October 21, 2013

前記事:
(1)総合データ編:Damejima's HARDBALL:2013年10月19日、ALCS Game 6、近年最大級の不快なゲーム。マックス・シャーザーの魂のゲームを全てぶち壊した球審 Dan Iassogna の右バッターのアウトローにおける「悪意のボストン寄り判定」 (1)総合データ編

(2)マックス・シャーザー編:Damejima's HARDBALL:2013年10月19日、ALCS Game 6、近年最大級の不快なゲーム。マックス・シャーザーの魂のゲームを全てぶち壊した球審 Dan Iassogna の右バッターのアウトローにおける「悪意のボストン寄り判定」 (2)マックス・シャーザー編

Detroit Tigers at Boston Red Sox - October 19, 2013 | MLB.com Classic

マックス・シャーザーの投球に関する「不利」な判定の具体例に続き、こんどは2013ALCS Game 6における球審Dan Iassognaの悪質なボストン寄り判定の数々を、ボストン投手陣に対する「有利」な判定について、データを記録する。

球審Dan Iassognaの「ボストン寄り判定」は、ひとつには、デトロイト先発マックス・シャーザーの投球に執拗なボール判定を彼が降板するまで浴びせ続けるという陰湿な形で、ボストン側のあらゆるチャンスと得点の全てに抜き差しならぬ関係で絡んでいたのを確かめたわけだが、この悪行はもちろんそれのみで終わらず、もうひとつ、ボストン先発クレイ・バックホルツの投球に有利な判定をする、という形でも著しい偏りをみせている。


アンパイアの判定の「ゆらぎ」は、もしそれが「両軍に等しく生じる」ものであるなら、これほど問題にしたりはしない。
MLBアンパイアには、「ゾーンの狭さや広さ」、「ゾーンの形状の偏り」といった判定基準において、MLB特有といえる「非常に大きな個人差」が容認されており、判定基準はアンパイアごと、ゲームごとに非常に大きく変化してしまうものであることは、これまでこのブログで何度となく書いてきたように、MLBではむしろ常識であり、プレーヤーや監督コーチにもそういうものとして受け止められている。

だが、この2013 ALCS Game 6でみられた「球審Dan Iassognaの明白なボストン寄り判定」は、そうした「MLBでの常識的なアンパイアの個人差の範囲」を著しく逸脱している。
理由は、前記事にみたように、デトロイト先発マックス・シャーザーの投球について著しく不利な判定を行うだけでなく、以下にみるように、ボストン先発クレイ・バックホルツを中心に、ボストンの投手について有利な判定も同時に行っているからである。
ゆえに、2013 ALCS Game 6球審Dan Iassognaの判定については、あえて「意図的な贔屓行為」と断定させてもらう。


ちなみに、Dan Iassognaは、2013ALCS game 4の2回裏のセカンドでの判定でも、二塁塁審として悪質な「ボストン寄り判定」をやってのけている。(下記のアニメGIF参照)
1死満塁のデトロイトのチャンスで、バッターはまたしても元ボストンのホセ・イグレシアス。平凡なセカンドゴロを、ダブルプレーを焦ったペドロイアがハンブルしたことからダブルプレーが成立しなかったプレーだが、ペドロイアからのトスを捕球したショートのドリューの足は「完全にセカンドベースから離れて」いる。

2013ALCS Game 4におけるDan Iassognaの悪質なダブルプレー判定via We have a new Worst Call of the Month - Baseball Nation By Rob Neyer





クレイ・バックホルツ vs デトロイト右打者
アウトローのストライク判定

2013ALCS Game 6 BOSの投手 vs DET 右打者 判定

上の図は、ボストン投手陣のデトロイトの右打者に関する判定マップだ。四角い黒枠の右下部分に赤色の四角形が多数点在している。これは、2013 ALCS Game 6 球審のDan Iassognaが、「ボストンの投手に関しては、右打者のアウトローの投球を「非常に積極的にストライク判定」したこと」を意味している。

アウトローの拡大図
「右打者アウトロー部分の判定の差異」を明確にするために、図を拡大して比較してみると、両軍の判定結果は以下のようになる。図で、赤色は「ストライク判定」、緑色は「ボール判定」を示す。
結果はいうまでもない。球審Dan Iassognaが両軍投手の判定において、「著しく差をつけることを前提に判定した」ことは、明白だ。

ボストン投手の投球判定 右打者アウトロー拡大ボストン側投手

デトロイト投手の投球判定 右打者アウトロー拡大デトロイト側投手

ただし、あくまでここまで挙げたデータは、「打者が見逃した球の判定のみ」について書いていることを忘れてもらっては困る。
実際のゲームでは、デトロイト側の、特に右打者は「これだけアウトコース低めをストライク判定されるとわかっているゲーム」では、アウトコース低めに手を出さざるをえないし、他方、ボストン側の特に右打者にとってこのゲームは「アウトコース低めをストライク判定される心配の少ないゲーム」なのであって、安心して打ちにくいアウトコース低めを捨て、甘い球を待つことができた

これほど著しい不利が他にあるだろうか。


では、以下に具体的な打席例をみてみる。
特に最悪なのは、球審Dan Iassognaが、コントロールの悪いボストン先発クレイ・バックホルツが四球を出すのを、要所要所でストライク判定して、あからさまにアシストしたことだ。じっくりデータ上で確かめてもらいたい。

2013ボストンはたしかに勝ちゲーム終盤のブルペンには絶対の自信をもつチームだが、もしゲーム中盤で先発バックホルツが劣勢のスコアのまま降板するようなことが起きると、ボストン側は田沢以下の鉄壁のリリーフを繰り出すことができない。だから、ゲーム中盤でピンチを作ることでバックホルツの球数がいたずらに増えてしまえば、ボストンの劣勢どころか、致命傷につながる。
だからこそ、以下で示すような球審Dan Iassognaの「ボストンに四球がなるべく出ないようにするアシスト」は、試合結果を直接左右するような悪質な行為だ。


2回オマー・インファンテ4球目
カウント:3-0
投手:バックホルツ
場面:二死ランナー無し
結果:カウント3-0からのアウトコース低めの球を「ストライク判定」。6球目のアウトコースのボール球に手を出すが、それがライト前ヒットになり、出塁

カウント3-0でのストライク判定だから。もしこの4球目が「ボール判定」だったら、インファンテはすんなり四球だった。
だが、球審Dan Iassognaは、あれだけボストンの9番打者ボガーツに四球を与える有利な判定を何度も何度も執拗に行っておきながら(前記事参照)、デトロイトの打者についてはまるで真逆のストライク判定を浴びせることで、四球による出塁を何度も阻止している。
この判定でアウトコースに手を出さざるをえなくなったインファンテは、6球目の「明らかなボール球」に手を出して、これがライト前ヒットになって出塁しているわけだが、いうまでもなく、ボール球を打ってのヒットはあくまで「結果オーライ」にすぎない。
追い込まれて6球目のボール球に手を出さざるをえない状況を作られてしまっていなければ、このクソボールをすんなり見逃して四球で出塁することはより容易だったはずだ。

2013ALCS Game 6 2回インファンテ4球目バックホルツ


2回オースティン・ジャクソン2球目
カウント:1-0
投手:バックホルツ
場面:二死1塁
結果:カウント1-0からのアウトコース低めのきわどい球を「ストライク判定」され、平行カウント1-1に。次の3球目で真ん中低めの「ゾーンから外れたチェンジアップ」に手を出し、ファーストゴロ。チェンジ

上で書いたインファンテの出塁直後のジャクソンの打席。いくらジャクソンが不調とはいえ、ランナーがいる状況でカウント2-0になっていれば、嫌でもバックホルツ投手には重いプレッシャーがかかる。だが、球審Dan Iassognaは、バックホルツの2球目のアウトコース低めをストライク判定してバックホルツをアシストした。

2013ALCS Game 6 2回ジャクソン2球目バックホルツ


5回オースティン・ジャクソン3球目
カウント:2-0
投手:バックホルツ
場面:一死走者無し
結果:ボールが2球続いた後の「アウトコース低め」を「ストライク判定」。その後、粘って四球

この場面、もし3球目の判定がボールなら、カウントは3-0で、四球による出塁がみえてくる
だが球審Dan Iassognaは、またしても「アウトコース低め」をストライク判定するやりくちで、コントロールの悪いバックホルツが四球で走者を2人に増やし、ピンチになるのを阻止した。
それでもジャクソンは粘って、結果的にコントロールの悪いバックホルツから四球で出塁したのだが、なんと、ここでも元ボストンのイグレシアスが2球目のインハイのなんでもない球を内野ゴロにして、ダブルプレー。バックホルツを「内側から」アシストした。

2013ALCS Game 6 5回ジャクソン3球目バックホルツ


6回ビクター・マルチネス2球目
カウント:1-0
投手:モラレス
場面:無死満塁
結果:2球目の「真ん中低めのカーブ」を「ストライク判定」され、カウント1-1。その後、2点タイムリー

無死満塁の場面だから、いうまでもなくもし2球目が「ボール判定」でカウント2-0になっていたら、ボストンのリリーフ、モラレスに「押し出し」へのプレッシャーが非常に大きくのしかかったはずだ
だが、球審Dan Iassognaはこの低く外れた球をストライクコールすることで、ボストンをアシストした。
だがそれでも、好打者ビクター・マルチネスは4球目インローの難しい球をレフト前に2点タイムリーして、試合を逆転。彼は出塁した塁上から、プレート方向を睨みつけて吠えた。よほど、2球目の判定が頭にきたのだと思われる。彼はキャッチャー出身だから、このゲームの異常さに気がついていないわけがない。

2013ALCS Game 6 6回ビクター・マルチネス2球目モラレス


8回ビクター・マルチネス初球
カウント:初球
投手:ブレスロー
場面:1死ランナー無し
結果:三振

2013ALCS Game 6 8回ビクター・マルチネス初球ブレスロー




度重なる不利な判定にもめげず、デトロイト先発マックス・シャーザーは、7回の1死2塁で、球審Dan Iassognaがアシストし続けた問題の9番ボガーツに、フルカウントから渾身のチェンジアップを「問題のアウトコース低め一杯」に投じた。
だが、球審Dan Iassognaは執拗なアウトローのボール判定で、ボガーツが三振するのを防いでやり、同時に、シャーザーの続投を徹底的に阻止した。球審によって次々と作られるピンチにもめげず、火を噴くような粘りをみせたシャーザーだが、7回にとうとう三振のはずのチェンジアップを四球と判定され降板。この球審Dan Iassognaのボストンへの一方的なアシストを発端に、2-5と逆転されたデトロイトに、もう反撃のエネルギーは残っていなかった。
まるで「ぬけがら」だった8回の打席に立つビクター・マルチネスの姿が痛々しかった。6回の無死満塁で2点タイムリーを打って、塁上でホームプレートに向かって吠え、チームに勢いを再びつけた彼にさえ、もう気力は残されていなかった。


2012シーズン全体を棒にふるような大怪我から見事に復帰してみせたビクター・マルチネスには、個人的にカムバック賞の受賞を願っておきたい。

そして、まだ発表はないが、2013年のサイ・ヤング賞をとるであろうマックス・シャーザーに、心から「おめでとう」と言いたい。

おめでとう、マックス・シャーザー。


Play Clean
日付表記はすべて
アメリカ現地時間です

Twitterボタン

アドレス短縮 http://bit.ly/
2020TOKYO
think different
 
  • 2014年10月31日、PARADE !
  • 2013年11月28日、『父親とベースボール』 (9)1920年代における古参の白人移民と新参の白人移民との間の軋轢 ヘンリー・フォード所有のThe Dearborn Independent紙によるレッドソックスオーナーHarry Frazeeへの攻撃の新解釈
  • 2013年11月8日、『父親とベースボール』 (8)20世紀初頭にアメリカ社会とMLBが経験した「最初の大衆化」を主導した「外野席の白人移民」の影響力 (付録:ユダヤ系移民史)
  • 2013年11月8日、『父親とベースボール』 (8)20世紀初頭にアメリカ社会とMLBが経験した「最初の大衆化」を主導した「外野席の白人移民」の影響力 (付録:ユダヤ系移民史)
  • 2013年11月8日、『父親とベースボール』 (8)20世紀初頭にアメリカ社会とMLBが経験した「最初の大衆化」を主導した「外野席の白人移民」の影響力 (付録:ユダヤ系移民史)
  • 2013年6月1日、あまりにも不活性で地味な旧ヤンキースタジアム跡地利用。「スタジアム周辺の駐車場の採算悪化」は、駐車場の供給過剰と料金の高さの問題であり、観客動員の問題ではない。
  • 2012年7月3日、『父親とベースボール』 (2)南北戦争100年後のアフリカ系アメリカ人の「南部回帰」と「父親不在」、そしてベースボールとの距離感。
  • 2012年7月3日、『父親とベースボール』 (2)南北戦争100年後のアフリカ系アメリカ人の「南部回帰」と「父親不在」、そしてベースボールとの距離感。
  • 2012年6月29日、『父親とベースボール』 (1)星一徹とケン・バーンズに学ぶ 『ベースボールにおける父親の重み』。
Categories
ブログ内検索 by Google
ブログ内検索 by livedoor
記事検索
Thank you for visiting
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

free counters

by Month