October 26, 2009

城島帰国に好意的なコメントをしてくれそうな現シアトルあるいは元シアトルのプレーヤーくらい、ブログ主が考えたってわかるし、数名の名前を挙げるのも簡単だ。そういうところに行って社交辞令をもらってきたからといって、社交辞令以上の話や、城島がメジャーから逃げ帰った野球の上での厳しい経緯など、聞けるわけがない。厳しい意見の持ち主たちの本音を聞いてみろと言いたいところだ。他人の記事をまとめただけの記事でハッピーだのなんだの、ぬるい記事を書かれたんじゃ迷惑きわまりない。
それくらい、日本のメディア、スポーツライターというものは
「ぬるい」。

また、それと同じくらい「ぬるい」ことがわかったのが、城島の帰国が19日(日本時間20日)に発表になったあとの、日本の球界とファンの「メジャー最低ランクの選手の帰国」の「受け止め方」、である。



日米野球が存在したかつての時代は、あまりにも大きいメジャーとの差を毎年痛感させられ続けた時代だったが、実際にどうなのかはともかく、「日本とメジャーは、昔ほどは差はなくなった」と思っている、あるいは思い込んでいる人は多い。
メジャーは現実には、世界中から常に最も優秀な選手たちが凌ぎを削っている場所だから、日本とメジャーの差はけしてゼロにはならないのだが、それでも日本と世界最高レベルの差はそれほどなくなった、と考える人も増えた。どう考えようが、他人の考えだから、否定はできない。


だが城島は、コネを使ったにもかかわらず、メジャー下位球団ですらスタメンが維持できず、ルーキーにすら追い越されても居座り続けた、実績的にも道義的にも、ほぼ最低のランクづけのプレーヤーである。

城島は、2007年までは長期欠場がなかっただけのために見えない形でチームの足を引っ張り続け、シーズン100敗した2008年には目に見える形でメジャー最低成績を残し、2009年にはルーキーに完璧に追い越された挙句に、メジャーをすっかり自分で諦めた、そういう「低レベルのプレーヤー」である。

ごくたまに盗塁を刺せる程度の能力では、コネを使ってですら、メジャー下位チームのスタメンに居座ることさえできない。メジャーがそういう、ダメなものはダメという実力社会であることを、いい加減思い知ったらどうか。

そんなダメプレーヤーに、キャッチャーとしてのメジャー最高レベルの年俸を払っていたシアトルは、冷静に言えばメジャーの下位停滞球団のひとつであり、単に日本人オーナーサイドの「ぬるい」判断で、「ぬるい」高額年俸と「ぬるい」スタメンを「保障」してやっていたに過ぎない。城島がメジャーで実力で勝ち取った名声など何もない。
2007年にはチームの貯金の多くを控え捕手に挙げてもらっておきながら、2008年には、いけしゃあしゃあと正捕手の座に座ったくせに、2008年6月には正捕手をルーキーに明け渡してしまい、にもかかわらず、2009年シーズン開始時には再び正捕手に座りなおしたにもかかわらず、またしても2年連続してシーズン途中に正捕手の座をルーキーに明け渡してしまう。


新人王をとり、両リーグでノーヒット・ノーランを達成した野茂さんを挙げるまでもなく、生活と選手生命を賭しつつ苦労に苦労を重ねてメジャー生活を継続した選手たちもいることをふまえつつ、当ブログは、城島を「メジャーに移籍した日本人選手の中で最もぬるま湯につかった選手生活をした選手」である、といってはばからない。
悔し涙くらいプロなら流して当たり前。そんなことで誤魔化せる話ではない。


言うかどうか憚られたが、言わせてもらうことにした。そんな最低ランクの選手が、日本に帰ったら、どうだ。

3年だの4年だのの、シアトルがあやうく大失敗しかかった長期契約を、日本では改めて提示して、契約金がいくらだか知りたくもないが、またもや高額の年棒を手にするといい、マスメディアは連日報道し、2チームのファンが行き先をやきもきして毎日語り合っているという、この状態。と、いうか、この体たらく。


ぬるい。


ぬるいとしか言いようがない。


誤解されては困るのだが、「帰郷」という感情の暖かさを否定しようというのではない。楽天・野村氏ではないが、引退に拍手したり、引退間際になって古巣に戻るプレーヤーを暖かく迎える人を否定したりしない。(ただグリフィーが来シーズンも現役を続けるのは賛成しない)
だが、城島は現役プレーヤーである。

日本野球全体がいまどういう国際レベルにあるかを判断することは、もちろん軽々にはできない。よくWBCや五輪、W杯などの結果をもとにあれこれ言う人がいるが、そういう短期決戦の結果だけで判断など、できるわけがない。
だが、少なくとも、ブログ主にはプライドがある。城島を大金で出迎えるようなことで、上がりつつあると言われていた日本の、再びのレベル低下を自ら認めるような真似をするわけにはいかない。
メジャーでは最低の選手が日本に逃げ帰っただけのことを、あたかも凱旋帰国のように扱っているのは馬鹿らしいとしか言いようがない。情けないにも程がある。
大喜びし、大金を払って三顧の礼と最高待遇で出迎える、などということは、メジャーと日本との差、世界と日本の差が、ふたたび大きな差になったということを自ら認めるようなものである。くだらない騒動で、目を曇らせたくはない。



メジャーも11月後半になって、ワールドシリーズが終われば、今シーズンのいろいろなランキングが出てくるだろう。城島もかつて様々な不名誉きわまりない数々の賞に輝いたが、今シーズンも、ニューヨーク・デイリーニューズは「がつがつ食うクセに働かない選手、ベスト10」に城島を選ぶかもしれないし、不名誉さに新たな勲章が加わるかもしれない。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2008城島「シーズンLVP」・2009「LTV, Least Trade Value」
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2008年11月29日、二ューヨーク・デイリーニューズは城島を「がつがつ食うクセに働かない選手」9位に選出。
アメリカのメディアであれこれ言われる、その前に、少なくとも当ブログは、日本野球が「ぬるい」と思われないためにも、「ぬるい」スポーツメディアにかわって、自分の手で、自信をもって
城島を「メジャーにトライした日本人選手の中で、最もぬるま湯につかった選手生活を送った選手」、MLP(Most Lukewarm Player)に認定する。







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