April 27, 2009
どうもこのゲーム、ベンチから大半の配球のサインが出ていたとしか思えない。馬鹿なゲームをやったものだ。このところのウオッシュバーンの好調さがどこかに消し飛んでしまうような、とんでもないゲームだ。
Seattle vs. LA Angels - April 26, 2009 | MLB.com
ウオッシュバーンが潰された(または潰れた)わけだが、理由は明快。はっきりしている。
結論から先に言うと、ウオッシュバーンのほとんどの右打者への最初の2球が「内ストレート(またはカットボール、ストレート系のボール)→外の曲がる球(チェンジアップ、シンカー)」という馬鹿げたワンパターンさだったせいだ。この馬鹿のひとつ覚えの配球パターンを嫌というほど繰り返しているうち、LAAの打者に、球種どころか、投げるコースまで読まれたのである。
LAAのハンターやアブレイユといったベテランがゲーム中に配球パターンに対応した可能性は高いが、LAAの優秀なスコアラーにでも配球パターンを読まれた可能性もある。よく知られているように、LAAというチームは分析の得意なチームだし、このくらいの分析は試合中にでもできるだろう。
LAAとの連戦でロブ・ジョンソンがマスクのゲームでシルバにさえ勝ちをつけたようにLAA打線を押さえ込むことに成功していたのは、この数試合の個人LOBをみてみていればわかるように、ハンターのバットを抑え込んだことが大きかった。
アブレイユ、ハンターといった中軸に次の球の球種もコースも読まれるようなワンパターンな配球では、とてもとてもゲームにはならない。
(A)ウオッシュバーンの対戦した打者のうち
初球にストレート、2球目に曲がる球を投げた11例
(5.1イニング)
STR ストレート
CUT カットボール
CRV カーブ
CHA チェンジアップ
SKR シンカー
1回 アイバー CUT(内)→CHA(真ん中低め)
アブレイユ STR(外)→CHA(真ん中低め)
2回 ハンター STR(内)→CRV(外)
4球目 内カットボール先頭打者ヒット 生還
リベラ STR(外)→CHA(外)
4球目 外チェンジアップ ヒット
3回 アブレイユ STR(内)→CHA(真ん中)
2球目タイムリーヒット
4回 マシス STR(内)→SKR(外) 四球
アイバー STR(内)→SKR(真ん中)
5回 ハンター STR(内)→STR(外)→CUT(外)
3球目のカッターを二塁打
ケンドリック CUT(内) 初球をタイムリー
リベラ STR(外)→SKR(外) 四球
6回 ウッド CUT (内)→SKR(真ん中)
2球目を先頭打者ヒット 生還
このどうしようもない、配球のワンパターンさ。
あの、連勝を積み重ねていた好調なウオッシュバーンはここにはいないことがわかるだろう。
最も大きな問題は、同じ打者に、同じ入り方を何度もして打たれていることだ。
この11人のケースのうち、多くは右打者で、同じ打者名が何度も出てくることで、意味はおわかりだろう。同じ打者に同じ配球を繰り返した馬鹿リードだ、ということだ。
特に問題なのが、長打やタイムリーでこのゲームをつくったアブレイユとハンターへの配球のワンパターンさである。
今絶好調のアブレイユには、このゲームの典型的な「内のストレート→外のチェンジアップ」という入り方を二度繰り返して打たれた。初回こそうちとったものの、なんと、まったく同じ入り方の攻めを3回にも繰り返して、モロに2球目のチェンジアップをタイムリーされたのである。
ハンターには、内側のカットボールを、一度ならず2度ヒットされ、どちらのケースでもハンター自身が後続のタイムリーで生還している。
ハンターに対しては、シアトルの側が「内ストレート→外曲がる球」という入りかたに多少バリエーションをつけてはみたものの、ハンターは「内→外」というパターンの外への見せ球のあとにインサイドの球を予想して、それもストレート系を狙い待っていた。
2回にインサイドのカットボールをヒットされているにもかかわらず、5回にも同じパターンで入って同じ内側のカットボールを二塁打されているのだから、馬鹿げているとしかいいようがない。
第二の問題は、2球目の変化球のコントロール。右打者への2球目がどれもこれも打ちごろの真ん中寄りに入ってきていることは一目瞭然。初回0点で済んだのは、ひとえに初回だったからまだ目が慣れていなかったから、としかいいようがない。
(B)Aのうち、初球または2球目を打ってヒットにした3例
3回 アブレイユ ストレート(内)→チェンジアップ(真ん中)
2球目のストレートをタイムリー
5回 ケンドリック カッター (内)
初球のカットボールをタイムリー
6回 ウッド カッター (内)→シンカー(真ん中)
2球目シンカーを先頭打者ヒット 生還
イニングを重ねて2巡目になってくると、同じ配球がバレてくる。要所の3本のヒットがどれもこれも2巡目以降で、初球のストレートか、2球目の変化球。狙い打ちされていることは明らかだ。
3回アブレイユタイムリー
初球ストレート(内)
2球目チェンジアップ(外)
タイムリーヒット
5回ハンターの二塁打
初球ストレート(内)
2球目ストレート(外)
3球目カットボール(内)
5回ケンドリック タイムリー
初球カットボール(内)
6回ウッド 先頭ヒット
初球カットボール(内)
2球目シンカー(外)
(C)投手交代後の6回のマシスの打席
初球 外ストレート→2球目 外チェンジアップ
6回にワンナウトをとったウオッシュバーンが降板した後のマシスの打席でも、同じような配球が見られた。マシスはやはりというか、手を出してきて、ファウルしていた。
このことでもわかるように、今回の批判の対象にしている「初球ストレート→2球目変化球」という入り方は、ウオッシュバーンが捕手に強制したものではない可能性が高いのである。
あれほど切れ味のあるゲームをみせていたウオッシュバーンがこうなるとは、まったく不可解だ。
と、言いたいところだが、まぁ、想像がつかないでもない。
ロブ・ジョンソンがマスクのゲームでよくあるわけだが、まだ1回だというのにランナーが出たケースで、次の打者に投げる全部の球についてベンチから送られてくる配球のサインを見ていることがよくある。この試合でマスクをかぶったのは、ひさしぶりに捕手を務めたバークだが、あまりにもひさしぶりなマスクなだけに、ベンチからの指示はかなりでていたのではないかと想像する。
そのベンチでサインを出していたのが監督なのか、それとも、いつもベンチで苦虫を噛み潰したような顔で味方の勝ちゲームをいつも冷ややかに眺めている城島なのか。そのへんが明らかになれば、このブログも一層盛り上がれるというものだ。
Seattle vs. LA Angels - April 26, 2009 | MLB.com
ウオッシュバーンが潰された(または潰れた)わけだが、理由は明快。はっきりしている。
結論から先に言うと、ウオッシュバーンのほとんどの右打者への最初の2球が「内ストレート(またはカットボール、ストレート系のボール)→外の曲がる球(チェンジアップ、シンカー)」という馬鹿げたワンパターンさだったせいだ。この馬鹿のひとつ覚えの配球パターンを嫌というほど繰り返しているうち、LAAの打者に、球種どころか、投げるコースまで読まれたのである。
LAAのハンターやアブレイユといったベテランがゲーム中に配球パターンに対応した可能性は高いが、LAAの優秀なスコアラーにでも配球パターンを読まれた可能性もある。よく知られているように、LAAというチームは分析の得意なチームだし、このくらいの分析は試合中にでもできるだろう。
LAAとの連戦でロブ・ジョンソンがマスクのゲームでシルバにさえ勝ちをつけたようにLAA打線を押さえ込むことに成功していたのは、この数試合の個人LOBをみてみていればわかるように、ハンターのバットを抑え込んだことが大きかった。
アブレイユ、ハンターといった中軸に次の球の球種もコースも読まれるようなワンパターンな配球では、とてもとてもゲームにはならない。
(A)ウオッシュバーンの対戦した打者のうち
初球にストレート、2球目に曲がる球を投げた11例
(5.1イニング)
STR ストレート
CUT カットボール
CRV カーブ
CHA チェンジアップ
SKR シンカー
1回 アイバー CUT(内)→CHA(真ん中低め)
アブレイユ STR(外)→CHA(真ん中低め)
2回 ハンター STR(内)→CRV(外)
4球目 内カットボール先頭打者ヒット 生還
リベラ STR(外)→CHA(外)
4球目 外チェンジアップ ヒット
3回 アブレイユ STR(内)→CHA(真ん中)
2球目タイムリーヒット
4回 マシス STR(内)→SKR(外) 四球
アイバー STR(内)→SKR(真ん中)
5回 ハンター STR(内)→STR(外)→CUT(外)
3球目のカッターを二塁打
ケンドリック CUT(内) 初球をタイムリー
リベラ STR(外)→SKR(外) 四球
6回 ウッド CUT (内)→SKR(真ん中)
2球目を先頭打者ヒット 生還
このどうしようもない、配球のワンパターンさ。
あの、連勝を積み重ねていた好調なウオッシュバーンはここにはいないことがわかるだろう。
最も大きな問題は、同じ打者に、同じ入り方を何度もして打たれていることだ。
この11人のケースのうち、多くは右打者で、同じ打者名が何度も出てくることで、意味はおわかりだろう。同じ打者に同じ配球を繰り返した馬鹿リードだ、ということだ。
特に問題なのが、長打やタイムリーでこのゲームをつくったアブレイユとハンターへの配球のワンパターンさである。
今絶好調のアブレイユには、このゲームの典型的な「内のストレート→外のチェンジアップ」という入り方を二度繰り返して打たれた。初回こそうちとったものの、なんと、まったく同じ入り方の攻めを3回にも繰り返して、モロに2球目のチェンジアップをタイムリーされたのである。
ハンターには、内側のカットボールを、一度ならず2度ヒットされ、どちらのケースでもハンター自身が後続のタイムリーで生還している。
ハンターに対しては、シアトルの側が「内ストレート→外曲がる球」という入りかたに多少バリエーションをつけてはみたものの、ハンターは「内→外」というパターンの外への見せ球のあとにインサイドの球を予想して、それもストレート系を狙い待っていた。
2回にインサイドのカットボールをヒットされているにもかかわらず、5回にも同じパターンで入って同じ内側のカットボールを二塁打されているのだから、馬鹿げているとしかいいようがない。
第二の問題は、2球目の変化球のコントロール。右打者への2球目がどれもこれも打ちごろの真ん中寄りに入ってきていることは一目瞭然。初回0点で済んだのは、ひとえに初回だったからまだ目が慣れていなかったから、としかいいようがない。
(B)Aのうち、初球または2球目を打ってヒットにした3例
3回 アブレイユ ストレート(内)→チェンジアップ(真ん中)
2球目のストレートをタイムリー
5回 ケンドリック カッター (内)
初球のカットボールをタイムリー
6回 ウッド カッター (内)→シンカー(真ん中)
2球目シンカーを先頭打者ヒット 生還
イニングを重ねて2巡目になってくると、同じ配球がバレてくる。要所の3本のヒットがどれもこれも2巡目以降で、初球のストレートか、2球目の変化球。狙い打ちされていることは明らかだ。
3回アブレイユタイムリー
初球ストレート(内)
2球目チェンジアップ(外)
タイムリーヒット
5回ハンターの二塁打
初球ストレート(内)
2球目ストレート(外)
3球目カットボール(内)
5回ケンドリック タイムリー
初球カットボール(内)
6回ウッド 先頭ヒット
初球カットボール(内)
2球目シンカー(外)
(C)投手交代後の6回のマシスの打席
初球 外ストレート→2球目 外チェンジアップ
6回にワンナウトをとったウオッシュバーンが降板した後のマシスの打席でも、同じような配球が見られた。マシスはやはりというか、手を出してきて、ファウルしていた。
このことでもわかるように、今回の批判の対象にしている「初球ストレート→2球目変化球」という入り方は、ウオッシュバーンが捕手に強制したものではない可能性が高いのである。
あれほど切れ味のあるゲームをみせていたウオッシュバーンがこうなるとは、まったく不可解だ。
と、言いたいところだが、まぁ、想像がつかないでもない。
ロブ・ジョンソンがマスクのゲームでよくあるわけだが、まだ1回だというのにランナーが出たケースで、次の打者に投げる全部の球についてベンチから送られてくる配球のサインを見ていることがよくある。この試合でマスクをかぶったのは、ひさしぶりに捕手を務めたバークだが、あまりにもひさしぶりなマスクなだけに、ベンチからの指示はかなりでていたのではないかと想像する。
そのベンチでサインを出していたのが監督なのか、それとも、いつもベンチで苦虫を噛み潰したような顔で味方の勝ちゲームをいつも冷ややかに眺めている城島なのか。そのへんが明らかになれば、このブログも一層盛り上がれるというものだ。