被打率、与四球率

2011年5月2日、「何もせず待球するのではなく、打者有利なカウントでならストライクを思い切りスイングするからこそ、むしろ四球を増やすことができる」という当たり前の現象について考える。
2010年10月21日、ダメすぎる「1年目」の通知表。(1)巨人の主軸打者4人の打撃比較でわかる阪神のクライマックスシリーズ2ゲームの悲惨さ
2008年8月18日、ホラシオは「城島式」を嘲笑うかのごとくシアトルを抑え込んだ。
2008年8月12日、データは城島の捕手としての適性の無さを暴き出す。

May 04, 2011

長年問題になっていながら改善されていないシアトルのチーム体質の大問題といえば、打線でいうなら、「OBP(On-base percentage)=出塁率の低さ」、これに尽きていた。 (もちろん問題は出塁率以外にも、長打力の無さなど、言い出したらきりがないくらいある。いまだに欠陥だらけの打線なのは間違いない。低すぎる長打と得点力を、四球と犠打でかろうじて補っているのが現状だ)

ダメ捕手城島も含め、ビル・バベシ時代に積極的に獲得しまくっていた右のフリースインガーたちは、ベタンコートロペスベルトレ、誰も彼も、四球を選ばず、好機で三振ばかりするような、シチュエーション・バッティングが死ぬほど苦手な打者ばかりだった。あんなパークファクターにそむいているような打者ばかり獲得していてはチームが強くなるはずもない。
だが、ここ数年のシアトルの異常な出塁率の低さをバベシだけのせいだと思っている人もいるかもしれないが、バベシの時代の選手を次々にクビにしていっているズレンシックがGMになって、守備しかできない選手ばかり獲った2010年の打撃スタッツは、バベシ時代よりずっと酷い
2010年の出塁率などは、なんと.298と、3割を切ってしまい、イチローの打率を下回ってしまったほどで、ついにはチーム歴代最低出塁率を記録した。
しかも、である。
同時にチーム歴代シーズン最多三振数(1184三振)、チーム歴代1ゲームあたりの三振数(7.31三振)と、2つもチームワースト記録を更新しているのである。
なにもバベシだけがアホウだったわけではない。 

シアトルのシーズン歴代最低出塁率
2010年 .298
1983年 .301
1980年 .308
参考)チーム最高出塁率
    1996年 .366
    2000年 .361
    2001年 .360
1996年、エドガー・マルチネスはOBP.464を記録。(彼のキャリアハイは前年95年の.479) 2000年は、Aロッド、エドガーの2人がOBP.420越えを果たし、チームは歴代最高四球数775を記録。2001年はイチロー入団、優勝。

シアトルのシーズン最多三振数
2010年 1184 グティエレス137、フィギンズ114。
1986年 1148
1997年 1110
参考)チーム最小三振数
    1981年 553
    1994年 652
    1978年 702

ちなみにエドガー・マルチネスの通算出塁率は.4178。ゆうゆう4割を越えている。
この通算出塁率4割以上(3000打席以上)というレコードは、長いMLBの歴史でもたった61人しか達成していない大記録で、しかも、歴代1位のテッド・ウィリアムス(4817)を含め大半のプレーヤーは第二次大戦前後以前の古い選手たちであり、近年のプレーヤーだけを抜き出すと、ほんのわずかしかいない。
近年の打者の中で四球数が異様に多いことで知られている典型的な待球型打者のボビー・アブレイユでさえ、通算出塁率はかろうじて.400に届いているにすぎない。
このことからして、エドガーの.4178という通算出塁率がいかに素晴らしい記録で、いかに彼が偉大なプレーヤーだったかが、あらためてよくわかる。

近年のプレーヤーのOBPランキング
(現役選手含む。カッコ内はステロイダー。
 ステロイダーに名誉は必要ない)
(1位 バリー・ボンズ .4443)
2位 アルバート・プーホールズ(現役)
3位 トッド・ヘルトン(現役)
4位 フランク・トーマス .4191
5位 エドガー・マルチネス .4178
6位 ウェイド・ボッグス .4150
(7位 マニー・ラミレス .4106)
8位 ランス・バークマン(現役)
9位 ジョー・マウアー(現役)
(10位 ジェイソン・ジオンビー(現役))


さて、
今年2011年のシアトルのバッティングはここまでどうか?

結論からいうと、残念ながら、劇的に改善されたとは、到底いえない。
SLG(長打率)は、あの最悪だった2010年すら超えて、チーム歴代最低の.334で、ア・リーグ13位だし、OPSはチーム歴代ワースト2位の.647、ア・リーグ13位と、なんとも酷いものだ。


しかしながら、あいかわらず酷い打線の2011年には、どういうわけか、ここまでア・リーグ1位をキープしている打撃スタッツがある。

それが四球である。


四球数は、ここまで116で、なんとア・リーグトップ。(2位はボストンの110、3位トロント109。最少は、ボルチモアの66)四球116個のうち、22個は、DHジャック・カストが稼ぎ出している。
また四球率 10.6%は、例年四球の多いボストンと並んでトップ。(最低はまたしてもボルチモアの7.0%)
さらにSO/BBは1.72で、これは、リーグ最高の三振率の低さを誇る非常に優れた打線をもつテキサスの1.70や、四球の多いスラッガーを常に打線に揃えているヤンキースの1.72に次いで、リーグ3位なのである。
最初に「低すぎる長打と得点力を、四球と犠打でかろうじて補っている」というのは、こういうことだ。


こうした四球数増加、待球型打線への変身の背景にあるのは、
どんな要因なのだろう。


まずひとついえるのは、シアトルの打者が、四球になるかならないかはともかく、非常にたくさんの球を投手に投げさせていることだ。
チーム別に、対戦相手の投手に何球投げさせたか、という数字を、Baseball Referenceのデータで見てみよう。
資料:2011 American League Pitches Batting - Baseball-Reference.com

ア・リーグ チーム別 総ピッチ数
1位 シアトル 4424
2位 カンザスシティ 4256
3位 デトロイト 4224
(最少 ボルチモア 3577)

ア・リーグ チーム別 Pit/PA(打席あたりピッチ数)
1位 シアトル 4.03
2位 ボストン 3.96
3位 デトロイト 3.90
(最少 ボルチモア 3577)

今年のシアトルはどうかしているんじゃないか?と思えるほど、投手に球数を投げさせていることがわかる。
打席あたりのピッチ数が4を越えたのは、この数年では2010年ボストンの4.02くらいしかなく、近年にはほとんど前例がない。ボストンは毎年このPit/PAがア・リーグ1,2を争っている典型的な待球型打線のチームなのだが、シアトルは突然そういうチームに肩を並べたことになる。



上のデータは、素晴らしいデータの充実ぶりで知られているBaseball Referenceだが、この「チーム別データ」というやつ、なかなか見ていて飽きないだけでなく、配球論の観点からも、非常に有益で重要なデータを含んでいる

たとえば、投球数全体におけるストライク率は、強いチームであろうと、弱いチームであろうと、60%から64%の一定の範囲におさまっている。
これは、MLBで配球の理想配分といわれる「ストライク2に対して、ボール1」という割合が、MLBのほとんどのチームにおいてきっちりと守られていることを示している。
どんなに素晴らしいピッチングスタッフが揃った強豪チームであれ、逆に、先発投手の貧弱さに泣いている投手力の貧弱なチームであれ、配球の上でのストライク・ボールの配分には、ほとんど大差ない、のである。

別の言い方をすると、
四球が多いとか少ないという話には、どうも、投手側のボールコントロールのファクターの影響は少ないのではないか?」という推論が成り立つかもしれない、ということだ。


これは非常に面白い。
ちょっと強引にまとめると、こういうことになる。

1) 投手の投げる球がボールになる割合、というものは、そのチームの投手力にあまり左右されることなく、どんなチームであっても一定の狭い割合の中におさまる。ストライク2に対してボール1という配球理論が、MLBではかなりきちんと守られている。
2) したがって、いくら投手力の弱いチームとの対戦だからといっても、それが理由で、ボールになる球が非常にたくさん増えて、その結果、四球数が異常に増えるとか、四球によるランナーがたくさん出せるとかいうことには、ならないことになる。

と、なると。
問題は、いったいどういうファクターが四球数を増やすのか?ということになってくる。投手側に理由がなければ、打者側に何か理由があるのだろうか。


同じBaseball Referenceから、ちょっとこういうデータを見てもらおう。
3-0、2-0、3-1という、いかにも「四球になりそうな、打者有利なカウント」の、チーム別の出現データである。

カウント 3-0の出現割合(全打席あたり)
最高 6%(NYY、CWS)
最低 3%(BAL)
リーグ平均 5%(=2010年と同じ)
シアトル 5%(=2010年と同じ)

カウント 2-0
最高 17%(NYY、CLE)
最低 11%(BAL)
リーグ平均 15%(=2010年と同じ)
シアトル 16%(2010年の14%から、やや増加)

カウント 3-1
最高 11%(CLE、SEA、LAA、TEX)
最低 7%(BAL)
リーグ平均 9%(=2010年と同じ)
シアトル 11%(2010年の9%から、やや増加)

これらのデータからいえることをまとめてみる。

1) 2011年のシアトルは、四球になりそうなカウントシチュエーションが、他のチームに比べて異常に突出して多くなっているわけではない
2) したがって、2011年のシアトルの四球数の増加や、打席あたりのピッチ数の大幅な増加は、対戦相手の投手があまりにも調子が悪いとか、あまりにもコントロールの悪い投手との対戦が多かったことなどが原因して、シアトルにだけ「四球になりそうなカウント」が増えた結果、シアトルの四球数が増加したとは言えない。
3) とはいえ、3-0のカウントシチュエーションは増えていないが、2-0、3-1は、多少だが、増えている


この表には他にもたくさんのデータがのっている。
ストライクを見逃した率、ストライクを振った率、ストライクをファールした率、初球を振った率、見逃し三振率。
これらのデータの中に、今シーズンのシアトルの四球数が急増した理由があるだろうか? つまり、「初球から振るのを止めた」とか、「見逃しの三振が減った」とか、「ファールするのがうまくなった」とか、シアトルの打者のバッティングの傾向がよほど変わったと明瞭にわかるデータが、ここにあるだろうか?

2010年と2011年の数値を比較してみる。

ストライクを見逃した率 → 変化なし
2010年 28%(リーグ平均28%)
2011年 28%(リーグ平均28%)

ストライクを振った率 → 変化なし
2010年 15%(リーグ平均14%)
2011年 15%(リーグ平均14%)

ストライクをファールした率 → 変化なし
2010年 28%(リーグ平均27%)
2011年 28%(リーグ平均27%)

初球を振った率 → 変化なし
2010年 26%(リーグ平均26%)
2011年 26%(リーグ平均26%)

見逃し三振率 → 増加
2010年 25%(リーグ平均26%)
2011年 29%(リーグ平均26%)


困ったことに、2010年と2011年のデータの間にほとんど変化が見られない。初球をスイングせずに我慢しているわけでもなく、ストライクを見逃す率が急激に改善したわけでもなく、三振をファールで逃れる率が突然上がったわけでもないらしいのだ。

困った(笑)


あらためて、四球になりやすいカウントのデータに戻って、2010年と2011年をしつこく比較してみる。

3-0でスイングした数
2010年 7(リーグ12位)
2011年 9(リーグ1位

2-0でスイングした数
2010年 348(リーグ7位)
2011年 65(リーグ5位)

3-1でスイングした数
2010年 296(リーグ7位)
2011年 78(リーグ1位


ようやく、2010年と2011年の違いのようなものが出てきた(笑)

ドン・ワカマツが監督をしていた2010年には、3-0、2-0、3-1といったシチュエーションでは、シアトルの打者はほとんどバットをスイングしなかった。
それに対し、今年2011年のシアトルの打者は、こうした「四球が生まれやすいカウント」で、リーグ1位といっていいくらい、バットを振ってくる。これが、エリック・ウェッジ監督就任以降のシアトルの打者だ。


四球を選ぶ率を高める方法、あるいは、四球をよく選ぶ打者、というと、野球をあまり見ない人であれ、よく見る人であれ、「要は、バットを他の打者より振らないから四球を多く選ぶ打者のことだろ?」とか、思われがちだ。
だが、実際には、
四球というのは、ただ漫然とバットを持ってバッターボックスの中に立っているだけで、自動的にもらえる、タダ同然の安上がりなプレゼントなどではないのだ。


結論を先に言うと、
投手が、対戦している打者のことを、『いざとなったらカウント3-1だろうと、2-0だろうと、必ずバットを振ってくる打者だ』と思うからこそ、かえって四球は増える。
逆に、『この打者はバットを振ってこない、待球してくる』とバレてしまう打者は、実は投手にとってまったく怖くない」
のである。


たとえば、待球打者の典型ボビー・アブレイユの2011年のカウント別データを見てみよう。(2011年5月2日現在)
2011 American League Pitches Batting - Baseball-Reference.com

初球を振る率 5% リーグ最小

カウント3-0の出現率 16% リーグ最多
カウント2-0の出現率 27% リーグ最多
カウント3-1の出現率 25% リーグ最多

カウント3-0でスイングした回数 0回
カウント2-0でスイングした回数 9回
カウント3-1でスイングした回数 14回(リーグ1位)

ア・リーグで最も多くの打者有利カウントを出現させる典型的待球打者ボビー・アブレイユが、「ア・リーグで最も初球を振らない打者」であり、また、「カウント3-0で、最もスイングしない打者」なのは、まぁ、誰でも想像するとおりのデータだ。

だが逆に、そのアブレイユが同時に「ア・リーグで、カウント3-1で最もスイングしてくる打者だ」という事実は、ほとんど知られていない。
今年の彼のカウント3-1以降、つまり、スタッツでいうAfter 3-1の打撃成績は、84打席で、45打数12安打39四球、打率.607(2011年5月2日現在)というのだから、なんともすさまじい。このカウントで荒稼ぎしているといっていい。
Bobby Abreu 2011 Batting Splits - Baseball-Reference.com

初球からスイングしてくる打者の多いMLBだが、選球眼が良く、四球が選べるボビー・アブレイユにとっての「稼ぎ場所」は、他人とまったく違う。
「打者有利な、遅いカウント」にこそ、彼の「稼ぎ場所」がある

だからクレバーな彼は、「もし初球が、自分がスイングしようと思わない球種やコースであるなら、無理に振って凡退するような馬鹿なことはしない」のはもちろんだが、また同時に、「カウントが、3-1、2-0のように、打者有利なカウントになっていて、投手がカウントを稼ぐために甘い球を投げてきているのに、それをスイングしないで呆然と見逃すような、馬鹿な真似はしない」のである。


ボビー・アブレイユのこうしたカウント別バッティングのスタイルは、極端なようだが、非常によく計算され、彼独自のスタイルに仕上がっている。
だが、こうした打撃コンセプトは、彼だけが実行しているわけではなく、ミネソタの待球型打者ジョー・マウアーや、シアトルのDHジャック・カストにも、ほぼそっくりそのままあてはまる。
カストが、今年のシアトルの四球数の多さを牽引している四球王であることは言うまでもない (打率がもっと上がってくるといいのだけれども 笑)。
Seattle Mariners 2011 Batting / Hitting Statistics - ESPN


アブレイユやカストは、四球を目的にバットを振るのを控えるような、無意味なことはしない。むしろ「打者有利なカウント」になれば、必ずといっていいほど、バットを強振してくる。(そしてボール球は振らない)
この「アイツ、打者有利なカウントになったら、まず間違いなくストライクをスイングしてくるぞ・・・」という恐怖感を投手に持たせることこそが、いまのシアトルや、ボビー・アブレイユの四球数、出塁率の高さの原動力のひとつになっているのだと思う。


四球が生まれる原因は、投手側の技術的理由ではないだろう。
投手がボール球ばかり投げるから、四球が増え、打者の出塁率が上がるわけではけしてない。
どんな投手であっても、そこはそれ、MLBのメジャーに上がってこれるような選手たちだ。イザとなれば打者をうちとるボールくらい、誰でも持っている。でなければ、メジャーに上がってはこれなかったはずだ。投手の技術は、本来は安定しているものだ。
投手側の理由ではなく、打者側が、ベースボールという「打者と投手との心理ゲーム」における駆け引きに勝ってこそ、投手のもともと安定している技術に「乱れ」や「迷い」を生じさせたり、投手・キャッチャー・ベンチに「打者有利なカウントでの、このバッターとの勝負だけは避けておこう」と「弱気」にさせることができてはじめて、打者は投手との勝負を優勢に持ち込むことができ、出塁率が上がる。

逆説的なようだが、単純な話で、バットを持って打席に立っているだけで四球は生まれきたりしない。
もちろん、バベシ時代のシアトルのように、ただただ、何も考えずに早いカウントからやみくもにバットを振るとか、逆に、守備型の選手ばかりを揃えて、スイングするのを無理に控えさせて消極的になるだけでは、どちらも結局、出塁にはつながらない。


極端な言い方をすれば、
スイングするから四球になる
弱気になったら、負ける。
技術もないのに強気なのは、馬鹿だ。
技術があるのに弱気なプレーヤーは、もったいない。
技術かあるなら自信を持つべきだ。


野球はやっぱり、本当に面白い。








damejima at 04:09

October 22, 2010

まぁ、こんなに早く答えが出るプレーヤーというのも、モノ哀しい。あまりにも予想どおりすぎて、かえってつまらない。
いちおう資料として残すために、ダメ捕手城島の帰国1年目の通知表をいくつか記事にしておくつもりだが、手間ばかりかかるし、結論も、もう誰でもわかっているしで、書いていて、ただただ疲れるのみだ。

以下、巨人の主軸打者4人(小笠原、ラミレス、阿部、高橋由)のクライマックスシリーズ4ゲーム分の打撃成績である。

城島マスクの2ゲーム
10月16日 阪神vs.巨人 14打数5安打2打点 打率.357
10月17日 阪神vs.巨人 19打数9安打6打点 打率.474
          合計 33打数14安打 8打点 打率.424


比較対象の2ゲーム 非・城島(つまり谷繁)
10月20日 中日vs.巨人 16打数2安打 打率.125
10月21日 中日vs.巨人 16打数1安打 打率.063
       合計 32打数 3安打 打点なし .打率.094


なぜこの4人を選んだかは、以下の2つの記事を参照してもらえばわかる。
中日戦では、巨人の1番打者・坂本は腰痛で欠場したために、比較できない。また日本の2番打者は頻繁にバントしたりしなければならないために、打席ごと、シチュエーションごとに、果たすべき役割が大きく変わる。だから2番打者の打撃内容を追跡比較しても、意味がない。
さらに、下記の記事でも書いたように、巨人のリードオフマン坂本と、3番から6番の主軸4人では「打席での狙い球」が異なり、出塁に対する方法論が異なる。主軸4人は、以下の4ゲームに共通して出場していて、打順も変わらず、彼らの打席にチームが期待する役割もほぼ変わらない。

10月17日の8回表、9回表に関する記事 1
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月17日、イニングに入る前から「そのイニングの全打者に対する配球をあらかじめ『ひとつ』に決めきって」、結果、ボコボコに打たれて逆転負け、ポストシーズン敗退というダメ捕手城島の想像をはるかに越えたダメリード。(1)「結論と原則」編
10月17日の8回表、9回表に関する記事 2
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月17日、イニングに入る前から「そのイニングの全打者に対する配球をあらかじめ『ひとつ』に決めきって」、結果、ボコボコに打たれて逆転負け、ポストシーズン敗退というダメ捕手城島の想像をはるかに越えたダメリード。(2)実戦編


14安打8打点 打率.424
草野球?(笑)


すべてビジター
巨人のバッターにとっては、これらのゲームが行われた甲子園、ナゴヤドームは、いずれも「ビジター」の球場であり、これらのゲームにホームゲームとしての有利不利はまったく関係していない。
移動の影響なし
2つのカードの間には、レギュラーシーズンより長い「丸2日間」という長い移動時間が確保されており、レギュラーシーズンでの移動のせわしなさを考えれば、十分すぎる移動と休養の時間がある。そのため、移動による疲労は、数値には関係ない。
試合勘はむしろ巨人有利の中日戦
むしろ、巨人の4人のバッターは、実戦を2ゲーム消化して、打撃好調の状態で次の中日戦に臨んでいるのであって、ウオーミングアップは十分すぎるほどであり、その間の「調子落ち」などありえない。
その他
細かいことを言えば、4人の打順も、まったく変わってない。

本来なら上の数字に、阪神と中日のチーム防御率の差(この差自体、ダメ捕手城島の自業自得であって、本来補正に加えるべきではない)、投手の違い、パークファクターなどで、多少なりとも脳内補正をしそうなところだが、ここで下される結論にとっては、全く必要ない。
なぜなら、阪神戦2試合と中日戦2試合の数値があまりにも大差がつきすぎていて、その程度の細かい補正などなんの意味ももたないからだ。そんな細かいことをしなくても、結果も、結論も、まったく変わらない。

結論。
ダメなものは、やはりダメ。
メジャーでダメ。日本でもダメ。
それだけ。


以上。


なお、10月21日の、この4人への配球球種を以下にあげておく。
打席同士を比較してみるとわかるが、まったく同じ、なんていう打席を発見することはできない。すべての打席は、お互いに少しずつ異なっている
もし、ひとつのイニングで、この4人全員に同じ配球をする、なんていう馬鹿なキャッチャーがどこかのチームにいたら、ぜひお目にかかりたいものだ(笑)

(以下、ストレート=スト、スライダー=スラ、フォーク=F 例えば、シュートと表記されている球が実際にはシンカーや2シームだったり、ストレートと表記されている球が実際には4シームや2シームが入り混じっている可能性はあるので、あくまで目安として考えてもらいたい。資料はYahoo Japan)

小笠原
スト スラ F
スト
F スト スラ F
スト F スト F

ラミレス
シュート、シュート
F F スラ
スト F スト F
F スト F F

阿部
F スト スト
F F 
スト スラ スラ F
F スト スト

高橋由
スト シュート スト F
スラ
F スト F シュート 二塁打

この4人に対する10月17日8回表の配球の話は、下記の記事参照。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月17日、イニングに入る前から「そのイニングの全打者に対する配球をあらかじめ『ひとつ』に決めきって」、結果、ボコボコに打たれて逆転負け、ポストシーズン敗退というダメ捕手城島の想像をはるかに越えたダメリード。(2)実戦編






damejima at 10:28

August 19, 2008

シアトルで城島相手に投げさせられて酷い成績に終わり、移籍後に急激に成績が回復する投手などいくらもいるが、ホラシオ・ラミレスもその一人になりつつある。

ホラシオは2007年にマリナーズに在籍して、城島がERA7点台と、馬鹿みたいに酷い数値を記録させた投手で、当時「城島問題」の存在にまだ気づきもしないオツムの単純な日本のシアトルファンからは限りない罵声を浴びたものだが、2008年に移籍して疫病神の城島から離れて以降は、セットアッパーとしてスタッツが大幅に改善されている。

この日のホラシオは、大差の勝ち試合とはいえ終盤2イニングを投げ、シアトル打線を0点に抑えたが、打者10人に4安打を打たれた。
こういう、10人4安打0点という内容だけ見ると、かつて「城島問題」に気づきもしなかったファンの一部などは、ホラシオもあいかわらずダメだなと、いまだにその程度のレベルの話で終わらせがちだろうが、最近では、ホラシオのようなタイプの投手についてはそういう決め付けは間違いだ、ということがわかるファンも増えてきたのは多少頼もしい。

もともとホラシオのようなタイプの投手は、ランナーを背負いながら投げるのが当たり前なのだ。スタッツを見ればわかる。アトランタ時代から、1イニングにヒット1本当たり前、四球も与えやすい。ERAが4点で収まっていたのが不思議なくらいだが、こういうタイプの投手はメジャーにいくらでもいるものだ。誰もがヘルナンデスのような豪腕投手なわけはない。

城島のようなワンパターンなキャッチャーは、ホラシオのようなタイプの投手をコントロールする適正がもともとまったく無い。だから様々な投手をシーズン通してコントロールしていく柔軟性を要求されるメジャー正捕手に全く向いていない。そういう意味では、適応力が全くない城島を使い続ける限り、シアトルがロスターに捕手枠を何人も用意するのは当然のことで、批判するに値しない。要は城島を使うのをやめれば捕手は2人ですむのだ。

城島の作るゲームはいつも単調だ。投手に合わせてゲームを作ったりなど、できない。日本式リードと本人は自称しているようだが、日本には城島より柔軟な捕手はいる。城島のいう自称日本式の実態は、単なるワンパターンの「城島式」であって、それをさまざまな国籍、さまざまなタイプの選手からなるメジャーの投手たちに一方的に押し付け続けるだけの能しかないくせに、「日本」を自称するのもたいがいにしてもらいたい。日本の捕手がみんなあんなだと思われたのでは名誉毀損というもの。外国旅行している最中に出会う会話相手全員に「俺と同じ日本語を話せ」と押し付ける馬鹿が城島だ。

この「城島式」を継続して、結果、どうなるか。
城島に合わない投手は何人獲得してこようが毎試合ゲームを壊して破滅的なシーズン成績を残したあと、翌年にはチームを去っていく。当然チーム成績には越えられない天井ができてしまい、選手獲得予算は毎年のように無駄になる。また有力投手獲得のためには若手・有望選手をどんどん放出しなければならないからプロスペクト、ブルペンは毎年のように弱体化し、枯渇していく。選手がいれかわってばかりで、チーム弱体化の真の原因である城島が居座ったままだから、チーム内の雰囲気も当然まとまりがなくなっていく。
「城島式」のゆくえは、こうした永遠に続く悪循環である。


2008年とて、シーズンが始まる前はSPにベダード、シルバを獲得して、今シーズンはいけるぞ、などと「城島問題」を知らないファンは意気込んだことだろう。
だが、実際には、ベダードは最初から城島を拒否していたし、シルバは城島相手に9連敗だ。この2人のSP投手獲得というプロジェクトにとって、城島はなんのプラス要因にもなっていない。これが問題でなくて、なんだろう。
今後も何人もの投手が獲得されてくることだろうが、城島がいるかぎり、ここで述べたことが何度でも、永遠に繰り返される。これが本当の「城島問題」であって、3年の契約延長が問題なわけがない。問題の本質に気がつかない人が、問題の本質である城島を居座らせる契約をするから、このままでは問題は永遠に片付かないことが問題なだけだ。


投手が打たれればマウンドに来た監督と同じ角度から城島が「おまえのせいだ」と言わんばかりに眼光鋭く投手を睨みつけ、投手交代を待つ、そんな馬鹿馬鹿しい「城島式責任回避」のシーンを何十回と見ては、2007年は大いに笑わせてもらったものだ。
こんなシーンも、城島がチームからいなくならないかぎり、何度でも、何十回でも繰り返される。このことは2007年の春から確信していたが、いまから2009年のシーズンが楽しみだ。
シアトルが問題の本質である城島をどう処遇するか。オーナーの意向に逆らってでも干し続けることができないと、このチームはチームとして終わる。

H.ラミレスのスタッツ

2003 ATL ERA4.00 被打率0.99 与四球率0.40
2004 ATL ERA2.39 被打率0.85 与四球率0.50
2005 ATL ERA4.63 被打率1.06 与四球率0.33
2006 ATL ERA4.48 被打率1.11 与四球率0.41

2007 SEA ERA7.16 98回 四球42
被打率1.42 与四球率0.43
2008 KC  ERA2.59 24回1/3 四球1
被打率0.86 与四球率0.04
2008 CWS ERA2.84 25回1/3 四球1
被打率0.95 与四球率0.04

2007年のラミレスが問題だったのは四球の多さではなく、被打率の高さ。アトランタでも、カンザスでも、シカゴでも、ランナーを出し続けてもなんとかERAがそこそこの数値に収まったが、城島相手に投げるシアトルではラミレス、そしてシルバのようなタイプの投手は破綻する。

damejima at 14:39

August 14, 2008

某巨大掲示板でみかけたシアトルの捕手別、投手別の被打率と与四球率のネタなのだが、なかなかに興味深い。
青色の地で示した部分が、その投手に関してもっともいいデータなのだが、みてもらえばわかるように、城島には青色の部分がひとつもない。

シアトルの投手たちがことごとく城島相手には投げたくないと言い出す理由が、数字になって表現されている。オリジナルサイトのデータ作成者に敬意を表したい。

http://www.bleedingblueandteal.com/08-2008/johjimas-gamecalling-revisited/
このサイトタイトルにあるtealとは、コガモのこと。teal blueは、暗い緑がかった青色のことだが、サイトタイトルのBleeding Blue And Tealはマリナーズのチームカラーにひっかけているのである。
2007 城島とバークの被打率の比較
 
城島
バーク
Hernandez
.272
.243
Washburn
.278
.240
Batista
.283
.240
Morrow
.270
.161
Ramirez
.350
.233

2008 城島、クレメント、バークの被打率の比較
 
城島
クレメント
バーク
Hernandez
.253(459)
.220 (88)
.184 (53)
Bedard
.283 (67)
.179 (32)
.225 (248)
Silva
.323 (317)
.310 (242)
.381 (43)
Washburn
.277 (439)
.267 (51)
.389 (77)
Batista
.319 (371)
.280 (89)
.111 (13)
Dickey
.288 (195)
.300 (133)
.256 (90)
 
Morrow
.151 (82)
.087 (27)
.167 (33)
Putz
.288 (76)
.286 (15)
.279 (57)

2008 城島、クレメント、バークの与四球率の比較
 
城島
クレメント
バーク
Hernandez
9.8
6.8
7.5
Bedard
22.6
10.7
9.9
Silva
5.1
3.9
2.3
Washburn
8.6
11.1
2.7
Batista
16.6
14.6
23.0

 



damejima at 12:58

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