April 24, 2009
イチローの先頭打者ホームランでシアトルが完封勝ち。21日に9三振(チームとしては10三振)で勝ったウオッシュバーンに続き、ヘルナンデスが7回を好投。セットアッパーのアーズマも切れの素晴らしい球で1回2三振の快投で、ヘルナンデスの7三振とあわせ、9三振でタンパベイを翻弄した。
Tampa Bay vs. Seattle - April 23, 2009 | MLB.com
なお、シアトルタイムズによれば、先頭打者ホームランの1点だけでゲームが決まる試合は、メジャーの歴史で22ゲーム目の珍しい記録のようだ。マリナーズでは92年のミネソタ戦以来、2度目らしい。
Mariners | Ichiro's home run gives Mariners 1-0 win over Tampa Bay | Seattle Times Newspaper
http://seattletimes.nwsource.com/html/mariners/2009112579_mari24.html
最小点差の状態が最後まで続いてバッテリーが慎重さを要求され続けたせいか、インコースを使うのが上手いロブ・ジョンソンにしてはインコースの球が少ない配球のゲームだった。
これでロブ・ジョンソンのCERAは2.45と、2点台をキープ。今のところ、メジャートップを快走している。このことについて、ロブ・ジョンソンはこの日まで全く知らなかったらしい(下記の記事から)
Johnson a boon to Mariners' pitching | Mariners.com
http://mlb.mlb.com/news/article.jsp?ymd=20090423&content_id=4400686&vkey=news_sea&fext=.jsp&c_id=sea&partnerId=rss_sea
Rob Johnson Stats, News, Photos - ESPN
http://sports.espn.go.com/mlb/players/stats?playerId=28866&context=fielding
先発投手が7三振奪った、というと、後でデータしか見ない人には、ランナーがほとんど出ない快投だったように思うかもしれないが、チームLOBは7だがタンパベイの個人LOBの合計は15。21日のウオッシュバーンのゲームの17LOB同様、けして少なくない。毎回のようにランナーが出ているのである。
ランナーが出やすい原因のひとつは、昨日のゲーム同様、このところ酷いシアトルの守備。本来は捕手のジェイミー・バークがスウィニーの怪我のフォローで急遽ファーストを守ったのはしかたないにしても、特に内野守備は毎試合のようにエラー、エラー。打撃はいいチャベスも、守備はけして上手いとも思えないし、センターを守るのは無理がある。
21日のウオッシュバーンは1回から5回まではスライダー、6回以降はストレート主体に切り替えて9三振を奪ったが、今日のヘルナンデスはちょうど逆のパターンだった。
速い球のないウオッシュバーンとは違って、ヘルナンデスはストレートで三振がとれる。最初の5イニングはストレート主体で組み立てて、特に最初の3イニングなどは決め球もストレート。
だが、回を追うごとにストレートで追い込んで決め球をシンカーやチェンジアップというパターンに徐々に切り替え、打者に的を絞らせなかった。
特にバッテリーが冴えたのは、同じパターンで2つのダブルプレーを取った6回と7回だろう。これは偶然ではなかった。
6回は変化球連投でペーニャを三振に仕留めると、ランナーを出した後、ストレートが苦手なデータのあるゾブリストを、データどおりのストレートでダブルプレー。7回はランナーが出た後、シンカーが好きというデータのある岩村を、ボールになる外のシンカーで釣って三振、そしてストレートに切り替えてバートレットをダブルプレー。
ネクストバッターズ・サークルにいる打者に、変化球で三振を獲るシーンを印象づけておいてストレートでダブルプレーに仕留める。同じパターンを2度続けたわけだ。
1点差の7回無死1塁
岩村の打席
3球目から5球目まで全てシンカー。シンカー連投したのはこの打席の岩村くらい。最後は外のボールになるシンカーで三振
ちなみにBS1の解説で武田が「ヘルナンデスが獲った三振はほとんどが変化球ですね」などというような的はずれなことをしゃべっていたが、それはグラウンドに立っていない人間のただの印象にすぎない。
投げた球種全体を眺めれば、実際には大半はストレートを投げ、三振をとるのも要所を締めるのもストレート系(カット、2シーム含む)である。大きく変化する球でピンチを切り抜けた印象が強いのは、試合の中盤以降のポイントで変化球を投げてピンチをしのいだシーンがあまりに印象的だから、解説者のクセに目をくらまされているだけのことである。
ヘルナンデスの7三振の球種
最初の4三振がストレート系 あとの3三振が変化球によるもの
1回 先頭 アップトン 内ストレート
1回 2死走者なし ロンゴリア 内ストレート
2回 1死1,3塁 ナバーロ 外ストレート
3回 先頭 バートレット 内ストレート
3回 2死1塁 ロンゴリア 外低めシンカー
6回 先頭 ペーニャ 真ん中チェンジアップ
7回 無死1塁 岩村 外ボールになるシンカー
ランナーズ・オンで打ち取った球種/ヘルナンデス
2回 1死1、3塁 ナバーロ 三振 外ストレート
2回 2死1、3塁 岩村 レフトフライ 外ストレート
3回 2死1塁 ロンゴリア 三振 外低めシンカー
4回 1死1、2塁 ナバーロ センターフライ 中低めストレート
4回 2死1、2塁 岩村 セカンドゴロ 外ストレート
5回 2死1塁 ロンゴリア ショートフライ ストレート
6回 1死1塁 ゾブリスト 外ストレート ダブルプレー
7回 無死1塁 岩村 三振 外ボールになるシンカー
7回 1死1塁 バートレット 3ゴロ 内ストレート ダブルプレー
Tampa Bay vs. Seattle - April 23, 2009 | MLB.com
なお、シアトルタイムズによれば、先頭打者ホームランの1点だけでゲームが決まる試合は、メジャーの歴史で22ゲーム目の珍しい記録のようだ。マリナーズでは92年のミネソタ戦以来、2度目らしい。
Mariners | Ichiro's home run gives Mariners 1-0 win over Tampa Bay | Seattle Times Newspaper
http://seattletimes.nwsource.com/html/mariners/2009112579_mari24.html
最小点差の状態が最後まで続いてバッテリーが慎重さを要求され続けたせいか、インコースを使うのが上手いロブ・ジョンソンにしてはインコースの球が少ない配球のゲームだった。
これでロブ・ジョンソンのCERAは2.45と、2点台をキープ。今のところ、メジャートップを快走している。このことについて、ロブ・ジョンソンはこの日まで全く知らなかったらしい(下記の記事から)
Johnson a boon to Mariners' pitching | Mariners.com
http://mlb.mlb.com/news/article.jsp?ymd=20090423&content_id=4400686&vkey=news_sea&fext=.jsp&c_id=sea&partnerId=rss_sea
Rob Johnson Stats, News, Photos - ESPN
http://sports.espn.go.com/mlb/players/stats?playerId=28866&context=fielding
先発投手が7三振奪った、というと、後でデータしか見ない人には、ランナーがほとんど出ない快投だったように思うかもしれないが、チームLOBは7だがタンパベイの個人LOBの合計は15。21日のウオッシュバーンのゲームの17LOB同様、けして少なくない。毎回のようにランナーが出ているのである。
ランナーが出やすい原因のひとつは、昨日のゲーム同様、このところ酷いシアトルの守備。本来は捕手のジェイミー・バークがスウィニーの怪我のフォローで急遽ファーストを守ったのはしかたないにしても、特に内野守備は毎試合のようにエラー、エラー。打撃はいいチャベスも、守備はけして上手いとも思えないし、センターを守るのは無理がある。
21日のウオッシュバーンは1回から5回まではスライダー、6回以降はストレート主体に切り替えて9三振を奪ったが、今日のヘルナンデスはちょうど逆のパターンだった。
速い球のないウオッシュバーンとは違って、ヘルナンデスはストレートで三振がとれる。最初の5イニングはストレート主体で組み立てて、特に最初の3イニングなどは決め球もストレート。
だが、回を追うごとにストレートで追い込んで決め球をシンカーやチェンジアップというパターンに徐々に切り替え、打者に的を絞らせなかった。
特にバッテリーが冴えたのは、同じパターンで2つのダブルプレーを取った6回と7回だろう。これは偶然ではなかった。
6回は変化球連投でペーニャを三振に仕留めると、ランナーを出した後、ストレートが苦手なデータのあるゾブリストを、データどおりのストレートでダブルプレー。7回はランナーが出た後、シンカーが好きというデータのある岩村を、ボールになる外のシンカーで釣って三振、そしてストレートに切り替えてバートレットをダブルプレー。
ネクストバッターズ・サークルにいる打者に、変化球で三振を獲るシーンを印象づけておいてストレートでダブルプレーに仕留める。同じパターンを2度続けたわけだ。
1点差の7回無死1塁
岩村の打席
3球目から5球目まで全てシンカー。シンカー連投したのはこの打席の岩村くらい。最後は外のボールになるシンカーで三振
ちなみにBS1の解説で武田が「ヘルナンデスが獲った三振はほとんどが変化球ですね」などというような的はずれなことをしゃべっていたが、それはグラウンドに立っていない人間のただの印象にすぎない。
投げた球種全体を眺めれば、実際には大半はストレートを投げ、三振をとるのも要所を締めるのもストレート系(カット、2シーム含む)である。大きく変化する球でピンチを切り抜けた印象が強いのは、試合の中盤以降のポイントで変化球を投げてピンチをしのいだシーンがあまりに印象的だから、解説者のクセに目をくらまされているだけのことである。
ヘルナンデスの7三振の球種
最初の4三振がストレート系 あとの3三振が変化球によるもの
1回 先頭 アップトン 内ストレート
1回 2死走者なし ロンゴリア 内ストレート
2回 1死1,3塁 ナバーロ 外ストレート
3回 先頭 バートレット 内ストレート
3回 2死1塁 ロンゴリア 外低めシンカー
6回 先頭 ペーニャ 真ん中チェンジアップ
7回 無死1塁 岩村 外ボールになるシンカー
ランナーズ・オンで打ち取った球種/ヘルナンデス
2回 1死1、3塁 ナバーロ 三振 外ストレート
2回 2死1、3塁 岩村 レフトフライ 外ストレート
3回 2死1塁 ロンゴリア 三振 外低めシンカー
4回 1死1、2塁 ナバーロ センターフライ 中低めストレート
4回 2死1、2塁 岩村 セカンドゴロ 外ストレート
5回 2死1塁 ロンゴリア ショートフライ ストレート
6回 1死1塁 ゾブリスト 外ストレート ダブルプレー
7回 無死1塁 岩村 三振 外ボールになるシンカー
7回 1死1塁 バートレット 3ゴロ 内ストレート ダブルプレー