May 25, 2013

2013年観客動員チーム別増減MLBチーム別観客数増減
(2013年05月23日現在)
元データ:Change in Baseball Attendance 2012 to 2013 - Baseball-Reference.com

ヤンキースのゲームで観客席に空席が目立つように見えるからといって、いちいちあげつらいたがる人間、マスメディア、ライターに限って、データをロクに調べもしないでモノを言っている(笑)
まぁ、やつらは目的がそもそも別のところにある(笑)のだから、相手にするだけ無駄というものだ。


ちゃんと調べれば、今シーズンのMLBの観客動員数はそもそも、近年人気絶頂を誇ってきたチームの大半で観客減少が目立つことなど、すぐにわかるはずだ。

例えば、日本ではダルビッシュが在籍するために人気沸騰中のように思われているテキサスですら、1試合あたりの観客の減少数は、ヤンキースより約800人多くて、1試合あたり4,000人も観客が減っている。
3,000人減少のヤンキースなど、フィラデルフィアミルウォーキーボストンの酷さに比べれば、まるでたいしたことはないのである。

観客減少チーム ベスト10
(1試合あたり/2013年5月23日現在)
MIA -10,986 人
PHI -6,900
MIL -5,072
BOS -4,983
HOU -4,387
CHC -4,280
MIN -4,253
TEX -3,991
NYY -3,173
TBR -2,583

ただ、この数字を見るとき、少し気をつけなければいけないのは、減ったといっても、例えばヤンキースで3,000人減るのと、タンパベイ・レイズで2500人減るのとでは、意味がまるで違う、ということだ。
1試合平均観客数37,800人のヤンキースにとっての3,000人減少(約8%)と、1試合平均観客数17,936人と、どんなゲームでも2万人以下の観客しか入らない不人気タンパベイで、観客が1試合につき2,500人(約14%)減るのとでは、事実の重みがおよそ2倍くらいは違う。


例の悪質なオーナーがまたしてもファンに対する裏切り行為を犯したといえる大量トレードでチームが絶賛崩壊中のマイアミや、チームがリーグを移動したばかりで、地区最下位にあえぐヒューストンが、観客を大きく減らしてしまうのは、観客数減少の意味がハッキリしているとして、それ以外のチームで「ガクンと観客が減ったベスト5」といえるのは、もちろんヤンキースではなくて、かつてワールドシリーズを勝って人気を集めたフィラデルフィア、青木のいるミルウォーキー、地元で根強い人気を誇ってきたボストン、順位に関係なく全米屈指の人気を維持してきたシカゴ・カブス、あとは元々観客が少ないのにさらに減らしているタンパベイといったところだ。


ちなみに観客が増えているのは、長年低迷していたチームの再建についに成功したワシントンボルチモア、そして、今年大補強を行って地元の期待を集めていたトロントと、どれも、「長年低迷してきたが、ようやくチーム再建に本気度が加わって、地元の期待が高まっているチーム」ばかりだ。
やはり、なんやかんやいって野球は人気スポーツなのであり、どこのフランチャイズでも、地元チームの一日も早い再建を誰もが心待ちにしているのはハッキリしている。

あと観客が増えているのは、どういうわけか「カリフォルニアのチーム」。ドジャースサンディエゴアナハイム。が観客を増やしている。
カリフォルニアでMLBの動員が増えた原因はわからないが、ケーブルテレビの普及、あるいは、増加しつづける中南米系移民の観客がスタジアムに詰めかけているのかもしれない。


観客が減ったのは、これまで人気だったチームが多い。
それも、どういうわけか東地区中地区のチームばかりだ。
それがどういう意味なのか、まだちょっとわからないが、観客が増加しているチームがどこも「長年低迷してきたが、チームのテコ入れに成功しつつあった(あるいはチャレンジしている)チーム」であることを考えると、やはりMLBは人気商売なのだから永遠に手は抜けない、ということではあるだろう。

この問題は今後ともしばらく調べてみるつもりだ。


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