May 2009

May 31, 2009

0−3で負けていた9回表、ロペスの劇的な同点3ランで追いついて、10回表にバレンティンの2ベースから素晴らしい逆転勝利。ロペスは2日連続ホームラン。
このチームがあの粘り強いLAA相手にこんな芸当ができるのは、疫病神城島の不在で投手のリズムがたいへんに改善されてゲームマネジメントにリズムが戻りつつあり、チームの状態が上向いてきた証拠。
これで3連勝。3連勝は裏口入学のコネ捕手さんは今シーズン一度も達成してないはず。(もっとも、毎年のように城島は捕手としてほとんど3連勝などしていないのだが)
Seattle vs. LA Angels - May 30, 2009 | MLB.com: Gameday

ヘルナンデスがQS。これで5月のロブ・ジョンソン先発ゲームは9つめのQSになり、とうとう4月の8個を越えた。ヘルナンデスとロブのバッテリーでのQSはこれで5個目。ヘルナンデスは調子はよくないながら、6回2/3、113球と、7回裏までなんとか投げてくれた。
城島のDLいりのおかげで、ほとんど達成寸前だったいわゆる「2年連続5月20敗」というまったく不名誉な記録は達成されないことになった。チームとして、たいへんにありがたいDLである。


それにしても今日は細部ではなんとも納得のいかない内容だった。4月26日のウオッシュバーンのゲームとたいへん感覚的によく似ている。
と、いうのも、GameDayで調べてもらうとわかるが、どの投手も初球をアウトコース低めのボールから入ることが多く、その「逃げ」の姿勢が、ノーアウトのランナーを許して苦しいイニングが続いたからだ。
LAAに得点を許した8回裏も、どこか、いつもの「インコースの攻めをキーポイントに攻める」ロブ・ジョンソンのリードとは全く違う空気が流れていた。昨日のゲームとよく比べてもらいたいものだ。
もしベンチからのリード指示であれば、バッテリーにまかせ、あまり余計なことはしないほうがいいと考える。
2009年4月26日、ウオッシュバーンが潰されたLAA戦、謎の馬鹿リードを解き明かす。

この日のピンチを何度も救ったのはLAAの4つのダブルプレーと、アブレイユを抑えたこと。さらに8回裏にイチローのレーザービームをファーストブラニヤンがカットして打者走者をアウトにするファインプレイ。あれがなければ、傷口はもっと開いてロペスの3ランですら追いつけなかった。
10回裏の1死2塁、あのトリー・ハンターが珍しく中途半端なハーフスイングでダブルプレーに仕留められてくれたのはたいへんに大きかった。好打者ハンターがああいう中途半端にスライダーをひっかける場面はあまり見ない。
このシリーズがはじまってからアブレイユにマトモにバッティングをさせてないことも大きい。選球眼のいいアブレイユがこの日も2つのダブルプレーで、4LOB。



捕手がロブ・ジョンソンと裏口入学のコネ捕手城島では、先発投手のERAに常に「2点の差」があることは、もう何度も立証してきた。
べダートのケース
ヘルナンデスのケース
ウオッシュバーンのケース

この事実は、ホワイトについて計算しても全く同じ結果になった。ERAという登板の結果面だけでなく、城島がホワイトのマスクをかぶった場合の四球数のあまりの多さなど、登板の内容面にも大きな違いがあることもわかり、コネ捕手城島のダメさ加減をあらためて立証している。

ホワイトの捕手別全成績
ロブ・ジョンソン
9ゲーム 12回1/3 自責点1  ERA 0.73
2安打3四球 ホームランなし

城島 ほぼ全ゲーム四球あり
9ゲーム 12回 自責点4   ERA 3.00
4安打9四球 ホームラン2本

全登板データ
日付・対戦相手・勝敗・スコア・イニング・防御率 捕手
H:ホールド W:Win勝利 @:アウェイ

5月
May 29 @LAA W 5-2 0.2 1.85 ロブ・ジョンソン H
May 27 @OAK W 6-1 1.1 1.90 ロブ・ジョンソン H
May 25 @OAK L 6-1 1.0 2.02 ロブ・ジョンソン 
May 22 SF W 2-1 2.0 2.11 ロブ・ジョンソン W
May 19 LAA L 6-5 1.1 2.33 城島
May 17 BOS W 3-2 1.2 2.50 ロブ・ジョンソン 1四球
May 15 BOS W 5-4 1.0 2.76 城島 1四球 H
May 13 @TEX L 6-5 1.2 2.94 城島 1四球
May 12 @TEX L 7-1 0.1 3.29 城島 1四球
May 9 @MIN L 9-6 1.0 3.38 城島
    2安打1四球1ホームラン 自責点3

May 7 @KC L 3-1 1.0 1.46 ロブ・ジョンソン
    1安打1四球 自責点1
May 4 TEX L 6-5 2.0 0.79 城島 2四球
May 3 OAK W 8-7 1.2 0.96 城島 1四球
May 1 OAK W 8-7 1.1 1.17 城島
    2安打1四球1ホームラン 自責点1


4月
Apr 26 @LAA L 8-0 1.2 0.00 城島 2安打1四球
Apr 22 TB L 9-3 1.2 0.00 ロブ・ジョンソン 1安打1四球
Apr 18 DET L 2-0 1.0 0.00 ロブ・ジョンソン
Apr 16 LAA L 5-1 2.0 0.00 ロブ・ジョンソン

Sean White Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN



May 30, 2009

2009年5月29日、イチローの超絶技巧RBIシングル
イチローさすがの2安打だが、せっかくのノーアウト2塁で得点できないシーンがまたまた見られたように、まだまだ2番から4番の仕事がダメだが、それでも、ロブ・ジョンソンがバルガスの好投を最後まで守って連勝した。

バルガスQSで、これでロブ・ジョンソン先発ゲームの5月のQS数は、4月と並んで8になり、合計で16となった
細かいことだが、ブラニヤンの守備位置がなかなかよかった。ファーストライナーがどれかイチローの前に抜けてしまっていればこのゲームはもっともつれたゲームになっていた。
Seattle vs. LA Angels - May 29, 2009 | MLB.com: Gameday

詳細はのちほど

ゲーム最大のターニングポイントは、7回裏1死1、3塁を
インコース攻めでしのいだロブ・ジョンソンとホワイト

勝敗を分けた最大のポイントは1点とられてなおも得点圏にランナーを残した場面の7番のナポリの打席である。ロブ・ジョンソンの特徴のひとつでもあるインコース攻めについてはすでに指摘してある。(下記リンク)
2009年4月9日、ウオッシュバーンは城島抜きのゲームをエンジョイして完封勝利してみせた。
今シーズンは一時3割近辺を打っていたこの打者を、犠打になる外野フライでも内野ゴロでもない、1塁ポップフライというベストの結果に導けたことが、このゲームの勝敗を大きく分けた。
これでホワイトは2試合連続のホールド。だいぶ安心感が出てきた。
もし、この場面に裏口入学のコネ捕手城島がいたら、アウトコース低めへの攻めを中心に攻めたのは間違いない。今年5月1日オークランド戦でマット・ホリデーに打たれた同点ホームランを比較例に挙げておく。


7回1死1、3塁 ナポリ(スコア4−2)
結果:1塁ポップフライ


2009年5月29日 7回ナポリ 1Bポップフライ全球ストレート
2-0とカウントを悪くするが、それでもインコース勝負をかけたロブ・ジョンソンとホワイトのバッテリーの勝ち。


比較例
2009年5月1日 オークランド戦7回表
マット・ホリデーに浴びた同点ソロ(投手ホワイト 捕手城島)

1点リードの僅差で迎えた7回表。「外に変化球、内にストレート」のいつものコネ捕手リード。2−1とカウントを悪くして、慌ててストライクを置きにいく、いつもの城島。置きにいっただけのスライダーをスタンドに放り込まれ、同点に追いつかれた。

比較例 2009年5月1日オークランド戦7回表 ホリデー同点ソロ初球、2球目
アウトコースへのスライダー
3球目 インコースにストレート
4球目 甘く入ったスライダーをホームラン。7-7の同点に追いつかれる。




2度のダブルプレー(投手バルガス)
上にあげたナポリの打席以外に、バルガスの好投を支えた2つのダブルプレーも大きい。簡単に打席を挙げておく。どちらのケースでも、インコースは有効に使われている。

2009年5月29日 3回裏LAAフィギンズ ダブルプレー3回裏LAAフィギンズの
ダブルプレー


初球インハイのストレート
2球目インローのチェンジアップ

インコース上下に攻めた後、
3球目外のストレートをひっかけさせた

2009年5月29日 6回裏LAAアブレイユ ダブルプレー6回裏 LAAアブレイユの
ダブルプレー


初球、2球目と
インコースをえぐっておいて
3球目の外のストレートで
ダブルプレー

7回裏1、3塁でナポリをうちとった攻めとよく似ている。



May 29, 2009

今日はゲームがなく、シアトルファンも退屈していることだろう。
2009シーズンここまでのロブ・ジョンソンと城島の全出場ゲームについて、スコア、勝敗、先発投手と投球回数をまとめてみた。あまりにも差があるので笑ってしまう。
この2人のサラリーの差を知っているだろうか?約20倍の違いである。裏口入学のコネ捕手城島ひとりクビにすると、ロブ・ジョンソンを19人雇うことができる。
城島ひとりのサラリーで、城島よりマシな若手選手20人を集めると、野球チームが2チームできるのである。

7. Kenji Johjima    7,666,666
26. Rob Johnson      400,000

Seattle Mariners Salaries - MLB Baseball - ESPN


なお、QS回数はそれぞれのプレーヤーの単独出場ゲームに限定した。(つまり、捕手2人がリレーした4月15日のウオッシュバーンのようなケースは除いてあるということ)

シアトルの先発QS 23回(5月27日現在リーグ4位)
ロブ・ジョンソン15回(約70%)
バーク      2回(約8%)
城島       6回
(注:全体のQS数がどうしてもあわないので困った。どう計算してもチーム合計24回のような気がするのだが、ESPNのデータでは23回ということになっている。どこかの1ゲームがQS扱いになっていないのだと思われるのだが、それがどのゲームか、いまのところ不明なのだ)

ロブ・ジョンソン先発マスクゲームのQS 合計15回
ベダード     5回
ヘルナンデス   4回
ウオッシュバーン 5回(4/15のQSを除いてある)
ジャクバスカス  1回

城島先発マスクゲームのQS 合計6回      
ジャクバスカス   2回
ヘルナンデス、シルバ、バルガス、オルソン 各1回
(4/15のウオッシュバーンを除いてある)


以下、W=Win勝ち L=Lose負け @=アウェイ
ロブ・ジョンソンの4・5月出場全ゲーム
4月 QS8回
Apr 9 @MIN W 2-0 8回   ウオッシュバーンQS
Apr 12 @OAK W 1-0 8回1/3 ベダードQS
Apr 15 LAA W 11-3 途中出場(5回からマスク ウオッシュバーン6回QS
Apr 16 LAA L 5-1 5回1/3 ジャクバスカス
Apr 17 DET W 6-3 6回  ヘルナンデスQS
Apr 18 DET L 2-0 6回  ベダードQS
Apr 21 TB W 4-2 7回  ウオッシュバーンQS
Apr 22 TB L 9-3 3回1/3 ジャクバスカス
Apr 23 TB W 1-0 7回  ヘルナンデスQS
Apr 24 @LAA W 8-3 6回2/3 ベダードQS
Apr 25 @LAA W 9-8 5回  シルバ
Apr 28 @CWS L 2-1 8回  ジャクバスカスQS
Apr 29 @CWS L 6-3 5回  ベダード

5月 QS7回
May 2 OAK L 3-2  7回  ウオッシュバーンQS
May 3 OAK W 8-7  途中出場(延長14回〜15回)バルガス勝ち投手
May 5 TEX L 7-2  7回  ベダードQS
May 7 @KC L 3-1  7回  ウオッシュバーンQS
May 10 @MIN W 5-3  4回2/3 ベダード
May 14 @TEX L 3-2  7回  ヘルナンデスQS
May 17 BOS W 3-2  5回1/3 バルガス(〜6回までで途中交代)
May 22 SF W 2-1  途中出場(延長10回〜12回)ホワイト勝ち投手
May 24 SF W 5-4  8回  ヘルナンデスQS
May 25 @OAK L 6-1  途中出場(城島4失点・骨折→3回からマスク)
May 26 @OAK L 4-3  6回  ウオッシュバーンQS
May 27 @OAK W 6-1  6回2/3 ベダードQS



城島の4・5月出場ゲーム
4月 QS2回
Apr 6 @MIN W 6-1 8回 ヘルナンデスQS
Apr 7 @MIN L 6-5 5回 ベダード
Apr 8 @MIN L 6-5 5回 シルバ
Apr 10 @OAK W 5-4 3回1/3 ローランド・スミス
Apr 11 @OAK W 8-5 5回 ヘルナンデス
Apr 14 LAA W 3-2 7回 シルバQS
Apr 15 LAA W 11-3 途中交代(4回まで ウオッシュバーン6回QS)

5月 QS4回 城島単独出場試合2勝11敗
May 1 OAK W 8-7 3回2/3 シルバ
May 3 OAK W 8-7 4回1/3 ジャクバスカス(延長13回途中交代)
May 4 TEX L 6-5 6回   ヘルナンデス
May 6 @KC L 9-1 3回   シルバ
May 8 @MIN L 11-0 4回1/3 ジャクバスカス
May 9 @MIN L 9-6 4回   ヘルナンデス
May 12 @TEX L 7-1 5回   バルガス
May 13 @TEX L 6-5 6回   ウオッシュバーン
May 15 BOS W 5-4 6回   ジャクバスカスQS
May 16 BOS L 5-3 6回   オルソン
May 17 BOS W 3-2 途中出場(7回から)アーズマ勝ち投手
May 18 LAA L 10-6 5回  ウオッシュバーン
May 19 LAA L 6-5 5回2/3 ヘルナンデス
May 20 LAA W 1-0 6回   ジャクバスカスQS
May 21 LAA L 3-0 5回   ベダード
May 22 SF W 2-1 7回   バルガスQS (城島途中交代9回まで)
May 23 SF L 5-1 6回   オルソンQS
May 25 @OAK L 6-1 途中交代
(2回までに4失点のジャクバスカス負け投手)



May 28, 2009

素晴らしいゲームだった。快勝。
シアトルの長打を一手に引き受ける長打率の高いブラニヤンの2ラン。9回表も素晴らしい攻撃だった。ロブ・ジョンソンがこの日2本目の2塁打を放つと、チャベスがセフティバントを決め、1、3塁。グティエレスが2点タイムリーツーベースを放つと、1塁から長躯ホームインしたチャベスの俊足&スライディング。さらにチャンスを広げビッグイニングに導くイチローのこの日3本目のヒット(ただし後続がことごとく凡打)

この9回が本当に今のシアトル打線を象徴している。
機能しているのはブラニヤンと、下位打線からイチローまでの打順のみ。イチロー以外の上位打線が全く機能していない。ワカマツはLAA戦で打線を大きく組み替えるべきだし、組み替えた後はしばらく我慢するべきだ。
Seattle vs. Oakland - May 27, 2009 | MLB.com: Gameday


ベダードの捕手別登板イニング数
ジョンソン 約6.3
城島    5.0
エリック・ベダードの全登板ゲーム - ESPN


前回のベダード登板日の記事でも書いたことだが、もう一度確認しておく。
2009年5月21日、ベダード登板ゲームでロブ・ジョンソンと、フルカウントだらけの城島では、先発投手に対するCERAに「2点の差」があることが完全に証明された。(ベダード版「2点の差」計算つき)
知ったかぶりでデータもロクに調べもしないクセに「ベダードはイニングを稼げない」などと根拠のないことを掲示板に書く馬鹿がいるが、裏口入学のコネ捕手城島では球数も増え、失点も覚悟しなければならない。そのためどの投手もイニングは稼げない。ベダードがイニングを稼げないわけではない。
ロブ・ジョンソンと城島では、ベダードの場合ゲームあたりの登板イニング数に1.3もの開きがある。コンマ3の部分も、見逃せない大事な数字だ。なぜなら登板イニングが6を越え、6.3あるからには、ロブ・ジョンソンが捕手のときには勝ちに近いスコアで7回途中まで登板している、という意味になるからだ。だから捕手ロブ・ジョンソンならリリーフは最小で2人ですむ。今日のゲームでも実際2人ですんだ。
今日のゲームでは、6回終了時点で投球数は95球程度まできていた。だがベダードはそこでは降板せず、7回108球まで投げた。ヒットを打たれた時点でマウンドを譲ったものの、もしランナーが出なければ7回終了時まで投げ切ってから降板しただろう。

ところが球数が増える城島のケースではそうはいかない。
ベダードは5回終了時点で降りてしまうことになる。スコアは負けているかタイだろうから、捕手城島なら負けゲームで、しかもリリーフは最悪4人必要になる
。(もしくは防御率最悪のバティスタがロングリリーフして負ける)4人もの質のいいブルペン投手など投入できるはずがない。

ゲームのメカニズムが全く崩壊する城島マスクのゲームでは勝てるわけがない。この2つのケースの差が、チームの勝敗、勝率に影響しないわけがない。この点をよく考えれば、城島をメジャーの一員として雇うことなど、ありえないのである。
2009年5月13日(2)、ロブ・ジョンソンと城島の間にある「2点の差」がゲームプランに与える莫大な影響を考える。(ウオッシュバーン版「2点の差」計算つき)


ベダードの捕手別ERA
ジョンソン 44回1/3 自責点10 ERA2.03
城島     10回   自責点5 ERA4.50

登板日  登板回数・自責点 先発捕手
4月7日  5回自責点3    城島
4月12日 8回1/3自責点0 ジョンソン QS 完封リレー
4月18日 6回自責点1    ジョンソン QS
4月24日 6回2/3 自責点2 ジョンソン QS
4月29日 5回自責点3    ジョンソン
5月5日  7回自責点1    ジョンソン QS
5月10日 4回2/3自責点2  ジョンソン
5月21日 5回自責点2    城島
5月27日 6回2/3自責点1  ジョンソン  QS



配球の詳細はのちほど。
ベダードのカーブを実にうまく使ったロブ・ジョンソンのリードを紹介する予定。



May 27, 2009

デイビッド・アーズマの語る「サンデー・フェリックス」
----城島とバッテリーを組まされる「窮屈さの弊害」について、2009シーズンの投手陣自身が初めて明確な形で指摘する声を上げた----

まさに我が意を得たりとは、このことだ。アーズマはよくわかってゲームを見ているね。シアトルタイムズの記事からだ。2009年のシアトルを語る上で必読、マストの記事。
記事タイトルは「マリナーズはサンデー・フェリックスをもっと必要としている」ときた。もちろん、この意味深なタイトルも、このブログの愛読者なら意味はわかるだろう。もちろんタテマエでは「ヘルナンデスは日曜日のように、もっと大人の投球をしなさい」くらいの意味だが、明らかに婉曲には
4月にあれほど活躍したのに5月には日曜などのデーゲームにしか出場の機会がないロブ・ジョンソンがひさびさのデーゲームでキャッチャーとしてリードした日曜日のフェリックスは素晴らしかった。
日曜のロブのような、のびのびしたバッテリー感覚が、このチームにはもっと必要だ。そうしないと、このチームはダメだ

という意味もわかるような、ある意味いやらしい仕掛けになっている。

では、「ロブ・ジョンソンがリードしたサンデー・フェリックス」とは、どんなピッチングだったのか。
それを具体的に語ってくれたのが、デイビッド・アーズマだ。まるでこのブログでの主張とピッタリなので、嬉しくなる。
Steve Kelley | Mariners need more of Sunday's Felix Hernandez | Seattle Times Newspaper

(原文)
"He was going right after guys," said closer David Aardsma, who picked up his sixth save with a scoreless ninth. "I think in his last couple of outings he was trying to pitch around guys a little bit more. Trying to throw stuff on the corners. Today you saw him go out there with the attitude of 'here it comes' and just throwing great stuff right by guys."
(粗訳)
「彼は打者をうまく打ちとっていたねぇ」と、9回を無得点に抑えて6つ目ののセーブを得たクローザー、デイビッド・アーズマはいう。
「僕が思うに、最近数試合の登板で彼はね、もっとストライクゾーンギリギリに投げよう、投げようとしていた。球種をコーナーに集めようとも試みていた。(でも)今日は、ほら、みんなが見たように「ヒア・イット・カムズ (打席に入る打者ごとにあわせて投げてやるから)誰でも、さぁ来い」って姿勢だったよね。打者ごとに素晴らしい球を投げ、ただただ討ち取っていく、そういう姿勢だったね。」



アーズマの話のポイントは、城島が捕手をつとめた連敗中のヘルナンデスの「配球の窮屈さからくる自滅ぶり」と、ロブ・ジョンソンが捕手をつとめた5月24日のヘルナンデスの「のびのびした柔軟な打者への対応ぶり」を対比することだ。
アーズマの指摘する「ヘルナンデスの最近数試合の窮屈な登板内容」とは、もちろん、4連勝した4月の登板ではなく「5月に入って以降、連敗続きだったコネ捕手城島とバッテリーを組んだ4ゲーム」を直接明確に指すことは言うまでもない。
ある意味、アーズマは城島を名指ししているのである。
→2009年のヘルナンデスの全登板と組んだ捕手の一覧
2009年5月24日、ヘルナンデスは無敗のパートナー、ロブ・ジョンソンを捕手に8回自責点1でQS達成、10奪三振でひさびさのデーゲームを勝利に導いた。



このアーズマの話の中には、通常の英和辞書にはない、いわゆる野球的イディオム(言い回し)がいくつもある。中でも特にpitch aroundという熟語の意味は正確につかまえなければ内容を把握することはできない。
またHere it comes.という文の意味は、全体の文意をふまえて意訳しないと、ただ「さぁ来い」「さぁ来た」だけでは意味が伝わらない。同じ文でアーズマの話した言葉の中に、by guys「打者ごとに」という言葉がある点を重視しないと正確にはならない。「連敗中のようにどんな打者が来てもコーナー狙いのピッチングを繰り返してギリギリのコースばかり狙って自滅するのではなく、日曜日は、打者ごとにあわせたピッチングをしていたのが良かったね」というアーズマの話たい意図をふまえないと意味が伝わらなくなる。

stuff
「球種」
アーズマだけでなく、この記事の文中には監督ワカマツへのインタビュー部分含め、頻繁に出てくる野球用語。

go right
「(打者を)うまく打ち取る」
“go right”の検索結果(358 件):英辞郎 on the Web:スペースアルク
文例:I challenge batters and go right at them.
僕はバッターに挑んで、うまく打ち取っている。

pitch around
「(四球も覚悟で)きわどいコースをついて投球する」
野球用の熟語のひとつ。とある翻訳サイトには「はずして投球する」と訳されているが、それだけでは正確な意味は全く把握できない。下記に挙げた英語から英語に訳すサイトでの説明で、本来の詳細な意味がわかると思う。全文を引用する。

pitch around - Wiktionary
http://en.wiktionary.org/wiki/pitch_around
(transitive, baseball) To intentionally throw pitches which are slightly out of the strike zone, hoping that the batter will swing wildly at a pitch, but assuming that you will walk him
(打者が投球に対し)むやみやたらと大振りしてくれることを期待し、ストライクゾーンから、ほんのわずかにはずれた配球を故意に行うこと。だが、打者を歩かせてしまうリスクを負う。



5月18日のLAA戦で、ベダードの登板回避でローテが変更になって城島の先発ゲームにあたってしまい、5回で6失点と実力を発揮できなかったウオッシュバーンだったが、この日のゲームではロブ・ジョンソンを捕手に6回を無失点と好投を見せた。
ロブ・ジョンソンは膠着したゲームの中、7回にスタンディング・ダブル、イチローのタイムリーで生還した。イチローのヒットストリークは、これで20。キャリア・ハイが見えてきた。
Seattle vs. Oakland - May 26, 2009 | MLB.com: Gameday

4月9日  8回自責点0 QS  ジョンソン 完封勝ち
4月15日 6回自責点2 QS  城島(4回自責点0 怪我による交代)→ジョンソン(2回自責点2)勝ち
4月21日 7回自責点2 QS  ジョンソン 勝ち
4月26日 5回1/3自責点6   バーク   負け
5月2日  7回自責点1 QS  ジョンソン
5月7日  7回自責点1 QS  ジョンソン 負け
5月13日 6回自責点4    城島
5月18日 5回自責点6    城島 負け
5月27日 6回自責点0 QS  ジョンソン
Jarrod Washburn Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN

ジョンソン 37回自責点6  ERA 1.46
城島    15回自責点10 ERA 6.00
バーク   5回1/3自責点6  ERA 10.13



May 26, 2009

サンデー・フェリックス」という記事を書いたばかりの翌日、さっそくデーゲーム。先発捕手は城島だったが、2イニング4失点を残し、いつもの大量失点でゲームから怪我で退いた。
わずか序盤2イニングで4点の失点というのは、防御率に換算するなら、これ、なんと18.00だ。
酷いものだ。打線が全く機能せず、セットアッパーも安定しない現状のシアトルでは、序盤の4失点でゲームは終わってしまい、2005年あたり以降集められたフリースインガーの雑なプレーヤーたちはすぐにゲームを諦めてしまう。
Seattle vs. Oakland - May 25, 2009 | MLB.com: Gameday

城島       2イニング4失点 ERA 18.00
ロブ・ジョンソン 6イニング2失点 ERA 3.00

今の打線の惨状については、かつて監督ワカマツは5月のインタビューだかで「OBP(出塁率)を重視し、改善に取り組む」というようなことを言っていた。
例えばいつぞやなどはベタンコートを2試合スタメンからはずしておいて、さらに監督室に呼び出し、出塁率改善やら、早打ちの改善やらを要望した。そのせいか、ベタンコートは5月18日のボストン戦で珍しく四球を選ぶなどして「生まれて初めて打席で10球選んだよ」というようなことを3流インタビュアーに得意げにコメントしていたものだ。やれやれ。困ったもんだ。
Steve Kelley | Don Wakamatsu's Mariner Way puts attention on details | Seattle Times Newspaper
http://seattletimes.nwsource.com/html/stevekelley/2009231787_kelley18.html
その後ベタンコートはほんの一瞬だけは、1試合で2四球を選ぶような殊勝なところを見せたが、今日のゲームを見ればわかるように、すぐに元どおり。
ノーアウトで4度イチローが出塁しても、一度バントした以外はロクなバッティングはせず、7回の無死1、2塁ではあっさりダブルプレー。3流インタビュアーのシャノンに「イチローの後を打つのは難しい」などと愚痴を言って、馴れ合っている場合ではない。


ベルトレ、セクソン、城島、ベタンコートなど、こういう雑なプレーヤーの集団がシアトルに一斉に導入されたのは2005年あたり以降だ。考えもせずバットを振り回すしか能がないフリースインガーばかりをコレクションしていったシアトルの、かつての雑なチーム編成の残債である。
チームに大量に残されている不良債権は、城島はじめ、今も処分されていない。

30代のオッサンに言葉で「変われ」と言って、変われるものではない。
監督ワカマツがどんな野球を想定しようと、それにフィットしたプレーヤーなど、残債プレーヤーにはいない。唯一の希望の星だったイバニェスはトレードしてしまい、トレードしたアダム・ジョーンズには大活躍され、一方では、現状の内野守備は今日のゲームでもア・リーグのエラーランキング1位と中継で紹介されるお粗末ぶり。
これでゲーム後にはしゃいでいたら、頭がおかしいというものだ。


5月25日時点でのチームスタメンプレーヤーののOBPランキングはこうなっている。
2009シーズンから800万ドルかすめとっている城島が、壊滅的な打撃成績だった2008シーズンからまったく改善されるどころでないことは、ひと目でわかる。たまに打つマグレのホームランなど、なんの役にもたたない。セクソンそっくり、いや、セクソン以下である。

例えばマグレでソロを打つヘボ打者より、打率は2008年の城島並みに低いが四球を選んでくれるグリフィーのOBPは、城島より上である。こういう逆転現象はかつてのセクソンでも同じことがあった。セクソンも四球数がチームで最も多いため、OBPでは城島より上だったのだ。
城島の打撃など、昔からセクソン以下である。

2009年5月25日のチームOBPランキング

(最初の数値は出塁率。2つめの数値は打率)
ブラニヤン .393
イチロー  .365
グリフィー .363 .232 四球23
グティエレス.344
チャベス  .323
ベタンコート.291
バレンティン.286 .244
2008城島.277 .227
スウィーニー.276 .232
2009城島.275 .250
ロペス   .265 .221
セデーノ  .250 .188
ベルトレ  .246 .211
ジョンソン .219 .188


Team OBP 2009.5.25



May 25, 2009

これでヘルナンデスはロブ・ジョンソンがキャッチャーのケースでは3勝0敗と負け無し

5月に入って城島がフェリックスの捕手を続けてやるようになってしまい、4度続けて城島相手に登板して0勝3敗と、全敗していたが、疫病神コネ捕手城島から離れられるデーゲームがようやく回ってきたことで、ついにフェリックスに5月初の白星がついた。

スコアは5-4でのクロスゲームだが、ヘルナンデスの自責点は8回に打たれたホームランによる1失点のみ。8回を自責点1、10三振の好投である。残り3失点は味方のエラーによるもの。
フェリックスは球数が7回には98球程度に達していた。7イニングで降板することもできたが、彼は8回も投げた。ロブ・ジョンソンをキャッチャーに気分よく投げられたのがありあり。クローザー役をつとめたアーズマが2三振を奪い、シアトルの投手2人でジャイアンツから合計12もの三振を奪った。
San Francisco vs. Seattle - May 24, 2009 | MLB.com: Gameday


フェリックスはこれで奪三振66で、ア・リーグ3位。
いまア・リーグ奪三振上位は、バーランダー(DET)、グレインキー(KC)、ハラデイ(TOR)、レスター(BOS)などで、各チームの有力投手たちが並ぶ。
これにフェリックスを入れた5人のうち、ERAの素晴らしいグレインキーとハラデイの2人は勝ち自体が多いのだが、ERAのよくないバーダンダー、ヘルナンデス、レスターはそうでもなく、勝ち負けが同数程度だ。
当たり前のことだが、ただ三振が多くとれるだけで失点だらけでは無意味なのである
コネ捕手城島の先発マスクゲームには、そういう意味のないスタンドプレイ・ゲームがあまりに多い。お客さんは三振をとることに熱中しているクセに四球乱発・ホームラン連発で失点ばかりするコネ捕手の自分に酔った無様な醜い姿を見るためにスタジアムに足を運んでいるわけではないのである。

フェリックスも、もし裏口入学のコネ捕手城島などがキャッチャーでなかったら、下にあげたように、もっと失点そのものが減り、ERAが改善されることで、とっくにもっと勝ち星に恵まれていたはず。
チームとして、これほどの投手を無駄に負け続けさせるのは本当に許されない。城島にヘルナンデスのキャッチャーをまかせるべきではないのは当然のことで、企業でいえば「背任行為」にあたる。
これからのキャリアも、しばらくはメジャーからいなくなる運命しかもたない裏口入学のコネ捕手に悩まされ続けるフェリックスに、心から同情する。

ヘルナンデスの捕手別勝ち負け
ロブ・ジョンソン 3勝0敗 ERA1.29
城島       1勝3敗 ERA7.43
バーク      1勝0敗 ERA0.00


4月6日  6回自責点1  城島 QS
4月11日 5回自責点5  城島
4月17日 6回自責点3  ジョンソン QS
4月23日 7回自責点0  ジョンソン QS 完封リレー
4月28日 8回自責点0  バーク QS
5月4日  6回自責点6  城島
5月9日  4回自責点5  城島
5月14日 7回自責点0  ジョンソン QS
5月19日 5回2/3自責点6 城島
5月24日 8回自責点1  ジョンソン QS 10三振

捕手ごとのERAの内容はこちら。ERAの評価は勝敗に直結している。
ジョンソン 28回自責点4     1.29
城島    26回2/3自責点22  7.43
バーク   8回自責点0      0.00
防御率=(自責点×9×3)÷(投球回×3)で、計算


追記
それにしてもLAAは強い。
今日のゲームではドジャースタジアムのアウェイで勝っているのだが、ホームランは1本もないのに、10得点。得点圏の打席を12回つくりだし、そのうち7回もタイムリーを記録している。強い。シュアなバッティングを誇る打線にアブレイユ、ハンターの補強がピッタリはまっている。
今日のゲームのシアトルがたった5安打で、2本のホームランで5点獲って勝ったのと違って、チームの地力に大差がある。



2年連続5月20敗まで、あと5つだ。大逆転負けで、5月は裏口入学ダメ捕手さん、先発ゲーム4勝11敗。たいしたものだ。(引き分け状態で途中交代させられて、ロブ・ジョンソンの時点で勝った昨日のゲームは当然のことながら、城島の勝ち試合とは呼べない。当然のことだ)
San Francisco vs. Seattle - May 23, 2009 | MLB.com: Gameday

今日は裏口入学の馬鹿捕手さんのホームラン配球パターンと、四球サービスパターンから、ほんの2例だけ紹介してみる。
打たれるカウントや球種は、打者の左右・好きな球種、1巡目・2巡目などの打席数、イニング数など、条件によって多少変わるのだが、わざわざブログでネタをバラす必要もないだろう。

画像を見ただけで意味がわかる人は、このあとを読む必要などない。馬鹿な捕手の負けゲームを笑った後は、ぜひ自分の貴重な時間を有効に使ってほしい。
意味がわからない人は、野球がわからないヒトなので、しかたない。このあとを読んだら、もう二度と向いてない野球など見ないことだ。



タイムリー、ホームラン浴びまくり
炸裂する馬鹿捕手バレバレ配球 1
「外に変化球、内にストレート」→「2球目狙い打ち」


このパターンには「初球変化球→2球目ストレートと、逆の「初球ストレート→2球目変化球の2パターンがあり、狙い打たれるパターンにも打者のクセにもよって、初球、2球目、3球目とバリエーションがある。
どのパターンも、とっくに打たれ済みで死亡済み。打たれるイニングもおおまかに決まっている。(アホウなシアトルファンは、ブルペン投手がダメだのなんだの、わけのわからないことをいつまでも掲示板などに書いて、自分が恥をかいていることも知らないのだから幸せなものだ)
8回のジャイアンツの攻撃(2死から)で、まずウリーベの3点タイムリーのパターンを見たら、5月18日のLAA戦ケンドリックのホームランを見比べるといい。この「2球目狙い打ち」では右打者であることもひとつのポイントではある。

2死からモリーナにシングルを打たれたパターンは、いつもの「内にはストレート、外には変化球」という馬鹿捕手バレバレ配球。ベンチからモリーナがヒットを打つ配球を見て、2死満塁になって打席に入ったウリーベは、「2球目狙い打ち」で3点タイムリーを打つことができた。
この「前の打順の、同じ右なら右打ちの打者を見てから打席に入って長打をかますパターン」は、5月18日のLAA戦で、ホームランを打ったリベラへの配球パターンを見てから打席に入ってホームランを打ったモラレスと全く同じでもある。

2009年5月23日 モリーナのシングル2死走者なし
右打者モリーナのシングルヒット

初球 外のスライダー
2球目 インコースにストレート

このあとシングル、四球と後続がつないで、2死満塁。

2009年5月23日 ウリーベの3点タイムリーゲームを決めた
右打者ウリーベの
3点タイムリー



初球 外のスライダー
2球目 インコースにストレート
→走者一掃ツーベース

この「アウトコースに変化球、直後に、インコースにストレート」(ときに逆に使うこともあるが)という組み立ては、シアトルのゲームのどこかで見たことがある、どころではないはずだ。
タイムリーとなる長打やホームランを浴びる場面をもう何度も何度も繰り返し指摘してきている。5月18日のLAA戦のケンドリックの例を挙げれば十分だろう。

比較例 5月18日のLAA戦
8回ケンドリックのソロホームラン

2009年5月21日、ベダード登板ゲームでロブ・ジョンソンと、フルカウントだらけの城島では、先発投手に対するCERAに「2点の差」があることが完全に証明された。(ベダード版「2点の差」計算つき)

2009年5月21日 LAA8回 ケンドリック ソロホームラン2009年5月21日 LAA8回
ケンドリック ソロホームラン

初球 外のチェンジアップ
2球目 インサイドのストレート
(ホームラン)

→0−3で負け




ホームラン浴びまくり、四球しまくり
炸裂する馬鹿捕手バレバレ配球 2
「ストレート、チェンジアップの交互配球」
→「四球サービスしまくり」「ホームラン、タイムリー」


さて2つめのパターンだ。
わかる人にはもうわかっていることだろう。気がつかなかったヒトは馬鹿なのでもうメジャーは見ないことだ。
このブログで「チェンジアップ押し付け問題」という造語で問題にしているこの馬鹿捕手のチェンジアップの使い方での、数ある問題点のひとつがこれだ。
最近のゲームではあまりにこのパターンが数多く用いられるので、あえて画像など作る手間をかけてまで説明する必要を感じない。1ゲームあたり、7打席や8打席は例を探すことなど、毎日のようにできる。自分で探せばいい。

裏口入学のダメ捕手さんは、打者にカウント2−2とかになって粘られると、すぐにこの「チェンジアップ→ストレート→チェンジアップ→ストレート」とバレバレ配球するクセがある。(逆のストレート→チェンジアップ→ストレート→チェンジアップ、というパターンもないではない)
このパターンでは主に「チェンジアップを狙い打ち」されていて、ホームランは打たれるわ、四球は連発するわで、大量失点の元凶のひとつになっている。
もちろんこのパターンと、先に挙げておいた「内にはストレート、外には変化球」が根底で共通点があることはいうまでもない。なんの機転も利かないダメ捕手の単調で平凡な粗悪品リードだから、共通点だらけである。共通点さえわかれば、パターン分析すら必要なくなる。
このパターン性を見破っている打者としては、LAAでいうならアブレイユ、ハンター、リベラあたり。今後とも彼らには痛打されまくることだろう。
とっさにモノを考えたり、ヒネリを加えたり、柔軟に対応したりできないクセに、やたらと複雑なことをしようとして失敗ばかりして、シンプルさが全くない。
可哀想な脳だ。「城島ノート」?(笑)野村氏のパクリを突然言い出した馬鹿捕手と提灯持ちライターのオツムにはお笑いのネタしか書いてないようだ。

今日のSF戦ルイスのダメ押し2ラン

2009年5月23日 ルイスの2ランカウントが悪くなるとストレートとチェンジアップを交互に続けるダメ捕手得意の得意パターンのあと、チェンジアップをホームラン

比較例 5月18日LAA戦6回
試合を決めたモラレスの2ラン

インコースのストレートに、打者が反応を見せてファウル。外のチェンジアップを見逃され、3球目に、最初に手を出してきているインコースのストレートをわざわざ配球してホームランされてゲームを落としたという、なんとも馬鹿馬鹿しいパターン。

2009年5月18日 6回LAAモラレス2ラン初球 内の4シーム(ファウル)
2球目 外のチェンジアップ(見送り)
3球目 内の4シーム(ホームラン)



May 22, 2009

裏口入学のコネ捕手城島の5月は、これで4勝10敗、勝率.286。打者の打率のような酷い数字だ。月間20敗まで、あと6

最初に言っておくと、城島が先発捕手だと先発投手がイニングイーターになれないのは、城島のピッチングの組み立てが悪いためであって、先発投手の調子の問題ではない。現にロブ・ジョンソンですでに4度もQSしている。
そんなこともわからないやつはたぶん、やたらと打者がフルカウントになる理由もわからずに年間100も200もゲームを見ているのだろうから、ただの馬鹿だ。時間のムダだから野球見るのをやめたほうがいい。

たとえば、こういう馬鹿だ。晒しておく。

140 名前:名無しさん@実況は実況板で[sage] 投稿日:2009/05/22(金) 14:11:35 ID:A1UT4BCZ
イニングを稼げないのはデビュー以来全く変わってないベダードの属性。



登板日  登板回数・自責点 先発捕手
4月7日  5回自責点3    城島
4月12日 8回1/3自責点0 ジョンソン QS 完封リレー
4月18日 6回自責点1    ジョンソン QS
4月24日 6回2/3 自責点2 ジョンソン QS
4月29日 5回自責点3    ジョンソン
5月5日  7回自責点1    ジョンソン QS
5月10日 4回2/3自責点2  ジョンソン
5月21日 5回自責点2    城島


ベダードの捕手別ERA
ジョンソン 31回2/3 自責点9 ERA2.56
計算間違いがあったため訂正
ジョンソン 37回2/3 自責点9 ERA2.17
城島     10回   自責点5 ERA4.50

ロブ・ジョンソンと城島のベダード登板ゲームでのERAは、ウオッシュバーン、ヘルナンデスで捕手別にERAを計算したのと、まったく同じ、ピッタリ同じの「2点の差」である。

ウオッシュバーンで計算した「2点の差」
2009年5月13日(2)、ロブ・ジョンソンと城島の間にある「2点の差」がゲームプランに与える莫大な影響を考える。
ヘルナンデスで計算した「2点の差」
2009年5月19日、ロブ・ジョンソンの貯金で野球をやっているコネ捕手またもや14安打5盗塁され敗戦。5月3勝9敗。ヘルナンデスを自責点6でERA4点台に沈没させ、月間20敗に突き進んだ。

ロブ・ジョンソンと城島で、先発投手のERAに「2点の差」が出ることは、もう説明するまでもない。

これまでベダードは、ロブ・ジョンソンを捕手にした場合、4回のQS(クオリティスタート)を達成している。一方、5回しか投げられなかった今日のLAA戦のように、城島を捕手にした場合、ベダードはまだ一度もQSを達成していない。こういう現象は控え捕手がロブ・ジョンソンになってから始まったわけではなく、2007年バーク、2008年クレメントでも全く同じ現象がみられた。

「2点の差」現象が偶然などでないのはいうまでもない。

ゲームログをじっくり見ていけばわかるが、今日のゲームの投手はベダードだけではなく、リリーフしたモローにしても、LAAを抑えてはいるが、2-2になる確率が高すぎる。すぐにフルカウントにもなる。
つまり、球数がかかりすぎている。
いつもの城島の「チェンジアップなども多用しながら球数をかけて、最初から決めておいた組み立てのままに投手に投げさせ、打者を追い込んで三振を狙う」というアホなリードを繰り返しているのがその理由である。
組み立てがゲーム開始から終わるまで大して変わらないから、読んだ打者が2球目あたり、または初球をホームランしてくる。このことも何度も説明してきた。

これでは先発投手が5回までしかもたずにQSはできないし、また、リリーフ投手が1人よぶんに投げなければならなくなる。
2009年5月13日(2)、ロブ・ジョンソンと城島の間にある「2点の差」がゲームプランに与える莫大な影響を考える。
http://blog.livedoor.jp/damejima/archives/913919.html
三振狙いといっても、城島のゲームの組み立て自体があまりにも単調なために、ホームランを打たれやすい。配球についてよくいわれることだが三振を狙うと、ホームラン、四球は一緒にセットになって増える、というやつだ。


くわしいホームランごとの話は、あとで書く。
LA Angels vs. Seattle - May 21, 2009 | MLB.com: Gameday
特に8回ケンドリックのホームランなどは典型的に、城島の責任のホームランであると断言できる。

2009年5月21日 LAA8回 ケンドリック ソロホームラン8回ケンドリックのソロ
この、初球にチェンジアップを外に投げておいて、次にインコースにストレートというパターンで、今シーズン、どれだけの数ホームランされているか。
馬鹿馬鹿しいので数えてもいないんだが、このブログにあげた画像だけでも10はあるんじゃないか。最近の例なら2009年5月18日、ロブ・ジョンソンの貯金で野球をやっているコネ捕手またもや敗戦で月間3勝8敗、他人の貯金を食い潰す。この記事の、5回リベラのホームランだ。



May 20, 2009

だから言ったろう。
城島先発ゲームは0−0から始まるんじゃない。最初から0−2なのだ。5月この裏口入学が復帰してからの失点をまた並べとく。燦然と輝く金字塔だ。

7 7 6 9 11 9 7 6 5 5 10 6

5月12ゲームで、88失点(笑)さすが裏口入学してるだけのことはある。
今日はLAA第2戦だが、昨日3盗塁したLAAは、今日はなんと5盗塁(ハンター2、フィギンズ、アブレイユ、イズトゥーリス)。なにが強肩城島だ(笑)笑っちまう。この2日間で、コネジマ、8盗塁されてやがる。
たぶん明日も走られまくるだろう。

LA Angels vs. Seattle - May 19, 2009 | MLB.com: Gameday



ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:
2009年5月13日(2)、ロブ・ジョンソンと城島の間にある「2点の差」がゲームプランに与える莫大な影響を考える。


上のリンクは昨日ウオッシュバーン登板試合をサンプルに、城島の存在がシアトルのゲームプランにどれだけ莫大な悪影響を及ぼし続けているかを適当に書いた記事だ。適当に、というのは、こんなことはもう何年も前から自分の中ではわかっていることなので、という意味。中身が適当なわけではない。後半部分に、
例2)城島先発マスクで、ゲーム失点が5を越えるケースのグダグダゲーム
というパターンを挙げてある。
今日のLAA第二戦が、この城島パターンにピッタリあてはまっているのは誰にでもわかることだろう。

今日はヘルナンデス登板試合について書いてみる。

4月6日  6回自責点1  城島 QS
4月11日 5回自責点5  城島
4月17日 6回自責点3  ジョンソン QS
4月23日 7回自責点0  ジョンソン QS 完封リレー
4月28日 8回自責点0  バーク QS
5月4日  6回自責点6  城島
5月9日  4回自責点5  城島
5月14日 7回自責点0  ジョンソン QS
5月19日 5回2/3自責点6 城島


捕手ごとのERAを計算してみる。
(防御率=(自責点×9×3)÷(投球回×3)で、計算)

ジョンソン 20回自責点3   1.35
城島    26回2/3自責点22  7.43
バーク   8回自責点0   0.00


どうだ。
ウオッシュバーンとロブ・ジョンソンのバッテリーの話が、この組みあわせだけで成り立っているのではないことは、どんな馬鹿にでもわかるだろう?



May 19, 2009

またもやコネ捕手先発で大量失点。
15安打3ホーマーを打たれ、5四球、10失点。盗塁を3つも決められ(アブレイユ、ハンター、アイバー)、打っては6回の無死2塁、8回の1死1,2塁、2つの得点圏で凡退。強肩もへったくれもない。
今シーズンのランナーズ・オン打率も、2007年同様に酷い。
1塁 16打数3安打 .188 OPS.625 四球なし
2塁 7打数1安打 .143 OPS.429 四球なし

スポンサーから出してもらったカネでメジャーのゲームに裏口入学で出させてもらえている立場で、しかも、本来なら他人のものであるポジションを横から奪っておいて、さらには、他人のつくった貯金まで食い潰すとは。よく恥ずかしくないもんだ。

ワークビザ取得にうるさい国、例えば英国のプロスポーツなら、こういう実力以外の部分で自国プレーヤーのポジションを侵害する行為は絶対にありえない。欧米でのタブーのひとつみたいなもんだが、どうせコネジマや提灯持ちライターには意味すらわからない。オールスター? ゴールドグラブ? ありえるわけがない。
5月この裏口入学捕手が復帰してからの失点を並べてみせようか。

7 7 6 9 11 9 7 6 5 5 10

どうだ。
5月11ゲームで、82失点だ。さすが裏口入学は違う。1試合平均 7.45失点、ときた。(笑)
これ見て理屈こねる馬鹿は思考能力ゼロだからもう相手しない。

なになに全ゲームで8点以上とって勝てってか?(笑)これで勝てる打線なんか、あるわけない。

コネジマ。おまえ、な。すべての打席、ホームラン打って責任とれ。いや、マジに。
馬鹿もほどほどにな。

LA Angels vs. Seattle - May 18, 2009 | MLB.com: Gameday

5月に入ってこんな欠陥品を押し付けられだしたウオッシュバーンの防御率は急降下するばかりになった。かわいそうなもんだ。防御率が4点台になるのも時間の問題だろうが、本人の弱気な性格もいけない。

2008年4月にもあれだけ専属捕手にするとか主張していたのに、コネ島を押し付けてくる勢力に負け、負けてばかりいたウオッシュバーンも、今シーズンの4月はロブ・ジョンソンにばかり捕手をまかせていたのを見て、さすがに2009年こそは懲りたのかとばかり思っていたのだが、城島ともバッテリーを組めと、どこぞのオーナーサイドから圧力でもあるのか、5月に入ってから2度も城島と組みはじめて、ウオッシュバーンの防御率もチームの勝率も暴落する一方だ。

ウオッシュバーンよ。
いいかげんに、その、ヒトのいい性格を改めたほうがいい。

誰に頼まれようと、誰から圧力がかかろうと。
断固、城島とのバッテリーを拒否すべきだ。
まったく、君自身のためにも、チームのためにもなってない。

断固、拒否だ。


2009年5月18日 LAAモラレス2ラン

LA Angels vs. Seattle - May 18, 2009 | MLB.com: Gameday
上は試合の大勢を動かしたモラレスのホームランの場面である。

しかし。それにしても、なによ、このホームラン配球は(笑)
馬鹿なの? ねぇ、馬鹿なの? 九州のイモ男。

初球、インコースの4シーム。
モラレス、ふってきてファウル。

2球目、外のボール球の「チェンジアップ」。打者は振ってこない。釣られてない。
ああ・・・ほんとに、腹が痛いわね(笑)コネジマさん。打者の目を「そらしたつもり」?(笑)声出して笑う。
外の、チェンジアップ、ときたよ(笑)まーた2009年大流行のチェンジアップ病(笑)見せ球の「つもり」のコネジマ(笑)インコースを使う布石の「つもり」(笑)場末の芸人のすべりまくりのギャグかよ。

そこで、運命の3球目。まーたインコースに「打者の待ちかまえていた4シーム」。
初球から打者が振ってきてて「最初から待ち構えていたコースと球種」に、ぴったり同じ「振ってきたコース、振ってきた球種を、サービス」(笑)ホームラン・サービス(笑)

そのコースをモラレスは初球から待ってるんだっつーの(爆笑) 
馬鹿か、イモ男。

で。ホームラン。
もはや、これ「チェンジアップ病」。自分のリードに酔いまくりの、馬鹿リード。小手先リード。

ここからは、おまけ。

2009年5月18日LAAモラレス2本目のホームラン8回モラレスの
2本目のホームラン

アウトコースにタイミングあわず、2つ空振りしてくれて、追い込んだ。ところが、ここで城島は調子こいた。
既にホームランを打たれているインコースに、既にホームランを打たれている4シーム。そして、また、ホームラン(笑)
笑えるだろう?同じ球を打たれたんだぜ?(笑)

2009年5月18日 5回LAAリベラのホームラン5回リベラのホームラン
6回モラレスの1本目と、配球をよく見比べるべし。共通点みつけるのは簡単。「アウトコースにチェンジアップを見せて、直後にインコースのまっすぐ勝負」。簡単だろ?(笑)
問題はリベラもモラレス同様。チェンジアップには反応していない。反応してないのにインコースにストレート。で、ホームラン。(笑)

もう一度言う。モラレスもリベラもチェンジアップになど反応していない。なのに、攻めを最初に決めている馬鹿は切り変えない。打者を見ず自分のノートしか見てない馬鹿(笑)つまり付け焼刃、ひとさまのパクリ、ということ。
ちなみに、モラレスはリベラの直後の打順。つまり、前の打順のリベラへの配球を見ていれば、モラレスは余裕で打席に立てるわけ。この関係はアブレイユとハンターの関係ですでに一度書いた。
当時から予感があったが、まず間違いない。4月26日のLAA戦のサインはベンチから城島が出していたはず。4月26日のLAA戦のリード癖が、今日のゲームでそっくりそのまま出てきているからだ。
2009年4月26日、ウオッシュバーンが潰されたLAA戦、謎の馬鹿リードを解き明かす。


馬鹿すぎて、話にならない。
特にモラレスの2本のホームラン。
本来なら分析すら必要ない。


監督ワカマツは、とっくにハーシュハイザーの金言を引用して、城島にこう忠告してる。
"Orel used to say, 'Give them the pitch they are looking for, but put it in a place they can't hit it."
「オーレル(=ハーシュハイザー)はよく言ってたもんさ。『打者には欲しがってる球をくれてやれ。ただし、彼らがそれをヒットにすることができない場所に投げておけ』とね」

でもね。ワカマツさん。
城島にそれ言っても無理。意味が理解できないから。

ハーシュハイザーの言葉の意味がわからないヤツは、これを読め。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.
2009年5月9日、シルバDL送りの背景を1ヶ月前の「城島の小手先の投球術いじり」に関するミネソタ戦記事に見る。




May 17, 2009

昨日のBOS第1戦はイチローの2本のホームランのおかげで勝てただけ、ということは誰にだってわかる話。本来なら負けていたことだろう。このチームは客寄せのグリフィーのチームなどではなく、イチローのチームなのだ。


5月にコネ捕手城島は、5月に復帰してきてから、すでに3勝7敗。
チームは月間20敗まで、あと9つ。
対ボストン戦の打率は、たった.111しかない。

コネだけで2009シーズン以降の正捕手を買ってもらったコネ捕手は、シアトルの正捕手ではいままで誰もやっていない、記念すべき、2シーズン連続5月度20敗まで、あと9に迫った。


このところ多忙なので、多少更新が遅れている。
このあいだのゲームを含めて、詳細な記事はあとでまとめる。

Boston vs. Seattle - May 16, 2009 | MLB.com: Gameday

2009 Mariners Schedule | Mariners.com: Schedule

Kenji Johjima Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN

MLB Baseball Fielding Statistics and League Leaders - Major League Baseball - ESPN



May 14, 2009

この何年もの間、「城島のゲームでばかり大量失点が起きるのだが、理由がわからない」という話をよく掲示板で目にする。ふーん、馬鹿なんだ。と、しか思わない。これほどわかりやすい話などない。


シアトルのゲームで城島先発ゲームを見るときは、常にロブ・ジョンソンの先発ゲームより2点多く失点するのがあたりまえだ、ということをまずアタマに入れて観戦すべきである。

もし、覚えておくのがめんどくさければ、本来は間違った意味になってしまうが、「あぁ城島マスクか。普通に0対0のスコアでゲームが始まるのではなくて、0対2、いつもより2点負けた状態からゲームが始まるのだな」くらいにでも、覚えておくといい。


今日はこの話を、ウオッシュバーン登板ゲームを例に、少しおっかけてみる。
下記のウオッシュバーン登板ゲームにみられるように、ロブ・ジョンソンと城島とでは、1試合の失点のすべての面に、常に「2点の差」がある。このことは城島がメジャーに来てからというもの、シアトルのゲームマネジメント、さらには選手起用からトレードにいたるまで、あらゆる面ではかりしれない悪影響を与えてきている。


5月13日までのウオッシュバーンの登板試合と捕手の関係はこうなっていた。
ロブ・ジョンソンとウオッシュバーンのバッテリーのゲームは、全ゲームでQS(クオリティ・スタート)を達成。相性の良さなど、説明するまでもない。

4月9日  8回無失点 QS  ジョンソン 完封
4月15日 6回自責点2 QS   城島(4回自責点0 怪我による交代)→ジョンソン(2回自責点2)
4月21日 7回自責点2 QS   ジョンソン
4月26日 5回1/3自責点6   バーク 負け
5月2日  7回自責点1 QS   ジョンソン 勝ち負けなし
5月7日  7回自責点1 QS   ジョンソン
5月13日 6回自責点4    城島


ウオッシュバーン登板時の捕手別の防御率を計算してみる。当然、ロブ・ジョンソンの数字が際立つわけだが、ロブ・ジョンソンと城島との間に、「2点の差」がある。このことをよく覚えておくといい。
この差はウオッシュバーンに限らず、大半の先発投手で成り立つ。
(この計算は5月13日のもので、5月18日には捕手城島で5回6失点でノックアウトだから、実際には5月18日には城島の数値は6.00にまで悪化いる)

ジョンソン 31回自責点6   1.74
城島    10回自責点4   3.60
(5月18日時点では、城島は 15回自責点10 6.00)
防御率=(自責点×9×3)÷(投球回×3)で、計算

ジョンソンの場合、5月13日までのCERAが3.20程度で、RAve(平均失点)も3.53程度と優秀だ。
ウオッシュバーンとロブ・ジョンソンのバッテリーなら、7回を投げたウオッシュバーンが自責点1から2でマウンドを降り、その後、ブルペン投手が0点から1点の失点。トータルでは、最良で1点、最悪でも3点までの失点でゲームが終わる計算になる。
これはだいたい実際のゲームにもそっている。たとえばロブ・ジョンソンの不運な負けパターンというのは、たいていの場合、先発が2失点以内で6回以上投げて好投したにもかかわらず打線の援護がなく、試合終盤に1点とられ、3−2、あるいは3−1とかいうロースコアの負けがついているだけのことだ。

城島の場合、CERAが5.31(5月18日)、RAveが5.87(5月18日)と5点台だから、まったく話が違ってくる。
ウオッシュバーンと城島のバッテリーの場合、ウオッシュバーンは5回しかもたない計算になる。自責点は計算上では2点(だが実際にはもっと多くなる)。その後、4人ものブルペン投手を使う(またはバティスタがロングリリーフする)ことになり、ブルペンの失点をどう少なく見積もっても、3点から4点程度覚悟しなければならない。トータルの失点は確実に5点から6点の失点になる。
実際のゲームでいうと、5回までハラハラの展開、6回以降、ガタガタと投手が崩れて、終わってみれば相手に5点以上の点をとられて負ける、という感覚のゲームになる。これも、実際のゲームにそこそこ沿っている話だ。



もう一度言うが、「2点の差」は、ウオッシュバーン先発のゲームだけではなく、どの先発投手のケースでも、差の大小はあれども、成立していることは誰にでもわかるだろう。
この「2点の差」は、チームがゲームをどうマネジメントして、どう勝ちに結びつけるか、というディレクションの深部に、大きすぎる影響を与え続けている。あたりまえのことだ。捕手で「2点の差」が出れば、ゲームプランがぜんぜん違ってくる。

この事実はわかっている人には何年も昔からわかっていることだが、実際にはこんなこともアタマに入れないで発言している馬鹿が、ファンにも、BSのようなメディアにも、いまだに多いのはあきれかえる。

たとえば「リーグランキングでERAの非常に良いシアトルがこれほど勝てない原因は、すべて打線にある」などという、たわいない意見を意気揚々と書く馬鹿なファンがいる。城島の投打両面の責任をベルトレやグリフィーの打撃不振にでもすり替えたいのか知らないが、これほど大雑把すぎる意見をよく恥ずかしげもなく披露できるものだ。当人は得意げに喋っているつもりかもしれないが、シアトルの現状について、なんの説明にもなってない。
「アリーグでシアトルのERAが非常に良い」のは、ひとえに4月に城島が怪我をしてくれたおかげでロブ・ジョンソン先発試合が続き、そこで驚異的なCERAを残したジョンソンの大仕事の余波が、これほど負け続ける5月になっても統計に好影響を残し続けている、それだけのことだ。

もちろん城島の功績など、何もない。何もないどころか、城島の存在は日に日に4月には3点台以下だったチームのERAを悪化させ続け、もはや5点台に近づけようとしている。

この日に日に悪化していくERAが、チームのゲームプランにどう悪影響を及ぼすか。考えないやつは馬鹿だ。

たとえばボストン戦でBS1のアナウンサーなどは、自分でモノを考える能力が根本的に欠けているのだろうが、馬鹿のひとつ覚えのように
「4月当初のマリナーズは細かい野球ができていて、今年はひと味違うぞ、と思わせたものですが、5月に入って、どうもそういう部分が見られなくなってきた」
などと出来の悪い解説者以下のアタマの悪い自説を、何度もクチにして、暗にチームのマネジメントを批判していた。

おまえたちは馬鹿か。と、思う。
ウオッシュバーンの登板ゲームに限らず、ロブ・ジョンソンと城島の先発ゲームの大きな違いである、「2点の失点の差」がどれだけ大きい意味があるか、わからないか。

以下に、多少理由を概説するために、ウオッシュバーンの今シーズンの例をあげてみる。

例1)ロブ・ジョンソン先発マスクで、失点が2から3に抑えられるケースのゲーム構成

5月2日オークランド戦でウオッシュバーンは7回を自責点1に抑え、勝ち投手の権利をもったままマウンドを降りた。また5月7日ロイヤルズ戦でも、彼は7回を自責点1と、十分な働きをみせた。
もともと得点力の低いのはわかりきっているシアトルだが、この2例のように先発の失点が2点程度、また、ゲーム全体の失点が3から4程度でおさまるロブ・ジョンソン先発試合なら、シアトル側は1回から6回の間のどこかで得点をなんとか3点程度とっておけば、リードしたまま、あるいは同点に近い僅差の展開でゲーム終盤を迎えることができる。
リードして終盤を迎えるのだから、当然、投入するセットアッパーも、アーズマ、ケリーといった、勝ちゲームに登板する、信頼に足る質のいいブルペンを投入することもできる。
また、こういったゲームでは打線へのディレクションが違ってくる。
僅差ゲームだけに、細かい戦術を駆使しても意味はあるわけで、バント、盗塁、進塁打、エンドラン、四球、監督の試みるさまざまな戦術に意味がでてくる。観戦者もゲームを楽しむことができる。

「4月には細かい野球ができた」という背景には、このロブ・ジョンソン先発ゲームの存在は欠かせなかった。
2009年4月、ロブ・ジョンソンは先発投手の防御率2.85で4月を乗り切った。

5月2日にウオッシュバーンの勝ちが消えたのは、頼りになったセットアッパー・ケリーがDLで不在で、リリーフしたロウとアーズマが揃って1失点ずつ失点したための逆転負け。5月7日に負けがついたのは、打線の援護がなかっただけのことだ。先発としてのウオッシュバーンのピッチングにはなんの問題もなく、ゲームは作れている。
また4月末のロブ・ジョンソン先発ゲームでも、5月2日のウオッシュバーン同様、先発がQSしたのに負けたゲームはいくつかある。

例2)城島先発マスクで、ゲーム失点が5を越えるケースのグダグダゲーム
例1であげたようなロブ・ジョンソン先発ゲームのようなゲームディレクションは、試合前半でたいてい4点程度失点する城島先発マスクのゲームでは、まったく違ってくる。ゲーム自体がかなり大雑把で、大味なものになってくる。

失点もさることながら、城島の先発ゲームでは、失点の有る無しにかかわらず、四球が多い。そのため先発投手は、大量失点で降板が早まるだけでなく、四球乱発でタマ数が増え、100球制限に達するイニングがロブ・ジョンソンのゲームより1イニング、2イニング、早くやってくる。

このため城島先発ゲームでは、先発投手が7回までマウンドにいることなど、ほとんど無い。よくあるパターンは、1回から3回の間の失点でノックアウトか、5回までのイニングで4失点以上してマウンドを降りるケース。当然ながら、QS(クオリティ・スタート)する投手は滅多にいない。

また、どの投手交代のケースでも、投手をかえる理由は相手チームにリードを許したためだから、当然、良いピッチャーはあまり登板させられない。リリーフが打ち込まれる確率は当然高くなり、さらにリードを広げられ、最終回を待たずに大量点差でゲームが決まって、ゲームがしらける、ということになる。

打撃面の影響も大きい。ある意味では投手よりもずっと大きいかもしれない。

失点が多く、失点しなくても四球が多いため、シアトルの野手の守備時間が長くなりすぎる。ただでさえ集中力がないシアトルのプレーヤーたちは、モチベーションが大きく損なわれる。

攻撃面でのディレクションにも、多大な影響がでてくる。

1点差なら「細かい野球」をしていても意味はある。だが、城島先発ゲームでは点差が開く。だから1塁にランナーが出たからといってバントするような細かい指示をするわけにはいかない。監督は打者にヒッティングさせざるを得ない。
もともと進塁打を打ったり、四球でランナーをためたり、バントをしたり、何人かで1点を獲りに行く野球が苦手な大雑把なチームカラーだが、その雑なカラーが相手チームの大量リードでさらに助長され、ランナーがいるのに、だらけた大雑把なバッティングばかりが増えていく。ダブルプレーが増え、打撃の効率がガクンと下がる一方、何も考えずにバットを振り回すだけのフリースインガープレーヤーがゲームで単発の長打をマグレで打って、ハバをきかすようになる。

5月の城島先発ゲームは、終盤に点差があるゲームばかりで、細かい野球ができにくくなる一方、ヒッティング指示が多くなることでマグレのホームランを狙いたいタイプの打者が、ここぞとばかりにバットを振り回しはじめて、ほんのたまにマグレでホームランを打つかと思うと、三振やダブルプレー、ポップフライの山を築きながら、チーム打率とチーム出塁率が異常に低下していく、という、そんな図式だ。

なにか言葉で言うと、むつかしく聞こえるが、こんなこと、城島が入団以来ずっと続いてきたシアトルの構造的欠陥であって、わかる人はとっくにわかっている。わかっていないのはBS1のアナウンサーや解説者、役にもたたないブログや記事を書く程度の能力しかない丹羽のような提灯持ちのライター、城島オタくらいのものだ。


途中いくつか大雑把な計算に終始した部分もあるが、トータルにみれば、シーズンの大半のゲーム展開が説明できるはずだ。

城島を抱え込んだことでシアトルが負債として背負ったのは、なにも金銭的な負担ばかりではない。
守備面でもっとも重要な負債のひとつは、この「2点」という負債だ。



今日のゲーム、結局、スコアだけ見れば6失点だが、とてもとても6失点で終われるような、そんなゲームではなかった。中盤以降、何度、無死や1死で得点圏にランナーが出たことか。
テキサスが個人LOB総計28もの残塁をしてくれたおかげで延長に突入できただけのことだ。そのなかには8回裏に城島のパスボールから招いた2死2、3塁のピンチなども含まれる。
11回裏のサヨナラ負けの発端は無死でシングルを打ったマイケル・ヤングの2盗。ジョシュ・ハミルトンが歩いて、無死1、2塁。あとはもうどうしようもない。

城島のスタメンゲームはホームランが出れば手を叩いて喜ぶだけの2008年までの草野球にどんどん逆戻りしていく。そのことを、ちょっとまわりくどく説明してみる。

Seattle vs. Texas - May 13, 2009 | MLB.com: Gameday

(2)に続く。
2009年5月13日(2)、ロブ・ジョンソンと城島の間にある「2点の差」がゲームプランに与える莫大な影響を考える。




May 13, 2009

予想通り、城島先発マスクで7失点。もはや捕手防御率を計算する必要すらなくなった。

ゲームはまだ終わっていないが、この日8LOBと大ブレーキになっていたはずのハミルトンに、ゲーム終盤に2ランを打たれたのが決定的。テキサスは6回の満塁のように、2巡目以降はチャンスを作りだしていたが、追加点をとられずに済んでいたのは、ひとえに、たまたまハミルトンにタイムリーが出なかったことが幸いしていただけのことだった。

あとで詳しく書く。夜にでもまた読んでもらおう。
ぶっちゃけ、城島がダメ捕手かどうか説明する必要など、もうない。わからないやつは、もともと野球を見る目などなく、馬鹿なだけなのだ。


さて。データが出揃ったので一部書く。

某掲示板で「ロウが調子が悪いのがいけない。城島のせいではない」などと馬鹿げたヨタ話をほざいている城島オタを見かけたが、よく恥ずかしくないものだ。何もわかってない。

5月10日に連敗を6で止めミネソタに勝ったゲーム(先発:ベダード)で5回途中から投げたロウと、5月12日のテキサス戦(先発:バルガス)で捕手城島で大炎上したロウは、どちらのゲームでも32球ずつ投げている。比較にちょうどいい。
自分の頭と目で確かめてもらおう。余計な解説など、いらないはずだ。
凡例:スラ=スライダー、チェ=チェンジアップ


5月10日ミネソタ戦無失点のロウ(捕手 ロブ・ジョンソン)
まずは5月10日に連敗を6で止めたロブ・ジョンソンとロウのバッテリーからだ。どうだろう、このシンプルさ。5回途中にベダードをリリーフし、2イニングを無失点に抑えた。
5月10日ミネソタ戦 GameLog | Mariners.com: News
5月10日ミネソタ戦 GameDay | MLB.com: Gameday

全32球 ストライク16球 ボール16球
球種4シーム20 スライダー6 チェンジアップ6 
左打者への第1球 4シーム4 チェンジアップ1
右打者への第1球 4シーム1 スライダー1

右ハリス    スラ スラ 4 スラ 4 スラ(四球)
右レッドモンド 4 4 (インコースに2球続けて)
右ゴメス    4 スラ 4(インコース)
左プント    4 4 チェ
左スパン    4
左トルバート  4 チェ 4 4 スラ 4 チェ 4 4 (四球)
左マウアー   4 チェ 4 チェ
左モーノー   チェ 4 4 4
*プント、トルバートはスイッチヒッター


次に、5月12日テキサス戦で城島を捕手に3失点してノックアウトされたロウの32球を見てもらう。
5月10日のロウと5月12日のロウに、あまりにも多くの違いが見つかることだろう。5つやそこらは即座にみつけてもらいたいものだ。
そして、さらに4月8日のシルバの登板でのチェンジアップについてのワカマツのインタビューなどを重ねあわせて読むとさらに何かわかるかもしれない。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年5月9日、シルバDL送りの背景を1ヶ月前の「城島の小手先の投球術いじり」に関するミネソタ戦記事に見る。
http://blog.livedoor.jp/damejima/archives/906015.html


5月12日テキサス戦3失点のロウ(捕手 城島)
こちらは5月12日にノックアウトされたロウ。コンピューターのプログラムやスクリプトでたとえるなら、まさに「汚いプログラミング」という表現がぴったりの右往左往ぶり。
ロウという投手の「アイデンティティ」をどう生かしたいのか、さっぱり伝わってこない。ただただ臆病に逃げ回りながら、投手を自分のいいように振り回しているだけである。
5月12日テキサス戦 GameLog | Mariners.com: News
5月12日テキサス戦 GameDay | MLB.com: Gameday

全32球 ストライク23球 ボール9球
左打者への第1球 全球チェンジアップ
右打者への第1球 スライダー3 チェンジアップ1 4シーム1

右キンスラー  スラ カーブ スラ スラ 4 スラ 4 チェ
右ヤング    スラ   4(シングル)
左ハミルトン  チェ 4(2ラン)
右ジョーンズ チェ カーブ カーブ カーブ 4(シングル)
右バード    4(ダブル)
右クルーズ   スラ スラ  スラ(犠牲フライ) 
左デイビス   チェ(1塁手エラー) 前打席 カーブ ホームラン
左サルタラマキア チェ チェ 4  チェ 4 チェ(ダブル・タイムリー)
*サルタラマキアはスイッチヒッター

なお、ロブ・ジョンソンと城島の違いを際立たせるため、初球から4球目程度の間で、Called Strike(=見逃しのストライク)またはSwing Strike(=空振りのストライク)を、あえて太字に、ボール判定の見逃し球を青色にしてみた。
テキサス戦でのロウが、1ボール2ストライク、ないしは、2ボール2ストライクというシチュエーションに毎度立たされていることがわかる。
城島がロウに対して要求しているカウント・シチュエーション、中心になる球種、遊び球とか称する球の使い方など、あらゆる部分がロブ・ジョンソンと違うことに気がつくことだろう。
ワカマツが4月8日のゲームで苦言を呈したチェンジアップも非常に多投されている。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年5月9日、シルバDL送りの背景を1ヶ月前の「城島の小手先の投球術いじり」に関するミネソタ戦記事に見る。
http://blog.livedoor.jp/damejima/archives/906015.html



May 12, 2009

2008シーズンにシアトルは年間100敗しているわけだが、この惨憺たるシーズンの行く末を決定づけたのは、月間20敗を記録した「崩壊の5月」である。
2008年5月の月間勝敗(公式サイト)

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2008年9月24日、12連敗を経て城島はシーズン100敗捕手となった。

いま見ても酷いものだ。月間7勝20敗。4連敗、5連敗、7連敗がそれぞれ1度ずつ記録されている。
このうち城島がマスクをかぶった試合は20試合で5勝15敗、勝率わずか.250しかない。
城島先発ゲーム+後で述べるクリーブランド戦、これだけでシアトルは月に10もの借金を作った。


以前一度記事にしたことがあるが、月間20敗という記録は、馬鹿みたいに負け続けるシアトルでさえ、そう滅多にある記録ではない。
月間20敗以上の記録は過去、記録の古い順に、1977年8月(6勝22敗)、1978年9月(7勝21敗) 、1980年8月(8勝21敗)、1983年6月(8勝20敗)、1989年8月(9勝20敗)、1992年9月(6勝20敗)、そして2008年5月(7勝20敗)と、計7回記録されているが、2008年以外の記録は全てが8月か9月、つまりポストシーズンの行方が決まってしまい消化試合+若手育成期間になった秋の記録ばかりであって、2008年のように、まだシーズン当初の5月に月間20敗などという記録を作った正捕手は球団史上、城島が初めてなのである。
An historically bad month avoided, barely
http://blog.seattlepi.com/baseball/archives/139946.asp

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2008年5月29日、城島の「球団始まって以来、最もダメな正捕手記録」。

この月を象徴するゲームのひとつが、先発バティスタ捕手クレメントのバッテリーで始まった2008年5月1日のアウェイのクリーブランド戦だろう。バティスタが7回を自責点1に抑えてマウンドを譲った。にもかかわらず、打線が打てない。9回表にイチローのヒットなどでなんとか延長にもちこんで、10回表には、なんと打てないシアトルの代表格セクソンのソロが飛び出して1点勝ち越した。
だが、問題はここからだった。よせばいいのにクレメントに代走を出した関係で、10回11回と城島がマスクをかぶった。
結果は悲惨なものだった。それぞれのイニングで1点ずつ失って、最後は11回裏の満塁からサヨナラ負け。脱力するしかないゲーム展開である。
ちなみにこの2008年5月開始時点クリーブランド戦での城島の打率は.175。5月終了時点でも.228と、ミリオネラーにふさわしい、素晴らしい数字が残っている。
Seattle vs. Cleveland - May 1, 2008 | MLB.com: Gameday
城島の2008年5月時点の打撃成績 − ESPN
http://sports.espn.go.com/mlb/players/gamelog?playerId=6458&year=2008


この2009年5月を、昨シーズンの「崩壊の5月」と比べてみてもらおう。

5月10日までの10試合、3勝7敗。勝率.300しかない。
もし仮に、5月10日のロブ・ジョンソン先発ゲームを落としていたらどうなっていたか?

2勝8敗、勝率.200。

そう。
あの悪夢のような2008年5月の勝率.259すら越える悪い勝率が待ち受けていたのである。10日のゲームの勝利がどれだけの意味をもっていたか、わかるだろう。よくある、ただのデーゲームではなかったのである。


ここまでのロブ・ジョンソンと城島の先発試合の失点を並べてみる。

ロブ・ジョンソン 3 7 3 3     
計16点 ゲーム平均 4点
城島       7 7 6 9 11 9 
計49点 ゲーム平均 8.17点
Rob Johnson 出場ゲームリスト - ESPN
Kenji Johjima 出場ゲームリスト - ESPN

防御率の計算すら必要ない。ひと目見ればわかる。


ロブ・ジョンソンがいくら失点を抑えようと、イチローが必死にヒットを生み出そうと、毎試合、懲りもせずに8点もの大量失点してくれる頼もしい城島がいるかぎり、シアトルの2009年5月はおそらく2008年5月と肩を並べるか、もしかすると、2008年を越える、史上初の素晴らしい「新・大崩壊の5月」になるに違いない。

今月は残り19試合。
復活してきたLAAとの7ゲームはじめ、BOSなど強豪とのゲームが続く。3勝7敗の現在、5月残り19ゲームを6勝13敗以下なら、城島は球団史上初の記念すべき金字塔「2年連続5月度月間20敗以上」が待ち、さらには「2年連続100敗」の記録も見えてくることだろう。


登板日  登板回数・自責点 先発捕手
4月7日  5回自責点3    城島
4月12日 8回1/3自責点0 ジョンソン QS 完封リレー
4月18日 6回自責点1    ジョンソン QS
4月24日 6回2/3 自責点2 ジョンソン QS
4月29日 5回自責点3    ジョンソン
5月5日  7回自責点1    ジョンソン QS
5月10日 4回2/3自責点2  ジョンソン




May 11, 2009

この記事でとりあげるのは、一度記事にした4月8日ミネソタ戦逆転負けのゲーム後の、ワカマツ監督へのインタビューである。
書いているのはMLB.comのシアトル番記者ジム・ストリート。試合後の番記者による会見が終わった後、監督ワカマツが城島とシルバの2人を呼び出して投球の選択について話をした、という内容だが、ワカマツの話の内容のもの足りなさといい、この記事を書いた記者の認識の誤りといい、あまりに事実と異なる間違いだの、認識不足だのが散在していて、しっかり読みとくにはかなりの注意が必要な、やっかいな文章だ。

Wakamatsu asking for accountability | Mariners.com: News
http://mlb.mlb.com/news/article.jsp?ymd=20090409&content_id=4187404&vkey=news_sea&fext=.jsp&c_id=sea&partnerId=rss_sea
4月8日のゲームデイ
Seattle vs. Minnesota - April 8, 2009 | MLB.com: Gameday


5月9日にシルバはDL送りになって城島の糞リードの責任をとらされる形になったわけだが、1ヶ月前にはこんな笑える記事もあったことをご存知だっただろうか? 
今回のシルバのDL送りの背景で、城島と監督ワカマツがどうかかわったのか。ワカマツが城島をどうほったらかしにし、どう甘やかしてきているか。
このブログの主筆にしてみれば当たり前のことばかりだが、そんな基本的なことを理解できないままゲームを見ている人も多いはずなので、詳細に書きとめておくことにする。

まず一言ずつ言っておこう。
シルバ欠点だらけだが、投球術そのものを他人にいじくり倒されたこのケースでは気の毒。
ワカマツは城島を甘やかすな。適当にモノを言うな。
ジム・ストリートは嘘を書くな。


さて、記事の分析にかかろう。細部は記事後半に掲げたこのブログによる翻訳を読んでもらうとして、要旨はこんなところだ。

初回と2回にホームランされたチェンジアップは城島のアイデア(これは記事本文が証拠で確定)
城島は、シルバのシンカーが狙われていることを理由に、シルバのピッチングをいじくった。具体的にはチェンジアップに逃げてホームランを2発食らい、4点失った(ここも事実として確定)
捕手出身の監督であるワカマツは、城島がシンカーをメインに組み立てる投手であるシルバにチェンジアップを投げさせて打ち崩されたことが気にいらなかった
・3回以降はシンカー中心の組み立てになり、見違えるほどよくなった(と、ワカマツと記者は見た)


最初の2点については、「なるほどな」というところだ。
やはり城島はメジャーで投手のピッチングにいらぬ世話を焼いては、ゲームを壊し、投手のアイデンティティを壊し、チームを壊していっていたのである。

だがそれ以外の点は後で読むと、指摘しなければならない問題点があまりにも多すぎる。4月8日のシルバ登板のミネソタ戦で逆転負けした理由をワカマツは結局のところあまりよくわからないまま、結局放置したのではないかと思わせるフシがある。
それは城島問題を放置するのと意味はかわらない。
城島が投手のピッチングを無駄にいじってアイデンティティを壊すのをワカマツが放置し、5月に入ってチームの状態を最悪なものにしたとしたら、これは大問題なのだが、ワカマツはおそらく、今でも5月にチームが崩壊しつつある事態の根(root)の所在がわかってはいないのではないか。

4月8日のこのゲームの敗因も曖昧なままでは、5月の突然のチーム崩壊と城島の先発マスク復帰との深い関連も認識できるはずもない。

短く言うなら、監督ワカマツはシアトルというチームを根底からダメにしてきた「城島問題」を甘く見ている。



次に、インタビューの内容で、事実と異なる点、問題点を指摘しておく。

・シルバは元々どうあがいても単調になりがちな投手である。例えばシルバの場合のシンカーとチェンジアップの違いは、球筋の大きな違いではなく、多少の緩急なはずだが、球速でいうと約10キロ程度の差しかない。そのため適応力の高いメジャーの中心打者たちは容易に反応を変え、打ち崩してくる。ただでさえ連投されるシンカーに目が慣れた後に来るのが、キレがなく、中途半端に速度だけはあるチェンジアップでは、打撃投手のタマ以下の効果しかない。またシルバのシンカーとストレートはほぼ同じ速度で、速度に差がなく、打者への揺さぶり効果が少ない。
その彼の単調になりがちな投球術を小手先でいじって、決め球やカウント球ににチェンジアップをもってくれば、アウトロー一辺倒の単調な攻めでもなんとかなると考える単調な脳しか無いダメ捕手城島は、工夫のなさすぎるダメ捕手、馬鹿捕手もいいところ。

・監督のワカマツと記者は、3回以降にシンカー中心の組み立てになって「投球ぶりが見違えた」などと、わけのわからないコメントで記事を垂れ流している。
だが、とうの昔、4月8日当時にもこのブログで指摘しておいたように、5回モーノーに決勝点となる逆転2点タイムリー・ツーベースを打たれたのは、ほかでもない、そのシンカーの馬鹿連投である。

・文中でワカマツと記者は、第2打席のモーノーにシンカーを連投してセカンドゴロに仕留めたことを褒めている。
だが彼らは5回の2死2、3塁のピンチで、同じ投球パターンで第3打席のモーノーに決勝点となる逆転2点タイムリーを打たれたことを語っていない。城島はたまたまモーノーの第2打席でうまくいったに過ぎないまったく同じパターンを、第3打席でも繰り返した。シルバにシンカーをアウトコース低めに連投させ、2点タイムリーを打たれたのである。WBCの対韓国戦で、打者の2巡目以降にスライダー系を狙い打たれたのと同様の単調なパターンでもある。
このことがワカマツとジム・ストリートのアタマにまったくなくて得意気に話しているのなら、馬鹿の骨頂としかいいようがない。

・名選手ハーシュハイザーの謹言をひきあいに出して「打者の欲しい球種を投げろ。ただし、打てないコースに」などといっているが、城島がシルバ登板試合でやってきたリードとは「打者が、来ると100も承知しているシンカーを、しかも同じコース(左打者ならアウトロー)に、何度も何度も、馬鹿のひとつ覚えのように連投すること」なのであって、ハーシュハイザーの謹言とは、まったく何の関係もない。ごくわずかな関連すらない。

・文中、『責任』というキーワードを強調しているワカマツだが、「投手にはそれぞれの長所を中心にすえたピッチングをさせる。シルバの長所はシンカー。チェンジアップはサードピッチに過ぎない」などということを言っているが、そのシルバにアホで単調なリードしかできない城島を組ませて負け続けさせ、チームを下降線に導いた『責任』は、ワカマツ自身はとれるのか? そしてシルバをDL入りさせて上げてきた投手にはマトモなキャッチャーを組ませてやれるのか?

・チェンジアップを投げさせるリードはその後、シアトルでは全くやらなくなったのか?
そんなわけがない。
例えば4月25日にシルバが強敵LAA相手に302日ぶりに勝利したゲームだが、ロブ・ジョンソンは2球どころか、もっと多くのチェンジアップをシルバに投げさせて、5回を3失点にとどめて勝たせている。
チェンジアップがよくないのではない。球種の使い方、単細胞なダメ捕手が問題なのだ。
Seattle vs. LA Angels - April 25, 2009 | MLB.com: Gameday

城島とロブ・ジョンソン、2人のキャッチャーの、シルバに対するチェンジアップの要求パターンはまったく違う。4月8日と4月25日ののゲームデイをそれぞれ分析してみればわかる。城島がカウントをとる球や、打席終盤に使うのに対し、ロブ・ジョンソンは違うパターンで使っている。

・ハーシュハイザーの言う、同じ球も使い方次第というワカマツの指摘自体は間違ってはない。
コミュニケーションが大事だ、というのなら、投手やベンチとコミュニケーションがとれず、監督の指示のエッセンスがいつまでたっても実行できない城島のようなダメ捕手を正捕手にすえるのはやめるべき。
もし城島を使い続けてチームが2008年同様に破綻するなら、ワカマツは監督を即座に辞めるべき。

4月8日ミネソタ戦1回モーノー ホームラン1回のモーノー
インコースのチェンジアップ
2ランホームラン

2回には1番打者スパンにも
チェンジアップをホームランされている

4月8日ミネソタ戦3回モーノー セカンドゴロ3回のモーノー
全球シンカー連投
セカンドゴロ

自分のアイデアで始めたチェンジアップだが2発の2ランを浴びてビビり、シンカー連投に戻った城島。
打ち取ったシンカーは、ただコントロールミスが幸いして、球がインコースに行っただけの話。

4月8日ミネソタ戦5回 モーノー逆転2点タイムリー5回のモーノー
3球目を除いて、全球シンカー馬鹿連投。
決勝点となる逆転2点タイムリー。


Wakamatsu asking for accountability
責任を求めるワカマツ

MINNEAPOLIS -- Catcher Kenji Johjima seemed surprised when told after Wednesday night's loss to the Twins that manager Don Wakamatsu had questioned two particular pitch selections.

水曜夜のツインズ戦に敗けた後、監督ドン・ワカマツが特定の2つの投球のチョイスについて疑問を投げかけた模様で、キャッチャー城島は驚いたらしい。

Each time, Johjima thought the batter was sitting on right-hander Carlos Silva's sinker, so the catcher decided to surprise the hitters by getting Silva to throw a changeup. Each time, the ball landed in the seats for a home run, producing four of the Twins' six runs in another one-run loss.

城島はミネソタの打者がいつも右投手カルロス・シルバのシンカーにあっている、と考えたので、城島はシルバにチェンジアップを投げさせることで打者を驚かせよう、と決めていた。そのチェンジアップはいずれもームランとなって外野席に放り込まれた。別の1点の失点を除けば、ツインズの6点の得点のうち、4点を生み出した。(太字:ブログによる)

Several minutes after the media left the clubhouse, Wakamatsu, Johjima and Silva had a meeting to discuss the 6-5 loss.

"Believe me, as a former catcher, I don't sit back there and say, 'That was a stupid call'," Wakamatsu said Thursday morning. "I was not trying to signal anybody out, but it was getting down to what we need to do. We're not pointing fingers. What we're saying is what happened is not acceptable."


メディアがクラブハウスを出た後、数分間、ワカマツ、城島、シルバは、6-5の負けについて討議するミーティングをもった。

「わかると思うけど、僕はキャッチャー出身だから、(そのディスカッションで)何もしないわけはないんでね、言ったんだ。『あれは愚かしい投球選択だった』とね。」と、木曜の朝ワカマツは言った。「私はシグナルを出そうとしてるわけじゃないが、でも、すべきことはビシっとやらないとね。我々は人差し指じゃない。言ったのは、いま起きてることは許容できない、ということ。」(注:太字はブログによる)

Communication and accountability are two words that ring loudly in the reorganized organization.

"The biggest thing we talked about in Spring Training was accountability and I am included," Wakamatsu said. "We told them, 'You need to have a head on your shoulders and understand what your best pitches are. We can adjust during the game.' We've always talked about pitching to our strengths. The hitter's weaknesses are secondary."


コミュニケーションと責任、これはチームの再編で強調された2つのキーワードである。

「スプリング・トレーニングで話した最大のポイントは、『責任』だ。そして、そこには僕も含まれる」とワカマツは言う。「誰でも首の上にはアタマがついてるんだし、何がベストピッチか、自分で理解する必要があると、シルバと城島の2人に言ったんだ。ゲーム中だって適応できるはずさ。いつも私たちは(投手側の)長所にそったピッチングについて話している。打者側の弱点(への対策や対応)は二次的な問題なんだ。」

And so, when Wakamatsu saw the results of Silva throwing his third-best pitch in the first and second innings to Justin Morneau and Denard Span, and then watched both balls fly, fly, away, it didn't sit well with the first-year skipper.

The changeups reminded Wakamatsu of something former Major League pitcher and Rangers pitching coach Orel Hershiser said."Orel used to say, 'Give them the pitch they are looking for, but put it in a place they can't hit it."


1回と2回に彼のサードピッチ(注=得意でない球種。この場合はシンカーとストレート以外の球、という意味。3番目に得意という意味ではない)をモーノーとスパンに投げ、ボールがはるか遠くへ飛び去っていく(注=ホームランされる)結果をワカマツが見て、1年目の船出をした船長にはどうしても納得がいかなかった。
打たれたチェンジアップは元メジャーのピッチャーで、レンジャーズの投手コーチ、オーレル・ハーシュハイザーが言ったことをワカマツに思い出させた。
「オーレルはよく言ってたもんさ。『打者が欲しがってる球を与えてやれ。ただし、彼らがそれを打つことができない場所に投げろ』とね」

It was after the second inning when Silva and Johjima went basically to the sinker and the difference was like night and day.

When Silva faced Morneau the second time, he fouled off several pitches the opposite way before grounding out to second base.

"We're trying to get Carlos back to what made him successful and we saw a lot of good things last night," Wakamatsu said. "There was more sink and it reminded me of the way he pitched when he was successful."


シルバと城島が基本的にシンカー中心にしたのは2回より以降のことで、その差は昼と夜の差くらい、歴然と違っていた。
シルヴァとの2打席目でモーノーは、セカンドゴロでアウトになる前に、いくつかの球を違う方向にファールしていた。
「我々は彼がかつて成功を収めた方向にシルバを呼び戻そうとしているんだ」とワカマツは言う。「より多くシンカーを投げるように(3回以降)なって、彼(=シルバ)が成功していたときの彼の投球術を思い出したよ。」

Wakamatsu said he has the liberty of calling pitches from the dugout, but would rather not go that route.

"We're just starting to work together," the manager said of Johjima. "How long have we been together? I am not going to back away. That's the way I saw the game and those were the two pitches that took away from an otherwise solid outing. We go forward."

Johjima was out of the lineup for Thursday afternoon's series finale against the Twins, but it had nothing to do with the previous night's game. The game plan all along was to start Rob Johnson.


ワカマツは、(監督には)ダッグアウトからピッチャーを告げる自由があるが、そういうやり方はしないと言う。
「私たち(=ワカマツと城島)は一緒に仕事しはじめたんだ。」とワカマツは城島について言う。 「どれくらい長く我々は一緒にいる? 私は問題を敬遠しあうつもりはないんだ。それが僕の野球の見方だし、ほかの点では安定した結果だった今日のゲームの価値を落としたのが(最初に言った)2球の投球だった。我々は前進してるよ。」
城島はは木曜日の午後の対ツインズ最終戦のための先発からはずれていたが、それは前の晩のゲーム(=4月8日のミネソタ戦の負け)と関係はない。ロブ・ジョンソンの起用のためのゲームプランはずっとあった。



このオークランド戦の延長15回の勝ちゲーム、先発マスクが城島であることから、このゲームを締めたのも城島、と、勘違いしている人もたぶん大勢いることだろう。そんなゆるゆるの見方をしているから、いつまでたっても勘違いしたまま野球を見てしまうのである。
14回、15回のオークランドの攻撃を0点に抑えこみ、3三振を奪ったのはバルガスとロブ・ジョンソンのバッテリーであり、バティスタと城島の最悪コンビではない。この2人はとっくに13回でゲームから退いている。
Oakland vs. Seattle - May 3, 2009 | MLB.com: Gameday
http://mlb.mlb.com/mlb/gameday/index.jsp?gid=2009_05_03_oakmlb_seamlb_1&mode=gameday

4-4のタイスコアで迎えた13回表、アウェイのオークランドの先頭デイビスが四球で歩いた。この時点でのシアトルの投手は今シーズン4月に、ほんの一瞬だけセットアッパーとしてのわずかな可能性をみせたバティスタだが、捕手がバティスタとは相性最悪な城島である。本来延長戦で使える組み合わせであるわけがなく、当然のように3失点した。

デイビスは2008年に52本しかヒットを打っていないにもかかわらず、29盗塁をマークしている俊足。オークランドにとっての走塁要員である。だからこそ、延長13回にもなって先頭バッターを歩かせること自体が間違っているし、まして打撃はさほどでもないデイビスは四球は願ったり叶ったりで、走る気満々だった。

案の定1塁ランナーのデイビスが走った。肝が小さく、ピンチでは頭の中がいつも真っ白になることで知られる城島が悪送球。デイビスはサードにまで達し、ノーアウト3塁。延長13回で無死3塁などというとんでもないシチュエーションが、城島の悪送球から生まれた。さらにデッドボールをからめて、2死1,3塁になり、パウウェルに2点タイムリーを打たれた。

パウウェルにどう打たれたのかも問題だ。
このイニングの先頭のデイビスからパウウェルに至るバッターへの配球の単調さを見てみればわかる。「ストレートでカウントを整え、決め球はスライダー」。法則性は、たったこれだけ。こんな高校野球まがいの低脳な法則性しかみられない組み立てで延長戦を乗り切ろうとするのだから、馬鹿もいいところだ。パウウェルにはフルカウントからスライダーを置きにいって、2点タイムリーを打たれた。

ゲームはこの裏、イチローのタイムリーなどでシアトルが奇跡的に同点にし、15回裏に相手のエラー、イチローの四球などから満塁にしてサヨナラ勝ちすることになるのだが、こんな奇跡はただの実力以上のマグレに過ぎない。
人間には確かに「火事場の馬鹿ヂカラ」は備わっている。だが毎日火事が起こるようになれば「火事場の馬鹿ヂカラ」は消失するのが当たり前だからである。


それにしても監督ワカマツとやらは、「城島問題」を認識していなさすぎる。バティスタ、シルバ、ジャクバスカス、ベダード、ウオッシュバーン、これらの投手を使うなら城島を使うべきではないわけだが(というか、メジャーでマトモなベースボールをしたいなら城島を雇うべきではないわけだが(笑))、そのあたりもわからずに選手起用を間違えたまま敗戦し続けるようなら、5月に入ってのチームの急降下の原因など理解できはしない。
「城島問題」を理解しないまま勘違いした采配をし続けるなら、秋か来年には解任の憂き目にあうことだろう。



May 09, 2009

シーズン100敗を喫した2008シーズンが開けた2009年4月のシアトルは、奇跡的に首位で開幕の1ヶ月を乗り切ったわけだが、この要因はもちろん、城島が4月15日に怪我をしてくれて欠場してくれたおかげである。
城島がいないことで先発投手全体が好調さをキープできた。ローランドスミスの怪我で急遽ローテ投手入りしたジャクバスカスもなんとか仕事をこなし、あいかわらずのシルバさえ302日ぶりの勝ち星を掴んだ。


ロブ・ジョンソン先発マスクのゲームは、ローランド・スミスの代役ジャクバスカス先発の3ゲームを除くと、なんと7勝2敗、勝率.778、先発投手のQS率77.8%、防御率2.14にも及ぶ。またジャクバスカスの3敗をカウントしたとしてもまだ勝率は.588もあり、QS率も66.7%ある。
(アメリカンリーグの2007年データでQS率が7割越える投手はほんの5人ちょっとしかいないのである)

これだけでもかなりのデータだが、それだけではない。
ベダードが8三振を奪い自責点1ながら負けた4/18のデトロイト戦、ジャクバスカスが好投して8回を投げ切りながら負けた4/28のホワイトソックス戦などをみてもわかることだが、打線さえ、もう少しマトモに機能していれば、もっともっと先発投手たちが勝ち星を稼ぐことができた。

ただ、僅差のゲームとは言ったが、必ずしも相手チームにほとんどヒットを打たれていないゲームばかりだ、という意味ではない。
ゲームログで対戦チームのヒット数と残塁数などを調べるとわかる。10安打以上打たれたりしたゲームも多数あるわけだが、そのわりに個人LOBの総数が15から20の間になるゲームが多い。
つまり、ランナーは出すものの無失点に抑えるとか、カウントが悪くなったりしても四球を出さずにバッターを打ち取る、そういうケースが非常に多く見られる、ということだ。これについてはロブ・ジョンソンの功績といっていい。


5月の展望?
もちろん、明るくない。いつものマリナーズに戻るだけだ。

よせばいいのに2008年の戦犯城島を先発マスクに復帰させたわけだから、当然、これから防御率は悪くなり、勝率は下がり、チームの雰囲気は悪くなる一方だろう。
いわゆる「城島問題」もひそかに再燃していくのではないか。5月当初のウオッシュバーンやベダードの動向を見ていればわかることだが、彼らはすでに、明らかに城島とバッテリーを組むのを避けている。非常に賢明な選択である。

打線はまるで機能しなくなっていくだろう。4月の開幕当初の2週間ほどは打線は機能していたが、急激に2008シーズンの雰囲気そのままの打線になりつつある。どんなシチュエーションでも、進塁打のひとつも打てずにポップフライを打ち、振り回して三振を繰り返し、四球は選ばず、やたらと併殺を繰り返す。「いつもの」シアトルの、無策で、無造作な、馬鹿っぽい打線の雰囲気に戻りつつある。

ロブ・ジョンソン先発マスクのゲーム

4/9 ウオッシュバーン 8回 0点
 
4/12 ベダード     8回1/3 0点
(4/15 ウオッシュバーン 6回 2点 4回裏 城島→ジョンソンに交代)
4/16 ジャクバスカス  5回1/3 2点(負け投手 ジャクバスカス)
4/17 ヘルナンデス   6回 3点
4/18 ベダード     6回1点(負け投手 ベダード)
4/21 ウオッシュバーン 7回2点
4/22 ジャクバスカス  3回1/3 6点(負け投手 ジャクバスカス)
4/23 ヘルナンデス   7回 0点
4/24 ベダード     6回2/3 2点
4/25 シルバ      5回 3点
4/28 ジャクバスカス  8回 2点(負け投手 ジャクバスカス)
4/29 ベダード     5回 3点(負け投手 ケリー)

先発マスク12試合 7勝5敗
(城島負傷退場ゲームの1勝を除く)
勝率 .583(貯金2)
QS回数 8試合 66.7%
先発投手の失点 75回2/3 24点 防御率2.85



ジャクバスカスを除くと

ロブ・ジョンソン先発マスク9試合 7勝2敗
勝率 .778(貯金5)
QS回数 7試合 77.8%

先発投手の失点 59回 14点 防御率2.14



防御率=(自責点×9×3)÷(投球回×3)



May 07, 2009

ロブ・ジョンソンにとって、2つの意味で残念なゲームとなった。
Game Wrapup | Mariners.com: News
Seattle vs. Chi White Sox - April 28, 2009 | MLB.com: Gameday


ひとつは、先発ジャクバスカスの初めての長いイニングの好投。

ローランド・スミスの怪我で急遽ニューフェイスの5番手投手になったジャクバスカスだったが、ホワイトソックスをわずか2安打1四球に抑え、8回(アウェイなので9回がなかった)を1人で投げきったのだから、十分な働きだ。4回にコネルコが2アウトから2点タイムリー・ツーベースを打った、そのイニングだけが心残りだろう。

これまでの登板ゲームでは、もともと先発投手としてシーズンが始まったわけではないだけに、5イニングを投げたのが最高で1勝3敗。1勝した4月10日のゲームも、わずか2イニングしか投げていない。
この日の好投で、ジャクバスカスのERAは7.11から5.23に大きく下がった。彼が先発として多少計算できるようになることが、チームにとって大きい意味があることは言うまでもない。
Chris Jakubauskas, Seattle Mariners, MLB - CBSSports.com Baseball

2つ目は打撃。

負けた原因は、シアトルの打線。
4安打だけ、というのも情けないが、それ以上に、8三振、14もの個人LOBではどうにもならない。相手のホワイトソックスだって、わずか2安打しか打っていないのだ。

この日、唯一の長打を打ったのがロブ・ジョンソンの2塁打だった。
だが9回の1アウト1、2塁の最後のチャンスの場面でロブに打席が回ってきたとき、監督のワカマツはスウィーニーを代打に送った。結果は三振。ランナーはピクリとも動けない。

どうもこれが納得がいかない。理由はある。
スウィーニーは背中だかを痛めてしばらくゲームを休んでいた。その復帰した最初の打席がこの9回の最後のチャンス。打てというほうが無理ではないか。

4月は先発投手が好調なのに加えて、打線もなかなかの出来だったが、4月も末になると打線が湿ってきて、勝利が下がってきている。チャベスはまったく打てないし、スウィーニーもたいした打者ではないことがわかってきている。グリフィーにはもともと大きな期待はかけられない。なのにワカマツは対応がどうもワンテンポずつ遅い。

5月には投手潰しの名人、城島も復帰してくる。
チーム勝率がズルズルと下がっていくのは目に見えている。





Play Clean
日付表記はすべて
アメリカ現地時間です

Twitterボタン

アドレス短縮 http://bit.ly/
2020TOKYO
think different
 
  • 2014年10月31日、PARADE !
  • 2013年11月28日、『父親とベースボール』 (9)1920年代における古参の白人移民と新参の白人移民との間の軋轢 ヘンリー・フォード所有のThe Dearborn Independent紙によるレッドソックスオーナーHarry Frazeeへの攻撃の新解釈
  • 2013年11月8日、『父親とベースボール』 (8)20世紀初頭にアメリカ社会とMLBが経験した「最初の大衆化」を主導した「外野席の白人移民」の影響力 (付録:ユダヤ系移民史)
  • 2013年11月8日、『父親とベースボール』 (8)20世紀初頭にアメリカ社会とMLBが経験した「最初の大衆化」を主導した「外野席の白人移民」の影響力 (付録:ユダヤ系移民史)
  • 2013年11月8日、『父親とベースボール』 (8)20世紀初頭にアメリカ社会とMLBが経験した「最初の大衆化」を主導した「外野席の白人移民」の影響力 (付録:ユダヤ系移民史)
  • 2013年6月1日、あまりにも不活性で地味な旧ヤンキースタジアム跡地利用。「スタジアム周辺の駐車場の採算悪化」は、駐車場の供給過剰と料金の高さの問題であり、観客動員の問題ではない。
  • 2012年7月3日、『父親とベースボール』 (2)南北戦争100年後のアフリカ系アメリカ人の「南部回帰」と「父親不在」、そしてベースボールとの距離感。
  • 2012年7月3日、『父親とベースボール』 (2)南北戦争100年後のアフリカ系アメリカ人の「南部回帰」と「父親不在」、そしてベースボールとの距離感。
  • 2012年6月29日、『父親とベースボール』 (1)星一徹とケン・バーンズに学ぶ 『ベースボールにおける父親の重み』。
Categories
ブログ内検索 by Google
ブログ内検索 by livedoor
記事検索
Thank you for visiting
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

free counters

by Month