August 25, 2008
先日、打率でも城島を軽々と追い抜き、打撃データのすべてにおいて城島を上回ったクレメントだが、この日はオークランドの左投手2人から2本の二塁打を放って、3打点を稼ぎ出し、チームの連敗を7で止めた。8月の打率は22日までに、60打数21安打、.351を記録している。
4回の2打点は、表に先取点を取られた直後に同点としてさらに続く無死1、3塁の絶好機からのもので、勝ち越し点で、これはこれで価値がある。だが7回の打点は、2死1塁というあまり期待しづらいシチュエーションからリードを2点に広げて試合を決めたもので、こちらのほうがむしろ価値があるかもしれない。
SCORE
この22日のオークランド戦までに8月は、2連敗で始まり、クレメントの活躍でひさびさの3連勝を果たしたかと思えば、4連敗、1勝を挟んで、また7連敗で、月間6勝14敗と、酷い成績に逆戻りしつつある。8月4日の試合は実質クレメントで勝った試合だから、8月は22日までに城島は先発捕手として1試合も勝っていない。
8月に既に3度あった連敗を止めた勝ち試合の先発捕手は、全てクレメント。対戦相手は、いずれも苦手の相手や強豪相手で、バッターとしても活躍して大きな貢献をみせている。
8月3日はシアトルの苦手のボルチモア戦で、先発はなかなか調子の上がらないシルバだったが、クレメントが捕手としてなんとかシルバをもたせて白星をもぎとって2連敗を止めた。8月13日の強豪の地区首位エンゼルス戦ではヘルナンデス先発、2安打して4連敗を止め、そして22日のオークランド戦でも城島が壊しかけたフィアベントを5イニング1失点と好投させ、左投手から2本の二塁打3打点で、7連敗を食い止めてみせた。
監督リグルマンも、22日オークランド戦のクレメントについて「いい仕事。最近は左投手との対戦も多くなってるけど、困難をおしのけて進みつつあるね。いくつかステップアップし、たまに後退もあるが、今夜は大きな前進だった」と高く評価している。
野球の監督が活躍した選手を褒めるのはよくある話なわけだが、この日のクレメントにはわざわざ引用するだけの、ちゃんとわけがある。読んでも何の役にも立たないMajor.jpはじめ、日本のメディアはそのあたり、きちんと書きもしないので、あらましを書き残しておく。
http://mlb.mlb.com/news/gameday_recap.jsp?ymd=20080822&content_id=3350841&vkey=recap&fext=.jsp&c_id=sea
"Clement is doing a good job," Riggleman said. "He's been facing a lot of left-handed pitchers here lately and he's battling. He's taking some steps forward and an occasional step back. He took a big step forward tonight."
このところのシアトルの捕手は、対戦チームの先発投手が、右の場合クレメントが、左の場合は城島が、先発マスクをかぶるという、わけのわからない「相手チーム先発の左右で捕手を決めるシステム」になっている。
マクラーレンがクビになった6月中旬直後の1ヶ月あたりと比較してみれば、この激変ぶりはすぐにわかる。あたりまえといえば当たり前だがあの頃は、自軍の先発投手にあわせて捕手を選んでいた。だからベダードにはバークとか、シルバにはクレメントとか、そういう相性のベターなバッテリーの組み合わせがキープされ、相性の最悪な組み合わせを回避することができた。
と、いうか、もっとぶっちゃけて言ったほうがわかりやすい。柱になる先発投手が最悪捕手である城島と組むのをチームとして回避させることができ、結果、チームの勝率は5割を超えてすらいたのである。
それが、である。
真夏にかけて、どこから圧力があったのだろう、いつのまにか、こんなわけのわからないシステムにされてしまっている。
シアトルはいま、自分のチームの先発投手との相性にあわせて捕手を選んでいるわけではないのである。だから、投手捕手の組み合わせは、相性も感性も、言葉の壁も、データも、なにもかもまったく関係なく、ドンドンずれまくって、無造作に決まっていく。
例えば8月のシルバでいうなら、たまたま相手先発が右だった3日は捕手クレメントで、チームの連敗が止まったが、相手先発が左だった15日には、シルバとの相性が最悪であることがわかっている城島とバッテリーを組まされ、当然のことながら大敗している。
この試合後シルバはマイナー送りになったが、その理由は成績からでなく、ブチ切れてチームメイトについて暴言を吐いた懲罰といわれ、暴言の対象が誰なのかが論議されたりもしていたようだが、こうした流れを考えるならいわずもがな、明白だ。考えるまでもない。イチローがターゲットなわけがない。
シルバのあとにメジャー上げてきて17日にひさびさ先発したのは若いフィアベントだが、たまたまこの日の相手先発が左だったために城島と組まされてボコボコに打たれ、可哀想に敗戦投手になっている。
こうして8月は、21日までに6勝14敗。あの酷かった5月の状態にまで戻ってしまっている。再建モードとはいえ、勝率も酷ければ、内容も悪い。「相手チーム先発依存の捕手決めシステム」が明らかに大失敗しているのである。
さて、22日オークランド戦だが、オークランドの先発ゴンザレスは左投手だから、「相手チーム先発依存の捕手決めシステム」でいうと、2007年から既にフィアベントとの相性がよくない城島が先発マスクのはずだ。
それがなぜかクレメントが先発して、オークランドの左投手を打ち、長打2本でチームに3打点をもたらして、フィアベントも5回1失点の好投、チームは7連敗を止めた。
そういう、この8月の流れを変える試合が、22日オークランド戦だったのである。
話が長くなってしまった。
このくだらない「相手チーム先発依存の捕手決めシステム」の大失敗をシアトルはいつ修正して、城島をいつクビにするのだろう?
ダメ捕手の先発試合を増やすためのような、このダメシステム、そして9回に捕手を変えるわけのわからないシステム、こういう奇妙なシステム群がいつから、どういう経緯で、誰の発案で始まったのか、日付すら調べてはないが、こんどソースがみつかれば、みっちり記事を書いてみるつもりでいる。
8月のシアトルの勝敗(22日まで)
1日 城島 BAL 5-10 ●ウオッシュバーン ビドロに代打クレメント→ヒット
2日 クレ BAL 1-3 ●ヘルナンデス
3日 クレ BAL 8-4 シルバ(○プッツ)
4日 城島 MIN 11-6 バティスタ(○コーコラン)城島に代打クレメント→ヒット
5日 クレ MIN 8-7 ディッキー(○プッツ)6日 クレ MIN 3-7 ●ウオッシュバーン クレメント4-2
7日 クレ TB 1-2 ヘルナンデス(○プッツ)
8日 クレ TB 5-3 ●シルバ クレメント4-2
9日 城島 TB 8-7 ローランドスミス(●バティスタ)
城島に代打クレメント→ヒット→代走→捕手バーク
10日 クレ TB 3-11 ●ディッキー
12日 クレ LAA 3-7 ●ウオッシュバーン
13日 クレ LAA 10-7 ヘルナンデス(○コーコラン)
クレメント4-2→捕手バーク→代打→捕手城島
15日 城島 MIN 3-9 ●シルバ DHクレメント3-0
16日 クレ MIN 6-7 ローランドスミス(●ヒメネス)
クレメント2-2→代打カイロ→捕手バーク
17日 城島 MIN 8-11 ●フィアベント
ベタンコートに代打クレメント→ヒット
18日 クレ CWS 5-15 ●ウオッシュバーン DH城島4-1
19日 バー CWS 0-5 ●ヘルナンデス DH城島4-0
20日 クレ CWS 3-15 ●ディッキー
21日 城島 OAK 0-2 ●ローランドスミス DHクレメント3-0
城島に代打ヒューレット→ヒット
22日 クレ OAK 7-5 フィアベント(○コーコラン)クレメント4-2 3打点→捕手バーク
代打クレメントの成功率がかなり高い反面で、マルチヒットを打っているクレメントになぜか代打をだして、捕手を交代するなど、最近のこのチームの采配は謎である。どこから圧力がかかっているのだろう、およそ野球らしくない発想の謎のシステムが目立つ。
4回の2打点は、表に先取点を取られた直後に同点としてさらに続く無死1、3塁の絶好機からのもので、勝ち越し点で、これはこれで価値がある。だが7回の打点は、2死1塁というあまり期待しづらいシチュエーションからリードを2点に広げて試合を決めたもので、こちらのほうがむしろ価値があるかもしれない。
SCORE
この22日のオークランド戦までに8月は、2連敗で始まり、クレメントの活躍でひさびさの3連勝を果たしたかと思えば、4連敗、1勝を挟んで、また7連敗で、月間6勝14敗と、酷い成績に逆戻りしつつある。8月4日の試合は実質クレメントで勝った試合だから、8月は22日までに城島は先発捕手として1試合も勝っていない。
8月に既に3度あった連敗を止めた勝ち試合の先発捕手は、全てクレメント。対戦相手は、いずれも苦手の相手や強豪相手で、バッターとしても活躍して大きな貢献をみせている。
8月3日はシアトルの苦手のボルチモア戦で、先発はなかなか調子の上がらないシルバだったが、クレメントが捕手としてなんとかシルバをもたせて白星をもぎとって2連敗を止めた。8月13日の強豪の地区首位エンゼルス戦ではヘルナンデス先発、2安打して4連敗を止め、そして22日のオークランド戦でも城島が壊しかけたフィアベントを5イニング1失点と好投させ、左投手から2本の二塁打3打点で、7連敗を食い止めてみせた。
監督リグルマンも、22日オークランド戦のクレメントについて「いい仕事。最近は左投手との対戦も多くなってるけど、困難をおしのけて進みつつあるね。いくつかステップアップし、たまに後退もあるが、今夜は大きな前進だった」と高く評価している。
野球の監督が活躍した選手を褒めるのはよくある話なわけだが、この日のクレメントにはわざわざ引用するだけの、ちゃんとわけがある。読んでも何の役にも立たないMajor.jpはじめ、日本のメディアはそのあたり、きちんと書きもしないので、あらましを書き残しておく。
http://mlb.mlb.com/news/gameday_recap.jsp?ymd=20080822&content_id=3350841&vkey=recap&fext=.jsp&c_id=sea
"Clement is doing a good job," Riggleman said. "He's been facing a lot of left-handed pitchers here lately and he's battling. He's taking some steps forward and an occasional step back. He took a big step forward tonight."
このところのシアトルの捕手は、対戦チームの先発投手が、右の場合クレメントが、左の場合は城島が、先発マスクをかぶるという、わけのわからない「相手チーム先発の左右で捕手を決めるシステム」になっている。
マクラーレンがクビになった6月中旬直後の1ヶ月あたりと比較してみれば、この激変ぶりはすぐにわかる。あたりまえといえば当たり前だがあの頃は、自軍の先発投手にあわせて捕手を選んでいた。だからベダードにはバークとか、シルバにはクレメントとか、そういう相性のベターなバッテリーの組み合わせがキープされ、相性の最悪な組み合わせを回避することができた。
と、いうか、もっとぶっちゃけて言ったほうがわかりやすい。柱になる先発投手が最悪捕手である城島と組むのをチームとして回避させることができ、結果、チームの勝率は5割を超えてすらいたのである。
それが、である。
真夏にかけて、どこから圧力があったのだろう、いつのまにか、こんなわけのわからないシステムにされてしまっている。
シアトルはいま、自分のチームの先発投手との相性にあわせて捕手を選んでいるわけではないのである。だから、投手捕手の組み合わせは、相性も感性も、言葉の壁も、データも、なにもかもまったく関係なく、ドンドンずれまくって、無造作に決まっていく。
例えば8月のシルバでいうなら、たまたま相手先発が右だった3日は捕手クレメントで、チームの連敗が止まったが、相手先発が左だった15日には、シルバとの相性が最悪であることがわかっている城島とバッテリーを組まされ、当然のことながら大敗している。
この試合後シルバはマイナー送りになったが、その理由は成績からでなく、ブチ切れてチームメイトについて暴言を吐いた懲罰といわれ、暴言の対象が誰なのかが論議されたりもしていたようだが、こうした流れを考えるならいわずもがな、明白だ。考えるまでもない。イチローがターゲットなわけがない。
シルバのあとにメジャー上げてきて17日にひさびさ先発したのは若いフィアベントだが、たまたまこの日の相手先発が左だったために城島と組まされてボコボコに打たれ、可哀想に敗戦投手になっている。
こうして8月は、21日までに6勝14敗。あの酷かった5月の状態にまで戻ってしまっている。再建モードとはいえ、勝率も酷ければ、内容も悪い。「相手チーム先発依存の捕手決めシステム」が明らかに大失敗しているのである。
さて、22日オークランド戦だが、オークランドの先発ゴンザレスは左投手だから、「相手チーム先発依存の捕手決めシステム」でいうと、2007年から既にフィアベントとの相性がよくない城島が先発マスクのはずだ。
それがなぜかクレメントが先発して、オークランドの左投手を打ち、長打2本でチームに3打点をもたらして、フィアベントも5回1失点の好投、チームは7連敗を止めた。
そういう、この8月の流れを変える試合が、22日オークランド戦だったのである。
話が長くなってしまった。
このくだらない「相手チーム先発依存の捕手決めシステム」の大失敗をシアトルはいつ修正して、城島をいつクビにするのだろう?
ダメ捕手の先発試合を増やすためのような、このダメシステム、そして9回に捕手を変えるわけのわからないシステム、こういう奇妙なシステム群がいつから、どういう経緯で、誰の発案で始まったのか、日付すら調べてはないが、こんどソースがみつかれば、みっちり記事を書いてみるつもりでいる。
8月のシアトルの勝敗(22日まで)
1日 城島 BAL 5-10 ●ウオッシュバーン ビドロに代打クレメント→ヒット
2日 クレ BAL 1-3 ●ヘルナンデス
3日 クレ BAL 8-4 シルバ(○プッツ)
4日 城島 MIN 11-6 バティスタ(○コーコラン)城島に代打クレメント→ヒット
5日 クレ MIN 8-7 ディッキー(○プッツ)6日 クレ MIN 3-7 ●ウオッシュバーン クレメント4-2
7日 クレ TB 1-2 ヘルナンデス(○プッツ)
8日 クレ TB 5-3 ●シルバ クレメント4-2
9日 城島 TB 8-7 ローランドスミス(●バティスタ)
城島に代打クレメント→ヒット→代走→捕手バーク
10日 クレ TB 3-11 ●ディッキー
12日 クレ LAA 3-7 ●ウオッシュバーン
13日 クレ LAA 10-7 ヘルナンデス(○コーコラン)
クレメント4-2→捕手バーク→代打→捕手城島
15日 城島 MIN 3-9 ●シルバ DHクレメント3-0
16日 クレ MIN 6-7 ローランドスミス(●ヒメネス)
クレメント2-2→代打カイロ→捕手バーク
17日 城島 MIN 8-11 ●フィアベント
ベタンコートに代打クレメント→ヒット
18日 クレ CWS 5-15 ●ウオッシュバーン DH城島4-1
19日 バー CWS 0-5 ●ヘルナンデス DH城島4-0
20日 クレ CWS 3-15 ●ディッキー
21日 城島 OAK 0-2 ●ローランドスミス DHクレメント3-0
城島に代打ヒューレット→ヒット
22日 クレ OAK 7-5 フィアベント(○コーコラン)クレメント4-2 3打点→捕手バーク
代打クレメントの成功率がかなり高い反面で、マルチヒットを打っているクレメントになぜか代打をだして、捕手を交代するなど、最近のこのチームの采配は謎である。どこから圧力がかかっているのだろう、およそ野球らしくない発想の謎のシステムが目立つ。