シアトル時代のキャッチャー

2011年6月15日、最近どうも気になる「左バッターへの初球に、アウトコースいっぱいのストレート」のサインを出すミゲル・オリーボの「リード癖」。
2010年9月21日、ダグアウト前の「捕れるフライ」を、ダグアウトにフライが入るわけでもないのに「ビビッて捕らない」アダム・ムーア。ロジャー・ハンセンのアホ練習がつくりだしたのは、「フライ・イップス」で使い物にならない、ただの臆病者。
2010年9月14日、過去に城島擁護者だったベンチコーチ、ロジャー・ハンセンが現在も続けている無意味な捕手トレーニング手法。マイナーコーチ時代から続けてきた「手抜きのスパルタ方式」でプロスペクトを壊し続けてきた責任を徹底批判する。
2010年9月8日、1イニングに2つのダブルスチールを決められてしまうアダム・ムーアの貧しい捕手力。ロブ・ジョンソン以下の盗塁阻止率、城島・キロス系の単純リード、シアトルにありがちな「四球を選べないロペス、城島タイプの右のフリースインガー」。
2010年8月8日、打てないチームなのがわかっていて、それでもマイク・スウィニーをフィラデルフィアに売り飛ばしてしまうズレンシックの「素晴らしい見識」。
2010年6月13日、「バランスの鬼」ヘルナンデス、8回2/3を2失点に抑え4勝目。輝きを取り戻しはじめたヘルナンデスの個性を、クリフ・リーとの「ストライク率の違い」から考える。ロブ・ジョンソン3安打。(2010年ヘルナンデス ストライク率表つき)
2010年6月9日、先発投手陣のここまでの捕手別防御率(CERA)を確かめ、ここまでの彼らのピッチングを振り返る。
2010年6月7日、クリフ・リー、シアトルが苦手とするアーリントンのテキサス戦で貫禄の107球無四球完投、4勝目。フィギンズの打順降格で、次に着手すべきなのは「監督ワカマツの解雇」
2001年5月28日、クリフ・リー、ロブ・ジョンソンとのバッテリーでエンゼルスに10三振を食らわせる快投。「高め」の球の有効性を証明する配球術を披露。
2010年5月11日、クリフ・リー、シアトルでの記念すべき初勝利。ランガーハンズのホームランが流れを大きく変え、ロブ・ジョンソン、ジョシュ・ウィルソン、ソーンダースがそれぞれ2安打。控え組起用がチームに活気を取り戻した。
2010年4月21日、ヘルナンデス8イニングを無四球自責点ゼロの完投2勝目で、17連続QSのクラブレコード達成、シアトル同率首位!ロブ・ジョンソン、4回裏2死満塁の同点タイムリーと好走塁でヘルナンデスを強力バックアップ。
2010年4月20日、2年続けてシアトルの投手のノーヒッターを阻止したニック・マーケイキス。
2010年4月19日、ロブ・ジョンソン、フィスターのバッテリー、6回までノーヒットの超好投で、4月13日の無四球試合にひき続いて連勝。これもひとつの「城島クビ効果」。
2010年4月13日、初回イチローを三振にしたオークランドバッテリーのたいへん美しい配球。持ち球の少ないフィスターに「ストレートのみ」で素晴らしいピッチングを披露させたロブ・ジョンソン。2人のキャッチャーの「素晴らしき配球合戦」。
2010年4月9日、ジェイソン・バルガスの典型的な「3拍子パターン」にビクビクしながら、シアトルとテキサスのゲームを見守る(笑)
2010年4月6日、スネル、アダム・ムーアのバッテリーが多用し、延長サヨナラ負けを招いた「同じコースにストレート・変化球を続けるパターンの欠陥」をちょっと研究してみる。
2010年4月5日、今年のシーズンを占うヘルナンデス、ロブ・ジョンソンのバッテリーの2010年版配球パターンを読む。
2010年4月5日、移籍先でついにレギュラーポジションを掴んで開幕を迎えることのできたジェフ・クレメントを祝福する。
2009年12月20日、セイバーメトリクスで始まった「捕手の守備評価の新基準」。ロブ・ジョンソン、Defensive Run Saved キャッチャー部門でメジャー1位の評価を受ける。
2009年11月18日、当ブログから勝手に、天賦の才をもつヘルナンデス、人の才能を引き出す才能をもつロブ・ジョンソンのバッテリーに、「ア・リーグ ベストバッテリー賞」を贈る。
2009年11月17日、残念ながらヘルナンデスのア・リーグ サイ・ヤング賞はならず。しかしシアトル公式サイトは2009シーズンのヘルナンデス、ロブ・ジョンソンのバッテリーを、winning combination、「勝てるやつら」と、ほめたたえた。
2009年10月27日、Kansas City Starは、ヘルナンデスとグレインキーのシーズンスタッツを補正した上で比較して、「勝負は五分五分」と語った。
最終テキサス戦にみるロブ・ジョンソンの「引き出し」の豊かさ (1)初球に高めストレートから入る
2009年10月6日、フェリックス・ヘルナンデス、今シーズン2度目のア・リーグ月間最優秀投手受賞! ロブ・ジョンソンにとっても3度目の栄誉となる担当投手の栄冠獲得で、キャッチャーとして最高の栄光あるシーズンだったことを完全に証明してみせた。
2009年10月6日、ヘルナンデスと松坂の近似曲線の違いから見た、ヘルナンデスの2009シーズンの抜群の安定感にみる「ロブ・ジョンソン効果」。(ヘルナンデスと松坂の2009ストライク率グラフつき)
2009年10月5日、ヘルナンデスのストライク率と四球数の関係を解き明かす。(ヘルナンデスの2009ストライク率グラフつき)
2009年10月4日、ロブ・ジョンソン、高めの球を効果的に使った好リードや8回の刺殺などでヘルナンデスに5連勝となる19勝目、ついにア・リーグ最多勝投手達成!!
メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」 『damejimaノート』(6)実証:アダム・ムーアの場合
メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」 『damejimaノート』(5)実証:ロブ・ジョンソンと城島との違い 「1死1塁のケース」
メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」 『damejimaノート』(4)「低め」とかいう迷信 研究例:カーブを有効にする「高めのストレート」
2009年9月29日、ストライク率が60%を切ったヘルナンデスをロブ・ジョンソンがリードしてオークランド24残塁、18勝目、9月は5勝0敗。サイ・ヤング賞をバックアップする今シーズン2度目のア・リーグ月間最優秀投手確定か。
2009年9月24日、先発ゲーム4連勝のロブ・ジョンソン二塁打2四球、ヘルナンデス11三振で17勝目。サイ・ヤング賞レースに生き残る。9月8日の城島のサヨナラ負けがなければ、9月のア・リーグ月間最優秀投手はとっくにヘルナンデスに決まっていた。
2009年9月17日、新人捕手アダム・ムーア、わざわざロブ・ジョンソンにかえてのメジャーデビュー。どこまでもコネ捕手を過保護に守り通すチーム側の陰湿な手口が、2008クレメントと同様、2009ロブ・ジョンソンでも明確になった。
2009年9月3日、打てば打つほど笑える「最下位オークランド戦専用の帳尻打者(笑)」コネ捕手城島。
2009年9月2日、初回の盗塁を刺したロブ・ジョンソン好リードで、ヘルナンデスは好投手カズミアとの投げ合いを制し、8回無失点。サイ・ヤング賞をさらに引き寄せる14勝目で、防御率2.65。アーズマは強打者モラレスを空振り三振に切ってとり、33セーブ。
2009年8月29日、ロブ・ジョンソン、2号2ランでゲームの決め手になる5点目を叩き出し、カンザスシティに連勝。これでロブ・ジョンソンは先発ゲーム3連勝。
2009年8月20日、シアトル公式サイトのジム・ストリートはロブ・ジョンソンとウオッシュバーンの「フィールドでの再会」をユーモラスに記事にした。
2009年8月12日、ホワイトソックスの完全試合男バーリーを相手に5人の投手をリードしたロブ・ジョンソンは、ヘルナンデス10三振をはじめ合計16三振を奪い、14イニングを無失点で耐え抜いた。
2009年8月14日、ウオッシュバーンはア・リーグERAトップのグレインキーとの投げ合いを制し、ア・リーグ7月最優秀投手の貫禄を見せつけて、ERAを再び3点台から2点台の2.95に戻した。
2009年8月5日、猫がグラウンドを走った日、ロブ・ジョンソンは二塁打、シングル、四球、バッティングと走塁に冴えをみせる一方、カンザスシティに23残塁させ、なんとか投手4人で勝利した。
2009年8月4日、ウオッシュバーン、7月のア・リーグPitcher of Month受賞!ロブ・ジョンソンは6月ヘルナンデスに続き2ヶ月連続で月間最優秀投手を輩出、キャッチャーとしての揺るぎない優秀さを証明した。
2009年8月2日、セデーニョ移籍先で2ランHR含む15打数4安打。3人のショートストップを打撃で比較しつつ、「ショートストップ・トレード騒動」と、「クレメント放出の無意味さ」を考える。
2008年、ジェフ・クレメントのための短い夏(5) 夏の続きと、真夏の猿芝居〜暗黒の「正捕手2人併用システム」ですら城島7連敗の汚辱
2008年、ジェフ・クレメントのための短い夏(4) クレメントの奇跡。シルバ3登板連続QS。
2008年、ジェフ・クレメントのための短い夏(3) 『2つの季節』
2008年、ジェフ・クレメントのための短い夏(2) ジェフ・クレメントのための『2008年6月17日』。
2008年、ジェフ・クレメントのための短い夏(1)  『オハイオ州クリーブランド2008年4月30日』。
2009年7月28日、「世界最高の控え捕手」、ジェイミー・バークが教えてくれたこと。
2009年7月11日、ロブ・ジョンソン値千金の決勝2ラン、The Pitchウオッシュバーンは7回QSで6勝目、ついにERA2点台に突入した。(マイケル・ヤングをうちとった「ドルフィン」解説つき)
2009年7月6日、ロブ・ジョンソンが準完全試合を達成したウオッシュバーンの新しい魔球「ドルフィン」と、その開発にいたるコラボレーションについて大いに語った。

June 16, 2011

デトロイトでのビジター4連戦あたりから、シアトルの投手が失点するシーンで、気になりだしたことが、ひとつある。
まだ「原因はこれだ、間違いない」とまで決め付けられるほど、サンプル数が集まっていないので、あくまで今はまだ、ただの「カン」でしかない。
だが、「こういう現象が増えてきている」と曖昧にしか言えない状態ではあっても、確実にこの現象は増殖しつつあり、その結果失点が増え、シアトルのチーム勝率は確実に下がってきている。


気づいたきっかけは、
ビクター・マルチネスのクレバーな「初球打ち」だ。

2011年6月11日 ビクター・マルチネス 7回裏

キャッチャーとしてのビクターは嫌いだが、彼のバッターとしてのクレバーさには素晴らしいものがあると、6月11日のマイケル・ピネダ登板ゲームでのDH出場で感心させられた。
このゲームで、ピネダはいつものように序盤ストレートで押していくピッチングをしようとしたのだが、いつものキレがなかった。デトロイト打線にカウントをとりにきたストレートを早いカウントで集中的に狙い打たれ、失点し続けた。そこで、しかたなくピネダとミゲル・オリーボのバッテリーは中盤から変化球中心の配球にきりかえようとした。
だが、ビクター・マルチネスは、ミゲル・オリーボの手の内を読みきってみせた。ピネダのストレートを打ち、さらに、変化球中心に切り替わったのを見透かして、こんどは変化球を、いずれも早いカウントで打ちこなしてみせたのである。
やはりビクター・マルチネスはキャッチャーとしての経験を生かして、相手投手の配球傾向を読みながら打席に立っているのだと思う。


最初に言った「気になる現象」というのは、
右投手の場合に、
 左バッターに投げる初球として、
 アウトコースいっぱいのストレートを投げて、
 それが狙い打たれ、失点につながる

というパターンだ。特に得点圏にランナーがいるケースでよく見かける。

実は右バッターについても、「右バッターに、インコースの変化球をやたらと打たれる」という現象が気になっているのだが、このほうは左バッターへの初球インコースよりさらにサンプル数が乏しいので、いまのところは保留しておく。


以下に、最近のゲームで「シアトルの投手が失点したシーン」での「左バッターに、早いカウントのストレートを打たれたケース」を羅列してみた。ビクター・マルチネスの名前が繰り返し出てくることに注目してもらいたい。
注意してほしいのは、ここに挙げたサンプルが全てではないことだ。ここに集めたのはあくまで「ヒットを打たれたケースだけ」であり、他に、打者を打ち取ることのできたケースにも「左バッターの初球にアウトコースいっぱいのストレートを投げた例」は数多くある。

2011年6月9日 デトロイト戦
投手:フィスター
5回裏 二死3塁 ドン・ケリー タイムリー(初球)
Seattle Mariners at Detroit Tigers - June 9, 2011 | MLB.com Classic

2011年6月11日 デトロイト戦
投手:ピネダ
1回裏 無死走者なし ブレナン・ボーシュ シングル(2球目)
1回裏 二死1、2塁 ビクター・マルチネス タイムリー(2球目)
初球もアウトコースいっぱいのストレート
2回裏 一死走者なし アレックス・アビラ シングル(3球目)
投手:ジャーメイ・ライト
6回裏 一死1塁 ラモン・サンチアゴ シングル(初球)
7回裏 一死2塁 ビクター・マルチネス タイムリー二塁打(初球)
投手:ジェフ・グレイ
8回裏 二死3塁 ドン・ケリー タイムリー(初球)
Seattle Mariners at Detroit Tigers - June 11, 2011 | MLB.com Classic

2011年6月12日 デトロイト戦
投手:フェリックス・ヘルナンデス
8回裏 無死1塁 ビクター・マルチネス シングル(初球)
8回裏 二死1、2塁 アレックス・アビラ タイムリー(4球目カーブ)
初球ピッチアウト 2〜4球目は全てアウトコースいっぱい
Seattle Mariners at Detroit Tigers - June 12, 2011 | MLB.com Classic

2011年6月13日 エンゼルス戦
投手:クリス・レイ
9回表 一死走者なし マイセル・イズトゥーリス シングル(初球)
Los Angeles Angels at Seattle Mariners - June 13, 2011 | MLB.com Classic

2011年6月14日 エンゼルス戦
投手:ダグ・フィスター
1回表 二死1、2塁 ピーター・ボージャス タイムリー(3球目)
初球もまったく同じ、アウトコース低めいっぱいのストレート
Los Angeles Angels at Seattle Mariners - June 14, 2011 | MLB.com Classic

もし特定の投手のときにだけ、こういう現象が起きるのなら、原因をその投手の配球の組み立てに求めればいい。
だが、これだけ多数の投手に「同じ現象」が現れるとなると、そうもいかなくなる。やはりピッチャーにサインを出すキャッチャーのほうにも、原因を求めないわけにはいかなくはなる。


ミゲル・オリーボが今シーズン安定したリードをしてきたこと自体は、ブログ主も認めていいと思っている。だが、この6月に入ってから、ちょっと風向きが変わりつつあるのを感じる
右投げのミゲル・オリーボが、かつてのダメ捕手城島と同じように、ランナーが出ると、ランナーをスローイングで刺しやすくするために、左バッターのときには、セカンド(あるいはサード)に送球しやすいアウトコースに配球を集めたがる、とまでは、まだ言いたくはない。
だが、控え捕手のジメネスがあまりに使えないせいもあって、チームはほとんどの先発投手をオリーボにまかせるようになってきている。連日ゲームに出ている疲労のせいだと思いたいが、リードだけでなく、キャッチング、送球、打撃、ミゲル・オリーボのプレー全般に、プレー精度の急激な低下を感じる。このところ、彼の守備面のミスからくる失点が多すぎるのも気になる。

気になっていることは他にもまだある。

エンゼルス戦で、不振のバーノン・ウェルズに2本もホームランを打たれたが、彼は非常に典型的なローボールヒッターだ。その彼に低めいっぱいを連投したのは、ちょっといただけない。ちょっとは相手主軸打者のスカウティングも頭に入れておいてリードしてくれないと困る。
今シーズン成績不振といわれている他チームの主軸バッターに、シアトル戦にかぎって長打を打たれるシーンを、非常によく見かけるわけだが、この現象の原因は、「スカウティングがピッチャーのリードに十分に生かされていない」という点があるのではないか、と、少し思い出している。

2011バーノン・ウェルズのホットゾーン右打者バーノン・ウェルズの
ホットゾーン

赤くなっている部分が得意なコース。
あきらかにローボールヒッター。
Vernon Wells Hot Zone | Los Angeles Angels | Player Hot Zone | MLB Baseball | FOX Sports on MSN


シーズンも6月ともなると、打者についても投手についても、お互いにさまざまな情報が集約され、対策が施されてくる。

たとえばシアトルの打者への対策。
いつも低めのチェンジアップを狙っているカルロス・ペゲーロが、ワンバウンドするほど低いボールでも振ってくることと、アウトコースのスライドして逃げていく球には全くついていけないこと。ミゲル・オリーボが、アウトコースの縦に変化する球を全く打てないこと。高めのストレート系を強振してくるジャック・カストが、低めのチェンジアップなどにはどうしても手を焼くこと。インコースを引っ張るのが大好きなフランクリン・グティエレスはアウトコースの変化球で三振させるのは簡単なこと。
それくらいのことは、気がつくチームは、誰もが気がついている。

もちろんシアトルの投手の配球だって、スカウティングの早いチームにはだいたいの見当がつきはじめているだろう。


まだまだサンプルを集めていかないとハッキリしたことは言えない。
たくさんの好投手を先発に抱えたシアトルの投手陣だが、他のチームのスカウティングの進むここからは苦労する場面ももっと増えてくると思う。
そういうシーンを見たときに、ここで書いたことがどのくらいあてはまっているか、確かめながら、ここからのゲームを見ていく必要があると思っている。






damejima at 09:25

September 22, 2010

今日からトロントでの3連戦だが、4回表に今シーズンで1,2に入る「記録に残らない最悪のエラー」があった。



トロントの打者のキャッチャーフライがトロント側のダグアウト前に上がった。そのボールは結局ベンチに入ることはなかった。

なのに、だ。
アダム・ムーアは、「故意にフライを捕るのをやめた」のだ。
ボールは、トロントのダグアウト前でワンバウンドして、ファウルになった。


おまえ、さ。よく、それで「プロ」だとかいえるね。

ボーンヘッドとかなんとか、そういうレベルではない。これは、いわゆるトラウマからくる病気である「イップス」だ。
たぶんアダム・ムーアはこれからも、ダグアウト前のキャッチャー・フライに腰がひけて同じことを繰り返すだろう。「フライ・イップス」のあるキャッチャーなど、キャッチャーとして使い物になどならない。



先日、ベンチコーチ、ロジャー・ハンセンが今でもやっている「まったく無意味な手抜きのキャッチャーフライ練習」について書いた。

ロジャー・ハンセンは、元はマイナーの「捕手コーディネイター」とか称するコーチだが、実は「城島問題」が起こったときに、「城島をいやがる投手陣に、城島を押し付けるための仲介者」をしていた男だ。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年9月14日、過去に城島擁護者だったベンチコーチ、ロジャー・ハンセンが現在も続けている無意味な捕手トレーニング手法。マイナーコーチ時代から続けてきた「手抜きのスパルタ方式」でプロスペクトを壊し続けてきた責任を徹底批判する。

そういうわけのわからない仕事でシアトルに入り込んでいた男は、ワカマツと彼のコーチ陣が今シーズンの低迷の責任でクビになった後、ちゃっかりベンチコーチに昇格したわけだが、そのドサクサに、使えもしないアダム・ムーアをゴリ押しして、無理矢理正捕手にした。
だがドサクサ紛れに正捕手にしたはいいが、アダム・ムーアはプレーの全てがダメだった。例えばメジャーでのゲームというのに、「バックネット側に向きを変えて追うのが基本と、高校生でも知っている」キャッチャーフライでさえ、「バックネットに背を向けたまま、じりじり後ずさりしながら追って、最後には後ろ向きに転倒して、落球する」始末。

操り人形アダム・ムーアのダメっぷりに慌てたロジャー・ハンセンは、思いつきで「アダム・ムーアのための守備特訓」と称するアホ練習をやりだす。これが例の「バッティングマシンで、ダグアウトにキャッチャーフライを放り込んで、無理矢理捕らせる」とかいう、アホすぎるフライ練習だ。
ハンセンは、「ダグアウトに入るように、わざとフライをあげた」。アダム・ムーアはどうしたかというと、「師匠のやることに素直に従って、ダグアウトにフライを捕りに飛び込んでいった」。
それを見ていた地元プレスが「こんな練習して何になる?ケガしたらどうするつもりだ?」という疑念に満ちた記事を書いたのだが、書いた記者の所属するメディアは地元紙としてはマイナーだったために、ロジャー・ハンセンとアダム・ムーアがこのクソみたいな練習をやっていることを知っているファンはあまり多くなかった。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年9月14日、過去に城島擁護者だったベンチコーチ、ロジャー・ハンセンが現在も続けている無意味な捕手トレーニング手法。マイナーコーチ時代から続けてきた「手抜きのスパルタ方式」でプロスペクトを壊し続けてきた責任を徹底批判する。


このロジャー・ハンセンの無意味な「ダグアウトに入るキャッチャーフライ練習」で、アダム・ムーアは捕りにくい位置に落下してくるキャッチャーフライを捕球できるようになったのか?

もちろん、「NO」だ。

ダグアウト前に落ちてくるキャッチャーフライですら、ダグアウトに入りそうな気配もないのに、フライを追うこと自体を止めてしまうのだから、どれだけロジャー・ハンセンとかいう偽コーチのアホ練習が無意味か、わかるというものだ。
実際には、アダム・ムーアはロジャー・ハンセンの命令に盲目的に従って正捕手をやっているだけの操り人形で、「フライがダグアウト前に上がっただけでビビって、フライ自体を追わない、捕れるフライすら捕らないイップス・キャッチャー」になった。こんなイップス・キャッチャー、使い物になるわけがないどころか、キャッチャー失格だ。



アダム・ムーアが来シーズンの開幕ロスターにいて、また、偽コーチとしかいいようがないロジャー・ハンセンが来シーズンもシアトルのコーチ陣にいたら、ブログ主はこのチームを徹底して笑いものにさせてもらうつもりだ。






damejima at 09:40

September 15, 2010

調べてみて驚いた。
オレとしたことが、迂闊だった。


前からおかしいなとは思っていたのだ。
かつて全米大学ナンバーワンキャッチャーだったジェフ・クレメントは肩の弱いキャッチャーではあったが、では、そもそも肩が弱くて「全米ナンバーワン」になれたりするものかどうか。また、マイナーから上がってくる若いキャッチャーたちが、どういうわけで誰も彼も全身ケガだらけなのか。

今回調べてなんとなくわかった。
どうりで、(キャッチャーに限らないが)いくらシアトルが有望な若者をドラフトやトレードで手に入れても、どういうわけか、彼らがマイナーで育成されてメジャーに上がってくる頃には、カラダに深刻な故障を抱えていたり、(素質だけは間違いなくあるが、それを発揮する能力のないホセ・ロペスなども含めて)クレバーさが微塵も感じられない「不器用なデクの棒タイプ」の選手ばかりに出来上がってくるわけだ。
このチームに有力な若手が育たない原因は、GMの手腕の無さ以外に、「現役時代に日本でプレーしていた」とか、「日本でのコーチ経験がある」とか、そういうコネ採用が当たり前の田舎じみた理由で寄せ集めてきたマイナーの指導者の無能さにも原因があったのだと思う。

よくまぁ、ロブ・ジョンソンがああいうタイプの、「頭を使うタイプのキャッチャー」になれたものだと、逆に感心する。たぶん「本人がもともとメモ魔」かなんかで、独学でもしたのだろう。
メジャーでの指導者としてのトレーニングもロクに経験してないくせに、身体能力がまだ不足している若い選手に大ケガしかねない「しごき」を強要することしかできないような無能なコーチに、ジェフ・クレメントも、ロブ・ジョンソンも、アダム・ムーアも指導されてきたのだと思うと、メジャー最高峰の成績を積み重ねつつ「チームがプレイオフに進出する日」を心待ちにしてきたイチローのこれまでの精進の日々が本当に情けなくなる。
ことに酷いアダム・ムーアの粗雑すぎるプレーぶりをみていると、これまでのマイナーのコーチたちの育成手法の「雑さ」「ダメっぷり」がよく伝わってくる。


コーチって、誰のことかって?
かつては、投手陣に嫌われた城島を投手たちにとりなすために雇われてもいた元シアトルのマイナーの捕手コーディネーターで、ロブ・ジョンソンをこきおろしてメジャーからひきずり降ろし、かわりに自分の愛弟子アダム・ムーアを正捕手に据えて、自分はちゃっかりメジャーのベンチコーチにおさまった
ロジャー・ハンセンのことだ。



このところのアダム・ムーアのプレーの酷さは、ちょっと数が多すぎて書ききれないし、記事にしきれない。
Adam Moore Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN
キャッチャーフライはこぼす。走者には走られまくる。
度重なるパスボール。投手のワイルドピッチを後ろに逸らす。
打者には打たれまくり、チームは負けまくり。
打っては、最低の打率、最低の出塁率。
もうアダム・ムーアの打撃データの細部を批判するまでもない。調べるだけ、時間がもったいない。四球を選ぶとか選ばないとか、得点圏打率がどうとか、出塁率どうのこうのとか、そういうことを調べる必要もまったくないし、他のキャッチャーと比較したりする必要も全く感じない。

アダム・ムーアはいうなれば「走者を刺せない城島」のようなキャッチャーであり、「刺せない、打てない、守れない」の3拍子が揃っている。
そんな選手をメジャーの正捕手に推したのは、かつてのシアトルのマイナーの指導者で、いまはワカマツ以下が首になって以降に、ちゃっかり「自分には何も責任がないような顔をして」メジャーのベンチにおさまっている人間たちだが、彼らはかつてアダム・ムーアのことをどう言っていたか。


かつてのマイナー指導者たちによる
アダム・ムーアを持ち上げる発言例

例えば、2009年11月10日のSPIの記事で、捕手出身のマイナーのディレクターPedro Grifolと、当時彼の右腕といわれ、いまはベンチコーチのロジャー・ハンセンのインタビューがこれ。(以下はペドロ・グリフォルの発言だ。)
Mariners youngsters ready to help? | Seattle Mariners - The News Tribune
“He’s matured, he understands the priority of a catcher. He knows he has to understand the 12 to 13 pitchers he has to have a daily relationship with,” Grifol said. “Offense comes after catching.
“Adam can be a team leader, he can hit and I think he can compete for the starting job next spring – no matter who we might bring in ahead of him.”
「彼は成長した。捕手にとって何が優先事項かを理解している。彼は、キャッチャーが12〜13人の投手を理解し、日々関係を保たなければならないことがわかっているんだ。オフェンスの優先順位というのは、キャッチングよりも後に来るものさ」
「チームリーダーになれる可能性があるし、打撃がいい。チームが他に捕手を獲得しようとも、来春の開幕捕手を争えると思う。」


もし「キャッチャーが12〜13人の投手を理解し、日々関係を保たなければならない」とわかっているのなら、それの適任者は、アダム・ムーアではなく、ロブ・ジョンソンなのは明らかだ。それに、これほど酷い能力しかない選手が、チームリーダー?。どこを見てそういうわけのわからないことを言っているのか、意味不明すぎる。


ロジャー・ハンセンと城島の「繋がり」
いままでロジャー・ハンセンの名前に何の興味もなかった。だから、まして「ロジャー・ハンセンと城島との繋がり」を今まで意識したこともないし、また、調べたことも一度もない。

だから調べていて、いろいろ驚いた、驚いた。
正直、迂闊だったな、と反省すらした。
ネット上にロジャー・ハンセンと城島、この2人の「繋がり」を示す資料はそれほど数は多くはなかったが、それでも、明白な証拠記事はいくつかみつかった。
結論的にいえば、ロジャー・ハンセンは、「城島問題」が発覚しつつあった2008年前後に城島とバッテリーを組むのを嫌う投手陣グループに対して、城島をとりなすためにチームが使った仲介者だったのである。(もちろん、その試みは大失敗し、2009年には主力先発投手の大部分が城島とバッテリーを組むのを拒否することになる)
Mariners | Part I: M's puzzle tougher to reshape with big contracts | Seattle Times Newspaper
Carlos Silva was another pitcher who got signals crossed with Johjima early in the season and was frustrated. The Mariners later brought in catching consultant Roger Hansen to get pitchers and Johjima on the same page.

チームが、投手陣と城島の「しこり」を減らすために連れてきた「城島のための仲介者」であるロジャー・ハンセンは、また、シアトルのマイナーにおいて「ロジャー・ハンセンが勝手に考える『日本式トレーニング手法』で若手を鍛える指導者」でもある。
その手法は、2010年9月にアダム・ムーアにやらせた「キャッチャーフライの練習」とやらいう意味のわからないトレーニングでもわかるように、スポーツ科学もデータもへったくれもない大昔の高校野球的な根性主義そのものであり、なんの合理性もない「手抜きのスパルタ指導」にしか見えないし、薬物汚染を捨てデータを重んじる現代のメジャーの野球に、まるで似つかわしくない。
ダメ捕手城島の「日本式リード」とやらもそうだったが、こんな意味のわからないものを自分だけで勝手に「日本式」とか名づけて、メジャーで得意気に振舞ってもらっては困る。


ロジャー・ハンセンと城島の「繋がり」を示す資料を、以下に示す。まぁ、よくこんな、なんの合理性もない指導法で金をもらっていたものだ。こんなこおでシアトルの若手選手が、メジャーで使い物になるレベルに育つわけがない。もし育ったら、それこそ奇跡というものだ。ありえない。
どうりでシアトルのマイナーが育てる選手が「アホで、守備の下手なフリースインガー」ばかりになるわけだ。

ロジャー・ハンセンと城島の「繋がり」を示す資料(1)
日高を育てた男 - 青く紅い日々 - Yahoo!ブログ
(上記サイトより転載)「3月に開催されるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に、日本代表として参加する予定の城島健司捕手(シアトル・マリナーズ)。大会参加のため、正捕手の座が確約されていないマリナーズの春季キャンプの多くを欠席することになるが、コーチはあまり心配はしていないようだ。チームの地元ワシントン州の地方紙『エベレット・ヘラルド』(電子版)が11日付けで伝えた。
現在、マリナーズの捕手陣を指導するのは、かつてオリックスブルーウェーブ(現バファローズ)でコーチを務めた経験があるロジャー・ハンセン氏。日本時代から城島をよく知るというハンセン氏は、城島がWBCでプレーすることは問題なく、逆にシーズンへ向けた準備となるとコメント。城島自身も何をすべきかは分かっているだろうと信頼を示し、チームを離れることも問題視していないという。」

ロジャー・ハンセンと城島の「繋がり」を示す資料(2)
2009年4月8日に、シアトル・タイムズのスティーブ・ケリーが2009シーズンの城島について「非常に好意的な記事」を書いたのだが、この記事にも一部に、ロジャー・ハンセンと城島の「繋がり」を思わせる記述がある。
スティーブ・ケリーは穏健なタイプのライターで、「城島問題」においても常に「来年は活躍してくれるだろう的な楽観記事」を書き続けて問題の中心を指摘しようとしない城島寄りの毒にも薬にもならない存在だった。
Steve Kelley | Mariners Kenji Johjima steps up behind the plate | Seattle Times Newspaper
Johjima, in his fourth season, has talked with catching coordinator Roger Hansen, general manager Jack Zduriencik and Wakamatsu and understands the importance of this year.
「4シーズン目を迎える城島は、捕手コーディネーターのロジャー・ハンセン、GMジャック・ズレンシック、ワカマツと話し合い、今シーズンの重要性について理解を深めた。」


ロジャー・ハンセンと城島の「繋がり」を示す資料(3)
これは、2008年3月4日に、SPIのアート・ティールが書いた記事。
アート・ティールは、「城島問題」についてはシアトルタイムズのスティーブ・ケリーとは全く立場が違い、2009年7月に「城島を正捕手に戻すべきではない」という主旨で、城島のスタメンに反対するコラムを書いていて、「城島批判派」のひとりだった。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年7月12日、SPIのコラムニスト、アート・ティールは「城島を正捕手に戻すべきではない」「敏腕なワカマツはこれからも自分の方針を貫くべき」と主張するコラムを書いた。
ブログ注:2008年3月に書かれたこのコラムで彼が言う「lumps しこり」とは、当然のことながら、マリナーズの投手陣と城島との間にあった「しこり」「わだかまり」を指す。
Steep learning curve nearly cost Joh, M's
"In Japan, catchers are conditioned to play every day," said Hansen, who coached in Japan for three seasons. "You don't leave the ballpark without a workout and film study. That's the Japanese style -- you don't go home until everything is ready for the next day. So Joh is going to play here a lot.(中略)
Much has been made of the Mariners' talent upgrade in the rotation. But some of the success of the investment will be dependent on smoothing the lumps behind the plate.
「日本ではキャッチャーは毎日トレーニングする」と、日本で3シーズンコーチ経験のあるロジャー・ハンセンは言う。「ワークアウトと、映像を使った勉強を欠かすことはないんだ。それが日本流さ。次の日の準備が済むまで帰らない。だからジョー(城島)はメジャーでもたくさんプレーできるのさ。」(中略)
ローテーションにたくさんの有望選手が育ちつつあるわけだが、これまでの(若手投手に対する)投資が成功に至るかどうかは、ホームプレートの後ろにある『しこり』をスムーズにできるかどうかにかかってきた。」


ロジャー・ハンセンの「手抜きの根性主義」
ロジャー・ハンセンが「走者を刺せない城島」であり、「刺せない、打てない、守れない」アダム・ムーアを強引にメジャーのキャッチャーに仕立て上げたはいいが、ムーアがあまりにもエラーばかりするものだから、ロジャー・ハンセンがムーアにやらせている「スキルアップ練習」とかいうのがある。地元紙「エベレット・ヘラルド」電子版に触れられている。
これがもう想像を絶する酷いアホ練習だ。よくこんなのを「練習」と言えるものだと思うし、よくもまぁ、こんな「練習」で「選手が向上する」と人前で公言できるものだ。
それと、「こんなアホ練習に慣れ切っていて、これが『当たり前』だと思っているアダム・ムーア」も、ちょっとどうかしている。

事の顛末はこうだ。
2010年9月1日にロジャー・ハンセンがアダム・ムーアのポップフライのキャッチングの改善とか称して、ある練習をやらせた。それは、ハンセンがマシンでそこらじゅうにフライを上げて、アダム・ムーアに捕らせるというもの。
その練習中、ロジャー・ハンセンがダグアウトにマシンをわざと向けてフライをあげた。当然フライを捕りにいったアダム・ムーアはダグアウトに飛び込んでしまい、あわや大怪我をしそうになったと、そういう話。
HeraldNet: The fine line between developing a young catcher and destroying him
Hansen had a machine at home plate shooting baseballs high into the air -- at all angles -- with Moore springing out of his crouch to locate the popups, (中略)
A few minutes ago, Hansen shot one popup toward the Mariners' dugout and Moore put his eyes on the ball and sprinted toward where he though it would land. One problem. The ball drifted, and kept drifting, and so did Moore. At nearly full speed, he disappeard down the dugout stairs just as the baseball did.


機械的と言う以外、どう言えばいいのか、こういうアホ練習。しかも、こういう練習に慣れきってしまっているアダム・ムーア。

こういうロジャー・ハンセンのアホ練習について、当事者2人がどう言っているか。同じ「エベレット・ヘラルド」で読むことができる。
非常に興味深いことのひとつは、メジャーの教育リーグが行われるアリゾナでロジャー・ハンセンのやってきた指導内容のレベルの低さを知ることができる、ということだ。当の指導を受けた「アホ練習に慣れきった弟子のアダム・ムーア」が語っているのだから、間違いない。
簡単にいえば、クソ暑い中を、レガースからマスクから、プロテクターから、なにからなにまで装着させたまま、若い選手を長時間走らせ続けたりするのが「ロジャー・ハンセン流の指導」だった、ということ。
あまりに馬鹿馬鹿しくて、訳を書く気にもならない。
HeraldNet: Hansen has Mariners' catchers sweating
Moore said worst occurred in September of 2006 at instructional league workouts in Peoria, Ariz.
Hansen, well known for putting catchers through grueling workouts, said he was more worried about his sunglasses, which Moore had borrowed on a sunny day.
"You have to practice hard to play hard," Hansen said. "You don't teach them to get hurt running over to the stairs. He can handle it -- head-butt the wall, catch the ball and come back out."
"We were doing blocking drills and it had to be 120 degrees," Moore said. "We'd been out there three hours and I took one in the throat. I kind of stood up and moped, and when Roger saw that he made the whole crew start running. Full gear, facemasks and everything.
"Every time we ran by him, he would say, 'Keep going.' There's no telling how many laps we ran. It was miserable. That was the last time I moped.



この「マシンを使った意味のわからないポップフライ練習」のあった9月1日以降、アダム・ムーアがどれだけの数エラーしたことか。

覚えている人も多いだろう。
ちょうどつい先日のゲームでアダム・ムーアは、イージーなキャッチャーフライを落球している。ロジャー・ハンセンが練習させている(つもりになっている)キャッチャーフライを捕りにいったのはいいが、アダム・ムーアはボールがバックネット側に切れていって、自分の位置から後方に逸れていく特性すらまったく判断できず、ミットで触れることもないまま落球してしまい、エラーがついて、ゲームにも負けた。

そりゃ、そうだ。
馬鹿かと言いたい。

マシンで上げた球はそれほどスピンがかかっていない。
だが、実際のバットでカットするように打たれたキャッチャーフライは、当然のことながら、強烈にバックスピンがかかる。
だからこそキャッチャーフライの練習においては、バットで打って「スピンの入った、生きたキャッチャーフライ」で練習させることにこだわる指導者も多いわけだし、また、キャッチャーフライを上手にノックするには、ノッカーとして高い技術が必要とされる。
マシンなどでフライを上げて、しかも「わざと」ダブアウトに飛び込むフライを捕りに行かせるような「手抜きの根性主義の練習」で頭のいいキャッチャーなど、育つわけがない。(というか、そもそも根性主義などというのは「手抜き」を前提としていることは、いまやスポーツでも常識)

もし大怪我でもしたら、どうするというのだ。チームの多大な損失を、ロジャー・ハンセンが払えるとでもいうのか。

地元紙エベレット・ヘラルドは、こういう「ロジャー・ハンセンの指導ぶりの意味不明ぶり」について書かれた記事に、こういうタイトルをつけた。
The fine line between developing a young catcher and destroying him、「若いキャッチャーの「育成」か「破壊」か、その微妙な一線」
ロジャー・ハンセンの指導手法の合理性に非常に強い疑念を感じて書いているのがわかる。

なんでも、ロジャー・ハンセンの過去の実績として、日本のオリックスで1999年頃に1年契約をして、日高剛という有能なキャッチャーを育てた、というのがあるらしい。
だが、この日高剛という捕手、スタッツを調べてみると、2000年のパスボールが6、2001年が7、1999年のエラーが6、2001年のエラーが9。これのどこが「ロジャー・ハンセンの過去の業績」なんだか。
失笑するしかない。


まぁ、ともかく、
ロジャー・ハンセンの責任は、2009年にあれだけ功績のあったロブ・ジョンソンをこきおろして、まったくメジャーのキャッチャーとして力量がないアダム・ムーアを推した、その程度の小さい責任だけでない。
使えない城島をチームに残す側に加担した責任、さらに、合理性のまったく感じられない「手抜きの根性主義」の「しごき」を若い選手たちに押し付け続けてきて、有望キャッチャーを「ただのデクの棒」に仕立て上げてきたことに、非常に重い責任がある。

これらの推測がもし本当なら、当ブログはロジャー・ハンセンに即刻チームを去らせるべきだと、強く主張しておく。






damejima at 18:15

September 09, 2010

今日のオークランド戦、逆転負けの原因は明らかに6回裏にオークランドが決めた「1イニング2つのダブルスチール」
Seattle Mariners at Oakland Athletics - September 8, 2010 | MLB.com Gameday

オークランドの公式サイトでも、「今日の勝因は2つのダブルスチール」と明言している。
なのに、シアトルの地元メディアときたら、ダブルスチールについては何も触れず、今日の負けゲームの記事を「まぁフレンチはよくやった」とか適当に切り上げてお茶を濁しているのだから、なんともぬるい話だ。
They countered with two double steals. In one inning. And won because of it. (Crisp drives A's to series win vs. Mariners | oaklandathletics.com: News)


ひとつのイニングにダブルスチールを2度決められるなんてことはあまりあることではない。試合終了直後から調べていてもいたのだが、どうも検索の仕方がよくないのか、なかなか他のサンプルが出てこなかった。

ついさっきみつけたのはLarry Larueがソースの下の記事だが、それによると「1イニング2ダブルスチール」はオークランドでは1983年以来の記録のようで、そうだとすると「27年ぶりの記録」ということになる。さすがに、かつてリッキー・ヘンダーソンを輩出したチームなだけはある、と、変な感心のしかたをした。
約30年に一度の珍しい記録ではあるが、全く初めての記録なわけではないのだ。やっぱりメジャーの歴史は奥が深い。
M’s bats wilt after hot start - Mariners - The Olympian - Olympia, Washington
Crisp singled home the go-ahead run, then the Athletics pulled their second double-steal of the inning – this time it was Cliff Pennington and Crisp. Oakland hadn’t done that in an inning since 1983.

追記:オークランドが最初に「1イニング2ダブルスチール」をやったのは1983年7月17日のボストン戦で、こんどが2度目らしい。当時は思ったとおりリッキー・ヘンダーソンの現役中で、80年から86年まで7年連続盗塁王になったヘンダーソンの輝かしい盗塁全盛期にあたる。
the two double steals in one inning represented the first time the A's had achieved such a feat since July 17, 1983, in the fifth inning at Boston.
Crisp drives A's to series win vs. Mariners | oaklandathletics.com: News


この「1イニング2ダブルスチール」について当事者のアダム・ムーアがなんといっているかというと、こんな感じ。「一度目のダブルスチールは刺したと思ったんだけどね」とか、質問と答えがチグハグな様子で、ちょっと意味がわからない。
要は、最初のダブルスチールでアンパイアにセーフと言われてしまい、それをグチグチと脳内で愚痴りながらプレーしていて気をとられているうちに、2度目のダブルスチールを決められてしまったのだろう。
そう言えばいいのに。しょうもない。
“I thought I got Davis on the first one,” catcher Adam Moore said, “but the call went the other way. On the second double steal, I didn’t even throw. They both got huge jumps.”


ちょっと右打者アダム・ムーアと左打者ロブ・ジョンソンの2人を比較してみる。

結論から先にいうと、アダム・ムーアはたとえで言うと、スローイングでは「肩が弱いというか、注意力の散漫なキャッチャー」、打撃面では「四球を選べず、三振の多いロペスタイプの右の扇風機」であり、リード面では「キロス、城島レベル」。トータルに言えば「注意力が散漫なせいもあって盗塁を刺せず、リードが単調で、打撃では打率が異常に低い、まるで城島風味のキャッチャー」とでもいうか、まぁ、そういうレベルの選手である。
以下に挙げる打撃データもあわせてみてもらうと、アダム・ムーアが、いかに「かつてシアトルによくいたフリースインガーの右打者の再来」であることがよくわかることだろう。

リード面は、今日のGamedayをみてもらってもわかることだが、今日ムーアがルーク・フレンチに出したサインは「初球はいつもストレートばかり」、それがオークランド打線にバレて、ランナーが出ると、とたんにこんどは「初球はチェンジアップばかり」
これでは、打たれるとコロリとリードを180度かえて、かえって打たれてばかりいた城島・キロスばりの単純リードである。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:「城島コピー捕手」キロスと「キロス問題」


盗塁阻止率
アダム・ムーア .286 (44ゲーム先発 20盗塁 8阻止)
Adam Moore Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN
ロブ・ジョンソン .353 (57ゲーム先発 22盗塁 12阻止)
Rob Johnson Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN

ついでに打撃データもあげてみる。
(打率、OBP、SLG、OPSの順)

アダム・ムーア   .187 .220 .290 .510
二塁打 4 ホームラン 4 12打点
ロブ・ジョンソン    .191 .293 .281 .574
二塁打 10 ホームラン 2 13打点

この2人のプレーヤー、打撃成績が非常に似かよっている。だが、最も大きな違いは「出塁率の大差」で、もっと正確にいえば、「四球数の違い」だ。
2010年 四球数
アダム・ムーア  5
ロブ・ジョンソン 25


9月6日の記事で、同じ「1983年生まれ世代」に属しているホセ・ロペスとジョー・マウアーの打撃成績の最も大きな差異は、「長打の数」ではなくて「四球数」であることを書いたが、このアダム・ムーアも、実は、ロペス(あるいはベタンコート、城島など)と、そっくり同じ特徴をもっている。
シアトルウオッチャーなら誰でもわかっているとおり、この「四球数も、四球率も、異常なくらい少ないこと」、そして「出塁率が異様に低いこと」、加えて「打率が低い右打者」は、シアトルのマイナーが育ててきた選手のかなりの部分と、シアトルがバベジGM時代に熱心に獲得してきたフリースインガーたち共通の特徴である。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年9月6日、世代交代の主役「1983年世代」のジョー・マウアーとホセ・ロペス、打撃成績の一番の違いは「四球数」。

BB/PA 打席あたり四球率
アダム・ムーア  .030
ロブ・ジョンソン  .120

参考:城島のシアトル在籍時の四球率
2006年 .037
2007年 .029
2008年 .047
2009年 .047
メジャー通算 .038(4年間もこの数字を続けたのだから酷いものだ)

参考:2010シアトル チーム内BB/PAランキング
ランガーハンズ    .189
バーンズ        .158
ブラニヤン       .128
ロブ・ジョンソン   .120
(中略)
ホセ・ロペス     .035
ジャック・ウィルソン  .033
アダム・ムーア    .030
ジャスティン・スモーク .015
Seattle Mariners 2010 Batting / Hitting Statistics - ESPN

BB/SO 四球と三振の比率
アダム・ムーア  0.09
ロブ・ジョンソン  0.46


ベタンコート、城島、ロペス、ほかにも2005年以降にシアトルのロスターには、たくさんの選手たちがこの「四球を異常に選ばない。かつ、凡打の山を築き、併殺を大量生産する右打者」に属していて、やがて大半の選手がクビになった。(セクソンは、例えば2007年夏までの打撃成績を城島と比べるとわかるが、シアトルにしては四球率の高いバッターではあった)

では、その後、「扇風機コレクション」の好きなシアトルの悪しき伝統は無くなったのか?

まさか(笑)
そんなこと、あるわけない(笑)
このチーム、よせばいいのに、ひそかに扇風機を着々と集めつつある。

でなければ、打率が2割すらないアダム・ムーアをクリンアップの5番にすえたりしない(笑)

打率2割以下のクリンアップ? ありえない(笑)


アダム・ムーアとロブ・ジョンソンのロスター入れ替えを進言したのは、かつてシアトルのマイナーで捕手コーディネイトを担当してきたコーチで、彼は、ワカマツがクビになった後にメジャーのコーチに収まったわけだが、彼の推すアダム・ムーアは明らかに「城島、ロペス、ベタンコートタイプ」のフリースインガーの右打者である。
シアトルのマイナーがこれまで育ててきた打者には、こういう「高めのストレートにはめっぽう強いが、低めの変化球にからきし弱い。三振が多く、四球を選べない。なんでも振りまわして、併殺が多い。進塁打も苦手」、そういう「不器用な壊れた扇風機タイプ」が実に多い。
この打撃不振にあえぎ続けるチームが、なぜあれほど打てないダメ捕手城島を気に入って大金を払ったかについては、こういう「チームの間違った好み」の問題があっただろう。

さらには、現在の無能なGMズレンシックのお気に入りのひとり、ジャック・ウィルソンも、スペランカーでほとんどゲームに出ない高給取りなだけではなくて、実は、ただでさえ出塁率や打率の低いこのチームで、ベスト3に入るほど「四球を選べない、器用さの全く無い打ちたがりの右打者」であり、また、クリフ・リーを放出してまで獲得したジャスティン・スモークも、テキサスでのBB/PAは.138だったにもかかわらず、シアトルに来てからはいわゆる「扇風機」、フリースインガーである。(スモークがシアトルのマイナーでいくら四球を選ぼうと、そんなのはまるで関係ない。マイナーは所詮マイナー。下での打撃内容がメジャーでそのまま実行できるほど、メジャーの投手は甘くない)


右打者不利のこの球場をホームにもつこのチームが、なんの見通しもなく集めてきた数多くの「無駄な右の壊れた扇風機コレクション」を、大変な時間をかけ、苦労して、ようやく整理できつつあったにもかかわらず、またもや右打者ジャック・ウィルソンに大金を払い、四球を選べる左のロブ・ジョンソンをマイナーに落としてまでして、打てない右の扇風機アダム・ムーアをロスターに上げ、さらには貴重な先発投手クリフ・リーを放出してまで若い扇風機スモークを獲得したこのチームの2011年、つまり来年の野球が、「シアトルの打者共通の欠陥である出塁率の低さを大きく改善する野球に変わる」わけがない(笑)

あと、ついでながら、出戻りのブラニヤンも、スタッツをみればわかることだが、「左のセクソン」なだけ。チームの救世主でもなんでもない。たまに打つホームラン以外には、四球をちょろちょろと選び、あとは三振というあたりが、実にセクソンそっくり。
セクソンをクビにするのにあれほど手間がかかったのに、シアトルは自らの手で、また主軸に「左のセクソン」を迎え入れたのである。






damejima at 22:01

August 09, 2010

19.4 7本


これが何の数字かというと、風呂場でコケで指を骨折してしまうような出来損ないで、高給取りで、スペランカーのショートストップを獲るかわりにピッツバーグに放出されたジェフ・クレメントの今シーズンのホームラン1本あたりの打席数と、ホームラン数である。
ピッツバーグで最もホームランの多いのは、110ゲーム出場で16本の主砲ギャレット・ジョーンズだが、彼のホームラン率は26.1でチーム内4位だ。52ゲーム・7本のクレメントのほうが、実はホームラン率は高い。
ア・リーグの規定打席に達した打者で、ホームラン率が20.0を切る打者というと10人ちょっとしかいない。19前後の打者はユーキリスゲレーロアレックス・ゴンザレスとか、ビッグネームの打者になる。
もちろん160ゲーム出場したらそれだけ同じ割合でホームラン数が増えるとは言わないし、打率があまりにも冴えないのがクレメントの現状のダメな点ではあるが、やはりクレメントの長打力にはまだまだちょっとした可能性がある。


まぁ余談はそれくらいにして、パークファクターが違うのは承知の上で、このクレメントのホームラン率19.4と、シアトルの野手全員のホームラン率を比較してみる。

シアトル ホームラン率ランキング(2010年8月8日現在)
Mike Sweeney 16.5 6本
Russell Branyan 21.3 8本
Ryan Langerhans 22.7 3本
Michael Saunders 23.5 8本
Milton Bradley 30.5 8本
Justin Smoak 31.5 2本
Josh Bard 35.0 2本
Adam Moore 37.0 2本
Casey Kotchman 39.9 7本
Franklin Gutierrez 40.0 10本
Seattle Mariners 2010 Batting / Hitting Statistics - ESPN

なんと、クレメントを上回るホームラン率を記録している選手というのが、先日フィラデルフィアにトレードされてしまったマイク・スウィーニー、たったのひとりしかいない。

それはそうだ。
ア・リーグ全体のホームラン率を参照してみると、スウィニーの16.5という数字は、ジャスティン・モーノーマーク・テシェイラといったオールスター級の打者に匹敵する数字なのだ。
起用されたゲーム数、打席数を考えると、マイク・スウィニーのホームランは、本数こそ6本しかないが、長打の効率そのものは抜きん出ていたことがわかる。

マイク・スウィニーは背筋のけいれんのために6月27日から故障者リスト入りしてしまっていたわけだが、シアトルは彼がリストから外れると同時にウェイバーにかけてしまい、フィラデルフィアにクレームされ、放出してしまった。


しかし、だ。

打線の貧打にあえぐチームなのがわかりきっていて、優先して処分すべき選手は誰だったのか。それはマイク・スウィニーなのか。トレードしないまでも、いますぐにでもスタメンからはずすべき選手が誰なのか。


.375

これはクレメントのSLG(長打率)だが、ホームラン率と同じように、シアトルのSLGランキングと比べてみるとどうだろう。
チーム内2位のソーンダースの進境が著しいことがわかる。その一方で、なにか長打を放っている「印象」のあるグティエレスが、中軸打者として起用され続けてきた割に、実は、主軸を打つにはけっこう頼りない数字でしかない。
そしてクレメントより長打率のいい打者は、トレードされてしまった長打男のスウィニー、打席数の少ない控え捕手バードを含めてさえもシアトルの野手全員の中に、たったの5人しかいない。

シアトル 長打率ランキング(2010年8月8日現在)
Mike Sweeney .475
Michael Saunders .420
Russell Branyan .400
イチロー .390
Josh Bard .386
Franklin Gutierrez .370
Ryan Langerhans .368
Milton Bradley .348
Casey Kotchman .344
Josh Wilson .335
Seattle Mariners 2010 Batting / Hitting Statistics - ESPN

そして、チーム内長打率ランキングでもマイク・スウィニーが抜きん出ている。
マイクの.475という長打率は(規定打席に達していないわけだが)規定打席に達している打者のみのア・リーグSLGランキングに照らしていうと23位から24位あたりに該当していて、例えば25位のジョー・マウアーの.473や、26位のマイケル・ヤング、27位のアレックス・ロドリゲスの.470より上の数字なのだ。
もちろん160ゲーム出場していれば、おのずと数字は下がるだろうが、この長打率においてもスウィニーという選手はチーム内で敬意を表されていい選手であることは間違いない。



.611

これはクレメントのOPSだ。ホームラン7本はいいとして、現状の打率が悪すぎるためにクレメントのOPSが悪いのはわかっているが、シアトルのOPSランキングの酷さをきわだたせる意味で、わざと挙げてみた。

シアトル OPSランキング(2010年8月8日現在)
Mike Sweeney .802
イチロー .753
Ryan Langerhans .740
Michael Saunders .725
Russell Branyan .699
Josh Bard .698
Franklin Gutierrez .684
Chone Figgins .650
Josh Wilson .645
Milton Bradley .641
Seattle Mariners 2010 Batting / Hitting Statistics - ESPN

ここでも、トップはマイク・スウィニーだ。
またも上位に名前が出てきたソーンダースの進境にも拍手を送りたいし、また出場機会をなかなか与えてもらえてないランガーハンズも頑張っている。
スウィニー、ソーンダース、ランガーハンズは今シーズン、常時出場機会を与えてもらってきた選手ではない。それだけに、チームのOPSランキングに名前の出てこないシーズン開幕時のレギュラー野手のたるみきった成績は糾弾されていい。

サードのロペス、ショートのジャック・ウィルソン、ファーストのケイシー・コッチマン。さらに、あらゆる打撃スタッツのベスト10に名前が出てこないDHケン・グリフィー・ジュニア。
これに、シーズンが実質終わってしまってから帳尻しているだけの「使えないチビ」フィギンズを含めると、開幕時の内野手全員の打撃は「全滅」である。


ファーストをコッチマンにやらせるくらいなら、ランガーハンズを使え、と言いたい。そしてジャック・ウィルソンが骨折してくれて、清々した。ジョシュ・ウィルソンにやっとチャンスが巡ってきた。


まぁ、こんな状況の中で実行されたのが、
「チームで一番効率よく打てるマイク・スウィニーのトレード」なのである。

スウィニーに唾をつけたのが、ピッツバーグやワシントン、つまり惨憺たる成績のチームが獲得したのではなく、まだまだプレイオフを諦めてはいない強豪フィラデルフィアだったことの意味が、「素晴らしき見識」をお持ちのシアトル・マリナーズのゼネラル・マネージャーにはわかっているのだろうか(笑)

マイク・スウィニー放出は、チーム内の投手のまとめ役だったクリフ・リー放出と同じように、野手のメンタルなまとめ役を失うという「形のない損失」でもあるどころか、「数字にはっきりと表れた、バッティング面での明らかなマイナスのトレード」でもある。

8月から正捕手にすえたアダム・ムーアのあらゆる打撃スタッツだって、ジョシュ・バードどころか、ロブ・ジョンソンより低い。






damejima at 18:29

June 14, 2010

偉大なるバカボンの父も言っている。

「 これでいいのだ。 」

Seattle Mariners at San Diego Padres - June 13, 2010 | MLB.com Gameday

"I was fine, I was strong,"
「ピッカピカだったろ?俺って強ええからな、イェイ」

わざと意訳したが(笑)、ゲーム後のインタビューでヘルナンデスはひさしぶりに彼の年齢相応らしい感情の爆発のさせかたをした。これから長いメジャー生活を送るであろう彼の今後のピッチングスタイルを考える上で、たいへん意味のあるインタビューである。読む価値がある。
Mariners win finale behind Felix's gem | Mariners.com: News


結論を先に書いておこう。
6月7日のクリフ・リーが「ストライクの鬼神」であるとすれば、本来のヘルナンデスは、同じ神でも「バランスの鬼神」である。
つまり、こういうことだ。ヘルナンデスは「ストライク・ボールの適度な混ぜ具合」や「球種を適度に混ぜるバランスの良さ」がピッチングの鍵になって、打者をゴロの凡打に打ち取る投手であり、だからこそ「ピッチング全体の適度なストライク率」あるいは「その試合におけるコントロールの出来の良さ・悪さ」が、他の投手よりもずっと大きな意味をもつと考えるのである。
「バランスが命」であるからこそ、キャッチャーとの相性が大事で、ヘルナンデスが本来もっているコントロールの悪さや、ピッチングの単調さを、補う役割がキャッチャーに求められる。
クリフ・リーは6月7日の登板で「78.5%」などという驚異のストライク率を記録して、シアトルの鬼門であるアーリントンでレンジャーズ打線を沈黙させてみせた。(ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年6月7日、クリフ・リー、貫禄の107球無四球完投で4勝目。フィギンズの打順降格で、次に着手すべきなのは「監督ワカマツの解雇」
あのときのクリフ・リーが「ストライクの鬼」であるとすれば、ヘルナンデスは「バランスの鬼」であり、クリフ・リーとヘルナンデスは求めるべき目標が違うのである。



個性は、それぞれに違う。
違うから面白く美しく、また自分だけの個性という貴重な宝石を誰もが探し求める。みんな同じでは、どこまでも続くどんよりした梅雨空のようになってしまい、つまらないこと、このうえないし、価値もない。
大投手ロイ・ハラデイにはハラデイの投球術があり、「ストライクの達人」クリフ・リーのとは違う。リンスカムにはリンスカムのピッチングフォームがあり、ヒメネスとも、クリス・カーペンターとも違う。

ゲーム後のインタビューで、サンディエゴの監督バド・ブラックが今日のヘルナンデスのピッチングを絶賛しているが、その要因として「ストライク・ボールの配分の良さ」と「カーブの切れ」を挙げている。
true No. 1 pitchers という言葉のtrueという部分に、重みがある。1シーズンだけ良い投手を、バド・ブラック監督だってtrueとは呼びたくないだろう。
"Felix has come into his own as a staff ace," said Padres manager Bud Black. "He's turned into one of the true No. 1 pitchers. His ball-strike ratio was great, and that's the best overhand curve I've seen him throw."

今日のヘルナンデスは128球を投げ、ストライクを85球。全投球のちょうど3分の2がストライクであり、配球セオリーどおりの配合である。
バド・ブラック監督はこの配球全体をコントロールするヘルナンデスの能力の高さを絶賛しているわけだが、もちろん間接的にはヘルナンデスの良き相棒であるロブ・ジョンソンの素晴らしいリードに向けられた賛辞でもある。投球の3分の2ストライクを投げれば誰でもサイ・ヤング候補になれるわけではない。


ヘルナンデスのピッチング内容とストライク率の関係の深さについては、すでに何度も何度もこのブログで指摘してきた。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年10月5日、ヘルナンデスのストライク率と四球数の関係を解き明かす。(ヘルナンデスの2009ストライク率グラフつき)
今年2010年の4月21日にボルチモア戦で投げたときに、対戦相手のDHルーク・スコットもこんなことを言っている。球種をうまく混ぜたことが、あのゲームで9安打打たれながら自責点ゼロに抑えることができた要因になったというのである。
He did a good job of mixing up his pitches, hitting his spots, good sinker, good velocity on his fastball, hard curve, hard slider, good changeup.
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年4月21日、ヘルナンデス8イニングを無四球自責点ゼロの完投2勝目で、17連続QSのクラブレコード達成、シアトル同率首位!ロブ・ジョンソン、4回裏2死満塁の同点タイムリーと好走塁でヘルナンデスを強力バックアップ。


ヘルナンデスの四球が増えはじめるストライク率の臨界値は、この記事(ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年10月5日、ヘルナンデスのストライク率と四球数の関係を解き明かす。(ヘルナンデスの2009ストライク率グラフつき)を書いた時点では、四球数が3を越えるのを「ストライク率60%あたり」と推測した。
ヘルナンデスのストライク率と四球数の関係

そのため、この1年くらいの登板で「ストライク率が60%前後以下になったゲーム」を太字にして表示してみた。

2009年後半ヘルナンデスのストライク率と四球数
8月1日  104球58ストライク 55.8% 四球4
8月7日  113球70ストライク 61.9% 四球6
8月12日 105球67ストライク 63.8% 四球4
8月18日 106球69ストライク 65.1% 四球1
8月23日 101球67ストライク 66.3% 四球ゼロ
8月28日 104球63ストライク 60.6% 四球1
9月2日  114球67ストライク 58.8% 四球3
9月8日  113球69ストライク 61.1% 四球4
9月13日 109球65ストライク 59.6% 四球1
9月18日 104球65ストライク 62.5% 四球1
9月24日 108球77ストライク 71.3% 四球2 11三振
9月29日 120球69ストライク 57.5% 四球4
10月4日 107球72ストライク 67.3% 四球1
2010年前半ヘルナンデスのストライク率と四球数
4月5日  101球58ストライク 57.4% 四球6
4月10日 110球74ストライク 67.2% 四球1
4月16日 105球63ストライク 60.0% 四球2
4月21日 113球82ストライク 72.6% 四球ゼロ
4月26日 114球74ストライク 64.9% 四球3 負
5月1日  96球53ストライク 55.2% 四球4 負
5月7日  84球48ストライク 57.1% 四球4 HR3 負
5月13日 105球66ストライク 62.9% 四球2
5月18日 118球72ストライク 61.0% 四球2
5月23日 110球73ストライク 66.4% 四球1 負
5月29日 111球71ストライク 64.0% 四球3
6月3日  116球79ストライク 68.1% 四球1
6月8日  107球65ストライク 60.7% 四球3 ER7 負
6月13日 128球85ストライク 66.4% 四球1
Felix Hernandez Game Log | Mariners.com: Stats

見てもらうとわかるが、2009年はヘルナンデスがサイ・ヤング賞候補になった素晴らしいシーズンだが、ストライクが60%以下しか入らないゲームなどいくらでもあった。特に8月末から9月前半にかけて、サイ・ヤング賞が目の前にあるのがわかっていた重要ないくつかのゲームで、ストライクをとれないゲームが続き、あの時期は本当に苦しかったものだ。
だがそれでも、結果だけみれば、面白いように勝てたのである。
当時のブログ記事ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:September 2009)を読んでもらえばわかるが、9月24日の24残塁のように、たとえヘルナンデスの調子の良くないゲームでも、ロブ・ジョンソンがバッテリーとしての工夫などをして、投手単独ではなく「バッテリーとして」勝ちを積み重ね続けたことが、ヘルナンデスのサイ・ヤング賞レースを支えたのである。
もしそういう「歴史」がなかったら、いまごろとっくにヘルナンデスはキャッチャーを変えるかなにかしている。

よくロブ・ジョンソンのことを「投手にとりいるのがうまい」とかなんとか無意味な揶揄をするみすぼらしい人間がいるが、自分の無知を自分で晒すような真似をして何が面白いのだろう。今日もロブ・ジョンソンは3本のヒットでヘルナンデスを支えた。


ヘルナンデスのストライク率は2010年に入って突然落ちたわけでは、けしてない。2010シーズンに突然コントロールが甘くなって、そのために今年のヘルナンデスの調子がいまひとつ上がらないわけではないのである。
メジャーのスカウンティング能力は非常に高いから、ヘルナンデス、ロブ・ジョンソンのバッテリーの配球パターンだって分析され対策されているのは明らかだし、また一度指摘したように、2ストライクをとって打者を追い込んでからの変化球のキレがどうも今シーズンはいまひとつよくないとか、微妙な修正すべき点はたくさんある。
今日のようにカーブが切れると、ヘルナンデスのピッチングは非常に組み立てやすいだろうと思う。逆にいうと、あまりシンカーに頼るより、カーブで緩急をつけるヘルナンデスのほうが、ブログ主としては見ていて小気味いいし、安心できる。


そういう細かなことはプレーヤーにまかせておけばいいことであって、どうでもいいが、そんなことより大事なことは、「ヘルナンデスがどういう投手か」ということだ。
彼は、ストライク率が50%台の半ばに落ちるようなコントロールの甘いピッチングでは苦しい登板になるが、だからといって、クリフ・リーのようにストライクをむやみにとれる投手になる必要など、どこにもない。
ヘルナンデスは「バランスの鬼」。そのことがハッキリしたことが、このゲーム最大の収穫だと思う。

自分が誰なのかわからなくなっているローランドスミスにこそ、このゲームの深い意味をしっかりと噛み締めてもらいたいと思う。






damejima at 14:03

June 10, 2010

今シーズンのシアトルは捕手の故障が多いこともあって、捕手のポジションは4人ものプレーヤーが入れ替わっている。そんな彼らのここまでの成績はどうなっているのだろう。
とりあえず先発投手たちについて、CERA(投手の捕手ごとの防御率)と、被打率をまとめてみた。元データはBaseball Reference

以下のプレーヤーの名前の順番は、CERAのいい順に並んでいる。さらに二次的には被打率の低い順に並べてある。
上に名前があるほどCERAが良いが、だからといって必ずしも被打率がいいとは限らない。例えば、ジョシュ・バードはスネル登板時のCERAが2.35と素晴らしいが、被打率は.303と、びっくりするほど酷い。
1イニングだけとか3イニングだけとか、ほんのわずかしか受けていない2人の捕手の3つのケースは、リストから除外してある。また、よく知られていることだが、Baseball ReferenceとESPNとでは、計算基準の細部に違いがあることから数値に多少の差異が生じることがあるので注意されたい。


詳しくは下記を読んでもらうとして、いま地区ダントツ最下位にあるシアトルの借金の大半は、ローランドスミスとスネルの登板ゲームで生まれている。つまり「先発5番手の投手の先発ゲーム」で生まれていることを知っておいてほしい。
例えばQS%(=6回3失点以内で登板を終えるパーセンテージ)だが、バルガスの83%を筆頭に、ヘルナンデス77%、クリフ・リー75%、フィスター70%と、この4人が高い率を誇るのに対し、イアン・スネルはわずか13%、ローランドスミスなどはたったの10%しかない(2010年6月12日現在)。

シアトルのロスター投手のリスト・スタッツ
2010 Seattle Mariners Batting, Pitching, & Fielding Statistics - Baseball-Reference.com
シアトルのロスター投手のスタッツ
Mariners » 2010 » Pitchers » Advanced Statistics | FanGraphs Baseball



クリフ・リー
(数値は左からCERA、被打率、先発ゲーム数)
Adam Moore 0.00 .130  1ゲーム
Rob Johnson 2.23 .218  5ゲーム
Josh Bard   5.65 .267  2ゲーム
Cliff Lee 2010 Pitching Splits - Baseball-Reference.com
4月30日のクリフ・リーのシアトルデビュー登板はアダム・ムーアが受けていた。これはクリフ・リーに限らず、開幕の時期に大半の先発投手はムーアが受けており、どうやらチームはムーアを正捕手に、と考えていたようだ。
5月に入ってロブ・ジョンソンが受けるようになった。5月16日と21日の2試合こそバードが受けたが、その後クリフ・リー側からロブ・ジョンソンを指名捕手にした形になって、現在に至っている。
いまシアトルの勝ち星の稼ぎ頭は、もちろんクリフ・リーである。現在登板ゲームは4連勝中。ゲームごとに立てる配球戦略の確かさ、抜群のコントロール、ピンチでも動じない心の強さ、さほど早くないストレートでも討ち取れ、打者に狙いを絞らせない配球バランス。素晴らしい投手である。
例えばK/BB(三振数を四球数で割ったもの)は、チームダントツの15.00だ。これは破格の数値だが、奪三振の多さというより、与える四球が極端に少ないという意味になる。またイニングあたりに走者を出した割合を示すWHIPも、チームベストの0.93をマークしている。
ただ彼を真似ようとするなら、それは間違った試みだ。天才イチローのバッティングも実績も、誰も真似などできないように、クリフ・リーの投球術は誰も真似などできはしないと思う。なぜなら、ひとつにはイチローやクリフ・リーにはオリジナリティがあることと、また「ヒトから学べること」はひとつの大きな天賦の才であって、シアトルのプレーヤーにはその才能に欠ける平凡な選手が多いからだ。
何年もイチローを見ていても学べない選手たちに、クリフ・リーが学べるわけがない。
Mariners' rotation could learn a lot from Lee | Mariners.com: News


フェリックス・ヘルナンデス
Rob Johnson   3.77 .256  13ゲーム
参考◆2009シーズン
Jamie Burke   0.86 .174  4ゲーム
Rob Johnson   2.01 .217  25ゲーム
城島         7.22 .328  5ゲーム
Felix Hernandez 2010 Pitching Splits - Baseball-Reference.com
2009シーズンは知っての通り、開幕から5月までは城島が受けたゲームもあったが、その大半を負け、2009シーズン途中にヘルナンデスはロブ・ジョンソンを指名捕手にした。
2010シーズンもその流れが続いており、ロブ・ジョンソン以外の捕手は一度もヘルナンデスの球を受けていない。
今シーズン彼がいまひとつ波に乗れないことは、チームの勝率に影響を及ぼしているのはたしかで、ブログ主も彼のピッチングについて気になっていることは多い。
ひとつ例をあげるとすると「せっかく打者を追い込みながら、そこで明らかにはずれるボール球を続けてしまう」ことがある。これはブログ主がずっと気になっていることのひとつ。豪腕ヘルナンデスはこんなに決め球の無い投手だったっけ? と、クビを傾げることが案外多いのはなぜだろう。


ダグ・フィスター
Rob Johnson 2.17 .204  6ゲーム
Josh Bard   3.00 .241  2ゲーム
Adam Moore 3.00 .278  2ゲーム
参考◆2009シーズン
Adam Moore 1.29 .200  1ゲーム
城島       4.58 .271  9ゲーム
Doug Fister 2010 Pitching Splits - Baseball-Reference.com
ダメ捕手が日本に逃げ帰ってくれたことで恩恵を受けた投手の1人が、フィスターだ。2010年6月12日現在、クリフ・リーをしのいで防御率チーム1位の2.45をマークしている。
またイニングあたりに走者を出した割合を示すWHIPで、クリフ・リーに次ぐ0.96をマークし、K/BBにおいてもこれまたクリフ・リーに次ぐ数字3.20を残している。
フィスターがメジャーデビューしたのは2009年だが、わずか1ゲームをムーア、さらにわずか1イニングをロブ・ジョンソンが受けた以外は、全てのゲームで城島がキャッチャーを務め、上に挙げたような防御率4点台なかばで、2流以下の数字を記録した
2010シーズンは、4月のシーズン初登板でムーアが受けた後、ジョンソンが3ゲーム受けた。5月はジョンソン2ゲーム、ムーア、バード2ゲーム、ロブ・ジョンソンと、フィスターの球を受けるキャッチャーは必ずしも一定していない。
誰が受けてもフィスターはかなりの好成績を挙げて安定しているが、被打率の良さという点で明らかにロブ・ジョンソンが抜けている。アダム・ムーアは3人の中では被打率が.278と悪く、評価できない。ムーア先発時の被打率は、2009年に城島の残した被打率.271よりもさらに悪い。


ジェイソン・バルガス
Adam Moore   2.54 .180  7ゲーム
Eliezer Alfonzo 2.77 .286  2ゲーム
Josh Bard     3.12 .281  2ゲーム
参考◆2009シーズン
Rob Johnson   3.31 .246  7ゲーム
Jamie Burke   4.76 .304  1ゲーム
城島         5.40 .272  13ゲーム
Guillermo Quiroz 13.50 .480 1ゲーム
Jason Vargas 2010 Pitching Splits - Baseball-Reference.com
フィスター同様、ダメ捕手が日本に逃げ帰ったことで恩恵を受けた投手の1人。
バルガスの2009シーズンは、キャッチャーに恵まれないまま終わった運の悪いシーズンだった。何度も書いたように、2Aから上がってきたキロスとの相性が悪くトラブルがあり、その後は相性の合わない城島を押し付けられた。
「城島問題」の意味を理解しない、目の悪いシアトルファンからは「冴えないピッチャー」というレッテルを張られたが、なんのことはない、ダメ捕手が日本に逃げ帰った2010年にあっさり復活した。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:「城島コピー捕手」キロスと「キロス問題」
開幕から7ゲーム続けてアダム・ムーアが受け、彼がケガをした後はジョシュ・バードが2ゲーム、バードがケガをした後はアルフォンソが2ゲーム受けている。バルガスについては、7ゲームも受けて被打率.180と抜群の数値のアダム・ムーアがひとり抜けた成績を収めている。


ローランドスミス
Adam Moore 5.02 .283  3ゲーム
Rob Johnson 5.90 .284  8ゲーム
Josh Bard   23.62 .625  1ゲーム
参考◆2009シーズン
Rob Johnson 2.57 .125  1ゲーム
城島       3.83 .247  14ゲーム
Ryan Rowland-Smith 2010 Pitching Splits - Baseball-Reference.com
4月 ロブ、ロブ、ムーア、ムーア、ロブ
5月 ロブ、ムーア、バード、ロブ、バード、ロブ
6月 ロブ
彼の球を受けるキャッチャーはゲームごとに変わる。そのランダムさは、シアトルの先発投手では一番だろう。ひとことで言って今シーズンのローランドスミスは、あらゆる点で「腰が座っていない」。
たとえキャッチャーが誰であろうと、CERAは5点を越え、被打率は2割8分を越えてしまう。彼が自分を見失った理由はよくわからない。
いま彼のホームラン被弾率は4.9%なのだが、これはチームワーストであり、HR/9(9イニングあたりの被ホームラン数)も、2.09と、チームワースト。。もちろん浴びたホームラン数も、12本で、これまたワースト被長打率.585、被OPS.973、どれもこれもワーストである。
また、LD%(Line Drive Percentage ライナーを打たれた割合)というデータがあるのだが、これまたローランドスミスが27%で、先発投手陣の中ではワースト。投手陣全体でみても、テシェイラの32%がワーストで、ローランドスミスはその次に悪い。バットの芯でとられられた打球をチームで最も多く打たれている(数字はいずれも2010年6月12日現在)。


イアン・スネル
Josh Bard     2.35 .303  2ゲーム
Adam Moore   4.84 .309  5ゲーム
Rob Johnson   5.40 .231  1ゲーム
Eliezer Alfonzo  5.79 .219  2ゲーム
参考◆2009シーズン
Adam Moore   2.50 .257  3ゲーム
城島         4.76 .261  6ゲーム
Rob Johnson   5.11 .186  3ゲーム
Ian Snell 2010 Pitching Splits - Baseball-Reference.com
イアン・スネルが先発したゲームは、1勝9敗である。要は、スネル先発ゲームがシアトルの最大の借金の元になっているのである。
4月は全てアダム・ムーアが受けたが、5月に入ってコロコロとキャッチャーが変わるようになった。
5月 ロブ、ムーア、バード、バード、アルフォンソ
6月 アルフォンソ
捕手別にみると、一見すると、珍しくジョシュ・バードが一歩抜けているようにみえる。だがバードがキャッチャーのときの被打率はなんと「3割」を超えている。だからバードのCERAの低さは単なる運の良さとしかいいようがない。逆に、被打率の低いロブ・ジョンソンやアルフォンソのゲームはCERAが高いという、おかしな現象がある。
このことから推測できるのは、被打率を低く抑えようとすると、ホームランを浴び、ホームランを避けようとすると集中打を浴びるという、スネルのピッチングの迷走ぶりである。このことは彼のピッチングを複数回見たことのある人なら「そういえば、そうだ」と、大きく頷いてもらえることと思う。
ちなみにスネルのホームラン被弾率は4.2%。これはローランドスミスに次いで、チームワースト2位の記録だ(2010年6月12日現在)。


こうしてみてもらうと、シアトルの先発投手の柱は、2009年にはヘルナンデス、ウオッシュバーン、ベダードの3人が柱だったのが、2010年にクリフ・リー、(本調子とはいえないが)ヘルナンデス、フィスター、バルガスに代わっただけだということがわかる。
つまり言いたいのは、ルーク・フレンチを獲得したウオッシュバーンのトレードも、スネルのトレードも、何の意味もなかった、ということだ。ズレンシックの手腕に対する批判という意味でもある。

その2010シーズンに柱になっている4人の先発投手の大半を受けて、なんとかゲームを作っているのは、もちろん上で見たようにロブ・ジョンソンである。
バード、アルフォンソではゲームにならない。特にアルフォンソは、LAA戦でインコースしか打てない松井に何度もインコースのサインを出してはホームランを献上したように、スカウティングもへったくれもないリードをするのが見ていてイライラする。


それにしても、だ。
この2年のシーズンの、どのキャッチャー、どの投手と比べても、2009年の城島の数値が最も酷い。大半の先発投手において、ほかのどのキャッチャーよりも打たれ、ほかのどのキャッチャーよりも点を取られている。

よくあんな酷いキャッチャーに高い給料を払っていたものだと思う。






damejima at 15:18

June 08, 2010

無四球完封まであるかと思われたクリフ・リーだったが、さすがに最終回はちょっと力みが入ったようで、2点を失ったが、大きな問題はなく、107球、無四球のまま、4勝目を挙げた。
これまで鬼門といわれてきたアーリントンパークでのレンジャーズ戦にこれほど楽勝イメージで終わったゲームはほとんど記憶に無い。

さらにソーンダースが3ランを放ち、ロブ・ジョンソンがタイムリーと、下位打線の得点で同地区チームとの対戦をモノにしたのだから、このゲームの意味は小さくない。
シアトルの控え選手の力を信用しようとしないアタマの固いシアトルファンからずっと信用されなかった「ペーパーボーイ」(=新聞配達少年。マイク・スウィニーが命名したニックネームらしい) こと、ジョシュ・ウィルソンも、打撃好調をキープしている。
Seattle Mariners at Texas Rangers - June 7, 2010 | MLB.com Gameday


それにしてもクリフ・リーが投げた107球のうち、84球もの投球がストライクだったことには驚かされた。

前にヘルナンデスの例で書いたことだが(ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年10月5日、ヘルナンデスのストライク率と四球数の関係を解き明かす。(ヘルナンデスの2009ストライク率グラフつき))、ヘルナンデスの場合はあまりにもストライクを投げようとしすぎるゲームではかえって好投できない傾向にある。もちろんこれには、打者にかえって狙いを絞らやすいとか、いくつかの要因があることだろう。


ところが、クリフ・リーは違った。

107球というと、普通はストライクが70球ちょっとになる場合が多い。というのもバッテリーが「ストライク2に対して、ボール球が1」というメジャーの配球セオリーにならっているからだ。
ところが今日のクリフ・リーの場合は、107球中84ストライク。と、いうことは、およそ投球の78.5%がストライク、つまり、5球のうちほぼ4球はストライクを投げた勘定になる
だが、それでも彼はフォアボールを出さないだけでなく、打者に狙いを絞り込まさせず、大きな当たりを許ず、三振をもぎとってしまう。
三振、といっても、クリフ・リーのとる三振は、三球三振も多い。例えばボストンの松坂などが三振をとる場合と違って、ゲーム全体の球数を少なくできる。
ゲームをみていても、たとえシングルヒットを2本打たれようと、悠々と次の打者を3球で三振にうちとってしまう。本人が「野球において、緊張というものをしたことがない」と豪語するだけのことはある。
まったく素晴らしい投手である。
"I wish I could go through a game and throw eight or nine balls," Lee said. "That's hard to do."
Lee gives bullpen much-needed day off | Mariners.com: News

今日からショーン・フィギンズが9番に下がった。これはかつてユニスキー・ベタンコートが在籍時によく行われた策だが、打てないフィギンズの打順をいじるのは遅すぎたとしか言いようがない。
9番、というと、普通は打てない打者が座る打順だが、1番に打率がよく、ダブルプレー打の極端に少ないイチローのいるシアトルでは、9番打者の出塁は得点力アップの上で重要だということは、シアトルファンなら誰でもわかっている。
だが、頑固なワカマツは、常識にとらわれているのかなんなのか知らないが、監督に就任した2009シーズンからこのかた、そういう策をまるで試そうとしてこなかった。
だから、イチローが打席に入るときは、いつも先頭打者だったり、ランナー無しだったりして、イチローの打点が伸びない、という愚かな現象を招いていたのである。
ほかにも彼ワカマツはこのところ、ダブルプレーになるのがわかりきっている打者(グリフィーやコッチマン)をゲーム終盤の大事な場面で代打に出してダブルプレーになったり、準備のできていないブルペン投手をマウンドに上げてLAAに惨敗してみたり、ともかく采配ぶりがルンバしまくっている。


25人ロスターの枠を占領していたグリフィーが引退し、逆転負けゲームを量産したコロメ、テシェイラの2人のブルペン投手をクビにし、さらに得点力の足枷になっていたフィギンズを9番に降格させた。また、打撃コーチをクビにし、三塁コーチと一塁コーチを入れ替えた。

では、この次にチームがやるべき策はなんだ?
ということになる。

もちろん、個人的にはコッチマンも、ジャック・ウィルソンもスタメンには不要な選手と思っているが、それ以上に真っ先に処分すべき人がいる。

それは「監督ワカマツの解雇」
この最上の策を、なぜシアトルが着手しないのか。
これが最もふさわしい、真っ先に実行すべき「次の一手」である。






damejima at 20:46

May 29, 2010

ゲームはまだ終わっていないが、試合の勝ち負けがどうであれ、好打者の多いエンゼルス打線に10三振させてしまうのだから、クリフ・リーの投球術、やはりたいしたものだ。特にクリーンアップに6三振なのだから、失点はしたが内容は本当に素晴らしい。

Seattle Mariners at Los Angeles Angels - May 28, 2010 | MLB.com Gameday



これぞクリフ・リーの投球術という感じのゲームだ。
カーブの良さもさることながら、エンゼルス打線に要所で投げている高めの球が、非常に効果をあげている。
知っての通り、クリフ・リーのストレートは早くはなく、剛球を誇るという速球派投手ではけしてない。だが、3-0というカウントでも慌てることなく、落ち着いて打者を処理してしまうあたり、やはり投球術においてそこらの新人君とは格が違う。

投球術、というと、「とにかく低めに投げること」と思い込みがちだが、このブログでも何度も取り上げてきたように、低めのタマに強い打者だらけのメジャーでは、高めの球を効果的に使うことは十分に戦略として重要だ。

例えば、カーブを有効に使いたい投手にとっては、ストレートを低めに集めてばかりいるのでは、打者に球筋を読まれてしまう。ストレートをボールになるように高めに投げておくことも、カーブの有効性を高めるひとつのアイデアとして、メジャーでは研究が進んでいる。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」 『damejimaノート』(4)「低め」とかいう迷信 研究例:カーブを有効にする「高めのストレート」

また、例えばテキサスの打者のホットゾーン(=ストライクゾーンのどのコースを、どのくらいの割合でヒットしているか)をみると、このチームのほとんどの打者が「低い球」に対しては驚異的な打率を残している一方で、「高めの球」に対しては対照的に打てていないことがわかる。
2009シーズンの最終戦でロブ・ジョンソンは初球に高めの球から入ることで、強打者の揃うテキサス打線を翻弄した。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:最終テキサス戦にみるロブ・ジョンソンの「引き出し」の豊かさ (1)初球に高めストレートから入る






damejima at 13:26

May 12, 2010

明らかに雰囲気が変わってきた。

クリフ・リーが112球(ストライク77、ボール35)、無四球で7回1/3を投げ、シアトルにおける初勝利を収めた。MLBの公式サイトのトップにも記事がある。低めに決まる見逃しストライクでカウントを稼ぎ、ポップフライに討ち取るパターンがよく決まった。
8回のピンチでリーをリリーフしたブランドン・リーグがピンチをしのいでベンチに帰ってきたときにクリフ・リーが見せた笑顔が、はじけるような素晴らしい笑顔だった。
打撃コーチが変わっただけでなく、開幕時のスタメンからはかなり打順と出場選手をいじったシアトルに少し活気が戻ってきた。
Seattle Mariners at Baltimore Orioles - May 11, 2010 | MLB.com Gameday

(クリフ・リーのピッチングは)「意図していることが後ろ(右翼)からも見えるし、守っていて楽しいね。ピッチングに立体感があるというか、ちょっとレベルが違う。(力の)入れどころと抜きどころがよく分かっている」(ゲーム後のイチロー)
「ピッチングに立体感がある」(イチロー語録): nikkansports.com

Lee notches first victory for Mariners | MLB.com: News


対戦相手のボルチモアがどうこうより、
チーム内で明暗の分かれるゲームだった。

明るい部分というのは、もちろんリーの好投もだが、シアトルの打者のバットにボールが当たる音が、カキーンと小気味いい音をしていたのがいい。これに尽きる。
野球は音でわかる部分もある。久しく、シアトルの打者のバットからこういう小気味いい快音を聞いてなかった。

このところスタメンで起用されはじめた開幕時の控え選手たちの攻守にわたる活躍がいい。
ランガーハンズは、ソロホーマーで試合の流れを大きく変え、1塁守備でもいいところを見せた。バッターボックスでインコースを待ち構えている様子なども、見ていてなかなか堂々としている。これはコッチマンもうかうかしていられないだろう。競争があるのはいいことだ。
下位の6番ジョシュ・ウィルソン、8番ロブ・ジョンソン、9番マイケル・ソーンダースのタコマ出身トリオがそれぞれシャープな打球音とともに2安打ずつ放って、ボルチモア先発のD・ヘルナンデスに好投されかかったゲームの主導権をガッチリ握ることができた。
ジョシュ・ウェルソンの大胆な空振りは、ちょっとボストンのペドロイアばりなところがあって、胸がすく(笑)今日のジョシュは守備でも、ベアハンドキャッチ&スローなど、好プレーを連発していた。また、インコースの球を鎌で草を刈るようなスイングをするソーンダースのスイングも、なかなか独特で面白い。ロブ・ジョンソンのバットにも本来のシュアさが戻ってきた。爽快な乾いた打球音がしている。
マイケル・ソーンダースのタイムリー(動画)
Baseball Video Highlights & Clips | SEA@BAL: Saunders knocks in a run with a single - Video | MLB.com: Multimedia

また、当たりが止まったままだったフィギンズのスイングにようやく回復のきざしがあったのも収穫。押し出しの四球を選んだこともいいが、それよりもヒットのイチローをランナーに置いた最終打席で、初球のアウトコース低めのストレートをレフト前に運んだ積極性が、なによりいい。初球をすかさずヒットするフィギンズなんて、シアトルでは初めて見た気がする(笑)四球ばかりでは味気ない。

こうした積極的な打撃への変化が、コックレル打撃コーチの解雇の成果なのかどうかは、まだわからない。
だが、少なくとも言えるのは、今日のシアトルの打者は「振っていいカウントや、振り回していいシチュエーションでは思い切りよくバットを強振し、一方で、待つべきときには、ボール球を冷静に見逃す」というシンプルなバッティングの基本が、しっかりできていた打者が多かった。
もちろん、全員の打球音が良かった、とは言わない(苦笑)


マイナス面も、残念ながら、ある。
というか活躍選手が出てくると、そういう負の面は、かえって目立つ。

子供でもわかることだが、ロペスグリフィーのところで、どうしても打線が切れ、得点圏のランナーを無駄にしている。
監督ワカマツは、若手起用を試し始め、打順に手をつけたのはいいとして、ランナーズ・オンの場面でダブルプレーだらけのロペスに4番を打たせ、もはやスイングに全くパワーの無いグリフィーをスタメン起用しつづけるような愚策をいつまで続けるつもりだろう。
打てない彼らにも責任がある。だが、その期待できないバッターを起用しつづけるマネージャーにはもっと大きい責任がある。打てないセクソンを4番に据え続けてファンを裏切り続けたかつてのシアトルを、また再現でもしたいのかといいたい。






damejima at 12:13

April 22, 2010

ヘルナンデスが2勝目となる8イニング無四球完投。今年テキサスからボルチモアに移籍した好投手ケビン・ミルウッドとの両先発投手完投ゲームに投げ勝った。シアトルの先発が完投するのはこれが今シーズン初。
ヘルナンデスのERAはこれで2.15、ERA1点台の大台もみえてきた。強敵の大投手ロイ・ハラデイがナ・リーグに行ったことだし、去年惜しくもとれなかったサイ・ヤング賞を今年こそとってもらいたいものだ。
これでシアトルは貯金2。開幕好調で先を走っていた首位オークランドがNYYに敗れたため、ついに同率首位となった!
Regular Season Standings | MLB.com: Standings
動画:Baseball Video Highlights & Clips | BAL@SEA: Wilson ropes a bases-clearing double - Video | Mariners.com: Multimedia

初回の1失点はブラッドリーの怪我の関係で臨時にレフトのスタメンに入ったマット・トゥイアソソーポのエラーによるもで、ヘルナンデスに自責点はついていない。
日米の自責点の考え方の違いについては、下記の記事を参照。日本でなら、初回のヘルナンデスには、自責点がついていたことだろう。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年3月30日、スポーツ・イラストレイテッドのJoe Posnanskiが、「非自責点」について語ったのを読んで、「日米の自責点の考え方の差異」についても勉強してみる。

キングの良き相棒ロブ・ジョンソンは、1点を追う4回裏の2アウト満塁のチャンスで同点タイムリーなど2安打。いつもながら、不思議な場面で打つ男である(笑)
それどころか、今日はなんと盗塁までしてみせて(笑)、ヘルナンデスを強力にバックアップした。ジャック・ウィルソンの3点タイムリー・ツーベースの場面で、ロブ・ジョンソンは1塁ランナーだったが、彼が長躯ホームインしたのも、とても意味のある走塁だった。彼は実はなかなか足が速いことがわかった。
動画:4回裏タイムリー Baseball Video Highlights & Clips | BAL@SEA: Johnson's infield single drives in a run - Video | Mariners.com: Multimedia
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:ロブ・ジョンソンの得点力・長打

ヘルナンデスは今日の8回QSで、去年から延々と続けている連続QS記録のほうもさらにひとつ加えて、17に伸ばした。公式サイトによれば、これはクラブレコードだそうだ。もちろんQSのほとんど全てはロブ・ジョンソンとのバッテリーによるもの。まさに鉄壁のバッテリーである。
Baltimore Orioles at Seattle Mariners - April 21, 2010 | MLB.com Gameday
Felix tops O's with 17th straight quality start | Mariners.com: News


今日のヘルナンデスの投球内容は113球投げて、ストライクがなんと82、ボールがたったの31。結果、ストライク率はなんと72.6%にも達した。19勝した昨年2009シーズンの夏でも、こんな高いストライク率で投げきったのはたった1試合しかないし、1ゲームで80もストライクを投げたのは記憶にない

以前に一度指摘したことだが、ヘルナンデスのストライク率は、四球数と非常に強い関連性がある(当たり前だと思うかもしれないが、そうならない投手もいる)。
また、さらに言えば、ヘルナンデスの場合、ストライク率と投球内容には一定の関連性があり、ストライク率が必要以上に高過ぎると、(もちろんヘルナンデスだからゲームにには勝てるのだが)内容面では良くないことがほとんど。
今日のゲームでも、貧打にあえぐ不調のボルチモア打線に9本のヒットを許している。(特にシアトル戦を得意にしているマーケイキス。3安打)
もちろん、そうしたピンチを、2併殺、無四球で切り抜けていくのが、ロブ・ジョンソンの手腕である。2併殺ともに、ボルチモア打線の要の2番ウィギントンというのが大きい。3番マーケイキスに3安打されているだけに、もし2番ウィギントンのところで打線が繋がっていたら、今日の勝利は危なかった。
相手チームのルーク・スコットは今日のヘルナンデスのピッチングをこんな風に言っている。
He did a good job of mixing up his pitches, hitting his spots, good sinker, good velocity on his fastball, hard curve, hard slider, good changeup.
球種をうまく混ぜたことが、9安打を打たれながら自責点ゼロに抑えることのできた要因になった。

2009年ヘルナンデスのストライク率と四球数

8月1日  104球58ストライク 55.8% 四球4
8月7日  113球70ストライク 61.9% 四球6
8月12日 105球67ストライク 63.8% 四球4
8月18日 106球69ストライク 65.1% 四球1
8月23日 101球67ストライク 66.3% 四球0
8月28日 104球63ストライク 60.6% 四球1
9月2日  114球67ストライク 58.8% 四球3
9月8日  113球69ストライク 61.1% 四球4
9月13日 109球65ストライク 59.6% 四球1
9月18日 104球65ストライク 62.5% 四球1
9月24日 108球77ストライク 71.3% 四球2 11三振
9月29日 120球69ストライク 57.5% 四球4
10月4日 107球72ストライク 67.3% 四球1
今日のゲーム
2010年4月21日 113球82ストライク 72.6% 四球ゼロ

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年10月5日、ヘルナンデスのストライク率と四球数の関係を解き明かす。(ヘルナンデスの2009ストライク率グラフつき)

今日のゲームはヘルナンデスの無四球完投勝利だが、ストライク率が70%を越えるような高い率になると、将来の大投手ヘルナンデスの場合にかぎっては、四球数は自然と1ゲームに1以下になる。
だから他のどこにでもいるような平凡な投手と違い、「無四球でゲームを終わること」それ自体は、ヘルナンデスの場合に限ってはそれほどたいしたことではない。むしろ、あまりにもストライクをとることに熱中しすぎて、投げ急いで打たれることのほうが怖い。

ヘルナンデスのストライク率と四球数の関係

もともと膝の故障を抱えているミルトン・ブラッドリーは今日はお休みで、マット・トゥイアソソーポにチャンスが巡ってきた。
初回に失点につながる残念なエラーをしてしまったが、これくらいのことはブラッドリーだって、バーンズだってやっている。好調の打撃面ではヒットを打てたのだし、問題ない。
なにより、4回裏のセンター方向のロブ・ジョンソンのゴロでセカンドに劇走してセーフにしたのは、ほかならぬトゥイアソソーポで、この走塁がゲームのターニングポイントだったと、ゲーム後にジャック・ウィルソンも語っている。なんとか今回のチャンスを生かして、スタメンに食い込んでもらいたいものだ。
バーンズのようなネタ選手を見るのは、もうセクソンで飽き飽きだ。どうでもいい。

監督ワカマツはもっと使える選手にチャンスを与えるべきだ。いくら選手が怪我をした臨時の処置とはいえ、バーンズがセンターなど、とんでもない。レフトでも代打でも、必要ない。






damejima at 15:29

April 21, 2010

ちょっと気になって調べてみて、驚いた。
こんなこともあるんだな。


2010年4月19日、昨日のゲームでダグ・フィスターが6回までノーヒットに抑える好投をしたのだが、相手チームはボルチモアである。
Baltimore Orioles at Seattle Mariners - April 19, 2010 | MLB.com Gameday

そういえば、去年ウオッシュバーンは準パーフェクトをやったなぁと思いつつ、このゲームを見ていたが、試合後に調べて、まずひとつ驚いた。
2009年7月6日に、ウオッシュバーンがセーフコで9イニングを1安打ピッチング、つまり、準パーフェクトゲームを達成して、ESPNの2009年ア・リーグ ベストゲームの第6位にランクインしたりしたのだが、このときの対戦相手もまたボルチモアだったのである。(スタジアムも同じセーフコ)
Baltimore vs. Seattle - July 6, 2009 | MLB.com: Gameday

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年7月6日、ウオッシュバーンとロブ・ジョンソンの鉄壁バッテリー、「準パーフェクトゲーム」達成!ウオッシュバーン初の「無四球試合」。9回1安打完封。


さらに、まだある。同じボルチモア相手にノーヒッターを達成しかかっただけなら、ボルチモアの打線が毎年湿っているとかなんとか説明されてしまいそうなものだが、実は、両方のゲームでノーヒッターを阻止したのが、同じ打者だったのだ。

ニック・マーケイキス。
ボルチモアの強肩のライトである。

ウオッシュバーンの準パーフェクトゲームでは、4回2死から、5球目の4シームをレフト前ヒット。レフトはランガーハンズ。
また、ダグ・フィスターのゲームでは、7回無死から、4球目のストレートをセンター前ヒット。センターはフランクリン・グティエレスである。

マーケイキスは2003年のドラフト1巡目(全体7位)でボルチモア入りした。アテネ五輪でギリシャ代表として投手も務めているように、元々カレッジ時代には投手と外野手、両方をやっていた。
強肩のライトであり、2008年の補殺数はメジャー1位の17、2009年は2位の13。ボルチモアのファンは、もし同時代にイチローがいなければ、オールスターのア・リーグのライトのスターターは、このマーケイキスになっていたかもしれないと思っているのかもしれない。

MLB 年度別補殺数1位・2位
2000 デイブ・マルチネス 15  アブレイユほか1名 13
2001 ラウル・モンデシー 18  ゲレーロ 14
2002 ロバート・フィック 21   ゲレーロほか1名 14
2003 リチャード・ヒダルゴ 22 ホセ・クルーズJr. 18
2004 リチャード・ヒダルゴ 14 アブレイユほか4人 13
2005 ジェフ・フランコーア 13 イチローほか4人 10
2006 ブラッド・ホープ 16   ジェフ・フランコーア 13
2007 ジェフ・フランコーア、マイケル・カダイアー 19(同数)
2008 マーケイキス 17     ハンター・ペンス 16
2009 ハンター・ペンス 16   マーケイキス 13

2010年 補殺ランキング
MLB Baseball Fielding Statistics and League Leaders - Major League Baseball - ESPN

捕殺数ランキングに載っているプレーヤーの大半はライトのプレーヤーである。メジャーにおけるライトのポジションが、補殺で観客を魅了する、という意味で、ある意味の守備の花形ポジションであることがよくわかる。守備位置が深く、補殺が容易ではないセンターはキャッチングが命だが、ライトのプレーヤーは、キャッチングに加え、強肩でなければ一流にはなれない。

イチローの名前が上のリストにちょっとしかないが、心配ない。理由はハッキリしている。
補殺12を数えた2003年、2004年には、ランキング3位、4位、2005年には補殺10で2位になっているし、そもそもイチローの強肩がメジャー全体に知れ渡ってしまってからというものは、試合を見ていればわかることだが、ことごとくサードを回るランナーが自重してしまって、ホームに突入してくれなくなってしまった(苦笑)これでは補殺を増やしようがない。イチローの補殺シーンを見たいのに、残念なことである(笑)
また、補殺が多いからといって、そのプレーヤーが全ての守備においてソツがないというわけではない。例えばゲレーロは送球や守備が粗いといわれ、ゴールドグラブをとったことがない。強肩はあくまで守備の一部であって、全てではない。


なにはともあれ、
次にノーヒッターにチャレンジするときは、マーケイキスにだけは注意しなければならない(笑)





damejima at 09:42

April 20, 2010

4月13日のホームゲームで今シーズン好調のオークランド相手に一歩も引かない無四球の好投をみせていたフィスターロブ・ジョンソンのバッテリーが、こんどはボルチモア相手に6回までノーヒットに抑え込む好投をみせた。
イチローの浅いフライのランニングキャッチ、フィギンズのライト前に抜けるゴロを好捕して反転しながら見事に送球したファインプレー、ジャック・ウィルソンのファインプレーなど、ノーヒット・ノーランが達成されるとき特有の雰囲気があっただけに、7回にマーケイキスに初ヒットを許したときには、残念だと思うと同時に、なんとなく肩の荷が下りてホッとした(笑)

いくらブライアン・ロバーツが怪我(腹筋痛らしい)で欠場していて元気のないボルチモア打線とはいえ、6回を終えた時点で70球前後と、フィスターのピッチングは非常に効率がよかった。この2試合のホームでの登板で、許した四球はわずか1つである。
今日も終わってみれば、95球投げてストライク63。綺麗にボール:ストライクが1:2の理想配分になっていたことからも(四球、死球と続いた初回を除いて)いかにバッテリーがピッチングをコントロールできていたかがわかる。
これでフィスターはロブ・ジョンソンと組んで2連勝。やはりロブ・ジョンソンと組んだときの投手のERAは驚くほど低くなる。
Baltimore Orioles at Seattle Mariners - April 19, 2010 | MLB.com Gameday

投手コーチ リック・アデアの試合後のコメント
アデアも、この2試合のフィスターの仕事ぶりが「バッテリーとしての仕事」である部分を十分に認識している。
"I think in terms of movement and command, yeah," Adair said. "He was good. Again, he commanded both sides of the plate, was down in the zone and used his soft stuff when he needed to. He did a lot of things well and [catcher Rob Johnson] did a tremendous job with him."
Fister's gem, seven-run third down O's | Mariners.com: News


たぶんせいぜい2ヶ月もあれば、つまり夏になる前に数字的にハッキリ結果が出るだろうと思っているのだが、ロブ・ジョンソンとアダム・ムーア、この2人のマスクのゲームで、だいぶERA、被打率、四球数など、いろいろな数字に差が出る、と予測している。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年4月13日、初回イチローを三振にしたオークランドバッテリーのたいへん美しい配球。持ち球の少ないフィスターに「ストレートのみ」で素晴らしいピッチングを披露させたロブ・ジョンソン。2人のキャッチャーの「素晴らしき配球合戦」。

ちなみに、去年デビューのフィスターの年度別捕手別のCERAなど、簡単な数値をあげておく。
昨シーズンのフィスターはダメ捕手城島とばかり組まされ、53イニングでなんと11本もホームランを打たれている。
言い換えると、運の悪いことに彼はデビューイヤーに、まったくといっていいほどロブ・ジョンソンとはバッテリーを組ませてもらってない。つまり、まぁいってみれば、フィスターは「ロブ・ジョンソン効果」の凄さを何も体験しないまま、デビューシーズンを終わってしまったのである。

2009年 フィスターの捕手別データ
(数値はCERA、被打率、被OPS)
城島        53イニング 4.58 .271 .810 
ロブ・ジョンソン  1イニング 1.29 .250 .650
アダム・ムーア  7イニング 0.00 .200 .551
Doug Fister 2009 Pitching Splits - Baseball-Reference.com

2010年 フィスターの捕手別データ
(数値はCERA、被打率、被OPS)
ロブ・ジョンソン 15イニング 0.60 .120 .294
アダム・ムーア  4イニング  4.50 .333 .817
Doug Fister 2010 Pitching Splits - Baseball-Reference.com


いかに、2009年の監督ワカマツのチームマネジメントが、ダメ捕手に気をつかって投手を任せてしまい、チームの負けを無駄に増やしていたかがわかる。ほんとうにさっさと首にすべきだった。

2010シーズンはちょっと違う。フィスターとアダム・ムーアとの相性がイマイチだとわかると、サクッとロブ・ジョンソンとのバッテリーに切り替えて大成功を収めた。
2010シーズン開始当初は、ヘルナンデスローランド・スミスがロブ・ジョンソンの担当みたいな感じで始まったが、4月19日の段階では、デトロイト3連戦でローランド・スミスがアダム・ムーアに替わった一方で、4月13日以降フィスターの担当がロブ・ジョンソンに替わったように、柔軟な対応にはなっている。


これからクリフ・リーエリック・ベダードのベテラン投手たちが現場に復帰して陣容が本格的に整うわけだが、アダム・ムーアのリードがどうも単調であることがわかってきているだけに、(去年あちこちを手術しているロブ・ジョンソンの体調面に不安がなければ、だが)先発投手5人の大半をロブ・ジョンソンが受ける時期が遠からずやってくるのが当たり前の結果だと思っている。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年4月6日、スネル、アダム・ムーアのバッテリーが多用し、延長サヨナラ負けを招いた「同じコースにストレート・変化球を続けるパターンの欠陥」をちょっと研究してみる。






damejima at 21:26

April 14, 2010

まだ試合は始まったばかりなのだが興奮している。

なぜって、投球術にたけた大投手ロイ・ハラデイや、ベテラン・クローザーのネイサンが投げているわけでもないのに、このゲームの序盤3イニングが、両チームの素晴らしいバッテリーワークによる「両軍配球ショー」のような様相を呈した、非常に稀にしか見られないテクニカルなゲームになっているからだ。
Oakland Athletics at Seattle Mariners - April 13, 2010 | MLB.com Gameday

こんな中身の濃いゲーム、長いシーズンでもそうそう見られないと思う。超レアといってさしつかえない。なぜNHKはこういう素晴らしいゲームを放送しないのだろう。アホウとしかいいようがない。


まずオークランドサイドだが、1983年生まれのカート・スズキが、素晴らしくコントロールのいい1988年生まれの若い左投手ブレット・アンダーソンとのバッテリーで、アンダーソン独特の低めに流れるカーブを非常に美しい配球の中で有効に使って、シアトルの打者たちを手球にとった。
ストレートを左右一杯(特にハーフハイト)に散らしながら、最後は左打者でいえばアウトロー、右打者ではインローに、沈みながら流れるカーブを空を切らせ続けているのである。

一方でシアトルの1983年生まれのキャッチャー、ロブ・ジョンソンは、まだ持ち球の少ない1984年生まれの右投手ダグ・フィスターに、ゲーム序盤、なんとストレートオンリーで勝負させ続け、コースの投げわけのみで、3イニングをもたせてしまった。(4回以降には変化球を混ぜ始め、結局フィスターはなんと無四球で8回を投げ切ってしまった

素晴らしい「配球合戦」である。

追記:試合後のフィスターへのインタビュー
Bradley's homer backs Fister's gem | Mariners.com: News
What worked so well?
何が今日の好投につながった?
"Attacking the hitters, being able to keep the ball down and kept things moving," he said. "[Catcher Rob Johnson] mixed the pitches well tonight."
「打者に向かっていったことだね。常にボールを低めに、そしてボールを動かし続けたこと」とフィスター。「(キャッチャーのロブ・ジョンソンが)今夜はうまく配球してくれたよ」



まずはとりあえず1回裏に天才打者イチローが三振にうちとられた場面から見てもらおう。
敵ながら天晴れ、素晴らしい配球である。たいへんに美しく、無駄がない(ただ、ロイ・ハラデイほどではない。彼は別格だから。)イチローの熱狂的なファンである自分が言うのだから間違いない(笑)

2010年4月13日 1回裏 イチロー 三振1回裏 イチロー
三振


以前に、下記の記事で、6つの配球パターンを紹介した。Pitching Professor Home Pageを主催するJohn Bagonzi氏によってWeb上に発表されている、ストレート、カーブ、チェンジアップ、3つの球種だけを使った6つの配球パターンである。
Pitching Professor Home Page

WebBall.com - Pitch Sequence & Selection

上の画像のイチローへの配球はこうなっている。

外一杯ハーフハイト ストレート 見逃しストライク
外にはずれる カーブ ボール
内一杯のハーフハイト ストレート ファウル
外にはずれる カーブ(2球目とまったく同じ球)空振り三振

まさに、John Bagonzi氏の紹介する6つの配球パターンのうちの5番目、5TH SEQUENCE Living on the outsideである。
三振した球は、見逃してボールになった2球目とまったく同じ球である。天才イチローに、一度は見逃したボール球を振らせて三振にしてしまうのだから、いかにこの配球が素晴らしいかがわかる。
また、これは典型的な「4球で打者を仕留める配球」になっていて、教科書に載せたいくらいの、いい意味でスタンダードな配球だ。野球をやっている多くの人にとてもタメになる教材のような、そういう配球だと思う。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」 『damejimaノート』(1)「外角低め」「ストレート」という迷信

5TH SEQUENCE
Living on the outside


1. Fastball outer half
2. Curveball low and away
3. Fastball in
4. Change-up low and away

カート・スズキは、よほどイチローを研究していると見える。なぜなら、以前紹介したように、イチローがメジャーで唯一苦手としているカウントが、「1−2」なのである。そういう部分も、カートはきちんと計算にいれた上でイチローを攻めている。今日のイチローは何度もこの1-2というカウントに追い込まれて、凡退させ続けさせられた。

なお、上に挙げた美しい配球が偶然に生まれたものではないことを証明する証拠を2つ挙げておく。1回裏に三振したフランクリン・グティエレスと、2回裏のチャンスの場面で三振したロブ・ジョンソンへの配球である。
グティエレスの三振の配球もまた「美しい4球配球」である。イチローは左で、グティエレス、ロブ・ジョンソンは右だから、右打者用にアレンジされているが、基本コンセプトは全く同じであることは、下記の2枚の画像を見てもらえばわかると思う。三振したのも、イチローとまったく同じ、低目のカーブである。

2010年4月13日 1回裏 グティエレス 三振1回裏 グティエレス
三振


3球目のストレートと、4球目のカーブは、打者から見て、途中まで少し軌道が似ている。打者の手元に来て、そこからスウッと流れるのだから、いやらしい。3球目をファウルしたグティエレスは、4球目もバットが止まらず、空振り三振。

2010年4月13日 2回裏 ロブ・ジョンソン 三振2回裏 ロブ・ジョンソン
三振


インローに、「ストライクになるカーブ」、「ボールになるカーブ」をしつこく、しつこく投げられて、最近は四球を選ぶのがうまくなってきたロブ・ジョンソンも、さすがに根負けし、三振。


さて、かたやシアトルのロブ・ジョンソンフィスターのこちらも若いバッテリーである。
フィスターのストレートのスピードは90マイル前後しかないのだが、非常にうまく「投げ分けて」、打者に狙いを絞り込ませないで、かわし続けることに成功した。

「投げ分ける」というと、日本ではどうしても「コーナーぎりぎりを、きわどく突く」というイメージをもたれやすいが、それではかえって単調になる。
次の画像のオークランドの6番チャベスを三振にとった場面を見てもらうとわかる。バッテリーが目標にしているのは、「むやみに苦労してコーナーをつくこと」(そしてかえってコースが甘くなり、打者にも狙いを絞り込まれて、ホームランを打たれること(笑))ではなく、「打者の狙いを適度に翻弄すること」である。
適度に翻弄できれば、それでいいのである。

初球  アウトハイ ストレート ファウル
2球目 アウトロー ストレート ボール
3球目 イン ハーフハイト ストレート 見逃し
4球目 アウトロー ストレート 見逃し三振

2010年4月13日 2回表 オークランド チャベス 三振2回表 オークランド
チャベス 見逃し三振


配球がちょうど「三角形」になるのが、このパターンがうまくいっているときの証拠。コーナーいっぱいばかり狙っていると、「四角」にはなるが、「三角形」にはならない。

初球から高めの球を使うのが、とてもロブ・ジョンソンらしい。何度も紹介しているように、彼の得意パターンの「アウトハイ・インロー」でも、高めの球から入る。
上で挙げたイチローの三振では、見逃した2球目を4球目で空振りして三振したが、チャベスは、2球目と似たコースの4球目を「見逃し」て三振している。
カート・スズキブレット・アンダーソン「振らせる三振」と、「見逃させる三振」の、ここが違いである。
おそらくチャベスはこの場面、変化球か、インコースのストレートでも待っていたのかもしれない。チャベスにそう思わせた、つまり、狙いをはずさせた原因は、明らかに3球目のストライクが、アウトローいっぱいではなくて、インコースのハーフハイトだったからだ。

もし3球目のストライクがアウトローいっぱいのストレートだったなら、どうだろう。打者に4球目を予測されて、投手には大きな制約、足枷(あしかせ)ができる。例えばアウトローに変化球をもってきてもファウルできてしまうかもしれないし、アウトローに2球続けてストレートでも、3球目で同じ球で追い込まれたプロの打者は同じ球筋を見逃してはくれない。
だからこそ、「ダメ捕手城島のごとく、ワンパターンにアウトローを突き続ける」のではなく「3球目のインコースがハーフハイトだからこそ、利いている」と明言できるわけだ。


こちらはおまけ。
いつもの「アウトハイ・インロー」パターンである。ここでは、ロブ・ジョンソン、フィスターのバッテリーはカーブを使った。
何度も言っているように、「アウトハイ・インロー」では、ストレートから入ったら、次にはストレートではなく、球種を変え、変化球を投げることがほとんどだ。これは高さだけでなく、球種も変えることで、打者に「アウトハイ・インロー」パターンの変化のスケールを大きく見せる狙いがあるのだと思う。
上で示した「イン・アウトのコース、ハーフハイトの高さを有効に混ぜながら、ストレートだけを投げわけて、打者の狙いをかわし続けるパターン」とは大きな違いがある。

2010年4月13日 3回表 ペニントン センターフライ 3回表 オークランド
ペニントン
センターフライ







damejima at 12:12

April 10, 2010

去年、「キロス問題」(参照:ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:「城島コピー捕手」キロスと「キロス問題」)以降、いろいろと落ち着かないシーズンを過ごしたバルガスが、先発投手としての開幕を迎えた。いまちょうどテキサス相手に投げている最中だが、どうにもハラハラする(笑)
Seattle Mariners at Texas Rangers - April 9, 2010 | MLB.com Gameday


彼の持ち球の命といえば、本人いわく、チェンジアップ、ということになるが、野村克也氏の言う「3拍子パターン」を、1回表からずっと続けている。ストレートを2球ほおっておいて、3球目にチェンジアップ、という典型的な「3拍子パターン」である。
(ゲームの中盤からは、ストレートを2球続けてからチェンジアップにいくパターンを、チェンジアップから入ってストレートというパターン、あるいは、ストレート、チェンジアップ、チェンジアップというパターンに変えたが、それでも、チェンジアップの球数が多すぎる。
結局のところテキサスの打者は初球か3球目のどちらかにチェンジアップが来ると予測できてしまう。)

いつテキサス打線につかまってしまうのか、非常に心配しながら、ハラハラして観戦しているのである(笑)なんとか最後までもってもらいたい。


かつてダメ捕手城島の使った3拍子パターンについては一度指摘したことがある。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」 『damejimaノート』(5)実証:ロブ・ジョンソンと城島との違い 「1死1塁のケース」


ちなみに、テキサス打線というのは、低めの球に異常に強く、高めに弱い。そのことも去年一度書いた。ロブ・ジョンソンはそこを逆手にとって、「高めのストレート」から入る配球でテキサス打線を翻弄したことがある。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:最終テキサス戦にみるロブ・ジョンソンの「引き出し」の豊かさ (1)初球に高めストレートから入る


バルガスのチェンジアップについてはいろいろと書きたいことがあるので、この記事は後で書き足そうと思う。






damejima at 10:19

April 07, 2010

昨日のヘルナンデス、ロブ・ジョンソンのバッテリーから、2戦目はスネルアダム・ムーアのバッテリーになった。

このバッテリーの場合に配球の主導権がピッチャーとキャッチャー、どちらにあるのかはわからない(ゲーム終盤に投手が変わっても配球パターンが変わらなかったから、たぶんアダム・ムーアだと思う)のだが、去年アダム・ムーアについて一度指摘した「ワンパターン化しやすい」という特徴が非常に強く出ているゲームのように思うので、ちょっと書き留めておきたい。
Seattle Mariners at Oakland Athletics - April 6, 2010 | MLB.com Gameday

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.: メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」 『damejimaノート』(6)実証:アダム・ムーアの場合



下に挙げたのは、4回裏に5番のカート・スズキにホームランされたシーンである。ストレートと変化球を、同じ位置に集めていることに注目してもらいたい
2球目に真ん中低めに89マイルのストレートを投げ、3球目に、2球目とまったく同じコースに77マイルのスローカーブを投げて、スタンドに放りこまれた。

2010年4月6日 4回裏カート・スズキ ホームラン4回裏 カート・スズキ
ホームラン

ストレート(2球目)
2球目と同じコースのスローカーブ

次の打者は6番のチャベス。ホームランを打たれた直後だったが、さっそくシングルヒットを打たれ、この後、2死満塁のピンチになった。
チャベスへの初球は、真ん中に危ないストレートを投げ、1球おいて、3球目にチェンジアップを初球ストレートと同じコースに投げ、シングルヒットを打たれている。

2010年4月6日 4回裏チャベス シングル4回裏 チャベス
シングル

初球ストレート
初球と同じコースのチェンジアップ

この「まったく位置に、ストレートと変化球を続けて投げる」という配球パターンは、なにも4回だけではなく、このゲーム当初から何度も何度も繰り返し使っている。9回裏1死満塁でデイビスへの最初の2球でも使ったし、10回裏2死1、2塁で、マーク・エリスへの最初の2球でも使った。

4回裏以外の例をあげてみよう。

3回裏。9番ペニントンの打席。インハイに、チェンジアップ、ストレート、ストレートと、3球続けている。ペニントンに通用したパターンを次のイニングでも使って、カート・スズキにホームランを打たれているだが、やはりカートはキャッチャーだから、やはり相手のパターンの単調さを見逃さなかったのかもしれない。

2010年4月6日 3回裏ペニントン サードフライ3回裏 ペニントン
ピッチャーゴロ

チェンジアップ
初球と同じコースのストレート
3球続けて同じコースのストレート


そして、サヨナラヒットを打たれた10回裏のマーク・エリス
このサヨナラヒットが最悪なのは、初球のストレートの後に投げた2球目のカーブが初球のストレートと同じコースで、さらに、3球目に、2球目とまったく同じ球を3球目にも投げていること。2重にミスを犯しているわけだ。
同点でヒットが出ればサヨナラ負けのこの緊迫した場面でこれは、明らかに配球ミスとしか言えない。

2010年4月6日 10回裏2死1,2塁 マーク・エリス サヨナラヒット10回裏 マーク・エリス
サヨナラヒット

ストレート
初球と同じコースのカーブ
2球目と全く同じカーブ


カーブを有効に使うために、わざとストレートを高めに投げておく、という配球パターンについて、Hardball Timesの論文を紹介したことがある。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」 『damejimaノート』(4)「低め」とかいう迷信 研究例:カーブを有効にする「高めのストレート」
元資料:Hardball Times
Pitch sequence: High fastball then curveball

上のHardball Timesの記事を詳細に読んでもらうとわかるが、要点は、同じコース上にストレート、カーブと連投する場合に、「カーブの縦方向の落差」を有効に活用するために、つまり、カーブがストンと落ちて見えるように、最初に投げるストレートをあらかじめ故意に高く投げておく、という点であることは明白である。

結論を先に言ってしまえば、
今日アダム・ムーアの使った配球パターンと、Hardball Timesの紹介している配球とは、まったくの別物である。原因もハッキリしていて、ストレートと変化球の高さを変えずに投げていることがいけない。

Hardball Timesの記事が言いたいことの要所は、何度も言うが最初にストレートを高めに投げておくこと、である。そうすることで、ストレートの次に投げるカーブの「タテ方向の落差」が、打者から見ると際立って見える。つまり、カーブが、投手から打者に届く間に、最初はストレートと同じような軌道で来て、そこからストンと縦に落ちるように錯覚させることができる、と、言っているのである。だから、打者はカーブへの対応が遅れ、ミスショットさせることができる。

もし、ホームプレート上で同じ高さになるように、ストレートとカーブを続けて投げるとどうなるか。
キャッチャーにボールが届いたときにストレートとカーブが同じ高さ、ということは、逆算すると、投手の手を離れた瞬間には、明らかにカーブのほうが高い軌道を描く。
これでは、打者が投手の手をボールを離れていく瞬間に、ああ、ストレートと違うボールが来るなとバレてしまう。
それではまったく意味がないのである。


このゲームでの下記の4回裏の成功例と比べて見てもらうと、
Hardball Timesの主張したい部分がよくわかると思う。
4回裏に、カート・スズキにホームランされた後、2死満塁まで進んで、1番デイビスをピッチャーゴロに抑えたシーンである。

2010年4月6日 4回裏2死満塁 デイビス ピッチャーゴロ4回裏 デイビス
ピッチャーゴロ

初球93マイルのストレート
2球目が、87マイルのチェンジアップ

この2球は、GameDayの画像でみたりすると、かなり高さに差があって、まったく違う高さのように思われがちだと思うが、実際の球の軌道の見え方としては、右投手であるスネルが、右打者に、高めのストレートと、アウトローのチェンジアップを投げているわけだから、いわゆる「投手の球の出所(でどころ)」は、GameDayで見るほど差がないはずなのである。



投手の手からボールが離れ、打者にボールが来るまでのプロセスで、ストレートとカーブで大きな軌道の差を打者に見せない、そのために、最初のストレートをわざと高めに投げておく、というテクニックが、Hardball Timesの言わんとする、「カーブを有効にする高めのストレート」という論文の要点なのだ。






damejima at 13:45

April 06, 2010

とうとうシアトルの開幕戦がやってきた。5年契約を結んだばかりのフェリックス・ヘルナンデスが先発。先発キャッチャーは良き相棒のロブ・ジョンソン
Seattle Mariners at Oakland Athletics - April 5, 2010 | MLB.com Gameday

立ち上がりのヘルナンデス、ロブ・ジョンソンのバッテリーはとにかくストレートをほうらなかった。シンカー、シンカー、また、シンカー。高速シンカーだらけ。そしてチェンジアップとカーブ。まるで王健民ばりのピッチングである(笑)

結果からいうと、ヘルナンデスはストレートを温存した。いざというときにならないと投げないし、投げるときには目の覚めるようなストレートをほおって三振を奪う。
ヘルナンデスに7分目のチカラで投げる貫禄が出てきた。素晴らしい。

またロブ・ジョンソンは今日のゲームで4つのダブルプレーをオークランドに食らわせた。去年同様、要所でダブルプレーに仕留めるロブ・ジョンソン流は健在である。(ロブ・ジョンソンが開幕試合でホームランを打ったのは出来すぎだが(笑)四球2つを選んだことがたいへん素晴らしい)
まだゲームは終わってないが
そして開幕戦勝利! 今年も彼らは頼りになりそうだ。


盗塁の多さ、四球の多さ。出塁率の高さ。そして打線の繋がり。2010年シアトルは、何もかもが変わろうとしている。


いくつか配球を紹介しておこう。
最初はハーフハイトのボールを多用したブログ主好みのパターン。

2010年4月5日ヘルナンデスのキレ味冴える配球ハーフハイトの配球パターン(3回裏・デイビス)

初球、2球目とインコースを変化球で突いて意識させておいて、3球目にいきなり、ほとんどここまで投げてこなかったストレートをアウトハイにズバン!と投げ、打者デイビスにファウルさせた。
この3球目を振らせたことで、4球目のアウトコース一杯に決まるカーブはまったく打者が手が出なかった。素晴らしい三振。



2つ目は、去年さんざん紹介してきた「アウトハイ・インロー」の典型的パターンだ。
日本では決め球はアウトローと決めてかかりやすいためか、「インハイ・アウトロー」パターンが多用される。インハイに変化球を投げておいて、決め球はアウトローにストレートを投げたがる。日本のプロ野球の中継でも見ながら一度メジャーの「アウトハイ・インロー」パターンと比べてみてほしい。
だが、メジャーでは(もちろん投手全員ではないが)、インロー(またはインコースのハーフハイト)にストレートを見せておいて、勝負球としてアウトハイに変化球を投げたりもする。まったく逆パターンである。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」 『damejimaノート』(2)「外角低め」「ストレート」という迷信 実例:「アウトハイ・インロー」の対角を使うメジャーのバッテリー

また、アウトのハーフハイトに変化球を何度も見せておいて、最後にインハイのストレートで勝負するパターンなども、配球教科書の最初のパートにのっていたりする。アウトローで決めることに固執しない様々な配球パターンが、若い頃から教え込まれているわけである。

4TH SEQUENCE
Away, away and in

1. Fastball lower outer half
2. Repeat fastball lower outer half
3. Curveball away
4. Fastball up and in

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」 『damejimaノート』(1)「外角低め」「ストレート」という迷信


ロブ・ジョンソンの多用するMLBで典型的な「アウトハイ・インロー」パターンは、コースの内外(うちそと)、高低を投げ分けるだけでなくて、早いストレート系のボールの後に緩い変化球(または逆)を投げることが多く、球種も変えてくる。つまり、球種の変化、ボールの軌道の変化に加えて、速度の変化、つまり緩急も加わる。
見た目にはただ内外に投げ分けているだけのように単純に見えるが、ヘルナンデスとロブ・ジョンソンのバッテリーでは、要所で多用され、非常に高い効果を挙げている。

2010年4月5日 開幕戦アウトハイ・インローの典型的パターン典型的な「アウトハイ・インロー」のパターン(5回裏・チャベス セカンドゴロ)

初球、アウトハイのカーブ。
2球目、インローに速度のあるシンカーで討ち取った。
ボールの内外のコース、高さ、、球種、ボールの軌道、速度、たった2球だが、あらゆる面で打者の目先を変え、けして打者にバットにまともに当てさせない。
2球目が、1球目と同じ速度のカーブではいけない。球種とスピードに変化がつかないからだ。だから2球目は、2シーム、速度のあるカットボール、速度のある高速シンカーなどでなければならない。







damejima at 13:51
2010シーズンがとうとう開幕を迎えたが、ジェフ・クレメントが移籍先のパイレーツで一塁手として先発出場した。
心からおめでとう、クレメント。これからの長いシーズンが君にとって満足のいく素晴らしいシーズンでありますように。
Los Angeles Dodgers at Pittsburgh Pirates - April 5, 2010 | MLB.com Gameday


今年のピッツバーグ・パイレーツは、なんだか面白い。いろいろなところから素質を秘めたプレーヤーを、移籍市場のマネーゲームとはまた別のルートで着々と集め、開幕を迎えた。開幕戦ではいきなり強豪ドジャースをバッティングで打ち負かしてしまうのだから、今年はちょっと違う。
1番に、あの大怪我のあとタンパベイから移籍した岩村
3番ライトは、ミネソタからやってきた2009年にわずか82ゲームで21本もホームランを打った強打の若手ギャレット・ジョーンズ
そしてショートはシアトルが放り出したロニー・セデーニョ、そしてとうとうメジャーのレギュラーポジションを掴んだジェフ・クレメントが一塁手。

特に注目なのはドジャース戦でもう2本のホームランを打ったギャレット・ジョーンズ。昨シーズン途中にテキサスからロサンゼルスに移籍したLAD先発のヴィンセント・パディーヤをさっそくぶちのめした(笑)パディーヤはテキサス在籍時にシアトルと対戦した、イチローファンにはお馴染みの投手。防御率こそよくないが、イニングを食える好投手だと思うし、悪くない。そのパディーヤをいきなりぶちのめしまくるギャレット・ジョーンズ、最高である(笑)
2010オールスターゲームはエンゼルスのホーム、アナハイムだが、そこでギャレット・ジョーンズの姿を見ることができそうな気がする。ぜひホームランダービーに(テキサスのジョシュ・ハミルトンのオールスターデビューのように)、もうひとりナ・リーグの若手で活躍を期待しているナショナルズのライアン・ジマーマンとともにリーグ代表として出場し、バットを思う存分ぶん回してもらいたいと思う。

去年さんざん言ったことだが、ロニー・セデーニョのバットにはけっこう期待できると思う。レギュラーで使ってやれば結果を出すはず。2009年のようなキレギレの起用では、誰だって結果など出せない。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:移籍後のロニー・セデーニョ


さて近年シアトルから移籍していったプレーヤーたちの開幕にも多少触れておこう。

ボルチモアを経てドジャースに移籍したジョージ・シェリルの開幕戦は、ちょっと散々だった。5番手として登板して、ピッツバーグの4番でキャッチャーのドゥーミットにホームランを打たれるなどして、3失点。チームの負けを決定づけてしまった。
そしてシェリルの後に投げたLADの6番手が、どういうわけか、あの「ウィーバー兄」こと、ジェフ・ウィーバー(笑)敗戦処理投手として開幕を迎えた。まだ野球をやっていたのか、という感じ。しぶとい男だ(笑)

ラウル・イバニェスは、フィリーズ移籍2シーズン目を6番レフトで迎えた。
Philadelphia Phillies at Washington Nationals - April 5, 2010 | MLB.com Gameday
フィリーズの開幕投手は、シアトルに来たクリフ・リーとの三角トレードで今年からフィリーズの大投手ロイ・ハラデイ
何度も語ってきたことだが、「少ない球数で長いイニングを投げ切る技術」にかけて、メジャーの現役投手で、ロイ・ハラデイを超える投手など存在しない。投球術においては、現役最高。芸術といえる領域に入っている。このゲームでも、88球で7イニングを投げている。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」 『damejimaノート』 序論:2009年9月30日、大投手ハラデイの「配球芸術」

その大投手ハラデイが早くもフィリーズに1勝目をもたらす一方、対戦相手ナショナルズの3番手として登板したのが、ミゲル・バティスタ(笑)。わずか1回2/3の間に、3安打4四球で、5失点。まさに期待を裏切らない男である(苦笑)野球の神様が愛しているのはやはり大投手ロイ・ハラデイであって、詩人ミゲル・バティスタではない。
ナショナルズには、かねてから期待しているライアン・ジマーマンがいて、さらに今シーズンからは一度記事を書いたことのあるアダム・ケネディがオークランドから移籍して、楽しみにしているので、バティスタには、どうか大人しくマイナーにでも行っておとなしくしているか、引退するかしてもらいたいものだ。

最後にカンザスシティに放り出されたユニスキー・ベタンコートは7番ショートで先発。なんと、デトロイトの好投手ジャスティン・バーランダー相手にフルカウントまで粘って、9球目をセンターへ放り込む2ランホームラン。天才なのか凡人なのか、いつまでたってもよくわからないままの男である(笑)
Detroit Tigers at Kansas City Royals - April 5, 2010 | MLB.com Gameday






damejima at 09:34

December 21, 2009

スポーツデータ分析会社スタッツ社の元・社長であるJohn Dewan氏は、野球における守備力を測るための指標のひとつであるプラス・マイナス・システムの考案者で、Fielding Bibleの発行や、MLBの守備をゴールドグラブとはまた違った視点から評価するFielding Bible賞も主催する、守備系セイバーメトリクス親父の代表的人物だ。

プラス・マイナス・システム - Wikipedia

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年10月31日、2009年Fielding Bible賞にみる「キャッチャーに必要な能力の新スタンダード」。ロブ・ジョンソン、キャッチャー部門9位にランクイン。

書籍としてのThe Fielding Bibleは、2009年2月にVolume IIが発行されたわけだが、Volume 気犯罎戮襪藩諭垢焚善がみられた、といわれている。
なかでも注目されているリニュアルのひとつが、捕手のディフェンス能力の評価だ。
ゴールドグラブに異を唱える形でThe Fielding Bible賞を設けたように、John Dewan氏が目指すのは、単にエラー数と盗塁阻止数を数えて順番に並べる、といった単純な話ではない。彼らが目指すのは、CERAなど各種のデータを元に投手をリードするキャッチャーの能力すら数値化しようという、大胆な「キャッチャーの守備能力の数値化」の試みである。
長年コネ捕手オタと、日本の一部のダメライター・一部の野球評論家が無理にでも無視しようと必死になってきたCERAだが、ここでは必要十分な評価が与えられ、キャッチャーの能力の評価基準のひとつとして、普通に機能している。
ACTA Sports
The Fielding Bible Volume IIでは、ピックオフ数などが評価項目に導入されたりするなど、評価のベースになる数値の発展が図られているが、今後とも刷新がさらに図られて、評価は重層化していくことだろう。
数値の扱いや評価方法の細部をどう評価するかについては、できたばかりのセクションもあることであり、今後も改善がなされていくことだろうから置いておくとして、「メジャーの野球では、捕手は壁で、まったくリードはしないのが常識」「メジャーでは投手の能力と捕手の力には関係は無いと考えられている」などと、どこで聞いてきたのかわからない馬鹿のひとつ覚えのセリフが、ここにきて、完全な間違いであることさえわかれば、とりあえず十分だろう。(もちろん、そういうことが日本の野球解説者や、頑迷で無能なスポーツライターに普及するのには時間がかかるだろうから、当分の間、MLBファンはそういう人々の失笑ものの発言や記事を目にすることになる)


Catcher Pickoff Leaders : ACTA Sports(記事中に、2009年版Defensive Runs Savedのキャッチャー部門の数値あり

この記事によれば、キャッチャーのDefensive Runs Savedは、版をあらためたThe Fielding Bible Volume IIで、多くの時間と労力が割かれた部分らしい。
「新たにピックオフプレーを、キャッチャーの守備評価のための対象データとして取り上げることにした」とコメントがあるが、Fielding Bibleがキャッチャーの守備評価の「数値化」と、キャッチャーというポジションの評価に関する新たなスタンダードづくりに、並々ならぬ意気込みと情熱を持っていることが感じられる。

The Fielding Bible―Volume II, we spent a considerable amount of time and effort on translating catcher defense into Defensive Runs Saved. We are now adding catcher pickoffs as an additional element.


さて、上に挙げた記事はThe Fielding Bible Volume IIがキャッチャー部門の評価について新たにピックオフプレーの評価を取り入れたということを報じる記事だが、その中に、2009年版Fielding Bibleのキャッチャー部門におけるDefensive Runs Savedランキングが記されており、我らがロブ・ジョンソンが見事にメジャー1位に輝いた。
Fielding Bible賞2009のキャッチャー部門で圧倒的な1位に輝いた、あのヤディア・モリーナ以上の評価なのだから、これはなかなかたいしたものである。
ちなみに、Fielding Bible賞2009キャッチャー部門の投票において、Fielding Bible主宰のJohn Dewanは、Defensive Runs Saved キャッチャー部門メジャー1位のロブ・ジョンソンには全く点を入れていないのだから、面白いものだ。(2009年のロブ・ジョンソンの守備能力を最も評価しているのは、セイバーメトリクスの創始者ビル・ジェームズなど)

Fielding Bible2009受賞者

Fielding Bible2009 投票者と投票内容、投票対象プレーヤー


Defensive Runs Saved Leaders―Catchers
(2009 through September 10)
Player   Runs Saved
Koyie Hill 8
Rob Johnson 8

Koyie Hillは、今シーズンカブスで83試合に出場したプレーヤー。CERAは3.69(キャリア、4.23)と、優秀な数字を残していて、明らかにFielding Bibleが捕手のDefensive Runs Saved Leadersの選定を行うにあたって、CERAを考慮していることを示している。
Koyie Hill Statistics and History - Baseball-Reference.com

ロブ・ジョンソンは、ある意味で、メジャーのキャッチャーの評価基準をかえつつあるプレーヤーなのである。それは、言い換えると、こういうことだ。

「投手の成績というものは、キャッチャーの能力によって影響を受ける部分がある」「キャッチャーは、投手の球を受ける単なる『壁』ではない」「キャッチャーの守備能力は、単にエラー数や盗塁阻止数などで測定できたりはしない」「CERAは立派に、キャッチャーの能力を判定する重要な基準のひとつだ」






damejima at 20:49

November 19, 2009

ザック・グレインキーのサイ・ヤング賞の受賞について、FA移籍が予定されるカンザスシティの捕手ミゲル・オリーボ
"I loved him and we had a great relationship, but that's baseball."「彼のことは好きだし、素晴らしい関係が築けたと思ってるよ。(でも、俺、移籍するんだよね)それがベースボールってもんさ」と、そっけないコメントをだした。移籍するにしても、ちょっと大人げない。

一方、ヘルナンデスの球を受けたロブ・ジョンソンは対照的に、あれやこれや、ヘルナンデスのいいところを、いつものように熱心に語った。
彼のロングインタビュー映像はMLBトゥナイトで見た数分程度のものしかないが(そこでも、彼はまずヘルナンデスのことから話を始めている)、今回のヘルナンデスについてのコメントもおそらく、言葉のリズムからして、身振り手振りを交え、あの童顔に笑顔を浮かべながら目をキラキラさせて熱心に語ったことだろうと思う。

シーズンが終わっているというのに、この温度が保てることが、彼の特別な才能だ。

ヘルナンデスが月間最優秀投手を初受賞した翌月、
2009年7月のMLB Tonightによる
ロブ・ジョンソン インタビュー

肉声から彼の人柄のほのぼのさが伝わってくる。
Baseball Video Highlights & Clips | Rob Johnson talks with MLB Tonight - Video | MLB.com: Multimedia


実際、ロブ・ジョンソンに、「数字に表せる」特別な才能があるわけではない。
ブライアン・マッキャンホルヘ・ポサダビクター・マルチネスのように、スタンドにホームランをバカスカ放り込めるわけでもないし、ジョー・マウアーのように、イチローばりのハイ・アベレージでヒットを打ち続けられるわけでもない。ヤディア・モリーナほど、肩が強いわけではない。

彼にやれることといったら、ひたすら投手のやることを面白がり、興味をもつことくらいだ。好奇心というやつである。

今回のヘルナンデスのサイ・ヤング賞選考記事でのロブ・ジョンソンのコメントのトーンは、今年の夏に、ウオッシュバーンの新魔球「ドルフィン」を開発するに至った経緯を話したときのロブ・ジョンソンのインタビューと、トーンが共通している。
投手のやることに常に興味をもち、投手とのやりとりをいかにも楽しそうに話す。それがロブ・ジョンソンだ。
2009年7月6日、ロブ・ジョンソンが準完全試合を達成したウオッシュバーンの新しい魔球「ドルフィン」と、その開発にいたるコラボレーションについて大いに語った。

彼はひたすら投手のやることを、面白がり、驚き、感嘆し、リスペクトし、笑顔で話す。よほど、キャッチャーという仕事が好きなのだろう。わがままな旦那、勝新太郎のことをニコニコ話せる中村玉緒さんのような男だ。

家族。友人。夫婦。恋人。誰でも、一緒にいる相手のことを興味をもつのが普通だと思うかもしれないが、メジャーは欧米のオトナの世界である。必要以上に相手に深入りすることはない。上にあげたミゲル・オリーボのコメントがドライなわけではなく、ただロブ・ジョンソンが人懐っこいだけだ。
この、「人に対する興味、好奇心」というのは、おそらくロブ・ジョンソンのもつ「非常に特別な才能」だと思う。そうでもなければ、これだけのERAを投手から引き出せない。

実際、ロブ・ジョンソンは、「数字に表せる才能」があるわけではないが、「数字に表しにくい特別な才能」をもっている。「人の才能を引き出す才能」である。こういう才は、えてして人の目につきにくいものだ。


今年のヘルナンデスは、たしかに19勝した。だが、ストライク率のグラフで示したことがある通り、常に絶好調というわけではなかった。投手とはそういうものである。負け試合というのに完投してしまいそうになるロイ・ハラデイのような、超然としたオトナは、そうはいない。ヘルナンデスだって、リンスカムだって、まだまだ若い。
2009年10月5日、ヘルナンデスのストライク率と四球数の関係を解き明かす。(ヘルナンデスの2009ストライク率グラフつき)

2009年10月6日、ヘルナンデスと松坂の近似曲線の違いから見た、ヘルナンデスの2009シーズンの抜群の安定感にみる「ロブ・ジョンソン効果」。(ヘルナンデスと松坂の2009ストライク率グラフつき)


そういう若いヘルナンデスと、ロブ・ジョンソンが、2人してやってきたことが、今年の19勝という勝ち星、最多勝というタイトルにつながった。
ヘルナンデスの今シーズンのプレー(動画・MLB公式)
Multimedia Search | MLB.com: Multimedia
ロブ・ジョンソンの今シーズンのプレー(動画・MLB公式)
Multimedia Search | MLB.com: Multimedia

19勝を達成したヘルナンデスとロブ・ジョンソンのバッテリー

投手だけに贈られるサイ・ヤング賞は、たしかに逃したかもしれないが、バッテリーとしてみれば、このバッテリーは、今年のメジャー、ア・リーグで最高のバッテリーだったと確信している。


誰も贈らないのなら、勝手に贈るまでだ。


フェリックス・ヘルナンデス殿。
ロブ・ジョンソン殿。

当ブログより、
2009年ア・リーグ 最優秀バッテリー賞を勝手に進呈する。

from damejima






damejima at 18:48

November 18, 2009

2009ア・リーグのサイ・ヤング賞投手は、カンザスシティ・ロイヤルズのザック・グレインキーに決まった。

2009 ア・リーグ サイ・ヤング賞 投票結果
Greinke gets one more win: AL Cy Young | MLB.com: News

ちなみに、シアトルでは唯一、あのランディ・ジョンソンがサイ・ヤング賞を1995年にとっている。1995年は、前年のメジャーのストライキの影響で観客が激減した年だが、ランディ・ジョンソンのサイ・ヤングの快投は観客をスタジアムに呼び戻す原動力になった。翌年の96年にシアトルは創設以来はじめて1ゲームあたりの観客動員数が3万人を越えている。
もし今回フェリックス・ヘルナンデスがサイ・ヤング賞をとれば、2人目になって、その部分だけはランディに肩を並べることができたわけだったが、とても残念だ。だが、素晴らしいピッチングをしたグレインキーには心からおめでとうといいたい。

創立時以来のマリナーズ観客動員数推移グラフ

創立時以来のマリナーズ
観客動員数推移グラフ
(クリックすると拡大)

グレインキーはまさに、今年のMLBの賞レースを席捲した「1983年生まれ」。レギュラーシーズンの試合をあまり見てはいないのだが、特に前半戦の防御率1点を切る時期の好投ぶりには、鬼気迫るものがあったようだ。
サイ・ヤング賞の投票に関しては、シアトル・タイムズ紙のベイカーが、「記者はまず防御率、ERAを見る」と言っていたように、結果もERAの差が大きく影響したようだ。
たしかにグレインキーは16勝しかしてないかもしれないが、例えばグレインキーのラン・サポート(RS)が3.92しかないのに対し、貧打のシアトルとはいえ、ヘルナンデスのRSが4.37あることから、グレインキーの勝ち数が少ないのは、ひとえに「チームが弱いため、しかたない」という判断が体勢を占めた感じだ。
2009年11月12日、2009年の攻守あらゆるポジションと賞を席捲し、これからのメジャーを担う「1983年世代」。

2009年10月27日、Kansas City Starは、ヘルナンデスとグレインキーのシーズンスタッツを補正した上で比較して、「勝負は五分五分」と語った。


過去にカンザスシティでサイ・ヤング賞になったのは、グレインキーが初めてではなく、Bret Saberhagenが2度(1985年、1989)、David Coneが1度(1994年)の、合計3回とっており、グレインキーで4回目となる。
歴代サイ・ヤング賞投手
MLB Awards | MLB.com: History

1985年のワールド・シリーズでは、カンザスシティ・ロイヤルズと、セントルイス・カージナルス、同じミズーリ州の2チームの対戦になり、2つの街がInterstate 70というハイウェイで結ばれていたことから、I-70 Seriesと呼ばれ、たいへんに盛り上がったようだ。
このシリーズではカンザスシティが勝ったが、MVPになった21歳の若きヒーロー、Bret Saberhagenは、この年、20勝6敗、防御率2.87でサイ・ヤング賞に輝き、さらにワールドシリーズMVP、リングを同時に得ている。
Interstate 70 - Wikipedia, the free encyclopedia

このグレインキーの球を受けたカンザスシティのキャッチャーは、城島がシアトルに来る前年までシアトルでキャッチャーをしていたミゲル・オリーボ。ヘルナンデスの球を受けたロブ・ジョンソンにとっては、シアトルの先輩キャッチャーのひとり、ということになる。
オリーボについてグレインキーは、
"Olivo did a fantastic job with me all year, we had a good bond together." と話して、その仕事ぶりを賞賛したが、オリーボのほうは、FAで他のチームに行くことになっていて、
"I loved him and we had a great relationship, but that's baseball."「彼のことは好きだし、素晴らしい関係が築けたと思ってるよ。(でも、僕は移籍するんだ)それがベースボールってもんさ」と、なんともそっけないコメントを残した。


ヘルナンデスは、終わってみれば、19勝5敗で、最多勝タイ。初タイトルを手にした。ほかにも被打率、被OPS、QS数などで、ア・リーグNo.1に輝いた。6月には月間最優秀投手を初受賞、7月にはオールスターに初選出。ERA2.49、奪三振217。238.2ものイニングを投げ、打たれたホームランはわずか15本。
ロブ・ジョンソンとのバッテリーで本当に素晴らしいシーズンを過ごした。

ヘルナンデスのシーズン別成績
Felix Hernandez Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN
このブログで「ヘルナンデス」をテーマに書かれた記事
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:カテゴリー:「キング・フェリックス」ヘルナンデス

MLBのシアトル公式サイトでは、ヘルナンデス、ロブ・ジョンソンのバッテリーを「ウイニング・コンビネーション(勝てるコンビ)」と称え、このバッテリーが15勝2敗、ERA1.98の記録を作ったことを褒めたたえた。
Wakamatsu also made catcher Rob Johnson Hernandez's regular batterymate.
It was a winning combination as Hernandez posted a 15-2 record and 1.98 ERA the remainder of the season and was selected to the AL All-Star team for the first time.
Felix finishes second in pursuit of Cy | Mariners.com: News

オリーボと対照的に、ロブ・ジョンソンは今年のヘルナンデスのピッチングの素晴らしさについて、またしても熱弁をふるって、その球を受けられる栄誉を熱をこめて語った。けっこう饒舌な男である(笑)
"He doesn't throw one pitch straight -- ever," Johnson said. "He has one curveball that goes sideways and one that goes straight down. He has a slider that backs up, breaks down and goes sideways. His changeup sinks and cuts. His four-seamer cuts and sometimes goes up, and his two-seamer sinks and you just never know how much.
"I honestly can say I have caught a potential Hall of Fame pitcher and a future Cy Young Award winner."


なお、公式サイトが「このバッテリーが2敗した」と表現しているのについては、キャッチャーがゲーム終盤に城島に変わり、「サヨナラ負け」したゲームが含まれている。もちろん、このブログでは、その1敗を、ヘルナンデス、ロブ・ジョンソンバッテリーの負けにはカウントするような、馬鹿なことはしない。
2009年9月8日、それまで安定していたローテを壊滅させてまで出場機会増を強行したコネ捕手、再びヘルナンデス登板ゲームに触手。結果、「延長10回裏サヨナラ負け」で、サイ・ヤング賞レースに、ヘルナンデスにとりつきたくてしかたがない厄病神の暗雲が再来。

この疫病神捕手は、トレードされたウオッシュバーンがセーフコに戻ってきたゲームにも先発して、「サヨナラ負け」している。大事なゲーム、要所のゲーム、記念すべきゲーム。そのどれにも勝ちを残せない、哀れな選手である。
2009年8月20日、シアトル公式サイトのジム・ストリートはロブ・ジョンソンとウオッシュバーンの「フィールドでの再会」をユーモラスに記事にした。 →だが無粋なチームの監督さんがスタメンマスクに選んだのは、なぜか「城島」 →最悪の「サヨナラ負け」(失笑)

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年5月19日、コネ捕手またもや14安打5盗塁され敗戦。5月3勝9敗。ヘルナンデスを自責点6でERA4点台に沈没させ、月間20敗に突き進んだ。(ヘルナンデスの「2点の差」計算つき)


一方、ヘルナンデス、ロブ・ジョンソンのバッテリーには、メモリアルなゲームが数多くあった。
LAAとの対戦で0-3で負けていて、9回にロペスの劇的な同点3ランが出て、逆転勝ちしたゲーム。グティエレスの逆転3ランで勝ったゲーム。
そして、イチローの9年連続200本安打達成ゲームに、ヤンキースのリベラからサヨナラ2ランを打った、あの素晴らしいゲームも、ヘルナンデス登板ゲームだ。

そのどれもが素晴らしい今シーズンのヘルナンデス、ロブ・ジョンソンのバッテリーの充実ぶりを祝福している。

2009年5月30日、劇的な同点ホームランから逆転勝ちで3連勝、ヘルナンデスはQS。
5月30日のヘルナンデス(動画・MLB公式)
Baseball Video Highlights & Clips | SEA@LAA: Hernandez allows just one unearned run - Video | MLB.com: Multimedia

2009年7月3日、ヘルナンデス、6月のア・リーグPitcher of Monthを受賞。6月に彼の球を受けたバーク&ロブ・ジョンソンにとっても名誉の受賞となる。

7月9日、城島の呪縛から解き放たれオールスター出場直前のヘルナンデスは8回QS、5連勝で9勝目。グティエレスの逆転3ランで獣のごとく吼えた。(「二度のテストに失敗した城島」長文)

2009年9月13日、ダブルヘッダー第二試合、祝・イチロー9年連続200安打達成! ヘルナンデスとロブ・ジョンソンのバッテリー快勝! 7回を4安打1四球でテキサスを零封して15勝目。

2009年10月4日、ロブ・ジョンソン、高めの球を効果的に使った好リードや8回の刺殺などでヘルナンデスに5連勝となる19勝目、ついにア・リーグ最多勝投手達成!!
10月4日のヘルナンデス(動画・MLB公式)
Baseball Video Highlights & Clips | TEX@SEA: Hernandez wins his 19th of the year - Video | MLB.com: Multimedia

2009年10月6日、フェリックス・ヘルナンデス、今シーズン2度目のア・リーグ月間最優秀投手受賞! ロブ・ジョンソンにとっても3度目の栄誉となる担当投手の栄冠獲得で、キャッチャーとして最高の栄光あるシーズンだったことを完全に証明してみせた。

メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」 『damejimaノート』(8)「配球しないで給料をもらえる捕手」を縁切りしたヘルナンデス


投手だけに与えられるのがサイ・ヤング賞だが、もしメジャーに投手と捕手のバッテリーに与えられる賞があるとすれば、上のオリーボとロブ・ジョンソンのコメントを読めばわかるとおり、間違いなくその賞は、今年フェリックス・ヘルナンデスとロブ・ジョンソンのバッテリーに与えられるべきである。






damejima at 17:31

October 28, 2009

地方中枢都市であるカンザスシティにはプロスポーツもいくつかあり、MLBのロイヤルズ以外に、NFLではAFC西地区所属のチーフス (Kansas City Chiefs) があり、メジャーリーグサッカーのカンザスシティ・ウィザーズ(Kansas City Wizards)もある。
そのスポーツの大好きなカンザスのスポーツを扱うサイトKansascity City Star電子版Upon Further Reviewが、今年のサイ・ヤング賞を占った連載記事を載せている。
Greinke vs Hernandez: My Vote | Upon Further Review
Submitted by Martin Manley on October 9, 2009 - 3:43am.

元日本ハムの監督ヒルマン率いるカンザスシティ・ロイヤルズは、今シーズンのサイ・ヤング賞候補グレインキーの所属球団。このサイトでは今年のサイ・ヤング賞について、最有力候補のヘルナンデスとグレインキー以外にも、ヤンキースのサバシアなども含めていろいろと候補たちのデータを考慮した上で、「どうみても今年のサイ・ヤング賞はヘルナンデスとグレインキーの一騎打ちだろう」と熱弁をふるっている。


この記事をとりあげてみたのは、アメリカ人がプレーヤーの残す「数字」、つまり成績を評価するのに、どういう角度から見ているか、という点が多少なりともわかるからだ。

例えば、ヤンキースのサバシアについては「データでヘルナンデスと比べれば、サバシアにサイ・ヤング賞はありえないこと」と断定してるが、比較に使うデータは、例として次のような項目があがっている。
たしかに日本でも最近は、OBP(出塁率)やSLG(長打率)などもだいぶ気にするファンが増えたが、まだまだ日本にはないデータも多く、たくさんのデータが実際に活用され、毎年開発されてもいる。
下記にサバシアとヘルナンデスの比較に使われたデータ項目を列挙してみたが、どれも珍しいものではない。むしろライター氏に言わせれば、詳細なデータがもっと必要なら、いくらでも挙げられるよ?という気持ちがあるはずだ。

ERA 防御率
QS% Quality Start Percentage、QS率
平均スコア
勝率
SO 奪三振
SO/BB 三振/四球
HR/9 被ホームラン率
BA 被打率
OBP 被出塁率
SLG 被長打率
WHIP Walks plus Hits per Innings Pitched「投球回あたり与四球・被安打数合計」

Hernandez has a better ERA, Quality Start percentage, Average Game Score and Winning percentage. That’s a few miles more than enough.

However, Hernandez is also better in SO, SO/BB, HR/9, BA, OBP, SLG, and WHIP. In fact, there isn’t a single stat of any substance where Sabathia leads Hernandez. Hernandez is first or second in seven of the above categories. The best ranking for Sabathia in any of them is third!


またヘルナンデスとグレインキーとの比較についても、見た目の勝ち数と防御率だけで比較するような単純なことはせず、いろいろ補正を加えた上で比較している。

例えば「シーズン勝敗」だが、見た目では19勝5敗のヘルナンデスに対して、グレインキー16勝8敗だから、ヘルナンデスに軍配が上がってしまうが、ライター氏は自分なりの補正を加え「両者21勝6敗」として、「両者甲乙つけがたい」と言っている。
もちろんグレインキーの地元メディアだけに、なんとか彼グレインキーに有利にしたいために数字に工夫するという心理がまったく働いていないかといえば嘘になるだろうが、それでも、無理な補正ではない。
たとえばヘルナンデス先発で負けていて、9回裏にイチローがリベラからサヨナラ2ランを打って勝ったあのゲームなども、まぁ、たしかに単純に投手力だけで勝ったゲームではないことはシアトルファンもわかっているわけで、無理矢理ではない補正を加えることについては、どちらのファンも納得できるわけだ。

記事では、そのほか、両投手の所属チームの強さ、RS(Run Support 味方チームが得点でどのくらいサポートしてくれているか)、守備力など、いくつかの項目をたてて、見た目の勝ち星、見た目の防御率だけではない統合的で補正をきかせた比較を試みている。
RSというのは、このブログでもこれまで何度もとりあげてきたように、その投手が登板したときに味方がどれくらい点をとって支援してくれたか、という数字。チームの打撃力には差があるし、また、投げる投手によっても、妙にRSの多い投手、少ない投手がある。(たとえばウオッシュバーンは、有名なRSの少ない投手)
ヘルナンデスは、あまりにも打撃力の無さすぎるシアトルのエースとして苦労しているが、そのヘルナンデスのRSよりカンザスのグレインキーのほうが、さらに1点くらいRSが少ない。つまりカンザスシティが点をまるでとってくれないままグレインキーは投げていることになる。
記者としては、RSの少なさを示して、グレインキーのサイ・ヤング賞を主張する材料にしたいわけだ。よく両投手とも、19勝だの16勝だのできたものである。


たとえば城島の打率を語る場合に、2007年にはシーズン通算打率これこれなどと、あまりにも大雑把な数字だけで能力を語ろうとする人は、いまだに多い。
だが、シーズン通算打率程度の粗っぽい数字には、プレイオフに進出できにくいシアトルの場合、プレイオフ進出の望みがまったく断たれた後の8月や9月に挙げた帳尻ヒットなども含まれている。
なぜプレイオフ進出の可能性のないプレーヤーの8月・9月あたりの成績を「帳尻」といいたくなるか、というと、メジャー特有のいろいろなシーズンシステムが関係してくる。

チーム間の戦力格差の非常に大きくなっているメジャーでは、7月過ぎに早くもプレイオフ進出できるチームの目星がだいたいついてきてしまうことはめずらしくない。
7月末にトレード期限がくるが、この期限までにプレイオフ進出確実な有力チームは「買い手」に回って、秋のプレイオフ戦線にむけて強化すべき戦力をトレードで集めるが、プレイオフの見込みのないチームは主に「売り手」としてふるまい、余剰戦力を交換に出したりするだけでなく、めぼしい主力を「買い手」に売ったりする。
たとえば、ワールドシリーズをめざすフィラデルフィア・フィリーズは、優勝見込みの全くないクリーブランド・インディアンズから、大投手クリフ・リーを獲得したのも、ポストシーズンの長いシリアスな戦いに備えるためである。

また9月になると、1軍登録できる人数が拡大される。
そのため、どのチームもマイナーから来シーズン使えるかもしれない選手を上げてきてテストするが、この場合も、プレイオフの見込みのないチームでは、ゲームの勝ち負けだけにこだわらずに(というか場合によっては度外視して)若手のテストを試みることも珍しくない。

だから総じていうと、リーグ全体が「フルチャージで戦っている」といえる状態は、7月末とかで一度区切りがついて終わってしまっている。そこからは長い消化試合を続けるチームもあり、若手のテストにむかうチームもありで、全チームでシリアスな戦いだけが続いているわけではない。だから「帳尻」という言い方ができてしまうのである。


ポータルサイトなどの日本のプロ野球についてのページをみても、いまだに打率や打点、ホームラン数といった粗いデータしか表示されておらず、「城島問題」においても、いまだに、城島の2007年の打撃の酷い中身を無視して「メジャー挑戦の最初の2年間に限れば、打撃はまぁまぁだった」などと、誤った理解がいまだにまかり通っている。
なんでもかんでも数字でモノを見ろというつもりはない。
だがたとえ打率が.265あろうと、四球がほとんどなく、併殺だらけで、その上、出塁率が.280くらいしかないようなお粗末すぎるバッティングは、メジャーでは評価されない、ということくらいは、もういい加減、たまに日本のプロ野球のナイターを見るだけのファンの間でも定着してほしいものだと思うのである。






damejima at 13:59

October 13, 2009

ちょっと時間があいてしまったが、ヘルナンデスとロブ・ジョンソンの「サイ・ヤング バッテリー」が19勝目を飾った最終テキサス戦のことを書いてみる。
Texas vs. Seattle - October 4, 2009 | MLB.com: Gameday


このゲームについては、すでに初出の記事で「高めの球を効果的に使った好リード」と、明確に書いておいた。もちろん、ちゃんと理由があってのことだ。
2009年10月4日、ロブ・ジョンソン、高めの球を効果的に使った好リードや8回の刺殺などでヘルナンデスに5連勝となる19勝目、ついにア・リーグ最多勝投手達成!!

ロブ・ジョンソンの今シーズンの英雄的な勝率の高さについては、馬鹿な城島オタや、データも無しに「気分」でモノを言ったり書いたりする評論家やライター、あまりバッテリーワークの細部を見ずにモノを言うアホウが、雁首そろえ、しかもジェラシー丸出しにして(笑)、「勝てるヘルナンデスを担当しているんだから、勝率が高くて当たり前」みたいな、理にあわないことを言う場面を何度となく見せてもらって、いつも腹を抱えて笑わせてもらっていたものだ。こんな馬鹿丸出しの話はない。
ヘルナンデスを担当するだけでサイ・ヤング賞がとれるなら、コネ捕手城島だって去年まで3年連続でサイ・ヤング賞とはいわないまでも、ヘルナンデスやウオッシュバーンに月間最優秀投手くらい受賞させていなければおかしいわけで、理屈にあわない。
いい大人が子供でもわかるヒガミをクチにして得意げになっていては、恥をかくだけだ。

今シーズンのロブ・ジョンソンとヘルナンデスのバッテリーについては、何度も記事を書いたが、思うのは、「彼らはすべてのゲームで成功してきたわけではない」ということだ。
ときには、ストレートにキレがないために、なかなかストライクがとれないゲームもあった。また、初回から相手チームにヘルナンデスの配球の基本であるストレートに狙いを絞りこまれ、対応に苦しんだゲームもあった。特に8月は、対戦相手が思い切って狙い球を絞るゲーム運びをしてきたケースが続き、相手打線の狙いをはぐらかすのに苦労したものだ。
だが、たとえ対戦相手から研究され、スカウティングされようと、それを乗り越え、相手を研究し返し、苦しいゲームを乗り切ったときに、はじめて、「ア・リーグ最多勝」「月間最優秀投手2回」「サイ・ヤング賞有力候補」というような、栄冠が得られるものだ。

名誉がなんの苦労もなく手に入るわけはない。
勘違いしてもらっては困る。



まぁシーズンも終わったことだし、そんな苦労の多かったロブ・ジョンソンにとって、名誉あるシーズンの締めくくり、集大成になった最終テキサス戦をサンプルに、今シーズンのバッテリーとしての工夫ぶりや、ロブ・ジョンソンの「引き出し」の多さについてのメモを書きとめておこうと思う。


このテキサス最終戦で、ヘルナンデスが対戦した打者は25人。
ゲームを見ていても「高めの球をうまく使っている」と感じたわけだが、後で調べてみると、ヘルナンデスが「初球に高めのボールを投げた打者」が9人ほどいる。対戦したバッターの3分の1程度には、だいたい同じ球を高めに投げていることになる。
この「3分の1」、というのが、いかにもロブ・ジョンソンらしさである。これが2分の1になって、相手に読まれてはいけないのである。

2回 ティーガーデン 三振
2回 キンズラー   レフトフライ
3回 ジェントリー  サードゴロ
3回 ジャーマン   ライトフライ
4回 マーフィー   レフトライナー 左打者
4回 ブレイロック  三振 左打者
5回 ジェントリー  ショートゴロ
7回 ブレイロック  四球 左打者
7回 ティーガーデン サードゴロ
(7回 ジェントリー レフトライナー 投手メッセンジャー)

初球、右打者には(1人をのぞいて)「インハイ」、左打者には「アウトハイ」に投げている。球種はほとんどがストレート。
要するに、投手ヘルナンデス側からみれば、「9人に、初球をまったく同じコースに投げた」ということだ。投手にしてみれば、同じコースに投げればいいわけで、たいへん投げやすいはずで、余計な気を使う必要がなく、精神的な疲労感が軽減できる。


なぜ、これら9人のバッターに「高めの球から入ったか」といえば、理由は簡単だ。
テキサス打線の大半が「高めの球、特にインハイが苦手だから」だ。

だからこそ、これらのバッターはのべ9人が9人とも、ヘルナンデスとロブ・ジョンソンのバッテリーの「高めの初球」をヒットすることはできなかった。4人がストライクを見逃している。

初球の高めの球を打てないテキサス打線
2回 ティーガーデン ボール
2回 キンズラー   見逃しストライク
3回 ジェントリー  見逃しストライク
3回 ジャーマン   見逃しストライク
4回 マーフィー   空振り
4回 ブレイロック  見逃しストライク
5回 ジェントリー  ファウル
7回 ブレイロック  ボール
7回 ティーガーデン ボール

FOX SportsのMLBページでは、Hot Zoneといって、打者のコース別の打率を、上下左右に9分割したコース別に公開してくれている。
それをみると、テキサスの打者はかなりの数、というか、大半の打者が「高め」を苦手にしていることがわかる。あの巧打で知られる右打者キンズラーでさえ、インハイは苦手なのだ。

ボーボン インハイとアウトローが苦手
Julio Borbon, Center Field, Texas Rangers, MLB Hot Zone - FOX Sports on MSN
マーフィー 典型的にハイボールヒッター
David Murphy, Left Field, Texas Rangers, MLB Hot Zone - FOX Sports on MSN
ブレイロック  インハイとインローが苦手
Hank Blalock, Designated Hitter, Texas Rangers, MLB Hot Zone - FOX Sports on MSN
キンズラー インハイとアウターハーフが苦手
Ian Kinsler, Second Base, Texas Rangers, MLB Hot Zone - FOX Sports on MSN
ティーガーデン インハイが苦手
Taylor Teagarden, Catcher, Texas Rangers, MLB Hot Zone - FOX Sports on MSN
ジェントリー アウトコース低めしか打てない
Craig Gentry, Center Field, Texas Rangers, MLB Hot Zone - FOX Sports on MSN
ジャーマン 高めがまったくダメ。逆に低め、インコースは強い
Esteban German, Second Base, Texas Rangers, MLB Hot Zone - FOX Sports on MSN

では、
Hot Zoneの示すような「データ的に打率の低いコースに投げてさえいれば打たれない」のか? 打者全員に「初球は打率の低いコースを投げていれば、初球だけは打たれないですむ」のか?

いやいや。そんなわけがない。
それでは打者に配球を読まれてしまう。読まれたら終わりだ。だから「3分の1」の打者にしか、「初球 高めストレート」を使わない。

それに、インハイの打率が低いからといって、それが本当に苦手コースかどうかは正確にはわからない、ということもある。インハイに投げてくる投手が少なかったとか、インハイのサンプル数が少ないだけ、という可能性だってある。



プロの打者というものは、たとえそれが苦手なコースや球種のボールであっても、あらかじめ「来る」とわかっていれば打ててしまう。まして、160キロの速球であろうと、超高速のブレる球、ナックルであろうと、どんな球でも打ちこなしてしまうのがメジャーだ。

余談になるが、どうも「ボールが投手の指を離れ、ボールがホームプレートに到達するまでのリーチ時間」と、「通常の人間の反射スピード」を単純に比較すると、「ボールのスピードや変化のほうが早すぎて、とても打てるはずはない」らしい。
では、なぜプロのバッターがバットにボールを捉えられるのかといえば、トレーニングによって反射スピード(「カラダが反応する」というやつ)を上げている以外に、異常なほどの天性の動体視力、投手のフォームのクセに対する「読み」、配球から次の球種やコースを予測する「読み」など、さまざまな能力がからむことで、それではじめて「打てる」ということらしい。


「初球にテキサス打線の苦手な高め」はいいが、
2球目だって問題だ。

以前に「メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」damejimaノート」というシリーズで紹介した「メジャー捕手と城島の『対角パターン』の正反対ともいえる違い」を思い出してもらいたい。
もしこれがコネ捕手城島なら、「インハイにストレート」を投げたからには、次の球は「アウトコース低めいっぱいの変化球」、とくにスライダーを投げそうなものだ。
城島のよく使う「対角パターン」というやつだ。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」damejimaノート

だが、しかし、今回とりあげた9人の打者に、ロブ・ジョンソン、ヘルナンデスのバッテリーは、一度も「2球目に、アウトコース低めコーナーいっぱいにスライダーを投げる」ような、無駄に力が入って神経質なだけで、労力のかかる無駄なことをしていない。

たしかに初球に高めを投げた9人のうち、2球目に変化球を投げるケースは半数ほどある。だが、どのケースでも2球目に投げたのは「真ん中低め」(数人は「真ん中」に投げてしまっているが、これはおそらくコントロールミスの可能性が高いだろう)であって、カーブ、スライダー、チェンジアップを投げわけている。もちろん、「真ん中低め」を決め球に使うのは、メジャーの配球のパターンのひとつである。
この結果、何人かの打者は2球目で打ちとっている。また、こうした組み立てをしたのは、2回から5回と、7回の5イニングだけで、1回と6回は組み立てをまったく変えている。

要は、ロブ・ジョンソンとヘルナンデスは「高めから入る組み立て」においては、「2球目で打ち取れるものなら打ち取って、さっさとイニングをすませたい」のであって、ひとりに6球も7球も使って無理矢理三振をとりたいと最初から考えて、意味不明な苦労をみずから背負い込んで投げているわけではないということ。
そもそも「2球目に素晴らしい変化球をアウトコースコーナーいっぱい、いっぱいに使って、絶対に打者のバットを振らせない、きわどいピッチング」をしなければならない必要性など、どこにもない。
気楽にやればいいいのだ。それが、2009年5月にアーズマの言った「サンデー・フェリックス」だ。

カテゴリー.:「サンデー・フェリックス」byアーズマ

2009年5月24日、デイビッド・アーズマが「ヘルナンデスがロブ・ジョンソンと組むゲームと、城島と組むゲームの大きな違い」を初めて証言した。

一応いっておくと、ロブ・ジョンソンバッテリーに「三振を最初から獲りにいく配球戦略」がないのではない。実際、このゲームの6回には、突然、「低めから入る配球」に切り替えて、テキサス打線をズバズバと3者三振に切ってとっている。

そのことについては、また後のほうで書く。






damejima at 05:55

October 07, 2009

19勝を達成したヘルナンデスとロブ・ジョンソンのバッテリー
シーズン最終戦を勝ち、ハグする
ヘルナンデスとロブ・ジョンソン


予想どおり、9月のア・リーグ最優秀投手にヘルナンデスが選ばれた。おめでとう、フェリックス。あとはサイ・ヤング賞の発表を待つのみだ。
サイ・ヤング賞が獲れるとこを心から祈っている。

9月は6登板。5勝0敗、防御率1.35。46回2/3と、9月は途方もないイニング数を投げたが、自責点はわずかに7だった。

Hernandez named AL Pitcher of the Month | Mariners.com: News

ヘルナンデス関連の動画(MLB公式)
Multimedia Search | MLB.com: Multimedia


ロブ・ジョンソンはこれで、6月のヘルナンデス、7月のウオッシュバーンに続き、担当する投手が3度目の月間最優秀投手受賞となった。彼の優れた資質を表現しきったシーズン、キャッチャーとしての名誉ある最高の2009シーズンに、立ち上がってスタンディング・オベイションし、心からの拍手を送る。

おめでとう、ロブ・ジョンソン。


2009年7月3日、ヘルナンデス、6月のア・リーグPitcher of Monthを受賞。6月に彼の球を受けたバーク&ロブ・ジョンソンにとっても名誉の受賞となる。

2009年7月5日、城島のいない6月を過ごすことができたフェリックス・ヘルナンデスは、6月の3勝ERA0.94で月間最優秀投手を獲得、ようやくオールスター出場を手にいれた。

2009年8月4日、ウオッシュバーン、7月のア・リーグPitcher of Month受賞!ロブ・ジョンソンは6月ヘルナンデスに続き2ヶ月連続で月間最優秀投手を輩出、キャッチャーとしての揺るぎない優秀さを証明した。

Players of the Month | MLB.com: News



シアトル公式サイトの受賞記事によれば、今シーズンのヘルナンデスは、まさに記録づくめ。

サバシアと並んでア・リーグ最多勝タイだが、勝率も.792で、これもア・リーグトップ。ロードゲームでの防御率1.99は、メジャートップ。奪三振217は、ア・リーグ4位。

またヘルナンデスは、球団史上200奪三振以上を達成した5人目のピッチャーとなった。さらに、ひとつのシーズンで、200イニング以上の登板、奪三振200以上、15勝以上の勝ち星、3.00以下の防御率を同時達成したのは、将来の殿堂入り確実の名投手ランディ・ジョンソン以来の快挙。


ヘルナンデスの全登板
Felix Hernandez Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN

4月6日  6回自責点1  城島 QS
4月11日 5回自責点5  城島
4月17日 6回自責点3  ジョンソン QS
4月23日 7回自責点0  ジョンソン QS 完封リレー
4月28日 8回自責点0  バーク QS 9三振
5月4日  6回自責点6  城島 負け  9三振
5月9日  4回自責点5  城島 負け
5月14日 7回自責点0  ジョンソン QS
5月19日 5回2/3自責点6 城島 負け
5月24日 8回自責点1  ジョンソン QS 10三振
5月30日 6回2/3自責点0  ジョンソン QS
6月5日  7回自責点1    ジョンソン QS
6月10日 7回自責点1    バーク QS
6月16日 9回自責点0    バーク QS
6月21日 7回1/3自責点0 バーク QS 8三振
6月27日 8回自責点0    ジョンソン QS 9三振
7月3日  7回自責点3    ジョンソン QS
7月9日  8回自責点1    ジョンソン QS
7月17日 8回自責点2    ジョンソン QS 8三振
7月22日 7回自責点1    ジョンソン QS 8三振
7月27日 5回2/3自責点7 ジョンソン
8月1日  7回自責点2    ジョンソン QS
8月7日  6回自責点3    ジョンソン QS
8月12日 7回自責点0    ジョンソン QS 10三振
8月18日 7回自責点1    ジョンソン QS 9三振
8月23日 6回自責点3    ジョンソン QS
8月28日 7回自責点3    ジョンソン QS
9月2日  8回自責点0    ジョンソン QS
9月8日  7回自責点1 ジョンソン→城島 QSサヨナラ負け
9月13日 7回自責点0    ジョンソン QS
9月18日 9回自責点1    ジョンソン QS
9月24日 8回自責点3    ジョンソン QS 11三振
9月29日 7回2/3自責点2 ジョンソン QS
10月4日 6回2/3自責点2 ジョンソン QS






damejima at 12:36
前の記事(2009年10月5日、ヘルナンデスのストライク率と四球数の関係を解き明かす。)で、近似曲線を使ってヘルナンデスのストライク率と四球数の関係を考えてみた。
かつてはストレートばかり投げたがったり、三振をやたらと取りたがったりしたヘルナンデスだが、ロブ・ジョンソンという最高のパートナーをみつけた今シーズンは、ひとことでいって「動じないピッチング」ができるようになったことが、データからもわかった。

どうなんだろう、
他の投手でも同じようなことは言えるのか?
四球数が変化をおこすストライク率の臨界数値は変わらないものなのか。

ちょっとイタズラ心が沸いて、今シーズン絶好調だったヘルナンデスとロブ・ジョンソンのバッテリーの抜群の安定感を、たいへん松坂君には恐縮だが、四球で崩れることが多いといわれ続けているボストンの松坂を引き合いにして、比較してみることにした。
下記のグラフで、黒い近似直線がヘルナンデス赤い近似曲線が松坂、である。(「近似曲線」とは何か、については、前の記事を参照)

ヘルナンデスと松坂 「ストライク率・四球数」近似曲線の違いクリックすると拡大します
©2009 damejima


なぜ、ヘルナンデスが直線で、松坂が曲線なのか。

見てもらうとわかるとおり、投手によって特性はまったく違っていた。
まず、ヘルナンデスだが、彼の近似曲線を「直線」で表現してあるのには、ハッキリした理由がある。ヘルナンデスの近似曲線が、2次式でも4次式でもたいした変化がなく、ほぼ直線になってしまうのである。
これは、彼のストライク率と四球数の関係が非常に単純で強靭な関係にあることを推測させる。単純に言えば、「ストライクが増えれば、非常に単純に正比例して四球が減る(逆に言えば、ボールが増えれば単純に四球が増える)」という関係にある、ということだ。
だから四球の計算式も、こんな簡単な計算式でほぼあてはまってしまう。
(四球数) = -0.2332 ×(ストライク率) + 17.024
calculating formula made by damejima
©2009 damejima


それに対し、ボストンの松坂の場合は、コトはまったく簡単ではない。
Daisuke Matsuzaka 2009 Pitching Gamelogs - Baseball-Reference.com
近似曲線の形は、設定する関数の次元を上げていくほど、複雑な形状に変わっていく。だいたい5次式くらいの表現が、穏当な意味で実態にあてはまる感じがしたが、その計算式は、エクセルのいうところによれば、こんな複雑な式になるらしい。
とても複雑すぎて表示が手に負えないから画像にしておく。
松坂用の計算式
calculating formula made by damejima
©2009 damejima


ともかく松坂の場合、ヘルナンデスとの比較でいえることは、
(1)ストライク率が65%を越えると四球が急減
(2)逆に、65%を切ると、四球が急速に増える


なぜ松坂にこういう「ストライク率によって、ピッチングの状態が急激に変わる手のひら返し的な現象」が起きるのかは、正直、理由はよくわからない。
おそらく世間で言う「よい松坂」とは(1)の状態を指し、「悪い松坂」は(2)の状態を指しているのだろう。いずれにしても好不調の波が非常に激しく出るタイプなのは間違いない。

ただ、問題はこのデータから見えないところにある。
松坂のストライク率が65%を越えると急激に四球を出さなくなるといっても、そういう「やたらとストライクをとったゲーム」で果たして松坂の自責点が少なくなっているとはいえないからである。
例1)6月7日 テキサス戦 ストライク率69.6%
   5回2/3 自責点5 被安打10 四球なし
例2)6月13日 フィリーズ戦 ストライク率67.0%
   4回 自責点4 被安打7 被ホームラン2 四球1
Daisuke Matsuzaka Stats, News, Photos - Boston Red Sox - ESPN

これだけストライクが増えると急激に四球が急に少なくなる投手の場合、四球をほとんど出さない快投をみせたという可能性より、むしろ、例えばカウントを悪くしてから四球を出すのでなく、ストライクをとりにいってホームランをガツンと打たれている可能性も考えなければならない。
実際、松坂にはそういうゲーム例は多く、簡単なデータからではわからない、なんともいいようのないピッチングの解析しにくさ、複雑さがある。


この点、今シーズンのヘルナンデスの場合は、松坂のような複雑な事態はまったくない。ストライクが増えれば自然と三振が増え、相手打線は沈黙する。ただそれだけ。シンプルな話だ。
好不調の波がほとんどなく、悪いときでも勝てる。
このことが、今年のア・リーグ最多勝につながった。あきらかにこれは「ロブ・ジョンソン効果」である。



ちょっと抽象的になってしまった。具体例を一つだけ示しておこう。
四球数がちょうど3になるストライク率は、縦軸の3の部分を横に見ていけばいいのだが、ヘルナンデスがほぼ60%くらいなのに対し、松坂は62%から63%くらいになる。
つまり、松坂はストライク率がほんのちょっと悪くなるだけで、四球が増え、ピッチングが乱れてくる。
一方、ヘルナンデスは、松坂より低いストライク率のゲームでも、四球を出さない。それだけ、ヘルナンデスのほうが粘れて、ドッシリ構えたピッチングができているはず、ということになる。これが「ロブ・ジョンソン効果」だ。



今年のヘルナンデスは6月のア・リーグ月間最優秀投手初受賞にはじまり、オールスター初選出、ア・リーグ最多勝投手が決定、これに、まだ確定してはいないが、9月の最優秀投手とサイ・ヤング賞が加われば、もう何も言うことはない素晴らしいシーズンになる。
Players of the Month | MLB.com: News

こうした安定感のあるシーズンになった理由は、この近似曲線が示すとおり、調子の良いときも悪いときも大きな波を起こさず、淡々とシーズンを送ってきたことが最も寄与していると思う。

damejima at 04:08

October 06, 2009

ヘルナンデスのストライク率と四球数の関係クリックすると拡大します
���2009 damejima


これは、今シーズンの8月以降のヘルナンデスの「ストライク率」と「四球数」をグラフ化したもの。データ数は13。
点は、ゲームで実際に記録された数値で、X軸、つまり横軸がストライク率、Y軸、つまり縦軸は四球数。

13の点々の羅列の中に、「右下がりの直線」があるが、これは「近似曲線」である。
たくさんの点々、つまり個々のデータのもっている「法則性」を抽象化してまとめ、データ全体の傾向を見るためのもので、この場合は「右下がり」というのが、「ヘルナンデスのストライク率と四球数」というデータのもつ「傾向」だ、ということを示している。

近似曲線をつくるのは、まったく難しくない。
エクセルのグラフ機能に、近似曲線を加える機能があらかじめ備わっているので、エクセルに面倒なデータ入力さえできてしまえば、あとは散布データのグラフにいつでも近似曲線を追加できる。操作も簡単で、誰でもできる。
参考Excel:近似曲線を描く
近似曲線にはいくつか種類があり、ここで挙げたような直線だけでなく、対数や曲線でも表現できる。
だが「ヘルナンデスのストライク率と四球数」の場合、曲線にしてみたが近似曲線にはたいして変化がないので、いっそ面倒な二次式ではなく、1次式の直線でということで、シンプルに直線で表現しておいた。

この便利な近似曲線の機能によれば、ヘルナンデスのゲームでの四球数を求める数式はこうなった。

(四球数) = -0.2332 ×(ストライク率) + 17.024
calculating formula made by damejima
���2009 damejima


ヘルナンデスのストライク率と四球数

8月1日  104球58ストライク 55.8% 四球4
8月7日  113球70ストライク 61.9% 四球6
8月12日 105球67ストライク 63.8% 四球4
8月18日 106球69ストライク 65.1% 四球1
8月23日 101球67ストライク 66.3% 四球0
8月28日 104球63ストライク 60.6% 四球1
9月2日  114球67ストライク 58.9% 四球3
9月8日  113球69ストライク 61.1% 四球4
9月13日 109球65ストライク 59.6% 四球1
9月18日 104球65ストライク 62.5% 四球1
9月24日 108球77ストライク 71.3% 四球2 11三振
9月29日 120球69ストライク 57.5% 四球4
10月4日 107球72ストライク 67.3% 四球1



無限にストライク率を上げても意味がない
〜「3球に2球ストライクを投げる」セオリーの意味


メジャーでは、「投球全体の3分の2をストライク、3分の1をボール」として配球する、という話がある。つまりストライク率でいうと、ちょうどいいのが66.7%程度だ、とかいうセオリーだ。(注:2つストライクを投げたら1球はずせ、などというくだらない話ではない)

この話を、ヘルナンデスの近似曲線を見てたしかめてみる。

y = -0.2332x + 17.024という直線をみてもらうとわかるのだが、四球数が1を切るのが、ちょうどストライク率68%あたりになっている。

数式から計算で求めると、こうなる。
1.0000= -0.2332x + 17.024
x = 68.71355

ストライク率68.7%が分かれ目、つまり、見かたをかえれば、ストライク率(X軸、つまり、グラフの横軸)をセオリーの66.7からドンドン高めていったところで、ある数値から先は四球数は1以下になる、つまり、ほとんど変わらなくなる、という意味になる。
具体的に言えば、理論的にはストライク率が69%とか70%くらいでも、十分に四球がゼロになる可能性がある、ということだ。
それどころか、もし実際の投球場面でストライク率が75%とかになれば、バッターのストライクゾーンにやたらとストライクばかり来ることになるわけだから、かえってバッター側からすれば狙い球を絞りやすくなって、打ち込まれるかもしれない。

だから、ヘルナンデスの場合、(もちろん、彼に限らず、投手全般に言えるわけだが)、ストライク率を異常に高めたとしても、あるパーセンテージから先は、四球を減らす効果はないのはもちろん、それどころか、かえって打たれやすくもなる可能性さえ出てくる、という話になる。

それにしても、ヘルナンデス限定のこのグラフを作ってみての結果だが、だいたいセオリーどおりになった。あらためて、「投球の3分の2をストライク」というセオリーはほんとうによくできている、と感心した。



ヘルナンデスの四球が増えだすストライク率の臨界値を
発見してみる


では、ヘルナンデスの場合、四球が増えだすのは、ストライク率でいうと、どのあたりだろう。近似曲線でみるかぎり、四球数が2を越えるのは、だいたいストライク率が65%あたり、四球数が3になるはストライク率60%あたりのようだ。

四球数が2になるのは、ストライク率65%あたり
2.0000= -0.2332x + 17.024
x = 64.425385

四球数が3になるのは、ストライク率60%あたり
3.0000= -0.2332x + 17.024
x = 60.137221

四球数4を数えるのは、ストライク率56%あたり
4.0000= -0.2332x + 17.024
x = 55.840956


実際のゲームでも、ヘルナンデスのストライク率が60%を切った4ゲームのうち3ゲームで、四球を4つずつ出しているので、この「ストライク率が60%を切ると、四球数は理論値の上では、3を越えてくる」という話は実態に即している。
だから、ことヘルナンデスの場合、ストライク率が60%を切ってきたときには、四球を3つ、あるいは4つは覚悟しないといけなくなる、という計算になる。

ヘルナンデスは、1試合に投げるイニング数は最低でも6とか7で、毎試合長いイニングを投げてくれる投手だが、その彼でも1試合で4四球を出してしまうことになると、ゲーム展開としては毎回走者が溜まり、やっかいな展開になる。

だからヘルナンデスの適正なストライク率場合は、できれば60%の後半、64%から68%の間、高くても70%までくらいまでという感じになる。


「ストライク率がよくないのに、四球をほとんど出していない」という意味での、ヘルナンデス登板ゲーム・ベスト3

以上の話から、ゲームでの四球数が、理論値である近似曲線を大きく下回ったゲームのベスト3を選びだしてみた。
これらのゲームはどれも、けして四球がゼロとか、1にできるようなストライク率ではなかったわけだが、実際のゲームでは四球をほとんど出していない。失点がけしてゼロだったわけではないが、四球数という面では好ゲームだった、ということになる。


8月23日 101球67ストライク 66.3% 四球0
8月28日 104球63ストライク 60.6% 四球1
2009年8月28日、ヘルナンデス7回3失点QS達成で、13勝目。ア・リーグの「QS数」「QSパーセンテージ」、2つのランキング」のトップに立つ。
9月13日 109球65ストライク 59.6% 四球1
2009年9月13日、ダブルヘッダー第二試合、祝・イチロー9年連続200安打達成! ヘルナンデスとロブ・ジョンソンのバッテリー快勝! 7回を4安打1四球でテキサスを零封して15勝目。

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damejima at 15:52

October 05, 2009

負けられないゲームでよくやった、ロブ・ジョンソン。
ヘルナンデスは107球で6回2/3と、球数の割にはいつもより多少短いイニングの登板になったが、3安打1四球という結果からわかるとおり、打たれたわけではないどころか、テキサス打線をほぼ完璧に抑えていた。
要は、不調だったのではなくて慎重に投げた結果なのである。

本当に、本当に、いいゲームだった。

ヘルナンデスのピッチング(動画)
Baseball Video Highlights & Clips | TEX@SEA: Hernandez wins his 19th of the year - Video | MLB.com: Multimedia

8回にみせたロブ・ジョンソンの強肩(動画)
Baseball Video Highlights & Clips | TEX@SEA: Johnson catches Borbon stealing second base - Video | MLB.com: Multimedia

ゲーム後、シーズン終了を祝福しあい、
ファンに感謝しつつグラウンド一周する選手たち(動画)

Baseball Video Highlights & Clips | The Mariners take a lap and thank the fans - Video | MLB.com: Multimedia

19勝を達成したヘルナンデスとロブ・ジョンソンのバッテリー
ゲーム後、ロブ・ジョンソンとハグするヘルナンデス


ロブ・ジョンソンがヘルナンデスとバッテリーを組んでいる理由、バッテリーとは何か、自分が野球を好きな理由、配球の鮮やかさに感嘆しながら色々なことを考え、試合の全打席の組み立てをじっくり眺めつつ、ひさしぶりに細部までゲームを堪能した。

つくづく思ったが、今日の勝因は、そして今シーズンの好調の理由は、例えば6回の3者連続三振のようなヘルナンデスの元々もっている「実力」に、1回から5回までの配球のような、考え抜かれ、ヘルナンデスの溢れ出る実力を上手にコントロールするロブ・ジョンソンの「引き出しの多さ」が、ガッチリと組み合わさった結果だ。
ロブ・ジョンソンは本当にたくさんの、いい引き出しをもっていることが今日のゲームでつくづくよくわかった。それはあとでたっぷり書く。

本当にいいゲームだった。ナイスゲーム、ロブ・ジョンソン。君は、間違いなく、キャッチャーをやるために生まれてきた男である。
19勝目、本当におめでとう。フェリックス。君は、どうみても、ピッチャーをやるために生まれてきた男である。


イチローがリベラから打った逆転サヨナラ2ランがなかったら、この最多勝はなかった。他にもたくさんの力に支えられた19勝だということを、フェリックス自身、感じていると思う。
フェリックス、まずはア・リーグ最多勝投手、おめでとう!

Texas vs. Seattle - October 4, 2009 | MLB.com: Gameday

アーズマ、キンズラーを三振 キャッチャー ロブ・ジョンソン
シーズン最終戦の最後を締めたアーズマとロブ・ジョンソン
イチローとズレンシック


イルカ







damejima at 07:49

October 02, 2009

消化試合なのであまり気合が入らない。
フィスターとアダム・ムーアのバッテリーなので、暇つぶしにアダム・ムーアについても書いてみる。
Oakland vs. Seattle - October 1, 2009 | MLB.com: Gameday

結論から先に言うと、ムーアは「どこか教科書っぽい欠点があるが、上手いし、手際がいい」「カウントを追い込むのに長けていて、フィニッシュはワンパターン化しやすい」

しかし、まぁ、なんにしても、来年になって、全てのチームにやる気がある春から夏の季節に、パターンを読む力に優れた強豪チームと当たってみないと実力はわからない
消化試合のオークランドは、まったくだらしがない(苦笑)



ともあれ。
まずは次の3つの画像。

このシリーズをしつこく読んできた人なら、アダム・ムーアは典型的なというか、むしろ「教科書どおり」といったほうがいいようなメジャーらしいキャッチャーだとわかるはず。

逆転されかねなかった4回の大ピンチを1点で切り抜ける上で、たいへんに役に立ったのが、ピーターソンとカストを三振にとれたことだが、この2人の左打者をカウント的に追い込んでから使ったのが、このパターン。
「アウトコース高めに、カーブをボールになるように投げこんておいて、次のストレートをイン寄りに投げて、空振りさせる」

要するに、いままでいくつもの例で説明してきたが、メジャーのキャッチャーがよくやる「メジャーバージョンの対角パターン」、つまり「アウトローではなく、アウトハイの変化球とインローのストレートで、対角線上に攻める」という基本パターンなわけだ。
この「対角」パターンを、左打者のカウントを追い込んだ場面で、同じイニングで何度も繰り返し使った、という話だ。(ムーアはどうも、効果がなくなるまで同じパターンを繰り返し使うリード癖はあるようには思う。好きな数パターンを使いたがることも垣間見える)

「教科書的」と言ったのはもちろん、今日は成功したとはいえ、正直ものすごく「ベタ」なパターンだからだ。「追い込んだカウントだから通用する」「右投手が左打者に使うから通用する」と、いろいろ限定条件がつくこともある。だから、シーズンの行方が決まってしまった消化試合での成功に、手放しに喜ぶような話でもない。

むしろ、多少苦笑してしまうのは、左バッターの2−2の平行カウントでアウトコースのボールにするカーブを投げることで、「ああ、次はインコースに、たぶんストレートが来るな」と、予想がついてしまう、ということだ。
けして若いムーアをけなす意味でなく言うと、LAAのアブレイユやハンターあたりのような野球をよく知っている打者に、こういう小細工が通用するとは思わない。
トロントやホワイトソックス同様、今年のオークランドは、かつてセイバーメトリクス、分析的野球の総本山だったことなど、微塵も感じられない。それほど、何の分析力も、粘り強さも感じられない。ただただ来た球を振り、自分の前の打席や、自分の前の打者への配球など、きちんと見て考えてもないように見える。
だから、バーノン・ウェルズやオーバーベイの打席をみるかのように、オークランドは何度でも「同じパターン」にひっかかってくれる。

2009年10月1日 1回 ケネディ 四球2009年10月1日
1回表 先頭
ケネディ 四球

4球目に外高めのカーブで、次が外高めのストレートなので、ここは典型的な「アウトハイを使った対角」ではないのだが、外高めカーブの直後にストレートを使うパターンは初回からあったことを示すために収録。


2009年10月1日 4回 カスト 三振2009年10月1日
4回表 無死3塁
カスト 三振
球が全体にはストライクゾーンに集中しているわりに、「5球目のカーブ」だけは大きくはずれたように「見せて」いるのは上手い。直後ストレートのコースは結構甘いのだが、それでも三振してくれるのは、やはり打者が、外のカーブが大きくボールになるのを見て多少気が抜けたこともあるかもしれない。


2009年10月1日 4回 ピーターソン 三振2009年10月1日
4回表 2死2塁
ピーターソン 三振

この三振も、カストの三振と非常に似ている。カウントを追い込んだストライクはどれもけっこう真ん中よりに決まっていて、コースは甘い。それでも、アウトコースのボールになるカーブの後に、ズバっとストレートを真ん中に放り込む。度胸だけで乗り切ったという感じもある。



さて、「教科書的」と思った理由を、もうひとパターン挙げてみる。5回のケネディのシングルヒットの場面。

2009年10月1日 5回 ケネディ シングルヒット2009年10月1日
5回 ケネディ
シングルヒット

初球  アウターハーフ 2シーム ストライク
2球目 アウトコース高め ストレート ボール
3球目 インナーハーフ ストレート ストライク
4球目 アウターハーフ チェンジアップ ヒット

ここまでとりあげてきたメジャーの基本パターンの「アウトハイ・インローの対角パターン」や、コネ捕手の小汚い「3拍子幕の内弁当」(「3拍子幕の内弁当配球」とは何か?についてはこちらを参照:ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」 『damejimaノート』(5)実証:ロブ・ジョンソンと城島との違い 「1死1塁のケース」)のどちらとも違って、ブログ主好みのいわゆる「ハーフハイトのボールを使った配球パターン」で、無駄が少なく、それだけに美しい。

ただし、3球目までは、だ(笑)

いけないのは4球目。
メジャーの打者の誰もがここは、「ああ、4球目はアウトコースにチェンジアップが来るな。そう教科書に書いてあるよな?(笑)」とか(笑)、予測できてしまう、そういう典型的配球になっていると思う。
打者ケネディは、第一打席でも四球を選んでいるとおり、カストやピーターソンのように、捕手ムーアの得意とする教科書的な典型的配球パターンにハマってはくれない。この打席でも、ムーアの流れるような配球にはまりこむことなく、予想どおりのチェンジアップをレフト方向へ綺麗にシングルヒットを見舞った。
ケネディ、いい打者である。ジャック・ウイルソンやビル・ホールなどではなくて、こういう「賢い打者」こそ、本当はトレードで獲得すべきだ。

だからこそ、4球目がもったいない。この4球目だけは、教科書的な配球ではなく、ベテランクローザー、ネイサンの配球でも見習って、何かひとひねりがあればパーフェクトだったと思うのだ。
打者によって技量は違うわけで、ケネディはカストよりパワーはないが、アタマがいい。打者ごとの技量の差を読むことまでは、まだムーアにはできていない。つまり「若い」と感じるわけである。

暇な人は、この配球パターンと、このシリーズの序論ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」 『damejimaノート』 序論:2009年9月30日、大投手ハラデイの「配球芸術」)でとりあげた大投手ハラデイのシンプルさの極致をいく「ハーフハイトのボールを使った芸術的3球三振」を、ぜひ比べてみて欲しい。

寿司を握る職人は、経験を積めば積むほど、「手数が減っていく」というけれども、たった3手でオルティーズを3球三振させるハラデイと、ボールを挟みながら、4球目で相手に読まれてしまうムーアでは、まだまだ大差があるのである。


とはいえ、ムーア独特の感じ、というものもある。
6回のバートンの打席。非常にカウントの追い込みかたが美しい。

2009年10月1日 6回 バートン 1塁ゴロ

初球  インナーハーフ ストレート ストライク
2球目 インロー カーブ 空振りストライク
3球目 インナーハーフ チェンジアップ ボール
4球目 真ん中低め チェンジアップ ボール
5球目 真ん中低め 2シーム 1塁ゴロ

結局ムーアが良さを見せる最も得意パターンは、「カウントを追い込むプロセスの手際の良さ」だと思う。(まぁ、理論的でもあるだろうし、悪く言えば、教科書的でもあるだろうし。評価は来シーズン以降だ)
最後のフィニッシュは、ここまで書いたとおり、けっこうワンパターンだったりもする。

この打席も4球目までは完璧な気がする。
初球にまっすぐをハーフハイトに放り込んでおいて、2球目に同じ場所にカーブを落として振らせる。3球目はインコースにチェンジアップで腰を引かせておいて、4球目に真ん中低めのチェンジアップを振らせにかかった。
もし、4球目のチェンジアップがもう少し高くて、きわどいコースに来ていれば、バッターはここで凡退させられただろう。
そういう自分のプロセスに自信があるからこそ、4球目で決まらなかった同じコースに、5球目の2シームを自信をもってコールできるわけである。
非常にわかりやすい。

最後の決め球に、日本のように「アウトコース低め」ではなくて、メジャーでは「真ん中低め」を使うことも多いともいわれている。そのことについては、なにか機会と実例があるときに、また。

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damejima at 13:55
書きたいことを書きつらねているうちに、いつのまにかシリーズ化してしまっている「メジャーと日本の配球論の差異から考える城島問題」 『damejimaノート』だが、ロブ・ジョンソンというキャッチャーがどういうキャッチャーなのか、城島と比べてみるのにわかりやすい例がないか、探してみた。

このシリーズの(2)では、イヴァン・ロドリゲスと城島を比べてみたわけだが、せっかくだから同じシアトルのロブ・ジョンソンと城島を比べてみようというわけだ。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」 『damejimaノート』(2)「外角低め」「ストレート」という迷信 実例:「アウトハイ・インロー」の対角を使うメジャーのバッテリー


比較条件は「投手モロー、四球直後の打者、テキサス」
できるだけ似たシチュエーションで、しかも、両者の特徴を際立たせる例となると、探しだすのに苦労した。両方のキャッチャーがマスクをかぶっている投手となると、シアトルではヘルナンデスやフィスターではなく、モローやスネルくらいしかいないからである。
結局、「モローが四球を出して、ランナー1塁になった直後の打者への配球」「同じテキサス・レンジャーズ相手」という同じ条件で、キャッチャーだけが違う2つの打席を選びだしてみた。
ランナーがいるシチュエーションを選んだのは、そういう場面ほど、両者の配球に対する考え方の違いが際立つ、と考えたからだ。

また「城島が四球を出しやすいキャッチャー」であることはデータからもよく知られていて、このブログでも何度も指摘してきた。だが、さらにいけないのは城島が「ランナーがいるシチュエーションで四球を出しやすい、つまり、ランナーを貯めて、大量失点につながる非常に痛い四球を出しやすいキャッチャー」でもあることだ。
ここでは、どうして城島がそういう、出してはならない四球を出してランナーを貯めて傷口を広げやすいのかという点について、あまり語られてこなかった「ランナーのいる場面での、城島の配球プロセスのもたつき」についても、多少説明になればとも思った。

1 ロブ・ジョンソン

2009年9月12日 アウェイ・テキサス戦 4回裏
先頭打者の5番ネルソン・クルーズを四球で歩かせた後の、
無死1塁 6番マーフィーの打席
結果:1塁ゴロ ダブルプレー
Seattle vs. Texas - September 12, 2009 | MLB.com: Gameday

2009年9月12日 投手モロー テキサス戦 マーフィー ダブルプレー

配球
アウトコース高め チェンジアップ ボール
アウトコース高め チェンジアップ ボール
インコース低め  ストレート   ストライク
真ん中低め    チェンジアップ(1塁ゴロ ダブルプレー)

特徴
ひと目みれば、(2)の記事(ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」 『damejimaノート』(2)「外角低め」「ストレート」という迷信 実例:「アウトハイ・インロー」の対角を使うメジャーのバッテリー)で書いたパッジこと、イヴァン・ロドリゲスの「対角」パターン(2009年9月27日レンジャーズ対エンゼルス戦)と似ていることがわかるだろう。
3球目と4球目のコースは甘く見えるわけだが、結局のところ、1,2球目の高めにはずれるチェンジアップが効いた。というか、むしろ、1、2球目の「はずれるチェンジアップ」が効いているからこそ、こういう場合3球目では、神経質な城島が投手に細かすぎるコントロールを要求して無駄なプレッシャーを与えるような、あまり細部のナーバスさは、実は、まったく必要ない。
これはなかなか重要な点で、かつてアーズマがヘルナンデスについて指摘した「サンデー・フェリックス」という話(カテゴリー:「サンデー・フェリックス」byアーズマ)に通じるものがあるし、アダム・ムーアの例でも同じような、多少コントロールが甘くても打ち取れる実例がある。(ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.: メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」 『damejimaノート』(6)実証:アダム・ムーアの場合


ロブ・ジョンソンのこの配球の特徴は、メジャーのキャッチャーに共通した基本的なものだ。

・城島のようなインハイとアウトローではなく、
 「インローとアウトハイとの対角線」を使っている
・ 外に変化球、内にストレート(参照:ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」 『damejimaノート』(1)「外角低め」「ストレート」という迷信
・ 入りの球は変化球から入り、ストレートでカウントをとる
・ 決め球は変化球で、ゴロを打たせることに成功

ほかにも、結果的に決め球になった4球目のチェンジアップのコースが城島の固執する「外角低め一杯」ではなくて、「真ん中低め」というのも、いかにもメジャーらしいし、4球目と「少ない球数で勝負がついた」ことも、球数の節約を重視し、早いカウントで勝負することを尊ぶメジャーらしい。
素晴らしいダブルプレーだ。

日本での配球での考え方が、「配球の基本はアウトコースのストレート」という考え方に固執しがちだ、という話は、以下のリンクを参照ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」 『damejimaノート』 序論:2009年9月30日、大投手ハラデイの「配球芸術」

日本では「決め球をストレートと想定して全体を組み立てがちだ」という話は、以下のリンクの話題を参照ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」 『damejimaノート』(3)「低め」とかいう迷信

今までいろいろ説明してきたことから、この打席に関していえば、ロブ・ジョンソンは非常にメジャーっぽい攻めをするキャッチャーであること、城島の配球パターンとはまったく異なるリードをしたこと、がわかってもらえると思う。


2 城島

2009年7月10日 ホーム・テキサス戦 3回表
1死後、9番ビスケールを四球で歩かせた後の、
1死1塁 1番イアン・キンズラーの打席
結果:このキンズラーの四球で傷口を広げて、1死1、2塁。直後に、2番マイケル・ヤングに3ランホームランという致命傷を負うことになる。
Texas vs. Seattle - July 10, 2009 | MLB.com: Gameday

2009年7月10日 投手モロー テキサス戦 キンズラー四球

配球
アウトコース低め  スライダー   ボール
アウトコース低め  スライダー   ボール
インコース低め   チェンジアップ ボール
インコース高め   ストレート   ストライク
アウトコース真ん中 ストレート   ボール(四球)

特徴
インハイのストレートと、アウトローのスライダー、お約束の組み合わせである。7月10日のキンズラーの四球といい、9月23日のタンパベイ戦でアップトンに2点タイムリーを打たれたのケースといい、同じパターンで何度打たれれば気がすむのだろう。
2009年9月24日 8回アップトン 2点タイムリー2009年9月24日
8回アップトン
2点タイムリー

初球と3球目が
インハイのストレート
2、4、5球目が
アウトローのスライダー


以下の特徴を、ロブ・ジョンソンのケースとの間で比較してみてもらいたい。違いがよくわかるはずだ。
・ イヴァン・ロドリゲスやロブ・ジョンソンのケースと違い、
  「インハイとアウトローとの対角線」に固執しがち
・ ピンチになった後の打者に対する入りの2球は
  「アウトコース低め」「スライダー」に固執しがち
  決め球もアウトコース低めに固執する傾向
・ カウントを悪くした後はストレートに頼り、
  必死にきわどいコースを神経質に突こうとするが、
  結局四球を出して、傷口を広げる
・ 3球目ごとにリズムを変えようとする、いわゆる「3拍子配球」

初球2球目を同じコース同じ球種で行き、3球目にリズムを変えて、インコースを突いた。そして3球目4球目と、内に2球投げておいて、3つ目(全体として見れば5球目)に、こんどはアウトコース。
つまり2度、同じパターンでリズム変更をやっているわけだ。

こういう「3球目ごとにリズムを変えようとする」というリード癖については、楽天の監督さんが「3拍子配球」とか命名して指摘している話と同じ話ではあるが、ここは別に野村氏の受け売りではない。野村氏の発言を知りたいなら、いちおうリンクだけ挙げておくので、そっちを読むといい。
“読まれた”3拍子配球…ノムさん理論的中(野球) ― スポニチ Sponichi Annex ニュース

実際、コネ捕手城島の「3拍子配球」(ゲーム後半になると「4拍子」になることが多いが、たいしてかわりばえしない)が最も典型的に多く見られるのは、こういう「対角パターン」においてではなく、ストレートを中心に、変化球をオカズに混ぜて配球する場合に多い。
つまり初球から言えば、ストレート、ストレート、チェンジアップ、というパターンだ。(ゲーム後半になると、ストレートの数を増やして、3球ストレートの後で変化球というパターンにしたりもする。また、混ぜる変化球はチェンジアップだけでなく、スライダー、またはカーブに変更することもある)
ともかくこのパターンでは、ストレートと、1種類の変化球の、合計2球種だけを使って打者を攻めることに特徴がある。いわば「ストレートが白米のごはんで、おかずに変化球」という、「幕の内弁当」パターンである。

わかってしまえば、単純すぎるパターンだが、それでも例えばトロントのバーノン・ウェルズなどは、何度も何度も、この「3拍子幕の内弁当」にひっかかっている。情けないバッターだ。
このブログが、ホワイトソックスやトロントのことを、「LAAなどと違って、相手バッテリーの配球パターンに対応する速度が遅すぎる」と常に批判的に言うのは、そのへんに理由がある。

2009年9月16日、今日のコネ捕手、リードは「ストレートは基本インコース、変化球はアウトコース」 たった、それだけ(笑)被安打9、8回にはホームラン被弾。ホワイトソックス打線の知恵の無さに助けられただけのゲーム。

2009年9月27日、コネ捕手城島、先発マスク3連敗。「1球ごとに外、内。左右に投げ分ける」ただそれだけの素晴らしく寒いリードで、トロント戦8回裏、期待どおりの逆転負け(笑)ローランド・スミス、自責点5。

2009年9月25日 トロント戦 2回裏 オーバーベイ セカンドゴロ 3拍子パターンの典型例 1
おかずにカーブを混ぜる「幕の内弁当」パターン


2009年9月25日 トロント戦
2回裏 オーバーベイ
セカンドゴロ
ストレート、ストレートで、3球目にカーブ。単純で馬鹿っぽいパターンだが、このゲーム序盤では効いていた。


2009年9月25日 7回 バティスタ 2点タイムリー3拍子パターンの典型例 2
おかずにカーブを混ぜる「幕の内弁当」パターン

2009年9月25日 トロント戦
7回裏 バティスタ
2点タイムリー
ゲーム終盤になると、ストレート、ストレート、カーブという、単純な3拍子パターンが効かなくなり、このザマ。最後は逆転負け。


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damejima at 02:48

October 01, 2009

ここでメジャー流の「見せ球としての高めのストレート」を使った配球論というか、変化球を決め球にするためのストレートの使い方として、ひとつ「カーブを決め球にするために、高めのストレートを投げる」実例を挙げてみよう。

これは、アメリカの有名な野球サイトのHardball Times(The Hardball Times)にあった研究記事だ。

Pitch sequence: High fastball then curveball

記事全文をここに載せるわけにはいかないので、あらましだけを書けば、こういうことらしい。(言葉で書くと難しいが、リンク先にはグラフやアニメーションGIFなどでも説明されている。直接読んだほうがわかりやすいと思う)

「カーブの落差を有効に使いたいなら、低めのストレートではなく、高めのストレートを投げておいてからカーブを投げるほうが有効だ
なぜなら、高めのストレートは、ホームベースに到達する途中まで、軌道がカーブと多少かぶるために、打者の球種の判別を遅らせることができる。
だから、高めのストレートの直後にカーブを投げることによって、カーブだとわかるのが遅れて、落差がより効果になり、打者をうちとれる。」

なお、この記事では、「高めのストレートの後で、カーブ」という使い方をする実在の投手について研究して書いているのであって、なにも空想で書かれているわけではない。



まぁ、仮にこの記事の言うとおりだとして、落差のあるカーブをより有効にするために「高めのストレート」も必要だとしよう。



もし、カーブを決め球にしているシアトルのベダードや、大きなスローカーブである「ドルフィン」を持ち球のひとつにしているウオッシュバーンではないが、この記事で書かれているような「ストレートにはさほど球威はないが、落差のあるカーブを決め球にしている変化球投手」が、「外角低めのストレートに固執する日本人キャッチャー」と組んだ、としたら、どういうことになるか。

例えば「投手の配球としてはたいした意味のない『低めのストレート』を何度も何度も、一杯のコースに投げさせられ」「ストレートをボールにしてしまって、カウントが悪くなった後」でようやく、「低めのストレートとはまったく軌道の違う得意球のカーブ」を打者に投げなければならない。
もしそんなことになれば、打者は一瞬にして「ストレートでない球が来たことを見抜ける」ために、本来彼らの決め球のはずのカーブは、まったくもって台無しになる。

また、投げる球種の順番も、投手がクビを振らない限りは、「カーブを投げてから、決め球のストレートをアウトコース低め」という、投手本来の投げたいのとは逆の順序になってしまい、カーブが決め球どころか、慣れない配球を強要されて、ストレートで押すタイプのピッチャーではない彼らがストレートで勝負させられて、球威のそれほどないストレートを滅多打ちにあうかもしれない。



また、同じように、チェンジアップを決め球のひとつにするバルガスではないが、「配球の一部として、カウントを整えたり見せ球にしたりする意味で、高めのストレートを頻繁に使い、配球全体が他のピッチャーより高めに設定している組み立てで長年トレーニングしてきているアメリカの投手が、「外角低めのストレートに固執する日本人キャッチャー」と組んだら、どうなるか。

低めに決まる変化球を決め球として、それをより効果的にするために、見せ球として内角高めのストレートも混ぜておかなければならないはずが、外角低めのストレートばかり要求されて、打者の目をそらすことができないまま、軌道の全く違うチェンジアップを外角に投げさせられることになる。
投手は決め球を失うばかりか、「自分らしい配球スタイル」そのものがまったく失われて、自滅を繰り返すかもしれない。




メジャーでは、投手が長年の教育とトレーニングから、自分なりのピッチングの全体像をプランし、組み立てる。投手は、長年日本とは異なる「配球論」の基礎を教育され、自分の得意な球種などとてらして、自分なりの配球術をひとりひとり、マトリクス化して組み上げてきているわけだ。
「低めなら、とにかく素晴らしい」「最後は低めのストレート」などという、ワンパターンで、わけのわからない抽象論は、全くなんの役にも立たない。



まして、投げる投手が誰であっても、全員に全く同じ配球、たとえば「外角の低めにストレートを最後に決め球として要求するような単細胞の組み立てのためだけのサイン」を投手に強要するようなことは言語道断。

そんなのは、もはや「キャッチャー」とすら呼べない。


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damejima at 16:35

September 30, 2009

サイ・ヤング賞獲得のためには、今は残りゲームをとにもかくにも勝利する必要があるヘルナンデスだったが、なんとか18勝目をおさめることができた。めでたい。

今日の登板の動画
Baseball Video Highlights & Clips | OAK@SEA: Hernandez hurls 7 2/3 strong frames - Video | Mariners.com: Multimedia


恒例のストライク率だが、前の登板からうってかわって60%を切って、4四球を与えた。ストライク率57.5%は夏以降の登板としては2番目に悪い。
たしかに、この数字が示すようにヘルナンデスはけして調子がよくはなかったが、大量失点にはつながらないのが、このバッテリーのいつもの持ち味。けして球威だけに頼っているわけではない。
投手の調子の良くないときも悪いなりにゲームを作れることが、ヘルナンデスがロブ・ジョンソンとバッテリーを組む理由のひとつになっていることだろう。
今日大量失点せずに済んだ理由はもちろん、長打をまったく許していないことが大きい。それと、2、3、4回と2人以上ランナーを出してたイニングでも、ロブ・ジョンソンが慌てず後続打者のアウトカウントを冷静に増やしてタイムリーヒット連発で傷を大きくしなかったことが大きい。(4回の失点はワイルドピッチがらみ。8回の失点も犠牲フライでタイムリーではない)

オークランドの24残塁(プレーヤーLOBの総計)が、今日のバッテリーのピッチングの答え。これで9月のア・リーグ月間最優秀投手が近づいた。

ロブ・ジョンソンは今日のゲームで5連勝。今月6勝2敗だが、ロブ・ジョンソンにヘルナンデスの登板ゲームだけ先発させているチームは何を考えているのか。コネ捕手城島の先発ゲームを真っ先に減らすべきだ。
だが、結局そういうマトモなことをしないチームは、かえってコネ捕手先発ゲームの負けばかりをファンに見せつけて、晒し者にしている。だから、どうせ結局はコネ捕手の醜態を腹を抱えて笑うだけだが。ざまあみろ、というところだ(笑)


2009 ロブ・ジョンソン出場ゲーム (9月29日まで)
あらゆる月で貯金を達成。
いまや貯金の合計は22


4月 8勝5敗 貯金3
5月 8勝5敗 貯金3
6月 8勝4敗 貯金4
7月 11勝5敗 貯金6
8月 8勝6敗 貯金2
9月 6勝2敗 貯金4

シーズン通算 49勝27敗(貯金22)
シーズン勝率 .645
Rob Johnson Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN

ヘルナンデスのストライク率

8月1日  104球58ストライク 55.8% 四球4
8月7日  113球70ストライク 61.9% 四球6
8月12日 105球67ストライク 63.8% 四球4
8月18日 106球69ストライク 65.1% 四球1
8月23日 101球67ストライク 66.3% 四球0
8月28日 104球63ストライク 60.6% 四球1
9月2日  114球67ストライク 58.9% 四球3
9月8日  113球69ストライク 61.1% 四球4
9月13日 109球65ストライク 59.6% 四球1
9月18日 104球65ストライク 62.5% 四球1
9月24日 108球77ストライク 71.3% 四球2 11三振
9月29日 120球69ストライク 57.5% 四球4

Oakland vs. Seattle - September 29, 2009 | MLB.com: Gameday

さて、問題のサイ・ヤング賞だが、とりあえず、今月ヘルナンデスは5勝0敗、防御率1.15だから、月間最優秀投手が獲得できればたいへん大きな後押しになる。
何度も言うようだが、かえすがえすも、9月8日のコネ捕手城島のサヨナラ負けがもったいなさすぎる。チームは疫病神からヘルナンデスから遠ざけておくべき。

ヘルナンデスの全登板
4月6日  6回自責点1  城島 QS
4月11日 5回自責点5  城島
4月17日 6回自責点3  ジョンソン QS
4月23日 7回自責点0  ジョンソン QS 完封リレー
4月28日 8回自責点0  バーク QS 9三振
5月4日  6回自責点6  城島 負け  9三振
5月9日  4回自責点5  城島 負け
5月14日 7回自責点0  ジョンソン QS
5月19日 5回2/3自責点6 城島 負け
5月24日 8回自責点1  ジョンソン QS 10三振
5月30日 6回2/3自責点0  ジョンソン QS
6月5日  7回自責点1    ジョンソン QS
6月10日 7回自責点1    バーク QS
6月16日 9回自責点0    バーク QS
6月21日 7回1/3自責点0 バーク QS 8三振
6月27日 8回自責点0    ジョンソン QS 9三振
7月3日  7回自責点3    ジョンソン QS
7月9日  8回自責点1    ジョンソン QS
7月17日 8回自責点2    ジョンソン QS 8三振
7月22日 7回自責点1    ジョンソン QS 8三振
7月27日 5回2/3自責点7 ジョンソン
8月1日  7回自責点2    ジョンソン QS
8月7日  6回自責点3    ジョンソン QS
8月12日 7回自責点0    ジョンソン QS 10三振
8月18日 7回自責点1    ジョンソン QS 9三振
8月23日 6回自責点3    ジョンソン QS
8月28日 7回自責点3    ジョンソン QS
9月2日  8回自責点0    ジョンソン QS
9月8日  7回自責点1 ジョンソン→城島 QSサヨナラ負け
9月13日 7回自責点0    ジョンソン QS
9月18日 9回自責点1    ジョンソン QS
9月24日 8回自責点3    ジョンソン QS 11三振
9月29日 7回2/3自責点2 ジョンソン QS






damejima at 20:08

September 25, 2009

今日のヘルナンデスは8回108球、77ストライク、31ボール。ストライク率71.3%は、この2ヶ月では8月23日の66.3%を抜いて最高値。(調べていないが、シーズンでも、もしかするとストライク率は最高値かもしれない)

8月1日  104球58ストライク 55.8% 四球4
8月7日  113球70ストライク 61.9% 四球6
8月12日 105球67ストライク 63.8% 四球4
8月18日 106球69ストライク 65.1% 四球1
8月23日 101球67ストライク 66.3% 四球0
8月28日 104球63ストライク 60.6% 四球1
9月2日  114球67ストライク 58.9% 四球3
9月8日  113球69ストライク 61.1% 四球4
9月13日 109球65ストライク 59.6% 四球1
9月18日 104球65ストライク 62.5% 四球1
9月24日 108球77ストライク 71.3% 四球2 11三振 

ひさびさに楽にストライクをとれるピッチングにはなったわけだが、「3球に2球ストライクを投げる」、つまり、メジャーの配球術として一般的な67%程度という数値からいうなら、今日のヘルナンデスはかなりストライクが多すぎる。

それだけ、今日のヘルナンデスは三振を意識して取りにいった、といえるだろう。
そのために、一時の不調時によくやっていたシンカーを多用する組み立てではなく、ストライクの多さからわかるように、今日のヘルナンデスはストレートを投げたがった。
その結果、今シーズン最多の11三振をとれたわけだが、その一方ではバーノン・ウェルズに3ランを許した。三振を故意に狙いにいくピッチングというのは、こういう怖さがある。

9月24日のGameDay
Seattle vs. Toronto - September 24, 2009 | MLB.com: Gameday


9月、ヘルナンデスはこれで4勝0敗、防御率0.58。
月間最優秀投手を初受賞した今年6月が「3勝0敗、防御率0.94」だから、遥かに9月のほうが数字がいい。
9月最初の登板のストライク率を見ればわかるように、8月末から9月にかけてのヘルナンデスは、けして調子がいいとは言えないゲームが多かった。もし9月の月間最優秀投手を受賞できれば、それはロブ・ジョンソンの功績でもある。
もし、9月8日のLAA戦でキャッチャーを城島に代えてサヨナラ負けしたりするような馬鹿な真似をしていなければ、2009年9月のア・リーグ月間最優秀投手賞は、間違いなく、今の時点でとっくに、9月5勝のヘルナンデスに決定していた。

コネ捕手城島は、まさに
ヘルナンデスの疫病神である。


2009年9月8日、それまで安定していたローテを壊滅させてまで出場機会増を強行したコネ捕手、再びヘルナンデス登板ゲームに触手。結果、「延長10回裏サヨナラ負け」で、サイ・ヤング賞レースに、ヘルナンデスにとりつきたくてしかたがない厄病神の暗雲が再来。

ヘルナンデスのスタッツ
Felix Hernandez Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN

とにもかくにも、8回3失点、17勝目。
防御率はわずかに下がってしまったが、勝ったことでサイ・ヤング賞レースに生き残ることができただろう。

ちなみに、グレインキーとヘルナンデスの比較で面白いデータがある。
2009ア・リーグで200イニング投げている投手のうち、グレインキーは、LAAのウィーバー弟や、DETのバーランダーほど極端ではないにしても、指折りのフライボール・ピッチャーのひとりである。(グレインキーのGround ball/Fly Ballの数値は、ウオッシュバーンと同等程度)
対してヘルナンデスは、ハラデイと並んで、ア・リーグで最も極端なグラウンドボール・ピッチャー。2人はア・リーグで最も極端なグラウンドボール・ピッチャーで、シーズンのダブルプレー獲得数も上位にいる。

Ground Ball/Fly Ball
およびダブルプレー獲得数
(2009年9月24日現在)
ヘルナンデスも、キング・オブ・グラウンドボールピッチャー、ハラデイ同様、ダブルプレー獲得数が多く、また、典型的なフライボールピッチャーのウィーバー弟はダブルプレー獲得数がシーズンで5つしかない。
だが、もちろん、フライボール・ピッチャーのグレインキーの併殺数が16であるように、フライボール・ピッチャー全部がダブルプレーが少ないわけではない。
フライボール・ピッチャーだらけのシアトルの投手だが、下記のデータにあげたように、ダブルプレーに仕留めるのが上手くない。
よくウオッシュバーンをフライボール・ピッチャーだからという理由で、セーフコでしか通用しないだのなんだの、とやかく言いたがる馬鹿がいるが、彼はダブルプレーが必要な場面ではきちんとゴロを打たせているように、単なるフライボール・ピッチャーに留まらない投球術をもつ素晴らしい投手である。
また、グラウンドボール・ピッチャーのヘルナンデスと、ズレンシックが無駄にトレードで獲ってきたスネルやフレンチを比較しれみればわかるように、セーフコは球場が広いからフライボール・ピッチャーを獲ってくれば活躍するなどという迷信ほど、内容の無い馬鹿げた話もない。
そんな単純な話が野球で通用するわけがない。

アーズマ     0.36  2
フレンチ      0.44  4
ケリー       0.49  4
オルソン      0.52  9
モロー       0.58  5
バルガス      0.61  11
ウオッシュバーン 0.64  16(DET含む)
スネル       0.66  4
メッセンジャー   0.67  1
ロウ         0.73  5
ローランド・スミス 0.73  5
フィスター     0.76  6
ベダード      0.80  2
ジャクバスカス   0.85  7
シルバ       0.92  4
バティスタ     0.93  9
ホワイト       0.99  5
ヘルナンデス   1.17  19

グレインキーとのQS数、QS%比較
MLB Baseball Pitching Statistics and League Leaders - Major League Baseball - ESPN


今日のアンパイアは、もともと際どい球をとらないタイプ。
打たれた6回は、今日ヘルナンデスから2安打しているイヤな先頭打者アーロン・ヒルをサードゴロにうちとって「ヤレヤレ」と思ったら、サードのベルトレのエラーで出塁させてしまった。
さらに追い討ちをかけるように、次打者のアダム・リンドに投げた初球、アウトローのカーブが低め一杯にズバっと決まった見事なストライクを、アンパイアがボール判定された。
さすがに大人になったと評判のヘルナンデスも、これにはさすがに多少イライラしたのだろう、リズムが狂って、バーノン・ウェルズへの初球スライダーが真ん中に入ってしまった。

やはりノーアウトで味方のエラーで出塁されるのは、精神的にこたえる。



ロブ・ジョンソンの打撃はコネ捕手に出場機会を与えすぎている9月のゲーム数が少ないために本来のバッティングの集中力を欠いている心配はあったが、杞憂に終わった。
ツーベースを打ったこともさることながら、なにより2つの四球が素晴らしい。
彼の選球眼の良さのポイントのひとつは、今日のような左投手の投げてくる、きわどい所に来るが最後はボールになり、打っても凡打にしかならないアウトコースのスライダーの見極めができて、しかも、手を出さないこと。だからストレート系をミスショットしてファウルしていても、四球につながる。

ヘルナンデスの全登板

4月6日  6回自責点1  城島 QS
4月11日 5回自責点5  城島
4月17日 6回自責点3  ジョンソン QS
4月23日 7回自責点0  ジョンソン QS 完封リレー
4月28日 8回自責点0  バーク QS 9三振
5月4日  6回自責点6  城島 負け  9三振
5月9日  4回自責点5  城島 負け
5月14日 7回自責点0  ジョンソン QS
5月19日 5回2/3自責点6 城島 負け
5月24日 8回自責点1  ジョンソン QS 10三振
5月30日 6回2/3自責点0  ジョンソン QS
6月5日  7回自責点1    ジョンソン QS
6月10日 7回自責点1    バーク QS
6月16日 9回自責点0    バーク QS
6月21日 7回1/3自責点0 バーク QS 8三振
6月27日 8回自責点0    ジョンソン QS 9三振
7月3日  7回自責点3    ジョンソン QS
7月9日  8回自責点1    ジョンソン QS
7月17日 8回自責点2    ジョンソン QS 8三振
7月22日 7回自責点1    ジョンソン QS 8三振
7月27日 5回2/3自責点7 ジョンソン
8月1日  7回自責点2    ジョンソン QS
8月7日  6回自責点3    ジョンソン QS
8月12日 7回自責点0    ジョンソン QS 10三振
8月18日 7回自責点1    ジョンソン QS 9三振
8月23日 6回自責点3    ジョンソン QS
8月28日 7回自責点3    ジョンソン QS
9月2日  8回自責点0    ジョンソン QS
9月8日  7回自責点1 ジョンソン→城島 QSサヨナラ負け
9月13日 7回自責点0    ジョンソン QS
9月18日 9回自責点1    ジョンソン QS
9月24日 8回自責点3    ジョンソン QS 11三振






damejima at 11:27

September 18, 2009

アダム・ムーアをデビューさせるにあたって、シーズンに10を越える借金をしたままの戦犯城島の先発マスクを減らすのではなく、チームに20もの貯金を作ったロブ・ジョンソンが先日受けて先発初勝利をプレゼントしたばかりのモローの登板をわざわざ選ぶのだから、このチームが城島保護のためにやることの陰湿さは念が入りすぎだ。
2008シーズンとGMも監督も代わっている。だが、2008年にクレメントが受けた扱いと、2009年のロブ・ジョンソンの酷い扱われようは、全く同じ。これは、チーム側の経営サイドからまったく同じ指示が出ていることを暗示するものだ。

そんなわけで、今後はなんのためらいもなく言わせてもらうことができる。

「2008年のクレメントのときと同様に、2009年シーズンも大戦犯の城島を理由なく保護する目的だけのために、ロブ・ジョンソンから理由なく故意に大量の出場機会を奪い去り、一方でクレメントを目的もなく放出し、城島を拒否したウオッシュバーンは懲罰トレードした」と。

こんなことまでして、よく人権にうるさいアメリカで、メジャー選手会の調査が入らないものだ。

このチームは本気で若手を育てるつもりなど、一切ない。
ただの「ポーズ」だ。

減り続けるホワイトソックス戦の観客動員
17,153人
16,596人
16,336人

時系列にそって読む。裏口入学のコネ捕手城島による「2009年チーム再崩壊」(9月改訂版)

Chi White Sox vs. Seattle - September 17, 2009 | MLB.com: Gameday



モローは、まちがいなくノーコン投手だが、先日のロブ・ジョンソンのゲームでは、2四球。
9月13日の記事で書いたことだが、四球とホームランをいつも多発させているわけではなく、キャッチャーによることが今日のアダム・ムーアとモローを無理矢理組ませたバッテリーでも、かえって証明された。
ロブ・ジョンソンの先発ゲームでは、四球はそれほど多くはない。「四球とホームランと三振」の3点セットは、城島の先発したゲームの話だ。

2009年9月13日、モロー先発で四球とホームランが多発するのは、「城島マスク」の場合と判明。ノーコンの速球投手の「三振、四球、ホームラン」の3点セットで惨敗パターンは、まるで「悪いときの松阪」そっくり。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年9月12日、ロブ・ジョンソンはまったくコントロールの無いモローを四苦八苦してリード、チームの6連敗を阻止して、ついにモローに「2009シーズン先発初勝利」をプレゼントした。


また、今日のモローはなんと5回2/3を、6安打6四球のボロボロのピッチング。
しかし、この毎回2人ずつランナーを出す混乱した内容でも、失点2ですんでしまうのだから、9月16日のゲームについて、「ホワイトソックス打線の知恵の無さに助けられただけのゲーム」と書いたことは、まったくもって、このブログが正しい。

というか、当然のことだ。見てわからない馬鹿は目が腐っている。


怒りのおさまらないホワイトソックスの監督
オジー・ギーエン
"Go and ask [the players]. I don't have any more quotes, seriously. What am I going to say? They [are bad]? Yes, they are."
「(クラブハウスでうなだれている選手のところにでも行って)ほかで聞いてくれ。俺からは話すことなど、何もないね、マジ。オレがなに言いたいかって?選手(のせい)かって? そうさ。やつらさ。」
Ichiro's walk-off hit ends 14-inning thriller | MLB.com: News

まぁ、たしかに、工夫のない打者ばかりのホワイトソックスではある。あれでは投手が報われない。
だが、ピアジンスキー、ポドセドニック、コネルコあたりは素晴らしい打者だし、ベッカム、ジャーメイン・ダイ、クエンティンの打撃の酷さを早めに見抜けないでスタメンにおいてLOBを大量に生産しているのは、ほかならぬ、監督のオジー・ギーエンでもある。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年9月16日、今日のコネ捕手、リードは「ストレートは基本インコース、変化球はアウトコース」 たった、それだけ(笑)被安打9、8回にはホームラン被弾。ホワイトソックス打線の知恵の無さに助けられただけのゲーム。

damejima at 09:58

September 05, 2009

さすが、コネ捕手。笑いのツボを心得ている。
腹が痛い(笑)

2009年 今年たった7本しか打っていないホームランの約半数、「3本」
2009年 たった19しか挙げていない打点の約3分の1強、「7打点」
これら全て最下位のオークランドとの対戦での打撃成績というのだから、おそれいった8Mの「強打者様」だ。たまらなく、おかしい(笑)

シーズン100敗した2008年も、今年とそっくり。ただの「オークランド戦専用帳尻打者」とはな(笑)さすが、高給取り(笑)
2008年 ホームラン7本中、3本がオークランド戦(カード別最高)
2008年 39打点中、9打点がオークランド戦(カード別最高)
2008年 19四球のうち、4四球がオークランド(カード別最高)


今年192打数47安打、打率.245、7ホームラン19打点の、このただでさえ中身の無いヘボ打者の成績から、オークランド戦を除いてみれば、この打者の実態がわかる。

165打数40安打、打率.242、4ホームラン12打点。

なんだこれ。なに、このショボさ(笑)
まやかしもいいところだろ。


9月3日現在のコネ捕手城島の今シーズンの各打撃数字を見てみろ。笑えるから。


ホームグラウンド セーフコでの打撃
ロブ・ジョンソン AVG.190 OBP.271 SLG.310 OPS.581
コネ捕手城島 AVG.216 OBP.259 SLG.343 OPS.602

ランナーズ・オン
ロブ・ジョンソン AVG.222 OBP.328 SLG.394 OPS.722
コネ捕手城島 AVG.209 OBP.261 SLG.360 OPS.621

得点圏
ロブ・ジョンソン 56打数15安打 AVG.268 OBP.391 SLG.411 OPS.802
コネ捕手城島 41打数9安打 AVG.220 OBP.289 SLG.341 OPS.630

打順6番
ロブ・ジョンソン 15打数4安打 AVG.267 OBP.476 SLG.267 OPS.743
コネ捕手城島 44打数6安打 AVG.136 OBP.191 SLG.205 OPS.396


勝負強さ、という点で、あらゆる面でロブ・ジョンソンの勝ち。
セーフコランナーズ・オン得点圏6番、ではコネ捕手はまったく必要ない、
つまり、「肝心なところ」では、全く必要ない打者、コネ捕手城島(激笑)


せいぜい、9月に、オークランド戦の8番あたりで勝手にバット振り回して、帳尻しまくるといい。
こちらはなにーーも、気にならない(笑)
まったくなんの評価もするつもりにならない。かえってオークランド戦で打てば打つほど笑わせてもらっている(笑)

damejima at 01:29

September 03, 2009

初回にヒットを打ったLAAの先頭打者フィギンズは二盗を試みたが、ロブ・ジョンソンが素晴らしいコンロトールで盗塁を刺し、ビル・ホールのファインプレーなどもあってバックがヘルナンデスの立ち上がりを支え、ヘルナンデス8回無失点、14勝目。サイ・ヤング賞に一歩近づく大きな勝利と防御率アップとなった。

He and catcher Rob Johnson were on the same page the entire game.
Jim Street ,MLB.
Felix baffles Angels, outduels Kazmir | Mariners.com: News

LA Angels vs. Seattle - September 2, 2009 | MLB.com: Gameday

それにしてもわからないのは、あいもかわらずの「ロートル優先の選手起用」だ。
今シーズン残り一ヶ月しかないのに、サードのポジションを怪我明けのベルトレの打撃復調のために消費してしまい、DH枠は、チャンスを潰してばかりで打てもしないスウィニーに与え続けて終わってしまうつもりなのか。(コネ捕手城島やグリフィーは論外)
移籍後の打率が2割しかないジャック・ウェルソン起用もまったく意味がない。もし2人のウェルソンの守備力が同程度なら、打撃が良くサラリーも安いジョシュ・ウィルソンのほうをなぜ使わないのか。
打てないビル・ホールもそうだ。たしかに今日は活躍した。だが、それはたまたまそういう日もある、という程度の話。基本的にビル・ホールのスイングは酷い。いちいち大きく反動をとってからでないと振れない。あんな酷いリズムの取り方で、手元で変化するメジャーの球を、カラダに近いポイントで人並みにバッティングできるわけがない。

こういう若手軽視で「不良債権を貯め続ける」選手起用は、ここ何年もシアトルでやり続けている。セプテンバー・コールアップも、毎年毎年チーム順位がたいしたことがないクセに、懲りもせずに、老人たちの帳尻打撃ために無駄にし続けている。
例えば打撃が同じ程度なら、サラリーが安く、今後の伸びしろが期待できる若い選手を使うほうが予算が節約できるし、また、もし守備が同程度なら打てる選手のほうを使ったほうがチームは勝てる。それなのにサラリーが高いのに成績は若手とかわりばえしない老人ばかりをスタメンに使い続けてきた。ロブ・ジョンソンと城島のチョイスにも同じようなシアトル独特の若手軽視は表れている。

なぜそんな単純な選択すらできないのか。
こういう起用の間違いで、何人有望選手を外にほうりだしてきたか。

2009のセプテンバー・コールアップでも、ウオッシュバーンを安売りしてしまったせいでワイルドカード絶望のクセに、チームの方針転換もたいしてしていない。若手を上げて経験を積ませることもせず、9月というのに、老人たちばかりスタメンに留まっている。

これで来年のチームが良くなるわけがない。
コアな観客層は既に8月以降、とっくに今年のチームマネジメントの無理なローテ投手陣改造失敗によるワイルドカード争い脱落に呆れてスタジアムを離れている。



今日のフェリックスは114球で、ストライク67、ボール47で、ストライク率は58.9%で、彼の数字としてはよくない。8月上旬に一時改善されてきていたストライク率だが、8月下旬以降、また下がってきたのが、なんとも気になる。
四球3個は、このところのヘルナンデスにしては多い(ヘルナンデスは自分の出した四球にイライラして崩れる部分もあるから注意が必要だ)打者に対して初球がボールになると、ボール先行してカウントを悪くしやすい。
ただ、強打者ぞろいのLAAに、「初球は絶対にストライクを投げる」と決めてかかると、狙い打ちされて自滅する、ということもある。兼ね合いが難しいが、今日はそこはうまくいっていた。
8回無失点に抑えられたのは、ボール3カウントから投げるストレートにバットをへし折る球威があったことや、ゲーム終盤アウトコースに使ったシンカーでストライクがとれるようになって、球数が一気に節約できたことが大きい。
悪いなりにロブ・ジョンソンがまとめた、というところ。

8月1日  104球58ストライク 55.8% 四球4
8月7日  113球70ストライク 61.9% 四球6
8月12日 105球67ストライク 63.8% 四球4
8月18日 106球69ストライク 65.1% 四球1
8月23日 101球67ストライク 66.3% 四球0
8月28日 104球63ストライク 60.6% 四球1
9月2日  114球67ストライク 58.9% 四球3



今日最も圧巻だったのは、ヘルナンデスがトリー・ハンターから奪った2三振も素晴らしいが、むしろ、9回にアーズマが対戦した2人目の打者モラレスからとった空振り三振が素晴らしい。素晴らしいコントロールと配球だった。
今シーズン急成長したモラレスは長打率なんと6割に迫るLAA期待の若手だが、1−0からlアウトコース一杯に速球で2ストライクをとって、1−2と追い込んだ後に、3球目のストレートとまったく同じ軌道、まったく同じ腕の振りから、スッと落ちる4球目の2シームを投げ、見事に空振り三振させた。
振っても三振、振らなくても三振。完璧な1球だった。

2009年9月2日 9回モラレス三振9回 モラレス 三振


アーズマは誰がキャッチャーでも同じ、と、思い込んでいる人もいるかもしれないが、そんなことはない。アーズマは、かつてのビッグスリー同様、ロブ・ジョンソンが受けたほうがずっと成績がいい。
アーズマがロブ・ジョンソンに投げるときは、
「城島より被打率が1割も優れている」
「城島が受けるより三振が多く、四球が少ない」
「その結果、SO/BBが城島の2倍優れている」

これが事実だ。

      BB SO SO/BB 被打率
ジョンソン 14 43 3.07 .154 (35ゲーム117打席)
城島    13 21 1.62 .250 (22ゲーム84打席)

アーズマの1ゲームあたりの三振と四球
ジョンソン 1.23三振 0.40四球
城島    0.95三振 0.59四球
(2009年9月1日現在)


ヘルナンデス2009全登板ゲームログ

4月6日  6回自責点1  城島 QS
4月11日 5回自責点5  城島
4月17日 6回自責点3  ジョンソン QS
4月23日 7回自責点0  ジョンソン QS 完封リレー
4月28日 8回自責点0  バーク QS 9三振
5月4日  6回自責点6  城島 負け  9三振
5月9日  4回自責点5  城島 負け
5月14日 7回自責点0  ジョンソン QS
5月19日 5回2/3自責点6 城島 負け
5月24日 8回自責点1  ジョンソン QS 10三振
5月30日 6回2/3自責点0  ジョンソン QS
6月5日  7回自責点1    ジョンソン QS
6月10日 7回自責点1    バーク QS
6月16日 9回自責点0    バーク QS
6月21日 7回1/3自責点0 バーク QS 8三振
6月27日 8回自責点0    ジョンソン QS 9三振
7月3日  7回自責点3    ジョンソン QS
7月9日  8回自責点1    ジョンソン QS
7月17日 8回自責点2    ジョンソン QS 8三振
7月22日 7回自責点1    ジョンソン QS 8三振
7月27日 5回2/3自責点7 ジョンソン
8月1日  7回自責点2    ジョンソン QS
8月7日  6回自責点3    ジョンソン QS
8月12日 7回自責点0    ジョンソン QS 10三振
8月18日 7回自責点1    ジョンソン QS 9三振
8月23日 6回自責点3    ジョンソン QS
8月28日 7回自責点3    ジョンソン QS
9月2日  8回自責点0    ジョンソン QS






damejima at 11:21

August 31, 2009

ロブ・ジョンソンの2号2ランは、4-2というスコアの4回に、ハナハンのソロに続いて出たもので、結局ゲームは8-4で終わったわけだから、価値が高い。
この男、長打を実にいいところで打つ。なにか、そういう「ツキ」をもっている。
ロブ・ジョンソンの2ラン(動画)
Baseball Video Highlights & Clips | KC@SEA: Johnson hits a two-run homer to left field - Video | Mariners.com: Multimedia

Kansas City vs. Seattle - August 29, 2009 | MLB.com: Gameday

それにしても、いくらゲーム終盤に7-2と、5点差があったとはいえ、先発スネルが5回に打者の打球による怪我でマウンドを降りた後に出す投手がバティスタ、メッセンジャーのリレーでは、あぶなっかしい勝利になるのは当たり前。
ワカマツは、投手節約かなにか知らないが、終盤2イニングを今のブルペンでは最悪の投手といっていいメッセンジャーにまかせるとは、何を考えているのやら。
ほかに人材がいないならともかく、メッセンジャーよりマシな投手など、いくらでもいる。ジャクバスカスをマイナー送りにした意味すらわからない。
最終回にメッセンジャーが2本スタンドに放り込まれて、自責点2で終わらせられるゲームを無駄に4失点にした。明らかに監督の投手起用ミスである。

バティスタの捕手別 被打率
ロブ・ジョンソン  .238
城島        .283
キロス       .286
バーク       .318


今日のBS1の解説は、かつての城島のチームメイト武田だったが、例によって、何度も何度も執拗に「城島のほうがジョンソンより明らかにバッティングがいい」と連呼して、城島を出場させるべきだと力説しているそばから、ロブ・ジョンソンがバコンと2ランをスタンドに放り込んだのには、大いに笑わせてもらった(笑)

「ロブ・ジョンソンより城島のほうがバッティングがいい」などというまやかしは、ただの「印象操作」であって、「そんな事実はない」ことくらい、いまやメジャーファンでシアトルのことをよく知る人なら、誰でもがわかっている。
そもそも、40万ドルのサラリーのロブ・ジョンソンの20倍の、800万ドルもらっているヘボ打者が、勝ちの決まったゲームの終盤に、ロブ・ジョンソンの打撃データにようやく追いつく程度の帳尻ヒットを打ったくらいで、「城島の打撃のほうがいい」などという嘘を、さも本当のことのように得意げに語るのが、どれだけ恥ずかしいことか。
このブログでも何度もコネ捕手城島の打撃数値を取り上げているわけだが、日本の解説者も、まず思い込み(笑)だけで語ることを卒業しないと話が始まらない。

2009年8月24日、コネ捕手の毎年恒例「ポストシーズン争い脱落後の出場機会の不自然増+帳尻打撃 特別扱いサービス月間」はじまる。とはいえ8月はここまで三振の打率.162。

2009年8月3日、チーム打撃ランキングで「バッターとしての城島」の位置を確認してみると、「最低打者は実は城島」と判明した。


今日現在のロブ・ジョンソンとコネ捕手城島の打撃データはこんな感じだ。この程度で十分だろう。わざと、どちらがどちらのデータか、伏せておく。このブログをよく読んでいる人なら、このほとんど変わらないデータの上と下、どちらがロブ・ジョンソンで、どちらが城島か、わかるはずだ。
データならもっともっとあるから、自分で勝手に調べるといい。守備にしたって、ロブ・ジョンソンのほうが城島よりいいと、数字を挙げて語っているサイトも、アメリカの大手サイトにある

RC27 IsoP SecA P/PA AVE OBP SLG OPS 
3.15 .122 .218 3.78 .227 .296 .349 .646
3.32 .130 .168 3.32 .239 .278 .370 .648

Seattle Mariners Batting Stats - ESPN






damejima at 01:06

August 21, 2009

7月末のトレード期限ギリギリになってデトロイトにトレードされたウオッシュバーンが、8月20日のデトロイト対シアトルの対戦で登板することになって、シアトルの公式サイトのジム・ストリートが心温まる記事を書いてくれたので、紹介しておく。


:このゲームの実際の顛末は失笑もののエンディングを迎えることになる。実際のゲームについての記事は既に書いたが、あまりにも記事が長いのと、いい話あまりにも馬鹿らしい話を共存させておくのも気分が悪いので、記事をできるだけ分割してみることにした。
8月20日のデトロイト戦の失笑ものの幕切れについて読みたい人は、こちらの記事を読んでほしい。
2009年8月20日、MLB公式のジム・ストリートはロブ・ジョンソンとウオッシュバーンの対決をユーモラスに記事にした。 →だが無粋なチームの監督さんがスタメンマスクに選んだのは、なぜか城島 →最悪の「サヨナラ負け」(失笑)



イルカ

Johnson to face former batterymate | Mariners.com: News
written by Jim Street

Mariners catcher Rob Johnson said Wednesday that he was looking forward to seeing the "dolphin" from a different angle.
マリナーズのキャッチャー、ロブ・ジョンソンは「ドルフィン」を違った角度から見られる水曜を楽しみにしているという。(中略 ウオッシュバーンがフリッパーと呼んだ球を、ロブ・ジョンソンが「ドルフィン」と呼び変えたことの説明)
Washburn and Johnson meet again on the field on Thursday afternoon in the final game of the three-game series between the Mariners and Tigers.
ウオッシュバーンとジョンソンは、マリナーズとタイガースの3連戦の最終戦のある木曜の午後にフィールドで再会する。

"It will be really fun," Johnson said. "I know what he throws, and he knows I know what he throws, so it's definitely going to be a battle. We're both very competitive.
「すごい楽しみ」とジョンソンは言う。「僕は彼が投げる球を知っているし、彼も僕が彼の球を知っていることはわかってるわけだから、もちろんバトルになるろうね。僕らは2人とも負けず嫌いなんだ。」

"It is going to be awfully weird pitching against them," Washburn said. "It is strange. Just two weeks ago I was a member of that team, and now I have to go out and try to beat them."
「マリナーズ相手に投げるのは恐ろしく変な感じだよ」とウオッシュバーン。「奇妙な感じだよ。たった2週間前には、チームの一員だったのに、今は僕は外部にいて、彼らを負かそうとしているんだからね」(この後の一部略 トレードの経緯など)

"I spent the whole season rooting for every one of those guys to get a hit and do well every time they stepped into the box," Washburn said. "Now, I'm going to have to go out there, knowing every guy's weakness better than any other team. But at the same time, everyone who steps into that batter's box knows exactly what I have to offer on the mound."
「シーズン全体を費やして僕は、彼らが打席に入るときは、ヒットを打って、いい結果を得られるようにいつも応援してきた。」とウオッシュバーンは言う。「でも、今はデトロイトに行かなければならなくなって、シアトルの打者がどんな弱点をもってるか、ほかのどのチームよりもよく知っている。でも同時に、打席に入るシアトルの誰もが、マウンドの僕がどんな球を投げるのか、正確にわかってるわけだね」

Washburn said the transition from being a Mariner to a Tiger has been a challenge.
ウオッシュバーンはタイガースからマリナーズへの移籍はひとつのチャレンジになっている、という。
"I guess I probably am not totally adjusted," Washburn said. "It will help when the Mariners leave town, I suppose."
「思うに、僕はたぶんまだ十分適応できたとはいえないと思う」とウオッシュバーンは言う。「マリナーズがデトロイトを去るにあたってヘルプになるとしたら、そこだと思うね」
ブログ注:ここでウオッシュバーンが「まだ自分がデトロイトに適応しきってない」と言っているのは、明らかにデトロイトのキャッチャー、レアードとのバッテリーの呼吸のことだろう。つまり、だからこそ、シアトル時代のロブ・ジョンソンとのバッテリーのように、十二分に力を出せるかどうかまだ確信はない、と言っているわけだ。

Asked who he is looking forward the most to face, he paused for a few seconds and said: "Rob Johnson. I just love that kid. Having had a better view of any of my pitches than anyone on that team, there will be absolutely no surprises for him."
彼に誰と対戦したい?と尋ねると、ウオッシュバーンは数秒おいて、こう答えた「ロブ・ジョンソンだね。僕はとにかくあの小僧っ子が気にいってたからさ。チームの誰よりも、僕の投球をしっかり見守り続けてくれた。彼がそういうことをすることには、なんの驚きもないけどね、そういう子だし。」

On that day in Arlington when Washburn bid his former teammates adieu, Johnson had one request.
アーリントン・パークでウオッシュバーンが前のチームメイトとお別れをした日に、ジョンソンはひとつのリクエストをした。
"He told me I had to throw him a dolphin at least once because he wants to see what it looks like from the batter's box," Washburn said.
「ロブは僕に、打席からどんな風に見えるかどうしても知りたいから、最低1球は『ドルフィン』を投げてくれって言うんだ」

Will he?
投げるつもり?
"We'll see," Washburn quipped.
「試合になればわかるさ(笑)」と、ウオッシュバーンはすかさず言った。

"But if I do and he hits it out, I told him that I would get another ball from the umpire immediately and drill him as he's rounding the bases."
「でも、もし僕がドルフィンを投げて彼がヒットなんか打ちやがったら、僕は彼がベースを一周してるとき、すぐに、アンパイアから別のボールを手に入れて、奴にぶつけてやるけどね(笑)」

ルアー






damejima at 14:27

August 18, 2009

この8月12日のゲームは映像で見ていないのだが、疲労回復を理由にロブ・ジョンソンを1ゲーム休ませたくらいだから、大変なゲームだったことは容易に想像できる。
それはそうだ。ついこの間、完全試合をやったばかりのホワイトソックスのエースと、シアトルのエースの激突で、9イニング+5イニング、1試合半もやったのだ。疲れないほうがおかしい。
Griffey gives Mariners win in 14 innings | Mariners.com: News

サードランナーを刺したロブ・ジョンソンの強肩
Baseball Video Highlights & Clips | CWS@SEA: Johnson's pickoff gets Podsednik - Video | MLB.com: Multimedia

ヘルナンデスはこのゲームで10三振を奪っている。2ケタの三振を奪うのは、5月24日のサンフランシスコ戦以来。つまり、ひさびさにヘルナンデスが、世間の人の言う「ヘルナンデスらしい」ピッチングをした、ということになる。(実際のヘルナンデスはストレートで三振をとるピッチングばかりしているわけではない)
2009年5月24日、ヘルナンデスは無敗のパートナー、ロブ・ジョンソンを捕手に8回自責点1でQS達成、10奪三振でひさびさのデーゲームを勝利に導いた。

この8月12日、ヘルナンデスがひさびさの2ケタ三振で自責点ゼロと、ヘルナンデスらしいピッチングをできたについては、7月27日にブルージェイズに打ちこまれた次の登板でヘルナンデスがわずか2三振で勝利投手になった8月1日のゲームでの勝利がたいへん大きい。

2009年8月1日、ロブ・ジョンソン、ロウを好投させて終盤を締め、超苦手の『ビジターTEX戦、2009年初勝利』達成。数々のファインプレーにも助けられたヘルナンデスは、粘りの12勝目、ERA2.78、QSも達成。



8月1日のゲームはよく覚えている。象徴的なのが三振数で、わずか2つしかない。奪三振数のランキングでも上位のヘルナンデスが、わずか2三振で勝ち投手になったのである。いかに彼の調子がホンモノでなかったかがわかる。
この前の登板の7月27日、疲労のたまったヘルナンデスはブルージェイズ相手に11安打2ホームランを打たれ、7失点していた。続く8月1日のゲームでも、どの球種もキレがなく、ヘルナンデスは前回の登板の大敗から完全には復調していなかった。

だが、その大敗で自信が揺らぎかけたヘルナンデスを、野手とブルペン、そしてロブ・ジョンソンがよく助けた。守備のファインプレーとセットアッパーのロウの好投などに助けられた。あんなに良いロウは今まで見たことがない出来だった。



投手というものは、シーズンずっと好調をキープできたら、そんな旨い話はないわけだが、世の中、そう甘くはない。たとえ多少調子を落としているときでもマウンドに上がらなければならないことがある。それがローテの中心を背負うエースというものだ。


だからキャッチャーは本来、投手の調子によって多少はリード内容を変えなければならない。

そんなこと、誰でもやっている、と思うかもしれない。

しかし、例えば、9三振を奪いながらヘルナンデスが6失点して負けた5月4日のゲームを見ればわかる。キャッチャーは城島だ。
この5月のゲームは、自軍の先発投手の調子も、相手打線の調子もおかまいなしに、馬鹿のひとつ覚えで三振をとりにいく城島マスクの典型的ゲームのひとつで、この5月の3連敗以来、ヘルナンデスは城島相手に投げるのを一切止めた。


ローテからはずして休ませることのできない主力投手の調子がたまたま良くないことは、往々にしてある。8月12日のヘルナンデスも、ストレートにいつもの勢いがなく、また変化球のコントロールもイマイチだった。
そういう場合に、投手に「三振を無理にでも奪いにいくような投球」「無理にコーナーを狙い続けるような配球」、あるいは「盗塁を刺しやすくするためだけの配球」を要求し続けていたら、そんな馬鹿なキャッチャー相手に、誰も投げようとは思わなくなるのは当然だ。

それなのに、投手の球が真ん中にそれてホームランを打たれでもしようものなら、「城島が構えたミットにボールがこないで、逆球が来た。悪いのは投手で、城島は悪くない。」などと、馬鹿丸出しの話を得意満面でしゃべる馬鹿が、ファンにも、解説者にもいる。どこまで馬鹿なのだろう。おそらく、自分が無知と恥を晒しているのがわからないのだろう。



もし8月1日のゲームで、城島の馬鹿リードのようなことをしていたら、確実にヘルナンデスは2連敗して調子を崩し、精神的にも崩れていたことだろう。それが、5月4日のゲームと、8月1日のゲームの違い、コネ捕手城島と、ロブ・ジョンソンの違いである。
ロブ・ジョンソンはこの8月1日のゲームでは、このところ初回からストレートを狙い打たれがちだったヘルナンデスに、変化球主体で投げさせたりしつつ、無理に三振を奪いにいくような配球をしないことによって、けして調子のよくはないヘルナンデスに結果的に12勝目をプレゼントしている。

そんな8月1日のゲームから用意されていた「ヘルナンデスの再生」が果たされたのが、この8月12日の完全試合男バーリーと投げ合ったゲームである。ロブ・ジョンソンもほっとして、その夜は疲れて爆睡したことだろう。


ヘルナンデスの2009全登板ゲームログ

4月6日  6回自責点1  城島 QS
4月11日 5回自責点5  城島
4月17日 6回自責点3  ジョンソン QS
4月23日 7回自責点0  ジョンソン QS 完封リレー
4月28日 8回自責点0  バーク QS 9三振
5月4日  6回自責点6  城島 負け  9三振
5月9日  4回自責点5  城島 負け
5月14日 7回自責点0  ジョンソン QS
5月19日 5回2/3自責点6 城島 負け
5月24日 8回自責点1  ジョンソン QS 10三振
5月30日 6回2/3自責点0  ジョンソン QS
6月5日  7回自責点1    ジョンソン QS
6月10日 7回自責点1    バーク QS
6月16日 9回自責点0    バーク QS
6月21日 7回1/3自責点0 バーク QS 8三振
6月27日 8回自責点0    ジョンソン QS 9三振
7月3日  7回自責点3    ジョンソン QS
7月9日  8回自責点1    ジョンソン QS
7月17日 8回自責点2    ジョンソン QS 8三振
7月22日 7回自責点1    ジョンソン QS 8三振
7月27日 5回2/3自責点7 ジョンソン
8月1日  7回自責点2    ジョンソン QS 2三振 勝ち
8月7日  6回自責点3    ジョンソン QS
8月12日 7回自責点0    ジョンソン QS 10三振







damejima at 14:55
イルカ

ウオッシュバーンが、ハラデー、ヘルナンデスなどとともに今年のサイ・ヤング賞を狙うグレインキーと投げ合い、最終的にはデトロイトがインジのサヨナラホームランで劇的な勝利を収めた。
両投手とも3安打自責点ゼロで譲らず、勝ち負けは両チームともブルペン投手についたので、両雄並び立つ結果ではあるが、グレインキーが108球で7イニング、4四球なのに対し、ウオッシュバーンは107球で8イニングを投げきって、しかも2四球だから、同じ球数で1イニング多く投げたウオッシュバーンが投げ勝ったといってもいいだろう。

同じ球数でも、イニングをより多く食ってしまうところが、いかにもウオッシュバーンらしい投球術だ。

おめでとう、ウオッシュバーン。
よし、次は移籍後初勝利だ。・・・と、いいたいところだが、彼の次の登板といえば、デトロイトでのシアトル戦である。困ったものだ。だが、人生はえてしてこういうものだ。放出したシアトルが悪い。人生にドラマはないようで、やはりドラマはある。
いや、むしろ、今のインターネットの時代、ドラマは映画や小説、油絵や彫刻のオリジナリティの中にではなく、リアルタイムの人生の中にこそあるのかもしれない。だからこそ、スポーツは面白い。
Boxscore: Kansas City vs. Detroit - August 14, 2009 | MLB.com: News
デトロイト・タイガースの今後のスケジュール
2009 Tigers Schedule | tigers.com: Schedule

ア・リーグ ERAランキング
MLB Baseball Pitching Statistics and League Leaders - Major League Baseball - ESPN
ア・リーグ WHIPランキング
MLB Baseball Pitching Statistics and League Leaders - Major League Baseball - ESPN


ウオッシュバーンはデトロイト移籍後、最初の2試合で自責点が合計11と、さえなかったわけだが、もちろんこれは彼の精神的な動揺を抜きに語れるものではないことは、地元紙だって、リーランドだってわかって受け止めている。またデトロイト打線の貧打というファクターもあることも、デトロイトの地元だってわかっている。

ア・リーグ5位の防御率のウオッシュバーンが移籍後に2試合続けて大きく失点した原因は、4本浴びたホームランにある。
今シーズンのウオッシュバーンは、ア・リーグWHIPランキング1位をずっと続けてきた(現在のトップはロイ・ハラデーの1.08)ように、そもそもランナーを出さない好投を続けているわけだが、ホームランをあまり打たれていないことも、今年のウオッシュバーンの2.95という素晴らしい防御率につながっている。
移籍前の7月末段階で被ホームランは11本だが、これは防御率ランキング上位の投手たちの間でも少ない。特に月間最優秀投手を受賞した7月には、7月6日から7月28日までの5登板連続して、ただの1本もホームランを打たれていない。
ランナーを出さず、ホームランも打たれないのだから、その5ゲームでの失点は合計でわずかに3点。準完全試合を含めて4連勝し、月間最優秀投手を受賞したのも当然だ。
これについては既に書いたように、6月に月間最優秀投手を受賞したヘルナンデスと同様、彼ら投手たちのポテンシャルと、キャッチャー、ロブ・ジョンソンとのコラボレーションの結果だといえる。
Jarrod Washburn Stats, News, Photos - Detroit Tigers - ESPN

2009年7月6日、ウオッシュバーンとロブ・ジョンソンの鉄壁バッテリー、「準パーフェクトゲーム」達成!ウオッシュバーン初の「無四球試合」。9回1安打完封。
2009年7月6日、ロブ・ジョンソンが準完全試合を達成したウオッシュバーンの新しい魔球「ドルフィン」と、その開発にいたるコラボレーションについて大いに語った。
2009年8月4日、ウオッシュバーン、7月のア・リーグPitcher of Month受賞!ロブ・ジョンソンは6月ヘルナンデスに続き2ヶ月連続で月間最優秀投手を輩出、キャッチャーとしての揺るぎない優秀さを証明した。


7月に5試合も連続してホームランを打たれないゲームをしたウオッシュバーンが、デトロイトに移籍してわずか2試合で4本もホームランを打たれて失点したわけだが、「シアトルでのウオッシュバーンの好成績の理由は、彼の実力ではなく、外野守備の良さやパークファクターなどにある。デトロイトに移籍したらそれみたことか、馬脚を現して失点ばかりしている」、とか馬鹿馬鹿しい嘘をならべて、なんの根拠もなく平気で言う阿呆がいる。

ホームランは外野守備とはなんの関係もない。


移籍後のデトロイトでウオッシュバーンの球を受けているのは、テキサス・から今年デトロイトに移籍してきたジェラルド・レアードだが、このレアード、テキサス時代にまともに100ゲーム以上ゲームに出たのは2007年しかなく、この年のCERAが6月末段階で5.44と、酷すぎるものだったし、城島同様、ア・リーグのダメ捕手のひとり、という印象しかない。
移籍の動揺が収まってきたウオッシュバーンの今後についてはなにも心配はしてないが、このレアードという捕手については、正直なところ、まったく期待していない。ポストシーズン進出に向けて四苦八苦するデトロイトは、来期に向けてどころか、いますぐにでも捕手を代えたほうがいいとすら思っている。

そのレアードを放出したテキサスだが、レアード放出を含め、チーム改革がたいへんにうまくいって投打のバランスが非常によくなり、今シーズンはワイルドカードも狙える位置をキープしている。
特にチーム防御率の改善はめざましく、ア・リーグ3位の4.13(8月16日)と飛躍的に改善され、チームの大躍進の最も大きな理由になっている。


今シーズン、テキサスのマスクをかぶっているのは、今シーズンCERA4.08と良い数字を残しているサルタラマキアと、控えの05年ドラフト3巡目指名のルーキー、ティーガーデン
ティーガーデンは2008年に彼がメジャーデビューしたゲームもたしか観戦したが、強い印象を受けたのを今でもよく覚えている。デビュー前は打力が心配の守備的捕手、などという馬鹿のひとつ覚えな意見のあったティーガーデンだが、本当にナンセンスな意見だ。現在のテキサスの強力な打線ラインアップを見れば、「捕手の打撃能力がどーたら、こーたら」だの、そんな意見、何の意味もない。

それにしても、よくキャッチャーの打撃力をどうたらこうたら言いたがる人がいるが、たとえ仮にそのチームの打線全体が貧打で困っていたとしても、その問題をクリアするためには、捕手の打撃力など、もともとたいして貢献できるようなものではない。打力アップのために貢献しなくてはならない、あるいはチームがいじらなければならないのは、もっと他のポジションの野手だ。
こんな程度のことくらい、いい加減わからないのだろうか。


例えばテキサスの場合でいえば、ティーガーデンやサルタラマキアの打撃に大きな期待などしなくとも、マイケル・ヤング、ビスケール、ハミルトン、クルーズ、キンズラー、十分に勝てるだけの優秀な打者がチームに揃っている。ティーガーデンにマウアー並みの打力を求めなければならない必要など、さらさら無い。
テキサスがチーム改造を前に抱えていた問題は打力アップだったわけではなく、ディフェンス面の問題だ。
いらないレアードを移籍させ、かわりにティーガーデンをメジャーに定着させたテキサスの防御率が現在ア・リーグ第3位、4.13と大きく飛躍した原動力のひとつが、捕手交代にあることは明らか。


対比的に言えば、残念ながら、テキサスのこうした計画的、合理的なチーム改造とは対称的に、不合理なことばかりしているシアトルは、何をやっても大きく遅れをとったままで、そして、それが近年、あるいは現在の中途半端な地区順位にそのまま反映されている。
引退する選手の花道を用意してやり、城島やシルバはいまだにベンチに座っており、どうみても今後必要になるウオッシュバーンやクレメントは放出してしまい、DH枠はいまだに選手全体の休養には使うことができず、獲得してはみたものの使えない投手たち、彼らを現場は扱いかねて捕手を変えてはお茶を濁している。
GMや監督を褒めちぎる人は多いが、それでチーム全体が将来に向かって何がやりたいのか、どういう方針でいるのか、まったく見えてきてはいない。

ティーガーデンのCERAほかスタッツ
Taylor Teagarden Stats, News, Photos - Texas Rangers - ESPN
サルタラマキアのCERAほかスタッツ
Jarrod Saltalamacchia Stats, News, Photos - Texas Rangers - ESPN
レアードのCERAほかスタッツ
Gerald Laird Stats, News, Photos - Detroit Tigers - ESPN


ウオッシュバーンのゲームに話を戻そう。
グレインキーの7月だが、今年開幕から6連勝、6月末までにERA1.95、10勝3敗と、堂々たる成績を収め、サイ・ヤング賞レースのトップを快走していたわけだが、7月以降に4連敗して、11勝7敗、ERA2.33と、多少雲行きがあやしくなっていた。

ただ、これはグレインキーのせいではない。カンザスシティのチーム力が無いせいだ。

7月に彼は5登板しているが、味方の得点は、5ゲームでたった6点しかない、1ゲームあたり、わずか1.2点。これでは、どんな大投手でも勝ち続けられるわけがない。
かたや、この7月の5ゲームでグレインキーの自責点は合計9点で、1ゲームあたり、1.8点。失点をゲームあたり2点以内に抑えているが、味方が1試合に1点しか得点できないのでは、連敗もいたしかたない。

グレインキーは今シーズン8月14日のデトロイト戦まで24ゲームに登板しているが、5回でマウンドを降りたのはわずかに3ゲームしかない。20回ものQSを果たし、QS達成率は83%もの超高率でア・リーグトップ(2位はフィリーズに移籍したクリフ・リーの82%)。また完投回数は4回で、これもア・リーグ1位。(ちなみに13勝10敗だった2008年も、彼は23回QSを達成し、72%のQS達成率を残している)

通常の防御率ではなく、補正された防御率Adjusted ERA+でみると、8月18日現在の彼の数値は188。2000年代に入ってこんな高い数字を記録した投手はランディ・ジョンソンや、クローザーのリベラを除けば、リンスカムクリス・カーペンターくらいしかいない。
このことからも、カンザスシティという弱小球団にいるグレインキーの今年の成績が、やや調子の落ちたように見える7月以降も、かわらずサイ・ヤング賞に準じる程度といえるレベルにあるといえる。
Zack Greinke Stats, News, Photos - Kansas City Royals - ESPN
Zack Greinke Pitching Statistics and History - Baseball-Reference.com

ルアー






damejima at 11:14

August 06, 2009

猫がグラウンドを走りぬけた日、
ロイヤルズ、23残塁。
MLB公式サイトの猫の走る動画
Cat frolicks on field in fifth inning in KC | MLB.com: News


たった1試合見ただけでどうこう言うのも、どうか。とは思う。
だが、フレンチは正直、こんなレベルの低い投手がア・リーグ屈指の投手のひとり、ウオッシュバーンと交換というのだから、悲しくなる。安売りにも程がある。スネルがフレンチよりかなりマシなのがわかった感じ。
と、いうのも、オルソンについて、シアトルに来てから何度も「基本的に球の高い投手」と指摘してきたが、このフレンチは球の高さはオルソン以上かもしれないのがどうも気になるのだ。
おまけに球種が少なく遅い球がないので、緩急がつけづらい。
打線の援護のないゲームなら間違いなく負けそうだし、次回以降のゲームでは落ち着いて性根をすえて頑張ってもらいたい。

次回以降の登板をよりよいものにするために、フレンチはコミュニケーション能力やリード能力の高いロブ・ジョンソンとよく話し合って、ウオッシュバーンとロブ・ジョンソンが一緒に時間を共有しつつ、ピッチング改善や、新しい持ち球の開発に取り組んだように、今後のピッチングをどう改善するか、言葉にして話しあうべきだ。

2009年7月6日、ロブ・ジョンソンが準完全試合を達成したウオッシュバーンの新しい魔球「ドルフィン」と、その開発にいたるコラボレーションについて大いに語った。

Lucas French Career Statistics | Mariners.com: Stats

終わってみれば今日のゲームは、フレンチ、バティスタ、ホワイト、オルソン、4人の投手で終ったが、よく4人で追われたもんだと思う。実際ブルペンではジャクバスカス、ケリー、ロウ、次々に肩をつくった。
こんな無駄なことに早めに対策を打つためにも、誰かがよほど投手を指導しないとダメだろう。フレンチでいえば、オルソンがそうだったように、移籍したばかりで調子がよくないとか、そういう問題ではなさそうに思う。きちんと指導して、フォームなり、リリースポイントなり、かえないことにはどうにもならない部分のある投手だと思う。
Seattle vs. Kansas City - August 5, 2009 | MLB.com: Gameday


今日のロブ・ジョンソンは、四苦八苦しながらカンザスシティに23残塁させ、投手をなんとか4人ですませたわけだが、攻撃面もとてもよかった。2安打1四球3出塁で、打率.224。長打も出た。

第1打席 先頭でダブル。大量点のきっかけを作る。得点
第2打席 1死1、3塁 内野フライ
第3打席 先頭。四球
第4打席 1死2塁 シングル
第5打席 ヒット性の当たりだが、ファインプレーに阻まれる

面白かったのは、ランナーのウィルソンとのコンビで、カンザスシティをかき回した7回の第4打席の走塁。なかなか見られない面白プレーだし、ぜひ動画で見ておいてほしいものだ(笑)
Baseball Video Highlights & Clips | SEA@KC: Wilson scores on Johnson's base hit - Video | MLB.com: Multimedia

(1)1死から、ウィルソン二塁打
(2)ロブ・ジョンソンがセンターに抜けるシングル
(3)センターがバックホーム。ノーバウンド
(4)サードを回りかけていたウィルソンが急ブレーキで停止
(5)ロブ・ジョンソンがセカンドへ
(6)キャッチャー、セカンド送球。だが、セカンドセーフ
(7)ウィルソンが本塁突入。ホーム送球も、セーフ
(8)捕手が両膝をつくのを見てロブ・ジョンソンがサードへ
(9)キャッチャー、あわててサード送球。セーフ

カンザスシティ側からみると、ボールを
センター → キャッチャー → セカンド → キャッチャー → サード と転送している間に、「ひとつもエラーしてない」のに、1点とられたことになる。
シアトル側からみると、本来なら1死1、3塁のところを、走塁だけで、1点とり、1死3塁にかえたわけだ。文字だけでわかるか、どうか(笑)→ 動画があった。やっぱりメジャーの人もこれは珍しいと思ったようだ(笑)






damejima at 13:19

August 05, 2009

本当におめでとう、ウオッシュバーン
2009年7月のア・リーグ月間最優秀投手受賞
心から祝福したい。準パーフェクトゲームが評価されないわけはないと思っていた。7月 4勝1敗 ERA1.44 43回2/3。
素晴らしい成績だ。
相棒のロブ・ジョンソンは、これで6月のヘルナンデス受賞に続いて、2ヶ月連続で月間最優秀投手を輩出させた。素晴らしい仕事だ。
Players of the Month | MLB.com: News

Washburn July's Pitcher of the Month for AL | Mariners.com: News

イルカ


ウオッシュバーン全登板ゲーム
Jarrod Washburn Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN

2009年7月23日 ア・リーグWHIPランキング by ESPN2009年7月23日 ア・リーグWHIPランキング by ESPN
1位 ウオッシュバーン

ア・リーグWHIPランキング
グレインキーの調子が落ちてきて、予測どおりWHIPランキング争いはハラデーとの一騎打ちになりそうだ。ほんとうに頑張ってほしい。
MLB Baseball Pitching Statistics and League Leaders - Major League Baseball - ESPN

ESPNのシーズンベストゲーム6位に選ばれた7月6日の準パーフェクトゲーム、ロブ・ジョンソンの決勝2ランで勝った7月11日のゲーム、WHIPランキングでリーグトップに立った7月23日のゲーム、移籍直前のあの不安の中でチームの連敗を食い止めた7月29日のベテランらしい熱投。
どれもこれも本当に素晴らしいゲームばかりだ。

9回完封準パーフェクトゲームに続いて、7回QS、6回2/3QS、7回QS、7回QS。合計5登板連続QS。本当に素晴らしい7月を、ウオッシュバーンは過ごした。

2009年7月6日、ウオッシュバーンとロブ・ジョンソンの鉄壁バッテリー、「準パーフェクトゲーム」達成!ウオッシュバーン初の「無四球試合」。9回1安打完封。

2009年7月6日、ウオッシュバーンの準パーフェクトゲーム、ESPNの2009ア・リーグ ベストゲーム第6位にランクイン。ベスト10ゲームの中で最も少ない3三振での偉業。

2009年7月6日、ロブ・ジョンソンが準完全試合を達成したウオッシュバーンの新しい魔球「ドルフィン」と、その開発にいたるコラボレーションについて大いに語った。

2009年7月11日、ロブ・ジョンソン値千金の決勝2ラン、The Pitchウオッシュバーンは7回QSで6勝目、ついにERA2点台に突入した。(マイケル・ヤングをうちとった「ドルフィン」解説つき)

2009年7月23日、ウオッシュバーン、ついにWHIPア・リーグトップに立つ。7回QS、4連勝の8勝目でERAは2.71に上昇。ゲーム後、彼は初めて自らハッキリと「チームに残りたい」と強く意思表明した。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年7月23日、ウオッシュバーンは「移籍したくない」といい、「プレーヤーが売り払われないために、頑張るしかない」と語った。

2009年7月27日、魚釣りの好きな男の父が息子に電話してきて「トレードされたのかい?」と尋ねた。息子は言う。it's not over.「チームはまだ終わってないよ。」そして彼は家族のために魚料理を作った。

2009年7月29日、The Pitchウオッシュバーンの大試合。102球、7回QS達成!悪い流れを食い止めた後は 「持ってる」イチローのメジャー初サヨナラ打、「パラシュート・ヒット」で劇的勝利!



ロブ・ジョンソンにとっては、これで6月のヘルナンデスに続いて、2ヶ月連続のア・リーグ月間最優秀投手の輩出、ということになる。受けたキャッチャーにとっても、最高の栄誉となった。まさしく快挙である。

Felix named Pitcher of Month for June | Mariners.com: News

2009年7月3日、ヘルナンデス、6月のア・リーグPitcher of Monthを受賞。6月に彼の球を受けたバーク&ロブ・ジョンソンにとっても名誉の受賞となる。

2009年7月5日、城島のいない6月を過ごすことができたフェリックス・ヘルナンデスは、6月の3勝ERA0.94で月間最優秀投手を獲得、ようやくオールスター出場を手にいれた。



今日はデトロイトでのウオッシュバーン初の登板ゲームでもある。不思議な縁だ。
Baltimore vs. Detroit - August 4, 2009 | MLB.com: Gameday


4月9日  8回自責点0 ジョンソン QS 完封勝ち 
4月15日 6回自責点2 城島(4回自責点0 怪我による交代)→ジョンソン(2回自責点2) QS 勝ち
4月21日 7回自責点2 ジョンソン QS 勝ち
4月26日 5回1/3自責点6 バーク
5月2日  7回自責点1 ジョンソン QS
5月7日  7回自責点1 ジョンソン QS
5月13日 6回自責点4 城島
5月18日 5回自責点6 城島
5月26日 6回自責点0 ジョンソン QS
6月1日  7回自責点1 ジョンソン QS
6月6日  6回自責点1 キロス QS
6月12日 6回自責点4 ジョンソン
6月19日 7回自責点2 ジョンソン QS
6月25日 6回自責点2 ジョンソン QS 勝ち
7月1日  7回自責点4 ジョンソン
7月6日  9回自責点0 ジョンソン 準完全試合QS勝ち
7月11日 7回自責点1 ジョンソン QS 勝ち
7月18日 6回2/3自責点1 ジョンソン QS 勝ち
7月23日 7回自責点0 ジョンソン QS 勝ち
7月28日 7回自責点1 ジョンソン QS

CERA
ジョンソン 108回2/3 自責点25 ERA 2.07
バーク   5回1/3自責点6  ERA 10.13
城島    15回自責点10 ERA 6.00
キロス   6回自責点1   ERA 1.50

被打率
ジョンソン .208
バーク   .333
城島    .246
キロス   .304

ルアー






damejima at 18:35

August 04, 2009

城島の打撃の酷さを調べるためにチーム全体の打撃成績を調べていて、ふと、あることに気がついた。
Ronny Cedeno Stats, News, Photos - Pittsburgh Pirates - ESPN

結論を先に言っておく。

シアトルは若い可能性をみつけるのが本当に下手だ。

(いや。グティエレスやブラニヤンが当たりだったな。失礼した。でもアダム・ジョーンズ、シェリル、イバニェスを獲得したチームに比べて成功したトレードといえるかどうか)

シアトルのショートは、打撃改善の余地が残され、サラリーも安いセデーニョのままで十分だった可能性がある。若いセデーニョのトレードに慌てて走らなければならない理由はどこにもなく、もし今後ウィルソンが打撃面でセデーニョ以下の城島並みにあまりにも酷いバッターなら、ウィルソン獲得は大失敗に終わる。そもそもベタンコートより攻守でウィルソンは落ちるなら、ベタンコート以降、ショートの守備をいじりまわしたトレード全体が無意味になる。
投手のスネルが欲しかっただけなら、なにもクレメントとの交換でなくても実現はできた。
このシアトルの焦った「ショートストップ獲得騒動」に巻き込まれたクレメントのトレードは安売りだったし、クレメントの打撃にはまだまだ打撃面で期待ができた、という意味でもナンセンス。
来年にはいなくなるDHグリフィーの後釜や控え、一時急速に打撃の衰えた1塁ブラニアンの控えなど、来年以降にシアトルで仕事を作れた可能性はあった。

シアトルのトレード、というかチーム方針は、なんというか、迷走している部分、ブレている部分ばかり感じる。
そもそも買い手なのか、売り手なのか、判然としない。投手陣のまとめ役のウオッシュバーンが安売りされ、「ショートの獲得騒動」にクレメントが巻き込まれて安売りされ、狙いがますます不明瞭になってきた。
迷走しているうちに、打撃力も投手力も、さらにチームのまとまりも失いつつある感じが、日に日に強くなってきているのが困る。
ブログ主だけなのかもしれないが、ズレンシックが何を目指しているのかわからない、と感じるときがある。


野村氏ではないが、ボヤキばかりでもつまらない(笑)
ちょっと難しいクイズを出してみよう。
シアトルのAB/HR、つまり「ホームラン1本打つのに何打席かかったか」というデータのランキングだ。(8月2日現在)

14.0 ブラニアン(1位)
24.8 グリフィー
25.2 ロペス
27.8 グティエレス
28.0
37.2 
38.8 バレンティン
46.0 
46.7 城島
59.4 ベルトレ

上位4人はわかる人が多いと思う。あらかじめ書いておいた。
また、いかにもホームランを打つように思われている城島、ベルトレの名前も、あらかじめ入れておいた。今シーズンの彼らはまるっきりホームランなど期待できないことがよくわかるだろう。
また、たまにバレンティンが意外な場面でホームランを打っていたのを覚えているシアトルファンも多い。彼の名前もあらかじめ書いておく。

そこで、問題。
空いている残り3つのスペースに入るシアトルの野手の名前を当てられるだろうか?(DL中の選手、トレードされた選手はアリ。マイナーにいる選手はのぞく)




これが正解だ。
6位セデーニョが意外ではないだろうか。

14.0 ブラニアン
24.8 グリフィー
25.2 ロペス
27.8 グティエレス
28.0 ハナハン
37.2 セデーニョ

38.8 バレンティン
46.0 スウィニー
46.7 城島
59.4 ベルトレ


たまに意外な場面でホームランを打つバレンティンが長打のあるグティエレスの次にくるのでは?と思った人も多いのではないだろうか。ブログ主はそう思った。
しかし、セデーニョはAB/HR、つまり、ホームランを打つのに必要な打席数において、バレンティンより上、さらに、スウィニー、城島、ベルトレより上なのだ。意外である。
話にならないと思いこんでいたセデーニョはIsoP(Isolated Power)の数値が意外に高い。これは、IsoPが(長打率ー打率)で計算されるため、セデーニョの打率が低すぎるため、見た目だけIsoPが「高くみえる」、それだけだろうと思った。

そこで確認のために、と思って見たのがAB/HRだったわけだが、結果は意外なもので、「セデーニョのホームランを打つ割合は、シアトルでは、第6位で、バレンティンと同程度」ということがわかったわけだ。

さらに気になって移籍直後のセデーニョのピッツバーグでの打撃をたしかめてみると、15打数4安打で、なにやら2ランホームランまで打っているではないか。困ったものだ。
Washington Nationals vs. Pittsburgh Pirates - Box Score - August 02, 2009 - ESPN



ショートのベタンコートのトレード以来、セデーニョ、ウィルソンと、シアトルの「ショートストップ」がコロコロかわっている。

けして打撃も守備も悪くはないベタンコートの放出理由については、「攻守の波の大きさ」とでもまとめられるだろうが、セデーニョは「守れるが打てない」くらいのことはわかっていただろうと思う。そのセデーニョをネタに獲得するウイルソンが「守れるだけで打てない」のでは、サラリーが高くなったばかりで、何の意味もない。
まして、セデーニョのスタッツを見るかぎり、「本当に打てないのかどうか」はまだわからなかったはずだ。移籍してきたばかりのウィルソンの打撃をどうこう言うのも失礼といえば失礼だが、キャリアをずいぶん重ねてきてしまって伸びしろがないことがわかっているウィルソンの打撃と、まだ若いセデーニョでは、可能性に差がありすぎる。

そもそも、いま、7月末のシアトルは、再建モードの「売り手」か「買い手」なのか、「若手を育成して守備固め」なのか「多少はワイルドカードに未練があるのか」、そこらへんがまるで見えなくなってきている。



そんな意味のわからないショートストップ騒動に巻き込まれるように、ウィルソン獲得に際してクレメントが放出されてしまったのは、かえすがえすも残念。


この3人のショートストップたちの打撃、簡単にいまのシアトルのチーム方針風に比べてみよう。
城島の打撃について調べた5つの指標だけいうと、3人の成績はいまのところこんな風になっている。(各プレーヤーとも、2009シアトルでの成績)

OBP 出塁率
セデーニョ   .213
ウィルソン   .250
ベタンコート  .278
城島      .288

BB/PA 打席あたりの四球数
ウィルソン   .000
城島      .027
ベルトレ    .035
セデーニョ   .049

P/PA 打席あたりの投球数
城島      3.25
ベタンコート  3.27
ウィルソン   3.38
セデーニョ   3.67

IsoP Isolated Power
ベタンコート  .080
城島      .100
セデーニョ   .124
ウィルソン .125

SecA Secondary Average
ウィルソン   .125
ベタンコート  .134
城島      .136
セデーニョ   .183

セデーニョが思ったより悪くない、ということと、3人の中で最もウィルソンが期待できない感じくらいがわかってもらえば幸いだ。

ウイルソンは、まだチームに来てわずかしかたっていないから、今あれこれ言うのが酷なのはわかっている。もちろん、トレード前から「守れるが打てないショート」なのは、もう年数たっている選手だし、そう今後変わるとも思えない。
そもそも同じ「守れるが打てないショート」というだけなら、サラリーと年齢で比較して、なにもトレードで値段の高いものをわざわざ獲ってこなくても、セデーニョで十分だったはずだ。。

このチームは、いったい、セデーニョのどこを見て放出したのだろう。
ウィルソンが「守れるだけで打てない」なら、セデーニョを我慢して使えばいい。それに、ウィルソンなら、まだ「守備はポロリが多いが打てる」ベタンコートのほうがマシに思えてもくる。

「打てないように見えた」セデーニョを、サラリーの安さでキープして、9番ではなく、もっと気楽に打てる7番くらいを打たせて、打撃の開花を待つ手もあった。
そもそも監督ワカマツは、シアトルにおける9番の役割、次打者に天才イチローを控えた9番の役割が、他のチームと多少違うことを重視しなさすぎる。シアトルで9番にいては気楽には打てない。IsoP、AB/HRではないが、ほかの打順、6番7番あたりで気楽にバットを振り回すとどうなるか、試してもよかった。


それにしても、こんなトレードに巻き込まれて、クレメントもついてない。
チームの世話役のDHなど、チームに2人もいらない。このチームで最後のシーズンを迎えるグリフィーにどうしてもシーズン最後までプレーさせたいなら、せめてスウィニーのかわりにクレメントをメジャーに上げてきて、DHで試しすべきだった。






damejima at 18:53

August 01, 2009

2008年にクレメントが捕手をつとめた時期は、2つの時期に分かれる。

(1)6月18日〜7月22日
 →2008年、ジェフ・クレメントのための短い夏(4)
  クレメントの奇跡。シルバ3登板連続QS。

(2)8月2日〜8月30日

(1)の時期にクレメントは、ダメ捕手の烙印を押された城島にかわり、正捕手として、主に捕手をつとめた。

この項では、(2)を扱う。

(2)では、「相手先発投手が右投手か、左投手かによって、クレメントと城島、どちらの捕手を先発させるか決める」などという、頭がおかしいとしか言いようがない捕手起用システムがとられた。
明らかに、これは「一度正捕手の座を失った城島を強引にでも復帰させるたいが、実績を残したクレメントを一気に控えに落としたのではあからさますぎる。そこでクレメントと城島を横並びにして『併用』とみせかけることで、城島強制正捕手復帰の強引さをオブラートに包んで誤魔化す」という見えすいた猿知恵だった。
この記事のデータを読んでもらえばわかるように、クレメントは(1)において十分な活躍をした。それゆえ、彼を正当な理由もなく控え捕手、あるいはマイナーに降格などさせられない。それでもどんな無理を通してでも城島を正捕手に戻したい、そこで誰の目にも「野球のシステムや合理性とは無縁の猿知恵」が、実際にゲームで実行に移された。

「相手投手が左投手だから右打者の捕手を使うべき」などという方法論は、野球のスポーツとしての戦略とは何の関係もない。いいから城島を使え、スポーツのルールを無視しようとおかまいなし、そういう、気違いじみた論理から考えだされた異常システムである。
もう、この時期、このチームの編成に、「メジャーという世界に、あってあたりまえの合理性」は、どこにもみられない。

この、チームの勝敗や、チームの再建すら無視して無理に矛盾を両立させようとする異様な、そして強引な手口によって、シアトルには、クレメントと城島、2人の正捕手が併用されるという異常事態が訪れた。
クレメントは捕手とDHとして併用され、やがて持病の膝の怪我の手術のため、フィールドを去った。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2008年8月22日、クレメントは左投手2人から二塁打2本3打点、チーム7連敗を止め、8月に捕手として白星のない城島の尻拭いをした。


この(2)の時期のクレメント先発ゲームはたしかに、(1)の時期とくらべて失点が多い。
また、ゲーム終盤でキャッチャーが交代することが多く、また、例の「相手の先発投手が右か左かで、クレメントと城島の、どちらがマスクをかぶるか決める」という頭のイカレたシステムのおかげで、先発マスクの機会がなかなか連続しなかった。
下にあげたゲームリストをみてもわかるだろうが、勝ちゲーム終盤でいわゆる守備固めと称して交代させられるケースも多かったわけだが、その後でサヨナラ負け、逆転負けするゲームもいくつもあり、これらのゲームがもし勝てていれば、(2)におけるクレメントの勝率は、もっとずっとよかったはずだ。

それでも、この異常な選手起用の中で、クレメントはこの(2)の時期も、(1)の時期と同様の『勝率5割』という、2008年のシアトルにしてみれば超高率な数字をマークしてみせた。

一方で、異常な捕手起用システムのもとで8月もマスクをかぶり続けた城島は、この同じ8月1日から22日までの時期、先発マスクのゲームで、恥ずかしげもなく、なんと『7連敗』している。
『7連敗』しただけでも十分恥だが、城島はクレメントが膝の手術に踏み切った後の2008年9月にコネ捕手城島は正捕手に復帰してチームを12連敗させ、2008年のルージング・ストリーク(Loosing Streak)にまたひとつ、汚点を残した。

城島のからむシアトルは、どこか場末のマジックショーかとみまがう場面が多々ある。2009年開幕には正捕手に復帰したのを見た日には、開いたクチがふさがらなかったものだ。

このクレメントの短い夏が終わった翌年の2009年夏、2008年にも一度正捕手失格となっている城島には、再度、つまり、2年連続して『正捕手失格の烙印』が押されることになった。


クレメントの8月捕手成績
8勝7敗 8月2日〜8月30日 
(8月 打率.325 OBP.373 SLG.416 OPS.789)
Aug 2 BAL L 3-1 ●ヘルナンデス(5回2失点)、グリーン、ヒメネス、ウッズ
Aug 3 BA W 8-4 シルバ(6回2/3 4失点)、○プッツ、モロー(クレメント2安打)
Aug 4 MIN W 11-6 バティスタ、ウッズ、○コーコラン、ヒメネス、ロウ
(城島→7回裏代打クレメント タイムリー →捕手クレメント
 7回裏に10点とって逆転勝ち)
Minnesota vs. Seattle - August 4, 2008 | MLB.com: Gameday
Aug 5 MIN W 8-7 ディッキー(7回3失点)QS、ヒメネス、コーコラン、○プッツ(9回表からバーク)
Aug 6 MIN L 7-3 ●ウオッシュバーン(6回3失点)QS、ロウ(3失点)ウェルズ(クレメント2安打)
Aug 7 TB W 2-1 ○ヘルナンデス(8回1失点)QS、プッツ
Aug 8 TB L 5-3 ●シルバ(6回4失点)、ウッズ、グリーン、ヒメネス(クレメント2安打)
Aug 10 TB L 11-3 ●ディッキー、ロウ、ウッズ、バティスタ、グリーン
Aug 12 @LAA L 7-3 ●ウオッシュバーン(7回1失点)QS、ロウ(3失点)、ウッズ(クレメント2安打)
Aug 13 @LAA W 10-7 ヘルナンデス(7回4失点)、ヒメネス、グリーン、プッツ、○コーコラン
(クレメント→スコア7-6で勝っている状態で9回裏からバーク 9回裏に同点にされ延長へ→12回裏から城島)
Seattle vs. LA Angels - August 13, 2008 | MLB.com: Gameday
Aug 16 @MIN L 7-6 ローランドスミス、コーコラン、グリーン、●ヒメネス、バティスタ
(クレメント2安打→スコア6-5で勝っている状態で、8回裏からバーク、8回裏1失点同点、9回裏1失点→サヨナラ負け)
Seattle vs. Minnesota - August 16, 2008 | MLB.com: Gameday
Aug 18 @CWS L 13-5 ●ウオッシュバーン、バティスタ、ウッズ(クレメント3安打)
Aug 22 OAK W 7-5 フィアベント、グリーン、ヒメネス、○コーコラン、プッツ(クレメント→8回表からバーク)
Aug 26 MIN W 3-2 ○ローランドスミス(7回2失点)QS、コーコラン(クレメント→8回表からバーク)
Aug 30 @CLE W 4-3 ウオッシュバーン(6回2/3 失点なし)QS、バティスタ、○プッツ、グリーン、メッセンジャー



イニング 9 9 2 8 9 9 9 9 8 8 7 8 7 7 9
自責点  3 4 0 7 6 1 4 11 4 6 7 13 5 2 3

118回76  CERA 5.80
5点以上の失点 6ゲーム






damejima at 01:52
(1)6月18日〜7月22日
(2)8月2日〜8月30日


2008年にクレメントが捕手をつとめた時期は、この2つの時期に分かれる。(1)では正捕手として主に捕手をつとめ、(2)では、「相手先発投手が右投手か左投手かによって、クレメントと城島のどちらを先発させるか決める」などという、頭のおかしな暗黒のシステムの中で、捕手とDH、2つの役割にまたがった形で併用された。
その暗黒システムがどういう意味をもち、どういう結果を招いたかは、「2008年、ジェフ・クレメントのための短い夏(5) 暗黒の『正捕手2人併用システム』の犠牲者クレメント」という記事を読まれたい。

この項では(1)の時期を扱う。

途中退場した7月22日除くと、クレメントは16ゲームを8勝8敗で乗り切った。(69打数12安打 打率.174)この年の勝率としてはマーベラスといっていい数値だ。

とりわけ、特筆すべきだと思うのは、4ゲームあるシルバの先発ゲームだ。
このシーズン通算4勝15敗と、箸にも棒にもかからなかったシルバだが、このクレメントの短い夏の時期には、なんと先発4ゲームのうち3ゲーム連続でQS(クオリティスタート)を果たして、2勝2敗しているのである。

シルバの酷いゲームぶりを何度も味わって、彼の炎上ぶりがわかっている人にしてみれば、この投手に3連続QSさせるなど、まったく考えられないことは、説明するまでもないと思う。


6月18日 FLO L 3-8 ●ディッキー、ローランドスミス、ロー、コーコラン
6月20日 ATL W 10-2 ベダード、コーコラン、○ローランドスミス、グリーン、ロウ、バティスタ
6月22日 ATL L 3-8 ●シルバ、ディッキー、ローランドスミス、ロウ
6月23日 NYM W 5-2 ヘルナンデス、コーコラン、○ローランドスミス、グリーン、ローズ
6月25日 NYM L 2-8 ●バティスタ、コーコラン、ローランドスミス、ローズ、モロー
6月28日 SD W 4-2 ○シルバ(7回2失点)QS、ローズ、モロー
6月29日 SD W 9-2 ○ベダード(5回2/3 1失点)、グリーン、ロウ、コーコラン(クレメント 2安打1HR)
7月1日 TOR W 7-6 ローランドスミス、コーコラン、ヒメネス、ローズ、グリーン、○モロー(クレメント2安打)
7月5日 DET W 3-2 ディッキー(6回2失点)QS、○バティスタ、モロー(クレメント 2HR)
7月6日 DET L 1-2 ローランドスミス、ロウ、コーコラン、バティスタ、グリーン、ヒメネス、●バーク
(同点で迎えた延長15回表、捕手バークがマウンドに立ち、キャッチャーはクレメントに 1失点して負け)
Detroit vs. Seattle - July 6, 2008 | MLB.com: Gameday
7月8日 OAK L  0-2 ●シルバ(8回2失点)QS
7月9日 OAK W 6-4 バティスタ、ローランドスミス、○コーコラン、ローズ、グリーン、モロー
7月11日 KC L 1-3 ●ヘルナンデス(5回3失点)、コーコラン、ヒメネス
7月13日 KC W 4-3 シルバ(6回2失点)QSクレメント5号HR)
7月19日 CLE L 6-9 ●バティスタ、ローランドスミス、ディッキー、モロー
7月21日 BOS L 0-4 ●ウオッシュバーン(5回2/3 2失点)、ロウ、ヒメネス、バティスタ
7月22日 BOS L 2-4 ●ディッキー、コーコラン、ローズ、ヒメネス(4回裏 0−1の状態で怪我でクレメント交代→5回表から城島 以降3失点)

Jeff Clement Stats, News, Photos - Pittsburgh Pirates - ESPN

イニング 9 9 8 9 8 9 9 9 9 8 9 8 8 9 9 4
自責   8 2 8 2 4 2 2 5 2 2 4 3 3 9 4 1

126回自責点61点 CERA 4.36
5点以上の失点 4ゲーム






damejima at 01:32
6月18日、その日がやってきた。ジェフ・クレメントが正捕手として扱われる時が。
このときまでに、チームは、4連敗2回、5連敗2回、7連敗を1回記録し、24勝46敗、借金22。ほぼ1勝2敗のペースを続けて、既にシーズンをダメにしていた。

だが、クレメントの夏は、短く終わらされた。
Seattle Mariners Split Statistics - ESPN


クレメントの2008年の短い夏は、7月末にクレメントが怪我で7試合ほど欠場した時期の前と後で、次の2つのまったく違う時期に分けることができる。
クレメントの捕手としてのプレー時期を「2つ」に分けるについては、重要な意味がある。どうしてもそれをアタマにいれておいてから数字を眺めてほしいし、そのためにこの項を書く。
そうしないと、短い夏に2つの異なる季節を過ごしたクレメントの深い苦悩も伝わらないと思うからだ。

(1)6月18日〜7月22日 捕手先発17ゲーム(出場22)
 →2008年、ジェフ・クレメントのための短い夏(4)
  クレメントの奇跡。シルバ3登板連続QS。

(2)8月2日〜8月30日 捕手先発15ゲーム(出場24)
(以下では、この2つの時期を(1)(2)と略す)


(1)(2)の起用法の違い
(1)で、クレメントは捕手としての出場が、出場22ゲーム中、17ゲームある。それ以外は、5ゲーム。ゲーム途中で交代させられることもなく、この時期、明らかにクレメントは「正捕手として起用」されていた。

それに対し(2)では、クレメントの捕手としての出場は割合として減り、出場24ゲーム中15ゲームで、それ以外にDHとしての出場などが10ゲームある。起用目的が明らかに(1)と変質しており、「DHとしての起用」という部分が増えた、といえる。
ところが、ただDH起用が増えただけではない。
(2)では、「相手チームの投手が右か左かで、クレメントと城島、どちらを先発捕手として使うかを決める」などという、とんでもなくおかしな、野球というスポーツにないルールのシステムがとられた。
また、ゲームが始まってから終わるまで一人の捕手にまかせる、というケースが大幅に減り、ゲーム終盤8回、あるいは9回に捕手が変えられることが珍しくなかった。

さぞかしクレメントも、気持ちの上で苦しい気持ちでこの季節を過ごしたことだろう。
(1)と(2)で起用の主旨が通常では考えられないような方針に変わっていった原因は、ファンそれぞれに憶測があるだろうし、ここでも詳細に主張しきれるものでもない。
以下にいくつかの「判断の材料」をあげておく。最終的な判断はそれぞれの問題だが、クレメントの正捕手としての短い夏はダメ捕手をなにがなんでも正捕手に戻したいという猿芝居で、なにもかも台無しになった、といっておく。



「クレメントの(1)における捕手成績」
まず基本的な話だが、「クレメントが(1)で捕手として先発した17ゲームでの勝率やCERAなどのゲーム内容」が、クレメントのキャッチャー起用が減った原因ではない、ということは常識で考えればわかる。後の記事「2008年、ジェフ・クレメントのための短い夏(4) クレメントの奇跡。シルバ3登板連続QS。」でクレメントの(1)での勝敗などをあげるが、最もデータとして単純な勝率を見てもらえば一目瞭然だ。コネ捕手城島よりはるかに、2倍は優れている。

「クレメントの膝の怪我」
彼はシーズン終了まで捕手をつとめることがかなわず、膝の手術にふみきった。クレメントにとって、キャッチャーを続けにくくなっていった大きな原因のひとつが、「自分自身の膝の怪我の持病」にあるのは誰しも認めざるをえない。

「チームの異常な正捕手2人併用制」
よく、(2)あたりの時期を「捕手3人制」などという人がいるが、それは正しくない。
実際には「クレメントと城島、2人の正捕手の、野球の戦略とはまったく関係のない、異常な併用システムと、バークという1人の控え捕手」という、なんとも混乱したキャッチャー起用が行われただけである。
(1)で正捕手をはずされたはずのダメ捕手城島が、なぜ1週間のクレメントの怪我による休養を経過して、(2)で再び正捕手に戻っているのか。

しかも、(2)の時期、城島は先発捕手として恥ずべき7連敗を犯してもいるのである。野球とは全く関係のない根拠から、先発捕手が決定されたこの時期のキャッチャー起用は頭がおかしいとしか形容しようがない。
2008年8月22日、クレメントは左投手2人から二塁打2本3打点、チーム7連敗を止め、8月に捕手として白星のない城島の尻拭いをした。

2008シーズンの後半のある時期、それがいつ始まったか正確な日付までは記憶にない。
シアトルのキャッチャーの起用は「相手投手が右投手なら、左打者のクレメント、左投手なら右打ちの城島」という、「相手投手によって自分のチームのキャッチャーを変えていく」という、聞いたこともない方法がとられはじめた。
これはよく覚えておいて、ここから先を読んでほしい。

メジャーのキャッチャー起用について詳しくない方のためにちょっと書いておくと、常識的な起用方法では、「決まった正捕手がいて、主にカード最終戦として組まれるデーゲームを正捕手の休養にあて、控え捕手がマスクをかぶる」というシステムになる。
シアトル・マリナーズにおいても、(1)の時期には、ごく普通にクレメントが正捕手として、他の常識的な正捕手と同様に扱われていた。

ところが(2)時期になると、一転して、シアトルでは「相手投手によってクレメントと城島、2人の正捕手が併用されるという前代未聞のシステム」になってしまうのである。


正捕手っぽい捕手が2人いる、というシステムそのものは、日米問わず、さまざまな理由で行われることはある。
だが、野球で「相手投手の『利き手が左か右か』によって、起用するキャッチャーを変える」などというシステムなど、聞いたことがない。と、いうか、そんなシステム、野球をやる上で、また、野球の戦略の上で、なんの合理性もない。
それはそうだ。例えばシアトルの先発投手にしてみれば、対戦相手の投手が決まらないかぎり、自分の球を誰が受けるかわからない、そんなおかしな事態が続くシステムだ。こんな落ち着かない話はない。配球の組み立てを十分相談するとか、そういう面の影響もはかりしれない。

それでも、(2)の時期にはいって、この前代未聞のおかしなシステムは強行された。チームは大きく負け越しているこの時期に、なぜこんなおかしなキャッチャー起用がまかり通ったのか。
今思い出しても、腹立たしい。

この8月、城島は、5月同様に先発マスクで7連敗している。よく恥ずかしくないものだ。ウイニングストリークで、この8月あたりの時期がデータとして出てこないのは、まったくクレメントの責任ではなく、城島の先発ゲームの大連敗のせいだ。


そもそも、5月の月間20敗などによって、守備・打撃の両面であきらかにメジャー失格、「ダメ選手」証明がなされた。
にもかかわらず、クレメントが怪我をして休んでいる間に「いつのまにか」扱いが変わって、「クレメントと城島と併用という形で、城島がいつのまにか『正捕手』に復帰する」などというおかしなことが「なんの理由もあきらかでないまま強行された」のである。

日本語には「方便(ほうべん)」という言葉や「詭弁」という言葉がある。

「相手投手の利き腕が左か右かによって起用するキャッチャーをコロコロ変える」などという異常なシステムは、明らかに、マクラーレンもリグルマンも見限った城島を無理やり正捕手に戻したいがために、クレメントを一気に控え捕手に戻すのでは批判を浴びるし、手口があからさますぎる。そういう矛盾をオブラートに包んで隠しつつ、城島に再度正捕手をやらせる異常な事態を誤魔化し、正当化するための、ただの「方便」であり、「詭弁」でしかなかった。

こんな話、常識では考えられないわけだが、この異常な捕手システムは、ファンの見ている前、お金を払ってスタジアムに来ていただいているファン、テレビの前でゲームを見ているファンのまさに目の前で、延々と、堂々と、行われ続けたのである。
こんなシステムを強要した側の人間の異常さがよくわかろうというものだ。


ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2008「相手チーム先発依存の捕手決めシステム」

「クローザー・プッツの不調」
これは2008年のおかしな捕手起用に影響した蛇足的な話題として、かきとめておく。
2008年シーズンは、勝ちゲームやクロスゲームの終盤、8回9回に、キャッチャーに代打が出されたり、守備固めで変えられるケースが続発していた。(2)のゲームログにおいても、ゲーム終盤にクレメントが交代させられているケースがよくある。

だがこれは、クレメントに原因があったのではない。
むしろ、8回、9回を投げるブルペン投手に大きな問題があったシーズンだったというほうが、より正確。
2007シーズンと違って、この年のJ.J.プッツは必ずしも絶対的クローザーというほど、調子はよくなかった。年間通して、特にクレメントがまだ捕手をやる前4月、5月のゲームログをみてもらうとわかるが、プッツがセーブに失敗し逆転負け、サヨナラ負けするケースが、2007年より多い。
再確認しておく。「クレメントのゲームに限って、ゲーム終盤にサヨナラ負けすることが続いたことが原因で、キャッチャーがゲームの終盤にかえられてしまう習慣ができた」などという事実はまったくない。
むしろ、ゲーム終盤にキャッチャーをクレメントから、城島、バークに変えたことで、逆転負け、サヨナラ負けをくらったゲームもいくつかあり、捕手交代が成功したケースの数と失敗した数はほぼかわらない。


4月 12勝15敗 勝率 .444 ERA 4.20
5月 8勝20敗 勝率 .286 ERA 5.39
6月1日〜17日 4勝11敗 勝率 .266 ERA
クレメント前
24勝46敗 借金22 勝率.342






damejima at 01:17

July 31, 2009

ジェフ・クレメントが2008年にほんの2ヶ月、正捕手だった夏のことを指して
「クレメントは捕手としてたいしたことなかった。
 城島とかわらない」
そんな嘘を平気でしゃべる輩を、絶対に許そうと思わない。

2008年というシーズン、そして、2008年の夏、それがどういう季節だったか。よく知りもしないで(または、多少わかっているくせに)クレメントが、捕手としてもがき続けた短い夏の素晴らしい仕事のことを、ああだこうだ言うやつを許したくない。
あれだけ待ち続けたのに、あれほど酷い環境の中でしか、正捕手の座がまわってこなかったクレメント。それでも彼は精一杯もがき続けた。



ストリークstkeak)とは、野球の場合、あるシーズンで一定のゲーム数を決めたときのデータで、ウイニング・ストリーク
Winning Steak)なら、一定のゲーム数を決めた条件のもとでの勝ち数の最も多い時期、ということになる。
まず2008年のシアトル・マリナーズで、50ゲームにおける最良のウイニング・ストリークを見てもらおう。

50ゲームにおけるウイニング・ストリーク
2008-06-11 2008-08-07 22勝28敗 勝率 .440
2008-06-09 2008-08-05 22勝28敗    .440
2008-06-17 2008-08-13 22勝28敗    .440

50ゲームだと22勝28敗、これが最高勝率だ。酷いものだ。最高で22勝しかしてないのである。半分のゲームすら勝ててない。
別の言い方をすれば、2008年の、どの50ゲームをとってみても、この22勝、.440以上マークした50ゲームは、ひとつもない、ということだ。50ゲームをサンプリングした最高勝率が「22勝28敗、勝率 .440」である、といいかえてもいい。
そしてサンプル数を50から、60、70、80と、いくら増やしても、勝率は一度たりとも「5割」以上になることはない。

難しいことはともかく、このシーズンに、「5割」という勝率が長期に渡って記録されたことは、2008シーズン、ただの一度もなかったのだ、ということがわかってもらえば結構だ。


こんどはサンプリング数を少なくしてみよう。
40ゲームにしてみる。すると、たった一度だけ19勝21敗になったことがある。だが勝率「5割」には届かない。
2008-06-23 2008-08-07 19勝21敗 .475

30ゲームでサンプリングしてみる。
ここでは16のサンプル(含6月17日〜7月22日)で、14勝16敗、勝率.467が記録されているが、これも「5割」は超えてこない。サンプル数を1つずつ減らしてみる。

28ゲームまで減らすとはじめて、勝率が「5割」になるサンプルがでてくる。サンプル数は6つ。(以下すべて14勝14敗 勝率.500)
2008-06-09 2008-07-09
2008-06-17 2008-07-20
2008-06-04 2008-07-05
2008-06-06 2008-07-06
2008-06-16 2008-07-19
2008-06-15 2008-07-18

では、このシーズンは勝率が「5割」を越して貯金ができた時期はまったくないのだろうか?
27ゲームからようやく1つ貯金ができるサンプルがでてくる。サンプル数はわずかに3つ。
2008-06-16 2008-07-18 14-13 .519
2008-06-17 2008-07-19 14-13 .519
2008-06-06 2008-07-05 14-13 .519


そして、たどりつくのが、26ゲームでのこのデータ。

2008-06-17 2008-07-18 14-12 .538


25ゲームを超えるゲーム数で、2つ貯金をつくったサンプルは、『2008年6月17日』からの『約1ヶ月間、26ゲーム』、このたったひとつのサンプルしかない。


上のデータの開始日にみえる『2008年6月17日』という日が、シアトルにとってどれほど特別な日なのか、わかるだろうか。
サンプルを50ゲームから、順に減らしていっても、ずっとずっと最後まで残っている、残り続けている『2008年6月17日』という輝かしい日付け。

それは元監督マクラーレンが、「これからは正捕手はクレメントでいく」と宣言した、まさにその日。
また、前GMバベジが解任された日の翌日であり、また城島の延長契約がオーナーのトップダウンだという地元紙の記事が出された日の翌日でもある。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:時系列にそって「城島問題」を読む。


この6月17日の翌6月18日、クレメントはホームのワシントン州セーフコ・フィールドでのフロリダ・マーリンズ戦で、初めて正捕手としてゲームに出場した。



2008シーズンに
「最も勝てた、ほんの一瞬の短い夏」を作ったのは、
ほかの誰でもない。

ジェフ・クレメントである。



2008年6月のこのブログの記事
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2008年06月


ついでだから、負け数の最も多い時期、ルージング・ストリークloosing streak)も挙げておく。
長期で最も酷いのは月間20敗した5月を含む時期で、相当に酷い。勝率は3割にすら届かない。
ところが20ゲーム以下では一変して、5月以上に負け続けた時期がある、「城島が再度正捕手に復帰した9月以降」である。
この「城島が再度正捕手に復帰した9月以降」は、20ゲームのサンプルでは、あの最悪だった2008年5月の20ゲームすら越えて、このシーズンで最もシアトルが負けた時期であることがわかる。12連敗したのだから、当然のことだ。勝率はわずか2割しかない。

こうした酷い時期のサンプル数の多いこと。2割などという勝率に比べたら、クレメントの1ヶ月は約2.5倍もの勝率を達成していたことになる。

だらしないにも、程がある。クレメントの短い夏を馬鹿にするのもほどほどにしろ、と言いたい。

40ゲーム
2008-05-02 2008-06-15 11勝29敗 勝率.275
2008-04-22 2008-06-04 11-29 .275
2008-04-27 2008-06-10 11-29 .275
2008-07-06 2008-08-21 11-29 .275
2008-05-01 2008-06-14 11-29 .275
2008-05-03 2008-06-16 11-29 .275
2008-04-30 2008-06-13 11-29 .275
2008-04-24 2008-06-07 11-29 .275
2008-04-25 2008-06-08 11-29 .275
2008-04-23 2008-06-06 11-29 .275
30ゲーム
2008-04-24 2008-05-26 7-23 ,233
2008-04-23 2008-05-25 7-23 ,233
20ゲーム
2008-09-01 2008-09-22 4-16 .200
2008-09-03 2008-09-24 4-16 .200
2008-09-05 2008-09-25 4-16 .200
2008-09-06 2008-09-26 4-16 .200
2008-04-23 2008-05-13 4-16 .200
2008-09-02 2008-09-23 4-16 .200
15ゲーム
2008-09-11 2008-09-25 1-14 .067
10ゲーム
2008-09-12 2008-09-21 0-10 .000
2008-09-13 2008-09-22 0-10 .000
2008-09-11 2008-09-20 0-10 .000






damejima at 02:15

July 30, 2009

それは2008年4月30日の、よくあるゲームのひとつだった。
シアトル対クリーブランド。先発ウオッシュバーン。中継ぎベク、そしてローランドスミス。

Game Wrapup | Mariners.com: News

Seattle vs. Cleveland - April 30, 2008 | MLB.com: Gameday

相手投手は、この年、のちにサイ・ヤング賞をとることになる、クリフ・リー。先日フィリーズへ移籍した彼のこのときのキャッチャーは、もちろんショパック。ビクター・マルチネスではない。
クリフ・リーは、6回3失点97球と、彼にしてはそれほどよいともいえない微妙な数字を残し、マウンドを降りた。7回のマウンドにはあがったのだが、シアトルのバレンティンに3ランを打たれたのだ。
にしても、このときのスコアは8−3。クリーブランドにしてみれば、もうあとはゲームを流すだけでよいスコアだった。


7回に3ランを打たれて投手が代わり、次の打者、城島がライトフライを打った。このゲーム後の打率.177。シーズンはじまったばかりとはいえ、酷い打率だった。

クリーブランドのライトで、このフライを捕球した、ヒゲの似合う若い男がいた。彼はこの試合、4打数2安打3打点の活躍によってシアトルを負けに追い込んだヒーローになった。
このときの彼はクリーブランドではセンターのサイズモアのおまけのように思われていたが、翌年にはこのとき戦って自分が負かしたチームでセンターのレギュラープレーヤーになり、チームの要となることになった。
彼はベネズエラ出身。このゲームの最終回にヒットを打ったキャッチャーの若者と同じ83年生まれで、名をフランクリン・グティエレスといった。



8回になって城島がひっこんでキャッチャーが代わった。
ジェフ・クレメント。この年の初マスクだった。ピッチャーはこの回からローランド・スミス。スコアは8対3。

クリーブランドの先頭バッターはレフトのジェイソン・マイケルズ。2球目、いきなりツーベースを打たれた。そのあとカブレラ、サイズモアと歩かせ、ノーアウト満塁。
だがクレメントとローランド・スミスは、2番キャロルをショートのベタンコートへのポップフライに打ち取る。1死満塁。だが迎えるバッターはビクター・マルチネス。

初球、高めに速球がはずれ、2球目のチェンジアップが決まった。1-1。
3球目、インコースを速球がえぐる。マルチネスがこれをひっかけると、ボールは鮮やかにサードのベルトレから、ロペス、セクソンと運ばれていき、ダブルプレー。イニングの熱は糸をひくように終わった。



8−3のまま、9回表。ピッチャーはクリーブランドにやってきたばかりのジョージ・フリオ。先頭の6番セクソンが三振。この日の7回に3ランを打っている7番バレンティンがショート・フライに倒れ、2アウト。

あとひとりになって、このシーズンの最初の打席に立った選手がいた。

初球はストレートだったが、思い切りよく叩くと、そのボールはセンターサイズモアの前にライナーで飛んでいった。

9回2アウト、5点差からのシングルだった。

だがそのあとに打席に立った9番のユニスキー・ベタンコートはあっさりと初球を打ち上げてしまい、そこでゲームは終わった。

アイオワ州生まれの若者の2008年の初めての打席は、
こうして終わった。

2008年4月30日 クレメント2008シーズン初打席センター前ヒット

いまはもう、クリフ・リーも、グティエレス、フリオも
クリーブランドにはいない。

そしてベクも、セクソンも、バレンティンも、ベタンコートも
もう、シアトルにはいない。


そして。クレメント。


場所。オハイオ州クリーブランド、プログレッシブ・フィールド。
2008年4月30日。観客15,279人。
観衆はけして多くはなく、ホームでもなかったが、
ジェフ・クレメントはこの日たしかに
この年初めてのマスクをかぶり、
はじめての打席でヒットを打った。






damejima at 22:06

July 29, 2009

トロント第2戦は、大試合である。
いろいろなプレーヤーの、「これから」が、かかっている。
負けたくはない。だが大炎上の可能性もある。
信じるしかない。

ひとりで緊張していてもしょうがない。ちょっと、このブログのことを書いてみる。



このブログをやるきっかけをふりかえってみると、やはりそれはジェイミー・バークなのだと思う。

バークは2007年シーズン、正捕手城島の控え捕手をつとめた。チームはこのシーズン、2位にはなったが、バークの勝率、CERAともに城島より良かった。チームのいわゆる貯金というやつを稼いだのはむしろバークのほうだった。
だが、この頃まだそういうことに耳を貸す人もあまりなく、人々はアメリカで日本で、ひさびさの地区2位という結果に酔った。

2008年になってバークは、どういうわけか、あまりいい成績を残せなかった。ただ、2007年にバークがした仕事の残りは、かわりにジェフ・クレメントが引き継いだ形になり、2007年のバーク同様、マクラーレン辞任の時期以降の一時期には正捕手として城島よりはるかに良い勝率を残した。だが、そのクレメントも膝の故障のため戦列を離れ、チームはシーズン100敗をし、クレメントは2009年開幕時にはマイナーで気持ちを腐らせた。

だが2009年クレメントの仕事を引き継ぐ男が現れた。ロブ・ジョンソン。城島をしのぐ仕事ぶりで、彼は城島を控え捕手に追いやった。

だからある意味、ロブ・ジョンソンのいまの仕事は、バーク、そしてクレメントの仕事を引き継いだ、ということになる。



よく、控え捕手になった城島を、ロブ・ジョンソンと比較する人がいる。本当に失礼な人間がいるものだと思っている。
ロブ・ジョンソンを持ち上げたいから、ではない。理由はほかにある。

ジェイミー・バークは2007年には最初の1ヶ月はOPSが1.000を越えていたり、2009年でいえば、ヘルナンデスと組んだバッテリーの防御率がロブ・ジョンソンを超えていたりする、ちょっと不思議な中年おじさんである。だが、そんなデータなどより、もっと、ずっとずっと大事なことを、ジェイミー・バークは達成してみせた。

それはこういうことだ。
バークは、正捕手城島が休んだゲームをまかされていたわけだが、たとえそれが豪腕ヘルナンデスでれ、当時まだローテ投手だったバティスタや、ホラシオ・ラミレス、若いフィアベント、ベク、誰であれ、「裏ローテだから勝てるはずがない」とか、「今日はたまたまヘルナンデスがまわってきたから勝てて運がいい」とか、そういう意味のわからない気持ちの浮き沈みを、ゲームでまったく感じさせたことがない。


そう。
控え捕手として、城島と比べるべきなのは、最高の控え捕手ジェイミー・バークだ。バークを越えてから文句を言え、と、言いたいのである。

バークは2007年はじめに炎上王ウィーバーをまかされたときも、「こんな先発投手、負けてあたりまえ」などと、そんな気分をまきちらしながらゲームに臨んだりはしなかった。ロブ・ジョンソンも今年まだ控え捕手だった時代、炎上王シルバのボールを受けていたことがあったが、シルバにさえ1年ぶりの勝ち星を演出したりしたものだ。

バークは控え捕手であることで腐ったりすることはなかったし、マイナーで練習を怠ったりもしていない。

いつぞや、城島が今年最初のDL入りをしたときに、バークがマイナーから上がってきた日のゲームのある光景をいまも忘れない。
打席に立った彼が、ファーストに向かって走ったときの、あの、早さ。(もちろん彼なりの、という意味の早さであって、イチローのホンモノの速さとは違う)2007年に鈍足で知られていた彼が、長い時を経てフィールドに帰ってこれるまでの長い時をどう過ごしていたか、それがわかる走塁だった。
問題なのは、凡打だったかヒットか、そんなことではなくて、彼がグラウンドだかジムだかでやったダッシュの本数だった。



ジェイミー・バークは、たしかに年齢のせいもあり、おそらく正捕手としてシーズンいっぱいプレーし続けていくのは無理なのだろう。
だが「控え捕手として」という条件なら、誰がなんといおうと、彼バークは「世界最高クラスの控え捕手」だ。今シーズンだって、CERA3.00前後という素晴らしい数字を残して、ひっそりマイナーに落ちていった。
CERAだの、勝率だの、そんな木っ端のようなデータだけで言うのではない。そんなものは彼の結果を表した、ただの数字の羅列に過ぎない。
そうではなく、彼の、ゲームに対する静かな湖の水面のような抑えた情熱の価値、控え捕手としてのプライドあるゲームぶりが、なぜわからないのか、と言うのである。



控え捕手城島が成すべき仕事がいまあるとすれば、それはロブ・ジョンソンと対比した何か、であるはずがない。
世界最高の控え捕手、ジェイミー・バークの、あの、2007年に見せたひたむきさ。2009年にコールアップされるまで耐え抜いたバークの、腐らないで気持ちを維持して努力し続けたひたむきさ。2009年にコールアップされてから、黙々と城島の復帰までチームを支え、マイナーに去っていったバークのひたむきさ。
そういったものを越えないまま何年もプレーしておいて、いまさら控え捕手のどこか不満か。

シアトルの控え捕手とは、バークにしてみれば、彼の築いた「名誉あるポジション」であって、城島のような不名誉なプレーヤーにはふさわしくない。


野球の勝ちに、表ローテの1勝も、裏ローテの1勝も、関係ない。1勝は1勝。控え捕手の最初の仕事、最初の目標は、「最高の控え捕手になること」だと、バークが教えてくれた。

世界最高の控え捕手、バーク。
たとえ彼に可能な究極の目標が、正捕手の座でなく「最高の控え捕手になること」であったとしても、僕は彼を応援することをやめようとは思わない。






damejima at 03:27

July 12, 2009

ビューティフル・ゲームだった。


何度も書いてきたことだが、ロブ・ジョンソンのバットは、普段は湿っているが、ここぞというときに突然輝く不思議なプレミアムバットである。
ロブ・ジョンソンのバットでゲームの行方が決まったのは、今シーズン、このブログで数えているところでは、これで4ゲーム目だ。たいしたものである。
ロブ・ジョンソンの2ラン(動画)
Baseball Video Highlights & Clips | TEX@SEA: Johnson's homer gives the Mariners the lead - Video | MLB.com: Multimedia

2009年6月19日、ロブ・ジョンソンは決勝3塁打でサンディエゴでのサヨナラ負けの嫌なムードを振り払った。ウオッシュバーン7回QS。
2009年6月25日、ロブ・ジョンソンは初回満塁で走者一掃の3点タイムリーを打ち、城島のRISPを大きく引き離した。ウオッシュバーン6回QSで4勝目。
2009年7月3日、ロブ・ジョンソン決勝タイムリー含む3本の二塁打(球団タイ記録)3打点など、下位打線の活躍でBOSに競り勝った。ヘルナンデス7回QS、ジャクバスカス2イニングを封じる。

テキサスの先発ミルウッドは、ERA3点台半ばで、ここまで既に8勝している好投手。なかなか点がとれずに苦しんだが、1-1のタイスコアから7回、ロブ・ジョンソンが、カウント1-2からのスライダーが真ん中に甘く入ってきたところを左中間スタンドに価値ある2ランを放り込んだ。
Texas vs. Seattle - July 11, 2009 | MLB.com: Gameday
Johnson takes it out on Rangers | Mariners.com: News


先発のミスター・ドルフィン」こと、ウオッシュバーンは、7月8日の準完全試合に続いての連勝で、6勝目。すばらしいピッチングだった。7月8日の準完全試合がマグレなどではなく、本物の実力だったことを立証してみせた。
"I tried to get through the whole lineup the first time through without using the "Dolphin", " he said. "And I was able to do that, I didn't use it. The second time through, I started mixing in the slow breaking ball a little more and just mixing up pitches a little more."
「打者の一巡目には『ドルフィン』を使わずにすませようとしたんだけど、うまくいったね。使わずに済んだ。二巡目からは遅い変化球を少し混ぜ始めて、ちょっとずつ混ぜていったよ。」
Mariners Blog | Meet Jarrod Washburn's "secret weapon" | Seattle Times Newspaper

なにより、素晴らしかったことは、彼のERAが、3点を切りそうでなかなか切れなかったのが、この日の勝利でついに2.96と、2点台に突入したこと。
おめでとう、ウオッシュバーン。これでア・リーグのERAランキングで、6位からひとつ上がり、5位になった。3位は同僚のフェリックス。

ESPN ア・リーグ 投手ERAランキング
2009年7月11日

ESPN ア・リーグ 投手ERAランキング 2009年7月11日

ウオッシュバーン 2009全登板
Jarrod Washburn Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN

2009年7月6日、ウオッシュバーンとロブ・ジョンソンの鉄壁バッテリー、「準パーフェクトゲーム」達成!ウオッシュバーン初の「無四球試合」。9回1安打完封。


この日の彼のピッチングの最大のピンチは、5回の2死2、3塁で、打席に、イチローがかつてベタ褒めしたほどの好打者、マイケル・ヤングを迎えた場面。

2009年7月11日 5回2死2,3塁 ヤング セカンドゴロ(画像をクリックすると
拡大できます)

初球 アウトコースへの高速シンカー
(91マイル ストライク カウント0-1)

7月6日のSPIロブ・ジョンソンインタビューを読み返してもらうとわかるが、「コーチ陣の協力を元に、ウオッシュバーンはこれまでの2シームをブラッシュアップして、強力なシンカーに生まれ変わらせた」という意味の記述がある。
2009年7月6日、ロブ・ジョンソンが準完全試合を達成したウオッシュバーンの新しい魔球「ドルフィン」と、その開発にいたるコラボレーションについて大いに語った。

この初球についてウオッシュバーン自身は試合後、こう言っている。技術だけでなく、34歳のベテラン投手としての勘も、この場面で生きた。ウオッシュバーン自身は「ギャンブル」と言ってはいるが、91マイルで曲がる球など、そうそう簡単に打てるものでもない。NYYの王建民投手ばりの効果的な高速シンカーだ。
"I had a feeling he wasn't' going to be swinging first pitch. I gambled right and got ahead first pitch.
彼はなんか初球を振ってこない感じがしたんだよね。僕はまさにギャンブルして、初球を成功させた」
Johnson takes it out on Rangers | Mariners.com: News

2球目 インコースのカーブ
(74マイル ボール カウント1-1)

同じく、試合後のインタビューでウオッシュは2球目以降について、「スピードを変えて、緩急に気をつけた」と言っている。
"I tried to change speeds on him after that and was able to do that. It slowed him down a little bit."
Johnson takes it out on Rangers | Mariners.com: News

初球が外の高速シンカー91マイル(約145キロ)だったから、2球目の71マイル(約114キロ)のスローカーブは16マイル(約25キロ)ものスピードの落差があったことになる。
しかもインコース。何度も言ってきたことだが、ピンチの場面でインコースをつけるのがロブ・ジョンソンの真骨頂。外角低めに逃げてばかりいるコネ捕手さんとは違う。

この2球目のカーブが果たして「ドルフィン」だったかどうかは、インタビューでもウオッシュバーンは答えておらず、残念ながらわからない。

3球目 アウトコースの「ドルフィン」
(70マイル 空振り カウント1-2)


イルカ初球と2球目は「スピード」に差をつけたが、2球目から3球目では、こんどは「コース」に差をつけた。70マイル(約112キロ)と、2球目よりさらに遅いスローカーブ「ドルフィン」がアウトコースやや低めに決まり、マイケル・ヤングのバットが空を切って、マイケル・ヤングを追い込んだ。
このボールも、残念なことに「ドルフィン」だったかどうかはわからないのだが、野球ファンとしては、2球目か3球目のどちらかが「ドルフィン」だったことにしておきたい(笑)
シアトルタイムズのベイカーが、イルカの写真までわざわざ添えて、ヤングへの1-1からのカーブは「ドルフィン」だといっているので、3球目は「ドルフィン」だ(笑)やれやれ(笑)
Mariners Blog | Meet Jarrod Washburn's "secret weapon" | Seattle Times Newspaper

4球目 インハイの4シーム
(90マイル セカンド・ゴロ アウト)

2球目で「スピード」、3球目で「コース」に差をつけて、マイケル・ヤングを追い込んだバッテリーは、4球目に「スピード」と「コース」を同時に変えてきた。
2球目、3球目が70マイルしかないカーブだっただけに、この90マイルのストレートは、いくらマイケル・ヤングとはいえ、たぶん90マイル以上のスピードを感じたことだろう。
右の好打者ヤングが、このチャンスにインコースのボールになる球をあわてて振りにいって、しかも、ひっかけてセカンドゴロを打つのだから、よほど振り遅れていたのは間違いない。


バッテリーの完全勝利。
ビューティフル・ピッチ。

4月9日  8回自責点0 ジョンソン QS 完封勝ち 
4月15日 6回自責点2 城島(4回自責点0 怪我による交代)→ジョンソン(2回自責点2) QS 勝ち
4月21日 7回自責点2 ジョンソン QS 勝ち
4月26日 5回1/3自責点6 バーク
5月2日  7回自責点1 ジョンソン QS
5月7日  7回自責点1 ジョンソン QS
5月13日 6回自責点4 城島
5月18日 5回自責点6 城島
5月26日 6回自責点0 ジョンソン QS
6月1日  7回自責点1 ジョンソン QS
6月6日  6回自責点1 キロス QS
6月12日 6回自責点4 ジョンソン
6月19日 7回自責点2 ジョンソン QS
6月25日 6回自責点2 ジョンソン QS 勝ち
7月1日  7回自責点4 ジョンソン
7月6日  9回自責点0 ジョンソン 準完全試合QS勝ち
7月11日 7回自責点1 ジョンソン QS 勝ち

ジョンソン 88回自責点20 ERA 2.05
バーク   5回1/3自責点6  ERA 10.13
城島    15回自責点10 ERA 6.00
キロス   6回自責点1   ERA 1.50






damejima at 17:42

July 10, 2009

どうせそのうち誰かが訳してくれるだろうと思っていたのだが、なかなか見つからない(苦笑)しかたなく自分で訳すことにした。拙訳の多少の問題点はご容赦してもらう。

イルカ



以下のインタビューでは、月曜の準完全試合について、ロブ・ジョンソンがいろいろと手の内を語ってくれている。
ボルチモアをキリキリ舞いさせたゲームで使った大きく曲がる変化球については、ウオッシュバーンは「フリッパー」と呼び、ロブ・ジョンソンがあらためてそれをひねって「ドルフィン」と言い直して、その球が時間をかけて練り上げられたかなり特別な球であることを明かしている。(調べたところでは、おそらく彼らは1964年にアメリカで放映されたイルカが主人公のテレビドラマ「フリッパー」にちなんで命名・改名しているのではないかと思う。)

ロブが「ドルフィン」の手の内をこうして外部に向かってしゃべれるのも、よほど自信があるからだろう。いまやウオッシュバーンには苦労したおかげで、従来の持ち球のカットボールや2シームに加えて、新しい持ち球の「ドルフィン」、また、それだけでなく、スプリッターなど多彩な球種がある。「別に『ドルフィンのことを喋っても打たれたりはしませんよ』と、自信をもってしゃべっている。

ロブによれば、今シーズンはじめからウオッシュバーンは投球の組み立て、球種について色々と試行錯誤を重ねていたようで、ロブ・ジョンソンもそれについてはなにかと協力していたようだ。
どんなカウントで「ドルフィン」を使えば効果的か、とか、「ドルフィン」の前後に投げる球種は何で、どこに投げるか、とか、ロブ・ジョンソンとウオッシュバーンの間のかなり詳しい打ち合わせぶりがうかがえる。
このあたりの投手とのコラボレーションぶり、クリエイティブな姿勢が、投手陣やスタッフ、メディアが評価する「ロブ・ジョンソンのコミュニケーション能力」の真髄のひとつだろう。


投手も、打者と同様、日々シーズン中でも自分のピッチングに改良を加えたり、新しい球種を覚えたり、クリエイティブな作業を続けている。そうでないとメジャーではすぐに通用しなくなるから、必死だ。
その、大変にめんどくさいが、創造的な作業にロブ・ジョンソンが共同作業者として加わっているからこそ、ウオッシュバーンやベダードのような投手たちがロブ・ジョンソンを「指名」してくるわけだ。
ウオッシュバーンも、もう34歳。この記事のライターも書いているとおり、自分のピッチングを改良できるところは改良して、キャリアを少しでも延ばしてサバイバルしていかなければならない。そのためには、時間をさいてコラボレーションに参加してくれて、クリエイティブなアイデアをくれるキャッチャーをパートナーとして選びたがるのは当たり前の話である。


それは、オヤジがマージャンなどやらない若い投手を無理にマージャンに誘うとか、片言の英語が喋れるとか、そんな低次元の話ではない。


ちなみにfishyは、本来「怪しげな」という、あまりよくない意味のようだが、ここではおそらくライターが、ウオッシュバーンの趣味が釣りであることにひっかけてタイトルをつけたかっただけなのだろうと想像して、単に「謎」と訳しておいた。



There's something fishy about Washburn's one-hitter
ウオッシュバーンの1安打ピッチングの「謎」。


If you thought Jarrod Washburn had the Baltimore Orioles fishing for answers Monday night, there was good reason.
もし、月曜の夜にボルチモア・オリオールズが探している答え(=なぜほぼ完璧に抑えられてしまったのかという問いに対する答え〜ブログ補足)をウオッシュバーンが持っていると考えるなら、それは適切な判断だ。

Washburn has found increasing confidence in a looping curve ball he calls "flipper." So catcher Rob Johnson renamed it "The Dolphin." And the pitch proved to be quite a catch, along with the rest of the veteran's arsenal, during a one-hit gem Monday that resulted in a 5-0 victory for the surging Seattle Mariners.
ウオッシュバーンは、彼が「フリッパー」と呼ぶ大きく曲がるカーブで自信を増した。キャッチャーのロブ・ジョンソンは、そのカーブを改めて「ドルフィン」と名付け直した。「ドルフィン」は、勢いを増しつつあるシアトル・マリナーズに月曜の1安打での5-0の勝利をもたらしたことで、ベテラン投手ウオッシュバーンにとっては、他に彼がストックしている勝負球と同じくらい、けた外れに大きな収穫であることが判明した。

The fishy offering was so effective that Johnson called only one change-up, going instead with the Dolphin to keep Baltimore batters off-balance on a night when Washburn was also spotting his fastball with extreme effectiveness on both sides of the plate.
その謎の試みは、試してみてとても効果があったため、ジョンソンはチェンジアップをたった一度しか要求せず、かわりに「ドルフィン」を使ってボルチモアの打者たちのバランスを崩させたままにさせた。そうなると、ウオッシュバーンが打者のきわどい両サイドをつく速球も非常に効果的になった。

(中略)

At 34, Washburn seems to have discovered new life. He certainly has discovered new pitches. Mechanical adjustments suggested in spring training by new pitching coach Rick Adair and bullpen coach John Wetteland have turned his two-seam fastball into an effective sinker.
34歳のウオッシュバーンは、どうやら新しい投手生命を見つけたようだ。彼は確かに新しい持ち球を発掘したのだ。新しいピッチングコーチのリック・アダイヤーと、ブルペンコーチのジョン・ウェッターランドがスプリングトレーニングで投球メカニズムの微調整について助言したことで、彼の2シームは効果的なシンカーに変貌を遂げた。

He says his curve has become better as well. And just on the last road trip, he started toying more with a little cutter to the outside corner.
彼はカーブも前よりよくなっていると言う。彼は遠征のさなかに、外角のコーナーに決まる小さなカットボールをどうにかしようと漠然と考えはじめていた。

Johnson said the curve, or Dolphin as he prefers, has become such a weapon that on Monday it replaced Washburn's change, which he normally throws 15-20 times a game, as his pitch to keep the Orioles from sitting on his fastball.
ジョンソンがいうところの「ドルフィン」は、彼ジョンソンにいわせると、ボルチモアの打者がウオッシュの速球を狙い打ちしてくるのをかわす球として、通常1ゲームあたり15球から20球の範囲でウオッシュバーンが投げるチェンジアップに代わる武器になった、という。

"It was just one of those things where they came out swinging pretty good and his command of the fastball was so good they couldn't really touch it," Johnson said. "And we were using the Dolphin to slow 'em down."
「『ドルフィン』は、打者が振りに来ているとき、とても有効な球のひとつなんだ。彼は速球のコントロールもとてもよかったんで、打者はかすりもしなかったね。」とジョンソン。「僕らは『ドルフィン』を、打者の打ち気を削ぐのに使ったんだ。」

So what exactly is this fishy pitch?
で、この謎の球は、正確にはどんな球?

"It comes out of his hand and he feels like he's going to throw it over the net," Johnson said. "He developed it early on this year after a couple games, then we started throwing it and throwing it.
「ウオッシュが自分で発明したわけなんだけど、彼にいわせると『バックネットを越えるように投げているような感覚』みたいね。ドルフィンは今年はじめに何ゲームかが終わった時点で開発してたんだけど、それから僕らはじゃんじゃん投げてるよ。」

"I'm telling him what I think about the pitch and he started to really trust it. Man, now we're starting to use it with two strikes. It was a pitch we used to get back into the count with because you don't want to swing at a pitch that is coming up at your head and dropping down at 65 or 70 mph.
「僕が彼のピッチングについて思ってることを言うようにしてから、彼は本当に信頼してくれはじめたね。今じゃ僕らは2ストライクでも(決め球として〜ブログ補足)使ってる。前はよくカウントを整えるのに使っていた。65マイルから70マイルのスピードで顔に向かってきて、そこから落ちる球を、わざわざ狙い打ちしようとは思わないだろ?」

"There hasn't been one hit off it this year. Not one. Because guys usually don't swing, they pop it straight up and are mad at themselves, or they roll it over or they miss it. So now we're starting to use it with two strikes. It's been an interesting pitch."
「『ドルフィン』は、今年になって一度もヒットにされてない。ただの一度も、だよ。打者はたいていスイングしようとか思わないんだ。ポップフライを打ち上げて腹を立てるかと思うと、のめったり、空振りしたりしてくれる。だから2ストライクのカウントで使うんだ。面白いボールだよ。」

(中略)

But on the flip side, Washburn could be doing a Jamie Moyer-like late career discovery, learning how to change speeds and develop a few new wrinkles that will make him better as he goes. He certainly has better speed than Moyer, only now he's combining the fastball with some difficult off-speed stuff.
しかし一方でウオッシュバーンは、緩急のつけ方を学び、より好投できる新しい球種をいくつか発掘しつつ、(元マリナーズで、ウオッシュバーン同様に軟投派の〜ブログ補足)ジェイミー・モイヤーばりのキャリア晩年の再発掘をなしとげつつあるかもしれない。彼はモイヤーより球は速いわけで、ウオッシュはいまや速球に、なかなかに打ちづらいスピードを殺した球を組み合わせつつあるのである。

"I think he'll tell you this is the best stuff he's ever had in his career," Johnson said. "He's developed the sinker. He's always had a cut fastball, but he's always thrown it into righties and now he's throwing it away from righties.
「彼は、自分のキャリアで投げた球の中で、一番いい球だと言うんじゃないかと思うよ。」とジョンソンは言う。「彼はシンカーを進歩させたんだ。彼には常にカットボールがあるけど、彼はいつもそれを右打者の内角に投げてきた。だけど今は、彼は右打者の遠いサイドにも投げている。」

"He's also got a splitter we throw. And now the Dolphin."
「彼はスプリッターも投げられる。そしていまや『ドルフィン』もあるわけさ。」

It all adds up to make Jarrod Washburn a very interesting pitcher these days. And on Monday night at Safeco, it was nearly perfect.
ウオッシュバーンはとてもユニークなピッチャーになりつつある。月曜の夜のセーフコのゲーム、それはほとんどパーフェクトなものだった。






damejima at 01:42

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