September 14, 2009

2009シーズン先発時のノーコン投手モローのデータは、なかなか面白い。
ノーコンだから四球乱発か?と思うと、そうでもない。受けるキャッチャーによるのである。
Brandon Morrow Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN

Brandon Morrow 2009 Pitching Splits - Baseball-Reference.com

要点を先に言うなら、
1 モローは先発投手としてたしかにノーコンだが、常に四球乱発でもなく、また、常にカウントを悪くしてストライクを置きにいってホームランを乱打されているわけでもない

2 モローにホームランと四球が異常発生するのは、城島とバッテリーを組んだ場合

3 モローが7月10日以降、2ヶ月もかけて調整をしなければならなくなったのは、7月に先発した2ゲームで、5本ものホームランを滅多打ちされたのが原因

4 その2試合は、2試合ともキャッチャーは城島

5 7月にモローが相性の良くない城島とバッテリーを組まされた主な原因は、城島が骨折から復帰した後、先発3本柱からバッテリーを組むのを拒否されたが、城島の出場機会を無理矢理に確保する目的で、城島とローテの4番手以降の投手たちとのバッテリーをローテに無理矢理組みこんだため。その結果、チームは無駄に負け数を増やした。


不幸なことよ。
7月に疫病神にとりつかれて2ヶ月もマイナー送りになった、
ノーコン・モロー。

捕手別に、登板時の数字を並べておくので勝手に見ておいてもらいたい。

抑えておきたい点が、ひとつ。
ゲーム・ログを見るとわかることだが、ロブ・ジョンソンだけがモロー先発ゲームを2つとも勝っている。(バークですら2敗。城島3敗)これはけして偶然ではない。
理由は簡単。モローがマウンドを降りた後は、扱いづらいモローに四苦八苦して疲労とストレスがたまることだろう。だが、ロブ・ジョンソンは淡々と変わらぬプレーをして、気持ちを腐らせず、かつ、気を抜かず、「後のイニングをゼロに抑えている」から、結果的にいくらもローが5イニング3点でマウンドを降りても、最後には粘り強く勝てるのである。

この点は、モローの登板ゲームに限らない。あらゆる先発投手のケースで、ロブ・ジョンソンとコネ捕手城島が全く違う、ロブ・ジョンソンの美点のひとつだ。

モローと城島バッテリーを組むと、ホームランと四球で大量失点する。「城島とバッテリーを組む投手」によくある現象のひとつだ。
ホームランと四球を多発させておいて、さらに城島が始末に終えないのは、モローがホームランと四球で大量失点した後は、城島のメンタル面のテンションがすっかり切れてしまうこと。モローの先発3ゲームで城島は22失点もして、チームの大事な時期に3連敗している。
これも、城島について、シアトルファンが何年も、何度も指摘してきた欠陥のひとつ。
「城島は失点しはじめると、気持ちが切れて、失点が止まらない」


ロブ・ジョンソン
2勝0敗 10回自責点6 ERA5.40
6月24日 5回 自責点3 被ホームラン1 四球1
9月12日 5回 自責点3 被ホームラン1 四球2

バーク
0勝2敗
      7回自責点3 ERA3.86
6月13日 3回 自責点1 被ホームラン0 四球4 
6月18日 4回 自責点2 被ホームラン0 四球1

城島
0勝3敗
 15回2/3自責点8 ERA4.60
6月30日 4回2/3 自責点1 ホームラン0 四球5
7月5日  6回    自責点3 ホームラン3 四球2
7月10日 5回    自責点4 ホームラン2 四球4

四球率 BB/9(先発時)
これだけコントロールのよくない投手に四球を減らせるのだから、ロブ・ジョンソンは立派と言って憚らない。
ロブ・ジョンソン 2.70
バーク      6.43
城島       6.32

ホームラン率 HR/9(先発時)
バークがモローとバッテリーを組んだときに防御率がいいのは、ひとえに、これが理由。さすが年の功というところ。
バーク      0.00
ロブ・ジョンソン 1.80
城島       2.87


こういった現象は、必ずしもこの6月以降モローが先発登板するようになった時期にだけ、あるいは、モロー登板時にだけ起きる現象ではないのは、言うまでもない。城島先発マスクのボロ負け惨敗ゲームのパターンをよく知る人、あるいは、ボストンの松坂投手の調子の悪いときの四球乱発・ホームラン被弾パターンを数多く見ている人なら、下記の言葉の意味はよくわかるはず。

城島先発ゲームは、基本的に
自軍投手のコントロールが良かろうと悪かろうと、それを無視して
三振をとりたがってきわどいコースをつきたがり、
その結果、四球が多発、ホームランも打たれやすい



シアトルには、モローに似たコントロールのよくない速球主体の投手、球種が少なく緩急のないタイプ投手は、多い。どうも似たようなタイプの投手を集めたがる傾向がいつまでたっても無くならないのにも、それはそれで困ったものだ。
そういう投手だらけのシアトルにおいて、城島のような「打者から常に三振をとりたがるクセに、四球を多発させては、ホームランを打たれて、惨敗するキャッチャー」がいかに必要ないか、いい加減シアトルのチーム・マネジメントも気づいてよさそうなものだ。

シーズンが始まって終わるまで「調子の悪いときの松坂」を生産し続けるマシーンを、高額の給料払って雇う馬鹿がどこにいる。


モロー全登板時
SO/BB

バーク      2.20(42回 11三振 5四球 0HR)
ロブ・ジョンソン 1.40(82回 14三振 10四球 4HR)
城島       1.11(109回 20三振 18四球 6HR)







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