リード失敗・ワンパターンリード・投手炎上

2015年10月25日、暇なので日本シリーズのデータ観察。「昔どこかで嗅いだことのある匂い」のするヤクルトの中村という若いキャッチャー。
2014年10月7日、 「カーブ」で笑ったマット・アダムス、「カーブ」で泣いたクレイトン・カーショー。「投手が打たれる仕組み」。
2014年9月4日、スプリットが落ちない上原、9回裏に2本のホームランを浴びてサヨナラ負け
2014年8月12日、なぜ人間は、「同じ動作を反復していると、必ず精度が落ちていく」のか。投手にスライダーを連投して決勝タイムリーを浴びた杉内。
2012年9月17日 アウトコースのスライダーで空振り三振するのがわかりきっているBJアップトンに、わざわざ真ん中の球を投げて3安打させるボストンの「甘さ」
2012年8月20日、アウトコースの球で逃げようとする癖がついてしまっているヤンキースバッテリー。不器用な打者が「腕を伸ばしたままフルスイングできるアウトコース」だけ待っているホワイトソックス。
2012年4月28日、「アウトローにストレートが最も手堅い」などというダメ捕手発想など通用しないのがMLB。エドウィン・エンカルナシオンの初球満塁ホームラン。
2011年8月3日、同じコースに続けて投げる配球なら 「変化球の次に、ストレート」ではなく、やはり「ストレートの次に、変化球」が常道。
2011年6月15日、最近どうも気になる「左バッターへの初球に、アウトコースいっぱいのストレート」のサインを出すミゲル・オリーボの「リード癖」。
2011年5月26日、25日の阪神・ロッテ戦7回表の「ストレートしか投げる球がなくなっていっていく現象」を暇つぶしに考える。
2011年4月21日、阪神対巨人3回戦から、ダメ捕手城島のいつもの配球パターンを特定する。 「ランナー1塁、左打者で、アウトコースにストレート連投」 「ランナー1塁、右打者、インコース連投」
2010年10月28日、得点圏のピンチで、いつもインコースから入って大失敗するダレン・オリバーとマット・トレーナーのコンビ。ALCS Game 1とまったく同じ継投ミスをしでかしたロン・ワシントン。
2010年10月17日、イニングに入る前から「そのイニングの全打者に対する配球をあらかじめ『ひとつ』に決めきって」、結果、ボコボコに打たれて逆転負け、ポストシーズン敗退というダメ捕手城島の想像をはるかに越えたダメリード。(2)実戦編
2010年10月17日、イニングに入る前から「そのイニングの全打者に対する配球をあらかじめ『ひとつ』に決めきって」、結果、ボコボコに打たれて逆転負け、ポストシーズン敗退というダメ捕手城島の想像をはるかに越えたダメリード。(1)「結論と原則」編
2010年10月15日、まさしく監督の経験の差が出たテキサスのリーグ・チャンピオンシップ第1戦。ロン・ワシントンの「乱心」。
2010年9月16日、日本時間15日夜の阪神対横浜戦、外のスライダー3連投でカウント3-0にしてしまい、ストライクをとるために再びスライダーを選択してタイムリーされたキャッチャーの名前。
2010年9月12日、、移籍後のクリフ・リーが打たれる原因を考えてみる。(3)典型的な「パターン配球」で打ちこまれたミネソタ戦、「パターンの例外」を数多く混ぜて抑えたヤンキース戦の比較と、クリフ・リーがキャッチャー選びにこだわる理由。
2010年9月12日、ポール際の非常に狭い甲子園と神宮で生まれる「ポール際のボーナス・ホームラン」を片手間に調べつつ、9月11日のホワイトセルの決勝2ランが生まれた理由を考えてみる。
2010年8月29日、移籍後のクリフ・リーが打たれる原因を考えてみる。(1)2010年の「ア・リーグ東地区風カットボール多用配球スタイル」が東地区チームとの対戦に災いしているのか?
2010年6月25日、ストレートに球威もコントロールも無いのに、要所で突然ストレートを投げたがる「脳内剛速球投手」ローランドスミスのワンパターンな「ストレート病」。ホームラン2発で、試合は壊れた。
2010年5月22日、ダメ捕手城島の「帰国後のダメリード」に関するまとめ(ゲームサンプル、関係者の批判など) 日本に逃げ帰ってわずか2ヶ月もたたず、この惨状(笑)
2010年4月6日、スネル、アダム・ムーアのバッテリーが多用し、延長サヨナラ負けを招いた「同じコースにストレート・変化球を続けるパターンの欠陥」をちょっと研究してみる。
2010年3月19日、阪神・安藤を3月14日に続いて炎上させたダメ捕手の定番ダメリード。ダメ捕手城島が投手を炎上させる「仕組み」を世界で初めて解説する(笑)
2010年3月13日、逃げ帰った国内のオープン戦ですら「同じ球種、同じコース連投のリード癖」でホームランを浴びるダメ捕手のあいかわらずぶりを笑う。リードもバッティングも、メジャー帰りどころか、ダイエー時代のまま。
2009年10月16日、ソフトバンク田上が楽天・山崎から浴びた3ランから、なぜ「彼ら」が城島そっくりなのかを考える。
メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」 『damejimaノート』(7)実証:「3球目対角リバース」で打たれる配球失敗例と、ネイサンのネチネチ配球
2009年9月27日、コネ捕手城島、先発マスク3連敗。「1球ごとに外、内。左右に投げ分ける」ただそれだけの素晴らしく寒いリードで、トロント戦8回裏、期待どおりの逆転負け(笑)ローランド・スミス、自責点5。
2009年9月25日、6月にAロッドにインコースのストレートを5連投して勝ち越し2ランを浴びて負けたシーンをまざまざと思い出させるフィスターのチェンジアップ3連投から、好調アーロン・ヒルに2ランを浴びて完封負け。
2009年9月23日、打てば三振ばかりのコネ捕手城島のワンパターンリードで四球連発。先発モローのリードもままならず、ブルペン投手を大量消費した挙句に、BJアップトンに同じ外角スライダーで2打席連続レフト前タイムリーを浴び、8回裏の逆転2点タイムリーで逆転負け。
2009年9月16日、今日のコネ捕手、リードは「ストレートは基本インコース、変化球はアウトコース」 たった、それだけ(笑)被安打9、8回にはホームラン被弾。ホワイトソックス打線の知恵の無さに助けられただけのゲーム。
2009年9月15日、城島マスク5連敗。4回無死1、2塁、8回二死1、3塁、城島の「2度のパスボール」で3失点。今日の城島の配球パターンは「ストレートでカウントを整え、あとは外にチェンジアップかスライダー連投」のクソワンパターン(笑)
2009年9月13日、ダブルヘッダー第一試合、フィスター大炎上で城島マスク4連敗。コネ捕手城島はフィスターにサインにクビを振られ過ぎてゲームを遅延させ、怒ったテキサスの観客からブーイングを受けた。
2009年8月27日、「チェンジアップだらけの」フィスターを6回5失点炎上させ、ケリーは「ストレートオンリー」で2ラン被弾させたコネ捕手城島選手の「鮮やか過ぎるお手並み」(爆笑)
2009年8月27日、カーブのコントロールが全く無い田沢と、そのカーブを連投させまくるビクター・マルチネスの「鮮やかすぎるお手並み」(笑)
2009年7月26日、コネ捕手城島は「初回からストレート狙い」のクリーブランドの戦略に何の対応もせず、4HR16安打を浴び12失点。再復帰後7連敗という「放火行為」でチームに暗黒をもたらした。(突然崩れるイニング 解説つき)
2009年6月9日、バークは不可解にも4月29日LAA戦以上の単調なゲームを再現した。
2009年4月26日、ウオッシュバーンが潰されたLAA戦、謎の馬鹿リードを解き明かす。
2009年4月14日、3イニングをノーヒットのシルバだが、ランナーを出した途端いつもの城島が始まった。
2009年4月14日、同じ失敗に懲りずにシルバにアウトコースのシンカー連投を要求する城島の1年前を振り返る。
2009年4月8日、城島はシルバに4番モーノーの外角低めにシンカーを6連投させ、逆転負けした。
2009年4月7日、9回裏、城島はアウトコース高めのストレートばかり投げさせ、3連続四球からサヨナラ負けした。
2009年3月23日、WBC決勝で捕手城島は下位打線にスライダーを狙い打たれ続けた。
2009年3月9日、1巡目で手の内を全て晒してしまった城島は、4回ランナーを貯められ岩隈に「シュート連投」を要求し決勝タイムリーを浴びた。
2009年3月7日、「用意してこないプレーヤー」城島はスライダー中心の組み立てに行き詰まって、ふたたび初回ホームランを浴びた。
2009年3月1日、杉内にチェンジアップを要求し続けた城島は先制の一発を食らった。
2008年9月14日、9回裏エンゼルスのロドリゲスは2日前のスカウティングどおりに三塁打を放った。
2008年5月26日、「城島が次に何を投げさせるか、相手の打者は常に知っている」
2008年5月25日、城島はウオッシュバーン復活を支えきれずに終わる。

October 26, 2015

MLBもあとはKC対NYMのワールドシリーズを残すのみで、やることは何もない(笑)暇なので、日本シリーズのデータを眺めてみた。ちょっと気になることがあった。


まず、大づかみに言うと、いまソフトバンクがホームで連勝し、早くもヤクルトを圧倒しかかっているわけだが、データだけ眺める限り、ソフトバンク側のヤクルト打線に対するスカウティング「だけ」が正確で、ヤクルト側のそれは「雲をつかむように曖昧かつワンパターン」で、両者にはすでに雲泥の差がついているようにしか見えないのだが、どうだろう。
例えば、ヤクルトの投手側の対応で「なるほど」と思わせられた点は、ただひとつ、「ソフトバンクの中軸のひとりである柳田に、インハイのボール球でポップフライを打たせるという攻めを発見していること」という点くらいで、あとは「何もない」のである。
対してソフトバンク側は、どうも「ヤクルト打線の欠点をすべて把握して戦っている」ように見えるのである。


なぜこんなに「戦いの中身に差がついている」のだろう。

ブログ主は「配球」についつい目がいくわけだが(笑)、なんせ日本シリーズのデータを見るまで、ヤクルトの正捕手が相川でなく中村悠平という選手であることを知らなかったくらい、いまの日本野球にうとい(笑)
まして、彼が『世界野球プレミア12』代表に選出されるほど将来が期待されている日本でも指折りの若手キャッチャーであることなど、まったく知らなかった(笑)無知のくせに記事を書いて、ほんとうに申し訳ない(笑)


それにしても、中村悠平の出すサインの「リズム」に、「昔どこかで嗅いだことのあるデジャビュ感が非常に強くする」。このことに、ちょっと驚かされた(笑)
おそらく同チームの先輩・相川や、例のダメ捕手さんにも通じる「同じ系統のなにか」(笑)を持っているからだと思うのだが、それでも、以下の記事にみられるように、日本の野球メディアや評論家には「中村悠平のリードのセンスの良さ」が「絶賛」されているようだから、わからないものだ。

これはいよいよブログ主の時代は終わったのかもしれない(笑)


さて、冗談はさておき、以下の4月22日神宮球場のヤクルト対巨人戦のスポニチ記事を見てもらおう。
3対2とヤクルトのリードで迎えた6回表、一死満塁でバッターは長野だ。カウント2-0から、ストライクが欲しい3球目にシンカー。これを長野が空振りすると、続く4球目5球目もシンカーで、結局長野は「3球連続の空振り」で三振に打ち取られた、らしい。

この「3球連続シンカー」というリードが、「意外性のある、センスのいいリード」と絶賛されている。

ブログ注
これまで何度も書いてきたことだが、もしこれがMLBなら「カウント2-0」のような「ボール先行カウント」は「典型的なファストボール・カウント」なのだから、「投手がストレート系を投げる確率」は非常に高いと断定できる。
参考記事:2013年3月8日、Fastball Count、あるいは日米の野球文化の違いからみた、WBCにおける阿部捕手、相川捕手と、田中将投手との相性問題。 | Damejima's HARDBALL
だが、なにせ上の記事が扱っているヤクルト対巨人戦は「日本のプロ野球」の話なのだから、たとえ「ボール先行カウント」であっても、「投手が変化球を投げてくる確率はけして低くない」と思うが、どうだろう。
また、問題は他にもある。「バッターが、アウトコースの変化球に超弱い長野だ」という点だ。この長野というバッターが外の低めの変化球に泳いで簡単に凡退するクセのある非常に安っぽい打者であることは、いまや子供だって知っている。追い込んで「外の変化球」さえ投げておけば、このバッターは泳いだスイングで簡単に空振り三振か、内野ゴロに凡退してくれる。そういう打者を変化球で三振させたとしても、それを絶賛する必要がどこにあるだろう。


上の記事に中村悠平のこんなコメントがのっている。これだけを読むと「なるほど」とか思いかねないが、日本シリーズ第1戦の結果に照らして読むと、非常に辻褄があわないことがわかる。

「高校のリードはシンプルで、打者が合っていない球を続けるのが基本でした。でもプロは1球目に遅れても同じ球を続けたらドンピシャのタイミングで打ち返されることも珍しくない。前の反応を鵜呑みにはできないし、同じ球を続ける時はより慎重にならないとダメ」

「リードに正解はないけど、抑えるポイントとしてはっきりしているのはインコースの使い方。どれだけバッターに内を意識させられるかで攻め方の幅も大きく変わってくる」
【プロ野球】解説者たちが絶賛した好リード! 好調ヤクルトに中村悠平あり|集英社のスポーツ総合雑誌 スポルティーバ 公式サイト web Sportiva|Baseball (ライター:谷上史朗)


4月にこういうコメントをしていた中村悠平捕手だが、この日本シリーズ第1戦で彼は、以下にみるような目に遭って、敗戦を喫している。ぜひ、上の記事と下の記事を連続で読んでもらいたい。

1回裏・李大浩の二塁打
カウント1-0から、2球目・3球目と「同じ変化球」を連投。2球目こそ空振りだったが、3球目はライト線に軽打され、ツーベース
4回裏・松田のソロホームラン
カウント1-1からの3球目は、内角に食い込むスライダーで、しっかり腰を引かせた。だが直後の4球目、松田は、けして甘いコースではない「外角低めのシンカー」に踏み込んでホームラン
ヤクルト中村が得た2つの収穫 デホの駆け引きと松田の決め打ち ― スポニチ Sponichi Annex 野球 (ライター:山田忠範)


ブログ主の考えでは、上の2つの「事件」のうち、「第1戦で、松田にアウトコース低めの変化球をホームランされた」ことは、中村悠平が「自分の手の内の引き出し」がまったくプロに通用していないことがはじめて彼自身にもわかって、萎縮した、という意味で、ヤクルトの日本シリーズにとっての「致命傷」になったと思う。
その理由を以下のデータから感じとってもらいたい。「日本シリーズ第2戦」における松田選手への配球だ。

ヤクルトバッテリーは第1戦で松田に「インコースに捨て球を投げてえぐってみせた直後に、勝負にいった弱点であるはずの『アウトコース低めシンカー』をホームランされている」わけだが、その後、中村悠平が「松田のインコースにまったく配球しようとしていない」ことは、このデータからして明白だ。
(7回裏オンドルセクが2球目にたった1球、松田のインコースを突いているのだが、これは明らかに単なるカウント稼ぎの意味しかなく、勝負球ではない。勝負は次の3球目、ありきたりなアウトローのフォークだった)

20151025日本シリーズGame2 4回裏 小川 vs 松田4回裏
2ランホームラン直後
無死走者なし
センター前ヒット

20151025日本シリーズGame2 5回裏 秋吉 vs 松田5回裏
2死満塁
三振

20151025日本シリーズGame2 7回裏 オンドルセク vs 松田7回裏
1死2、3塁
レフトフライ


中村悠平が「松田のインコース」に絶対に配球しようとしない理由は、子供でもわかる。「データ上、松田が『右投手のインコース』に非常に強いバッター」だからだ。
と、同時に、「データ上、松田は『右投手のアウトコース』の球で合計43三振もしているバッター」でもある。だからアウトコースばかり投げて「逃げ」たがる。(データ例:松田 宣浩【ソフトバンク】 コース別(ゾーン別)打率・成績


だが、である。

現実の野球では、どうだ。

ヤクルトバッテリーは、「データ上、アウトコース低めでうちとれるはずの松田」に、その「アウトコース低め」を「ホームランされている」のである。


その理由は、これまた子供でもわかる。

「インコースをえぐってみせた直後に、『アウトコース低めの変化球』を勝負球として投げてくることが、打者・松田にバレていた」からだ。
そして中村悠平は、第1戦でホームランされて失敗しているわりに、第2戦でもまったく同じ配球をしている。第2戦の5回裏、満塁の場面で「ど真ん中に入ってしまった投球ミスのまっすぐ」をタイムリーされなかったのは、単にバッター松田が「びっくりして打ち損じた」、ただそれだけのことだ。

ちなみにソフトバンクの柳田も、松田と同じ「データ上、インコースの得意なバッター、インコースを苦手にしないバッター」だが、にもかかわらず、ヤクルトの投手のインコースで凡退してくれている。
これは、インコース好きの柳田にインハイの「ボール球」を振らせることに「たまたま」成功しているからだけのことであって、もし中村悠平が意図的にインコースに「ストライク」を集中したら、柳田もインコースを打つようになる。


リードに「絶対」なんてものは、「ない」。
なぜなら、好調時のプロは、たとえ苦手球種、苦手なコースであろうと、「来るのがわかっている」なら、その球をヒットやホームランにできてしまうからだ。
「インコースをえぐってみた」程度のことで鼻高々になって、どうする。「ああ、次は『アウトコースの変化球』だろうな。このキャッチャー、ものすごく単純なタイプだからな」くらい、誰でも考えるのが、『プロ』(とプロの観察者)というものだ。高校野球だの、直らない欠点をもっている二流打者・長野などと一緒くたに語ってもらっては困る。

先日のALCSで「あらかじめ左足を引いておいて、だが体はまったく開かず、わざとヘッドを遅らせてインコースを打ちぬいた」トロントのホセ・ボティースタのホームランの素晴らしいフォームじゃないが、中村悠平には当分「世界レベルのプロの凄さ」は「理解不能」だと思う。



まぁそんなわけで、「こういうパターン配球をすれば打者はひっかかってくれるだろう」なんて鉄則なんてものは「ない」にもかかわらず、強情に同じ「自分の好きな配球パターン」を繰り返したがる中村悠平が「名捕手」だとは、ブログ主には到底、まるっきり、思えない

よくいわれるように、「仕事」というものは「自分のやりたいことをする」ことではなく、「相手が『してもらいたい』と望むことを探りあて、それを実際にやってあげる」ことだ。
それと同じく、「配球」というものの極意は、「自分の好きな、あるいは自分の得意な配球パターンやセオリーをくりかえし実行すること」ではなく、また「相手のデータ上の弱点を突くこと」だけでもなく、「相手の予想や期待に絶対につかまることなく、飄々と裏切り続けること」にある。

damejima at 15:32

October 08, 2014

勝負って、怖いねぇ。ほんと。
怖い。

2014NLDSは、ドジャース不動のエース、クレイトン・カーショーが、4点リードで迎えた7回に大量8失点の原因を作って負けた第1戦に続き、第4戦でもまったく同じ「ドジャースの勝ちが見えた7回」に、カーズの若い一塁手マット・アダムスこの日多投していた「カーブ」を狙い打たれてしまい、逆転3ラン。この一投、この一発だけで、試合が決まってしまった。
大金かけてメンバーをズラリと揃え、ワールドシリーズ制覇を狙い続けるドジャースだが、今年もポストシーズン敗退。
Los Angeles Dodgers at St. Louis Cardinals - October 7, 2014 | MLB.com Box

カーショーがカーブを打たれたことの背景について、ブログ主がちんたらログを打っていたら、鬼のような光速で分析記事をアップロードしたのが、SB NationのGrant Brisbeeだ。
彼はハッキリ書いている。
"Adams watched him dominate with his curve all day long." 「アダムスは今日ずっとカーショーのカーブを狙い続けていた」
この長文記事、逆転3ラン発生直後に挙がっているところをみると、「マット・アダムスがカーショーのカーブを狙っている」という記事のエッセンス部分は、逆転3ランが生まれるよりずっと前から、既にGrant Brisbeeの頭にイメージされていたに違いない。そうでなければ、こんな超絶的なスピードで、これほど的確な長文は書けない。
たいしたスピードだ。拍手。


ブログ主がツイートに上げておいたのは、マット・アダムスの「2014年のカーブに関するHot Zone」だ。ゾーンが赤い部分が彼の「得意コース」、青い部分が「苦手コース」だ。

データから、たしかに彼は「左投手がまったく打てない打者」だ。
だが、同時に彼は、「カーブ(あるいはチェンジアップなど、「球速の遅い変化球」)を得意球種にしているバッター」でもある。


この逆転3ラン直後、いくつかのMLBアカウントが、「マット・アダムスはまったく左ピッチャーが打てない打者なのに、今年のサイ・ヤング賞をとることがほぼ決まっている名左腕カーショーからホームランを打った。世界の7不思議的事件だ」という意味のツイートを、マット・アダムスの貧弱な対左投手スタッツとともにアップしている。

しかし、「左打者は左投手を打てない」程度の、小学生でも言えそうなレベルの視点だけからプロスポーツの「局面」というものについて解説を加えようとすることは、あまりにも幼稚だし、根拠が薄すぎる。そもそも野球というゲームの複雑さをまるで説明できてない。


まずは大量失点した2014NLDS第1戦の7回に、カーショーがが打たれた球種を見てもらいたい。



第1戦でカーショーは、ランナーがいてもいなくてもスピードのある4シームでぐいぐい押すピッチングをしたが、ランナーがたまって得点圏にも進み、重大なピンチともなると、変化球、このゲームの場合は「スライダー」を多投して、セントルイスの粘り強い打者たちに連続タイムリーを浴びてしまっている。
この第1戦の大量失点のケースでは、マット・アダムスも無死満塁で登場し、左投手カーショーの「スライダー」をタイムリーしているのだから、「左打者マット・アダムスは、左投手をまったく打てない」などという過去のデータは、第1戦の時点で既に通用していないのである。


そして第4戦。
逆転3ランを打つ7回裏のひとつ前、5回裏の打席でマット・アダムスは、先頭打者として登場。初球カーブ(見逃しストライク)、2球目4シーム(ボール)のあと、3球目のカーブでセンターフライに倒れている。
つまり、アダムスは5回の打席で「2度にわたってカーショーのカーブの軌道を見ている」わけだ。
SB NationのGrant Brisbeeによれば、カーショーは第1戦でカーブを「13球」投げたが、第4戦では逆転される7回にたどり着く前、6回までに、既に「28球」も投げている。この「カーブ多投」は、もちろんBrisbee氏が「マット・アダムスはカーショーのカーブを狙っていた」と断定する根拠のひとつになっている。


たぶんカーショーは、第1戦で肝心なピンチの場面で「スライダー」に逃げて痛打されて試合を壊したために、疲労が抜けず球速が出ない可能性が高い中3日で臨んだ第4戦の登板では、あえてスライダーを封印したのだろう。
だが、こんどは「カーブを狙い打ちされて、ふたたび撃沈した」というわけだ。


カーショーがカーブを多投した原因は、ドジャース監督で元ヤンキースのドン・マッティングリーの起用にも原因がある。
なんといったって、第4戦でヤシエル・プイグをスタメンから外したのも、往年のキレのないカール・クロフォードを2番に起用して得点力を低下させたのも、中3日の「疲労が抜けていないカーショー」を第4戦で登板させ、6回まで無失点に抑えてくれたというのに、欲張って7回も引っ張って投げさせたのも、原因はこのマッティングリー、その人なのだ。
そりゃ、中3日の疲労で4シームの球速の出ないカーショーが、いつものような4シームで抑え込むピッチングができず、ゆるいカーブを多用したピッチングに切り替えざるをえなかったのも、うなづける、というものだ。
そのカーショーを「まだ7回もいける」と判断したのは、明らかに「欲張り過ぎ」だ。
マッティングリーは、左投手を苦手どころか、むしろ得意にしている左打者イチローをまったく左投手先発ゲームで起用しようとせず、2014年のポストシーズン進出をむざむざ逃した無能なジョー・ジラルディともども、「左打者は左投手を打てない」などという単純な図式、過去の古びたカビ臭い常識にとらわれた、頭の硬い監督ということもいえる。


投手が打たれる仕組み、それは
配球だけが全てなのではない。

damejima at 10:09

September 05, 2014


上のツイート、ホームランを打つ直前のものだと思う。(そして、下のツイートが試合後)予言者かよ、あんた(笑)なお、マーク・テシェイラはこれでジョー・ディマジオを抜いて、通算ホームラン数歴代80位(362本)。
Boston Red Sox at New York Yankees - September 4, 2014 | MLB.com Classic

2014年9月4日 マーク・テシェイラ同点ホームランfrom上原マーク・テシェイラの
同点ホームラン

6球目のスプリットが落ちていない。

2014年9月4日 チェイス・ヘッドリー サヨナラHR from上原チェイス・ヘッドリーの
サヨナラホームラン

これも6球目。ヘッドリーに対する6球のうち、5球がスプリット。意地になって投げたのだろうが、やはり同じ球種を続けていると落ちない。







これまで何度も何度も書いてきたことだが、投手というものは「同じ球種、同じコースを続けていると、ミスが起き、必ずといっていいほど、コースが甘くなる。よくある典型例。

サヨナラ勝ちを喜び合うジーターとイチロー


damejima at 11:38

August 13, 2014

いま日本のセ・リーグで首位決戦を戦っている巨人対阪神戦で、杉内投手が元マリナーズのメッセンジャーに浴びた2本のタイムリーは、どうやらストレートオンリー、次はスライダーオンリーだったらしい。


投手というものは、同じコース、同じ球種に投げていると、すぐに精度が甘くなるものなのだ。

このことを何度書いてきたかわからないくらい、このブログで書いてきたが、まぁ、なんというか、そうした事例にはあいかわらずことかかない。


投手というものは、同じコース、同じ球種に投げていると、すぐに精度が甘くなるものなのである。
よく勘違いして投手側をけなす馬鹿がいるが、その投手がノーコンなのではなくて、そういうふうにできているのが「ニンゲン」という生き物の「仕組み」なのである。
例えば、同じ作業をずっと続けている工場では、必ず製品の精度は落ちてくる。だからこそ「ニンゲン」という生物は、動作に「変化」をつけるなり、体操するなりなんなり、なにか工夫をすることでしか、「精度」の低下を防げないのである。

元記事:2010年3月13日、逃げ帰った国内のオープン戦ですら「同じ球種、同じコース連投のリード癖」でホームランを浴びるダメ捕手のあいかわらずぶりを笑う。リードもバッティングも、メジャー帰りどころか、ダイエー時代のまま。 | Damejima's HARDBALL



スキル、というものは、「正確さ」、つまり「思ったとおりに正確にできる」という意味だと思われがちだ。だが、そこでいう「正確さ」という言葉とは、実は、すこぶる曖昧な表現だ。

もし「正確さ」とやらが、「1回だけのトライでも、成功できる」という偶発的な意味なら、それはどちらかというと「度胸」という意味に近い。そうではなく、「何回やっても、同じようにできる」という意味で言っているのなら、それはどちらかというと、「忍耐」という意味に近い。


単純作業を1度だけやるのなら、「慎重にゆっくりやれば、正確にできる」可能性は誰にでもある。
だが、たとえ「定規を使って、鉛筆で横線を引く」というような、誰が何度やっても正確に達成できそうにみえる作業でも、実際には、何度もやらないうちに失敗するケースが出てくる。

人間の意志というものは、それほどまでにモロいのだ。

だから、修練し、繰り返しに耐えるスキルを身につける。

damejima at 09:46

September 18, 2012

16日のヤンキース対タンパベイ戦を見ていた人はわかると思うが、ポストシーズン進出のかかったこの重要なゲームで、タンパベイのBJアップトンは、ラッセル・マーティンのワンパターンのリードどおり、追いこまれてからアウトコースのクソボールのスライダーを繰り返し繰り返し空振り三振しまくってくれた。
よくもまぁ、ここまで何も考えずにバットを振り回せるものだ、と呆れたものだ。弱点さえ掴んでしまえば、同じ配球に何度でも引っかかてくれる。。正直、タンパベイらしい単調さとしかいいようがない。本当に単調。
タンパベイという貧打の単調なチームが、地区順位とまったく関係がなく人気がないのがよくわかる。監督ジョン・マドンがア・リーグ最優秀監督なんてものを受賞している理由がまったくわからない。
Grounders Grind Justin Upton's Progress to a Halt - Baseball Analytics Blog - MLB Baseball Analytics


そのBJアップトンだが、さっきチラっと試合結果を見たら、今日のボストン戦では、代打ばかり出してまるで打てる気配の無いタンパベイ打線にあって、なんと、3安打しているのだから、驚く(笑)
Boston Red Sox at Tampa Bay Rays - September 17, 2012 | MLB.com Classic

これほど穴がハッキリしているワンパターンなバッターに3安打を許すボストンも、雑な野球をするもんだ、と思う。こういうつまらないゲームを、わざわざ時間を割いて見るのは、実に馬鹿馬鹿しい。


こういう雑なことが起きる原因は、大小2つ。

「小さい理由」は、アンパイア

このゲームのデータを調べてみると、球審Tim McLellandの右バッターのアウトコース判定は、特定バッターのときに「異常に狭く」なっている。ときにはゾーン内の球すら、「ボール」とコールしている。これでは特定の右バッターに対してピッチャーはアウトコースいっぱいを攻めるなどできない。
Brooks Baseball · Home of the PitchFX Tool - Strikezone Map Tool 2012_09_17 BOS vs TB
ちなみに、Tim McLellandというアンパイアは、もともとストライクゾーンが縦長にできているタイプのアンパイアで、低めをやたらととる傾向がある。そして、Tim McLellandは、MLBで最もストライクゾーンの狭いアンパイアのひとりでもある。
Which umpire has the largest strike zone?


「大きい理由」は、ボストンの「甘さ」

アンパイアよりも、このほうが影響が大きい。アウトコースの判定の辛い試合なんてものは、掃いて捨てるほどある。特定のバッターに真ん中ばかり投げているのは、他のバッターは凡退させているわけだし、アンパイアのゾーンの狭さのせいより、むしろバッテリー側の不注意さに問題がある。

ボストンは、「BJに打ってもらわないと困る理由」でもあるのか?(笑) 他のバッターはうちとっているのに、ヤンキース戦で「穴」のハッキリしたバッター、BJアップトンには、どうぞ打ってくださいといわんばかりに、真ん中ばかり投げている。


4回裏 シングルヒット
2012年9月17日 BJアップトン 4回シングル


6回裏 シングルヒット
2012年9月17日 BJアップトン 6回シングル


9回裏 シングルヒット
2012年9月17日 BJアップトン 9回シングル


2012年 BJアップトン ホットゾーン


BJアップトンが好打者?
いやいや。ないない。ありえない。(笑) 投げるべきところに投げていれば、3安打されるようなバッターじゃない。
単にボストンが甘いだけだ。

打たれるところに投げなければいいだけのアダム・ダンマーク・レイノルズに、むざむざホームランを供給しているヤンキースといい、このところ打たれて当たり前の馬鹿げた配球を見ることが多すぎて、イライラする。おまえら、わざと打たれてんのか? と言いたくなるほどだ。

damejima at 11:23

August 22, 2012

父親とベースボール」という、ただでさえややこしいシリーズの最後のしめくくりの記事を書いているところなので、余計なことに頭を使いたくない。
だが、ホワイトソックス戦のヤンキースバッテリーの配球が、あまりにも幼稚で腹が立つので、しかたなく中断して、書きたくもない記事を書いている。


ハッキリ言わせてもらって、
こんな低レベルの配球の話を、なぜいま書かなきゃならないのか。時間の無駄もいいところだ。こんな簡単なミスを繰り返しているというのに、すぐに対策が打てないというのも、まったく理解できない。

ヤンキースバッテリーはなぜ、もっときちんと対戦相手のスカウティングをきちんと頭に入れ、なおかつ、度胸をすえて、バッターと対戦しないのか
(この記事は、いま現在進行中の第2戦を横目で見つつ書いているのだが、ケビン・ユーキリスアウトコース低めの球を満塁ホームランされたところだ。ヤンキースバッテリーには、「おまえら、アホか」と言いたい。7回裏のベッカムとワイズのヒットも、どちらもアウトコース。8回裏のピアジンスキーの三塁打も、ベッカムのタイムリーも、アウトコース。原因がわからないほうが、どうかしてる)

いまのヤンキースのバッテリーは、工夫も無ければ、度胸も無いのだから、打たれて当たり前だ。

第1戦:New York Yankees at Chicago White Sox - August 20, 2012 | MLB.com Classic

第2戦:New York Yankees at Chicago White Sox - August 21, 2012 | MLB.com Gameday



多くを語る必要はないだろう。
以下のデータを見てもらいたい。

ヤンキースバッテリーは、ランナーがたまってピンチになるとか、配球に困るとかすると、必ずといっていいほど、アウトコースいっぱいの球を投げてくる。そこを「アウトコースの球が大好物」のホワイトソックス打線に痛打されている、ただそれだけなのである。
「アウトコースなら打たれずに済む」とでも思っているのかもしれないが、自分がいま対戦しているのが、「アウトコースだけを待って、大きく踏み込んでくる特殊な打線のチーム」なのを忘れている。


ホワイトソックスの打者は、たしかにホームランの打てる打者が揃っている。だが、「どんなコースでも打てる器用なバッター」が揃っているわけではない。
例えば、死ぬほど低打率のホームランバッター、アダム・ダンが、「インコースが死ぬほど苦手な、偏ったバッター」であることくらい、調べりゃ、誰だってわかる。(コースと球種に大きなムラがある、得意不得意がハッキリあるからこそ、アダム・ダンは低打率なのだ)
このムラのあるバッターに、どういう理由で最も得意なアウトコースの球を投げるのか?

左打者アダム・ダンのホットゾーン左打者アダム・ダンの
ホットゾーン

インコースが真っ青な、左打者アダム・ダン。

右打者ケビン・ユーキリスのホットゾーン右打者ケビン・ユーキリスの
ホットゾーン

インコースが真っ青なユーキリス。左打者アダム・ダンをきれいに裏返したようなほーとゾーンなのが、ひとめでわかる。


他のバッターにしたって、彼らのホットゾーンをちょっと調べてみればわかるように、ホワイトソックス打線に「どんなコースでも打てる器用なバッター」など揃ってはいない。
むしろ、ホワイトソックス打線は「インコースの球を腕をたたんで振り抜けるようなバットコントロールの器用さが無いために、腕をおもいきり伸ばしたまま、力いっぱいバットを振り回せるアウトコースだけを待ち続けている不器用なバッター」がズラリと並んでいるだけである。


同じホームランバッターでも、ホワイトソックス打線のように、アウトコースの得意なバッターばかりではなくて、インコースを得意にしているスラッガーはたくさんいる。また、テキサスのように、「低めを大得意にしている打線」もある。(このことについては一度書いたことがある)
Damejima's HARDBALL:最終テキサス戦にみるロブ・ジョンソンの「引き出し」の豊かさ (1)初球に高めストレートから入る

例えば、テキサスのジョシュ・ハミルトンは、常にインコースを待っていることはわかりきっている。また、ボストンのエリドリアン・ゴンザレスは、常にインコースから真ん中に流れるフロントドア・2シームの失投を待っている。イチローがホームランを打つ場合も、たいていはインコースだ。
インコースが苦手でアウトコース待ちをしているアダム・ダンと比較すれば、ホームランバッターの待ち球にそれぞれ違いがあることは、小学生でもわかる。

だからこそ、ジョシュ・ハミルトンをうちとる場合、追い込んでおいて、アウトコース低めに逃げる変化球を投げておけば、簡単に三振がとれるのだし、そのアウトコース低めの変化球の苦手なハミルトンに、何も考えずにインコースのストレートを投げようとするシアトルのピッチャーや、ラッセル・マーティンはアホだと、このブログでは常に言い続けてきているのである。


(以下、2012年8月20日ヤンキース対ホワイトソックス戦から)

2012年8月20日 5回裏 ドウェイン・ワイズ ホームランアウトコース高め
シンカー


5回裏
ドウェイン・ワイズ
ホームラン
(投手ガルシア)


2012年8月20日 5回裏 ケビン・ユーキリス シングルアウトコース高め
スライダー


5回裏
ケビン・ユーキリス
シングル
(投手ガルシア)


2012年8月20日 5回裏 ピアジンスキー タイムリーアウトコースいっぱい
シンカー


5回裏
ピアジンスキー
タイムリー
(投手ラパダ)


2012年8月20日 5回裏 ダヤン・ビシエド タイムリーアウトコース低め
4シーム


5回裏
ダヤン・ビシエド
タイムリー
(投手チェンバレン)


2012年8月20日 6回裏 ゴードン・ベッカム ホームランアウトコース高め
4シーム


6回裏
ゴードン・ベッカム
ホームラン
(投手チェンバレン)


2012年8月20日 7回裏 アラミス・ラミレス ホームランアウトコースいっぱい
スライダー


7回裏
アラミス・ラミレス
ホームラン
(投手ローガン)


2012年8月20日 8回裏 アダム・ダン ホームランアウトコースいっぱい
シンカー


8回裏
アダム・ダン 
ホームラン
(投手デレク・ロウ)


---------------------------------------------

おまけ
2012年8月21日ホワイトソックス戦

2012年8月21日 ケビン・ユーキリス 満塁ホームランアウトコースいっぱい
4シーム


5回裏
ケビン・ユーキリス
満塁ホームラン
(投手ノバ)
New York Yankees at Chicago White Sox - August 21, 2012 | MLB.com Classic

---------------------------------------------

おまけ
2012年8月27日トロント戦

2012年8月27日 トロント戦9回表 ラスムス 3ランHRアウトコース低め
スライダー

9回表
コルビー・ラスムス
逆転3ランホームラン
(投手ソリアーノ)
Toronto Blue Jays at New York Yankees - August 27, 2012 | MLB.com Classic


damejima at 10:24

April 29, 2012

無能GMズレンシックがブランドン・リーグとトレードし、その後トロントの主力先発投手に成長したブランドン・モローとの今シーズン初対戦は、シアトルがトロントに完封負け。
ブランドン・モローはこれで今シーズン2勝目。珍しく打線が下降していたデトロイトをスイープして天狗になっていたシアトルの鼻を、ローテ投手として風格の出てきたモローが見事にへし折った。
Seattle Mariners at Toronto Blue Jays - April 28, 2012 | MLB.com Classic

Brooks Baseball · Home of the PitchFX Tool - Strikezone Map Tool

シアトル時代、ストレートばかりで押しては打たれまくっていたモローも、トロントで先発に定着して以降は、要所要所でスプリット、カーブ、スライダーを交え、またゲーム序盤とゲーム中盤で中心球種をかえるような配慮のできる懐の深いピッチャーになってきた。

それもそのはず、数字が裏付けている。
シアトル戦の前まで、今シーズンのモローは、「わずか50数%」しかストレートを投げていない。かつてのモローを知っているファンには驚きの数字だろう。(資料:Brandon Morrow » Statistics » Pitching | FanGraphs Baseball
シアトル時代のモローは、配球の70%以上をストレートばかり投げては狙い打たれたが、トロントに移籍してからのモローの配球、特に今シーズンの配球は、まったく「別モノ」なのであって、シアトル打線はかつてのモローとは別のピッチャーと考えて対戦すべきだった。(実際、ゲーム中盤にヒットを打てたイチローシーガーの打ったのは、いずれも変化球。特にイチローの2本目のヒットは、低めのスプリットを読み切っていた)

だが、いつものように、たいしてスカウティングもせずにゲームに臨み、自分の好きな球だけを好きなように打つだけなのが常のシアトルは、無策に変化球をひっかけて凡退を繰り返して完封負けを食らった。(代表例はブランダン・ライアン。全打席、変化球で凡退)
当然の結果だ。


ちなみに、シアトル時代のモローがストレート一辺倒の配球だったのは、彼自身の意志ではない。当時モローとバッテリーを組んでいたダメ捕手城島が、モローに単調な配球を押し付けていたためだ。(というか、他の投手全員にもアウトローのストレート、スライダーばかり連投させるようなたぐいの単調な配球を押し付けていた。このことは、現在の阪神ファンも、嫌というほどわかる話だろう)
これは、日本のシアトルファンにも、シアトル地元のメディアでも有名な事実で、当事者の証言も記事化されている話だが、当時あまりにストレートばかり投げるモローが狙い打たれるので、業を煮やした当時の投手コーチ リック・アデアがバッテリー・ミーティングを行って、コーチ側から「モローの配球にもっとカーブを多用する」との指示が出されていたにもかかわらず、なんとダメ捕手城島がその指示を全く無視して、モローにカーブのサインを一切出さなかったなどという、あり得ない事実があったのである。

だからシアトルの硬直した環境では、ブランドン・モローも実力の発揮のしようもなかったのは当然の話だ。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年12月22日、「投手コーチ・アデアとの打ち合わせを無視し、モローにカーブのサインを一切出さなかった城島」に関する記録。投手たち自身の「維新」による城島追放劇の舞台裏。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年6月19日、意味なくダメ捕手城島が阻害していた「カーブ」を自由に使えるようになってピッチングの幅を広げ始めたブランドン・モロー。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年8月8日、トロントに移籍したブランドン・モロー、東地区2位のタンパベイ相手に9回2アウトまでノーヒット・ノーラン。17三振を奪う。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年8月8日、ブランドン・リーグとの交換でトロントに移籍したブランドン・モローのここまでの好成績と、ダメ捕手城島のモローに対する配球の無能ぶりをあらためて振り返る。



それにしても、岩隈が満塁で、(そのサインが岩隈主導か、キャッチャーのミゲル・オリーボ主導かは不明)逆球であるにしても、初球アウトコース低めいっぱいの4シームを、右バッターエドウィン・エンカルナシオンに狙い打たれた満塁ホームランはとんでもなく不用意な配球だった。


なぜって、簡単。
エンカルナシオンは、「アウトコース、特に低めが滅茶苦茶に得意なバッター」だからだ。
(逆にいうと、彼の不得意コースは、このブログで何度も書いてきたロブ・ジョンソン風の「インロー、アウトハイ」である)
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」 『damejimaノート』(2)「外角低め」「ストレート」という迷信 実例:「アウトハイ・インロー」の対角を使うメジャーのバッテリー

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」damejimaノート


以下は、エドウィン・エンカルナシオンの今シーズンのホットゾーン、いわゆる得意コースだ。アウトコース低めが1.000、つまり「10割」なのがわかる(笑)

Edwin Encarnacion Hot Zone | Toronto Blue Jays | Player Hot Zone | MLB Baseball | FOX Sports on MSN

エドウィン・エンカルナシオンのホットゾーン 2012/04/28

今シーズンのエンカルナシオンのホームランは、これで6本目だが、今日の満塁ホームランを含め、その半数は「アウトコース一杯の球」である。
シアトルは前日のゲームでも、2回に先発ベバンが同じエンカルナシオンに、同じアウトコースをソロホームランされているクセして、なぜ、こんな簡単なことを、満塁策を指示するベンチ、指示されたバッテリーが、頭に入れて勝負に臨まないのか。

馬鹿としか言いようがない。

2012年4月15日のエンカルナシオンのホームラン2012年4月15日
ボルチモア戦
3号ホームラン


2012年4月27日のエンカルナシオンのホームラン2012年4月27日
シアトル戦
5号ホームラン


2012年4月28日 マリナーズ戦のエンカルナシオンの満塁ホームラン2012年4月28日
シアトル戦
エンカルナシオンの
6号満塁ホームラン

追記:4月29日にもやっぱりアウトコースの球をホームランされた。これで3戦連発。わけがわからん。ちっとは用心すりゃいいのに。

2012年4月29日 マリナーズ戦のエンカルナシオンのホームラン2012年4月29日
シアトル戦
7号ホームラン
Seattle Mariners at Toronto Blue Jays - April 29, 2012 | MLB.com Classic



岩隈が満塁ホームランを浴びたのは、打てもしないジャスティン・スモークという「置き物」を4番に据え続ける左右病の無能監督エリック・ウェッジが、3点リードされた無死1、3塁で満塁策をとり、前日にホームランを浴びているエンカルナシオンとの勝負を選んだからでもあるが、アウトコース低めが死ぬほど大好きなエンカルナシオンとの勝負というのに、満塁だからどうしても初球にストライクが欲しいとはいえ、アウトコース低めいっぱいの球なら、安全にストライクがとれると何の根拠もデータもなく思いこんでしまう単調な配球センスでストライクを取りにいってしまう「ダメ捕手城島的な、古臭い配球センス」は、完全に間違っている。

中には、エンカルナシオンのように、「アウトコース低めいっぱいが死ぬほど得意」というバッターもいるのである。相手にあわせて配球しないで、どうやって厳しいMLBで生き残っていくというのだ。甘いにも程がある。

わざわざ満塁にしてホームランバッターと勝負にいくのだから、せめて、相手の得意コースや得意球種くらい、頭に入れて勝負できないのか。
ベンチもバッテリーも、不勉強すぎる。



ダメ捕手城島について、数限りない回数指摘してきたことだが、もういちど書いておこう。
「アウトコース低めなら安全」という安易な発想は、日本の野球の一部にはびこる、単なる迷信に過ぎない。


いつになったら、この迷信を止めるのだろう。

damejima at 10:01

August 04, 2011

最初に断っておくと、この話題を取り上げたのは、ダメ捕手城島にも阪神にも巨人にも、まして「城島問題」にもマリナーズにも、まったく関係ない。単に、純粋に「配球論」として面白いから取り上げるだけだ(笑)(そもそも「日本における城島問題」をある意味決着させてくれた藤井捕手を、このブログが罵倒したりするわけがない(笑)ただ、下記の2本のホームランは彼自身の配球ミスで、言い訳できないと思う)


8月3日のナイターのデータで、こんな2本のホームランを見た。僅差のサヨナラゲームの阪神・巨人戦だ。試合を決めた2本のホームランを生んだ配球に、ちょっとした共通点が隠れている。
ちょっと考えてみてもらいたい。

8回裏 高橋由伸 (投手 小林宏)
2011年8月3日 阪神対巨人 高橋由伸ホームラン

9回裏 古城 (投手 藤川)
2011年8月3日 阪神対巨人 古城ホームラン


そう。
タテの変化球の後に、ストレートを投げている


結論を先に書いておくと、こういう1点を争うゲームでの正解は、やはり、こういう常道の配球だっただろうと思う。
ストレートを投げておいて
 同じ軌道に、タテの変化球を落とす


誰ももう覚えてないだろうが(笑)、2年くらい前に、アメリカの非常に優れた野球サイト、Hardball Timesの「カーブを有効に使う方法」についての配球論を紹介したことがある。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」 『damejimaノート』(4)「低め」とかいう迷信 研究例:カーブを有効にする「高めのストレート」
元資料:Hardball Times
Pitch sequence: High fastball then curveball

Hardball Timesは「最初にストレート、次にカーブを投げようと思うなら、投げるべきなのは、低めのストレートではなく、高めのストレートだ。そのほうが、カーブの落差が生きる」という主旨のことを書いているわけだが、なんでもかんでも低めのボールがいいと主張してばかりいる日本の野球の退屈な配球論と比べると、「高めか! 異常に説得力がある!」と思わず膝を打ったのをよく覚えている。


議論のポイントは簡単だ。
どうしても打者をかわしたい場面で
1 ストレートの後に、変化球
2 変化球の後に、ストレート
どちらが有効か? ということ。


特にもったいないのは、8回裏の高橋由伸のホームラン。

変化球の後に、ストレート」の流れで勝負して同点ホームランされているが、2球目のフォーク(MLBでいうと、スプリッター)を強振されたというのに、なぜ次がストレートなのだろう。

スイングを見たら確信がもてるのだが、たぶん高橋由の2球目の空振りの「意味」は、「フォークを狙った、当てにいく空振り」ではなく、「あくまでストレート系を狙った、強いスイング」だったのではないか?
定かな記憶ではないが、たしかこのバッター、「いざという打席では、決まってストレートに絞っているバッター」だった気がする。
このブログでも、去年10月にたった一度だけ、この高橋由伸というバッターの傾向について記事を書いたことがあったと思うが、あの記事の打席でも「頑固すぎるほどのストレート狙い」でホームランしているはず。
9回の古城にしても、初球のストレートを空振りされたときのスイングスピードで打者の狙いを感じとっておくべきだったように、データは見える。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月17日、イニングに入る前から「そのイニングの全打者に対する配球をあらかじめ『ひとつ』に決めきって」、結果、ボコボコに打たれて逆転負け、ポストシーズン敗退というダメ捕手城島の想像をはるかに越えたダメリード。(2)実戦編


やはり、ここは、「変化球の後に、ストレート」ではなくて、
ストレートの後に、変化球」だったら、結果は違っていたんじゃないか、と考える。

高めのストレートをしつこく投げ続けてファウルさせ、追い込んでおき、最後にフォークを空振りさせる寸法だ。単純なパターンだが、やはり年季が入ったパターンはハズレがない。実はこれ、テキサスに移籍した上原投手のパターンだ(笑)

今日、ダグ・フィスターが勝ったテキサスvsデトロイト戦にも、こういう「ストレートで追い込んで、変化球で三振」パターンがあった。
特に、8回裏に上原が好調ビクター・マルチネスをスッパリ三球三振にうちとった配球は、ちょっと大投手ロイ・ハラデイばりのシンプルさだった。素晴らしいのひとこと。83マイルのスプリッターが89マイルのストレートの軌道にのるとみせかけて落ちていく、それにあわせて、マルチネスのバットが空を切るのが、非常に美しい。

このシンプルな「上原パターン」でも、何度も言ってしつこいようだが、ストレートを低めいっぱいに決めようとばかりすると、今のMLBの球審は低めをぜんぜんとってくれないこともあって、ドツボにはまる。
「高めのストレートを見せておいてから、変化球を低めに投げるからこそ、カーブやスプリッターが利いてくる」のだ。

テキサス対デトロイト 8回表
打者ビクター・マルチネス 投手:上原

2011年8月3日 テキサス対デトロイト 上原の配球

テキサス対デトロイト 4回表
打者ウィルソン・ベテミット 投手マット・ハリソン

2011年8月3日 テキサス対デトロイト マット・ハリソンの配球






damejima at 17:32

June 16, 2011

デトロイトでのビジター4連戦あたりから、シアトルの投手が失点するシーンで、気になりだしたことが、ひとつある。
まだ「原因はこれだ、間違いない」とまで決め付けられるほど、サンプル数が集まっていないので、あくまで今はまだ、ただの「カン」でしかない。
だが、「こういう現象が増えてきている」と曖昧にしか言えない状態ではあっても、確実にこの現象は増殖しつつあり、その結果失点が増え、シアトルのチーム勝率は確実に下がってきている。


気づいたきっかけは、
ビクター・マルチネスのクレバーな「初球打ち」だ。

2011年6月11日 ビクター・マルチネス 7回裏

キャッチャーとしてのビクターは嫌いだが、彼のバッターとしてのクレバーさには素晴らしいものがあると、6月11日のマイケル・ピネダ登板ゲームでのDH出場で感心させられた。
このゲームで、ピネダはいつものように序盤ストレートで押していくピッチングをしようとしたのだが、いつものキレがなかった。デトロイト打線にカウントをとりにきたストレートを早いカウントで集中的に狙い打たれ、失点し続けた。そこで、しかたなくピネダとミゲル・オリーボのバッテリーは中盤から変化球中心の配球にきりかえようとした。
だが、ビクター・マルチネスは、ミゲル・オリーボの手の内を読みきってみせた。ピネダのストレートを打ち、さらに、変化球中心に切り替わったのを見透かして、こんどは変化球を、いずれも早いカウントで打ちこなしてみせたのである。
やはりビクター・マルチネスはキャッチャーとしての経験を生かして、相手投手の配球傾向を読みながら打席に立っているのだと思う。


最初に言った「気になる現象」というのは、
右投手の場合に、
 左バッターに投げる初球として、
 アウトコースいっぱいのストレートを投げて、
 それが狙い打たれ、失点につながる

というパターンだ。特に得点圏にランナーがいるケースでよく見かける。

実は右バッターについても、「右バッターに、インコースの変化球をやたらと打たれる」という現象が気になっているのだが、このほうは左バッターへの初球インコースよりさらにサンプル数が乏しいので、いまのところは保留しておく。


以下に、最近のゲームで「シアトルの投手が失点したシーン」での「左バッターに、早いカウントのストレートを打たれたケース」を羅列してみた。ビクター・マルチネスの名前が繰り返し出てくることに注目してもらいたい。
注意してほしいのは、ここに挙げたサンプルが全てではないことだ。ここに集めたのはあくまで「ヒットを打たれたケースだけ」であり、他に、打者を打ち取ることのできたケースにも「左バッターの初球にアウトコースいっぱいのストレートを投げた例」は数多くある。

2011年6月9日 デトロイト戦
投手:フィスター
5回裏 二死3塁 ドン・ケリー タイムリー(初球)
Seattle Mariners at Detroit Tigers - June 9, 2011 | MLB.com Classic

2011年6月11日 デトロイト戦
投手:ピネダ
1回裏 無死走者なし ブレナン・ボーシュ シングル(2球目)
1回裏 二死1、2塁 ビクター・マルチネス タイムリー(2球目)
初球もアウトコースいっぱいのストレート
2回裏 一死走者なし アレックス・アビラ シングル(3球目)
投手:ジャーメイ・ライト
6回裏 一死1塁 ラモン・サンチアゴ シングル(初球)
7回裏 一死2塁 ビクター・マルチネス タイムリー二塁打(初球)
投手:ジェフ・グレイ
8回裏 二死3塁 ドン・ケリー タイムリー(初球)
Seattle Mariners at Detroit Tigers - June 11, 2011 | MLB.com Classic

2011年6月12日 デトロイト戦
投手:フェリックス・ヘルナンデス
8回裏 無死1塁 ビクター・マルチネス シングル(初球)
8回裏 二死1、2塁 アレックス・アビラ タイムリー(4球目カーブ)
初球ピッチアウト 2〜4球目は全てアウトコースいっぱい
Seattle Mariners at Detroit Tigers - June 12, 2011 | MLB.com Classic

2011年6月13日 エンゼルス戦
投手:クリス・レイ
9回表 一死走者なし マイセル・イズトゥーリス シングル(初球)
Los Angeles Angels at Seattle Mariners - June 13, 2011 | MLB.com Classic

2011年6月14日 エンゼルス戦
投手:ダグ・フィスター
1回表 二死1、2塁 ピーター・ボージャス タイムリー(3球目)
初球もまったく同じ、アウトコース低めいっぱいのストレート
Los Angeles Angels at Seattle Mariners - June 14, 2011 | MLB.com Classic

もし特定の投手のときにだけ、こういう現象が起きるのなら、原因をその投手の配球の組み立てに求めればいい。
だが、これだけ多数の投手に「同じ現象」が現れるとなると、そうもいかなくなる。やはりピッチャーにサインを出すキャッチャーのほうにも、原因を求めないわけにはいかなくはなる。


ミゲル・オリーボが今シーズン安定したリードをしてきたこと自体は、ブログ主も認めていいと思っている。だが、この6月に入ってから、ちょっと風向きが変わりつつあるのを感じる
右投げのミゲル・オリーボが、かつてのダメ捕手城島と同じように、ランナーが出ると、ランナーをスローイングで刺しやすくするために、左バッターのときには、セカンド(あるいはサード)に送球しやすいアウトコースに配球を集めたがる、とまでは、まだ言いたくはない。
だが、控え捕手のジメネスがあまりに使えないせいもあって、チームはほとんどの先発投手をオリーボにまかせるようになってきている。連日ゲームに出ている疲労のせいだと思いたいが、リードだけでなく、キャッチング、送球、打撃、ミゲル・オリーボのプレー全般に、プレー精度の急激な低下を感じる。このところ、彼の守備面のミスからくる失点が多すぎるのも気になる。

気になっていることは他にもまだある。

エンゼルス戦で、不振のバーノン・ウェルズに2本もホームランを打たれたが、彼は非常に典型的なローボールヒッターだ。その彼に低めいっぱいを連投したのは、ちょっといただけない。ちょっとは相手主軸打者のスカウティングも頭に入れておいてリードしてくれないと困る。
今シーズン成績不振といわれている他チームの主軸バッターに、シアトル戦にかぎって長打を打たれるシーンを、非常によく見かけるわけだが、この現象の原因は、「スカウティングがピッチャーのリードに十分に生かされていない」という点があるのではないか、と、少し思い出している。

2011バーノン・ウェルズのホットゾーン右打者バーノン・ウェルズの
ホットゾーン

赤くなっている部分が得意なコース。
あきらかにローボールヒッター。
Vernon Wells Hot Zone | Los Angeles Angels | Player Hot Zone | MLB Baseball | FOX Sports on MSN


シーズンも6月ともなると、打者についても投手についても、お互いにさまざまな情報が集約され、対策が施されてくる。

たとえばシアトルの打者への対策。
いつも低めのチェンジアップを狙っているカルロス・ペゲーロが、ワンバウンドするほど低いボールでも振ってくることと、アウトコースのスライドして逃げていく球には全くついていけないこと。ミゲル・オリーボが、アウトコースの縦に変化する球を全く打てないこと。高めのストレート系を強振してくるジャック・カストが、低めのチェンジアップなどにはどうしても手を焼くこと。インコースを引っ張るのが大好きなフランクリン・グティエレスはアウトコースの変化球で三振させるのは簡単なこと。
それくらいのことは、気がつくチームは、誰もが気がついている。

もちろんシアトルの投手の配球だって、スカウティングの早いチームにはだいたいの見当がつきはじめているだろう。


まだまだサンプルを集めていかないとハッキリしたことは言えない。
たくさんの好投手を先発に抱えたシアトルの投手陣だが、他のチームのスカウティングの進むここからは苦労する場面ももっと増えてくると思う。
そういうシーンを見たときに、ここで書いたことがどのくらいあてはまっているか、確かめながら、ここからのゲームを見ていく必要があると思っている。






damejima at 09:25

May 27, 2011

5月25日の阪神・ロッテ戦7回表の、阪神バッテリーの失点パターンがなかなか面白いので、いちおうメモを残しておくことにした(笑)

要点は、6人目の打者・今江が「なぜ初球ストレートを、まるでストレートが来るのがあらかじめわかっていたかのように、打てるのか」ということだ。
(と、いうか、本質的なことを言えば、このイニングの打者全員がストレート狙いができていないといけない)

シチュエーションは、3-2で先攻ロッテが1点リード。7回表の阪神バッテリーは、投手が久保田、キャッチャー城島

1)高濱  初球ストレートを二塁打 無死2塁
2)井口  速球で追い込み 外角フォークで凡退  1死2塁
3)福浦  敬遠  1死1,2塁
4)里崎  初球のみスライダー ストレートで追い込み
       外角フォークで三振 2死1、2塁
5)清田  フルカウントから外角ストレートを見送り 四球
       2死満塁
6)今江  初球ストレートをタイムリー 神2-4ロ 2死満塁
7)伊志嶺 フルカウントから押し出し 神2-5ロ 2死満塁
8)伊藤  カウント1-2から外角ストレート三振 3アウト


まず誰でも気がつくのは、
セカンドにランナーがいる状態で、井口里崎、2人の打者に対して、例によって、阪神バッテリーがまったく同じ攻めをしていることだ。
ひとりが上手くうちとれると、2人目以降の打者にも同じ攻めを続けるのは、言うまでもなく、キャッチャーの誰かさんのクセで、去年のポストシーズンでも数多くサンプルを見ることができた(笑)たぶん、初球ストレートを痛打された先頭打者高濱にも、実は井口、里崎と全く同じ攻めをするつもりだったに違いない(笑)
「ストレートだけで打者を追い込んで、最後にアウトコース低めにフォークを落とす」という、なんつーか、もう(笑)あまりにもお馴染み過ぎる攻め(笑)まさに「力ずく」そのもの。プロとしてなんの創意工夫も感じられない。
それでもまぁ、どういうわけか、井口、里崎は凡退してくれて結果オーライ。

普段の久保田投手の組み立てがどういうものかが全くわからないのが困るのだが、これだけストレートだけで打者を抑えようとした、ということは、逆に言えば、この試合でストレートによほどのキレと自信があった、ということなのかもしれないが、どうなのだろう。


さて、外角フォークであっさり凡退した井口・里崎とは方向性のまったく違うバッティングをした打者が、2人いる。先頭打者の高濱と、タイムリーを打った今江だ。
2人とも初球ストレートを、センター方向に打ち返している。(だからこそ、久保田投手がこのイニング、ストレートだけで押すことは、もともとできるはずがない、といえるわけだが)

この「初球ストレートを打てたクレバーな2人の打者」のうち、清田が四球を選んだ直後に打席に立った今江に限っていうと、「初球は、どこをどうみてもストレートで、しかも、間違いなくストライクを取りに来る」と「誰でも予測できる状態」にあった。いくらファンとはいえ、この場面で、この程度の予測もできないなら、野球を見るのはもう止めたほうがいい

理由はいくつかある。

1)久保田投手の持ち球は限られている
2)ランナーがたまった後では、フォークは投げにくい
3)「四球直後の初球ストライクを狙え」という単純なセオリー
4)キャッチャー城島は、イザとなったときに限ってフォークを後逸する可能性があるため、要所でフォークをチョイスしてくる可能性はきわめて低い

チャンスに強い今江と対戦するというのに、ここまで「初球ストレート」が予測できる状態にしてしまっていては、もう、どうにもならない。



打者の側から見たこのイニングのポイントは、「狙いをストレートだけに絞って、コースが甘く入ったら、早いカウントから強振する」という、たった1点しかないことに、「打者がいつ気づくか?」ということにあった。
このイニングに打席に立った8人のうち、データでみると、ストレートに絞ることができないでフルカウントにまで追い込まれてしまうような野手が2人ほどいるわけだが、これは単に、いま調子が最悪に悪いか、または、場面を考えて打席に立つだけの野球脳がそもそも無いまま、いつも漫然とバットを振り回しているか、どちらかだ。

普段の久保田投手がストレートだけで打者を次々と三振させることが可能な投手なのかどうか、それはわからないが、ここで満塁にしてしまっては、打者をストレートで追い込んだ後でフォークで仕留めるというワンパターンな攻めすらできなくなる。
そのことを考えると、このイニングで最もやってはいけないのは、今江に初球のストレートを狙われてタイムリーを打たれたことより、5人目の打者・清田を歩かせて満塁にしてしまい、配球面でニッチもサッチもいかなくなったことだろう。(もちろん、清田の次打者が、あまりアタマの良さそうには感じられない伊志嶺君なら、話は別だが。あと、初球にスライダーを投げておく手もあるにはあった)

そして清田との対戦での阪神バッテリーの配球には意味がよくわからない点がいくつかある。
まず、伝家の宝刀フォークを、2球目に使ってしまっていること、この意図がわからない。そしてフルカウントになった後には、勝負球のはずのお約束の外角フォークを投げない。これも意味がわからない。
なぜ追い込んでからフォークを投げるお約束のパターンを使わず、2球目に、彼らの組み立てからすれば貴重な持ち球のはずのフォークを安易に使ってしまったのか? そしてフルカウントから大胆に外角フォークを投げる勇気はなかったのか。
まぁ、何がしたかったのやら、よくわからない。


こうして、阪神バッテリーは自らの勇気の無さで自滅して満塁にしてしまい、次打者・今江の初球にストレートでストライクをとりにいくわけだ。フォークを投げる可能性が消えた久保田投手は、まさに素っ裸で戦場に飛び出していくようなものだ。
もうこういう状況になってしまえばストレートが「痛打されないわけがない」ことが、ここまでの簡単な説明で少しはわかってもらえたらありがたい。


余談だが、ロッテ7人目の打者は伊志嶺君という新人だそうだが、このわかりきった場面で、ボールが真っ二つに割れるほどストレートをしばきたおすくらいの、意図のハッキリしたバッティングができないようでは、これから先が思いやられると思う。グジグジ迷っていてはダメ。
むしろ有望なのは、このイニングの先頭打者で、阪神バッテリーの攻めパターンが明白になる前に、初球ストレートを強振できた高濱選手だろう。この野球センスの良さ、思い切りの良さを生かして、今後もクレバーな打者目指して頑張ってもらいたいものだ。








damejima at 15:27

April 22, 2011

ひさびさにダメ捕手のダメ捕手たる真髄のみれたゲーム(笑)をネット観戦できたので、ちょっとメモに残しておこう。
このカードの各ゲームをふりかえってみて、ゲームを失う決定的な失点のいくつの原因がダメ捕手城島にあることがわからないようなら、野球を見るのはやめたほうがいいと思う。それくらいハッキリしている。


まず2011年4月21日の阪神対巨人3回戦。
6回表、8回表、2つの失点シチュエーションのデータを見てもらいたい。

上は、6回表1死1塁、バッターは2番脇谷、ランナーは坂本。
阪神の投手は、左投手・岩田。(アウトコースに連続3球ストレート系。3球目のカットボールをヒット)
下は、8回表1死1塁、バッターは5番代打高橋由伸、ランナーは代走鈴木。
阪神の投手は、右投手・渡辺亮。(アウトコースに4球連続ストレート。すべてボール判定で、ストレートの四球)

2つのシーンには「ある共通点がある」のだが、
これがわからないようでは、野球を見ている価値がない。なにか別の趣味でも探したほうがいい。

2011年4月21日 阪神vs.巨人6回表脇谷レフト前ヒット

2011年4月21日 阪神vs.巨人8回表高橋由伸フォアボール

そう。
両方とも、1塁に足の速いランナーがいて、打者が左バッターなのである。

日本のプロ野球しか見ない人は知らないだろうが、シアトル時代にさんざんこのキャッチャーの配球を見させられ続けた立場からいうと、ここで「キャッチャー城島は、左打者のアウトコースに、馬鹿みたいにストレート系連投のワンパターン配球をしてくる」可能性が高いことは、容易に想像がつく。


なぜって?

ひとつには、城島が「右利きのキャッチャー」だからだ。


1)ランナー1塁で、左打者
  → アウトコース攻め
もしランナーが盗塁を試みた場合、左打者のインコースに配球していたのでは、右利きの城島のスローイングにとっては、左バッターボックスにいる打者が邪魔になり、セカンドに送球するためにボールを捕球してからサード側にステップアウトしなければならない。
最初に挙げた脇谷と高橋由伸の2つのシチュエーションは、まさにこの「ランナー1塁で、左打者」のケースにあたる。

2)ランナー1塁で、右打者
  → 往々にしてインコース攻め
打者が左の場合と違って、右バッターボックスにいる打者は、右利きの城島のスローイングの邪魔にはならない。
そこで、ランナー1塁で打者が右ならば、インコース攻めをする確率が高くなる(ランナー1塁で打者が左のときにアウトコース攻めをする確率よりは多少ながら低いかもしれない)
いつぞや、城島がシアトル在籍時に、右打者であるアレックス・ロドリゲスに6球連続でインコースにストレートを要求して3ランだかを打たれて負けたことがあったが、あのケースも基本的には「右打者ならインコース」という、このパターンに準じている。

3)走者パターンの変化からくる配球パターン終了
ランナー1塁というシチュエーションが、1・2塁、2・3塁、満塁などに変わると、1)2)の配球パターンは消滅する。なぜなら、スチールを刺したくてしかたがないキャッチャー城島が、1塁走者のスチールを警戒する必要度が下がるからだ。

言っておくが、こうしたスチール阻止のためにあるような、意味不明の単調な配球パターンを無理矢理とったからといって、チームの失点を下げることができるわけでもなんでもない。このことは、ダメ捕手城島のシアトル時代の酷いCERAや、酷いチーム防御率を見れば十分すぎるくらい証明されている。
メジャーの先発投手たちからことごとく総スカンを食らったのに、日本に帰ってまた同じことをやっているのだから、本当にどうしようもないキャッチャーだ。



さて、上に挙げた6回表の脇谷、8回表の高橋由伸、2つの例は「走者1塁、左バッターのケース」にあたるのだが、「走者1塁、右バッターのケース」にあたるのが、下の2つのシチュエーションだ。
6回表・1死満塁 右バッター、ラミレス(2点タイムリー
8回表・1死1,2塁 右バッター、長野(タイムリー

2011年4月21日 阪神vs.巨人6回表ラミレス2点タイムリー

2011年4月21日 阪神vs.巨人8回表長野タイムリー

8回のタイムリーヒットについて、ラミレスは
「高めの球を待っていた」と、待ち球が的中したと発言
している。(ラミレス「沢村のために」V打! (スポーツ報知) - Yahoo!ニュース

この発言には、背景に2つの要因がある。

ひとつ目は、この日の球審が、ゲーム後半になって、びっくりするほど、低めいっぱいのストライクや、内外角いっぱいのボールをストライクとコールしなくなったこと。これは、阪神の投手だけが被害にあったわけではなく、巨人の投手も同じように被害にあった。
だが、ゲームを見ていた人はわかると思うが、ダメ捕手城島はそれでも「低めのスライダー系をしつこく投手に要求して、カウントを悪くして、ランナーがたまる原因を作っていた。(例:6回表1死1、2塁フルカウントでの小笠原への6球目、6回表1死満塁でのラミレスへの2球目、3球目。いずれも低めスライダー)
まったく能の無いことをするものだ。

ふたつ目の理由は、5回まで素晴らしいピッチングを続けていた阪神先発の岩田投手の「カーブ」が、6回になって突然高めに浮くようになってしまい、まったくストライクが入らなくなって、使い物にならなくなったこと。(城島はそれでも岩田にしつこく変化球を要求してコマンドの修正を図ったが、修正不能であることに気づく前に失点して、ゲームを失った)

これら2つの要因と、このブログが常に指摘してきた「城島の単調なリード癖」、つまり「ランナーを刺すための配球をする」「同じ球種を続けたがる」ことからすれば、6回の満塁の場面で、ラミレスが「低め」と「カーブ」を徹底的に捨てる、「高め」「インコース」「ストレート系」を待つ、という絞りこみをすることは、いともたやすかった


この「絞りこみ」は、実は、阪神と対戦する、どこのチームの、どの打者にも可能だ。
だが、ダメ捕手城島のバッティングのように、来た球をただブンブン、ブンブン振り回して凡打の山を築くような、「頭を使わない打者」にはできない。以前にも一度触れたことがあるが、巨人というチームは対戦相手を結構しっかりスカウティングしている。

セ・リーグの他チームも、こんな「オツムの単細胞なキャッチャー」を、なぜ研究しないのかと思うし、また、こういうキャッチャーとしての決定的な欠陥に気づきもしないで、阪神ファンはよく城島を応援できるものだと思う。








damejima at 17:23

October 29, 2010

同じ失敗を何度も繰り返している人間を見るのが、
他のどんなことより嫌いだ。


2010ワールドシリーズワールドシリーズGame 2は、ALCS(=ア・リーグのリーグチャンピオンシップ)Game 1、CJウェイルソンが投げて楽勝のはずが、ゲームの最後にヤンキースに大逆転負けしたゲームと、まるで同じ展開。非常に気分が悪い。
Texas Rangers at San Francisco Giants - October 28, 2010 | MLB.com Gameday

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月15日、まさしく監督の経験の差が出たテキサスのリーグ・チャンピオンシップ第1戦。ロン・ワシントンの「乱心」。

ALCS Game 1の継投パターンは、今日とまったく同じ。
CJウィルソンが好投し、終盤にランナーを出してしまったところで、ロン・ワシントンは、よせばいいのにダレン・オリバーを出した。オリバーは打者に初球インコースの球ばかり、投げては打たれ、投げては打たれ、あれよあれよという間にテキサスは逆転負けしてしまった。


今日のWS Game2もまったく同じ。

先頭打者を四球で出してしまった後、どうも指のマメがつぶれて出血でもしたらしいCJウィルソンが突然降板。嫌な予感がしたのだが、案の定、監督ロン・ワシントンダレン・オリバーを出してきた。

オリバーは、ハフウリーベレンテリアと、3人の打者に、またしてもインコースばかり投げ、ウリーベにこのゲームを決定するタイムリーを打たれた。(もっといえば、Game 1のウリーベの3ランもインコース。テキサスのキャッチャーはいい加減、インコースの勝負どころを考えるべき)
この日ソロ・ホームランを打っているレンテリアにしても、昨日のゲームを実質決めた3ランを打っているウリーベにしても、サンフランシスコの下位打線のフリースインガーたちがゲーム中盤以降に狙っているのは、常に「0-0、1-0を含むFastball countsにインコースを振り回すこと、特にインコースのストレート」しかないと思うのだが、なぜまた、その待っているインコースにばかり投げたりするのか。(他のサンフランシスコの打者も、ほとんどがFastball Countsではストレート系を振ってくる)
タイムリーを打ったウリーベへの配球より、むしろ、レンテリアへの配球が酷い。よくあれで2本目のホームランを打たれなかったものだ。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月24日、メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」damejimaノート(11) なぜライアン・ハワードは9回裏フルカウントでスイングできなかったのか? フィリーズ打線に対する"Fastball Count"スカウティング。

CJウィルソンの後にいつもまずダレン・オリバーを投げさせることもよくわからないが、さらにそのダレン・オリバーが、マット・トレーナー相手に投げると、いつもこういう「インコース一辺倒な単調な攻め」をして、痛すぎる失点をし、CJの作った投手戦をぶち壊して、貴重なゲームを失っているのが、本当によくわからない。
そしてロン・ワシントンは決定的な失点をしておいてから、さらになんだかんだ失敗を積み重ねておいてから、結局ホランド。

まるでALCS Game 1の二の舞だ。


挙句の果てには、9点差の完封負け寸前の場面なのに、
スターターのハンターに投球練習までさせた。

馬鹿か。ロン・ワシントン。






damejima at 11:45

October 18, 2010

阪神対巨人のクライマックスシリーズ第2戦、キャッチャー城島は、8回表の打者6人全員に「ストレート、フォーク、フォーク、フォークという配球」、9回表の打者6人全員に「フォークで入って、ストレートで決める配球」をして、結果的に大逆転負けして、チームをポストシーズン敗退に導いた

前記事の(1)で結論は書いたから、この(2)では、もうちょっと詳細な部分を書いてみる。

資料:Yahoo!プロ野球 - 2010年10月17日 阪神vs.巨人 一球速報


8回表、9回表のデータを見る上で、最初に知っておかなければならない「ゲーム全体の流れ」がある。ゲーム当初からの巨人の打者の狙い、阪神バッテリーの狙い、である。このくらいのことは頭に入れてから見ないと、まるで面白くもなんともない。

巨人側・打者の狙い球
1)1番坂本、7番長野の2人は、基本的に「変化球狙い
2)小笠原ラミレス高橋由阿部の主軸4人は
  基本的に「ストレート狙い(特に高橋由)」
  ただ「フォークも振ってくるが、空振りが多い。
  ストレートしかバットに当たらいない(ラミレス)」
  ことも多少ある

阪神バッテリー側・配球上の狙い
1)先発・久保の段階から「フォーク」は決め球に使っていた
2)2番亀井は、阪神バッテリーが
  「ここで打線のつながりを断ち切る」と決めているバッター
  他のバッターとは攻め方を変えている
3)3番・小笠原には「インコース攻め」を徹底
4)6番・阿部に対する決め球は「フォーク」


攻守両チームの狙いを突きあわせるとわかると思うが、両チームの「狙い」は、いくつかの部分で「最初から勝ち負けが決してしまって」いて、さらに戦略勝負では基本的に最初から巨人側が勝っている。
なぜなら巨人打線においては、主軸バッターは「ストレート狙い」、下位の長野から1番・坂本までの打者は「変化球狙い」と、メリハリをつけていることについて、阪神バッテリーはゲームが終わってしまうまで、ほとんど気づいていないか、十分な対策をしていないからだ。
たとえば、ストレートの狙いの高橋由の2ランだが、打った球はデータ上は「スライダー」と記録されているが、コースからみて、たぶん実際には投手・久保田のスライダーが高めに抜けた球だろう。だから、打った高橋由にしてみれば「棒球のストレートを打った」という感覚だろうと思う。つまり、スライダーを狙い打ったというより、「ストレート狙いのタイミングが効を奏した」というほうが正しい。
また、試合序盤にインコースをファウルか空振りばかりして、簡単にストライクをとらせてくれた小笠原に対する「インコース攻め配球」を、ピッチャーが久保田、藤川に変わったとたん、城島は「アウトコース低めの変化球で決める配球」に変えてしまって、アウトコースを痛打されまくっている。
この2つの例などはダメ捕手城島が、打者の狙いを感じとって配球をその場で発想、変更するのではなくて、「あらかじめ考えてあった安易な配球パターンを、相手の出方も見ずに、ただただ実行しているだけ」という動かぬ証拠である。

両軍の「狙い」の細かい勝ち負け勘定
1)坂本の「変化球狙い」は、坂本の勝ち
2)亀井を徹底して抑えて打線を分断する狙いは、
  阪神側の狙い通り。
  ところが8回の四球だけは、亀井の勝ち
  出塁への執念が、2点タイムリーを呼び込んだ。
3)小笠原へのインコース攻めは序盤だけは効を奏した。
  だが投手交代後に
  変化球でアウトローをつく配球に変えてしまい、
  そのアウトローを打ちまくられた

4)ラミレスに、3球続けてフォークを投げたことで、
  適応力の高い打者であるラミレスの目が慣れて
  逆転の2点タイムリーを浴びた

5)一貫してストレート狙いの高橋由の2ランは、
  おそらく阪神・久保田のスライダーが抜けた失投
6)阿部へのフォーク攻めは、一貫して阪神側の勝ち


さて、前提が出揃ったところで、各イニングを詳しく見てみる。
(以下、画像はクリックすると別窓で拡大)

まずは、8回表


先頭打者 脇谷
4球目フォークをピッチャーゴロ

2010年10月17日 阪神vs.巨人 8回表 先頭打者脇谷ストレート2球のあと、フォーク、フォークで凡退。初球・高めのストレートはファウルしたが、3球目・真ん中の甘いフォークは見逃している。おそらく、8回から打席に入った交代選手なだけに、打撃の照準をピタリと合わせるまでに至らなかったのだろう。


2人目の打者 坂本
狙いのはずのフォークで三振

2010年10月17日 阪神vs.巨人 8回表 2人目打者 坂本脇谷と違って、最初の打席から一貫して変化球に対応している。第1打席、第2打席の連続ヒットは、いずれもフォーク。
それだけに、8回に阪神の投手が、持ち球の種類が少なくフォークのある藤川に代わったことで、坂本の「フォーク狙い」がピタリとハマるはずだった。
だが、フォーク狙いがはまったことが、かえって災いして、外のボールになるフォークを我慢できずに、三振した。やはり野球は簡単ではない。


3人目の打者 亀井
粘り勝ちの四球

2010年10月17日 阪神vs.巨人 8回表 3人目打者 亀井阿部と並んで、このゲーム、最大の安全牌のはずの打者。
だが、よく調べるとわかるのだが、この日の亀井がここまでことごとく凡退しているのは、どの打席でも「他の打者には使わない配球ばかり」されているからだ。
例えばこのイニングでも、「初球からフォークという配球をされたのは、亀井だけ」。1番・好調の坂本と中軸打者の繋がりを切断することで大量失点を防ぎたい阪神バッテリーにしてみると、この2番亀井だけは「どうしても打たせるわけにいかなかった」はず。
実際、もしこのゲームの序盤で亀井が打線を繋いでさえいれば、間違いなく14安打5四球の巨人のワンサイドゲームになっていた。
その「阪神側が絶対に凡退させなければならない、安全牌のはずの亀井」が「2アウトから選んだ四球」だからこそ、この四球には非常に大きな価値があった


4人目の打者 小笠原
初球ストレートを二塁打

2010年10月17日 阪神vs.巨人 8回表 4人目打者 小笠原「甲子園球場では打てない」と言われ続けてきた打者だけに、小笠原のバット復活は、巨人がクライマックス・シリーズ最初の関門を突破できた大きな要因に挙げていいだろう。
それでも、このゲームの序盤、小笠原は阪神バッテリーの執拗なインコース攻めに苦しんでいた
バットを長く使い、長い竿を力まかせに振り回して唸らせるように「ブンッ!」と振り回す特殊なスイングのプルヒッターなだけに、バッテリーがインコースを執拗に攻めたくなること自体は、よくわかる。(小笠原がインコースを打つのが下手だ、という意味ではない)
インコースを打つ場合、ベース際に立って、腕を小さく折りたたんでバットヘッドを自分の腹の内側に抜くように打つ打者も多いが、小笠原はベースから離れて立って、踏み込んで、なりふり構わずフルスイングしてくる。
逆にいうと、バットヘッドが遠回りしてくるような感じのスイングなだけに、フルスイングでスイングスピードを上げないと、インコースの速球には振り遅れが発生しやすくなりそうだ。
だからこそ、個性的なスイングスタイルをもつ小笠原は、インコースを窮屈なフルスイングで振り抜くよりも、腕を長く使って大きく振り回せるアウトコースのほうが、かえって打球をライトに引っ張りやすい気がする。
ゲーム序盤に「しつこいインコース攻め」で小笠原を凡退させ続けていた阪神バッテリーだったが、ゲーム中盤以降はその「インコース攻め」をパタリとやめてしまった。これは、投手が藤川に代わった8回に配球を変え、「ストレートを1球だけ見せておき、その後は、ひたすらアウトコース低めにフォークを連投し続ける」という、アウトコース主体の配球に固定されたためだろうと確信する。(もちろん「ランナーが出ると城島は必ずアウトローを突いてくる」という典型的パターンでもある)
安易に配球戦略を変えたために、小笠原にアウトコース低めをライトに引っ張られてしまい、阪神バッテリーは二塁打を許した。


5人目の打者 ラミレス
合っていなかったフォークを、逆転の2点タイムリー

2010年10月17日 阪神vs.巨人 8回表 5人目打者 ラミレス2点タイムリーはアウトコース低めのボールっぽいフォークだが、2打席目を見ると、そのフォークで三振してもいる。
だから、明らかにストレート狙いに徹していたように見える高橋由などと違って、ラミレスはストレートだけを狙っているというより、単に、試合序盤、久保のフォークに合わせきれてなかっただけだろう、と考える。
試合後のラミレスは8回の打席について「ホームランはいらない。なんとかヒットを打とうと思った」と発言している。これなど聞いても、彼はシチュエーションに対応できる柔軟性の高いバッターであり、ストレートだけを狙うとは思えない。
他のインタビューでは「もし(打った藤川のフォークが)ワンバウンドだったら空振りしていただろう。だけど、そうではなかったから、ついていけた」なんてことを、正直に言っている。だからどうみてもラミレスには「フォークが来るのはわかっているのだが、ついていけてない」という感覚があったことになる。
もし、阪神バッテリーが3球も続けてフォークを投げたことで、ラミレスの目が「アウトコース低めのフォークの軌道に慣れて」いなければ、この逆転タイムリーは生まれていない、ということだ。


6人目の打者 阿部
2球目フォークをセカンドゴロ

2010年10月17日 阪神vs.巨人 8回表 6人目打者 阿部ブログ主が「ダメ捕手城島がこのイニングの配球をイニング開始前から決めていた」と確信する大きな根拠のひとつは、この日は合っていなかったフォークを執念で打ち崩したラミレスの2点タイムリーより、むしろ、このゴロアウトになった阿部の打席だ。
負ければ終わりのこの大事なゲーム、たとえ逆転の2点タイムリーを浴びた直後とはいえ、いくらなんでも、まだ1点差だ。普通、ラミレスと阿部、まるっきり同じ配球はしないだろう、と、誰しも考える
ところが、だ。
阿部に対して、初球ストレート、2球目フォークで、セカンドゴロ。藤川球児はストレートが早いだけに、球速で「投げようとした球種」がわかる。ストレートなのか、それとも、フォークのすっぽ抜けなのか、間違えようがない。明らかに阿部への配球は、ラミレスへの配球をそのまま踏襲している。
だからこそ。2人さかのぼって、小笠原が二塁打をかました「初球のストレート」も、明らかに「2球目以降(あるは決め球として)アウトコース低めにフォークを連投していく配球をするための伏線」と、言い切ることができるのである。




9回表

だいぶ書いていて疲れてきた。画像を処理するのがめんどくさくなってきたので、記号だけで済まさせていただく。下記は、9回の打者と、それぞれに使われた球種。Fがフォーク、Sがストレート
ダメ捕手城島の9回表の配球が、8回表同様に、いかに単純で馬鹿馬鹿しいものだったかを知るには、これを見るだけで十分だ。
このイニングでは初球、2球目にフォーク、3球目以降がストレートと、8回と全く逆の配球を使っている

高橋由  フライアウト FFS
長野   四球 SFSSSSS
(送りバント)
脇谷   四球 FFSS
坂本   四球 FFSSS
亀井   フライアウト SSS

前回の記事の記述で、「もし亀井が打線を繋いでいたら、このゲームは巨人のワンサイドゲームになっていた。阪神バッテリーは、亀井に、先頭の坂本と主軸打者を繋ぐ役割をさせないために、亀井に対してだけ特別な配球をして、それを防いだ」と書いた。

8回表の阪神バッテリーは「初球にストレートをみせておいて、その後はアウトコース低めのフォークを連投する」という配球をみせていたが、亀井に対してだけは「初球にフォーク」を投げた
9回表の阪神バッテリーは「フォークを2球みせておいて、その後はストレート連投」と、8回の配球とまったく逆の配球を見せて巨人打線をかわそうとしたが、この9回も、亀井に対してだけ「初球からストレートで押して」うちとって、2死満塁という大量失点のピンチを防いだ。


上のほうで書いたように、
8回表に、阪神バッテリーが主として対戦したのは「ストレート狙いをしてくる主軸打者」だったわけだが、ダメ捕手城島が「初球にストレートをみせておいて、その後はアウトコース低めのフォークをひたすら連投する」という配球を「8回のすべての打者に続ける」という馬鹿すぎるリードをしたせいで、ゲーム序盤のインコース攻めに手こずっていた小笠原の2塁打を生み、必ずしもフォークにあっていなかったラミレスの目をフォークに慣れさせる結果になって、逆転の2点タイムリーに繋がった。

次に、9回表、阪神バッテリーが対戦したのは、「変化球狙い」の長野、坂本など、下位から先頭にかけての打者たちだったわけだが、このイニングの阪神バッテリーは「フォークを2球ほどみせておいて、その後はストレート連投」と、8回とはまったく逆の配球をみせた
この回の藤川球児は既に投げ過ぎの状態にあるだけでなく、8回のフォークの投げ過ぎで、おそらく握力もなくなってきていたことだろう。巨人打線の徹底した待球によって満塁のピンチを招いた。






damejima at 12:05
長い文章を読む根気の無い人のために、「結論」を先に書いておく。

こんな、誰でもわかって当たり前、起きて当たり前の「人災」など、時間をかけて書いても疲れるだけだが、こんなブログを始めた行きがかり上、しょうがない。
こんなわかりきった話より、ロイ・ハラデイリンスカムの投げ合いとか、ロン・ワシントンがGame 1の逆転負けから自分らしさを取り戻してヤンキースを叩いたGame 2の話、フィラデルフィアのGame 2、9回のラウル・イバニェスの見事なダイビング・キャッチの話でもしていたいものだ。
城島のような捕手がメジャーでまったく通用しなかった理由くらい、こういう逆転負けでCS敗退が決まった最悪のゲーム(またはレギュラーシーズンの優勝の可能性が無くなった横浜・村田の逆転3ランとか)を見れば、誰でも理解できるのが当たり前であって、議論などまったく必要ない。
横浜・村田の逆転3ランについてのブログ記事
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年9月30日、逆転3ランを打った村田が「なぜ、あれほど勝負のかかった場面で、高めのクソボールを強振できるのか?」についてさえ、何も書かない日本のプロ野球メディア、野球ファンの低レベルぶり。

セ・リーグのポストシーズンの最初の行方を決したゲームだが、次の(2)実戦編で詳しく書くが、イニングに入る前からダメ捕手城島の配球パターンは決まっていた
昔なら腹を抱えて笑うところだが、今は、ただ冷ややかに笑うだけだ。まるでオセロの駒か座布団でも裏返すように、8回と9回で、単にパターンを裏返しただけの「お好み焼き配球」(笑)。キャッチャーがこんなボーンヘッドをしでかしているのに、「打たれるのは投手のせい」とか言い続けている人がいたら、それはただの印象操作か、ただの馬鹿だ。


まず8回の配球はこうだ。
まず、ストレートを1球だけ見せておく。で、2球目以降、ひたすら、アウトコース低めのフォーク、フォーク、フォーク(笑)」たったこれだけ(笑)

ラミレスに対する配球「だけ」がコレだと思っている人だらけだが、巷の野球ファンは見る目がないねぇ(笑)
甘い、甘い(笑)この配球は、このイニングの先頭打者脇谷、2人目の坂本から始まって、挙句の果てに、ラミレスに逆転タイムリーを浴びたにもかかわらず、すぐ次の打者阿部に至るまで、「このイニングの6人の打者全員にまるで同じ配球」をしてる(爆笑)
この話、信じられない人は、一度この合計6人分の配球を「自分の目」でデータを確かめてくるといい。5分もかからずに、このブログの言ってることがわかるし、また、いかに「自分がいかにゲームを見てないか」もわかる。

9回は、8回と逆。
まずフォークを2球ほどみせておく。それからストレート、ストレート、ストレート」(笑)
いや、もうね(笑)何も言う言葉がみつからない。


チリの落盤事故から生還した人たちの歓喜の歌は、「チ!チ!チ! レ!レ!レ!」だったが、城島のは「フォーク!フォーク!フォーク!(8回)、ストレート!ストレート!ストレート!(9回)」だ(失笑)

ゲームログ
Yahoo!プロ野球 - 2010年10月17日 阪神vs.巨人 一球速報


仮に、あなたが野球で金を稼ぐプロの打者だとする。

もし、大事なゲームの、あるイニングで、相手チームのキャッチャーが「そのイニングの打者全員に、まったく同じ配球をしてくる」とわかっているとしたら、あなたなら、どうする。
まして、それが、ポストシーズンのあるステージの勝ち負けを決定するゲームの、それもゲーム終盤の8回、9回だとしたら?

ブログ主なら、絶対にスタンドにホームランを放り込んで、ヒーローになる。野球がメシの種なのだ。当然である。わかっている球が打てないくらいなら、野球など辞めたほうがいい。



このゲームの細かい点は(2)実戦編にゆずるとして、その前に、2つ、頭にいれておくべきことがある。
1)阪神のポストシーズンのチーム打率が、レギュラーシーズンより大きく降下したこと。一方で、巨人のチーム打率が上がったこと
2)阪神・藤川球児の持ち球は、ストレートとフォークしかないこと

1)の事態が予想された理由は、関連する現、関連する現象(セ・リーグの上位球団と下位球団の格差)なども含め、このブログで既に何度も書いている。
阪神のレギュラーシーズンの異常に高すぎるチーム打率が「ロクにスカウティングしない下位球団」を打ちこんだだけのものなので(打者によって得意とする下位球団は多少違う。城島、ブラゼルなら横浜、マートンならヤクルトだ)、強豪同士の対戦になるポストシーズンになれば阪神の打撃は急激に低迷することは簡単に予測できる。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月3日、格差社会そのもののセ・リーグの球団格差と、まやかしの打力を生み出す、遅れた日本のスカウティング・システム。

また、巨人というチームは、プロ野球セ・リーグで阪神・ブラゼルの弱点の洗い出しに最初に成功したチームであり、ポストシーズンでの対阪神戦でも、巨人のスカウティング能力の高さ(と、いっても「日本のチームにしては高い」という程度のレベルだが)をいかんなく発揮して、阪神打線を沈黙させる、という予測もできた。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年9月30日、逆転3ランを打った村田が「なぜ、あれほど勝負のかかった場面で、高めのクソボールを強振できるのか?」についてさえ、何も書かない日本のプロ野球メディア、野球ファンの低レベルぶり。


また、2)の藤川球児の持ち球についてだが、ボストン・レッドソックスの優秀なクローザー、ジョナサン・パペルボンの最近の権威の失墜ぶりと非常によく似た現象が、藤川球児にもあると考えている。

メジャーのゲームを見ない人にはわからないかもしれないが、ジョナサン・パペルボンは最近ストレートを狙い打ちされ、長打されるようになってきて、スプリット(日本でいうフォーク)を多投するようになりはじめた。
パペルボンは、いわゆる「打者、特に弱いチームの打者を見下ろす(みおろす)ような雰囲気で自慢の速球を投げこんでくるタイプ」の強気なクローザーだったが、よくよく見ると、今までも速球のコントロールは別にそれほど良いわけでもなかった。
だが、ボストンの強力打線にバカスカ打たれまくって、守備ばかりさせられて心の折れかかった負けチームの最終回の打者は、どうしても投げやりなフリースインガーだらけになりがちだ。彼らは、パペルボンの速球にまるで目が追いついていってないクセに、ボール球でもなんでも、やたらと強振してくれる。
だから、ちょっと前のパペルボンは、面白いように三振をとれた。

それが、どういうものか最近、事情が違ってきた。各チームの打者がパペルボンのボールになる速球を見切れるようになりはじめ、また、ストレートを打ち返せる打者が増えてきた

きっかけを作ったのがどのゲームか、ハッキリ思い出せないのだが、ボストンを大の苦手にしてきたボルチモアがバック・ショーウォルターを新しい監督にしたばかりの頃、9回にパペルボンを打ち崩して逆転勝ちしたゲームがきかっけだったように思う。あのゲームを境に、「パペルボン神話」というか、彼のクローザーとしてのカリスマ感は失墜していった

こうなると、変化球の持ち球の種類が少ないパペルボンは追い込まれていく。
最近のパペルボンは「打者にストレートを狙われている。投げる球がない」と感じると、スプリットを投げてくるようになった。ああなっては、やはり「クローザーとしての権威」は何ランクも落ちる。

最近のパペルボンの弱気さは、ヤンキースのマリアーノ・リベラと比べると、よくわかる。
リベラは、たとえイチローにサヨナラ2ランを浴びようが何をしようが、結局は、平然と自分の得意球カットボールをインコースに投げこんでくる。(ただ、もっと詳しいことをつけ加えておくと、最近のリベラは「ここは絶対カットボールだろう」という場面で、わざと4シームを投げたりするようにはなっている。けして昔と同じように自信満々たっぷりで投げているわけではない)
クローザーは「打者に舐められだしたらオシマイ」。そのことをパペルボン以上によくわかっているのが、リベラだ。


もし、パペルボンが、キャッチャーから、「あっさりポストシーズン敗退する阪神の正捕手さん」のような「全部の打者に、まったく同じ配球をするように要求」されたら、どうなるだろうか。


まず打者は、いくらピッチャーがパペルボンでも、バカスカ打つ。それがいくら弱小球団の下位打線の打率2割しかないような打者であっても、打つ。それがメジャーという場所の、日本のプロ野球にない怖さ、レベルの高さだからだ。
また、パペルボンはパペルボンで、「おまえ、クローザーの俺を舐めてるのか?」と怒りまくるだろう。クローザーはセットアッパーとは違う。
クローザーは抑えて大金をとっている。「どう考えてもプロのバッターを抑えられっこない、酷い配球」をしつこく要求してくるキャッチャーなど、あきらかにクローザーにとっては営業妨害だ。「全部の打者に同じ配球をするような手抜きキャッチャー」は、「クローザーの邪魔なだけ」だ。
もしそんなキャッチャーと組まされ続ければ、パペルボンも、フェリックス・ヘルナンデスや、エリック・ベダードや、ジャロッド・ウオッシュバーンのように、「自分の営業を邪魔しないキャッチャー。手助けてくれるキャッチャー」を指名するようになるかもしれない。


と。いうか、だ。

ひとつのイニングで、
6人も7人もの打者にまったく同じ配球?

そういう馬鹿馬鹿しすぎる話題について
「ありえる」とか、「ありえない」とか、
そういう議論自体、ありえない。



「ありえなさすぎる」レベルの馬鹿。
まさに地球サイズ
まさにプライスレス人災だ。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月17日、イニングに入る前から「そのイニングの全打者に対する配球をあらかじめ『ひとつ』に決めきって」、結果、ボコボコに打たれて逆転負け、ポストシーズン敗退というダメ捕手城島の想像をはるかに越えたダメリード。(2)実戦編 に続く。






damejima at 07:04

October 16, 2010

楽勝と思われたゲームを、監督のロン・ワシントンみずからが壊してしまい、テキサスが負けた。
特にテキサスのファンというわけではない自分ですら、あまりにも酷すぎる負け方を見て、気分が悪くなった。関係者なら、なおのこと心が折れるゲームだったに違いない。次のゲームに間違いなく影響が出るだろう。
勇気をもってチームを統率すべき監督の「小心さ」が、これほど露わになってしまっては、ゲームにならない。
こんなこと書きたくはないが、昨年7月にコカインの使用がバレた(レンジャーズ監督からコカイン陽性反応 - MLBニュース : nikkansports.com)この監督は、やはりそういうことでもやらないかぎり、大胆な采配をし、ベンチにドッカリと腰を据えていることのできない小心男かもしれない。
5-1と4点もリードして迎えた8回表に、ガードナーに内野安打、ジーターにタイムリーを打たれ、「失点したのに無死2塁のランナーがまだ残っている」と考えただけで、ロン・ワシントンは負ける恐怖に完全に我(われ)を見失った。
ブルペンでは自分の出番だろうと肩をつくりかけていたクローザーのフェリースが脱力したように椅子に座っていた。
New York Yankees at Texas Rangers - October 15, 2010 | MLB.com Gameday


いま見たばかりの酷い出来事を、
忘れないうちに要点だけ書きとめておくことにする。


1)監督の精神的パニックによる
  投手交代ミスの連続と、ブルペン投手の浪費

昨日の記事で、ボビー・コックスのアトランタを例に挙げて、こんなことを書いた。
選手層が薄いチームほど、やたらと選手交代する
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月13日、今年のポスト・シーズンに有名投手がズラリと揃った理由。多発する「曖昧なプレー状態」。
今日のロン・ワシントンは、まさに敗退したアトランタとそっくり同じミスを犯した。前の記事でも書いたが、監督がこれだけブルペンを無駄に注ぎ込んで負けたら、健康なブルペン投手がいなくなり、ブルペン全体に疲労が蓄積されて、これからゲーム終盤の逆転負けが多発する可能性が出てくる

そもそも先発で好投していたCJ・ウィルソンを、2点目を失点したくらいで代えるべきだったかどうか怪しいし、ウィルソンを続投させるか、あそこはダレン・オリバーではなく、クローザーのフェリースを投げさせるべきだと思った人も多いだろう。
また、レギュラーシーズンでホランドと対戦し、彼に苦もなくひねられ続けているシアトルファンにしてみれば、「代えるにしても、なぜダレン・オリバーではなく、ホランドを出さない?」と疑問に思った人もいると思う。(実際、今日のブルペン投手ではホランドが一番ヤンキースを「怖がらずに」「戦えて」いた)
要は、ロン・ワシントンはポストシーズンのチーム打率3割のヤンキースを舐めてかかって、ブルペン投手を節約しようとして打たれ、そしてパニくって、かえってブルペン投手を浪費した。

だが、まぁ、交代は交代でよしとしよう。
だがロン・ワシントンは8回表に、それまで好投していたウィルソンを代えたはいいが、ノーアウト満塁になって自分の首が絞まるまで、打者から逃げたくてしかたがないダレン・オリバーが無駄にボール球を投げ続けるのを、必死にヤセ我慢した。(というか、足がすくんで、投手の交代時期にベンチを出て行けなかった)
そのクセ、直後には「継投した直後の、初球のインコースをタイムリーされて、即、投手交代」というヘマを、なんと、2人も続けてやった。
この巨大な継投ミスでロン・ワシントンは、楽勝するつもりで元大統領とおしゃべりばかりしていたノーラン・ライアンの目の前で、せっかく選手がつくった好ゲームを、監督みずからの手で完全にぶち壊してしまった。

2−1)得点圏にランナーがいるのに、
    初球インコースのストライクから入り続けて
    打たれ続けるテキサスバッテリー

8回のテキサスのバッテリーの捕手は、マット・トレーナーだ。
サインをベンチが出したかどうかは定かではないが、プルヒッターだらけのヤンキースを相手にしているにもかかわらず、バッテリーは「四球直後も、投手交代直後も「初球にインコースを投げ続けた」わけだが、ちょっとこれ、ありえない配球ミスだと思う
彼らは、インコースを引っ張ろうと常に待ち構えている。センター方向に打ち返せる技術のあるバッターは、ロビンソン・カノーとか、だいたい決まっている。
その後マット・トレーナーに代打が出て、キャッチャーがベンジー・モリーナに変わってからは、初球はアウトコースになって、打者を比較的簡単に料理できたことを見ても、8回表の混乱ぶりはわかる。

2−2)「初球をタイムリーされ続ける」のは
    大量失点が起こる基本パターン

「四球直後の初球はストライクを取りにくるから、打て」は、セオリーだし、「投手交代直後の初球は非常に狙い目。特にランナーが貯まっているケースでは、打て」と考える人もいると思う。
いずれにしても「クロスゲームで四球をだすのが怖い」とか、「ここでストライクがどうしても欲しい」とか、失敗を怖れて視野が狭まったバッテリーが安易にストライクを欲しがって、あさはかな配球をしてくることが既に相手打者に予想され、バレているシチュエーションというのは、必ずあるものだ。
そうした「人間の無意識な怖れの感情が、自分の思考とプレーを束縛して、その結果、安易な配球がつくりだされるメカニズムの存在」に気がつかないキャッチャーは、馬鹿だ。

ホームランを打たれたわけでもないのに大量失点するイニングには、「発生の基本パターン、基本メカニズム」がある。そのひとつが「初球打ちタイムリーを、連続で打たれるパターン」だ。
かつてダメ捕手城島在籍時のシアトルでは、こういう大量失点が、それこそ、嫌というほど起きたものだ。

このシーズンオフには「カウント論」に再び手をつけようと思っているわけだが、打者が、打率が一番よく、ヒットの実数も多いのは、たいてい「0-1」「1-0」といった「早いカウント」であって、ボールを見極めながらヒットの実数が増える打者など、ほぼいない。
(四球が多いことで有名なボビー・アブレイユだって、追い込まれれば打率は下がっていく。また、「フルカウントからでも通算打率で3割打てるイチロー」など、例外中の例外。「カウントと無関係に打てる打者」など、普通は世の中に存在してない)


3)8回無死1塁での「意味不明なヒッティング」と、
  9回無死1塁での「意味不明なバスター」

せっかくの4点のリードをひっくり返されてしまったすぐ裏、テキサスは8回裏、9回裏と、2イニング続けてノーアウトの走者を出したのに、ロン・ワシントンは2度とも致命的なミスを犯した。

8回裏は、1点差の無死1塁で、打者マーフィーにバントさせなかった。この理由がまったくもってわからない。(結果は、ランナーのイアン・キンズラーがハンパにスタートを切ってしまい、牽制で挟殺)
9回裏も無死1塁となって、さすがにワシントンは次打者アンドラスの初球にバントのサインを出したわけだが、これもかえってわからない。
9回になればマリアーノ・リベラが出てくるのはわかっているのだから、その前に1点もぎとっておく必要がある。9回裏に気持ちが追い詰められてから必死にスリーバントするくらいなら、なぜ8回裏にバントさせて、まだ精神的にゆとりがあるうちに1点を獲りにいかないのか。意味がわからない。

それだけではない。
9回裏無死1塁、ロン・ワシントンは次打者アンドラスの初球にバントのサインを出したはいいが(結果は、バントしてファウル)、こんどは2球目にどうも「バスターさせようとした」らしく(もしかしたら、アンドラスのサイン見落としか、見違いかもしれないが)、アンドラスはバットを引いて打ちにいった。(結果は、見逃しストライク。この場面、真ん中近辺のストライクを見逃すこと自体がわけがわからない)
2球目に見逃した球がストライクになってしまったことで、アンドラスのカウントは追い込まれてしまい、結局ロン・ワシントンは、アンドラスにスリーバントというギャンブルをさせた(結果はスリーバント成功)
ギャンブルが成功したからいいようなものの、8回にはバントせず、追い詰められた9回には、バント、バスター、スリーバントという、苦しまぎれの展開。どれもこれも、わけがわからない。

そもそも、こんな大事な場面でスリーバントなんかさせることになった原因は、ロン・ワシントンの「迷い」にある。
監督が、走者をバントで送るのか、それとも意表をつく強打で行くのか、それすらハッキリと意思表示することもできないまま、ようやくスリーバントでランナーを得点圏に送った後では、いくらマイケル・ヤングが好打者でタイムリーを期待されて打席に入っても、打てるはずもない。なんというか、流れが悪すぎる。
マリアーノ・リベラの変化球に必死にくらいつきながらも、初球、2球目と打てる球を打ち損じて、結局は、外のボール球のストレートを振らされて三振したマイケル・ヤングが、なんとも言えず、哀れに映った。
あんな酷い流れの中で、「主軸なんだから打て」と言われても、そりゃ無理というものだ。

4)8回表、内外野の守備ミス連発
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年10月13日、今年のポスト・シーズンに有名投手がズラリと揃った理由。多発する「曖昧なプレー状態」。
この記事で、投高打低のポストシーズンだから、守備は大事。投手の守備も例外ではない、と書いたわけだが、8回表のテキサスの守備のうろたえぶりは、それはそれは酷かった。
・ファーストゴロで、投手のカバーが遅れる
・サード真正面の強襲ゴロが、レフト前タイムリー
・レフト前タイムリーのゴロを、レフトが捕り損ねる
・センター前ヒットをお手玉。無理なホーム突入ランナーが生還


このゲーム、どこがどう気持ちが悪かったか、なんとか多少はまとめてみた。見ていた人には当たり前のことばかりだが、こうでもしないことには、どうにも気分が優れない。
それほど今日のテキサスは「悪い気の迷い」に満ちていた。

迷っている人間のプレーほど、見ていて気持ちの悪いものはない。ほんとうに痛感した。スタジアムの5万人も同感だろう。






damejima at 15:40

September 17, 2010

2010年9月15日阪神vs横浜2回裏カスティーヨ タイムリー2010年9月15日
阪神vs横浜
2回裏カスティーヨ タイムリー

Yahoo!プロ野球 - 2010年9月15日 横浜vs.阪神
日本のプロ野球・横浜ベイスターズに所属するホセ・カスティーヨ(José Castillo)というプレーヤーはベネズエラのカラカス出身。シアトルのフランクリン・グティエレスとは同郷ということになる。
2004年から数シーズン、ピッツバーグでセカンドとしてプレーしたようだが、本来ショートだった彼がセカンドにコンバートされた理由というのが、「ショートにジャック・ウィルソンがいたから」というのだから、ちょっとビックリした。
この選手がもっと打てて、ジャック・ウィルソンをスタメンから追い落としてくれていたら、いまごろシアトルのショートは別の選手だったかもしれない。どこで縁があるか、わからないものだ。
Jose Castillo » Statistics » Batting | FanGraphs Baseball


まぁ、そんなタラレバより、上の画像を見てもらおう。
スコアは、ホームの横浜が6-1で大きくリード。2死1、2塁、カウント3-0(MLB表記)。また、初球から3球目まで、投手は全て「特徴的なアウトコース低めの変化球」を投げている

カウント3-0(MLB表記)というと、阪神・ブラゼルの「メジャーでは3-0、2-0では、投手は必ずストレートを投げる。だが、日本では変化球を投げてくることに最初とまどった」という何度も引用しているコメントがあるように、もしメジャーなら、まちがいなくここは「ストレートを投げるカウント」
だが、実際には、日本のゲームだから投手はこの打者に対して4連投となる「アウトコースのスライダー」を投げ、タイムリーを浴びている。
このタイムリーは、この2回の時点では7-1と、ただ点差を広げただけの点としか思われていなかったが、結果をみると、7-5。この1点がゲームの行方を決めたダメ押し点になった。


投手目線から考えると、なぜ「3-0」という苦しいカウントになったのだろう、いろいろと考えられる。マジなものから、おふざけまで、適当に並べてみる。日本での話だから、サインはキャッチャーから出ているものと考える。

1)もともとコントロールの悪い投手
2)たまたまこの日のコントロールが悪いだけ
3)セットポジションが苦手な投手
4)インコースが得意な打者なので、外に逃げた
5)強打者なので歩かせてもいいと、ベンチからサイン
6)ランナーがいると、アウトコースに逃げたがるキャッチャー
7)同じ球種を、同じコースに連投させるクセがあるキャッチャー
8)アウトコース低めのコーナーを狙いすぎて甘くなった
9)投手がストレートに自信がない
10)投手に持ち球の種類が少ない
11)インコースを突く度胸がない
12)点をとられるのが怖い
13)この打者に内角をホームランされたことがある

適当に思いつきを並べてみた。
アウトコース低めにちょっとだけはずれる同じ場所にスライダーを3球も続けられる投手ではあるらしい。だから「コントロールがまるで無い」とは考えられない。
むしろ「こういうピンチの場面で、外のスライダーのサインを出されて、それを投げさせられることに慣れている(慣れさせられている)投手」としか考えられない。


こんどは打者の立場から、「カウント3-0から、これで4連投になるスライダーに、バットをスコンと出せた理由」はなんだろうと考えた。これも適当に思いつきを並べてみる。

1)「スライダー連投を読んだ」横浜ベンチが
  バッターに3-0から「打て」のサインを出した
2)3-0はバッティングカウントと考えるチームカラー
3)打者が「3-0で変化球を投げる日本野球」に慣れていて
  「3-0からは絶対に変化球」と完全に読みきっていた
4)このキャッチャーが同じ球種の連投が好きなことを
  打者が経験か、試合の流れで知っていた
5)3-0まで打者がスライダーに手を出してこなかったので
  キャッチャーが「スライダーは安全」と思いこみ、
  それを打者に読まれた
6)元メジャーリーガーだから、3-0からでもフルスイング
7)ただの偶然
8)打ちたがりだから、3-0からもスイングしただけ
9)アウトコースの好きな打者
10)スライダーの好きな打者
11)点差があったので、自由に打てただけ
12)ここらで働いておかないと、来年がない

もちろん、横浜ベンチに座っているのは、春先に「かつて城島を指導してたんだから、彼のことはよーく把握してますよ」と不気味に笑っていた、尾花さんである。
尾花監督、阪神城島の分析必要ない - 野球ニュース : nikkansports.com

カスティーヨの打撃スタッツは、たしかにもともと「初球を打ちたがる」「初球の打点が多い」「併殺が非常に多い」「出塁率が低い」「得点圏打率がそれほど良くない」など、どれもこれも「フリースインガー特有の特徴」が、しっかり、たっぷり、メガ大盛りだ。
しかしながら、どういうわけか、この場面の彼は、3-0までバットを振らずに我慢できている。これがどうにも不可思議だ

ちなみに今シーズンの彼の打数は400ちょっとだが、うちカウント3-0になったのは、この打席を含め11打席程度しかないのに、3安打7四球。他のカウントと比べて、カウント3-0での、出塁率、四球率が異常に高い
理由は全く想像できないが、少なくとも「元メジャーのフリースインガーだから3-0からでも、バットを振り回してくる」という推測は、この場合にはまったく的外れなのは間違いない。彼は36打数のフルカウントからも、8安打7四球をマークしている。初球は打ってくるタイプだが、ボールが3つになると、とたんに四球を選んでくる。よくわからない打者だ。


このカスティーヨというバッター、少なくとも下記の記事の彼のコメントを読むかぎりでは、多少は「ゲーム中に手を抜かず、相手投手に対する観察を怠らないマジメさを持つ選手」ではあるようだ。打席に入る前から、あらかじめ狙い球を絞っているのかもしれない。

カスティーヨ
「(プロ野球・ヤクルトの由規投手は)直球のいい投手だが、前を打つ打者たちへの配球を見て今日はスライダーが多いと感じた。甘いところに来たので初球から積極的にバットを振った」
横浜:カスティーヨが攻守に活躍、連敗ストップに貢献/ヤクルト戦から:ローカルニュース : ニュース : カナロコ -- 神奈川新聞社

また最初の3球ともスライダーなのだから、「単なるスライダー好き」「最初からスライダーを狙っていた」では説明にならない。

と、なると、なんだ。
カスティーヨが「次はスライダーだ(もしくは変化球)」と確信できたのは、実は「カウント3−0になってから考えた」と推測するのが、実は最も合理的かもしれない。
「カウント3−0。次はストレートか?変化球か?
メジャーなら確実にストレートだ。だが、ここは日本だ。キャッチャーの配球グセからしても、ここはまちがいなく、変化球!」というのが、なんとなく正解のような気がする。


一方、キャッチャーはどう打者を読んだのだろう。
「同じコースに同じ球種を3連投させたが、カウントは最悪。満塁にはしたくない。絶対にストライクが欲しい。絶対ストライクをとれる球種は何だろう? バッターはガイジンだから、3−0からのストレート狙いはあるのは確実だ。それに、3球スライダーを投げて手を出してこなかったからには、スライダーだけは絶対に安全!」とでも考えたかもしれない。


もちろん、他人の心理だから、こういう予測が当たっているとばかりも思わない。
ただ、同じ球種を同じコースに投げた結果の3−0から、何を投げるか、何を打つか、という選択の幅の少ないシチュエーションは、打者とキャッチャーの「お互いを読む能力」や、その選手の「ポリシー」「欠点」が、非常に出やすい場面のような気がする。
一方的に打者有利なシチュエーションなだけに、打者はどうモノにするか、捕手はどうかわすか、ギリギリの選択を、たった1球で迫られる。


この「スライダーを4球続けてタイムリーされたキャッチャー」の名前?
そりゃもちろん、城島健司、その人だ(笑)

2アウトでの1、2塁だ、犠牲フライで失点する心配はない。レフトのだれかさんの守備に不安があるから、リードが制約されて打たれているだけだ、なんていう、惨めったらしい言い訳は通用しない。






damejima at 14:21

September 13, 2010

テキサスに移籍してからのクリフ・リーがなぜ打たれまくったのか。それを考えるにあたって、記事を既に2つ書いた。それぞれの主旨は、以下の通りだ。


1)クリフ・リーの最近の配球パターンが変わった。
2008年までの「ストレートとカーブの緩急で打者を仕留めるパターン」から、2010年は「ストレートとのスピード差の少ないカットボールを多用するパターン」に変化した。そして、カットボールを多用した配球に慣れているア・リーグ東地区のチームを中心に打ち崩されるようになった。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年8月29日、移籍後のクリフ・リーが打たれる原因を考えてみる。(1)2010年の「ア・リーグ東地区風カットボール多用配球スタイル」が東地区チームとの対戦に災いしているのか?

2)クリフ・リーの配球には、そもそも「特定カウントで投げる球種が決まっているという、配球のクセ」がハッキリとあり、打者からみてカウントで投げる球種がある程度読めてしまう部分があった。
具体的には、初球はストレートで入り、その後、打者を追い込むことができた場合はカットボールで決める。そうでなく、ボールが先行すればストレートでカウントを改善する。ストレートとカットボールのスピード差は、あまり無い。チェンジアップは2つ目のストライクをとって打者を追い込むための球で、決め球ではない。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年9月5日、移籍後のクリフ・リーが打たれる原因を考えてみる。(2)クリフ・リーには「カウントによって、投げる球種に特定パターン」がある


実際のゲームではどうなのだろう。
ちょうど今日2010年9月12日のヤンキース戦に先発してひさびさに快勝し、11勝目を挙げたところだから、短期のレンジで、テキサスに移籍後に打たれた試合と抑えた試合とを比較できる。
まずは打たれた2010年8月26日ミネソタ戦をみてみる。(たいへん読むのに骨が折れると思うが、我慢して読み込んでもらえるとありがたい。別窓にGamedayを開いてイニングごとに追いかけるとわかりやすくなると思う。)


打たれたゲーム
2010年8月26日 ミネソタ戦 5回5失点
Minnesota Twins at Texas Rangers - August 26, 2010 | MLB.com Gameday

1回表
三者凡退。3人とも「初球ストレート」。まさに「クリフ・リー パターン」そのもの。

2回表
打者7人、3失点。7人全員に「初球ストレート」を投げた。典型的な「クリフ・リー パターン」
ヒットされたのは、1人目、2人目、4人目。3人とも、「クリフ・リー パターン」である。
1人目のジョナサン・クベルには、フルカウントから「決めにいったカットボール」を打たれ、2人目のマイケル・カダイアーには、「初球ストレート」をヒットされた。
3失点は、4人目のデルモン・ヤングの3ランで、初球ストレートでストライクをとり、チェンジアップで打者を追い込みにかかったところで、ボールが高めに浮いてホームランを浴びた。

3回表
打者6人で2失点。6人中、4人はパターンどおりの「初球ストレート」、残り2人は初球カットボール。決め球は「追い込んでからカットボール」という「クリフ・リー パターン」を使った。
決定的な2失点は、5人目カダイアーに「初球ストレート」を投げてから、2球目にインコースへのカットボールを投げて追い込みにかかったところを狙い打ちされたもの。

4回表
三者凡退。このイニングだけは、初球にチェンジアップ、決め球にカーブという例外パターンを多く使い、あっさりミネソタ打線を抑えた。

5回表
打者4人、無失点。全員が「初球ストレート」で、「決め球はカットボールか、ストレート」という基本パターン。前の回にパターンを変えて本来の調子をとり戻したように見えたにもかかわらず、またもや「クリフ・リー パターン 一辺倒」に戻ってしまった。この回で降板。



抑えたゲーム
2010年9月12日 ヤンキース戦 8回1失点
New York Yankees at Texas Rangers - September 12, 2010 | MLB.com Gameday

1回表
三者凡退。3人への初球はそれぞれ、ストレート、カットボール、ストレート。珍しくスライダーも使った。

2回表
三者凡退。3人への初球はそれぞれ、カットボール、ストレート、カットボール。ちょうど1回と真逆のパターンになる。打者は早いカウントから打ちにきて凡退。(カウントによって投げる球種が決まる配球癖のあるクリフ・リー攻略は、狙い球を決めて、早いカウントから打ちにいくのが正解なわけだが、この日のクリフ・リーは打者の狙いをかわしにかかって、それが成功した)

3回表
三者凡退。3人への初球はそれぞれ、カットボール、ストレート、ストレート。1回とも2回ともまた違うパターン。ストレート、カーブ、カットボールを様々なバリエーションで投げて打者を攻略した。

4回表
三者凡退。3人への初球はそれぞれ、ストレート、カットボール、ストレート。

5回表
三者凡退。3人への初球はそれぞれ、カットボール、ストレート、ストレート。決め球は主にストレート。

6回表
打者6人1失点。先頭打者に「初球ストレート、2球目ストレート、3球目カットボール」の典型的な「クリフ・リー パターン」。2人目、「初球ストレート」から入って、5球目をヒットされる。3人目「ストレート、チェンジアップ、カットボール」の、これも典型的な「クリフ・リー パターン」。4人目、デレク・ジーターに「初球ストレート」の典型的な「クリフ・リー パターン」を二塁打され、失点。5人目、6人目も「初球ストレート」だが、なんとか1失点に抑える。

7回表
三者凡退。3人への初球はそれぞれ、ストレート、カットボール、ストレート。初球の球種を1人ずつ変えて、打者の狙いをはずした。

8回表
三者凡退。
1人目をストレート連投で0-2と追い込んだ。基本パターンどおりなら、3球目は「カットボール」または「カーブ」だが、ここでは「パターンにないストレート3連投」で三球三振
2人目、先頭打者と同じようにストレートを2球続けたが、こんどの3球目は1人目のような3球連続ストレート勝負ではなく、「「クリフ・リー パターン」どおりのカットボール」を投げて、セカンドゴロに抑えた。例外(1人目)と、典型的パターン(2人目)をうまく使い分けた。
3人目は「初球ストレート」を狙い打たれたが、たまたまセカンドポップフライで、お役御免。



別に、このブログの判断に従う必要はない。
打たれた2010年8月26日ミネソタ戦、抑えた2010年9月12日のヤンキース戦を、自分なりの価値観で比較してみるといいと思う。たぶん、両方のゲームでのクリフ・リーが、かなり違った組み立てをしていることに気づくとは思う。ミネソタ戦のクリフ・リーは非常に単調なのだ。

2つのゲームの違いと共通点
1)ミネソタ戦はいわゆる「クリフ・リー パターン」どおり
2)ヤンキース戦では、かなりの数の打者に対して「初球にカットボールを投げた。場合によっては、「初球と2球目、続けてカットボール」と、クリフ・リーにしては珍しい組み立ても見せつつ、その一方では、いわゆる「典型的なクリフ・リー パターン」も混ぜて、打者に的を絞られない工夫をした。
3)それでも、両方のゲームでの失点パターンは共通している。打たれたのは「初球ストレート」、または、「初球にストレートでストライクをとっておいて、2球目に打者を追い込みにかかったチェンジアップなどの変化球」を打たれて失点につながっている。これは、まさに「典型的なクリフ・リー パターン」だ。
4)ミネソタ戦と、ヤンキース戦は、キャッチャーが違う。ミネソタ戦はベンジー・モリーナ。ヤンキース戦は、マット・トレナー
ちょっと直感的な話なのだが、クリフ・リーとベンジー・モリーナはまったく噛み合ってないと、ブログ主は思っている。


クリフ・リーに必要なタイプのキャッチャーとは
クリフ・リーの持ち球は、もともと種類は少ない。
だが、(体調が万全で、十分なコントロール、球のキレがあるときなら)その持ち球は、どれもこれもストライクをとれて、三振もとれる球ばかりだ。ストレートでもストライクも三振もとれるし、カットボールでも、カーブでも同じだ。

だが、それにしたって、以前も言ったことだが、クリフ・リーのピッチングはよく言えばシンプルで、悪く言えばワン・パターンだ。持ち球の種類は限られているし、ストレートの速さもない。下手をすれば「球種パターンを打者に読まれることで、滅多打ちを食らう可能性」が、もともとあった、と考えられる。
まして、昔のようなストレートとカーブの緩急をつけるのではなく、「ストレートとカットボールという、わざとスピードに差をつけない配球パターン」に移行するとなると、緩急がない分、球種の少ないクリフ・リーは、よけい打者に読まれやすくなる可能性はあった。(たとえば、バカスカ打たれまくるときのアトランタの川上投手のように)


そういうリスクを避ける意味で、クリフ・リーという「シンプルさが生命線」の投手にとっては、彼の限られた配球パターンに迷彩をほどこす、というか、バリエーションをつけ続ける作業のできる「引き出しの多いキャッチャー」が必要不可欠だ、と思うのである。
(だからといって、自分の基本スタイルが確立しているピッチャーだからこそ、キャッチャーからクリフ・リーのポリシーに反する提案や、彼が必要としている以上の提案をしたとしても、「投げるのはオレだ。余計なことをして、オレの邪魔をするな」という話になるのではないか、とも思う。そこがなかなか難しい。)

そういう意味で、彼のような投手にはゲーム前に対戦相手の打者を全て調べあげてくる律儀さがあるが、投手との間での余計な対立は絶対に避けるロブ・ジョンソンのような「データ上の根拠がある提案は積極的にするが、投手に押し付けたりしない控え目さももっているキャッチャー」が必要不可欠(または合っている捕手のタイプのひとつ)なんだろうと考える。
これはあくまで憶測だが、もしベンジー・モリーナが「相手チームのスカウンティングデータは適当にナナメ読みするだけで、むしろ、相手チームがどこであろうと、結局は自分の長年の経験だけに頼ってサインを出して、それを投手に押し付けようとするマンネリなベテラン・キャッチャー」だとしたら、キャッチャーの仕事に対する強いこだわりのあるクリフ・リーのような投手のパートナーには絶対になれないと思う。そういうマンネリタイプの捕手を、クリフ・リーは必要としていない
(エンゼルス戦のランナーズ・オンのシチュエーションで、打者を打ち取れると思って、かえって松井の好きなインコースにストライクを置きにいくサインを出してしまうジョシュ・バードなども同じ)

もちろん、ダメ捕手城島がどちらのタイプだったかは、言うまでもない。






damejima at 20:56
新ヤンキースタジアムが、1920年代のポロ・グラウンズや、旧ヤンキースタジアムの「ポール際が非常にに狭い」という奥ゆかしい(笑)伝統を引き継いで、ポール際がたった95mしかなく、両翼が100mと国際試合の基準どおりの広さがあるセーフコなどの球場に比べて、ポール際がかなり狭いことを一度記事にした。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年8月25日、セーフコ、カムデンヤーズと、ヤンキースタジアムを比較して、1920年代のポロ・グラウンズとベーブ・ルースに始まり、新旧2つのヤンキースタジアムにも継承された「ポール際のホームランの伝統」を考える。

セーフコ、ヤンキースタジアムの比較セーフコ、ヤンキースタジアムの比較図(ブログオリジナル Copyright © damejima. All Rights Reserved.)

赤:セーフコ
青:ヤンキースタジアム


なぜ、こういうことが起きるかというと、理由はハッキリしていて、「ポール際のスタンドが、弧を描いてかなり丸くなっているから」だ。


日本の場合にこういう形状の球場として代表的なのは、ヤクルト・スワローズの本拠地・神宮球場で、ポール際がかなり丸い形状のために、両翼がたったの90mしかない。
また、阪神タイガースの本拠地・甲子園球場も、これはよく知られていることだが、左中間・右中間は鬼のように広いが、センターの奥行きが無く、また、神宮と同じようなスタンドの形状からくる理由で「ポール際が狭い」。これらの球場のポール際の共通点は、新ヤンキースタジアムと甲子園を比べてみても、よくわかる。
ヤンキースタジアムと甲子園の比較
新ヤンキースタジアム(イラスト部分)と甲子園(赤線)は形状がかなり違うが、両翼の広さはほぼ同程度。(Copyright ���2010 damejima. All Rights Reserved.)


ポール際の非常に狭い甲子園と神宮、2つの球場で生まれる「ポール際のボーナスホームラン」を片手間に調べてみた。(以下、このブログでは例外的に日本時間で表記)

まず、ダメ捕手城島のボーナス・ホームラン(笑)から調べてみよう。
今年城島の打ったホームランは24本だそうだが、58%にあたる14本を、甲子園(8本)神宮(6本)で打っている5本のうち3本を、甲子園または神宮で打っているわけだ。
なんというか、予想通りすぎて面白くない(笑) 打率も、ほとんどを横浜戦で稼いだ打率だし、偏りの激しいこと、激しいこと(笑)シアトル時代にオークランド戦だかでだけバカスカ打っていたのを思い出す。
城島・球場別ホームラン数
Yahoo!スポーツ - プロ野球 - 阪神タイガース - 城島 健司

試しに、「城島 ポール際」とキーワードを入れて軽く検索してみたら、最初の数ページですぐに、下記の城島の5本の甲子園または神宮のポール際に打ったホームランが出てくる。予想を裏切らない、貴重なプレーヤーである(笑)

4月3日ナゴヤドーム 中日戦 ライトポール際 投手・チェン
5月2日甲子園 巨人戦 レフトポール際 投手・久保
城島TG戦初アーチ!同級生新井と競演 - 野球ニュース : nikkansports.com
7月30日甲子園 中日戦 レフトポール際 投手・吉見
阪神首位ガッチリ 城島“10連勝弾”(野球) ― スポニチ Sponichi Annex ニュース
8月29日神宮 2本 ヤクルト戦 レフトポール際
時事ドットコム:猛打ショー呼ぶ2発=城島、攻守に貢献−プロ野球・阪神


また、暇つぶしに「城島以外の阪神の選手、または他球団の選手が、甲子園または神宮のポール際に打ったホームラン」を軽く検索してみたら、こんな感じになった。ちょっと面白い結果になっている。

6月29日甲子園 阪神・ブラゼル 横浜戦 外のシュートをレフトポール際
6月30日甲子園 中日・和田 投手・下柳 ライトポール際
7月13日甲子園 巨人・長野 ライトポール際決勝3ラン
7月20日甲子園園 阪神・鳥谷 レフトポール際サヨナラ2ラン
8月17日甲子園 阪神・藤川俊 レフトポール際ダメ押し3ラン
9月1日甲子園 横浜・内川 3回ライトポール際ソロホームラン
9月11日甲子園 ヤクルト・ホワイトセル レフトポール際逆転2ラン 投手・藤川球


面白い結果になった、というのは、甲子園のポール際にホームランを打ったバッター、打った球のコース、打ったイニングなどに、「ポール際にホームランが出やすい甲子園特有のシチュエーション」がみられるからだが、いまここで書いても面白くないので、ネタとしてとっておいて、これからの展開を見守ることにする(笑)
決勝だの、逆転だの、サヨナラだの、劇的なホームランばっかり並んでいるが、甲子園のナイトゲームの終盤がもつれるのには、ちゃんと理由があったのを発見できたわけだ。

ちょっとだけネタばらししておくと、誰でもわかるのは、6月29日のブラゼルのホームランと、9月11日のホワイトセルのホームランの類似性だろう。
夜が更けてきた夏の甲子園で、パワーのあるレフティを打席に迎えている「ホームランの可能性の高いシチュエーション」にもかかわらず、こともあろうに「城島が特定のピンチのシチュエーションで、決まって使いたがるアウトコース」を使って大勝負にいって、その前の11打席ノーヒットのホワイトセルに決勝ホームランを打たれるあたり、城島というダメ捕手が「いかに頭を使ってないか」「いかに自分の周囲を観察してないか」が、よくわかる(笑)
自分のチームの左バッター・ブラゼルが、普段どのコースの球を、どういうスイングで甲子園のレフトのポール際に放り込んでいるかすら、頭に入れないでキャッチャーをやっているわけだ。
たいしたもんだ。さすが、さすが。
ホワイトセルに打たれた城島の当時のコメント
「(一塁が空いていたのにホワイトセルと勝負したことについて)簡単にストライクゾーンで勝負しようとは思っていなかった。(逆転の走者を)簡単に塁に出すことはない。(投手・藤川球との)意思疎通はできていた」

ストライクゾーンで真っ向勝負せず、アウトコースに逃げたりするから、かえって捕まったんだろうに(笑)自分のチームの本拠地の特性くらい、頭に入れとけっての(笑)
やっぱりこういう選手だからこそ、右打者不利のセーフコで打球を引っ張り続けて併殺の山を築くわけだ。(ちなみに、城島は現在、併殺打22で、2位を大きく引き離して、セ・リーグ断トツのトップだそうな(笑))






damejima at 16:26

August 30, 2010

8月26日のミネソタ戦に先発したクリフ・リーは5回5失点、目をこすって「これがあのクリフ・リー?」と見直したくなるような、ちょっと信じられないテンポの悪さにびっくりした。相手先発が今シーズン絶好調のリリアーノだっただけに、このゲーム、およそテキサスらしくない弱々しいゲームになってしまった。
Minnesota Twins at Texas Rangers - August 26, 2010 | MLB.com Wrap

何が「よくない」と感じたかというと、2つある。

1)1回から3回までの配球の単調さ
2)投球テンポの遅さ

1)だが、3回までの投球はほとんどが「ストレート」と「カットボール」のみ。これではさすがにあまりに単調すぎる。どういうわけか、彼の勝負球のひとつで、これまでも肝心なときには頼れる球種だったはずの「カーブ」がまったく使われていなかった。シアトル時代も「変化球はカットボールが中心」にはなっていたが、これほどまでにカーブを投げないクリフ・リーではなかった。
4回以降になってようやくカーブを使いだしたのだが、そのときには既にゲームの流れをミネソタに完全に奪われていて、もうどうしようもなかった。
加えて、シアトル在籍時に、アドバイスを求めたバルガスに「投球テンポを早くしろ。打者に考える時間を与えるな。」とアドバイスしたはずのクリフ・リーの投球テンポが、まるでもう、別人のように遅い。これには本当に驚いた。

短くまとめれば「テキサスでのクリフ・リーは、まったく自分のスタイルで投げられていない」。

なぜ、こんなことになったのだろう?



この8月、テキサスは特にア・リーグ東地区のチームとの対戦が続いているが、この間ずっとクリフ・リーにいいところがなく、彼の8月の月間防御率はなんと6.20、テキサス移籍後の防御率も4.50になってしまっている。
移籍前と後のスタッツの比較
Cliff Lee Split Statistics | texasrangers.com: Stats

今シーズンここまで23ゲームに先発しているクリフ・リーだが、4点以上の自責点のゲームは(シアトル在籍時も含めて)以下の7ゲーム。対戦相手にちょっとした共通点があることに注目してもらいたい。

5月5日 タンパベイ(8回 4失点)
5月21日 サンディエゴ(6回1/3 7失点)
7月10日 ボルチモア(9回 6失点)
8月1日 アナハイム(8回 4失点)
8月11日 ヤンキース(6回1/3 4失点)
8月16日 タンパベイ(7回2/3 6失点)
8月21日 ボルチモア(5回2/3 8失点)
8月26日 ミネソタ(5回 5失点)
Cliff Lee Game Log | texasrangers.com: Stats

タンパベイに2度、ヤンキースに1度、ボルチモアに2度、やられている。そう。つまり、ア・リーグ東地区のチームに特に集中的に打たれているわけである。
いちおう、ア・リーグ東地区のチームと対戦して「3失点以下だったゲーム」も挙げておく。2ゲームだけある。無失点で終われたゲームはない。
6月29日 ヤンキース(9回 3失点)
7月17日 ボストン(9回 2失点)


今年6月の2つの記事で、ア・リーグ東地区の投手たちのピッチングスタイルについて、「カットボール多用」の傾向がある、と書いた。
そして、クリフ・リーの2010年におけるピッチング・スタイルが、2008年までの「打者を追い込んだ後の勝負どころでカーブを多用する緩急のスタイル」ではなくなって、「カットボールを多用する、これまでにないスタイル」に変貌していることを書いた。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年6月13日、「メジャーで最もストレートばかり投げる」シアトルのリリーフ陣。なんと「4球のうち、3球がストレート」。(ア・リーグ各地区ごとのピッチング・スタイルの差異についてのメモ)

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年6月23日、クリフ・リー「鳥肌モノ」の115球、4試合連続無四球で6勝目。「ストレートのかわりにカットボールでカウントを作って、変化球で仕留める」クリフ・リーの「東地区っぽいピッチング・スタイル」は、実は、2010年シアトルモデル。


こうしたことから、
2010年にピッチングスタイルを変え、カットボールを多用する配球になったクリフ・リーが、カットボールを多用してくる投手との対戦に慣れているア・リーグ東地区の打者に、かえって打たれやすくなった
という仮説がいえるかどうか、考えてみることにした。


だが、問題なのはそう単純ではなくて、ちょっと長々と書きたい「わかりやすいクリフ・リーの配球のクセ」の問題があって、ちょっとややこしい。

次回の記事で、クリフ・リーの配球がどういうクセがあるか、具体的な話と、そして、それをメリットに変えて快投に導くキャッチャーとの相性などについて書いてみたい。
そのへんを書くと、今までなぜクリフ・リーがクリーブランドにいる頃からキャッチャーとのコンビネーションに神経を使い、クリーブランド時代にはビクター・マルチネスを拒否してまでショパックを選び、またシアトルではロブ・ジョンソンを専属キャッチャーに選んだりしていたのか、考える道筋がつく、と思う。






damejima at 21:33

June 26, 2010

まだゲームは終わっていないのだが、
「すぐにいい気になって、要所でストレートを使って打者を切ってとるピッチングに戻りたがる」「脳内剛速球投手」ローランドスミスのワンパターンさには、ほとほとガッカリさせられる。
Seattle Mariners at Milwaukee Brewers - June 25, 2010 | MLB.com Gameday


ローランドスミスについては、4月に「ストレートを投げたくてしかたない病」とネーミングした。
そのときに指摘したかったのは、彼のストレートには打者を抑える球威が全く無いこと、それなのにローランドスミスが「俺はストレートで生きる投手なのだ」といわんばかりに、ストレートを投げたがること、だった。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2010年4月30日、「ストレートを投げたくてしかたない病」にかかったローランドスミス。

その後もローランドスミスのピッチングをずっと見守ってはきたが、最近多少変化球が増え出して、調子が多少はよくなりかけたのを見て、ブログ主としては、ローランドスミスは「ようやく自分のピッチングスタイルを変えるつもりになったのだ」とばかり思っていた。
つまり、「ようやく自分のストレートに対して見切りをつけたのか?」という意味だ。



そして今日。
ミルウォーキーとのインターリーグ最後のカード初戦だが、スローカーブチェンジアップ(特にスローカーブはよかった)で強打が売り物の打線を翻弄して、ノーヒットのまま4回を迎えた。
明らかに、「ストレート投手としての自分を一度捨ててみる」ことで、(それと、もちろん、バックの守備の良さに助けられて)強打で知られるミルウォーキーの打者を抑え込んでいたのである。


それがどうだ。
ちょっと3イニング打線を抑えただけなのに、どこをどう勘違いするのか知らないが、4回に突然ストレートを投げたがりはじめた。
それでも、2人ランナーを出した後に、今のローランドスミスが唯一頼ることのできる球、つまり、「オフ・スピードの変化球」でルーキーキャッチャーのルクロイを追い込んだ。
なのに、ここでストレートをド真ん中にストンと置きにいった。

同点3ラン。

もともとローランドスミスは気持ちを切り替えるのがヘタだ。3ランで明らかに目が泳いだ。その動揺した精神状態のまま、次の打者ゴメスにも漫然と「気の抜けたストレート(70マイル台のオフ・スピードの球だが、あれで本人はチェンジアップのつもりらしい)」を投げ、3ランを打ったルクロイがまだカーテンコールを受けている最中というのに、逆転のソロホームランを浴びた。


自分のコントロールミスと配球チョイスミスを認める
ローランドスミスの試合後のコメント

"The first time, I was just trying to get it up and in and I left it out over the plate," Rowland-Smith said of the pitch to Lucroy, which came on a 1-2 count. "Gomez I think was sitting [changeup], and I threw a changeup for a strike. That's two pitches that really cost me, obviously."
「最初のは・・、インハイに投げたかっただけなんだけど、外に行っちゃったね・・」と、カウント1-2からルクロイに投げた球についてローランドスミス。「(逆転のソロホームランを打たれた球について)ゴメスはチェンジアップは打ってこないと思ったんだよね・・だからストライクを取りにチェンジアップを投げた・・・・。この2球が明らかに非常に高くついたよ・・。」
Mariners' great start gives way to defeat | Mariners.com: News


まず、ルクロイに投げたストレートだが、過信もいいところだ。ローランドスミスは「脳内コントロールマシン」にでもなったつもりなのだろうか
ローランドスミスは「インハイに投げるつもりだった」と言っているが、そもそもこのゲームの初回、ローランドスミスはミルウォーキー先頭打者のウィークスをストレート2球で0-2と追い込んでおきながら、3球目に「インコースにストレートを投げようとして、膝の横にぶつけるデッドボールを与えて」いる。
4回の場面も全く同じ、打者を追い込んでからのインコース攻めのストレートという配球で、ローランドスミスは1回に既にこのパターンで一度コントロール・ミスしているのである。
先頭打者というランナーがいない場面(1回)打者を追い込んでいるのに、打者のカラダに近いところに投げるというストレスだけで手元が狂うような投手のストレートが、ましてやランナーが2人いるピンチの場面で「インハイ」にビタッと収まるわけがない。
そんな胸のすくようなストレートを投げられるコントロールがあるくらいなら、ローランドスミスがこれほどピッチングで苦労するわけがない。「インハイに投げるつもりだった」とか、真面目な彼には申し訳ないが、アホらしくて笑うしかない。


次に、ゴメスに浴びたソロホームランだが、いったいどういう屁理屈でローランドスミスは「ゴメスはチェンジアップは球を見てくる」と思うのか? それがむしろ不思議だ。
「前の打者に球威のまるで無いストレートを3ランホームランされている投手」が、「次の打者を攻めるのにあたって、またもやストレートを多用して、特に初球にストレート勝負してくる」とは、むしろ誰も思わない。
実際、ローランドスミスは3ランを打たれた直後、次打者ゴメスを迎えた初球に「外にはずれるチェンジアップ」を投げているのである。

2010年6月25日 4回裏2死 ゴメス ホームラン動画リンク
4回裏 ゴメス ソロホームラン
Baseball Video Highlights & Clips | SEA@MIL: Gomez goes yard to put the Brewers on top - Video | brewers.com: Multimedia

そりゃそうだ。
中には、チェンジアップではなく、3ランを打たれた直後ですら知らん顔してストレートをストライクゾーンに投げてこれるような気の強さを持つ投手もいるかもしれないが、そんな打者の裏をかく度胸、コントロールが、ローランドスミスにあるわけはない。

むしろローランドスミスはなぜあのシチュエーションで「打者は、むしろ自分のストレート以外の球種を待っている」くらいに思わないのか? 理解に苦しむ。
ダメ捕手城島がシアトル在籍時代に、よく見た光景を思い出す。外の球ばかり投げさせてホームランを打たれてしまい、直後にインコースに切り替えて再び長打をくらう、ストレートばっかり投げさせてタイムリーを浴びると、直後の初級が変化球でまたもやタイムリーをくらう、四球を出した直後にカウントを取りにいった球をホームラン、とか、そういうたぐいの「打たれて切り替えた直後にまた打たれる」低脳なパターンである。

それに球筋にしても、とても「チェンジアップ」とは呼べないヘロヘロの球だ。ビデオで見てもらえばわかる。
ローランドスミスが「チェンジアップ」と称している「76マイルの、ただノロいだけの棒球」は、ほとんど曲がりもせず、ストライクゾーンのド真ん中に吸い込まれていっている。
それにローランドスミスのチェンジアップは、ストレートを投げるときと投球リズムから腕の振りから何から何まで全く違うから、打者のリズムが狂わされにくいという点にも、そもそも問題があるだろう。


いったい、何を考えているのか。
ローランドスミスは自分がストラスバーグのようなストレートを投げられるとでも思っているのだろうか。

とてもじゃないが、今のローランドスミスの球威の無いストレートでは、ミルウォーキーあたりのブンブン振り回してくる打者を抑えられっこない。ローランドスミスは性格的に非常に動揺しやすく、変化球には多少コントロールがあるが、ストレートにはまったくない。


ローランドスミスには誰かがハッキリ宣告すべきだ。
「君のピッチングは、どこをどこから見たって、打者をのらくらかわしていく変化球投手にしかなれない。君はストレートの切れる剛速球投手でも、なんでもない。余計な見栄など、捨てるべきだ」

一発放り込まれたくらいですぐに気が抜けてしまうような弱い性格で、どうすると、度胸を決めストレート一本に全てを託してストライクを投げ込む投手になれるというのだ?
性格からして、どうみてもストレート勝負に向いていない。






damejima at 11:40

May 23, 2010

2010シーズン開幕から2ヶ月足らずだが、日本版インターリーグであるプロ野球交流戦が始まって阪神が連敗しだしたことで、ダメ捕手城島のダメっぷり、(もちろん打撃の内容なども相変わらず酷いものだし、盗塁阻止もお粗末な話だが)特にリードに関する発言が、関係者の間でもファンの間でも目立ってきているらしく、いちおう簡単にまとめておく。
どうせ、こんなめんどくさい作業、誰もやらないだろうし、ブログ主だってだいぶめんどくさくなってきたが、なりゆき的にしかたがない(笑)
城島株急降下、期待はずれのバッティング課題克服なるか? - 夕刊フジ - Yahoo!スポーツ
城島“天敵”に4盗塁許し痛恨失策で連敗…阪神:プロ野球:野球:スポーツ報知大阪版

ダメ捕手に関する情報集めは、ブログ主も、もうよほど暇なときでないとやらないし、やるにしても、まとめて一度にやるようにしている。理由は簡単。それが解説者であれ、ファンであれ、あらためて誰かの意見など見なくても、とっくに結論はわかりきっているからで、また、大半のポイントはとっくの昔にこのブログで書き切っているからだ。
阪神でこれから何が起きようと、あらためて驚くことはまったく無い。下にまとめた事例なども、どれもこれも起こるべくして起きていることばかりで、つまらないにも程がある。

「城島問題」の存在を初めてネット上で指摘したのは2007年ごろだったと思うが、当初はシアトルファンですら大多数が「城島問題」の存在自体認めようとしなかった。そういう頑迷な野球ファンは、「城島問題」の存在を認めようとしないクセに、その一方では、よく「なぜ投手陣が一斉に調子を崩すのか?」なーんてことを意味なく議論したものだ(笑)なにもかもが遠い昔の笑い話だ。
阪神における城島問題は、それを分析する必要も、誰かに説明して自分の意見を説得する必要も、まったく感じない。もうそんなわかりきったことにアタマも時間も使う必要性をまるで感じないのである。事実をまとめる程度で十分だ。

城島がメジャーにいた間、日本の野球関係者とファンが、ダメ捕手城島のダメさ加減がわからなかった理由のひとつは、「日本での生活時間帯とズレるメジャーの野球をあまり見ない」という、なんとも単純なところに、理由のひとつがあった。まぁ、よほど関心のあるヒトでなければ、年間100試合以上もシアトルのゲームを映像として追いかけない。

だが今は違う。
メジャー在籍時のように遠いアメリカの出来事を、自分の目で見てもいない人間が語ったり、盲目的に擁護する時代にピリオドが打たれて、いまは毎週毎日、阪神の「いま、まさに目の前にある現実」として、ダメ捕手のダメぶりが毎日のように映像として晒され続け、突きつけられ、100万人単位のヒトがそれを嫌というほど目に焼きつけさせられ続けるのである。
これがあと数年続くらしい(笑)ご愁傷様。
シアトル在籍時にはダメ捕手の失敗のサンプルは、自分でまとめない限り誰も集めなかったものだが、今年などは、集めるもなにも、毎日のように掃いて捨てるほどネット上に蓄積され続けている。こう多くては集めきれるわけがない(笑)

もし、これほど数多くの失敗例を見ても城島というプレーヤーがいかにダメか気がつかないとすれば、その人はもともと物事すべてを見る目がない、それだけのことだ。そういう見る目の無い人を相手にする必要など、微塵も無い。


発端:「初球ストライク宣言」
日本に逃げ帰ったダメ捕手のダメっぶり本格発揮の予兆が、これ。「ダメ捕手 初球ストライク宣言」。もちろん、この宣言以降、阪神がどういう目にあうかくらい、2010年3月当時からとっくに予想できた。だから、あえてブログ記事になどしなかった。
本当にそんなことをやるのか?と疑心暗鬼になった日本のスポーツ紙の記者から開幕前に質問され、城島はなりゆきで「あれは撒き餌ですよ」発言などして誤魔化してみせたが、本番のシーズンでは、「初球ストライクとみせかけて、実際には違うリードをして、打者を煙に巻く」どころか、本当に「初球ストライク」を実行して打たれ続けてくれるのだから、対戦相手にしてみれば、「まさか本当にやるとは」と、さぞかしびっくりしたことだろう(笑)
城島、OP戦初球ストライク義務化/タイガース/デイリースポーツonline
「僕が受けるときはまずストライクを投げさせる。それは監督に話をして了承をもらった」と明かした城島。


非常識な初球ストライク宣言の結果(笑):
「4月、初球被弾の毎日」

4月6〜8日の巨人戦で計30安打のうち11安打が初球
4月8日 巨人戦 新人長野 初球3ラン
原監督も絶賛!長野特大2号3ランに城島から盗塁も決めた:野球特集:スポーツ報知
4月9日 ヤクルト戦 ガイエルに逆転3ラン(4球目)
城島、痛恨の被弾に「キャッチャーのせい」(スポーツナビ) - Yahoo!ニュース
4月15日 巨人戦 坂本 初球満塁HR
スポーツナビ|野球|プロ野球| 巨人 vs. 阪神 [2010年4月15日]
4月17日 横浜戦 スレッジ カスティーヨ 2者連続初球被弾
城島、魔の東京遠征…4戦9被弾/主要ニュース速報/デイリースポーツonline
5月4日 中日戦 ブランコ、和田 連続初球被弾
城島「久保の失投ではない」
初球連続被弾…城島悔しナゴヤD5連敗 - 野球ニュース : nikkansports.com


交流戦でチーム成績は急降下:
「5月、対戦相手に手の内読まれまくりの毎日」

この月に増えたのが、ボール先行から苦し紛れにストライクを置きにいってホームラン被弾(笑)そういうありがちなミスを避けるために「初球ストライク宣言」をしたんじゃないのか?(笑)
5月12日・13日 日本ハム戦 2日続けて稲葉に打たれ、カード連敗
Yahoo!プロ野球 - 2010年5月12日 阪神vs.日本ハム
Yahoo!プロ野球 - 2010年5月13日 阪神vs.日本ハム
5月16日 楽天戦 2ボールから草野に3ラン 完封負け
Yahoo!プロ野球 - 2010年5月16日 阪神vs.楽天
5月19日 ソフトバンク戦 オーティズ、芝原、多村 連続初球被弾
オーティズ談「前日の対戦で内角を攻めてくるのも分かっていた」
城島リード粉砕 3発 オズ!柴原!!多村!!! / 福岡ソフトバンクホークス / 西スポ・西日本新聞スポーツ
大阪ダービーを前に、オリックス岡田監督
今季加わった城島についてもリサーチ済みだ。「(リードが)はっきりしてるからな。初球を3発打たれてるやん。」
オリックス・岡田監督、城島バッサリ! (2/2ページ) - 野球 - SANSPO.COM
5月22日 オリックス戦 阪神が放出したバルディリスに3ボールから勝ち越しホームラン被弾 カード連敗
真弓監督赤っ恥!阪神、オリックスに連敗 (2/2ページ) - 野球 - SANSPO.COM


そんなダメ捕手のダメリードに
関係者・ファンの批判コメント集

当事者の真弓監督、4月中日戦の初球連続被弾で
「よくやられている。ちょっと考え方、攻め方を考えないといけない」と珍しく配球面に苦言を呈した。「
久保2発被弾…真弓監督「攻め方を考えないと」(野球) ― スポニチ Sponichi Annex ニュース

チームメイトの金本(某掲示板書き込みより)
830 名前:代打名無し@実況は野球ch板で[sage] 投稿日:2010/05/22(土) 01:56:58 ID:vpUZKsLv0
福岡RKBラジオで解説やってる浜名(金本と東北福祉大の同期)がヤフドの阪神-ソフバン戦の前夜に金本と飯を食ったときの話を紹介していた。
(金本の話をラジオで紹介する)浜名「ベンチから城島の配球を予想してるけど8割5分は当たる。ちょっと単調だね。」(と、金本が言っていた:ブログ注)
アナウンサー「本当?」
浜名「マジマジ」
(オリジナルの書き込みを5月23日一部修正。修正ソースは以下。896 名前:代打名無し@実況は野球ch板で[sage] 投稿日:2010/05/23(日) 22:56:35 ID:wNUxd/1I0
>>830
それ聞いてたが「本当」って聞いたのはアナ、「マジマジ」が浜名)

昨シーズン引退した赤星がラジオ解説で
「彼(=城島:ブログ注)には悪いけど、セカンド送球時にサード側に送球がそれるキャッチャーって、いくら肩が強くても余裕でセーフになるから、怖くもなんともないんですよね
阪神OBの評論家・福間納氏
「城島と投手との呼吸が合っていないと感じる場面がある。内角を過剰に意識しているからか、たとえば2ストライクから内角球を要求する場面が目立つ。これは死球のリスクも大きい。去る11日のヤクルト戦では、二回に下柳が飯原に死球を与え、満塁のピンチを招いた。」
元阪神監督・現オリックス監督の岡田氏
今季加わった城島についてもリサーチ済みだ。「(リードが)はっきりしてるからな。初球を3発打たれてるやん」。
オリックス・岡田監督、城島バッサリ! (2/2ページ) - 野球 - SANSPO.COM
元ヤクルト広澤克実氏のブログ
「特に気になったのは、キャチャー城島の初球の入り方だよ。今季タイガースの被本塁打は合計36本、その内初球の本塁打が、13本と断トツに多い。」
ソフトバンクに大敗、前夜の強さは何処へ???|広澤克実オフィシャルブログ「トラさんのちょっと虎話」Powered by Ameba
阪神ネタで飯を食うタレント・ダンカンの新聞コラム
アーチ許す城島のリード…
【ダンカン】アーチ許す城島のリード… - 野球 - SANSPO.COM


次々と責任をとらされるベテラン投手たち
安藤 4月25日記事 2軍落ち
時事ドットコム:不振の安藤、2軍落ち=プロ野球・阪神
久保田 5月20日 2軍落ち
時事ドットコム:不調の久保田、2軍落ち=プロ野球・阪神
下柳 5月15日登録抹消、調整
阪神・下柳、登録抹消…24日背水登板へ (2/2ページ) - 野球 - SANSPO.COM
→その「背水登板」の結果は「敗戦」
Yahoo!プロ野球 - 2010年5月26日 阪神vs.西武


2軍落ちだらけのベテランにかわって先発投手に昇格し
「さっそくダメ捕手のダメリードの犠牲になった」2線級投手たち

上園
5月19日 ソフトバンク戦 オーティズ、柴原、多村 連続初球被弾
オーティズ「前日の対戦で内角を攻めてくるのも分かっていた」
城島リード粉砕 3発 オズ!柴原!!多村!!! / 福岡ソフトバンクホークス / 西スポ・西日本新聞スポーツ

【プロ野球】交流戦でパが好調 好投手を積極打法で強力援護  - MSN産経ニュース
上園、城島の阪神バッテリーはオーティズに先制弾、柴原にも一発を浴びたが、いずれも打たれたのは初球。ストライクから入ることが多い城島のリードがパの積極打法の餌食になったかたちだ。


元阪神監督のオリックス岡田監督
今季加わった城島についてもリサーチ済みだ。「(リードが)はっきりしてるからな。初球を3発打たれてるやん」
オリックス・岡田監督、城島バッサリ! (2/2ページ) - 野球 - SANSPO.COM
5月22日 オリックス戦 放出したバルディリスに3ボールから勝ち越しホームラン被弾
真弓監督赤っ恥!阪神、オリックスに連敗 (2/2ページ) - 野球 - SANSPO.COM
元阪神監督の吉田義男氏(メディア解説時のコメント)
城島君じゃ鶴投手の良さを引き出せないですね・・」「矢野君と言う素晴らしいキャッチャーが居るんですから、彼から学ぶべきトコ・・」


6月1日 楽天戦9回裏
鉄平2アウト1,3塁の1-1からセンターへサヨナラタイムリー
Yahoo!プロ野球 - 2010年6月1日 楽天vs.阪神
6月9日 西武戦9回裏
片岡片岡 2アウト2塁の2-3からレフトへのサヨナラタイムリー
Yahoo!プロ野球 - 2010年6月9日 西武vs.阪神
6月13日 ロッテ戦延長10回裏
藤川球児が初球ストレートをサヨナラホームラン被弾
Yahoo!プロ野球 - 2010年6月13日 ロッテvs.阪神 一球速報






damejima at 07:59

April 07, 2010

昨日のヘルナンデス、ロブ・ジョンソンのバッテリーから、2戦目はスネルアダム・ムーアのバッテリーになった。

このバッテリーの場合に配球の主導権がピッチャーとキャッチャー、どちらにあるのかはわからない(ゲーム終盤に投手が変わっても配球パターンが変わらなかったから、たぶんアダム・ムーアだと思う)のだが、去年アダム・ムーアについて一度指摘した「ワンパターン化しやすい」という特徴が非常に強く出ているゲームのように思うので、ちょっと書き留めておきたい。
Seattle Mariners at Oakland Athletics - April 6, 2010 | MLB.com Gameday

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.: メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」 『damejimaノート』(6)実証:アダム・ムーアの場合



下に挙げたのは、4回裏に5番のカート・スズキにホームランされたシーンである。ストレートと変化球を、同じ位置に集めていることに注目してもらいたい
2球目に真ん中低めに89マイルのストレートを投げ、3球目に、2球目とまったく同じコースに77マイルのスローカーブを投げて、スタンドに放りこまれた。

2010年4月6日 4回裏カート・スズキ ホームラン4回裏 カート・スズキ
ホームラン

ストレート(2球目)
2球目と同じコースのスローカーブ

次の打者は6番のチャベス。ホームランを打たれた直後だったが、さっそくシングルヒットを打たれ、この後、2死満塁のピンチになった。
チャベスへの初球は、真ん中に危ないストレートを投げ、1球おいて、3球目にチェンジアップを初球ストレートと同じコースに投げ、シングルヒットを打たれている。

2010年4月6日 4回裏チャベス シングル4回裏 チャベス
シングル

初球ストレート
初球と同じコースのチェンジアップ

この「まったく位置に、ストレートと変化球を続けて投げる」という配球パターンは、なにも4回だけではなく、このゲーム当初から何度も何度も繰り返し使っている。9回裏1死満塁でデイビスへの最初の2球でも使ったし、10回裏2死1、2塁で、マーク・エリスへの最初の2球でも使った。

4回裏以外の例をあげてみよう。

3回裏。9番ペニントンの打席。インハイに、チェンジアップ、ストレート、ストレートと、3球続けている。ペニントンに通用したパターンを次のイニングでも使って、カート・スズキにホームランを打たれているだが、やはりカートはキャッチャーだから、やはり相手のパターンの単調さを見逃さなかったのかもしれない。

2010年4月6日 3回裏ペニントン サードフライ3回裏 ペニントン
ピッチャーゴロ

チェンジアップ
初球と同じコースのストレート
3球続けて同じコースのストレート


そして、サヨナラヒットを打たれた10回裏のマーク・エリス
このサヨナラヒットが最悪なのは、初球のストレートの後に投げた2球目のカーブが初球のストレートと同じコースで、さらに、3球目に、2球目とまったく同じ球を3球目にも投げていること。2重にミスを犯しているわけだ。
同点でヒットが出ればサヨナラ負けのこの緊迫した場面でこれは、明らかに配球ミスとしか言えない。

2010年4月6日 10回裏2死1,2塁 マーク・エリス サヨナラヒット10回裏 マーク・エリス
サヨナラヒット

ストレート
初球と同じコースのカーブ
2球目と全く同じカーブ


カーブを有効に使うために、わざとストレートを高めに投げておく、という配球パターンについて、Hardball Timesの論文を紹介したことがある。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」 『damejimaノート』(4)「低め」とかいう迷信 研究例:カーブを有効にする「高めのストレート」
元資料:Hardball Times
Pitch sequence: High fastball then curveball

上のHardball Timesの記事を詳細に読んでもらうとわかるが、要点は、同じコース上にストレート、カーブと連投する場合に、「カーブの縦方向の落差」を有効に活用するために、つまり、カーブがストンと落ちて見えるように、最初に投げるストレートをあらかじめ故意に高く投げておく、という点であることは明白である。

結論を先に言ってしまえば、
今日アダム・ムーアの使った配球パターンと、Hardball Timesの紹介している配球とは、まったくの別物である。原因もハッキリしていて、ストレートと変化球の高さを変えずに投げていることがいけない。

Hardball Timesの記事が言いたいことの要所は、何度も言うが最初にストレートを高めに投げておくこと、である。そうすることで、ストレートの次に投げるカーブの「タテ方向の落差」が、打者から見ると際立って見える。つまり、カーブが、投手から打者に届く間に、最初はストレートと同じような軌道で来て、そこからストンと縦に落ちるように錯覚させることができる、と、言っているのである。だから、打者はカーブへの対応が遅れ、ミスショットさせることができる。

もし、ホームプレート上で同じ高さになるように、ストレートとカーブを続けて投げるとどうなるか。
キャッチャーにボールが届いたときにストレートとカーブが同じ高さ、ということは、逆算すると、投手の手を離れた瞬間には、明らかにカーブのほうが高い軌道を描く。
これでは、打者が投手の手をボールを離れていく瞬間に、ああ、ストレートと違うボールが来るなとバレてしまう。
それではまったく意味がないのである。


このゲームでの下記の4回裏の成功例と比べて見てもらうと、
Hardball Timesの主張したい部分がよくわかると思う。
4回裏に、カート・スズキにホームランされた後、2死満塁まで進んで、1番デイビスをピッチャーゴロに抑えたシーンである。

2010年4月6日 4回裏2死満塁 デイビス ピッチャーゴロ4回裏 デイビス
ピッチャーゴロ

初球93マイルのストレート
2球目が、87マイルのチェンジアップ

この2球は、GameDayの画像でみたりすると、かなり高さに差があって、まったく違う高さのように思われがちだと思うが、実際の球の軌道の見え方としては、右投手であるスネルが、右打者に、高めのストレートと、アウトローのチェンジアップを投げているわけだから、いわゆる「投手の球の出所(でどころ)」は、GameDayで見るほど差がないはずなのである。



投手の手からボールが離れ、打者にボールが来るまでのプロセスで、ストレートとカーブで大きな軌道の差を打者に見せない、そのために、最初のストレートをわざと高めに投げておく、というテクニックが、Hardball Timesの言わんとする、「カーブを有効にする高めのストレート」という論文の要点なのだ。






damejima at 13:45

March 21, 2010

いやはや、
笑いが止まらないとは、このことだ(笑)


日本時間の20日に行われた阪神と広島のオープン戦、またしても日本のプロ野球・阪神の先発・安藤が炎上。つい1週間前に巨人とのオープン戦で炎上した安藤について書いたばかりだというのに、もうこれだ(爆笑)
試合自体を見ていないが、先週はカーブを2球続けて坂本にホームランを浴びたらしいが、こんどは一転してストレートばかり投げさせて狙い打ちを食らったようだ。
阪神・城島、自身のリードを反省 - サンケイスポーツ - Yahoo!スポーツ
変化球連投で失敗して打たれると、こんどは一転して、ストレートばかり、とか(笑)ダメ捕手は何がダメなのか、まるでさっぱりつかめてないままゲームに出ているから、傍観していても、その無策ぶりは本当に笑える(笑)


勝負ごと、というものは、だ。相手に読み負けては、おしまい。ビジネス、株や相場などの資産運用。将棋や碁などのゲーム。賭けごと。そしてスポーツ。ジャンルなど、関係ない。

勝負ごとというものにも種類があるだろうが、市場や相場の中で競争相手と競うタイプであれ、レースなどの結果に個人が投票するタイプであれ、相手の手のうちを読むなり、ツキの流れを読むなり、「読み」の部分を欠かすことができない。データ分析だけで勝てるほど、勝負は甘くない。
ビジネスでもマーケティングデータだけで市場競争に勝てるわけではなく、マーケットの先行きの読みには数値だけでなく、先天的なカンも必要だ。

そして、その勝負師同士の読み合いにおいて、チカラの無い選手、勘の冴えない人間は、すぐに相手にバレる。足元をみられる。「ああ、こいつはカモだ」と、バレるわけである。

ダメ捕手城島が、まさに、それである。

変化球がダメなら、一転してこんどはストレートばかり連投?(笑)馬鹿なことを。バレないわけがない。
メジャーでも、ゲーム中に打ちまくられると、急にリード内容を180度変え、さらに打ちまくられるシーンを何度見たことか。
インコースが悪いのではない。変化球が悪いのではない。インコース一辺倒なのを読まれてアウトコース一辺倒に変え、変化球ばかりなのを読まれてストレートばかりに変えるような単調さでは、結果は見えている。ということ。
打つバットは1本、ボールはひとつだ。

このダメ捕手は、理知的な意味でのデータ分析ができないばかりでなく、ちょっとオカルト的な意味での読みヂカラも、まるで持ちあわせていない。
こういうアホウは、甘い菓子を売って大失敗したからといって、次には辛い塩辛を大量に仕入れる。ルーレットの赤に賭け続けて大損したからといって、こんどは黒にばかり賭ける。
同じことだ。競争相手には手にとるように、カモの動揺と、次に打ってくる失敗の一手が伝わる。なぜって、それがプロ同士の競争、しのぎあいだ。理屈ではない。


こんど書く「カウント論」で触れるつもりの話だが、メジャーの好打者はとにかく早いカウントでの勝負に強い。
特に、初球、2球目。
カウントでいうと、0-0、0-1、1-0での打率が、好打者ほど異常にいいし、ホームラン率も高い。(実は、この、「好打者ほど」という部分がなかなか肝心な点である)
早打ちと勘違いされることの多いイチロー、イチローのライバルのマウアー、待球タイプの代表格アブレイユ、攻守に長けたマーク・テシェイラ、ホームラン打者プーホールズ、メジャーにもさまざまなタイプの打者がいるが、タイプは違えど「早いカウントの勝負に馬鹿みたく強い」という特徴はまったく共通している。
例をあげれば、2009シーズンのイチローがリベラから打ったサヨナラホームランだ。あれは初球のカットボールだった。投手リベラは初球に一番自分の得意な球をインコースにもってきたわけだが、イチローは完璧という言葉ではとても追いつかないくらいに、あまりにも完璧にあの場面でのメジャーNp.1クローザーの心理を読み切っていた。


こう書くと、すぐに気の早いお馬鹿さんは、「メジャーの打者(そしてイチロー)はみんな早打ちだから、早いカウントで打てるのさ」などと思うだろうが、そんなわけがあるはずもない(笑)そんな単純なオツムだから、だからアンタたちはダメなのだといいたい(失笑)だいたい初球を振る打席数など、そう多いはずがない。
またイチローの話なら、この3年間くらいのフルカウントでの打率をみればいい。打数の十分に多いレギュラー打者で、フルカウントから3割打てる打者など、いくらメジャーといえどもほとんど存在していない。イチローは特別な打者だ。ひとつの例外を除いてカウントなど関係ない。早打ちなだけの平凡な打者と一緒にしてちゃ、笑われるだけだ。


何度も言うとしつこいのだが(笑)
「早打ちグセがある打者のすべてが、早いカウントの打率が良く、ホームランもボカスカ打てる」わけではないのである。
そうではなく、「好打者は、早いカウントでの勝負に恐ろしく強い」と言っているのである。間違えてはいけない。まぎらわしい言い方だが、まったく違う話だ。


別の例をあげてみよう。

メジャーにはP/PAといって、「1打席あたり、相手投手に投げさせた球数」というデータが記録されている。この数字、4に近い数字になると好打者といわれる数値だが、打てないダメ打者に限って、数値が小さい、つまり、早打ちなもことも多いのだ。
つまり、言い換えると、早いカウントから打ちたがる、バットが出てしまう。そのくせ打てないダメ打者というのは大量にいるということ。それが平凡なバッターのありがちなバッティングのクセ、なのだ。
もちろんダメ捕手城島はこのダメ・タイプである。


「早いカウントでの勝負に恐ろしく強い好打者」と、「早いカウントから打ちたがるのに、打撃成績があらゆる面でダメダメな打者」とでは、まったく意味が違うことがおわかりだろうか。
「早いカウントでの勝負に恐ろしく強い好打者」のP/PAが人並みはずれて小さいわけではない。つまり、彼らは早打ちなわけでもなんでもない。もちろんイチローの場合だってP/PAはごく普通の数字である。

イチローはあらゆるカウント(例外はひとつあるが)で3割打てる天才打者。イチローを基準にモノを見てはいけない。彼はあらゆる面で野球常識を超えている。



で、阪神・広島のオープン戦の話だが、
メジャーにおけるダメ捕手城島のゲームで、打者が早いカウントからこれでもか、これでもかと打ってきて連打を食らい、大量失点するケースは非常に頻繁にみかけたものだ。投手はこれで精神的に壊れることが多い。

これ、ひとつには「相手に手の内を読まれる」こともあるだろうが、さらに悪いことは「ダメ捕手が、相手に手の内を読まれたことに気がつかないまま、同じパターンを続ける」ことに原因がある。

勝負の読みとは、相手の戦略を察知することが全てだと勘違いしている人は多い。
そうではない。むしろ、自分の手の内をカモフラージュするチカラ、自分の手の内がどのくらい相手にバレているかを想像する「想像力」相手にバレはじめた自分のタクティクス(戦術)をすばやく変更する「勇気」や「柔軟性」、自分の方向性を信じる「忍耐力」や「信頼」など、さまざまな要素が勝負には必要だ。
相手の手の内が読めることだけで勝てるわけではない。相手より先に相手側の手の内が読める速度。自分の手の内をバレさせない策略、たとえバレかけてもすぐに変更できる柔軟性。そういうことをひっくるめて達成してはじめて勝てる。そういうものだ。

ダメ捕手城島には、そのどれもが欠けているから始末におえない。

「単調でワンパターンなために、相手にリードの手の内がバレやすい」、そして「単調さを見抜いた相手打者が、早いカウントで勝負をしかけてきやすい」、さらには「ダメ捕手側は相手に読まれいてることに気がつかない」。そして「打たれると急激に自信を失って、やってきたことをすぐに放棄して方向性を180度変え、さらに打たれる悪循環」。
そんな泥沼状態のまま、ストレートでも、変化球でも、なんでもいいのだが、早いカウントに同じ球種を揃えれば、そりゃ炎上するのは当たり前。
既に言ったように、好打者は早いカウントでの勝負に強いことはもちろんだし、ヘボ打者といえどもプロの1軍選手だから、相手の手の内がわかっていれば、そこはプロだ、打ててしまう。
だから炎上する。

どうだ。
わかりやすい仕組みである。






damejima at 16:34

March 15, 2010

バンクーバー五輪にハマり、新しいゲームに思い切りハマりで、ブログのほうはほったらかしにされていたわけだが、ひさびさ書いてみる(笑)(『カウント論』のほうはまとまりをつけている最中だ)
プレーヤーにとってもファンにとっても、しょせん練習試合でしかないオープン戦の最中くらいはほっといてやろうと思っていたが、ダメ捕手の今シーズン以降のなりゆきを予感させるものがあると、下のニュースにピンときた(笑)日本時間14日の阪神と巨人のオープン戦である。


城島「ヘボリード」猛省も体感G倒や!
ソース:デイリースポーツ(太字および色づけはブログ側による)

ただ1点リードの六回2死三塁。2球続けたカーブが甘く入り、坂本に許した左越え逆転2ランには悔いが残った。
「あれは僕のヘボリードでした。失投でもホームランを打たれないようにしてあげないと。『ヘボリードですよ、安藤さん。殴るなら殴ってください』って、(本人に)言いました。危うく殴られそうでした」



カーブ連投でホームランされておいて、ヘボリード?(笑)なにを今さら(失笑)失笑が止まらない。「止まらない失笑」というのも、初めて体験する。(笑)馬鹿馬鹿しいにも程がある。

この男が野球人としてどのくらいダメか、本当によくわかる話。
なにか、ダメ捕手特有のリード癖によるホームラン被弾グセを、あたかも「初めて犯した失敗」のように言われると、本当に、このダメ捕手がシアトルに在籍している間じゅう、我慢に我慢を重ねてきた日々が、なんとも情けない限りである。



ちなみに、こんど巨人のコーチから栄転して横浜の監督になった元ダイエー・コーチの尾花氏は、メジャーから逃げ帰ってきた元・教え子の打者城島について、こんなふうに語っている。
外のスライダーを泳ぎ気味にレフトに犠牲フライを打っていたね。変わっていない」
尾花監督、阪神城島の分析必要ない - 野球ニュース : nikkansports.com

リードが相変わらずなだけでなく、バッティングの面でもコネで留学したメジャーから出戻りしようと、渡米前の状態と何も変わってないことが、尾花氏によって明確に語られている。と、いうか、メジャー帰りだのなんだの言う以前の問題で、城島の打撃グセは渡米前のダイエー時代からまったく変化しておらず、メジャー帰りだからといって、あらためて分析する必要などまったく無い、ということだ。
何年たってもクセが直らないプレーヤー、そしてさらに、そのクセがあからさまで人にバレやすいプレーヤー、それが城島だという、なによりの証である。
どうりで、MLBでもWBCでも、すぐに相手にスカウティングされるわけだ。昔はよく、短期留学のクセにまるで帰国子女のように外国にかぶれるアホウがよくいたものだが、城島のメジャー体験など、夏休みにアメリカの英語学校に通った、そんな程度のものだ。まるで意味はない。


キャッチャー側のリードのせいでホームランを打たれたから殴れだのなんだの、本気で殴られてみる勇気もないクセに聞いたふうなことを。

日本に逃げ帰ってから言うくらいなら、むしろ、190センチを越え、腕が普通の男の太ももくらいある巨漢の投手ぞろいのメジャー在籍中に言ってもらいたい。きっとヘルナンデスといわず、シルバといわず、ジャクバスカス、シルバ、ほかにも歴代のシアトルの投手たちが寄ってたかって、城島の顔面が骨折して凹み、鼻の形がなくなって、顔が扁平になるほど、ボコボコに殴りつぶしてくれただろうに。



わからない人にいちおう解説しておくか。

同じコースに、同じ球種を投げ続けさせるリードは、ダメ捕手城島の「ミス」ではない。
ダメ捕手城島の「クセ」なのだ。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:カテゴリー:リード失敗・ワンパターンリード・投手炎上

わかるだろう。
「ミス」と「クセ」では、天と地くらい意味が違う。

「僕のミスでした」というのと、「僕のわかりやすいクセのせいで、ホームラン打たれてしまいました」とでは、大きな差がある。つまり、30代もなかばのオッサンにもなって、いまだに自分の「クセ」すら把握せず、「ミス」だと思っているのである。


また、これもこのブログで何度も書いたことがあるが、投手というものは、同じコース、同じ球種に投げていると、すぐに精度が甘くなるものなのである。
よく勘違いして投手側をけなす馬鹿がいるが、その投手がノーコンなのではなくて、そういうふうにできているのが「ニンゲン」という生き物の「仕組み」なのである。
例えば、同じ作業をずっと続けている工場では、必ず製品の精度は落ちてくる。だからこそ「ニンゲン」という生物は、動作に「変化」をつけるなり、体操するなりなんなり、なにか工夫をすることでしか、「精度」の低下を防げないのである。



メジャー時代のダメ捕手のクソリードの実例をいくつかあげておく。

ダメ捕手城島には「緩い変化球連投グセ」があることを、日本のプロ野球の各バッターと、日本のプロ野球ファンは、この際だから、今のうちに覚えておくべきだろう。
と、いうか、WBC韓国はじめ、MLBのスカウティングといい、この捕手のクセなど、とっくにバレているわけだが。


シルバの「シンカー」
2009年春、シンカー連投でボロボロ


ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年4月、同じ失敗に懲りずにシルバにアウトコースのシンカー連投を要求する城島の1年前を振り返る。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年4月14日、3イニングをノーヒットのシルバだが、ランナーを出した途端いつもの城島が始まった。


ジャクバスカス
Aロッドにインコースを6連投し、勝ち越しホームラン被弾


2つめに、A・ロッドのインコースに連投させ、ホームランを浴びた、シアトルファンには有名なケース。投手はジャクバスカス。インコースにストレートを6連投だが投げて、勝ち越しの2ランを浴びて負け、試合後にジャクバスカスが配球ミスを批判するコメントを出した。
Rare bullpen hiccup costly for Mariners | Mariners.com: News


フィスターの「チェンジアップ」
城島と組ませられ続けて潰れた哀れな若者のひとり


ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年8月27日、「チェンジアップだらけの」フィスターを6回5失点炎上させ、ケリーは「ストレートオンリー」で2ラン被弾させたコネ捕手城島選手の「鮮やか過ぎるお手並み」(爆笑)

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年9月25日、6月にAロッドにインコースのストレートを5連投して勝ち越し2ランを浴びて負けたシーンをまざまざと思い出させるフィスターのチェンジアップ3連投から、好調アーロン・ヒルに2ランを浴びて完封負け。


杉内の「チェンジアップ」
第2回WBCの壮行試合で浴びた一発。
元・捕手の古田が批判した無駄リード

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年3月1日、杉内にチェンジアップを要求し続けた城島は先制の一発を食らった。


岩隈の「スライダー」
第2回WBC決勝で韓国に狙い打たれ続けたスライダー

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年3月23日、WBC決勝で捕手城島は下位打線にスライダーを狙い打たれ続けた。







damejima at 14:51

October 20, 2009

城島のシアトル退団がハッキリしてから書こうと思っていたことが、ひとつあった。それを書く。
日本のプロ野球ソフトバンクで正捕手をつとめる田上(pronounce "Ta-no-wo-e")というキャッチャーのことだ。


先日、日本のパシフィック・リーグ王者決定戦、(メジャー風にいうとPLCS、Pacific League Championship Series)いわゆるクライマックス・シリーズ(Climax Series)で、シーズン3位のソフトバンクは2位楽天に敗れてペナント争いから去ったが、このゲームでは、2005年にドジャースでスターターだったホールトン投手が先発し、楽天・山崎に決勝3ランを打たれたのが敗因になった。

Yahoo!プロ野球 - 2009年10月17日 楽天vs.ソフトバンク

D.J. Houlton Statistics and History - Baseball-Reference.com

D.J.ホールトン - Wikipedia

この両チームの普段の野球を年に100ゲームくらいは見て、多少はチームの戦略やプレーヤーの個性がわかっているならともかく、ほとんど知らないので、ゲーム自体の勝敗の原因と結果どちらも、あれこれ言うつもりはない。

だが、気になる点がある。
ソフトバンクのホールトンが決勝ホームランを打たれた場面のことだ。

結論を先に言えば、この場面でのキャッチャー田上のリードぶりは「城島そっくりのアウトコースにかたよった配球」である。
城島が日本球界に復帰することになったことでソフトバンク・ファンの方々の一部は「城島がソフトバンクに復帰してくれれば、バッテリーのリード面が大きく改善され、チームはかつてのような常勝球団に復帰できる」と考える人もいらっしゃるようだが、それがわからない。

城島は日本人投手へのリードにおいても、WBCで繰り返しヘマをしていることは何度も記録にとどめてきた。ソフトバンクの投手でいえば、WBC壮行試合の巨人戦で、ソフトバンク杉内投手をリードしたゲームで、巨人アルフォンゾにチェンジアップをホームランされ、解説の古田にリードを批判されている。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:カテゴリー:WBC
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:カテゴリー:杉内


この山崎のホームランの場面、たまたま見かけただけだが、なかなかシチュエーションの前提が複雑だ。

このゲームは、負ければソフトバンク敗退というゲーム。背水の陣のはずであり、ランナーがサードに出た場面で、3番鉄平を敬遠してまで、4番との勝負に出た。絶対に打たれては困る場面だ。(だから敬遠後、投手を交代させる、という手段もあったはず)
なぜホールトンで強打者であるはずの楽天4番打者と勝負したかについては、理由がある。楽天の3番が小技もできて好調だというのもあるが、なにより、解説伊東氏によれば、ホールトン投手は打者山崎に対して、この打席の前の2打席は「インコースを攻めて凡退させている」というのだ。

ならば、だ。
ソフトバンク側は、敬遠までして勝負するのだから、山崎に対して三度目のインコース攻めにでもするのかと思ったが、どうしたものか、そうではなかった。

この場面でのホールトンの配球はこうだ。(日本にはGameDayのような便利な記録の道具がない。配球を画像化して資料として残せないのが残念だ)


アウトコース一杯 ストレート 見逃し。きわどいがボール判定
アウトコース    変化球   空振り
真ん中高め    ストレート ホームラン


初球は、ほんとうにきわどかった。ストライク判定してよかったように思うが、アンパイアはボールにした。おそらく投手ホールトンも、捕手田上も、判定には不服だったはず。顔にも出ていた。2球目は外のスライダーかなにかをうまく振らせ、空振り。問題は3球目だ。
ホームランを打たれた3球目は、キャッチャー田上はアウトコースにミットを構えており、田上は初球から続けて3球目のアウトコースを要求、アウトコース一辺倒の攻めであることが判明する。メジャーでも城島がよくみせた(過去形)、ピンチの場面特有のリード方法である。(城島の場合、セカンドへの送球に支障がないようにするためか、特に左バッターのケースで非常に多くアウトコースを使っていた。山崎は右バッター)


なぜまた、初球で外側の判定が非常に辛いことがわかっているにもかかわらず、3球目にも同じコースのストレートを要求したのか? ボール1個分かそこら内側に寄せてストライクにしたかったのか?
投手心理としては、弱気なタイプなら初球をボール判定されて「投げにくいな・・」とナーバスに考える投手もいるだろうし、強気なタイプなら「なんとしてでもアンパイアにストライクと言わせやる!」と意地になるタイプもいるだろう。いずれのタイプにせよ、この場面では投手の立場からは、カウントを悪くもしたくないし、コントロールが万全にはできにくいシチュエーションには違いない。
そして結局、投げたボールは真ん中に甘く入ってしまい、ホームラン。ゲームが決まってしまった。


「城島問題」について何度か書いたことだが、投手というものは同じコースを続けて投げたり、同じ球種を続けていると、だんだんコースが甘くなり、また内側にボールが寄っていくもの、である。
それにホールトンの得意球はカーブなどであって、ストレートは、球威・コントロールともに、それほど自信があるとは思えない。ならば、キャッチャーは、投手の得意な球を生かすことを考えずに、しかも、インコースで2度打ちとっている打者に対して、なぜワンパターンな「アウトコース一辺倒」にこだわる必要があるのか。
まったくピンチでの失点ぶりが城島に似ている。



ブログ主は常に、こういうホームランを「投手の失投」と馬鹿のひとつ覚えのように言って投手をけなしているだけでは「チームの不用意な失点はなくならない」、という考えのもとに野球というゲームを見ている。

投手という生き物は、失投して当たり前の生き物だ。コントロールミスしない投手など、いない。ミスはゼロにはできない。
だがチームの不用意な失点はなくしたい。だからこそ「失投しやすいシチュエーション」があることを理解し、分析して、そのシチュエーションにはまりこむのをできるだけ避けるのが、「配球」というタスクの意味のひとつだと考えている。
配球は、別にバッターをゴロだのフライだのと、小器用にアウトにさせるためだけにあるのではなく、「起こるべくして起こる失投」を回避する意味でも存在している。
例えば、先日のナ・リーグ優勝決定戦で登板したクリフ・リーは「ド真ん中に投げてもバッターがバットを振ってこれないような配球」をしている。そもそも「失投」そのものが起こりえない配球をしているのである。
メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」 『damejimaノート』(9)クリフ・リーのプレイオフ快刀乱麻からの研究例:「カーブとチェンジアップ、軌道をオーバーラップさせ、ド真ん中を見逃しさせるスーパーテクニック」

この田上のケースは「失投しやすいシチュエーション」にわざわざ変化球投手ホールトンを無理のある配球で追いつめてしまっているように見える。ホールトンは針の穴を通すコントロールの持ち主ではない。
例えばコントロールが甘く、球が真ん中に寄るのを避けるためには「同じコースを何度も何度も投げ続ける」、特に、「同じ球種を同じコースに何度となくキャッチャー側が要求しつづけること」を避ける必要があると思っているわけだが、その点で、田上も城島も、やっていることはほとんどかわりない。
投手の得意不得意おかまいなしに、アウトコースにばかりボールを要求し、球種だけかえることで「目先の味つけ」をかえて、打者の狙いをなんとかそらそうとしているだけのことだ。
リスクを回避している「つもり」になっているだけで、かえって「リスクを自分から招きいれて」いる。


この場面、もし城島がキャッチャーだったら、
ソフトバンクは楽天に勝てていたか?

まったくそうは思わない。


ちなみに、ソフトバンクの選手同士が似ている、という話は、守備の城島と田上ばかりではない。打撃面で、城島と井口も「そっくりさん」同士なのだ。

Baseball Reference
(http://www.baseball-reference.com/)は、MLBを扱うデータサイトの大御所中の大御所であり、MLB所属の各プレーヤーに関して膨大な古今東西のデータを有していて、もちろん城島の詳細なデータもある。

このサイトの城島ページに、年度別の打撃成績を、「古今のMLBプレーヤーと比較して、似ている打者をみつけだす」という項目があるのだが、この項目のトップ、つまり、最も似ているプレーヤーの2007年、2008年の1位が、なんと、元ソフトバンク、現ロッテの井口なのである。2009年も井口が2位である。

世界中から集まったあれほどの数の選手がプレーするMLBにおいて、データの豊富なことではどこにも負けないBaseball Referenceが選ぶ「城島のそっくりさん」が、元チームメイト井口だというのだから、どれだけ狭い話かがわかる。チームカラーというものは怖ろしいものだ。

Kenji Johjima Statistics and History - Baseball-Reference.com

Kenji Johjima Batting Similarity Comparison Age-Based - Baseball-Reference.com


企業にも社風という風土があるように、野球のチームにもチームカラーというものがある。その城島と、田上、井口がそっくりな理由は、ほかの言葉では説明できそうにない。ある意味、城島はそういう日本での自分のカラーが抜けないままメジャーに居座ろうとして結局失敗したわけだが、それも「チームカラーという風土病」のもつマイナス面ではある。

日本での野球が染み付く前にメジャーに行こうと考える若者はこれから増えるだろうと思う。こんどシアトルにかわって「城島問題」を抱えるのは、日本のプロ野球チームである。日本の野球しか見たことのないファンにも、そのうち「城島問題」の意味がわかるときが来ると思う。






damejima at 12:45

October 04, 2009

サイ・ヤング賞をヘルナンデスと争っているグレインキーが先発したカンザスシティと、ア・リーグ中地区の優勝がかかったミネソタとの熱いゲームで、ちょっと笑い話のような決勝ホームランがあったので、ちょっと記事をつくってみる。


誰にでもわかりやすいパターンだ、という理由で、このシリーズでずっと取り上げてきている「アウトハイ・インローの対角パターン」だが、このパターン、結論から先に言うと、あまりにも単純な形でピッチングに使うのは、たいへんに危険でもある。
つまり、まぁ、それだけバッター側にも十分わかりすぎるほどわかってバレている典型的配球だ、ということなのだろう。

2つ例を挙げる。
2例とも、初球から3球続けて対角パターンを使い、3球目で「初球の球種・コースにリバース」して、あっさりホームランを打たれた。
ひとつが、今日のグレインキー先発ゲームの、8回裏カダイアー決勝ホームラン。もうひとつは、このシリーズの(1)でとりあげたイヴァン・ロドリゲスのケース。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:メジャーと日本の配球論の差異から考える「城島問題」 『damejimaノート』(2)「外角低め」「ストレート」という迷信 実例:「アウトハイ・インロー」の対角を使うメジャーのバッテリー


この2例にはひと目でわかる共通点がある。

・初球、2球目で、あきらかにそれとわかる「対角パターン」
「3球目で、初球とまったく同じ球」を投げて、打者に見切られれ、ホームラン。いうなれば「3球目対角リバース」


2009年10月3日 ミネソタvsカンザス戦 カダイヤー決勝ホームラン2009年10月3日
ミネソタvsカンザス戦
8回裏同点から
カダイヤー決勝ホームラン

初球  インロー  2シーム
2球目 アウトハイ ストレート
3球目 インロー  2シーム(ホームラン)

ピッチャー:ヒューズ
キャッチャー:オリーボ

ごく普通の「アウトハイ・インロー」パターンなら、ストレートはインコース、変化球はアウトコース専用、という場合が多い。変化球は、チェンジアップ、カーブ、スライダーなどが使われたりすることを何度も説明してきた。
シリーズ(2)イヴァン・ロドリゲスの例 チェンジアップ
シリーズ(5)ロブ・ジョンソンの例 チェンジアップ
シリーズ(6)アダム・ムーアの例 カーブ


だが、同点で迎えたゲーム終盤のこの打席、カンザスシティパッテリーの「対角パターン」ではストレートを、イン側ではなく、アウト側の球として使い、イン側には2シームを使っている。
これはまぁ、たぶん、「チェンジアップとストレート」の組み合わせのようにスピード面の緩急はつかない「2シームと4シーム」のミクスチュアなだけに、バッテリーがちょっと工夫したかったのではないかと想像する。

2球目に外の高めにストレートを投げたのを見て、「次の3球目、初球と同じコースに同じ2シームを投げなければいいが・・・」と直感的に思ったわけだが、結局、初球と同じ球を投げて、カダイアーに決勝ホームランを打たれてカンザスシティは負けてしまった。


次に、イヴァン・ロドリゲスのケース。

2009年9月28日 テキサスvsLAA戦 1回 モラレス 2ラン2009年9月28日
テキサスvsLAA 1回
モラレス 2ランホームラン

ピッチャー:ハンター
キャッチャー:イヴァン・ロドリゲス

初球  アウトハイ チェンジアップ
2球目 インロー  ストレート
3球目 アウトハイ チェンジアップ(ホームラン)
Texas vs. LA Angels - September 28, 2009 | MLB.com: Gameday

やはり、上に紹介したカダイアーの決勝ホームランの「3球目対角リバース」と同様で、初球2球目で「対角」に大きくふっておいて、3球目に初球と同じ球を投げた、つまり「リバース」したことで、打者モラレスに配球を読まれ、スタンドに放り込まれている。


なぜまた配球の教科書の最初のページにのっかっているようなパターンを「誰にでもわかる形で」使ってしまうのか。理由はわからないが、こういう「3球目リバース」の形で対角パターンが使われるケースは、ゲームの中でけして少なくない。ケースが多いだけに、いちいち探して挙げているとキリがない。自分で探してみてほしい。
少なくともわかっていなければならないのは、バッテリーの側だけでなく、メジャーの打者の側は、こういう配球パターンがあることなど、熟知していると思わなければダメだということだ。なにごとも打者に見え見えではダメだということだろう。



アタマが疲れてくれば誰でもミスを犯す。それはそうなのだが、誰も彼も同じようにミスを犯すのかどうか。ネイサンの例を見てみる。
上に挙げたカダイアーのホームランで1点リードしたミネソタは、9回表にクローザーのネイサンが登場して、3人でピシャリと抑え、優勝がかかった大事なゲームに勝った。
そのネイサンの、先頭打者ジェイコブズに対する、非常にしつこい配球プロセスを見てもらいたい。

2009年10月3日 ミネソタvsカンザス戦 9回表 ネイサンの配球2009年10月3日
ミネソタvsカンザス戦 9回表
先頭打者ジェイコブズ 三振

ピッチャー:ネイサン
キャッチャー:マウアー

初球  アウトハイ ストレート ストライク
2球目 インハイ  ストレート ボール
3球目 アウトロー ストレート ストライク
4球目 真ん中低め スライダー ファウル
5球目 アウトハイ ストレート ボール
6球目 インロー  スライダー ボール
7球目 インロー  スライダー ファウル
8球目 アウトハイ ストレート 空振り三振

この打者にネイサンは3度も「対角パターン」を使って、しつこく打者のバットを振らせようとしているが、単純なリバースは一度もしていない。

最初の対角は、2球目から3球目。ストレートだけを対角に投げ分けた。両方同じストレートなだけに、4球目でのリバースはないと予想できる。
だからこそカウント1-2になった4球目に何を投げるのかが面白い。
ネイサンは「3球目リバース」
の失敗例のようにインハイに戻ったりせず、真ん中低めスライダーを選び、明らかに決めにかかった。決め球が「真ん中低め」というところが、いかにもメジャーらしい。

ところがファウルされて粘られた。2球目3球目の対角パターンがストレート連投だっただけに、ここはさすがに打者に「そろそろ変化球だな」と先を読まれた。

そのため、ネイサンは新たな対角を企てる。カウントに余裕があるからこそできる2度目の対角の企てだ。5球目で外に1球ストレートをはずしておいて、それから、インコース低めの「対角」にスライダーを投げた。典型的な「アウトハイ・インローの対角パターン」で打ち取りにかかったわけだ。

だが6球目は打者が振らず、ボール判定。

たがネイサンは、この項目で何度も触れてきた「3球目リバース」の失敗例のように、すぐにリバースせずに、同じ球をもう1球インローに投げておいてファウルさせておいてから、つまりひと呼吸おいて、3度目の対角パターンとして、アウトハイに予定どおりストレートをほおる。
ついに空振り三振。
そして残り2人も打ち取って、ゲームセット。

一度企てが失敗しても、しつこく、しつこく攻めてくるネイサン。球数減らしの名手ハラデイの配球芸術とは対極にあるような、ベテランクローザー、ネイサンならではの素晴らしくネチネチした配球術だ(笑)

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damejima at 13:31

September 28, 2009

いや。もうね(笑)
笑い止まんないわ、これ(笑)

2009年9月27日 ミットを構えない城島投手がモーションに入っていて足も降りかかっているのに、ミットを構えようとしないコネ捕手城島(8回バラハス決勝タイムリー)


ブルージェイズは、ついこの間ゲームがあったホワイトソックスとまるで同じで、「ワンパターンなリードに何度でもひっかっかって、気がつくのがとても遅いチーム」だからね。だからこの地区順位なんだよな。それはもう第1戦見て、わかってた。
だから今日の勝負はどうみても先発のローランド・スミスがへばってきて、エンジンのかかりの遅いトロント打線でさえ、城島のクソ・ワンパターンに気がつくゲーム終盤からだと思ってたら、案の定だったからねぇ(笑)笑うしかないでしょ。
もちろんローランド・スミスを8回まで引っ張った継投は、ワカマツの大失態さ。当たり前。だけど、だからこそ、8回のリードが単調になっちゃ、ダメなわけでね。根こそぎ批判されて当然。

2009年9月15日、城島マスク5連敗。4回無死1、2塁、8回二死1、3塁、城島の「2度のパスボール」で3失点。今日の城島の配球パターンは「ストレートでカウントを整え、あとは外にチェンジアップかスライダー連投」のクソワンパターン(笑)

2009年9月16日、今日のコネ捕手、リードは「ストレートは基本インコース、変化球はアウトコース」 たった、それだけ(笑)被安打9、8回にはホームラン被弾。ホワイトソックス打線の知恵の無さに助けられただけのゲーム。

2009年9月23日、打てば三振ばかりのコネ捕手城島のワンパターンリードで四球連発。先発モローのリードもままならず、ブルペン投手を大量消費した挙句に、BJアップトンに同じ外角スライダーで2打席連続レフト前タイムリーを浴び、8回裏の逆転2点タイムリーで逆転負け。

8回裏のアーロン・ヒルの四球といい、代打のアダム・リンドのタイムリーといい、下に画像あげとくからさ。よくみとくといいよ。パターンは2つっきゃないからさ(笑)

パターン(1)
まず、アウトコース高め一杯にストレートを投げる。
そこからは選択肢は2つ。
ほとんどの場合、2球目はインコースにストレート。で、3球目は、またアウトコース。
つまり、外、内、外。「左右に投げ分けるだけ」なわけね。

ほとんどは、これ。

パターン(2)
2つめは(1)ほど多くはないパターン。
アウトコース高めに初球投げたら、2球目には、インコースではなくて、アウトコースの低めいっぱいにストレートを投げるパターン。で、3球目は、アウトコース高めいっぱいにストレート。
要するに、高、低、高。こっちは「高さを投げ分けるだけ」なわけ。単純だ(笑)


分析力のある強いチーム相手ならね、ゲーム前半でつかまってるんだぜ、こんなワンパターン・リード(笑)ローランド・スミスが好投しただなんて思って見てるやつは、野球がわかってないだけ(冷笑)
Seattle vs. Toronto - September 27, 2009 | MLB.com: Gameday

2009年9月27日 4回 バティスタ シングル4回 先頭バティスタ
今日のゲーム終盤を暗示する初ヒット(笑)

初球  内角低め一杯
2球目 外角高め一杯
3球目 外角低め一杯
最初の3球すべてストライクゾーンの隅だけを狙っていることに注目。だけど判定は、全部ボールなんだわな(爆笑)それで、あわててストライク取りにいったら、結局、初ヒット食らった(笑)この窮屈な配球ぶりで今日のゲームの終盤は決まったと思ったね。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:「サンデー・フェリックス」byアーズマ

2009年9月27日 8回 アーロン・ヒル 四球8回 無死1塁
アーロン・ヒル 四球

初球  外高 一杯ストレート
2球目 外低 シンカー
3球目 外高 一杯ストレート
4球目 外低 一杯ストレート
5球目 外低 ストレート
誰が見てもわかる「高低の投げ分け」パターン(笑)8回先頭のマクドナルドに二塁打、次のバティスタにタイムリーを打たれた後の打者だからね、ヒルを抑えておけば逆転まではされなかったわけ。だけど結局、四球でこの走者が決勝点になった「傷口を四球で広げる」典型的なコネ捕手パターン。


2009年9月27日 8回 バーノン・ウェルズ 三振8回 1死1、2塁
バーノン・ウェルズ 三振

初球  外 一杯ストレート
2球目 内 低め一杯ストレート
3球目 外 ストレート(ボール)
4球目 内 ストレート(三振)
これも誰がみてもわかる「内外に投げ分けるパターン」(笑)こんな単純パターンが読めずに逆転チャンスで三振するから、バーノン・ウェルズって、たいしたことない成績に終わってしまうんだよな(苦笑)


2009年9月27日 8回 アダム・リンド タイムリー8回 2死1,2塁
アダム・リンド タイムリー


前の打者のウェルズに使って通用したのと同じ「内と外に投げ分けるパターン」初球から6球目までが全部同じパターンで、「インコースをえぐるボール球」の次は「真ん中よりのストライク」、ただその繰り返しを、3度もやった(失笑)で、タイムリー浴びて、死亡(大爆笑)


以下、動画。どのタイムリーも、ピッチャーはコネ捕手の構えたミットそのものの位置に投げてタイムリーされたのがよくわかる(失笑)
ミラーのタイムリー(動画)
Baseball Video Highlights & Clips | SEA@TOR: Millar grounds an RBI single to left field - Video | MLB.com: Multimedia
バティスタのタイムリー(動画)
Baseball Video Highlights & Clips | SEA@TOR: Bautista grounds an RBI single to center - Video | MLB.com: Multimedia
アダム・リンドのタイムリー(動画)
Baseball Video Highlights & Clips | SEA@TOR: Lind lines an RBI single to knot the score - Video | bluejays.com: Multimedia






damejima at 04:45

September 26, 2009

2009年6月30日 8回Aロッド 2ラン.jpg6月30日 NYY戦
7回裏 Aロッド
2ランホームラン


この画像は、忘れもしない6月30日のNYY戦。
Seattle vs. NY Yankees - June 30, 2009 | MLB.com: Gameday
7回裏、ランナー2塁で、打者はAロッド。1塁があいているにもかかわらず、インコースにストレートを6連投だが投げて、勝ち越しの2ランを浴びて負けたシーン。

投げたジャクバスカスは、ゲーム後にこんなことを言って、キャッチャー城島のリードを公然と批判した。

Jakubauskas said if he had it to do over, he probably would not have thrown Rodriguez all fastballs.
"It was a good pitch, up and in," Jakubauskas said, "but you can't throw a hitter of that caliber the same pitch in basically the same location. I think we went one [fastball] too many. In hindsight, we probably should have gone with something offspeed right there."

ジャクバスカスは、もしやりなおせるものなら、Aロッドに全球ストレートを投げたりはしない、と言った。
「(ホームランを打たれた球そのものは)いい球だったんだ。内角高めのね」とジャクバスカス。「でもね。あれほど能力のあるヒッターに、同じ場所に同じ球を投げちゃあいけない。速球をあまりにも投げすぎだよ。結果論になるけど、あそこはたぶん、スピードを抑えた球で打ち取りにいくべきだったんだ」
Rare bullpen hiccup costly for Mariners | Mariners.com: News

ウオッシュバーンの移籍前の発言について、ジャクバスカスも同調する発言をしていたが、彼は本音で言えば、城島とは絶対にバッテリーを組みたくないと思っていると思う。
2009年7月23日、ウオッシュバーンは「移籍したくない」といい、「プレーヤーが売り払われないために、頑張るしかない」と語った。
2009年7月25日、ジャクバスカスは、23日に「チームに残りたい」と語ったウオッシュバーンの言葉を引き継いで、「今シーズンに希望を失っていない」と強く語った。



そして今日のトロント戦。先発はコネ捕手と組まされ続けている、哀れなフィスター。
6回裏、ランナー1塁。バッターは、前日11奪三振を奪ったヘルナンデスからさえ2本ヒットを打って、明らかに好調の2番アーロン・ヒル。
2球目からチェンジアップを投げ続けて、3球目と4球目は、ほぼまったく同じ球。2ランホームラン。まったく、哀れなもんだ。

初球  インコース ストレート
2球目 チェンジアップ
3球目 チェンジアップ
4球目 チェンジアップ
4球目は3球目とほぼ同じコースで、同じ球速。つまり、2球続けてほぼまったく同じ球を投げたわけ(笑)馬鹿か(笑)

2ランホームラン

2009年9月25日 6回 アーロン・ヒル 2ラン6回 アーロン・ヒル 先制2ラン



こちらは、まぁ、おまけ。
7回裏、トロントの1番バティスタの2点タイムリー。
3、4、6球目がカーブ。問題は、アーロン・ヒルに投げたチェンジアップ同様、4球目と6球目がほぼ同じコースのカーブであること。投手はまたもやジャクバスカス。哀れなもんだ。

キング・オブ・グラウンドボール・ピッチャー、ハラデイに完封負け。

2009年9月25日 7回 バティスタ 2点タイムリー7回 バティスタ
2点タイムリー







damejima at 14:06

September 24, 2009

この捕手、どこまで馬鹿なのだろう。


6回は投手バティスタ、8回は投手ロウ。違う2投手でアップトンに2連続タイムリーされて負けたわけだから、明らかにキャッチャー城島の責任。

証拠もある。

打たれた
のは、どちらも「アウトコース低めのスライダー」。この馬鹿捕手が、カウントを追いこんだ後で非常によく使うワンパターンな球だ。

最も失笑するのは、8回に逆転2点タイムリーを浴びた配球。
インコース高めには、ストレート
アウトコース低めには、スライダー


「コースと球種を最初から決めつけて、対角に投げさせる」などというリードの馬鹿さ加減がわからないヤツは、野球を見るのをやめたほうがいい。ロウがこんな単調な配球するのを、ロブ・ジョンソンのゲームでは見たことがない。テレビゲームで野球をやる小学生以下だ。

この日のGameDay全体を見ればわかるが、今日のコネ捕手の配球は「ストレートを高めに、変化球を低め(特にアウトコース)に配して、全体として対角に球を散らす」という、いかにもアタマの悪い人間の考えつきそうな、単細胞丸出しリード。子供向けの野球の教則本レベル。

一度タイムリーを打たれている同じ打者に、同じコース同じ球種で攻めることも馬鹿だが、問題はほかにもある。例えば、カウントを追い込んだ後の打者への配球。

2ストライクをとって追い込んでから、いわゆる日本の野球でいう「遊び」とか、「釣りダマ」とかいう馬鹿馬鹿しいルールを、メジャーの速球派のモローやロウに要求することで、かえってカウントを悪くして、打者有利なカウントにかえてしまっている。
さらに悪いことに、平行カウントにしてしまった後は、打たれるのを怖がってきわどいコースをつこうとしてはボール連発。しかも投手がモーションを始めているのにミットを構えない。
結果、どうなるかといえば、0-2という追い込んだカウントからでさえ四球を出すようなアホなリードに終始して、ランナーを貯める結果を招いているのだ。


城島マスクのゲームでは非常に四球が多い。このことはもう何年もの間、何度も繰り返し言ってきたことだ。モロー先発のゲームも例外ではなく、城島マスクの場合に限って四球が多いことも、既に指摘してある。

2009年9月13日、モロー先発で四球とホームランが多発するのは、「城島マスク」の場合と判明。ノーコンの速球投手の「三振、四球、ホームラン」の3点セットで惨敗パターンは、まるで「悪いときの松阪」そっくり。

Seattle vs. Tampa Bay - September 23, 2009 | MLB.com: Gameday


以下はBJアップトンに2連続タイムリーを浴びた
2つの「外角低めのスライダー」
第2回WBC時そっくりの逃げリード


2009年9月23日 6回 BJアップトン タイムリー6回 BJアップトン
外角低めスライダーを
レフト前タイムリー


投手 バティスタ


2009年9月24日 8回アップトン 2点タイムリー8回 BJアップトン
前の打席で打たれたのと全く同じ、外角低めスライダーを、逆転の決勝2点タイムリー

投手 ロウ
ストレートは全てインハイ、スライダーは全てアウトローという馬鹿リード



それにしても、この馬鹿監督、最終回に、今日3安打しているソーンダースの打席に、代打ビル・ホールを送った。

もう馬鹿としかいいようがない。

ビル・ホールの元のチームがズレンシックのいたミルウォーキーだから特別扱いなのかなにか知らないが、こんな意味の選手起用をしてどうする。
おまけにまたしても、ブルペン投手の無駄使いから、結局ロウまで投入してコネ捕手城島に潰させるのだから、始末が悪い。

2009年9月15日、虚弱スネルを84球で降板させ、「城島リスク」を無視した「タラレバ継投」に失敗、好調ロウを無駄使いするだけでは飽き足らず、負けゲームに投手3人を無駄使いする無能監督の「自殺行為」と、試合後の泣き言&言い訳インタビューを笑う。



それにしても、コネ捕手のバッティングはお笑いそのもの。
ノースリーからキャッチャー・フライだの、お決まりの三振だの、打率が.240を切るのも、目前だ。最も得意なはずの9月の帳尻すら出来ないのだから、失笑する。






damejima at 11:13

September 17, 2009

今日も今日とて、高校野球みたいな単細胞リードのコネ捕手城島。

プレイオフがないというのに、ファンに今のチームの目的を明確に示すこともせず、ただただゲームをこなすチームの、漫然としたゲーム。

観客は昨日の17,153人から、さらに減って
わずか16,596人
このチームはファンが望んでもないスタメンと方針で野球をやり、毎日自分で自分の首を絞め続けている。

昨日の最悪なゲームでワカマツが無駄にロウを使ってしまい、今日のゲームのポイントは、ローランド・スミスが6回で終わるのか、それとも7回までもたせられるか、にあったどちらにしてもロウは今日も使って、明日以降はロウは使えない、と(笑)馬鹿だねぇ。ワカマツ。(注:結局、ロウは使わないかわりに、ローランド・スミスを8回まで投げさせて、ホームランを打たれた(笑)馬鹿だねぇ、ワカマツ)
2009年9月15日、城島マスク5連敗。4回無死1、2塁、8回二死1、3塁、城島の「2度のパスボール」で3失点。今日の城島の配球パターンは「ストレートでカウントを整え、あとは外にチェンジアップかスライダー連投」のクソワンパターン(笑)

昨日のゲームを見てもわかるとおり、ホワイトソックス打線は、LAAのような順応力、即応力は全く無い。ホワイトソックスの打者のポイントは昨日同様、2巡目、3巡目の打順に、「コネ捕手のリードの単調さ」に気がつくかどうかだけ(笑)

クエンティンはやっぱり、昨日のゲームでわかったことだが、相手投手のパターンをまったく考えずにバットを振る打者。ダブルプレー。こういう打者がいるから、みんな城島のヘボいリードに気がつかない(笑)

Chi White Sox vs. Seattle - September 16, 2009 | MLB.com: Gameday

4回表
ピアジンスキーのシングルは、外のスライダー。
次のコネルコが打ちそこなったのは、内高めのストレート。
ラミレスが手を出したクソボールは、外のチェンジアップ。
まったく予測どおりなのに、打線がこれじゃ、な。

5回表
やはり、というか、この2巡目のイニング、本来なら失点しているはずのヒット3本。失点せずに済んだのは、またもクエンティンのミスか(笑)いやはや。
クエンティンのヒットは、インハイのストレート
(セカンドを欲張ってアウト)
リオスのヒットは、インローのスライダー(これは例外だったな)
ニックスのヒットは、インコースのストレート

まったく予測どおり。この時点でホワイトソックス、シアトルより多いヒット7本だからな。なのに、0点(笑)

2009年9月16日 6回 ピアジンスキーへの典型的な攻め6回 ピアジンスキー
ショートゴロ


この日の典型的なコネ捕手城島の配球パターン。こんなのが6回になっても通用するのが、ホワイトソックスのダメなところ(苦笑)
インコースのストレートと、アウトローのスライダーを、ただ交互に投げただけ(笑)


7回表
無死1、2塁でクエンティン、ライトフライ。やれやれ・・(苦笑)
ほんとにしょうがない打者だ。素晴らしい強力打線。

2009年9月16日 8回 ベッカム ソロホームラン8回表 ベッカム
ソロホームラン

すでに100球投げているローランド・スミスを8回にも投げさせたのは、完封狙いというより、投手の節約。偶然無失点に抑えただけの5回、7回を見ても、8回のマウンドにローランド・スミスを送りだす無神経さは、単なる欲張り。昨日ロウを無駄使いしたツケを、こんなところで払うワカマツ。


damejima at 11:54

September 16, 2009

まだゲームが終わったわけではないのだが、4回の失点について書きたくなった。今日の配球はまだシアトルがリードしてる2イニング目以降くらいからわかってたから、早めに記事を書き出した(笑)予想どおりの逆転負け(笑)こういうのは今までも、春先のLAA戦とか、何度かやってるわけだが、これからは時間があれば、ゲーム途中でコネ捕手の配球パターン、ばんばんバラしてやろうっと(笑)

先発はスネル。9月恒例、コネ捕手城島マスクの大連敗が始まった。5連敗(笑)そしてこれも9月お約束の、帳尻あわせのヒット(笑)

9月、予想どおり、「今シーズン4度目」の城島の「大失態月間」が着々と進行中(失笑)

Chi White Sox vs. Seattle - September 15, 2009 | MLB.com: Gameday

2009年9月9日、スネルまで欲張った厄病神の哀れな6失点連敗。コネ捕手の「ニセ正捕手」復帰で、止まらない減少が再開したシアトルのわずかな貯金。5月、7月、8月に続き、「今季4度目」の城島の「大失態月間」、始まる。

2009年9月10日、2009年版「ニセ正捕手復帰工作」がチームに与えた大打撃、ぞして今季4度にわたるコネ捕手の大失態。

今日のコネ捕手のスネルに対する配球は実に簡単な仕組みだ。
ストレートでカウント作って、最後はアウトコース低めにチェンジアップかスライダーのどちらかを集めて、変化球の連投。

ただそれだけ(笑)


誰が打席に入ろうとまるで同じパターンなんだから、そりゃあ、2巡目以降にはつかまることになる。
1巡目につかまらなかったのは、ホワイトソックス打線が、馬鹿みたいにブンブン振り回すから。例えばベッカム。ジャーメイン・ダイ。クエンティン。LAAの打者のように前の打者の配球をよく見て頭にいれて打席に入っていない。そりゃ、チームのRISPが4-16とかになるわけだ。


今日のコネ捕手城島の配球の攻略パターンは、たった2つ。
「初球か、2球目に必ず投げてくるカウントをとるための甘いストレートをたたく」
「カウントが追い込まれたら、アウトコース低めの変化球を狙う」



つかまったのはやはり2巡目の4回。まず先頭のピアジンスキーに初球のストレートをたたかれた。
コネルコを歩かせてしまい、無死1、2塁。ここで城島が1回目のパスボール。
無死2、3塁。

2009年9月15日 4回ピアジンスキー シングル4回 ピアジンスキー
初球ストレート シングル


左の画像をよく見ると、左上に、return to liveという文字列が見えるはず。これは、ゲーム途中で採取した場合にだけ出る表示。ゲームが終わった後に採取すると出ない。

コッツェイには、1−1からスライダーを打たれた。2点タイムリー。
ジャーメイン・ダイはワンバウンドが2球続いたあと、2-1からストライクカウントを増やしにきたストレートを、センターへ大飛球(アウト)

配球バレバレ(笑)

2009年9月15日 4回コッツェイ 2点タイムリー4回 コッツェイ
2点タイムリー


得意のワンパターン配球だ(笑)初球のストレートでストライクを取るのはいいとして、次のチェンジアップでボールなら、3球目は本来「ストレートで追い込む」のがパターンのはず。なのにスライダーを投げたのは、明らかに「勝負を急いだ」ため。自ら墓穴を掘った。



そして7回。
コネ捕手さん、ランナー貯められた挙句、お得意の「アウトコース低め連投」で、狙い打ちされて逆転(笑)笑いが止まりませんな。下の画像を見て、球がだんだん、だんだん中に寄っていってるのを確認するといい(笑)投手って、同じ球種を同じコースに続けて投げさすと、だいたいこうなるもんだ。
これ、ピッチャー、このところ絶好調のロウですぜ?(笑)とても同じ投手とは思えん(笑)

2009年9月15日 7回コネルコ タイムリーツーベース7回 コネルコ
タイムリーツーベース



いま絶好調のロウを7回途中で無駄に使って、すぐに交代。

コネ捕手じゃ、投手が何人いても足りるわけがない。たぶん1ゲームあたり、ロブ・ジョンソンのゲームより使う投手が1人か2人多いんじゃないか。

と・・・思ってたら、8回はメッセンジャーにオルソン???
負けてる試合に何人投手をつぎこむつもりだ、ワカマツ。馬鹿か。過保護もほどほどにしろ。

と。そこで、コネ捕手城島、8回二死1、3塁の場面で、「本日2度目のパスボール」、追加点献上(失笑)

とことん使えないな・・。おまえは(爆笑)

で、最終回はバティスタまで投入。
ほんと、ワカマツ、馬鹿。

こんな馬鹿捕手の負けゲームに投手を注ぎ込んでるから、勝てるロブ・ジョンソンの先発マスクのゲームで中継ぎが足りなくなるんだ。






damejima at 12:24

September 14, 2009

ブーイングの原因は、コネ捕手城島の出すサインがフィスターにあまりにもクビを振られ続けるために、何度もマウンドに行くため。

投手とサインが合わなさ過ぎて相手チームの観客にブーイングを受けるキャッチャーを、生まれて初めて見た


アウェイのスタジアムの観客は、対戦相手のキャッチャーがピンチでマウンドにいくのなら、文句は言わない。彼らのホームチーム自軍にとってはチャンスの場面だからだ。
そうではなく、ただ「ピッチャーとサインがあわない」ことを理由に、それもたいしたピンチではない場面で、キャッチャーが何度も何度もマウンドに行くのを黙って許してくれるわけがない。



ダブルヘッダーは、もしゲームに遅延がなく定刻に開始されていても、普段のゲームより以上にお互いにサクサクとゲームを進めるのが常識。対戦するどちらのチームの選手も「無駄を省き、スピーディーにゲームを進める」のが暗黙の了解だ。
ましてこのゲームは、ただでさえ時間が限られるダブルヘッダー第一試合というのに、雨でゲーム開始時点で5時間以上もズレこんで始まっている
さらには、このダブルヘッダーの翌日は、シアトルはゲームがなく休めるが、テキサスはオークランド戦があって、休めない

ただでさえ時間がない。そのことは、スタジアムで何時間も耐えに耐えてゲーム開始を待ってきた観客が一番よくわかっているのである。

なのに、コネ捕手ときたら、サインがあわないといっては、何度も続けてマウンドに行く、きわどいスイングのほとんど全てを塁審に確認したがるで、本当にどうしようもない。メジャーのシステム、自分の置かれた状況をまったく理解していない。

ブーイングされて当然。

雨の影響で5時間も遅れたゲームを待ってくれていた観客は、イチローの歴史的な瞬間は見たくても、「バッテリー間のサインの調整」を見るために、悪天候の中、屋根のない球場でひたすら耐え続けたのではない。

そんなことは楽屋(がくや)でやっておけ、できないのならゲームに出るな、と言いたくなるのが当たり前。


またひとり、シアトルの若者が厄病神、コネ捕手城島に潰されることになった。コネ捕手とサインがあわないイライラを抱えて、フィスターは顔が紅潮したままゲームを終えた。

研究されはじめたフィスター、大炎上で終了。

Seattle vs. Texas - September 13, 2009 | MLB.com: Gameday


イチローの記録達成のかかったゲームというのに、これほど酷いゲームをするとは呆れかえる。

4回裏の守備でのダブルプレー機会では、クレメントとセデーニョを安売りして獲ったジャック・ウィルソンの悪送球で、ダブルプレーに失敗。ジャック・ウィルソンがダブルプレーに失敗するのは昨日に続いて、2日連続。いい加減にしてもらいたい。


5回表の攻撃では、無死1塁でコネ捕手城島はダブルプレーになるのが当たり前の平凡なサードゴロ(結果はキンズラーが1塁に投げず不成立)

この打席の前後、BS1解説の普段無口でクチベタの金森には、何度もくりかえし「バットのヘッドを回しすぎ。(理由は)強い当たりを打とうとしすぎるため」と、帳尻バッティングの欠陥をハッキリ言われる始末。
7回の1死1塁では、泳いでキャッチャーフライ。


5回終わらないうちに100球投げてしまったフィスターは、ホームラン打たれまくって、10安打5失点の大炎上。5イニングの登板で、失点しなかったのは3回のみ。

ローランド・スミスに続いて、フィスター大炎上。

どうぞ、ニセ正捕手のコネ捕手がこれからもフィスターを担当するといい(笑)そのうちこうなることは、最初からわかっていたのだ。


ローテを無理矢理いじった結果が、これだ。

2009年9月10日、ローランド・スミス撃沈で完璧なまでの完封負け。8イニングで10安打を浴びたニセ正捕手、LAAに3連敗スイープ。チームは9月恒例の大連敗で、貯金はこれでとうとう、たったの「3」。ロブ・ジョンソンの積み立て貯金を、チームみずからが食い潰した。






damejima at 08:53

August 28, 2009

今日はイチローもお休みだし、ボストンの記事を書いて終わりにしようと思ったんだが、な。そうもいかなくなった(笑)
フィスターも、よかった、よかった。これでようやく「本当の意味で」城島の仲間になれたな。バルガスオルソンに、これで一歩近づけたわけだ(笑)

上には上がいるもんだ。さすがメジャー。
あのビクター・マルチネスより、投手に凄い配球させるやつがいるんだから(失笑)5人続けて全く同じ配球でホームランサービスとかな。腹がよじれる(笑)

試合後の城島のインタビューが楽しみだ。
きっと「投手のコントロールがもうひとつで、構えたところにこないから一発を浴びすぎだ」とか、なんとか、投手批判してくれるに違いない(爆笑)
(あと、ちなみに今日も2三振。1死1塁と、2死1、3塁な)
Kansas City vs. Seattle - August 27, 2009 | MLB.com: Gameday

2009年8月27日、カーブのコントロールが全く無い田沢と、そのカーブを連投させまくるビクター・マルチネスの「鮮やかすぎるお手並み」(笑)



下に並べたのは、6回のカンザスシティの5人の打者に対する全配球だ。ズラズラ並べた意味は、見てもらえばわかる。まぁクリックして、全部見るといい(笑)

2009年8月27日 6回先頭打者マイアー先頭打者マイアー
最初の2球ともチェンジアップ

4球目ストレートを打ち損じてレフトフライ

2009年8月27日 6回2人目の打者バトラー シングル2人目の打者バトラー
最初の2球ともチェンジアップ

2球目のチェンジアップを狙い打ってシングルヒット

2009年8月27日 6回3人目の打者 ジェイコブズ3人目の打者ジェイコブズ
3球目まで全部チェンジアップ

4球目ストレートがボール
5球目のチェンジアップで三振

2009年8月27日 6回4人目の打者 カラスポ 2ランホームラン4人目の打者カラスポ
3球目まで全部チェンジアップ

4球目のストレートを2ランホームラン

2009年8月27日 6回5人目の打者 ティーエン6回5人目の打者 ティーエン
最初の2球ともチェンジアップ

3球目のストレートを打ち損じて
センターフライ


いやー。
5人全員に最初の2球続けてチェンジアップ(爆笑)で、その後ストレートと(笑)
でも、まさか、2ランホームラン打たれた直後のティーエンにまで、まるーで全く同じ配球するとは思わなかった(爆笑)
最高の配球だわ、これ。打者は最初の2球のチェンジアップを狙うか、カウント悪くなれば必ず投げてくるストレート狙えばいいだけ。最高(失笑)



7回にケリーが被弾した2ランまでの記録(笑)
画像は面倒になったので省略(笑)

先頭打者ペーニャ
7球全部インコースのストレート

全部インコースのまっすぐ(笑)なのに最後は空振り三振。この打席のペーニャは最初のストライクを2つとも見送っていることからも、狙いがストレートになかったことは推測できる。

2人目の打者 ベタンコート
初球ストレート  見送り
2球目スライダー ライトフライ
もともと早打ち打者だけに参考にならないが、それでも初球のストレートは見送ってきた

3人目の打者 アンダーソン
7球全球ストレート

3球目と5球目がストライクなのだが、先頭打者のペーニャ同様、2球とも見送ってきた。最後は四球。つまり、ここまでの3人のバッターは、いずれもストレートを見逃してきたことになる。

4人目の打者 デヘスース
ランナーが出た後の打者で、明らかにここまでの3人の打者と狙いが変わった。初球、2球目の外のストレートを、「ここぞとばかりに」続けてスイングしてきたのである(ファウル)。
これは「ランナーがいるときの城島のワンパターンな配球」に対する対応として、非常に正しい。なぜなら、「ランナーがいるシチュエーションで打席に入った左打者」に城島は「スローイングの邪魔にならないアウトコースの早い球」を配球したがることが多いからだ。これは城島の何年も変わらない基本のクセのひとつだ。
カンザスシティは、城島の攻め方をよくわかっている。
それはそうだ。監督は、元日本野球のヒルマンだ。0−2になったら、1球アウトコースに遊んでくるとか、日本人キャッチャーの思考方法パターンなど、いやというほど見てきている監督だ。
そういう城島のクセをあたかも見抜いているかのように、早いカウントのストレートをスイングしたことで、デヘスースは、バッテリーに「ストレート」を投げるのをためらわせることに成功した。

あとの勝負は、高校野球のような単純勝負。
デヘスース側にしてみれば、0−2に追い込まれたことで、「柔軟になんでも振っていく」か、「むしろストレートを捨てて、変化球に絞る」か、「ストレートをしつこく狙い続ける」か、最初だけは迷いがあったかもしれない。
だが、バッテリーが1球「ストレートで遊んできた」こと、そして1−2から「外のスライダー」に変えて決めようとしてきたのを見れば、バッテリーの狙いはある程度わかったのではないか。
「一度決めようとした作戦が失敗しても、同じトライを何度もしてくる」
、これもコネ捕手のいつものクセだ。
デヘスースは2度スライダーをカットしてタイミングをあわせ、最後はインコースに甘くなったスライダーをスイングしきって、2ランホームラン。
いかにコネ捕手の引き出しが奥行きがなく、小さいか、わかっただろう。ちょっと打者に自分の「ただでさえ乏しいパターン(特にランナーがいるケース)」に対応されると、もう「次の手がない」のである。大量失点はこうして生まれる。






damejima at 13:32
クリフ・リーに忌み嫌われたビクター・マルチネスがボストンに移籍したおかげで、田沢とマルチネスのバッテリー、なんていう、ちょっと面白い見世物(笑)が実現するのだから、メジャーはやっぱり面白い。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:クリフ・リー関連

これを書きだしたのは3回途中だが、まぁ、田沢、見事なくらいボッココボコにメッタ打ち(笑)打たれた原因は田沢本人にあって、あまりにもカーブのコントロールが無い。もともと球種が少ないのに投げられる変化球がなくなってゲームを壊したのは、まぎれもなく田沢自身の責任なのだが、そこへきてキャッチャーがビクター・マルチネスときているから、泥沼だ(笑)
Chi White Sox vs. Boston - August 27, 2009 | MLB.com: Gameday


予兆は、初回のピアジンスキーの打席にあった。
たまたまカーブがワンバウンドしたのだが、たまたま指におかしなかかり具合をするならよくあることだが、実際には今日の田沢のカーブは既に死んでいた。
これは最初にハッキリさせておかなければならないのだが、この日の乱調ぶりの責任は田沢にある。だが、その「乱調な投手をどう扱うか」という点で、ビクター・マルチネスの笑える対応ぶりが火に油を注いだ。

2009年8月27日BOS田沢1回ピアジンスキーへのカーブ1回表 ピアジンスキーへのワンバウンド

2球目のインローのボールになるカーブで偶然に空振りがとれてしまったために、次の球も、あろうことか、また同じコースにカーブを投げている(笑)
こういう「空振りをとれた同じコースに、すぐにまったく同じ球を2球続ける」とかいうリードをどう考えるかはその人次第だが、当ブログとしては失笑させてもらった(笑)こういう馬鹿リードはコネ捕手城島の得意技のひとつだが。まぁ、こんな失笑リードでピアジンスキーを打ち取れてしまったのが、かえって、2回以降のメッタ打ちの伏線になった。


田沢の変化球、特にカーブに全くコントロールが無いことが確定するのは2回のトーミの打席。3球目から5球目まで、3連続ワンバウンド。それでもビクター・マルチネスは「カーブ」を要求し続けるのだから、ある意味、たいした人物だ(爆笑)やっぱり大物はやることが違う(笑)投手の異変にまるで気がついてない。

2009年8月27日BOS田沢2回トーミへの3連続ワンバウンド2回トーミへの
3連続ワンバウンド


トーミへの3球目に投げたカーブがワンバウンドなのだし、いい加減ビクター・マルチネスも気がつけばいいものを、4球目、5球目と、続けて変化球を投げさせて3連続ワンバウンド。
もちろんキャッチャーとしては、変化球のコントロールが悪いからといって全く投げさせないわけにはいかないのだから、とにかくドンドン変化球をほうらせて、投げる中でコントロールを上げていく、というやり方もある。
だがビクター・マルチネスの1回のピアジンスキーの攻めをみていればわかるように、このオッサンは城島同様、一度投げてボールになると、悔しいのかなんだか知らないが、また同じコースを続けて要求しているだけ、ただそれだけである(笑)ワンバウンドしようが、なんだろうが、おかまいなしにサインを出しているだけ。ただそれだけ笑)
で、最後は投げる球がなくなって、ストレートを投げ、シングルを打たれた(笑)

おまけ:4回のトーミ
4回2死1塁。懲りもせずに入りもしないカーブを2連投してストライクがとれず、苦し紛れの3球目ストレートをまたもや狙い打ちされて、タイムリー・ツーベース(笑)



ビクター・マルチネスがどういうキャッチャーがさらによくわかるのは、トーミにシングルを打たれノーアウト1、2塁になった後のクエンティンの打席で、「カーブを3球連続要求したこと」だろう。おまえは城島か?(爆笑)
このキャッチャー、田沢のカーブのコントロールがまったく無いことが頭に無い(笑)

2009年8月27日BOS田沢2回クエンティンへの投球の乱れ2回 無死1、2塁
クエンティンへの
「3連続カーブ(笑)」


5球目のカーブはワンバウンド、そして、6球目のカーブは打者の頭の上を通過。普通のバッテリーなら、ここでこれだけ悪い球種なぞ投げないものだ。だが、ビクター・マルチネスが7球目に要求したのも「カーブ(笑)」。ワンバウンド、頭の上、それでも、カーブ(笑) ああ、腹痛い、笑いがとまんね(笑)
で、最後はまたしても投げる球がなくなり、ストレートをほおったところ、デッドボール(笑)もちろん大量失点につながった。

おまけ:次打席3回のクエンティン
3回1死1塁。またしても初球からカーブを2連投(笑)2球目を狙われて2ランホームラン。ここまでくると、笑い話だ(笑)

正直、ここまで打たれると、かえって心地よい。「ええい、とことんカーブ勝負だ、ボコボコにメッタ打ちになって30点とられてしまえ、田沢」(笑)

これからも田沢のときのキャッチャーはぜひビクター・マルチネスでお願いしたいものだ。






damejima at 09:34

July 27, 2009

なんだろう、この醜悪な空気は。
このカード、城島先発2ゲームだけで20失点。CERA5.34。


シアトルに今年5月(あるいは2008年)の、あの「正視に堪えない城島正捕手時代」の嫌な空気が戻ってきた。この空気、2008年にはシーズンを通して流れていた、あのイヤな空気だ。
城島というプレーヤーの漂わせる腐臭は疫病神とかいう形容詞をすでに通り越している。登板間隔の調整のためだろうが、大敗ゲームに出してきたロウ、ホワイトといった勝ちゲームのセットアッパーたちを、城島の毒を味わわせるべきではない。


コネ捕手城島が2ゲームのマスクをかぶる形で臨んだクリーブランド3連戦。アウェイで勝ち越しているこのカードだったが、24日の初戦でコネ捕手城島の甘えたゲーム運びでクリーブランド打線に火をつけてしまい、3連続炎上スイープを食らった。

前回の危機、つまり今年5月の「月間20敗」の危機は、城島DL入りによってチームの雰囲気が劇的にガラリと一変し、乗り切ることができた。
だが、城島がコンスタントにゲームに出るようになると途端に、「醜悪な空気」の漂うチーム崩壊が襲ってくる。
何度も城島をベンチに座らせたままにさせ、ローテ5人全員を受けさせるべきではないと書いたが、裏ローテを城島にまかせてしまうような中途半端なことをするものだから、かえって、城島のもつ悪影響の大きさは控え捕手になった現在かえって大きくなっていることが、このクリーブランド3連戦でわかった。

コネ捕手城島の大炎上を招く「放火行為」ともいうべき所業は、過去にも何度も見られた行為で、城島の常套行為。いわば我慢の結界が破れるような感覚とともに、人間なら誰でも本来もっているはずの「粘りの感覚」というものが、徹底的に失なわれていく。

Cleveland vs. Seattle - July 26, 2009 | MLB.com: Gameday

ゲーム序盤「ストレート狙い」のクリーブランドに、
88マイルのストレートで勝負をしかけた馬鹿捕手


ゲームを決定した投手交代後のペラルタの満塁ホームランに至るまでの道のりは、けして偶然ではない。5回までの間のクリーブランドのヒット場面の狙い球を検証してみるとわかる。
投手が先発バルガスからケリーに交代するまでの間、(スライダー好きのチョ・シンスを除いて)打線全員が「ストレート狙い」に徹してきているのがわかることだろう。

特に、わかりやすいのはサイズモア。後述して、詳しく見てみるが、彼は先頭打者ホームランの第1打席以降、一貫して「ストレート狙い」だ。
その「ストレートに狙いを絞った」チームの先頭打者に対して、馬鹿捕手城島が、真っ直ぐのスピードが87から89マイル程度しかなく、ストレート系だけで抑えこめるタイプの投手ではないバルガスに「ストレートのみでの真っ向勝負」を要求するのだから、あえなく玉砕するのは当たり前だ。
先頭打者ホームランという現象は、なにがしか理由があって起きるのだ。

ストレート系で押す投手の多いシアトルに対して「初回からストレート系をチーム全体で叩いていこう」という打撃戦略の展開は、今日のゲームだけに限らず、シアトル投手陣の防御率の良さをよく知るア・リーグの対戦相手に、このところ頻繁にみられるようになってきている。
記憶に新しいところでは、先日7月22日のヘルナンデス登板ゲーム。あのときはロブ・ジョンソンがすぐに変化球(とくにシンカー)主体のピッチングに切り替えることでことなきを得た。
7月22日、ロブ・ジョンソン先発マスク7連勝、11三振で投手戦を制す。サイ・ヤング賞をめざすヘルナンデスは11勝目、ERA2.45とア・リーグ2位をキープした。(「2つのシアトル」)

もちろん、コネ捕手城島の単調な捕手ぶりでは、「相手の狙いに気づくのが遅すぎる」、仮に気づいたとしても「頭の切り替え速度」が致命的に遅いため、気づいたときにはもう手遅れなほど点数を失って、自軍のバッターは誰も彼も細かいバッティングなどしなくなる。
城島の頭の悪さ、柔軟性の無さが、チーム全体から柔軟性を奪っていく大きな原因になることを、このゲームをサンプルには見ておくといい。

このゲームでは要所要所でサイズモアチョ・シンスのバットがクリーブランドの得点のポイントになった。後でこの2人のバッティングの狙いの違いと、それに気づかない城島の失点ぶりをたどってみる。まずは5回までにヒットを打った選手の打った球種を羅列してみる。

1回表
サイズモア 全球ストレート→先頭打者ホームラン
カブレラ  4シーム  シングル
ガーコ   ストレート シングル
ペラルタ  4シーム  シングル

4回表
フランシスコ 4シーム ダブル
キャロル   4シーム タイムリー

5回表
サイズモア 全球ストレート 四球
カブレラ  4シームをセフティバント 1、3塁
秋     スライダー タイムリー
ガーコ   4シーム 死球 満塁
 (投手交代 バルガス→ケリー)
ペラルタ  80マイル付近の変化球3連投→満塁ホームラン
投手交代をきっかけに、ようやく配球の組み立てを変更した。それはいいが、こんどは変化球を連投しまくって、満塁ホームランを浴びた。馬鹿としかいいようがない。


「ストレート狙い」のサイズモア
馬鹿捕手は初回に一度「全球ストレート勝負」して先頭打者サイズモアにホームランされているにもかかわらず、クリーブランド全体の「ストレート狙い」を感じとることができていない。そのために5回表にもサイズモアと「再び全球ストレート勝負」してフォアボール、さらに、「四球直後のストライク」を鉄則通り叩かれ、タイムリーを浴びた。

コネ捕手城島は、大量失点の5回表、打者一巡で2度打席に立ったサイズモアに、「2打席連続の、とんでもない馬鹿勝負」を挑んでいる。

「1回目の馬鹿勝負」は、先頭のサイズモアへの「全球ストレート勝負」だ。初回に馬鹿捕手が、球速のもともとないバルガスに全球ストレート勝負させて先頭打者ホームランされているわけだが、そのサイズモアに、またしても全球ストレート勝負だから、呆れて開いた口がふさがらない。
見切られて四球を出したわけだが、これが大量失点が始まるきっかけを作った。それなのに、投手がバルガスからホワイトに代わるまで、馬鹿捕手はストレート系主体のピッチングをやめなかった。
本当にどうかしている。

「2度目のサイズモアとの馬鹿勝負」は、投手が代わったあと、打者一巡で再びサイズモアに回ってきた二回目の打席だ。

バルガスにさんざんストレート勝負をやらせて失敗しながら、満塁にしてしまったことで、いつものようにビビりまくった城島は、こんどは投手が代わったのをきっかけに「変化球一辺倒」になる。
そしてペラルタに変化球を3連投。そして満塁ホームラン。

馬鹿か。こいつ。

変化球に切り替えたことくらいバレバレなのに、この馬鹿捕手にはもう「ストレート勝負する気力」など、どこにもなくなってしまい、たいした打率も残していないクリフ・リー専用キャッチャーのショパックに対して「6球中、5球スライダー」という、「スライダー馬鹿連投」。
だがここでも、四球。サイズモアを迎えてしまう。


そしてこのイニング2度目の登場となったサイズモアに何を投げるかと思えば、よせばいいのに初球にまたもや「スライダー」でストライクをとりにいった。
「四球直後、投手がストライクをとりにくる初球を狙い打て」という鉄則どおり、本来はストレート狙いのサイズモアに初球スライダーを強振され、タイムリーを打たれたのである。

ちなみに、6回にフランシスコに打たれたソロ・ホームランも、バルガス降板後の「スライダー」である。


どうだろう。
WBCでの城島の馬鹿っぷりを思い出す、この単細胞ぶり。


サイズモアの全打席
1回表 全球ストレート  先頭打者ホームラン
2回表 4シーム     フライアウト
5回表 全球ストレート系 四球
5回表 (打者一巡)四球直後の初球スライダー →タイムリー
7回表 全球変化球   一度もバット振らず、三振
9回表 全球ストレート レフトライナー

ヒットやタイムリーの場面ばかり見ていては、サイズモアの「ストレート狙い」はわかりにくい。打線が爆発した5回より、むしろ本当は、凡退した2回と7回の場面にハッキリした兆候が見てとれる。
フライアウトになった2回表の第2打席の対応ぶりからは、サイズモアがこの日、「変化球をほとんど自分からは振ってこない」という匂いが濃厚に漂っている。
サイズモア自身の「ストレート狙い」の徹底ぶりは、7回の第5打席で変化球をすべて見逃し、4球で三振したことからわかるように、最後までまったくブレてはいない。

2009年7月26日 2回 サイズモア レフトフライ2回2死1塁 レフトフライ

打ったのは2球目の4シーム。2球とも同じようなコースだが、初球のスライダーには目もくれないサイズモアだが、2球目のややコースの厳しい4シームには飛びついてきたのがわかる。ランナーのいたこの場面でタイムリーにならなかったのは、単なる幸運。

2009年7月26日 7回 サイズモア 見逃し三振
7回1死走者なし サイズモア 見逃し三振
4球目の球審の判定が酷いこともあるが、シンカー、チェンジアップ、スライダー、スライダーと、変化球4連投に対して、サイズモアは一度もバットを振らずに、あっさり三振した。この日のサイズモアがいかに「ストレート系狙い」だったかがよくわかる。


ひとりだけ「スライダー狙い」の
チョ・シンス

クリーブランドの「ストレート狙い」の基本戦略がわかったところで、もう一度、初回以降のクリーブランドの攻撃を見直してみる。そうすると、ちょっと不思議なことがわかる。
チョ・シンスただひとりだけが一貫して、スライダーを中心に変化球を狙い打っているのである。

1回表 クリーブランドの攻撃
サイズモア  全球ストレート ホームラン
カブレラ   4シーム    シングル
チョ・シンス 最初の4シーム2つを見送り0−2 2シーム 三振
ガーコ    ストレート   シングル
ペラルタ   4シーム    シングル
ハフナー   4シーム    フライアウト

上は初回の主なバッターの打った球種だが、これだけクリーブランドがチーム全体で「ストレート系」に狙いを絞って当ててきているのにもかかわらず、チョ・シンスひとりだけは、4シームを2球続けて見送ってまで、変化のある2シームを振ってきている。明らかに「ひとりだけ変化球狙い」なのだ。
全打席、あるいはWBCなどの過去の打席も参照してみればわかるが、これは偶然ではない。
「ストレート狙いのサイズモア」には全球ストレート勝負したコネ捕手さんは、その「スライダー好き」のチョ・シンスに対しては、こんどはなぜか「スライダー」を配球し続け、ヒットやタイムリーを量産させた。

チョ・シンスの打席
1回 4シーム2球を見送り0−2 2シームで三振
3回 スライダー(初球) ゴロアウト
5回 スライダー タイムリー
6回 スライダー ダブル
7回 シンカー3連投後 四球
9回 フルカウントから4シームをレフトライナー


チョ・シンスに「スライダー」をホームランされた今年のWBC決勝
を、ぜひ思い出してもらいたい。
チョ・シンスが打撃面で特にスライダーだけを得意にしているかどうかは調べてないのでわからないが、WBCでやたらとスライダーばかり振っていたことはわかっているし、データとして残してもある。
もしかすると、今日のシアトル・クリーブランド戦に限らず、チョ・シンスの好きな球、というか、打てる球、打ちやすい球は「スライダー」なのかもしれない。

だとすれば、だ。
これだけバルガスにストレート主体で組み立てをさせているゲームで、「ミスター・スライダー好き チョ・シンス」に、なぜ「スライダー」から入ったり、要所で「スライダー」を配球する必要があるのか。

まして、コネ捕手城島にとってのチョ・シンスば、元マリナーズの同僚であり、WBCでもさんざん何度も対戦した経験、打たれた経験もあり、シーズンでも何度も対戦もしていて、誰よりもよく知っている打者のひとりなはずだ。
もし「チョ・シンスが勝負どころではスライダーを狙い打ってくる」程度の単純なスカウティングが成り立っているのなら、そんな程度のことはなにもコーチに聞かなくても、城島はキャッチャーとしてその程度の知識は持っていて当たり前だ。



どれだけ無能なキャッチャーなのか。
このダメ捕手のダメぶりは、本当にもう、徹底したところにまで来ていることは、今日のゲームで本当によくわかる。

相手チームの戦略、打者の狙いを読み取れるか、読み取れないか。そして切り替えができるか。対策をたてられる引き出しがあるか。
頭の悪い城島には状況が見えないまま、対策しないまま、漫然とゲームしているから、打線がゲーム序盤は凡退しながらも、だんだんピントが決まっていき、ゲーム中盤以降に突然爆発するのである。

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.
カテゴリー:WBC


2009年3月23日、WBC決勝で捕手城島は下位打線にスライダーを狙い打たれ続けた。






damejima at 08:53

June 10, 2009

いったいどうしたと言うんだろう。
このゲームに勝てば5割、という重要な遠征初戦なはずだが。なぜこんなにプレーヤーのテンションが低いのか。エラーとダブルプレーだらけの弱いシアトルに戻りたいのだろうか。
もちろん、勝って5割に復帰してもらいたかった。それは当然だが、負けてもいいから、こういうダラダラしたゲームでなく、きちんと戦う姿勢をみせてほしい。どんなゲームでも粘り強く戦うLAAはこんな消極的なゲーム運びでは追い越せない。
Seattle vs. Baltimore - June 9, 2009 | MLB.com: Gameday

正直、すごく退屈なゲームだった。
負けたから?それもなくはないが、むしろ「単調すぎる」からだ。

攻撃も単調。バッテリーも単調。
なぜこのチームのプレーヤーたちはこんなに簡単にテンションが落ちてしまうのだろう。一昨日のようにホームラン攻勢で勝ったりすると、ついつい元の偏差値の低すぎる野球に戻ってしまうのだろうか。バントしなくてもいいとわかると、とたんに気が緩んでしまうのか。とてもとてもクロスゲームの戦い方じゃない。

ロブ・ジョンソンのゲームにみられる独特のテンションの高さ、小気味いいテンポ、打者と戦う姿勢が、今日のバッテリーには感じられなかった。バークは2007年に応援していただけに残念だ。
こうは言っても、失点3だからもちろん、7点や8点平気で失う城島マスクのゲームよりは全然マシで、投手陣はよくやっているとは思う。だが、それでも6回までの「さんざん逃げ回って、結局、打たれる」内容がけしてよくないことは指摘せざるを得ない。
6回バルガスが変えられてしまう直前のスコットに対する攻めが象徴している。外の球ばかり使っているが、これでなんとかなるものではない。


それでも3失点で踏ん張った投手陣に比べたら、打線は酷いの一言。イチローはさすがの2安打だが、中軸打者はいつものようにポップフライ、ダブルプレー、三振の山、山、山。結局ほとんど仕事ができていない。DHグリフィーの打撃の酷さはもうたいがいにしてくれ、と、言いたくなる。もちろん実現はしないだろうが、こんな打線の現状だからこそクレメントにDHのチャンスを与えてやればいいのに、と思う。せめてグリフィーの打順を、不調のオルティスのように5番(できれば6番)にしないとゲームにならない。


今日のバッテリーはバルガス+バーク。失点は3だから結果はそこそこなわけだが、中身がひどく単調だった。ピッチングがいわゆる「アウトコースへの球の出し入れ」のみに終始してしまっている。この内容では、どうしても打者は目が慣れてしまう。球種には多少変化をつけるにしても、コースは打者にバレているわけだから、長くはもたない。バルガスは5回2/3自責点3で、QSできなかった。
4シーム、チェンジアップ、スライダー。バルガスの球種は限られている。この投球内容ならボルチモアのバッターはある程度、打席で来る球種とコースの両方が予想がついていたはず。
あとは、いつ芯でとらえるか、勝負はそれだけでしかなかったと思う。

何か4月26日にウオッシュバーンの登板ゲームに先発したときのバークのリプレイを見ているかのようだ。バークはおとといのベダードとのバッテリーも、2007シーズンほどしっくりいっている感じではなかった。
2009年4月26日、ウオッシュバーンが潰されたLAA戦、謎の馬鹿リードを解き明かす。



このバルガス、5月29日、ロブ・ジョンソンをキャッチャーに、あのLAAを相手に6回1/3を投げQSして勝っている。あのときは、10日たって投げた今日とは別人のように、冴えもキレもあった。

比べてみてもらおう。

まずは5月29日のバルガスとロブ・ジョンソンのバッテリーの「インコース攻めから生まれた2つのダブルプレー」だ。
2009年5月29日、ロブ・ジョンソン、バルガスを6回1/3QS、ホワイトを2試合連続ホールドに導いてLAA撃破、連勝を果たす。

2009年5月29日 3回裏LAAフィギンズ ダブルプレー3回裏LAAフィギンズの
ダブルプレー


初球インハイのストレート
2球目インローのチェンジアップ

インコース上下に攻めた後、
3球目外のストレートをひっかけさせた

2009年5月29日 6回裏LAAアブレイユ ダブルプレー6回裏 LAAアブレイユの
ダブルプレー


初球、2球目と
インコースをえぐっておいて
3球目の外のストレートで
ダブルプレー

7回裏1、3塁でナポリをうちとった攻めとよく似ている。



そしてこちらが、今日のバルガス。


なにか一見、ボルチモアの打者に「ボール球ばかりを巧打されているのであって、バッテリーのせいではない」ように見えるかもしれないが、そうではなく、配球の大半がアウトコース中心の出し入れなため、打者が常に外寄りの球を待ち構えていたから、ストライクからボールになる変化球でも打たれてしまっているのである。


2009年6月9日 1回ロバーツ ダブル1回ロバーツ ダブル

外低め、ボール気味のスライダー

2009年6月9日 5回ウイータース シングル5回ウイータース シングル

ワンバウンドになりそうなチェンジアップ

2009年6月9日 5回アンディーノ シングル5回アンディーノ シングル

外のチェンジアップ

2009年6月9日 6回ハフ シングル6回ハフ シングル

外のボールになるスライダー
ゾーンからは外れているのだが、外の球を待ち受けていた感じ

2009年6月9日 6回スコット シングル6回スコット シングル

外のボール気味の4シーム
打たれたボール1球だけをとりだして見るなら、アウトローいっぱいをついた「いい球」に見えるが、打者への攻め全体がこれだけアウトコースに偏っていると、たとえどんなにいい球でも待ち構えられて、こうしてヒットされてしまう。
それがプロというものだ。




damejima at 11:54

April 27, 2009

どうもこのゲーム、ベンチから大半の配球のサインが出ていたとしか思えない。馬鹿なゲームをやったものだ。このところのウオッシュバーンの好調さがどこかに消し飛んでしまうような、とんでもないゲームだ。
Seattle vs. LA Angels - April 26, 2009 | MLB.com


ウオッシュバーンが潰された(または潰れた)わけだが、理由は明快。はっきりしている。
結論から先に言うと、ウオッシュバーンのほとんどの右打者への最初の2球が「内ストレート(またはカットボール、ストレート系のボール)→外の曲がる球(チェンジアップ、シンカー)」という馬鹿げたワンパターンさだったせいだ。この馬鹿のひとつ覚えの配球パターンを嫌というほど繰り返しているうち、LAAの打者に、球種どころか、投げるコースまで読まれたのである。
LAAのハンターやアブレイユといったベテランがゲーム中に配球パターンに対応した可能性は高いが、LAAの優秀なスコアラーにでも配球パターンを読まれた可能性もある。よく知られているように、LAAというチームは分析の得意なチームだし、このくらいの分析は試合中にでもできるだろう。
LAAとの連戦でロブ・ジョンソンがマスクのゲームでシルバにさえ勝ちをつけたようにLAA打線を押さえ込むことに成功していたのは、この数試合の個人LOBをみてみていればわかるように、ハンターのバットを抑え込んだことが大きかった。
アブレイユ、ハンターといった中軸に次の球の球種もコースも読まれるようなワンパターンな配球では、とてもとてもゲームにはならない。

(A)ウオッシュバーンの対戦した打者のうち
  初球にストレート、2球目に曲がる球を投げた11例

(5.1イニング)

STR ストレート
CUT カットボール
CRV カーブ
CHA チェンジアップ
SKR シンカー

1回 アイバー   CUT(内)→CHA(真ん中低め)
   アブレイユ  STR(外)→CHA(真ん中低め)
2回 ハンター   STR(内)→CRV(外)
    4球目 内カットボール先頭打者ヒット 生還
   リベラ    STR(外)→CHA(外)
    4球目 外チェンジアップ ヒット
3回 アブレイユ  STR(内)→CHA(真ん中)
    2球目タイムリーヒット
4回 マシス    STR(内)→SKR(外)  四球
   アイバー   STR(内)→SKR(真ん中)
5回 ハンター   STR(内)→STR(外)→CUT(外)
    3球目のカッターを二塁打
   ケンドリック CUT(内)    初球をタイムリー
   リベラ    STR(外)→SKR(外)  四球
6回 ウッド    CUT (内)→SKR(真ん中)
    2球目を先頭打者ヒット 生還

このどうしようもない、配球のワンパターンさ。
あの、連勝を積み重ねていた好調なウオッシュバーンはここにはいないことがわかるだろう。

最も大きな問題は、同じ打者に、同じ入り方を何度もして打たれていることだ。
この11人のケースのうち、多くは右打者で、同じ打者名が何度も出てくることで、意味はおわかりだろう。同じ打者に同じ配球を繰り返した馬鹿リードだ、ということだ。

特に問題なのが、長打やタイムリーでこのゲームをつくったアブレイユとハンターへの配球のワンパターンさである。

今絶好調のアブレイユには、このゲームの典型的な「内のストレート→外のチェンジアップ」という入り方を二度繰り返して打たれた。初回こそうちとったものの、なんと、まったく同じ入り方の攻めを3回にも繰り返して、モロに2球目のチェンジアップをタイムリーされたのである。

ハンターには、内側のカットボールを、一度ならず2度ヒットされ、どちらのケースでもハンター自身が後続のタイムリーで生還している。
ハンターに対しては、シアトルの側が「内ストレート→外曲がる球」という入りかたに多少バリエーションをつけてはみたものの、ハンターは「内→外」というパターンの外への見せ球のあとにインサイドの球を予想して、それもストレート系を狙い待っていた。
2回にインサイドのカットボールをヒットされているにもかかわらず、5回にも同じパターンで入って同じ内側のカットボールを二塁打されているのだから、馬鹿げているとしかいいようがない。

第二の問題は、2球目の変化球のコントロール。右打者への2球目がどれもこれも打ちごろの真ん中寄りに入ってきていることは一目瞭然。初回0点で済んだのは、ひとえに初回だったからまだ目が慣れていなかったから、としかいいようがない。


(B)Aのうち、初球または2球目を打ってヒットにした3例
3回 アブレイユ  ストレート(内)→チェンジアップ(真ん中)
   2球目のストレートをタイムリー
5回 ケンドリック カッター (内)
   初球のカットボールをタイムリー
6回 ウッド    カッター (内)→シンカー(真ん中) 
   2球目シンカーを先頭打者ヒット 生還

イニングを重ねて2巡目になってくると、同じ配球がバレてくる。要所の3本のヒットがどれもこれも2巡目以降で、初球のストレートか、2球目の変化球。狙い打ちされていることは明らかだ。

3回アブレイユタイムリー.jpg3回アブレイユタイムリー
初球ストレート(内)
2球目チェンジアップ(外)
タイムリーヒット

5回ハンター ダブル.jpg5回ハンターの二塁打
初球ストレート(内)
2球目ストレート(外)
3球目カットボール(内)

5回ケンドリック タイムリー.jpg5回ケンドリック タイムリー
初球カットボール(内)

6回ウッド 先頭ヒット.jpg6回ウッド 先頭ヒット
初球カットボール(内)
2球目シンカー(外)

(C)投手交代後の6回のマシスの打席
初球 外ストレート→2球目 外チェンジアップ

6回にワンナウトをとったウオッシュバーンが降板した後のマシスの打席でも、同じような配球が見られた。マシスはやはりというか、手を出してきて、ファウルしていた。
このことでもわかるように、今回の批判の対象にしている「初球ストレート→2球目変化球」という入り方は、ウオッシュバーンが捕手に強制したものではない可能性が高いのである。


あれほど切れ味のあるゲームをみせていたウオッシュバーンがこうなるとは、まったく不可解だ。

と、言いたいところだが、まぁ、想像がつかないでもない。
ロブ・ジョンソンがマスクのゲームでよくあるわけだが、まだ1回だというのにランナーが出たケースで、次の打者に投げる全部の球についてベンチから送られてくる配球のサインを見ていることがよくある。この試合でマスクをかぶったのは、ひさしぶりに捕手を務めたバークだが、あまりにもひさしぶりなマスクなだけに、ベンチからの指示はかなりでていたのではないかと想像する。

そのベンチでサインを出していたのが監督なのか、それとも、いつもベンチで苦虫を噛み潰したような顔で味方の勝ちゲームをいつも冷ややかに眺めている城島なのか。そのへんが明らかになれば、このブログも一層盛り上がれるというものだ。



damejima at 20:08

April 15, 2009

Betancourt, Silva: early redemption | Seattle Times Newspaper Blog
この記事はシルバの試合後のインタビューだが、読めばどれくらいシルバが神経質で気の小さい男かがわかる。ただでさえ神経質で気の小さい城島とそっくりな投手なのだから、このバッテリーがピンチに強いわけがない。

珍しくLAAを3回までノーヒットに抑えていたシルバ城島のバッテリーだが、これはランナーがいなかったため。2巡目になってケンドリックをデッドボールで出した後にピッチングリズムはあっさり崩れ、あとはいつもの城島だった。

4回のアブレイユのタイムリー
4回表_アブレイユ_2塁打アブレイユ
初球、2球目がシンカー。
3球目チェンジアップをタイムリー

5回の満塁の場面
5回表_マシューズ_シングルマシューズ
初球のシンカーを狙い打ち

5回表_アイバー_2塁打アイバー
全球シンカー
2塁打を打たれ、2、3塁に


いまシアトルには打率1割台のプレーヤーが4人スターターになっている。グリフィーJr.、セデーノ、城島、グティエレスである。この4人を打率だけでしか見てない人は、4人全員がだいたい同じ成績のように思うかもしれないが、それは違う。

数字は順に OBP SLG OPS
城島      .167 .167 .333
セデーノ    .200 .143 .343
グティエレス  .214 .370 .585
グリフィーJr.  .381 .333 .714

これほど打率が酷いグリフィーだが出塁率がいいのは四球数が多い、という理由がある。また、同じようにグティエレスは長打があるために、その分くらいは長打率が改善される。だが、2007年の城島のごとく、グティエレスは併殺打が既に4つもあるのが全くいただけない。
同じような打率にみえても本当に中身が酷いのはセデーノと城島である。OPSが.300台などという選手など、そう滅多にいるものじゃあない。

追記
関係ないゲームではあるが、6回までノーヒットピッチングを続けていたヤンキースのバーネットが7回にクロフォードにレフト前にヒットを打たれてノーヒッターを逃したのも、ランナーズ・オンでシルバにシンカーばかり要求する城島同様に、キャッチャーのモリーナがあまりにもスライダーを続け過ぎたため。



damejima at 09:49
だいぶ前のことで、書いた自分も、ついつい忘れていた。
このブログが始まったばかりの1年くらい前に城島はシルバのシンカーについてこんなコメントをしている。2008年5月の対ヤンキース第2戦で大敗したときのものだ。
「左打者がシンカーを引っかけてくれない。」
http://blog.livedoor.jp/damejima/archives/203867.html
ソースはhttp://hochi.yomiuri.co.jp/mlb/news/20080525-OHT1T00087.htm(ただし、こちらはリンク切れ)

このアホウなコメントについては、かつて自分はこのブログにこう書いていた。

「今シーズンからマリナーズにやってきたシルバという投手は、シンカーを得意球とする。だが、左打者には外角へのシンカーだけではなかなか通用しない傾向があるために、内角をえぐる新しい変化球として、ピッチングコーチのストットルマイヤーが新しい変化球を教えた。ところが、問題は、その流れを全く無視するかのように、ヤンキース戦では重要なポイント、ポイントで、シルバは左打者にシンカーを繰り返し狙い打たれた。」
要はシンカーだけで抑えられるものでもないから内角もエグれ、ということだ。
(この文で、クビになったストットルマイヤー氏が有能かどうか議論しているという意味にしか読めない方は、単に日本語の苦手な方です。あしからず)


あれから1年。


「彼の場合は抑えるのも打たれるのもシンカー」
http://hochi.yomiuri.co.jp/mlb/news/20090403-OHT1T00099.htm
このコメントは2009年4月2日(現地時間)のオープン戦の城島である。以下は記事全文。いかに城島が2008年春の失敗を分析・反省していないかがわかる。

城島、シルバに安心
◆パドレス3―18マリナーズ(2日・アリゾナ州ピオリア)
ツインズとの開幕シリーズ3戦目に登板予定のマリナーズのシルバが5回を2失点にまとめた。「ピッチャーとしては気持ちよく(開幕を)迎えられるでしょう」と城島も安心した様子だ。城島によると好、不調の鍵は「シンカーの動き次第。彼の場合は抑えるのも打たれるのもシンカーだから」と話した。



そして。迎えたのが、4月8日のツインズ戦である。

2009年4月8日、4番モーノーの外角低めにシンカーを6球投げ逆転負けした。

どうだろう。この単細胞ぶり。
1年たっても全く学習するそぶりすらみえない。
いつものことだが、過去書いたものが間違っていたなどという感想を持ったことは、このブログについてだけいうならほとんどない。



damejima at 05:06

April 09, 2009

4/8vsMinnesota_モーノータイムリー逆転負けこれは5回裏の2死2、3塁の場面。投じた7球のうち6球が「アウトコース低めを狙ったシンカー」。これではモーノーのシンカー打ちのバッティング練習のようなものだ。
昨日の対ミネソタ第2戦の9回裏、モローの連続フォアボールからバティスタの連続タイムリーの場面と見比べると馬鹿さ加減がわかっていいと思う。そちらのほうは後でアップする。
2009年4月8日のGAMEDAY

ここまで城島の打撃は.091。4月開幕からこの低迷ぶり。まさにSI.comのスカウティング通り。

11打席のうち、9打席が右投手。右投手に対して9打数わずかに1安打。それはそうだろう、これだけ右打者ばかり並べてきたシアトルの打線だから、相手チームが右投手を多く使ってくるのは最初からわかっている。右投手だから打てないという言い訳など、まったく通用しない。

2009年3月23日、WBC決勝で捕手城島は下位打線にスライダーを狙い打たれ続けた。
http://blog.livedoor.jp/damejima/archives/859907.html
2009年3月23日、WBC決勝で4番城島は「11」というありえない数のLOBで優勝を阻害し続けた。
http://blog.livedoor.jp/damejima/archives/853887.html




damejima at 18:47
まるで第二回WBCの決勝韓国戦の悪夢の9回裏同点の場面のリプレイを見ているかのような、この馬鹿なゲームぶり。投手が変わってもまったくリードを変えないどころか、この日3安打の好調のトップバッター、スパンのアウトコース高めに、まったく同じコース、まったく同じスピードのストレートを2球続け、同点タイムリーを打たれ、その後サヨナラ負けした。
Seattle vs. Minnesota - April 7, 2009
http://mlb.mlb.com/mlb/gameday/index.jsp?gid=2009_04_07_seamlb_minmlb_1

2009年3月23日、WBC決勝で捕手城島は下位打線にスライダーを狙い打たれ続けた。
http://blog.livedoor.jp/damejima/archives/859907.html

2009/04/07_9回裏_最初の四球まず7番ゴメスに2球目からストレートをインコース目に7連投して最初のフォアボール。2死1塁。

2009/04/07_9回裏_2つ目の四球代打に左のクーベル。1塁ランナーのゴメスがセカンドに盗塁。ディフェンシブ・インディファレンス(守備側が故意に盗塁を見逃すこと)で盗塁としての記録は残らないが、2死2塁。アウトコース高めにストレート4連投で1、2塁。

2009/04/07_9回裏_3つ目の四球代打に左のブッシャー。またしても7球中6球のストレートをアウトコース高めに集めて、フルカウントからフォアボール。満塁。

ここでこの日2安打しているミネソタのリードオフマン、スパン登場。シアトルはピッチャーを右のモローから、同じ右のバティスタに意味不明に交代。

2009/04/07_9回裏_満塁からのタイムリー2球目をスパンがこの日3本目のヒット。サードランナーが還り、同点。投げた2球はコースもスピードも全く同じ、92マイルの平凡すぎるストレート。スパンにとってはバッティング練習のような打席翌日のモーノーの打席も参照。

2009/04/07_9回裏_2本目のタイムリーカシーアのサヨナラタイムリー。92マイルの高めのストレートで、スパンに打たれたのと全く同じ。ジ・エンド。



damejima at 18:40

March 31, 2009

第2回WBCの優勝に至るプロセスで、キーポイントはもちろんトーナメントの要所要所で5回も戦った韓国戦にあるのは言うまでもない。

あれだけ日本が優れた投手陣を揃えながら、けして楽勝ばかりとはいかなかった理由は、ひとえに韓国戦での意味不明な苦戦にある。
決勝で打撃面でも11ものLOBを記録した日本のヘボ捕手さんは、守備面でもやらかしており、呆れかえるほどの単調なリードに、そうした苦戦の原因の大半がある。韓国側の粘りづよいが、わかりやすい戦略にきちんと対応さえしていれば、というか、あまりに敵に読まれやすい捕手さえいなければ、苦手とはいえ戦いはもっと楽なものになった。あれほど韓国打線への対応が後手後手に回っていては、楽勝などできない。

決勝・韓国戦を例に見てみよう。

韓国監督は9回裏に勝てると考えていた
WBCが終わってだいぶ経つが、韓国代表・金寅植監督は9回裏に同点に追いついた時点での戦況を「高永民(コ・ヨンミン=7番の右打者)が決めてくれると期待した。延長に入れば苦しいとみていた」と語っている。
「もう代表監督は引き受けない」(中)
http://www.chosunonline.com/news/20090330000066

なぜこの監督は、チャンスとはいえ「この大事な試合を決めてくれる」とまで下位打線に過ぎない7番打者に期待できたのか。すでに1本ヒットを打っているから、というのではあきらかに説明不足だ。
下に挙げる諸点からみて「下位打線にはあらかじめ右を並べておいてある。試合後半に狙い打つ球種もスライダーと絞れていた。その狙い通りの球を打ち崩して、同点に追いつき、なおも1、2塁。そして、再びスライダーが来た。だが・・・、まさかあの場面、予想どおりのスライダーで三振に終わるとは思わなかった・・・」というような意味あいで「決めてくれると思った」と言っているのではないか。

(検証1)
試合後半、下位打者にスライダーを叩かれた

バットに当てた球が、すなわちその打者の狙い球、という単純な話ではないし、思わず手の出ただけの打球、ファウルにするつもりのゴロやフライ、いろいろある。だがまぁ、とりあえず韓国の打者が打席での最後の球となった球種を並べてみると、かなりわかることがある。

韓国の左打者を並べた上位打線は主にストレートで勝負し、右打者を並べた下位打線は主にスライダーをバットに当てている。結果を出したのは下位打線のほうだ。
また、試合終盤にストレートで四球が多く出て失点につながった。ゲーム前半にはに岩隈のストレート、フォークが効いていたが、ランナーの出たイニングの多い試合後半には決め球のフォークのコントロールが甘くなる一方で、スライダーがビシビシ狙い打たれだしたのである。

試合終盤に韓国が日本に追いつけた理由は、四球やヒットでランナーが出た後の場面でのスライダー狙いにあることは、ファンの誰もが気づいている。

(途中代打が出ているが、見づらくなるので詳細省略。太字はヒット、四球などの出塁。フォ=フォークボール スラ=スライダー シュ=シュート)
1:李容圭 左 直球/三振 フォ 直球 直球/四球 スラ
2:李晋映 左 直球 直球/三振 フォ/三振 スラ/三振
3:金賢洙 左 スラ フォ/シングル シュ 直球/四球
4:金泰均 右 直球 シュ 直球 ?/四球
5:秋信守 左 フォ/三振 スラ/HR 直球 スラ/三振
6:李机浩 右 直球 フォ/三振 スラ/タイムリー スラ/2塁打
7:高永民 右 スラ 直球/シングル スラ スラ/三振
8:朴勍完 右 シュ/三振 スラ スラ/犠牲フライ 直球
9:朴基赫 右 スラ ?  直球/四球 直球

(検証2)
失点場面で打たれたのはすべてスライダー。
カウントも似ており、主に右打者のアウトコース。


1点目 1−1からのスライダーをホームラン(5番 左打者)
2点目 1ボールからのスライダーを2塁打(6番 右打者)
  →初球のスライダーを犠牲フライ(8番代打 右打者)
3点目 2死1,2塁、1−1からのスライダーをタイムリー(6番 右打者)

(検証3)
8回9回に下位打線が当ててきたボールはほとんどがスライダー

8回裏
6:李机浩    右 スライダー 右中間二塁打
7:高永民    右 スライダー ショートゴロ・ランナー進塁
8:代打:李大浩 右 スライダー 初球をセンター犠牲フライ
9:朴基赫    右 ストレート 四球
1:李容圭    左 ストレート レフトライナー

9回裏
2:代打:鄭根宇 左 スライダー 空振り三振
3:金賢洙    左 四球
4:金泰均    右 四球
5:秋信守    左 スライダー 空振り三振
6:李机浩    右 スライダー 三遊間を破る同点タイムリー
7:高永民    右 スライダー(外角高め) 空振り三振


かくしてWBCでも、いつもの城島のひとり相撲
何度も言っているように、韓国というチームは試合の後半では違う戦い方をするチームだ。
2009年3月23日、第2回WBC決勝を前に岩隈の変化球連投を考える。
http://blog.livedoor.jp/damejima/archives/852644.html

その韓国という分析型のチームにとって、城島というキャッチャーはさして分析する必要がない捕手だったに違いない。ランナーが出さえすれば、右打者ならアウトローにスライダー、左打者ならインコース、など、ひどく単調なリードしかできないからだ。
そんな単調なリードを称して「日本式」などと自称してもらっては困る。

城島が退場して韓国に敗れた試合でも、「左打者にはすべてインコースを投げ、右打者にはアウトコースだけ」という、なんともお寒いリードをして、解説の投手出身の槙原氏にも「球が揃いすぎ」と即座に批判されるなど、そのリードにはさまざまな批判が噴出した。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年3月17日、韓国戦、槙原は「球が揃いすぎ。コーナーを狙いすぎ」と批判した。そして城島退場。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年3月10日、楽天・野村監督は9日韓国戦の城島のダメ・リードを批判した。

WBCについては、杉内のチェンジアップの扱いの失敗にはじまって、松坂のスライダーの扱いの失敗岩隈のシュート連投要求での韓国敗戦、ダルビッシュにスライダーを押し付けての数々の失敗、もう書くのも飽きるほどだが、「スライダー」というボールの扱いがキーポイントになると初めから言ってきた。
結局、このガラクタ捕手さんのリードはリードとも呼べない代物のまま、大会が終わってしまったのである。ほんとうによくもまぁプロを名乗れるものだ。

退場した韓国戦といい、決勝といい、もし9回裏に7番打者に投げたスライダーで韓国にサヨナラ勝ちを許して優勝を逃していれば、戦犯はまちがいなく、このプレーヤーだっただろう。



damejima at 03:25

March 09, 2009

何が偶然で、何が偶然でないか。大事なのは、これだ。
解説者もファンもだが、それを見極めずにあれこれ言っても始まらない。これを書いているのはまだ4回だが、重いのは、偶然転がり込むひとつの牽制死などではなく、偶然ではない要素から起きる「1点の失点」である。

韓国打線2巡目、ランナーを貯められて4番にタイムリーを打たれた。結局、韓国の得点のキーマンはこの4番打者らしい。
初球に、第1打席では通用していたインコースへの食い込むシュート。そして同じ球種を続けて、やや甘く入ったところを三塁線を抜かれたのである。

この場面がまったくの偶然なら別に文句はつけない。
だが、そうではないものは書かざるをえない。

ひとつ目の理由。野球でよく言われることだが、同じ球を続けると甘くなるという言葉がある。同じコースに同じ球種を続ける、というのはそういうリスクを伴うということだ。それはそうだ。プロでも全く同じコースに続けて2球投げるのは簡単ではない。必ず甘くなる。

2つ目に、その「インコースにシュートを連投する」というリスクを犯すなら、サード村田をライン際に寄せるだけのコミュニケーションがとれていないと困る。これは古田も言っている。

3つ目に、ランナーが出たときの城島のリードのクセ。シアトルの試合を年間100試合くらいみればわかる。ランナーが出ると、同じコースを続けてついたり、同じ球種を続けて使う。つまり、ランナーズ・オンで城島はリードが急に単調になり、相手打者に読まれやすい。これは、このダメ捕手さんのもともと持っている特徴である。このクセのおかげで、メジャーでどれだけ打たれていることか。


そして、そもそも、なぜ韓国は2巡目にランナーを貯められたのか。
簡単に言うなら「韓国の打者は1巡目で岩隈の球筋の大部分を見ることができたから」である。

このゲームでの岩隈の本当の決め球はフォークである。なぜならランナーがセカンドに進んだ場面でもフォークを余裕で投げられている。これは、よほどコントロールに自信があるからである。そしてシュート。
だが、その2つの球種の組み立てを、城島は全て1巡目で使い切って、見せてしまった。だからこそ2巡目になったとたんに、いきなりランナーが2人出ているわけだ。


加えて、タイムリーを打たれたあとの5番打者との対戦だが、城島はコントロールはつかないと何度もこのブログで指摘してきた「スライダー」を何度も岩隈に要求して、フォアボールを与え、ピンチを拡大してしまっている。
これもシアトルではよくみる光景。打たれた直後にあわてて組み立てを変える、というやつだ。

WBCでのスライダーの危険性については何度も指摘してきた。
2009年3月1日、杉内にチェンジアップを要求し続けた城島は先制の一発を食らった。
2009年3月9日、「用意してこないプレーヤー」城島はふたたび初回ホームランを食らう。
なぜタイムリーを打たれた直後、塁上にランナーがいる場面で岩隈にとってはコントロールのつかないスライダーでフォアボールなのか。理解に苦しむ。

たまたま韓国のセカンド走者が牽制死してくれたが、これこそが「偶然」というものだ。あのままイニングが続いていたら、混乱したままのバッテリーはもっと失点していただろう。


もう一度言う。
何が偶然で、何が偶然でないか。
それを見極めずにあれこれ言っても始まらない。


追記
ここまで書き終えて7回だが、またランナーズ・オンで韓国4番にインコースのストレート。懲りない捕手である。ツーベースを打たれた。この試合を左右しかねない。またしても韓国の走塁ミスで助かる。4回の牽制死も走塁ミス。

追記2
試合は予想どおり、重い1点で負けた。
楽観的な解説を披露して城島を褒めてばかりいた古田は名捕手野村氏の弟子ではある。だが、今日の試合でよくわかることは、この2人の捕手は全く思考方法が異なることだ。
野村さんは選手への指導が細かい。それはなぜか。「偶然と、そうでない出来事の区別に厳しい」からだ。一見偶然に見えても、プレーは細かい事象の連鎖で起こる。連鎖しやすいプレーの関係がわかっているからこそ、細かい指導で連鎖を断ち切って、失点を防ごうとする。
だが、古田はそうではない。「偶然でないこと」に対する線引きがひどく甘い。そのために発言のポリシーが緩い。
この2人の監督としての実績に大差がある理由がわかる気がする。



damejima at 19:51

March 08, 2009

原因は「変化しすぎるボール」だ。
予想どおり、ダメ捕手さんは対応しないままゲームに入って、またしても、初回からホームランを打たれた。3対0で1回裏を迎えることができた浮かれたムードが一瞬で冷え、脇の下に気分のよくない、嫌な汗を書いた。
イチローが大事な試合でキッチリと打線を引っ張ったからいいようなものの、あれで2回の大量得点がなかったら、試合は3月1日の試合同様、とても重苦しいものになったはずだ。


2009年3月1日、杉内にチェンジアップを要求し続けた城島は先制の一発を食らった。

初回に先発松坂が打たれたホームランは、上の記事で書いたことと同じ現象である。

杉内のケースでは、チェンジアップ主体の組み立てで入って、修正することもなくチェンジアップばかりを要求して、結果的に高めに浮いたところをホームランされた。
昨夜の韓国戦では、コントロールがつかないスライダー系主体の組み立てでゲームに入った。パスボールしまくり、ついでにポロポロとボールをこぼしつつ、スライダー系の組み立てに煮詰まったあげく、苦し紛れに城島が、まだ今日の松坂がコントロールできそうかどうかわからない球種(おそらくはカットボールかなにか)を突然要求して、これがコントロールできず、高めにフワリと抜けてスタンドに放り込まれたのである。


よく言われることだが、WBC球は変化しやすい。
本番の対韓国戦の両先発を見てもわかる。

先発松坂も、3月1日の杉内同様、スライダーは使い物にならなかった。また韓国先発のキム・ガンヒョンも同じで、スライダーの制球は全くダメだった。もちろん試合当初のスライダー系の組み立てを、松坂のイニング終盤になってようやくスライダーを捨てて、ストレート系のカットボール主体の組み立てに切り替えたのも、その対策のためだ。

WBC球は、捻って投げるスライダー系の変化球は、特に力んでボールを強く握りすぎると、曲がりが大きくなり過ぎる。コントロールという点だけでみると、圧倒的にストレート系のほうがコントロールがつきやすい。

そんなことは、杉内登板の時点で既にハッキリしつつあった。
だが、それに対する城島の対応は、予想どおり遅れ、スライダー系の組み立てにさっそく行き詰まり、初回にホームランを打たれた、というわけだ。



打線のほうでみても、今日活躍した打者と、そうでない打者に大きく分かれたのも同じような理由があった。

第一打席のイチローが内角低めの変化球を狙い打ったように、1番イチローから3番青木までのバッターは、試合当初から徹底して変化球系を狙い打ちしていた。これは、初回から徹底されていたことで、試合が進む中で急遽対応したのではない。
WBC球で投手がコントロールをつけにくい変化球が甘く入るのを、狙い打ちできていたわけだ。

ところがその一方で、小笠原、福留といったフリースインガーたちは、最初の打席からストレート系もスライダー系も来た球をかまわず振りまわしていて、狙いが絞れてはいなかったし、最後まで対応ができずに流れに乗れず、終わってしまった。いわゆる「ゲームへの入りかたを間違えた」というヤツだ。まるでシアトルでの城島そのものである。
初回の村田には、キム・ガンヒョンが3番までの打者に変化球を打たれたことからストレート勝負に切り替えており、それに対応できなかった村田は三振をとられた。村田が結果を残せたのは、2打席目途中から切り替えたため。

だから今日の試合は「用意してきてゲームに入れた選手」と「用意してこなかった選手」の差が出た試合なのだ。

「最初から用意してきていた選手」がイチロー、中島、青木なら、「用意せず、試合途中での対応もしなかった」のが小笠原、福留である。捕手としての城島がどちら側のプレーヤーかは、いうまでもない。

不用意なままゲームに入って、不用意な球を投げさせ、打者の意図通りにホームランを打たれた。杉内のケースと全く同じである。


メジャーの試合をあまり見ない人はわからないだろうが、大差がついた試合でホームラン程度のことはシアトルでのシーズンでは日常茶飯事。シーズンでのホームラン数しかわからない人は、2007年や2008年の数少ないホームランが、どういうシチュエーションで生まれたか調べてみるといい。
このダメ捕手さんがスタンドインするのは、一方的な勝ちゲームの7,8回、つまり100球制限のあるメジャーで相手先発がとっくにマウンドから降りていて、敗戦処理投手から打ったホームランが大半。
ついでに言えば、2007年2008年、打率を稼いだのも、ポストシーズン進出がなくった消化試合の9月。ダメ捕手さんがバットを振り回せるのは、そんな時くらいなのだから、ご愛嬌、ご愛嬌。

1回、金泰均に許した2ランは「真っすぐ系の球。(時事ドットコム 本人談)
超スローがすぐにテレビで見られるこのご時勢。松坂の指が横を向いてリリースしていることくらいは、誰でも見られるのである。あまりにスライダーが入らないので、泡を食ってカットボール要求したらホームランされました、すみません、くらいのことが言えないものか。

日本キラー金広鉉 プロ最悪の8失点KO…
金寅植監督は「日本は金広鉉を徹底的に分析していた」と振り返った。「スライダーを狙い打たれた。



damejima at 06:59

March 02, 2009

よくぞあれでプロのキャッチャーが務まるものだ。感心した。

先発の杉内はチェンジアップがことごとく抜けていて、カウントなど取れそうにない球種だったのは誰の目にも明らかだったが、にもかかわらず、城島はチェンジアップのサインを出し続けて、あげくには巨人の好調の3番アルフォンゾに高めに浮いた球をスタンドに運ばれて先制点を許し、非常に重苦しいゲーム展開になった。
なにも中軸打者に対してだけチェンジアップを投げたわけではない。下位のたいしたことのないバッターにまで投げていたから笑うのだ。フルカウントまで粘られ、あげくに最後に決め球にチェンジアップを投げさせ、当然、はずれて四球を選ばれるとか、どうかしている。
これにはさすがに解説席の捕手出身の古田が「こういうのは4番を相手にした組み立てですねぇ・・・。まぁ、練習ですかね・・」と言い、クビを傾げていた。それはそうだ。1軍半メンバーの巨人の貧打の下位相手に、フルカウントから入らないチェンジアップ要求なのだ。首を傾げないほうがおかしい。

杉内はそのうちに、わずかなイニングしか投げてない強化試合にも関わらず、ランナーを背負った場面では、業を煮やしたのか、サインに首を振っていた。マリナーズで、何十回となく見た風景が再現されている。合宿中には「WBCのボールが合っている」と報道され、好調かと思われていた杉内だったが、これで当分調子は戻ることはないだろう。投手というのは繊細な動物なのだ。
2ストライクをとっては、クサいコースにほうらせるか、明らかなボール球を無駄に投げさせてはカウントを悪くして、あげくにフルカウントにして投球数を増やしてしまうのは、メジャーでもWBCでも、城島の全く変わらない悪癖。
この捕手、投球制限をどう考えているのか。日本の一線級の投手たちが、ことごとく全くわけのわからない投球内容で潰れていこうとしている。どの先発にも、カウントを目一杯使って自滅させていくのだから、呆れた捕手だ。まぁ、少ない球数で打ち取るピッチングの組み立てなど、どだい、この捕手には最初から無理なのだが。

盗塁は許すし、バットのほうも、予想どおりの併殺打ときた。ランナー1塁の場面で内野ゴロを打つのは、もうとっくにWBCでも、お約束である。
ほんのわずかな試合数なのに、すでに2併殺。たぶんWBCが終わるまでには10併殺くらいは打つ予定なのだろう。





damejima at 05:45

September 19, 2008

9回の裏の1死3塁のサヨナラのピンチに、イチローを内野守備につかせる5人内野をリグルマンが敷いたことで、この試合を記憶しているファンも多いことだろう。
BOX SCORE

ヘルナンデスがLAAをなんとか3失点におさえて7イニングを投げたあとの8回表。代打カイロのタイムリーで同点に追いつき、なおも2死1、2塁だったが、ここで打者は城島。当然のように凡退して城島がチャンスを潰して、同点止まり。ここぞというところでは打たないヘボバッターだが、この試合の最も重要な問題は.210の低脳バッティングではない。

そして9回裏。1死からエンゼルスのロドリゲスに初球を3塁打された。ここでリグルマンがとったのが奇策の「5人内野」。イチローをセカンドの付近で守備につかせた。リグルマンがこの奇策を使うのは、今シーズン2度目である。内野手5人というのも、首を傾げる策だが、問題はここですらない。


問題は2つある。

この4連戦、2度目のサヨナラは食らうべくして食らったサヨナラだ。この外野に2人しかいない状況であっさりフィギンズに、初球をサヨナラタイムリーをされるのだが、城島の言い訳がふるっている。

「高めのシンカーをひっかけさせたかった」

馬鹿としかいいようがない。こんな、外野飛球を打たれたくない場面で高めの球を要求とは、どれだけの低い知能か。高校生の捕手程度でも、これくらいわかる。

この、外野に打たれたくない場面で高めの球から入ったことがひとつの問題点だが、話はここでも終わらない。もっと大きい話がある。
フィギンズの前の「ロドリゲスの打席の初球」。9回裏にサヨナラのピンチを招いたこの一投のほうが、フィギンズへの初球以上に大きい問題だ。

まずはこれでも読んでもらおう。日本の半端な記事しか書かない馬鹿ライターも、ファンもあまり目を通さない、対戦相手のエンゼルスの公式サイトの記事である。

ちなみに、文中でロドリゲスが言う「おとといサヨナラ勝ちした金曜のゲーム」というのも、もちろん、先発マスクは城島だ。それをしっかりアタマに置いて、下の文章を読んでもらおう。

http://losangeles.angels.mlb.com/news/gameday_recap.jsp?ymd=20080914&content_id=3474191&vkey=recap&fext=.jsp&c_id=ana
Figgins hit the first pitch he saw from Mariners reliever Roy Corcoran to deep right field, but no one was there to make the play because Ichiro Suzuki was playing behind second base to give the Mariners a five-man infield instead.
フィギンズはマリナーズのリリーバー、コーコランの初球をライトの奥にヒットしたが、そこには誰もいなかった。というもの、イチローはマリナーズの5人目の内野手としてセカンドの後ろにいたのだから。

"That was surprising," Figgins said. "I didn't think Ichiro wanted to come in the infield. He was coming in there pretty slow."
「(内野5人体制には)びっくりしたよ」とフィギンズ。「イチローは内野に来たくなかったんじゃないかな。だって、ものすごくゆっくり来たからねぇ」

The single easily scored Rodriguez, who tripled off Corcoran before Figgins came to the plate. Rodriguez also hit the first pitch he saw, as it caromed off the right-field fence just over Ichiro's glove.
このフィギンズのシングルヒットは、フィギンズの前に三塁打を打っていたロドリゲスを生還させた。ロドリゲスも初球から打って、イチローのグラブをかすめて越えライトフェンスにビリヤードの球が当たってはねかえるような当たりを打った。

But it was scouting on Rodriguez's part that helped the Angels to their ninth walk-off win of the season and their second against the Mariners this week. He looked for a first-pitch fastball away from Corcoran after the right-hander started him that way on Friday.
エンゼルスにとってサヨナラ勝ちは、今シーズン9度目、そしてマリナーズに対しては今週2度目だが、ロドリゲスのヒットについていえば、それはスカウティングの成果。彼は、金曜に右腕のコーコランが同じように、彼に対して初球を外の早い球から入ることを発見していた。

"I remembered him from two nights ago," Rodriguez said. "That's how he started me -- with two-seamers away. I figured I'd sit on it first pitch and if he throws it, I'm going to get it."
「おとといの彼を覚えていたのさ」とロドリゲスは言う。「外の2シーム系から入ってくるのが彼のやり方さ。最初の球に、その外の2シームを待つイメージでいた。もし投げてきたら、つかまえてやろうと思ってたよ。」
(訳注:文中のcaromは、いわゆる四つ球やスリークッションなど、ポケットのないビリヤードをさす。ちょっと訳しにくいが、はねかえる、という意味にとった。)

スカウティングを頭に意識しつつ、狙い通りしとめるエンゼルスのソーシア野球の質の高さ、選手の頭のよさ。
それにひきかえ、なんというマリナーズの控え捕手、城島の、頭の悪さ、単調さ。こんな捕手に試合をまかせているから、5人内野などやっても無意味な場面だった、ということがしっかりわかるインタビューである。(これだけ興味深いことをエンゼルスの選手が発言しているというのに、日本の馬鹿なMajor.jpの程度の低い記事はこの程度だから哀しいかぎりだ。この日の低脳なMajor.jpの記事がこれ


ロドリゲスへの工夫のない初球。フィギンズへの不用意な高めの初球。このたった2球で、城島は、ここまで5連勝のコーコランに初めての負けをつけ、そしてこれで首位LAAとの4連戦で、スイープ達成させた。

ここからまた、今年5月同様、果てしない連敗街道は間違いなく始まる。



damejima at 17:41

May 27, 2008

昨日と全く同じ展開でシアトルが敗れた。昨日の試合展開が偶然とか、善戦とかいう代物ではなかったことは、たった1日で証明された。このダメ捕手は5月24日の試合後に「(ヤンキースの打者が)アウトコースをひっかけてくれない」とコメントしたことを、まったく記憶にとどめてもいないかのようだ。

この試合のポイントになったのは、4点をとられ、いつものようにトータル5点を献上して試合が決まった8回。

この回の打者をあえて、左打者と右打者に分け、打った球を並べてみる。
先発は右投手のヘルナンデスだが、左バッターにはアウトコース、右バッターにはインコース、つまり、「ピンチになるとヘルナンデスから見て常に右サイドにある側の球ばかりを投げている」ことがわかる。最も典型的だったのが、押し出し四球となったバリテックの打席。全9球のうち、8球がアウトコースである。これなら、バリテックはアウトコースのストライク・ボールだけを突っ立ったまま眺めて選球していればいいことになる。
ランナーが出たあと、これほど酷い「単調さ」なら、容易にコースを決めて待つことができるのは、プロの野球選手でなくともわかりきっている。

これで明確になったことは、どのコースにどんな球が来るかは、走者がいるか、いないかと、その投手の持ち球だけで、打者が判断できるということだ。つまり「走者のいるシチュエーションでは、どこに何を投げるか、相手の打者は常に知っている」ということだ。


ケーシー   左 アウトコース低め ライト前ヒット
エルズベリー 左 アウトコース低め 2ゴロアウト
オルティス  左 敬遠
ドルー    左 アウトコース真ん中 サード安打
バリテック  左 アウトコースを9球中8球投げ 押し出し四球

ルーゴ    右 インコース高め   1塁ゴロ
ペドロイア  右 インコース低め   エンタイトル2塁打
ラミレス   右 アウトコース真ん中 ライト前タイムリー
ローウェル  右 インコース真ん中  サード安打

damejima at 13:52

May 26, 2008

シアトル地元のメディアが、ウオッシュバーンも専属捕手制と報じたのは、5月21日で、ほんの数日前だ。そして去年のシーズンでさえ、デーゲームは正捕手が休むというメジャーの流儀にならって、城島はマスクをバークに譲っていた。と、いうのに、結局、4月15日のウオッシュバーンのコメントを、直後に彼にコメントの訂正を強要してうやむやに葬り去った件と同様に、どういうわけか専属捕手制は守られることなくうやむやになってしまい、また、メジャー流の休養日の設定も守られることなく、城島が先発マスクをかぶり、シアトルはまたもや敗れた。
今日の負けは、いままでの5連敗とは違い、先発ウオッシュバーンがQSを果たして試合終盤まではリードしていただけに、試合内容は悪くなかった。それを、わざわざ落とすようなゲームをした、という意味で、非常に人為的な災害」ともいうべきゲームである。
逆転されたイニングの代打で登場した松井、ジアンビ、カノーあたりの打者への「単調な」組み立てについて、下記に生ログを記録として残す。とにかく、常に城島の捕手としてのリード面で指摘され続けている組み立ての「単調さ」が、またもや露わになった。
また、0-2、つまり日本風にいうならツーナッシングから、選球眼のいいメジャーの打者にフルカウントまで持ち込まれて、結局、四球でランナーをためてしまう悪いクセも、一向に直る気配はない。追い込んでボール球を振らせる、などという「日本式リード」など通用しないことを、メジャーに来て以来学ぼうとしない。野球とベースボールが異なる文化のスポーツであることを、いつになったらこのダメ捕手は理解するのだろう。

705名前:名無しさん@実況は実況板でメェル:sage投稿日:2008/05/26(月)00:42:00ID:eskmUyK8
アンチじゃなくて、むしろ城島を応援してる俺なんだが、
今日の松井への攻め、あれ、なんだ?
芸スポや総合のアンチ松井の言う様なリード。
「外投げればアンパイですよw」みたいな。
今年の松井は外角打ってるんだぞ・・・。
まさかとは思うけど、イメージだけでリードしてないよね?

707名前:名無しさん@実況は実況板で投稿日:2008/05/26(月)01:13:41ID:6YTKxnYF
松井もだけどジアンビとカノーにも外ばっか投げたのはまずかった
そりゃ狙い打たれるって
マリナーズと違って好き勝手振り回してるわけじゃないんだからさ

damejima at 20:09

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