September 09, 2013
2013 MLB Walk-Offs | BoS@NYY: Ichiro scores winning run on a wild pitch - Video | yankees.com: Multimedia
Mr.From-Hand-To-Mouth、場あたり的采配ばかりふるっているジョー・ジラルディが、まだ1点差の8回だというのに、このところ再びセーブ失敗が増えてきたマリアーノ・リベラを投入するような「苦し紛れ采配」をふるった。クローザー、リベラが「2イニング」を投げてセーブに成功したのは、2006年7月にまでさかのぼる。(via @DannyKnoblerCBS)
リベラは、案の定、登板2イニング目の9回表に、最近復調気味のミドルブルックスに同点ホームランを浴びて、つかまってしまう。(セーブ失敗は今シーズン7度目)
すると、なんとジラルディは、ブルペン投手に降格になったフィル・ヒューズをウォームアップさせ、おまけに9回裏にキャッチャーのロマインに代打まで出した。(ロマインはスチュアートが怪我でベンチに下がった代役であり、ベンチにキャッチャーはいない)
だが、これらの愚策の全てが、Wizard イチローの演出したサヨナラで消滅した。つまり、イチローがジラルディの尻拭いをしたわけだ。
3-3の同点で迎えた9回裏。1死からセンター前のクリーンヒットで出塁したイチローは、快足を飛ばして今シーズン20個目の盗塁を決める。(デビュー後13シーズン連続20盗塁達成)
2番バーノン・ウェルズのライトフライで、2塁にいたイチローはすかさずタッチアップして、サードへ。すると、次打者3番ラファエル・ソリアーノの打席のワイルドピッチで、あっさり生還。
このときのタッチアップは、MLB公式サイトに動画としてわざわざアップロードされている。
なぜなら、ウェルズの打ったライトフライがそれほど深くないものだっただけに、このタッチアップが誰にでも可能なわけではないからだ。そのことを、MLB公式サイトの担当者はわかっているから、わざわざアップロードしているわけだ。
もちろん、もしボストンのライトが、ダニエル・ナバでなく、イチローだったなら、このタッチアップは成功していなかっただろう。今シーズン鮮烈なデビューを飾ったドジャースのライト、ヤシエル・プイグの強肩がたびたび話題になるが、MLBにおけるライトの守備の重要性はレフトとは比べものにならない。(だからこそ、あらゆる指標の守備補正でレフトとライトを同じマイナス値にすること自体が馬鹿げているし、そもそもライトのマイナス値が大きすぎる)
タッチアップの動画(MLB公式):Video: BOS@NYY: Ichiro moves to third in the ninth inning | MLB.com
結局このゲームは、イチローの「シングルヒット、盗塁、タッチアップ、ワイルドピッチ」の、「ひとりでできるもんサヨナラ」でヤンキース勝利(笑)
まさにイチローの「魔法の季節」らしい結末だ(笑)
試合後のインタビューを受けるイチローに「ゲータレードかけ」を準備するガードナー(しかし未遂に終わった)
今日イチローが達成した「デビュー後13シーズン連続20盗塁」は、これまで盗塁魔王リッキー・ヘンダーソン(23年連続 1979年〜2001年)と、オジー・スミス(16年連続 1978年〜1993年)、2人の殿堂入りリードオフマンだけが達成している素晴らしい記録である。
もし、今シーズンに多発しまくっているジラルディの「右往左往してよろめき歩く酔客」のような酔いどれ采配がなく、選手起用さえ、きちんとスジの通ったものだったとしたら、イチローのこの記録はとっくに達成されていたはずであり、むしろ「ようやく9月になって達成された」という感が強い。
もし、今シーズンのヤンキースの選手起用がマトモで、理にかなったものだったら、とっくにイチローは30盗塁くらい達成できていただろう。
イチローのMLB通算盗塁数は、今日の二盗を含め、これで472。MLB通算500盗塁まで、あと28。今年も、もうあと1か月弱しかないわけだが、いくつか盗塁を追加して、来シーズンには500盗塁というマイルストーンもクリアしてくれることだろう。
MLB通算盗塁数ランキング(2013年9月8日現在)
data generated via Career Leaders & Records for Stolen Bases - Baseball-Reference.com