September 17, 2010
2010年9月15日
阪神vs横浜
2回裏カスティーヨ タイムリー
Yahoo!プロ野球 - 2010年9月15日 横浜vs.阪神
日本のプロ野球・横浜ベイスターズに所属するホセ・カスティーヨ(José Castillo)というプレーヤーはベネズエラのカラカス出身。シアトルのフランクリン・グティエレスとは同郷ということになる。
2004年から数シーズン、ピッツバーグでセカンドとしてプレーしたようだが、本来ショートだった彼がセカンドにコンバートされた理由というのが、「ショートにジャック・ウィルソンがいたから」というのだから、ちょっとビックリした。
この選手がもっと打てて、ジャック・ウィルソンをスタメンから追い落としてくれていたら、いまごろシアトルのショートは別の選手だったかもしれない。どこで縁があるか、わからないものだ。
Jose Castillo » Statistics » Batting | FanGraphs Baseball
まぁ、そんなタラレバより、上の画像を見てもらおう。
スコアは、ホームの横浜が6-1で大きくリード。2死1、2塁、カウント3-0(MLB表記)。また、初球から3球目まで、投手は全て「特徴的なアウトコース低めの変化球」を投げている。
カウント3-0(MLB表記)というと、阪神・ブラゼルの「メジャーでは3-0、2-0では、投手は必ずストレートを投げる。だが、日本では変化球を投げてくることに最初とまどった」という何度も引用しているコメントがあるように、もしメジャーなら、まちがいなくここは「ストレートを投げるカウント」。
だが、実際には、日本のゲームだから投手はこの打者に対して4連投となる「アウトコースのスライダー」を投げ、タイムリーを浴びている。
このタイムリーは、この2回の時点では7-1と、ただ点差を広げただけの点としか思われていなかったが、結果をみると、7-5。この1点がゲームの行方を決めたダメ押し点になった。
投手目線から考えると、なぜ「3-0」という苦しいカウントになったのだろう、いろいろと考えられる。マジなものから、おふざけまで、適当に並べてみる。日本での話だから、サインはキャッチャーから出ているものと考える。
1)もともとコントロールの悪い投手
2)たまたまこの日のコントロールが悪いだけ
3)セットポジションが苦手な投手
4)インコースが得意な打者なので、外に逃げた
5)強打者なので歩かせてもいいと、ベンチからサイン
6)ランナーがいると、アウトコースに逃げたがるキャッチャー
7)同じ球種を、同じコースに連投させるクセがあるキャッチャー
8)アウトコース低めのコーナーを狙いすぎて甘くなった
9)投手がストレートに自信がない
10)投手に持ち球の種類が少ない
11)インコースを突く度胸がない
12)点をとられるのが怖い
13)この打者に内角をホームランされたことがある
適当に思いつきを並べてみた。
アウトコース低めにちょっとだけはずれる同じ場所にスライダーを3球も続けられる投手ではあるらしい。だから「コントロールがまるで無い」とは考えられない。
むしろ「こういうピンチの場面で、外のスライダーのサインを出されて、それを投げさせられることに慣れている(慣れさせられている)投手」としか考えられない。
こんどは打者の立場から、「カウント3-0から、これで4連投になるスライダーに、バットをスコンと出せた理由」はなんだろうと考えた。これも適当に思いつきを並べてみる。
1)「スライダー連投を読んだ」横浜ベンチが
バッターに3-0から「打て」のサインを出した
2)3-0はバッティングカウントと考えるチームカラー
3)打者が「3-0で変化球を投げる日本野球」に慣れていて
「3-0からは絶対に変化球」と完全に読みきっていた
4)このキャッチャーが同じ球種の連投が好きなことを
打者が経験か、試合の流れで知っていた
5)3-0まで打者がスライダーに手を出してこなかったので
キャッチャーが「スライダーは安全」と思いこみ、
それを打者に読まれた
6)元メジャーリーガーだから、3-0からでもフルスイング
7)ただの偶然
8)打ちたがりだから、3-0からもスイングしただけ
9)アウトコースの好きな打者
10)スライダーの好きな打者
11)点差があったので、自由に打てただけ
12)ここらで働いておかないと、来年がない
もちろん、横浜ベンチに座っているのは、春先に「かつて城島を指導してたんだから、彼のことはよーく把握してますよ」と不気味に笑っていた、尾花さんである。
尾花監督、阪神城島の分析必要ない - 野球ニュース : nikkansports.com
カスティーヨの打撃スタッツは、たしかにもともと「初球を打ちたがる」「初球の打点が多い」「併殺が非常に多い」「出塁率が低い」「得点圏打率がそれほど良くない」など、どれもこれも「フリースインガー特有の特徴」が、しっかり、たっぷり、メガ大盛りだ。
しかしながら、どういうわけか、この場面の彼は、3-0までバットを振らずに我慢できている。これがどうにも不可思議だ。
ちなみに今シーズンの彼の打数は400ちょっとだが、うちカウント3-0になったのは、この打席を含め11打席程度しかないのに、3安打7四球。他のカウントと比べて、カウント3-0での、出塁率、四球率が異常に高い。
理由は全く想像できないが、少なくとも「元メジャーのフリースインガーだから3-0からでも、バットを振り回してくる」という推測は、この場合にはまったく的外れなのは間違いない。彼は36打数のフルカウントからも、8安打7四球をマークしている。初球は打ってくるタイプだが、ボールが3つになると、とたんに四球を選んでくる。よくわからない打者だ。
このカスティーヨというバッター、少なくとも下記の記事の彼のコメントを読むかぎりでは、多少は「ゲーム中に手を抜かず、相手投手に対する観察を怠らないマジメさを持つ選手」ではあるようだ。打席に入る前から、あらかじめ狙い球を絞っているのかもしれない。
カスティーヨ「(プロ野球・ヤクルトの由規投手は)直球のいい投手だが、前を打つ打者たちへの配球を見て今日はスライダーが多いと感じた。甘いところに来たので初球から積極的にバットを振った」
横浜:カスティーヨが攻守に活躍、連敗ストップに貢献/ヤクルト戦から:ローカルニュース : ニュース : カナロコ -- 神奈川新聞社
また最初の3球ともスライダーなのだから、「単なるスライダー好き」「最初からスライダーを狙っていた」では説明にならない。
と、なると、なんだ。
カスティーヨが「次はスライダーだ(もしくは変化球)」と確信できたのは、実は「カウント3−0になってから考えた」と推測するのが、実は最も合理的かもしれない。
「カウント3−0。次はストレートか?変化球か?
メジャーなら確実にストレートだ。だが、ここは日本だ。キャッチャーの配球グセからしても、ここはまちがいなく、変化球!」というのが、なんとなく正解のような気がする。
一方、キャッチャーはどう打者を読んだのだろう。
「同じコースに同じ球種を3連投させたが、カウントは最悪。満塁にはしたくない。絶対にストライクが欲しい。絶対ストライクをとれる球種は何だろう? バッターはガイジンだから、3−0からのストレート狙いはあるのは確実だ。それに、3球スライダーを投げて手を出してこなかったからには、スライダーだけは絶対に安全!」とでも考えたかもしれない。
もちろん、他人の心理だから、こういう予測が当たっているとばかりも思わない。
ただ、同じ球種を同じコースに投げた結果の3−0から、何を投げるか、何を打つか、という選択の幅の少ないシチュエーションは、打者とキャッチャーの「お互いを読む能力」や、その選手の「ポリシー」「欠点」が、非常に出やすい場面のような気がする。
一方的に打者有利なシチュエーションなだけに、打者はどうモノにするか、捕手はどうかわすか、ギリギリの選択を、たった1球で迫られる。
この「スライダーを4球続けてタイムリーされたキャッチャー」の名前?
そりゃもちろん、城島健司、その人だ(笑)
2アウトでの1、2塁だ、犠牲フライで失点する心配はない。レフトのだれかさんの守備に不安があるから、リードが制約されて打たれているだけだ、なんていう、惨めったらしい言い訳は通用しない。
阪神vs横浜
2回裏カスティーヨ タイムリー
Yahoo!プロ野球 - 2010年9月15日 横浜vs.阪神
日本のプロ野球・横浜ベイスターズに所属するホセ・カスティーヨ(José Castillo)というプレーヤーはベネズエラのカラカス出身。シアトルのフランクリン・グティエレスとは同郷ということになる。
2004年から数シーズン、ピッツバーグでセカンドとしてプレーしたようだが、本来ショートだった彼がセカンドにコンバートされた理由というのが、「ショートにジャック・ウィルソンがいたから」というのだから、ちょっとビックリした。
この選手がもっと打てて、ジャック・ウィルソンをスタメンから追い落としてくれていたら、いまごろシアトルのショートは別の選手だったかもしれない。どこで縁があるか、わからないものだ。
Jose Castillo » Statistics » Batting | FanGraphs Baseball
まぁ、そんなタラレバより、上の画像を見てもらおう。
スコアは、ホームの横浜が6-1で大きくリード。2死1、2塁、カウント3-0(MLB表記)。また、初球から3球目まで、投手は全て「特徴的なアウトコース低めの変化球」を投げている。
カウント3-0(MLB表記)というと、阪神・ブラゼルの「メジャーでは3-0、2-0では、投手は必ずストレートを投げる。だが、日本では変化球を投げてくることに最初とまどった」という何度も引用しているコメントがあるように、もしメジャーなら、まちがいなくここは「ストレートを投げるカウント」。
だが、実際には、日本のゲームだから投手はこの打者に対して4連投となる「アウトコースのスライダー」を投げ、タイムリーを浴びている。
このタイムリーは、この2回の時点では7-1と、ただ点差を広げただけの点としか思われていなかったが、結果をみると、7-5。この1点がゲームの行方を決めたダメ押し点になった。
投手目線から考えると、なぜ「3-0」という苦しいカウントになったのだろう、いろいろと考えられる。マジなものから、おふざけまで、適当に並べてみる。日本での話だから、サインはキャッチャーから出ているものと考える。
1)もともとコントロールの悪い投手
2)たまたまこの日のコントロールが悪いだけ
3)セットポジションが苦手な投手
4)インコースが得意な打者なので、外に逃げた
5)強打者なので歩かせてもいいと、ベンチからサイン
6)ランナーがいると、アウトコースに逃げたがるキャッチャー
7)同じ球種を、同じコースに連投させるクセがあるキャッチャー
8)アウトコース低めのコーナーを狙いすぎて甘くなった
9)投手がストレートに自信がない
10)投手に持ち球の種類が少ない
11)インコースを突く度胸がない
12)点をとられるのが怖い
13)この打者に内角をホームランされたことがある
適当に思いつきを並べてみた。
アウトコース低めにちょっとだけはずれる同じ場所にスライダーを3球も続けられる投手ではあるらしい。だから「コントロールがまるで無い」とは考えられない。
むしろ「こういうピンチの場面で、外のスライダーのサインを出されて、それを投げさせられることに慣れている(慣れさせられている)投手」としか考えられない。
こんどは打者の立場から、「カウント3-0から、これで4連投になるスライダーに、バットをスコンと出せた理由」はなんだろうと考えた。これも適当に思いつきを並べてみる。
1)「スライダー連投を読んだ」横浜ベンチが
バッターに3-0から「打て」のサインを出した
2)3-0はバッティングカウントと考えるチームカラー
3)打者が「3-0で変化球を投げる日本野球」に慣れていて
「3-0からは絶対に変化球」と完全に読みきっていた
4)このキャッチャーが同じ球種の連投が好きなことを
打者が経験か、試合の流れで知っていた
5)3-0まで打者がスライダーに手を出してこなかったので
キャッチャーが「スライダーは安全」と思いこみ、
それを打者に読まれた
6)元メジャーリーガーだから、3-0からでもフルスイング
7)ただの偶然
8)打ちたがりだから、3-0からもスイングしただけ
9)アウトコースの好きな打者
10)スライダーの好きな打者
11)点差があったので、自由に打てただけ
12)ここらで働いておかないと、来年がない
もちろん、横浜ベンチに座っているのは、春先に「かつて城島を指導してたんだから、彼のことはよーく把握してますよ」と不気味に笑っていた、尾花さんである。
尾花監督、阪神城島の分析必要ない - 野球ニュース : nikkansports.com
カスティーヨの打撃スタッツは、たしかにもともと「初球を打ちたがる」「初球の打点が多い」「併殺が非常に多い」「出塁率が低い」「得点圏打率がそれほど良くない」など、どれもこれも「フリースインガー特有の特徴」が、しっかり、たっぷり、メガ大盛りだ。
しかしながら、どういうわけか、この場面の彼は、3-0までバットを振らずに我慢できている。これがどうにも不可思議だ。
ちなみに今シーズンの彼の打数は400ちょっとだが、うちカウント3-0になったのは、この打席を含め11打席程度しかないのに、3安打7四球。他のカウントと比べて、カウント3-0での、出塁率、四球率が異常に高い。
理由は全く想像できないが、少なくとも「元メジャーのフリースインガーだから3-0からでも、バットを振り回してくる」という推測は、この場合にはまったく的外れなのは間違いない。彼は36打数のフルカウントからも、8安打7四球をマークしている。初球は打ってくるタイプだが、ボールが3つになると、とたんに四球を選んでくる。よくわからない打者だ。
このカスティーヨというバッター、少なくとも下記の記事の彼のコメントを読むかぎりでは、多少は「ゲーム中に手を抜かず、相手投手に対する観察を怠らないマジメさを持つ選手」ではあるようだ。打席に入る前から、あらかじめ狙い球を絞っているのかもしれない。
カスティーヨ「(プロ野球・ヤクルトの由規投手は)直球のいい投手だが、前を打つ打者たちへの配球を見て今日はスライダーが多いと感じた。甘いところに来たので初球から積極的にバットを振った」
横浜:カスティーヨが攻守に活躍、連敗ストップに貢献/ヤクルト戦から:ローカルニュース : ニュース : カナロコ -- 神奈川新聞社
また最初の3球ともスライダーなのだから、「単なるスライダー好き」「最初からスライダーを狙っていた」では説明にならない。
と、なると、なんだ。
カスティーヨが「次はスライダーだ(もしくは変化球)」と確信できたのは、実は「カウント3−0になってから考えた」と推測するのが、実は最も合理的かもしれない。
「カウント3−0。次はストレートか?変化球か?
メジャーなら確実にストレートだ。だが、ここは日本だ。キャッチャーの配球グセからしても、ここはまちがいなく、変化球!」というのが、なんとなく正解のような気がする。
一方、キャッチャーはどう打者を読んだのだろう。
「同じコースに同じ球種を3連投させたが、カウントは最悪。満塁にはしたくない。絶対にストライクが欲しい。絶対ストライクをとれる球種は何だろう? バッターはガイジンだから、3−0からのストレート狙いはあるのは確実だ。それに、3球スライダーを投げて手を出してこなかったからには、スライダーだけは絶対に安全!」とでも考えたかもしれない。
もちろん、他人の心理だから、こういう予測が当たっているとばかりも思わない。
ただ、同じ球種を同じコースに投げた結果の3−0から、何を投げるか、何を打つか、という選択の幅の少ないシチュエーションは、打者とキャッチャーの「お互いを読む能力」や、その選手の「ポリシー」「欠点」が、非常に出やすい場面のような気がする。
一方的に打者有利なシチュエーションなだけに、打者はどうモノにするか、捕手はどうかわすか、ギリギリの選択を、たった1球で迫られる。
この「スライダーを4球続けてタイムリーされたキャッチャー」の名前?
そりゃもちろん、城島健司、その人だ(笑)
2アウトでの1、2塁だ、犠牲フライで失点する心配はない。レフトのだれかさんの守備に不安があるから、リードが制約されて打たれているだけだ、なんていう、惨めったらしい言い訳は通用しない。