October 05, 2009
エース ヘルナンデスがサイ・ヤング賞とア・リーグ最多勝をかけて先発するシアトルの最終戦が、あと数時間後に始まる。もちろんキャッチャーはロブ・ジョンソンだ。
暇なので、こんどはヘルナンデスと城島の関係についての解説の決定版を書いてみることにした。こんなのは別にむつかしくない。3分とかからずにアイデアができた。
8枚の絵を用意した。
今シーズン、ヘルナンデスの唯一の汚点である、城島と組んだ5月の3連敗のうち、5月9日ミネソタ戦のデータである。主要左バッターへの、4人の投手たちの投球を8打者分集めた。5人にヘルナンデスが投げている。
あらかじめ言っておくが「たったこの8枚だけが、このゲームでの城島さんの素晴らしいミネソタ打線攻略配球(笑)のすべてではない」。そんなわけない。(笑)
あまりにも素晴らしい配球が多すぎて、これだけしかのせられないのだ(笑)興味があるひとは右打者への配球なども、たいへんに素晴らしいから、2009年5月9日のGameDayをじっくり見てみるといい。
特に3番マウアー、4番モーノーに対する配球は見事としかいいようがない。
この日マウアーは、3打数2安打2四球3打点2得点、ホームラン1本、2塁打1本。モーノーは、2打数2安打2四球1打点2得点、ホームラン1本。
モーノーは、「コネ捕手城島さんの『まったく配球しないで多額の給料をもらう』捕手としての天才ぶりを、メジャーで最も詳細に語れるであろうプレーヤー」として、メディア各社にブログから推薦しておく。
このゲームでミネソタ打線は、サイ・ヤング賞候補ヘルナンデスに、6安打3四球2ホームランを浴びせて自責点5を喫しさせ、全体としては、シアトルの5投手に8安打7四球3ホームラン、8点をとった。
もし今年ヘルナンデスがサイ・ヤング賞を取り逃がすようなことがあれば、このミネソタ戦をはじめ城島と組まされた3ゲームが原因である。ハッキリしている。
Seattle vs. Minnesota - May 9, 2009 | MLB.com: Gameday
この8枚、自分でいうのもなんだが、たいへん便利にできている。
ただ目を通すだけで、「シアトルのエース、ヘルナンデスが、なぜ城島を拒否しているか」「シアトルの有力投手たちは、なぜ城島とはバッテリーを組む必要がないか」「城島がチームにいないほうが勝率が上がるのはなぜか」、なにもかもが、誰にでも簡単に、手にとるようにわかるようになっている。
便利すぎる。おかげでこのブログさえ、いらなくなるだろう(笑)困ったもんだ(笑)
5月に最悪に見えたヘルナンデスが、「なぜロブ・ジョンソンと組んで今年サイ・ヤング賞目前というところまで力を伸ばせたか」、そして、今年のシアトルの「シーズン勝率回復がそもそも誰と誰のおかげか」、についても、誰でも答えが簡単に出せるようになる。
よく、ウェブ検索サイトの質問コーナーで「ヘルナンデスはなぜ城島と組まないのですか」とかいう質問と答えが書いてあって、日本とメジャーの野球のシステムの違いだの、なんだの、こむつかしく、トンチンカンな説明をするアホウがいる。
だが、そんなややこしい説明、まったくあたってないし、必要もない。
1回 無死2塁
2番トルバート 四球
投手:ヘルナンデス
先頭の1番スパンに2塁打を打たれると、2番トルバートにすかさず「アウトコース攻め」で四球(笑)
1回 無死1、2塁
3番マウアー
2点タイムリーツーベース
投手:ヘルナンデス
1回 無死2塁
4番モーノー 四球
投手:ヘルナンデス
2点タイムリーのマウアーがセカンド走者。モーノーにも気恥ずかしくなるほどの「アウトコース攻め」で四球。またも無死1、2塁。
3回 2死走者なし
3番マウアー ホームラン
投手:ヘルナンデス
マウアー、モーノーに連続ホームランを打たれ、スコアは0-4。
4回 1死2,3塁
1番スパン 犠牲フライシングル
投手:ヘルナンデス
犠牲フライを打たれたくないはずの場面での「高め攻め」(笑)。あっさり犠牲フライで失点
5回 無死1塁
4番モーノー シングル
投手:ホワイト
マウアー四球、モーノーのシングルで無死1、2塁。このあと6番カダイアーに3ランを打たれる
6回 2死1、2塁
4番モーノー 四球
投手:スターク
7回 1死走者なし
7番ブッシャー 四球
投手:アーズマ
のべ8人の左打者に対して、4人の投手の投げたインコースの球は、総計で3球だけ。コネ捕手さん、たいへんすばらしい「アウトコース攻め」でいらっしゃる(笑)
この素晴らしい「攻め」(笑)を実際のゲームで実行したのは、メジャー4年目のキャッチャーさんで、年収は800万ドルと聞いている。
冗談さておき。
「打者が左なら、なんでもいいから、アウトコースに投げとけ」、などという配球法は、プロフェッショナルのベースボールには「ない」。
冗談でいうのではない。
そんなのは配球では「ない」。
だからコネ捕手城島は、ヘルナンデスに対して、実は「配球してない」し、配球論は「ない」。
配球とは一定の戦略と戦術に基づいた組み立てやシステム、マトリクスであり、また、見方を変えれば、「個」や「アイデンティティ」、「プライド」や「歴史」でもある。
配球せず、アイデンティティも歴史もシステムも戦術も、何もない捕手と、ヘルナンデスは組みたくない。
当然だ。
以上、証明終わり。
簡単だったな。
英会話のレベルがどうとかこうとか、巨額のサラリー、不器用なバッティング、文化論も、キャッチングの技術論も、実は「城島問題」の真髄部分には、そういう雑多な議論はまったく関係がない。
「配球しないキャッチャー」というのは、いってみれば、「英語がまったく喋れないまま、英語圏の国に滞在している」ようなものだ。
なぜなら、配球は「ピッチャーとキャッチャーのコミュニケーション」における「共通言語」だからだ。
「何を投げたい?これか?」
これは会話そのものだし、何気ないやりとりの背景には、膨大な情報量や文化、戦略や戦術、トレーニング、スラングや方言、スタイルやアイデンティティ、プライドや歴史などの「言語様式」が存在していることも、言語とまったく同じである。
その「共通言語」が「ない」のに、しゃべれはしない。それは英会話レベルの問題ではない。
メジャー流の配球論の基礎があるとか無いとかなんたらいう無駄な分析をする前に、そもそも配球という仕事そのものが「マトモになされない」どころか、「配球してない」のだから、新人さん、お子様はともかく、メジャーのマトモな投手とコミュニケーションが成り立つわけがない。
もちろん「配球しないキャッチャー」とかいう気味の悪い人に、「日本式リード」とか「自称」されても大いに困る。
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暇なので、こんどはヘルナンデスと城島の関係についての解説の決定版を書いてみることにした。こんなのは別にむつかしくない。3分とかからずにアイデアができた。
8枚の絵を用意した。
今シーズン、ヘルナンデスの唯一の汚点である、城島と組んだ5月の3連敗のうち、5月9日ミネソタ戦のデータである。主要左バッターへの、4人の投手たちの投球を8打者分集めた。5人にヘルナンデスが投げている。
あらかじめ言っておくが「たったこの8枚だけが、このゲームでの城島さんの素晴らしいミネソタ打線攻略配球(笑)のすべてではない」。そんなわけない。(笑)
あまりにも素晴らしい配球が多すぎて、これだけしかのせられないのだ(笑)興味があるひとは右打者への配球なども、たいへんに素晴らしいから、2009年5月9日のGameDayをじっくり見てみるといい。
特に3番マウアー、4番モーノーに対する配球は見事としかいいようがない。
この日マウアーは、3打数2安打2四球3打点2得点、ホームラン1本、2塁打1本。モーノーは、2打数2安打2四球1打点2得点、ホームラン1本。
モーノーは、「コネ捕手城島さんの『まったく配球しないで多額の給料をもらう』捕手としての天才ぶりを、メジャーで最も詳細に語れるであろうプレーヤー」として、メディア各社にブログから推薦しておく。
このゲームでミネソタ打線は、サイ・ヤング賞候補ヘルナンデスに、6安打3四球2ホームランを浴びせて自責点5を喫しさせ、全体としては、シアトルの5投手に8安打7四球3ホームラン、8点をとった。
もし今年ヘルナンデスがサイ・ヤング賞を取り逃がすようなことがあれば、このミネソタ戦をはじめ城島と組まされた3ゲームが原因である。ハッキリしている。
Seattle vs. Minnesota - May 9, 2009 | MLB.com: Gameday
この8枚、自分でいうのもなんだが、たいへん便利にできている。
ただ目を通すだけで、「シアトルのエース、ヘルナンデスが、なぜ城島を拒否しているか」「シアトルの有力投手たちは、なぜ城島とはバッテリーを組む必要がないか」「城島がチームにいないほうが勝率が上がるのはなぜか」、なにもかもが、誰にでも簡単に、手にとるようにわかるようになっている。
便利すぎる。おかげでこのブログさえ、いらなくなるだろう(笑)困ったもんだ(笑)
5月に最悪に見えたヘルナンデスが、「なぜロブ・ジョンソンと組んで今年サイ・ヤング賞目前というところまで力を伸ばせたか」、そして、今年のシアトルの「シーズン勝率回復がそもそも誰と誰のおかげか」、についても、誰でも答えが簡単に出せるようになる。
よく、ウェブ検索サイトの質問コーナーで「ヘルナンデスはなぜ城島と組まないのですか」とかいう質問と答えが書いてあって、日本とメジャーの野球のシステムの違いだの、なんだの、こむつかしく、トンチンカンな説明をするアホウがいる。
だが、そんなややこしい説明、まったくあたってないし、必要もない。
1回 無死2塁
2番トルバート 四球
投手:ヘルナンデス
先頭の1番スパンに2塁打を打たれると、2番トルバートにすかさず「アウトコース攻め」で四球(笑)
1回 無死1、2塁
3番マウアー
2点タイムリーツーベース
投手:ヘルナンデス
1回 無死2塁
4番モーノー 四球
投手:ヘルナンデス
2点タイムリーのマウアーがセカンド走者。モーノーにも気恥ずかしくなるほどの「アウトコース攻め」で四球。またも無死1、2塁。
3回 2死走者なし
3番マウアー ホームラン
投手:ヘルナンデス
マウアー、モーノーに連続ホームランを打たれ、スコアは0-4。
4回 1死2,3塁
1番スパン 犠牲フライシングル
投手:ヘルナンデス
犠牲フライを打たれたくないはずの場面での「高め攻め」(笑)。あっさり犠牲フライで失点
5回 無死1塁
4番モーノー シングル
投手:ホワイト
マウアー四球、モーノーのシングルで無死1、2塁。このあと6番カダイアーに3ランを打たれる
6回 2死1、2塁
4番モーノー 四球
投手:スターク
7回 1死走者なし
7番ブッシャー 四球
投手:アーズマ
のべ8人の左打者に対して、4人の投手の投げたインコースの球は、総計で3球だけ。コネ捕手さん、たいへんすばらしい「アウトコース攻め」でいらっしゃる(笑)
この素晴らしい「攻め」(笑)を実際のゲームで実行したのは、メジャー4年目のキャッチャーさんで、年収は800万ドルと聞いている。
冗談さておき。
「打者が左なら、なんでもいいから、アウトコースに投げとけ」、などという配球法は、プロフェッショナルのベースボールには「ない」。
冗談でいうのではない。
そんなのは配球では「ない」。
だからコネ捕手城島は、ヘルナンデスに対して、実は「配球してない」し、配球論は「ない」。
配球とは一定の戦略と戦術に基づいた組み立てやシステム、マトリクスであり、また、見方を変えれば、「個」や「アイデンティティ」、「プライド」や「歴史」でもある。
配球せず、アイデンティティも歴史もシステムも戦術も、何もない捕手と、ヘルナンデスは組みたくない。
当然だ。
以上、証明終わり。
簡単だったな。
英会話のレベルがどうとかこうとか、巨額のサラリー、不器用なバッティング、文化論も、キャッチングの技術論も、実は「城島問題」の真髄部分には、そういう雑多な議論はまったく関係がない。
「配球しないキャッチャー」というのは、いってみれば、「英語がまったく喋れないまま、英語圏の国に滞在している」ようなものだ。
なぜなら、配球は「ピッチャーとキャッチャーのコミュニケーション」における「共通言語」だからだ。
「何を投げたい?これか?」
これは会話そのものだし、何気ないやりとりの背景には、膨大な情報量や文化、戦略や戦術、トレーニング、スラングや方言、スタイルやアイデンティティ、プライドや歴史などの「言語様式」が存在していることも、言語とまったく同じである。
その「共通言語」が「ない」のに、しゃべれはしない。それは英会話レベルの問題ではない。
メジャー流の配球論の基礎があるとか無いとかなんたらいう無駄な分析をする前に、そもそも配球という仕事そのものが「マトモになされない」どころか、「配球してない」のだから、新人さん、お子様はともかく、メジャーのマトモな投手とコミュニケーションが成り立つわけがない。
もちろん「配球しないキャッチャー」とかいう気味の悪い人に、「日本式リード」とか「自称」されても大いに困る。
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