June 01, 2009

まだ試合は終わっていない(8回)のだが、現在臨時に控え捕手になったキロスという捕手の過去の成績を初めて眺めてみた。いろいろなチームを渡り歩きながら、結局、通算CERAでは5.51と、ちょっと酷い数字が残っている。
大きなピンチの場面を見るまでは、ソツなくこなしているようにみえるので「なぜ5.51なんだ?」と疑問がわくのだが、6回を見たとたんに「あぁ、だから5.51なんだな」と、過去のひどいCERAに納得がいく、そういうキャッチャーである。城島ソックリの大炎上ぶりだからだ。
キロスなどではなく、クレメントをなぜ捕手として上げてやらないのか。

まとめた結論を先にいうと、ピンチになると頭の中が真っ白になる城島のようなタイプの捕手であり、別人のようにリードがひどく単調になってしまう。だから正直、今後のキロスにはあまり期待していない。結局この捕手については第一印象だけを書いておく。
Guillermo Quiroz Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN

5回までの「高低」の個性的な攻め
オルソンはなかなか好投していた。
オルソンはストレート・スピードがたった90マイルくらいしかなく、球が概して高い。球威があるタイプではない。
にもかかわらず、オルソン=キロスのバッテリーはその「高い球」をかえって武器にして、立ち上がりから「高低」に投げ分けることで打者をかわしていった。変化球も、曲がりの大きい球を使いたがる。「高低の落差」を見せたいからだ。
この「高低」をピッチングの組み立てのベースにする捕手というのは、ここ数年のシアトルの捕手にないタイプだけに、なかなか面白くゲームを見ていることができた。
ただ、課題は、分析力の異常に高いLAAの打線に、球筋を2巡目以降に見切られてどうなるか、という点だった。
それに調子のいいときのボールを受けるくらいは、どんな捕手にだってできる。問題はランナーを出した後の対処だ。

6回裏の単調さ
まぁ、理屈より、画像を見てもらったほうが早い。

初球にストレートでストライクをとりにいったところを、完全に狙い打ちされていることがわかるだろう。以前、LAAの打撃の特徴を「ゲーム中に投手の投球パターンを分析して対応してくるところ」と言ったはずだ。今日もゲーム中にソーシアがしきりにメモをとっていた。
だから打順が進んでも投手が同じ投球パターンの攻めを単調に繰り返すことは、LAA戦に限っては許されないのである。
裏口入学捕手城島が、LAA戦で常に失敗を繰り返すのも、この点であることは何度も言ってきたことだが、キロスの場合も城島と似ている面がある。

初球のストレートが狙い打ちされていることに、いつまでたっても気がつかない」ようではダメである。

投手がオルソンからバティスタに変わった直後の、長打力のあるリベラへの第1球を見てほしい。変わったバティスタにも、初球にストレートでストライクを投げさせている。
たまたまリベラが手を出さなかったからいいものの、これではいけないのである。

まだ1試合しかゲームを見ていないが、キロスの今後は必ずしも安心なものとはいえない。


2009年5月31日 6回 フィギンズ シングルフィギンズ シングル
初球打ち ストレート

2009年5月31日 6回 アブレイユ シングルアブレイユ シングル
初球打ち ストレート

2009年5月31日 6回 ゲレーロ 犠牲フライゲレーロ 犠牲フライ
初球打ち ストレート

2009年5月31日 6回 ハンター 2ランハンター 2ラン
初球打ち ストレート

ここで投手バティスタに交代

2009年5月31日 6回 リベラ 2ベースリベラ 2塁打
初球ストレート




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