http://www.brooksbaseball.net/pfxVB/pfx.php?s_type=3&sp_type=1&year=2016&month=7&day=28&pitchSel=455009&game=gid_2016_07_28_slnmlb_miamlb_1/&prevGame=gid_2016_07_28_slnmlb_miamlb_1/&pnf=&prevDate=728&batterX=57


説明するまでもないことだが、もしヘチャバリアの同点内野ゴロが「ショートゴロ」でなくセカンドゴロとかファーストゴロだったら、「二塁走者イチローがサードに行けていた可能性」があった。
そうなればシチュエーションは「1点差、2死3塁」だから、マイアミ側はパスボール、ボーク、エラーのような「相手側のミス」でも同点にできる可能性が出てくる。
だが実際には、「ショートゴロの結果、イチローは進塁できなかった」わけだから、「2死二塁」の場面で後続のマイアミの9番打者クリス・ジョンソンはヒットを打つか四球出塁しないといけなくなる。打撃のよくないジョンソンにヒットは期待できない。(実際の結果:ジョンソン三振)


シフトをしく
シフトをかいくぐる
三塁打になるのを防ぐ守備
サードに進塁させない配球
内野ゴロを打たせる
同点にさせない

こうしてプレーをトランプのように並べてみると、何度もワールドシリーズ制覇してきたセントルイスというチームの「強さ」の意味がひしひしとわかる。

野球における「強さ」とはなにも、「ホームランをたくさん打つこと」などでは、まったくない。そしてまた、野球というゲームにおける「面白さ」とは、プレーを断片として味わうことのみではなく、「プレーとプレーのつながり」や「プレー相互の関係」を連結して考えてみることでもある。


ここまで丁寧に説明すれば(笑)、7回裏のセントルイスが「イチローがサードに行くのを全力で避けた」ことがゲーム結果に直結していることが誰にでもわかる形になった、と思う。


ちなみに、7月26日フィリーズ戦でピーター・ボージャスのファインプレーに阻まれた右中間のライナーと同様に、もし今日の打球がフェンスに到達していれば、おそらく「三塁打」だった。そして、三塁打ならイチローはあの福本豊さんの記録を抜き、「日本人通算三塁打数のトップ」になれたところだった。
ボージャスのファインプレーに続いて、こんどはセントルイスのライト、スティーブン・ピスコッティに三塁打記録を阻まれたわけだ(苦笑)長い長い道のりである。


こうしてゲームメイクの観点からみたとき、「ライトの守備」が現代野球にとっていかに大事なものかがわかる。
野球というゲームにおいては、「無駄な進塁、特にサードへの進塁を防ぐ」という意味で、ライトの選手の守備位置や肩、落下点を読む洞察力などは、特に僅差で試合が決まるようになった現代野球においては、ますます大事なファクターとなっている。

かつてMLBデビューしたばかりの時期に、イチローがライトからのレーザービームで走者の三塁進塁を阻んだプレーの意味は、他に例をみないほどの強肩を自慢するためのプレーではない。あのプレー以降、どれほどの数の打者が「ライトをイチローが守っているときの、ライト線三塁打を諦めた」ことか。

フライキャッチに執念を燃やすセンターの守備とはまったく違う意味で、これまでの「イチローのライト守備」の歴史的価値はもっとずっと高く評価されるべきだ。(だからこそ、せっかくのイチローの守備力をゲームに生かそうとしないで代打起用ばかりしているマッティングリーは監督として無能だと思う)

damejima at 17:24

July 27, 2016

7月に入って、フィリー、メッツ、カーズとばかり試合してる印象のマイアミだが(笑)、フィリーの「3000安打全力阻止シフト」でイチローは2本も長打を損した。



7月のセントルイスでは、ヤディア・モリーナアダム・ウェインライトの素晴らしいアクションをはじめ、セントルイスの選手とファンが示してくれたイチローへのリスペクトは、イチローファン史に永久に残るほどの素晴らしい記念碑になったわけだが、別の視点からいうと、フィリーが示してくれた「イニング先頭の代打のイチローにさえ容赦なくシフト守備をしくというフェアプレイの精神」も、「3000安打達成のプロセスでの、忘れえぬモーメント」として、最大の敬意を払いたくなる。

やはりスポーツというものはこうでなくてはいけない。全力全霊で立ち向かってくれてこそ大記録の価値も上がるというものだ。


7月20日 MIA vs PHI 8回表

このゲームでのイチローは「代打」。しかも「イニング先頭」「走者なし」だったのだから、それでも容赦なくシフトをひいたフィリーは、「本気」だった。
フルカウントに粘って、8球目、根負けしたジェレミー・ヘリクソンの真ん中の失投を振りぬいたイチローだったが、右中間への長打性の強烈なライナーは、ライトのピーター・ボージャスに難なく捕られてしまう。
というのも、以下のツイートの画像からわかるように、フィリーは「対イチロー外野シフト」をしいていたのだ。



7月26日 PHI vs MIA 1回裏

場面変わって、5日後。こんどはホームゲーム。ようやく1番センターでスタメン出場したイチローは、1回表のジェラド・アイクホフの初球をたたき、打球を右中間フェンス際まで飛ばした。
飛距離およそ119メートル。右中間が平らで369フィート(≒112.471m)しかないシチズンズ・パークと違って、マーリンズパークの右中間は23フィート(約7メートル)も長く、392フィート(≒119.482m)。右中間の狭いボールパークなら100%確実に「先頭打者、初球ホームラン」の飛距離だった。

Marlins Park

だが、またしても、「ピーター・ボージャス」だ。フェンス激突しながらの大ファインプレイ。

もちろん、偶然の産物などではない。チームのスカウティング担当者との共同作業による「意図的なファインプレイ」だ。

もしボージャスがこの打球を捕り損なって打球がフィールドに転がっていれば、先頭打者だし、イチローの足からしても明らかに三塁打
7月はじめイチローは福本豊さんに115三塁打(日米通算)で並んでいたわけだから、抜けていれば「日本選手の通算三塁打数 歴代1位」に踊り出ていた。ボージャスに拍手するしかない。

ボージャスはフェンス激突で肩を痛め、途中交代。ある意味、「2本のイチローの長打」と「ボージャス自身」がひきかえになる形になった。


ボージャスはエンゼルス時代、当時ゴールドグラブの常連で、アナハイム不動のセンターだったトリー・ハンターをライトにコンバートさせているくらいだから、センター守備には定評があった。
Article | Arkansas Travelers News
いまエンゼルスのセンターといえば、2012年Fielding Bible賞を受賞しているマイク・トラウトがいるわけで、エンゼルスのセンターは、ハンターからボージャス、そしてトラウトと、名手に受け継がれてきたことになる。


いまフィリーのセンターといえば、2015年新人王のオデュベル・ヘレーラだ。ボージャスがかつてエンゼルスでハンターをライトに押しやったように、ヘレーラは、デビュー以来センターしかやったことがなかったボージャスをライトに押しやったわけだ。
さかのぼると、近年のフィリーのセンターには、ゴールドグラブ1回受賞のアーロン・ローワンド、4回受賞のシェーン・ビクトリーノがいた。
2000年代のビクトリーノ全盛期は、チェイス・アトリーがいた2008年ワールドシリーズ制覇を含む、5シーズン連続地区優勝と重なるのが思い出される。やはり、アトリー、コール・ハメルズ、ビクトリーノなど、役者がズラリと揃ったフィリーこそがフィリーだった。
そういえば、こうして並べてみるとボージャス含め、どういうわけかフィリーのセンターは怪我に悩まされる人が多いのはどうしてか。


フィリー時代が全盛期だったシェーン・ビクトリーノは、その後ボストンに移籍し、2013年に自身2度目のワールドシリーズ制覇を経験したわけだが、当時ボストンのセンターにはジャコビー・エルズベリーがいたから、ボストン時代のビクトリーノはライトだった。そのライトでのビクトリーノは鳴かず飛ばず。
そのエルズベリー、ボストンがなぜか慰留しなかったため、ワールドシリーズ制覇の翌2014年にライバルのヤンキースに移籍。ボストンのセンターは2011年ドラフト1位ルーキーのジャッキー・ブラッドリーに変わった。この数年、MLBのセンターの若返りが進んでいるが、フィリー同様、ボストンも「センターが若返った」というわけだ。

エルズベリーが来る直前、ヤンキースのセンターはブレット・ガードナーの定位置だったわけだが、ガードナーには肩が弱いという致命的欠陥があって本来ならセンターの器ではなく、外野を守るならレフトくらいしかない。
ヤンキースのセンターは、2000年前後のチーム全盛期のバーニー・ウィリアムズが目立つわけだが、バーニー引退以降はステロイダーのメルキー・カブレラ、ガードナー、エルズベリーと、チームの地区順位同様、もうひとつパッとしない。


こうして「有名センターの移籍」を並べてみると、「センターの選手が大型契約を得て移籍した場合、移籍先でパッとしない成績に終わる」ことは、まったく珍しくないことがわかる。

例えばヤンキースにはそういう「センター出身のろくでなし外野手」が掃いて捨てるほど、ゴロゴロいる(笑) デトロイトが全盛だったカーティス・グランダーソンなど、まだマシなほうだ。(それでもメッツ移籍直前のグランダーソンはベンチに座ったまま高額サラリーをもらっていた無駄メシ食いだった)
例えば、バーノン・ウェルズだが、センターで活躍できたのは給料が非常に安かった2000年代トロントのみ。移籍して20Mを越える身分不相応な高額サラリーをもらうようになったLAAとNYYでは、一度たりともマトモな成績を残さず引退している。
アンドリュー・ジョーンズにしても、センターを守って10年連続ゴールドグラブに輝いたアトランタを離れて以降、ロクな成績を残さないまま引退した。
カルロス・ベルトランも、全盛期はセンターを守った2000年代メッツであり、移籍してライトを守るようになった2010年代は給料に見合った成績とはけしていえない。
こうした数々の失敗例を経験したにもかかわらず、それでも懲りずにヤンキースはエルズベリーに大金を払ったのだから、馬鹿としか言いようがない。

ニューヨークではこういう「無能GMが毎年集めてくる、名前ばかりでロクに働かないクセに、ポジションだけは確約されている外野手たち」とポジションを競わされ、打席数を減らされ続けたイチローが、いかに迷惑したか。本当に無駄なキャリアだった。


他にもドジャースがうっかり大型契約を結んでおいて、後から大失敗に気付いて、あわててサンディエゴに押し付けた(笑)マット・ケンプも、移籍先ではライトを守っているが、成績はパッとしない。ケンプのサンディエゴでの給料は、いまだに一部をドジャースが払っていて、2019年までドジャースは毎年3.5Mを負担し続けなければならない。
センターが本職ではないが、いまのドジャースでたまにセンターも守るアンドレ・イーシアーにしても、たとえドジャースを出たとしても活躍できるとはとても思えない。ライトのヤシエル・プイグにしても似たり寄ったりだろう。


ちなみに、過去にセンターでゴールドグラブを何度も受賞しているトリー・ハンターやアダム・ジョーンズの「守備評価」だが、近年のデータ分析で検証すると、かなり「低い評価」にしかならない。
こうした「センターの選手の守備の過大評価」は、「ゴールドグラブの権威が揺らぐ原因」や、「センターの選手のサラリーが、実情に見合わない高額になる理由」のひとつにもなっている。
(もちろん、新興のFielding Bible賞にしても、ビル・ジェームス自身がそうであるように、特定の審査員がデータではなく「自分個人の好き嫌い」を審査結果にそのまま反映させていたり、守備範囲の狭いアレックス・ゴードンが何度も受賞するするとか、Fielding Bible賞がそれほど公平な賞ともいえないことは近年判明しつつある)

アレックス・ゴードンの守備範囲2012-2014アレックス・ゴードンの守備範囲2012-2014


まぁ、数々の実例から察するところ、「センターの名手」といわれた選手は、実は「特定のチーム」、特に「ドラフトされ育成されたチームの専用選手」なのであって、他チームは、いくら触手が動いたとしてもけして大型契約などすべきではない、という「負の法則」があるようだ。

この「センター移籍の負の法則」、マイク・トラウトが打ち破れるかどうか。彼がFAになったときがちょっと楽しみではある。

damejima at 22:14

August 25, 2015

イチローの記念すべきメジャー10000打席が目前に近づいたわけだが、「ヒット1本あたり打席数」でみると、通算安打数歴代1位のピート・ローズが約3.727(小数点以下第4位を四捨五入、24シーズン)に過ぎないのに対し、イチローが3.421打席(MLBのみ、15シーズン弱)で、この両者のみの比較では、もちろんイチロー圧勝なのだ。


よく、イチローのヒット数が多い理由について、「1番打者は打数が多いのだから、ヒット数も多くて当然だ」などと、知ったかぶりに「間違ったこと」を公言するアホウをネット上でたまに見かけるわけだが、以下に挙げるランキングを見れば、そうした発言の馬鹿さがひとめでわかる。

イチローの通算ヒット数が多い理由は、1番打者だからではなく、「他の誰よりも効率的にヒットを積み重ねてきた打者だから、通算ヒット数も多くて当然」というのが正しい答えなのだ。


ちなみに球聖タイ・カッブは、3.123(24シーズン)という超絶的な数字である。ヒット数が多いだけでなく、ヒット生産のペースがMLB歴代No.1のありえないハイペースなのだ。

一方、ピート・ローズの「通算15890打席」はMLB記録であり、ピート・ローズとタイ・カッブは、プレー期間こそ「24シーズン」で同じだが、こと「打数だけ」で比べると、なんと「2806打席」も、ローズのほうが多い。
ピート・ローズ 15890打席(MLB記録)
タイ・カッブ 13084打席
差異 2806打席

こうした事実から、なぜ永久追放者ピート・ローズが、長らくタイ・カッブが持っていたMLB通算安打記録を上回れたのか、理由がわかる。
単にピート・ローズは「打数」が果てしなく多かった、だから球聖タイ・カッブの通算ヒット数を上回れた、ただそれだけに過ぎないのである。

イチローが毎日1番を打っていた時代の年間打数が約700だったわけだが、それでいうと「2806もの打数の差」というと、「イチローのようなレギュラーの1番打者が、4シーズン打つくらいの打数にあたる数字」なのだ。
そりゃ打席に立つことそのものに必死だったピート・ローズのほうが、ヒット生産効率歴代1位のタイ・カッブより、ヒットの実数だけは多くなるのも当然の話といえる。


ついでだから、以下に「3000安打達成者」の「ヒット1本あたり打席数」を、ヒット数上位に限ってまとめてみた。(小数点以下第4位を四捨五入 ジョージ・シスラーは3000安打未達成だが入れておいた)
このランキングからも、なぜタイ・カッブが「球聖」と呼ばれるのかがよくわかる。また、かつてイチローの前のシーズン安打記録保持者ジョージ・シスラーが、3000安打未達成ながらも、球聖タイ・カッブに迫る神がかり的な安打製造機だったこともよくわかる。タイ・カッブもシスラーも、伊達に長くMLB記録保持者だったわけではないのだ。
タイ・カッブ 3.123
(ジョージ・シスラー 3.205 3000安打未達成)
ナップ・ラジョイ 3.226
トニー・グウィン 3.256
キャップ・アンソン 3.298
トリス・スピーカー 3.413
ポール・ワナー 3.416
ホーナス・ワグナー 3.435
イチロー 3.437
(2016年6月19日現在)
ロッド・カルー 3.456
スタン・ミュージアル 3.503
デレク・ジーター 3.637
ポール・モリター 3.666
ジョージ・ブレット 3.686
ハンク・アーロン 3.697
ピート・ローズ 3.727
ウィリー・メイズ 3.806
ロビン・ヨーント 3.848
エディー・マレー 3.936
デイブ・ウィンフィールド 3.974
カル・リプケン 4.046
クレイグ・ビジオ 4.086
カール・ヤストレムスキー 4.092
リッキー・ヘンダーソン 4.369


上のMLB歴代ランキングから「約100年前、20世紀初頭の選手たち」を除いてみる。すると、近代のMLBにおいて「3.5以下の数字を残した選手」は、トニー・グウィン、イチロー、ロッド・カルー、わずか3人しかいないことがわかる。
トニー・グウィン 3.256
イチロー (2001-2010のみ) 3.270
イチロー (通算) 3.421
ロッド・カルー 3.456
以下 スタン・ミュージアル 3.503

近代野球における投手の質的発達、新たな変化球の開発、投球術の進化、圧縮バットの禁止、飛ばないボール、加えて、2000年代以降の打撃スカウティング技術の発達、飛球分析に基づく守備のポジショニングなど、さまざまなバッティングをめぐる環境変化を考えると、イチローが残してきた数字はまさに「近代野球の頂点に君臨する数字」といえるだろう。

damejima at 17:04

September 28, 2014

2012年9月末に「次の3000安打達成者予報」を書いた。
2012年9月28日、3000安打達成のための「38歳」という最初の壁。これからのイチローの数シーズンが持つ、はかりしれない価値。次の3000安打達成者予報。 | Damejima's HARDBALL

当時はイチローより通算ヒット数の多い打者が、既に3000安打を達成していたジーター以外にも、Aロッド、オマー・ビスケール、イヴァン・ロドリゲス、ジョニー・デーモン、チッパー・ジョーンズと、5人もいたが、イチローと、ドーピングで資格停止になっているAロッドを除いて、全員が引退した。

あのとき名前を挙げていた選手たちが、その後どうなったのか。ちょっと見てみたい。


2012年9月時点での3000安打達成候補選手
(カッコ内は 2012年当時の年数/年齢/通算安打数/年平均安打数)

Derek Jeter (18年 38歳 3296本 180本/年)達成済
----------------------------------------------
Alex Rodriguez  (19 36 2894 186)ステロイダー
Omar Vizquel   (24 45 2876 157)出場機会減
Ivan Rodriguez (21 40 2844 181)引退
Johnny Damon  (18, 38) 2769 154 出場機会減
Chipper Jones  (19, 40) 2724 142 引退予定
Ichiro Suzuki   (12 38 2597 213)
Albert Pujols   (12 32 2241 183)
Michael Young  (13 35 2224 168)年齢に問題
Adrian Beltre   (15 33 2218 145)
Paul Konerko   (16 36 2177 165)年齢に問題
Juan Pierre    (13 34 2140 176)
Carlos Beltran  (15 35 2058 136)ペース遅い
Jimmy Rollins   (13 33 2020 152)ペース遅い
Miguel Cabrera  (10 29 1773 175)
Carl Crawford  (11 30 1642 149)トミージョン手術
Mark Teixeira   (10 32 1579 157) ケガがち

上は、2012年に書いた「3000安打達成候補者リスト」だ。当時のリストには、2014年9月末時点で引退している選手の名前が多数ある。デレク・ジーター、オマー・ビスケール、イヴァン・ロドリゲス、ジョニー・デーモン、チッパー・ジョーンズ、マイケル・ヤング、ポール・コネルコ、ホアン・ピエール。

引退した選手たちをリストから除いてみると、こうなる。

Alex Rodriguez  (19 36 2894 186)ステロイダー
Ichiro Suzuki   (12 38 2597 213)
Albert Pujols   (12 32 2241 183)
Adrian Beltre   (15 33 2218 145)
Carlos Beltran  (15 35 2058 136)ペース遅い
Jimmy Rollins   (13 33 2020 152)ペース遅い
Miguel Cabrera  (10 29 1773 175)
Carl Crawford  (11 30 1642 149)トミージョン手術
Mark Teixeira   (10 32 1579 157) ケガがち

3000安打候補はさらに減らすことができる。
なぜなら、いまイチローより年齢が低い選手たちの「選手としての失速ぶり」がハッキリしてきているからだ。2012年版予報の時点ではわからなかったことだが、2014年9月末時点でいうと、ジミー・ロリンズ、カルロス・ベルトラン、カール・クロフォード、マーク・テシェイラなどの3000安打達成は、たぶんないだろう。(それにしても、最近の選手はどうしてこうも怪我で休んでばかりの選手が多いのだろうか)

そんなわけで「2014年版 3000安打達成予測」は、こうなった。
次の3000安打達成者予測 2014年9月版
(カッコ内は達成時の年齢)

2015 イチロー(41歳 打席数によっては2016年)
2016
2017 ベルトレ(38歳)プーホールズ(37歳)
2018 
2019 ミゲル・カブレラ(36歳)

2012年版との比較でいうと、ヤンキースとジョー・ジラルディの姑息な飼い殺しのせいで2013年と2014年のイチローの打席数が故意に抑制されたために、2015年の打席数によっては、イチローの3000安打達成年度が1年繰り下がって、2016年になる可能性が出てきた。もちろん、イチローがフルシーズン出場できれば、100数十本くらいのヒットくらいは2012年からの予定通り「2015年」に打ててしまうことは、いうまでもない。
また、2014年に素晴らしいペースでヒットを量産し、9月末時点で通算2600安打を越えたエイドリアン・ベルトレの3000安打達成年度が、1年繰り上がって、最近DL入りが多くなったアルバート・プーホールズと同じ2017年に達成できる可能性が濃厚になってきた。


2012年当時、こんなことを書いた。2012年の状況は、2年たった2014年の今も、まったく変わっていない。

「こうして並べてみると、2010年代中期に3000安打を達成できそうな打者は、イチロー、ただひとりしかいない。」

何度も書いてきたように、3000安打というのは、「38歳以降にどれだけ打てるかで、達成できるかどうかが決まる」という大変に厳しい記録なのだ。平均年180本くらいのハイペースだったジーターですら38歳での達成だというのに、ジーター以下のペースでヒットを打っている打者は、38歳を前に引退してしまうようでは、3000安打達成は絶対に達成できない。

なにはともあれ来年のイチローが楽しみだ。
ありとあらゆる記録を塗り替えてもらいたい。

damejima at 19:59

September 09, 2013


2013 MLB Walk-Offs | BoS@NYY: Ichiro scores winning run on a wild pitch - Video | yankees.com: Multimedia

Mr.From-Hand-To-Mouth、場あたり的采配ばかりふるっているジョー・ジラルディが、まだ1点差の8回だというのに、このところ再びセーブ失敗が増えてきたマリアーノ・リベラを投入するような「苦し紛れ采配」をふるった。クローザー、リベラが「2イニング」を投げてセーブに成功したのは、2006年7月にまでさかのぼる。(via @DannyKnoblerCBS)

リベラは、案の定、登板2イニング目の9回表に、最近復調気味のミドルブルックスに同点ホームランを浴びて、つかまってしまう。(セーブ失敗は今シーズン7度目)
すると、なんとジラルディは、ブルペン投手に降格になったフィル・ヒューズをウォームアップさせ、おまけに9回裏にキャッチャーのロマインに代打まで出した。(ロマインはスチュアートが怪我でベンチに下がった代役であり、ベンチにキャッチャーはいない)
だが、これらの愚策の全てが、Wizard イチローの演出したサヨナラで消滅した。つまり、イチローがジラルディの尻拭いをしたわけだ。

3-3の同点で迎えた9回裏。1死からセンター前のクリーンヒットで出塁したイチローは、快足を飛ばして今シーズン20個目の盗塁を決める。(デビュー後13シーズン連続20盗塁達成)
2番バーノン・ウェルズのライトフライで、2塁にいたイチローはすかさずタッチアップして、サードへ。すると、次打者3番ラファエル・ソリアーノの打席のワイルドピッチで、あっさり生還。

2013年9月8日タッチアップしてスライディングするイチロー

このときのタッチアップは、MLB公式サイトに動画としてわざわざアップロードされている。
なぜなら、ウェルズの打ったライトフライがそれほど深くないものだっただけに、このタッチアップが誰にでも可能なわけではないからだ。そのことを、MLB公式サイトの担当者はわかっているから、わざわざアップロードしているわけだ。
もちろん、もしボストンのライトが、ダニエル・ナバでなく、イチローだったなら、このタッチアップは成功していなかっただろう。今シーズン鮮烈なデビューを飾ったドジャースのライト、ヤシエル・プイグの強肩がたびたび話題になるが、MLBにおけるライトの守備の重要性はレフトとは比べものにならない。(だからこそ、あらゆる指標の守備補正でレフトとライトを同じマイナス値にすること自体が馬鹿げているし、そもそもライトのマイナス値が大きすぎる)
タッチアップの動画(MLB公式):Video: BOS@NYY: Ichiro moves to third in the ninth inning | MLB.com

結局このゲームは、イチローの「シングルヒット、盗塁、タッチアップ、ワイルドピッチ」の、「ひとりでできるもんサヨナラ」でヤンキース勝利(笑)

まさにイチローの「魔法の季節」らしい結末だ(笑)

2013年9月8日サヨナラのホームインをするイチロー
2013年9月8日サヨナラのホームインをするイチロー(別角度)

ゲータレードかけを準備するガードナー(未遂)試合後のインタビューを受けるイチローに「ゲータレードかけ」を準備するガードナー(しかし未遂に終わった)


今日イチローが達成した「デビュー後13シーズン連続20盗塁」は、これまで盗塁魔王リッキー・ヘンダーソン(23年連続 1979年〜2001年)と、オジー・スミス(16年連続 1978年〜1993年)、2人の殿堂入りリードオフマンだけが達成している素晴らしい記録である。

もし、今シーズンに多発しまくっているジラルディの「右往左往してよろめき歩く酔客」のような酔いどれ采配がなく、選手起用さえ、きちんとスジの通ったものだったとしたら、イチローのこの記録はとっくに達成されていたはずであり、むしろ「ようやく9月になって達成された」という感が強い。
もし、今シーズンのヤンキースの選手起用がマトモで、理にかなったものだったら、とっくにイチローは30盗塁くらい達成できていただろう。


イチローのMLB通算盗塁数は、今日の二盗を含め、これで472MLB通算500盗塁まで、あと28。今年も、もうあと1か月弱しかないわけだが、いくつか盗塁を追加して、来シーズンには500盗塁というマイルストーンもクリアしてくれることだろう。

MLB通算盗塁数ランキング(2013年9月8日現在)
MLB通算盗塁数(2013年9月8日現在)
data generated via Career Leaders & Records for Stolen Bases - Baseball-Reference.com

赤飯スタンプ


damejima at 06:12

August 22, 2013





ゲーム後のフィールド内でのインタビュー:Video: TOR@NYY: Ichiro talks about getting 4,000th hit | MLB.com
チームメイトへのインタビュー:Video: TOR@NYY: Yanks discuss Ichiro's 4,000th hit milestone | MLB.com

イチロー4000安打の打席の配球3球目
ナックルボール
投手:R.A.Dickey
Toronto Blue Jays at New York Yankees - August 21, 2013 | MLB.com Classic


New York Yankees Logoイチローは、2013年8月21日ヤンキースタジアムで行われたトロント・ブルージェイズ戦の第1打席で、2012年サイ・ヤング賞投手、R.A.ディッキーの投じた3球目ナックルボールをレフト前にヒットを放ち、MLB通算安打数を2722本とし、ルー・ゲーリッグのキャリア通算安打数を越えると同時に、日米通算4000安打を達成した。
(記事の最初にある2つの動画は、1番目がヒットの場面のみ、2番目がイチローのキャリア全体をレビューしたもの)

イチローのユニホームが殿堂へ=日米4000安打で―米大リーグ (時事通信) - Yahoo!ニュース

MLBキャリア通算ヒット数ランキング(2013/08/21)


4000安打達成により、次の超えるべきハードルは、いよいよあと278本に迫ったMLB通算3000安打、となるが、これもまたマイルストーンのひとつに過ぎない。

(5000安打の可能性に関して聞かれたイチロー)
年齢に対する偏った見方がなければ、
 可能性はゼロではない


4000安打を達成し観客に礼をするイチロー

チームメイトに祝福されるイチロー

イチロー4000安打を祝福するヤンキースタジアムの観客

4000安打を達成したイチローを見てニヤけるムネノリ・カワサキ







MLB公式サイト・ヤンキース公式サイト
Ichiro Suzuki joins select group with 4,000th hit | MLB.com: News
イチロー4000安打のときのWRAPトップページ

MLB公式サイト

ESPN
Ichiro Suzuki to reach remarkable 4,000-hit milestone - ESPN
Ichiro Suzuki of New York Yankees gets 4,000th professional hit - ESPN New York
Ichiro joins the 4,000 hit club - Stats & Info Blog - ESPN
ESPN

SI.com
Watch: Ichiro collects his 4,000th hit | The Strike Zone - SI.com
SI.com


FOX Sports
Ich-i-ro! Ich-i-ro! | FOX Sports on MSN

YES Network
Ichiro 4K: Suzuki reflects on his mixed milestone

Joe Posnanski
Joe Blogs: Ichiro and Moon and Amazing Stories

New York Times
Suzuki Reaches 4,000 Hits as Yankees Gain in Playoff Race - NYTimes.com

USA Today
Ichiro Suzuki gets 4,000th hit between MLB and Japan

Washington Times
Ichiro Suzuki gets 4,000th career hit between MLB and Japan - Washington Times

Bloomberg
Yankees’ Ichiro Suzuki Joins Rose, Cobb With 4,000th Career Hit - Bloomberg

Guardian
After 4,000 hits in the US and Japan, Ichiro Suzuki is a star in his own right | David Lengel | Sport | theguardian.com

New York Daily News
Ichiro Suzuki reaches 4,000-hit milestone as Alfonso Soriano slugs Yankees to win over Blue Jays - NY Daily News

New York Post
Ichiro reaches 4,000; Soriano blast lifts Yankees to victory - NYPOST.com

Newsday
Ichiro Suzuki gets 4,000th combined career hit in Yanks' win

CBS Sports
Eye On Baseball - CBSSports.com WATCH: Ichiro collects 4,000th hit

SportingNews
Ichiro Suzuki notches 4,000th career hit in first at-bat vs. Blue Jays - MLB - Sporting News

Yahoo CANADA
Mr. 4,000: Ichiro reaches career milestone with classic base hit | Big League Stew - Yahoo! Sports

Tront Star
Ichiro Suzuki joins 4,000-hit club as Yankees down Blue Jays: Griffin | Toronto Star

Chicago Tribune
Ichiro Suzuki 4000 hits - chicagotribune.com

Bleacer Report
Yankees' Ichiro Suzuki Records 4,000th Hit in Pro Career | Bleacher Report
Comparing Ichiro Suzuki to MLB's All-Time Hit Leaders | Bleacher Report
How Many Hits Would Ichiro Have Had If His Entire Career Were in MLB? | Bleacher Report
「もしイチローがMLBでデビューしていても、スタン・ミュージアルのヒット数を越えていただろう」という記事。ただし、この記事、NPBとMLBの試合数の差を考慮にいれてない。

SB Nation
Ichiro records hit No. 4,000 in Japan and U.S. - SBNation.com

Business Insider
CHART: Why Ichiro's 4,000 Hits Compare Very Well With Pete Rose And Ty Cobb - Business Insider
イチロー、タイ・カッブ、ピート・ローズの比較
NPBとMLBの試合数の差が考慮されたこの記事では、イチローの4000本は十二分にタイ・カッブ、ピート・ローズの記録と比較しうる、という結論が出されている。

ドミニカの記事
Panorama Diario: Liga Americana: Ichiro Suzuki arriba a 4,000 hits entre GL y Jap���n

スペイン語の記事
Ichiro lleg��� a cuatro mil jits | Cubadebate

Yankees derrotan a Toronto en noche hist���rica (Video) - eldiariony.com

El samur���i de las 4 mil muertes

赤飯スタンプ


damejima at 07:23

August 15, 2013

デビュー後13シーズンにおける
MLB通算出場試合数ランキング


デビュー後13シーズンでの通算出場試合数、イチロー歴代第1位達成
data generated via Batting Split Finder - Baseball-Reference.com

2013年8月14日エンゼルス第3戦で先発出場予定のイチローは、「デビュー13シーズンでのMLB通算2023試合出場」を達成する。
これは、「デビュー後13シーズンにおける出場試合数」において、これまで長らく1位だったピート・ローズが1975年に達成した「2022試合」を、38年ぶりに塗り替え、MLB歴代1位を達成したもの。

この記録は、言うまでもなく、イチローのこれまでのキャリアが安定し、怪我のない健康なキャリアだったかを示している。(もちろん、ドーピングによる長期の出場停止などもありえない)

ちなみに、今年7月14日のミネソタ戦で、1番センターで出場して達成した「デビュー後13シーズンでのMLB通算2000試合出場」は、MLB史上、イチローとピート・ローズの2人しか達成していない記録である。
Damejima's HARDBALL:2013年7月14日、イチロー・スーパーカウントダウン(8) イチロー、MLB通算2000試合出場達成! MLB史上ピート・ローズだけしか達成していなかった「デビュー後13シーズンでの2000試合出場」の2人目の達成者となる

赤飯スタンプ


damejima at 05:10

August 14, 2013



New York Yankees Logo日米通算4000本まであと「6本」と迫ったイチローだが、日本で「イチメーターさん」として知られているAmy Franzさんが、イチローの日米通算4000本安打達成を東海岸で応援しようと、ニューヨークにかけつけるにあたって、どうもチケット入手に手こずっているらしいことはツイートを垣間見てわかっていたのだが、どうやら、ヤンキースタジアムの外野席からゲーム開始時にBleacher CreaturesRoll Callをやっている"Bald" Vinnyこと、Vinny Milanoさんが、彼女のヘルプをかってでて、チケット入手に奔走しているらしい。

漢気ですな。
鳥肌たったわ。

Born Awesome, you. @baldvinny #FansHelpingFans

Bald Vinny インタビュー:Talking Baseball With Die-Hard Yankee Fan & Bleacher Creature Bald Vinny | Bleacher Report



エイミーさんがいつニューヨークで観戦する予定なのかは知らないけども、ヤンキースのスケジュールは、エンゼルス4連戦はホーム、その後のボストン3連戦はビジター、そのあとのトロント4連戦はホーム
シアトル時代のイチローはけっこう色んな記録をビジターで達成してた気もするけども(苦笑)、できればここはひとつ、ヤンキースタジアムでの記録達成でファンに気持ちよくオベーションされてほしいものだ(笑)


もちろん、イチローは今はシアトルではなくヤンキースのプレーヤーなのだから、エイミーさんとの交流よりも、まず第一義としては、ヤンキースファン全体と、ヤンキースのために日頃からいろいろと世話を焼いてくれているBleacher Creaturesとその団長である "Bald" Vinny への感謝を忘れずにパフォーマンスしてくれたら、それこそclassy、最高だと思う。(もちろん彼は義理堅い男なのだし、そんなことを外から言うまでもないが)

Ali Ramirez and his Cowbellなにせ、カウベルがトレードマークだったBleacher Creature創立者Ali Ramirez(左の写真)の代からヤンキースを見守ってきたBleacher Creaturesとの関係を深めるいい機会なのだ。これを逃がす手はない。
イチローの先日のグリフィーへのビデオレターは非常に多くのMLBファンから広く賞賛を集めた。プレーヤーは、成績を積み重ねたら、あとはclassyでタイムリーな行為を積み重ねることで、ひとつひとつレジェンドへの階段を上がっていくべきだ、と思う。また、そうした振る舞いは、ひとつの「古き良きヤンキースらしさ」でもある。

ヤンキースタジアム初めてのロールコールに脱帽して応えるイチロー
ヤンキース移籍後、ヤンキースタジアムで初めて受けた「ロールコール」に脱帽して応えるイチロー。(2012年7月27日ボストン戦 8番ライト 4打数1安打2得点)

bleacher""bleacher"

元の意味では、左のイラストのごとく単なる「外野席」という意味だ。だが、こと「ヤンキースタジアムの外野席」でいう "Bleacher Creature" は、直訳すると「外野席の生物」、もっと正確に書く「ヤンキースの試合を価格の安い外野席からしか観戦できないような階層の人たち」という社会のクラスターを示す意味が含まれており、話は単純にはいかない。
MLBにおいて「外野席」が「どういった経緯で誕生した」かという経緯は、以下の記事に既に書いたことでもあるが、とても短くまとめられる話ではない。
2014年3月29日、『父親とベースボール』 (11)「外野席の発明」 〜20世紀初頭の「新参の白人移民の急増」と「ホームラン賞賛時代」の始まり。 | Damejima's HARDBALL
「外野席の誕生」は、移民の国アメリカの歴史の構造そのものにまつわる話でもあり、少なくとも、ヤンキースタジアムの "Bleacher Creature" は、そうした「約100年前のボールパークで起きたこと」を現代に引き継いでいるのである。


damejima at 02:19

July 22, 2013

Lou Gehrig
仏頂面のゲーリッグより遥かに魅力的な
微笑んでるゲーリッグ。

MLBキャリア通算ヒット数ランキング(2013/07/21)

イチロー・スーパーカウントダウン、後半戦はイベントが続く。MLB通算2700安打日米通算4000安打の達成。さらには、デビュー13シーズンでのピート・ローズ越え歴代1位2023試合出場と続く。

既に書いたように、イチローが「日米通算4000安打を達成するとき」というのは、同時に、「ルー・ゲーリッグを超えるMLB通算2722目のヒットを打ったとき」でもある。
ちなみに、某アメリカのスタッツに詳しいライターが、ついこの間そのことにようやく気付いたらしく、ビックリしたようにツイートしていたのには笑った(笑)


ルー・ゲーリッグが、あの有名な「今日の私は地上で最も幸せな男です」という引退スピーチを行ったのは、1939年7月4日セネタースとのダブルヘッダーだ。

Lou Gehrig



『偶然と必然』ジャック・モノー『偶然と必然』という名著で世界を驚かせたのは、フランスのノーベル賞学者ジャック・モノーだが、イチローが日米通算4000安打を打つことと、ルー・ゲーリッグの通算安打数を超えることが同時に起こることが、どれだけ「偶然」とは思えない不思議な出来事か。「たまたまゲーリッグがそこにいただけで、別に誰だってよかっただろう。そんなの、ただの偶然だ」と思う人がいるかもしれないが、日本野球の歴史をひもとくと、「日本のプロフェッショナル・ベースボールから生まれたイチローが越えていく壁が、『ゲーリッグ』であること」に、とても「偶然」と思えないある種の歴史的必然があることがわかる。


詳しく書くと長くなるのでやめるが、黎明期の日本野球を常にインスパイアし続けたのは、日米野球で垣間見る大リーガーの「高い壁」であった。
たとえば「1934年日米野球」が、日本野球史を塗り替えるほどの決定的なインパクトがあったのは、17歳のエース沢村栄治の快投で、それまでは遥か彼方にかすんでいたMLBの高い壁が、ほんの一瞬にせよ、間近に、それもピントがあって垣間見え、難攻不落の壁にとりつく「足がかり」すら感じられたからだ。

1934年当時の日本では、ベーブ・ルース人気から、彼の一挙手一投足が話題になったわけだが、あの年の日米野球の来日メンバーの実際の打線の中心は、当時すでに現役引退目前だったキャリア終盤のベーブ・ルースではなく、キャリア全盛期にあったルー・ゲーリッグであり、11月20日の草薙球場のゲームで沢村栄治から決勝ホームランを打ったのが、引退間際のルースではなく、ゲーリッグだったのにもちゃんと「必然」がある。

だから、イチローの4000安打達成が、同時に「ルー・ゲーリッグ越え」のMLB通算2722本目の安打でもあるという「歴史」には、単なる偶然ですまされない「必然」があるのだ。


Lefty O'Doul日本野球への貢献によって日本の野球殿堂入りしているレフティ・オドゥール(フランク・オドゥール)が日本で知名度が高い理由のひとつも、彼が、沢村栄治の投げた1934年日米野球と、1934年に匹敵するインパクトがあったとも評される1949年日米野球の両方に関係しているからだ。
オドゥールは、1934年日米野球では、サンフランシスコに移転する前のニューヨーク・ジャイアンツの選手として来日。翌1935年の全日本チームのアメリカ遠征でも、なにくれとなく日本チームの世話を焼き、チームに "Tokyo Giants" というニックネームをつけた。そして1949年日米野球では、彼がジョー・ディマジオを育てたマイナーのサンフランシスコ・シールズ監督として来日し、長年に渡って日本野球を鼓舞し続けた。


オドゥールが長年監督をつとめたサンフランシスコ・シールズの本拠地シールズ・スタジアムは、一度書いたように、ニューヨークにあったジャイアンツが、ドジャースとともに西海岸移転したとき、新本拠地キャンドルスティック・パークが完成するまで、一時的に本拠地にしていたボールパークだ。
Damejima's HARDBALL:2012年3月21日、1958年ドジャース、ジャイアンツ西海岸移転に始まる「ボールパーク・ドミノ」  (3)キャンドルスティック・パーク、ドジャー・スタジアム、シェイ・スタジアムの開場

大映の永田雅一氏は、そのキャンドルスティック・パークを模範として、東京・荒川区に東京スタジアムを作り、まだ基盤の弱かった戦後の日本プロ野球の発展に力を尽くした。
Damejima's HARDBALL:2012年3月23日、1958年ドジャース、ジャイアンツ西海岸移転に始まる「ボールパーク・ドミノ」  (4)夢の東京スタジアムの誕生

Damejima's HARDBALL:2012年3月30日、1958年ドジャース、ジャイアンツ西海岸移転に始まる「ボールパーク・ドミノ」 (5)番外編 元祖「安打製造機」 榎本喜八にとっての『故郷』、東京スタジアム。


西本幸雄さんは、永田雅一氏がオーナーをつとめる大毎オリオンズ監督として1960年リーグ優勝を果たし、その後、阪急近鉄と、優勝経験の無かったチームを2つも優勝に導くことで日本野球史の流れを大きく変えた。
また西本さんは、上田利治、仰木彬、梨田昌孝、チャーリー・マニエル、山田久志、福本豊などの選手・指導者を育てることでパ・リーグ隆盛の礎を築き、そのパ・リーグから、野茂、イチロー、ダルビッシュなどのMLB挑戦者が現れ、現在に至っている。
Damejima's HARDBALL:2011年11月25日、「名山」、西本幸雄。指導者を育てた指導者。

こうした出来事の全てを単なる偶然と片付けるだけの勇気は、ブログ主にはない。

damejima at 07:09

July 20, 2013

アメリカのサイトの記録によると、1934年11月20日、アメリカチームは早朝に東京日比谷の帝国ホテルを出て静岡に向かった。当時、日本にはまだ東名もなければ、新幹線もない。この日のプレーボールは午後1時だ。東京駅駅舎をバックにしたベーブ・ルースの白黒写真が残されているが、もしかすると鉄道で静岡に向かったのかもしれない。
ハワイを経由して日本にやってきた彼らは、神宮球場での2試合を皮切りに、函館、仙台、富山、横浜を回り、静岡の後は、名古屋、大阪、小倉、京都、大宮、宇都宮で試合が予定され、上海とマニラでもゲームがあった。
1934 Tour of Japan Schedule and results


イチローのキャリア通算2722本目のヒットは、日本の野球にとっての「記念碑」だ。たとえ話でいうのではなく、その日は本当に赤飯を食おうと思っている。めでたい日には赤飯を食う。これが日本の決まりごとだ。だから、それでいいのだ。
日米通算4000安打という偉業。それは同時に「ルー・ゲーリッグという選手のもつ記録のひとつを、日本人選手が超える日が来た」という事実でもあり、野球のなかった国で野球という新たな文化を根付かせ、育ててきた日本野球にとって、1934年草薙球場の、あの惜敗から数えて79年、日本野球発展のひとつの「記念碑」なのだ。

MLBキャリア通算ヒット数ランキング(2013/07/17)


かつて日本では1908年以来「日米野球」が行われていた。ベーブ・ルースをはじめ多くの殿堂入り選手が含まれたオールアメリカン、あるいはサンフランシスコ・シールズのようなマイナーのチームまで、さまざまなパターンで構成されたチームが来日したが、黎明期の日米野球では、日本にまだプロがなかったために実力差が激しく、アマチュアで構成された日本側が常に完膚無きまでに叩きのめされ続けた。
参考記事:Damejima's HARDBALL:2012年3月21日、1958年ドジャース、ジャイアンツ西海岸移転に始まる「ボールパーク・ドミノ」  (2)ロサンゼルス・メモリアル・コロシアム、シールズ・スタジアムの一時使用と、チェニー・スタジアムの建設

1934年日米野球は、当時のMLBオールスター級ともいえる豪華さで、ベーブ・ルース、ルー・ゲーリッグ、チャーリー・ゲーリンジャー、ジミー・フォックスなど後に殿堂入りする有名選手がズラリと顔を揃えていた。
かたや迎え撃つ日本側は、プロができる直前の時代であり、沢村栄治(旧字体:澤村 榮治 背番号8)にしても、ヴィクトル・スタルヒン(背番号31)にしても、当時はまだ高校中退したばかりの10代のアマチュアだった。
17歳の沢村は日米野球の最初の登板で11本のヒット、3本のホームランを浴びた。1934年日米野球での沢村の通算スタッツは、28回2/3を投げ、自責点25、ERA7.85。被安打33、被ホームラン8、25三振、25四球。全体としていえば、まだまだメジャーに通用する成績ではなかった。

沢村栄治(澤村 榮治)

だが、79年前のあの日、昭和9年(1934年)晩秋11月20日の草薙球場では全てが違った。沢村栄治はゲーリンジャー、ベーブ・ルース、ルー・ゲーリッグ、ジミー・フォックス、MLB史に残る名選手たちを撫で斬りに4連続三振に仕留め、8回1失点の快投をみせた。

▼昭和9年11月20日 日米野球(静岡・草薙球場)
全日本 000 000 000=0
全  米 000 000 10X=1

この日の沢村栄治の快投は、日本中の人々に、もしかすると日本人も野球で強くなれるのかもしれないとの期待を抱かせ、日本プロ野球設立への大きなきっかけを作った。
黎明期の日本野球の最高峰は大学野球だったが、プロとしての日本野球の歴史の第一歩は、あの晩秋の草薙球場でのデーゲーム、沢村栄治の力投から始まっている。

あわや勝利投手かという快投をみせた17歳の日本のエース、沢村栄治から、容赦なく決勝ホームランを放ってみせたのは、当時31歳の4番打者ルー・ゲーリッグだ。ゲーリッグの存在は、いってみれば、当時まだプロの存在しない日本野球のレベルでは、沢村栄治の伝説の快投をもってしても越えられない「メジャーの高い壁」だった。

沢村が打たれたのは、カーブを投げる際、唇が「への字」に曲がる癖を見抜かれたためといわれている。「ドロップ」と呼ばれた伝説のカーブを真芯にとらえたゲーリッグの打球は、ライナーとなって草薙球場のスタンドに消えていった。



1934年の伝説の沢村栄治の快投、ルー・ゲーリッグのソロ・ホームランから、79年。野球には両者を記念した沢村賞、ルー・ゲーリッグ賞ができ、そして数えきれないほどの野球選手が登場しては消えていった。
長い長い歳月を経て、17歳の沢村栄治が越えられなかったルー・ゲーリッグの記録のひとつを、21世紀にMLBのグラウンドに現れた日本人イチローが越えていこうとしている。

思えば、イチローはさまざまな経緯と試練を経て、いつのまにかルース、ゲーリッグと同じヤンキースのピンストライプを着て野球をやっている。ファンと、そして当のイチロー本人がどう考えようと、イチローにはいやおうなくピンストライプを着る運命が待ち構えていたのかもしれない。そんなふうに思えてくる。これが日本野球の記念碑でなくて、他の何が記念碑だ、と思う。


アメリカ遠征を経て日本でプロになった沢村栄治は、19歳になった1936年秋に甲子園で日本野球史上初のノーヒットノーランを達成。3度のノーヒットノーランを含む輝かしい栄光の日々を経験したが、兵役でキャリア中断を余儀なくされ、さらに手榴弾投げで肩を壊して、最後はオーバースローで投げることですらままならない悲惨な状態になり、1944年シーズン前に解雇され、引退した。同じ1944年の暮れ、12月2日に屋久島沖で戦死。27歳。

アメリカ遠征中の沢村栄治
アメリカ遠征中の沢村栄治(後列左から2人目。前列最も左側がスタルヒン)


こころざし。

沢村栄治のみならず、野球をこころざし、野球で生きることを仕事として選んで燃焼しようとした果てしない数の人々が越えようとしてきた壁が、ついにひとつ、乗り越えられようとしている。そうした、数えきれないこころざしに対し、このヒットが生まれたら報告しておきたい。

草薙球場から79年。
日本野球はとうとうここまで来ましたよ、と。

赤飯スタンプ


damejima at 02:53

July 15, 2013

7月14日ミネソタ第3戦、1番センターで先発出場したイチローは、ソロ・ホームランを含む3安打2打点2得点と活躍、ついにMLB通算2000試合出場を達成すると同時に、MLB史上2人目の「デビュー後13シーズンでの通算2000試合出場」達成者となった。
この「2000試合出場」という記録は、それ自体も、2013年7月14日現在歴代達成者数が234人しかいない稀有な記録だが、達成条件をさらに厳しくして、イチローと同じ「デビュー後13シーズンでの達成」に限定すると、達成できたのは、MLB史上ピート・ローズただひとりしかいない。いかにイチローのこれまでのキャリアが安定したものだったか、よくわかる。

ホームラン動画:Longest Drives | MIN@NYY: Ichiro launches a solo homer to right field - Video | MLB.com: Multimedia


ちなみに、1位ピート・ローズの記録は「2022試合」。
イチローがピート・ローズすら抜き去り、「デビュー後13シーズンにおける出場試合数」におけるMLB歴代1位に輝くまで、あと23試合ということになる。8月中には抜くことだろう。いよいよ焦点は彼のキャリア通算ヒット数「4265本」になってきた、ということでもある。

デビュー後13シーズンでのMLB通算出場試合数
イチロー、デビュー13シーズン通算2000試合出場達成
data generated in 07/14/2013 via Batting Split Finder - Baseball-Reference.com(2013年7月14日ミネソタ第3戦を含む)


MLB歴代 通算出場試合数記録
Career Leaders & Records for Games Played - Baseball-Reference.com

現役選手の出場試合数記録
Active Leaders & Records for Games Played - Baseball-Reference.com


ちなみに、「デビュー後13シーズン」というスパンで打ったMLB通算ヒット数を歴代記録で調べてみると、イチローが2013年7月14日2000試合出場時に打った「2696本」という記録は、現時点で既にMLB歴代1位の記録、つまり「ワールドレコード」であり、もちろんこの記録は今シーズン終了まで伸び続ける。

デビュー後13シーズンでのMLB通算ヒット数
デビュー後13シーズンのMLB通算ヒット数(2000試合)

この「デビュー後13シーズンのヒット数ランキング」に登場する選手たちは、野球賭博で永久追放になり殿堂入りが不可能なピート・ローズと、殿堂入りが確実視されているが、いまだ現役で記録が伸び続ける可能性が残されているイチローとデレク・ジーターを除くと、ベスト10全員が野球殿堂入りを果たしている。
Paul Waner 1952年殿堂入り(RF 83.33%)
Al Simmons 1953年(LF 75.38%)
Hank Aaron 1982年(RF 97.83%)
Stan Musial 1969年(LF 93.24%)
George Sisler 1939年(1B 85.77%)
Wade Boggs 2005年(3B 91.86%)
Richie Ashburn 1995年(CF Veterans Committee)

現在2700本に迫っているイチローの「デビュー13シーズンにおけるMLB歴代1位のヒット数」を、今後抜く可能性が残されているのは、イチローが既に歴代1位である以上、現役選手だけだが、現役でめぼしい数字は、デレク・ジーター2356本、アルバート・プーホールズ2334本、マイケル・ヤング2230本の3人に絞られる。

現役3選手すべての記録が、現時点でイチローの「2696本」という数字から約300本以上も離れていること、さらに、イチロー自身がいまだバリバリの現役で、数字を今シーズン後半に伸ばし続けること、さらに、MLBの若い選手たちの中にこの4選手に迫る数字を残せそうな選手が出てくる可能性などを総合的に考慮すると、イチローの「MLBデビュー後13シーズンでの安打数記録」が、MLBにおける Unbreakable Record のひとつとなるのはおそらく間違いない。


ついでに、「デビュー後14シーズンでのMLB通算ヒット数」も調べてみる。
まだデビュー後13年目のシーズン途中にあるイチローの「2696本」が、既にMLB歴代3位につけている。これまでの歴代1位であるPaul Wanerの「2799本」までは、13年目のシーズンの後半を残した今の時点で、既に「103本差」だから、来シーズンにイチローが、「「デビュー後14シーズンでのMLB通算ヒット数」においても「MLB歴代1位」になることは、ほぼ間違いない。

デビュー後14シーズンでのMLB通算ヒット数
(図中イチローのみ13シーズン途中の数字)
デビュー後14シーズンのMLB通算ヒット数(イチローのみ13シーズン)


このブログでかつて、「38歳」という年齢が「年齢による衰えの始まるキーポイントだ」という意味のことを何度か書いた。
時代を隔ててしのぎを削りあってきたポール・ウェイナーとピート・ローズだが、彼らの通算ヒット記録が明暗を分けたのも、「38歳以降のヒット数」である。

「37歳以降」に打ったヒット数比較
5人のホール・オブ・フェイマーが37歳以降に打ったヒット数

ポール・ウェイナーは、デビュー後ずっと3割を打ち続けた素晴らしいバッターだが、飲酒の悪癖があったらしく、13シーズン目の1938年(35歳)に初めて3割を割った原因も飲酒といわれている。球団から禁酒を言い渡された翌1939年の14年目のシーズンに、36歳で151本のヒットを打ったものの、それを最後に37歳以降は打撃成績を落とし、そのままキャリアを終えている。
対してピート・ローズは、デビュー15年目から18年目にあたる1977年〜80年、36歳から39歳にかけて「795本」ものヒットを量産することで、ヒット数関連記録で常に先行されていたポール・ウェイナーを抜き去った。彼はさらに40代以降もしぶとく「699本」のヒットを積み上げている。結局、30代後半からの10年間で積み上げた「約1500本」が、球聖タイ・カッブの通算安打数記録を塗り替える「4256本」の原動力になった。
参考記事:Damejima's HARDBALL:2012年9月28日、3000安打達成予報。これからのイチローの数シーズンが持つ価値。

そうした「ヒットの鬼」といえる歴代の選手たち、タイ・カッブ、ピート・ローズ、ポール・ウェイナーでさえ、「39歳以降」にシーズン200安打を達成できていない。39歳以降に達成できたのは、ポール・モリターサム・ライスの2人だけで、40代での達成となると、長いMLBの歴史の中でも、サム・ライス、ただひとりしかいない。
心ひそかに、イチローが39歳以降にシーズン200安打を達成できる日が来ることを祈りたい。

「37歳以降」のシーズン200安打達成者リスト

37歳 Zack Wheat (221本)
    Tony Gwynn (220本)
    Ty Cobb (211本)
38歳 Pete Rose (208本)
    Jake Daubert (205本)
    Sam Rice (202本)
39歳 Paul Molitor (225本)
40歳 Sam Rice (202本)


damejima at 00:16

July 12, 2013

7月11日カンザスシティ第3戦に1番センターで先発出場、タイムリー、ファインプレー、盗塁などと縦横に活躍したイチローは、これでMLB通算1997試合出場を達成。
関連記事:Damejima's HARDBALL:2013年7月11日、イチローのOver-The-Rainbow Catch!!!!!

これで、MLB史上ピート・ローズただひとりしか達成していない「デビュー後13シーズンでの通算2000試合出場」達成まで、あとわずか3試合となり、さらに、ピート・ローズを抜き去って歴代1位となるまで、あと26試合と迫った。

歴代2位だったエディ・マレーの「1980試合」に肩を並べたのが、ついこのあいだだった気がするのに、もうエディ・マレーの記録がはるか後方になりつつある。
現役でいるということ、そして、代打、代走、DHというレベルの現役ではなく、あくまでレギュラーでゲームに出て、攻守走を全てこなすレベルの現役であることの凄さを、あらためて感じないわけにはいかない。

デビュー13シーズンでのMLB通算出場試合数

デビュー13シーズン通算2000試合出場まで、あと3試合
data generated in 07/11/2013 via Batting Split Finder - Baseball-Reference.com(カンザスシティ第3戦を含む)

参考記事:Damejima's HARDBALL:2013年6月24日、イチローMLB通算出場試合数「1980試合」到達。過去にピート・ローズだけしか達成していない「13シーズン・2000試合出場」まで、あと20試合。「ピート・ローズ越え」歴代1位まで、あと43試合。(誤データ修正版)


MLB歴代 通算出場試合数記録
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現役選手の出場試合数記録
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damejima at 22:37

July 05, 2013

イチローの「日米通算4000安打達成」は、同時に、「ルー・ゲーリッグの通算安打数を越えるMLB通算2722目のヒットを打ったとき」でもある。

ミネソタ遠征で絶好調のイチローのMLB通算安打数は、7月4日ミネソタ第4戦の3本のヒット(シングル、二塁打、三塁打)を加え、2685本
これに日本での「1278本」を加えた日米通算安打数は、「3963本」となり、日米通算4000安打達成まで、あと「37本」と、ついに秒読み体制に入った。

MLB通算安打数
日米通算4000安打まで、あと37本
Career Leaders & Records for Hits - Baseball-Reference.com

参考記事:Damejima's HARDBALL:2013年6月5日、イチローがMLB通算2655安打達成し、テッド・ウィリアムズを抜いたことで得られた「確信」。さまざまな議論があることを承知していても、やはり誰もが書かずにいられない『4000本の栄光』。



ちなみに、イチローのメジャーデビューから現在に至る「27歳から39歳までの通算ヒット数」2659安打(2013年6月12日段階)で、これは、MLB通算安打数記録「4256本」のタイトルホルダーであるピート・ローズが、同じ「27歳から39歳まで」の間に打ったヒット数「2658本」を既に越えており、「同年代における安打数の比較」においては、イチローは既に通算安打数歴代1位の座をピート・ローズから奪い去っている

27歳から39歳までの間に打った通算ヒット数ランキング
(2013年6月12日現在)
27歳から39歳までの間に打った通算ヒット数ランキング 20130612
Provided by Baseball-Reference.com : Batting Split Finder Generated 6/12/2013

damejima at 09:42
7月4日ミネソタ第4戦に1番センターで先発出場し、2点タイムリースリーベースなど、3安打2打点と活躍したイチローは、これでMLB通算1990試合出場を達成。

これでイチローが、MLB史上ピート・ローズただひとりしか達成していない「デビュー後13シーズンでの通算2000試合出場」達成まで、あと10試合、さらに、ピート・ローズを抜き去って歴代1位となるまで、あと33試合と迫った。

デビュー13シーズンでのMLB通算出場試合数
デビュー13シーズン通算2000試合出場まで、あと10試合
data generated in 07/04/2013 via Batting Split Finder - Baseball-Reference.com(ミネソタ第4戦を含む)

参考記事:Damejima's HARDBALL:2013年6月24日、イチローMLB通算出場試合数「1980試合」到達。過去にピート・ローズだけしか達成していない「13シーズン・2000試合出場」まで、あと20試合。「ピート・ローズ越え」歴代1位まで、あと43試合。(誤データ修正版)


MLB歴代 通算出場試合数記録
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現役選手の出場試合数記録
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イチローは既に、この記録におけるMLB歴代2位だったホール・オブ・フェイマー、エディ・マレーの「1980試合」を抜き去り、単独の歴代2位に躍り出ていた。
あと33試合の出場により、イチローがMLB歴代1位ピート・ローズの「2022試合」を38年ぶりに塗り替え、「デビュー後13シーズンにおけるMLB史上最多試合出場プレーヤー」となる日が、刻一刻と迫っている。

2点タイムリースリーベース動画
Video: Ichiro's two-run triple | MLB.com Multimedia

2013年7月4日2ラントリプル

この日の活躍まとめ動画
Video: Ichiro's big day | MLB.com Multimedia

damejima at 09:25

June 25, 2013

以下は、
2013年6月23日、あまり知られていないイチローの歴代1位記録、「13シーズンにおける出場試合数、MLB歴代1位」。「MLB通算2000試合出場」まで、あと20試合。
というタイトルで書いた記事の修正版である。データに誤りがあったので、お詫びして訂正する。(該当記事は既に削除済み)

修正理由は単純な話で、データ検索の甘さから以下の根本的なデータを見落としていたからだ。
「MLBデビュー後、13シーズンにおける通算出場試合数の歴代1位」は、2013年6月23日時点では、イチローの「1980試合」ではなく、1963年から1975年にかけてピート・ローズが記録した「2022試合」である。
どういうものか、記事を書いてからも気になって、しつこく検索を繰り返していて、自分のミスに自分で気づいた。個人的にはむしろ、またひとつ「ピート・ローズの記録を越える楽しみ」を発見できたので、このミス自体を喜んでいる(笑)


デビュー後、13シーズンでの通算出場試合数
デビュー後13シーズンでの通算出場試合数ランキング
data generated in 06/24/2013 via Batting Split Finder - Baseball-Reference.com

MLBで「デビュー後、13シーズンで2000試合出場」という記録を達成しているのは、ピート・ローズの「2022試合」という記録が唯一無二の記録だ。この記録のMLB歴代2位が、HOFエディ・マレーで、MLB13シーズン目のイチローの通算出場試合数は、タンパベイとの4連戦を終えて1980試合(2013年6月23日終了時点)となり、ついに歴代2位に肩を並べた。

イチローは、あと20試合出場すると、ピート・ローズに続くMLB史上2人目の「デビュー後、13シーズンで2000試合出場達成プレーヤー」になることができる。おそらく7月末には達成できるだろう。

さらに、あと43試合出場すると、ついにMLB歴代1位のピート・ローズすら越えて、イチローが「デビュー後、13シーズンでのMLB史上最多試合出場プレーヤー」になることができる。こちらのほうは、たぶん8月中に達成できるだろう。

これでまたひとつ、ピート・ローズの記録を塗り替えることができる。めでたいことだ。

MLB歴代 通算出場試合数記録
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現役選手の出場試合数記録
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ちなみに、現役選手だけでみると、「13シーズンにおける出場試合数」のMLB歴代2位は、現役で33歳と若いアルバート・プーホールズの「1933試合」(2013年6月23日時点)で、イチローと40試合ちょっとの差しかない。もちろん彼も、イチローに続き、MLB史上3人目の「デビュー後13シーズンでの、2000試合出場達成者」になるのは間違いない。

ほかに、出場試合数ランキング上位500位までみても、現役選手は、33歳のアダム・ダン(1789試合 2013年6月23日時点)くらいしかいないし、彼の数字では「13シーズン・2000試合出場」に届かない。

だから、まだ13シーズンとはいえ、イチローとプーホールズは、通算出場試合数記録において、MLB史に残る傑出した歴史的大記録を残すことになる。(もちろん「13シーズンにおける通算打席数」でも、この2人が現役1位と2位だが、さすがに長年リードオフマンだったイチローが約8980打席であるのに対して、クリーンアップを打つプーホールズは8430ちょっとしかない)

イチローとプーホールズ、この2人に関してだけは、(やがてはプーホールズがイチローを抜いていくとしても)今後しばらく「抜きつ抜かれつの1位争い」がありうるわけだが、過去の「12シーズンの出場試合数記録」が、この2人から大きく離れた記録しかないために、イチローとプーホールズの「デビュー後13シーズンでの通算出場試合数記録」を抜きさる選手は、当分の間現れることはないし、もしかすると、もう現れないかもしれない。


ちなみに、「デビュー後14シーズンの通算出場試合数」では、同じくピート・ローズの「2184試合」という記録がある。
言うまでもなく、イチローがこのまま順調な現役生活を続ければ、来シーズンには、この「14シーズンの出場試合数」のMLB歴代1位記録も、イチローのものになる

デビュー後、14シーズンでの通算出場試合数ランキング
デビュー後14シーズンでの通算出場試合数ランキング
data generated in 06/24/2013 via Batting Split Finder - Baseball-Reference.com


無事是名馬とは、まさにこのことだ。出場試合数記録歴代ベスト10の10人でも、野球賭博で永久追放のピート・ローズと、ステロイダーで殿堂入りは永遠にありえないバリー・ボンズを除けば、全員が野球殿堂入りしている。
イチローが長く無事に出場できている理由には、入念なストレッチやインナーマッスルの鍛錬など、近代的なトレーニング手法によるものだけでなく、「アナボリック・ステロイドのようなドーピングに手を染めていない」ということが関係している、と個人的に思っている。

過去、サッカーなど各界の有名アスリートが股関節など関節にまつわる故障を理由に引退を余儀なくされている。(例えば海外チームでプレーするようになって、突然身体がびっくりするほどデカくなって、その後、グロインペインがどうとか言い出すパターン)
確たる証拠があるわけでもないが、それらの一部は、ステロイドで人工的に過度につけすぎた筋肉の重さに関節が耐えられなくなって故障したものだと思っている。30歳を前に、成長期なんてものがとっくに終わっている年齢だというのに、海外に行っただけでいきなり身体がガチムチマッチョになる、なんてことは、DCやマーベルとかのコミックじゃあるまいし(笑)、どこをどう考えてもありえない。

まさにステロイダーそのものの超人ハルクまさにステロイダーそのものの超人ハルク

Twitter Cardsに対応しました。




damejima at 02:23

June 13, 2013

6月12日オードットコロシアムで行われたオークランド戦でイチローは2本のヒットを放ち、これでMLB通算安打数を2659本とし、「27歳から39歳までに打ったMLB通算ヒット数」において、これまで1位だったピート・ローズ(2658本)を抜き、MLB歴代1位に躍り出た。
資料記事:Damejima's HARDBALL:2013年6月9日、おそらく"Unbreakable Record”となるイチローの「27歳から39歳までの間に打ったMLB通算ヒット数」。歴代1位ピート・ローズに、「あと1本」。

27歳から39歳までの間に打った通算ヒット数ランキング 20130612
Provided by Baseball-Reference.com : Batting Split Finder Generated 6/12/2013


イチローがMLBデビューしたのは、「27歳」。

だから、「27歳から39歳までに打ったMLB通算ヒット数」においてイチローが「MLB歴代1位」ということは、イチローがもしキャリアの最初からMLBでプレーしていたら、MLBの野球殿堂入りの目安のひとつといわれる「MLB通算3000本安打」どころか、空前の「MLB通算4000本安打」を達成し、さらには「ピート・ローズのもつMLB通算最多安打」に迫る安打数を、「MLBのみ」において達成した可能性が非常に高いことを意味している。

このことは、イチローが積み上げつつある「日米通算安打記録」が、単なる日本とMLBの記録の「合算」ではなく、他のどんなプレーヤーも到達したことのない「特別な記録」であることを意味している。

© damejima

damejima at 15:31

June 10, 2013

いよいよイチローピート・ローズという山を少しずつ越えはじめている。

27歳から39歳までの間に打った通算ヒット数ランキング
Provided by Baseball-Reference.com : Batting Split Finder Generated 6/9/2013

これはMLBで「27歳から39歳までに打った通算ヒット数ランキング」。27歳でMLBデビューしている2位イチローのMLB通算ヒット数2657本は、暫定1位ピート・ローズの2658本、つまり、「ピート・ローズがイチローと同じ27歳から39歳という年齢で打った総ヒット数」に、「あと1本」と迫っている。
いうまでもなく、近日中に1位はイチローになるだろう。ピート・ローズの「天下」はこうして少しずつ終わっていくのだ。

1位2位の2人と、3位Doc Cramerの記録が既に約250本も離れていること。現役で、イチロー以外で唯一ベスト10入りしているデレク・ジーターの安打記録は、最近の彼の長期DL入りにより今後大きく伸びることはないと思われること。そして、いまだ現役のイチローが今シーズンのゲームで安打数を伸ばせること。
あらゆる点を考慮すると、この「27歳から39歳までの間に打った通算ヒット数」は、2位イチローが1位ピート・ローズをかわした後、「シーズン262安打」、「10年連続200安打」と並んで、イチローのもつ「今後もう二度と破られそうにない記録」、いわゆる "Unbreakable Record" のひとつになることは、まず間違いない。


なお、この「27歳から39歳ランキング」において、ジョージ・シスラーは24位(2031本)と、MLB史に残る安打製造機のひとりである彼にしては少なめの数字になっている。これは彼が目の病に悩まされて「37歳」で引退しているためで、もし彼が39歳まで健康に過ごしたとしたら、MLBで過去にイチローとピート・ローズ、2人のみが達成できた「27歳から39歳までに2600本以上のヒットを打つ」という空前の数字に迫ることができたのは、やはりシスラーだったのではないか、と思う。
ちなみに、シスラーがセントルイス・ブラウンズでシーズン最多安打記録「257本」を打ち立てたのは、イチローがMLBにデビューしたのと同じ、27歳のときである。
George Sisler Statistics and History - Baseball-Reference.com


また参考までに記しておくと、「30代で打ったMLB通算ヒット数ランキング」は以下の通り。

30歳台で打ったMLB通算ヒット数ランキング
Provided by Baseball-Reference.com : Batting Split Finder Generated 6/9/2013.

こちらの記録のほうは、イチローがあと31本ヒットを打つとピート・ローズを抜くことができる。これも1位がイチローになるのは時間の問題だ。

こちらの記録のほうも、「27歳から39歳までのヒット数」と同様に、3位以下は既に引退している選手と、現在DL中のジーターだから、イチローがピート・ローズを抜いた後は、こちらもまた、イチローのもつ "Unbreakable Record" のひとつになるのは、ほぼ間違いない。

この「30代で打ったヒット数」では、最初に挙げた「27歳〜39歳のランキング」ではベストテンに名前がないクレイグ・ビジオが10位に入っていて、いかに彼が遅咲きの名選手だったかがわかって面白い。41歳で引退した彼が唯一記録したシーズン200本安打も、キャリア最高シーズン打率.325を記録したのも、彼が32歳のときだった。

27歳から39歳までに打ったヒット数と打数・打席の関係
X軸:ヒット1本に要した打数
Y軸:ヒット1本に要した打席数
(2013年6月10日現在 © damejima)

damejima at 01:28

June 06, 2013

いうまでもなく、このブログは、やがてイチローのMLB通算ヒット数が、毎月のように過去の有名プレーヤーの記録を追い抜きはじめる日々が始まること、そして、ピート・ローズタイ・カッブに「毎月、毎週、迫っていく、ヒッチコックサスペンスのようなリアリティ」が多くの野球ファンにインパクトを与え続ける日々が始まることを、ずっと楽しみに待っていた。
テッド・ウィリアムズの次の「毎日をワクワクして暮らすためのターゲット」はMLB通算2721安打のルー・ゲーリッグにしようかなと思っている。

誰しも、「イチローの日本での安打数1278本」+「ルー・ゲーリッグと同じMLBでの安打数2721本」=「3999本」であることをわかった上でイチローの4000本達成を心待ちにしているものとばかり思っていたが、どうやらそうでもないらしい(笑)あらためて書いておこう。
イチローが「日米通算4000本安打を達成するとき」、というのは、同時に、「ルー・ゲーリッグを越えるMLB通算2722目のヒットを打ったとき」でもある。


クリーブランド第3戦に代打として登場したイチローは、ボルチモアチョップでヒットを稼ぎ、MLB通算安打数を2655本とし、ついにテッド・ウィリアムズを抜き、通算安打数記録のMLB歴代単独72位につけた。

Ichiro passes Williams on all-time hits list http://mlb.mlb.com/video/play.jsp?content_id=27762091

この日のヒットについて、ヤンキース公式サイトのBarry Bloomが、なかなか味のある文章を書いてくれた。
Barry Bloom: Yankees outfielder Ichiro Suzuki embraces magnitude of 4,000 hits | yankees.com: News
イチロー本人でさえ「日米通算」という記録のあり方にそれほど重い意味を置いていないことは、これまでの報道から明らかだが、Barry Bloomがあえて「4000本」をタイトルにもってきたこの記事に、彼の書き手としての優秀さが表れていると思うのは、彼が「さまざまな議論があることなど、承知し、ふまえた上で書いている」からだ。


この記事が引用しているブライアン・キャッシュマンGMのこんなコメントがある。
"I can give you a list of guys who came here as superstars in other environments, and they were reduced to smithereens in New York,"
もっと破格の待遇でヤンキースに来たスーパースターで、ニューヨークで木端微塵になるほど価値が暴落した選手なんて、掃いて捨てるほどいる。

最初から高額サラリーで入団するフリー・エージェント系の選手の多い「あらゆる物価が高いヤンキース」のGMらしいコメントだが、Bloomは、イチローが「ヤンキースで木端微塵になった選手」かどうかについて、Ichiro is not one of them. とハッキリ断言した上で、イチローのこれまでのキャリアの特徴を以下のように端的にまとめている。
He's thriving for the Yankees and enjoys the history and tradition, even though he was always a small-market player in Asia and the U.S.
イチローは、アジアでもアメリカでも常にスモールマーケットのプレーヤーだった。にもかかわらず(ビッグマーケットである)ヤンキースに来てもサバイバルできていて、なおかつヤンキースの歴史と伝統を楽しんでもいる。

Bloomは、イチローのキャリアの特性を明らかにする上で、ビッグマーケット、つまり強豪球団育ちである松井のキャリアとの差を指摘した上で、こんなふうに断言している。
Yet, it's Ichiro, not Matsui, who eventually should have a plaque in Cooperstown, N.Y. From the beginning, Ichiro was drawn to the Hall of Fame as a rookie.
ニューヨークの野球殿堂にプレートが掲げられるのは、イチローであって、松井ではない。イチローにはルーキー時代から既に、野球殿堂に至る道が敷かれている。



彼の文章がいいのは、例えば2013シーズンのイチローがヤンキースでけして恵まれた環境でプレーできる環境に置かれているわけではないことをきちんと理解しながら、ヤンキースのマーケットの大きさに惑わされることも、現実から目をそらすこともなく、自分自身の意見として「イチローの業績と評価」ついて意見を述べていることだ。
ヤンキースでイチローは、さまざまな打順を打たされ、本職のライトや、ゴールドグラブを獲った経験もあって適性もあるセンターだけでなく、レフトまで守らされている。そのことも、Bloomはきちんと触れている。そして、言外に、そうした不安定な環境が必ずしもイチローの記録達成に関してプラスになるとはいえないことも、彼はきちんと理解している。


面白いのは、Bloomが、イチローの置かれた今シーズンの理想的とはいえないプレー環境や、日米通算記録の野球史的価値を認めるとか認めないとかいう数字オタクの議論を、すべてきちんとふまえた上で、それでも、イチローがテッド・ウィリアムズの通算安打数を抜いたことを意味する「2655本」について記事を書くことを選ぶのではなく、むしろ、あえて「4000本の栄光」について書き記すことを選んだことだ。
And now, with 4,000 hits beckoning, Ichiro is on the verge of joining the pantheon of the baseball gods.
いまや4000本安打達成が近づき、イチローは今まさに野球の神々の神殿の中に歩を進める、そういう地点に立っている。



今回の「2655本」についてのツイッターやメディアでの反応を眺めてもわかることだが、実は、イチローがMLB通算安打数でテッド・ウィリアムズに並び、そして抜いた「この地点」は、これまでの「単なる通過点」とはやや感触が違う。これまでは、どんな野球殿堂入り選手の安打数を抜いても、ほとんど記事になったり、関連記事がリツイートされたりという、「情報の渦(うず)」は起きなかった。
やはりテッド・ウィリアムズというプレーヤーは、単なる「MLBの歴史」なのではなくて、『歴史の中の歴史』なのだ。

その『歴史の中の歴史』、その「高さ」を越えていかないと、『歴史の中の歴史』になれないし、そもそも、毎日忙しい生活を送るたくさんの人々に、いまのいま起ころうとしていることの意味を理解してもらうことができない。
つまり、「テッド・ウィリアムズのような高い頂きを越えていく日々が始まることで、やっと、イチローという富士に似た孤高の山のもつ『空を突き抜けるとみまがうほどの、見上げるような高さ』を理解できる人が一気に増える」ということだ。

この「高さ」は、毎日毎月少しずつ積み重なっていくだけに、到達した高さが実感しづらい、そういう種類の「高さ」だ。無理にたとえるなら、それは「ずっと続けてきた定期預金が、ある程度まとまった金額になったとき、ようやく自分の貯金の『多さ』に気がついて、喜びをかみしめているサラリーマン」ような状態なわけで、イチローの「高み」になかなか気がつかない人がいるのも、こればかりはいたしかたない。


ともかく、今回の「テッド・ウェリアムズ越え」で、
ひとつ、とてもよくわかったことがある。

4000本安打達成というのは、日米の野球メディア、日米の数字好きの野球オタク、さらにイチロー自身が、これまで想定してきたレベルより、ずっと大きなインパクトを野球ファンにもたらすだろう、ということだ。


正直にいえば、このブログにしても、MLB3000本安打はともかく、日米通算4000本安打については、「日米通算」だからな、などと思った部分もなくはなかったのだが、今回の「テッド・ウィリアムズ越え」を経験したことで、今までと違う「感触」を持った。
それは、他の選手ならともかく、イチローの場合に大事なのは、「日米の野球記録を通算することが、果たして記録として正当性があるかどうか」なんていう「数字上の議論」ではない、ということだ。

意味があるのは、
「イチローという選手のキャリア全体が、
4000本という地点の『高さ』にふさわしいかどうか」

ただそれだけだ。


もちろん答えは、Barry Bloomも、
そしてこのブログ主宰damejimaも、意見は同じ。

Absolutely, YESだ。


「イチロー4000本安打達成」は、その達成時、「さまざまな議論があることなど、承知しているつもりでいるあなた」がタカをくくっているより、ずっと大きな反応を引き出すことだろう。
今後はこのブログでも、ひとめはばかることなく『4000本の栄光』について触れることにする。

まだ「2655本」の段階でさえ、こうなのだから、イチローの「4000本」は既に「4000本」という、とてつもない数字にふさわしいインパクトの大きさを持っている。

damejima at 14:03

June 05, 2013

クリーブランドとの第2戦、イチローが3回の第2打席でレフト前にタイムリーヒットを放ち、MLB通算安打数を2654とし、1941年に打率.406を記録し、20世紀最後の「4割打者」としても知られるボストンのレジェンド、ホール・オブ・フェイマー(HOF)、テッド・ウィリアムズに通算安打数記録で並んだ。

MLBキャリア通算ヒット数ランキング(2013/06/04)

記事Ichiro even with Williams on all-time hits list | yankees.com: News

動画http://wapc.mlb.com/play?content_id=27727087

イチローの動画リスト(チーム公式バージョン):Search Results | MLB.com Multimedia(イチローの動画リストには、これ以外にMLB公式サイトのバージョンもある)

このニュースは、MLB公式サイト、および、アメリカの4大プロスポーツの最新情報を伝えるSports CenterのTwitterによってさっそくツイートされた。
これからのイチローの通算安打数記録は、抜いていくプレーヤーのひとりひとりが、ほぼ全員『殿堂入りしてMLB史に残る選手ばかり』になるから、よけいに楽しみだ。


最近なにかと話題の増えつつあるイチローだが、Yankees Publicationが月に1回(3月〜10月)、年に8回発行しているYankees Magazineの6月号の表紙を飾った。(表紙を飾るのは通算2回目。1回目は昨年2012年の10月号)

Yankees Magazine 2013年6月号表紙Yankees Magazine 2013年6月号表紙
Published by Yankees Publications

また毎週木曜日に発行されている老舗のクオリティ・マガジン(といっても、もうかつてのような栄光はなく、パルプマガジンのような体裁になってしまっているが)、The New Yorkerの2013年4月8日号の表紙にも、他の「高齢選手」にまじって(笑)杖をついた姿のイチローが表紙を飾った。

雑誌『ニューヨーカー』2013年4月8日号表紙


まず、Yankees Magazine
だが、紙に印刷された実物の雑誌である『印刷バージョン』と、オンラインでダウンロードしてパソコンなどで楽しむバーチャルな『デジタルバージョン』の2種類がある。
いずれも、ヤンキース公式サイトを訪れて、そこに書かれた懇切丁寧な説明をしっかり読んで理解し、きちんと手続きすれば、アメリカ・カナダ以外の国からでも購入できる。
1シーズン分の購入価格は、アメリカ国内での購入した場合が$49.99であるのに対し、カナダが$100ちょうど、アメリカ・カナダ以外の国の場合が$120となっている。
ちょっとお高いと感じる人がいるかもしれないが、これは料金に海外発送のための送料が含まれているためで、実際には特に高くはない。(価格はすべてUSドル。購入にあたっては、無用なトラブルを避けるため、公式サイトに丁寧に説明されている案内をくれぐれも熟読されたし)
Yankees Magazine FAQより
Yankees Publications | yankees.com: Fan Forum

Q: How much is a subscription to Yankees Magazine?
A: A one-year subscription (eight issues from March to October) to Yankees Magazine costs $49.99 (includes subscription and shipping). Subscribers in Canada will be charged a total of $100 (includes subscription and shipping). All other international subscribers will be charged a total of $120 (includes subscription and shipping).


次にThe New Yorkerだが、表紙イラストを描いたのは、アメリカ出身のイラストレーター、Mark Ulriksen(マーク・ウーリクセン)。カバーストーリーが、The New Yorker電子版に掲載されているので興味のある方はどうぞ。
Cover Story: Mark Ulriksen’s Baseball Art : The New Yorker
『ニューヨーカー』のような洋雑誌も、今は日本国内にいながらにして年間購読できる。ウェブサイトを検索してみれば、そうした年間購読サービスについて案内している業者がわんさかみつかるはず。


ブログ注:ちなみに、いうまでもないことだと思うが、このブログで「日本からYankees MagazineやNew Yorkerを購入購読する方法」について触れたのは、日本のイチローファンでこれらの雑誌を購入し、手元に置いておきたいと思った方のために簡単なインフォメーションを記しておくのが目的であり、このブログは、この記事に書き記したサイトや業者とまったく何の利害関係もないし、またアフィリエイトによる関係もまったく無い。

damejima at 13:55
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  • 2014年10月31日、PARADE !
  • 2013年11月28日、『父親とベースボール』 (9)1920年代における古参の白人移民と新参の白人移民との間の軋轢 ヘンリー・フォード所有のThe Dearborn Independent紙によるレッドソックスオーナーHarry Frazeeへの攻撃の新解釈
  • 2013年11月8日、『父親とベースボール』 (8)20世紀初頭にアメリカ社会とMLBが経験した「最初の大衆化」を主導した「外野席の白人移民」の影響力 (付録:ユダヤ系移民史)
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  • 2012年7月3日、『父親とベースボール』 (2)南北戦争100年後のアフリカ系アメリカ人の「南部回帰」と「父親不在」、そしてベースボールとの距離感。
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  • 2012年6月29日、『父親とベースボール』 (1)星一徹とケン・バーンズに学ぶ 『ベースボールにおける父親の重み』。



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