May 22, 2020

武漢肺炎に関して、世界の国別の感染者数、死亡者数を示したサイトはいろいろとあるが、以下のサイトは「人口100万人あたりの各種数値」が明示されているのがいい。
Coronavirus Update (Live): 5,156,791 Cases and 332,493 Deaths from COVID-19 Virus Pandemic - Worldometer

特に、「100万人あたりの検査数」というデータは、他のサイトにないから、モノの見方に斬新な角度を提供してくれる。


人口100万人あたりの検査数」が「6万」を超えている国は以下のとおりだ。(以下すべて日付は2020年5月21日付)太字は、「人口100万人あたりの感染者数が4000人を超えている感染多発国」である。感染多発国ほど「大量検査」をやりたがる傾向にあることは明らかだ。
スペイン 64,977
ベルギー 63,807
カタール 61,031
ポルトガル 66,079
UAE 162,092
クウェート 61,238
イスラエル 60,718
デンマーク 87,093
バーレーン 154,013
ルクセンブルク 104,006
アイスランド 169,000
リトアニア 92,806
キプロス 79,038
サンマリノ 111,399
マルタ 127,373
モーリシャス 77,131
フェロー諸島 183,981
ジブラルタル 173,127
バミューダ諸島 91,793
ケイマン諸島 115,430
フォークランド諸島 122,873


次に、人口100万人あたりの感染者数が多い国を示す。面白いことがわかる。太字は、「人口100万人あたりの検査数が6万を超えている国」だが、検査数の多い国ほど、感染者数は多いのである。
人口100万人あたりの感染者数が
5000人」を超えている国
スペイン 5,991
カタール 13,442
ルクセンブルク 6,370
シンガポール 5,100
アイスランド 5,287
仏領マヨット 5,287
アンドラ 9,864
サンマリノ 19,397
バチカン 14,981

4000〜5000人」の国
アメリカ 4,856
ベルギー 4,855
アイルランド 4,946
クウェート 4,365
バーレーン 4,746
ジブラルタル 4,482


「検査数」と「感染者数」の比較で一目瞭然にわかることは、「検査数の多さ」は「感染者数の少なさ」とはなんの関連性もないということだ。

それどころか、むしろ、「検査数が多い国」は、ほとんどの場合において「感染者数が世界トップクラスに多い国」を指すのである。オーバーシュートした国において「大量検査が、その国でのパンデミックの根本的な防止に、ほとんどなんの役にも立っていなかったこと」は火を見るより明らかだ。

世界のマスメディアが必死になって流布してきた「検査をすることで、武漢肺炎の流行を抑えられるという言説」には、実はなんの根拠もないことが、この数値群からはっきりした。



なぜ、こんな馬鹿げたことが起こるのか。

武漢肺炎感染の検査が、それぞれの国において、どういう「タイミング」で行われてきたかということは、これまで世界中どこでもまったく語られてこなかった。それが「間違った政策がもてはやされる原因」になった。

つまり、簡単にいえば、その国が「検査に必死になるタイミング」というものは決まっているのであり、ほとんどのケースで「パンデミックの発生が見えてきて、『大慌てで、藁をもすがるように』、効果があるのかどうかまったくわからない検査の大量実施に走った』にすぎない」のである。

だが、「慌てた時点」では既にパンデミックは水面下では確定していて、止めようがないレベルにあるのである。例えば、以下のリンクでは「パンデミックの発生源」が主に「クラスター」であり、それを助長する要素には、「場所」、「スーパーインフルエンサーの出現」、「深い呼吸や会話」など「共通の特徴」があったことを指摘している。
Why do some COVID-19 patients infect many others, whereas most don’t spread the virus at all? | Science | AAAS

パンデミック防止に効果があったのは、パンデミックの接近が判明して慌てて行う大量の検査ではなく、むしろ「クラスター潰し」だった可能性は高い。


Play Clean
日付表記はすべて
アメリカ現地時間です

Twitterボタン

アドレス短縮 http://bit.ly/
2020TOKYO
think different
 
  • 2014年10月31日、PARADE !
  • 2013年11月28日、『父親とベースボール』 (9)1920年代における古参の白人移民と新参の白人移民との間の軋轢 ヘンリー・フォード所有のThe Dearborn Independent紙によるレッドソックスオーナーHarry Frazeeへの攻撃の新解釈
  • 2013年11月8日、『父親とベースボール』 (8)20世紀初頭にアメリカ社会とMLBが経験した「最初の大衆化」を主導した「外野席の白人移民」の影響力 (付録:ユダヤ系移民史)
  • 2013年11月8日、『父親とベースボール』 (8)20世紀初頭にアメリカ社会とMLBが経験した「最初の大衆化」を主導した「外野席の白人移民」の影響力 (付録:ユダヤ系移民史)
  • 2013年11月8日、『父親とベースボール』 (8)20世紀初頭にアメリカ社会とMLBが経験した「最初の大衆化」を主導した「外野席の白人移民」の影響力 (付録:ユダヤ系移民史)
  • 2013年6月1日、あまりにも不活性で地味な旧ヤンキースタジアム跡地利用。「スタジアム周辺の駐車場の採算悪化」は、駐車場の供給過剰と料金の高さの問題であり、観客動員の問題ではない。
  • 2012年7月3日、『父親とベースボール』 (2)南北戦争100年後のアフリカ系アメリカ人の「南部回帰」と「父親不在」、そしてベースボールとの距離感。
  • 2012年7月3日、『父親とベースボール』 (2)南北戦争100年後のアフリカ系アメリカ人の「南部回帰」と「父親不在」、そしてベースボールとの距離感。
  • 2012年6月29日、『父親とベースボール』 (1)星一徹とケン・バーンズに学ぶ 『ベースボールにおける父親の重み』。
Categories
ブログ内検索 by Google
ブログ内検索 by livedoor
記事検索
Thank you for visiting
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

free counters

by Month