WBC城島退場事件

日本時間2009年3月19日、城島とメディアのおトボケは当然ながら失敗に終わった。
2009年3月17日、WBC城島退場事件。三振で腹をたてた城島はボックスにバットを故意に残し、退場処分になった。
2009年3月17日、韓国戦、槙原は「球が揃いすぎ。コーナーを狙いすぎ」と批判した。そして城島退場。

March 19, 2009

まずは、3つの資料を読み比べてもらおう。

資料1と、資料2の間には、およそ30分の小さなズレしかないこと、そして(資料1+資料2)の2つと、資料3の間には約半日の大きなギャップがあることを、あらかじめアタマに入れておくといい。(掲載時間はすべて当該ウェブサイトからコピーしたもの)

日本時間18日18時の段階で関係者には城島の退場理由がペーパーで配布され、おそらく「退場理由は審判への侮辱行為」と判明していた。にもかかわらず、最初一部メディアはあたかも退場が「わざとではないバットの置き忘れ」で「審判への侮辱」とは関係がないような書き方をし、さらに「城島は困惑している」などというトボケた印象操作記事を配信したりしていた。

だが、メジャーの野球を少しかじっていれば、「バットを置き去りにする」という行為が、例えば「ホームベースに足で砂をかけて見えなくする」「汚い言葉でののしる」「ベースをはずす」といった行為と同じで、メジャーでは退場処分になる悪質な行動のひとつであることは、誰にでもわかる。(実際、当ブログ主筆もメジャーのゲームでホームベース脇にわざとバットを置き去りにして退場になるシーンを何度か目撃したことがある。「バット置き」は故意の行動なのだ)

当ブログでは、試合進行中から記事を更新し、その時点で既に、城島の退場理由を「審判への侮辱行為」としていたことをあらためて明記しておく。
ペーパーなど見なくとも、あんなことをすれば退場だ。アンパイアは最初から怒り心頭だっただろう。当然のことだ。

資料1●共同の配信記事を元ソースにした各社共通記事
日本時間3月18日18時前後
試合後の記者室では、2死以外のアウトカウントで用具を置き去りにする行為が退場に該当する規則が用紙で配布された。」(各記事より引用)
掲載例 1-A/サンスポ 2009.3.18 18:20
退場の城島、“冷静”に振り返る/WBC
http://www.sanspo.com/baseball/news/090318/bsr0903181820026-n1.htm
掲載例 1-B/スポニチ 2009年03月18日 17:57
痛かった正捕手の退場 城島「反省しています」
http://www.sponichi.co.jp/baseball/flash/KFullFlash20090318066.html

資料2●城島本人の談話
日本時間3月18日18時30分前後以降
本人は『なぜそうなったか分からない。何も言っていないし、バットをたたきつけたわけでもない』と困惑を隠せない。」(資料2-Aより引用)
掲載例 2-A/時事通信 2009/03/18-18:24
城島、退場処分に困惑【WBC】
http://www.jiji.com/jc/c?g=spo_30&k=2009031800865
掲載例 2-B/日刊スポーツ[2009年3月18日18時46分]
城島退場「なぜか分からない」/WBC
http://www.nikkansports.com/baseball/wbc/2009/news/f-bb-tp0-20090318-472670.html

資料3●日本時間19日早朝以降の記事
城島の退場はMLBの「審判マニュアル」が適用された。「審判を侮辱するような行為があった場合、退場処分にすることができる。例えば、ボールが通った軌道を地面にバットで書いたり、道具をその場に置いた場合。二死のときはいいが、無死と一死のときは侮辱行為にあたる」とされる。またWBCではマナー重視を徹底。審判員に触れることや、ヘルメットの投げつけなどの侮辱行為のほか、中断中に走者がベースに座ることの禁止も通達された。』(資料3-Aより引用)
▽城島の退場処分 「アンパイア・マニュアル」セクション4には、「投球の軌道を土に描いての抗議や、2死の場合を除き、打席に用具を置いてベンチに戻ることは球審への侮辱とみなし退場処分とする」と明文化されている。城島は見逃し三振の際に、バットを打席に置いていったため退場となった。大会規定には退場処分への具体的な罰則などは記されていないが、場合によっては罰金や数試合の出場停止が科される可能性がある。』(資料3-Bより引用)
掲載例 3-A サンスポ 2009.3.19 05:03
「人間形成しないと」ノムさん城島を一喝
http://www.sanspo.com/baseball/news/090319/bsr0903190505005-n1.htm
掲載例 3-B スポニチ 最終更新:3月19日7時0分
城島退場処分!キューバ戦出場停止も
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090319-00000003-spn-spo


もうおわかりだろう。
報道を時系列で並べてわかることはいくつもある。

資料1資料3から、試合終了直後には、城島が審判への侮辱行為で退場処分になったことが大会側から日本の関係者に紙の資料(以下、ペーパーと略す)で配布されていた。
大会側がペーパーを配布した理由は、もちろん「今後は二度とするな。許さないぞ」と厳しく釘を刺すためなのは言うまでもない。わざわざ配布するからには、大会規約の何条にのっとって退場にしました、と、おそらく根拠が明記されていたに違いない。小学校ではあるまいし、『打席へのちょっとした忘れ物』を警告するためにわざわざペーパーを回すなど、やるわけがない。
(全員がそうとも限らないが)ペーパーを目にしていた報道関係者(もしくはチーム関係者)は、試合終了直後から城島の退場理由が「審判への侮辱行為」と既にわかっていた。
ところが、だ。
資料1の共同通信の配信した短い文章だけを読むと、あたかも『バットの置き忘れ』が理由で退場とも受け取れる幼稚な書き方が故意になされている。このために、某巨大掲示板などでは「これは『忘れ物』であって、審判への侮辱行為からの退場ではない」などという、失笑以下の馬鹿げた書き込みが続出して無駄に議論がかわされる原因になった。

しかし、日本時間19日早朝になって、各社から資料3のたぐいの記事が続出して、城島の退場理由が「審判への侮辱行為」であると確定と、当たり前すぎるオチがついた。
この馬鹿げた混乱の原因は、資料1の段階でわかっていた退場理由を、メディアがわざとボカしたことにある。ペーパーを読む時間さえなかった、というような言い訳など通用しない。

●資料2から、試合終了直後の城島とメディアは、共同でひとつのストーリーを作りあげようとした
18時30分の段階で既にペーパーを見ていた関係者は、退場理由が「審判への侮辱行為」であると知っていた。なのに、資料1に続いて世間に流れたのは、資料2のような「城島は困惑している」というような、甘ったれた記事だ。資料1、続く資料2と、印象操作のような代物を続け様に世間に流すのは、いかにメディアが18日午後の段階で既に「火消し」の意図をもっていたか、ということにほかならない。
まったく舐めた話だ。三振直後の城島が大声でわめいたか、わめかないか。そんなことは、目と耳で知っている。録画もされている。
なにより、テレビで観戦している視聴者全員が、城島が大声で怒鳴りちらしたのを見ていたのだ。それを「困惑する城島。何も言ってない」などというような稚拙な記事で誤魔化そうとは。
笑うしかない。



damejima at 10:54

March 18, 2009

MLBが、このダメプレーヤーにどうして最低の評価しか下さないか、どうしてまたこんなブログが存在しているのか、これで日本中がわかったことだろう。


退場処分になった直接の理由は、アウトコース低めのきわどい変化球をセルフジャッジして三振した城島が、ストライク判定に腹を立てて、バッターボックスの中にワザとバットを置いて帰ったことだ。さらに加えて、三振した直後に大きな声で、アンパイアに背を向けたまま、何かを怒鳴ってもいる。アンパイアは即座に臨戦態勢に入っていた。

アンパイアはすぐに城島を退場にしたわけではない。
アンパイアはしきりに、「おまえ、プレートに戻って、バットを取りにこい」と、両手を使った大きな身振りで城島にゼスチャーしていた。

JPN@KOR: Kenji Johjima is ejected in the seventh - Video | MLB.com: Multimedia
http://mlb.mlb.com/media/video.jsp?mid=200903183981147
YouTube - WBC 日本vs韓国 城島退場シーン
http://www.youtube.com/watch?v=U2SlsxAuk74

だが、城島はまったく振り返りもせず、戻ってもこずに、ベンチに帰り無視した。それで一時的に退場処分を猶予していたアンパイアは、スッパリと城島を退場処分にした。城島には退場処分に対する抗議する様子はまったくなく、処分が意外そうな表情もなかった。意図的な行為だったのだろう。

アンパイアはメジャーのアンパイアだったが、アンパイアの判断への抗議はありうるとしても、侮蔑的な態度をとることは全く許されていない。当然の処分だが、メジャーの野球を知らない選手が退場ならともかく、城島はメジャーの現役控え捕手である。

スポーツはときとして腹のたつこともある。
だが抗議するのなら、野球の場合なら、アンパイアの目を正面から見て抗議するのが常識だ。抗議の場面など、よくある話であり、抗議するだけならアンパイアは、心証を悪くする可能性はあるものの、退場処分になど、するわけがない。
背を向けたまま、汚い言葉を吐いたり、バッターボックスにバットをわざと置いてきたり。根性のねじまがった子供のような態度をとることはグラウンドでは許されない。


そもそも、この試合、アウトコースの低めに変化球ばかりを集めてストライク判定を要求し続けていたのは、ほかでもない、城島自身だろう。どこまで礼儀を知らないのだ、このダメプレーヤーは。

たったの1試合、それもスライダーの制球を取り戻していた松阪のおかげで勝っただけのキューバ戦で、城島は勘違いしたマスコミに持ち上げられ、天狗になっていた。

試合の流れはもう帰ってきはしない。
もちろん、8回以降、きわどいボールはストライクにはならないし、きわどいスイングはストライクにされる。


城島退場「何も言ってない」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090318-00000014-nks_fl-base
この記事の前半部分に引用した2つのビデオを見ればいい。その一言だけで十分だ。馬鹿馬鹿しい。言い訳にも程がある。



damejima at 14:35
2次予選の韓国戦である。ちょっとリアルタイム実況中継風に書いてみよう。

1回裏 ダルビッシュ3点を失う
ランナーが出て初球を盗塁された。城島の送球が高い。意表を突かれたのである。(注:試合直後、解説の佐々木は敗戦要因のひとつとして「この盗塁が大きかった」と語った)そのあと、たたみかけられて3失点。解説の槙原は「球が揃いすぎ。コーナーを狙いすぎ」と語る。ストレートの連投から入ったのはいいが、ランナーが出てからは、同じ変化球、同じコースを連投、連投。例によってスライダーである。

2回表 2死1塁で城島ライトフライ
前のキューバの後半の2打席で既に予兆が出ていたが、あえて書かなかった。要はバットでボールをすくい上げにかかっているのである。わかるだろうか。もうコツンコツン当てているバッティングではないのである。「日本では今、一番当たっている」などとアナウンサーは言っているが、どこを見ているのか。右の腕の使い方が全く1次予選とは違ってきている。

2回裏 3者三振
3人とも三振に切り取ったダルビッシュの行動が傑作だった。最後の三振の球を落球して慌てている城島を、まったく振り向きもせずにベンチに帰るダルビッシュ。よほど、リードが合わないのだろう。
トップバッターの8番をストレートで三振にとったが、城島の球の捕り方がいかにもおかしい。捕手の構えた位置にズバリと来たストレートなのに、ミットをやや上に上げ、それからまた降ろして捕球している。要はダルビッシュの球の回転と球筋、特にストレート系がキャッチャーの城島は実は見えていないのである。どうりでポロポロとこぼすわけだし、ストレート系をしっかりと要求しないわけだ。
失点してはじめて、最初に本来やるべきだったこと、今日の先発投手の持ち球の、どれが一番キレがあるかに気がついて、遅まきながらパターンを変える。いつもの失敗しないとわからない城島だ。

3回裏 1塁ゴロ3つ

2番右打者 すべてアウトロー 1塁ゴロ
3番左打者 すべてインコース 1塁ゴロ
4番右打者 4球目の抜け球を除いて全部アウトコース レフト前ヒット
5番左打者 すべてインコース 1塁ゴロ
なんだこれ(失笑)左打者にはすべてインコースを投げ、右打者にはアウトコースだけ。4番にはあいかわらずスライダー連投でヒットを打たれた。1塁ゴロを3つとったのが予定どおりとでも言いたいのか何か知らないが、こんな馬鹿馬鹿しい組み立てがどこにあるというのだ。球が揃いすぎも何も、自ら「揃えて」いるのである。シアトルでのシーズン中に本当によく見る光景である。

4回裏 3者凡退
3人目のバッターが初球のカットボールを振ってきたのには理由がある。前の2人の打者に対して初球から2球続けてスライダーを続けたからである。だからこそ、3人目のバッターは初球の変化球を狙っていたわけだ。半分は読まれていたが、スライダーではなく、カットボールだったためにヒットされずに済んだ。
アウトコースに変化球、糞ワンパターンな城島ならではの入り方である。

6回裏 渡辺俊、連続フォアボール
投手がかわっても、要求するものが変わらなければ、ゲームの流れは変わりようがない。アウトローのコーナーをつく変化球ばかりを渡辺俊に要求し続けて、連続フォアボール。この捕手ときたら、つける薬がない(笑)2死1,2塁の後、ストライクをとりにいった2球目は、打ち損じてくれたものの、ホームランボールだった。

7回表 城島、退場処分
もう、ね(笑)馬鹿だな、こいつ。もう言わせてもらおうか。
馬鹿か。
ひとりで野球をしているつもりか?


8回裏 フォアボール連発、そして押し出し
城島退場の後、当然のことだが、アンパイアはきわどいコースをとってはくれない。韓国は待球に出た。
城島は試合、ひいては、この大会での日本チームを壊したことはわかっているのか。
2死満塁から、韓国、押し出しで得点。

9回表 無死1塁から一塁線のライナーを好捕され、
    最後は岩村ハーフスイングに三振判定。

この回、2点差なら牽制球への対応のために一塁手はベースに張り付いている。しかし3点差になって、一塁手はラインぎわを締めていた。そこへ福留のライナー性のゴロ。流れの悪いゲームとはこんなものだ。前のイニングの押し出しの1点が大きいのである。
最後の岩村もよく粘ったが、ハーフスイングをストライク判定、ゲームセット。もちろん、岩村の三振判定にも、城島の意味のない退場が響いたことは言うまでもない。



damejima at 12:42

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