October 18, 2013

不幸なことに、エリック・ウェッジといい、ジョー・ジラルディといい、近年イチローの上司になる監督には、どういう巡り合せかわからないが、いわゆる左右病監督が多い。

ちなみに、ここでいう「左右病」とは、根拠もなく昔の野球用語でいう『ジグザグ打線』に執着したがる監督、つまり、「打撃スタッツ、そのチームの選手構成、予算、チームの伝統的オーダー、スタジアムの形状など、数字的な裏付けがどこにもないのに、左打者と右打者を交互に並べた打線を常に組み続けることにパラノイア的なまでの執着を示す監督に対する揶揄」を意味している(笑)


困ったことに、「左右病」という言葉はもともと俗語なので、厳密な意味など決めようがない。しかしそれでも、「左右病」と、アール・ウィーバーやケーシー・ステンゲルの「プラトーン・システム」とを同一視するわけのわからない意見に、同意するわけにはいかない。
なぜなら、「左右病」という病には「汎用性を追求する結果、やがてはスタメン固定に行き着く」という特徴があるからで、そこが「専門性を追求するため、常に流動性を確保しようとする」ことを大前提とするプラトーン・システムと決定的に異なるからだ。


「打者を、左、右、左、右と、交互に並べる戦術」には、「左右、どちらの投手が出てきても、自軍はどのイニングにおいても、『最低ひとりおきには、その投手に対応できそうな打者が打席に入れる打順』を準備しておくことで、相手投手に常にプレッシャーをかけ続け、打ち崩そうとする意図」がある。
もう少し平たくいいかえると、「左打者と右打者を交互に並べておけば、相手投手が左だろうと右だろうと、あらゆるイニングで、どうにか打てる打者が最低ひとりは打席に入るから、毎イニング、チャンスが生まれる可能性をもてる」とでもいうような考え方だ。(逆にいうと、毎回必ず凡退しそうな打者が打席に入る、という意味でもある)

言うまでもなく、こうした「左右病思考」の根源にあるのは、「右投手を打ちやすいのは左打者であり、左投手を打ちやすいのは右打者である」だのという、太古の昔のコンピューターのような、凝り固まった考えだ。(言うまでもないが、この原則は必ずしも打者全員には、あてはまらない)
ここで特筆して覚えておくべきなのは、そもそも「左右病監督」の思考回路には「左投手の得意な左バッター」や「右投手の得意な右バッター」という「例外」が、まるで「想定されてない」ことだ。また、さらに興味深いのは、思考回路にそういう「例外」が想定されてない人間の視界には、例外的バッターそのものが「映像として、映ってすらいない」ことだ。


だからこそ、「左右病監督」の行き着く先は「スタメン固定」に向かうことになる。
なぜなら、「左右に並んでいると効果がある」と信じ込んでいる左右病監督の打線は、下手にスタメンの並びをいじってしまっては、その大事な「骨董品のような並び」が壊れてしまう(と、彼らが考える)からだ。彼らは「左右交互に並べておけば、あらゆるシチュエーションに対応できる」と思い込んでいる。(だからこそ、ウェッジのシアトルとジラルディのヤンキースはまったく同じ「貧打」という末路をたどった

壊れて困るものは、けしていじろうとしないし、いじらせない。
それが頭の固い人間の常だ。


ひるがえって「プラトーン・システム」だが、実施スタイルはさまざまあるにしても、基本は「相手の先発投手の左右にあわせて、それぞれに専用オーダーを用意すること」であったり、あるいは「ひとつのポジションに複数選手を用意して、かわるがわる起用すること」であったりするわけだから、「スタメン固定に向かう」どころか、むしろ根底には「使う選手の大幅な流動化、マルチファンクション化」の発想がある。

だから、いくら現象面が似ているからといっても、時間がたてばやがて使う選手が固着していきやすい「左右病」と、あくまで相手投手の攻略に最適対応できるメンバーを追求し、流動し続けるのが真髄である「プラトーン・システム」の追及する合理性を同一視することは、あまりに馬鹿げている。


ちなみに、オークランドでボブ・メルビンがやっている「オークランド風プラトーン」といわれているものがある。
これは、まずオーダーの軸として、打順とポジションを固定し、毎日上位打線として出場するeveryday player(クリスプ、ラウリー、ドナルドソン、レディック、セスペデス等)を打線の軸にして、そこに、投手が左か右かによって起用を変える「プラトーン的な2つのグループ」(左投手用:フライマン、カヤスポ、ノリス、クリス・ヤング 右投手用:モス、セス・スミス、ヴォグト、ソガード)を組み合わせる、というものだ。

またメルビンはそれだけでなく、2013ALDSのバーランダー先発ゲームの例でわかるとおり、(それが本当に効果的だったかどうかは別にして)右投手攻略のために左バッターを平気で6人並べることもいとわない。
なぜなら、もし「右投手を打ちやすいのは左バッター」ならば、ジラルディがやるように「左右と交互にならべる」なんて中途半端な対応をするより、「打てる確率がより高い左打者だけを、可能な限りたくさん並べておく」ほうが、より目的に近い結果を得られるはず、と、合理性追求魔王メルビンは考えるからだ。


「永遠の左右病」ジラルディも、もしかすると、プラトーンをやっている「つもり」だったりするかもしれないが(失笑)、ジラルディの「左右病打線」は、上の例でわかるとおり、メルビン風プラトーンとはまるで違う。
ジラルディとメルビンの「違い」は、ルアーフィッシングでたとえるなら、「なんでも釣れる汎用性の高いルアーを、たったひとつだけ用意して、あらゆる魚種を釣ろうとするアングラー」と、「釣りたい魚それぞれの専用ルアーを、それも天候の違いやシチュエーションの違いに応じて、必要な数だけ揃えて釣りをするアングラー」の「違い」、みたいなものだ。
結局は自分のお気に入りを固定的に使って左右に並べているだけのウェッジやジラルディのような「固着的」な左右病と、相手投手攻略のための最も効果的な打者を並べるためなら、たとえ毎試合でも打線を組み換えて対処しようとする「流動性」前提のメルビンのような現代風プラトーンとを、いっしょくたにする意味がわからない。


もし仮に、ジラルディが2013ヤンキースで「ボブ・メルビン風プラトーン」をやったとしたら、スプリングトレーニングかシーズン序盤に打撃成績のよかった選手数名を「every player」としてピックアップして、残りの野手を左投手用、右投手用と振り分けてオーダーを考えることになる。
そうなるとオールスター前のヤンキースの場合は、ガードナー、左投手でも打てるイチロー、そして主軸打者のカノーと、上位に打撃成績のいい左打者が3人並ぶことになる。それでも、イチローは左も打てるし、そもそもヤンキースタジアムの形状は左有利だから、何の問題もない。
もし仮に、イチローが「メルビン風プラトーン」でいうevery playerではないと判断するにしても、左打者のほうがより打てるイチローを「右投手用オーダー」に入れるような不合理な処遇は、言うまでもなく馬鹿げた行為だ。
だが、その馬鹿げたことを人前で堂々と実行したのが、ジラルディだ。
ジラルディは、打てようが打てなかろうが、左打者を3人並べることをとことん回避したがったし、また、打てようが打てなかろうが、常に右バッターを2番に挟みたがって、必死に合理性のない左右病打線の維持に執着し、左打者を打てるイチローを右投手だけに起用する馬鹿げた行為を恥ずかしげもなく続けてポストシーズン進出を逃した。




さて、長い余談はさておき。
ここからは、「左右病監督」のやりそうな典型的オーダーを考えてみることにする。


最初のステップとして、「監督が左右病かどうか」を抜きに、「MLBでよくみかけるオーダー」がどういう思考力学からできるのかを考えてみたい。

まずは主軸打者を決めてみる。
ポジション別wOBAからわかるように、打線の主軸は、教科書的になってしまうが、やはり「一塁手」または「三塁手」であることが多い。(もちろんボストンやカンザスシティ、ホワイトソックスのように、DHが4番というチームもあるが、優秀なDHが減っているために、けして多数派ではない。ホワイトソックスがキューバの一塁手アブレウと契約したのは、DHが4番を打つ状態を解消したいという意識のあらわれ。また2013ヤンキースは「3番の二塁手」が主軸だったが、これは明らかに「本来の主軸打者が不在であること」を示している)
資料記事:Damejima's HARDBALL:2013年9月25日、ポジション別wOBAからみた平均的なチーム編成と、かつてのヤンキースの特殊構造との比較。その「アドヴァンテージ」を実はまるで理解していなかった2013ヤンキースの編成の崩壊。

主軸打者になりやすい一塁手の多くは左打者、三塁手は右打者だ。だから
多くのチームの打順で、「一塁手と三塁手を、3番と4番に、どう並べるか」によって、以下の「2つのパターンの典型的オーダーの、どちらか」を選択するケースが多いことになる。
(ARIのような「一塁手が右打者のチーム」では、右の強打者がダブるのを避ける意味でサードに強打者を置くモチベーションは低い。また、以下では「3番と4番のどちらが中心打者か」という議論は捨象する)

パターン1)一塁手を3番、三塁手を4番
(例 TB CHC ジグザグにしやすいオーダー
 TEXの4番は右のベルトレだが、打順は左右病ではない)
1番 左
2番 右
3番 左 一塁手
4番 右 三塁手 例:ロンゴリア
5番 左


パターン2)三塁手を3番、一塁手を4番
(例 DET STL PIT LAD NYM WASなど
 典型的なジグザグにはなりにくい)
1番 左(スイッチを置くケースも稀にある)
2番 右(スイッチヒッターであることも多い)
3番 右 三塁手 例:ミゲル・カブレラ
4番 左 一塁手 例:フィルダー、デービス
5番 右(スイッチを置くチームもある)


まず「三塁手を3番、一塁手を4番に置くパターン2」で、
打順の「1番・2番」に注目してもらいたい。

特に投手が打席に入るナ・リーグでいえることだが、一塁手に名の通った左のスラッガーが多いリーグだけに、左の一塁手の打順を、9番の投手から最も遠い4番に置くパターン2をとるチームは少なくない。
今シーズンのポストシーズン進出チームでみても、STL(マット・アダムス)、PIT(モーノー)、LAD(エリドリアン・ゴンザレス)などの例がある。また、ア・リーグでもDET(フィルダー)の例があるが、フィルダーはもともとナ・リーグの典型的な一塁手だ。
(ARIのゴールドシュミットのように「一塁手が右利き」の場合、「一塁手を3番に置くパターン」もある。この場合は三塁手がスラッガーである必要がなくなるが、ARIには珍しい「右投左打の三塁手」エリック・チャベスが在籍しているため、「3番右の一塁手、4番左の三塁手」というレアなパターンが成り立つ)

「3番4番が右・左」の場合、監督がただ打線をジグザグ化したいだけの人物なら、1番2番を「右、左」にしておくだけで事は済むわけだが(ARIは実際に右左右左)、実際のチームに照らしてみると、むしろ1番は左で、1番から「左、右、右、左」にするチームが圧倒的に多い。

というのも、もともとこの三塁手を3番、一塁手を4番に置くパターン2には、ちょっとした難点があって、たしかに1番2番を「右、左」にしておけば上位打線はすんなり1番から4番までジグザグ化できるわけだが、それだと「右打者が1番」になってしまうのだ。
過去の統計で「左打者のほうが右打者より打撃成績がいい」ことが知られている。実際のチームでも、「よりファーストに近い左バッター」に1番を打たせるチームは多い。
いいかえると、「右の三塁手が3番、左の一塁手が4番を打つオーダー」において、「打線をジグザグ化するという、ただそれだけの目的のために1番を右打者にする、などという強引なやり方で、無理矢理に上位打線をジグザグにしている実例など、ほとんどない」のである。

資料:ここ50年間の左打者と右打者の打撃スタッツ比較例
左打者と右打者ではどちらが打てるか?


実例で多いのは、1番から4番を「左、右、右、左」にするケース。典型的なのはドジャースだ。

デトロイトは、珍しく1番バッターが右打者のオースティン・ジャクソンで、さらにハンターも獲ったから、右右右左と、右ばかりになっている。左右病の蔓延する中、これはかなり珍しい。まぁ、これはたぶん単純な話で、監督リーランドが左右病じゃない、というだけの話だろう(笑)
(ただ、2013ALCSの最中にリーランドは、打てない1番の右打者ジャクソンに業を煮やして下位に下げ、上位打線の打順をひとつずつ繰り上げるという荒業に出た。まぁ、リーランドも、この右打者が続く特殊な打順で万全だと思っているわけでもないようだ)

中には、2番に、純粋な右打者ではなく、スイッチヒッターを置くことで打線にスパイスをきかせることに成功しているチームもある。セントルイスのカルロス・ベルトランや、ピッツバーグのニール・ウォーカーなどがそうだ。
これは、2番にスイッチヒッターを置くことで、2番3番と右が続くのを避け、打線により広いバリエーションをもたせるちょっとした工夫だが、これがなかなか思いのほか効果があることを示している。クリーブランドでも、ニック・スイッシャーがたまに2番を打つことがある。

ボルチモアの打順はちょっとした特殊性があって、左の一塁手クリス・デービス、右の外野手アダム・ジョーンズと、左右の強打者がバランスよく揃っているにもかかわらず、思いのほか打順には苦労が多い。
ジグザグ好きのジラルディがボルチモアの監督なら、「1番左のマーケイキス、2番右のマチャド、3番左デービス、4番右ジョーンズ、5番スイッチのウィータース」とジグザグに組んで終わりにしそうだが(笑)、ならば、それで162ゲームいけるかというと、案外そうでもない。
というのも、左の一塁手クリス・デービスは、確かにホームランは打ちまくってくれるが、残念なことに、3番タイプではないからだ。おまけに、打率が極端に悪化する時期が必ずといっていいほど来る。
では、デービスを4番に置いておけば打順は絶対的に安定するか、というと、上の「一塁手が4番」という例ではないけれど、どういうものか、こんどは1番がどうも安定しなくなる。ロバーツも衰えたし、マクラウスもイマイチ。そもそもボルチモアには、マーケイキス不在時の穴を埋められる1番向きのバッターはいないのだ。
そんなこんなで、ボルチモアの打順は常にフラフラする。


グダグダと横道にそれてばかりいるが(笑)、要するに言いたいのは、打線をジグザグ化することを至情の快楽、生き甲斐としている「左右病監督」にとっての理想的なオーダーは、打線の並びが複雑化する傾向のある「三塁手に3番、一塁手に4番をまかせるパターン」ではなく、こむつかしいことなど何も考えなくても、打線をすんなりジグザグ化できて、なおかつ長期間にわたって固定化できる「三塁手に4番をまかせてジグザグ化するパターン」のほうだ、ということだ。

「永遠の左右病」ジラルディの思考回路の中では、怪我とステロイドさえなければ、すんなりヤンキースは「本来の、左打者と右打者が交互にきちんと並んだ打線」を取り戻すことができて、ワールドシリーズにすら出られそうだとか思っているのかもしれない(笑)

「左右病患者」ジラルディの「思考回路の中にだけ」存在している「本来の」ヤンキース
1番 左 ガードナー
2番 右 「本来」なら、ジーター
3番 左 カノー
4番 右 「本来」なら、Aロッド
5番 左 「本来」なら、テシェイラ


だが、ジラルディやニューヨークメディア、ブロガーなどの「思考回路の中にだけ存在している、『本来の』ヤンキース打線」とやらが、近年、一度でも理想形で機能したことがあるか。


まぁ、言わせてもらえば、老化し、怪我にまみれ、ステロイドの抜けたヤンキースでは、ジラルディの思い描くような「思考回路の中にだけにしか存在しない左右病打線」は、単なる「絵に描いた餅」でしかない。
編成予算の大半をくいつぶしている「怪我がちな高額サラリーのスペランカー」を常に複数かかえながら、それでもジラルディが「理想的な左右病打線」とやらにこれからもこだわり続けるなら、本来必要だった質と数の2倍の選手補強が必要になるのなんて、当たり前に決まっている。なぜって、Aロッドもジーターもテシェイラも、給料もらうだけで働かないからだ。

世の中の、どこに、昔のジータークラスの打てるショート、他チームの主軸を打っている三塁手にひけをとらない三塁手、テシェイラクラスの攻守を両立できる一塁手、これらすべてのポジションで、「本人と、本人が怪我だの出場停止だので休んでいる間の補強選手」という意味で、それぞれ「2人ずつ」雇えるチームがあるというのだ。

馬鹿も休み休み言ってもらいたい。

ヤンキースは本来なら「チーム力が下がって当たり前」のチームだ。なのに、そんなチームで「打者を左右に並べるなどという、たわいない、たいして効果があるわけでもない、無駄なこだわり」を続けている監督が「害毒」でない、わけがない。


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