September 17, 2011
地区優勝おめでとう、ダグ・フィスター。
デトロイト・タイガースは、24年ぶり4回目の地区優勝だが、1994年に「3地区制」が導入され、98年にア・リーグ東地区からア・リーグ中地区に所属が変わってからの話でいうと、悲願の初優勝ということになる。
というのも、デトロイトが前回地区優勝した1987年は、94年に「3地区制」が導入になる以前の優勝であり、87年優勝当時のデトロイトは、69年に導入された「東西制」のもとで、ア・リーグ東地区の所属だったからだ。
ちなみに、1970年にシアトル・パイロッツが、当時メジャーの球団が無くなってしまっていたミルウォーキーにフランチャイズを移して創設された「ミルウォーキー・ブリュワーズ」は、創設当初、東西制のもとでのア・リーグ東地区所属チームであり、94年に3地区制が導入されたときに、ア・リーグ中地区に移動している。
そして98年に、タンパベイがア・リーグ東地区に出来て、今日優勝が決まったデトロイトがア・リーグ東地区からア・リーグ中地区に移動になったことで、ブリュワーズはこんどはナ・リーグ中地区へ移動した。
(ちなみに、もともとミルウォーキーという街は、66年までブレーブスがフランチャイズにしていた街で、66年にブレーブスがアトランタに移動してしまったことで、数年はメジャーのチームが無かった。98年にデトロイトがア・リーグ中地区に来ることになったときに、「ア・リーグ中地区のどのチームをナ・リーグ中地区に移動させるか?」という議論になったが、ミルウォーキーはもともとナ・リーグのブレーブスがあった街だけに、当初候補に挙がっていたロイヤルズではなく、もともとナ・リーグの野球に親しみのあるミルウォーキーのチームをア・リーグからナ・リーグに移動させるという案にあまり抵抗がなかったのは、そのせいもあるらしい)
今年優勝しそうな勢いのミルウォーキー・ブリュワーズだが、1982年の唯一の地区優勝(同年リーグ優勝)は、1987年のデトロイト・タイガーズとまったく同様、「ア・リーグ東地区所属時代の優勝」であって、98年にナ・リーグ中地区に移動して以降は、一度も優勝していない。
だから、今年デトロイトとミルウォーキーが優勝することになれば、両リーグとも中地区は、「デトロイト、ミルウォーキーが98年のエクパンジョンで現在の所属地区に移動してからは、揃って初の優勝を成し遂げる」という、なんとも珍しい現象が起きることになる。
フィスターが加入して以降、先発投手陣の柱がしっかりしたことによる無傷の12連勝が効いて、2位クリーブランドも3位ホワイトソックスも、むしろ引き離される一方の圧倒的優勝になった。外野手を補強したくらいでなんとかなると思ったクリーブランドはご愁傷様(笑)
24年ぶりの優勝を決めたデトロイト公式サイトのこのゲームのヘッドラインは、Fister leads the way as Tigers clinch Central。フィスターがこの優勝を導いたと、手放しで褒め称えた。
ポストシーズンにバッティングのいいヤンキース、ボストンあたりをバーランダー、フィスターでねじ伏せるのを見るのが非常に楽しみだ。
Detroit Tigers at Oakland Athletics - September 16, 2011 | MLB.com DET Recap
Detroit Tigers at Oakland Athletics - September 16, 2011 | MLB.com Classic
今日もダグ・フィスターは完璧。移籍後7勝目。91球で8回を投げ切ってしまい、ブルペンでいちおう肩を温めていたブルペン投手ホアキン・ベノワの出番はなかった。グラウンドアウトが9.フライアウトは5。いつものようにゴロアウトで非力なオークランドを翻弄した。
これでフィスターの登板イニング数は197.1。次の登板で200イニング登板達成は確実。9月に入って、ERA0.80、2勝負けなし。今月あと2回か3回登板し、もしもそれぞれのゲームを1失点以内で行けて勝ち投手なら、今月のア・リーグ月間最優秀投手もありうる。
Doug Fister Stats, Bio, Photos, Highlights | tigers.com: Team
球種としては以下の通りで、いつもの球種だ。カーブがよかったのは前回通りだが、前回の登板と比べると、やや変化球の割合が多かった。これには理由がある。
4シーム 35%(前の登板 35%)
2シーム 25(33)
カーブ 15(19)
スライダー 12(5)
チェンジアップ 12(7)
ま、いっても、優勝自体は想定内。
むしろ期待はダグ・フィスターのポスト・シーズン。
今日の球審はEric Cooperだったが、このアンパイアはとにかくゾーンが高い。もともと通常のアンパイアより、ゾーンがボール2個くらい高いのだ。(下の図の青線がEric Cooperのゾーン)
Eric Cooperよりゾーンの高いところをとる球審といえば、MLBで最も高いところをストライクコールするGary Darling、Dan Lassognaか、ゾーン全体が広大なことで知られるJeff Nelsonくらいで、約100人いるMLBのアンパイアのうち、ほんの数人しかいない。
この球審のゾーンが高いのは、突然今日のゲームでだけ広くなったわけではなく、あくまであらかじめわかっていたことだ。(ちなみに、普通はボール1個か2個分広い左バッターのアウトコースが、こんなに狭い球審も珍しいわけだが、これもこのアンパイアのクセ。よく知られていて、想定内)
だからこそ、身長の高いダグ・フィスターが打者を見おろすように投げる縦変化のカーブが非常に効果的になるし、変化球をいつもより多用したピッチングは実にクレバーだったといえる。
逆に、オークランド先発のトレバー・ケーヒルは低めにシンカーを集めるのが持ち味の投手なだけに、こういうゾーンの高い球審は合わない。もっと大量失点していてもおかしくなかった。
Brooks Baseball · Home of the PitchFX Tool - Strikezone Map Tool
デトロイト・タイガースは、24年ぶり4回目の地区優勝だが、1994年に「3地区制」が導入され、98年にア・リーグ東地区からア・リーグ中地区に所属が変わってからの話でいうと、悲願の初優勝ということになる。
というのも、デトロイトが前回地区優勝した1987年は、94年に「3地区制」が導入になる以前の優勝であり、87年優勝当時のデトロイトは、69年に導入された「東西制」のもとで、ア・リーグ東地区の所属だったからだ。
ちなみに、1970年にシアトル・パイロッツが、当時メジャーの球団が無くなってしまっていたミルウォーキーにフランチャイズを移して創設された「ミルウォーキー・ブリュワーズ」は、創設当初、東西制のもとでのア・リーグ東地区所属チームであり、94年に3地区制が導入されたときに、ア・リーグ中地区に移動している。
そして98年に、タンパベイがア・リーグ東地区に出来て、今日優勝が決まったデトロイトがア・リーグ東地区からア・リーグ中地区に移動になったことで、ブリュワーズはこんどはナ・リーグ中地区へ移動した。
(ちなみに、もともとミルウォーキーという街は、66年までブレーブスがフランチャイズにしていた街で、66年にブレーブスがアトランタに移動してしまったことで、数年はメジャーのチームが無かった。98年にデトロイトがア・リーグ中地区に来ることになったときに、「ア・リーグ中地区のどのチームをナ・リーグ中地区に移動させるか?」という議論になったが、ミルウォーキーはもともとナ・リーグのブレーブスがあった街だけに、当初候補に挙がっていたロイヤルズではなく、もともとナ・リーグの野球に親しみのあるミルウォーキーのチームをア・リーグからナ・リーグに移動させるという案にあまり抵抗がなかったのは、そのせいもあるらしい)
今年優勝しそうな勢いのミルウォーキー・ブリュワーズだが、1982年の唯一の地区優勝(同年リーグ優勝)は、1987年のデトロイト・タイガーズとまったく同様、「ア・リーグ東地区所属時代の優勝」であって、98年にナ・リーグ中地区に移動して以降は、一度も優勝していない。
だから、今年デトロイトとミルウォーキーが優勝することになれば、両リーグとも中地区は、「デトロイト、ミルウォーキーが98年のエクパンジョンで現在の所属地区に移動してからは、揃って初の優勝を成し遂げる」という、なんとも珍しい現象が起きることになる。
フィスターが加入して以降、先発投手陣の柱がしっかりしたことによる無傷の12連勝が効いて、2位クリーブランドも3位ホワイトソックスも、むしろ引き離される一方の圧倒的優勝になった。外野手を補強したくらいでなんとかなると思ったクリーブランドはご愁傷様(笑)
24年ぶりの優勝を決めたデトロイト公式サイトのこのゲームのヘッドラインは、Fister leads the way as Tigers clinch Central。フィスターがこの優勝を導いたと、手放しで褒め称えた。
ポストシーズンにバッティングのいいヤンキース、ボストンあたりをバーランダー、フィスターでねじ伏せるのを見るのが非常に楽しみだ。
Detroit Tigers at Oakland Athletics - September 16, 2011 | MLB.com DET Recap
Detroit Tigers at Oakland Athletics - September 16, 2011 | MLB.com Classic
今日もダグ・フィスターは完璧。移籍後7勝目。91球で8回を投げ切ってしまい、ブルペンでいちおう肩を温めていたブルペン投手ホアキン・ベノワの出番はなかった。グラウンドアウトが9.フライアウトは5。いつものようにゴロアウトで非力なオークランドを翻弄した。
これでフィスターの登板イニング数は197.1。次の登板で200イニング登板達成は確実。9月に入って、ERA0.80、2勝負けなし。今月あと2回か3回登板し、もしもそれぞれのゲームを1失点以内で行けて勝ち投手なら、今月のア・リーグ月間最優秀投手もありうる。
Doug Fister Stats, Bio, Photos, Highlights | tigers.com: Team
球種としては以下の通りで、いつもの球種だ。カーブがよかったのは前回通りだが、前回の登板と比べると、やや変化球の割合が多かった。これには理由がある。
4シーム 35%(前の登板 35%)
2シーム 25(33)
カーブ 15(19)
スライダー 12(5)
チェンジアップ 12(7)
ま、いっても、優勝自体は想定内。
むしろ期待はダグ・フィスターのポスト・シーズン。
今日の球審はEric Cooperだったが、このアンパイアはとにかくゾーンが高い。もともと通常のアンパイアより、ゾーンがボール2個くらい高いのだ。(下の図の青線がEric Cooperのゾーン)
Eric Cooperよりゾーンの高いところをとる球審といえば、MLBで最も高いところをストライクコールするGary Darling、Dan Lassognaか、ゾーン全体が広大なことで知られるJeff Nelsonくらいで、約100人いるMLBのアンパイアのうち、ほんの数人しかいない。
この球審のゾーンが高いのは、突然今日のゲームでだけ広くなったわけではなく、あくまであらかじめわかっていたことだ。(ちなみに、普通はボール1個か2個分広い左バッターのアウトコースが、こんなに狭い球審も珍しいわけだが、これもこのアンパイアのクセ。よく知られていて、想定内)
だからこそ、身長の高いダグ・フィスターが打者を見おろすように投げる縦変化のカーブが非常に効果的になるし、変化球をいつもより多用したピッチングは実にクレバーだったといえる。
逆に、オークランド先発のトレバー・ケーヒルは低めにシンカーを集めるのが持ち味の投手なだけに、こういうゾーンの高い球審は合わない。もっと大量失点していてもおかしくなかった。
Brooks Baseball · Home of the PitchFX Tool - Strikezone Map Tool