城島問題各論とシアトル・マリナーズの諸問題

2013年7月15日、40代プレーヤーとして驚異的なホームラン数を残しつつあるラウル・イバニェス。
2013年5月24日、観客数が減少傾向にある人気チームは、ニューヨーク・ヤンキースだけではなく、むしろ近年の人気チームの大半はヤンキースより、はるかに観客減少が著しい。
2012年7月25日、この10年のヤンキース戦の観客動員データから明らかになった、セーフコ・フィールドのファンは「イチローを観るためにスタジアムに通い続けてきた」という子供でもわかる事実。
2012年5月9日、ローテ投手が複数のピッチング・スタイルをもつ意義。ブランドン・モローの見事な4連勝。
2012年4月13日、「2シーム全盛時代」と、右投手の投げる左バッターのアウトコースへの2シーム。
2011年11月22日、MLB時代のダメ捕手城島を「NPBの野手獲得の代表的失敗事例のひとつ」としたSI.comのTom Verducciの記事の訳文を正す。
2011年9月16日、球団のドル箱であるヤンキース戦ですら1試合あたり観客2万人を切る事態を招いた無能GMズレンシック。もはや「内側に向かって収縮する白色矮星」のシアトル・マリナーズ。
2011年9月13日、阪神のヴェテラン下柳投手の「投手を潰すキャッチャー」と出会ってしまった不幸。
2011年8月15日、大きく勢力図が変わりそうな今年のチーム別観客動員数ランキング。同じ観客数減少チームでも、タンパベイの非常に計画的な再建ぶりと比べて、シアトルの無能GMズレンシックのずさんで無計画なチーム運営の破綻は、既に観客にバレバレ。
2011年8月3日、同じコースに続けて投げる配球なら 「変化球の次に、ストレート」ではなく、やはり「ストレートの次に、変化球」が常道。
2011年6月22日、やはり予想どおりだったロジャー・ハンセンとダメ捕手城島の「普通じゃない関係」。日本における「第二の城島問題」に、またしても「異常なコネ」の影。
2011年5月26日、25日の阪神・ロッテ戦7回表の「ストレートしか投げる球がなくなっていっていく現象」を暇つぶしに考える。
2011年5月13日、「打者を追い込むところまで」で終わりの投球術と、「打者を最終的にうちとる」投球術の落差 (2)「ストレートを投げる恐怖」と「外の変化球への逃げ」が修正できないヘルナンデスの弱さ。
2011年5月2日、「何もせず待球するのではなく、打者有利なカウントでならストライクを思い切りスイングするからこそ、むしろ四球を増やすことができる」という当たり前の現象について考える。
2011年4月21日、阪神ファンから罵声を浴びつつある城島の「パスボール癖」。後逸の責任回避のための「ストレートのみの勝負強要」でタイムリー多発。そして、マリナーズ時代同様の城島スタメン落ちへ。
2011年4月21日、阪神対巨人3回戦から、ダメ捕手城島のいつもの配球パターンを特定する。 「ランナー1塁、左打者で、アウトコースにストレート連投」 「ランナー1塁、右打者、インコース連投」
2011年3月6日、ダメすぎる「1年目」の通知表(2)膨大な「問題児のコスト」を算出してみる。
2010年10月21日、ダメすぎる「1年目」の通知表。(1)巨人の主軸打者4人の打撃比較でわかる阪神のクライマックスシリーズ2ゲームの悲惨さ
2010年10月17日、イニングに入る前から「そのイニングの全打者に対する配球をあらかじめ『ひとつ』に決めきって」、結果、ボコボコに打たれて逆転負け、ポストシーズン敗退というダメ捕手城島の想像をはるかに越えたダメリード。(2)実戦編
2010年10月17日、イニングに入る前から「そのイニングの全打者に対する配球をあらかじめ『ひとつ』に決めきって」、結果、ボコボコに打たれて逆転負け、ポストシーズン敗退というダメ捕手城島の想像をはるかに越えたダメリード。(1)「結論と原則」編
2010年10月5日、ブログ過去記事を参照しながら味わうドジャース黒田の興味深いコメント (1)黒田の発言からわかる山本昌のアメリカっぽさ、シアトルのカビ臭い日本っぽさ
2010年10月3日、格差社会そのもののセ・リーグの球団格差と、まやかしの打力を生み出す、遅れた日本のスカウティング・システム。
2010年10月3日、かつて2008年に城島が選ばれた「ESPN上半期LVP」と「年間LVP」をほぼ同時受賞したといえるショーン・フィギンズ。そして、「シーズン最悪の非貢献者」と名指しされたも同然のズレンシック。
2010年9月30日、逆転3ランを打った村田が「なぜ、あれほど勝負のかかった場面で、高めのクソボールを強振できるのか?」についてさえ、何も書かない日本のプロ野球メディア、野球ファンの低レベルぶり。
2010年9月26日、ソフトバンク優勝でハッキリした「城島獲得を渋ったかつての投手王国ソフトバンクと、高額ダメ物件・城島に手を出した阪神」との大差。
2010年9月16日、日本時間15日夜の阪神対横浜戦、外のスライダー3連投でカウント3-0にしてしまい、ストライクをとるために再びスライダーを選択してタイムリーされたキャッチャーの名前。
2010年8月8日、ブランドン・リーグとの交換でトロントに移籍したブランドン・モローのここまでの好成績と、ダメ捕手城島のモローに対する配球の無能ぶりをあらためて振り返る。
2010年8月8日、トロントに移籍したブランドン・モロー、東地区2位のタンパベイ相手に9回2アウトまでノーヒット・ノーラン。17三振を奪う。
2010年8月7日、カウント2−2からピッチアウトしてフルカウントにしてしまい、その後タイムリーやホームランを浴びるダメ捕手城島のスタンドプレーぶり。
2010年6月19日、移籍後にストレートを投げる割合が83.1%から55.7%に突然下がり、シカゴ・カブスで別人になったカルロス・シルバの不可思議な変身。
2010年6月19日、意味なくダメ捕手城島が阻害していた「カーブ」を自由に使えるようになってピッチングの幅を広げ始めたブランドン・モロー。
2010年6月13日、「メジャーで最もストレートばかり投げる」シアトルのリリーフ陣。なんと「4球のうち、3球がストレート」。(ア・リーグ各地区ごとのピッチング・スタイルの差異についてのメモ)
センチメンタルなフロリダ・ドライブのための音楽。
2010年6月2日、グリフィー引退に贈るイチローのサヨナラヒット!!
2010年6月2日、ケン・グリフィーJr.、引退。
2010年5月30日、びっくりするほど「的外れ」な、このチームのマネジメント。よせばいいのに投手を増やすのではなく、キャッチャーを連れてきて、全く同じ「サヨナラホームラン」負け。
2010年5月22日、ダメ捕手城島の「帰国後のダメリード」に関するまとめ(ゲームサンプル、関係者の批判など) 日本に逃げ帰ってわずか2ヶ月もたたず、この惨状(笑)
2009年5月18日、シアトルのアンバランスすぎる現状(3) WHIPランキングのベスト5に2人もシアトルの先発投手が入っているにもかかわらず、投手に勝ちがつかず、チームは最下位。
2009年5月18日、シアトルのアンバランスすぎる現状(2) イチローがチームのヒットの20%を生産している2010シーズン。
2010年5月17日、シアトルのアンバランスすぎる現状(1) チーム防御率は3点台でリーグ3位、チーム得点数はリーグ最低。
2010年4月15日、「城島が加入したから阪神タイガースのチーム防御率がリーグ1位」とかいう低レベルな印象操作を腹の底から笑ってみる(笑)
2010年4月4日、出塁率からみた日本のプロ野球の開幕順位。あるいは出塁率重視のロッテ野球と、ボビー・バレンタインの連れてきた情報アナリスト、ポール・プポのワシントン州とイタリア料理をめぐる話。
2010年3月27日、ウオッシュバーンの「出戻り」契約の中途半端な現状をあえて記事にしてくれたJim Streetの心温まるライティング・スタイルに感謝の言葉を。
2010年3月25日、日本での開幕初イニングが被ホームラン、打ってはダブルプレーと聞いて、飛んできましたさ(笑)
2010年3月19日、阪神・安藤を3月14日に続いて炎上させたダメ捕手の定番ダメリード。ダメ捕手城島が投手を炎上させる「仕組み」を世界で初めて解説する(笑)
2010年3月13日、逃げ帰った国内のオープン戦ですら「同じ球種、同じコース連投のリード癖」でホームランを浴びるダメ捕手のあいかわらずぶりを笑う。リードもバッティングも、メジャー帰りどころか、ダイエー時代のまま。
2009年12月26日、Fielding Bibleが2008年までの過去6年間、および過去3年間について「メジャー最低」と酷評した「城島の守備」。盗塁阻止は「並」で、Earned Runs Savedは「メジャー最低」。
時系列にそって読む 「城島問題」 2009年版 「2年連続・正捕手強制復帰」から、「城島拒否維新」、「ウオッシュバーン放出」、「ファンのスタジアム離れ」、「城島退団」まで
2009年12月22日、「投手コーチ・アデアとの打ち合わせを無視し、モローにカーブのサインを一切出さなかった城島」に関する記録。投手たち自身の「維新」による城島追放劇の舞台裏。
2009年12月21日、モローのトレードにおける「ロブ・ジョンソン補正」、「城島補正」をどう見るか。

July 16, 2013

イチローの出ないオールスターにまるで興味がわかない。
たまには冷たいカフェオレでも飲みながら、古巣シアトルに戻ったラウル・イバニェスの凄い記録の話でも書こう。


1972年6月2日生まれのイバニェスは、今年41歳。前半戦で24本のホームランを打っている。凄まじい記録だ。

何度も書いているように、去年2012年のヤンキースがかろうじて地区優勝できたのは、Aロッドグランダーソンがスタメンすら外されるほど全く打てなくなり、スウィッシャーも下降線、テシェイラは8月27日を最後にDL入りで9月は不在、怪我を押して頑張ってくれていた最後の頼みの綱のジーターすら欠場してしまうという非常事態の中、イバニェスとイチローの神がかり的なバッティングがあったからだ。
その功労者イバニェスと再契約せず手放して、では外野手は獲得しないのか、と思えば、LAAでくすぶっていたバーノン・ウェルズなんぞを獲得してきてしまうのが、ヤンキースGMブライアン・キャッシュマンという男なのだが、イバニェスが鬱憤を晴らすように打ちまくり始めたのは、2013年5月以降のことだ。


41歳のシーズン、前半戦だけで24本のホームランというのが、どのくらい凄い記録かは、以下の図を見るとわかる。
バリー・ボンズの名前がランキング内にチラホラある。だが、ステロイダーの記録をマトモに扱う必要を感じないから、こういう扱いにしてある。以下の記述では、バリー・ボンズという選手の記録は「無いもの」として記述していることを了解されたい。


39歳以上のシーズンホームラン歴代記録
39歳以上のシーズンホームラン歴代記録
data generated in 07/14/2013 via Batting Split Finder - Baseball-Reference.com(以下同じ)

39歳以上のメジャーリーガーで、最も多くのホームランを打ったのは、MLB記録755本をもつハンク・アーロンの「45本」だ。
アーロンは、最後に40本を打った「39歳」の1973年と、翌1974年の2シーズンは外野守備についているが、ミルウォーキー・ブリュワーズに移籍した1975年以降は、ほぼDHで、ホームラン数も20本以下に落ちている。だから、「39歳での40本」が、ホームラン・キングとしての彼の「最後の輝き」といえる。


さて、ラウル・イバニェスだ。
41歳の今年、前半戦だけで「24本」のホームランを打った。

守備負担のないDHだったエドガー・マルチネスが、キャリアの曲がり角である「39歳」以降に打った最多のホームラン数は、2003年40歳での「24本」だから、守備も曲がりなりにこなしつつ、同じホームラン数を打った41歳のイバニェスは、既にエドガー晩年を超えている。
Edgar Martinez Statistics and History - Baseball-Reference.com
ちなみにイバニェスは、ヤンキースでの2012年後半戦に、シアトルでの2013年前半を加えると、「32本」のホームランを打っている(図でのLast 365daysという項目がそれにあたる。シーズンをまたいだ数字だから参考記録ではある)。これはテッド・ウィリアムズウィリー・メイズの晩年を超えた数になっている。

このランキングを、「40歳以上」、「41歳以上」と、さらに年齢を限定していくと、41歳で24本のホームランを打つことの意味がより鮮明になってくる。

40歳以上のシーズンホームラン歴代記録
40歳以上のシーズンホームラン歴代記録


41歳以上のシーズンホームラン歴代記録
41歳以上のシーズンホームラン歴代記録


数字を眺めた結果、41歳ラウル・イバニェスの2013シーズン後半の大目標が、次のような極めて具体的で、数少ないターゲットであることがわかってくる。今シーズンが彼の輝かしい勲章のひとつになることは、おそらく間違いない。

ラウル・イバニェス 2013年 41歳 24本(前半戦終了時)
Raul Ibanez Statistics and History - Baseball-Reference.com
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Ted Williams 1960年 41歳 29本
Ted Williams Statistics and History - Baseball-Reference.com
Darrell Evans 1987年 40歳 34本
Darrell Evans Statistics and History - Baseball-Reference.com
Hank Aaron 1973年 39歳 40本
Hank Aaron Statistics and History - Baseball-Reference.com


damejima at 23:49

May 25, 2013

2013年観客動員チーム別増減MLBチーム別観客数増減
(2013年05月23日現在)
元データ:Change in Baseball Attendance 2012 to 2013 - Baseball-Reference.com

ヤンキースのゲームで観客席に空席が目立つように見えるからといって、いちいちあげつらいたがる人間、マスメディア、ライターに限って、データをロクに調べもしないでモノを言っている(笑)
まぁ、やつらは目的がそもそも別のところにある(笑)のだから、相手にするだけ無駄というものだ。


ちゃんと調べれば、今シーズンのMLBの観客動員数はそもそも、近年人気絶頂を誇ってきたチームの大半で観客減少が目立つことなど、すぐにわかるはずだ。

例えば、日本ではダルビッシュが在籍するために人気沸騰中のように思われているテキサスですら、1試合あたりの観客の減少数は、ヤンキースより約800人多くて、1試合あたり4,000人も観客が減っている。
3,000人減少のヤンキースなど、フィラデルフィアミルウォーキーボストンの酷さに比べれば、まるでたいしたことはないのである。

観客減少チーム ベスト10
(1試合あたり/2013年5月23日現在)
MIA -10,986 人
PHI -6,900
MIL -5,072
BOS -4,983
HOU -4,387
CHC -4,280
MIN -4,253
TEX -3,991
NYY -3,173
TBR -2,583

ただ、この数字を見るとき、少し気をつけなければいけないのは、減ったといっても、例えばヤンキースで3,000人減るのと、タンパベイ・レイズで2500人減るのとでは、意味がまるで違う、ということだ。
1試合平均観客数37,800人のヤンキースにとっての3,000人減少(約8%)と、1試合平均観客数17,936人と、どんなゲームでも2万人以下の観客しか入らない不人気タンパベイで、観客が1試合につき2,500人(約14%)減るのとでは、事実の重みがおよそ2倍くらいは違う。


例の悪質なオーナーがまたしてもファンに対する裏切り行為を犯したといえる大量トレードでチームが絶賛崩壊中のマイアミや、チームがリーグを移動したばかりで、地区最下位にあえぐヒューストンが、観客を大きく減らしてしまうのは、観客数減少の意味がハッキリしているとして、それ以外のチームで「ガクンと観客が減ったベスト5」といえるのは、もちろんヤンキースではなくて、かつてワールドシリーズを勝って人気を集めたフィラデルフィア、青木のいるミルウォーキー、地元で根強い人気を誇ってきたボストン、順位に関係なく全米屈指の人気を維持してきたシカゴ・カブス、あとは元々観客が少ないのにさらに減らしているタンパベイといったところだ。


ちなみに観客が増えているのは、長年低迷していたチームの再建についに成功したワシントンボルチモア、そして、今年大補強を行って地元の期待を集めていたトロントと、どれも、「長年低迷してきたが、ようやくチーム再建に本気度が加わって、地元の期待が高まっているチーム」ばかりだ。
やはり、なんやかんやいって野球は人気スポーツなのであり、どこのフランチャイズでも、地元チームの一日も早い再建を誰もが心待ちにしているのはハッキリしている。

あと観客が増えているのは、どういうわけか「カリフォルニアのチーム」。ドジャースサンディエゴアナハイム。が観客を増やしている。
カリフォルニアでMLBの動員が増えた原因はわからないが、ケーブルテレビの普及、あるいは、増加しつづける中南米系移民の観客がスタジアムに詰めかけているのかもしれない。


観客が減ったのは、これまで人気だったチームが多い。
それも、どういうわけか東地区中地区のチームばかりだ。
それがどういう意味なのか、まだちょっとわからないが、観客が増加しているチームがどこも「長年低迷してきたが、チームのテコ入れに成功しつつあった(あるいはチャレンジしている)チーム」であることを考えると、やはりMLBは人気商売なのだから永遠に手は抜けない、ということではあるだろう。

この問題は今後ともしばらく調べてみるつもりだ。

damejima at 14:39

July 26, 2012

セーフコでのシアトル対ヤンキース観客動員数推移(2012年7月まで)

イチローのヤンキース電撃移籍が発表になった直後のセーフコ・フィールドでのシアトル3連戦が終わった。観客動員数は、以下の通り。

23日(月曜日) 29,911
24日(火曜日) 31,908 ヘルナンデス登板
25日(水曜日) 36,071
----------------------------
3ゲーム平均  32,630
2012 Seattle Mariners Schedule, Box Scores and Splits - Baseball-Reference.com

これらの数字を、かつてこのブログで作った1999年から2011年までのヤンキース戦限定の曜日別観客動員数グラフ(=セーフコフィールドにおけるシアトルの対ヤンキース戦、つまりホームでのヤンキース戦)に組み込んでみた。それが、上の図だ。
元記事:Damejima's HARDBALL:2011年9月16日、球団のドル箱であるヤンキース戦ですら1試合あたり観客2万人を切る事態を招いた無能GMズレンシック。もはや「内側に向かって収縮する白色矮星」のシアトル・マリナーズ。


このカードでセーフコに集まった多くの観客の大半は、いうまでもなく、去っていくイチローを観ようというシアトルファン、あるいは、全米に存在しているヤンキースファンで、イチローのヤンキース加入に強い興味をひかれセーフコに来たヤンキースファン、つまり、観客の大半が「イチローを観に来た観客」で占められている。
そして、この「イチローを観るためにセーフコに来る」というモチベーションこそが、「セーフコフィールドに野球観戦に来る理由そのものだった」のだ、という話を以下に書きとめる。







ちなみに、月曜日以降、徐々に観客数が増えていっているのは当然で、イチローのヤンキース移籍があまりにも突然発表されただけに、ファンの側がすぐに自分の都合を繰り合わせてスタジアムにかけつけるのは難しかったという理由からだろう。
もしイチローの移籍があらかじめわかっていれば、3日間の平均観客数は3万5000どころか、おそらくイチローがシアトルに加入した2000年代初頭のように、4万人に迫る数字になったに違いない

以前から何度も記事に書いてきたように、セーフコの観客はヘルナンデスを観に来るのではない。
そのうち、スタンドがガラガラなのに、キングスコートだけ満員という、異常な状態がセーフコに実現することになる。それを見れば、セーフコの観客がこれまで何を観に来ていたのか、いくら馬鹿でもわかるだろう。そういう日は遠からず確実にやって来る。
Damejima's HARDBALL:2009年9月14日、平日月曜から木曜のスタジアムに陣取るコアな観客層が落胆し、拒絶した「2009年8月のシアトル野球」。(2)


他のどの球場のヤンキース戦も同じだが、セーフコ・フィールドにおけるヤンキース対シアトル戦も、シアトル・マリナーズにとって、ボストン戦と並ぶ、いわゆる「ドル箱カード」だった。

2001年にイチローが加入したことでシアトル・マリナーズの年間観客動員数は350万人を越え、「全米で最も観客数の多い球団」になった。(この事実をいまだに知らない人もいるかもしれないが、2012年の日本開幕戦にもみられるように、イチローの観客動員力はハンパなものではない)当時のヤンキース戦は、常に4万数千人の大観客でセーフコフィールドは隙間もないほど埋め尽くされていた。
チーム強化の成功から大観衆を集め続けてきたテキサスでさえ、2011年の年間観客動員数は294万人で、300万人すら超えてないのである。イチローというスーパースターを迎えた2001年のシアトルがどんな沸騰状態だったか、わからない人にはわからないだろう。

また、たとえシアトルの順位が最下位ばかりになって観客数が減り続けた時代になって以降も、ことヤンキース戦に限っては、平均3万5000人以上の観客でスタジアムが満たされるのが普通だった。


こうした状況に大きな異変が起きたのは、イチローが成績を落とした昨年2011年だ。
マリナーズの年間観客動員数が、189万6000人と、イチローがシアトルに来て以来、初めて200万人を割り込んだこの年、「ドル箱カード」のはずのヤンキース戦ですら、2万人程度しか観客が集らない異常事態になった。
2011年9月(61勝85敗)
9月12日月曜日 22,029 ヘルナンデス登板
9月13日火曜日 18,306
9月14日水曜日 20,327
----------------------------
3ゲーム平均  20,221
2011 Seattle Mariners Schedule, Box Scores and Splits - Baseball-Reference.com



その2011年に比べて、2012年7月のヤンキース対シアトル戦の観客動員数の大幅な増加をみせたことから、
イチロー加入以降のセーフコ・フィールドの観客は単に、
イチローを観に来ていたのだ

というシンプルな事実が確定できた。

とっくにわかりきっていたことではあるが、こうして数字になったことで、事実を事実として認めたがらないアホなファンや馬鹿なメディアと無駄に論争せずに済むのは、ありがたい。人と議論などしている暇があったら、書きたいことをもっと書いて、自分をもっと先に進めたい。


以下の記事に挙げた20歳前後と思われる若いセーフコのシアトルファンは、イチローのヤンキース移籍に際して、こんなせつないストーリーをブログに書いている。

I remember staying up late to watch him break the single-season hits record, how gracious he was to the crowd―a crowd that had lacked anything to root for during a progression of 90- and 100-loss seasons. He was the only reminder of our glory days.
観客は、90敗とか100敗とか大敗シーズンが続く中で、何に対して熱くなればいいかわからなくなっていた。彼、イチローだけが、栄光の日々を思い起こさせるものだったんだ。彼は、たとえ衰えを感じさせはじめたときですら、僕の目には前向きの希望と興奮を感じさせる、唯一のプレーヤーだった。

Damejima's HARDBALL:2012年7月23日、イチローのヤンキース移籍でわかる、「感情を表現する場所の変化」。子供時代にイチローを知った世代にとっての「イチローの特別さ」


この文章からわかることは、若い世代のシアトルのファンは、実に冷静にチーム状況の推移を見守ってきた、ということだ。
彼らは馬鹿ではない。モノを見る目もある。
そして、近未来の球団の支えとなるはずだった(過去形)こうした地元の若い野球ファンにとって、唯一の希望だったのは、「イチロー」だったのである。



自分の手でチームを破壊しておきながら、チームのレジェンドに移籍圧力をかけるような矛盾まみれで、馬鹿げた自己保身しかできないシアトルのオトナぶった無能な人々、たとえば馬鹿げたチーム運営コンセプトを乱発し、トレードでもドラフトでも致命的な大失敗ばかり犯して、チーム自体を破壊し続けた張本人のGMズレンシック、そして、そんな誰の目にも明らかな事実関係すら理解できず、指摘もしない無能なシアトル・タイムズに代表される地元メディアの偏向したライター。
彼らがファンに押し付けようとしてきた自分たちの失敗を覆い隠す言い訳、そして彼らの「オトナの都合」など、イチローのクレバーさを見習って育ってきた、頭がよくて礼儀もわきまえているクレバーな子供たちの耳にはまったく届かない。届くわけがない。

「常識が無いクセに、常識人ぶろうとするオトナ」、「メンツを守りたがるクセに、まともなロジックのカケラすらないオトナ」が、いったい「何を壊したのか」、骨身に沁みて思い知ることになるのは、まだまだこれからだ



もういちど、骨に刻むように書いておこう。

セーフコ・フィールドのごく普通のファンは、この10数年、
イチローを観るためにスタジアムに通い続けていた
のである。


(追記)
この記事を書き、イチローが去ったシアトルで2012年7月26日にカンザスシティ戦が行われた。ブログ主のお気に入りのジェイソン・バルガスの素晴らしいピッチングがあったが、それでも観客数は、15,014人。イチロー移籍の余韻のある時点でこれだ。これからの下り坂に何が待っているのか、シアトルのチーム関係者は思い知るといい。

damejima at 16:58

May 10, 2012

4月28日のシアトル戦で、6回を9奪三振で無失点に抑えて勝った元シアトルのローテ投手ブランドン・モローは、その後5月3日のLAA戦(ビジター)でエンゼルスを完封して、見事に3連勝。
今日はホーム、トロントでオークランド戦に登板。こんどは4シーム中心の配球に切り替えて10三振を奪い、6回自責点1の十分過ぎるピッチングでオークランドを苦も無くひねり、無事に4連勝を飾った。
これで、モローは4月23日カンザスシティ戦2回裏に1失点して以降、今日5月9日の5回裏の1失点まで、4登板でおよそ20イニング以上、失点しなかった
Toronto Blue Jays at Oakland Athletics - May 9, 2012 | MLB.com Gameday

5月7日に脇腹痛から復帰したダグ・フィスターが、復帰登板で4シームをわずか2球しか投げず、ほぼ2シーム、カーブ、チェンジアップだけという「変わり身ぶり」を披露してシアトルを完璧に抑えこんだ話を書いたばかりだが、今日のブランドン・モローも、4月28日シアトル戦の配球とは全く違うピッチングを見せた。

以前の記事で、今シーズンのモローは「わずか50数%しかストレートを投げていない」と書いたわけだが、一転して、今日のオークランド戦のモローは一転して114球の投球のうち、71%、81球もの4シームを投げ、かつてのシアトル在籍時代を彷彿とさせる「速球投手ぶり」を、ひさびさに披露してみせた
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2012年5月7日、ダグ・フィスター、7回を73球無失点でDLから無事復帰。それにしても深刻な「MLB全体のクローザー不足」。


相手のプレーを「分析し、予測し、そして、先回りして叩き潰す」という行為は、MLBの基本中の基本だ。(行き当たりばったりのシアトルは別だが)

例えばダルビッシュだが、今年の成績によって、たとえサイ・ヤング賞を受賞しようと、20勝しようと、来年以降も同じピッチングができるわけはない。相手チームが研究してくる、からだ。ブログ主がダルビッシュについて、個々のゲームの勝ち負けをほとんど書かず、ピッチングフォームについてしか書かないのは、今年の成績なんてものはどうでもいいからだ。

イチローがかつて「3シーズン通用したら、それは通用したと言っていい」という意味のことを言ったが、これはまさに金言である。


現在のトロントの監督は、かつてクリーブランドの選手育成ディレクター、ボストンのピッチングコーチだったジョン・ファレルだが、まだ調べてはいないが、投手の育成に定評のある彼が、監督としてブランドン・モローのピッチングスタイルの幅を広げていく行為にどうかかわり、どう指導しているのかは、非常に気になる。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2012年5月4日、エリック・ウェッジの無能さを証明する、選手育成部長ジョン・ファレル流出後のクリーブランド・インディアンス没落。


対戦相手のスカウティングの網にひっかかってしまわないために、ローテ投手がいくつかのピッチングスタイルを持てるように、育て上げることは、それを、キャッチャーが助けるのであれ、投手コーチのアドバイスするのであれ、専任のスカウティング担当者がデータで示すのであれ、この「投手の時代」おいては非常に重要な仕事だ。
たったひとつしかスタイルがなければ、早晩、その投手は遠からず「つかまって」しまう。

今日の速球主体のピッチングでブランドン・モローが、かつての速球だけでグイグイ押していくピッチャーに戻るのではない。大事なのは、今のモローは、「相手チームを黙り込ませるだけのピッチングスタイルを、『複数』持っている」ということだ。
そうでなければ、成績を挙げたピッチャーが厳しくスカウティングされるMLBにおいて、内容のともなった4連勝を達成することはできない。


こういうピッチャーの幅を広げていく指導は、選手を育てる能力に欠け、ストレートのみで押していく単調なピッチャーだけしか育てられないシアトルでは、全く不可能だ。まして、ダメ捕手城島にそんな芸当ができるコミュニケーション能力など、昔も今も、まったく備わっていない。

damejima at 07:40

April 14, 2012

セーフコ開幕戦の球審は、アンパイアとしては若いTim Timmons (1967年生まれ 44歳)。

今日の彼の判定は、左バッターのアウトコースのゾーンがかなり広いイメージで、好機に見逃し三振をくらってヘルメットを投げたマイケル・ソーンダースなど、判定に不服そうな左バッターが続出した。たしかに、テレビ画面で見るとかなりアウトコースの判定が広い印象を受けるかもしれない。
Oakland Athletics at Seattle Mariners - April 13, 2012 | MLB.com Classic


球審Tim Timmonsの過去の判定傾向は以下の図の通り(2007 by Jonathan Hale: the Hardball Times)。メジャーで「高めをまったくとらないアンパイア」として3本指に入るアンパイアだ。(赤い線がルールブックのストライクゾーン。青い線が、Tim Timmonsのゾーン  。ただ、今日の判定は高さはごく普通の判定だった)

Tim Timmonsのストライクゾーン


高めのゾーンの狭いアンパイア ベスト10

Chuck Meriwether -8.53
Ed Rapuano -7.05
Tim Timmons -7.02
Jerry Layne -6.79
Larry Vanover -6.35
Brian Runge -5.68
Marty Foster -5.21
Chad Fairchild -5.04
Ed Montague -4.53
Mark Carlson -4.52
資料:The Hardball Times: A zone of their own



さて、今日のTim Timmonsの実際の判定ぶりは、データ上ではどうだったのだろう。いつものように、優れたアンパイアの判定データを提供しているBrooksBaseball.netStrikezone Mapを見てみる。
Brooks Baseball · Home of the PitchFX Tool - Strikezone Map Tool: 2012_04_13_oak_sea

2012年4月13日 シアトル対オークランド戦 Tim Timmonsの判定


2つあるグラフのうち、上が左バッターに対する判定。下が右バッターに対する判定。黒い実線は「ルールブック上のストライクゾーン」、破線は「実際のMLBのアンパイアが判定するストライクゾーン」で、何度も書いてきたように、実際のMLBの球審の判定においては、左バッターと右バッターでは、まったくストライクゾーンが異なることに注意してもらいたい。
簡単にいうと、左バッターについては、インコースはルールブックどおりだが、アウトコースはボール2個くらいは平気で外に広い。右バッターについては、外も内も、ボール1個分くらい広い。(球審によって、もっと広い人、狭い人がいる)
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月29日、MLBのストライクゾーンの揺らぎ (2)2007年の調査における「ルールブックのストライクゾーン」と、「現実の判定から逆測定したストライクゾーン」の大きな落差。


かつてはBrooksBaseball.netStrikezone Mapも、この左右のバッターでのストライクゾーンの違いを、きちんと反映はしていたが、図中には書き込んではいなかった時代があったが、去年からだったか、グラフの中に左バッターと右バッターのゾーンをハッキリ書くように仕様が変わった。


今日のオークランド先発バートロ・コロンの持ち球は、若い頃はカーブを投げた時代もあったが、今ではまったく投げないし、またチェンジアップ系の割合もそれほど若い頃から増えてはいない。
彼の持ち球の特徴は、他のヴェテラン投手のように緩急にあまり頼ることがない点で、近年ではむしろ2シームを多投することで、ストレート系への依存率がかえって高まっている気さえする。
今日の彼の配球は、内・外への2シームが基本で、スライダーと、ときおり投げるチェンジアップがスパイスになっていた。
Bartolo Colon » Statistics » Pitching | FanGraphs Baseball

コロンの持ち球といえば、アメリカのスカウティングサイトなどでも日本でも語られるのは、左バッターに対するfrontdoor 2-seam、つまり左バッターのインコースで、ボールゾーンからシュートしながらストライクになる2シームが特徴のひとつだったわけだが、今日のコロンは、球審のアウトコースのゾーンが広いことに早々と気がついて、左バッターのインコースではなく、「アウトコースで、ストライクゾーンから入ってボールゾーンに抜けて逃げていく2シーム」を多投して、左打者しかヒットを打てないシアトル打線を牛耳った。
こういう抜け目のなさ、対応の早さが、ヴェテランの味だ。
資料:60ft6in – Pitcher Scouting Reports - Is This Really Happening?: Bartolo Colon


この「左バッターのアウトコースにシュートしてストライクになる、右投手の2シーム」は、実際にバッターボックスに立っているプロのバッターですら判定に迷うくらいだから、テレビを見ている観客に、それがストライクかボールかを判定するのは難しい。

(ちなみに「backdoor, バックドア」の変化球は、「アウトコースの球で、ボールゾーンである外側から曲がってきて、最終的にストライクになる球」のこと。
MLBの投手がよく使う「バックドアの変化球」としてよく知られている変化球には、例えばbackdoor sliderがある。右投手が左バッターのアウトコースに(下の図のA)、あるいは、左投手が右バッターのアウトコースに(下の図のB)投げる。
この試合で右腕バートロ・コロンが左バッターのアウトコースに投げた2シームは、さらにひとつ下の図のCで、バックドアではない。)
front door と back door

左バッターのアウトコースをかすめる2シームの軌道



Tim Timmonsはもともとアウトコースのストライクゾーンの広い球審なだけに、左バッターに対するコロンの外の2シームをストライクと判定しやすい試合環境だった。
だが、データ上からみると、たしかに明らかなボールをストライクコールした例もいくつかはあったが、大半の見逃しについては、MLBの左打者に対するアウトコースの広さで説明のつくストライクだった。


左バッターのアウトコースに投げる、ストライク判定される2シーム」は、いま、右投手の左バッター対策として、非常に効果を挙げつつある。実際、どの試合を見ても、必ずといっていいほど多投されている感がある。

問題は、シアトルが、この「2シーム時代」にきちんとアップデートできているか? ということだ。

主に4シームしか投げられないようなブルペンピッチャー、2シームを打ち崩すバッティングを研究してないバッター、投手の投げる2シームを受け損なって失点につなげてしまうキャッチャー、2シームの判定に迷うバッター。

様々な意味で、現状のシアトルは「2シーム時代」についていけてないことが、今日ハッキリした。



だが、逆にいえば、チームとしての課題がこれほどハッキリ見えるゲームなんて、そうそうあるものじゃない。日々進歩することが今のシアトルの仕事だとしたら、ある意味、克服すべき課題、進歩すべき方向がこれだけハッキリ見えたことは、むしろラッキーとさえいえる。

そして、これだけはハッキリしている。
こういう「いい経験」をしても、進歩できない選手がいれば、その選手は変化する能力のない負け犬だし、チームが選手の技術の修正を指導できなければ、そのチームは、かたくななだけの負け犬になる。














damejima at 18:38

November 23, 2011

来シーズンは、動向がまだ不明のダルビッシュはじめ、青木中島川崎チェン福原など、かなりの数のNPB在籍選手が来シーズンのメジャーデビューに向けて準備している(あるいはMLB側が調査している)ようだが、評価の高いダルビッシュを除くと、MLB側がNPBの選手を評価する基準は、もう、かつて松坂井川が大金で移籍した時代ほど高くはない。 (というか、明らかに下がっている)

それはそうだろう。彼らも、「たくさんの失敗」を経て「懲りている」のである。もちろん、ダメ捕手城島も、その失敗例のひとつだ。
そのことをスポーツ・イラストレイテッドのTom Verducciがまとめた記事があちこちで引用されているのだが、その中に城島について書かれた部分が少しだけあるので、以下に記録として残しておく。

この記事については既に翻訳がネット上に存在しているわけだが、いかんせん、残念なことに、城島について触れた部分の翻訳が、極めてよろしくない。きちんとした記録として残しておくためには、原文を貼っておしまいにするか、自分で訳し直すしか方法がないので、しかたなくちょっと作業して記事を作ることにした。やれやれ。


Lack of success by Japanese stars opens debate about next wave - Tom Verducci - SI.com

原文(原文の一部)
Aoki has drawn some comparisons to Suzuki for his style of play, though he has not been that kind of impact player. Other than Suzuki and Matsui, many position players from NPB have been less than advertised as major leaguers despite major financial investments, including infielder Kaz Matsui ($20.1 million for three years), catcher Kenji Johjima ($24 million, three years), outfielder Kosuke Fukudome ($48 million, four years) and Nishioka ($9.25 million, three years).

One talent evaluator said the track record of such players has been so poor that his club devalues NPB players at least one level from their established level in Japan, saying, "If you're looking at everyday position players you probably think of them as fourth outfielders or utility players for the most part. Whatever role they had there, we downgrade and then see if that's a fit for us."


当ブログ訳
アオキは、イチローとプレースタイルにおける類似点をいくつか指摘されてきているが、彼がイチローのようなインパクトのあるプレーヤーだったわけではない。イチローとマツイ以外、内野手のカズ・マツイ(3年20.1M)、キャッチャーのケンジ・ジョージマ(3年24M)、外野手のコウスケ・フクドメ(4年48M)、ニシオカ(3年9.25M)を含め、NPBから来た野手の大半は、多大な投資によって獲得されたにもかかわらず、メジャーリーガーとして額面どおりの活躍を見せることはなかった。(ブログ注:advertised=表示価格と実際の活躍が釣り合わない、つまり「期待はずれに終わった」という意味)
あるスカウトによれば、これまでの日本人野手のこうした期待はずれな成績から、彼の球団では、NPBの野手評価を、彼らが日本で確立していた評価のレベルから、少なくともワンランク下げて考えるようになった、という。「日本ではスタメンだったとしても、おそらく、たいていの場合、外野手の控えか、ユーティリティ程度に考えないといけないと思う。たとえ彼らが日本でどんな地位にあったにせよ、我々はいったんそこから割り引いて考え、それからその選手が我々に必要かどうか、判断している」



同じ文について、別サイトでの訳に、こんなのがある。

「アオキのプレースタイルは、よくスズキと比較される。しかし彼はそれほどインパクトの有る選手ではない。スズキとマツイ以外のNPBからきた多くの野手は、メジャーリーガーとして多額の投資をしたにも拘わらず、その効果はもう一つだ。内野手のカズ・マツイ(3年、20.1百万ドル)、キャッチャーのケンジ・ジョージマ(3年、24百万ドル)、外野手のコウスケ・フクドメ(4年48百万ドル)、そしてニシオカ(3年9.25百万ドル)らだ。
ある評論家は、これらの選手の悲惨な成績が、NPB選手に対するそのチームの評価となり、日本でプレーする選手の評価につながっていると言った。曰く「もし君がレギュラーでプレーする選手を見ても、彼らを第4の外野手か、ユーティリティプレーヤーが良いところだと思うだろう。彼らが、そこでポジションを与えられて、それが私たちにフィットしていると思えても、グレードダウンになる」
ダルビッシュがメジャーで成功する鍵とは? - Can I talk about MLB? - Baseball Journal (ベースボールジャーナル) - livedoor スポーツ


原文、あるいは当ブログの訳文と比べて読んでもらえばわかるが、正直こんないい加減な訳では、ほとんど原文の意図がわからない。

原文には、近年では日本人野手についてdevalue at least one level (最低でもワンランク評価を下げる)のが普通になったと、これ以上ないくらいハッキリ書き、downgradeという単語も使っているのに、こんなわけのわからない機械翻訳みたいな日本語に訳したのでは、原文の単語の意味もわからず、また、文章全体の意図もまるで理解できないまま訳しているとしか思えない。
MLB関係者が、イチロー以降の野手たちの「失敗ぶり」が原因で、日本人野手の評価をNPB在籍時代からワンランク割り引いて考えるようになっている、という話は、この原文の最も重要な論旨のひとつである。
また、メジャーでダメ捕手城島が「日本人野手獲得の失敗の、代表例のひとつ」と考えられていることも、こんな訳では曖昧になってしまう。

当ブログ訳では、talent evaluatorを、「どこかの球団の内部の人間」である、という意味で、「スカウト」と訳した。talent evaluatorというのは、NFLなどでも聞く職業だが、野球の場合、「戦力分析家」とか訳して何のことだがわかりにくくしてしまうくらいなら、単純に「スカウト」と訳したほうが混乱を防げる、と考えた。
これを、別訳のように「評論家」などと訳してしまうと、後半部分のコメントを寄せたMLB関係者は「どこのチームにも直接属さない、外部の人物」ということになってしまって、その後の「his club(彼の所属球団)」という一節および文章全体とまったく意味が通じなくなる。
「評論家」と訳した後者は、明らかに、talent evaluatorがどんな位置にいる人物かわからないまま訳しているために、文章後半の主語weとかyou、あるいはhisやusという言葉が、具体的に何を指すのか、ほとんどわかっていない。


別に他人の訳文をけなしたいわけではないのだが、曖昧にされたくないことなので、いたしかたない。



damejima at 12:52

September 17, 2011

たしかつい先日、シアトル・マリナーズがGMジャック・ズレンシックと複数年で契約を更新したと聞いて、「やれやれ。よかった」と、胸を撫で下ろしたものだ。
なぜなら、「城島問題」をはじめ、「シアトル・マリナーズと自分の意見が一致する」ということは、間違いなく「自分の意見が間違っている」、もしくは「自分がまったくの見込み違いをしている」ことを意味するからだ(笑) このブログは、シアトル・マリナーズの馬鹿げたチーム運営と180度異なる意見を持っていることに、常に誇りをもっている。


さて、この数字が何を意味するか、わかるだろうか?

2011年9月(61勝85敗)
22,029 月曜日
18,306 火曜日
20,327 水曜日

資料:2011 Seattle Mariners Schedule, Box Scores and Splits - Baseball-Reference.com

酷いものだ。
これは2011年9月にセーフコで行われたヤンキース3連戦の観客動員数だ。

以下に、1999年から2011年までの間のセーフコで行われたヤンキース戦の観客動員数を、「曜日別のグラフ」として挙げ、また、それぞれのシーズンの「観客動員数」「何曜日から行われたゲーム」か、ヤンキース戦直前時点での「チーム勝敗数」を、それぞれ挙げておく。
今年の初戦の先発はヘルナンデスだったが、かつて一度説明したことだが、セーフコの動員数はヘルナンデスが登板したくらいで増えはしない。キングス・コートだの言い出したところを見ると、チームはなにか「ヘルナンデスをもっとスターにすれば観客増をはかれるかもしれない」とか勘違いしているようだが、ヘルナンデスにはもともと観客動員力など、ない
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年9月14日、平日月曜から木曜のスタジアムに陣取るコアな観客層が落胆し、拒絶した「2009年8月のシアトル野球」。(2)
あくまで対戦相手が人気球団であるとか、ロイ・ハラデイやクリフ・リーのクラスの大投手とのマッチアップだったりとかするのでないかぎり、観客は大幅には増えないのが、近年のセーフコだ。

そのセーフコで、ドル箱のはずのヤンキース戦に客が入らなくなる事態が、どういう意味か、わかるだろうか?

説明するまでもないだろう。
この、見るも無残な観客減少は、過去10数年の例からみてわかるように、「ア・リーグ西地区の優勝争いにシアトル・マリナーズがまるっきり関わっていないから」ではなく、「シアトル・マリナーズが、負けすぎているから」でもなく、「週末のゲームでないために、観客が集めにくいから」でも、「天気が悪かったせい」でも、「MLBの観客動員全体が減少しているせい」でもない。
(「イチローの成績に例年どおりの輝きがないために、シアトルのコアなファンがスタジアムに来る気が起きない」という理由なら、それは十分ありうる話だが)

ジャック・ズレンシックがGMになってからのセーフコの観客減少は、ついにここまで来たのだ。

来年の球団予算がどうなるか、考えるまでもない。どうせシアトルのチームマネジメントも、無邪気なマイナー好きもチームオタも、来年動かせる予算自体がこの観客動員減少でこの先どのくらい緊縮していくか、わかってないことだろう。

再建がいけないというのではない。むしろ、ズレンシックが就任した2009年からきちんと「建設的な徹底破壊に始まる再建」に手もつけないでおいて、勝手にクリフ・リーだ、ショーン・フィギンズだ、ジャック・ウィルソンだと中途半端に選手を連れてきて、ヘルナンデスにもグティエレスにも複数年契約をくれてやり、ズレンシックが好きなようにやった挙句に大失敗、次にはクリフ・リーも手放して「超守備的野球」とかぶちあげて、これまた大失敗。その挙句、無駄に金を使いすぎてペイロールが硬直化して身動きとれなくなると、こんどは手放すべきでないフィスターを手放しておいて、「若手中心」とか、ぬかす。

こいつはホンモノの馬鹿だ。

誰も、「GMが自分の好きな選手を見せびらかすだけの、安っぽい草野球」なんて、見たくない。

観客は「GMの好きな選手がプレーするのを見るために、スタジアムに足を運ぶ」わけがない。言うまでもなく、観客は「観客自身の好きな選手やプレーを見るために、金を払い、スタジアムに足を運ぶ」のだ。

こんなこと、そこらのガキでもわかる。


なのに、こんな単純で当たり前なことさえ理解できない無能なズレンシックは、フィスターを無意味に手放したのと同じように、チームの宝である「観客」を、自らの手で手放したのである。

自分から観客を手放す。
これ以上最悪かつ深刻な重罪は、野球ではありえない。


チームの活力の源であり、収入源である「観客」を、GMの度重なる大失態でこれだけ大量に手放しておいて、いまさら「若手主体」などという「その場をとりつくろうだけの、まやかしのコンセプト」など、誰も信用しないし、もう来シーズン以降、チームのペイロールがマトモに機能できるわけがない(笑)


観客はとっくに、自己の内側に向かって急速に収縮を続けるだけの白色矮星シアトル・マリナーズ、あたかもGMが自分のためだけに野球をやっているかのようなシアトル・マリナーズに背中を向けている。

ヤンキース戦観客動員数推移1999-2011

上のグラフの見方
丸い点が入った太線(5本)がすべてズレンシック就任以降のヤンキース戦観客動員数
太い黒線(実践、破線)が2011年
太い赤線(実践、破線、点線)が2009年と2010年

2011年5月(24勝25敗)
33,715 金曜日
37,354
37,290

2010年7月(34勝50敗)
37,432 火曜日
39,645
42,558
42,069

2009年8月(60勝54敗)
33,585 火曜日
36,769
44,272
45,210

2009年9月(76勝71敗)
28,395 金曜日
43,173
35,885

2008年9月(54勝85敗)
39,518 金曜日
44,473
42,677

2007年5月(15勝15敗)
44,214 金曜日
46,153
46,181

2006年8月(56勝68敗)
42,454 火曜日
41,634
40,817

2005年5月(15勝22敗)
37,814 月曜日
35,549
38,400

2005年8月(55勝74敗)
41,731 月曜日
37,773
46,240
39,986

2004年5月(12勝17敗)
46,491 金曜日
46,454
46,589

2004年8月(43勝71敗)
46,359 金曜日
46,530
46,335

2003年5月(20勝11敗)
44,979 火曜日
43,753
48,000

2002年4月(17勝5敗)
45,814 金曜日
46,047
46,115

2002年8月(74勝47敗)
46,033 金曜日
46,174
46,086

2001年5月(31勝9敗)
45,794 金曜日
45,880
45,953

2000年4月(2勝1敗)
40,827 金曜日
45,261
45,488

2000年8月(71勝59敗)
45,077 月曜日
44,105
44,962

1999年8月(53勝54敗)
45,190 木曜日
45,262
45,202
45,195



damejima at 19:31

September 14, 2011

2005年のセ・リーグ最多勝投手、阪神タイガースのヴェテラン下柳剛投手が実質来季の戦力外と考えられているらしい、という記事を読んだ。
MLBでも日本でも、ダメ捕手城島の被害を直接受けるのは、やはり投手自身なのだと、あらためて痛感する。下柳投手の理不尽な処遇に同情を禁じ得ないのはもちろんだし、現場で起きている現象の根にある原因をきちんと見抜く目のない球団に呆れもする。
虎投支えた下柳…戦力外「まだまだ現役で」 (サンケイスポーツ) - Yahoo!ニュース

ダメ捕手城島とバッテリーを組まされる、ということは、投手にしてみれば、マイナス要素でしかない
シーズン成績を落とされる程度で済めば、まだいいほうだ。場合によっては、選手生活そのものを脅かしかねない。城島を嫌って他球団に移籍できる余裕のある投手は1年かそこら我慢すれば済むかもしれないが、そうでない投手にしてみれば死活問題だ。
ホームランを打って助けてくれるどころか、打率はスタメン最低レベル、併殺打だらけで、配球はダメ、キャッチングもダメ、セカンドにスローイングすれば暴投だらけで盗塁阻止もたいしたことはない。

だが、不幸なことに、野球の現場を知らない球団フロントやネクタイ族の人々、あるいはキャッチャーが投手成績に直接与える多大な影響に理解の乏しい監督やジェネラル・マネージャーには、「城島問題」の深刻さがまるで理解されず、ダメ捕手と無理につきあわされる投手だけが、長期間にわたって投手成績やメンタルに甚大な被害をこうむるハメになる。

シアトル・マリナーズで長年我慢させられてきた投手陣のうち2009年当時の主力3投手(ヘルナンデスウオッシュバーンベダード)が「城島とのバッテリーを一斉に拒否する」という思い切った行動に出たのも、「配球からなにから、ダメなのがわかりきっているキャッチャーに、自分のキャリアを台無しにされたくない」というシンプルな発想から、選手が自分から動いた結果だ。もしあのとき生ぬるいシアトル・マリナーズのチームサイドにまかせておいたら、ああいうおかしな事態は永遠に解決しなかっただろう。
その結果、城島がいなくなった翌年、ヘルナンデスがあっさりサイヤング賞に輝くことになった。こうした経緯は、ダメ捕手の阪神移籍後の体たらくを通じて、日本のプロ野球ファンの間でも明白な事実として知られるようになったので、もはや詳しく述べるつもりもない。
今年はともかく、2010年の阪神は、城島さえいなかったら優勝できる戦力が整っていたと断言できる。シーズン終盤からCSにかけての重要すぎるゲームでのヘボ・リードには、もはや憐みすら感じたものだ。
例:ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年9月30日、逆転3ランを打った村田が「なぜ、あれほど勝負のかかった場面で、高めのクソボールを強振できるのか?」についてさえ、何も書かない日本のプロ野球メディア、野球ファンの低レベルぶり。


下柳投手は、誰にでもやってくる年齢による衰えもあるとはいえ、今シーズンの扱われ方には納得いかない部分が多々あるだろう。
長年なじんできて、今後もバッテリーを組む機会があればと願っていた矢野捕手が城島獲得をきっかけに引退に追い込まれたこと。新参の城島とバッテリーを組まされた不本意な成績。そして、シーズンもまだ終了してないというのに、「戦力外扱い」。
あらゆる点で、チームを支えてきた名選手のキャリア終盤の扱いとは思えない処遇の酷さには、同情を禁じ得ない。



下柳投手の今シーズンの登板は6回。うち4回が城島とのバッテリーで、初回と最後が藤井捕手だ。
開幕スタメンが危ぶまれた城島が、東日本大震災でプロ野球の開幕時期がズレこんだ偶然によって開幕に間に合った(もちろん、実際には「間に合って」など、いない。「間に合ったフリ」をし続けていただけ。故障は完治などしていなかったし、さらには、無理にプレーし続けることで故障をより悪化させたのは間違いない)
ちなみに、4月17日に下柳投手が、当時控え捕手だった藤井捕手とバッテリーを組んだ理由については、おそらく、今シーズンは怪我明けシーズンになる正捕手城島にチームが強制的に休養日を設定していたためだろう。(そうでもなければ、間違いなく城島は毎日マスクをかぶっていたはず)2009年にロブ・ジョンソンを指名捕手にしていたヘルナンデスのように、下柳投手が藤井捕手を指名したわけではないだろうとは思うが、情報を細かく追跡しているわけではないので、その辺はよくわからない。
4月17日 7回無失点 キャッチャー藤井
4月24日 7回自責点2 城島
5月4日  5回自責点2 城島
5月12日 2回2/3自責点2 城島
5月24日 4回自責点2 城島
6月6日 2回1/3自責点3 藤井
参考資料:阪神タイガースの先発投手とキャッチャー 全リスト - プロ野球データFreak

下柳投手とのバッテリー
藤井 9回1/3 自責点3 被安打12 与四球4 ERA 2.89
城島 18回2/3 自責点8 被安打17 与四球8 ERA 3.86



阪神が今年最も月間ERAが悪かった月は、城島が正捕手だった5月の3.41だ。城島は6月5日のオリックス戦までプレーして、リタイヤしている。9月はさすがに猛暑の夏を越した阪神投手陣全体の疲労ぶりが目立つが、藤井捕手に変わってから8月までの阪神のチーム防御率は右肩下がりに改善し続けた。
プロ野球 ヌルデータ置き場 阪神 - 投手成績一覧(月別) -

5月の3.41というチーム防御率が、高いか低いかについては、論じるまでもない。今年から「飛ばない統一球」を採用したセ・リーグで、チーム防御率2点台のチーム、ERA2点台の投手が続出している。3点台なかばなんていう防御率では首位に立てないに決まっているのが、超守備的シーズンといえる2011年のセ・リーグだ。
2011年は、マートンとブラゼルを中心にチーム全体で馬鹿みたいに打てたことで、城島がいくらチーム防御率を崩壊させていても、それを覆い隠して勝てた2010年とでは、野球そのものが違う。(もちろん、そのツケは、シーズン最後に城島のヘボリードで優勝を逃すという形で阪神球団自身が払うことになった)

2011年阪神チーム月別ERA

2011阪神の主な先発投手の月別防御率
(数字は左から、3・4月、5月、6月、7月、8月)
能見 4.05 2.87 2.17 3.24 1.43
岩田 3.79 1.71 2.05 2.36 1.88
久保 2.25 4.10 36.00 6.23 1.65
メッセンジャー 2.53 2.25 3.24 1.50 2.63
スタンリッジ  1.38 5.06 1.24 0.55 3.52
阪神タイガース投手成績 - プロ野球データFreak


防御率だけを見ると、先発投手のうち、正捕手が城島から藤井捕手に変わった恩恵が最も大きかったのは、能見投手岩田投手といえるかもしれない。たしかに、月別防御率だけを見るかぎり、この2人の防御率は、(実数でみても、近似曲線でみても)右下がりに良化し続けている。
月別の浮き沈みがけっこう激しいスタンリッジメッセンジャーの2人の外国人投手は、防御率だけでは、藤井捕手との相性は明確にはならない。だが、近似曲線が水平に近いグラフになることから、少なくとも正捕手が変わったことで「悪化」はしていない。

2011阪神 能見投手 月別防御率能見ERA

2011阪神 岩田投手 月別防御率岩田ERA



だが、今シーズンのダメ捕手城島とバッテリーを組まされるデメリットは、本来は防御率を見ているだけでは絶対にわからない
次のような要素が、防御率の数字にはきちんと反映されてこないからだ。

身体の故障を隠したままプレーを続行した城島の重要な場面でのパスボールの多さ
→チームのワイルドピッチ数の激増
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年4月21日、阪神ファンから罵声を浴びつつある城島の「パスボール癖」。後逸の責任回避のための「ストレートのみの勝負強要」でタイムリー多発。そして、マリナーズ時代同様の城島スタメン落ちへ。

故障から左右へシャープに動けない城島がパスボールを避けるようと、落ちるボールなど、「捕球しにくい球種」を使わないで配球しようとすることで生まれる、配球の制約
→フォークを決め球にする投手が、フォークを投げられない現象
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年5月26日、25日の阪神・ロッテ戦7回表の「ストレートしか投げる球がなくなっていっていく現象」を暇つぶしに考える。

「たとえ追い込まれても、城島がキャッチャーなかぎり、落ちる球は投げて来ない」と、バッターに配球を読まれることで生まれる無駄なヒット、タイムリー、四球


シーズン序盤よく阪神ファンの間から聞こえてきたのは、たとえ、キャッチャーの股間を抜けていくような明らかなトンネルを城島がやらかしたとしても、どういうわけか記録上はピッチャーのワイルドピッチになってしまう、というようなことが何度となくあった、という話だ。
もちろん、そういうプレーによって自責点が発生すれば、結果的に投手の責任にされてしまう。
また、城島が1塁ランナーのセカンドへの盗塁を刺したいがために、打者のアウトコースにピッチアウトするサイン出したがる、という話もシアトル時代からよくあった話だが、これが原因で四球を出してしまったケースも多々あったことだろう。


単に、相変わらずのマズい配球でチームの自責点を無駄に増やすだけにとどまらず、怪我を無理して出場し続けてマトモにキャッチングすらできず、配球にすら支障が出ている半人前のキャッチャーを相手に投げた、ほんのわずかな期間のピッチングで、「もう下柳もダメだ」なんて言われ、結婚したばかりのヴェテラン投手が働く場所を失うんじゃ、あまりにも可哀想というものだ。



damejima at 14:23

August 16, 2011

2010年に1試合あたり4万人以上の観客動員を記録した球団は、NYY、PHI、LAD、STLの4チームだったが、これらのチームのうち、NYYとSTLが10万人以上、LADに至っては50万人も観客が減ってしまっている。(8月14日時点)
今年の観客動員数トップは、ヤンキースではなく、ロイ・ハラデイクリフ・リーなど、輝かしい先発投手陣を揃え今年も地区首位をひた走るフィラデルフィアになりそうだ。
プラス

以下のデータで、特に表記がない場合、ソースは下記のBaseball Reference。2011年6月14日現在。
Change in Baseball Attendance 2010 to 2011 - Baseball-Reference.com

1試合あたり観客動員4万人以上
PHI 45,502 (1試合あたり 471人増)
NYY 44,836 (1試合あたり ▲1,593人減)
SFG 41,900 (1試合あたり 4,451人増)

観客動員が10万人以上増加したチーム
TEX 407,476 (1試合あたり 6,572人増)
PIT 275,577 (4,751人)
SFG 267,081 (4,451)
CLE 250,422 (4,318)
他にTOR、MIN、MILが10万人以上増加

ホームゲームでの観客動員が増加したチーム
PHI 104.2%
BOS 101.6%
2011 MLB Attendance - Major League Baseball - ESPN

観客を増やすことに最も成功したのは、なんといってもメジャーで最も得点の入りやすいボールパークで試合をしているテキサスだろう。1試合あたり6500人、シーズン通算では40万人も観客を増やすことに成功した。
今年のテキサスのペイロールは96.1Mとかなり多いわけだが、その金額に見合う結果を出しているのだから、100Mかけて100敗したシアトルとは訳が違う。今年のフラッグシップディールの堅実さなどをみても、テキサスの経営能力の高さは本物。
2011 MLB Park Factors - Runs - Major League Baseball - ESPN


マイナス

1試合あたり観客動員2万人以下
FLA 18,379 395
OAK 18,991 661
TBR 19,327 ▲3,549 

観客動員が10万人以上減少したチーム
(2011年8月14日現在)
LAD ▲514,817 (1試合あたり ▲7,920)
TBR ▲209,376 (▲3,549)
SEA ▲191,427 (▲3,138)
他にNYM、STL、ATL、CHW、HOU、NYYが10万人以上減少

ホームゲームでの観客動員が最も減少したチーム
FLA 前年比46.7%
TOR 46.9%
BAL 47.9%
ARI 49.7%
SEA 51.0%
2011 MLB Attendance - Major League Baseball - ESPN

かたや観客を最も大きく減少させたチームは、オーナーのくだらないスキャンダルで経営権を剥奪されて人気チームとしての権威を自ら手放したドジャースを除くなら、タンパベイシアトルということになる。両チームとも、1試合あたり3000人、シーズン通算では約20万人もの観客を失った。


だが、新球場建設を前にして意図的にチームを壊し刷新を図ったタンパベイと、無能GMズレンシックが大金をかけたクセにチーム刷新に既に一度失敗し、二度目の低迷期に入ったばかりのシアトルでは、事情がまったく違う

今シーズン、タンパベイのペイロールは、わずか39.1Mしかない。というのも、2010年オフに主力選手がFAなどで次々とチームを去るのを容認しためだ。マット・ガーザ(CHC)、カルロス・ペーニャ(CHC)、カール・クロフォード(BOS)、ダン・ウィーラー(BOS)、ホワキン・ベノワ(DET)、他にも何人かの主力プレーヤーがタンパベイを去った。
馴染み深い選手たちが一気に減少したことにガッカリした観客はスタジアムから足が遠のいたわけだが、その一方で、8月14日時点でのタンパベイなんと貯金9の地区3位。戦力ダウンした割りには、むしろよくやっている。
そして重要なことは、こうした主力選手放出の見返りにはドラフト指名権獲得がつきものなわけで、タンパベイは2011年ドラフトの1巡目で、なんとメジャー30球団ダントツの10人もの選手を指名することに成功していることだ。
タンパベイはこれらの選手たちに契約金を支払うために、あらかじめペイロールを下げておく必要があった。だから多くの主力を放出に踏み切ったわけだ。
また、2012年に開場を目指した新本拠地建設計画も発表されている。新球場が完成すれば、ほっておいても客の入りが戻ることは、もちろん計算済みだろう。

要するに、タンパベイは意図的にチームを一度壊し、新球場でのリスタートに向けて刷新を図っている、ということ。(まぁ、これがメジャーで言う、普通の再建。シアトルがやっているわけのわからない「選手入れ替えゴッコ」は、ただの「ままごと遊び」。再建ではない
1st Round of the 2011 MLB June Amateur Draft - Baseball-Reference.com

タンパベイの現在の本拠地トロピカーナ・フィールドは、メジャーでもほとんど絶滅したいわゆるクッキーカッター・スタジアム、つまり旧式な人工芝の多目的ドーム球場だ。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年8月21日、ボルチモアのカムデンヤーズは、セーフコのお手本になった「新古典主義建築のボールパーク」。80年代のクッキーカッター・スタジアムさながらの問題を抱える「日本のスタジアム」。
トロピカーナ・フィールドの古さも、新球場建設に至った理由だとは思うけれど、それ以外にもうひとつ、新球場建設の理由があるような気がする。
というのも、トロピカーナ・フィールドは、Batting 92、Pitching 91(Baseball Reference)、0.772(ESPN) という、極端なヒッターズ・パークだらけのア・リーグ東地区には珍しい、典型的ピッチャーズ・パークだからだ。
2011 MLB Park Factors - Runs - Major League Baseball - ESPN
今回の新球場建設にあたって、タンパベイがどういう形状のボールパークを建設する予定なのか、まったく知らないが、なんとなく多少ヒッターズ・パーク寄りに球場特性を変えてくるのではないかと思っている。
というのも、ヒッターズ・パークだらけのア・リーグ東地区にあって、タンパベイだけが1チームだけ投手陣を必死に揃えたとしても、ヤンキースタジアムやフェンウェイでは投手陣が打ちこまれてしまえば、チームは結局優勝できない。ならば、本拠地をもうちょっとヒッターズ・パークに変えることで、ビジター戦での不利をはねのけたい、と、タンパベイの経営者が考えたとしても、おかしくないと思うのだ。
(ちなみに、今年からクッキーカッター・スタジアムのメトロドームから、新ボールパークのターゲット・フィールドに移転したミネソタのパークファクターは、Batting 99、Pitching 99と、非常にバランスのとれたものになった)


まぁ、このタンパベイの今年のドラフトを見ると、85.5Mものペイロールでシアトルのズレンシックがやっているチーム運営が、いかに無計画で、ずさんで、大胆さもなければ、緻密さも欠けていることが、よくわかる。
2009年に就任してからというもの、それなりの大金を任されて運用し続け、そして最下位に沈んでは、ドラフトの上位指名権を多少なりとも手に入れている割には、2011年のドラフトで1位指名できたのは、ダニー・ハルツェン、たったひとり。それも契約できるかどうかすらわからないときている(笑)(たとえば2011年ドラフト1巡目で、ナショナルズは3人、アリゾナ3人、サンディエゴは5人を指名している。ボストンですら4人だ)

若い選手が育つか育たないかは運次第なんて思ってるうちは、チームは絶対に強くなどならない。10人獲って育てていくチームと、育てる能力がもともと無いのに1人しか獲らないチームでは、結果はわかりきっている。






damejima at 02:45

August 04, 2011

最初に断っておくと、この話題を取り上げたのは、ダメ捕手城島にも阪神にも巨人にも、まして「城島問題」にもマリナーズにも、まったく関係ない。単に、純粋に「配球論」として面白いから取り上げるだけだ(笑)(そもそも「日本における城島問題」をある意味決着させてくれた藤井捕手を、このブログが罵倒したりするわけがない(笑)ただ、下記の2本のホームランは彼自身の配球ミスで、言い訳できないと思う)


8月3日のナイターのデータで、こんな2本のホームランを見た。僅差のサヨナラゲームの阪神・巨人戦だ。試合を決めた2本のホームランを生んだ配球に、ちょっとした共通点が隠れている。
ちょっと考えてみてもらいたい。

8回裏 高橋由伸 (投手 小林宏)
2011年8月3日 阪神対巨人 高橋由伸ホームラン

9回裏 古城 (投手 藤川)
2011年8月3日 阪神対巨人 古城ホームラン


そう。
タテの変化球の後に、ストレートを投げている


結論を先に書いておくと、こういう1点を争うゲームでの正解は、やはり、こういう常道の配球だっただろうと思う。
ストレートを投げておいて
 同じ軌道に、タテの変化球を落とす


誰ももう覚えてないだろうが(笑)、2年くらい前に、アメリカの非常に優れた野球サイト、Hardball Timesの「カーブを有効に使う方法」についての配球論を紹介したことがある。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」 『damejimaノート』(4)「低め」とかいう迷信 研究例:カーブを有効にする「高めのストレート」
元資料:Hardball Times
Pitch sequence: High fastball then curveball

Hardball Timesは「最初にストレート、次にカーブを投げようと思うなら、投げるべきなのは、低めのストレートではなく、高めのストレートだ。そのほうが、カーブの落差が生きる」という主旨のことを書いているわけだが、なんでもかんでも低めのボールがいいと主張してばかりいる日本の野球の退屈な配球論と比べると、「高めか! 異常に説得力がある!」と思わず膝を打ったのをよく覚えている。


議論のポイントは簡単だ。
どうしても打者をかわしたい場面で
1 ストレートの後に、変化球
2 変化球の後に、ストレート
どちらが有効か? ということ。


特にもったいないのは、8回裏の高橋由伸のホームラン。

変化球の後に、ストレート」の流れで勝負して同点ホームランされているが、2球目のフォーク(MLBでいうと、スプリッター)を強振されたというのに、なぜ次がストレートなのだろう。

スイングを見たら確信がもてるのだが、たぶん高橋由の2球目の空振りの「意味」は、「フォークを狙った、当てにいく空振り」ではなく、「あくまでストレート系を狙った、強いスイング」だったのではないか?
定かな記憶ではないが、たしかこのバッター、「いざという打席では、決まってストレートに絞っているバッター」だった気がする。
このブログでも、去年10月にたった一度だけ、この高橋由伸というバッターの傾向について記事を書いたことがあったと思うが、あの記事の打席でも「頑固すぎるほどのストレート狙い」でホームランしているはず。
9回の古城にしても、初球のストレートを空振りされたときのスイングスピードで打者の狙いを感じとっておくべきだったように、データは見える。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月17日、イニングに入る前から「そのイニングの全打者に対する配球をあらかじめ『ひとつ』に決めきって」、結果、ボコボコに打たれて逆転負け、ポストシーズン敗退というダメ捕手城島の想像をはるかに越えたダメリード。(2)実戦編


やはり、ここは、「変化球の後に、ストレート」ではなくて、
ストレートの後に、変化球」だったら、結果は違っていたんじゃないか、と考える。

高めのストレートをしつこく投げ続けてファウルさせ、追い込んでおき、最後にフォークを空振りさせる寸法だ。単純なパターンだが、やはり年季が入ったパターンはハズレがない。実はこれ、テキサスに移籍した上原投手のパターンだ(笑)

今日、ダグ・フィスターが勝ったテキサスvsデトロイト戦にも、こういう「ストレートで追い込んで、変化球で三振」パターンがあった。
特に、8回裏に上原が好調ビクター・マルチネスをスッパリ三球三振にうちとった配球は、ちょっと大投手ロイ・ハラデイばりのシンプルさだった。素晴らしいのひとこと。83マイルのスプリッターが89マイルのストレートの軌道にのるとみせかけて落ちていく、それにあわせて、マルチネスのバットが空を切るのが、非常に美しい。

このシンプルな「上原パターン」でも、何度も言ってしつこいようだが、ストレートを低めいっぱいに決めようとばかりすると、今のMLBの球審は低めをぜんぜんとってくれないこともあって、ドツボにはまる。
「高めのストレートを見せておいてから、変化球を低めに投げるからこそ、カーブやスプリッターが利いてくる」のだ。

テキサス対デトロイト 8回表
打者ビクター・マルチネス 投手:上原

2011年8月3日 テキサス対デトロイト 上原の配球

テキサス対デトロイト 4回表
打者ウィルソン・ベテミット 投手マット・ハリソン

2011年8月3日 テキサス対デトロイト マット・ハリソンの配球






damejima at 17:32

June 23, 2011

シアトル時代のMLB最低レベルの成績とはまるで無関係に、高額長期契約が、それも契約満了年の5月に結ばれるという、異常な「コネ」の存在。MLBらしからぬプレーぶりを長年放置したチームの生温さに耐えかねて、最後には先発投手陣みずからが一斉拒否して反乱を起こしたことで、ようやく決着を見たシアトル・マリナーズにおける「城島問題」。
この選手の抱え込んでいる無意味で異常な「コネ」が、チームの長期的低迷や有力選手の流出にどれほど巨大なマイナスファクターとして働いていたことか。
と、まぁ、これくらいの話は、ようやく日本でも、阪神における「第二の城島問題」によって、その意味は知れ渡ったことだろう。

クチでいくら言っても、つまり、ブログの文字を読む程度では、シアトルの先発投手陣にどんな「異常事態」が起こっていたのか、頭が回らなかった人たちも多いだろう。
だが「身近な球団、阪神で似たような事件を味わった」ことで、ようやく「ああ、『城島問題』とかいうやつはそういう意味だったのか・・・」とわかった、ということだろう。やれやれ。

なにはともあれ、このブログで書いてきたことの大半の意味が、MLBやシアトル・マリナーズに関心の無い人にも、十分すぎるほど知れ渡ったはずと、最近は考えている。
どう考えても半月板損傷からプレーヤーとしての能力が100%回復することなどありえないポンコツ捕手さんについては、積極的に書く理由は、もうどこにもない。適度かつ適当にデータを収集しておく程度で十分だ。


そんなところに、突然
ロジャー・ハンセンが日本に現れたという。
これについては、メモを残さないわけにもいかない。

ロジャー・ハンセンという、わけのわからない人物が、いったいどういう人物で、どういう理由があってわざわざ阪神のマイナーを訪問したりするのか。
本人に聞いてみたわけでもないからロジャー・ハンセン来日の正確な理由はブログ主にだってわかるはずもないが、ロジャー・ハンセンなる人間がどこの誰だかわからない日本の野球ファンにしてみれば、このニュース、チンプンカンプンだろう。

少なくとも、ロジャー・ハンセンがどういう人物か、知ることで、この「城島がらみで日本にも知られるようになっただけの、特殊な人物」が、こともあろうに「阪神のマイナー」に、それも「シーズン中にわざわざやってくる」ことが、いかに「ありえないことか」、ニュアンスを理解してもらえたら幸いだ。
記事には「城島と接触はしてない」なんていう記述があるが、これまでの経緯を少しは知ってもらうと、「城島と接触はしてない」なんて与太話が「どのくらい嘘くさい」か、少しは理解してもらえるはずだ。
阪神・城島にマリナーズ時代の恩師エール (サンケイスポーツ) - Yahoo!ニュース

まずは事実から。
6月23日、登録抹消され阪神のマイナーにいるらしいダメ捕手城島のもとに、「あの」シアトルのマイナーのキャッチング・コーディネーターロジャー・ハンセンが、まったく何の前触れもなく、いきなり訪問した、というニュースである。


いっておくと、MLBは、マイナーも含めて、シーズンオフでもなんでもない。なのに、いくらマイナーとはいえ、現場の人間、それも他球団の関係者がわざわざ何時間もかけて飛行機に乗り、アメリカから日本にやってきて、しかも違う国の球団とはいえ、他球団に接触しているのだ。

異常でないわけがない


記事には「城島と対面はならなかった」とある。
そんなゴマカシ、誰が信じるのだ(爆笑)馬鹿な記者だ。

ロジャー・ハンセンと城島が、対面(あるいは連絡)しないわけがない(笑)子供だましにも程がある(笑)


わけがわかっていない人にも、わかるように言うと、例えばMLBのルールとして、「タンパリング」というルールがある。
たとえばフリー・エージェントになっていない選手、つまり、「契約交渉可能状態に至っていない」選手に、具体的に契約を提示して移籍を勧誘したり、人的に接触したりするような「交渉期間を決めた全体ルールにそむいて、人を出し抜くような選手獲得のための交渉行為」を、「タンパリング」といい、厳格に禁止されている。このルールについては一度書いたことがある。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年10月22日、元阪神監督岡田氏の指摘する「城島事前交渉契約疑惑」簡単まとめ(結果:まさにスポニチの「事前」報道と岡田氏の指摘どおり、城島、阪神に入団決定)

上の記事があえて「城島と対面はならなかった」と、わざわざ聞いてもいないのにわざわざ「ただし書き」するのは、タンパリングに抵触するようなことがあるのではないか?と外部の人間に詮索されるのを恐れてのことだろうと想像する。

(笑)

馬鹿だねぇ(笑)

そもそもタンパリングが怖いなら、記事になどしなければいいし、ロジャー・ハンセンも疑われるような行動をしなければいいのだ。
ロジャー・ハンセンが、城島との接触以外に、どんな用件があってわざわざシーズン中に阪神のマイナーに出向くというのか(笑)なにか「選手の契約にまつわる用件」以外に、どんな用件があって日本の球団のマイナーを訪れるというのだ。
だいたい、シーズン中にチームを離れるのが許されるコーチに、そもそもシアトルのマイナーで「するべき仕事」があるとは思えない。まぁ、阪神の先発投手陣の中に「もう城島とのバッテリーは投手陣の総意として拒否しようぜ」という空気があって、シアトル時代のバッテリー拒否と同じようなことが起こりつつあるのを、「仲介」するために、シアトル時代に同じ任にあたったロジャー・ハンセンに依頼があった、とでもいうのなら、話は少しはわかりやすくなるが(笑)


少なくともいえるのは、やはりかねてからこのブログで予測してきたとおり、ロジャー・ハンセンと城島の「関係」が、「普通ではないコネ関係」にあることが明白になった。さすが「コネ島」と言われた男なだけはある(笑) 
一選手とチームのコーチが「特殊なコネ関係」にあるのでは、チームのスタメン選びがマトモに機能するはずがない。


そもそも、ロジャー・ハンセンという人物は、MLBでコーチ経験を積み、シアトルのマイナーに昔からコーチとして在籍していたわけでもなんでもない。
単に「城島とのバッテリーを拒絶反応を起こしている投手陣と、城島の間をとりもつためだけに雇われた」、ただの「人間関係コーディネーター」に過ぎない。以下の記述を参照。

結論的にいえば、ロジャー・ハンセンは、「城島問題」が発覚しつつあった2008年前後に、城島とバッテリーを組むのを嫌う投手陣グループに対して、城島をとりなすためにチームが使った仲介者だったのである。(もちろん、その試みは大失敗し、2009年には主力先発投手の大部分が城島とバッテリーを組むのを拒否することになる)
Mariners | Part I: M's puzzle tougher to reshape with big contracts | Seattle Times Newspaper
Carlos Silva was another pitcher who got signals crossed with Johjima early in the season and was frustrated. The Mariners later brought in catching consultant Roger Hansen to get pitchers and Johjima on the same page.

出典:ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年9月14日、過去に城島擁護者だったベンチコーチ、ロジャー・ハンセンが現在も続けている無意味な捕手トレーニング手法。マイナーコーチ時代から続けてきた「手抜きのスパルタ方式」でプロスペクトを壊し続けてきた責任を徹底批判する。



そういう、ただの「とりなし役」似すぎなかった人物が、どうしてシアトルのマイナーに居座っているかというと、1軍にあたるマリナーズでは成績不振から監督の解任劇が何度か起きているが、マイナーのスタッフのほうはその間も一新されていない、という問題点がある。
特に、2010年の秋に、一時的にマリナーズが指揮を自軍のマイナーの監督・コーチに任せたときに、ロジャー・ハンセンは、かつての城島のライバルで、2010年にようやく正捕手におさまったロブ・ジョンソンを正捕手の座から引きずり下ろして、自分の推すアダム・ムーアを正捕手に無理矢理押し込んでいる。
いかに「城島とロジャー・ハンセンの関係」が異常かがわかる。

ただの人間関係コーディネーターにすぎないロジャー・ハンセンがこれまで、いかにシアトルのマイナーのキャッチャー候補選手たちに無意味な練習を強いて、「壊し続けてきたか」を示す記事は、以下を参照。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年9月21日、ダグアウト前の「捕れるフライ」を、ダグアウトにフライが入るわけでもないのに「ビビッて捕らない」アダム・ムーア。ロジャー・ハンセンのアホ練習がつくりだしたのは、「フライ・イップス」で使い物にならない、ただの臆病者。


こうした経緯などは、日本のメディアの流す情報ではほとんどわからない。
ロジャー・ハンセンがどういう人物で、ダメ捕手城島といかに「特殊なコネ関係」にあるか。タンパリングとはどういう制度か。もし、今後、ダメ捕手城島自身の移籍も含めて阪神とMLBの間で選手の移動があるとか、阪神の投手陣にバッテリー拒否の動きがあるとかしたら、この記事を思い出してもらいたいものだ。






damejima at 22:05

May 27, 2011

5月25日の阪神・ロッテ戦7回表の、阪神バッテリーの失点パターンがなかなか面白いので、いちおうメモを残しておくことにした(笑)

要点は、6人目の打者・今江が「なぜ初球ストレートを、まるでストレートが来るのがあらかじめわかっていたかのように、打てるのか」ということだ。
(と、いうか、本質的なことを言えば、このイニングの打者全員がストレート狙いができていないといけない)

シチュエーションは、3-2で先攻ロッテが1点リード。7回表の阪神バッテリーは、投手が久保田、キャッチャー城島

1)高濱  初球ストレートを二塁打 無死2塁
2)井口  速球で追い込み 外角フォークで凡退  1死2塁
3)福浦  敬遠  1死1,2塁
4)里崎  初球のみスライダー ストレートで追い込み
       外角フォークで三振 2死1、2塁
5)清田  フルカウントから外角ストレートを見送り 四球
       2死満塁
6)今江  初球ストレートをタイムリー 神2-4ロ 2死満塁
7)伊志嶺 フルカウントから押し出し 神2-5ロ 2死満塁
8)伊藤  カウント1-2から外角ストレート三振 3アウト


まず誰でも気がつくのは、
セカンドにランナーがいる状態で、井口里崎、2人の打者に対して、例によって、阪神バッテリーがまったく同じ攻めをしていることだ。
ひとりが上手くうちとれると、2人目以降の打者にも同じ攻めを続けるのは、言うまでもなく、キャッチャーの誰かさんのクセで、去年のポストシーズンでも数多くサンプルを見ることができた(笑)たぶん、初球ストレートを痛打された先頭打者高濱にも、実は井口、里崎と全く同じ攻めをするつもりだったに違いない(笑)
「ストレートだけで打者を追い込んで、最後にアウトコース低めにフォークを落とす」という、なんつーか、もう(笑)あまりにもお馴染み過ぎる攻め(笑)まさに「力ずく」そのもの。プロとしてなんの創意工夫も感じられない。
それでもまぁ、どういうわけか、井口、里崎は凡退してくれて結果オーライ。

普段の久保田投手の組み立てがどういうものかが全くわからないのが困るのだが、これだけストレートだけで打者を抑えようとした、ということは、逆に言えば、この試合でストレートによほどのキレと自信があった、ということなのかもしれないが、どうなのだろう。


さて、外角フォークであっさり凡退した井口・里崎とは方向性のまったく違うバッティングをした打者が、2人いる。先頭打者の高濱と、タイムリーを打った今江だ。
2人とも初球ストレートを、センター方向に打ち返している。(だからこそ、久保田投手がこのイニング、ストレートだけで押すことは、もともとできるはずがない、といえるわけだが)

この「初球ストレートを打てたクレバーな2人の打者」のうち、清田が四球を選んだ直後に打席に立った今江に限っていうと、「初球は、どこをどうみてもストレートで、しかも、間違いなくストライクを取りに来る」と「誰でも予測できる状態」にあった。いくらファンとはいえ、この場面で、この程度の予測もできないなら、野球を見るのはもう止めたほうがいい

理由はいくつかある。

1)久保田投手の持ち球は限られている
2)ランナーがたまった後では、フォークは投げにくい
3)「四球直後の初球ストライクを狙え」という単純なセオリー
4)キャッチャー城島は、イザとなったときに限ってフォークを後逸する可能性があるため、要所でフォークをチョイスしてくる可能性はきわめて低い

チャンスに強い今江と対戦するというのに、ここまで「初球ストレート」が予測できる状態にしてしまっていては、もう、どうにもならない。



打者の側から見たこのイニングのポイントは、「狙いをストレートだけに絞って、コースが甘く入ったら、早いカウントから強振する」という、たった1点しかないことに、「打者がいつ気づくか?」ということにあった。
このイニングに打席に立った8人のうち、データでみると、ストレートに絞ることができないでフルカウントにまで追い込まれてしまうような野手が2人ほどいるわけだが、これは単に、いま調子が最悪に悪いか、または、場面を考えて打席に立つだけの野球脳がそもそも無いまま、いつも漫然とバットを振り回しているか、どちらかだ。

普段の久保田投手がストレートだけで打者を次々と三振させることが可能な投手なのかどうか、それはわからないが、ここで満塁にしてしまっては、打者をストレートで追い込んだ後でフォークで仕留めるというワンパターンな攻めすらできなくなる。
そのことを考えると、このイニングで最もやってはいけないのは、今江に初球のストレートを狙われてタイムリーを打たれたことより、5人目の打者・清田を歩かせて満塁にしてしまい、配球面でニッチもサッチもいかなくなったことだろう。(もちろん、清田の次打者が、あまりアタマの良さそうには感じられない伊志嶺君なら、話は別だが。あと、初球にスライダーを投げておく手もあるにはあった)

そして清田との対戦での阪神バッテリーの配球には意味がよくわからない点がいくつかある。
まず、伝家の宝刀フォークを、2球目に使ってしまっていること、この意図がわからない。そしてフルカウントになった後には、勝負球のはずのお約束の外角フォークを投げない。これも意味がわからない。
なぜ追い込んでからフォークを投げるお約束のパターンを使わず、2球目に、彼らの組み立てからすれば貴重な持ち球のはずのフォークを安易に使ってしまったのか? そしてフルカウントから大胆に外角フォークを投げる勇気はなかったのか。
まぁ、何がしたかったのやら、よくわからない。


こうして、阪神バッテリーは自らの勇気の無さで自滅して満塁にしてしまい、次打者・今江の初球にストレートでストライクをとりにいくわけだ。フォークを投げる可能性が消えた久保田投手は、まさに素っ裸で戦場に飛び出していくようなものだ。
もうこういう状況になってしまえばストレートが「痛打されないわけがない」ことが、ここまでの簡単な説明で少しはわかってもらえたらありがたい。


余談だが、ロッテ7人目の打者は伊志嶺君という新人だそうだが、このわかりきった場面で、ボールが真っ二つに割れるほどストレートをしばきたおすくらいの、意図のハッキリしたバッティングができないようでは、これから先が思いやられると思う。グジグジ迷っていてはダメ。
むしろ有望なのは、このイニングの先頭打者で、阪神バッテリーの攻めパターンが明白になる前に、初球ストレートを強振できた高濱選手だろう。この野球センスの良さ、思い切りの良さを生かして、今後もクレバーな打者目指して頑張ってもらいたいものだ。








damejima at 15:27

May 15, 2011

この記事は、下のリンクの続きだ。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年5月13日、「打者を追い込むところまで」で終わりの投球術と、「打者を最終的にうちとる」投球術の落差  (1)打者を追い込んだ後のヘルナンデスの不可思議な「逆追い込まれ現象」



ちょうど一ヶ月前。
カムデンヤーズへの遠征で、フェリックス・ヘルナンデスは、典型的な早打ちボルチモア打線につかまり、早いカウントのストレートを狙い打たれる形で、被安打7、四球3、自責点4。5回でマウンドを降りた。
ゲーム序盤の3失点くらいなら、ほとんどの場合、そのまま7回120球くらいまで平気で投げるヘルナンデスが「5回で降板させられた」のだから、いかに5月12日のカムデンヤーズでのピッチング内容が悪かったかがわかる。
Seattle Mariners at Baltimore Orioles - May 11, 2011 | MLB.com Classic

あのとき、こんなことを書いた。
ヘルナンデスには「投球術」が欠けている。
だからもう、ヘルナンデスのことを、「キング」と呼ぶのは、やめることにした。


あれから一ヶ月たって、6月18日。
ホームのフィリーズ戦で、ジミー・ロリンズシェイン・ビクトリーノに好きなように打たれまくるヘルナンデスを見ながら、5月のときの「感想」は、変わるどころか、より確信に近いものに変わった。
キングス・コート」とかいうチケット販売戦略は、まぁ、観客動員のためのギミックだから、それはそれでいい。好きなようにビール飲んで、仮装大会やって、お祭り騒ぎは好きに楽しめばいい。だが、ブログ主は、ヘルナンデスのことを「キング」と呼ぶつもりはない。


5月頃、日本のファンはヘルナンデスについて、「いつも5月がよくないから、しかたがない」だの、わかったようで実は何の根拠もないことをしきりに言っていたものだ。月別データを見ると、そういうテキトーすぎる意見が「二重の意味で」現実をわかっていない意見であることがわかる。

今年のヘルナンデスは、月別データだけでいうと、「いつも5月がよくないから、しかたがない」どころか、これでも5月が一番「マシ」なのだ。
   被打率 防御率
4月 .240   3.32
5月 .202   3.07
6月 .263   3.77

まぁ、こんなデータを見ると「5月は例年悪いわけだけど、今年に限っては、実は良かったんだな・・・。ヘルナンデス、さすが」(笑)などと、自分が二重に馬鹿なことを言っていることさえ気づかないで、早とちりしたことを言うアホウが必ず出てくるだろう。数字だけ見て、実際のゲームはほとんど見ずにモノを言っていても、恥をかかずに済むと思っているのだろうか。

ヘルナンデスの5月の全登板を見た人なら、データ上の良し悪しはともかく、「2011年5月のヘルナンデス」がかなりグダグダなピッチングぶりだったことをよく知っている。だからこそ、5月にボルチモアでメッタ打ちにあったのである。

そして「6月のヘルナンデス」は、5月の「数字では絶対にわからないグダグダ」が表面化してきて、被打率.263などという、とんでもないことになってきている。



Fangraphには、カウント別に、投手がどんな球種を投げたかが、おおまかにわかるデータが用意されている。
これと、Baseball Referenceのカウント別被打率とあわせて、今年のヘルナンデスが「どういうカウントで、どういう風に打者を攻め、そして打たれているか」、ちょっと簡単にシミュレーションしてみよう。
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Felix Hernandez 2011 Pitching Splits - Baseball-Reference.com
注意してほしいのは、Fangraphの球種分類が「おおまか」であること。たとえば、最近のヘルナンデスは「シンカー」を多投するが、この「シンカー」という球種はFangraphの分類項目に無い。たぶん、どれか違う変化球のパーセンテージに含められて計算されてしまっている。だから以下の話で、変化球についてあまり厳密に書くことは、そもそもできない)



Baseball Referenceによれば、今年のヘルナンデスがもっとも打たれたカウントが、First Pitch、初球だ。まず、ここが問題の出発点である。
相当打たれている。被打率は.381。被長打率.540、被IOPS.930。数字の上だけでみても、かなり酷い。

他にも、ヘルナンデスが被打率3割以上打たれているカウントは、初球、1-0、2-0、0-1、1-1と、合計5つもある。要は「3球目までに打たれると、かなりの確率でヒットを打たれてしまっている」ということになる。

Fangraphで、「被打率3割以上の5つのカウント」で投げた球種を調べてみると、面白いことがわかる。

ヘルナンデスが打たれているカウントで投げている球種をみてみる。
初球 速球(確率71%)被打率.381
1-0 速球(70%)被打率.308
2-0 速球(94%)被打率.385
0-1 速球(33%)、カーブ(31%)被打率.324
1-1 速球(38%)、カーブ(25%)、チェンジアップ(24%)被打率.361
Felix Hernandez 2011 Pitching Splits - Baseball-Reference.com


もうおわかりだろう。簡単だ。
早いカウントではストレートを打たれ、遅いカウントになると、変化球を打たれる
これらの単純なデータ群からでさえ、ヘルナンデスが投球の3球以内で打たれるパターンが、簡単に分類できることがわかる。

もうちょっと詳しく書いてみる。

A)初球が打たれるケース(1通り)
A−1 初球のストレートを狙い打たれ、長打される

B)2球目が打たれるケース(2通り)
B−1 初球のストレートがボール判定。2球目にストレートを連投してストライクをとりにいって打たれる
B−2 初球のストレートがストライク判定。2球目にストレートか、カーブを投げ、打たれる

C)3球目が打たれるケース
C−1 初球、2球目でストレートを投げて、どちらもボール判定。3球目もストレートで、そこで打たれる
C−2 初球のストレートでストライク、2球目がストレートかカーブで、ボール。1-1となって、次の球(ストレート、カーブ、チェンジアップのどれか)を打たれる。
C−3 初球のストレートがボール、2球目もストレートで押して、こんどはストライク。1-1となって、次の球(たぶんアウトコースの変化球、それもシンカーかチェンジアップと推測)を打たれる。


同じことを、こんどは「バッター目線」から整理してみよう。
打者はどのカウントで、どの球種を打てばいいか?

初球の狙いかた
1)何も考えず、初球ストレートを思い切り強振。長打狙い。
2球目の狙いかた
2)初球ストレートがボール判定だった場合、2球目も高確率でストレートが来るので、ここは必ずヒッティングすべき。
3)初球、2球目が、続けてストレートのボール判定のカウント2-0。次は間違いなくストレート。狙い打ちしていい。(もし四球が必要な場面で、コントロールが荒れているケースなら、振らなくてもいい)
4)初球ストレートを強振して、空振りか、ファウルだったカウント0-1の場合。2球目がストレートである確率はかなり下がり、球種がバラつくため、ここは様子見。
5)初球ストレートがきわどいので見逃したカウント0-1の場合、もしその球がストライクだったら、2球目は球種が予測しづらい。ちょっと様子見。
3球目の狙いかた
6)初球ボールで、2球目をファウルしたら、3球目は、変化球かストレートか、狙う球種さえしっかり絞りきれれば、甘い球を狙い打てる。
7)初球ストレートがストライク、2球目がボールのカウント1-1なら、3球目は基本的に様子見だが、打ちたいなら、変化球かストレートか絞りきって、甘い球だけを打つ。
8)初球、2球目で、カウント2-0に追い込まれた場合。3球目のアウトコースの変化球は、ほぼ「釣り球」。見逃すべき。4球目も、ほぼ同じ。これでカウントを2-2まで戻せる。

ちょっと読みづらい書き方で申し訳なかったが、上に書いたことをもっと簡単に言うと、どういうことが起こっているのか。

早いカウントで投げたがる「ストレート」、遅いカウントになると投げたがる「変化球」、ヘルナンデスはその両方を打たれているのである。


初期症状で、ストレートへの自信と信頼が失われていき、さらに症状が進んだ後期症状では、せっかく打者を追い込んでも、その後はアウトコースのボールになる釣り球の変化球一辺倒になって、打者にピッチングの組み立て自体を見切られていく。その結果、球数はやたらとかかるようになり、2-2や、フルカウントがやたらと増えていく、というのが結論だ。


実際、今年のヘルナンデスのPitch Type Values(球種ごとの有効度)は、こうなっている。(カッコ内は2010年の数値)
ストレート    -1.8(2010年 25.5)
スライダー系  -0.7(6.1)
カーブ      3.2(2.4)
チェンジアップ 13.9(18.7)

早いカウントのストレートが打たれすぎたことで、配球システムの根本が崩れて、いざとなったらストレートに頼るピッチングが不可能になってきた」のである。
これがヘルナンデスのピッチングの根幹が崩壊してきた去年から既にあった「第一の問題点、初期症状」だ。


そして、ストレートを早いカウントで打たれすぎて、ピッチングの逃げ道がなくなってしまった彼が何に頼ったか。
外のシンカーやチェンジアップである。


最初の2球でなりふいかまわず打者を追い込んで、カウント0-2としたら、後は、外のシンカーやチェンジアップ。
ここからが「第二の問題点、後期症状」だ。
どうにかして打者を追い込んだにしても、あとに残されたのは、チェンジアップやシンカーくらいしかない。そういう球種をアウトコースのボールゾーンに釣り球として投げるのは、「打者への攻め」ではなくて、「単なる消去法」だ。ほかに選択肢がないから、それに決定しているだけである。
(本当はないこともないのだが、たとえキャッチャーがそれを要求しても、ヘルナンデスは首を横に振る。だから、カウントが煮詰まると、非常に高い頻度でバッテリーのサインがあわなくなって、テンポが遅くなる。そうするとビクター・マルチネスのような観察眼のある打者は「ヘルナンデスが首を振ったな。ああ、これは変化球、特にシンカーが来るな」と、わかるようになってくる)

だが、打者も馬鹿ではない。

ストレートを投げることに「ある種の恐怖心」を抱くようになってきているヘルナンデスの「弱腰ぶり」は、打者はもう十分すぎるほどわかっている。
ヘルナンデスのカウント0-2、あるいは、カウント1-2からは、たてつづけに「外の、ボールになる変化球が来ること」はわかっている。ならば、ボールなら黙って見逃せばいいし、ストライクなら、タイミングをあわせて狙い打つだけのことだ。

こうして、カウント2-2やフルカウントが多発するようになっていく。


こういうのを、
日本語では「見切られる」という。
先発投手は見切られたらオシマイだ。






damejima at 18:07

May 04, 2011

長年問題になっていながら改善されていないシアトルのチーム体質の大問題といえば、打線でいうなら、「OBP(On-base percentage)=出塁率の低さ」、これに尽きていた。 (もちろん問題は出塁率以外にも、長打力の無さなど、言い出したらきりがないくらいある。いまだに欠陥だらけの打線なのは間違いない。低すぎる長打と得点力を、四球と犠打でかろうじて補っているのが現状だ)

ダメ捕手城島も含め、ビル・バベシ時代に積極的に獲得しまくっていた右のフリースインガーたちは、ベタンコートロペスベルトレ、誰も彼も、四球を選ばず、好機で三振ばかりするような、シチュエーション・バッティングが死ぬほど苦手な打者ばかりだった。あんなパークファクターにそむいているような打者ばかり獲得していてはチームが強くなるはずもない。
だが、ここ数年のシアトルの異常な出塁率の低さをバベシだけのせいだと思っている人もいるかもしれないが、バベシの時代の選手を次々にクビにしていっているズレンシックがGMになって、守備しかできない選手ばかり獲った2010年の打撃スタッツは、バベシ時代よりずっと酷い
2010年の出塁率などは、なんと.298と、3割を切ってしまい、イチローの打率を下回ってしまったほどで、ついにはチーム歴代最低出塁率を記録した。
しかも、である。
同時にチーム歴代シーズン最多三振数(1184三振)、チーム歴代1ゲームあたりの三振数(7.31三振)と、2つもチームワースト記録を更新しているのである。
なにもバベシだけがアホウだったわけではない。 

シアトルのシーズン歴代最低出塁率
2010年 .298
1983年 .301
1980年 .308
参考)チーム最高出塁率
    1996年 .366
    2000年 .361
    2001年 .360
1996年、エドガー・マルチネスはOBP.464を記録。(彼のキャリアハイは前年95年の.479) 2000年は、Aロッド、エドガーの2人がOBP.420越えを果たし、チームは歴代最高四球数775を記録。2001年はイチロー入団、優勝。

シアトルのシーズン最多三振数
2010年 1184 グティエレス137、フィギンズ114。
1986年 1148
1997年 1110
参考)チーム最小三振数
    1981年 553
    1994年 652
    1978年 702

ちなみにエドガー・マルチネスの通算出塁率は.4178。ゆうゆう4割を越えている。
この通算出塁率4割以上(3000打席以上)というレコードは、長いMLBの歴史でもたった61人しか達成していない大記録で、しかも、歴代1位のテッド・ウィリアムス(4817)を含め大半のプレーヤーは第二次大戦前後以前の古い選手たちであり、近年のプレーヤーだけを抜き出すと、ほんのわずかしかいない。
近年の打者の中で四球数が異様に多いことで知られている典型的な待球型打者のボビー・アブレイユでさえ、通算出塁率はかろうじて.400に届いているにすぎない。
このことからして、エドガーの.4178という通算出塁率がいかに素晴らしい記録で、いかに彼が偉大なプレーヤーだったかが、あらためてよくわかる。

近年のプレーヤーのOBPランキング
(現役選手含む。カッコ内はステロイダー。
 ステロイダーに名誉は必要ない)
(1位 バリー・ボンズ .4443)
2位 アルバート・プーホールズ(現役)
3位 トッド・ヘルトン(現役)
4位 フランク・トーマス .4191
5位 エドガー・マルチネス .4178
6位 ウェイド・ボッグス .4150
(7位 マニー・ラミレス .4106)
8位 ランス・バークマン(現役)
9位 ジョー・マウアー(現役)
(10位 ジェイソン・ジオンビー(現役))


さて、
今年2011年のシアトルのバッティングはここまでどうか?

結論からいうと、残念ながら、劇的に改善されたとは、到底いえない。
SLG(長打率)は、あの最悪だった2010年すら超えて、チーム歴代最低の.334で、ア・リーグ13位だし、OPSはチーム歴代ワースト2位の.647、ア・リーグ13位と、なんとも酷いものだ。


しかしながら、あいかわらず酷い打線の2011年には、どういうわけか、ここまでア・リーグ1位をキープしている打撃スタッツがある。

それが四球である。


四球数は、ここまで116で、なんとア・リーグトップ。(2位はボストンの110、3位トロント109。最少は、ボルチモアの66)四球116個のうち、22個は、DHジャック・カストが稼ぎ出している。
また四球率 10.6%は、例年四球の多いボストンと並んでトップ。(最低はまたしてもボルチモアの7.0%)
さらにSO/BBは1.72で、これは、リーグ最高の三振率の低さを誇る非常に優れた打線をもつテキサスの1.70や、四球の多いスラッガーを常に打線に揃えているヤンキースの1.72に次いで、リーグ3位なのである。
最初に「低すぎる長打と得点力を、四球と犠打でかろうじて補っている」というのは、こういうことだ。


こうした四球数増加、待球型打線への変身の背景にあるのは、
どんな要因なのだろう。


まずひとついえるのは、シアトルの打者が、四球になるかならないかはともかく、非常にたくさんの球を投手に投げさせていることだ。
チーム別に、対戦相手の投手に何球投げさせたか、という数字を、Baseball Referenceのデータで見てみよう。
資料:2011 American League Pitches Batting - Baseball-Reference.com

ア・リーグ チーム別 総ピッチ数
1位 シアトル 4424
2位 カンザスシティ 4256
3位 デトロイト 4224
(最少 ボルチモア 3577)

ア・リーグ チーム別 Pit/PA(打席あたりピッチ数)
1位 シアトル 4.03
2位 ボストン 3.96
3位 デトロイト 3.90
(最少 ボルチモア 3577)

今年のシアトルはどうかしているんじゃないか?と思えるほど、投手に球数を投げさせていることがわかる。
打席あたりのピッチ数が4を越えたのは、この数年では2010年ボストンの4.02くらいしかなく、近年にはほとんど前例がない。ボストンは毎年このPit/PAがア・リーグ1,2を争っている典型的な待球型打線のチームなのだが、シアトルは突然そういうチームに肩を並べたことになる。



上のデータは、素晴らしいデータの充実ぶりで知られているBaseball Referenceだが、この「チーム別データ」というやつ、なかなか見ていて飽きないだけでなく、配球論の観点からも、非常に有益で重要なデータを含んでいる

たとえば、投球数全体におけるストライク率は、強いチームであろうと、弱いチームであろうと、60%から64%の一定の範囲におさまっている。
これは、MLBで配球の理想配分といわれる「ストライク2に対して、ボール1」という割合が、MLBのほとんどのチームにおいてきっちりと守られていることを示している。
どんなに素晴らしいピッチングスタッフが揃った強豪チームであれ、逆に、先発投手の貧弱さに泣いている投手力の貧弱なチームであれ、配球の上でのストライク・ボールの配分には、ほとんど大差ない、のである。

別の言い方をすると、
四球が多いとか少ないという話には、どうも、投手側のボールコントロールのファクターの影響は少ないのではないか?」という推論が成り立つかもしれない、ということだ。


これは非常に面白い。
ちょっと強引にまとめると、こういうことになる。

1) 投手の投げる球がボールになる割合、というものは、そのチームの投手力にあまり左右されることなく、どんなチームであっても一定の狭い割合の中におさまる。ストライク2に対してボール1という配球理論が、MLBではかなりきちんと守られている。
2) したがって、いくら投手力の弱いチームとの対戦だからといっても、それが理由で、ボールになる球が非常にたくさん増えて、その結果、四球数が異常に増えるとか、四球によるランナーがたくさん出せるとかいうことには、ならないことになる。

と、なると。
問題は、いったいどういうファクターが四球数を増やすのか?ということになってくる。投手側に理由がなければ、打者側に何か理由があるのだろうか。


同じBaseball Referenceから、ちょっとこういうデータを見てもらおう。
3-0、2-0、3-1という、いかにも「四球になりそうな、打者有利なカウント」の、チーム別の出現データである。

カウント 3-0の出現割合(全打席あたり)
最高 6%(NYY、CWS)
最低 3%(BAL)
リーグ平均 5%(=2010年と同じ)
シアトル 5%(=2010年と同じ)

カウント 2-0
最高 17%(NYY、CLE)
最低 11%(BAL)
リーグ平均 15%(=2010年と同じ)
シアトル 16%(2010年の14%から、やや増加)

カウント 3-1
最高 11%(CLE、SEA、LAA、TEX)
最低 7%(BAL)
リーグ平均 9%(=2010年と同じ)
シアトル 11%(2010年の9%から、やや増加)

これらのデータからいえることをまとめてみる。

1) 2011年のシアトルは、四球になりそうなカウントシチュエーションが、他のチームに比べて異常に突出して多くなっているわけではない
2) したがって、2011年のシアトルの四球数の増加や、打席あたりのピッチ数の大幅な増加は、対戦相手の投手があまりにも調子が悪いとか、あまりにもコントロールの悪い投手との対戦が多かったことなどが原因して、シアトルにだけ「四球になりそうなカウント」が増えた結果、シアトルの四球数が増加したとは言えない。
3) とはいえ、3-0のカウントシチュエーションは増えていないが、2-0、3-1は、多少だが、増えている


この表には他にもたくさんのデータがのっている。
ストライクを見逃した率、ストライクを振った率、ストライクをファールした率、初球を振った率、見逃し三振率。
これらのデータの中に、今シーズンのシアトルの四球数が急増した理由があるだろうか? つまり、「初球から振るのを止めた」とか、「見逃しの三振が減った」とか、「ファールするのがうまくなった」とか、シアトルの打者のバッティングの傾向がよほど変わったと明瞭にわかるデータが、ここにあるだろうか?

2010年と2011年の数値を比較してみる。

ストライクを見逃した率 → 変化なし
2010年 28%(リーグ平均28%)
2011年 28%(リーグ平均28%)

ストライクを振った率 → 変化なし
2010年 15%(リーグ平均14%)
2011年 15%(リーグ平均14%)

ストライクをファールした率 → 変化なし
2010年 28%(リーグ平均27%)
2011年 28%(リーグ平均27%)

初球を振った率 → 変化なし
2010年 26%(リーグ平均26%)
2011年 26%(リーグ平均26%)

見逃し三振率 → 増加
2010年 25%(リーグ平均26%)
2011年 29%(リーグ平均26%)


困ったことに、2010年と2011年のデータの間にほとんど変化が見られない。初球をスイングせずに我慢しているわけでもなく、ストライクを見逃す率が急激に改善したわけでもなく、三振をファールで逃れる率が突然上がったわけでもないらしいのだ。

困った(笑)


あらためて、四球になりやすいカウントのデータに戻って、2010年と2011年をしつこく比較してみる。

3-0でスイングした数
2010年 7(リーグ12位)
2011年 9(リーグ1位

2-0でスイングした数
2010年 348(リーグ7位)
2011年 65(リーグ5位)

3-1でスイングした数
2010年 296(リーグ7位)
2011年 78(リーグ1位


ようやく、2010年と2011年の違いのようなものが出てきた(笑)

ドン・ワカマツが監督をしていた2010年には、3-0、2-0、3-1といったシチュエーションでは、シアトルの打者はほとんどバットをスイングしなかった。
それに対し、今年2011年のシアトルの打者は、こうした「四球が生まれやすいカウント」で、リーグ1位といっていいくらい、バットを振ってくる。これが、エリック・ウェッジ監督就任以降のシアトルの打者だ。


四球を選ぶ率を高める方法、あるいは、四球をよく選ぶ打者、というと、野球をあまり見ない人であれ、よく見る人であれ、「要は、バットを他の打者より振らないから四球を多く選ぶ打者のことだろ?」とか、思われがちだ。
だが、実際には、
四球というのは、ただ漫然とバットを持ってバッターボックスの中に立っているだけで、自動的にもらえる、タダ同然の安上がりなプレゼントなどではないのだ。


結論を先に言うと、
投手が、対戦している打者のことを、『いざとなったらカウント3-1だろうと、2-0だろうと、必ずバットを振ってくる打者だ』と思うからこそ、かえって四球は増える。
逆に、『この打者はバットを振ってこない、待球してくる』とバレてしまう打者は、実は投手にとってまったく怖くない」
のである。


たとえば、待球打者の典型ボビー・アブレイユの2011年のカウント別データを見てみよう。(2011年5月2日現在)
2011 American League Pitches Batting - Baseball-Reference.com

初球を振る率 5% リーグ最小

カウント3-0の出現率 16% リーグ最多
カウント2-0の出現率 27% リーグ最多
カウント3-1の出現率 25% リーグ最多

カウント3-0でスイングした回数 0回
カウント2-0でスイングした回数 9回
カウント3-1でスイングした回数 14回(リーグ1位)

ア・リーグで最も多くの打者有利カウントを出現させる典型的待球打者ボビー・アブレイユが、「ア・リーグで最も初球を振らない打者」であり、また、「カウント3-0で、最もスイングしない打者」なのは、まぁ、誰でも想像するとおりのデータだ。

だが逆に、そのアブレイユが同時に「ア・リーグで、カウント3-1で最もスイングしてくる打者だ」という事実は、ほとんど知られていない。
今年の彼のカウント3-1以降、つまり、スタッツでいうAfter 3-1の打撃成績は、84打席で、45打数12安打39四球、打率.607(2011年5月2日現在)というのだから、なんともすさまじい。このカウントで荒稼ぎしているといっていい。
Bobby Abreu 2011 Batting Splits - Baseball-Reference.com

初球からスイングしてくる打者の多いMLBだが、選球眼が良く、四球が選べるボビー・アブレイユにとっての「稼ぎ場所」は、他人とまったく違う。
「打者有利な、遅いカウント」にこそ、彼の「稼ぎ場所」がある

だからクレバーな彼は、「もし初球が、自分がスイングしようと思わない球種やコースであるなら、無理に振って凡退するような馬鹿なことはしない」のはもちろんだが、また同時に、「カウントが、3-1、2-0のように、打者有利なカウントになっていて、投手がカウントを稼ぐために甘い球を投げてきているのに、それをスイングしないで呆然と見逃すような、馬鹿な真似はしない」のである。


ボビー・アブレイユのこうしたカウント別バッティングのスタイルは、極端なようだが、非常によく計算され、彼独自のスタイルに仕上がっている。
だが、こうした打撃コンセプトは、彼だけが実行しているわけではなく、ミネソタの待球型打者ジョー・マウアーや、シアトルのDHジャック・カストにも、ほぼそっくりそのままあてはまる。
カストが、今年のシアトルの四球数の多さを牽引している四球王であることは言うまでもない (打率がもっと上がってくるといいのだけれども 笑)。
Seattle Mariners 2011 Batting / Hitting Statistics - ESPN


アブレイユやカストは、四球を目的にバットを振るのを控えるような、無意味なことはしない。むしろ「打者有利なカウント」になれば、必ずといっていいほど、バットを強振してくる。(そしてボール球は振らない)
この「アイツ、打者有利なカウントになったら、まず間違いなくストライクをスイングしてくるぞ・・・」という恐怖感を投手に持たせることこそが、いまのシアトルや、ボビー・アブレイユの四球数、出塁率の高さの原動力のひとつになっているのだと思う。


四球が生まれる原因は、投手側の技術的理由ではないだろう。
投手がボール球ばかり投げるから、四球が増え、打者の出塁率が上がるわけではけしてない。
どんな投手であっても、そこはそれ、MLBのメジャーに上がってこれるような選手たちだ。イザとなれば打者をうちとるボールくらい、誰でも持っている。でなければ、メジャーに上がってはこれなかったはずだ。投手の技術は、本来は安定しているものだ。
投手側の理由ではなく、打者側が、ベースボールという「打者と投手との心理ゲーム」における駆け引きに勝ってこそ、投手のもともと安定している技術に「乱れ」や「迷い」を生じさせたり、投手・キャッチャー・ベンチに「打者有利なカウントでの、このバッターとの勝負だけは避けておこう」と「弱気」にさせることができてはじめて、打者は投手との勝負を優勢に持ち込むことができ、出塁率が上がる。

逆説的なようだが、単純な話で、バットを持って打席に立っているだけで四球は生まれきたりしない。
もちろん、バベシ時代のシアトルのように、ただただ、何も考えずに早いカウントからやみくもにバットを振るとか、逆に、守備型の選手ばかりを揃えて、スイングするのを無理に控えさせて消極的になるだけでは、どちらも結局、出塁にはつながらない。


極端な言い方をすれば、
スイングするから四球になる
弱気になったら、負ける。
技術もないのに強気なのは、馬鹿だ。
技術があるのに弱気なプレーヤーは、もったいない。
技術かあるなら自信を持つべきだ。


野球はやっぱり、本当に面白い。








damejima at 04:09

April 22, 2011

プロ野球の2011シーズン開幕が東日本大震災の影響でズレこんだために、半月板損傷の手術をしたダメ捕手城島が(うわべでは)開幕に間に合って、これまで9試合を消化しているらしいが、たったこれだけのゲーム数で、すでにあまりにも多いパスボールについてのサンプルが揃いすぎるほどたまってきた。いちおうメモに残しておく。


とあるサイトの記述によると、4月14日(日本時間)のゲームで解説をしていた2人の捕手出身の解説者、元阪神の矢野氏、元広島の達川氏が、両膝を同時ついて捕球しようとしない城島のキャッチングの欠陥を指摘したらしい。
資料:和泉式日記: 唐実桜〜矢野っちデビュー〜
矢野「前から気になってたんですけど、もともと城島のくせだと思うんですが両膝が同時に降りないんですね。一緒に降りないとワンバンってのはなかなか捕れないんです。」

阪神入団後の城島のプレーについて解説者などが発言するのは、なにもこの2人が最初ではなく、例えば4月2日のプレシーズンマッチではかつて阪神の投手だった湯舟氏も、パスボールを危惧していろいろと指摘したらしい。


阪神入団1年目の2010シーズン後に城島が、明らかに分不相応なゴールデングラブ賞を受賞したために、あたかも「城島はキャッチングを含めて、守備がいい」などと誤解した人もいるかもしれない。
だが、そもそも経済紙の記者すら賞の選考にかかわる日本のゴールデングラブ賞は、MLBのゴールドグラブ賞、あるいはFielding Bible賞などとは、そもそも賞の性格も権威も、まったく異なっていることくらいは頭に入れておいてもらいたいものだ。
また、それ以上に知っておくべきことは、2010シーズンの城島のパスボールは4で、これが両リーグ最少タイの数字だったにしても、実はその一方で、城島のエラー数9は最多であり、また、阪神投手陣のワイルドピッチ数が、なんと「12球団ワースト」の52だったことだ。

こういう基本的なことを知らないで、盲目的な擁護発言を繰り返しているだけでは恥をかくだけだ。あのゴールデンなんたらいう賞の受賞には、ほとんど何の価値もない。
チームの投手陣が12球団最多のワイルドピッチを犯しているというのに、その球団のキャッチャーのパスボール数がリーグ最少、なんていう意味のわからない笑い話は、ひとつのプレーをワイルドピッチとみなすか、それともパスボールとみなすかという、単なる数字上のギミックに過ぎない。

投手が12球団最多のワイルドピッチを犯すチームのキャッチャーが、上手いわけがない。


実際調べてみると、今年の城島についても、既に「あきらかにキャッチャーのパスボールなのに、投手のワイルドピッチとして記録されてしまっているケース」が多々発生している

たとえば、2011年4月16日の中日対阪神戦。
この日に記録された4つの暴投はセ・リーグ新記録になったが、このうち、ボールがキャッチャー城島の股間を抜けて後逸したケースなどは明らかにキャッチャー城島のパスボールであることは、多くのプロ野球ファンがブログなどで指摘している。
矢野氏が指摘するように、キャッチャーが素早く膝をつくことによって後逸を防止し、ランナーの進塁を阻止すべきだったプレーだろう。


以下に今シーズンのパスボール及びワイルドピッチに関するいくつかのメモを残しておく。もちろん以下が全てではない。もっと数多くの「ポロリ」がある。多すぎて資料を集めきれない。


4月12日 広島戦
7回表 ワイルドピッチ 打者・廣瀬 投手・能見


4月13日 広島戦
4回表 パスボール、ワイルドピッチ2 投手・スタンリッジ
ファウルチップを追わず、球審にパスボールと判定された城島は「バットに当たった」と抗議。前年に引退し、この日解説者としてデビューした元阪神の矢野氏、キャッチャー出身の元・広島の達川氏が、城島のキャッチングを批判。
【阪神】開幕連勝も目立つバッテリー失策 - 再チャレンジ日記〜道一筋
達川と、昨日「解説者公式戦デビュー」を果たした矢野の共通した意見。
城島が低い球、ワンバウンドを捕りに行く時の膝の動き。両膝揃って腰を下ろすべきところを、左→右、右→左と片足ずつ少しずれて下りると言う事です。
阪神が開幕2連勝!スタン7回1失点の快投 (2/2ページ) - 野球 - SANSPO.COM
城島(バッテリーミスが相次ぎ)
「低めに投げるのは当たり前のこと。それを止めるのがキャッチャーの仕事。スタン(スタンリッジ)に申し訳ないことをした」
阪神2-1広島@現地観戦|阪神ファンの独り言
4回のパスボールの連続。あれ何だったんでしょう。スタンがめちゃくちゃな球を投げていたのか、城島が逸らしすぎなのか。これも勿体無い失点でした
でんでん雑記II(2011-04-13)
「今日のスタンリッジは失点した4回以外は素晴らしい出来だったな。
4回も城島のパスボール(城島は廣瀬のファウルとアピール)の判定のごたごたがなければ失点はしてないわけだし。」


4月16日 中日戦
4回裏 打者・森野、ブランコ 投手・メッセンジャー
8回裏 打者・ブランコ 投手・久保田
9回裏 打者・荒木 投手・小林宏
11回裏 打者・谷繁 投手・福原 
時事ドットコム:阪神、セ最多タイの4暴投=プロ野球
阪神は16日の中日2回戦(ナゴヤドーム)で九回までにセ・リーグのチームゲーム最多の4暴投を記録した。過去4度はいずれもヤクルトで、パの最多は日本ハムとソフトバンクの5。 

73 :名無しさん@恐縮です:2011/04/17(日) 09:55:31.56 ID:ZTLLRgLN0
その4つのうち、どうみてもパスボールってのがあったな。
城島の股間を抜けて後逸するやつ。
股を閉めて腹に当たってまで制しようって気はなかったのかな?

95 :名無しさん@恐縮です:2011/04/17(日) 14:12:42.33 ID:VJJx5gX80
城島はもう限界だろ
ワンバン全然止められない
てか全部股間を抜けちゃうんだよね プロの捕手として相当恥ずかしい事
腰を浮かせてしまうのは癖なんだろうな
逆に腰沈めて体全体で止めないといけないのに
打撃も糞だし、もう早いとこ藤井に代えた方が断然いい

100 :名無しさん@恐縮です:2011/04/17(日) 22:43:44.38 ID:NXFlO6It0
城島、ワンバンの捕球が腰高というか膝を落とさないから股間ががら空き。

ふーむ、、、|はんしんにっき@宮城猛虎魂
「終盤についてはさっき書いたから良いとして(内容については福原以外全く良くないが)、、、やっぱりパスボールが多い。あれでは投手が安心して投げられない。城島使い続けるのもどうなの?って思う。特別扱いはやめて守備力重視で行くなら藤井と併用って選択肢は十分あると思いますしそうしないといけないんじゃ無いのかな?」

ボードルーム|エンタメ|阪神タイガース公式サイト
「昨日のパスボール見てたら動けてないような感じがしましたね」

ホタログ ―紅白
「城島パスボール多すぎだと思う。っていうかパスボールなのに
ワイルドピッチ扱いになってるのが納得いかん!ピッチャーは悪くないのに!
ワンバンボールは体で抑えるんやで!」

ZOZOPEOPLE | ○△□ - 城島どんだけ!!
「城島のかわりに代走だしてほしかったー
アウトなるしー
楽天からきたらキャッチャーを使ってほしかったー」

今年の阪神はやらかす!!11-84 | スポーツ最新情報まとめ
85 名前: 代打名無し@実況は野球ch板で:2011/04/19(火) 22:32:57.36 ID:yZNy34Dg0
「城島のパスボール(コバが投げてた時)が無ければ9回で勝てた試合。
あれは獲れるボール。一番大事なとこで出るから。」

長い試合: 野球人の徒然日記
「中日はまだまだ本調子には程遠くて、阪神勝てる試合やのになあ〜ダッシュ(走り出すさま)
気になるのが城島。
膝の手術で開幕危ぶまれてて間に合ったのはいいけど、
キャッチングも足腰がフットワークもついていけてないんで、
パスボールは目立つし、バッティングは下半身まるで使えてないし、
肩は開いて上体だけで打ってるし…このままだと危険信号やなぁあせあせ(飛び散る汗)」


4月17日 中日戦
パスボール 投手・スタンリッジ
Eさま日記
「城島のパスボールで同点にされるが、俊介の3塁打とマートンのヒットで再びリード。」


4月19日 巨人戦
8回表 ワイルドピッチ 投手・小林宏
【阪神】城島について #231に返答 - 阪神タイガース掲示板|爆サイ.com北陸版

しかし、これで歩が男と確定してしまった… :: すめしの酩酊日記
「今日の試合は先発の能見の調子が良く三振をバッタバッタ取っていたものの7回1失点で代打を出されて降板してその後のコバロリが失点し能見の勝ち星が消えたり、その失点の原因に今年多発の城島のパスボールが絡んでいたりと…もやもやの連発で正直今日も引き分けになるのかな…と半ば諦めていました。」


5月5日 巨人戦
4回表 二死1塁 パスボール 投手・岩田

5月7日 横浜戦
阪神2点リードの8回裏 一死満塁
投手・小林宏のフォークを後逸 打者・内藤
初球から3球目まで、120km/h台の落ちるフォーク3連投。2球目を例によって後逸。まず1失点。
直後に、こんどはインコースのストレートを2連投。毎度おなじみの「同じコースに投げ続けると、ボールは必ず甘くなる法則」発動で、シュート回転の2球目を打たれ、2点タイムリー・ツーベースを浴び、逆転負け


5月14日 中日戦
阪神1点ビハインドの7回表 一死満塁
投手・榎田のスライダーを後逸 打者・森野
堂上剛裕に、アウトコース低めにフォークとストレートばかり連投して失点。さらに森野の打席で、ミットの真下を抜けていく後逸により、さらに1失点。グスマンには、インコースにストレートをミット通りに投げさせて、試合を決めるホームラン被弾。カード連敗。

セ・リーグ暴投数ランキング
(2011年5月11日(日本時間)現在)

1位 小林宏(阪神) 3
1位 今村(広島) 3
2位 スタンリッジ(阪神) 2(与四球ランキング3位タイ 9個)
2位 メッセンジャー(阪神) 2
2位 岩田(阪神) 2(与四球ランキング1位 11個)
2位 能見(阪神) 2


半月板手術から異常に早すぎるゲーム復帰。だがその結果、目もあてられないほど多くの「パスボール多発」という最悪の結果を招いた。特にフォークボール。大きく変化するボールの後逸が多発した。
ダメ捕手が責任逃れに思いついたのは、なんと、パスボールを減らすためにはピッチャーに変化球のサインを出さない「打者とのストレート勝負」。
だが、交流戦に入って以降「ランナーがたまった場面」「得点圏にランナーがいる場面」でのワンパターンすぎる「ストレート勝負」が打者にバレないわけはなかった。


5月22日 西武戦
1-1同点 11回表 一死1塁 投手・小林宏 打者・中村剛
まず小林宏の決め球フォークを後逸。さらにキャッチャー城島のセカンド暴投で 走者中島が三塁に進み、一死3塁。ここで、次打者フェルナンデスを敬遠。二死1、3塁となって、代打・平尾。
ここで、後逸による失点を避ける意味なのだろうが、なんとフォークを一球も投げられない配球に。窮屈すぎるストレートオンリーの配球が打者平尾に読まれ、決勝タイムリーを浴び、敗戦。


5月25日 ロッテ戦
2-3 1点ビハインド 7回表 二死満塁
投手・スタンリッジ 打者・今江
6番・清田がストレートを見送って、2アウト満塁。パスボールを恐れる阪神バッテリーが7番・今江への初球にチョイスしたのは、ストレート。「四球直後の初球を叩け」との鉄則どおり、今江はレフトへ弾き返して、2-4。この1点がダメ押しになって、阪神は敗戦。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2011年5月26日、25日の阪神・ロッテ戦7回表の「ストレートしか投げる球がなくなっていっていく現象」を暇つぶしに考える。


5月28日 楽天戦
1-0 6回表 二死満塁 投手・能見 打者・内村
4番山崎がインコースのストレートを見送って四球を選んで、二死満塁。
ここで5回から守備についた5番・内村。ここでパスボールを恐れる阪神バッテリーがチョイスしたのは、ストレート。「四球直後の初球を叩け」との鉄則どおり、センターへ弾き返して、楽天が逆転。
7回表に同点に追いついた阪神だが、延長に入って、楽天の9番・横川が、1アウト2塁の3-2からレフトへのサヨナラタイムリーでゲームセット。


5月31日 日本ハム戦
0-0 4回表 一死1塁 投手・メッセンジャー 打者・中田翔
初球のカーブがワンバウンドになり、城島がこれを「トンネル」して後逸。ランナーがセカンドに進み、結局打者・中田翔も四球で歩かせてしまい、1死1、2塁。その後、2死満塁。
ランナーがたまった時点で、もう城島に落ちる球の選択はない。お約束の初球ストレートを、7番今浪に打ち返され、2失点。結局この2点が決勝点に。3失点した8回裏の2死満塁でも、初球はやはりストレート。
阪神、拙守連発…交流戦9試合で10失策 (サンケイスポーツ) - Yahoo!ニュース
「四回一死一塁では、城島が中田への初球を“トンネル”(記録は暴投)。ピンチを広げ、先制を許した。」


6月1日 日本ハム戦
0-0 8回裏 一死1、3塁 投手・小林宏 打者・大野
1死から二岡が内角のストレートを見送って四球にすると、俊足の代走・村田。7回から守備についた7番・金子誠がレフト前ヒットで、1、3塁。
ここでバッターは下位8番のキャッチャー大野だが、阪神バッテリーは4球続けてのストレート勝負をしかけて、4球目に決勝タイムリーを浴びた。
変化球が決め球の小林宏は、城島相手だとまったく自分のピッチングにならないことが判明


6月5日 オリックス戦
0-0 1回表 一死1、3塁 投手・久保 打者・T岡田
1回表にさっそくランナーがたまって後逸の怖いフォークが封じられると、さっそく「ストレート連投」。2球目をT岡田に強振され、いきなりの3ラン。さらに同じ1回の一死満塁、そして3回の二死満塁から打たれた2本のタイムリーも、ストレート。トドメは、4回の先頭打者・鈴木郁に打たれた長打、二死3塁で田口に打たれたタイムリーで、そのどちらも「初球ストレート」。
こうして、4回までストレートばかりを打たれまくって、被安打11、四死球5、毎回の10失点。5回表の守備からたまりかねたベンチがキャッチャーが城島から控え捕手・藤井に交代させ、城島はフィールドから消滅。


5月末現在、城島を獲らなかったソフトバンクは断トツの首位。一方、城島を獲った阪神はリーグ順位も交流戦順位も最下位付近を低迷。6月5日時点、打率.130、本塁打0、打点1、長打率.130、OPS.346で、城島のほとんどの打撃スタッツが、交流戦最下位。



「パスボール・暴投の多発」。ランナーがたまり、ボール後逸の許されない場面での「見え透いたストレート一本勝負」によるタイムリー多発で、阪神は最下位に沈む。
そんなダメ捕手城島のダメぶりにようやく気づいたのか、阪神は城島を2試合連続スタメン落ちさせ、キャッチャーを藤井に。すると、切り札の変化球を使えずにいた阪神投手陣が復活しはじめるという、あまりにも予想どおりの展開に(笑)


6月8日 ロッテ戦
6-3 8回裏 二死走者なし 投手・小林宏 打者・大松
小林宏・藤井のバッテリーで、ロッテのクリーンアップ、井口、キム・テギュン、大松を、三者三振に仕留めた。決め球はフォーク、スライダー。小林宏はこのイニングだけで2度のワンバウンド投球があったが、キャッチャー藤井が難なくさばいた。

6月9日 ロッテ戦
5-1 8回裏 二死1塁 投手・小林宏 打者・井口
この日も前日同様、4点リードの8回は小林宏・藤井のバッテリー。シングルヒットのランナーを許したものの、好調のロッテのクリーンアップ、井口を、フォークで凡退させ、無失点。このイニングで3つのアウトのうち、2つのアウトが、小林宏の決め球フォーク。キャッチャー藤井が難無くさばいて、ロッテに連勝。


「半月板手術からのゲーム復帰ゴリ押し」「パスボール多発」「ストレート勝負」と、開幕以来迷走を続けてきたダメ捕手城島は、6月初旬、ついに登録抹消。









damejima at 19:00
ひさびさにダメ捕手のダメ捕手たる真髄のみれたゲーム(笑)をネット観戦できたので、ちょっとメモに残しておこう。
このカードの各ゲームをふりかえってみて、ゲームを失う決定的な失点のいくつの原因がダメ捕手城島にあることがわからないようなら、野球を見るのはやめたほうがいいと思う。それくらいハッキリしている。


まず2011年4月21日の阪神対巨人3回戦。
6回表、8回表、2つの失点シチュエーションのデータを見てもらいたい。

上は、6回表1死1塁、バッターは2番脇谷、ランナーは坂本。
阪神の投手は、左投手・岩田。(アウトコースに連続3球ストレート系。3球目のカットボールをヒット)
下は、8回表1死1塁、バッターは5番代打高橋由伸、ランナーは代走鈴木。
阪神の投手は、右投手・渡辺亮。(アウトコースに4球連続ストレート。すべてボール判定で、ストレートの四球)

2つのシーンには「ある共通点がある」のだが、
これがわからないようでは、野球を見ている価値がない。なにか別の趣味でも探したほうがいい。

2011年4月21日 阪神vs.巨人6回表脇谷レフト前ヒット

2011年4月21日 阪神vs.巨人8回表高橋由伸フォアボール

そう。
両方とも、1塁に足の速いランナーがいて、打者が左バッターなのである。

日本のプロ野球しか見ない人は知らないだろうが、シアトル時代にさんざんこのキャッチャーの配球を見させられ続けた立場からいうと、ここで「キャッチャー城島は、左打者のアウトコースに、馬鹿みたいにストレート系連投のワンパターン配球をしてくる」可能性が高いことは、容易に想像がつく。


なぜって?

ひとつには、城島が「右利きのキャッチャー」だからだ。


1)ランナー1塁で、左打者
  → アウトコース攻め
もしランナーが盗塁を試みた場合、左打者のインコースに配球していたのでは、右利きの城島のスローイングにとっては、左バッターボックスにいる打者が邪魔になり、セカンドに送球するためにボールを捕球してからサード側にステップアウトしなければならない。
最初に挙げた脇谷と高橋由伸の2つのシチュエーションは、まさにこの「ランナー1塁で、左打者」のケースにあたる。

2)ランナー1塁で、右打者
  → 往々にしてインコース攻め
打者が左の場合と違って、右バッターボックスにいる打者は、右利きの城島のスローイングの邪魔にはならない。
そこで、ランナー1塁で打者が右ならば、インコース攻めをする確率が高くなる(ランナー1塁で打者が左のときにアウトコース攻めをする確率よりは多少ながら低いかもしれない)
いつぞや、城島がシアトル在籍時に、右打者であるアレックス・ロドリゲスに6球連続でインコースにストレートを要求して3ランだかを打たれて負けたことがあったが、あのケースも基本的には「右打者ならインコース」という、このパターンに準じている。

3)走者パターンの変化からくる配球パターン終了
ランナー1塁というシチュエーションが、1・2塁、2・3塁、満塁などに変わると、1)2)の配球パターンは消滅する。なぜなら、スチールを刺したくてしかたがないキャッチャー城島が、1塁走者のスチールを警戒する必要度が下がるからだ。

言っておくが、こうしたスチール阻止のためにあるような、意味不明の単調な配球パターンを無理矢理とったからといって、チームの失点を下げることができるわけでもなんでもない。このことは、ダメ捕手城島のシアトル時代の酷いCERAや、酷いチーム防御率を見れば十分すぎるくらい証明されている。
メジャーの先発投手たちからことごとく総スカンを食らったのに、日本に帰ってまた同じことをやっているのだから、本当にどうしようもないキャッチャーだ。



さて、上に挙げた6回表の脇谷、8回表の高橋由伸、2つの例は「走者1塁、左バッターのケース」にあたるのだが、「走者1塁、右バッターのケース」にあたるのが、下の2つのシチュエーションだ。
6回表・1死満塁 右バッター、ラミレス(2点タイムリー
8回表・1死1,2塁 右バッター、長野(タイムリー

2011年4月21日 阪神vs.巨人6回表ラミレス2点タイムリー

2011年4月21日 阪神vs.巨人8回表長野タイムリー

8回のタイムリーヒットについて、ラミレスは
「高めの球を待っていた」と、待ち球が的中したと発言
している。(ラミレス「沢村のために」V打! (スポーツ報知) - Yahoo!ニュース

この発言には、背景に2つの要因がある。

ひとつ目は、この日の球審が、ゲーム後半になって、びっくりするほど、低めいっぱいのストライクや、内外角いっぱいのボールをストライクとコールしなくなったこと。これは、阪神の投手だけが被害にあったわけではなく、巨人の投手も同じように被害にあった。
だが、ゲームを見ていた人はわかると思うが、ダメ捕手城島はそれでも「低めのスライダー系をしつこく投手に要求して、カウントを悪くして、ランナーがたまる原因を作っていた。(例:6回表1死1、2塁フルカウントでの小笠原への6球目、6回表1死満塁でのラミレスへの2球目、3球目。いずれも低めスライダー)
まったく能の無いことをするものだ。

ふたつ目の理由は、5回まで素晴らしいピッチングを続けていた阪神先発の岩田投手の「カーブ」が、6回になって突然高めに浮くようになってしまい、まったくストライクが入らなくなって、使い物にならなくなったこと。(城島はそれでも岩田にしつこく変化球を要求してコマンドの修正を図ったが、修正不能であることに気づく前に失点して、ゲームを失った)

これら2つの要因と、このブログが常に指摘してきた「城島の単調なリード癖」、つまり「ランナーを刺すための配球をする」「同じ球種を続けたがる」ことからすれば、6回の満塁の場面で、ラミレスが「低め」と「カーブ」を徹底的に捨てる、「高め」「インコース」「ストレート系」を待つ、という絞りこみをすることは、いともたやすかった


この「絞りこみ」は、実は、阪神と対戦する、どこのチームの、どの打者にも可能だ。
だが、ダメ捕手城島のバッティングのように、来た球をただブンブン、ブンブン振り回して凡打の山を築くような、「頭を使わない打者」にはできない。以前にも一度触れたことがあるが、巨人というチームは対戦相手を結構しっかりスカウティングしている。

セ・リーグの他チームも、こんな「オツムの単細胞なキャッチャー」を、なぜ研究しないのかと思うし、また、こういうキャッチャーとしての決定的な欠陥に気づきもしないで、阪神ファンはよく城島を応援できるものだと思う。








damejima at 17:23

March 07, 2011

この記事はいちおう「ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月21日、ダメすぎる「1年目」の通知表。(1)巨人の主軸打者4人の打撃比較でわかる阪神のクライマックスシリーズ2ゲームの悲惨さ」という記事の続編だ。要するに、阪神移籍後のダメ捕手城島の「通知表」のようなもの。

このシーズンオフ、ダメ捕手城島の身辺にいろいろと賑やかな騒動が続いているのはわかっていた。だが、あえて書かなかった。
理由は、怪我をしたアスリートをあげつらうような真似をするわけにはいかない、と、単純に思ったからだ。怪我はアスリートにとって、どんな出来事よりも辛いことなわけだし、いくらダメな選手であっても、怪我をネタにしようとは思わない。

だが、ダメ捕手城島が膝の半月板を手術してからのトンデモ発言や傍若無人な行動ぶりを眺めるにつけ、きっちり書いて引導を渡す必要が生じているのがわかった。
アスリートの怪我をせせら笑う意味ではなく、ダメ捕手の「これまで」がわかっている立場の人間として、事の良し悪しをハッキリさせる必要があると考える。あんなおかしな発言がトンデモ発言だとわからないようなら、野球など見ないことだ。

以下、「問題児であるダメ捕手城島を獲得すること」につきまとう「多大なデメリット」を、「チームの負担するコスト」や「チームの抱え込むリスク」という意味において書く。コストやリスクは、なにも金銭面に限らない。



GMギリックが辞めてからというもの、シアトル・マリナーズにかかわる人間には、どういうわけか「問題児」といわれる人物が多かった。
かつてのGMバベシも酷いものだったし、バベシが獲得してきた打率2割の4番打者セクソン、防御率6点を越える先発投手ウィーバーシルバなども酷いものだが、彼らはまだ「才能の無いGM」とか「高給取りのクセに成績の酷いダメ選手」ですむところもある。
だが、ブラッドリーバーンズなどになってくると、もういけない。彼らはある意味、「モラルとか法律スレスレの、危ないスーパー問題児」だからである。
近年でいうと、ブログ主は、ベンチの中で監督とつかみあいまでしたフィギンズなども、トラブルメーカーという意味で十分「チームをゴタゴタさせる問題児」だと思っている。さらには、超守備的野球とか言い出してチームを破綻させておきながら、大失態を認めようとせず、それどころか「セカンドをまがりなりにこなしていたロペスを放り出し」、「ショートに自分のお気に入りのジャック・ウィルソンがいる」にもかかわらず、「別のショートの選手を獲ってきた」だけで飽き足らず、「ショートしかやったことのないジャック・ウィルソンをセカンドコンバート」とか、一度の失敗をさらに失策で上塗りするような愚策ばかり労する意味のわからないGMズレンシックも、本質的には野球音痴の、ある種の「問題児」だと思っている。音痴はプロのオペラに出るべきではない。

そして、かつてはシアトルファンにその厳然たる事実が気づかれることはなかったが、ダメ捕手城島が日本のプロ野球阪神に移籍して1年目の冬の動向を見てわかってきたことは、実は城島も、ただの「ダメ選手」ではなく、彼らと同じ、まさに「問題児」というジャンルの選手だった、ということだ。


プレー上での話に限って、この選手がいかに「多大なデメリット」を抱えた選手であるかは、例えば思いつきで挙げる例のいくつかを見てもわかると思う。

・リードの単調さによる投手の失点増
・成績を落とされる投手たちとの決定的な亀裂
・リーグ最低レベル打率、リーグ最多併殺打などの雑なバッティング

こうしたプレー上のデメリットは、ひとつひとつが巨大なマイナス要素だが、これらについてはシアトルでの4シーズンで十分すぎるほど証明が終わっている。
だから、もうこれから改めて議論することはない。
今後これらは、「事実」としてだけ扱われる。

MLB在籍中のあらゆるデータ。それだけではなく、MLBで前例のない「主要先発投手3人からのバッテリー拒否」という事実。野球の現場の首脳陣すら知らないところで、野球の成績と全く無関係に高額3年契約を与えてもらった事実。城島がチームにいられなくなって日本に逃げ帰っていなくなったことで、城島を拒絶していたフェリックス・ヘルナンデスが長期契約に応じてチームに残り、さらに最多勝投手、サイ・ヤング賞投手になった事実。あるいは、ESPN、FOX、Fieldimg Bible、PETACOなど、アメリカのスポーツ関連メディア、野球関連シンクタンクの大半から城島に与えられ続けたMLB最低の評価。
城島のシアトル時代の評価ついては、もはや議論の必要はない。



「出たがり」のコストとリスク

さて、ここから本題の「城島獲得のコストとリスクのはかりしれない大きさ」について書く。以下に挙げるのは、主として、存在するのがわかりきっているプレーの上のデメリットではなく、チームをマネジメントしていく上でのデメリットや、チームワークの問題が中心だ。
まず、シアトル時代の4シーズンの出場ゲーム数を見てもらおう。

2006年 144(131) 出場ゲーム数1位 先発数2位(CERA 4.81)
2007年 133(128) 出場ゲーム数3位 先発数2位(CERA 5.01)
2008年 100(95) 出場ゲーム数20位 先発数19位(CERA 4.57)
2009年 70(67)  出場ゲーム数37位 先発数35位(CERA 4.84)

最初にことわっておくのだが、城島の膝の半月板損傷が、どれほど、この「出たがり病」と相関関係があるのかは、正確にはわからない。(たぶん本人だってわからないだろう。1シーズンに何ゲーム出たら膝が壊れるとか、そんなこと誰にだってわからない)
ある程度の情報はネット誰でも入手できる、そういう時代だ。判断は、記事なりデータなりから、読む人自身が決めればいい。それがネットの時代のルールというものだ。


ダメ捕手城島は、シアトル在籍時から「MLBの常識では、控え捕手にまかせることの多いカード最終戦のデーゲームにまで出場を強行すること」が多々あった。これはある意味「病的なまでの出たがり」である。
勘違いされては困るのだが、この「出たがり病」は、出場ゲーム数が激減する前の、2006年、2007年だけにあった現象ではない。出場機会の激減した2008年、2009年にも、同じように見られた。つまり、怪我で休養する期間のあったシーズンでさえも、控え捕手が出場して正捕手は休養をとるのが普通のデーゲームにすら出場したがった、という意味である。

特徴的なのは、MLB移籍直後の2006年シーズンだろう。
このシーズンの城島はメジャーデビューしたての新人であり、「まだまだMLBの投手たちから信頼されるかどうかもわからず、MLBのシステム、MLBの配球論も知らず、英語もままならない外国人キャッチャー」でありながら、いきなり144ものゲームに出場している。そしてまた翌2007年も、133ゲームに出ている。

この初年度の出場ゲーム数の異様な多さは、明らかに実績にそぐわない。
と、いうのも、MLBデビューの2006年は、これまでこのブログでも触れてなかったデータだが、パスボール10個で、これはMLBの捕手ワースト5位であり、エラー数も8個で、これまたMLBワースト5位なのである。
明らかに、城島のもともとのキャッチングの下手さだけが原因ではなく、MLBのバッテリーシステムに対する不慣れさ、日本にはないMLBの投手の球筋や日本とは異なる配球術、外国語でのコミュニケーションに慣れていないこと、そしてそれらの新しい環境全てに自分から順応しようとしない融通の利かない頑迷な性格が、数字面から伝わってくる。「不慣れで、コミュニケーションがとれないだけでなく、自分にしかわからない個人的スタイルを他人にまで押し付けようとしてくる押し付けがましい外国人キャッチャー」のクセに、契約に守られて144ゲームも出場したことが、異様なパスボール数とエラー数で、まるわかりだ。
Kenji Johjima Fielding Statistics and History - Baseball-Reference.com
こんな不慣れな選手が144ものゲームに出場するのだから、出場させるチームの側もどうかしているが、だからこそ軟投派のベテラン投手ジェイミー・モイヤーなどは呆れて、長年在籍したチームを去った。
やがて、「城島問題」の本質的な解決どころか、むしろ成績と無関係な高額3年契約まで与えたオーナーサイドのやり方に業を煮やしたシアトルの先発投手たちが「一斉に城島とバッテリーを汲むのを拒否する」という前代未聞の反乱を起こし、チーム内の城島の居場所は実質消滅した。形として城島は、チームメイトたち自身の手でチームから追い出されたのである。


MLBをよく知らないひとのためにいちおう書いておくと、この10年ほど、年間130ゲーム以上も先発できる有力捕手というのは、1シーズンあたり5人以下程度しかいない。
イチローがデビューした2001年前後なら、ベニート・サンチアゴホルヘ・ポサダジェイソン・ケンドールラモン・ヘルナンデスあたりが出場ゲーム数の多いキャッチャーだし、近年ならヤディア・モリーナラッセル・マーティンブライアン・マッキャン、あとはカート・スズキ、丈夫さが売りの(笑)ジェイソン・ケンドールくらいだ。つまり、所属チームで「押しも押されぬ大黒柱」と認定されるような有力キャッチャーだけが、130試合以上もマスクをかぶらせてもらえるのだ。
2010 Regular Season MLB Baseball C Fielding Statistics - Major League Baseball - ESPN
もうMLBで20シーズン以上キャッチャーをやって、キャッチャーでの出場が歴代1位の2390ゲームになるイヴァン・ロドリゲス(日本では野村克也氏の3017試合)でも、130ゲーム以上出れたシーズンはこれまで、わずか6シーズンくらいしかない。
また、近年ではア・リーグを代表するキャッチャーのひとりになったジョー・マウアーも、キャッチャーとして130ゲーム以上出場したのは正捕手になった6シーズンでたった1度しかない。

ちなみに城島の2006年の「144試合出場」という数字は、MLBのキャッチャーの単年出場ゲーム数の記録として、なんと「歴代77位」にあたる。
「MLBのバッテリーワークの原理も知らず、英語もままならなず、MLBのやり方に従おうとする素直さ謙虚さもない、MLBド素人の新米キャッチャー」が、いきなり「MLB歴代77位」? よほど出場の保証された有利な契約をしていたのだろうが、この暴挙には呆れるほかない。
19シーズンプレーしたかつてのヤンキースの殿堂入り捕手ヨギ・ベラですら、140試合以上ゲームに出たシーズンは通算6回しか記録していないのである。

MLB歴代キャッチャー出場記録(歴代)
Single-Season Leaders & Records for Def. Games as C - Baseball-Reference.com
MLB歴代キャッチャー出場記録(シーズン別)
Yearly League Leaders & Records for Def. Games as C - Baseball-Reference.com
ヨギ・ベラのスタッツ
Yogi Berra Statistics and History - Baseball-Reference.com


阪神移籍後の全試合出場強行の「故障コスト」

さて、この「出たがり病」、阪神移籍後はどうだろう。
2010年に、セ・リーグで144ゲームにフル出場したプレーヤーは13人いるが、キャッチャーで全試合出場などという、わけのわからないことを実行したのは、城島ただひとりだ。
城島以外で最も出場ゲーム数の多いセ・リーグの捕手は、巨人の31歳、阿部慎之助の137試合だが、30代になったばかりの阿部でさえ、137試合はキャッチャーとしてプレーしたが、残り5試合は一塁手としてプレーして守備負担を減らしている。
2010年セリーグ在籍の捕手達
ちなみにパ・リーグでは、シーズンフル出場を、5人しか記録していない。キャッチャーのフル出場はもちろん無い。(パ・リーグ捕手の最多出場は、楽天の26歳と若い捕手が127試合でトップ)
パ・リーグには、先発キャッチャーはこの1人だけと決めてシーズンに臨むチームはほとんどなく、2人を併用するイメージが強い。
2010年パリーグ在籍の捕手達

肩の故障から外野からの返球が満足にできない阪神の金本外野手のフルイニング出場がいろいろと阪神ファンの話題にのぼった2010シーズンだが、金本、城島、両選手のファンでも支持者でもないブログ主から言わせてもらうなら、金本選手のフルイニング出場を手厳しく批判するのであれば、全試合出場を強行しておいて、挙句の果てに野球選手として致命傷になりかねない半月板損傷を患い、さらにチームがやむをえず捕手を補強すると、いちいち子供のように「心が折れたの、どうのこうの」と文句を垂れる選手も、同じように徹底的に批判されるのが普通だし、当然だと考える。(城島への批判をかわしたいのか何か知らないが、やたらとネット上で金本批判を煽って批判の鉾先が城島に向かないようにするのが城島オタクの常套手段だとしたら、それは卑劣な行為だ。こうした「ネット上でのすりかえ批判」は、シアトル時代にもたびたび見られた)


近未来の藤川球児のメジャー移籍を決定的にした
「人的コスト」


問題児城島を獲得する代表的コストのひとつに、「投手からの信頼の欠如」というのがある。シアトル時代については既に散々書いたが、阪神移籍後の代表的な「城島嫌いの投手」というと、たぶんクローザー藤川球児になるだろう。

2010シーズンのセ・リーグ最終順位は、終わってみれば「ほんの紙一重、ごくごく僅かの差」でしかなかった。
その厳しい競り合いの中で、阪神は、飛ぶボールを使い、近年では最強打線を揃えることに成功していたにもかかわらず、シーズン終盤の「ここが大勝負」といえる数試合の大事なゲームをことごとく負けることで、自ら優勝を逃した。
中でも、「お得意様」のはずの横浜戦で村田に打たれた痛恨の逆転3ラン、あるいは巨人戦の劇的な負けっぷりについては、このブログで詳細に書いたとおりだ。阪神の2010シーズン敗退のキーポイントはもちろん「ダメ捕手の、ダメリード」だった。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年9月30日、逆転3ランを打った村田が「なぜ、あれほど勝負のかかった場面で、高めのクソボールを強振できるのか?」についてさえ、何も書かない日本のプロ野球メディア、野球ファンの低レベルぶり。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月17日、イニングに入る前から「そのイニングの全打者に対する配球をあらかじめ『ひとつ』に決めきって」、結果、ボコボコに打たれて逆転負け、ポストシーズン敗退というダメ捕手城島の想像をはるかに越えたダメリード。(1)「結論と原則」編

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月17日、イニングに入る前から「そのイニングの全打者に対する配球をあらかじめ『ひとつ』に決めきって」、結果、ボコボコに打たれて逆転負け、ポストシーズン敗退というダメ捕手城島の想像をはるかに越えたダメリード。(2)実戦編

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月21日、ダメすぎる「1年目」の通知表。(1)巨人の主軸打者4人の打撃比較でわかる阪神のクライマックスシリーズ2ゲームの悲惨さ

こうした経緯の中で、優勝を逃した直後の藤川投手の「冷めた態度」が誰の目にも奇異に映らないわけがない。

では、彼がなぜああいう「冷めた態度」をとったのか?
そして、藤川投手が長年信頼を寄せてきた矢野捕手引退試合の、あの、あまりにも奇妙な展開。その後の藤川投手の発言の数々。藤川投手が優勝を自ら逃した2010シーズン終盤の痛々しいいくつかの負けゲームの「責任」について、「決定的な責任が自分にある」とは感じていないことは明らかだろう。

同じチームメイトとして言いたくても言えないこともあるだろう。ブログ主が、藤川投手が言いたくても言えないことを代弁するとするなら、こうだ。
シーズン優勝がかかっていた数試合の大事な場面、俺は、言われた通りに投げたまで、です
これらの大事な場面で藤川投手に、サインを出し、従わせたのは、「誰」か。言うまでもない。メジャー移籍の権利がとれ次第、藤川投手は城島の居座る阪神に別れを告げることだろう。

キャッチャーのリードというものに深く関心を持たず、優勝できたはずの2010年シーズンの責任の所在もわからないほど目の曇った阪神ファンが、キャッチャーの単調なリードによる自滅も理解せず、責任を疲労のたまった藤川投手にかぶせて狂ったように批判しまくっていたのが、ブログ主は哀れでならない。


故障によるキャッチャー補充の「金銭コスト」と
補強の追加による「選手枠の無駄づかいコスト」。
そしてシアトル時代そっくりの「捕手3人制」


本来は、ひとりの選手が全試合に出場しようと、しまいと、そんなことはどうでもいいのである。たとえ何試合出ようが、故障せず活躍さえしていれば、何も問題はない。
最初に書いたとおり、アスリートにとっての怪我は、本人にとっては選手生命にも関わることであり、そのこと自体をとやかく言うことはできない。

だが、しかし、である。

高額な長期契約の選手、それも、「キャッチャーが半月板損傷」というハプニングは、当然ながら、チームにとっては「重いコスト負担増」を意味する。

・かわりのキャッチャーの獲得
・かわりのキャッチャーに払う給料
・かわりのキャッチャーに提示せざるをえない複数年契約
・かわりのキャッチャーに保証する1軍枠
・かわりのキャッチャーが占める支配下選手枠
・かわりのキャッチャーが占めるプロテクト枠
・将来、故障が再発するリスク

実際、阪神は、城島の故障のフォローのために楽天イーグルスから藤井彰人捕手を獲得してきた。緊急事態に対応するためのキャッチャー確保が絶対条件になっていた阪神側としては、悪く言えば「城島復帰後もずっと使うかどうかわからない控えキャッチャー」に対して(もちろん、同時に、膝に爆弾を抱えた城島自身にしても、半月板損傷から復帰しても、4年後の契約満了までパーフェクトなプレーが続けられるかどうか、もうわからなくなっている)、単年ではなく、「2年契約」を提示せざるをえなかったことも、「無駄に増えた、要らざる補強コスト」である。

また、あらゆるプロのチームスポーツは、1軍の人数、支配化選手の人数、あるいはプロテクト枠の人数に「制約」がある。
阪神がロッテから獲得したセットアッパー小林宏投手の人的補償として、阪神のスプリングトレーニングで頭角を現してきていた高濱選手がロッテにピックアップされて、阪神は貴重なドラフト1位選手を失ったことが、ここ最近ずっと阪神ファンの話題にのぼっているが、このとき、仮に「城島が故障せず、あわてて獲得してきた藤井捕手の分のプロテクト枠が空いていた」のなら、もしかすると阪神は高濱選手を失わずに済んだのかもしれない。これだって「高い人的コスト」である。

いずれにせよ、いかなるやむをえない理由があろうと、高額長期契約の主力選手は「長期間にわたってプレーレベルを低下、あるいは喪失するような大怪我」を、(他人に怪我をさせらてしまったのならともかく)みずから招くことのないよう、身体をケアするのは、「義務」、なのだ。いうまでもない。
将来にわたってプレーの質と量を低下(あるいは喪失)させる可能性がある半月板損傷という怪我は、本来、そのプレーヤーの商品価値を大きく低下させる。当然「トレード価値の低下というコスト」も生じてくる。


公然と球団批判のトンデモ発言

では、こうした予想外の補強コストを球団側が負担してスッタモンダしている時期に、このダメ捕手さん、どういうダメ発言をしたか。

「18日に球団首脳が示した「復帰は6月でもOK」という見解。新聞報道で知った城島が、真っ向から反論した。室内でのフリー打撃を終えると、吉田バッテリーコーチに「ボクは朝から気分を害しています。ボクの心は折れましたよ」と強烈な“ジャブ”。あらためて開幕戦への意欲を語るその声は、明らかに怒気をはらんでいた。」
6月復帰プランにNO!開幕目指す城島「気分を害しています」 ― スポニチ Sponichi Annex 野球


折れた?(笑)って、何がよ?(笑)
いや、もう、開いたクチがふさがらないとは、このこと(笑)もちろん、この発言を聞いたときに、この記事を書く決意が固まったのだ。
すぐに記事を書かなかったのは、もちろん、その後の経緯を見守っていたからにすぎない。その後の経緯も経緯で、案の定すぎた(笑)


阪神球団側からすれば、日本人選手として最高年俸に近い金額を数年間払い続けなければならない30代なかばのオッサンキャッチャーを獲得し、その高い買い物のキャッチャーが無謀ともいえるシーズン全試合フル出場を強行した挙句に、「半月板をやっちゃいました」と重大な怪我を報告され、手術するだのテンヤワンヤな状態で、他球団の、それも控え捕手を「アタマを下げる形(=複数年契約)」で獲得せざるをえなくなった状況で、当の怪我をした本人、本当にパーフェクトに治療ができて、これから数年きちんと働けるのかどうかもまだわからない高額長期契約の選手本人に、こんなおかしな発言をされたのだ。
よく球団側が厳重処罰しないものだ。(ブログ主がオーナーなら安易な球団批判を許さない意味で即時解雇する)言いたい放題のショーン・フィギンズを野放しにしているシアトル・マリナーズとそっくりである。

城島が怪我から無事復帰すれば、藤井捕手が控えに回って、問題は全て解決? 甘い。甘い。(笑)
藤井捕手に単年でなく2年契約を与えたからには、阪神が大なり小なり「出場機会保証」を約束している可能性がある。また、半月板損傷は捕手生命にかかわる大怪我なだけに、阪神側とすれば、大金を払っている正捕手の守備負担軽減という意味から、控え捕手藤井に多少なりとも出場機会を与えようとするだろう。それが常識的な行動だ。
だがその常識が、「出たがり、出しゃばり」には、たぶん理解できない。自分の怪我が原因で無駄な出費を払って獲らざるをえなかった控え捕手なのに、天に向かって唾を吐くかのように「自分の出場機会の減少について」不平不満を言わずにはいないだろう。(シアトル時代も監督室に怒鳴りこんだ)
だから、たとえこのダメ捕手が無事にスタメン復帰したとしても、今後、現場の混乱は必須
だと言うのだ。まさにシアトル時代とそっくり。

また、ブログ主は別に真弓監督のファンでも支持者でもなんでもないが、現在のチームの指揮をとっている真弓氏が、ダメ捕手城島に「監督として、いい感情をもっている」ことは、到底ありえない、と思う。
チームと選手本人のために、むしろ春先だけは自重してキッチリ怪我を治してから実戦に戻ってくれという親心がわからないのか何か知らないが、周囲から「しばらく自重してくれ」と言われれば、いちいち逆ギレして、やれ「ココロがどうたらこうたら」などと、言いたい放題。
もし無理して復帰して、半月板損傷が再発でもすれば、もはや誰も同情しないだろう。怪我が怪我だけに、再発の不安は何年も続く。周囲の不安も配慮せずに、「ココロ」もなにもないもんだ。


シアトル末期同様、比較対象キャッチャー出現で明らかになる「ダメ捕手」の「ダメぶり」

こうした経緯で明らかになった事実は、ひとことで言い表すことができる。
ダメ捕手城島は、野球界にも世間にもよくいる「問題児」そのもの
ということだ。


ダメ捕手が阪神移籍後のわずか1年で既に引き起こした騒動は、シアトル在籍時代末期をよくわかっている身にしてみれば、「ああ、またやってるのか(笑)」という内容ばかりである。
投手との不和。控え捕手との軋轢。控え捕手より酷いが、ポジションを失わない契約で守られた正捕手。シアトル時代に引き起こしていた数々の騒動はどれもこれも、偶然でもなんでもなかったのである。

シアトルに移籍したばかりの2006年には、ロクにメジャーの投手たちの配球術の基礎も理解せず、投手主導のリード手法も知らず、ロクにチームが捕手を休養させる選手起用システムも知らず、そして問題なのは、それらに従う素直さも無く、かといって、ロクに英語も話せないクセに出しゃばり続けて、144試合も出場した。
だが、そのうち自軍の投手たちとさえ問題を起こし続けている事実が、いつしか外部とメディアに漏れ、世間にバレていき、やがて主力投手のほとんどが表立って「わけのわかってないキャッチャーへの反乱」を起こすようなMLBに前例のない事態まで起こして、城島に振り回されて野球をする馬鹿馬鹿しさを、チームの多くが拒絶した。
その経緯の中で、「城島が先発マスクのときと、そうでないときの、投手の成績の差」は、キャッチャーとして城島が持っている「実力の無さ」「問題児ぶり」「チームにもたらした混乱」を、最も顕著に白日のもとに晒したわけだ。


これから本当の意味の「問題児コスト」を払わされる阪神

城島のシアトル時代末期と同じように、「比較対象するキャッチャー」である藤井捕手が意図せず出てきてしまった阪神の2011年シーズンは、シアトル時代末期と同じ混乱の末路を辿ること必至である。

シアトルにもMLBの野球スタイルにも本当は何の関心ももたなかったのと同じく、本当は阪神というチームになど何の関心も愛情もない城島オタクは、たとえどんな小さい失敗でも、藤井捕手(あるいは藤川投手)がなにか失敗するたび、目の色をかえて自軍選手を公然と批判し、そして藤井捕手がなにか成功する、あるいは城島不在のときに投手陣が大活躍するたびに目の曇った阪神ファンの目が覚まされていき、結局、ファンとチームは「問題児」とそのファンに振り回されながら、混乱に巻き込まれて分裂していく。
そして、ふと気がついた頃にはマートンも藤川もメジャーに移籍していなくなり、チームは、半月板に爆弾を抱える高額長期契約捕手を抱えたまま、生え抜きの主力選手のいない「寄せ集めチーム」と化すのである。

damejima at 17:29

October 22, 2010

まぁ、こんなに早く答えが出るプレーヤーというのも、モノ哀しい。あまりにも予想どおりすぎて、かえってつまらない。
いちおう資料として残すために、ダメ捕手城島の帰国1年目の通知表をいくつか記事にしておくつもりだが、手間ばかりかかるし、結論も、もう誰でもわかっているしで、書いていて、ただただ疲れるのみだ。

以下、巨人の主軸打者4人(小笠原、ラミレス、阿部、高橋由)のクライマックスシリーズ4ゲーム分の打撃成績である。

城島マスクの2ゲーム
10月16日 阪神vs.巨人 14打数5安打2打点 打率.357
10月17日 阪神vs.巨人 19打数9安打6打点 打率.474
          合計 33打数14安打 8打点 打率.424


比較対象の2ゲーム 非・城島(つまり谷繁)
10月20日 中日vs.巨人 16打数2安打 打率.125
10月21日 中日vs.巨人 16打数1安打 打率.063
       合計 32打数 3安打 打点なし .打率.094


なぜこの4人を選んだかは、以下の2つの記事を参照してもらえばわかる。
中日戦では、巨人の1番打者・坂本は腰痛で欠場したために、比較できない。また日本の2番打者は頻繁にバントしたりしなければならないために、打席ごと、シチュエーションごとに、果たすべき役割が大きく変わる。だから2番打者の打撃内容を追跡比較しても、意味がない。
さらに、下記の記事でも書いたように、巨人のリードオフマン坂本と、3番から6番の主軸4人では「打席での狙い球」が異なり、出塁に対する方法論が異なる。主軸4人は、以下の4ゲームに共通して出場していて、打順も変わらず、彼らの打席にチームが期待する役割もほぼ変わらない。

10月17日の8回表、9回表に関する記事 1
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月17日、イニングに入る前から「そのイニングの全打者に対する配球をあらかじめ『ひとつ』に決めきって」、結果、ボコボコに打たれて逆転負け、ポストシーズン敗退というダメ捕手城島の想像をはるかに越えたダメリード。(1)「結論と原則」編
10月17日の8回表、9回表に関する記事 2
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月17日、イニングに入る前から「そのイニングの全打者に対する配球をあらかじめ『ひとつ』に決めきって」、結果、ボコボコに打たれて逆転負け、ポストシーズン敗退というダメ捕手城島の想像をはるかに越えたダメリード。(2)実戦編


14安打8打点 打率.424
草野球?(笑)


すべてビジター
巨人のバッターにとっては、これらのゲームが行われた甲子園、ナゴヤドームは、いずれも「ビジター」の球場であり、これらのゲームにホームゲームとしての有利不利はまったく関係していない。
移動の影響なし
2つのカードの間には、レギュラーシーズンより長い「丸2日間」という長い移動時間が確保されており、レギュラーシーズンでの移動のせわしなさを考えれば、十分すぎる移動と休養の時間がある。そのため、移動による疲労は、数値には関係ない。
試合勘はむしろ巨人有利の中日戦
むしろ、巨人の4人のバッターは、実戦を2ゲーム消化して、打撃好調の状態で次の中日戦に臨んでいるのであって、ウオーミングアップは十分すぎるほどであり、その間の「調子落ち」などありえない。
その他
細かいことを言えば、4人の打順も、まったく変わってない。

本来なら上の数字に、阪神と中日のチーム防御率の差(この差自体、ダメ捕手城島の自業自得であって、本来補正に加えるべきではない)、投手の違い、パークファクターなどで、多少なりとも脳内補正をしそうなところだが、ここで下される結論にとっては、全く必要ない。
なぜなら、阪神戦2試合と中日戦2試合の数値があまりにも大差がつきすぎていて、その程度の細かい補正などなんの意味ももたないからだ。そんな細かいことをしなくても、結果も、結論も、まったく変わらない。

結論。
ダメなものは、やはりダメ。
メジャーでダメ。日本でもダメ。
それだけ。


以上。


なお、10月21日の、この4人への配球球種を以下にあげておく。
打席同士を比較してみるとわかるが、まったく同じ、なんていう打席を発見することはできない。すべての打席は、お互いに少しずつ異なっている
もし、ひとつのイニングで、この4人全員に同じ配球をする、なんていう馬鹿なキャッチャーがどこかのチームにいたら、ぜひお目にかかりたいものだ(笑)

(以下、ストレート=スト、スライダー=スラ、フォーク=F 例えば、シュートと表記されている球が実際にはシンカーや2シームだったり、ストレートと表記されている球が実際には4シームや2シームが入り混じっている可能性はあるので、あくまで目安として考えてもらいたい。資料はYahoo Japan)

小笠原
スト スラ F
スト
F スト スラ F
スト F スト F

ラミレス
シュート、シュート
F F スラ
スト F スト F
F スト F F

阿部
F スト スト
F F 
スト スラ スラ F
F スト スト

高橋由
スト シュート スト F
スラ
F スト F シュート 二塁打

この4人に対する10月17日8回表の配球の話は、下記の記事参照。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月17日、イニングに入る前から「そのイニングの全打者に対する配球をあらかじめ『ひとつ』に決めきって」、結果、ボコボコに打たれて逆転負け、ポストシーズン敗退というダメ捕手城島の想像をはるかに越えたダメリード。(2)実戦編






damejima at 10:28

October 18, 2010

阪神対巨人のクライマックスシリーズ第2戦、キャッチャー城島は、8回表の打者6人全員に「ストレート、フォーク、フォーク、フォークという配球」、9回表の打者6人全員に「フォークで入って、ストレートで決める配球」をして、結果的に大逆転負けして、チームをポストシーズン敗退に導いた

前記事の(1)で結論は書いたから、この(2)では、もうちょっと詳細な部分を書いてみる。

資料:Yahoo!プロ野球 - 2010年10月17日 阪神vs.巨人 一球速報


8回表、9回表のデータを見る上で、最初に知っておかなければならない「ゲーム全体の流れ」がある。ゲーム当初からの巨人の打者の狙い、阪神バッテリーの狙い、である。このくらいのことは頭に入れてから見ないと、まるで面白くもなんともない。

巨人側・打者の狙い球
1)1番坂本、7番長野の2人は、基本的に「変化球狙い
2)小笠原ラミレス高橋由阿部の主軸4人は
  基本的に「ストレート狙い(特に高橋由)」
  ただ「フォークも振ってくるが、空振りが多い。
  ストレートしかバットに当たらいない(ラミレス)」
  ことも多少ある

阪神バッテリー側・配球上の狙い
1)先発・久保の段階から「フォーク」は決め球に使っていた
2)2番亀井は、阪神バッテリーが
  「ここで打線のつながりを断ち切る」と決めているバッター
  他のバッターとは攻め方を変えている
3)3番・小笠原には「インコース攻め」を徹底
4)6番・阿部に対する決め球は「フォーク」


攻守両チームの狙いを突きあわせるとわかると思うが、両チームの「狙い」は、いくつかの部分で「最初から勝ち負けが決してしまって」いて、さらに戦略勝負では基本的に最初から巨人側が勝っている。
なぜなら巨人打線においては、主軸バッターは「ストレート狙い」、下位の長野から1番・坂本までの打者は「変化球狙い」と、メリハリをつけていることについて、阪神バッテリーはゲームが終わってしまうまで、ほとんど気づいていないか、十分な対策をしていないからだ。
たとえば、ストレートの狙いの高橋由の2ランだが、打った球はデータ上は「スライダー」と記録されているが、コースからみて、たぶん実際には投手・久保田のスライダーが高めに抜けた球だろう。だから、打った高橋由にしてみれば「棒球のストレートを打った」という感覚だろうと思う。つまり、スライダーを狙い打ったというより、「ストレート狙いのタイミングが効を奏した」というほうが正しい。
また、試合序盤にインコースをファウルか空振りばかりして、簡単にストライクをとらせてくれた小笠原に対する「インコース攻め配球」を、ピッチャーが久保田、藤川に変わったとたん、城島は「アウトコース低めの変化球で決める配球」に変えてしまって、アウトコースを痛打されまくっている。
この2つの例などはダメ捕手城島が、打者の狙いを感じとって配球をその場で発想、変更するのではなくて、「あらかじめ考えてあった安易な配球パターンを、相手の出方も見ずに、ただただ実行しているだけ」という動かぬ証拠である。

両軍の「狙い」の細かい勝ち負け勘定
1)坂本の「変化球狙い」は、坂本の勝ち
2)亀井を徹底して抑えて打線を分断する狙いは、
  阪神側の狙い通り。
  ところが8回の四球だけは、亀井の勝ち
  出塁への執念が、2点タイムリーを呼び込んだ。
3)小笠原へのインコース攻めは序盤だけは効を奏した。
  だが投手交代後に
  変化球でアウトローをつく配球に変えてしまい、
  そのアウトローを打ちまくられた

4)ラミレスに、3球続けてフォークを投げたことで、
  適応力の高い打者であるラミレスの目が慣れて
  逆転の2点タイムリーを浴びた

5)一貫してストレート狙いの高橋由の2ランは、
  おそらく阪神・久保田のスライダーが抜けた失投
6)阿部へのフォーク攻めは、一貫して阪神側の勝ち


さて、前提が出揃ったところで、各イニングを詳しく見てみる。
(以下、画像はクリックすると別窓で拡大)

まずは、8回表


先頭打者 脇谷
4球目フォークをピッチャーゴロ

2010年10月17日 阪神vs.巨人 8回表 先頭打者脇谷ストレート2球のあと、フォーク、フォークで凡退。初球・高めのストレートはファウルしたが、3球目・真ん中の甘いフォークは見逃している。おそらく、8回から打席に入った交代選手なだけに、打撃の照準をピタリと合わせるまでに至らなかったのだろう。


2人目の打者 坂本
狙いのはずのフォークで三振

2010年10月17日 阪神vs.巨人 8回表 2人目打者 坂本脇谷と違って、最初の打席から一貫して変化球に対応している。第1打席、第2打席の連続ヒットは、いずれもフォーク。
それだけに、8回に阪神の投手が、持ち球の種類が少なくフォークのある藤川に代わったことで、坂本の「フォーク狙い」がピタリとハマるはずだった。
だが、フォーク狙いがはまったことが、かえって災いして、外のボールになるフォークを我慢できずに、三振した。やはり野球は簡単ではない。


3人目の打者 亀井
粘り勝ちの四球

2010年10月17日 阪神vs.巨人 8回表 3人目打者 亀井阿部と並んで、このゲーム、最大の安全牌のはずの打者。
だが、よく調べるとわかるのだが、この日の亀井がここまでことごとく凡退しているのは、どの打席でも「他の打者には使わない配球ばかり」されているからだ。
例えばこのイニングでも、「初球からフォークという配球をされたのは、亀井だけ」。1番・好調の坂本と中軸打者の繋がりを切断することで大量失点を防ぎたい阪神バッテリーにしてみると、この2番亀井だけは「どうしても打たせるわけにいかなかった」はず。
実際、もしこのゲームの序盤で亀井が打線を繋いでさえいれば、間違いなく14安打5四球の巨人のワンサイドゲームになっていた。
その「阪神側が絶対に凡退させなければならない、安全牌のはずの亀井」が「2アウトから選んだ四球」だからこそ、この四球には非常に大きな価値があった


4人目の打者 小笠原
初球ストレートを二塁打

2010年10月17日 阪神vs.巨人 8回表 4人目打者 小笠原「甲子園球場では打てない」と言われ続けてきた打者だけに、小笠原のバット復活は、巨人がクライマックス・シリーズ最初の関門を突破できた大きな要因に挙げていいだろう。
それでも、このゲームの序盤、小笠原は阪神バッテリーの執拗なインコース攻めに苦しんでいた
バットを長く使い、長い竿を力まかせに振り回して唸らせるように「ブンッ!」と振り回す特殊なスイングのプルヒッターなだけに、バッテリーがインコースを執拗に攻めたくなること自体は、よくわかる。(小笠原がインコースを打つのが下手だ、という意味ではない)
インコースを打つ場合、ベース際に立って、腕を小さく折りたたんでバットヘッドを自分の腹の内側に抜くように打つ打者も多いが、小笠原はベースから離れて立って、踏み込んで、なりふり構わずフルスイングしてくる。
逆にいうと、バットヘッドが遠回りしてくるような感じのスイングなだけに、フルスイングでスイングスピードを上げないと、インコースの速球には振り遅れが発生しやすくなりそうだ。
だからこそ、個性的なスイングスタイルをもつ小笠原は、インコースを窮屈なフルスイングで振り抜くよりも、腕を長く使って大きく振り回せるアウトコースのほうが、かえって打球をライトに引っ張りやすい気がする。
ゲーム序盤に「しつこいインコース攻め」で小笠原を凡退させ続けていた阪神バッテリーだったが、ゲーム中盤以降はその「インコース攻め」をパタリとやめてしまった。これは、投手が藤川に代わった8回に配球を変え、「ストレートを1球だけ見せておき、その後は、ひたすらアウトコース低めにフォークを連投し続ける」という、アウトコース主体の配球に固定されたためだろうと確信する。(もちろん「ランナーが出ると城島は必ずアウトローを突いてくる」という典型的パターンでもある)
安易に配球戦略を変えたために、小笠原にアウトコース低めをライトに引っ張られてしまい、阪神バッテリーは二塁打を許した。


5人目の打者 ラミレス
合っていなかったフォークを、逆転の2点タイムリー

2010年10月17日 阪神vs.巨人 8回表 5人目打者 ラミレス2点タイムリーはアウトコース低めのボールっぽいフォークだが、2打席目を見ると、そのフォークで三振してもいる。
だから、明らかにストレート狙いに徹していたように見える高橋由などと違って、ラミレスはストレートだけを狙っているというより、単に、試合序盤、久保のフォークに合わせきれてなかっただけだろう、と考える。
試合後のラミレスは8回の打席について「ホームランはいらない。なんとかヒットを打とうと思った」と発言している。これなど聞いても、彼はシチュエーションに対応できる柔軟性の高いバッターであり、ストレートだけを狙うとは思えない。
他のインタビューでは「もし(打った藤川のフォークが)ワンバウンドだったら空振りしていただろう。だけど、そうではなかったから、ついていけた」なんてことを、正直に言っている。だからどうみてもラミレスには「フォークが来るのはわかっているのだが、ついていけてない」という感覚があったことになる。
もし、阪神バッテリーが3球も続けてフォークを投げたことで、ラミレスの目が「アウトコース低めのフォークの軌道に慣れて」いなければ、この逆転タイムリーは生まれていない、ということだ。


6人目の打者 阿部
2球目フォークをセカンドゴロ

2010年10月17日 阪神vs.巨人 8回表 6人目打者 阿部ブログ主が「ダメ捕手城島がこのイニングの配球をイニング開始前から決めていた」と確信する大きな根拠のひとつは、この日は合っていなかったフォークを執念で打ち崩したラミレスの2点タイムリーより、むしろ、このゴロアウトになった阿部の打席だ。
負ければ終わりのこの大事なゲーム、たとえ逆転の2点タイムリーを浴びた直後とはいえ、いくらなんでも、まだ1点差だ。普通、ラミレスと阿部、まるっきり同じ配球はしないだろう、と、誰しも考える
ところが、だ。
阿部に対して、初球ストレート、2球目フォークで、セカンドゴロ。藤川球児はストレートが早いだけに、球速で「投げようとした球種」がわかる。ストレートなのか、それとも、フォークのすっぽ抜けなのか、間違えようがない。明らかに阿部への配球は、ラミレスへの配球をそのまま踏襲している。
だからこそ。2人さかのぼって、小笠原が二塁打をかました「初球のストレート」も、明らかに「2球目以降(あるは決め球として)アウトコース低めにフォークを連投していく配球をするための伏線」と、言い切ることができるのである。




9回表

だいぶ書いていて疲れてきた。画像を処理するのがめんどくさくなってきたので、記号だけで済まさせていただく。下記は、9回の打者と、それぞれに使われた球種。Fがフォーク、Sがストレート
ダメ捕手城島の9回表の配球が、8回表同様に、いかに単純で馬鹿馬鹿しいものだったかを知るには、これを見るだけで十分だ。
このイニングでは初球、2球目にフォーク、3球目以降がストレートと、8回と全く逆の配球を使っている

高橋由  フライアウト FFS
長野   四球 SFSSSSS
(送りバント)
脇谷   四球 FFSS
坂本   四球 FFSSS
亀井   フライアウト SSS

前回の記事の記述で、「もし亀井が打線を繋いでいたら、このゲームは巨人のワンサイドゲームになっていた。阪神バッテリーは、亀井に、先頭の坂本と主軸打者を繋ぐ役割をさせないために、亀井に対してだけ特別な配球をして、それを防いだ」と書いた。

8回表の阪神バッテリーは「初球にストレートをみせておいて、その後はアウトコース低めのフォークを連投する」という配球をみせていたが、亀井に対してだけは「初球にフォーク」を投げた
9回表の阪神バッテリーは「フォークを2球みせておいて、その後はストレート連投」と、8回の配球とまったく逆の配球を見せて巨人打線をかわそうとしたが、この9回も、亀井に対してだけ「初球からストレートで押して」うちとって、2死満塁という大量失点のピンチを防いだ。


上のほうで書いたように、
8回表に、阪神バッテリーが主として対戦したのは「ストレート狙いをしてくる主軸打者」だったわけだが、ダメ捕手城島が「初球にストレートをみせておいて、その後はアウトコース低めのフォークをひたすら連投する」という配球を「8回のすべての打者に続ける」という馬鹿すぎるリードをしたせいで、ゲーム序盤のインコース攻めに手こずっていた小笠原の2塁打を生み、必ずしもフォークにあっていなかったラミレスの目をフォークに慣れさせる結果になって、逆転の2点タイムリーに繋がった。

次に、9回表、阪神バッテリーが対戦したのは、「変化球狙い」の長野、坂本など、下位から先頭にかけての打者たちだったわけだが、このイニングの阪神バッテリーは「フォークを2球ほどみせておいて、その後はストレート連投」と、8回とはまったく逆の配球をみせた
この回の藤川球児は既に投げ過ぎの状態にあるだけでなく、8回のフォークの投げ過ぎで、おそらく握力もなくなってきていたことだろう。巨人打線の徹底した待球によって満塁のピンチを招いた。






damejima at 12:05
長い文章を読む根気の無い人のために、「結論」を先に書いておく。

こんな、誰でもわかって当たり前、起きて当たり前の「人災」など、時間をかけて書いても疲れるだけだが、こんなブログを始めた行きがかり上、しょうがない。
こんなわかりきった話より、ロイ・ハラデイリンスカムの投げ合いとか、ロン・ワシントンがGame 1の逆転負けから自分らしさを取り戻してヤンキースを叩いたGame 2の話、フィラデルフィアのGame 2、9回のラウル・イバニェスの見事なダイビング・キャッチの話でもしていたいものだ。
城島のような捕手がメジャーでまったく通用しなかった理由くらい、こういう逆転負けでCS敗退が決まった最悪のゲーム(またはレギュラーシーズンの優勝の可能性が無くなった横浜・村田の逆転3ランとか)を見れば、誰でも理解できるのが当たり前であって、議論などまったく必要ない。
横浜・村田の逆転3ランについてのブログ記事
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年9月30日、逆転3ランを打った村田が「なぜ、あれほど勝負のかかった場面で、高めのクソボールを強振できるのか?」についてさえ、何も書かない日本のプロ野球メディア、野球ファンの低レベルぶり。

セ・リーグのポストシーズンの最初の行方を決したゲームだが、次の(2)実戦編で詳しく書くが、イニングに入る前からダメ捕手城島の配球パターンは決まっていた
昔なら腹を抱えて笑うところだが、今は、ただ冷ややかに笑うだけだ。まるでオセロの駒か座布団でも裏返すように、8回と9回で、単にパターンを裏返しただけの「お好み焼き配球」(笑)。キャッチャーがこんなボーンヘッドをしでかしているのに、「打たれるのは投手のせい」とか言い続けている人がいたら、それはただの印象操作か、ただの馬鹿だ。


まず8回の配球はこうだ。
まず、ストレートを1球だけ見せておく。で、2球目以降、ひたすら、アウトコース低めのフォーク、フォーク、フォーク(笑)」たったこれだけ(笑)

ラミレスに対する配球「だけ」がコレだと思っている人だらけだが、巷の野球ファンは見る目がないねぇ(笑)
甘い、甘い(笑)この配球は、このイニングの先頭打者脇谷、2人目の坂本から始まって、挙句の果てに、ラミレスに逆転タイムリーを浴びたにもかかわらず、すぐ次の打者阿部に至るまで、「このイニングの6人の打者全員にまるで同じ配球」をしてる(爆笑)
この話、信じられない人は、一度この合計6人分の配球を「自分の目」でデータを確かめてくるといい。5分もかからずに、このブログの言ってることがわかるし、また、いかに「自分がいかにゲームを見てないか」もわかる。

9回は、8回と逆。
まずフォークを2球ほどみせておく。それからストレート、ストレート、ストレート」(笑)
いや、もうね(笑)何も言う言葉がみつからない。


チリの落盤事故から生還した人たちの歓喜の歌は、「チ!チ!チ! レ!レ!レ!」だったが、城島のは「フォーク!フォーク!フォーク!(8回)、ストレート!ストレート!ストレート!(9回)」だ(失笑)

ゲームログ
Yahoo!プロ野球 - 2010年10月17日 阪神vs.巨人 一球速報


仮に、あなたが野球で金を稼ぐプロの打者だとする。

もし、大事なゲームの、あるイニングで、相手チームのキャッチャーが「そのイニングの打者全員に、まったく同じ配球をしてくる」とわかっているとしたら、あなたなら、どうする。
まして、それが、ポストシーズンのあるステージの勝ち負けを決定するゲームの、それもゲーム終盤の8回、9回だとしたら?

ブログ主なら、絶対にスタンドにホームランを放り込んで、ヒーローになる。野球がメシの種なのだ。当然である。わかっている球が打てないくらいなら、野球など辞めたほうがいい。



このゲームの細かい点は(2)実戦編にゆずるとして、その前に、2つ、頭にいれておくべきことがある。
1)阪神のポストシーズンのチーム打率が、レギュラーシーズンより大きく降下したこと。一方で、巨人のチーム打率が上がったこと
2)阪神・藤川球児の持ち球は、ストレートとフォークしかないこと

1)の事態が予想された理由は、関連する現、関連する現象(セ・リーグの上位球団と下位球団の格差)なども含め、このブログで既に何度も書いている。
阪神のレギュラーシーズンの異常に高すぎるチーム打率が「ロクにスカウティングしない下位球団」を打ちこんだだけのものなので(打者によって得意とする下位球団は多少違う。城島、ブラゼルなら横浜、マートンならヤクルトだ)、強豪同士の対戦になるポストシーズンになれば阪神の打撃は急激に低迷することは簡単に予測できる。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月3日、格差社会そのもののセ・リーグの球団格差と、まやかしの打力を生み出す、遅れた日本のスカウティング・システム。

また、巨人というチームは、プロ野球セ・リーグで阪神・ブラゼルの弱点の洗い出しに最初に成功したチームであり、ポストシーズンでの対阪神戦でも、巨人のスカウティング能力の高さ(と、いっても「日本のチームにしては高い」という程度のレベルだが)をいかんなく発揮して、阪神打線を沈黙させる、という予測もできた。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年9月30日、逆転3ランを打った村田が「なぜ、あれほど勝負のかかった場面で、高めのクソボールを強振できるのか?」についてさえ、何も書かない日本のプロ野球メディア、野球ファンの低レベルぶり。


また、2)の藤川球児の持ち球についてだが、ボストン・レッドソックスの優秀なクローザー、ジョナサン・パペルボンの最近の権威の失墜ぶりと非常によく似た現象が、藤川球児にもあると考えている。

メジャーのゲームを見ない人にはわからないかもしれないが、ジョナサン・パペルボンは最近ストレートを狙い打ちされ、長打されるようになってきて、スプリット(日本でいうフォーク)を多投するようになりはじめた。
パペルボンは、いわゆる「打者、特に弱いチームの打者を見下ろす(みおろす)ような雰囲気で自慢の速球を投げこんでくるタイプ」の強気なクローザーだったが、よくよく見ると、今までも速球のコントロールは別にそれほど良いわけでもなかった。
だが、ボストンの強力打線にバカスカ打たれまくって、守備ばかりさせられて心の折れかかった負けチームの最終回の打者は、どうしても投げやりなフリースインガーだらけになりがちだ。彼らは、パペルボンの速球にまるで目が追いついていってないクセに、ボール球でもなんでも、やたらと強振してくれる。
だから、ちょっと前のパペルボンは、面白いように三振をとれた。

それが、どういうものか最近、事情が違ってきた。各チームの打者がパペルボンのボールになる速球を見切れるようになりはじめ、また、ストレートを打ち返せる打者が増えてきた

きっかけを作ったのがどのゲームか、ハッキリ思い出せないのだが、ボストンを大の苦手にしてきたボルチモアがバック・ショーウォルターを新しい監督にしたばかりの頃、9回にパペルボンを打ち崩して逆転勝ちしたゲームがきかっけだったように思う。あのゲームを境に、「パペルボン神話」というか、彼のクローザーとしてのカリスマ感は失墜していった

こうなると、変化球の持ち球の種類が少ないパペルボンは追い込まれていく。
最近のパペルボンは「打者にストレートを狙われている。投げる球がない」と感じると、スプリットを投げてくるようになった。ああなっては、やはり「クローザーとしての権威」は何ランクも落ちる。

最近のパペルボンの弱気さは、ヤンキースのマリアーノ・リベラと比べると、よくわかる。
リベラは、たとえイチローにサヨナラ2ランを浴びようが何をしようが、結局は、平然と自分の得意球カットボールをインコースに投げこんでくる。(ただ、もっと詳しいことをつけ加えておくと、最近のリベラは「ここは絶対カットボールだろう」という場面で、わざと4シームを投げたりするようにはなっている。けして昔と同じように自信満々たっぷりで投げているわけではない)
クローザーは「打者に舐められだしたらオシマイ」。そのことをパペルボン以上によくわかっているのが、リベラだ。


もし、パペルボンが、キャッチャーから、「あっさりポストシーズン敗退する阪神の正捕手さん」のような「全部の打者に、まったく同じ配球をするように要求」されたら、どうなるだろうか。


まず打者は、いくらピッチャーがパペルボンでも、バカスカ打つ。それがいくら弱小球団の下位打線の打率2割しかないような打者であっても、打つ。それがメジャーという場所の、日本のプロ野球にない怖さ、レベルの高さだからだ。
また、パペルボンはパペルボンで、「おまえ、クローザーの俺を舐めてるのか?」と怒りまくるだろう。クローザーはセットアッパーとは違う。
クローザーは抑えて大金をとっている。「どう考えてもプロのバッターを抑えられっこない、酷い配球」をしつこく要求してくるキャッチャーなど、あきらかにクローザーにとっては営業妨害だ。「全部の打者に同じ配球をするような手抜きキャッチャー」は、「クローザーの邪魔なだけ」だ。
もしそんなキャッチャーと組まされ続ければ、パペルボンも、フェリックス・ヘルナンデスや、エリック・ベダードや、ジャロッド・ウオッシュバーンのように、「自分の営業を邪魔しないキャッチャー。手助けてくれるキャッチャー」を指名するようになるかもしれない。


と。いうか、だ。

ひとつのイニングで、
6人も7人もの打者にまったく同じ配球?

そういう馬鹿馬鹿しすぎる話題について
「ありえる」とか、「ありえない」とか、
そういう議論自体、ありえない。



「ありえなさすぎる」レベルの馬鹿。
まさに地球サイズ
まさにプライスレス人災だ。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月17日、イニングに入る前から「そのイニングの全打者に対する配球をあらかじめ『ひとつ』に決めきって」、結果、ボコボコに打たれて逆転負け、ポストシーズン敗退というダメ捕手城島の想像をはるかに越えたダメリード。(2)実戦編 に続く。






damejima at 07:04

October 06, 2010

3年目に自己最多の11勝を挙げてドジャースでの3年契約を満了した元・広島の黒田のコメントが、かなり面白い。配球マニアでなくても、必見だろう。
悩める黒田 残りたい理由と戻りたい理由とは…(野球) ― スポニチ Sponichi Annex ニュース
このブログで過去に書いたことの数多くの話とも、かなり響きあうので、ちょっといくつか記事を書いてみることにした。


ただ、この黒田のコメントを読む上では、まず最初に注意を促しておかなければならないことがある。それは球種の呼び名だ。

球種の呼び方、特に変化球の呼称は、ときに日米間で大差がある場合もある。また投手ごとにも、多少違いがある。
日米間で特に呼び方の差が激しいと思う球種はシンカーやツーシームのような、いわゆる「動くボール」の類(たぐい)だと思う。日米で「シンカー」と呼ばれている球は、実際には両国で大きな違いがある。

またメディア間、選手間で「こう握って、こう変化すると、シンキング・ファーストボール」とか、「こう握って、こう変化すると、スクリューボール」とか、絶対的定義が取り決められているわけでもない。
アメリカでは、なんでもキッチリしたがる律儀すぎる日本人からしてみればルーズだと叱られそうな話だが(笑)、場合によっては「なんだかわからないものは全部『チェンジアップ』と呼んで済ましておこう。それでいいじゃん。そうだ、そうしよう」などという場合も多々ある(笑)

投手にしてみれば「いま投げたのはサークル・チェンジです。次の球はスクリューボールです。」と、記者の質問にいちいち答えるわけでもなんでもない。
だから、映像で試合を実況するスポーツキャスターが、スローVTRの再生動画をチラッと見て、握りがなんとなく「サークルチェンジ風」だから「サークルチェンジ」と呼んだとしても、当の投手本人に言わせれば「あれはシンカーだよ?何いってんの」とか、違うことを思っていることだって、よくある。


また日本のプロ野球でプレーしているのにアメリカ風の球種分類に沿って話のできる日本人投手やコメンテイターもいれば、逆に、せっかくアメリカでプレーしているのに、いつまでたっても日本風の球種分類でしかコメントできない日本人捕手(笑)・日本人投手も、いる。
例えば中日ドラゴンズの山本昌のことを「スクリューボール投手」などと紹介するサイトは数多くあるわけだが、山本昌本人は「自分の投げるシンカー系の球を、全部スクリューだと言っている」わけではない。(また本人は自分を「速球派」といっているのは有名)

実際、ある実際のゲーム後、山本昌は「打者Aにはスクリュー、打者Bにはシンカーを投げた」と、きちんとスクリューとシンカーを区別したコメントをしている
相手打者が右か左かによってボールをどちら側に曲げるかを決め、何種類かのシンカー系の球種を、しかも高低にコントロールして投げ分ける山本昌独特のピッチングスタイルは、むしろ非常にアメリカっぽい。彼のコメントのシンカーとスクリューボールの分類も、きちんとアメリカ的な分類に沿っていて、彼はコメントにおいても、この2つの球種が混同されることもない。
これはたぶん、山本昌が若い頃にドジャースのキャンプを経験していて、オマリー家の墓地で眠る故・アイク生原さんなどに変化球をたたき込まれたことが大きく影響しているに違いない。
山本昌はメジャーでの登板経験こそ投げないが、ピッチングスタイルにおいて非常にアメリカ的な部分があって、引き出しも多いヴェテランだけに、たぶんドジャース経験後の黒田と山本昌には通じ合う部分が多いに違いない。


黒田は、スカウンティングの発達により、すぐに研究されてしまうアメリカ野球を生き抜くために、たくさんの大投手たちに教えを請い、ピッチングのコツを教えてもらってきたようだ。投手王国・名門ドジャースならではの人脈も、彼に幸いしたのだろう。

黒田「メジャーはスカウティングシステムが発達していてすぐに研究されてしまう。だから常に進化していかないと、やられてしまう(中略)(だから、グレッグ・マダックスクリス・カーペンターに直接指導してもらうなどして)いろんな勉強をして引き出しをたくさんつくった。(中略)
日本では小さい頃からきれいなフォーシームを投げる練習をするけど、こっちはスタートから違う。もちろんフォーシームで結果を残す投手はたくさんいるけど、合わない投手もいる。僕が動くボールを見せることで違う方向に行けば、違った結果が出る可能性もあると気づいてもらえればいい
悩める黒田 残りたい理由と戻りたい理由とは…(野球) ― スポニチ Sponichi Annex ニュース


黒田と山本昌、引き出しの多い職人気質のヴェテラン投手2人のピッチング談義があったら、ぜひじっくり見てみたいと思う。彼らのようなスタイルのヴェテランの話にこそ「メジャーでも通用する日本人投手の新しいピッチングスタイル」「日本野球のレベルを一段引き上げる日本の投手の新しいスタイル」が見えてくるかもしれないと思うからだ。



余談だが、この10年の長きにわたって、シアトルが投手の育成やトレード、バッテリーワークの構築において犯し続けてきた根本的な間違いも、たぶんこういうところにある。
シアトルが育ててきたのは、「4シームがちょっとばかり速いだけで、後は何もない投手」だが、彼らは、黒田投手の言葉を借りれば、『引き出しのまったく無い投手』ばかり」であって、スカウンティングが発達し、打者の対応技術も高いアメリカでは、そんな投手たちはすぐに何の役にも立たなくなる。

なのにシアトルは、誰が陰でこのチームを指揮してきたのか知らないが、「ストレートの速い投手ばかり並べて、日本人キャッチャーが決め球のストレートをアウトコースの低め一杯に決めさせる」なんていう思い込みひとつで、大金をかけてチームをがむしゃらに作り上げてきた。
そのセンスの、まぁ、老人臭いこと、カビ臭いこと。野球の世界にまだ球種自体が少なくて、速球投手全盛だった村山江夏の時代の日本野球じゃあるまいし。
誰がこのチームにクチを挟み続けてきたのか知らないが、この西海岸のチームだけは、広いメジャーの片隅で、こっそりと、そういうカビ臭い懐古趣味の実験を、10年もの間、続けてきたのだ

勝てるわけがない。






damejima at 21:16

October 04, 2010

9月26日の記事で、
「日本のプロ野球セ・リーグではいま、ちょっとやそっとの補強では埋められないほど、チーム別スタッツに大差がついている。」と書いた。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年9月26日、ソフトバンク優勝でハッキリした「城島獲得を渋ったかつての投手王国ソフトバンクと、高額ダメ物件・城島に手を出した阪神」との大差。

城島が3割バッターをズラリと並べながら横浜・村田に9回逆転3ランを浴びて無様に優勝を逃した頃、ほぼ同時に「横浜が身売り」「阪神マートン・シーズン安打記録更新」「有力な選手多数のメジャー移籍」などのニュースが日本の野球界を賑わせているが、それらのニュースにはすべて同じ底流が流れていると思う。
それは「拡大と固定の一途を辿るチーム間格差」だ。

ちょっとセ・リーグ某球団の3人のバッターの対戦球団別スタッツを眺めてみる。(日本時間2010年10月4日現在(たぶん(笑))。A〜Eは対戦相手で、全てセ・リーグ)
誰でもわかる際立った特徴があるから、3人のプレーヤーの名前と所属球団を特定するのは、数字に慣れている人ならまったく難しくない

打者A
  打率 打数 安打 HR 打点 三振 四球 死球
A .236  89  21  4  11  5  3  4
B .276  87  24  3   9   8  5  4
C .295  88  26  7  21  8  5  2
D .278  97  27  8  20  9  1  5
E .382  89  34  3  15  10  5  0
チームEを除いて再計算すると、リーグ内シーズン打率は.271
交流戦パ・リーグ上位2チームに対する打率は.250、.267

打者B
  打率 打数 安打 HR 打点 三振 四球 死球
A .239  92  22  6   8  27  4  1
B .228  92  21  5  19  35  3  0
C .315  89  28  5  21  19  5  2
D .327  101  33  7  19  25  4  1
E .402  87  35 14  31  19  5  0
チームEを除いて再計算すると、リーグ内シーズン打率は.278
交流戦パ・リーグ上位2チームに対する打率は.067、.273

打者C
  打率  打数 安打 HR 打点 三振 四球 死球
A .292   96  28  2  10   8   9  0
B .302  106  32  6  18  11  4  1
C .455  101  46  4  22  13  5  0
D .356  101  36  4  24  11  11  2
E .370   92  34  0   6   7   9  0
チームA、Bのみ対象に再計算すると、シーズン打率は.297
交流戦パ・リーグ上位2チームに対する打率は.412、.250
「無安打が27試合ある一方、猛打賞23試合と固め打ちが目立つ」(某国内メディア)のも当然。特定チーム相手に安打数を稼いだ

ついでに、打者Aが打ったホームランのうち、7月中旬以降にホームランを打った相手球団をアルファベットで並べてみる。C、D、Eばかりなのがわかる。

E C C A D D D D C C E B D D


もちろん、わかる人は既におわかりのように、上に挙げた3人の打者の所属球団は「阪神」であり、また打者Aは「ダメ捕手城島」である。
彼らは下位球団との対戦でのみ「4割前後もの超高打率」を残し、打者Bなどは「単一チーム相手に14本ものホームラン」を記録し、打者Cは「単一チーム相手に46本ものヒット」を記録している。
セ・リーグ下位球団が、上位球団の一部バッターに、どれほど異常な高打率 (あるいは多数のホームラン) を供給し続けているか」、説明しなくてもわかると思う。


こうした異常事態は、既に何人かのプロ野球ファンが気づいてブログ等で記事にしている。
こんな単純なデータが頭に入っているだけで、ダメ捕手城島が「お客さん」であるはずの横浜に逆転3ランを供給したことの惨めさや、その後の「お得意さま」広島戦で無駄に城島が「想定内ホームラン」を打つことの無意味さは、子供でもわかるのである。(メジャー時代にも城島は同地区の弱小チーム、オークランド戦などでばかり打っていた)

だから、メジャーから逃げ帰ったヘボ打者が下位球団だけを相手に達成するかもしれない「まやかしの3割30本」などより、いま日本のプロ野球にとって大きな問題だと思うのは、9月30日の記事でも書いた「なぜ日本のスカウティングがこれほどまでに遅いのか。十分に機能していないのか」という点のような気がする。
どうも、データを見るかぎり、下位球団に限って、苦手な打者にいいように打たれまくっているのを「放置」しているのではないか、という気がしてしょうがないからだ。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年9月30日、逆転3ランを打った村田が「なぜ、あれほど勝負のかかった場面で、高めのクソボールを強振できるのか?」についてさえ、何も書かない日本のプロ野球メディア、野球ファンの低レベルぶり。


プロ野球ファンの人たちは現状をどう感じているのだろう。

例えば「有力選手多数のメジャー流出」という話だが、もしブログ主が「リーグ下位球団に所属する数少ない主戦投手」だとしたら、チームにさっさと見切りをつけて「メジャー移籍」に走る。
理由は、「リーグの上位球団に有力プレーヤーがますます集まる現状があって、どう戦っても勝てそうにないから」というのではなくて、むしろ「自分の所属する下位チームが、きちんと対戦相手を研究せず、また研究結果をできるだけ早くゲームに生かそう、苦手な対戦相手をなんとか負かそうという姿勢にあまりにも欠けていて、無為無策に負け続ける」からだ。

野球選手には「優勝できる球団でなければやりたくない」という選手ばかりがいるわけではない。「自分の置かれた限定された境遇に負けずになんとか頑張って、好成績を残したい。チームに貢献して上位にしたい。優勝したい」と考える男気のある選手も少なくない。
しかし、それにしたって、2010シーズン終盤に快進撃したボルチモアのように、ボストンのクローザー、パペルボンすら打ち崩して自信を取り戻し「有名選手が集まっていなくたって勝てるんだ!」と気概に燃えていればともかく、現役時代の秋山が入団する前のソフトバンクのように練習はロクにしないわ、シアトルの無能なベンチコーチロジャー・ハンセンのように練習の狙いそのものがあまりにも的外れだわ、セ・リーグ下位球団のように、打たれまくっている打者がわかっているのに何度でも打たれ続け、負け続ける、なんて事態が長く続けば、誰だって嫌になる。
嫌にならないわけがない。


どうもブログ主には「日本、特に下位球団では、相手チームのスカウティングをあまりに怠っているか、たとえしていても、対策速度があまりにも遅すぎる」という問題が、結果的に「下位球団(特にセ・リーグ)の異常な弱体化」を招いているような気がしてならない。(以下にオリックスの例を挙げた。対戦チームが同じリーグだけみても5チームあるのに、どうすると4人でデータが満足に収集できるというのか)

例:上位チームと下位チーム スコアラーの人数格差
セ・リーグ優勝の中日 10人
オリックス        4人
4人じゃ勝てない オリックス データ収集から見直す(野球) ― スポニチ Sponichi Annex ニュース

原因は何だろう。下位球団に金がなくて、分析スタッフを雇ったりデータを買う予算がないのか。データ自体を軽視して、昔ながらの勘だけで古臭い野球をやっているのか。データに金をかけるくらいなら選手に金をかけたほうがいいとでも思っているのか。それとも、いい捕手を育てるための素材や育成スタッフに恵まれないのか。それとも、野球はいくら打たれても、自分も打てばなんとかなる、とでも思っているのか。
詳しいことはよくわからないが、まぁ、何億もかけて見かけ倒しのキャッチャーを買ってくるより、数千万円程度でデータを買って既存の給料の安いキャッチャーに覚えてもらうほうが、よほど大金を使わずに済ませられると思うのだが、どういうものか、「同じ打者に、何度でも、何十回でも、果てしなく打たれ続ける球団」は無くなりそうにない。

よく、いい選手には打たれてもしょうがない、と言うが、この場合どうだろう。
上の3人の打者のデータで、Eというチーム(横浜だが)の死球数を見てもらうとわかるが、チームEは3人の打者にただのひとつも死球を与えていない。もちろん打者にぶつけろなどと言っているのではない。そうではなくて、要は、「きわどいところにズバンと決めにいくような厳しい攻めをしてないのではないか」と言いたいのである。

もちろんメジャーには来たい選手はどんどん来ればいい。誰だっていつか世界最高峰の舞台でプレーしたいと願うのが当然だ。
だが、もし、こういう下位球団の抱える問題が放置されて招いたデメリットとして、「せっかく下位球団で頑張ってきた主力選手の『我慢の糸が切れた』ためのメジャー流出」や、「勝てない下位球団の赤字による身売り」が発生しているのだとしたら、そういうネガティブな方向で達成されるメジャー移籍やフランチャイズ分散はちょっといただけない事態だと思う。
メジャー移籍やフランチャイズ分散はもっとポジティブな意味で実現されるべきだし、これでは日本野球の体質改善が進みっこない。


だからこそ、飛ばない国際球(あるいはメジャーのボール)への対応を進めるどころか、かえって「飛ぶボール」を採用し、打てる打者をズラリと揃えて、スカウティングが弱体で投手力も弱い下位球団だけを打ちまくった挙句に、やがてスカウティングの遅い下位球団にすら研究されはじめると途端に打てなくなって得点力が急降下していき、最後の最後に、お得意さんのはずの球団から劇的な9回逆転3ランを食らって優勝を逃す球団の正捕手が「どれだけ恥ずかしい」か。

この恥は野球史に残るレベル、と言うのは、そういうことだ。






damejima at 19:46
かつて2008年にダメ捕手城島が選ばれた名誉ある(笑)賞のひとつに、ESPNの有名記者Jason Starkが選定するLVP (Least Valuable Player)という賞がある。
日本語でいうなら、彼が選定する「ワーストプレーヤー」だが、毎年、オールスター前までの上半期と、フルシーズンの2つが、野手、投手、監督について発表されている。

2008年の城島はこのLVP(Least Valuable Player)を、上半期とシーズンの両方を同時獲得(笑)していて、まさに誰も文句のつけられない、押しも押されぬピカピカのLVP様だった(笑)(Jason StarkがMLBに携わる記者の中でどれだけ影響力の大きい人物かは、過去記事参照)

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2008年7月12日、城島はESPNのMLB専門記者Jason Starkの選ぶ上半期ワーストプレーヤーに選ばれた。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2008年9月28日、ESPNのJason Starkは城島をア・リーグ年間ワーストプレーヤー、「LVP」に選んだ。



そのJason Stark、今年2010年の上半期LVPに選んだのは、我らが「使えないチビ」こと、ショーン・フィギンズだった。
Please don't go back and read all the stuff we wrote this past winter when the Mariners signed Chone Figgins.
Jason Starkは、前年の冬にフィギンズ移籍について書かれたESPNの記事のフィギンズに対する期待感の全てを取り消して、その上で「チームオフェンスの醜い終焉を招いた」と、かなり口汚い言葉を使って、フィギンズの酷さをこきおろした。もちろん、それが当然の行為、当然の成績である。
ちなみに、彼がア・リーグの投手から上半期のMVPに選んでいるのはクリフ・リーで、これも異存のないところ。上半期、自軍のブルペン投手の酷さに手を焼いたロブ・ジョンソンの苦労も多少報いられることだろう。
MLB: Joey Votto, Cliff Lee and Carlos Zambrano among the midseason award winners - ESPN


さて、10月2日になってJason StarkはさらにシーズンLVPを発表した。

年間LVPに選ばれたのは、なんと個人のプレーヤーではなく、「イチローを除くマリナーズの打者全員」(笑)Jason Starkがこういう選択の仕方をしたのは初めて見た(笑)彼は選択理由のコメントの中でこんな意味のことをガッツリ書いている。

「そりゃ、まぁ、上半期LVPはショーン・フィギンズをワーストプレーヤーに選んだわさ。でも、な。よくよく考えてみるとだな、近代以降のア・リーグのありとあらゆる打線の中で、なんのためらいもなく「最低最悪」と言い切れる2010年マリナーズ打線(イチローを除く)にあってだ。フィギンズだけをLVPに選ぶのは、フェアじゃないわな」
Back at the All-Star break, I handed out the prestigious LVP of the Half-Year non-trophy to Chone Figgins. But upon further reflection, I concluded it just wasn't fair to single out one hitter in what we can now safely proclaim as The Worst American League Lineup of Modern Times.
Honoring 2010's most valuable and least valuable players, Cy Youngs and Yuks, rookies and managers - ESPN

とか、なんとか、言いながら、Jason Starkは、ア・リーグ年間LVPの次点筆頭に、しっかりと「ショーン・フィギンズ」の個人名を記している(笑)(こういう慇懃無礼さは、欧米にはよくある)Starkがフィギンズの年間成績を批判してない、なんてことは、まったくない。(また、フィギンズの次にはミルトン・ブラッドリーの名前もある。)
いうなれば、2008年の城島に続いて、2010年のショーン・フィギンズは、上半期と年間LVPをほぼ受賞したに等しい。まぁ、当然の判断だ。

というか、
(イチローを除いて)近代以降のア・リーグ最悪と言い切れる打線を編成した責任は、それこそ「誰がどうみたって」GMズレンシックにあるのだから、Jason StarkとESPNの指摘する2010年の年間LVP、というか、2010シーズン最悪の非貢献者は、誰がどうみたって「マリナーズの無能GMズレンシック」ということになる。

それはそうだ。
この打線を組んだのは他の誰でもない。当然だ。
近代以降ア・リーグで最も失敗したGMのひとりになれて、おめでとう、ズレンシック。






damejima at 02:15

September 30, 2010

昨夜、甲子園球場で、とてつもなく面白い「見世物」が行われた。阪神対横浜戦で、横浜・村田が3ランを打ち、阪神が優勝を逃したことが決定したのである。
Yahoo!プロ野球 - 2010年9月30日 阪神vs.横浜


ソフトバンクは、ダメ物件城島に手を出さず、リーグ優勝を果たしたが、その一方で、阪神はわけもわからずダメ物件城島に手を出し、「できたはずの優勝」を「わざわざ自分の手で遠ざけた」のである。そればかりか、阪神の城島獲得は、矢野、下柳の退団を招き寄せ、チームと、阪神OBや現役のベテラン選手、古くからチームを支え続けてきた阪神の固定ファンとの間に、深い亀裂まで生んだ。
参考記事:ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年9月26日、ソフトバンク優勝でハッキリした「城島獲得を渋ったかつての投手王国ソフトバンクと、高額ダメ物件・城島に手を出した阪神」との大差。


ブログ主の中では、今後どこのチームがセ・リーグで優勝しようと、昨夜の濃いゲームは「球史に残る迷試合」だったと思っている。もちろん押しも押されぬ主役はダメ捕手城島だ。
昨日の「迷試合」のおかげで、2007年にMLBア・リーグ西地区でシアトルが地区2位になったことの「意味」も、あらためて明らかになった。あれは「2位に健闘した」のではなく、「十分優勝できたにもかかわらず、今シーズンの阪神の正捕手さんがたびたび見せたキャッチングミスのように、ポロリと優勝のチャンスを自分からこぼしただけのことだった」という確信が、あたらめて得られた。
もちろん、この確信が揺らいだことは今まで一度たりともないが、今年の阪神を見て、十分すぎる確証が得られた。

まぁたぶん、今シーズンの阪神関連メディアも、阪神ファンも、「2007年の地区2位の意味」を大きく勘違いしたシアトルのフロントやファンと同じように、「今年は大健闘だ。いいシーズンだった」とかなんとか言って、阪神が3割打者を6人も並べながら優勝できなくて大恥かいた大失敗のシーズンを、むしろ高評価して、一生勘違いしたまま、これからも生きていくに違いない(笑)


それにしても。

昨夜の試合で、9回表無死1、2塁で逆転3ランを打てた横浜・村田が「なぜ、あれほど勝負がかりの場面で、阪神のクローザー・藤川の高めのクソボールのストレートを思い切り強振できたのか?」という、野球的に大変興味深いテーマについて、ウェブでほとんど誰も触れてないのは、なぜなのか。


例えば、去年2009年の9月18日、イチローがヤンキースのクローザー、リベラの初球、インコースのカットボールをサヨナラ2ランしたが、あれは「2009MLBの名シーン・ベスト10」みたいなランキングに選ばれている。
いまでも、映像など見なくても、ホームランの弾道まで鮮やかに思い出せる。後にフィリーズに行ってしまったマイク・スウィニーの素晴らしいツーベース。初球にリベラが投げたカットボールを予測し、まるで吸い込むようにスイートスポットに呼び込んで、ライトスタンドへ叩き込むイチロー。なにもかもが、忘れられない名シーンだ。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年9月18日、イチローの超劇的サヨナラ2ランで、シアトルの「キング・オブ・グラウンドボールピッチャー」ヘルナンデスが16勝目を挙げたNYY戦を「カウント論」で振り返る。

Ichiro's walk-off shot stuns Mariano, Yanks | Mariners.com: News

そりゃそうだ。「殿堂入り確実のクローザーから、それも、彼の球史に残る決め球を逆転サヨナラホームランする」なんて鮮やかすぎる場面が「名場面」でなければ、どの時代の、どれが名場面だというのだ。


それと同じで、阪神の名クローザー・藤川の決め球である「速球」をスタンドに放り込んで、阪神の優勝を阻止した村田の逆転3ランホームランは、間違いなく「野球史に残る名場面」のひとつだが、誰もその「名場面」を誰もきちんと書きとめておこうとしない。本当に馬鹿げている。
江夏の21球」ではないが、こういう「ディテールの深さと熱さ」こそが、野球というスポーツを見る上で最も面白い部分のひとつなのに、誰も積極的に触れようとしていない。

メディアもファンも、やっているのは、「負けたのは誰のせいなのか」という責任追求や、的外れな「シーズンの反省」、「引退が予定されている矢野捕手をどこで出場させるべきだったか」という結果論、「来年獲得したい選手」の夢物語、そんなものばかり。
そしてネットでは、いつものように城島オタが必死になってIPアドレスを変えながら必死に掲示板に書き込み続けている。彼らがやっているのは、「城島がかわいそう」だのという、いつもの印象操作(笑)と、シアトル時代同様の「投手への責任転嫁」(笑)
どれもこれも、ただただ無意味で、的外れ。なおかつ、悪いことに、見苦しい。ブログ主はシアトル時代の城島で見飽きている。


まぁ、城島オタのつまらない言い訳と逃げ口上はいつものことだとしても、阪神ファンにしても、「よくまぁ、そんなつまらない野球の見方で野球を見てるね。退屈しないの?」と、いつも思う。

最低でも以下に挙げるポイントくらいは触れて話をしてくれないと、どこをどうすると、この阪神・横浜戦の村田の2本のホームランの面白さ、そして「城島問題」とのかかわりを語れるというのだ。


横浜・内川は、最初の打席では、能見・城島の阪神バッテリーに併殺打を打たされたが、最後の打席では、クローザー藤川から四球を選んでいる。内川の2つの打席の「結果」こそ異なるが、実は、「配球」は、まったく同じ「アウトロー・インハイ」というワンパターンな配球だったのだ。

ダメ捕手城島は、「高めのボールになる釣り球」を今シーズンずっと使ってきた。
球種としてフォーク(=MLBでいうスプリット)を使う投手の多い日本の野球では「高めのストレート系の釣り球とフォークを組み合わせる配球」は非常に多く使われるが、城島もその「高めの釣り球の直後に、フォークを落とすという配球」を多用したがる。さらにいえば城島は「釣り球の後のフォークで討ち取れなければ、2球続けてフォークのサインを出す確率が、けして低くないキャッチャー」だ。

そして、昨日の阪神対横浜戦では、試合前半の横浜のヒットの大半が、「フォーク」を打ったヒットだった。

また、城島がこの日使った配球パターンは、「高低」、「アウトロー・インハイ」、「左右」のほぼ3パターンに絞れていたのだが、内川と村田という、横浜打線に並んでいる2人の右打者に関してだけいうなら、城島は「内川と村田に続けて同じ配球パターンを使わない」という傾向が見てとれた。
だから、村田がもし気づいていれば、「内川の打席での配球を観察してさえいれば、その配球パターンが自分の打席では使われない」ことが打席に入る前からわかっていたはずだ。


配球といえば、いままでシアトルと関係ない話なので書かなかったが、今シーズンの阪神・ブラゼルシーズン終盤に打てなくなることはわかっていた。
きっかけは、(いつのゲームだったかは忘れたが)巨人・阪神戦の試合映像をどこかのサイトで見たときだ。巨人のキャッチャー阿部が、「ブラゼルのインコース」を執拗に突いてみせたときに、ブラゼルが異様なほどアタフタしているのを見て、すぐにピンときた。「なんだ、このバッター。いままでよほど自分の弱点を突かれまってこなかったのか。今までは、好きなように振らせてもらえてきた、ただ、それだけなんだな。」と。
実際その後、データなどで見るかぎり、ブラゼルの弱点は「各チームによって一ヶ月にひとつ程度のベースで次々と発見されて、それぞれのチームが実際のゲームで攻略パターンとして使って」きていて、今ではブラゼルの弱点は広く知れ渡っている。
例えば、「連続的なインコース攻め」、「ホームベースの真上に落ちてボールになる変化球」、「高めのボールになるスピードボール」などが、各チームがそれぞれに発見したブラゼルの弱点だが、いまやブラゼルは「どこにどう投げると凡退してくれるかが、かなりスカウンティングされたバッター」になってしまっていて、もう怖いバッターでもなんでもない。


だが、肝心の阪神ファンはというと、あいかわらずスタジアムで大声を上げ、メガホンを打ち鳴らし、応援歌を怒鳴っているわけだ。
こういう姿に「なぜ日本のスカウティングがこれほどまでに遅いのか。十分に機能していないのか」という理由が、多少かいま見える。


要は、
「誰も彼も、ゲームをきちんと見ていない」のだ。

だから日本の野球チームも、日本のメディアも、日本のファンも、見ていてつまらない部分が多すぎる。「相手バッターの最も得意な球を、わざわざ投げて打たれまくる野球」を見て、どこをどうすると「楽しい」と思えるのか、ブログ主にはわからない。
(もちろん、MLBにも「つまらないチーム、つまらない野球」はある。シアトルのアダム・ムーアの悪送球で2失点するゲームだの、2Aレベルの無能キャッチャー、キロスが再コールアップされて逆転負けするゲームなんか見ても、死ぬほどつまらないのは当然だ。あんなの、語る価値すらない。ただ、これは、シアトルのマイナーのコーチ陣が、ロジャー・ハンセンはじめ日本のプロ野球にかかわった経験のある人間ばかりだというせいもある。だから、シアトルのマイナーから上がってくる選手たちの「野球」が、どこか「日本的」で、単調で、ミスだらけなのは、当然といえば当然なのだ)



そりゃときには日本のゲームでも、面白いところを探してみることも、できないわけでもない。

例えば、いいキャッチャーかどうかは別にして、巨人の阿部というキャッチャーはなかなか面白い。それは「ただでさえ分析速度の遅い日本のプロ野球で、今シーズン、最も早く阪神・ブラゼルの弱点を発見し、対処したキャッチャー」からだ。
この阿部によるブラゼル攻略の成功は、やがて「ブラゼルの強打を怖がってばかりいた他チーム」に非常に強い影響を与えた。どこのチームも、それまでは逃げ回りながらこわごわストライクをとりにいって失敗してばかりいたのだが、今ではそれをやめて、むしろブラゼルの弱点のひとつであるインコースをズバズバ突くようになってきた。そのターニングポイントを作ったのが、たぶん阿部の発明した「ブラゼルのインコース攻め」だったのだろうと思っている。(なにせ日本プロ野球全体までは把握しきれないので、正確なことはわからない)
ブラゼルの対戦チーム別打率
中日   .239
巨人   .228
ヤクルト .315
広島   .327
横浜   .402

巨人・阿部とは逆のキャッチャーも挙げておくと、データ上で見るかぎり、例えばヤクルトの相川というキャッチャーなどは、「引き出し」が少なく、探究心のあまり無いキャッチャーのひとりで、「何回打たれても、同じチーム、同じバッターに、同じような攻めを繰り返したがるキャッチャー」に、どうしてもみえる。
というのは、彼は「どこが対戦相手だろうと、ワンパターンな自分の引き出しにある攻めだけしか実行しないからだ。

だからこそ阪神がヤクルトのホームグラウンド神宮でゲームをすると、相川がリードする投手たちが「まるで神宮球場が『阪神の第二のホームグラウンド』ででもあるかのように」、ボコボコ打たれる。
例えば相川は現実に、ヤクルト対阪神戦のランナー無しの場面で、城島に、「早いカウント」で、「インコース」に、「ストレート」のサインを出すような馬鹿なサインを出して、ソロホームランを浴びたりしている。
城島にとって「ランナー無しの場面での、早いカウントのインコース」は、「追い込まれたらアウトローの変化球で三振してしまう自分が、バットを迷うことなく強振できる、数少ない典型的な『場面』と『コース』」なのであり、「ストレート」は「変化球が苦手な城島が、唯一、長打を打てる球種」だ。
相川は他にも、ボール球を振らせて三振か内野ゴロにしとめるだけですむブラゼルに、「ストライクで正面から勝負しにいって、長打を打たれたり」している。それも一度や二度ではない。



こういう「キャッチャーの差や、配球から、野球を見る面白さ」というのは、別の言い方をすれば、「推理する楽しみ」でもある。
もちろん、この楽しみを別に人に押し付けようとは思わないが、たとえ負け試合でも、なぜ打たれたのか考える楽しみも生まれるし、「たとえ自分の大嫌いな選手でも、その選手のクセを面白がる楽しみ」も生まれるから、野球を人の数倍楽しめる。


例えば、横浜の村田というバッターは、彼の人柄の良し悪しはどうであれ、個人的には「打者のタイプとして、かなり嫌いなタイプの打者」なのだが、昨日の2本のホームランで、最初が「フォーク」、そして2本目が「高めの釣り球」だったことは、本当に素晴らしい才能の持ち主だと思う。相手キャッチャーの戦略を完全完璧に叩きのめした村田という打者に、非常に高いクレバーさを感じる。


村田が素晴らしいのは、この2本のホームランを、「腕っぷし」ではなく、「頭」で打ったことだ。
フォークは、この日、この日のゲーム開始からずっと、城島が「決め球」に決めていた球種である。阪神先発・能見も、クローザー藤川も、フォークで決めるパターンを使っている。
それは、単に藤川がフォークを使いたがるから、だけではない。キャッチャー城島がそういう配球パターンばかり要求するから、能見も、藤川も、同じ配球パターンを使うのである。そして、その「ワンパターンさ」は、横浜の主軸打者にはすべてバレている。

では、具体的に見ていこう。

9回表、横浜の攻撃。先頭打者・松本への配球
明らかに「高低を利用した配球」。2ストライクと追い込んだ阪神バッテリーは、「高め」に1球遊んでおいて、4球目に勝負球「フォーク」を投げ、空振り三振させようとした。
しかし追い込まれた松本は、この「勝負球のフォーク」を振らなかった。そのため藤川は松本を凡退させる手段がなくなってしまい、もともと球種の少ないピッチャーである藤川のほうがかえって追い詰められていく結果になった。「ファンの矢野コールの影響」など無関係だ。(ファンの矢野コールの意味についてはどこか別のサイトをあたられたい)
2010年9月30日 阪神対横浜 9回表 打者:松本 投手:藤川


9回の2人目の打者、横浜・内川への配球
能見・城島の阪神バッテリーに併殺打を打たされた第1打席と、9回に藤川から四球を選んだ打席が、まったく同じ「アウトロー・インハイ」の配球パターンだったことは、既に上に書いた。
内川は、最初の打席でこそ併殺打を打たされたが、9回の重要な打席ではこの「アウトロー・インハイ」パターンに引っかからず、見事に四球を選んでみせて、主砲・村田にバトンをしっかりと渡した。素晴らしいチームプレイだ。
2010年9月30日 阪神対横浜 9回表 打者:内川 投手:藤川


このシーズンの城島が多用している「高めの釣り球」は、この日も「ストレートを投げた直後のフォークの効き目を増すための、撒き餌」として使われている。
9回表の先頭打者、横浜・松本には追い込んでからの3球目に撒き餌として「高めの釣り球」を投げておき、直後にフォークを投げているが、他のイニングの打者のデータも調べるとわかるが、このゲームで城島は何度も何度も、この「釣り球の高めストレートの後に、フォークを落とす配球」を使っている。(ちなみに、シアトル時代の城島はこうした「高めの釣り球多用」はやってない。というのは、MLBの投手でスプリットの使い手が少ないからだ)
9回表の先頭打者・松本への「フォーク」を見て、たぶん村田はウェイティング・サークルから見ていて「また、そのパターンか(笑)」と思い、さらに内川の打席で「アウトロー・インハイ配球」が使われたのを見て、自分の打席で使われる配球パターンを「消去法」から、「高めストレートで釣った後、フォーク」と確信したはずだ。

村田は、このゲームの序盤で既に「決め球のフォーク」をホームランにしてみせている。それだけでもたいしたものだが、その1本だけで終わることはなく、なんと彼は9回表の土壇場でも落ち着きはらって、藤川が決め球のフォークを投じる前の、ウエスト(=故意にボールにするという意味。「ピッチアウト」ではない)する「撒き餌の釣り球ストレート」をスタンドに放り込んでみせたのである。

そりゃ、本人が試合後に「2本とも完璧でした」とコメントするわけだ。まさに完璧な「頭で打ったホームラン」である。


ブログ主は、阪神のキャッチャー城島が、横浜・村田への配球として、高めの釣り球のストレート、その次に「フォーク」のサインを出すつもりでいたことは「絶対に間違いない」と確信している。

9回表、村田への配球。3ランホームラン

2010年9月30日 阪神対横浜 9回表 打者:村田 投手:藤川


村田は、「カウント2ナッシングから、高めにまず釣り球のストレートを投げておき、次に、低めのフォークでゴロを打たせる(あるいは空振り三振させる)」という、「城島の単純な配球パターン」を、自分なりにスカウティングしておいてから打席に立っていたはずだ。
(もし村田がやったような城島の配球に対するスカウンティングを、シーズンのもっと早い段階で他チームがやっていたら、城島のワンパターンな配球がもっと早くバレて、もっと早くから阪神の投手を打ちこむことができていただろう)

もっと短く書けば、ブログ主は村田が「城島の配球を読んでいた」からこそ、たとえ「高めに外れたボール球」でも強振できたと考えるのである。


こういう「読み」がピタリとはまる快感。
これが、野球というゲームの極上の面白さのひとつだ。


もう一度言わせてもらうが
こんな程度の誰でもわかることすら想像せず、野球を騒々しく応援してばかりいる日本のスポーツメディアも、ファンも、何が面白くて野球を見ているのか。

こんなことだから、実はもう、とっくに存在している「阪神タイガースにおける城島問題」、つまり、城島と、阪神の投手陣、ベテラン野手、阪神を支えてきたOB、阪神の古くからの固定ファンたちとの関係の亀裂の深さが、世間にバレることもないまま、問題が今後しばらく継続し続けるのはほぼ確実だろう。
このブログが何年もかけて指摘してきた「城島のクセ」が、これほど毎日毎日、目の前でエンドレスに繰り返されているというのに、日本のスポーツメディアも、ファンも、よく飽きないものだ。
こんなことだからメジャーで打率2割に落ちるところまで研究し尽くされた城島が、20本前後もホームランが打ててしまうような、「敵のパターンを研究し尽くしもせずに放置しておく、なまぬるい野球」が続いてしまうのだ。

よく「あれほどあからさまな、城島の配球と打撃のクセ」に気がつかないものだ。感心する。


ああ。そうそう。言い忘れた。
9回裏の先頭打者・城島の無様(ぶざま)すぎる三振は、ある意味逆転ホームラン打たれたことよりもずっとチームへの影響が大きかったと思う。なぜなら彼は「打撃で大金をもらっているキャッチャー」なのだから。

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damejima at 18:05

September 27, 2010

ソフトバンク2010シーズン優勝。
あの高額ダメ物件、城島に手を出さなかったソフトバンク側の選択の正しさが、これで証明された


今シーズンのソフトバンクの優勝を特徴づけるのは、「2ケタ以上勝てる計算のできる先発投手が2人しかいなかったにもかかわらず、優勝できたこと」だ。
これは、現代野球のチームマネジメントを考える上では、非常に画期的な出来事だと考える。

有力投手を同じチームに3人以上揃えることは、けして簡単ではなくなってきているにもかかわらず、アトランタの投手王国時代を作ったグラビンマダックススモルツではないが、優勝チームをつくるとしたら主軸投手はやはり3人欲しい、と、誰しも考える。理由は簡単だ。それが「楽に優勝できる道」だからだ。
そういう楽なことは、プロ、素人に関係なく、誰でも考えつく。その一方で、楽でない状況のもとで優勝するのは、誰にでもできることではない。

今シーズンのソフトバンクは、10勝以上をあらかじめ計算できる先発投手が和田杉内の2人しかいないにもかかわらず、ブルペン投手(ファルケンボーグ、摂津、馬原など)の優秀さで、先発投手の枚数が十分とはいえないチーム状況を補って、チーム防御率をなんとか3点台に収めることに成功し、優勝を勝ち取った。(斉藤和己新垣が2桁勝利を記録したのは2006年まで)
なにも10勝以上できる投手が4人いなくても優勝できる方法はある、という実例を示したわけだ。(もちろん、こうした形の優勝を実現するためにキャッチャーの果たす役割は、日本では大きい)

もちろん、「キャッチャーのせいで10勝以上の投手が2人しかいない状況ができてしまっているどこかのチーム(笑)」とは根本的に意味が違う。
もし今年のソフトバンクに城島がいたら、2線級の先発が打たれまくるシーンや、ゲーム中盤・終盤にブルペンが打たれて逆転される場面が多数見られたに違いないのに。たいへんに残念なことだ(笑)
「SBM」が支えた!合計防御率1・71 - 野球ニュース : nikkansports.com


シーズン終盤ギリギリの優勝決定という事実でもわかるとおり、もし、ほんの数試合クロスゲームを落としているだけで、この優勝はなかっただろうし、また、ソフトバンクが最下位に終わった2008年のようにチーム防御率が4点台に落ちていたら、優勝どころか、クライマックスシリーズ進出も危ういものになっていたかもしれない。
もちろん、逆に言えば、阪神はこの高額ダメ物件に手を出さなければ、3割バッターを5人も6人も抱えていながらシーズンを楽勝できない、などという大恥をかくようなハメにならずに済んだ、ともいえる。
参考)阪神のシーズン打率.289の意味
創設以来チーム打率.268の高率を誇るヤンキースだが、第二次大戦後にチーム打率.289以上だったのは、2007年の1回のみしかない。また非常に打者有利な球場をホームにしてバッティングスタッツが異常に高いことで知られるコロラド・ロッキーズは、創設以来の打率が.277と異常に高いが、チーム打率.290以上を記録したのは98年、2000年、2001年の3回のみ。つまり、チーム打率.289なんていう数字は、ちょっとした天文学的数値。



その意味で、防御率のほんのちょっとした違いは、実に重要だ。もしソフトバンクが血迷ってダメ捕手城島を獲得でもしていたら、この優勝はありえなかった。

優勝決定時点での防御率
ソフトバンク 3.89
西武     4.21


日本のプロ野球セ・リーグではいま、ちょっとやそっとの補強では埋められないほど、チーム別スタッツに大差がついている。
例えば、下位2チームの防御率は4点台後半で、どう打線が頑張ろうと、Aクラス入りはもともと無理だし、それらのチームがたとえ無理して大金を払って10勝できる投手を1人補強できたとしても、優勝などありえない。打撃も、打率やホームラン数をみるだけでわかる通り、チームごとの偏りはひどい。
というか、下位球団が有力投手や強打者をトレードで獲得すること自体が無理になっているわけで、つまりセ・リーグでは、有力先発投手、主軸打者の両方が、ごく一部のチームにのみ非常に偏って存在し、上位チームと下位チームの逆転自体がありえないものになりつつある。

だから、セ・リーグではシーズン順位が上位に来るチームは毎年あらかじめ決まってきている。もちろん日本に逃げ帰るにあたって城島が選択した「阪神」もそのひとつだ。
いまの阪神は、「かつてのような、生え抜きが多く在籍していて、防御率のいい阪神」とはまったく違い、いまや国内の他チームとアメリカの選手を寄せ集めてできた「かつてのヤンキース的な寄せ集めチーム」のひとつであり、城島が阪神を選択したのは「自分が頑張らなくても勝てるチームに行きたかった、というだけの生ぬるい選択」で、寄らば大樹の陰、というだけの話だ。

だが、パ・リーグのチーム別スタッツは、セ・リーグほどの「あからさまな大差」はない。
それだけに、2000年代中期のように先発投手がズラリと揃っているわけではないソフトバンクにしてみれば、どこかの関西球団のような「打撃だけで大勝ちする大雑把な野球」より、「いかにクロスゲームを勝ち越すか」のほうが重要なシーズンだったはずで、ロスターの誰が手を抜いても優勝できなかった厳しいシーズンだっただろう。


ソフトバンクというチームの歴史にとって、2010年の3.89という防御率はけしていい数字ではない。最近の防御率でいうと、城島がシアトルに移籍した翌年の2006年などは3.13と、前年の防御率を大きく上回る驚異的な防御率を残し、その翌年2007年も(斉藤、新垣と先発投手の故障が続いたにもかかわらず)3.18と非常に優れた数字を残している。
ソフトバンクは、計算できる主戦投手がいつもそれなりに揃っていて、抜群の防御率を残すのが当たり前の投手王国だったわけで、当然ながら、城島がいなくなったことは防御率向上にプラスに働いたことはいうまでもないし、城島在籍時の投手王国時代のソフトバンクの防御率がよかったのは、「単に投手陣が優秀だっただけ。城島がいなければもっと防御率は良かった」ことは、なによりチームの歴史が証明している


ソフトバンクの防御率が、かつて先発投手に和田、斉藤、杉内、新垣と看板投手がズラリと揃っていた黄金期に比べれば、少しばかり冴えないのは、いたしかたない。優勝したとはいえ、先発投手の軸といえる投手は結局のところ、和田、杉内の2人しかいないのだから、防御率が4点に近いのも当然だ。

では、先発投手が足りないからといって、トレードで10勝以上できる投手が簡単に獲得できる時代だろうか?
例えば黒田や岩隈(もしかするとダルビッシュも)のように、たとえ優勝の望みの薄いチームの有力先発投手でさえ、国内での強豪チームへの移籍ではなく、メジャー挑戦を選択して流出する時代である。2桁を計算できる先発投手を国内の他チームから獲得してくることは、たとえ予算の豊かなチームであっても簡単には実現しにくい時代になってきている。

それだけに「先発の軸になる投手が2枚しかない状態が今後も続きかねない」ソフトバンクにとって、明らかにチームの防御率を悪くするキャッチャーであるダメ捕手城島に手を出さなかったことの意義は、今後も非常に大きい。

10勝以上を計算できる先発投手を簡単に獲得するのが難しいこの時代に、CERAが悪く、打撃もアテにならない攻撃型キャッチャーには安易に手を出すな」
まさに、若い選手を育成して台頭したタンパベイに煽られているヤンキース(ポサダ)やボストン・レッドソックス(ビクター・マルチネス)などにも言ってやりたい格言である。






damejima at 16:07

September 17, 2010

2010年9月15日阪神vs横浜2回裏カスティーヨ タイムリー2010年9月15日
阪神vs横浜
2回裏カスティーヨ タイムリー

Yahoo!プロ野球 - 2010年9月15日 横浜vs.阪神
日本のプロ野球・横浜ベイスターズに所属するホセ・カスティーヨ(José Castillo)というプレーヤーはベネズエラのカラカス出身。シアトルのフランクリン・グティエレスとは同郷ということになる。
2004年から数シーズン、ピッツバーグでセカンドとしてプレーしたようだが、本来ショートだった彼がセカンドにコンバートされた理由というのが、「ショートにジャック・ウィルソンがいたから」というのだから、ちょっとビックリした。
この選手がもっと打てて、ジャック・ウィルソンをスタメンから追い落としてくれていたら、いまごろシアトルのショートは別の選手だったかもしれない。どこで縁があるか、わからないものだ。
Jose Castillo » Statistics » Batting | FanGraphs Baseball


まぁ、そんなタラレバより、上の画像を見てもらおう。
スコアは、ホームの横浜が6-1で大きくリード。2死1、2塁、カウント3-0(MLB表記)。また、初球から3球目まで、投手は全て「特徴的なアウトコース低めの変化球」を投げている

カウント3-0(MLB表記)というと、阪神・ブラゼルの「メジャーでは3-0、2-0では、投手は必ずストレートを投げる。だが、日本では変化球を投げてくることに最初とまどった」という何度も引用しているコメントがあるように、もしメジャーなら、まちがいなくここは「ストレートを投げるカウント」
だが、実際には、日本のゲームだから投手はこの打者に対して4連投となる「アウトコースのスライダー」を投げ、タイムリーを浴びている。
このタイムリーは、この2回の時点では7-1と、ただ点差を広げただけの点としか思われていなかったが、結果をみると、7-5。この1点がゲームの行方を決めたダメ押し点になった。


投手目線から考えると、なぜ「3-0」という苦しいカウントになったのだろう、いろいろと考えられる。マジなものから、おふざけまで、適当に並べてみる。日本での話だから、サインはキャッチャーから出ているものと考える。

1)もともとコントロールの悪い投手
2)たまたまこの日のコントロールが悪いだけ
3)セットポジションが苦手な投手
4)インコースが得意な打者なので、外に逃げた
5)強打者なので歩かせてもいいと、ベンチからサイン
6)ランナーがいると、アウトコースに逃げたがるキャッチャー
7)同じ球種を、同じコースに連投させるクセがあるキャッチャー
8)アウトコース低めのコーナーを狙いすぎて甘くなった
9)投手がストレートに自信がない
10)投手に持ち球の種類が少ない
11)インコースを突く度胸がない
12)点をとられるのが怖い
13)この打者に内角をホームランされたことがある

適当に思いつきを並べてみた。
アウトコース低めにちょっとだけはずれる同じ場所にスライダーを3球も続けられる投手ではあるらしい。だから「コントロールがまるで無い」とは考えられない。
むしろ「こういうピンチの場面で、外のスライダーのサインを出されて、それを投げさせられることに慣れている(慣れさせられている)投手」としか考えられない。


こんどは打者の立場から、「カウント3-0から、これで4連投になるスライダーに、バットをスコンと出せた理由」はなんだろうと考えた。これも適当に思いつきを並べてみる。

1)「スライダー連投を読んだ」横浜ベンチが
  バッターに3-0から「打て」のサインを出した
2)3-0はバッティングカウントと考えるチームカラー
3)打者が「3-0で変化球を投げる日本野球」に慣れていて
  「3-0からは絶対に変化球」と完全に読みきっていた
4)このキャッチャーが同じ球種の連投が好きなことを
  打者が経験か、試合の流れで知っていた
5)3-0まで打者がスライダーに手を出してこなかったので
  キャッチャーが「スライダーは安全」と思いこみ、
  それを打者に読まれた
6)元メジャーリーガーだから、3-0からでもフルスイング
7)ただの偶然
8)打ちたがりだから、3-0からもスイングしただけ
9)アウトコースの好きな打者
10)スライダーの好きな打者
11)点差があったので、自由に打てただけ
12)ここらで働いておかないと、来年がない

もちろん、横浜ベンチに座っているのは、春先に「かつて城島を指導してたんだから、彼のことはよーく把握してますよ」と不気味に笑っていた、尾花さんである。
尾花監督、阪神城島の分析必要ない - 野球ニュース : nikkansports.com

カスティーヨの打撃スタッツは、たしかにもともと「初球を打ちたがる」「初球の打点が多い」「併殺が非常に多い」「出塁率が低い」「得点圏打率がそれほど良くない」など、どれもこれも「フリースインガー特有の特徴」が、しっかり、たっぷり、メガ大盛りだ。
しかしながら、どういうわけか、この場面の彼は、3-0までバットを振らずに我慢できている。これがどうにも不可思議だ

ちなみに今シーズンの彼の打数は400ちょっとだが、うちカウント3-0になったのは、この打席を含め11打席程度しかないのに、3安打7四球。他のカウントと比べて、カウント3-0での、出塁率、四球率が異常に高い
理由は全く想像できないが、少なくとも「元メジャーのフリースインガーだから3-0からでも、バットを振り回してくる」という推測は、この場合にはまったく的外れなのは間違いない。彼は36打数のフルカウントからも、8安打7四球をマークしている。初球は打ってくるタイプだが、ボールが3つになると、とたんに四球を選んでくる。よくわからない打者だ。


このカスティーヨというバッター、少なくとも下記の記事の彼のコメントを読むかぎりでは、多少は「ゲーム中に手を抜かず、相手投手に対する観察を怠らないマジメさを持つ選手」ではあるようだ。打席に入る前から、あらかじめ狙い球を絞っているのかもしれない。

カスティーヨ
「(プロ野球・ヤクルトの由規投手は)直球のいい投手だが、前を打つ打者たちへの配球を見て今日はスライダーが多いと感じた。甘いところに来たので初球から積極的にバットを振った」
横浜:カスティーヨが攻守に活躍、連敗ストップに貢献/ヤクルト戦から:ローカルニュース : ニュース : カナロコ -- 神奈川新聞社

また最初の3球ともスライダーなのだから、「単なるスライダー好き」「最初からスライダーを狙っていた」では説明にならない。

と、なると、なんだ。
カスティーヨが「次はスライダーだ(もしくは変化球)」と確信できたのは、実は「カウント3−0になってから考えた」と推測するのが、実は最も合理的かもしれない。
「カウント3−0。次はストレートか?変化球か?
メジャーなら確実にストレートだ。だが、ここは日本だ。キャッチャーの配球グセからしても、ここはまちがいなく、変化球!」というのが、なんとなく正解のような気がする。


一方、キャッチャーはどう打者を読んだのだろう。
「同じコースに同じ球種を3連投させたが、カウントは最悪。満塁にはしたくない。絶対にストライクが欲しい。絶対ストライクをとれる球種は何だろう? バッターはガイジンだから、3−0からのストレート狙いはあるのは確実だ。それに、3球スライダーを投げて手を出してこなかったからには、スライダーだけは絶対に安全!」とでも考えたかもしれない。


もちろん、他人の心理だから、こういう予測が当たっているとばかりも思わない。
ただ、同じ球種を同じコースに投げた結果の3−0から、何を投げるか、何を打つか、という選択の幅の少ないシチュエーションは、打者とキャッチャーの「お互いを読む能力」や、その選手の「ポリシー」「欠点」が、非常に出やすい場面のような気がする。
一方的に打者有利なシチュエーションなだけに、打者はどうモノにするか、捕手はどうかわすか、ギリギリの選択を、たった1球で迫られる。


この「スライダーを4球続けてタイムリーされたキャッチャー」の名前?
そりゃもちろん、城島健司、その人だ(笑)

2アウトでの1、2塁だ、犠牲フライで失点する心配はない。レフトのだれかさんの守備に不安があるから、リードが制約されて打たれているだけだ、なんていう、惨めったらしい言い訳は通用しない。






damejima at 14:21

August 09, 2010

今日の準ノーヒット・ノーランで今シーズンのブランドン・モローは9勝6敗。素晴らしい成績である。
ここまでチームが58勝52敗と、貯金6だったのを思えば、チームの貯金の半分はモローの登板ゲームで稼いだことになる。(残りの半分はショーン・マーカム)


ここまで消化したイニング127.1。ア・リーグで33位タイあたりの立派な数字で(ちなみにMLB1位は大投手ロイ・ハラデイ185.0。素晴らしいの一言。ア・リーグ1位はヘルナンデス174.1
チーム内でも、ここまで131.0イニングを消化して10勝5敗のエース格ショーン・マーカムに次いでの2位だから、十分にイニングを「食って」いて、チーム内ですでに準エースクラスになっている。

QS数も今日を含めてシーズン13に達して(トップはヘルナンデスの20)、これはリーグ22位タイ。マーク・バーリーマット・ガーザジョン・レスターなどといった好投手と肩を並べている。
QS%55%となかなかの数字で、マーカムの57%とほとんど変わらない。登板ゲームの半分ではQSできている。ア・リーグ全体では36位で、マーク・バーリーあたりと肩を並べている。
2010ア・リーグQS数ランキング
2010 MLB Baseball Pitching Statistics and League Leaders - Major League Baseball - ESPN

また、今日までの奪三振数151は、ア・リーグ5位。毎年奪三振の多いフェリックス・ヘルナンデスと、今日の17奪三振で肩を並べた。投げたイニング数が比較的ランキング上位の投手たちと比べると少ないことから、イニングあたりの奪三振率がかなり高いことがわかる。

2010ア・リーグ奪三振数ランキング(画像)
2010 MLB Baseball Pitching Statistics and League Leaders - Major League Baseball - ESPN
ウィーバー  171
リリアーノ  156
レスター   154
ヘルナンデス 152
モロー    151
バーランダー 140
シールズ   135
ルイス     134
サバシア   131
グレインキー 129

2010年8月8日 ア・リーグ奪三振数ランキング
2010年8月8日 ア・リーグ奪三振数ランキング

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スターターとしてケチのつけどころのない堂々たる好成績である。


以前、6月の記事で、今シーズンのモローのピッチング内容がシアトル時代とはまるで違っていて、「カーブが非常に増え、変化球を投げる割合が激増したこと」を指摘した。
その後2ヶ月たったが、この「カーブの割合を非常に増やした」という傾向はその後も変わっていない。
準ノーヒッター、17奪三振を記録した8月8日のゲームでも、かなりの数の変化球を投げている。特に、このゲームでは、カーブではなく、スプリッター(と記録された球)を非常に多く使い、強打で知られるタンパベイ打線を沈黙させることに成功した。

「投手有利なカウントにならないかぎり、モローにはカーブのサインを出さない」とか、わけのわからないリードをモローに押し付けていたダメ捕手城島のリードが、いかに馬鹿げたものだったか、意味の無いものだったか、よくわかる。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年6月19日、意味なくダメ捕手城島が阻害していた「カーブ」を自由に使えるようになってピッチングの幅を広げ始めたブランドン・モロー。

Brandon Morrow » Statistics » Pitching | FanGraphs Baseball

「城島打ち合わせ無視事件」に関する記録と記事
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年12月22日、「投手コーチ・アデアとの打ち合わせを無視し、モローにカーブのサインを一切出さなかった城島」に関する記録。投手たち自身の「維新」による城島追放劇の舞台裏。

元データ:MyNorthwest.com シャノン・ドライアーのコラム
Joh Leaves the Mariners, What Now For Both - MyNorthwest.com

The real eye opener was in the game Brandon Morrow threw right before he was sent down. Don Wakamatsu had said in his post game press conference that it looked like Morrow's breaking ball was shaky the few times he threw it. When we asked Morrow about it he looked at us stunned and said that he didn't throw a breaking ball that game. The plan with Rick Adair and Joh going into the game was to incorporate the breaking ball, it was what he was working on but Joh never called one. His explanation, he couldn't get Brandon into a count where he could throw it.
本当にビックリしたのは、モローがマイナーに降格させられる直前のゲームである。監督ワカマツは試合後の記者会見で「今日のモローはブレーキング・ボールを何球か投げたが、どれも不安定に見えた」と話した。
私たち記者がモローにそれを尋ねると、彼は呆然と我々を見つめながら、「このゲームで僕はブレーキング・ボールなんて、1球も投げてないよ」と言ったのである。
なんでもリック・アデア投手コーチとジョーがゲーム前に立てたプランでは、ブレーキング・ボールを交えるはずだった。だが、ジョーはそれを一度もコールしなかったのである。ジョーの説明によると、モローがブレーキング・ボールを投げることのできるカウントに持ち込むことができなかったから、ということだった






damejima at 06:07
トロントは今ロジャースセンタ−でホームゲーム中だが、ブランドン・モローが先発で8回まで115球投げて、ストライクは82、ボールは33と、素晴らしいストライク率。そして奪った三振16、四球はわずか1。エラーなし。

これはエライことになってきた。

Morrow working on no-hitter vs. Rays | MLB.com: News

Tampa Bay Rays at Toronto Blue Jays - August 8, 2010 | MLB.com Gameday

ブランドン・モローのシーズンスタッツ
Brandon Morrow Career Statistics | bluejays.com: Stats

ブランドン・モローのゲームログ(試合ごとの投球内容)
Brandon Morrow Game Log | bluejays.com: Stats


8回表
フルカウントから先頭バッターを三振!
これで15三振

2番目のバッター、アップトン
2−2からストレートで三振!
16三振!!

3人目、センターフライ
とうとうあと3人だ。


最終回
先頭打者 バートレット
センターフライ

あと2人

2人目 ベン・ゾブリスト
四球・・・

3人目 カール・クロフォード
レフトフライ

あと1人

4人目 エヴァン・ロンゴリア
うああああ・・・
トロントの名セカンドアーロン・ヒルがグラブに当てるところまで追いついたのだが
・・・・ライト前ヒット・・・・・・・・・・

・・・・。うーん・・・。

5人目 三振!
17三振!!!
ただ・・・。ノーヒットノーランは逃した・・・・。

なんてこった。空気読め、ロンゴリア
というか、結局ゾブリストに四球を出してセットポジションになったのが痛かったな・・・。あの四球がなければクロフォードでノーヒットノーラン達成できていたかもしれない。残念。

だが、準ノーヒット・ノーラン、おめでとう、モロー。






damejima at 03:58

August 08, 2010

日本のプロ野球の8月3日の巨人戦で、ダメ捕手城島が「カウント2−2から、1試合に2度ピッチアウトする」という、なんとも身の丈をわきまえないプレーをしてタイムリーやホームランを打たれてチームを負けさせるという不始末プレーがあったらしい。
当然のことながら「カウント2−2からのピッチアウト」は特殊である。フルカウントになることを投手に強要する行為だからだ。その行為を我慢した上で打者にタイムリーだのホームランだの打たれた日には、投手としたら目もあてられない。

該当するゲームを見ていないし、過去のプロ野球のゲームは、MLBのGameDayのように、詳細に遡る手ごろな手段が見当たらないので、「らしい」としかいえないのだが、この「2アウトで、カウントも2−2、どうしてもランナーの盗塁を刺さなくてはならない場面でもなく、むしろ絶対に四球にすべきでない場面」なのに、わざわざ「カウント2−2からピッチアウトしてフルカウントにする」とかいうスタンドプレーは、実は8月の2回だけではない。
少なくとも今年5月の日本ハム戦でも一度やっていて、シーズンで最低3度やっていることは、ネットのブログ記事などからわかった。


この3度の「カウント2−2からのピッチアウト」には、ある共通点があるのだが、その点は誰も指摘してないようだ。
可笑しいのは、この5月1回、8月2回、計3回のシチュエーションが、3度が3度ともソックリなのだ。
 クロスゲーム
 2死1塁
 代走
 カウント2−2

まるで、特定の色を見せてからエサを与え続けていると、色を見せただけでヨダレを垂れながす犬のような、「脊髄反射キャッチャー」である。いかに普段から頭を使ってないか、よくわかる。
他に自慢できるものが無いプレーヤーだから、たいした数字でもない盗塁阻止率を見せかけだけ上げておきたいのかなにか知らないが、いかにこれまで投手に無駄な負担をかけてまでスタンドプレーして、盗塁阻止してきたかを立証するデータがまたひとつ出てきた、というわけだ。ランナーが出たら左打者にはセカンドに送球しづらいインコースには投げない、なんていう行為だけではなかったのである。
この「カウント2−2からフルカウントにしてまでピッチアウトする」という例は、メジャーでもやっていたのかどうか記憶に無いのだが、また暇なときにでもメジャー時代での例を検索して、みつかったらブログ記事にするつもりだ。


MLBには公式サイトのGameDayという素晴らしいサービスがあるために、過去のゲームの試合展開を詳細に遡ることができる。「どの試合で」「どの投手が」「何球に」「どんな球種を投げ」「どんな結果になったか」を、簡単に見ることができるのである。
だが、日本のプロ野球の場合は、そういったデータサイトが充実していない。ヤフーの試合結果なども、当日のゲームについては「1球速報」という形で詳しい経過が見られるが、そのデータを後々になって参照することができない。

だから以下に残すシチュエーションの記録作成にあたっては、ヤフーの粗い試合経過記事、いくつかのファンブログ等を参考に、手作りで再構成してみるほかなかった。多少間違いがあったとしてもご容赦願いたい。


ケース1
2010年5月30日 札幌ドーム 日本ハム対阪神戦


8回裏 スコア:0-2 阪神投手:久保
田中賢 ヒット 無死1塁
森本  ヒット 無死1、2塁
糸井  併殺打 2死3塁
二岡  タイムリー 2死1塁(日本ハム代走:紺田 スコア:1−2)
阪神投手交代 久保→藤川球児
小谷野 カウント2−2からピッチアウト 紺田2塁で憤死

9回裏(スコア:1−2 阪神投手:藤川球児)
小谷野 カウント1−0 同点ホームラン(スコア:2−2)

このゲームで面白いのは、城島がカウント2−2で盗塁を刺すのに成功したことなどではなく、そのときの投手が「回またぎ登板」の阪神のクローザー藤川球児で、バッターが日本ハム小谷野だったことだ。
クローザーとして名高い藤川が、打者をせっかく2−2にまで追い込んでいるにもかかわらず、わざわざピッチアウトしたのである。梨田監督の無理な強攻策が次々とはずれまくって走者がたまたまアウトになってくれたからいいようなものの、そうでなければ阪神はこの無駄なプレーでゲームに負けていたかもしれない。
この試合で藤川は2試合連続の「回またぎ登板」をしているのだが、藤川は8回裏に2−2まで追い込んでいた小谷野の打席で「ピッチアウト セカンド盗塁死」があったために、9回裏になって、ふたたび登場した小谷野と対戦した。そして、その1点差の9回裏に再登場した小谷野は、起死回生の同点ホームラン。
たぶんけして偶然ではないだろう。「一度打席で普段目にしてない別のリーグの投手である藤川球児の球筋を見ていて、目が慣れていた」好打者に、似たような球、似たような組み立てしかできなければ、そりゃ結果は知れている。
日本ハム監督梨田さんが、1点差負けの8回裏の無死1、2塁にもかかわらず、バントさせずに強攻を選択してダブルプレーにしてしまったにもかかわらず、こんどは2アウトからスチールまでも強攻させて、さらにそのスチールすら失敗、という、相手チームの判断ミスの連続にも助けられただけのことでもある。
結果的に、「盗塁阻止」を優先して、小谷野と2度勝負することで、勝負に負けたのは、日本ハムではなくて阪神のダメ捕手である


ケース2
2010年8月3日 東京ドーム 巨人対阪神


5回裏(スコア:1−0 阪神投手:スタンリッジ)
2アウトから
代打工藤  死球 2死1塁
坂本  カウント2−2からピッチアウト
     その後坂本に粘られ四球 2死1、2塁
松本  投手強襲タイムリー(スコア:2−0)


ケース3
2010年8月3日 東京ドーム 巨人対阪神


8回裏(スコア:3−1 阪神投手:安藤)
2アウトから
エドガー ヒット 2死1塁(巨人代走:鈴木)
脇谷  カウント2−2からピッチアウト
     フルカウント後ヒット 2死1、2塁
阿部  カウント2−2から3ラン(スコア:6ー1)


この8月の巨人戦の2度のケースは、5月の日本ハム戦のケースとあまりにもソックリ、というか、まるで同じシチュエーションなのが、つい笑ってしまう。
2アウトまで持ち込んでおきながら、ランナーを不注意に出す。そこに代走が出される。もちろん足の速い選手だ。カウントは2−2。ダメ捕手からのサインでピッチアウトする。だが、無駄にフルカウントにしてしまい、ランナーを貯めてしまう。
そして、タイムリー。ホームラン。

5月にたまたまセオリーにないことをして、相手チームの不用意なスチールを刺しただけなのに、「してやったり。このパターンは使える」といい気にでもなっていたのだろうが、そのときですら直後のバッター小谷野にさんざん球筋を見られて、9回裏に同点ホームランを打たれて延長戦に持ち込まれていることは綺麗さっぱり忘れているのが、いかにもダメ捕手らしい。






damejima at 04:45

June 20, 2010

前の記事で、トロント移籍後のブランドン・モローの投げるストレートの割合が下がり、かわりにカーブを投げる割合が2倍になった、というような「シアトルから移籍した投手の球種の大きな変化」の話を書いたが、シカゴ・カブスに移籍したカルロス・シルバの球種はなにか変わったのだろうか。ちょっと気になって数字を覗いてみることにした。

カルロス・シルバの球種
(シーズン別 % 数字は左から
ファスト・ボール スライダー カーブ チェンジアップ)

2002 82.9 12.7  0  4.4 フィラデルフィア
2003 81.2 15.4 0.9  2.5 ミネソタ
2004 79.3 3.7  10.3 6.7 ミネソタ
2005 83.9 5.0  6.6  4.5 ミネソタ
2006 73.6 10.2 3.0  13.1 ミネソタ
2007 68.3 8.7  0   23.0 ミネソタ
2008 69.1 9.3  0.3  21.3 シアトル
2009 83.1 5.7  0   11.2 シアトル
2010 55.7 14.5 0   29.8 カブス
Carlos Silva » Statistics » Pitching | FanGraphs Baseball

いやはや、なんだこれは。

記事を書いているブログ主自身ですら、2009年以前と2010年の数字があまりに違いすぎて、目の錯覚ではないかと何度もファングラフのページを見直したくらいだ。
言うまでもない。理由はよくわからないが
2009年以前のシルバと2010年のシルバは別人である。
別の面から言えば「投手は配球しだいで別人にもなれる」という言い方もできる。さらに言うなら「配球の違いは投手のアイデンティティに関わる一大事、生命線である」ともいえる。


2009年のシルバは、たった30イニングしか登板してないとはいえ、なんとストレート率が83.1%の超高率。なんと使う球種の5球に4球以上ストレートを投げる「ストレートの魔人」だったようだ。また、シアトルに移籍してきて153イニング投げた2008年のストレート率だって、シルバ自身の数値としては低いが、他の投手と比べればけして低くはない。むしろ2009年以前のストレート率はどれもこれも異常な高さである。
以前の記事で、シアトルのリリーフ陣が全体として73%もストレートを投げると批判したが、なんのことはない、シルバはそんな数字を遥かに超越していた(苦笑)

ところが、である。
2010年のシルバは、シアトルに来る以前からあれほど投げまくっていたストレートを異常に減らすと同時に、3球に1球チェンジアップを投げるという、ボストンの岡島ばりの「チェンジアップ・マシン」に変身している。
2009年は1勝3敗。防御率8.60。K/BBは0.91。2010年は、いま現在8勝2敗、防御率3.01。そしてK/BBは、なんと前年の0.91から4.07。
4.07? あまりの変身ぶりに本当にびっくりする。おまえは仮面ライダーか。


どうしてまた、こういうことが起きるのだろう。
理解に苦しむ。

彼が最も良いスタッツを残したのは、200イニング以上を投げ、14勝8敗をあげたミネソタ在籍時の2004年あたりだと思うが、シルバがやたらとストレートを投げたがる投手であること自体は、けして「ストレート王国」のシアトルに来たというのが理由ではなく、シルバが昔からそういう投手だったからだ。
だからモローのケースとは違い、シルバについては「ストレート王国」シアトルでストレートをやたらと投げさせられてピッチングスタイルが安定しなかった、壊れた、などと批判をするつもりはない。


むしろシルバの場合に問題なのは、2008年に彼がシアトルに移籍して来るまでの間、シルバが投げるストレートが、量も割合も年々減りつつあったことにシアトルが気がつかなかったこと、のように思えてならない。
つまり、言いたいのは、近年のシルバは何かフィジカルな理由で昔のようにストレートをビュンビュンほうれるだけのコンディションではなくなりつつあったのではないかということだ。
まぁ、端的に言えば、「ミネソタ時代にストレートを馬鹿みたいに投げすぎたせいか何かで、シアトルに来たときにはもう、昔のようにストレートばかり投げるのを難しくさせる持病のような故障が、身体のどこかにあったのではないか」という推測だ。


この推測、別にたいして自信があるわけではないが、もし仮定の話とはいえ多少は真実味があるとすると、チーム運営上、問題が3つほどある。(というか、3つもある)

1 故障持ちを、なぜ大金払ってまで獲得してきてしまうのか
2 故障持ちで、年々ストレートの威力が落ちてきている投手なのに、
  なぜストレートばかり投げさせたのか
3 故障持ちの選手であるにしても、より負担のかからない球種を中心にしたピッチングスタイルへの変更などで復活させる工夫やアイデアも実行せず、なぜあっさり放出ばかり繰り返すのか

近年のシアトルはどういうものか知らないが、故障持ちの選手に大金を払って獲得してきてしまい、後でお払い箱にする傾向がある。それはGMが、あの劣悪最低なバベシからズレンシックに変わったからといって、特に改善されたわけではないようだ。
やっかいもののシルバの放出の駒になってくれたミルトン・ブラッドリーはともかく、グリフィー・ジュニアだって、ジャック・ウィルソンだって、マイク・スウィニーだって、シーズン通しては働けない立派なスペランカーではある。

結果論だが、カブスはカルロス・シルバのコンディションにあったピッチングをさせて、有効に使いまわしているが、シアトルはシルバに合わないキャッチャーを押し付け、コンディションに合わないピッチングをさせて、無駄に金を払ったとしか思えない。
どうも最近のブルペン全体のかかっている「ストレート病」といい、シアトルの投手管理能力にはどこかに問題がありそうだ。一度コンディションが落ちてしまうと、なかなかどころか、元に戻せなくなることが多すぎる。


ちなみに、もちろんカルロス・シルバが使う球種に関してだって、シルバと城島の間に確執があったことは、ここでも何度か書いたし、地元メディアでも話題になった。メジャーにしては珍しく監督が両者を監督室に呼び出してわざわざミーティングを行って、2人の間の認識の溝を埋めようとしたくらいだ。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2008年5月24日、城島はシルバについての認識不足を露呈した。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2008年6月10日、シルバは城島の悪影響から脱し本来の調子を取り戻す。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2008年6月28日、クレメント先発のこの日、シルバは7連敗を脱出した。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2008年8月15日、投手破壊の天才城島はついにシルバを強制DLにした。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年4月8日、城島はシルバに4番モーノーの外角低めにシンカーを6連投させ、逆転負けした。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年4月、同じ失敗に懲りずにシルバにアウトコースのシンカー連投を要求する城島の1年前を振り返る。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年4月25日、シルバは2008年6月28日にクレメントを捕手に勝って以来302日ぶりに、ロブ・ジョンソンを捕手に勝利した。






damejima at 06:49
トロントに出されたブランドン・モローが最近4試合で連続してQS(クオリティ・スタート)を決めている。トロントでは既に13試合に投げているが、そのうち8試合でQSを決め、QS率は既に61.5%にも達している
61.5%のQS率というと、LAAのアーヴィン・サンタナや、カンザスシティのバニスター、タンパベイのマット・ガーザ(いずれも57%)より上で、今シーズンなかなかのボストンのバックホルツ(62%)に肩を並べつつある、という意味になる。
たいしたものだ。移籍直後にありがちな不安定さが消えていき、このところ立派に先発投手としてモノになりはじめたらしい。



モローが、移籍にあたってのインタビューで I was never really allowed to develop as a starter.「僕は(シアトルで)先発投手としての成長の機会をまるで与えられなかった」とチームの自分に対する間違った扱いをハッキリ非難したのをよく覚えている。
シアトル時代のモローの処遇はそれはそれは酷いものだった。
彼をマイナーから上げてきては、(彼だけでなく、どんな投手にでもそうだったが)投手の個性をより伸ばし生かす術などまるで持たないダメ捕手城島相手とばかりバッテリーを組まさせては(11ゲーム 29.2イニングで最多)、四球を出しては痛打され続けただけでなく、そうした一度や二度の失敗ですぐにマイナーに送り返す、というような、あまりにも馬鹿げた選手起用をとっていた。
(この辺のプロセスは2009年のバルガスもよく似ている。2009年にバルガスはローテに戻ってきてはダメ捕手のキロスとばかり組まされ、またマイナーに落とされたりしていたものだ)→参照:ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:「城島コピー捕手」キロスと「キロス問題」

トロント移籍後のモローは不安定さがすぐに消えたわけではないが、きちんと試合に使われ続けているうちにピッチングの質が変わってきたようだ。
彼が移籍したばかりの不安定だった時期に彼のピッチングを冷笑していたモノを見る目の無い城島オタクやシアトルファンには「ダメな人はどこまでいってもダメなんですねぇ。また皆さんの低脳ぶりが証明されてしまいましたね」と申し上げておきたい。
Brandon Morrow Game Log | bluejays.com: Stats


シアトル時代にモローに対して日本に逃げ帰ったダメ捕手城島が行った最悪最低の所業というのは、シアトルファンの間ではたいへんに有名な話だ。
簡単にいえば、投手コーチのリック・アデアがストレート偏重で単調になりがちなモローのピッチングの「質」を変えるために「モローにカーブを投げさせてみる」という打ち合わせを試合前のミーティングでしていたにもかかわらず、ダメ捕手の城島がなんと、「自分だけの一存」で「モローにカーブのサインを一切出さなかった」というものである。
くだらないにも程がある話である。思い出したくもない。

こうしてモローはメジャーに上がるチャンスをもらうたびにダメ捕手を押し付けられ、先発投手としての結果がなかなか出せないまま、いたずらにマイナーとメジャーの間を行ったり来たりさせられ、そして挙句の果てにはチームから出されてしまった。
その不幸なブランドン・モローのキャリアに、今年絶好調のフィスターやバルガスと同様、ダメ捕手と縁が切れたことで、ようやく陽の目が当たろうとしている。めでたい、めでたい。

「城島打ち合わせ無視事件」の記録
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年12月22日、「投手コーチ・アデアとの打ち合わせを無視し、モローにカーブのサインを一切出さなかった城島」に関する記録。投手たち自身の「維新」による城島追放劇の舞台裏。

元データ:MyNorthwest.com シャノン・ドライアーのコラム
Joh Leaves the Mariners, What Now For Both - MyNorthwest.com
The real eye opener was in the game Brandon Morrow threw right before he was sent down. Don Wakamatsu had said in his post game press conference that it looked like Morrow's breaking ball was shaky the few times he threw it. When we asked Morrow about it he looked at us stunned and said that he didn't throw a breaking ball that game. The plan with Rick Adair and Joh going into the game was to incorporate the breaking ball, it was what he was working on but Joh never called one. His explanation, he couldn't get Brandon into a count where he could throw it.
本当にビックリしたのは、モローがマイナーに降格させられる直前のゲームである。監督ワカマツは試合後の記者会見で「今日のモローはブレーキング・ボールを何球か投げたが、どれも不安定に見えた」と話した。
私たち記者がモローにそれを尋ねると、彼は呆然と我々を見つめながら、「このゲームで僕はブレーキング・ボールなんて、1球も投げてないよ」と言ったのである。
なんでもリック・アデア投手コーチとジョーがゲーム前に立てたプランでは、ブレーキング・ボールを交えるはずだった。だが、ジョーはそれを一度もコールしなかったのである。ジョーの説明によると、モローがブレーキング・ボールを投げることのできるカウントに持ち込むことができなかったから、ということだった。



さてトロントに移籍してからのブランドン・モローのピッチングで何がいったい変わったのだろう。

結論は簡単だ。「カーブ」である。
細かい部分はさておき、下記のデータを見てもらおう。

モローの使った球種
(シーズン別 % 数字は左から、ファスト・ボール スライダー カーブ チェンジアップ スプリット)
Brandon Morrow » Statistics » Pitching | FanGraphs Baseball
2007年 80.0 10.5 0 3.3 6.2
2008年 70.7 16.2 1.9 0.9 10.3
2009年 70.5 15.0 4.8 9.8 0
2010年 62.9 16.6 10.8 9.7 0

2009年と2010年で最も大きく変わったことは、上の数値でまるわかりだろう。
「ストレートが大きく減り、そして、カーブを多用にするようになった」
実は、配球にバランスが出てきたことは、ストレート自体の効果も増している。というのは、ストレートの割合が減ったことで、ストレートを打たれるパーセンテージ自体が5%ほど下がったのである。打者にストレートに狙いを絞られずに済むことからくる、いい意味の相乗効果だろう。


2009年までモローのストレート率は「70%」を毎シーズンあたりまえのように越えていた。この「ストレート率 70%」という数値は「メジャーではよくある話」なのか、どうか。
先日書いた下記の記事でわかるとおり、個々の投手はともかく、チームごとに言うなら「ストレートを投げる割合が70%を越えるようなストレート偏重の投手陣など、メジャーのどこを探しても、シアトル・マリナーズくらいしかない」。つまり、2009年までのモローは「メジャーでもシアトルにしかいない、異常なストレート偏重投手」のひとりでしかなかった。

日頃メジャーを見ていればわかることだが、100マイルの超高速ストレートを誇る投手ですら、打たれるときにはやすやすとスタンドに放り込まれ、メッタ打ちにもあうのが、世界から非凡な才能だけを集めたメジャーという場所の恐ろしさで、基本的にストレートオンリーではメジャーでは長くは通用しない。
ステファン・ストラスバーグのような超例外もあることにはあるが、彼のストレートにしたって、かつてフェリックス・ヘルナンデスもそうであったように、やがては打者につかまる時期が来る、そういうものだ。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年6月13日、「メジャーで最もストレートばかり投げる」シアトルのリリーフ陣。なんと「4球のうち、3球がストレート」。



実はトロントの先発投手陣はシアトルのリリーフ投手の対極にあり、「メジャーにおいて、先発投手陣が最もストレートを投げないチーム」だ。トロントのSP(先発投手)がストレートを投げるパーセンテージはヘタをすると50%を切るため、70数%もストレートを投げるシアトルのリリーフに比べ、20%も低い。
先日も書いたことだが、ア・リーグ東地区では「ストレートの割合を減らすかわりに、カットボールの多用でそれを補う」傾向が強くあり、トロントでも配球の10%程度がカットボールと、西地区、中地区のチームよりずっと多くのカットボールを使う。
American League Teams » 2010 » Starters » Pitch Type Statistics | FanGraphs Baseball

そんな中でみると、2010年6月18日現在のモローのストレート率62%という数字は、メジャーの先発ローテ投手のチーム別の数字においてみると「非常に平均的な数字」で、多すぎもせず、少なすぎもしない。つまり、「バランスがとれてきている」。
つまり、「移籍後のモローは、ストレートだけに頼らず、多少カーブを混ぜつつ、ピッチングにバランスがとれはじめている」。これだけでも、失意で移籍していくモローにくだらない罵声を浴びせた心無いクセに無能なシアトルファンを見返すには十分だろう。

だが単純なストレートを投げる割合を極端なまでに減らすトロントのローテーション投手としては、62%でもまだまだストレートの割合が高いほうだ。モローも今シーズンのオフにはカットボールでも覚えることになるかもしれない。
まぁ、いってみれば、トロントの投手コーチがやったことは
「ストレートに特徴のあるモローに、いきなりストレートを50%以上投げないように命じるのではなく、彼の個性を無理に壊さない範囲でカーブを混ぜさせていき、ピッチングの幅をゆるやかに広げていってやることに成功しはじめている」ということになる。


ダメ捕手の「壁」のないところでは、これほどスムーズに投手の改善がすすむのだから、ダメ捕手のいるシアトルから移籍した途端に活躍しはじめる投手が続出するのも無理はない






damejima at 01:01

June 14, 2010

6月13日現在でシアトルの防御率は4.14で、ア・リーグ5位と、まぁ、なんとかみられる数字にはなってはいるが、それでも「打たれまくっている」とかなんとか、ケチをつけたがる人がいる。

先発投手   3.85 リーグ3位
リリーフ投手 4.82 ワースト2位

数字で明らかなように、打たれすぎているのは主にリリーフ陣であって先発投手たちではないし、さらに言えば、先発投手の中でも打たれているのはローランドスミスとかイアン・スネルであって、他の投手たちはそれぞれの実力相応の素晴らしい数字を残している。
こうした、いい投手とダメな投手でギャップの大きい投手陣、という構図はヘルナンデス、ウオッシュバーン、ベダードの3本柱の頑張りだけで勝ちを拾い続けた2009年とまるで変わってない。また、4番手投手、5番手投手でチームの借金を増やし続けるという悪い構図も、まったく代わり映えしない。


その打たれまくりのシアトルのリリーフ陣だが、投球の74.3%がストレートだというデータがある。なんと4球に3球ストレートを投げているわけだ。
もちろんデータなど見なくても、ストレートを投げる投手ばかり獲りたがるシアトルの歴史的なアホさ加減は十分知っているファンはたくさんいるわけだが、いくら速球投手大好き球団といったって、4球に3球の割合でストレートというのはいくらなんでも配球として多すぎると思うのは、ブログ主だけだろうか。
ちなみに、ストレートばかり投げたがるシアトル投手陣とはいえ、先発投手陣はここまでストレートばかり投げているわけではない。

チーム別スターターの球種
American League Teams » 2010 » Starters » Pitch Type Statistics | FanGraphs Baseball

チーム別リリーバーの球種
American League Teams » 2010 » Relievers » Pitch Type Statistics | FanGraphs Baseball


こういうことを言うと必ず「リリーフ投手の登板場面は走者のいる場面で投げることも多い。だから変化球は投げづらい」だの、なんだの、なんのことやらさっぱりわからない説明をする人が出てきそうなわけだが、数字をみてもらえばわかることだが、「リリーフ投手がこれほどストレートばっかり投げる球団」など、メジャーのどこにも見あたらない。
全30球団で、シアトルのリリーフが最も(というか、異常に)ストレートを投げる率が高いのである。

リリーフ投手がストレートを投げる率の低いベスト3
レイズ      50.2%
ブルージェイス  57.5%
ヤンキース    58.5%
ホワイトソックス 59.0%
エンジェルス   57.5%

リリーフ投手ストレート率の高いベスト3
マリナーズ    74.3%
インディアンス  67.9%
ロイヤルズ    66.8%
レンジャーズ   67.9%
レッドソックス  65.9%


「カットボール多用」のレイズおよび東地区
レイズのリリーバーは、他のチームにはない特徴がある。ストレートのかわりにカットボールを多用するといってもいいほどの極端なカットボール多用である。配球の24.8%がカットボールだから、4球投げたら「2球はストレート、1球がカットボール、残り1球が別の球」という配球ということになる。4球のうち3球がストレートのシアトルと比べると、その違いの大きさがわかる。
「カットボール多用」という傾向は、レイズほど極端ではないにしても、ストレートをあまり使わないチーム2位のブルージェイズ(11.9%)、3位のヤンキース(13.1%)にも同じようにある。つまり、いわば「カットボール多用は、ア・リーグ東地区のリリーバー共通のお約束配球」のようになっている。

「スライダー多用」のツインズ
レイズと東地区にカットボールをやたらと多用する傾向があるのと同じように、中地区のツインズには「スライダー多用」という特徴がある。
ツインズ以外のア・リーグ全球団が13〜16%におさまっているのに対し、ツインズだけが26.9%と、スライダーの割合がほぼ2倍になっている。多少ツインズに近い「スライダー多用リリーフ陣」は、他にオリオールズ(19.1%)くらいしかない。


西地区では、カットボールの多用される東地区と違って、チームごとにリリーバーの配球傾向が多少違う。

「カーブ多用」のエンジェルス ERA4.79
今シーズンは投手陣に難があるといわれていたエンジェルスだが、ストレート(59.2%)の比率が西地区で最も低い一方で、カーブ(16.3%)を多投してくる、という特徴がある。カーブ16.3%という数値はア・リーグでは飛びぬけて高い。また、メジャー30球団をみても、ナ・リーグに12%台のカージナルスやブレーブスがあるだけ。ア・リーグのチームはそもそも2桁パーセントにいかない球団がほとんどだ。
またカットボール9.3%で、西地区のリリーフで最もカットボールを使うのがこのエンジェルスだ。
本来なら、防御率を見るかぎりでは、こうした極端な配球が功を奏しているとは言えない・・・・・と、書きたいところだが、残念なことに、シアトルの貧打線には、ソーンダース、アルフォンゾ、不調時のグティエレス、ロペスなど、「縦に割れる外のカーブを非常に苦手にしている打者」が多く、ことマリナーズ戦に関してだけは「カーブ多用」が効果をあげているといわざるをえない。

エンジェルスにやや近い傾向のレンジャーズ ERA3.72
今シーズンのア・リーグ西地区で最もリリーフ陣が成功しているといえるレンジャーズの球種の傾向は比較的エンジェルスに近い。ストレート66.1%と、3球に2球がストレートで、残りがスライダー15.5、カーブ9.3などとなっている。
大きな特徴はないが、ややカーブの割合が多めな点に、エンジェルスに近いイメージがある。

「平均化して特徴を消している」アスレチックス ERA4.23
ストレート64.1、スライダー15.3、カットボール7.5、カーブ4.4、チェンジアップ8.7。どの球種の数字を見ても、リーグ平均に近い。打者に狙いを絞り込ませないように、あえて使う球種に際立った特徴をもたせないようにしているような感じがする。他の球団にみられない特徴をもつエンジェルスとは、全く逆のイメージである。


そんな西地区の中でマリナーズのリリーフ投手がカーブを投げる割合は、わずか2.6%しかない。その一方で、4球に3球ストレートを投げてくるのがわかっているのだから、打者としてはヤマを張りやすいのは間違いないだろう。
いくらなんでも、これでは打たれる。

もちろん、ロスター枠に野手が多すぎる問題などから投手の疲労度が高いことか、コントロールの悪さからカウントを悪くして、しかたなくストレートばかり投げてストライクを稼ぎに行く、という場面も多々あったとか、さまざまな理由が考えられることだろう。いずれにしても理由はどうでもあれ、打者にストレートにヤマを張られて打たれることに変わりはない。
例えば、まるでスカウティングが頭に入ってないアルフォンゾあたりのキャッチャーが、インコースのストレートくらいにしか強味のないバッター(例えば松井)あたりと対戦しているときに、いくらリリーフ投手が変化球のコントロールに自信がないから、疲れているからといって「ストレートのサイン」ばかり出し続けているようでは、いくらやってもダメなのである。

シアトルのリリーフ投手の極端なストレート偏重配球が、コントロールに自信のない投手側からの要求なのか、それとも、これまで速球派投手ばかり獲得してきたフロントの責任なのか、投手コーチのリック・アデアの戦略なのか、キャッチャーのリードのせいなのか、ピンチの場面ではベンチから投手に配球サインを出す監督ワカマツのミスなのかは、いまのところわからない。
年度別にみると、こうした「リリーフ投手のストレート偏重」傾向が始まったのはなにも今年が初めてではない。2006年までのシアトルのリリーフは、むしろア・リーグで最もストレートを投げない球団のひとつだった。転機になったのは2007年。いきなり急激にストレート偏重配球になり、さらに監督・投手コーチが変わった2009年以降にさらに拍車がかかった。
リリーフ投手がストレートを投げる率の
低い順に数えたシアトルの順位と、リリーフ陣のERA

2005年 61.7%(3番目)3.60
2006年 61.5%(3番目)4.04
2007年 65.3%(12番目)4.06
2008年 63.9%(7番目)4.14
2009年 73.4%(12番目)3.83
2010年 74.3%(12番目)4.96

だが誰の責任であれ、
もういい加減に方針転換しないとダメだと思う。






damejima at 18:11

June 04, 2010

アムトラック シルバーサービスLynyrd Skynyrd レイナード・スキナードというフロリダ出身のサザン・ロックのバンドがある。フロリダ北東部のジャクソンビルで育った幼馴染が集まって1964年に結成された。創設メンバーの多くが1977年の不幸な飛行機事故で亡くなっていることでも音楽ファンの間では有名なバンドだが、一般にはあまり馴染みがないのかもしれない。


レイナード・スキナードの故郷ジャクソンビルは、マイアミタンパオーランドなどに次ぐフロリダの中核都市のひとつで、フットボールがさかんな街だ。

タンパはフロリダ第2の都市だが、タンバベイ・レイズの本拠スタジアムのトロピカーナ・フィールドはタンパにあるわけではなくて、タンパに近いセントピーターズバーグにある。タンパやセントピーターズバーグ、クリアウォーターといった街が形成する都市圏が「タンバ・ベイエリア」なのである。

レイナード・スキナードの先輩格のバンドに、1958年結成(バンド名は1968年から)のCreedence Clearwater Revival(クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル 略称CCR)があるが、彼らのバンド名の「クリアウォーター」は、なにせサザンロックの先駆者でもあることだし、フロリダ出身のバンド、レイナード・スキナードと同じように、タンパ・ベイエリアの街のひとつフロリダ州クリアウォーターの出身であることに由来するのか、と思うと、彼らはサンフランシスコのバンドで、フロリダ州ではない。

どちらもちょっとややこしい。



オーランドは、フロリダ中央部の都市で、引退したケン・グリフィー・ジュニアの自宅がここにある。NBAオーランド・マジックの本拠地で、また長距離鉄道アムトラック Amtrakの駅がある。
フロリダ州のアムトラックというと、マイアミとニューヨークを結ぶシルバーサービスという路線以外に、かつてはオーランドとロサンゼルスを結ぶサンセット・リミテッドという路線があったのだが、今はハリケーンの影響のために路線が短縮され、オーランドまで来なくなってしまった。
Amtrak - Routes - Northeast - Auto Train
Amtrak - Routes - Northeast - Silver Service / Palmetto
ニューヨークを出発してフロリダを目指すアムトラックは、レイナード・スキナードの出身地、北東部のジャクソンビルを通り、ケン・グリフィー・ジュニアの自宅のある中央部のオーランドを経由して、マイアミを目指し、南へ南へと下る。
ジム・ジャームッシュの「ストレンジャー・ザン・パラダイス」は無鉄砲な若者3人がニューヨークから、クリーブランドを経てフロリダを目指すという素晴らしい出来栄えのロード・ムービーだが、彼らはアムトラックではなく、車を使って憧れのフロリダを目指した。


現役引退をチームに電話で知らせた後、グリフィーは、すぐにフロリダ州オーランドの自宅へ車で向かったらしい。
このドライブはアメリカの左の上、つまり北西の端から、右の下、南東の端まで斜めに大陸を横断するのだから、その距離はもう、果てしなく遠い。日本を北海道から九州まで走るのより遠い。
いったい彼がどういう気持ちでこの長い長いドライブのステアリングを握っていたのかはわからないが、とても音楽を聴きたいような気分ではなかったかもしれない。考えごとでもしながら家族の待つホームタウン、オーランドを目指したのだろうか。


やがて彼はシアトルに、選手としてではなく、別の立場で戻る日が来るという。シアトルに彼が戻る長い長いドライブのための音楽として、グリフィーの好きな音楽かどうかはわからないが、フロリダ出身のレイナード・スキナードの曲を、すすめておこうと思う。サザン・ロックの傑作だ。
この曲がかつて、アメリカ南部の文化というものについて物議をかもした曲だということは承知している。レイナード・スキナードがフロリダで生まれ、また、かつて人種差別で苦しんだグリフィーの自宅が、北のニューヨークや西のロサンゼルスといった都会にではなく、南部フロリダにあるのだから、アメリカ文化というものはなかなかこれで複雑で、けしてフラットではないのである。

レイナード・スキナード
Sweet Home Alabama(1974)
レイナード・スキナード Second Helping






damejima at 12:17

June 03, 2010

胸が熱くなるゲーム。
野球ファンで本当によかった。

2010年6月2日 イチロー サヨナラヒット

珍しく1試合で3つも三振したイチロー。スイングを見るかぎり、第一打席からずっと明らかにホームラン狙いに見えた。そして延長に入ってドラマが待っていた。まるでWBCの決勝のように。
やはり、イチローは「持ってる」。

MLB公式動画
Baseball Video Highlights & Clips | MIN@SEA: Lee hustles to field a bunt perfectly - Video | MLB.com: Multimedia

Junior moment: Ichiro wins one for Griffey
Minnesota Twins at Seattle Mariners - June 2, 2010 | MLB.com Wrap

MLB公式サイトの今日のゲームの記事タイトルは、Junior moment: Ichiro wins one for Griffey 「グリフィーの花道:グリフィーのためにイチローが勝利をもたらした」と、そのドラマチックなゲームを形容した。

Mariners win on Ichiro's walk-off single | Mariners.com: News
Seattle lost one of its icons Wednesday, but another delivered.
「水曜シアトルはシンボルのひとつを失った。だが、もうひとつのシンボルがもたらされた。」

Minnesota Twins at Seattle Mariners - June 2, 2010 | MLB.com Gameday

06/02 2010 イチロー サヨナラヒット‐ニコニコ動画(9)


2010年6月2日 イチローサヨナラヒット グリフィー引退ゲームイチロー サヨナラヒット
全11球


初球から4球目まで
ストレートはすべて見逃して、スライダーのみを2球スイングしている。あきらかに変化球狙い。

5球目から10球目まで
ミネソタバッテリーがイチローが狙いを絞って打席に立っていることに気づいたのだろう、6球続けてストレートばかり投げてきた。それに対してイチローは、全ての球を三塁側スタンドにファウルしてカットしてみせた。かなりバットが遅れて出ているのは、明らかに変化球にあわせてスイングのタイミングを遅らせているためだろう。素晴らしい技術。

11球目
イチローにあまりにもストレートをカットされ続けたので、ついに痺れを切らしたミネソタバッテリーが投げてきた運命の11球目が、「スライダー」。イチロー、すかさずピッチャー返し、打球はセンター方向に。セカンドがかろうじて追いついて、膝をついたままトスするが、セーフ。イチロー、4度目のサヨナラ打。
まるであのWBC決勝の再現のようだった。

「(気持ちの)整理もできないまま、混乱した状態でゲームしていました」「去年の春(第2回WBC)の最後の打席は僕の野球人生で最も雑念の多かった打席と言いましたが、その次に雑念の多い打席と言えるでしょうね」
イチロー「いろんなことがよぎった」 - MLB - SANSPO.COM



それにしても今日のヒーローは、イチローの神バッティングもさることながら、ミルトン・ブラッドリーを忘れてはならない。

彼はかねてからグリフィーJr.が自分にとっての憧れのアイドルと公言してきたわけで、今日のゲーム前、スタジアムにグリフィーの映像が流されると、ブラッドリーはこらえきれず、ダグアウトのベンチでタオルで目をぬぐいつつ、人目をはばからず泣いた。

今日のゲームはスコアからわかるように投手戦で、シアトル先発クリフ・リーが本当に素晴らしいピッチングをみせたが、ミネソタの先発スローウィーも好投で打ちあぐねた。

5回表、先頭打者ブラッドリーがシングルヒットで出塁する。
ここで彼の驚くべきファイトが炸裂する。ロペスの打席で2盗、コッチマンの打席で3盗と、2つの盗塁を続けて成功させてみせて、さらにコッチマンの外野フライで生還してみせたのである。
Baseball Video Highlights & Clips | MIN@SEA: Kotchman plates Bradley with a sac fly - Video | MLB.com: Multimedia

9回までにシアトルの得点はこの得点のみ。まさに、ブラッドリーがこの特別な日のために、まるで乾ききった雑巾を絞るように搾り出してくれた得点だった。

"I hit left-handed because of Griffey. I wanted to play baseball, be an outfielder, make diving catches, style on a home run, because of Griffey. Guys like him don't come around every day. He's just as magical off the field as on it."
-----Milton Bradley






damejima at 14:17
ケン・グリフィー・ジュニアが引退を表明した。


たまたまツイッターをいじっていたのだが、Griffey is retiring とあまりにも短いコメントを書いた人(シャノン・ドライアー)がいた。本当かな?と、ちょっとスルー気味に思いつつ、ツイッターの編集作業を続けていたら、グリフィー引退がメディアに流れはじめて、それが事実なのだとわかった。
既にシアトルのアクティブ・ロスターにはグリフィーの名前はない。25人いるべきアクティブ・ロスターのリストに、今は24人分の名前しかない。ちなみにこの「24」という数字はグリフィーの背番号と同じだ。
Active Roster | Mariners.com: Team
スタジアムではいま試合前のウオームアップ中だ。マイク・スウィニーが悲痛な表情でインタビューに応えている。ブラッドリーはスタジアムに流されているグリフィーのビデオを見ながらダグアウトでタオルで涙をぬぐっている。有名な「イチ・メーターの人」も今日はグリフィーに対するメッセージボードを持っている。セカンドベースの後ろ側には、「24」の文字が書かれている。
以下は球団を通じて発表されたグリフィーのステートメント。

"I've come to a decision today to retire from Major League Baseball as an active player.

This has been on my mind recently, but it's not an easy decision to come by. I am extremely thankful for the opportunity to have played Major League Baseball for so long and thankful for all of the friendships I have made, while also being proud of my accomplishments.

I'd like to thank my family for all of the sacrifices they have made all of these years for me. I'd like to thank the Seattle Mariners organization for allowing me to finish my playing career where it started. I look forward to a continued, meaningful relationship with them for many years to come.

While I feel I am still able to make a contribution on the field, and nobody in the Mariners front office has asked me to retire, I told the Mariners when I met with them prior to the 2009 season and was invited back, that I will never allow myself to become a distraction. I feel that without enough occasional starts to be sharper coming off the bench, my continued presence as a player would be an unfair distraction to my teammates, and their success as team is what the ultimate goal should be.

My hope is that my teammates can focus on baseball and win a championship for themselves and for the great fans of Seattle, who so very much deserve one. Thanks to all of you for welcoming me back, and thanks again to everyone over the years who has played a part in the success of my career."


MLB Trade Rumors
Ken Griffey Jr. Announces Retirement: MLB Rumors - MLBTradeRumors.com

ABC News
Ken Griffey Jr. Retiring at Age 40 - ABC News

USA Today
Ken Griffey Jr. announces retirement - Daily Pitch: MLB News, Standings, Schedules & More - USATODAY.com

ロイター通信
Mariners' Griffey retires after 22 seasons | Reuters

TSN
Ken Griffey Jr. announces his retirement

SI.com
Ken Griffey Jr. retiring at age 40 - MLB - SI.com

Seattle Times
Mariners Blog | Griffey announces retirement --- Read Griffey's statement | Seattle Times Newspaper

The News Tribune
Griffey retires: He's the best we've ever had | Seattle Mariners - The News Tribune

MLB公式
Griffey Jr. announces his retirement from game | Mariners.com: Official Info

グリフィー引退について語るズレンシック
Baseball Video Highlights & Clips | MIN@SEA: Kotchman plates Bradley with a sac fly - Video | MLB.com: Multimedia


ブログ主が最初にグリフィー引退のソースを見たのはシャノン・ドライアーのツイッター。それから10分ほどしてシアトルタイムズのベイカーのツイッターにも出た。

Shannon Drayer (shannondrayer) on Twitter
Griffey is retiring

Geoff Baker (gbakermariners) on Twitter
Ken Griffey Jr. has retired.


そして今日もゲームが始まった。

(6月3日追記)
Seattle Mariners Insider - The News Tribune






damejima at 09:06

May 31, 2010

本当に腹が立つ。

今日は指名で罵倒させてもらうことにする。
ズレンシック。あんたはどうしてそう、モノを見る目がないのだ? ワカマツについては、もはや何も言いたくない。

2ゲーム連続でブルペン投手がサヨナラホームランを浴び、LAAに連敗。
あまりにも不調だった打線が、打撃コーチを変え、もはや現役でいる理由のないグリフィーをスタメンからはずしたことなどをきっかけに復調をみせてきて、このカードは敵地スイープできる可能性すらあった。

だが。またも「サヨナラ地獄」に逆戻りだ。
この「城島問題」を長年放置してきた合理性の無さ過ぎるチームが負け続けることにすら耐性ができていたはずのブログ主ですら、昨日今日の「原因のわかりすぎた悲惨な負けっぷり」には、ひさびさに顔が紅潮するほどアタマにきた。
Seattle Mariners at Los Angeles Angels - May 30, 2010 | MLB.com Gameday


メジャーのベンチ入り枠、ロスターについてちょっと説明しておこうと思う。
こんな基本的な話、わかりきっているのは重々承知だ。だが、こんなことでも書いてなけりゃ、とてもじゃないがイライラして、今日の最悪なゲームのことなど語ることはできない。
それほど酷いゲームだった。


開幕時はアクティブ・ロスター(25人)
MLBのチームで、開幕ベンチに入れてゲームに出られる人数は25人。アクティブ・ロスター Active Rosterと呼ばれ、この25人で開幕から8月31日までのシーズンを戦う。チームとメジャー契約できるのは40人だが、この40人全員がアクティブ・ロスターになれるのではない。
日本のメジャーファンはよく会話の中で短縮して「ロスター」と表現するが、9月以降でもないかぎり、普通はこの25人枠、アクティブ・ロスターのことを指す。(ちなみに日本のプロ野球では28人がベンチに入れて、出場できるのは25人)


「ロスター」のカタカナ表記の間違い
rosterはアメリカ英語でもともと「名簿」という意味で、野球でいうなら「1軍選手の登録名簿」とでもいう意味あいになる。
このrosterという言葉、どういうものか、日本語のカタカナ表記するときに、「ロスター」と書くのでなく、「ロスター」と、音引き(=カタカナなどで音を伸ばして発音するのを、メディア用語でこう言う)を間に挟みこんで書く人がたくさんいる。
だが、「ロスター」では、「(コーヒー豆などを)炒る」roasterという意味になってしまう。
ロースターとロスターでは、意味もスペルも違うし、発音も違う。実際、下のリンクをクリックして、自分の耳で実際に聞きくらべて確かめてみたらいい。
roster ロスター
roaster ロースター


ロスターの発音が耳で聞けるサイト
Pronunciation of roster - how to pronounce roster correctly.
ロースターの発音が耳で聞けるサイト
Pronunciation of roaster - how to pronounce roaster correctly.


9月以降は「40人ロスター」
ポストシーズン(プレーオフ)を控えた秋9月に入ると、開幕時には25人に限られていたベンチ入り選手枠が拡大され、40人枠の選手がベンチ入りできるようになる。「9月」を意味する単語を使って「セプテンバー・コールアップ September Call Up」という。
(ただしポストシーズンに出場できるのは、8月31日時点でアクティブ・ロスターだった選手のみ。25人枠に登録されていなければ出られない)
9月になるとポストシーズン出場が既に絶望的なチームなどがマイナーから有望選手を上げてきて試合に起用したりするのは、このロスター拡大制度を利用して、翌年のシーズンに向けてテストしたり、経験を積ませたりするわけだ。


オプション、ウェーバー、ルール5、故障者リスト
ただ、地区下位に低迷するチームがアクティブ・ロスターを入れ替えることでチームの現状を打開したいと考えたとしても、制度の制約もあることから、まるっきり好きなように選手を入れ替えてチーム改造できるわけではない。

たとえばウェーバーという制度がある。
25人枠の不調な選手をマイナーに落とすといっても、40人枠の外へ移動するような場合、ウェーバーを通さなくてはならない。
これは「公示期間に他球団に獲得意思があれば、その選手を獲得できてしまう」という公示制度だから、「今は絶不調だとしても、後で復調したら使いたいとチームが考える選手」の場合、「ウェーバーにかける」わけにはいかない。
また逆に、いま40人枠の外にビックリするほど絶好調な若手がいたとしても、彼をメジャーのベンチに入れて使うためには、40人枠の誰かをウェーバーにかけるリスクを負わなくてはならない。

またベンチ入り選手の入れ替えにとって、「オプション切れ」も壁になることがある。
マイナーオプションは、チームが3シーズンの間、選手をアクティブ・ロスターと40人ロスターの間を自由に行ったり来たりさせることのできる権利だが、「オプションが切れた」選手は25人枠から40人枠に移動させるには、ウェーバーを通さなければならない。
また40人枠からはずすときにはルール5ドラフト Rule 5 draftが適用されるため、チームはその選手を失う可能性がでてくる。

例えば、いま不調の先発投手ローランドスミスをベンチに置いたまま、飼い殺しのような状態になっているのも、このオプション切れの問題からきている。
彼はオプションが切れているため、チームは仮に彼をマイナーで調整させて復調させたいとしても、下には落とせない。オプションの切れた選手の場合、25人枠から40人枠に移すにはウェーバーにかけなければならないからだ。(オプションが残っていれば移せる)
かといって、シアトルはローランドスミスをブルペン投手として使いつつ調整させる方法をとるのか、というと、そうでもない。
彼を先発投手として大成させたいという思惑がある今の首脳陣たちにしてみれば、むやみに彼をブルペン投手として酷使してダメにするわけにはいかないと考えているような感じがある。
だからローランドスミスは、いちおう建前としてはブルペン投手としてベンチにはいるものの、他のリリーフほど頻繁すぎる登板は課せられていない。困ったものだ。今日のゲームでも彼は投げていない。

こうした制度上の制約をすりぬけるための方法として、DL、つまり故障者リスト制度を上手に使う、という手もあるわけだが、馬鹿正直なのかなんなのか、シアトルは故障者リストを積極的に活用しようとしない。


ベンチにぶらさがったままのローランドスミス以上に今のブルペンの状況を悪化させた悪政のひとつが、ブラッドリーが例のカウンセリングから復帰してきたときに、チームがとった選手選択だ。
何度も説明し、日本のシアトルファンの多くが呆れていることだが、このチームは野手のブラッドリー復帰にあたって、ダブついた野手を25人枠からはずすのではなく、ただでさえ火の車なブルペンから、投手のショーン・ホワイトをマイナー送りにしてしまったのである。

さらには、ベンチには不調というより、肉体的な衰えからいまや代打要員でしかなくなったグリフィーがいる。彼がベンチにいることで、ロスター枠は一人分無駄になっている。DH要員はマイク・スウィニーと、ブラッドリーと、2人いるだけでも多いのに、3人もいるのである。


「もともとブルペン投手の数が足りないし、左右も偏っていた。また、いいブルペン投手がいない。そのくせ、リリーフもクローザーも酷使して、不調のまま使い続いている。その結果、リリーフがゲームの中盤を支えきれないし、クローザーはしょっちゅうサヨナラ負けを喫し続けている」
目の前にそういう根本的な問題があるにもかかわらず、チームのやったことといえば、どうだ。
「新しいキャッチャーを連れてくる」
開いたクチがふさがらない。

この際だからはっきりしておこう。

今日の先発捕手はアルフォンゾとかいう新しい選手だったが、今のチームの低迷ぶりは、アメリカのヒステリックで偏見だらけなブロガーの言うように、別にロブ・ジョンソンの打撃のせいでも、彼のパスボールの多さのせいでもない。彼は守備型のキャッチャーであり、チーム防御率はそれほど悪化などしていない。
ロブ・ジョンソンをスケープゴートにしても、チームの低迷は改善できるわけがない。それくらい、今日のゲームを見てわからないものか?



改善すべき点のプライオリティはもっと他にある。

ダブついた野手をロスターからはずし、足りない投手を増やし、不調の投手たちには時間と調整の場所を与えて復調させるべき。(例えばケリーを一時的にクローザーにするとか)そういうごく平凡な対策を、なぜ普通にやれないのか。
ロスターを再編するといっても、いくつかの点で制度や契約上の制約があるのはわかる。だが、もうそんなことを言ってる場合ではないだろう。
シアトルはいい加減、硬直しきったロスター構成のゆがみを正すべきだ。対策に着手するのがいつもいつも遅すぎるし、手をつけるポイントが、いつもあまりにも的を外れている。






damejima at 13:13

May 23, 2010

2010シーズン開幕から2ヶ月足らずだが、日本版インターリーグであるプロ野球交流戦が始まって阪神が連敗しだしたことで、ダメ捕手城島のダメっぷり、(もちろん打撃の内容なども相変わらず酷いものだし、盗塁阻止もお粗末な話だが)特にリードに関する発言が、関係者の間でもファンの間でも目立ってきているらしく、いちおう簡単にまとめておく。
どうせ、こんなめんどくさい作業、誰もやらないだろうし、ブログ主だってだいぶめんどくさくなってきたが、なりゆき的にしかたがない(笑)
城島株急降下、期待はずれのバッティング課題克服なるか? - 夕刊フジ - Yahoo!スポーツ
城島“天敵”に4盗塁許し痛恨失策で連敗…阪神:プロ野球:野球:スポーツ報知大阪版

ダメ捕手に関する情報集めは、ブログ主も、もうよほど暇なときでないとやらないし、やるにしても、まとめて一度にやるようにしている。理由は簡単。それが解説者であれ、ファンであれ、あらためて誰かの意見など見なくても、とっくに結論はわかりきっているからで、また、大半のポイントはとっくの昔にこのブログで書き切っているからだ。
阪神でこれから何が起きようと、あらためて驚くことはまったく無い。下にまとめた事例なども、どれもこれも起こるべくして起きていることばかりで、つまらないにも程がある。

「城島問題」の存在を初めてネット上で指摘したのは2007年ごろだったと思うが、当初はシアトルファンですら大多数が「城島問題」の存在自体認めようとしなかった。そういう頑迷な野球ファンは、「城島問題」の存在を認めようとしないクセに、その一方では、よく「なぜ投手陣が一斉に調子を崩すのか?」なーんてことを意味なく議論したものだ(笑)なにもかもが遠い昔の笑い話だ。
阪神における城島問題は、それを分析する必要も、誰かに説明して自分の意見を説得する必要も、まったく感じない。もうそんなわかりきったことにアタマも時間も使う必要性をまるで感じないのである。事実をまとめる程度で十分だ。

城島がメジャーにいた間、日本の野球関係者とファンが、ダメ捕手城島のダメさ加減がわからなかった理由のひとつは、「日本での生活時間帯とズレるメジャーの野球をあまり見ない」という、なんとも単純なところに、理由のひとつがあった。まぁ、よほど関心のあるヒトでなければ、年間100試合以上もシアトルのゲームを映像として追いかけない。

だが今は違う。
メジャー在籍時のように遠いアメリカの出来事を、自分の目で見てもいない人間が語ったり、盲目的に擁護する時代にピリオドが打たれて、いまは毎週毎日、阪神の「いま、まさに目の前にある現実」として、ダメ捕手のダメぶりが毎日のように映像として晒され続け、突きつけられ、100万人単位のヒトがそれを嫌というほど目に焼きつけさせられ続けるのである。
これがあと数年続くらしい(笑)ご愁傷様。
シアトル在籍時にはダメ捕手の失敗のサンプルは、自分でまとめない限り誰も集めなかったものだが、今年などは、集めるもなにも、毎日のように掃いて捨てるほどネット上に蓄積され続けている。こう多くては集めきれるわけがない(笑)

もし、これほど数多くの失敗例を見ても城島というプレーヤーがいかにダメか気がつかないとすれば、その人はもともと物事すべてを見る目がない、それだけのことだ。そういう見る目の無い人を相手にする必要など、微塵も無い。


発端:「初球ストライク宣言」
日本に逃げ帰ったダメ捕手のダメっぶり本格発揮の予兆が、これ。「ダメ捕手 初球ストライク宣言」。もちろん、この宣言以降、阪神がどういう目にあうかくらい、2010年3月当時からとっくに予想できた。だから、あえてブログ記事になどしなかった。
本当にそんなことをやるのか?と疑心暗鬼になった日本のスポーツ紙の記者から開幕前に質問され、城島はなりゆきで「あれは撒き餌ですよ」発言などして誤魔化してみせたが、本番のシーズンでは、「初球ストライクとみせかけて、実際には違うリードをして、打者を煙に巻く」どころか、本当に「初球ストライク」を実行して打たれ続けてくれるのだから、対戦相手にしてみれば、「まさか本当にやるとは」と、さぞかしびっくりしたことだろう(笑)
城島、OP戦初球ストライク義務化/タイガース/デイリースポーツonline
「僕が受けるときはまずストライクを投げさせる。それは監督に話をして了承をもらった」と明かした城島。


非常識な初球ストライク宣言の結果(笑):
「4月、初球被弾の毎日」

4月6〜8日の巨人戦で計30安打のうち11安打が初球
4月8日 巨人戦 新人長野 初球3ラン
原監督も絶賛!長野特大2号3ランに城島から盗塁も決めた:野球特集:スポーツ報知
4月9日 ヤクルト戦 ガイエルに逆転3ラン(4球目)
城島、痛恨の被弾に「キャッチャーのせい」(スポーツナビ) - Yahoo!ニュース
4月15日 巨人戦 坂本 初球満塁HR
スポーツナビ|野球|プロ野球| 巨人 vs. 阪神 [2010年4月15日]
4月17日 横浜戦 スレッジ カスティーヨ 2者連続初球被弾
城島、魔の東京遠征…4戦9被弾/主要ニュース速報/デイリースポーツonline
5月4日 中日戦 ブランコ、和田 連続初球被弾
城島「久保の失投ではない」
初球連続被弾…城島悔しナゴヤD5連敗 - 野球ニュース : nikkansports.com


交流戦でチーム成績は急降下:
「5月、対戦相手に手の内読まれまくりの毎日」

この月に増えたのが、ボール先行から苦し紛れにストライクを置きにいってホームラン被弾(笑)そういうありがちなミスを避けるために「初球ストライク宣言」をしたんじゃないのか?(笑)
5月12日・13日 日本ハム戦 2日続けて稲葉に打たれ、カード連敗
Yahoo!プロ野球 - 2010年5月12日 阪神vs.日本ハム
Yahoo!プロ野球 - 2010年5月13日 阪神vs.日本ハム
5月16日 楽天戦 2ボールから草野に3ラン 完封負け
Yahoo!プロ野球 - 2010年5月16日 阪神vs.楽天
5月19日 ソフトバンク戦 オーティズ、芝原、多村 連続初球被弾
オーティズ談「前日の対戦で内角を攻めてくるのも分かっていた」
城島リード粉砕 3発 オズ!柴原!!多村!!! / 福岡ソフトバンクホークス / 西スポ・西日本新聞スポーツ
大阪ダービーを前に、オリックス岡田監督
今季加わった城島についてもリサーチ済みだ。「(リードが)はっきりしてるからな。初球を3発打たれてるやん。」
オリックス・岡田監督、城島バッサリ! (2/2ページ) - 野球 - SANSPO.COM
5月22日 オリックス戦 阪神が放出したバルディリスに3ボールから勝ち越しホームラン被弾 カード連敗
真弓監督赤っ恥!阪神、オリックスに連敗 (2/2ページ) - 野球 - SANSPO.COM


そんなダメ捕手のダメリードに
関係者・ファンの批判コメント集

当事者の真弓監督、4月中日戦の初球連続被弾で
「よくやられている。ちょっと考え方、攻め方を考えないといけない」と珍しく配球面に苦言を呈した。「
久保2発被弾…真弓監督「攻め方を考えないと」(野球) ― スポニチ Sponichi Annex ニュース

チームメイトの金本(某掲示板書き込みより)
830 名前:代打名無し@実況は野球ch板で[sage] 投稿日:2010/05/22(土) 01:56:58 ID:vpUZKsLv0
福岡RKBラジオで解説やってる浜名(金本と東北福祉大の同期)がヤフドの阪神-ソフバン戦の前夜に金本と飯を食ったときの話を紹介していた。
(金本の話をラジオで紹介する)浜名「ベンチから城島の配球を予想してるけど8割5分は当たる。ちょっと単調だね。」(と、金本が言っていた:ブログ注)
アナウンサー「本当?」
浜名「マジマジ」
(オリジナルの書き込みを5月23日一部修正。修正ソースは以下。896 名前:代打名無し@実況は野球ch板で[sage] 投稿日:2010/05/23(日) 22:56:35 ID:wNUxd/1I0
>>830
それ聞いてたが「本当」って聞いたのはアナ、「マジマジ」が浜名)

昨シーズン引退した赤星がラジオ解説で
「彼(=城島:ブログ注)には悪いけど、セカンド送球時にサード側に送球がそれるキャッチャーって、いくら肩が強くても余裕でセーフになるから、怖くもなんともないんですよね
阪神OBの評論家・福間納氏
「城島と投手との呼吸が合っていないと感じる場面がある。内角を過剰に意識しているからか、たとえば2ストライクから内角球を要求する場面が目立つ。これは死球のリスクも大きい。去る11日のヤクルト戦では、二回に下柳が飯原に死球を与え、満塁のピンチを招いた。」
元阪神監督・現オリックス監督の岡田氏
今季加わった城島についてもリサーチ済みだ。「(リードが)はっきりしてるからな。初球を3発打たれてるやん」。
オリックス・岡田監督、城島バッサリ! (2/2ページ) - 野球 - SANSPO.COM
元ヤクルト広澤克実氏のブログ
「特に気になったのは、キャチャー城島の初球の入り方だよ。今季タイガースの被本塁打は合計36本、その内初球の本塁打が、13本と断トツに多い。」
ソフトバンクに大敗、前夜の強さは何処へ???|広澤克実オフィシャルブログ「トラさんのちょっと虎話」Powered by Ameba
阪神ネタで飯を食うタレント・ダンカンの新聞コラム
アーチ許す城島のリード…
【ダンカン】アーチ許す城島のリード… - 野球 - SANSPO.COM


次々と責任をとらされるベテラン投手たち
安藤 4月25日記事 2軍落ち
時事ドットコム:不振の安藤、2軍落ち=プロ野球・阪神
久保田 5月20日 2軍落ち
時事ドットコム:不調の久保田、2軍落ち=プロ野球・阪神
下柳 5月15日登録抹消、調整
阪神・下柳、登録抹消…24日背水登板へ (2/2ページ) - 野球 - SANSPO.COM
→その「背水登板」の結果は「敗戦」
Yahoo!プロ野球 - 2010年5月26日 阪神vs.西武


2軍落ちだらけのベテランにかわって先発投手に昇格し
「さっそくダメ捕手のダメリードの犠牲になった」2線級投手たち

上園
5月19日 ソフトバンク戦 オーティズ、柴原、多村 連続初球被弾
オーティズ「前日の対戦で内角を攻めてくるのも分かっていた」
城島リード粉砕 3発 オズ!柴原!!多村!!! / 福岡ソフトバンクホークス / 西スポ・西日本新聞スポーツ

【プロ野球】交流戦でパが好調 好投手を積極打法で強力援護  - MSN産経ニュース
上園、城島の阪神バッテリーはオーティズに先制弾、柴原にも一発を浴びたが、いずれも打たれたのは初球。ストライクから入ることが多い城島のリードがパの積極打法の餌食になったかたちだ。


元阪神監督のオリックス岡田監督
今季加わった城島についてもリサーチ済みだ。「(リードが)はっきりしてるからな。初球を3発打たれてるやん」
オリックス・岡田監督、城島バッサリ! (2/2ページ) - 野球 - SANSPO.COM
5月22日 オリックス戦 放出したバルディリスに3ボールから勝ち越しホームラン被弾
真弓監督赤っ恥!阪神、オリックスに連敗 (2/2ページ) - 野球 - SANSPO.COM
元阪神監督の吉田義男氏(メディア解説時のコメント)
城島君じゃ鶴投手の良さを引き出せないですね・・」「矢野君と言う素晴らしいキャッチャーが居るんですから、彼から学ぶべきトコ・・」


6月1日 楽天戦9回裏
鉄平2アウト1,3塁の1-1からセンターへサヨナラタイムリー
Yahoo!プロ野球 - 2010年6月1日 楽天vs.阪神
6月9日 西武戦9回裏
片岡片岡 2アウト2塁の2-3からレフトへのサヨナラタイムリー
Yahoo!プロ野球 - 2010年6月9日 西武vs.阪神
6月13日 ロッテ戦延長10回裏
藤川球児が初球ストレートをサヨナラホームラン被弾
Yahoo!プロ野球 - 2010年6月13日 ロッテvs.阪神 一球速報






damejima at 07:59

May 19, 2010

前の記事にひき続いて、某巨大掲示板の興味深いデータをもうひとつ記録に残そうと思う。
これもまた、今シーズンのシアトルのアンバランスすぎる不合理なチーム状態を示すデータ、ということになる。

989 名前:名無しさん@実況は実況板で[] 投稿日:2010/05/19(水) 17:59:26 ID:cDazFpUJ [38/39]

1. Fister SEA 0.94(3勝1敗)
2. Braden OAK 0.96
3. Marcum TOR 0.97
4. Hughes NYY 0.98
4. Vargas SEA 0.98(3勝2敗)

ESPN 2010年ア・リーグWHIPランキング
(2010年5月18日現在 ブログ側で添付)

ア・リーグWHIPランキング(2010年5月18日現在)

WHIP(Walks plus Hits per Inning Pitched)というデータは、「投手が与えた四球と被安打数の、イニングあたりの数」。デッドボールやエラーによる出塁は含まれない。2009シーズンにウオッシュバーンがMLB全体のWHIPランキングのトップを走っていた時期があり、このブログでも何度も挙げた。
WHIP (野球) - Wikipedia

2010年WHIPランキング(ESPN)
MLB Baseball Pitching Statistics and League Leaders - Major League Baseball - ESPN

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年7月23日、ウオッシュバーン、ついにWHIPア・リーグトップに立つ。7回QS、4連勝の8勝目でERAは2.71に上昇。ゲーム後、彼は初めて自らハッキリと「チームに残りたい」と強く意思表明した。ロブ・ジョンソンは先発ゲーム8連勝。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年8月4日、ウオッシュバーン、7月のア・リーグPitcher of Month受賞!ロブ・ジョンソンは6月ヘルナンデスに続き2ヶ月連続で月間最優秀投手を輩出、キャッチャーとしての揺るぎない優秀さを証明した。


現在のWHIPランキングでベスト5に入った投手たちのうち、シアトル以外の投手たちの横顔をみてみる。

WHIPランキング2位のダラス・ブレイデンは、もちろん、この5月9日にメジャー17人目の完全試合を達成したオークランドの主力左腕。
WHIPの数値が素晴らしいにもかかわらず、ERAは3.50と、WHIP上位5人の中で最も悪い。完全試合の前の試合も、後の試合も負け投手になっているように、好不調の波が大きいタイプだ。
K/BBは4.13で、5人の投手の中ではひとり抜けている。とにかく四球を出さないことが、彼のWHIPの高さにつながっているようだ。
だからブレイデンは、ハラデイリンスカムのような、勝ちだけを積み重ねてサイ・ヤング賞を争うような大投手タイプではない。むしろ、12勝10敗とか、13勝11敗とかの成績でシーズンを乗り切ってくれる典型的なイニング・イーターだ。チームにとってはありがたい存在である。
Dallas Braden Stats, News, Photos - Oakland Athletics - ESPN

WHIP上位5投手のERA
Doug Fister 1.72
Dallas Braden 3.50
Shaun Marcum 2.61
Phil Hughes 2.25
Jason Vargas 2.93


WHIPランキング3位のショーン・マーカムは、トロント・ブルージェイズの技巧派の右腕で、開幕投手。トロントのエースだった大投手ロイ・ハラデイがフィリーズに移籍したことで、今年の開幕投手を務めた。5月に入って味方のRS(Run Support Average)も上がってきて、現在3連勝中と、ノッてきている。
Shaun Marcum Stats, News, Photos - Toronto Blue Jays - ESPN

WHIPランキング4位のフィル・ヒューズは、ヤンキース期待の若手右腕で、まだ23歳。デビュー以来どうも良いのか悪いのかパッとしないシーズンが続いていたが、今シーズンは見違えるほどいい。開幕から5連勝、負けなし。
とにかく今シーズンのピッチングにはキレがある。(「投手コーチのアドバイスでオフからチェンジアップに取り組み、それが自信を持って使えるようになり、投球の幅を広げることができた」フィル・ヒューズ)
加えて、彼の登板時の味方のRS(Run Support Average)が凄まじい。RS 11.05は、ア・リーグのトップ5に入る数値。これだけ点もとってもらえば負けないわけだ。今秋には最多勝をチームメイトのサバシアあたりと競うシーンもあるかもしれない。
ヤンキースというと、ペドロイア、エルズベリー、レスターなど新人をスタメンに育てあげた実績の多いボストンに比べて若手育成が上手くないというイメージも強かったわけだが、カノー、ヒューズ、チェンバレン、ガードナー、セルベリ、テムズなど、最近のヤンキースは若手育成が非常に上手く機能しだしている。(記事例:スポーツナビ | 野球|コラム好調のヤンキースを支える「ホームグロウン選手」たち
Phil Hughes Stats, News, Photos - New York Yankees - ESPN


RS(Run Support Average ラン・サポート)というデータは、その投手の登板時に味方がどれだけ点をとってくれたか、という数値なわけだが、WHIP上位の5投手のRSはこんなふうになっている。

WHIP上位5投手のERAとRS
Doug Fister 1.72 4.79
Dallas Braden 3.50 4.67
Shaun Marcum 2.61 6.97
Phil Hughes 2.25 11.05
Jason Vargas 2.93 4.50

WHIP3位マーカムと、4位ヒューズには、かなりのRSがあることがわかる。
一方で、残りの3人は4点台。RSは9イニングの数値だから、自分がもし勝ち星をゲットしようと思えば、失点を3点以内に抑えるしかない。つまり、毎試合のようにQSすることが求められるわけである。

これは結構きつい。

カンザスシティのグレインキーも防御率2.72、WHIPが1.07でありながら、打線ラン・サポートが3.92しかなく、いまだに1勝4敗で、毎シーズンのことながら気の毒になるが、シアトルには、ある意味、「フィスター、バルガスと、グレインキーが2人いる」ようなものだ。

特に、WHIP第1位で、防御率も1.72と素晴らしいダグ・フィスターは、打線次第でもっと勝ちを増やせたはず。
例えば5月2日のセーフコでのテキサス戦。フィスターが無四球無失点で8回を投げぬいて、1−0でリードして最終回を迎えながら、9回表にアーズマが打たれ、同点になり、延長12回で負けた。
こうした例はフィスターだけでない。今シーズン、シアトルのどの先発投手にもある。ともかく先発投手が勝ちに恵まれていなさすぎる。
Doug Fister Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN

Jason Vargas Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN

フィスターだけに限らず、味方がちゃんと点をとっていさえすれば、今年のシアトルの先発投手にはもっと勝ちがついているのは間違いない。






damejima at 21:11
某巨大掲示板にこんなデータがあった。

見ていて気が滅入るようなデータでもあるが、マスメディアでは誰も作らないような個性があるデータ、つまり、魅力的なデータだと思う。このまま埋もれさせてしまうには惜しいので、転載し、貴重な記録としてサイト上に残しておくことにした。
今年のシアトルが、いかにアンバランスかということが、哀しいくらいによくわかる。
(書き込みをしたID:nKKUN3Ke氏に感謝を申し上げたい。なお、元の書き込みから、ラベル部分を一部訂正してある。というのも、ブログというのはカラム幅に制約があるからである。左右の幅を少し狭くし、見やすくしてある)


523 名前:名無しさん@実況は実況板で[sage] 投稿日:2010/05/18(火) 15:30:30 ID:nKKUN3Ke

01チーム安打1637(2) イチロー安打242(14.78%)
02チーム安打1531(4) イチロー安打208(13.58%)
03チーム安打1509(9) イチロー安打212(14.04%)
04チーム安打1544(6) イチロー安打262(16.96%)
05チーム安打1408(27) イチロー安打206(14.63%)
06チーム安打1549(10) イチロー安打224(14.46%)
07チーム安打1629(3) イチロー安打238(14.61%)
08チーム安打1498(10) イチロー安打213(14.21%)
09チーム安打1430(20) イチロー安打225(15.73%)
10チーム安打281(28) イチロー安打56(19.92%)←(38試合消化時点)

ブログ側注
左より、チーム総安打数、チーム総安打数の30球団における順位、イチローの総安打数、イチローの安打数がチーム安打数に占めるパーセンテージ


面白いことに、イチローが打つヒット数というのは、ほぼチームの安打数の15%前後という数値におさまっていてきている、ということが、まず面白い。

上のデータでシアトルのチームヒット数のMLBランキングを見てもわかるとおり、シアトルがいつもいつも貧打のチームだったわけではない。どんなチームでもそうだろうが、打てるシーズン、打てないシーズン、いろいろなシーズンがある。
同じように、イチローにも、2004年のような超爆発するシーズンもあれば、ほどほどのシーズン(もちろん、それでも200本打ってしまうわけだが)もあり、いろいろである。

では、チームがものすごく打てるシーズンは、イチローのヒット数も多くなるという傾向にあるか? というと、完全に比例関係にあるとまで言えるほどの関連性はない。シーズンごとのイチローの好不調の波は、けしてチームの好不調とは一致しない。

にもかかわらず、どういうわけかメジャー移籍以降のイチローの安打数はいつも、チームの総安打数の15%前後という範囲におさまってきた。


ところが、だ。

今年2010年にかぎっては、
いまのところイチローがチームの安打数の約20%を占めている。こんなシーズンはこれまでになかった。イチローがチームの安打の5本に1本を打っているのである。

試合サンプル数が少ないという意見もあると思うが、現状の傾向や、打者の調子の推移をおおまかに見る限り、今後、イチロー以外の選手においてヒット数が大きく増えていく傾向が見られるかというと、残念ながら、そんな気配はまるっきりみられないので、いまの傾向、つまり、「イチローがチーム内で例年にない割合のヒット数を記録してしまう可能性」は大きい、と言わざるをえない。

2001年から2009年にかけて、さまざまな選手がやってきて、去っていき、監督もGMも何人か変わったが、これほどアンバランスな状態になったのは、今年2010年が初めてなのである。






damejima at 19:58

May 18, 2010

以下に、ア・リーグのチーム防御率ランキングを挙げてみた。シアトルは3.58で、リーグ3位である。

ダメ捕手城島が正捕手をはずれてからというもの、シアトルのチーム防御率は、リーグの五本指に入るどころか、常にトップクラスにある。
城島在籍時にはいい投手がいなかったなどという、馬鹿馬鹿しい言い訳はあたらない。ヘルナンデスはダメ捕手がいなくなったとたんにサイ・ヤング賞を争ったし、城島とばかり組まされていたフィスターは、今シーズンは見違えるほど成長した姿を見せている。
かつてのエースモイヤーはいまだにナ・リーグ優勝チームのローテ投手だし、あの弱弱しかったピネイロも、アナハイムのローテ投手としてメジャーで生き残っている。あのシルバですら、他チームでは意味不明の復活を遂げている。
自分を、ではなく、投手を生かす術を知らないキャッチャーはメジャーでも日本でも、同じように投手をダメにする。

ア・リーグ チーム防御率(2010年5月16日)ア・リーグ
チーム防御率ランキング
2010年5月16日現在

ア・リーグでチーム防御率が4点を切っているチームは、シアトル以外に、わずか3チームしかない。
タンパベイ(26勝11敗)
ヤンクス(24勝13敗)
ミネソタ(23勝14敗)
この防御率のいい3チームのすべてが、例外なく、貯金を10程度以上積み重ねていて、それぞれ地区首位あたりを快調に走っている。チーム防御率は、やはり、チームの順位と連動性をもつ。

ところが、だ。
シアトル「だけ」は、14勝23敗と、まったく逆なのだ。

この異常事態の原因はハッキリしている。
打力の無さが投手の足を引っ張っている。

ア・リーグ チーム総得点 (2010年5月16日)ア・リーグ
チーム総得点ランキング
2010年5月16日

さきほどあげたチーム防御率のいい3チームは、この総得点ランキングでも、ヤンクス1位、タンパベイ3位、ミネソタ5位と、上位を占めている。要は、投打に渡ってバランスがとれている。

ひるがえって、シアトルは総得点14位と、最下位。

チームの勝率が上がってこないのは、打線が投手の足を引っ張っている、というような言い方をしたとが、もっと正確な言い方をすべきだろう。

先発投手に問題はない。クリフ・リーベダードがいなかった苦しい台所を、フィスター、バルガスと、シーズン前には頼りにならないと思われた2人の投手が支えてくれた。
前の記事でも言ったことだが、問題は、ロスターにおけるセットアッパーの人数と、無駄にベンチに入れている「打てない野手」の人数とのアンバランスさ、もともと打てない打者に好打順を打たせていること、などなど、本質的にはチームマネジメントの問題である。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年5月16日、クリフ・リーの「完投敗戦」にみるシアトルのチームマネジメントの責任。プレーヤー配置のアンバランスさが、ゲーム終盤の逆転劇の原因なのは明らか。

つまり、突き詰めて言うと、
チームとして施策に「合理性」がまるで無い。

欧米だから合理性など、あって当たり前、という一般論は、ことシアトルだけに関しては通用しない。不合理きわまりないこと、リクツに合わない話が、シアトルでだけは、堂々と、我が物顔でまかり通っている。
これまでも、右打者に圧倒的に不利なホームスタジアムなのに、右打者を大量に獲ってきてしまう不合理さ。ダメ捕手城島に高額の3年契約をくれてやるような不合理さ。あらゆる不合理なことが、このチームでは起きてきた。

打てない選手を2番と4番と5番に並べ、ベンチにはDHの予備はいても代走や代打も出しにくいほどアンバランスな選手構成、左のセットアッパーはひとりもいない。そんな不合理な現状を、もうこれ以上チームは続けるべきではない。






damejima at 10:16

April 16, 2010

結論は簡単だ。
この10年、阪神タイガースというチームのチーム防御率は毎年1位か2位で、城島が加入したこととは、まったく何の関係もない。むしろ、チーム防御率が4点台に近づくような現状があれば、それこそ阪神タイガースにおける「城島問題」である。


ひさしぶりにあちこちの掲示板を覗いてみて、笑ってしまった(笑)
このところ日本のプロ野球を扱う掲示板等や、ネットのスポーツ記事で、なにかというと「阪神タイガースの防御率がリーグトップ。これは城島が加入して安定したため」とか、なんとか(笑)関西の小学生でもそのレベルの低さがわかる意味不明なキャンペーンが盛んなようだ。
たぶん野球も、野球のデータも知りもせず、また移籍先の阪神タイガースというチームの過去の来歴も知りもしないで間の抜けた発言を繰り返す城島オタクたちの妄言もここまで来たか、としかいいようがない(笑)

まぁ、掲示板の素人ファンが自分の思い込みを掲示板などに晒して世間で恥をかくだけならまだしも、ネットメディアにもこんなアホウな文章を書いて恥を晒している記者もいる。
「現在のチーム防御率はリーグトップで、今季から加わった捕手・城島健司を中心に安定している。」
記事例:圧倒的攻撃力の巨人と防御率1位の阪神が激突=見どころ(スポーツナビ) - Yahoo!ニュース


はっはっは。なんだ、これ(失笑)

日本に逃げ帰っても打率が.250にしかならないと、こんな嘘を書くことしか逃げ道が見つからない、というのも哀れな話だが(笑)、それにしたって、10年も続けて防御率が1位か2位というチームの特性を世間が知らないとでも思って書いているのだろうか。
下手をすると、野球をほとんど知らない人間が書いているのかもしれない。もちろんデータを調べる習慣もないのだろう、可哀想に。どこかのスポーツマネジメント事務所の無能なライターでも雇って書かせているのかもしれない。


もう一度いうと、この10年の阪神タイガースというチームは、そもそもチーム防御率がリーグ1位か2位から落ちたことがない。そして、チーム防御率が4点に近い3点台になったことも、ほとんどない。
そのチームの防御率が4月15日現在で3.75。これの、どこを称して「城島が加入したから安定した」とか意味のわからないことがいえるのか(笑)子供じみた嘘を書いていると人に笑われるだけなのがわからないのだろうか。


ちょっと阪神タイガースの歴史を、チーム防御率から振り返ってみる。
データブック|チームデータ|阪神タイガース公式サイト

(1)2リーグ制以降の「投手王国時代
日本のプロ野球が2リーグに分立した1950年以降、1970年代にかけてのおよそ25年間の阪神タイガースのチーム防御率は、なんと、ほとんどのシーズンのチーム防御率が2点台で、3点台になったすら、ほとんどない。素晴らしい数字である。
これは小山正明(キャリア防御率2.45)、村山実(キャリア防御率2.09)という2人の大投手を擁したことによるものらしい。

(2)1970年代後半以降の「投手暗黒時代
小山・村山の両投手が相次いで移籍あるいは引退した後、1977年から1991年までの10数シーズン、阪神のチーム防御率はほとんどのシーズンで4点台の惨状が続く。1978年には球団創設以来初の最下位に沈んでいる。長い目で見て、投手陣の非常に長い低迷期といえる。
阪神ファンの人たちの中には、1985年には21年ぶりの優勝、そして日本一に輝いたじゃないか!と思う人もいるかもしれない。だが、その1985年すらチーム防御率は4.16である。防御率のいいチームが優勝しやすい近年の野球では、4点台での優勝はとてもとてもありえない。

(3)2000年代以降の「防御率リーグトップ時代
野村克也氏が監督に就任した1999年以降、チームカラーは1980年代とはガラリと変わる。2000年代の10年間でみると、阪神のチーム防御率が4点台になったことはわずか1度しかなく、毎年あたりまえのようにチーム防御率はリーグ1位か2位を記録し続けている。
ただ、もちろん投手陣の全てが良かったわけではない。例えばチーム防御率が3.56でリーグ1位だった2007年でみると、ブルペンの防御率が2.45でリーグ1位なのに対して、先発投手の防御率は4.45でリーグ最下位であったように、チーム内の投手力に大きな偏りがあったことは有名である。

この10年の阪神タイガースのチーム防御率
2010年 3.75 (2010年4月15日時点)
2009年 3.28(防御率1位・リーグ4位)
2008年 3.29(防御率1位・リーグ2位)
2007年 3.56(防御率1位・リーグ3位)
2006年 3.13(防御率2位・リーグ2位)
2005年 3.24(防御率1位・リーグ優勝)
2004年 4.08(防御率2位・リーグ4位)
2003年 3.53(防御率1位・リーグ優勝)
2002年 3.41(防御率4位・リーグ4位)
2001年 3.749(防御率4位・リーグ最下位)
資料:日本プロ野球機構公式HP 年度別成績ほか

もちろんシーズンごとに見れば、防御率3点台前半を記録したチームですら優勝できない投手力優位のシーズンもあれば、1985年のように防御率4点台なのに優勝できてしまう、そういう打力優位なシーズンもある。
そこで2009シーズンの阪神タイガースで「最もイニング数を投げた投手たち10人」の防御率を、今年の数字と比べてみる。

    2009  2010
能見 2.62  5.51
安藤 3.90  6.91
久保 3.75  3.79
下柳 3.62  2.65
岩田 2.68
アッチソン 1.70
福原 4.84
江草 2.71  9.00
藤川 1.25  0.00
筒井 3.71  5.40
(メッセンジャー  6.48
資料:Yahoo!スポーツ - プロ野球 - 阪神タイガース - 投手一覧ほか

説明するまでもない。
大半の投手の防御率が悪化していて、特に昨シーズンに最もイニングを食ってくれた能見安藤両投手が揃って大幅に悪化しているのが、このチームの近い将来の致命傷になるだろう。
先発投手に難があると言われ続けているチーム特性があるとはいえ、2009シーズンに最もイニング数を投げた阪神の投手たちの防御率は、先発・ブルペン問わず、ほとんど全員が3点台以下である。「先発投手の防御率が良くないのが阪神タイガースというチームのもつ大きな欠陥」という言い訳は通用しない。
また、今シーズンになって大幅に悪化した投手もいる一方で、昨年と同じレベルの投手もいることから、防御率の悪化を「飛ぶボール」のせいにしても何の説明にもならない。そういうくだらない言い訳を思いつく暇があったら、仕事しろといいたい。






damejima at 11:05

April 05, 2010

MLBのデータは見ていて飽きない。スポーツのデータそのものが、ひとつのエンターテイメントとして確立している。
Baseball Reference、ESPN、MLB公式、SI.vom、CBS、FOX、項目数の豊富さもデータ・サーフィンの面白さを支えている重要な要素だが、さらに、項目ごとにソートできることなど、データの取り扱いの自由度が高いことも、データを眺める楽しみにとって大事な部分。自分でいじれる自由さはプレーヤーやチームごとの比較に欠かせない。また年代をさかのぼって調べるのが簡単なのもありがたい。

日本のメディアでは、こうはいかない。
日本のプロ野球の基礎データを常時提供しているサイトはいくつかはあるが、いかんせん、データをソートできる程度のサービスすら、ほとんどやっていない。一部ソートできるヤフーですら、せいぜい上位30人程度の選手しか表示されない。これでは、例えば競馬のデータサイトの充実ぶりなどに比べてレベルが低すぎる。
関連メディア同士で費用を出し合って共同の会社でもつくってデータ収集し、ネット上での無料データ提供を早くやるべきだ。


ヤフーの野球ページは、デザインがしょぼいのもあるし、どうも好きになれない。だがまぁ上位30人程度はソートできる。

2010シーズンのパ・リーグの打者を出塁率でソートしてみると、OBP(出塁率).350以上をマークしている13人の打者のうち、なんと半数の6人がロッテのプレーヤーで占められている。
9人のスターターの3分の2にあたる6人もの打者がOBP.350を越えているチームが1チームだけあるのだから、そりゃ順位も1位にもなるわけだ。なかでも西岡大松といったバッターは魅力がある。OBPだけでなく、OPS、得点圏打率も高い数値をたたき出しているのが素晴らしい。
今のところオリックスのカブレラやラロッカといったプレーヤーなども、たしかに出塁率は高いが、彼らは得点圏打率がたったの1割前後しかない。これではシーズン通して頼りになるかどうかわからない。ロッテの打者たちの数値は、こういうムラがない。
Yahoo!スポーツ - プロ野球 - パ・リーグ打者成績 - 出塁率

同じ話を、セ・リーグで見てみるとどうだろう。
OBP.350を越える打者17人の内訳は、巨人5人、中日4人、ヤクルト3人、横浜・阪神各2人、広島1人となっている。4月4日現在のOBPの高い打者数とチーム順位は、寸分の狂いもなくピタリと重なっているのが面白い。
Yahoo!スポーツ - プロ野球 - セ・リーグ打者成績 - 出塁率

開幕したばかりで打数が少なく、打率とOBPがほぼ連動してしまうような時期だから、現時点でチーム打率自体がずば抜けて高いロッテ、巨人、中日、ヤクルトの4チームの勝率の高さを、単純にOBPだけで説明しようとするのは馬鹿げているわけだが、これだけ出塁できるバッターをズラリと揃えた上位チームが簡単に調子を落とすわけはない。
少なくとも、これら4チームの出塁率の高さは注目に値する。これからも数値の推移と順位の関係を注目するといいと思う。


この何年かで、日本のプロ野球ロッテが出塁率重視の戦力整備を進めてきていることは、元ロッテ監督のボビー・バレンタインがアメリカから連れてきたアナリストのポール・プポ Paul Pupoの存在などからも、よく知られている。

ポール・プポのヒッティング・チャートポール・プポの
ヒッティング・チャート

ポール・プポのピッチング・チャートポール・プポの
ピッチング・チャート

ポール・プポのピッチング・チャート 2ポール・プポの
ピッチング・チャート

ボビー・バレンタインは、Paul Pupoを称して、「ミスター・インフォメーション」と呼び、非常に信頼して頼りにしていたことを自分のブログで詳細に紹介している。
ボビー・バレンタイン監督の公式ブログ / Bobby Valentine’s Official Blog Site » Blog Archive » Paul Pupo, Mr. Informationポール・プポ「ミスター情報」

プポ家は、ポール・プポ含め、男兄弟が揃って野球選手の野球一家。長兄のLen Pupoは、1967年と68年にボルチモア・オリオールズのシングルAでプレイしているスイッチヒッター。Baseball Referenceにもちゃんと記録があった。たとえシングルAの選手でもこうしてきちんと記録が残っていて、すぐに詳細な成績を取り出せるのは、本当に素晴らしいことだ。
Len Pupo Minor League Statistics & History - Baseball-Reference.com

なんでもプポの母親の作る料理は超美味いらしく、何軒かレストランを開いているほどだ。
プポの母親が最初に店を出したのは、ワシントン州の中心都市シアトルから東へ338マイル(=約540km)のところにある街、スポケーン Spokane
スポケーン ワシントン : ライラック・シティ
バレンタインのドジャースでのキャリアは、3Aより前のルーキーリーグ時代にさかのぼるが、スポケーンには、バレンタインが新人プレーヤー時代に所属していたドジャースのマイナーが置かれている。イタリア系アメリカ人であるボビー・バレンタインは、ドジャースの3Aにいた1969年にスポケーンでポール・プポと出会ったらしい。
当時のドジャースのルーキーリーグの監督が、のちに1976年にドジャース監督に就任するイタリア系のトミー・ラソーダ。ボビーをスカウトしてきたのも、スカウト時代のラソーダである。
ラソーダも、プポの母親の料理を非常に気にいっていたらしい。プポの母親がシアトルに出した2軒目のレストランはイタリア料理のようだが、バレンタインもラソーダもイタリア系だし、プポ家の家系もおそらくイタリア系だろうと想像するが、バレンタインのブログではその点は触れられてない。
1970年代にバレンタインはプポ家のレストラン事業とは無関係に自分自身の手でレストランを持ったが、後にポール・プポにレストラン経営の助力を頼んだなどから、以降、2人はレストランビジネスでも協力関係にある。

ちなみに、プポというラストネームは東海岸と、西海岸に多く分布しているらしい。
Pupo Family History Facts 1920 - Ancestry.com


ボビー・バレンタインは、ワシントン州との関係が深い。彼がメジャーリーガーとしてのキャリアを終えたのは、1979年の創設して間もない時代のシアトル・マリナーズで、ユーティリティー・プレーヤーとして、62ゲームに出場した。
ワシントン州で野球選手としてのキャリアを始めたボビーだが、選手キャリアの最後もワシントン州で終えているわけで、シアトルの監督候補に挙がることがあるのは、こうした色々なワシントン州との縁があるからなわけだが、やはりなんとなく彼はシアトルよりLAドジャースとの関係の濃い人間という印象が強い。
ボビー・バレンタインの現役成績
Bobby Valentine Statistics and History - Baseball-Reference.com


1979年のシアトル・マリナーズの選手たち
1979 Seattle Mariners Batting, Pitching, & Fielding Statistics - Baseball-Reference.com



なお、ロッテの快進撃については、ポール・プポと同じように分析的な指導スタイルで知られる打撃コーチの金森栄治の功績と考える人もいるようだ。
金森のコーチとしての実績を詳しく知らないのだが、ブログ主としては、どうにもBS解説者時代の、あの「しゃべりが異常に下手で、まったく無口とさえいえる、解説者にまったく向いていない男」という金森の印象が強すぎて、とても、あの「無口な、キレのない男」が、弁舌さわやかに野球というゲームを分析しているとは到底思えない(苦笑)
例:2010/03/22 西武vsロッテ 3回戦 / 日刊埼玉西武ライオンズ






damejima at 08:53

March 28, 2010

最初にことわっておくと、2010シーズンに関するウオッシュバーンのシアトルとの契約は、どうせなるようにしかならない。関心を持って注視してきたし、ウオッシュバーンがシアトルに戻れることを願ってもいるが、もともとマリナーズには 「ねじれたことをするのが大好きなヒト、ストレートなドラマを喜べない不幸なヒト」が両肘かけの椅子に座っていらっしゃるようだし、そもそも先のことなど、どうなるかわからない。
だから、こればっかりは、契約が決まらないうちに外野があれこれ言ってもはじまらない。
Jarrod Washburn Posts -- FanHouse

契約、とかいうやつは、必ずしもヒトの想いに沿うように出来ていないし、スムーズに全体を進ませる方向には案外行かないように出来ている。(出来の悪い契約なら、なおさらだ)そのせいか、この「契約」とかいうやつ、ときどきスポーツをおそろしくつまらなくする。
ダメ捕手城島とMLBシアトルマリナーズの無意味な契約も、今にして思えばシアトルのベースボールを4年の長きにわたって本当にかき回し、台無しにした。


2010年から初めてシアトルマリナーズのゲームを見始めるファンの方だって、中にはいるかもしれないから、ウオッシュバーンって誰?と思う方もいるかもしれない。
そうした方にば、2009シーズン中に月間最優秀投手賞を受賞し、準パーフェクトゲームも達成している、気のいい、釣り好きの中年ピッチャーが初夏まで在籍していたことを、ぜひ教えてあげたいと思う。
だが、好成績でありながら、しかも、ウオッシュバーン自身が何度もマスメディアに「絶対に移籍したくない。シアトルにいたい」と公言し続けていたにもかかわらず、その彼が、チームが金に困っているわけでもないのに、なぜ他チームにトレードされたのか。先発投手が余っていたどころか、むしろ先発投手たちに疲れが出てくる夏の、それも、秋のプレイオフ進出の最後の可能性を探っていた2009年7月末に、それも、トレード期限ギリギリに、なぜ他チームに売られなければならなかったのか。

それを、説明するのは、たいへんに長い話になるし、不可解な部分、不愉快な部分も多い。

こんなこと、友達に聞いたって、誰も説明してはくれない。きちんと筋道をたてて、話の流れを追えるのは、あの、悪質な城島問題について終始きちんとした姿勢を貫いたこのブログだけなわけで、世の中にちゃんと説明してくれる材料はほとんどない。
とはいえ、やたらと長たらしい文章ばかりが多く、記事量も膨大で、事実関係の複雑ななこのブログの話題をたどる面倒な作業を、ヒトに無理強いするわけにもいかない。
まぁ、ウオッシュバーン放出のまとめだけでも、今年のどこかで、気が向いたときにでも、一度まとめてみるから、そのときまで待ってもらえるとありがたい。待てないヒトは、カテゴリーをまとめ読みするしかないだろう。日付で話の最低限の前後関係が追えるように、このブログでは(一部の例外を除いて)記事にすべて日付をふってある。



シアトルマリナーズ公式サイトで記事を書いているJim Streetは、2009シーズンの7月末に不意にトレードされたウオッシュバーンが、8月になってトレード先のデトロイト・タイガースの先発投手として、マリナーズとゲームをするためにセーフコにやってくることになったとき、ファンのためにアットホームな記事をしたためてくれた、とても心の温かい奇特な男である。
Johnson to face former batterymate | Mariners.com: News

内容は、トレード後のウオッシュバーンがデトロイト・タイガースの先発投手として、8月のセーフコのゲームに先発することになり、キャッチャーのロブ・ジョンソンとひさびさの再会を果たす打席で、投手として打者ロブ・ジョンソンに『ドルフィン』という変化球を投げるかどうか、という話がメインである。
なぜなら、『ドルフィン』は、ウオッシュバーンとロブ・ジョンソンがコーチの助言も交えながら、共同開発した彼ら独特の変化球(大きなスローカーブ)だからである。ドルフィンの成立経緯については、一度SPI電子版がロブ・ジョンソンにインタビューして、とてもいい記事を書いたので、そちらを読むといい。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年7月6日、ロブ・ジョンソンが準完全試合を達成したウオッシュバーンの新しい魔球「ドルフィン」と、その開発にいたるコラボレーションについて大いに語った。

Jim Streetは、ウオッシュバーンのトレード自体に文句をつける記事を書くのではなく(公式サイトのライターがそういう記事を書くのは無理だろうし)、トレードによって違うチームに分かれた2人にそれぞれ話を聞き、フィールド上で再会を果たすバッテリーの小さなドラマを、ユーモラスかつアットホームに記事にしてみせてくれた。
結果的に誰もハッピーにならなかったこのトレード事件の背景には、ファンの意向など無視の、ねじれきったオトナの事情が垣間見えるわけだが、そこはあえて割り切り、Jim Streetが公式サイトのライターとして可能なギリギリの線として、彼らバッテリーへの愛情を「再会」というドラマで表現した、という感じに、かねてから思っていた。なかなか誰にでも真似できる行為じゃない。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年8月20日、シアトル公式サイトのジム・ストリートはロブ・ジョンソンとウオッシュバーンの「フィールドでの再会」をユーモラスに記事にした。


さて、そのアットホームな再会になるはずだったゲームだが、結果はまぁ、下記の記事でも読んでおいてほしい。酷いものだ。先発マスクは誰が選んだのか城島で、しかもサヨナラ負け。ロブ・ジョンソンの出番はなし。再会のドラマもへったくれも無し。すべて台無し。
これを見ても、2009年までのシアトル・マリナーズがいかに、あさはかな誰かさんの強い影響下にあって、どれだけいびつに歪んでいたか。この一件からだけでも伝わってくる。こんなことが数年も続いては、チームがガタガタにならないわけがない。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年8月20日、シアトル公式サイトのジム・ストリートはロブ・ジョンソンとウオッシュバーンの「フィールドでの再会」をユーモラスに記事にした。 →だが無粋なチームの監督さんがスタメンマスクに選んだのは、なぜか「城島」 →最悪の「サヨナラ負け」(失笑)



その心温まる筆致を持つJim Streetが2010年、こんどは、デトロイトとの契約が切れた後、所属先が決まらず、浪人状態になっているウオッシュバーンと、主戦投手として獲得してきたサイ・ヤング投手クリフ・リーの思わぬ故障による開幕出遅れで、春先の先発投手が足りなる気配のシアトルとの間の、なんともギクシャクとした交渉(交渉までいっているかどうかも不明だが)のあらましについてまとめ、記事にしている。
Washburn, agent shopping for deal | Mariners.com: News

中身はいつもの淡々としたスタイルである。公式サイトの記事らしく、無駄な主観を交えることを極力控え、シアトルの台所事情、そしてウオッシュバーン側の代理人であるボラスのもくろみなど、契約の要件をさらりとまとめている。


ブログ主としては、Jim Streetが、シアトルにとっては、喉に刺さった魚の骨のようなこの扱いに困る話題をあえて記事にしてとりあげてみてくれたことは、Jim Streetの立場でできる、彼なりのウオッシュバーンに対する精一杯のエール、という風に受け止め、この記事を何度も何度も丁寧に読んだものだ。
さすがに、イチローの守備マニアのJoe Posnanskiのように、夕食前に23回も続けてイチローのビデオを回したりはしないが(笑)、それでも数回は続けて読んだ。


ありがとう、ジム。Sincerely I thank you, Jim.
こんどこそ、誰もがハッピーな契約になれたらいいと、僕も思う。もしウオッシュバーンがシアトルに来ることがあるのなら、こんどこそは、苦味のない、気持ちのいい環境でやらせてあげたいものだと思う。






damejima at 09:22

March 26, 2010

やっぱり、こんなもんなんだな(笑)
守っては、いきなりホームランを打たれ、
打っては、いきなりダブルプレー(笑)

で、インコースのシュートをホームランされると、こんどはアウトコース一辺倒のリードになるんだろうな(笑)

ははは。笑いが止まんねーわ。


対戦相手は、先日、城島の打撃について「あらためて分析する必要はない」と語った尾花監督率いる横浜。案の定、第一打席の城島をダブルプレーに仕留めた。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年3月13日、逃げ帰った国内のオープン戦ですら「同じ球種、同じコース連投のリード癖」でホームランを浴びるダメ捕手のあいかわらずぶりを笑う。リードもバッティングも、メジャー帰りどころか、ダイエー時代のまま。

村田がホームランを打ったカウントは0-1からの2球目だが、前の記事でも書いたが、好打者が早いカウントで振ってくる場合の決定力はハンパない。






damejima at 18:36

March 21, 2010

いやはや、
笑いが止まらないとは、このことだ(笑)


日本時間の20日に行われた阪神と広島のオープン戦、またしても日本のプロ野球・阪神の先発・安藤が炎上。つい1週間前に巨人とのオープン戦で炎上した安藤について書いたばかりだというのに、もうこれだ(爆笑)
試合自体を見ていないが、先週はカーブを2球続けて坂本にホームランを浴びたらしいが、こんどは一転してストレートばかり投げさせて狙い打ちを食らったようだ。
阪神・城島、自身のリードを反省 - サンケイスポーツ - Yahoo!スポーツ
変化球連投で失敗して打たれると、こんどは一転して、ストレートばかり、とか(笑)ダメ捕手は何がダメなのか、まるでさっぱりつかめてないままゲームに出ているから、傍観していても、その無策ぶりは本当に笑える(笑)


勝負ごと、というものは、だ。相手に読み負けては、おしまい。ビジネス、株や相場などの資産運用。将棋や碁などのゲーム。賭けごと。そしてスポーツ。ジャンルなど、関係ない。

勝負ごとというものにも種類があるだろうが、市場や相場の中で競争相手と競うタイプであれ、レースなどの結果に個人が投票するタイプであれ、相手の手のうちを読むなり、ツキの流れを読むなり、「読み」の部分を欠かすことができない。データ分析だけで勝てるほど、勝負は甘くない。
ビジネスでもマーケティングデータだけで市場競争に勝てるわけではなく、マーケットの先行きの読みには数値だけでなく、先天的なカンも必要だ。

そして、その勝負師同士の読み合いにおいて、チカラの無い選手、勘の冴えない人間は、すぐに相手にバレる。足元をみられる。「ああ、こいつはカモだ」と、バレるわけである。

ダメ捕手城島が、まさに、それである。

変化球がダメなら、一転してこんどはストレートばかり連投?(笑)馬鹿なことを。バレないわけがない。
メジャーでも、ゲーム中に打ちまくられると、急にリード内容を180度変え、さらに打ちまくられるシーンを何度見たことか。
インコースが悪いのではない。変化球が悪いのではない。インコース一辺倒なのを読まれてアウトコース一辺倒に変え、変化球ばかりなのを読まれてストレートばかりに変えるような単調さでは、結果は見えている。ということ。
打つバットは1本、ボールはひとつだ。

このダメ捕手は、理知的な意味でのデータ分析ができないばかりでなく、ちょっとオカルト的な意味での読みヂカラも、まるで持ちあわせていない。
こういうアホウは、甘い菓子を売って大失敗したからといって、次には辛い塩辛を大量に仕入れる。ルーレットの赤に賭け続けて大損したからといって、こんどは黒にばかり賭ける。
同じことだ。競争相手には手にとるように、カモの動揺と、次に打ってくる失敗の一手が伝わる。なぜって、それがプロ同士の競争、しのぎあいだ。理屈ではない。


こんど書く「カウント論」で触れるつもりの話だが、メジャーの好打者はとにかく早いカウントでの勝負に強い。
特に、初球、2球目。
カウントでいうと、0-0、0-1、1-0での打率が、好打者ほど異常にいいし、ホームラン率も高い。(実は、この、「好打者ほど」という部分がなかなか肝心な点である)
早打ちと勘違いされることの多いイチロー、イチローのライバルのマウアー、待球タイプの代表格アブレイユ、攻守に長けたマーク・テシェイラ、ホームラン打者プーホールズ、メジャーにもさまざまなタイプの打者がいるが、タイプは違えど「早いカウントの勝負に馬鹿みたく強い」という特徴はまったく共通している。
例をあげれば、2009シーズンのイチローがリベラから打ったサヨナラホームランだ。あれは初球のカットボールだった。投手リベラは初球に一番自分の得意な球をインコースにもってきたわけだが、イチローは完璧という言葉ではとても追いつかないくらいに、あまりにも完璧にあの場面でのメジャーNp.1クローザーの心理を読み切っていた。


こう書くと、すぐに気の早いお馬鹿さんは、「メジャーの打者(そしてイチロー)はみんな早打ちだから、早いカウントで打てるのさ」などと思うだろうが、そんなわけがあるはずもない(笑)そんな単純なオツムだから、だからアンタたちはダメなのだといいたい(失笑)だいたい初球を振る打席数など、そう多いはずがない。
またイチローの話なら、この3年間くらいのフルカウントでの打率をみればいい。打数の十分に多いレギュラー打者で、フルカウントから3割打てる打者など、いくらメジャーといえどもほとんど存在していない。イチローは特別な打者だ。ひとつの例外を除いてカウントなど関係ない。早打ちなだけの平凡な打者と一緒にしてちゃ、笑われるだけだ。


何度も言うとしつこいのだが(笑)
「早打ちグセがある打者のすべてが、早いカウントの打率が良く、ホームランもボカスカ打てる」わけではないのである。
そうではなく、「好打者は、早いカウントでの勝負に恐ろしく強い」と言っているのである。間違えてはいけない。まぎらわしい言い方だが、まったく違う話だ。


別の例をあげてみよう。

メジャーにはP/PAといって、「1打席あたり、相手投手に投げさせた球数」というデータが記録されている。この数字、4に近い数字になると好打者といわれる数値だが、打てないダメ打者に限って、数値が小さい、つまり、早打ちなもことも多いのだ。
つまり、言い換えると、早いカウントから打ちたがる、バットが出てしまう。そのくせ打てないダメ打者というのは大量にいるということ。それが平凡なバッターのありがちなバッティングのクセ、なのだ。
もちろんダメ捕手城島はこのダメ・タイプである。


「早いカウントでの勝負に恐ろしく強い好打者」と、「早いカウントから打ちたがるのに、打撃成績があらゆる面でダメダメな打者」とでは、まったく意味が違うことがおわかりだろうか。
「早いカウントでの勝負に恐ろしく強い好打者」のP/PAが人並みはずれて小さいわけではない。つまり、彼らは早打ちなわけでもなんでもない。もちろんイチローの場合だってP/PAはごく普通の数字である。

イチローはあらゆるカウント(例外はひとつあるが)で3割打てる天才打者。イチローを基準にモノを見てはいけない。彼はあらゆる面で野球常識を超えている。



で、阪神・広島のオープン戦の話だが、
メジャーにおけるダメ捕手城島のゲームで、打者が早いカウントからこれでもか、これでもかと打ってきて連打を食らい、大量失点するケースは非常に頻繁にみかけたものだ。投手はこれで精神的に壊れることが多い。

これ、ひとつには「相手に手の内を読まれる」こともあるだろうが、さらに悪いことは「ダメ捕手が、相手に手の内を読まれたことに気がつかないまま、同じパターンを続ける」ことに原因がある。

勝負の読みとは、相手の戦略を察知することが全てだと勘違いしている人は多い。
そうではない。むしろ、自分の手の内をカモフラージュするチカラ、自分の手の内がどのくらい相手にバレているかを想像する「想像力」相手にバレはじめた自分のタクティクス(戦術)をすばやく変更する「勇気」や「柔軟性」、自分の方向性を信じる「忍耐力」や「信頼」など、さまざまな要素が勝負には必要だ。
相手の手の内が読めることだけで勝てるわけではない。相手より先に相手側の手の内が読める速度。自分の手の内をバレさせない策略、たとえバレかけてもすぐに変更できる柔軟性。そういうことをひっくるめて達成してはじめて勝てる。そういうものだ。

ダメ捕手城島には、そのどれもが欠けているから始末におえない。

「単調でワンパターンなために、相手にリードの手の内がバレやすい」、そして「単調さを見抜いた相手打者が、早いカウントで勝負をしかけてきやすい」、さらには「ダメ捕手側は相手に読まれいてることに気がつかない」。そして「打たれると急激に自信を失って、やってきたことをすぐに放棄して方向性を180度変え、さらに打たれる悪循環」。
そんな泥沼状態のまま、ストレートでも、変化球でも、なんでもいいのだが、早いカウントに同じ球種を揃えれば、そりゃ炎上するのは当たり前。
既に言ったように、好打者は早いカウントでの勝負に強いことはもちろんだし、ヘボ打者といえどもプロの1軍選手だから、相手の手の内がわかっていれば、そこはプロだ、打ててしまう。
だから炎上する。

どうだ。
わかりやすい仕組みである。






damejima at 16:34

March 15, 2010

バンクーバー五輪にハマり、新しいゲームに思い切りハマりで、ブログのほうはほったらかしにされていたわけだが、ひさびさ書いてみる(笑)(『カウント論』のほうはまとまりをつけている最中だ)
プレーヤーにとってもファンにとっても、しょせん練習試合でしかないオープン戦の最中くらいはほっといてやろうと思っていたが、ダメ捕手の今シーズン以降のなりゆきを予感させるものがあると、下のニュースにピンときた(笑)日本時間14日の阪神と巨人のオープン戦である。


城島「ヘボリード」猛省も体感G倒や!
ソース:デイリースポーツ(太字および色づけはブログ側による)

ただ1点リードの六回2死三塁。2球続けたカーブが甘く入り、坂本に許した左越え逆転2ランには悔いが残った。
「あれは僕のヘボリードでした。失投でもホームランを打たれないようにしてあげないと。『ヘボリードですよ、安藤さん。殴るなら殴ってください』って、(本人に)言いました。危うく殴られそうでした」



カーブ連投でホームランされておいて、ヘボリード?(笑)なにを今さら(失笑)失笑が止まらない。「止まらない失笑」というのも、初めて体験する。(笑)馬鹿馬鹿しいにも程がある。

この男が野球人としてどのくらいダメか、本当によくわかる話。
なにか、ダメ捕手特有のリード癖によるホームラン被弾グセを、あたかも「初めて犯した失敗」のように言われると、本当に、このダメ捕手がシアトルに在籍している間じゅう、我慢に我慢を重ねてきた日々が、なんとも情けない限りである。



ちなみに、こんど巨人のコーチから栄転して横浜の監督になった元ダイエー・コーチの尾花氏は、メジャーから逃げ帰ってきた元・教え子の打者城島について、こんなふうに語っている。
外のスライダーを泳ぎ気味にレフトに犠牲フライを打っていたね。変わっていない」
尾花監督、阪神城島の分析必要ない - 野球ニュース : nikkansports.com

リードが相変わらずなだけでなく、バッティングの面でもコネで留学したメジャーから出戻りしようと、渡米前の状態と何も変わってないことが、尾花氏によって明確に語られている。と、いうか、メジャー帰りだのなんだの言う以前の問題で、城島の打撃グセは渡米前のダイエー時代からまったく変化しておらず、メジャー帰りだからといって、あらためて分析する必要などまったく無い、ということだ。
何年たってもクセが直らないプレーヤー、そしてさらに、そのクセがあからさまで人にバレやすいプレーヤー、それが城島だという、なによりの証である。
どうりで、MLBでもWBCでも、すぐに相手にスカウティングされるわけだ。昔はよく、短期留学のクセにまるで帰国子女のように外国にかぶれるアホウがよくいたものだが、城島のメジャー体験など、夏休みにアメリカの英語学校に通った、そんな程度のものだ。まるで意味はない。


キャッチャー側のリードのせいでホームランを打たれたから殴れだのなんだの、本気で殴られてみる勇気もないクセに聞いたふうなことを。

日本に逃げ帰ってから言うくらいなら、むしろ、190センチを越え、腕が普通の男の太ももくらいある巨漢の投手ぞろいのメジャー在籍中に言ってもらいたい。きっとヘルナンデスといわず、シルバといわず、ジャクバスカス、シルバ、ほかにも歴代のシアトルの投手たちが寄ってたかって、城島の顔面が骨折して凹み、鼻の形がなくなって、顔が扁平になるほど、ボコボコに殴りつぶしてくれただろうに。



わからない人にいちおう解説しておくか。

同じコースに、同じ球種を投げ続けさせるリードは、ダメ捕手城島の「ミス」ではない。
ダメ捕手城島の「クセ」なのだ。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:カテゴリー:リード失敗・ワンパターンリード・投手炎上

わかるだろう。
「ミス」と「クセ」では、天と地くらい意味が違う。

「僕のミスでした」というのと、「僕のわかりやすいクセのせいで、ホームラン打たれてしまいました」とでは、大きな差がある。つまり、30代もなかばのオッサンにもなって、いまだに自分の「クセ」すら把握せず、「ミス」だと思っているのである。


また、これもこのブログで何度も書いたことがあるが、投手というものは、同じコース、同じ球種に投げていると、すぐに精度が甘くなるものなのである。
よく勘違いして投手側をけなす馬鹿がいるが、その投手がノーコンなのではなくて、そういうふうにできているのが「ニンゲン」という生き物の「仕組み」なのである。
例えば、同じ作業をずっと続けている工場では、必ず製品の精度は落ちてくる。だからこそ「ニンゲン」という生物は、動作に「変化」をつけるなり、体操するなりなんなり、なにか工夫をすることでしか、「精度」の低下を防げないのである。



メジャー時代のダメ捕手のクソリードの実例をいくつかあげておく。

ダメ捕手城島には「緩い変化球連投グセ」があることを、日本のプロ野球の各バッターと、日本のプロ野球ファンは、この際だから、今のうちに覚えておくべきだろう。
と、いうか、WBC韓国はじめ、MLBのスカウティングといい、この捕手のクセなど、とっくにバレているわけだが。


シルバの「シンカー」
2009年春、シンカー連投でボロボロ


ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年4月、同じ失敗に懲りずにシルバにアウトコースのシンカー連投を要求する城島の1年前を振り返る。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年4月14日、3イニングをノーヒットのシルバだが、ランナーを出した途端いつもの城島が始まった。


ジャクバスカス
Aロッドにインコースを6連投し、勝ち越しホームラン被弾


2つめに、A・ロッドのインコースに連投させ、ホームランを浴びた、シアトルファンには有名なケース。投手はジャクバスカス。インコースにストレートを6連投だが投げて、勝ち越しの2ランを浴びて負け、試合後にジャクバスカスが配球ミスを批判するコメントを出した。
Rare bullpen hiccup costly for Mariners | Mariners.com: News


フィスターの「チェンジアップ」
城島と組ませられ続けて潰れた哀れな若者のひとり


ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年8月27日、「チェンジアップだらけの」フィスターを6回5失点炎上させ、ケリーは「ストレートオンリー」で2ラン被弾させたコネ捕手城島選手の「鮮やか過ぎるお手並み」(爆笑)

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年9月25日、6月にAロッドにインコースのストレートを5連投して勝ち越し2ランを浴びて負けたシーンをまざまざと思い出させるフィスターのチェンジアップ3連投から、好調アーロン・ヒルに2ランを浴びて完封負け。


杉内の「チェンジアップ」
第2回WBCの壮行試合で浴びた一発。
元・捕手の古田が批判した無駄リード

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年3月1日、杉内にチェンジアップを要求し続けた城島は先制の一発を食らった。


岩隈の「スライダー」
第2回WBC決勝で韓国に狙い打たれ続けたスライダー

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年3月23日、WBC決勝で捕手城島は下位打線にスライダーを狙い打たれ続けた。







damejima at 14:51

December 27, 2009

2009年12月20日のこのブログで、2009年版Fielding Bibleのキャッチャー部門におけるDefensive Runs Savedランキングが記されたウェブ記事を紹介し、我らがロブ・ジョンソンが見事にメジャー1位に輝いたことを記事にした。
だが、この元記事のDefensive Runs Savedランキングで、コネ捕手城島が「プラス4」評価だったことについて、低レベルな読み替えを試みるとんでもない輩がいる。
Fielding Bibleに掲載された2008年までのデータを実際に読んでいる人がほとんどいないのをいいことに、「城島のメジャーにおける守備評価は、2009シーズンにFielding Bibleによる守備評価がプラス数値だったように、シアトル入団以来高く評価されていた」とか、真っ赤な嘘を並べだしたのである。

とんでもないメガトン級の勘違いである。

真実はこうだ。

Fielding Bibleによる2008年までの城島の守備評価は、
「過去3年でメジャー最低」
「過去6年でメジャー最低」
という、地に這いつくばるような最低評価
なのである。
MLB公式サイトやESPN、FOX、Baseball Reference、CBS、SI等のオープンなデータ、つまり、ウェブ上で世間に広く公開されている各種のスタッツや記録などと違い、Fielding Bibleのデータの詳細は書籍化されているクローズドなデータであるだけに、ここでその明細を書くわけにはいかないが、城島のメジャーにおける守備評価は「メジャー最低のキャッチャー」というものである。勘違いしないことだ。

ソース
Fielding Bible Volume 兇砲ける
Earned Runs Savedランキング
およびDefensive Runs Savedランキング

元記事
Catcher Pickoff Leaders : ACTA Sports(記事中に、2009年版Defensive Runs Savedのキャッチャー部門の数値あり
ブログ記事
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年12月20日、セイバーメトリクスで始まった「捕手の守備評価の新基準」。ロブ・ジョンソン、Defensive Run Saved キャッチャー部門でメジャー1位の評価を受ける。


2006年〜2008年における
3年間通算Defensive Runs Savedランキング

メジャー最下位:城島

城島の守備を「NPB時代の昔ばなし、それもデータからではなく、ただの印象のみで語り続けようとする馬鹿」は、ファンのみならず、NPBしか知らない野球評論家、ライター、新聞記者にも、いまだに掃いて捨てるほどいる。
だがFielding BibleのDefensive Runs Savedにおける評価でいうと、コネ捕手城島は、2006年〜2008年の3年間通算、つまり、シアトル入団以来ずっと、メジャー最低数字を記録し、盗塁阻止を含めて守備を高く評価されたことなど、一度たりともない。各年度データにおいてもろくでもない数字しか残していない。
評論家、ライター、新聞記者、ファン。誰も彼も、Fielding Bibleの元データすら知らないで城島の守備を語っているのを見かけたら、これからは、せせら笑っておくといい。

城島の守備がこうしたメジャー最低評価を受けるに至った主原因はもちろん、Defensive Runs Savedを決定するために集められた基礎データ数値の低さにある。
そうしたデータ数値のひとつが
(1)Earned Runs Savedにおける「メジャー最低」評価であり、
(2)Stolen Bases、盗塁阻止の評価の低さである。


(1)Earned Runs Savedにおける
「メジャー最低キャッチャー」評価

Fielding BibleDefensive Runs Savedというデータは、Earned Runs Saved、Stolen Basesなどの各ジャンルのデータを集積し、ジャンルごとにプラスマイナスで数値化。最終的にすべてのプラスマイナスをトータルすることで表現されている。
The Fielding Bible Volume IIは、近年のMLBキャッチャーのAdjusted Earned Runs Savedの評価を検討する特集記事で、城島を「メジャー最低キャッチャー」と名指ししている
この指摘はもちろん、1シーズン単位、つまり単年の評価の低さについて言われているわけではない。
過去6年、および、過去3年の、2つの通年ランキングで「メジャー最低数値」だから、「城島は過去6年、および過去3年で、最も守備評価の低いキャッチャー」と名指ししているのである。

6年間、および3年間の
Adjusted Earned Runs Saved

(Fielding Bible Volume 兇2009年2月の発行なため、2008年までの数値となる)

2003年〜2008年までの6年間
最下位:城島

2006年〜2008年までの3年間
最下位:城島



(2)Stolen Bases(盗塁阻止)における
低評価

よく城島のことを称して「メジャーでは何も通用しなかったが、肩、つまり盗塁阻止だけはトップクラスだった」などと勘違いして、人前で得々と語ったりする人がいる。そういうアホウは、アマチュアのファンならばともかく、元野球選手の評論家や、スポーツライターなどにもいたりするが、ひとつひとつのプレーの価値を、ファクターでアジャストしながら集積し、数値化していくFielding Bibleでは、そんな表記もデータも、どこを探してもない。
むしろFielding BibleにおけるStolen Basesの3年間(2006〜2008)の評価において、城島の盗塁阻止に関する評価数値はほんとどゼロに近い。「可もなく不可もなく」という、どこにでもいるメジャーにおける中クラス程度の評価でしかない。

なぜこうした認識のズレ、勘違いが起きるか、というと、おそらくは「防げる盗塁など、いくら阻止しようと、高い評価には値しない」ということがわかっていないからだろう。釣りでたとえるなら「釣って当たり前の小魚をいくら数多く釣っても、トーナメントで優勝だの、ランキング入りだの とんでもない。勘違いするな」ということだ。

ちなみに、盗塁阻止で最も高い評価を得ているのはヤディア・モリーナだが、Fielding Bibleにおける彼の評価は「Earned Runs Savedでの評価はイマイチだが、Stolen Basesで最高評価を得ている」キャッチャー、つまり盗塁阻止を評価されているキャッチャーである。
その強肩で評価を高めているヤディア・モリーナが2009年キャッチャー部門のFielding Bible賞を受賞していることは、Fielding Bibleのキャッチャーの守備能力判定基準が盗塁阻止数値を過小評価したり、軽視しているわけでもなんでもないことを証明している。(ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年10月31日、2009年Fielding Bible賞にみる「キャッチャーに必要な能力の新スタンダード」。ロブ・ジョンソン、キャッチャー部門9位にランクイン。)単に城島個人の盗塁阻止の平凡な中身が「高評価やランキングになど値しない」と指摘されているだけのことだ。

2006年から2008年までの3年間
Stolen Basesの評価

城島 プラス1(=メジャーでは「並」程度

2006年のStolen Basesの評価
城島 ゼロ(=人並み)

2007年のStolen Basesの評価
城島 わずかなプラス(=人並み)

2006年のStolen Basesの評価
城島 わずかなマイナス(=人並み)






damejima at 14:00

December 24, 2009

来年は坂本龍馬ブームらしい。だから、それにあやかって、シアトルの主力投手3人による城島マスク拒否事件を、「城島拒否維新」と呼ぶことにした(笑)


「城島問題」2009シーズン版まとめ
(2009年12月24日版)

2シーズン連続・正捕手強制復帰から
骨折による城島離脱と、チームの快進撃
プレーヤー自身による「城島拒否維新」
ウオッシュバーン、強制トレードと、自殺的プレーオフ脱落
そして「城島退団」まで



2007年、ジェイミー・バークの頑張り
(工事中 under construction)

2008年夏、ジェフ・クレメントの輝き
ジェフ・クレメントは、「城島問題」などチームマネジメントの大失敗などで崩壊した2008年シアトルマリナーズにおいて、6月中旬のマクラーレンの「城島降格」英断(と、後継監督リグルマンによる「城島降格」路線継続)によって、チームの極度の不振から正捕手降格処分された裏口入学のコネ捕手城島にかわり、正捕手の座を得た。
クレメントは、暗いチームの近未来に明るい光明を与える活躍をもたらし、大連敗を繰り返していたチームの勝率も5割に持ち直させるなど、沈滞したチームを復活させる大きな原動力になった。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:「ジェフ・クレメントのための短い夏」

クレメント、2ホーマーの活躍

2008シーズン最も勝った時期 Winning Streakは
クレメントがマスクをかぶった6月から7月にかけてであることが判明

2009年4・5月、Streakデータは「城島がいないほうが勝てる」「城島がいると負ける」ことをハッキリと示した。

2008シーズン月別ERA
クレメントが正捕手を務めた6月・7月に大幅に改善
2008月別ERA

2008年終盤、ジェフ・クレメントの悲劇
ところが、クレメントが7月下旬に膝の故障で一時的に戦列を離れ、さらに怪我の手術が決定して長期離脱した後、チームは再び正捕手を城島に戻してしまう。そして城島は9月に12連敗などという、途方もない連敗を犯して、シーズン100敗という不名誉な記録を残した
2008年9月24日、12連敗を経て城島はシーズン100敗捕手となった。

2009年春以降のクレメント冷遇と理由なきトレード
クレメントはその後オフシーズンに行った怪我の手術から無事に復帰したにもかかわらず、2009開幕直前の3月29日に意味不明にマイナーに落とされたまま、メジャーには戻されなかった。マイナーでの彼は、冷や飯を食わされたままプレイさせられ続け、ホームランを連発したりもしたが、シアトルがいくら貧打に喘いでもメジャーに呼び戻されることなく、2009年7月29日には、出番の期待できないチームに無理矢理トレードされた。

2009シーズン開幕、
コネ捕手城島の「2年連続・正捕手強制復帰」

一方、先発マスク時のゲーム勝率が 「3割台後半」 という、とてつもなく酷い結果を残し、また、打撃面でも、全メジャープレーヤーの中で最も低い打撃成績を残し、全米スポーツメディアから「メジャー最低選手」の烙印を押された城島は、なぜかクビになることもなく、それどころか、ほとんどなんの責任もとることないまま、2009シーズン開幕ゲームでは、なんと正捕手の座に返り咲いた。
ESPNの選ぶ2008シーズンLVP(最も貢献しなかったプレーヤー)に城島
Year-end awards: MVPs and LVPs, Cy Youngs and Yuks ... - MLB - ESPN


2009年4月、ロブ・ジョンソンの大仕事による
奇跡の首位発進

2009シーズン控え捕手としてスタートを切ったロブ・ジョンソンは、4月開幕してすぐに肉離れで戦列を離れた裏口入学のコネ捕手城島にかわって正捕手をつとめたが、4月にCERA2.85というメジャートップの画期的な記録を打ち立てつつ、チームを首位で乗り切らせる大仕事をやり遂げた。
2009年4月、ロブ・ジョンソンは先発投手の防御率2.85で4月を乗り切った。
 →ロブ・ジョンソン関連記事リスト
 →カテゴリー:2009投手ERA「2点の差」


2009年、ロブ・ジョンソンの悲劇
(クレメントの悲劇、再び)

ところが、のちのち2009年4月以降7月までワイルドカード争いにとどまれるほどの大きな貢献をしてみせたロブ・ジョンソンも、最終的に、2008シーズンのジェフ・クレメントと全く同じ目に合うことになる。
5月に入って怪我から復帰した裏口入学のコネ捕手城島に、あっさり正捕手に居座られてしまうのである。


2009年5月城島復帰後の大連敗
「2年連続5月20敗」へ

2009年5月に城島がDLから復帰すると、エース・ヘルナンデスの3連敗に象徴されるように、チームは城島先発ゲームで大敗を続け、坂を転げ落ちるようにチーム勝率を下降させていった。
その結果、2008年にチームが創設以来初めて経験した悪夢の「5月・月間20敗」の危機が再び迫ってきた。2008シーズンの早すぎる終戦の最大の原因となった「5月・月間20敗」が再び現実化しようとしていた。
先発ゲーム6連敗など、悪夢の月間20敗に向かって突き進む城島だったが、ロブ・ジョンソンには依然として控え捕手の座しか与えられず、チームの地区順位は、4月にロブ・ジョンソンが得た首位の位置から簡単に転落。城島入団以来の定位置、最下位に向かって突き進んだ。
またこの5月時点でマイナーで打撃面で活躍中だったクレメントのメジャー昇格の声も、全く聞こえてこなかった。

2009年5月3日、延長13回城島のスローイングエラーから3失点を招いた。

2009年5月12日、切れた城島は先発全員安打を食らい、予想通りゲームをぶち壊した。(ロブ・ジョンソン・城島の32球の配球比較つき)

2009年5月13日、先発ウオッシュバーンで4失点。城島パスボール、最後は二盗されてのサヨナラ負けで、城島先発ゲーム6連敗。

2009年5月16日、四球がらみなどホームラン3発を浴び、城島先発で5月はすでに3勝7敗。

2009年5月18日、ロブ・ジョンソンの貯金で野球をやっているコネ捕手またもや敗戦で月間3勝8敗、他人の貯金を食い潰す。(ウオッシュバーンの捕手別ERA分析付き)

2009年5月19日、ロブ・ジョンソンの貯金で野球をやっているコネ捕手またもや14安打5盗塁され敗戦。5月3勝9敗。ヘルナンデスを自責点6でERA4点台に沈没させ、月間20敗に突き進んだ。(ヘルナンデスの捕手別ERA分析付き)

2009年5月23日、炸裂する「馬鹿捕手バレバレ配球」、2死から5点を失い大逆転負け。

2009年5月25日、800万ドルもらってOBPわずか.275の城島は2イニングで4失点して速攻負けゲーム、5月スタメン4勝12敗。

城島が4月の怪我から5月に復帰して以降、チーム防御率は4月の3.47から、5月29日には4.43へ急降下した。
そんなエース・ヘルナンデスを破壊しかねない城島による5月崩壊が続く中、今シーズンから新しくクローザーについたデイビッド・アーズマは、城島を拒否してロブ・ジョンソンとバッテリーを組んだヘルナンデスがチームに久々の勝利を挙げた、まさにその日、城島の「窮屈なリード」ぶりを初めて証言、チーム低迷の原因を直言した。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:「サンデー・フェリックス」byアーズマ

2009年5月24日、デイビッド・アーズマが「ヘルナンデスがロブ・ジョンソンと組むゲームと、城島と組むゲームの大きな違い」を初めて証言した。

Streak データがハッキリ証明
「城島がいると負ける」「城島がいないほうが勝てる」

当然の結果ではあるが、2009シーズン最も勝った時期Winning Streakはロブ・ジョンソンが正捕手だった「4月中旬から下旬」、最も負けた時期Losing Streakは城島がDLから復帰した「5月初めから、再度DL入りする20日過ぎ」までであることが判明した。
2009年4・5月、Streakデータは「城島がいないほうが勝てる」「城島がいると負ける」ことをハッキリと示した。


2009年5月末、城島骨折。
偶然の城島リタイアと、ロブ・ジョンソン正捕手復帰で
回避された2年連続チーム崩壊

5月初旬の城島復帰で再び連敗が始まり、5月末にはアウェイのLAA3連戦を残しており、「2年連続5月20敗」&「5月時点での2009シーズン終戦」は、ほぼ間違いないと思われた。(城島骨折までの5月は、5ゲーム残して8勝15敗)
だが、5月25日試合中の城島骨折によるDL入りによって、急激に状況が変わる。ロブ・ジョンソンが正捕手に復帰して、チーム勝率はV字回復。5月末には3連勝も達成。なんと、3連敗間違いなしと思われた5月末のアウェイLAA戦では、あわや敵地アナハイムでの初スイープ達成か、というところまでチーム状態は好転したのである。

2009年5月10日、ロブ・ジョンソンはミネソタに合計23LOBを食らわせて7連敗を防ぎ、2008年5月の悪夢再現をかろうじて防いだ。

2009年5月13日(2)、ロブ・ジョンソンと城島の間にある「2点の差」がゲームプランに与える莫大な影響を考える。

2009年5月21日、ベダード登板ゲームでロブ・ジョンソンと、フルカウントだらけの城島では、先発投手に対するCERAに「2点の差」があることが完全に証明された。(ベダード版「2点の差」計算つき)

2009年5月24日、ヘルナンデスは無敗のパートナー、ロブ・ジョンソンを捕手に8回自責点1でQS達成、10奪三振でひさびさのデーゲームを勝利に導いた。

2009年5月26日、ウオッシュバーンはロブ・ジョンソンを捕手に6回無失点、QSを達成した。

2009年5月27日、ベダード6回2/3を1失点QS達成、ロブ・ジョンソン2塁打2本で信頼に応える。

2009年5月29日、ロブ・ジョンソン、バルガスを6回1/3QS、ホワイトを2試合連続ホールドに導いてLAA撃破、連勝を果たす。

2009年5月31日、通算CERA5.51のキロスは6回裏以降「城島そっくり」の大炎上ぶりで、LAAスイープを逃した。


2009年6月・7月、
先発3本柱ビッグスリーが一斉に城島マスクを拒否。
ついに「プレーヤー自身の手による城島追放維新」始まる。


オールスターのフェリックス

イルカ

6月26日に城島が骨折から復帰したが、骨折中にロブ・ジョンソンと組んで絶好調だったビッグスリーは、城島復帰後も揃って城島とのバッテリーを拒否した。「城島拒否維新」の開始である。
この「城島拒否維新」の結果、6月、7月の2ヶ月は、4月に首位ターンを果たし、5月にはチーム崩壊を救ったロブ・ジョンソンにとって、今シーズン三度目、四度目のハイライトとなった。
ヘルナンデスは、城島不在のシーズンを初めて長期に過ごすことができたこの月、3勝、防御率0.94で、2009年6月のア・リーグ月間最優秀投手になった。その後ヘルナンデスは、オールスター初選出も果たした。
ウオッシュバーンは、7月に準パーフェクトゲームを演じると、4勝1敗、防御率1.44の成績で、6月のヘルナンデスに続いて月間最優秀投手を受賞
ロブ・ジョンソンは2ヶ月連続で担当投手が月間最優秀投手を受賞するという栄誉を得たが、彼の先発マスクのゲームでは、11勝3敗と、8つもの貯金をし、チームの上昇に大きく貢献した。後に2009シーズンの彼の守備面の貢献ぶりは、Fielding Bibleによって、メジャーNo.1の折り紙がつけられた。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年12月20日、セイバーメトリクスで始まった「捕手の守備評価の新基準」。ロブ・ジョンソン、Defensive Run Saved キャッチャー部門でメジャー1位の評価を受ける。

彼らの活躍により、5月末に24勝27敗と負け越していたチームは、6月末には一気に39勝37敗と、3つの借金を2つの貯金にかえ、さらにはオールスター前の7月12日には、貯金を4に伸ばしていた。
城島マスクを拒否したビッグスリーのうち、2人の投手がア・リーグ月間最優秀投手を連続受賞し、チームも勝ち続けたことで、「城島追放維新」の正しさは、数字と賞、目に見える形で立証された。

2009年7月3日、ヘルナンデス、6月のア・リーグPitcher of Monthを受賞。6月に彼の球を受けたバーク&ロブ・ジョンソンにとっても名誉の受賞となる。
2009年7月5日、城島のいない6月を過ごすことができたフェリックス・ヘルナンデスは、6月の3勝ERA0.94で月間最優秀投手を獲得、ようやくオールスター出場を手にいれた。

2009年8月4日、ウオッシュバーン、7月のア・リーグPitcher of Month受賞!ロブ・ジョンソンは6月ヘルナンデスに続き2ヶ月連続で月間最優秀投手を輩出、キャッチャーとしての揺るぎない優秀さを証明した。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年12月20日、セイバーメトリクスで始まった「捕手の守備評価の新基準」。ロブ・ジョンソン、Defensive Run Saved キャッチャー部門でメジャー1位の評価を受ける。



2008年7月
ウオッシュバーンの月間最優秀投手受賞とロブ・ジョンソン月間11勝3敗の快進撃の陰で、チームの貯金を食いつぶし続けた戦犯城島の負け連発により、チームのプレイオフ進出の夢は断たれた

「城島拒否維新」を打ち出したビッグスリーは6月・7月と絶好調を維持していたにもかかわらず、チームの貯金はあまり増えなかった。その一方で、地区のライバルチーム、エンゼルス、レンジャーズが取りこぼしなく着実に勝ちを積み重ねていったため、シアトルはプレーオフ争いから徐々に取り残され、7月末前後には結局脱落した。
この意味不明なプレーオフ争い脱落の最大原因はオルソン、バルガスなどの裏ローテを担当して負け続けた城島にある。

ビッグスリーは揃って城島とバッテリー復活を拒否したため、チームは城島を先発させる口実として「先発投手によってキャッチャーを変える」などという、メジャーらしくない、あまりに不自然なバッテリー・システムを開始した。
その結果、6月、7月と、先発ビッグスリーとロブ・ジョンソンのバッテリーが勝ち星を挙げ続け、貯金をつくり、月間最優投手やオールスター選出に輝く陰で、バルガス、オルソンといった裏ローテ投手を預かる城島が陰湿に貯金を食いつぶす戦犯行為が果てしなく続いた。当然ながら、ビッグスリーとロブ・ジョンソンがいくら勝っても、7月の城島は3勝8敗と負け倒してみせたために、貯金は思ったようには増えなかった。

また、7月末のトレード期限を前に、思慮の浅いシアトル地元メディアがしきりにウオッシュバーン、ベダードのトレードを煽り立てたことも、チーム内に精神的動揺をもたらす意味で、大きなマイナス要因になった。

そんな混沌とした情勢の中、7月に7試合行われたクリーブランド戦の勝敗が、シーズン終盤のチームとウオッシュバーンの運命を大きく左右した。
7月16日からのクリーブランドでのアウェイ4連戦は、16日に城島先発マスクで負けたが、17日からロブ・ジョンソンが先発マスクで3連勝してチームを持ち直させ、プレイオフ進出に望みをつないだ。
にもかかわらず、7月24日からのホーム3連戦では、再び城島が先発し、チームを裏切るように2連敗、スイープされる原因を作った。
結局、クリーブランドとの7ゲームで城島が3つもの負けを自演し、チームがワイルドカード争いから実質脱落する原因をつくった。

マリナーズがワイルドカード争いから脱落しかけたこの時期、まだワイルドカード進出の可能性がまだ完全に消えたわけでもないのに、底の浅いシアトルの地元メディアは、ウオッシュバーンやベダードのトレードを煽りまくった。彼らは、ヘルナンデス、ウオッシュバーン、ベダードの3人の主力投手たちが選手生命を賭して「城島追放維新」を断行するほど、投手陣が「城島問題」で苦境に立たされていることも考慮せず、また、ウオッシュバーンの放出がプレーオフ脱落を招く自殺行為であることも考慮しなかった。
ウオッシュバーンやジャクバスカスなど、現場の投手陣は「プレイオフ進出をあきらめない」とメディアにコメントを出しつつ、トレードによる投手陣の切り崩しに対抗しようとした。
7月末のクリーブランド3連戦のログ
2009年7月24日、4本のホームランを浴びてやる気の失せた城島はポジショニングをミスしてイチローのレーザービームを無駄にし、6連敗。ゲームをぶち壊して、チームの勢いを台無しにした。

2009年7月26日、コネ捕手城島は「初回からストレート狙い」のクリーブランドの戦略に何の対応もせず、4HR16安打を浴び12失点。再復帰後7連敗という「放火行為」でチームに暗黒をもたらした。(突然崩れるイニング 解説つき)

2009年7月23日、ウオッシュバーンは「移籍したくない」といい、「プレーヤーが売り払われないために、頑張るしかない」と語った。

2009年7月25日、ジャクバスカスは、23日に「チームに残りたい」と語ったウオッシュバーンの言葉を引き継いで、「今シーズンに希望を失っていない」と強く語った。


2009年8月
ウオッシュバーンの懲罰的安売りトレード強行によるローテーション崩壊と、チームの自殺的プレーオフ脱落。

7月末のトレード期限直前になって、必然性のないトレードがいくつも強硬された。
かつて2008年にチームに大きな貢献を果たしコネ捕手城島と正捕手を争ったクレメントが、ベタンコートがトレードされて以降ショートをつとめていたロニー・セデーニョとともに、パイレーツに強引にトレードされた。パイレーツはナ・リーグのためDHがなく、クレメントはトレードされても、とりあえず出番がない。またパイレーツからの獲得選手がセデーニョと同ポジションの選手という、不効率きわまりないトレードだった。
また、7月の月間最優秀投手を受賞し、好調をキープしていたウオッシュバーンが、実力の釣りあわない投手たち(獲得したフレンチは後にすぐにローテ投手に失格し、マイナー落ち)と交換にデトロイトに安売りされ、6月から7月にあれだけ安定して勝ち星を生産できていたローテーションの安定感は、チームみずからの手で一気に破壊された。
この先発ローテーションを破壊する自殺行為により、チームの生命線だった「防御率」は一気に悪化。チームの失点は急激に増加した。
また、一方でトレードによって獲得した急造スタメン選手たちのバッティングは使い物にならず、打線が低迷し続け、チーム勝率は急激に低下した。シアトルはみずからチームのアイデンティティをみずからゴミ箱に投げ捨てる「自殺行為をした」のである。



城島の不自然きわまりない正捕手復帰など、不自然すぎるチームマネジメントの失敗によって引き起こされた「深刻なファン離れ」
6月・7月に「城島追放維新」を決行し、ビッグ・スリーとロブ・ジョンソンの安定したバッテリー関係から勝ち数が安定して生産できたことで相当数の貯金がチームにもたらされ続けていたにもかかわらず、シアトルがワイルドカード争いから脱落していったのは、はっきり、「裏ローテの4番手・5番手投手の登板ゲームで城島が負け続けたこと」に原因がある。

にもかかわらず、8月になって、チームマネジメントは、先発投手たちの「城島追放維新」を故意に無視し、それどころか、自ら自殺を選ぶかのようにウオッシュバーンを放出して、ローテーションの安定感を自分の手で破壊する一方で、戦犯のはずの城島の先発するゲーム数を増やすことまでして、自滅の道を選び、プレーオフ争いから脱落する失態を招いた。
プレーオフ進出のためには、2009年のアイデンティティであり、生命線であった「安定した先発投手陣」を維持することが必要不可欠であったにも関わらず、シアトルは投手陣の混乱をみずから引き起こし、ワイルドカード争いからみずから脱落するという大失態を犯したのである。
そもそも7月末以降のトレードは、「売り手」なのか「買い手」なのか、ハッキリとしないトレードが連続した。また同じポジションの選手同士を交換するなど、戦力アップのためというより、ただの「代役探し」でしかないトレードが相次いだ。シーズン終盤に向け、「ワイルドカード獲得」を目指すのか、そうではなく「チーム再建」を目指すのか、そうした基本的なチーム方針が明確に打ち出されず、選手が何を目標に戦うのかすら見失った状態で、8月以降だらだらとゲームを消化する無様な醜態をファンの前に晒したのである。

ホームスタジアムであるセーフコの観客動員は、そうした理性に欠けたチーム運営に非常に敏感に反応した。本来動員の増えるはずの8月に観客動員が異例の激減をみせたのだ。
ファンの気持ちは、せっかく築きかけていたチーム・アイデンティティをみずから捨てるような不健全なチーム運営から離れていった。

合理性を重んじる欧米では、アイデンティティを自分から放棄することは容認されがたい自殺行為であり、大きな背任行為でもある。とてもファンに理解されるわけがない。
球場にみあった野球、つまりパーク・ファクターにあった「投手中心に守り勝つ野球」の好調さを、ファンの了解もないまま、ウオッシュバーンのトレードで自ら放棄し、ワイルドカード争いからファンの意思に反して自ら脱落。一方で、今シーズンも大戦犯となった城島はむしろ厚遇しつつ、チーム勝率5割のぬるま湯のようなハンパな状態を故意につくりだしたことは、理性を持ったファンの誰からも見放される結果となった。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年8月「不自然すぎる城島の先発増加」と「観客数激減」

創立時以来のマリナーズ観客動員数推移グラフ


城島退団への道のり

2008年マクラーレンによる「城島降格」
2008シーズンの監督マクラーレンは、単に城島をスタメンから降ろしたのではなく、「正捕手」から降格させた。つまり捕手としての城島に、監督としてようやく「NO」をつきつけた。
マクラーレンは監督としての経験不足からチーム不振を招いた責任により解任されたわけだが、解任間際になって、遅まきながらではあるが、2008シーズンのチーム大崩壊の主因のひとつが「城島問題」にあることをようやく感じとって、彼のマイルドなやり方では限界はあったが、彼なりの「城島降格」によるチーム再生を実行に移したことは評価できる。
マクラーレンによる「城島降格」は、城島マスクを主力投手3人が揃って拒否した「城島拒否維新」ほどのインパクトはない。
だが「城島を正捕手の座から引きずり降ろすと、チーム成績が上向く」という実証結果を初めてファンとメディアの前で実証してみせた、という意味では画期的な意味があった。
それはある意味、オーナー方針に歯向かう無謀な行為だったが、彼は理性的な判断にもとづく正論を実現しようとして、たとえ一時的にせよ、「城島降格」を実行に移すだけの勇気を持てた。(その結果、彼は「バベジと抱き合わせ」という形でチーム不振の責任から監督を解任された)

2009年ビッグスリーの「城島拒否維新」
2009年10月19日にシャノン・ドライアー氏が、ピッチングの改善に悩むモローへの投手コーチ・アデアのアドヴァイスを、城島が遮断し、モローに自分勝手なリードを押し付けていたことを明らかにしたことを明らかにした。(ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年12月21日、モローのトレードにおける「ロブ・ジョンソン補正」、「城島補正」をどう見るか。

シアトル所属の投手たちがこれまで、どれほど「城島問題」に悩まされてきたか。
さまざまな投手たちがこれまで「城島問題」を表沙汰にするための発言や提起をし続けてきた。ヘルナンデス、ウオッシュバーン、ディッキー、シルバ、バルガス、ジャクバスカス、アーズマ、そしてモロー。ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:自軍投手たちの「城島配球批判」
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:「サンデー・フェリックス」byアーズマ
城島追放への流れを作ったのは、結局アテにならない自軍の監督やGMではなく、プレーヤー自身の積み重ねてきた城島批判の努力の結果だった。プレーヤーたちの努力が、2009年のヘルナンデス、ウオッシュバーン、ベダードによる「城島追放維新」の勇気へとつながっていったのである。
「メジャーの常識も知らないまま、コネだけで正捕手に居座るあんなプレーヤーに、メジャーの配球常識とも違う、今まで積み上げてきた自分のピッチングスタイルとも違う、さらには、チームの投手コーチの指示とも食い違う、意味のわからないサインを毎試合強要され、その勘違いだらけのゲームプランで成績を落とされ続けたんじゃ、もう、たまらない。あんなヤツに投げたくない。」城島と接した投手なら、誰でもそう思うことだろう。
コネ捕手の加入以降続いてきた、もうベースボールとはいえないような理不尽さを停止させるために、2009年、先発投手たちは意を決して一斉城島マスク拒否、つまり「城島拒否維新」を打ち出した。
それはある意味、シアトル投手陣の総意を受け、主力投手たち自身が自分の選手生命を賭した「2009年維新」だったわけである。
この「維新」は、監督ワカマツなどチームの優柔不断な首脳陣が提起したアイデアではなく、プレーヤー自身が選手生命を賭して起こした波が原動力であって、彼らプレーヤー側の勇気ある行動がダメ捕手を日本に追い返し、シアトルに健康的な前進をもたらした。けして優柔不断なワカマツが城島を日本に追い返す原動力になったわけではない。



2009年「城島拒否維新」を黙認したワカマツ
日系人ということで2009年からシアトルの監督に抜擢された監督ワカマツは、就任当初からオーナーサイドの意向をチームに反映する立場にあると思われた。そのためチームの勝率が伸び悩む原因が「城島問題」にあることをどこまで理解できるか、就任当初から心配されていた。

2009シーズンもマリナーズは「城島問題」を放置し、城島を正捕手にすえる同じ過ちを犯したために、2シーズン続けて2009年5月に崩壊しかけた(ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:「2年連続5月20敗」)。もしこのときチームが城島を起用し続けて大敗し続けていれば、ワカマツは5月以降のどこかでクビになっていただろうし、城島自身の正捕手の座もクビも、寒い状態になったはずだ。
前年2008年5月の崩壊では、当時の監督マクラーレン自身が遅まきながら「城島問題」の重大さに気づいて、2008年6月に「城島降格」とクレメント抜擢を断行することで、チーム状態を上向かせる策を、監督自身の手で打ちだすことができた。
だが、2009年5月の崩壊においては、監督ワカマツが城島をはずす英断を下すことができたわけでもなんでもない。
2009年5月の崩壊が回避できたのは、あくまで「城島の骨折とチーム離脱」という「偶然」があったからであり、5月以降のビッグ・スリーとロブ・ジョンソンのバッテリーが安定して継続できたのは、ワカマツが自分の英断と先見性によって城島をスタメンからはずしたからではない。
その結果、城島のライバルであるはずのロブ・ジョンソンは、城島の正捕手としての度重なる失態をかえってカバーする形になってしまい、チームサイドが 「復帰後の城島を控え捕手に転落させないでおく口実」 を与えてしまった。皮肉なことに、2008年のクレメントがそうであったように、ロブ・ジョンソンは自分の活躍で、自分の出場機会を復帰後の城島に分け与える形になったのである。
8月以降の戦犯城島に対する手厚い処遇ぶりを見ればわかるとおり、ワカマツは投手陣にとっての「城島問題」の深刻さや、深刻なチームへのダメージ、コア・ファンのチーム離れの意味、どれも深くは理解していない。

ただ彼に、ひとつだけ今シーズンの優れた大仕事があるとしたら、主力投手3人による一斉城島マスク拒否、すなわち「城島追放維新」を黙認したこと、これに尽きる。
ワカマツが黙認してくれたおかげで「城島のいないマリナーズの投手陣が、いかに高い能力があるか」が、「城島問題」に消極的な頑迷な日米メディアやファンの前につきつけられることになった。

「城島拒否維新」と、ズレンシック
なにかとトレード市場で英雄視されがちなGMズレンシックだが、2009夏時点でのトレードは、大半が単なる「代役探し」であって、チームの戦力アップにつながらないどころか、トレードによって投手力も打力もズルズルと低下していった。どのトレードも目的および費用対効果は明瞭ではなく、けして成功しているとはいえない。
なによりの彼の大失敗は、城島の処遇の失敗とウオッシュバーンのトレードである。
城島が骨折から復帰して以降、チームは、マクラーレンの「城島降格」策のように、城島を控え捕手に降格させる態度を明確にし、ロブ・ジョンソンを正捕手にすえてチーム内を安定させるべきだった。そうすれば7月末時点ではまだ、プレイオフに向かって突き進むことが可能だったはずだ。
だが実際には、チームはむしろ、「城島拒否維新を成功させたウオッシュバーンの放出による、先発投手陣の崩壊」と、「先発投手によって、捕手をコロコロ変える意味不明のバッテリー・システムの導入」を行い、チームを「不安定さ」の方向に進ませてしまい、2008年同様に戦犯であるはずの城島の正捕手復帰を無理矢理正当化する行動をとった。
その結果、チーム状態はたいへん不安定になり、勝率の低下をまねき、プレーオフ争い脱落の原因を、みずからが作りだした。

「城島拒否維新」の切り崩しと、ファン離れ
マリナーズは、これまでずっと続けてきた城島に対する過保護な扱いを2009年シーズン・インでも繰り返し、2009年6月7月にビッグスリーの「城島拒否維新」の功績で出来上がりかけた「シアトルらしい、守り勝つ野球」のメインパーツであるはずの先発投手陣を、自分の手で破壊し、戦犯捕手の不合理きわまりない復活を容認した。
ようやく形になりつつあったパークファクターに合致するチーム・アイデンティティが、チーム自身の内部的混乱によって破壊されるのを見たシアトルの理性的なファンは、大量にスタジアムを離脱し、ウオッシュバーントレード直後の2009年8月には、異例の観客動員大量減少をまねいた。
これは「城島問題」を甘くみて自分の失態でプレーオフ脱落をまねいたクセに、ウオッシュバーンのトレードなどでビッグスリーによる「城島追放維新」の継続を許さなかったチームマネジメントの背任行為に原因がある。

城島退団の不透明さ
2009年10月になって城島退団が発表されたが、2008年の3年24Mという契約延長の理由が明らかでないのと同様に、城島退団以降の経緯が明らかになったわけではない。いつも契約に関する動きが挙動不審な選手なのである。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:城島退団
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年10月22日、元阪神監督岡田氏の指摘する「城島事前交渉契約疑惑」簡単まとめ(結果:まさにスポニチの「事前」報道と岡田氏の指摘どおり、城島、阪神に入団決定)

マリナーズのこれから
やがてエース・ヘルナンデスのFA移籍がやってくる。そのときまでに、チームの体質が大きく変わり、プレーヤーが本来の実力を発揮できる、ごく当たり前のチームになることができるかどうか。もしできていなければ、大規模な崩壊が再現もありうる。

これまで監督解任程度の生ぬるい予測をしてきたが、2009年夏に起きた理性的なファンのスタジアム離れや、2年も続いた不自然すぎる城島の正捕手復帰を目の当たりにして、いかにこのチームに理性が欠けているかを思い知らされ続けた。
誰の目にも不自然で、合理的に説明できかねるような理不尽な行為が続けば、いつかこのチームはメジャーの球団として立ち行かなくなる。メジャーは、長年にわたって「城島問題」を放置してきたような合理性に欠けるようなビヘイビアを、けして許容してはくれないのだと思い知るべきだ。

19勝を達成したヘルナンデスとロブ・ジョンソンのバッテリー






damejima at 12:33

December 23, 2009

そういえば、クレメントがトレードされたときもそうだった。トレードされてシアトルの一員ではなくなったのだから、後はもう「城島問題」とは無縁だし、どうでもいい。そんな風に考えたことなど、一度もない。むしろ、あまりにも理不尽だったコネ捕手の所業の歴史を保存するためにも、このブログはある。
だから、今回のブランドン・モローのトロント行きについても、クレメントのときに何本か記事にした(ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:「ジェフ・クレメントのための短い夏」)のと同じく、ブランドン・モローがシアトル時代にコネ捕手城島とどういう関係にあったかについて自分なりの一定の記録を残すべき、と考えた。だからこれはある種のレクイエムのようなものだ。

去り行くモローへのインタビュー by Seattle Times
Mariners Blog | Brandon Morrow hoping to finally develop as a starter in Toronto | Seattle Times Newspaper
"I was never really allowed to develop as a starter the way I and a lot of other people thought I should be allowed to,'' Morrow said. "Hopefully, this new chance means I get to develop as a starter more. Changing roles has just been detrimental to me.''


下記は、mynorthwest.comShannon Drayer氏のコラムの拙訳である。
以前からこの記事の存在は知っていたし、近いうちにリンクくらいは残そうと思ってもいたのだが、まさかモローがこういう形でトレードされて慌てるハメになるとは思ってもみなかった。自分自身の取り組みに甘さを感じる次第。
この記事は他サイトにいくつかの翻訳が存在するようだ。だから自分としては、わざわざ出来のわるい訳を掲載するより、そちらを見てもらったほうが正確だと思っていたわけだが、どうも今回あらためて詳細に見てみると、いくつかの誤訳があるようで、しかたなく記録用として新たに自分なりの拙訳を保存しておくことにした。
誤解してほしくないのは、既存訳の批判をする意味はないことだ。誤訳と感じる箇所の修正をし、改稿した、くらいの気持ちから拙訳を試みるのだということを、どうか了解してもらいたい。

また、モロー、という投手のことを知らない方々に紹介しておく必要があるかもしれないのは、モローという投手は「速球派の投手」だ、ということである。GMがズレンシックに変わる前のバベシ暗黒時代には、彼のような速球派の投手がたくさん集められたものだ。
マイナーの速球派の投手は、ピッチングがとかく単調になりがちなものである。2006年ドラフト1位のモローもなかなか芽が出ず、今シーズンはマイナーとメジャーを行ったり来たりしながら、コントロールの悪さと持ち球の少なさで苦しみながら、なんとかピッチングの安定化を図ろうともがいていた。
その彼にとって「カーブを投げるか、投げないか。投げるのなら、どのタイミングなのか」という問題は、単に球種を増やすの増やさないのというだけの問題ではなく、メジャー生き残りを賭けた大問題だった。また、ウオッシュバーンの変化球を磨きあげ「ドルフィン」の開発にも導き、彼のERAを飛躍的にアップさせた優秀な投手コーチ、アデアからの「もっとカーブを混ぜて投げてみな」というモローへの提案は、ピッチングの単調さに悩むモローの起死回生の策になっていたかもしれない、ということを、どうか理解してやってもらいたい。
その貴重な「コーチの指示」をメジャーの配球常識も無いのに間違った判断でゲームに生かさなかったコネ捕手の所業は言語道断である。


「メジャーの常識も知らないまま、コネだけで正捕手に居座るあんなプレーヤーに、メジャーの配球常識とも違う、今まで積み上げてきた自分のピッチングスタイルとも違う、さらには、チームの投手コーチの指示とも食い違う、意味のわからないサインを毎試合強要され、その勘違いだらけのゲームプランで成績を落とされ続けたんじゃ、もう、たまらない。あんなヤツに投げたくない。」
コネ捕手の加入以降続いてきた、もうベースボールとはいえないような理不尽さを停止させるために、2009年、先発投手たちは意を決して「一斉城島拒否」を打ち出したわけだが、それはある意味、投手陣の総意を受け、主戦投手たち自身も自分の選手生命を賭した「維新」だったわけである。
「維新」は、監督ワカマツなどチームサイドの優柔不断な首脳陣が提起したのではなく、プレーヤー自身が選手生命を賭して起こした波が原動力であって、彼らの勇気ある行動がダメ捕手を日本に追い返し、シアトルに健康的な前進をもたらした。けして優柔不断なワカマツが追い返す原動力になったわけではない。



Joh Leaves the Mariners, What Now For Both - MyNorthwest.com
2009年10月19日
written by 710 ESPN Seattle's Shannon Drayer

The Mariners were thrown a curve ball this weekend as Alan Nero the agent for Kenji Johjima informed Jack Zduriencik that his client was leaning heavily towards staying in Japan and playing close to home.
Today it was announced Johjima has opted out of the remaining two years left on his contract with the Mariners. According to Jack Z the opt out clause allowed for Joh to leave at anytime to return to play in Japan. There was no buyout.
There are reports out of Japan the Hanshin Tigers have targeted Kenji and are prepared to offer him a multiple year contract at 5 million dollars per year.
今週末、城島健司の代理人アラン・ニーロはマリナーズに、カーブを投げてきた。(ブログからの補足:カーブという球種は、城島がかねてから「投手有利のカウントに打者を追い詰めたときでないと投げない」としている決め球である、というのが、この記事の主旨。だから、この場合「カーブを投げてきた」という表現は、ここでは「カウントが整った」、つまり、「城島の帰国の意思が固まった」という意味にひっかけて使われているわけである)彼の依頼人城島が日本に戻り、家族の近くでプレーすることに強く傾いていると、GMジャック・ズレンシックに通知してきたのである。
そして今日、城島はマリナーズと交わした契約の残り2年をオプト・アウトすると報じられた。ズレンシックによれば、オプト・アウト条項により城島はいつでも日本でプレーするために帰国することを許される。これはバイ・アウト(=契約の買取り)ではない。日本からのレポートによれば、阪神タイガースが城島獲得を狙っており、年あたり5Mの複数年契約をオファーする用意がある、という。

Zduriencik stressed that this was a decision based soley on Joh's decision to play closer to home. He said that at no time this year had Joh expressed such a desire or showed that he was disgruntled with his current situation.
The writing however, was clearly on the wall for Johjima. At best this season he split the starting duties with Rob Johnson. Seattle's top three pitchers made it clear that they preferred to throw to Johnson and Don Wakamatsu made it clear that he was going to go with the catcher that his starting pitchers had the best belief in.
Johjima handled this turn of events as I have written many times, stoically. He did not cause trouble or express that he was unsatisfied other than the times when he would tease me that I didn't need to talk to him, I should go talk to Rob. There was one time when he said this to me that he was clearly unhappy but he did not let this effect the rest of his team.
ズレンシックは、より家族の近くでプレーするために城島が単独で決めた決断であると強調した。ズレンシックによれば、今シーズン中、ジョーが帰国の希望を表にあらわしたり、最近のシチュエーションについての不満を漏らしたことは、一度も無いない、とのこと。
しかしながら、城島の現実がどうだったかは明らかだ。(ブログ注:この部分が某サイトの訳で間違っている部分。「壁に大書されている」というのだから「事実は火を見るよりも明らかだ」という意味にとらなければなるまい)今シーズンせいぜい良くいったとしても、彼はロブ・ジョンソンとスタメンの座を分けあった、としかいえない。(現実には)シアトルの3人の主力投手たちはロブ・ジョンソン相手に投げたいと意思を明確にしていたし、監督ドン・ワカマツも先発投手たちが最も信頼するキャッチャーを選択する、と明言していた。(=事実上、「先発を分け合った」というのはリップサービスであって、実際には「正捕手の座を奪われていた」と、シャノンは言いたいわけである)
何度も書いてきたことだが、城島はこうした情勢の変化に冷静に対処した。トラブルを起こしたり、不満を言うことはなかった。せいぜい、私がロブ・ジョンソンのコメントを聞きに行かなくてはいけない時に、ジョーが「俺には話を聞かなくていいの?」とからかった程度のことだ。彼が不満を口ににしたのはこの時かぎりであり、彼はそのことが他のチームメイトに影響を及ぼさないようにしていた。

Joh's belief was that as the starting catcher he should catch every game he was physically able to. It was something he took pride in his first few years with the Mariners. Splitting catching duties must have been a bitter pill. The arrival of Adam Moore, regardless of how young he was no doubt was eye opening as well.
ジョーの信念は、体が許す限りすべてのゲームに先発捕手として出場する、というものだった。彼はマリナーズでの最初の数シーズン、それを誇りとしてきた。捕手の仕事をロブ・ジョンソンと分け合うことは、苦汁の思いがしたに違いないし、さらにアダム・ムーアが昇格にあっては、ムーアの若さ云々に関係なく、間違いなく彼は瞠目したことと思う。(eye opening、つまり目を大きく開くわけだが、驚くというよりは、自分の意図と違ったことで落胆や苛立ちを覚える意味だろうから、「瞠目する」という古いが正確な日本語がふさわしい)

Some have suggested that the communication issue was too much between a pitcher and a Japanese catcher. I did not see this at all as Joh worked hard at his English and it was actually quite good. I think the bigger issue was a battle of wills. While Ichiro has been able to bring his game to the US and make it work with Joh it was a different matter.
メジャーの投手と日本人キャッチャーの意思疎通の問題があまりにも大きすぎた、と言っている人もいるが、私はまったくそう思わない。ジョーは英語を一生懸命に勉強していたし、実際なかなか上手くなってもいた。
むしろ私は「意思と意思の戦い」がもっと大きな問題だった、と考える。イチローは彼独自のプレースタイルをアメリカに持ちこむことに成功できたが、その一方で、同じことがジョーにもできるかといえば、それは別問題だ。

I don't know that Joh necessarily called a game in the Japanese fashion but I do know that he had definite ideas about certain situations.
私は、ジョーが日本式でリードしたかどうか、必ずしも知っているわけではない。だが、ジョーが、あるシチュエーションに対して特定の考えを持っていることは知っている。

It finally occurred to me at the end of the season that Joh often would say in post game interviews that he didn't call for a breaking ball because his pitcher could not get ahead in the count. What if that was one of the pitchers best pitches?
今シーズンの終わりになってようやく気づいたのだが、ジョーは試合後のインタビューでしばしば「投手が有利なカウントに持ち込めなかったので、ブレーキング・ボールを使えなかった」ということを言っていた。では、もしそのブレーキング・ボールが、その投手の最高の持ち球のひとつだとしたら、どうするのだろう?

The real eye opener was in the game Brandon Morrow threw right before he was sent down. Don Wakamatsu had said in his post game press conference that it looked like Morrow's breaking ball was shaky the few times he threw it. When we asked Morrow about it he looked at us stunned and said that he didn't throw a breaking ball that game. The plan with Rick Adair and Joh going into the game was to incorporate the breaking ball, it was what he was working on but Joh never called one. His explanation, he couldn't get Brandon into a count where he could throw it.
本当にビックリしたのは、モローがマイナーに降格させられる直前のゲームである。監督ワカマツは試合後の記者会見で「今日のモローはブレーキング・ボールを何球か投げたが、どれも不安定に見えた」と話した。
私たち記者がモローにそれを尋ねると、彼は呆然と我々を見つめながら、「このゲームで自分はブレーキング・ボールは1球も投げてないよ」と言ったのである。
リック・アデア投手コーチとジョーがゲーム前に立てたプランでは、ブレーキング・ボールを交えるはずだった。だが、ジョーはそれを一度もコールしなかったのである。(=投手にカーブのサインを一度も出さなかった)ジョーの説明によると、モローがブレーキング・ボールを投げることのできるカウントに、ジョーが持ち込むことができなかったから、ということだった。
(ブログ注:この最後の部分を「モロー」を主語に「モローがブレーキング・ボールを投げるカウントにできなかった」と訳す方がいるようだ。だが、シャノンの原文をよく読んでほしい。「城島」を主語に、「城島が、モローにカウントを整えさせることができなかった」と書かれているはずだ)

(この後の部分もあるが、モローの話題が終わっているので略)






damejima at 19:47

December 22, 2009

シアトルの2006年のドラフト1位指名選手だったブランドン・モローが、トロントの右のリリーバー、ブランドン・リーグ(ほかプロスペクト2名)とトレードされることになった。
このトレードが、さきごろのクリフ・リーロイ・ハラデイのからむ大きなトレードを補完する意味(=つまり、トロントがやや損なトレードをしたので、それを補完する意味で、シアトルとトロントの間であらかじめ裏約束があったのかどうか、という意味だが)があるのかどうかは、今のところわからない。


このトレードの成否をどう見るか、たぶんシアトル・ファンの中でも意見が大きく分かれることだろう。
ブログ主としては、モローにはまだなにがしかの可能性があったようには感じる。2009年7月末のウオッシュバーンのトレードで大失敗しているように、GMズレンシックが常に正しいトレードをするなどと思ったことは、ブログ主自身は一度もない。ウオッシュバーンと交換したフレンチや、オルソンのような投手こそ、チームに必要ない。
Mariners, Jays to swap Morrow, League | Mariners.com: News

Brandon League Statistics and History - Baseball-Reference.com


ちょうど、2009年4月23日のU.S.S. Marinerのしょうもない記事を笑う記事を書いた(ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年12月20日、年を越す前に今年4月23日のU.S.S. Marinerのナンセンスな城島擁護記事を笑っておく。)ばかりだが、その記事でも扱ったちょっとしたデータを見てもらいたい。2009シーズンにロブ・ジョンソンがキャッチャーをやった投手たちの被OPSである。元記事より投手数を増やし、また、被OPS順に並べ替えてある。

ロブ・ジョンソンが捕手をつとめた投手たちの
2009年被OPS
 (シーズン終了時点・被OPS順)
Seattle Mariners Player Splits: Rob Johnson - Baseball-Reference.com

Rowland-Smith: 26 PA, .359 OPS
Aardsma: 151 PA, .456 OPS
White: 126 PA, .513 OPS
Washburn: 417 PA, .552 OPS シーズン中移籍
Felix: 723 PA, .571 OPS
Bedard: 285 PA, .610 OPS
Fister: 5 PA, .650 OPS
Vargas: 144 PA, .672 OPS
Lowe: 154 PA, .675 OPS
Batista: 106 PA, .686 OPS 契約切れ
Kelley: 62 PA, .825 OPS
Jakubauskas: 178 PA, .856 OPS 移籍
Morrow: 82 PA, .878 OPS 移籍
Silva: 22 PA, .914 OPS 移籍
Olson: 73 PA, .925 OPS
French: 149 PA, .993 OPS
Corcoran: 34 PA, 1.035 OPS 移籍
Messenger: 15 PA, 1.067 OPS 移籍


上のリストでみるかぎり、ロブ・ジョンソンがキャッチャーをつとめた投手たちのうち、被OPS .850あたりをボーダーラインとして、それを越える投手たち(=つまり、かなり打たれた投手たち)が次々とチームを去っていることがわかる。
ロブ・ジョンソン捕手時の被OPSが.850を越える投手で、いまチームに残っているのは、もうフレンチ(被OPS .993)、オルソン(.925)の2人くらいしか残っていない。
ロブ・ジョンソンがキャッチャーをつとめることで投手成績が多少良くなる効果を、仮に「ロブ・ジョンソン補正」とでも呼ぶことにしておくと、このオフのシアトル投手陣に吹き荒れるトレードの嵐は、「ロブ・ジョンソン補正」すら効かない投手、つまり、「ロブ・ジョンソンが球を受けてさえもダメだった投手は、どうやってもダメ」と言わんばかりの、投手トレードの嵐になっている部分があるように見える。


かつてバルガスについて何度も書いたのは、彼が投手として相性の悪いキロス・城島とバッテリーを組まされた不運について、だ。
上のリストでバルガスの被OPSを見てもらうとわかるが、シーズン終わってみれば、ロブ・ジョンソンと組んだときのバルガスは、.672と、なかなかの数字を残した。彼には「ロブ・ジョンソン補正」が大きく効いたようだ。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:バルガス
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:「城島コピー捕手」キロスと「キロス問題」


さて、モローのトレードについて考えてみる。

モローも、2009シーズン、何度かマイナーでの調整を経て、先発復帰しているわけだが、バルガスと同様に、ことごとく最初は城島とバッテリーを組ませられている。
というか、もっと正確にいわせてもらえば、「城島問題」の深刻さについての認識が甘く、城島と無理矢理に組まされる投手たちの死活問題ともいえる苦境をあまりにも理解しない監督ワカマツが間違った判断を繰り返したことで、モローは城島とバッテリーを組まされ続け、成績的に損をし続けた。


そのことを示す証拠がある。
以下の現地のブログ記事を読んでもらいたい。コネ捕手城島のゴリ押しリードの惨状がよくわかるはずだ。

資料:シャノン・ドライヤーのブログ記事
太字はブログによる)
Joh Leaves the Mariners, What Now For Both - MyNorthwest.com
The real eye opener was in the game Brandon Morrow threw right before he was sent down. Don Wakamatsu had said in his post game press conference that it looked like Morrow's breaking ball was shaky the few times he threw it. When we asked Morrow about it he looked at us stunned and said that he didn't throw a breaking ball that game. The plan with Rick Adair and Joh going into the game was to incorporate the breaking ball, it was what he was working on but Joh never called one. His explanation, he couldn't get Brandon into a count where he could throw it.

記事によれば、
あるモローの登板試合で、マリナーズの投手コーチアデアと城島との間では「ブレーキングボール」、つまりカーブを混ぜたピッチングをさせる打ち合わせになっていた。
だが、実際ゲームになってみると、このダメ捕手、なんと、
「モローに、ただの一度もカーブを要求しなかった」
(上の英文の太字部分)
というのだ。
このダメ捕手ときたら、投手コーチと話をしたときにはコーチの方針に従う「フリ」をしておいて、実際のゲームになると自分のダメ・リードを投手のモローに押し付けた
というのである。

この、コネ捕手の、
ちょっと常識では考えられない唯我独尊ぶり。
もうここらへんまでくると、ワガママとかプレースタイルとかを通り越している。こういう馬鹿の押し付けるリードに振り回され続けた若いモローが、本当に哀れでならない。



モローの2009年は、シーズントータルの数字だけを見てしまうと、バルガスのような「ロブ・ジョンソン補正」が効きまくった、とは言えない、という風に見えやすい。
だが、細部で見ると、下記のリンクの記事で解説したとおり、「ロブ・ジョンソン補正」が効いている部分もちゃんとあるわけであって、成績をトータル数字でマクロ的に見るか、ディテールをミクロ的にみるかで、判断が分かれてしまう。それだけに、トレードの成否の判断が難しいわけだが、ブログ主は可能性を感じて、応援し続けてきた。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年9月12日、ロブ・ジョンソンはまったくコントロールの無いモローを四苦八苦してリード、チームの6連敗を阻止して、ついにモローに「2009シーズン先発初勝利」をプレゼントした。


一方で、コネ捕手城島がキャッチャーとして球を受けることで投手成績が悪くなる現象を、「城島補正」とでも呼ぶことにすると、この「城島補正」を非常に強く受けた投手のひとりがモローなのは確実である。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年9月13日、モロー先発で四球とホームランが多発するのは、「城島マスク」の場合と判明。ノーコンの速球投手の「三振、四球、ホームラン」の3点セットで惨敗パターンは、まるで「悪いときの松阪」そっくり。


あらためて「城島問題」が周囲に与えた影響の大きさを思わずにいられない。
モローはコネ捕手城島と同じ2006年にドラフトでシアトルに入ったわけだが、もし彼が入団したのが「城島のいるシアトル」でなければ、つまり 「城島補正」 がなければ、彼のシアトルでの選手生活はもっと違った、イキイキと充実したものだったろうに。
悲しいことである。


それはモローだけでなく、他のどの投手にとっても同じことが言える大きな問題である。ウオッシュバーンにしても、ヘルナンデスにしても、 「城島補正」 をまぬがれて数シーズンを過ごせていたら、今はもっと違った選手生活が送れていたに違いない。
そして、それはファンにとっても同じことがいえる。


もし自分がシアトル在籍プレーヤーだったら、とてもじゃないが、自分の選手生命、人生の先行きにかかわる問題なだけに、ふざけるな、バカヤロー、と言いたくなると思う。

モローの苦境と「城島問題」との関連性を十分理解もせずに、モローがマイナーでの調整を終えてメジャーに戻ってくるたびに城島を押し付けた、シアトルの監督など首脳陣の責任は、けして小さくはない。






damejima at 19:14
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