April 14, 2009

Seattle vs. Oakland - April 12, 2009 | MLB.com: Gameday

本当のことを言えと、「城島不要を印象づけた」などというタイトルは、あまりにも当たり前すぎて、出来がよくない。
城島がいないほうがゲームがスムーズなチームであることくらい誰でもわかっているし、過去3シーズン、シアトルでは控え捕手のほうが勝率がいいくらいのことも、シアトルのゲームを見る上では全く知っていて当たり前のことで、いまに始まったことではないからだ。

勝率だけでなく、控え捕手のほうが、CERA(捕手防御率)、あるいはバッティング、走塁、リードキャッチング、このうちの2つ以上、あるいは、その全てが優れている、などという程度のことは頭に入れているのが当然のことだし、投手陣全体が城島を捕手に投げたがっていないだの、先発投手5人のうち2人までもが城島でない専属捕手を望んでいただの、そういうことも、公式サイトから地元メディアFOXなどの全米メディアなど、さまざまな場所で繰り返し報道されてきただけに周知の事実。わかってないのは、国内のスポーツニュースや、あのあまりにも出来そこないだったMajor.JPだけからだけ情報を得ている人だろう。わからない人は、もし関心があったら、このブログの過去の記事や現地記事などを照らし合わせるカタチで時系列的に読んでもらいたい。
だからこそロブ・ジョンソンが先発マスクで2試合続けて完封勝ちしてみせても、それが城島をしのぐ成績を控え捕手があげた、という意味で言っているのなら、いまさら驚くようなことではないのである。

今までそういう場面など何度あったことか

どうせ、このチームは嫌というほど城島で失敗しても改善などしない。それどころか、ダメ捕手に正捕手の座と大金を与え続けて2010シーズンを迎えることだろう。


まぁ、このゲームの影響で関心があるとしたら、次の2点だ。

1点目は、ウオッシュバーンとベダードの今後の捕手選択だ。デーゲームでロブ・ジョンソンを捕手に完封してみせ2人のベテランだが、これがたまたまデーゲームだからジョンソンを捕手に投げただけなのか、今後また専属捕手制にしようという話になっていくのか、という点である。連続完封したのが豪腕ヘルナンデスなら話は違うが、昨シーズンも捕手選びが流動的だった技巧派のウオッシュバーンとベダードだから、ちょっと関心事にはなってくる。
ベダードは昨シーズン専属捕手としてバークを指名して、それを実行した。シーズン終盤には故障でほとんどゲームに出場しなかったから、シーズン終了まで専属捕手制を貫くつもりがあったのかどうか、さすがに定かではないが、今シーズンはどうするつもりなのか。
悲惨だったウオッシュバーンはどうだろう。地元メディアも一度は、ウオッシュバーンもベダード同様に専属捕手制、と報道したにもかかわらず、人のいいウオッシュバーンは訂正会見までさせられた挙句、城島とのコンビを継続してしまい、5勝14敗などという最悪の結果を招くことになった。去年の城島先発マスクだったゲームの勝率を計算したときに4割を切るような酷さだったわけだから、当然のことではある。2008シーズン終了後のストーブリーグでは何度もウオッシュバーンのトレード話が出たが、すったもんだした割には残留が決まった経緯がある。今シーズンはウオッシュバーンはまた人のいい男を演じるつもりなのだろうか。

2点目は、ジェフ・クレメントの今後の扱いだ。
ロブ・ジョンソンが活躍するということは、ジェフ・クレメントはトレードでいい、という馬鹿げた意見がでてくるきっかけになるだろう。なにせ「野球とは関係ないところで物事が決まってしまう球団」であり、年間100敗を達成した正捕手にほとんど何も責任をとらせないシアトルだ。自軍のマイナーが大事に育ててきたトッププロスペクトであるジェフ・クレメントでも、アダム・ジョーンズなどと同様、トレードに出しかねない。



あまりにも破滅的なシーズンの終盤には普通、残したい選手だけ残し、売れる選手は全て売り払う、という再建モードにチーム全体が進むものだ。ところが、SI.comが今年のスカウティングで「やるべきことをやってない」と指摘したように、シアトルは何をやるにしても遅れてばかりだ。あのセクソンに見切りをつけるのに膨大な負けゲームを無駄に量産したように、このチームには常に、メジャートップクラスの見る目の無さ、見切りの悪さがつきまとう。
実際シアトルがやったことといえば、シーズン終盤には(クレメントの手術もあったがまったく前途のない城島を再び正捕手扱いして12連敗し、みすみすシーズン100敗を達成し、シーズンが終わるとこんどは打線の主軸のイバニェスやプロスペクトのアダム・ジョーンズを売りはらって、昨シーズンに輝きをみせたクレメントはマイナーに送り返し、2009シーズンは城島、シルバをはじめとする不良債権たちに高額ギャラを払い続けている。
しまいには契約から不良債権を売ることができず、逆に有望株をを安売りするような、再建モードとは真逆のことをするハメに陥る。
ボルチモアに行ったアダム・ジョーンズなどは、この記事を書いている時点では6試合で9安打4打点、.409と活躍している。結局のところAJに素養があるかないかより、シアトルの場当たり的な環境では育てきれない、というのが、より真実に近いだろう。いくら素質ある選手をドラフトで獲ったにしても「野球のわからない経営陣とチームマネジメントが災いして、チームに不調を招き、その不調を理由に、こんどは、チームの有望な部分から先に先に他チームに安売りしてしまう」という悪循環がいつまでも続くからだ。
この日のロブ・ジョンソンの2つ目の完封試合を生み出すために払った犠牲が、セクソンや城島、シルバ、バティスタの一斉解雇だったなら理解もできるが、イバニェスやアダム・ジョーンズを売って得た金で体質改善というのだから、開いたクチがふさがらない。



先シーズンの6月だかに先発ゲームを数試合与えられて捕手として好ゲームを演出したクレメントが、どういうわけか、不可解にも、その後しばらくマイナーに落とされていたことがあった。同じことが今後ロブ・ジョンソンに起こらないとは誰も言えない。プレー上では何の問題もなくても、この先、何か不可解な理由でジョンソンがマイナーに落とされたりしないとは限らない。2007シーズンのバークもいい勝率を挙げた時期があったが、特に優遇などされなかった
将来性が無いことがスカウティングされていたプレーヤーが正捕手として大失敗した翌シーズンに、何の責任もとらせずに正捕手の座と大金を約束してしまうような、「野球とは関係ないところで物事が決まってしまう球団」では、野球の上では考えられないようなことが何でも起こりうるのである。
たしか去年めちゃくちゃに調子が悪いクセに、デーゲームも自分を使えとゴネたのは、ほかならぬ、このダメ捕手さんだったわけだから。




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