ロブ・ジョンソンの得点力・長打

2010年6月7日、クリフ・リー、シアトルが苦手とするアーリントンのテキサス戦で貫禄の107球無四球完投、4勝目。フィギンズの打順降格で、次に着手すべきなのは「監督ワカマツの解雇」
2010年5月11日、クリフ・リー、シアトルでの記念すべき初勝利。ランガーハンズのホームランが流れを大きく変え、ロブ・ジョンソン、ジョシュ・ウィルソン、ソーンダースがそれぞれ2安打。控え組起用がチームに活気を取り戻した。
2010年4月21日、ヘルナンデス8イニングを無四球自責点ゼロの完投2勝目で、17連続QSのクラブレコード達成、シアトル同率首位!ロブ・ジョンソン、4回裏2死満塁の同点タイムリーと好走塁でヘルナンデスを強力バックアップ。
2009年9月24日、先発ゲーム4連勝のロブ・ジョンソン二塁打2四球、ヘルナンデス11三振で17勝目。サイ・ヤング賞レースに生き残る。9月8日の城島のサヨナラ負けがなければ、9月のア・リーグ月間最優秀投手はとっくにヘルナンデスに決まっていた。
2009年9月3日、打てば打つほど笑える「最下位オークランド戦専用の帳尻打者(笑)」コネ捕手城島。
2009年8月29日、ロブ・ジョンソン、2号2ランでゲームの決め手になる5点目を叩き出し、カンザスシティに連勝。これでロブ・ジョンソンは先発ゲーム3連勝。
2009年8月5日、猫がグラウンドを走った日、ロブ・ジョンソンは二塁打、シングル、四球、バッティングと走塁に冴えをみせる一方、カンザスシティに23残塁させ、なんとか投手4人で勝利した。
2009年7月11日、ロブ・ジョンソン値千金の決勝2ラン、The Pitchウオッシュバーンは7回QSで6勝目、ついにERA2点台に突入した。(マイケル・ヤングをうちとった「ドルフィン」解説つき)
2009年7月3日、ロブ・ジョンソン決勝タイムリー含む3本の二塁打(球団タイ記録)3打点など、下位打線の活躍でBOSに競り勝った。ヘルナンデス7回QS、ジャクバスカス2イニングを封じる。
2009年6月25日、ロブ・ジョンソンは初回満塁で走者一掃の3点タイムリーを打ち、城島のRISPを大きく引き離した。ウオッシュバーン6回QSで4勝目。
2009年6月19日、ロブ・ジョンソンは決勝3塁打でサンディエゴでのサヨナラ負けの嫌なムードを振り払った。ウオッシュバーン7回QS。

June 08, 2010

無四球完封まであるかと思われたクリフ・リーだったが、さすがに最終回はちょっと力みが入ったようで、2点を失ったが、大きな問題はなく、107球、無四球のまま、4勝目を挙げた。
これまで鬼門といわれてきたアーリントンパークでのレンジャーズ戦にこれほど楽勝イメージで終わったゲームはほとんど記憶に無い。

さらにソーンダースが3ランを放ち、ロブ・ジョンソンがタイムリーと、下位打線の得点で同地区チームとの対戦をモノにしたのだから、このゲームの意味は小さくない。
シアトルの控え選手の力を信用しようとしないアタマの固いシアトルファンからずっと信用されなかった「ペーパーボーイ」(=新聞配達少年。マイク・スウィニーが命名したニックネームらしい) こと、ジョシュ・ウィルソンも、打撃好調をキープしている。
Seattle Mariners at Texas Rangers - June 7, 2010 | MLB.com Gameday


それにしてもクリフ・リーが投げた107球のうち、84球もの投球がストライクだったことには驚かされた。

前にヘルナンデスの例で書いたことだが(ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年10月5日、ヘルナンデスのストライク率と四球数の関係を解き明かす。(ヘルナンデスの2009ストライク率グラフつき))、ヘルナンデスの場合はあまりにもストライクを投げようとしすぎるゲームではかえって好投できない傾向にある。もちろんこれには、打者にかえって狙いを絞らやすいとか、いくつかの要因があることだろう。


ところが、クリフ・リーは違った。

107球というと、普通はストライクが70球ちょっとになる場合が多い。というのもバッテリーが「ストライク2に対して、ボール球が1」というメジャーの配球セオリーにならっているからだ。
ところが今日のクリフ・リーの場合は、107球中84ストライク。と、いうことは、およそ投球の78.5%がストライク、つまり、5球のうちほぼ4球はストライクを投げた勘定になる
だが、それでも彼はフォアボールを出さないだけでなく、打者に狙いを絞り込まさせず、大きな当たりを許ず、三振をもぎとってしまう。
三振、といっても、クリフ・リーのとる三振は、三球三振も多い。例えばボストンの松坂などが三振をとる場合と違って、ゲーム全体の球数を少なくできる。
ゲームをみていても、たとえシングルヒットを2本打たれようと、悠々と次の打者を3球で三振にうちとってしまう。本人が「野球において、緊張というものをしたことがない」と豪語するだけのことはある。
まったく素晴らしい投手である。
"I wish I could go through a game and throw eight or nine balls," Lee said. "That's hard to do."
Lee gives bullpen much-needed day off | Mariners.com: News

今日からショーン・フィギンズが9番に下がった。これはかつてユニスキー・ベタンコートが在籍時によく行われた策だが、打てないフィギンズの打順をいじるのは遅すぎたとしか言いようがない。
9番、というと、普通は打てない打者が座る打順だが、1番に打率がよく、ダブルプレー打の極端に少ないイチローのいるシアトルでは、9番打者の出塁は得点力アップの上で重要だということは、シアトルファンなら誰でもわかっている。
だが、頑固なワカマツは、常識にとらわれているのかなんなのか知らないが、監督に就任した2009シーズンからこのかた、そういう策をまるで試そうとしてこなかった。
だから、イチローが打席に入るときは、いつも先頭打者だったり、ランナー無しだったりして、イチローの打点が伸びない、という愚かな現象を招いていたのである。
ほかにも彼ワカマツはこのところ、ダブルプレーになるのがわかりきっている打者(グリフィーやコッチマン)をゲーム終盤の大事な場面で代打に出してダブルプレーになったり、準備のできていないブルペン投手をマウンドに上げてLAAに惨敗してみたり、ともかく采配ぶりがルンバしまくっている。


25人ロスターの枠を占領していたグリフィーが引退し、逆転負けゲームを量産したコロメ、テシェイラの2人のブルペン投手をクビにし、さらに得点力の足枷になっていたフィギンズを9番に降格させた。また、打撃コーチをクビにし、三塁コーチと一塁コーチを入れ替えた。

では、この次にチームがやるべき策はなんだ?
ということになる。

もちろん、個人的にはコッチマンも、ジャック・ウィルソンもスタメンには不要な選手と思っているが、それ以上に真っ先に処分すべき人がいる。

それは「監督ワカマツの解雇」
この最上の策を、なぜシアトルが着手しないのか。
これが最もふさわしい、真っ先に実行すべき「次の一手」である。






damejima at 20:46

May 12, 2010

明らかに雰囲気が変わってきた。

クリフ・リーが112球(ストライク77、ボール35)、無四球で7回1/3を投げ、シアトルにおける初勝利を収めた。MLBの公式サイトのトップにも記事がある。低めに決まる見逃しストライクでカウントを稼ぎ、ポップフライに討ち取るパターンがよく決まった。
8回のピンチでリーをリリーフしたブランドン・リーグがピンチをしのいでベンチに帰ってきたときにクリフ・リーが見せた笑顔が、はじけるような素晴らしい笑顔だった。
打撃コーチが変わっただけでなく、開幕時のスタメンからはかなり打順と出場選手をいじったシアトルに少し活気が戻ってきた。
Seattle Mariners at Baltimore Orioles - May 11, 2010 | MLB.com Gameday

(クリフ・リーのピッチングは)「意図していることが後ろ(右翼)からも見えるし、守っていて楽しいね。ピッチングに立体感があるというか、ちょっとレベルが違う。(力の)入れどころと抜きどころがよく分かっている」(ゲーム後のイチロー)
「ピッチングに立体感がある」(イチロー語録): nikkansports.com

Lee notches first victory for Mariners | MLB.com: News


対戦相手のボルチモアがどうこうより、
チーム内で明暗の分かれるゲームだった。

明るい部分というのは、もちろんリーの好投もだが、シアトルの打者のバットにボールが当たる音が、カキーンと小気味いい音をしていたのがいい。これに尽きる。
野球は音でわかる部分もある。久しく、シアトルの打者のバットからこういう小気味いい快音を聞いてなかった。

このところスタメンで起用されはじめた開幕時の控え選手たちの攻守にわたる活躍がいい。
ランガーハンズは、ソロホーマーで試合の流れを大きく変え、1塁守備でもいいところを見せた。バッターボックスでインコースを待ち構えている様子なども、見ていてなかなか堂々としている。これはコッチマンもうかうかしていられないだろう。競争があるのはいいことだ。
下位の6番ジョシュ・ウィルソン、8番ロブ・ジョンソン、9番マイケル・ソーンダースのタコマ出身トリオがそれぞれシャープな打球音とともに2安打ずつ放って、ボルチモア先発のD・ヘルナンデスに好投されかかったゲームの主導権をガッチリ握ることができた。
ジョシュ・ウェルソンの大胆な空振りは、ちょっとボストンのペドロイアばりなところがあって、胸がすく(笑)今日のジョシュは守備でも、ベアハンドキャッチ&スローなど、好プレーを連発していた。また、インコースの球を鎌で草を刈るようなスイングをするソーンダースのスイングも、なかなか独特で面白い。ロブ・ジョンソンのバットにも本来のシュアさが戻ってきた。爽快な乾いた打球音がしている。
マイケル・ソーンダースのタイムリー(動画)
Baseball Video Highlights & Clips | SEA@BAL: Saunders knocks in a run with a single - Video | MLB.com: Multimedia

また、当たりが止まったままだったフィギンズのスイングにようやく回復のきざしがあったのも収穫。押し出しの四球を選んだこともいいが、それよりもヒットのイチローをランナーに置いた最終打席で、初球のアウトコース低めのストレートをレフト前に運んだ積極性が、なによりいい。初球をすかさずヒットするフィギンズなんて、シアトルでは初めて見た気がする(笑)四球ばかりでは味気ない。

こうした積極的な打撃への変化が、コックレル打撃コーチの解雇の成果なのかどうかは、まだわからない。
だが、少なくとも言えるのは、今日のシアトルの打者は「振っていいカウントや、振り回していいシチュエーションでは思い切りよくバットを強振し、一方で、待つべきときには、ボール球を冷静に見逃す」というシンプルなバッティングの基本が、しっかりできていた打者が多かった。
もちろん、全員の打球音が良かった、とは言わない(苦笑)


マイナス面も、残念ながら、ある。
というか活躍選手が出てくると、そういう負の面は、かえって目立つ。

子供でもわかることだが、ロペスグリフィーのところで、どうしても打線が切れ、得点圏のランナーを無駄にしている。
監督ワカマツは、若手起用を試し始め、打順に手をつけたのはいいとして、ランナーズ・オンの場面でダブルプレーだらけのロペスに4番を打たせ、もはやスイングに全くパワーの無いグリフィーをスタメン起用しつづけるような愚策をいつまで続けるつもりだろう。
打てない彼らにも責任がある。だが、その期待できないバッターを起用しつづけるマネージャーにはもっと大きい責任がある。打てないセクソンを4番に据え続けてファンを裏切り続けたかつてのシアトルを、また再現でもしたいのかといいたい。






damejima at 12:13

April 22, 2010

ヘルナンデスが2勝目となる8イニング無四球完投。今年テキサスからボルチモアに移籍した好投手ケビン・ミルウッドとの両先発投手完投ゲームに投げ勝った。シアトルの先発が完投するのはこれが今シーズン初。
ヘルナンデスのERAはこれで2.15、ERA1点台の大台もみえてきた。強敵の大投手ロイ・ハラデイがナ・リーグに行ったことだし、去年惜しくもとれなかったサイ・ヤング賞を今年こそとってもらいたいものだ。
これでシアトルは貯金2。開幕好調で先を走っていた首位オークランドがNYYに敗れたため、ついに同率首位となった!
Regular Season Standings | MLB.com: Standings
動画:Baseball Video Highlights & Clips | BAL@SEA: Wilson ropes a bases-clearing double - Video | Mariners.com: Multimedia

初回の1失点はブラッドリーの怪我の関係で臨時にレフトのスタメンに入ったマット・トゥイアソソーポのエラーによるもで、ヘルナンデスに自責点はついていない。
日米の自責点の考え方の違いについては、下記の記事を参照。日本でなら、初回のヘルナンデスには、自責点がついていたことだろう。
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年3月30日、スポーツ・イラストレイテッドのJoe Posnanskiが、「非自責点」について語ったのを読んで、「日米の自責点の考え方の差異」についても勉強してみる。

キングの良き相棒ロブ・ジョンソンは、1点を追う4回裏の2アウト満塁のチャンスで同点タイムリーなど2安打。いつもながら、不思議な場面で打つ男である(笑)
それどころか、今日はなんと盗塁までしてみせて(笑)、ヘルナンデスを強力にバックアップした。ジャック・ウィルソンの3点タイムリー・ツーベースの場面で、ロブ・ジョンソンは1塁ランナーだったが、彼が長躯ホームインしたのも、とても意味のある走塁だった。彼は実はなかなか足が速いことがわかった。
動画:4回裏タイムリー Baseball Video Highlights & Clips | BAL@SEA: Johnson's infield single drives in a run - Video | Mariners.com: Multimedia
ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:ロブ・ジョンソンの得点力・長打

ヘルナンデスは今日の8回QSで、去年から延々と続けている連続QS記録のほうもさらにひとつ加えて、17に伸ばした。公式サイトによれば、これはクラブレコードだそうだ。もちろんQSのほとんど全てはロブ・ジョンソンとのバッテリーによるもの。まさに鉄壁のバッテリーである。
Baltimore Orioles at Seattle Mariners - April 21, 2010 | MLB.com Gameday
Felix tops O's with 17th straight quality start | Mariners.com: News


今日のヘルナンデスの投球内容は113球投げて、ストライクがなんと82、ボールがたったの31。結果、ストライク率はなんと72.6%にも達した。19勝した昨年2009シーズンの夏でも、こんな高いストライク率で投げきったのはたった1試合しかないし、1ゲームで80もストライクを投げたのは記憶にない

以前に一度指摘したことだが、ヘルナンデスのストライク率は、四球数と非常に強い関連性がある(当たり前だと思うかもしれないが、そうならない投手もいる)。
また、さらに言えば、ヘルナンデスの場合、ストライク率と投球内容には一定の関連性があり、ストライク率が必要以上に高過ぎると、(もちろんヘルナンデスだからゲームにには勝てるのだが)内容面では良くないことがほとんど。
今日のゲームでも、貧打にあえぐ不調のボルチモア打線に9本のヒットを許している。(特にシアトル戦を得意にしているマーケイキス。3安打)
もちろん、そうしたピンチを、2併殺、無四球で切り抜けていくのが、ロブ・ジョンソンの手腕である。2併殺ともに、ボルチモア打線の要の2番ウィギントンというのが大きい。3番マーケイキスに3安打されているだけに、もし2番ウィギントンのところで打線が繋がっていたら、今日の勝利は危なかった。
相手チームのルーク・スコットは今日のヘルナンデスのピッチングをこんな風に言っている。
He did a good job of mixing up his pitches, hitting his spots, good sinker, good velocity on his fastball, hard curve, hard slider, good changeup.
球種をうまく混ぜたことが、9安打を打たれながら自責点ゼロに抑えることのできた要因になった。

2009年ヘルナンデスのストライク率と四球数

8月1日  104球58ストライク 55.8% 四球4
8月7日  113球70ストライク 61.9% 四球6
8月12日 105球67ストライク 63.8% 四球4
8月18日 106球69ストライク 65.1% 四球1
8月23日 101球67ストライク 66.3% 四球0
8月28日 104球63ストライク 60.6% 四球1
9月2日  114球67ストライク 58.8% 四球3
9月8日  113球69ストライク 61.1% 四球4
9月13日 109球65ストライク 59.6% 四球1
9月18日 104球65ストライク 62.5% 四球1
9月24日 108球77ストライク 71.3% 四球2 11三振
9月29日 120球69ストライク 57.5% 四球4
10月4日 107球72ストライク 67.3% 四球1
今日のゲーム
2010年4月21日 113球82ストライク 72.6% 四球ゼロ

ダメ捕手、城島健司。The Johjima Problem.:2009年10月5日、ヘルナンデスのストライク率と四球数の関係を解き明かす。(ヘルナンデスの2009ストライク率グラフつき)

今日のゲームはヘルナンデスの無四球完投勝利だが、ストライク率が70%を越えるような高い率になると、将来の大投手ヘルナンデスの場合にかぎっては、四球数は自然と1ゲームに1以下になる。
だから他のどこにでもいるような平凡な投手と違い、「無四球でゲームを終わること」それ自体は、ヘルナンデスの場合に限ってはそれほどたいしたことではない。むしろ、あまりにもストライクをとることに熱中しすぎて、投げ急いで打たれることのほうが怖い。

ヘルナンデスのストライク率と四球数の関係

もともと膝の故障を抱えているミルトン・ブラッドリーは今日はお休みで、マット・トゥイアソソーポにチャンスが巡ってきた。
初回に失点につながる残念なエラーをしてしまったが、これくらいのことはブラッドリーだって、バーンズだってやっている。好調の打撃面ではヒットを打てたのだし、問題ない。
なにより、4回裏のセンター方向のロブ・ジョンソンのゴロでセカンドに劇走してセーフにしたのは、ほかならぬトゥイアソソーポで、この走塁がゲームのターニングポイントだったと、ゲーム後にジャック・ウィルソンも語っている。なんとか今回のチャンスを生かして、スタメンに食い込んでもらいたいものだ。
バーンズのようなネタ選手を見るのは、もうセクソンで飽き飽きだ。どうでもいい。

監督ワカマツはもっと使える選手にチャンスを与えるべきだ。いくら選手が怪我をした臨時の処置とはいえ、バーンズがセンターなど、とんでもない。レフトでも代打でも、必要ない。






damejima at 15:29

September 25, 2009

今日のヘルナンデスは8回108球、77ストライク、31ボール。ストライク率71.3%は、この2ヶ月では8月23日の66.3%を抜いて最高値。(調べていないが、シーズンでも、もしかするとストライク率は最高値かもしれない)

8月1日  104球58ストライク 55.8% 四球4
8月7日  113球70ストライク 61.9% 四球6
8月12日 105球67ストライク 63.8% 四球4
8月18日 106球69ストライク 65.1% 四球1
8月23日 101球67ストライク 66.3% 四球0
8月28日 104球63ストライク 60.6% 四球1
9月2日  114球67ストライク 58.9% 四球3
9月8日  113球69ストライク 61.1% 四球4
9月13日 109球65ストライク 59.6% 四球1
9月18日 104球65ストライク 62.5% 四球1
9月24日 108球77ストライク 71.3% 四球2 11三振 

ひさびさに楽にストライクをとれるピッチングにはなったわけだが、「3球に2球ストライクを投げる」、つまり、メジャーの配球術として一般的な67%程度という数値からいうなら、今日のヘルナンデスはかなりストライクが多すぎる。

それだけ、今日のヘルナンデスは三振を意識して取りにいった、といえるだろう。
そのために、一時の不調時によくやっていたシンカーを多用する組み立てではなく、ストライクの多さからわかるように、今日のヘルナンデスはストレートを投げたがった。
その結果、今シーズン最多の11三振をとれたわけだが、その一方ではバーノン・ウェルズに3ランを許した。三振を故意に狙いにいくピッチングというのは、こういう怖さがある。

9月24日のGameDay
Seattle vs. Toronto - September 24, 2009 | MLB.com: Gameday


9月、ヘルナンデスはこれで4勝0敗、防御率0.58。
月間最優秀投手を初受賞した今年6月が「3勝0敗、防御率0.94」だから、遥かに9月のほうが数字がいい。
9月最初の登板のストライク率を見ればわかるように、8月末から9月にかけてのヘルナンデスは、けして調子がいいとは言えないゲームが多かった。もし9月の月間最優秀投手を受賞できれば、それはロブ・ジョンソンの功績でもある。
もし、9月8日のLAA戦でキャッチャーを城島に代えてサヨナラ負けしたりするような馬鹿な真似をしていなければ、2009年9月のア・リーグ月間最優秀投手賞は、間違いなく、今の時点でとっくに、9月5勝のヘルナンデスに決定していた。

コネ捕手城島は、まさに
ヘルナンデスの疫病神である。


2009年9月8日、それまで安定していたローテを壊滅させてまで出場機会増を強行したコネ捕手、再びヘルナンデス登板ゲームに触手。結果、「延長10回裏サヨナラ負け」で、サイ・ヤング賞レースに、ヘルナンデスにとりつきたくてしかたがない厄病神の暗雲が再来。

ヘルナンデスのスタッツ
Felix Hernandez Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN

とにもかくにも、8回3失点、17勝目。
防御率はわずかに下がってしまったが、勝ったことでサイ・ヤング賞レースに生き残ることができただろう。

ちなみに、グレインキーとヘルナンデスの比較で面白いデータがある。
2009ア・リーグで200イニング投げている投手のうち、グレインキーは、LAAのウィーバー弟や、DETのバーランダーほど極端ではないにしても、指折りのフライボール・ピッチャーのひとりである。(グレインキーのGround ball/Fly Ballの数値は、ウオッシュバーンと同等程度)
対してヘルナンデスは、ハラデイと並んで、ア・リーグで最も極端なグラウンドボール・ピッチャー。2人はア・リーグで最も極端なグラウンドボール・ピッチャーで、シーズンのダブルプレー獲得数も上位にいる。

Ground Ball/Fly Ball
およびダブルプレー獲得数
(2009年9月24日現在)
ヘルナンデスも、キング・オブ・グラウンドボールピッチャー、ハラデイ同様、ダブルプレー獲得数が多く、また、典型的なフライボールピッチャーのウィーバー弟はダブルプレー獲得数がシーズンで5つしかない。
だが、もちろん、フライボール・ピッチャーのグレインキーの併殺数が16であるように、フライボール・ピッチャー全部がダブルプレーが少ないわけではない。
フライボール・ピッチャーだらけのシアトルの投手だが、下記のデータにあげたように、ダブルプレーに仕留めるのが上手くない。
よくウオッシュバーンをフライボール・ピッチャーだからという理由で、セーフコでしか通用しないだのなんだの、とやかく言いたがる馬鹿がいるが、彼はダブルプレーが必要な場面ではきちんとゴロを打たせているように、単なるフライボール・ピッチャーに留まらない投球術をもつ素晴らしい投手である。
また、グラウンドボール・ピッチャーのヘルナンデスと、ズレンシックが無駄にトレードで獲ってきたスネルやフレンチを比較しれみればわかるように、セーフコは球場が広いからフライボール・ピッチャーを獲ってくれば活躍するなどという迷信ほど、内容の無い馬鹿げた話もない。
そんな単純な話が野球で通用するわけがない。

アーズマ     0.36  2
フレンチ      0.44  4
ケリー       0.49  4
オルソン      0.52  9
モロー       0.58  5
バルガス      0.61  11
ウオッシュバーン 0.64  16(DET含む)
スネル       0.66  4
メッセンジャー   0.67  1
ロウ         0.73  5
ローランド・スミス 0.73  5
フィスター     0.76  6
ベダード      0.80  2
ジャクバスカス   0.85  7
シルバ       0.92  4
バティスタ     0.93  9
ホワイト       0.99  5
ヘルナンデス   1.17  19

グレインキーとのQS数、QS%比較
MLB Baseball Pitching Statistics and League Leaders - Major League Baseball - ESPN


今日のアンパイアは、もともと際どい球をとらないタイプ。
打たれた6回は、今日ヘルナンデスから2安打しているイヤな先頭打者アーロン・ヒルをサードゴロにうちとって「ヤレヤレ」と思ったら、サードのベルトレのエラーで出塁させてしまった。
さらに追い討ちをかけるように、次打者のアダム・リンドに投げた初球、アウトローのカーブが低め一杯にズバっと決まった見事なストライクを、アンパイアがボール判定された。
さすがに大人になったと評判のヘルナンデスも、これにはさすがに多少イライラしたのだろう、リズムが狂って、バーノン・ウェルズへの初球スライダーが真ん中に入ってしまった。

やはりノーアウトで味方のエラーで出塁されるのは、精神的にこたえる。



ロブ・ジョンソンの打撃はコネ捕手に出場機会を与えすぎている9月のゲーム数が少ないために本来のバッティングの集中力を欠いている心配はあったが、杞憂に終わった。
ツーベースを打ったこともさることながら、なにより2つの四球が素晴らしい。
彼の選球眼の良さのポイントのひとつは、今日のような左投手の投げてくる、きわどい所に来るが最後はボールになり、打っても凡打にしかならないアウトコースのスライダーの見極めができて、しかも、手を出さないこと。だからストレート系をミスショットしてファウルしていても、四球につながる。

ヘルナンデスの全登板

4月6日  6回自責点1  城島 QS
4月11日 5回自責点5  城島
4月17日 6回自責点3  ジョンソン QS
4月23日 7回自責点0  ジョンソン QS 完封リレー
4月28日 8回自責点0  バーク QS 9三振
5月4日  6回自責点6  城島 負け  9三振
5月9日  4回自責点5  城島 負け
5月14日 7回自責点0  ジョンソン QS
5月19日 5回2/3自責点6 城島 負け
5月24日 8回自責点1  ジョンソン QS 10三振
5月30日 6回2/3自責点0  ジョンソン QS
6月5日  7回自責点1    ジョンソン QS
6月10日 7回自責点1    バーク QS
6月16日 9回自責点0    バーク QS
6月21日 7回1/3自責点0 バーク QS 8三振
6月27日 8回自責点0    ジョンソン QS 9三振
7月3日  7回自責点3    ジョンソン QS
7月9日  8回自責点1    ジョンソン QS
7月17日 8回自責点2    ジョンソン QS 8三振
7月22日 7回自責点1    ジョンソン QS 8三振
7月27日 5回2/3自責点7 ジョンソン
8月1日  7回自責点2    ジョンソン QS
8月7日  6回自責点3    ジョンソン QS
8月12日 7回自責点0    ジョンソン QS 10三振
8月18日 7回自責点1    ジョンソン QS 9三振
8月23日 6回自責点3    ジョンソン QS
8月28日 7回自責点3    ジョンソン QS
9月2日  8回自責点0    ジョンソン QS
9月8日  7回自責点1 ジョンソン→城島 QSサヨナラ負け
9月13日 7回自責点0    ジョンソン QS
9月18日 9回自責点1    ジョンソン QS
9月24日 8回自責点3    ジョンソン QS 11三振






damejima at 11:27

September 05, 2009

さすが、コネ捕手。笑いのツボを心得ている。
腹が痛い(笑)

2009年 今年たった7本しか打っていないホームランの約半数、「3本」
2009年 たった19しか挙げていない打点の約3分の1強、「7打点」
これら全て最下位のオークランドとの対戦での打撃成績というのだから、おそれいった8Mの「強打者様」だ。たまらなく、おかしい(笑)

シーズン100敗した2008年も、今年とそっくり。ただの「オークランド戦専用帳尻打者」とはな(笑)さすが、高給取り(笑)
2008年 ホームラン7本中、3本がオークランド戦(カード別最高)
2008年 39打点中、9打点がオークランド戦(カード別最高)
2008年 19四球のうち、4四球がオークランド(カード別最高)


今年192打数47安打、打率.245、7ホームラン19打点の、このただでさえ中身の無いヘボ打者の成績から、オークランド戦を除いてみれば、この打者の実態がわかる。

165打数40安打、打率.242、4ホームラン12打点。

なんだこれ。なに、このショボさ(笑)
まやかしもいいところだろ。


9月3日現在のコネ捕手城島の今シーズンの各打撃数字を見てみろ。笑えるから。


ホームグラウンド セーフコでの打撃
ロブ・ジョンソン AVG.190 OBP.271 SLG.310 OPS.581
コネ捕手城島 AVG.216 OBP.259 SLG.343 OPS.602

ランナーズ・オン
ロブ・ジョンソン AVG.222 OBP.328 SLG.394 OPS.722
コネ捕手城島 AVG.209 OBP.261 SLG.360 OPS.621

得点圏
ロブ・ジョンソン 56打数15安打 AVG.268 OBP.391 SLG.411 OPS.802
コネ捕手城島 41打数9安打 AVG.220 OBP.289 SLG.341 OPS.630

打順6番
ロブ・ジョンソン 15打数4安打 AVG.267 OBP.476 SLG.267 OPS.743
コネ捕手城島 44打数6安打 AVG.136 OBP.191 SLG.205 OPS.396


勝負強さ、という点で、あらゆる面でロブ・ジョンソンの勝ち。
セーフコランナーズ・オン得点圏6番、ではコネ捕手はまったく必要ない、
つまり、「肝心なところ」では、全く必要ない打者、コネ捕手城島(激笑)


せいぜい、9月に、オークランド戦の8番あたりで勝手にバット振り回して、帳尻しまくるといい。
こちらはなにーーも、気にならない(笑)
まったくなんの評価もするつもりにならない。かえってオークランド戦で打てば打つほど笑わせてもらっている(笑)

damejima at 01:29

August 31, 2009

ロブ・ジョンソンの2号2ランは、4-2というスコアの4回に、ハナハンのソロに続いて出たもので、結局ゲームは8-4で終わったわけだから、価値が高い。
この男、長打を実にいいところで打つ。なにか、そういう「ツキ」をもっている。
ロブ・ジョンソンの2ラン(動画)
Baseball Video Highlights & Clips | KC@SEA: Johnson hits a two-run homer to left field - Video | Mariners.com: Multimedia

Kansas City vs. Seattle - August 29, 2009 | MLB.com: Gameday

それにしても、いくらゲーム終盤に7-2と、5点差があったとはいえ、先発スネルが5回に打者の打球による怪我でマウンドを降りた後に出す投手がバティスタ、メッセンジャーのリレーでは、あぶなっかしい勝利になるのは当たり前。
ワカマツは、投手節約かなにか知らないが、終盤2イニングを今のブルペンでは最悪の投手といっていいメッセンジャーにまかせるとは、何を考えているのやら。
ほかに人材がいないならともかく、メッセンジャーよりマシな投手など、いくらでもいる。ジャクバスカスをマイナー送りにした意味すらわからない。
最終回にメッセンジャーが2本スタンドに放り込まれて、自責点2で終わらせられるゲームを無駄に4失点にした。明らかに監督の投手起用ミスである。

バティスタの捕手別 被打率
ロブ・ジョンソン  .238
城島        .283
キロス       .286
バーク       .318


今日のBS1の解説は、かつての城島のチームメイト武田だったが、例によって、何度も何度も執拗に「城島のほうがジョンソンより明らかにバッティングがいい」と連呼して、城島を出場させるべきだと力説しているそばから、ロブ・ジョンソンがバコンと2ランをスタンドに放り込んだのには、大いに笑わせてもらった(笑)

「ロブ・ジョンソンより城島のほうがバッティングがいい」などというまやかしは、ただの「印象操作」であって、「そんな事実はない」ことくらい、いまやメジャーファンでシアトルのことをよく知る人なら、誰でもがわかっている。
そもそも、40万ドルのサラリーのロブ・ジョンソンの20倍の、800万ドルもらっているヘボ打者が、勝ちの決まったゲームの終盤に、ロブ・ジョンソンの打撃データにようやく追いつく程度の帳尻ヒットを打ったくらいで、「城島の打撃のほうがいい」などという嘘を、さも本当のことのように得意げに語るのが、どれだけ恥ずかしいことか。
このブログでも何度もコネ捕手城島の打撃数値を取り上げているわけだが、日本の解説者も、まず思い込み(笑)だけで語ることを卒業しないと話が始まらない。

2009年8月24日、コネ捕手の毎年恒例「ポストシーズン争い脱落後の出場機会の不自然増+帳尻打撃 特別扱いサービス月間」はじまる。とはいえ8月はここまで三振の打率.162。

2009年8月3日、チーム打撃ランキングで「バッターとしての城島」の位置を確認してみると、「最低打者は実は城島」と判明した。


今日現在のロブ・ジョンソンとコネ捕手城島の打撃データはこんな感じだ。この程度で十分だろう。わざと、どちらがどちらのデータか、伏せておく。このブログをよく読んでいる人なら、このほとんど変わらないデータの上と下、どちらがロブ・ジョンソンで、どちらが城島か、わかるはずだ。
データならもっともっとあるから、自分で勝手に調べるといい。守備にしたって、ロブ・ジョンソンのほうが城島よりいいと、数字を挙げて語っているサイトも、アメリカの大手サイトにある

RC27 IsoP SecA P/PA AVE OBP SLG OPS 
3.15 .122 .218 3.78 .227 .296 .349 .646
3.32 .130 .168 3.32 .239 .278 .370 .648

Seattle Mariners Batting Stats - ESPN






damejima at 01:06

August 06, 2009

猫がグラウンドを走りぬけた日、
ロイヤルズ、23残塁。
MLB公式サイトの猫の走る動画
Cat frolicks on field in fifth inning in KC | MLB.com: News


たった1試合見ただけでどうこう言うのも、どうか。とは思う。
だが、フレンチは正直、こんなレベルの低い投手がア・リーグ屈指の投手のひとり、ウオッシュバーンと交換というのだから、悲しくなる。安売りにも程がある。スネルがフレンチよりかなりマシなのがわかった感じ。
と、いうのも、オルソンについて、シアトルに来てから何度も「基本的に球の高い投手」と指摘してきたが、このフレンチは球の高さはオルソン以上かもしれないのがどうも気になるのだ。
おまけに球種が少なく遅い球がないので、緩急がつけづらい。
打線の援護のないゲームなら間違いなく負けそうだし、次回以降のゲームでは落ち着いて性根をすえて頑張ってもらいたい。

次回以降の登板をよりよいものにするために、フレンチはコミュニケーション能力やリード能力の高いロブ・ジョンソンとよく話し合って、ウオッシュバーンとロブ・ジョンソンが一緒に時間を共有しつつ、ピッチング改善や、新しい持ち球の開発に取り組んだように、今後のピッチングをどう改善するか、言葉にして話しあうべきだ。

2009年7月6日、ロブ・ジョンソンが準完全試合を達成したウオッシュバーンの新しい魔球「ドルフィン」と、その開発にいたるコラボレーションについて大いに語った。

Lucas French Career Statistics | Mariners.com: Stats

終わってみれば今日のゲームは、フレンチ、バティスタ、ホワイト、オルソン、4人の投手で終ったが、よく4人で追われたもんだと思う。実際ブルペンではジャクバスカス、ケリー、ロウ、次々に肩をつくった。
こんな無駄なことに早めに対策を打つためにも、誰かがよほど投手を指導しないとダメだろう。フレンチでいえば、オルソンがそうだったように、移籍したばかりで調子がよくないとか、そういう問題ではなさそうに思う。きちんと指導して、フォームなり、リリースポイントなり、かえないことにはどうにもならない部分のある投手だと思う。
Seattle vs. Kansas City - August 5, 2009 | MLB.com: Gameday


今日のロブ・ジョンソンは、四苦八苦しながらカンザスシティに23残塁させ、投手をなんとか4人ですませたわけだが、攻撃面もとてもよかった。2安打1四球3出塁で、打率.224。長打も出た。

第1打席 先頭でダブル。大量点のきっかけを作る。得点
第2打席 1死1、3塁 内野フライ
第3打席 先頭。四球
第4打席 1死2塁 シングル
第5打席 ヒット性の当たりだが、ファインプレーに阻まれる

面白かったのは、ランナーのウィルソンとのコンビで、カンザスシティをかき回した7回の第4打席の走塁。なかなか見られない面白プレーだし、ぜひ動画で見ておいてほしいものだ(笑)
Baseball Video Highlights & Clips | SEA@KC: Wilson scores on Johnson's base hit - Video | MLB.com: Multimedia

(1)1死から、ウィルソン二塁打
(2)ロブ・ジョンソンがセンターに抜けるシングル
(3)センターがバックホーム。ノーバウンド
(4)サードを回りかけていたウィルソンが急ブレーキで停止
(5)ロブ・ジョンソンがセカンドへ
(6)キャッチャー、セカンド送球。だが、セカンドセーフ
(7)ウィルソンが本塁突入。ホーム送球も、セーフ
(8)捕手が両膝をつくのを見てロブ・ジョンソンがサードへ
(9)キャッチャー、あわててサード送球。セーフ

カンザスシティ側からみると、ボールを
センター → キャッチャー → セカンド → キャッチャー → サード と転送している間に、「ひとつもエラーしてない」のに、1点とられたことになる。
シアトル側からみると、本来なら1死1、3塁のところを、走塁だけで、1点とり、1死3塁にかえたわけだ。文字だけでわかるか、どうか(笑)→ 動画があった。やっぱりメジャーの人もこれは珍しいと思ったようだ(笑)






damejima at 13:19

July 12, 2009

ビューティフル・ゲームだった。


何度も書いてきたことだが、ロブ・ジョンソンのバットは、普段は湿っているが、ここぞというときに突然輝く不思議なプレミアムバットである。
ロブ・ジョンソンのバットでゲームの行方が決まったのは、今シーズン、このブログで数えているところでは、これで4ゲーム目だ。たいしたものである。
ロブ・ジョンソンの2ラン(動画)
Baseball Video Highlights & Clips | TEX@SEA: Johnson's homer gives the Mariners the lead - Video | MLB.com: Multimedia

2009年6月19日、ロブ・ジョンソンは決勝3塁打でサンディエゴでのサヨナラ負けの嫌なムードを振り払った。ウオッシュバーン7回QS。
2009年6月25日、ロブ・ジョンソンは初回満塁で走者一掃の3点タイムリーを打ち、城島のRISPを大きく引き離した。ウオッシュバーン6回QSで4勝目。
2009年7月3日、ロブ・ジョンソン決勝タイムリー含む3本の二塁打(球団タイ記録)3打点など、下位打線の活躍でBOSに競り勝った。ヘルナンデス7回QS、ジャクバスカス2イニングを封じる。

テキサスの先発ミルウッドは、ERA3点台半ばで、ここまで既に8勝している好投手。なかなか点がとれずに苦しんだが、1-1のタイスコアから7回、ロブ・ジョンソンが、カウント1-2からのスライダーが真ん中に甘く入ってきたところを左中間スタンドに価値ある2ランを放り込んだ。
Texas vs. Seattle - July 11, 2009 | MLB.com: Gameday
Johnson takes it out on Rangers | Mariners.com: News


先発のミスター・ドルフィン」こと、ウオッシュバーンは、7月8日の準完全試合に続いての連勝で、6勝目。すばらしいピッチングだった。7月8日の準完全試合がマグレなどではなく、本物の実力だったことを立証してみせた。
"I tried to get through the whole lineup the first time through without using the "Dolphin", " he said. "And I was able to do that, I didn't use it. The second time through, I started mixing in the slow breaking ball a little more and just mixing up pitches a little more."
「打者の一巡目には『ドルフィン』を使わずにすませようとしたんだけど、うまくいったね。使わずに済んだ。二巡目からは遅い変化球を少し混ぜ始めて、ちょっとずつ混ぜていったよ。」
Mariners Blog | Meet Jarrod Washburn's "secret weapon" | Seattle Times Newspaper

なにより、素晴らしかったことは、彼のERAが、3点を切りそうでなかなか切れなかったのが、この日の勝利でついに2.96と、2点台に突入したこと。
おめでとう、ウオッシュバーン。これでア・リーグのERAランキングで、6位からひとつ上がり、5位になった。3位は同僚のフェリックス。

ESPN ア・リーグ 投手ERAランキング
2009年7月11日

ESPN ア・リーグ 投手ERAランキング 2009年7月11日

ウオッシュバーン 2009全登板
Jarrod Washburn Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN

2009年7月6日、ウオッシュバーンとロブ・ジョンソンの鉄壁バッテリー、「準パーフェクトゲーム」達成!ウオッシュバーン初の「無四球試合」。9回1安打完封。


この日の彼のピッチングの最大のピンチは、5回の2死2、3塁で、打席に、イチローがかつてベタ褒めしたほどの好打者、マイケル・ヤングを迎えた場面。

2009年7月11日 5回2死2,3塁 ヤング セカンドゴロ(画像をクリックすると
拡大できます)

初球 アウトコースへの高速シンカー
(91マイル ストライク カウント0-1)

7月6日のSPIロブ・ジョンソンインタビューを読み返してもらうとわかるが、「コーチ陣の協力を元に、ウオッシュバーンはこれまでの2シームをブラッシュアップして、強力なシンカーに生まれ変わらせた」という意味の記述がある。
2009年7月6日、ロブ・ジョンソンが準完全試合を達成したウオッシュバーンの新しい魔球「ドルフィン」と、その開発にいたるコラボレーションについて大いに語った。

この初球についてウオッシュバーン自身は試合後、こう言っている。技術だけでなく、34歳のベテラン投手としての勘も、この場面で生きた。ウオッシュバーン自身は「ギャンブル」と言ってはいるが、91マイルで曲がる球など、そうそう簡単に打てるものでもない。NYYの王建民投手ばりの効果的な高速シンカーだ。
"I had a feeling he wasn't' going to be swinging first pitch. I gambled right and got ahead first pitch.
彼はなんか初球を振ってこない感じがしたんだよね。僕はまさにギャンブルして、初球を成功させた」
Johnson takes it out on Rangers | Mariners.com: News

2球目 インコースのカーブ
(74マイル ボール カウント1-1)

同じく、試合後のインタビューでウオッシュは2球目以降について、「スピードを変えて、緩急に気をつけた」と言っている。
"I tried to change speeds on him after that and was able to do that. It slowed him down a little bit."
Johnson takes it out on Rangers | Mariners.com: News

初球が外の高速シンカー91マイル(約145キロ)だったから、2球目の71マイル(約114キロ)のスローカーブは16マイル(約25キロ)ものスピードの落差があったことになる。
しかもインコース。何度も言ってきたことだが、ピンチの場面でインコースをつけるのがロブ・ジョンソンの真骨頂。外角低めに逃げてばかりいるコネ捕手さんとは違う。

この2球目のカーブが果たして「ドルフィン」だったかどうかは、インタビューでもウオッシュバーンは答えておらず、残念ながらわからない。

3球目 アウトコースの「ドルフィン」
(70マイル 空振り カウント1-2)


イルカ初球と2球目は「スピード」に差をつけたが、2球目から3球目では、こんどは「コース」に差をつけた。70マイル(約112キロ)と、2球目よりさらに遅いスローカーブ「ドルフィン」がアウトコースやや低めに決まり、マイケル・ヤングのバットが空を切って、マイケル・ヤングを追い込んだ。
このボールも、残念なことに「ドルフィン」だったかどうかはわからないのだが、野球ファンとしては、2球目か3球目のどちらかが「ドルフィン」だったことにしておきたい(笑)
シアトルタイムズのベイカーが、イルカの写真までわざわざ添えて、ヤングへの1-1からのカーブは「ドルフィン」だといっているので、3球目は「ドルフィン」だ(笑)やれやれ(笑)
Mariners Blog | Meet Jarrod Washburn's "secret weapon" | Seattle Times Newspaper

4球目 インハイの4シーム
(90マイル セカンド・ゴロ アウト)

2球目で「スピード」、3球目で「コース」に差をつけて、マイケル・ヤングを追い込んだバッテリーは、4球目に「スピード」と「コース」を同時に変えてきた。
2球目、3球目が70マイルしかないカーブだっただけに、この90マイルのストレートは、いくらマイケル・ヤングとはいえ、たぶん90マイル以上のスピードを感じたことだろう。
右の好打者ヤングが、このチャンスにインコースのボールになる球をあわてて振りにいって、しかも、ひっかけてセカンドゴロを打つのだから、よほど振り遅れていたのは間違いない。


バッテリーの完全勝利。
ビューティフル・ピッチ。

4月9日  8回自責点0 ジョンソン QS 完封勝ち 
4月15日 6回自責点2 城島(4回自責点0 怪我による交代)→ジョンソン(2回自責点2) QS 勝ち
4月21日 7回自責点2 ジョンソン QS 勝ち
4月26日 5回1/3自責点6 バーク
5月2日  7回自責点1 ジョンソン QS
5月7日  7回自責点1 ジョンソン QS
5月13日 6回自責点4 城島
5月18日 5回自責点6 城島
5月26日 6回自責点0 ジョンソン QS
6月1日  7回自責点1 ジョンソン QS
6月6日  6回自責点1 キロス QS
6月12日 6回自責点4 ジョンソン
6月19日 7回自責点2 ジョンソン QS
6月25日 6回自責点2 ジョンソン QS 勝ち
7月1日  7回自責点4 ジョンソン
7月6日  9回自責点0 ジョンソン 準完全試合QS勝ち
7月11日 7回自責点1 ジョンソン QS 勝ち

ジョンソン 88回自責点20 ERA 2.05
バーク   5回1/3自責点6  ERA 10.13
城島    15回自責点10 ERA 6.00
キロス   6回自責点1   ERA 1.50






damejima at 17:42

July 04, 2009

今シーズンすでに10勝しているナックラー、ウェイクフィールドに上位打線が手を焼いたゲームだったが、新加入のランガーハンズ2安打、ロブ・ジョンソンの3本の二塁打(球団タイ記録)3打点、セデーニョ2ラン2安打と、下位打線の奮起で競り勝った。イチローを除いた上位打線がけして安定してない打線のチームの遠征途中なだけに、こういう展開で勝ちを拾えたことは、非常に大きい。
Seattle vs. Boston - Jul
y 3, 2009 | MLB.com: Gameday


ゲーム後、ロブ・ジョンソンはMLB tonightに出演し、今日の活躍、ヘルナンデスやワカマツの采配など、さまざまな質問に上機嫌で答えた。
ロブ・ジョンソンのインタビュー(動画)
ロブ・ジョンソンの2点タイムリー二塁打(動画)

また、今日のMLBのSEAハイライトビデオには、ロブ・ジョンソン以外に、非常にいいピッチングで2イニングを抑えたジャクバスカスが登場した。
セットアッパーは非常に酷使される大変なポジションだが、メジャーではなかなか評価されにくい。それだけに、今はセットアッパーのジャクがハイライトビデオに登場するのはよほどのこと。それだけに、非常に嬉しく思うし、今後の彼がセットアッパーからさらに出世できることを願う。
このゲームでのジャクバスカスの貢献度の高さは、セットアッパーが評価されにくいメジャーでも高く評価されるくらい、意味のある活躍だった。
ジャクバスカスの2イニングの好投(動画)


コネ捕手城島が復帰してわずか7ゲームだが、それでもピッタリ「お約束のCERA2点の差」がついた。今日のゲームで強打のボストン打線に6失点して、それでこれだから、ロブ・ジョンソンと城島の失点率の差は、ボンクラなファンやライターがどんな愚痴を言おうが無駄である。この点についてはなんの驚きもない。
もっとロブ・ジョンソン先発ゲームを増やして、彼が連続してゲームに出場できるようにすれば、当然もっとシアトルの失点は減るだから、なんとももったいないことだ。

6月26日 @LAD 2-8 L 城島     9回自責8
6月27日 @LAD 5-1 W ジョンソン 9回自責0
6月28日 @LAD 4-2 W 城島    9回自責2
6月30日 @NYY 5-8 L 城島     9回自責6
7月1日  @NYY 2-4 L ジョンソン  9回自責4
7月2日  @NYY 8-4 W 城島    9回自責4
7月3日  @BOS 7-6 W ジョンソン 11回自責6

ジョンソン 2勝1敗 29回自責点10 CERA 3.10
城島    2勝2敗 36回自責点20 CERA 5.00


ヘルナンデスの全登板ゲームログ
4月6日  6回自責点1  城島 QS
4月11日 5回自責点5  城島
4月17日 6回自責点3  ジョンソン QS
4月23日 7回自責点0  ジョンソン QS 完封リレー
4月28日 8回自責点0  バーク QS
5月4日  6回自責点6  城島
5月9日  4回自責点5  城島
5月14日 7回自責点0  ジョンソン QS
5月19日 5回2/3自責点6 城島
5月24日 8回自責点1  ジョンソン QS 10三振
5月30日 6回2/3自責点0  ジョンソン QS
6月5日  7回自責点1    ジョンソン QS 10三振
6月10日 7回自責点1    バーク QS
6月16日 9回自責点0    バーク QS
6月21日 7回1/3自責点0 バーク QS
6月27日 8回自責点0    ジョンソン QS 9三振
7月3日  7回自責点3    ジョンソン QS


今日は不思議なことに、ロブ・ジョンソン先発だった。
城島2度目の復帰直前のインタビューでたしか監督ワカマツは、「正捕手は城島だが、ロブ・ジョンソンの出番も増やす」と言っていたわけだが、どういう基準で増やすつもりなのだろうか、気にはなっていた。

LAD、NYYの2シリーズでは「2戦目」でロブ・ジョンソン先発にしていたから、てっきり「3連戦では2戦目がロブ・ジョンソン」なのかと思いきや、今日のボストン戦初戦でロブ・ジョンソンだから、そういう方式ではなかった。この3シリーズを見るかぎり、ワカマツ発言の意図は、2つ可能性がある。
1)毎シリーズ、3試合のうち1試合をロブ・ジョンソンにまかす
2)ローテ5人のうち、2人をロブ・ジョンソンにまかせる(ヘルナンデスとウオッシュバーン)

このうち、可能性が高いのは後者か。
ただ復帰していた城島とのバッテリーを避けるかのようにベダードが登板回避しているから、ベダードが復帰してきたらまた変わるだろう。


今日はほかにも選手起用についてはいくつか不思議な点があった。選手の疲労を考慮したのか、選手起用の方針を一部変更したのか、それはわからないが、いちおう挙げておく。


1つめが、終盤の8回の1死2,3塁で、ロブ・ジョンソンに打席が回ってきたときに、代打を出さなかったこと。

従来のワカマツは、終盤のチャンスでジョンソンに代打を出している。6月21日アリゾナ戦ではバークに代打を出し、6月23日サンディエゴ戦ではジョンソンに代打を出した。(もちろん、ゲームを安定させる仕事をしている彼らに代打を出したからといって、成功などしていないわけだが。そもそも、シアトルに信頼度の高い代打などいない。グリフィーがいつもホームランを打てるわけでもない)
もちろんここは代打を出す必要はない。理由はある。ロブ・ジョンソンの得点圏での長打率の高さだ。それを考慮したのだとしたら、ワカマツのファインプレーだ。
打者としてのロブ・ジョンソンは不思議なバッターで、ランナーがいない場面では.171しか打率がないが、ランナーがいると.208、得点圏に走者がいると.233と打率が5分ほど上がり、特に長打率がグイっと跳ね上がる。チャンスでこそ生きる打者なのだ。
(よく「誰でもランナーズ・オンでは打率が上がる」とか根拠もなしに言う人がいる。データも見ずによくそんなことが言えるものだと、いつも感心している)
2009年6月19日、ロブ・ジョンソンは決勝3塁打でサンディエゴでのサヨナラ負けの嫌なムードを振り払った。ウオッシュバーン7回QS。
2009年6月25日、ロブ・ジョンソンは初回満塁で走者一掃の3点タイムリーを打ち、城島のRISPを大きく引き離した。ウオッシュバーン6回QSで4勝目。


2つ目は、投手の交代。

いろいろある。
もちろんヘルナンデスが8回も投げていてくれれば言うことはないわけだが、もう7回で一杯だったのだろう。だが、その後どうにもバタバタした投手交代になった。(追記 公式サイトによれば「ヘルナンデスは7回で疲労困憊だった」とのこと)

ホワイトだが、このところ信頼度は下がってきた。一時、ホワイト、アーズマの8回9回といえば、鉄壁リレーという感じがあったものだが、このところ、ひところの安定感はなくなってきているのは、ファンですら気づいている。ケリーも復帰したことだし、そろそろひと工夫が必要かもしれないと多くの人は思っただろう。

次にアーズマ。
フランコーナは9回裏にパペルボンを投入して、11回にも岡島をブルペンで投げさせて万全を期したが、ワカマツは結局アーズマを投入しなかった。
ブルペンでトレーナーを脱ぎもしなかったから、その様子を見る限り、最初から投入する予定はなかったのだろう。単に登板過多を理由に休ませたかっただけかもしれない。(追記 公式サイトによれば「アーズマは軽い腰痛と、疲労軽減のため登板回避」とのこと)


それでも、ロウが11回に1点差に迫られた場面でブルペンで誰も投げさせないというのは、どうだろう。ちょっと解せない。
真っ直ぐだけで通用する打線ならともかく、ボストン相手なだけに、あそこがロウでいいのかという意見の人もあるだろうし、ロウでいいとしても、1点差に迫られてもブルペンで誰も投げさせないというのは、ちょっとわからない。それだけ信頼していたのだ、というかもしれないが、そういう問題でもないだろう。


シアトルの投手陣のERAはア・リーグでもトップを争う優秀さなわけだが、それは過去の数字で、未来の話ではない。疲れの見えてきた投手がだいぶ出てきている。
シアトルの失点の少なさは、「被打率が低いため」ではなくて、「被長打率が低い」、つまり、あまり長打を浴びないという点にあったわけで、以前も言ったことだが、このところホームランを打たれやすくなってきている点に注意しないと、これからの疲れの出る暑い季節は乗り切ることはできない。
ジャクバスカスが安定してきてくれたことは心強いが、復帰してきたケリーはまだまだ本調子ではないことがわかった。(追記 公式サイトによれば「ケリーはもっと緊張しない場面で慣らしてから登板のはずが、厳しい場面での登板になった」とのこと)ここしばらくはブルペンに動揺があるかもしれない。ピンチで動揺することの少ないロブ・ジョンソンの必要度はさらに高まることになる。






damejima at 16:33

June 26, 2009

湿ってばかりだった打線が上位から下位までようやく火がついた。気持ちよく勝てた。これでとうとう貯金2。行ったり来たりの5割のラインをとうとう抜け出すときが来た。
San Diego vs. Seattle - June 25, 2009 | MLB.com: Gameday

今日3点タイムリーを打ったロブ・ジョンソンだが、打撃スタッツは見た目こそたいしたことないが、得点圏の打席の中身はほとんど全てにおいて城島を上回っている。
ロブ・ジョンソンの強みはチャンスで長打が打てること。得点圏でのスタッツは全てにおいてロブ・ジョンソンが城島を上回り、ロブ・ジョンソンが26打数で12打点を挙げているのに対して、城島はわずか6打点しかあげていない。

ジョンソン得点圏
26打数7安打 12打点
打率.259 2二塁打 2三塁打 5四球
出塁率.364 長打率.481


参考1)城島2009年得点圏
17打数5安打 6打点 1二塁打 1四球
打率.294 OBP.333 SLG.353
打数が少ないために打率で誤魔化されてはいけない。打てても単打で、長打率はロブ・ジョンソンに遠く及ばない。

参考2)城島2007年得点圏(8月18日まで)
105打数23安打 33打点
打率.219 OBP.265 SLG.371 OPS.636
シアトルが2位になった2007年だが、城島のバッティングは完全にチームのお荷物。優勝の行方、ポストシーズンの行方が決まる8月中旬まで、得点圏では打率が.219しかなく、出塁率、超打率とも酷い。


イチロー、先頭打者ホームランを含む4安打、スウィーニーが8回の満塁での2点タイムリーを含む4安打。肩痛を抱えながら頑張るベルトレが19本目の2塁打含む3安打。
今日の大量点の源泉は上位打線の爆発はもちろんだが、打撃の冴えなかった下位打線の頑張りが大きかった。ロブ・ジョンソンは初回の満塁で3点タイムリー。バレンティンがレフトのアッパーデッキに放り込む特大ソロ。セデーニョもスクイズバントで貢献。
今日の9得点のうち5得点を下位打線がたたき出したのだから、たいしたものだ。


9LOBとひとり元気がないのが、この日忌引から復帰したロペス。やはりゲーム勘が失われているのだろう。悲しい出来事からの帰還だが、早く元気を出してもらいたい。
イチロー先頭打者ホームラン
スウィーニーの2点タイムリー
ロブジョンソンの3点タイムリーツーベース
セデーニョのスクイズ
バレンティンのソロホーマー


イチローはあと3塁打が出ればサイクルだったが、3塁打を残したケースではなかなかサイクルヒットは達成できないので、これはいたしかたない。今年サイクルヒットにリーチがかかるのは、これで2度目だったと思うが、今年はまだまだチャンスがあると思う。


なにより今日のゲームでうれしいのは、ひさしぶりにウオッシュバーンに勝ちがついたこと。何度も何度もQSしながらなかなかラン・サポートがなく、ブルペン投手に勝ちがついてしまったりしていたから、ウオッシュバーンもうれしいだろう。ウオッシュバーンはほんとうにロブ・ジョンソンと相性がいい。
パドレスは得点圏ランナーがいる打席が12回もあったが、ロブ・ジョンソンがいつものようにのらりくらいとかわしていき、終わってみれば、ウオッシュバーン、ロブジョンソンのバッテリーはパドレスに12回の得点圏の打席で一度も得点させなかった。

ただ、残念だったのは6回に浴びた2ラン。

なぜかというと、あの時点ですでにウオッシュバーンのERA防御率は3.00台まで下がっており、あと少しでERA2点台突入を達成できそうだったからだ。
規定投球回数に達している投手でも、2点台の投手というのは滅多にいるものじゃない。アメリカンリーグで、シアトルの同僚フェリックス・ヘルナンデスを含め、7人しかいない。
MLB Baseball Pitching Statistics and League Leaders - Major League Baseball - ESPN

彼自身の勝ち負けそのものは今日の勝ちで4勝5敗だが、防御率3.22は先発として非常に立派な成績。バーランダーや、シールズ、ソーンダースといった投手たちのERAを上まわる数値なのだから、たいしたものだ。
この数字で4勝5敗なのは、まったくもってウオッシュバーンのせいではない。

いいローテ投手獲得がどんどん難しくなるこのご時勢、彼をトレードなどしないで、長くシアトルの先発陣を支えてもらいたいと思う。城島やシルバはじめ、チーム財政を圧迫して成績もどうしようもない選手たちこそ、契約の関係でトレードできなければ、ロスター枠がもったいないのだからDLでもなんでもさせるべきだ。






damejima at 10:29

June 22, 2009

ひさびさにホームに帰ってきたシアトルだが、27,319人の観客の前でなかなか波乱に溢れたゲームを見せた。ある意味、シアトルらしいといえば、らしい(苦笑)
0-3、明らかに負けゲームという感じで迎えた8回裏。ブラニヤンのソロ、代打グリフィーJr.の2ラン。そしてロブ・ジョンソンの決勝のレフト線スリーベース。8回裏までエンジンがかからない打線というのも、かかりの悪すぎるエンジンだが、勝たないよりはいい。
グリフィーは代打で出てきて初球を放り込んでしまうのだからさすが役者だが、おいしいところをもっていくばかりでなく、普段の打率はもう少しなんとかしてはもらいたい。
Arizona vs. Seattle - June 19, 2009 | MLB.com: Gameday


それにしてもウオッシュバーンはよくよくツキがない。もともとRS(Run Support)のない投手として有名ではあるが、バティスタなどに勝ち星をさらわれてしまった。
3回表、無死1、2塁からバントされて、ウオッシュバーンの送球が打者走者の背中に当たってしまい、転々とする間に1点。さらに2.3塁で内野ゴロの間に1点。
3球目のカットボールがど真ん中にいってしまい、モンテーロにホームランされた4回表の1点以外は、とられた気がしないことだろう。

実際ゲームを見ていた人はわかると思うが、3回あたりのウオッシュバーンは顔がイライラしていて、目が三角になっていた。打者走者の守備妨害ではないかと球審に詰め寄りそうになって、監督ワカマツが無言でウオッシュバーンのユニフォームをわしづかみにひっつかんで、引きずるように押し戻さなければならないくらい興奮していた。
そして、そのくらい高ぶって興奮している投手をなだめすかすのも、ロブ・ジョンソンのいいところ。
5回から7回は、違う人のようにピッチングが変わり、3イニング続けて三者凡退、3三振を奪うのだから、投手は水物である。

とにかくいえるのは、
城島のような投手よりも興奮しがちな捕手など、捕手に向いていないということだ。

4月9日  8回自責点0 ジョンソン QS 完封勝ち 
4月15日 6回自責点2 城島(4回自責点0 怪我による交代)→ジョンソン(2回自責点2) QS 勝ち
4月21日 7回自責点2 ジョンソン QS 勝ち
4月26日 5回1/3自責点6 バーク 負け
5月2日  7回自責点1 ジョンソン QS
5月7日  7回自責点1 ジョンソン QS 負け
5月13日 6回自責点4    城島
5月18日 5回自責点6    城島 負け
5月26日 6回自責点0 ジョンソン QS
6月1日  7回自責点1 ジョンソン QS
6月6日  6回自責点1 キロス QS
6月12日 6回自責点4  ジョンソン
6月19日 7回自責点2 ジョンソン QS
Jarrod Washburn Stats, News, Photos - Seattle Mariners - ESPN

ジョンソン 57回自責点13 ERA 2.05
バーク   5回1/3自責点6  ERA 10.13
城島    15回自責点10 ERA 6.00
キロス   6回自責点1 ERA 1.50


ポップフライを深追いしたベタンコートと激突したチャベスだが、その後の検査で十字靱帯断裂など重傷が判明。今シーズン絶望となってしまった。レフトをグリフィーにまかせられるわけではないし、岩村同様、たいへん心配である。来期以降の選手生命にもかかわるだけに、なんとか彼本来のプレーができる走力が戻るといいのだが。

ただ不幸中の幸いというか、ロペスの代役で出てきたウッドワードがなかなかいい攻守をみせた。
シアトルは一度ロスターを決めてしまうとなかなか変えないという悪癖があるために城島やセクソンといったチームの不良債権をいつまでも先発させて、最下位になってもそれをやめない。
怪我だらけのスタメンを喜ぶわけではないが、怪我もひとつのチーム改造の機会とポジティブに考えるのは悪いことではないはず。
若い選手にもチャンスを与え輝きを放つように育てるのが、再建チーム本来の仕事でもあるし、ダメな選手はどんどん落としていくべきだ。






damejima at 20:26

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